電子装置、電子回路基板ユニット
【課題】効率良くコンデンサの劣化を判定することが可能な電子装置、及び電子回路基板ユニットを提供すること。
【解決手段】直流電力供給手段から負荷に直流電力を供給する電力供給経路に並列接続された一以上のコンデンサであって、検出手段による電流又は電圧の検出が行われる第1のコンデンサと、当該電力供給経路に並列接続された一以上のコンデンサであって、検出手段による電流又は電圧の検出が行われない第2のコンデンサと、検出手段による検出結果、又は検出結果の想定値からの増加量が閾値を上回った場合に、前記第2のコンデンサが劣化したことを示す信号を出力する劣化判定手段と、を備える電子装置。
【解決手段】直流電力供給手段から負荷に直流電力を供給する電力供給経路に並列接続された一以上のコンデンサであって、検出手段による電流又は電圧の検出が行われる第1のコンデンサと、当該電力供給経路に並列接続された一以上のコンデンサであって、検出手段による電流又は電圧の検出が行われない第2のコンデンサと、検出手段による検出結果、又は検出結果の想定値からの増加量が閾値を上回った場合に、前記第2のコンデンサが劣化したことを示す信号を出力する劣化判定手段と、を備える電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のコンデンサが電力供給経路に並列に接続された電子装置、及び電子回路基板ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンピュータ等の電子装置において、商用電源が変換された直流や、バッテリー等から供給される直流が主電源として用いられている。こうした電子装置では、電力供給経路に、コンデンサ(キャパシタ)を並列接続し、能動回路の電力消費の変動に起因する供給電圧変動を抑制することが行われている。
【0003】
このような用途には、電解コンデンサやセラミックコンデンサ等が用いられることが多いが、これらのコンデンサは、電子装置に使用される他の電子部品に比較して、温度上昇などの過酷な使用条件に対して短命化となる傾向が強い。このため、コンデンサの劣化は、電子装置の故障原因の大半を占めるものとなっている。
【0004】
従って、何らかの手法によってコンデンサの劣化を検知することが望まれる。しかしながら、コンデンサの劣化を外見から判定することは困難であり、その使用される周囲環境条件、使用される回路の電気的条件等により寿命が大きく変わるため、使用時間等の情報からコンデンサの劣化を予測するのもまた困難である。
【0005】
このような課題に関連し、直流電流を供給する電力供給経路に取り付けられたコンデンサや蓄電池の状態を監視する手段を備える交流電源装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、コンデンサや蓄電池に対応して取り付けられたリップル電流測定手段によりリップル電流値を測定し、これらのリップル電流値からそれぞれの劣化状態を把握している。
【0006】
また、交流電力を平滑する平滑部に具備されるコンデンサの劣化診断を行う電源装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。この装置では、通常時には、全てのコンデンサが活線に電気的に接続され、劣化診断時には、対象コンデンサと活線の電気的接続が切り離される。これによって、全てのコンデンサが同時に活線から切り離されないように制御している。
【0007】
活線との電気的接続が切り離されたコンデンサは放電を開始し、その電圧低下分が所定値以上となるまでの放電時間が計測される。各コンデンサには、放電制御用の抵抗が取り付けられている。そして、この放電時間が短くなるとコンデンサの容量が小さくなったと判断されるため、計測された放電時間が正常範囲、交換推奨範囲、劣化範囲のいずれに収まるかによってコンデンサの状態を判定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平9−121471号公報
【特許文献2】国際公開第2008/016040号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記従来の従来の装置のように、劣化を判定する対象となるコンデンサ(及び蓄電池)の全てに測定用の抵抗等を取り付けて出力電流や電圧変化を監視すると、コストや重量が増大するという問題が生じる。
【0010】
