説明

電子装置、ゲームプログラム

【課題】敵オブジェクトから発射される攻撃を回避する別の手法を与え、よりゲーム性を向上させる。
【解決手段】携帯電話機1は、ゲーム実行部10dにより、プレーヤにより操作される自機オブジェクトと、攻撃用のショットを発射させる敵オブジェクトをゲーム画面に表示させる。ゲーム実行部10dは、敵オブジェクトから発射されるショットのゲーム画面中における位置を算出して表示し、このショットが規定時間内に自機オブジェクトと接触(ヒット)している場合にはボーナス加算し、規定時間経過後に自機オブジェクトと接触している場合には自機オブジェクトを破壊するように処理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレーヤにより操作される第1オブジェクトと、飛しょうオブジェクトを発射させる第2オブジェクトをゲーム画面に表示させる電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、プレーヤにより操作される自機オブジェクトと、自機オブジェクトに対してショット(敵弾、ビーム、レーザなど)を発射して攻撃をする敵オブジェクトとをゲーム画面に表示させた各種のビデオゲームが存在している。この種のシューティングゲームでは、ゲーム空間内に存在する敵オブジェクト(飛行機、キャラクタ(インベーダ)、動物、人など)から発射されるショット(攻撃)を、プレーヤ操作によって自オブジェクト移動させて避けながら、敵オブジェクトに攻撃を加えて撃破していくといった内容のものが多い。
【0003】
通常、敵オブジェクトを撃破することにより得点が加算されていき、最終的に獲得された得点によって優劣を競うことができる。また、敵オブジェクトからのショットが自オブジェクトに接触した(ミス)回数が規定回数になってしまうとゲーム終了となる。
【0004】
従来では、得点を競う上で、他のプレーヤよりも高得点を獲得することができるようにしたゲームが考えられている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載されたゲームでは、敵が発射した弾を、いかにぎりぎりで避けたかによって得点が上がるもので、敵オブジェクトが放出した敵弾の数が多いほど高得点が獲得できるようにしたものである。
【特許文献1】特開2005−095447号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように従来のシューティングゲームでは、単純に敵オブジェクトを攻撃することで得点を獲得するだけでなく、敵オブジェクトからのより多くの弾を避けながら敵を倒すことによって高得点を獲得できるようにすることで、ゲーム展開をより楽しむことができるようにしている。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されたゲームにおいても、敵オブジェクトから発射されるショット(攻撃)と接触しないように自オブジェクトを操作する点において何ら従来のシューティングゲームと変わりなく、敵オブジェクトからの攻撃を回避する別の手法を提供して、よりプレーヤがゲームを楽しめるようにすることが求められていた。
【0007】
また、従来のシューティングゲームでは、敵オブジェクトから発射される敵弾が高速の場合には、敵オブジェクトの近くに自オブジェクトがあると、敵弾が発射されると敵弾を視認する前に接触したものと検出されてしまいミスとなってしまう。この場合、プレーヤは、なぜミスとなったか把握しにくく、ゲームに対して不条理な印象を持ってしまうおそれがあった。
【0008】
本発明は前述した事情に考慮してなされたもので、その目的は、敵オブジェクトから発射される攻撃を回避する別の手法を与え、よりゲーム性を向上させることが可能な電子装置、ゲームプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、プレーヤにより操作される第1オブジェクトと、飛しょうオブジェクトを発射させる第2オブジェクトをゲーム画面に表示させる電子装置において、前記第2オブジェクトから発射される飛しょうオブジェクトの前記ゲーム画面中における位置を算出して表示を制御する位置制御手段と、前記位置制御手段によって制御される前記飛しょうオブジェクトが前記第1オブジェクトに接触しているか判定する判定手段と、前記判定手段によって予め設定された規定時間内に前記飛しょうオブジェクトが前記第1オブジェクトに接触していると判定された第1の状態と、前記規定時間経過後に前記飛しょうオブジェクトが前記第1オブジェクトに接触していると判定された第2の状態の何れかに応じて処理を切り替える切替手段と、前記切替手段による切り替えに応じた処理を実行する処理手段とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、敵オブジェクトから発射される攻撃を回避する別の手法を与え、よりゲーム性を向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
