説明

電子装置、ゲームプログラム

【課題】使用時のゲーム状況によって敵オブジェクトに対する影響力が変化する攻撃が可能なゲームを実行する。
【解決手段】携帯電話機1は、ゲーム実行部10dによって、ゲーム画面中を移動する複数の敵オブジェクトや敵オブジェクトから発射された敵弾、またプレーヤ操作に応じて動作する自機オブジェクト41を制御する。ゲーム実行部10dは、プレーヤ操作に応じて自機オブジェクトからショットを発射させた後、ゲーム画面中においてショット42の位置から所定サイズのブラックホール領域を発生させ、このブラックホール領域44に含まれる敵弾43の数に基づいて、敵オブジェクト40に対する攻撃処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレーヤの操作に応じて自機オブジェクトからショットを発射させて敵オブジェクトに対して攻撃を加えるゲームを実行する電子装置、ゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、プレーヤにより操作される自機オブジェクトと、コンピュータにより制御される敵オブジェクトとをゲーム画面に表示させ、相互に攻撃を行う各種のビデオゲームが存在している。この種のシューティングゲームでは、プレーヤ操作による攻撃指示に応じて、自機オブジェクトからショット(敵弾、ビーム、レーザなど)を発射させて、ゲーム空間内に存在する敵オブジェクト(飛行機、キャラクタ(インベーダ)、動物、人など)に対して攻撃する。
【0003】
通常、自機オブジェクトからの攻撃は、プレーヤによるボタン操作(押下)に応じてショットを発射させたり、あるいはボタンが押し続けられる(またはオートショットの設定の)場合に連続的にショットを発射させたりすることができる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1に記載されたゲーム装置では、プレーヤがシューティングボタンを押すと、移動体(自機オブジェクト)からショットが発射され、ショットの位置や方向が予め決められた演算式に基づいて算出される。そして、標的の位置と方向に基づいて、ショットが標的にヒットしたか否かを判断し、ヒットした場合には、標的を破壊する爆発エフェクト処理などを実行する。
【特許文献1】特開2000−107452号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように従来のゲーム装置では、プレーヤ操作に応じて自機オブジェクトからショットを発射させて、敵オブジェクトに対して攻撃を与える。基本的には、自機オブジェクトから発射されたショットは直線的に移動するように制御され、標的に命中したか否かが判定されている。そして、ショットが標的(敵)にヒットしたと判定された場合の標的に与えるダメージ量は一定となっていた。
【0006】
このため従来では、ゲーム中において常に同じ攻撃しかできず、プレーヤ操作によってショットの種類を変更するといった操作を行うことなく、ゲーム状況に合わせて標的に与えるダメージを変化させるといった戦略性のある対応ができなかった。
【0007】
本発明は前述した事情に考慮してなされたもので、その目的は、使用時のゲーム状況によって敵オブジェクトに対する影響力が変化する攻撃が可能なゲームを実行する電子装置、ゲームプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ゲーム画面中を移動する複数の第1オブジェクトを制御する第1オブジェクト制御手段と、前記ゲーム画面中に表示されるプレーヤ操作に応じて動作する第2オブジェクトを制御する第2オブジェクト制御手段と、プレーヤ操作に応じて前記第2オブジェクトから第3オブジェクトを発射させた後、前記ゲーム画面中において前記第3オブジェクトの位置から所定サイズの領域を発生させる第3オブジェクト制御手段と、前記第3オブジェクト制御手段によって発生された領域に含まれる前記第1オブジェクトの数に基づいて、前記第1オブジェクトに対する攻撃処理を実行する攻撃処理手段とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、使用時のゲーム状況によって敵オブジェクトに対する影響力が変化する攻撃が可能なゲームを実行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