一方、特許文献2には、直接的に監視を行わない非監視対象コンデンサの存在について記載されている。すなわち、コンデンサの劣化特性から、例えば容量低下が20%となる時期が一致するような非監視対象コンデンサと監視対象コンデンサを選定する。そして、監視対象コンデンサが劣化して容量低下が20%に達したときに、非監視対象コンデンサも同様に劣化したと推定する。しかしながら、前述のようにコンデンサの劣化の進み具合は使用環境によって、製造当初に想定されている特性から乖離したものとなることが多いため、このような推定では正確性を欠く場合がある。
【0011】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、効率良くコンデンサの劣化を判定することが可能な電子装置、及び電子回路基板ユニットを提供することを、主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するための第1の態様は、
直流電力によって動作する負荷と、
該負荷に直流電力を供給する直流電力供給手段と、
該直流電力供給手段から負荷への電力供給経路に並列接続された一以上のコンデンサであって、検出手段による電流又は電圧の検出が行われる第1のコンデンサと、
前記電力供給経路に並列接続された一以上のコンデンサであって、検出手段による電流又は電圧の検出が行われない第2のコンデンサと、
前記検出手段による検出結果、又は該検出結果の想定値からの増加量が閾値を上回った場合に、前記第2のコンデンサが劣化したことを示す信号を出力する劣化判定手段と、
を備える電子装置である。
【0013】
上記目的を達成するための第2の態様は、
負荷に直流電力を供給する電力供給経路に並列接続された一以上のコンデンサであって、検出手段による電流又は電圧の検出が行われる第1のコンデンサと、
前記電力供給経路に並列接続された一以上のコンデンサであって、検出手段による電流又は電圧の検出が行われない第2のコンデンサと、
前記検出手段による検出結果、又は該検出結果の想定値からの増加量が閾値を上回った場合に、前記第2のコンデンサが劣化したことを示す信号を出力する劣化判定手段と、
を備える電子回路基板ユニットである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、効率良くコンデンサの劣化を判定することが可能な電子装置、及び電子回路基板ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施例に係る電子装置1の機能ブロック図である。
【図2】第1実施例に係るPSU10の回路構成例である。
【図3】第1実施例に係る直流電源回路30の機能ブロック図である。
【図4】第1実施例に係る直流電源回路30の機能ブロック図に、より詳細な抵抗配置を追加した図である。
【図5】直流電源回路30がメインボード80に搭載された様子を示す図である。
【図6】直流電源回路30の各構成要素がメインボード80の導電板80A、80Bに接続される様子を示す分解斜視図である。
【図7】PSU10の出力電圧の変動に応じて、各コンデンサが充電及び放電を行う様子を模式的に示す図である。
【図8】コンデンサ40#3が劣化した場合に、コンデンサ40#2、及びコンデンサ40#4からの電流が増加する様子を模式的に示す図である。
【図9】第1実施例に係る電子装置1により実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】コンデンサの劣化検出時における表示画面の一例である。
【図11】第2実施例に係る直流電源回路30がメインボード80に搭載された様子を示す図である。
【図12】コンデンサの劣化と、電流の増加が大きいコンデンサとの対応関係を示す図である。
【図13】直流電源回路の機能ブロック図の他の例である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しながら実施例を挙げて説明する。
【実施例】
【0017】
<第1実施例>
以下、図面を参照し、本発明の第1実施例に係る電子装置1について説明する。本発明の第1実施例に係る電子装置1は、例えばパーソナルコンピュータやサーバ等の情報処理装置である。また、これに限らず、ゲーム機、プリンター・コピー等のOA機器等に適用されてもよい。
【0018】
[全体構成]
図1は、本発明の第1実施例に係る電子装置1の機能ブロック図である。図示するように、電子装置1は、PSU(Power Supply Unit)10と、直流電源回路30と、負荷70と、を備える。PSU10は、電子装置1の本体に内蔵されてもよいし、周辺機器であるACアダプタに内蔵されてもよい。