本実施の形態においては、電子装置として携帯電話機1を例にして説明するが、その他の電子装置、例えばアミューズメントセンタなどに設置される業務用ゲーム装置、家庭用(設置型、携帯型)のゲーム機、パーソナルコンピュータ、カーナビゲーションシステムなど、プロセッサによりプログラムを実行するものであれば何れにおいても実現可能である。
【0012】
図1は、本実施形態における携帯電話機1の機能構成を示すブロック図である。図1に示すように、携帯電話機1は、電話網やインターネットなどを含むネットワーク2を介して、他のモバイル端末3との通信(音声通話やデータ通信)、あるいは各種コンテンツを提供するサーバ4との通信が可能である。サーバ4は、携帯電話機1において実行可能なゲームプログラムをダウンロードするサービスを提供しているものとする。
【0013】
図1に示すように、携帯電話機1には、制御部10、表示部11、入力部12、サウンド部13、カメラ部14、通信部15、ROM16、RAM17、メモリデバイス着脱ユニット18、メモリデバイス着脱ユニット18に装着されるメモリデバイス19、及びバイブレータ20が設けられている。
【0014】
制御部10は、携帯電話機1全体の制御を司るもので、プロセッサやメモリ等を含む。制御部10は、プロセッサによりROM16及びRAM17に記憶されたプログラムを実行することにより各種機能を実現する。制御部10により実現される機能には、電話機能部10a、Web機能部10b(ダウンロード部10c)、ゲーム実行部10dが含まれる。
【0015】
電話機能部10aは、音声通話のための通信を制御する。
【0016】
Web機能部10bは、ネットワーク2(インターネット)を通じて、Webページにアクセスするための制御を行う。Web機能部10bは、例えば、サーバ4が公開しているWebページを通じて、ダウンロード部10cによってゲームプログラムなどをダウンロードすることができる。
【0017】
ゲーム実行部10dは、RAM17に記憶されたゲームプログラム17aを実行することで実現される。ゲーム実行部10dは、ゲームプログラム17aに従い、入力部12を通じて入力される、プレーヤのキー操作に応じた指示に応じてゲームを進行させる。ゲーム実行部10dは、ゲーム画面において表示される敵オブジェクトや自機オブジェクトの制御や、敵オブジェクトや自機オブジェクトから発射される攻撃用のショット(飛しょうオブジェクト)の制御、ショットの命中(ヒット)判定(ショット判定処理)、ヒット判定の結果に応じた各種処理などを実行する。
【0018】
表示部11は、制御部10の制御のもとで、ディスプレイにおいて映像、静止画像、テキストなどを表示させる。
【0019】
入力部12は、プレーヤからの入力操作を受け付けるもので、複数のキーが設けられている。複数のキーには、電話としての機能を実行するための数字キー、発呼キー、切断キーなどの他、上下左右方向を指示するための十字キー、選択実行を指示するためのするための決定キー、各種機能に対応する機能キーなどが含まれる。
【0020】
サウンド部13は、制御部10の制御のもとで音声を出力させる。サウンド部13は、入力部12により受け付けられた操作に応じた操作音の他、ゲーム実行時における楽曲データ(BGMデータ)の再生や効果音などの音を出力する。
【0021】
カメラ部14は、制御部10の制御のもとで、プレーヤ操作に応じて静止画像あるいは動画像を撮影する。
【0022】
通信部15は、制御部10の制御のもとで、ネットワーク2を通じて、モバイル端末3やサーバ4との通信を制御する。
【0023】
ROM16は、携帯電話機1に予め搭載された基本機能(音声通話等)を制御するためのプログラムやデータが記憶されている。
【0024】
RAM17は、通信部15によりダウンロードされたプログラムや各種データ、あるいはメモリデバイス着脱ユニット18を通じてメモリデバイス19から読み出されたプログラムやデータなどが記憶される。本実施形態では、サーバ4からダウンロードされたゲームプログラム17aなどが記憶される。
【0025】
メモリデバイス着脱ユニット18は、メモリデバイス19を着脱させるためのユニットであり、制御部10によるメモリデバイス19に対するデータの読み書きを仲介する。メモリデバイス19は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)5によって記録されたゲームプログラムやデータを読み込む場合に利用される。
【0026】