本実施の形態においては、電子装置として携帯電話機1を例にして説明するが、その他の電子装置、例えばアミューズメントセンタなどに設置される業務用ゲーム装置、家庭用(設置型、携帯型)のゲーム機、パーソナルコンピュータ、カーナビゲーションシステムなど、プロセッサによりプログラムを実行するものであれば何れにおいても実現可能である。
【0011】
図1は、本実施形態における携帯電話機1の機能構成を示すブロック図である。図1に示すように、携帯電話機1は、電話網やインターネットなどを含むネットワーク2を介して、他のモバイル端末3との通信(音声通話やデータ通信)、あるいは各種コンテンツを提供するサーバ4との通信が可能である。サーバ4は、携帯電話機1において実行可能なゲームプログラムをダウンロードするサービスを提供しているものとする。
【0012】
図1に示すように、携帯電話機1には、制御部10、表示部11、入力部12、サウンド部13、カメラ部14、通信部15、ROM16、RAM17、メモリデバイス着脱ユニット18、メモリデバイス着脱ユニット18に装着されるメモリデバイス19、及びバイブレータ20が設けられている。
【0013】
制御部10は、携帯電話機1全体の制御を司るもので、プロセッサ(CPU)やメモリ等を含む。制御部10は、プロセッサによりROM16及びRAM17に記憶されたプログラムを実行することにより各種機能を実現する。制御部10により実現される機能には、電話機能部10a、Web機能部10b(ダウンロード部10c)、ゲーム実行部10dが含まれる。
【0014】
電話機能部10aは、音声通話のための通信を制御する。
【0015】
Web機能部10bは、ネットワーク2(インターネット)を通じて、Webページにアクセスするための制御を行う。Web機能部10bは、例えば、サーバ4が公開しているWebページを通じて、ダウンロード部10cによってゲームプログラムなどをダウンロードすることができる。
【0016】
ゲーム実行部10dは、RAM17に記憶されたゲームプログラム17aを実行することで実現される。ゲーム実行部10dは、ゲームプログラム17aに従い、入力部12を通じて入力される、プレーヤのキー操作に応じた指示に応じてゲームを進行させる。ゲーム実行部10dは、ゲーム画面において表示される敵オブジェクトや自機オブジェクトの制御や、敵オブジェクトや自機オブジェクトから発射される攻撃用のショット(飛しょうオブジェクト)の制御(ショット制御処理)、ショットの命中(ヒット)判定処理、ヒット判定の結果に応じた各種処理などを実行する。
【0017】
表示部11は、制御部10の制御のもとで、ディスプレイにおいて映像、静止画像、テキストなどを表示させる。
【0018】
入力部12は、プレーヤからの入力操作を受け付けるもので、複数のキーが設けられている。複数のキーには、電話としての機能を実行するための数字キー、発呼キー、切断キーなどの他、上下左右方向を指示するための十字キー、選択実行を指示するためのするための決定キー、各種機能に対応する機能キーなどが含まれる。
【0019】
サウンド部13は、制御部10の制御のもとで音声を出力させる。サウンド部13は、入力部12により受け付けられた操作に応じた操作音の他、ゲーム実行時における楽曲データ(BGMデータ)の再生や効果音などの音を出力する。
【0020】
カメラ部14は、制御部10の制御のもとで、プレーヤ操作に応じて静止画像あるいは動画像を撮影する。
【0021】
通信部15は、制御部10の制御のもとで、ネットワーク2を通じて、モバイル端末3やサーバ4との通信を制御する。
【0022】
ROM16は、携帯電話機1に予め搭載された基本機能(音声通話等)を制御するためのプログラムやデータが記憶されている。
【0023】
RAM17は、通信部15によりダウンロードされたプログラムや各種データ、あるいはメモリデバイス着脱ユニット18を通じてメモリデバイス19から読み出されたプログラムやデータなどが記憶される。本実施形態では、サーバ4からダウンロードされたゲームプログラム17aなどが記憶される。
【0024】
メモリデバイス着脱ユニット18は、メモリデバイス19を着脱させるためのユニットであり、制御部10によるメモリデバイス19に対するデータの読み書きを仲介する。メモリデバイス19は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)5によって記録されたゲームプログラムやデータを読み込む場合に利用される。