【0019】
負荷70は、メインボード80上に搭載されたCPU(Central Processing Unit)82、RAM(Random Access Memory)等のメモリ84、I/O制御回路86、ディスプレイ制御回路88を含む。また、負荷70は、HDD(Hard Disk Drive)90やODD(Optical Disk Drive)92等の補助記憶装置、ディスプレイ94等の入出力装置を含んでもよい。
【0020】
メインボード80上には、上記CPU82等の他、直流電源回路30が搭載されている。なお、直流電源回路30は、負荷70のうち消費電力変動の大きい特定の負荷に近接して取り付けられると好適であり、係る「特定の負荷」が複数個存在する場合、複数の直流電源回路30が存在してもよい。また、直流電源回路30を介さずに、直接PSU10から電力供給を受ける負荷が存在しても構わない。
【0021】
[PSU]
図2は、第1実施例に係るPSU10の回路構成例である。図示するように、PSU10は、例えば、トランス15を有する絶縁型フォワードコンバータである。
【0022】
PSU10は、トランス15に関する一次側の構成要素として、入力端子11A、11Bと、整流回路12と、平滑コンデンサ13と、スイッチング素子14と、を備える。また、直流電源回路10は、二次側の構成要素として、ダイオード16と、インダクタ17と、平滑コンデンサ18と、フリーホイールダイオード19と、電圧検出部20と、パルス幅変換部22と、を備える。
【0023】
入力端子11A、11Bは、例えばコンセント等の交流電源に接続されるプラグである。交流電源から入力端子11A、11Bを介して入力される交流電力は、整流回路12に入力される。整流回路12は、4個のダイオードがブリッジ状に接続されたダイオードブリッジ回路であり、交流電源から入力される交流電力を全波整流して出力する。平滑コンデンサ13は、整流回路12により全波整流された電力を平滑化する。平滑コンデンサ13の両端子間には、トランス15の一次巻線15A、及びスイッチング素子14が直列に接続されている。スイッチング素子14は、例えば、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field-Effect Transistor)である。スイッチング素子14は、パルス幅変換部22からパルス状のゲート電圧が印加されることによってオン/オフが行われ、PWM(Pulse Width Modulation)駆動される。
【0024】
トランス15の二次巻線15Bの一方の端部15Baは、ダイオード16、及びインダクタ17を介して出力端子24Aに接続される。トランス15の二次巻線15Bの他方の端部15Bbは、出力端子24Bに接続される。平滑コンデンサ18は、出力端子24Aと出力端子24Bを接続する。フリーホイールダイオード19のカソードはダイオード16とインダクタ17の間に接続され、アノードは出力端子22Bに接続される。
【0025】
フリーホイールダイオード19は、スイッチング素子14がオフにされ、インダクタ17に蓄えられたエネルギーが放出される際の電流経路となる。フリーホイールダイオード19は、例えば、ショットキーダイオードであり、通常のシリコンダイオード、或いはFET等を用いてもよい。
【0026】
電圧検出部20は、出力端子24Aと出力端子24Bの間の電圧を検出する。パルス幅変換部22は、電圧検出部20により検出された電圧が目標値に近づくように、スイッチング素子14に印加する電圧信号のデューティを決定する。すなわち、パルス幅変換部22は、負荷70の消費電力が大きくなって出力電圧が低下した場合にはスイッチング素子14に印加する電圧信号のデューティを増加させ、逆の場合にはデューティを低下させる。より具体的には、検出電圧と目標電圧の差を増幅し、その出力を三角波などの発振器とコンパレータで比較する事で、PWM信号を生成する。
【0027】
係る制御によって安定化電源を実現することができる。また、インダクタ17や平滑コンデンサ18の働きによって出力電圧の脈動(脈流)が抑制され、フラットに近い電圧を、直流電源回路30を介して負荷70に供給することができる。
【0028】
[直流電源回路]
図3は、第1実施例に係る直流電源回路30の機能ブロック図である。図示するように、直流電源回路30は、コンデンサ(又はキャパシタ;以下省略)40#1、40#2、40#3、40#4、40#5と、抵抗R1、R2、R3、R4、R5と、電流検出部50と、比較処理部60と、を備える。比較処理部60には、各コンデンサの劣化判定に必要な情報(各種閾値等)を記憶したレジスタ62が接続されている。抵抗R1〜R5は、例えばチップ抵抗等である。