バイブレータ20は、制御部10の制御のもとで、着呼時やゲームプログラムの実行時に振動を発生させる。ゲームプログラムの実行時には、例えば敵オブジェクトからの攻撃が自機オブジェクトに接触(ヒット)した場合などにおいて、ゲーム演出のために動作される。
【0027】
図2は、本実施形態における携帯電話機1の外観構成を示す図である。
図2に示す携帯電話機1は、折り畳み型に構成されたもので、本体ユニット30とディスプレイユニット31とがヒンジ機構によって連結されている。ヒンジ機構は、本体ユニット30にディスプレイユニット31を重ね合わせた閉状態から、ディスプレイユニット31を離間させた開状態となるように回動可能としている。図2は、ゲームを実行する場合における、ディスプレイユニット31をヒンジ機構によって開いた(本体ユニット30と重ね合わされていない)開状態を示している。
【0028】
本体ユニット30は、主要な構成部品が収納されるもので、図2に示すように、本体ユニット30のユニット表面には決定キー32、十字キー33、数字キー、発呼キー、切断キーなどの電話としての機能を実行するための複数のキーの他、各種機能が割り当てられる複数の機能キー37が設けられている。
【0029】
ゲーム実行時には、決定キー32は、自機オブジェクト41からのショット(攻撃)を指示するために用いられる。十字キー33は、自機オブジェクト41のゲーム画面中における移動方向を指示するために用いられる。また、「*」キーはサウンド切替キー34、「0」キーはオートショット切替キー35、「#」キーはバイブ切替キー36としての機能がそれぞれ割り当てられている。サウンド切替キー34、オートショット切替キー35、バイブ切替キー36は、それぞれの機能のオン/オフを指示するために用いられる。機能キー37は、ディスプレイに表示されたソフトキーの選択に用いられる。ソフトキーは、制御部10(ゲーム実行部10d)の制御によって、ゲームの状況に応じて表示される。例えば、メニュー表示用のソフトキーを表示している時に機能キー37が操作(押下)されると、ゲーム実行部10dは、ディスプレイにおいてメニューを表示させる。
【0030】
次に、本実施形態における携帯電話機1において実行されるゲームの動作について説明する。
図3、図4、及び図5は、本実施形態におけるゲーム実行時のゲーム画面の一例を示す図である。本実施形態の携帯電話機1(ゲームプログラム17a)により実行されるゲームは、複数のゲームステージが用意されており、プレーヤがゲームプレイによって獲得したスコアに応じて、順次、難易度が高くなるように異なるステージに移行していく。
【0031】
図3に示すステージのゲーム画面では、複数の敵オブジェクト40(第2オブジェクト)が配置されており、例えば左右方向に移動しながら、次第に下方に移動するように制御される。敵オブジェクト40は、自機オブジェクト41(第1オブジェクト)が配置された下方向に、ランダムに攻撃用のショット(飛しょうオブジェクト)を発射させる。なお、攻撃用のショットを表す飛しょうオブジェクトとしては、ゲーム空間中におけるビーム、敵弾、レーザ、ミサイルなど、様々な形態のものを含む。
【0032】
自機オブジェクト41は、図3に示すステージでは、ゲーム画面下部において、プレーヤの十字キー33の左右キーに対する操作に応じて左右方向に移動するように制御される。また、自機オブジェクト41は、オートショット切替キー35によりオートショットがオンにされた場合、または決定キー32によってショットが指示された場合に、敵オブジェクト40の方向(上方向)に攻撃用のショット(飛しょうオブジェクト)を発射させる。オートショットがオンされている場合には、プレーヤ操作がなくても自機オブジェクト41から連続してショットを発射させる(継続的に攻撃する)。決定キー32が押下された場合には、その都度、自機オブジェクト41からショットを発射させる。このショットが敵オブジェクト40に命中(ヒット)した場合には、スコアが加算される。プレーヤは、敵オブジェクト40からの攻撃を避けるように自機オブジェクト41の位置を移動させながら、敵オブジェクト40に対して攻撃を加えることでスコアアップを図る。
【0033】
図4は、図3に示すステージからステージアップされた例を示している。図4に示すステージでは、敵オブジェクト40の種類が変化して、敵オブジェクト40かの攻撃の量が増大している。また、自機オブジェクト41のタイプも変更され、攻撃力(ショットを発射できる数)が増大されている。
【0034】
図5は、図4に示すステージからさらにステージアップされた例を示している。図5に示すステージでは、敵オブジェクト40がランダムに配列されており、また形状が大きく異なる敵オブジェクト40も含まれている。図5に示すステージでは、自機オブジェクト41が左右方向だけでなく、十字キー33の上下キーに対する操作に応じて上下方向にも移動するように制御される。
【0035】