【0025】
バイブレータ20は、制御部10の制御のもとで、着呼時やゲームプログラムの実行時に振動を発生させる。ゲームプログラムの実行時には、例えば敵オブジェクトからの攻撃が自機オブジェクトに接触(ヒット)した場合などにおいて、ゲーム演出のために動作される。
【0026】
図2は、本実施形態における携帯電話機1の外観構成を示す図である。
図2に示す携帯電話機1は、折り畳み型に構成されたもので、本体ユニット30とディスプレイユニット31とがヒンジ機構によって連結されている。ヒンジ機構は、本体ユニット30にディスプレイユニット31を重ね合わせた閉状態から、ディスプレイユニット31を離間させた開状態となるように回動可能としている。図2は、ゲームを実行する場合における、ディスプレイユニット31をヒンジ機構によって開いた(本体ユニット30と重ね合わされていない)開状態を示している。
【0027】
本体ユニット30は、主要な構成部品が収納されるもので、図2に示すように、本体ユニット30のユニット表面には決定キー32、十字キー33、数字キー、発呼キー、切断キーなどの電話としての機能を実行するための複数のキーの他、各種機能が割り当てられる複数の機能キー37が設けられている。
【0028】
ゲーム実行時には、決定キー32は、自機オブジェクト41からのショット(攻撃)を指示するために用いられる。十字キー33は、自機オブジェクト41のゲーム画面中における移動方向を指示するために用いられる。また、「*」キーはサウンド切替キー34、「0」キーはオートショット切替キー35、「#」キーはバイブ切替キー36としての機能がそれぞれ割り当てられている。サウンド切替キー34、オートショット切替キー35、バイブ切替キー36は、それぞれの機能のオン/オフを指示するために用いられる。機能キー37は、ディスプレイに表示されたソフトキーの選択に用いられる。ソフトキーは、制御部10(ゲーム実行部10d)の制御によって、ゲームの状況に応じて表示される。例えば、メニュー表示用のソフトキーを表示している時に機能キー37が操作(押下)されると、ゲーム実行部10dは、ディスプレイにおいてメニューを表示させる。
【0029】
次に、本実施形態における携帯電話機1において実行されるゲームの動作について説明する。
図3、図4、及び図5は、本実施形態におけるゲーム実行時のゲーム画面の一例を示す図である。本実施形態の携帯電話機1(ゲームプログラム17a)により実行されるゲームは、複数のゲームステージが用意されており、プレーヤがゲームプレイによって獲得したスコアに応じて、順次、難易度が高くなるように異なるステージに移行していく。
【0030】
図3に示すステージのゲーム画面では、複数の敵オブジェクト40が配置されており、例えば左右方向に移動しながら、次第に下方に移動するように制御される。敵オブジェクト40は、自機オブジェクト41が配置された下方向に、ランダムに攻撃用のショット(飛しょうオブジェクト)を発射させる。なお、攻撃用のショットを表す飛しょうオブジェクトとしては、ゲーム空間中におけるビーム、敵弾、レーザ、ミサイルなど、様々な形態のものを含む。
【0031】
自機オブジェクト41(第2オブジェクト)は、図3に示すステージでは、ゲーム画面下部において、プレーヤの十字キー33の左右キーに対する操作に応じて左右方向に移動するように制御される。また、自機オブジェクト41は、オートショット切替キー35によりオートショットがオンにされた場合、または決定キー32の押下によってショットが指示された場合に、敵オブジェクト40の方向(上方向)に攻撃用のショット42(第3オブジェクト)を発射させる。オートショットがオンされている場合には、プレーヤ操作がなくても自機オブジェクト41から連続してショット42を発射させる(継続的に攻撃する)。決定キー32が押下された場合には、その都度、自機オブジェクト41からショットを発射させる。このショットが敵オブジェクト40に命中(ヒット)した場合には、スコアが加算される。プレーヤは、敵オブジェクト40からの攻撃を避けるように自機オブジェクト41の位置を移動させながら、敵オブジェクト40に対して攻撃を加えることでスコアアップを図る。
【0032】
図4は、図3に示すステージからステージアップされた例を示している。図4に示すステージでは、敵オブジェクト40の種類が変化して、敵オブジェクト40かの攻撃の量が増大している。また、自機オブジェクト41のタイプも変更され、攻撃力(ショットを発射できる数)が増大されている。
【0033】
図5は、図4に示すステージからさらにステージアップされた例を示している。図5に示すステージでは、敵オブジェクト40がランダムに配列されており、また形状が大きく異なる敵オブジェクト40も含まれている。図5に示すステージでは、自機オブジェクト41が左右方向だけでなく、十字キー33の上下キーに対する操作に応じて上下方向にも移動するように制御される。
【0034】
なお、ゲーム画面中には、プレーヤが獲得したスコア、プレーヤが保有している自機の残存数(ゲーム終了となるまでの敵オブジェクト40からの攻撃を許容できる回数)、チェイン数(連続して敵オブジェクト40を撃墜(ヒット)した回数)などが表示されている。
【0035】
次に、本実施形態のゲームにおけるショット制御処理について、図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。
本実施形態におけるゲームにおいては、自機オブジェクト41から発射可能なショット42の種類が複数用意されており、例えばステージが進行するに従って任意の種類を選択することができる。ここでは、敵オブジェクト40に命中すると所定の領域(以下に説明するブラックホール領域44)を発生し、この領域の周囲に存在する敵弾を吸収して、敵弾数に応じた攻撃力により敵オブジェクト40に対してダメージを与えることができるショット42が選択されているものとする。以下、このショット42に対するゲーム実行部10dによるショット制御処理について説明する。
【0036】
また、ゲーム実行部10dは、自機オブジェクト41に対してゲーム進行に応じた評価値を管理する機能を有しているものとする。例えば、ゲーム実行部10dは、ゲームステージが上がる、ゲーム中にアイテムを獲得する、スコアが規定値に到達するなどの条件をもとに、自機オブジェクト41に対する評価値を算出してRAM17に記憶して管理するものとする。以下、この評価値を自機オブジェクト41のパワー値として説明するものとする。ショット制御処理では、ショット42を発射させる場合に、その時点におけるパワー値をもとにショット42の制御を行う。
【0037】
ここでは、図3に示すステージでゲームが実行されているものとする。ゲーム実行部10dは、決定キー32の押下によってショットの発射が指示された場合(ステップA1、Yes)、ショット42の位置を算出してゲーム画面中に表示させる(ステップA2)。
【0038】
図7には、自機オブジェクト41からショット42が発射された状態のゲーム画面を示している。図7(a)に示すように、ゲーム画面中には、複数の敵側の複数のオブジェクト(第1オブジェクト)として、敵オブジェクト40(40a,40a)と、敵オブジェクト40から発射された複数の敵弾43が表示されている。
【0039】
ゲーム実行部10dは、ショット42の位置を例えばフレーム毎に算出し、その位置が敵オブジェクト40が表示されている領域と接触しているか否かを判別することにより命中(ヒット)判定を行う。
【0040】
ここでショット42が敵オブジェクト40に命中していないと判定された場合には(ステップA3、No)、ゲーム実行部10dは、移動限界まで到達することでショット42が消滅しなければ(ステップA4、No)、前述と同様にしてショット42の位置を算出して、ゲーム画面中における位置を変更する(ステップA2)。
【0041】
一方、ショット42が敵オブジェクト40に命中したと判定された場合(ステップA3、Yes)、ゲーム実行部10dは、ショット42が命中した敵オブジェクト40(あるいはショット42)を中心にして、現在のパワー値に応じたサイズのブラックホール領域44を発生させる(ステップA5)。
【0042】
図7(b)には、ショット42が敵オブジェクト40aに命中したことにより、敵オブジェクト40aの位置を中心にしてブラックホール領域44が発生された状態のゲーム画面を示している。ブラックホール領域44は、発生された瞬間において、例えば現在のパワー値に応じて決定される最大サイズで表示されるものとする。図7に示す例では、ブラックホール領域44は、円形となっているが、その他の形状によって表されるようにしても良い(幾何学的な形状でなくても良い)。