なお、ゲーム画面中には、プレーヤが獲得したスコア、プレーヤが保有している自機の残存数(ゲーム終了となるまでの敵オブジェクト40からの攻撃を許容できる回数)、チェイン数(連続して敵オブジェクト40を撃墜(ヒット)した回数)などが表示されている。
【0036】
次に、本実施形態のゲームにおけるショット判定処理について、図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。
ここでは、図5に示すステージでゲームが実行されているものとする。すなわち、自機オブジェクト41は、十字キー33に対する操作によって、ゲーム画面中において上下左右方向の任意の方向に移動させることができる。従って、ゲーム画面に表示された複数の敵オブジェクト40に対して、自機オブジェクト41を近づけたり、あるいは離したりすることができる。
【0037】
ゲーム実行部10dは、敵オブジェクト40から任意のタイミングでショットを発射させる。ゲーム実行部10dは、敵オブジェクト40からショットを発射させると(ステップA1、Yes)、このショットの敵オブジェクト40から発射された後の位置を算出して、その位置にショット(飛しょう体オブジェクト)を表示させる。
【0038】
なお、ゲーム実行部10dは、敵オブジェクト40から発射されたショットを表示する際、後述する規定時間内では例えば半透明で表示し、規定時間(後述する)が経過した後には半透明を解除して実体化されていることを表すように表示する。すなわち、半透明化された状態のショットでは、これに接触(ヒット)されたとしても自機オブジェクト41が破壊されないことを表示上で表現する。
【0039】
ゲーム実行部10dは、例えばディスプレイにゲーム画面を表示する場合に、フレーム(例えば1フレーム1/15秒)毎に各オブジェクト(ショットを含む)の位置を算出し、その位置に応じてオブジェクトの表示位置を変更する制御を実行している。
【0040】
ゲーム実行部10dは、ショットが自機オブジェクト41に接触しているか、すなわち攻撃が命中(ヒット)しているかを判定する。ここで、接触していない(命中していない)と判定された場合(ステップA4、No)、ゲーム実行部10dは、予め設定された規定時間が経過していなければ(ステップA6、No)、同様にして、フレーム毎にショットの位置を更新しながら、敵オブジェクト40にショットが接触しているかを判定する。なお、規定時間としては、例えば4フレームが予め設定されているものとする。
【0041】
規定時間内に敵オブジェクト40からのショットが自機オブジェクト41に接触したと判定された場合、ゲーム実行部10dは、特別な状況、すなわち「名古屋撃ち」が成立したものとして、「名古屋撃ち」発生回数をゲーム画面中に表示させると共に(ステップA4)、スコアにボーナス加算(例えば758点)する(ステップA5)。
【0042】
図7は、「名古屋撃ち」が成立している状況を表すゲーム画面の例である。図7に示すように、敵オブジェクト40から発射されたショット42は、規定時間43(4フレーム)が経過するまでに所定の距離を移動している。ここで、プレーヤが十字キー33に対する操作をすることにより、敵オブジェクト40から発射されたショット42が規定時間内に通過する位置に自機オブジェクト41を移動させておくことで「名古屋撃ち」を成立させることができる。図8は、「名古屋撃ち」発生回数44がゲーム画面中に表示された例を示している。
【0043】
一方、規定時間内では自機オブジェクト41にショットが接触しなかった場合には(ステップA6、Yes)、ゲーム実行部10dは、引き続きフレーム毎にショットの位置を更新しながら(ステップA7)、ショットが自機オブジェクト41に接触しているかを判定する(ステップA8)。ゲーム実行部10dは、ショット42が限界範囲に到達して消滅するまで、自機オブジェクト41に命中しているかを判定している(ステップA11)。
【0044】
ゲーム実行部10dは、ショットが消滅する前に自機オブジェクト41と接触したと判定された場合には(ステップA8、Yes)、自機オブジェクト41が攻撃によって破壊されたことを表す画面を表示させると共に(ステップA9)、残存数を減らす処理を実行する(ステップA10)。
【0045】
このように、ゲーム実行部10dは、敵オブジェクト40から発射されたショット42が、規定時間内に自機オブジェクト41に接触(命中)した状態(第1状態)と、規定時間経過後に自機オブジェクト41に接触した状態(第2状態)の何れであるかを判定し(ステップA3,A8)、この判定結果に応じて処理を切り替えている。すなわち、第1の状態であれば、ボーナス加算の処理を実行し、第2の状態では、敵オブジェクト40からの攻撃を受けたものとして残存数を減らす処理を実行している。
【0046】