【0043】
ゲーム実行部10dは、ブラックホール領域44に存在する敵オブジェクト40を検出する(ステップA6)。すなわち、ゲーム実行部10dは、ショット42が命中した敵オブジェクト40aだけでなく、ブラックホール領域44に存在するその他の敵オブジェクト40bについても攻撃の対象として検出する。図7(b)に示す例では、ショット42が命中した敵オブジェクト40aの他、3つの敵オブジェクト40bが存在している。
【0044】
また、ゲーム実行部10dは、ブラックホール領域44の周辺に存在する敵弾43を検出する。例えば、ゲーム実行部10dは、ゲーム画面中に明示して表示するブラックホール領域44の周辺に、敵弾43を検出するための領域(敵弾判定領域)を設定する。敵弾判定領域は、例えばブラックホール領域44と相似形(ここでは円形)とし、ブラックホール領域44から規定分広い領域が設定されるものとする。
【0045】
ここで、敵弾判定領域内に存在する敵弾43がなかった場合には、ゲーム実行部10dは、予め設定された規定時間が経過した後に(ステップA14)、ショット42が命中した敵オブジェクト40に対する攻撃処理を実行する。ブラックホール領域44を用いた攻撃では、攻撃の基本値が予め設定されており、この基本値をもとにして敵オブジェクト40に対する敵ダメージ演算を実行すると共に、敵オブジェクト40に対する爆発演出表示を行う(ステップA12)。また、ゲーム実行部10dは、敵オブジェクト40にショット42が命中したことによりスコアを加算する。
【0046】
敵ダメージ演算では、例えば敵オブジェクト40に対して予め設定されているパワー値から攻撃の基本値を減算することにより行う。この敵ダメージ演算によってパワー値が「0」になった場合に、爆発演出表示と共にゲーム画面から敵オブジェクト40を消滅させる。なお、敵オブジェクト40が特別な種類(ボスキャラ等)のもので、多くのパワー値を有している場合、敵ダメージ演算によってパワー値が「0」とならなければ、敵オブジェクト40を消滅させないものとする。
【0047】
その後、ゲーム実行部10dは、所定時間をかけてブラックホール領域44を徐々に縮小させていき消滅させる(ステップA13)。
【0048】
一方、ゲーム実行部10dは、敵弾判定領域内に敵弾43を検出できた場合には(ステップA8、Yes)、検出された各敵弾43をブラックホール領域44の中心に対して、左回りのらせん状の軌跡を描きながら近づくように表示制御する。すなわち、ゲーム実行部10dは、フレーム毎に、左回りのらせん状の軌跡を描きながら近づく位置を各敵弾43について算出しながら、各敵弾43の位置を書き換えていく。また、ゲーム実行部10dは、ブラックホール領域44について、周囲に存在するものを吸引していることを表す吸引力表示を行う。例えば、ブラックホール領域44の内部に複数の円を描画して、中心に向かって繰り返して縮小表示させる。
【0049】
ゲーム実行部10dは、予め設定された規定時間が経過するまで(ステップA10、No)、敵弾43がブラックホール領域44に吸引される処理を継続して行う(ステップA9)。
【0050】
ゲーム実行部10dは、規定時間が終了すると(ステップA10、Yes)、ブラックホール領域44に到達した敵弾43の数に応じた攻撃力を算出する(ステップA11)。例えば、1個の敵弾43について設定された攻撃力に、吸収された敵弾数を乗算し、予め設定された基本値に加算する。すなわち、ブラックホール領域44を発生させて、より多くの敵弾43を吸収させることによって、ショット42により敵オブジェクト40に対して与えられるダメージを増大させることができる。なお、敵弾判定領域内に存在する全ての敵弾43を吸引するのではなく、規定時間内にブラックホール領域44に到達したものだけを吸収したものと見なす。
【0051】
また、前述した規定時間は、自機オブジェクト41に対して管理されているパワー値に応じて変更するようにしても良い。例えば、パワー値が大きい程、規定時間を長くすることにより、より多くの敵弾43が吸収されやすくする。これにより、自機オブジェクト41のパワー値が大きいほど攻撃力を増大させ易くなる。
【0052】
ゲーム実行部10dは、ショット42が命中した敵オブジェクト40に対する攻撃処理において、敵弾数に応じて算出された攻撃力をもとにして敵オブジェクト40に対する敵ダメージ演算を実行すると共に、敵オブジェクト40に対する爆発演出表示を行う(ステップA12)。また、ゲーム実行部10dは、敵オブジェクト40にショット42が命中したことによりスコアを加算する。ここでは、攻撃力の大きさに応じたスコアが加算されるようにしても良い。
【0053】
ブラックホール領域44を用いた攻撃をすることにより、通常の基本値による攻撃より大きなダメージを敵オブジェクト40に対して与えられるため、敵オブジェクト40が特別な種類(ボスキャラ等)のもので多くのパワー値を有していたとしても、敵ダメージ演算によってパワー値を「0」にして消滅させることも可能となる。
【0054】
その後、ゲーム実行部10dは、所定時間をかけてブラックホール領域44を徐々に縮小させていき消滅させる(ステップA13)。
【0055】
このようにして、本実施形態におけるショット制御処理では、自機オブジェクト41から発射されるショット42の種類を切り替えるといった操作をすることなく、ショット42が敵オブジェクト40に命中した場合にブラックホール領域44を発生させて、周囲に存在する敵弾43を吸収させることで攻撃力を増大させることができる。従って、ゲーム状況に合わせて敵オブジェクト40に与えるダメージを変化させるといった戦略性のある対応が可能となる。例えば、強力な敵オブジェクト40に対して攻撃を与える場合には、この敵オブジェクト40の周囲に敵弾43が多く存在している時を見計らってショット42を発射させることで、この敵オブジェクト40に対して大きなダメージを与えることが可能となる。
【0056】
なお、前述した説明では、ショット42が敵オブジェクト40に命中した場合に、ブラックホール領域44を発生させるものとして説明しているが、敵オブジェクト40以外の他のオブジェクトにショット42が命中した場合や、他のオブジェクトに命中することなくゲーム空間中の任意の位置で爆発された場合などに、その位置においてブラックホール領域44を発生させるようにしても良い。
【0057】
また、前述した説明では、ブラックホール領域44の領域内及び周囲に存在する敵弾43を吸収し、敵弾数に応じて攻撃力を算出しているが、単純に敵弾数だけでなく、敵弾の種類や、ブラックホール領域44によって破壊された敵オブジェクト40aの数や種類などを含めて攻撃力を算出して、ゲームに反映させることも可能である。
【0058】
また、図7を用いた説明では、自機オブジェクト41から1つのショット42を発射された場合について説明しているが、1ゲーム画面において複数回ショット42を発射して、複数箇所においてブラックホール領域44を発生させることも可能である。この場合、自機オブジェクト41について管理されているパワー値(評価値)に応じて、ブラックホール領域44を発生可能な個数を制限するようにしても良い。例えば、パワー値が不足している状態では、ショット42を発射できないようにしたり、敵オブジェクト40に命中したとしても、明秀した敵オブジェクト40に対してのみ通常の攻撃処理が実行されてブラックホール領域44が発生されないようにすることができる。
【0059】
また、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0060】
また、実施形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることができるプログラム(ソフトウエア手段)として、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD、MO等)、半導体メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)等の記録媒体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、コンピュータに実行させるソフトウエア手段(実行プログラムのみならずテーブルやデータ構造も含む)をコンピュータ内に構成させる設定プログラムをも含む。本装置を実現するコンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、また場合により設定プログラムによりソフトウエア手段を構築し、このソフトウエア手段によって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。なお、本明細書でいう記録媒体は、頒布用に限らず、コンピュータ内部あるいはネットワークを介して接続される機器に設けられた磁気ディスクや半導体メモリ等の記憶媒体を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本実施形態における携帯電話機1の機能構成を示すブロック図。