従って、プレーヤは、単に敵オブジェクト40からの攻撃を回避しながら、敵オブジェクト40に対して攻撃を加えることでスコア加算を図るだけでなく、ショットを発射しようとする敵オブジェクト40に近づいて、ショットが発射されてから規定時間内に接触(ヒット)されるようにすることでボーナス加算を獲得することができる。
【0047】
本実施形態におけるゲームでは、プレーヤに対してリスキーな行為を冒すスリルと達成感を与え、プレーヤにとってのストレス要因を同時に快楽要因として認識させることができるので、より高いゲーム性を提供することができる。
【0048】
また、敵オブジェクト40から発射されたショットに対しては規定時間結果するまでは接触(ヒット)されたとしても自機オブジェクト41が破壊されないので、敵オブジェクト40の近距離に自機オブジェクト41が位置している時に、ショットを視認することなく破壊されることが回避される。すなわち、これまでにない敵オブジェクト40から発射される攻撃を回避する別の手法を与えることで、プレーヤが不条理と認識するようなミスを発生させないので、ゲームに対して悪印象を持たれないようにできる。
【0049】
なお、前述した説明では、敵オブジェクト40から発射されたショット42を表示させる場合に、発射されてから規定時間内にある場合には半透明によって表示し、規定時間結果後には実体化した形態で表示させるとしているが、規定時間内と規定時間経過後で表示形態が異なれば、その他の機表示形態を用いることも勿論可能である。
【0050】
また、前述した説明では、敵オブジェクト40から発射されるショットの速度について詳細に説明していないが、例えば、敵オブジェクト40の種類によってショットの速度が異なるようにしても良い(同じ種類の敵オブジェクト40が異なる速度の複数種のショットを発射しても良い)。この場合、フレーム毎にショットの位置を計算した結果、速度が速いショットの場合には、規定時間内に移動する距離が長く、また速度が遅いショットの場合には、規定時間内に移動する距離がそれより短くなる。すなわち、自機オブジェクト41を単純に敵オブジェクト40に対して所定距離まで近づけるだけでは、必ずしも「名古屋撃ち」が成立しないため、敵オブジェクト40とショットを発射するタイミングを見極めて自機オブジェクト41を必要な位置まで移動させる必要がある。従って、高得点を獲得するためには、より複雑な対応が要求されることになるためゲーム性の向上が図られる。
【0051】
なお、前述した説明では、プレーヤによって制御される自機オブジェクト41によって、コンピュータにより制御される敵オブジェクト40と戦うゲームを例にして説明しているが、本発明は、コンピュータによって制御されるオブジェクト同士、あるいは2人以上のプレーヤによって個々に制御される複数のオブジェクト同士で対戦するゲームにおいて適用することも可能である。すなわち、複数のオブジェクトが相互に発射されるショットに対して、発射されてから規定時間(例えば4フレーム)が経過するまでに接触したか否かを判定して、ボーナス加算あるいはショットの命中(自機破壊)を決定する。
【0052】
また、前述した説明では、敵オブジェクト40から発射されるショットを対象として説明しているが、敵オブジェクト40以外のゲーム画面中に表示される各種のオブジェクトから発射される飛しょうオブジェクトを対象とすることができる。例えば、敵味方に関係のないオブジェクトや味方オブジェクトから発射される飛しょうオブジェクトを対象としても良い。
【0053】
また、前述した説明では、規定時間内に敵オブジェクト40から発射されたショット42に自機オブジェクト41が接触(ヒット)した場合にはボーナス加算する処理を実行し、規定時間経過後に接触した場合には、自機オブジェクト41を破壊させる表示処理を実行しているが、その他の処理を実行するようしても良い。
【0054】
また、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0055】
また、実施形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることができるプログラム(ソフトウエア手段)として、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD、MO等)、半導体メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)等の記録媒体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、コンピュータに実行させるソフトウエア手段(実行プログラムのみならずテーブルやデータ構造も含む)をコンピュータ内に構成させる設定プログラムをも含む。本装置を実現するコンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、また場合により設定プログラムによりソフトウエア手段を構築し、このソフトウエア手段によって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。なお、本明細書でいう記録媒体は、頒布用に限らず、コンピュータ内部あるいはネットワークを介して接続される機器に設けられた磁気ディスクや半導体メモリ等の記憶媒体を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本実施形態における携帯電話機1の機能構成を示すブロック図。