【図2】本実施形態における携帯電話機1の外観構成を示す図。
【図3】本実施形態におけるゲーム実行時のゲーム画面の一例を示す図。
【図4】本実施形態におけるゲーム実行時のゲーム画面の一例を示す図。
【図5】本実施形態におけるゲーム実行時のゲーム画面の一例を示す図。
【図6】本実施形態のゲームにおけるショット制御処理について示すフローチャート。
【図7】本実施形態におけるショット42を発射させた時のゲーム画面の一例を示す図。
【符号の説明】
【0062】
1…携帯電話機、2…ネットワーク、3…モバイル端末、4…サーバ、5…PC、10…制御部、10a…電話機能部、10b…Web機能部、10c…ダウンロード部、10d…ゲーム実行部、11…表示部、12…入力部、13…サウンド部、14…カメラ部、15…通信部、16…ROM、17…RAM、17a…ゲームプログラム、18…メモリデバイス着脱ユニット、19…メモリデバイス、20…バイブレータ、30…本体ユニット、31…ディスプレイユニット、32…決定キー、33…十字キー、34…サウンド切替キー、35…オートショット切替キー、36…バイブ切替キー、40(40a,40b)…敵オブジェクト、41…自機オブジェクト、42…ショット、43…敵弾、44…ブラックホール領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム画面中を移動する複数の第1オブジェクトを制御する第1オブジェクト制御手段と、
前記ゲーム画面中に表示されるプレーヤ操作に応じて動作する第2オブジェクトを制御する第2オブジェクト制御手段と、
プレーヤ操作に応じて前記第2オブジェクトから第3オブジェクトを発射させた後、前記ゲーム画面中において前記第3オブジェクトの位置から所定サイズの領域を発生させる第3オブジェクト制御手段と、
前記第3オブジェクト制御手段によって発生された領域に含まれる前記第1オブジェクトの数に基づいて、前記第1オブジェクトに対する攻撃処理を実行する攻撃処理手段と
を具備したことを特徴とする電子装置。
【請求項2】
前記第1オブジェクトには、敵オブジェクトと前記敵オブジェクトから発射される敵弾オブジェクトとを含み、
前記攻撃処理手段は、前記領域の周囲に存在する前記敵弾オブジェクトの数に応じて攻撃力を算出し、前記攻撃力をもとに前記敵オブジェクトに対する攻撃処理を実行するコメント特徴とする請求項1記載の電子装置。
【請求項3】
前記第3オブジェクト制御手段は、前記第3オブジェクトが前記敵オブジェクトに命中した場合に前記領域を発生させることを特徴とする請求項2記載の電子装置。
【請求項4】
前記第2オブジェクトに対してゲーム進行に応じた評価値を管理する評価値管理手段をさらに具備し、
前記第3オブジェクト制御手段は、前記評価値管理手段により管理された評価値に応じたサイズの領域を発生させることを特徴とする請求項1記載の電子装置。
【請求項5】
コンピュータを、
ゲーム画面中を移動する複数の第1オブジェクトを制御する第1オブジェクト制御手段と、
前記ゲーム画面中に表示されるプレーヤ操作に応じて動作する第2オブジェクトを制御する第2オブジェクト制御手段と、
プレーヤ操作に応じて前記第2オブジェクトから第3オブジェクトを発射させた後、前記ゲーム画面中において前記第3オブジェクトの位置から所定サイズの領域を発生させる第3オブジェクト制御手段と、
前記第3オブジェクト制御手段によって発生された領域に含まれる前記第1オブジェクトの数に基づいて、前記第1オブジェクトに対する攻撃処理を実行する攻撃処理手段として機能させるためのゲームプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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