【図2】本実施形態における携帯電話機1の外観構成を示す図。
【図3】本実施形態におけるゲーム実行時のゲーム画面の一例を示す図。
【図4】本実施形態におけるゲーム実行時のゲーム画面の一例を示す図。
【図5】本実施形態におけるゲーム実行時のゲーム画面の一例を示す図。
【図6】本実施形態のゲームにおけるショット判定処理について示すフローチャート。
【図7】「名古屋撃ち」が成立している状況を表すゲーム画面の例を示す図。
【図8】「名古屋撃ち」発生回数44がゲーム画面中に表示された例を示す図。
【符号の説明】
【0057】
1…携帯電話機、2…ネットワーク、3…モバイル端末、4…サーバ、5…PC、10…制御部、10a…電話機能部、10b…Web機能部、10c…ダウンロード部、10d…ゲーム実行部、11…表示部、12…入力部、13…サウンド部、14…カメラ部、15…通信部、16…ROM、17…RAM、17a…ゲームプログラム、18…メモリデバイス着脱ユニット、19…メモリデバイス、20…バイブレータ、30…本体ユニット、31…ディスプレイユニット、32…決定キー、33…十字キー、34…サウンド切替キー、35…オートショット切替キー、36…バイブ切替キー、40…敵オブジェクト、41…自機オブジェクト、42…ショット、43…規定時間、44…発生回数表示。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレーヤにより操作される第1オブジェクトと、飛しょうオブジェクトを発射させる第2オブジェクトをゲーム画面に表示させる電子装置において、
前記第2オブジェクトから発射される飛しょうオブジェクトの前記ゲーム画面中における位置を算出して表示を制御する表示制御手段と、
前記位置制御手段によって制御される前記飛しょうオブジェクトが前記第1オブジェクトに接触しているか判定する判定手段と、
前記判定手段によって予め設定された規定時間内に前記飛しょうオブジェクトが前記第1オブジェクトに接触していると判定された第1の状態と、前記規定時間経過後に前記飛しょうオブジェクトが前記第1オブジェクトに接触していると判定された第2の状態の何れかに応じて処理を切り替える切替手段と、
前記切替手段による切り替えに応じた処理を実行する処理手段と
を具備したことを特徴とする電子装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記規定時間内と前記規定時間経過後とにおいて、前記飛しょうオブジェクトの表示形態を異なるようにすることを特徴とする請求項1記載の電子装置。
【請求項3】
前記処理手段は、前記第1の状態に対して得点の加算処理を実行し、前記第2の状態に対して前記第1オブジェクトを前記ゲーム画面において破壊する表示処理を実行することを特徴とする請求項1または請求項2記載の電子装置。
【請求項4】
プレーヤにより操作される第1オブジェクトと、飛しょうオブジェクトを発射させる第2オブジェクトをゲーム画面に表示させるコンピュータを、
前記敵キャラクタから発射される飛しょうオブジェクトの前記ゲーム画面中における位置を算出して表示を制御する位置制御手段と、
前記位置制御手段によって制御される前記飛しょうオブジェクトが前記第1オブジェクトに接触しているか判定する判定手段と、
前記判定手段によって予め設定された規定時間内に前記飛しょうオブジェクトが前記第1オブジェクトに接触していると判定された第1の状態と、前記規定時間経過後に前記飛しょうオブジェクトが前記第1オブジェクトに接触していると判定された第2の状態の何れかに応じて処理を切り替える切替手段と、
前記切替手段による切り替えに応じた処理を実行する処理手段として機能させるためのゲームプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−142264(P2010−142264A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−319454(P2008−319454)
【出願日】平成20年12月16日(2008.12.16)
【出願人】(310009993)株式会社タイトー (207)
【Fターム(参考)】