【0029】
抵抗R1はコンデンサ40#1の例えばプラス側端子に直列に取り付けられる。同様に、抵抗R2はコンデンサ40#2に、抵抗R3はコンデンサ40#3に、抵抗R4はコンデンサ40#4に、抵抗R5はコンデンサ40#5に、それぞれ取り付けられる。
【0030】
電流検出部50は、抵抗R2、R4、R5の両端電圧を検出することにより、コンデンサ40#2、40#4、40#5から流れる電流を検出する。電流検出部50は、例えば電圧センサ、A/Dコンバータ、乗算器等を内蔵し、検出した電圧値に抵抗値を乗じた値を比較処理部60に出力する(電圧値そのものを出力しても構わない)。
【0031】
なお、抵抗R1、R3については、電流検出には用いられないが、他のコンデンサとの間でインピーダンス条件を揃えるために取り付けられている。
【0032】
図3は、PSU10から各コンデンサに至る経路の抵抗(ルート抵抗r)と、負荷70*と各コンデンサの距離に比例した抵抗r1、r2、r3、r4、r5を加味すると、図4のようになる。図4は、第1実施例に係る直流電源回路30の機能ブロック図に、より詳細な抵抗配置を追加した図である。
【0033】
以下、図4で示す抵抗が生じる構造について説明する。図5は、直流電源回路30がメインボード80に搭載された様子を示す図である。また、図6は、直流電源回路30の各構成要素がメインボード80の導電板80A、80Bに接続される様子を示す分解斜視図である。なお、これらの図において、負荷70のうち、直流電源回路30が近接する特定の負荷を、負荷70*と表記する。
【0034】
図6に示すように、メインボード80は、絶縁体で形成された基板表面80Cと、PSU10の出力端子24A、24Bにそれぞれ接続された板状の導電体80A、80Bと、が表面側から順に積層された構造となっている。導電体80A、80Bは、例えば銅(Cu)箔であり、アルミニウム(Al)や金(Au)等を用いてもよい。なお、係る積層構造は一例であり、メインボード80は、信号送受信のための導電体層等が更に追加された多層構造の基板であってもよい。各導電体の間は、樹脂等で絶縁されている。
【0035】
負荷70*の電力端子70*A、70*Bは、それぞれ導電板80A、80Bに接続される。すなわち、端子70*Aは、基板表面80Cのスルーホールを貫通して導電板80Aに接続され、端子70*Bは、基板表面80C及び導電体80Aのスルーホールを貫通して導電体80Bに接続される。これらの端子が貫通した間隙には、エポキシ樹脂等が注入される。
【0036】
同様に、コンデンサ40#4の一方の端子40#4Aは、抵抗R4を介し、基板表面80Cのスルーホールを貫通して導電体80Aに接続され、他方の端子40#4Bは、基板表面80C及び導電体80Aのスルーホールを貫通して導電体80Bに接続される。コンデンサ40#5の一方の端子40#5Aは、抵抗R5を介し、基板表面80Cのスルーホールを貫通して導電体80Aに接続され、他方の端子40#5Bは、基板表面80C及び導電体80Aのスルーホールを貫通して導電体80Bに接続される。他のコンデンサについても同様である。
【0037】
係る構造によって、導電体80A、80Bにおける端子間の距離に比例した抵抗が、r1、r2、r3、r4、r5として現れる。図5に示すように、本実施例では、r1とr5が比較的大きく、r2、r3、r4が比較的小さいものとする。
【0038】
ところで、前述のように、PSU10の平滑コンデンサ18、及び直流電源回路30の各コンデンサは、PSU10の出力電圧の脈流に応じて充電と放電を繰り返し行うことによって、負荷70への供給電圧を平滑する。図7は、PSU10の出力電圧の変動に応じて、各コンデンサが充電及び放電を行う様子を模式的に示す図である。
【0039】
図7に「リップル」と表記した出力電圧の変動は、負荷の電力消費が小さい状態では小さいものであり、出力電圧はほぼフラットなものとなるが、負荷の電力消費が大きくなると次第に大きくなり、電流検出部50による検出が容易となる。本実施例では、以下に説明するように、負荷の電力消費が大きくなる所定期間においてリップルの大きさを検出することによって、直流電源回路30の各コンデンサの劣化を判定する。なお、「所定期間」は、後述するように、電子装置1の起動時における特定の期間とすると好適である。
【0040】
[劣化判定]
図3に示したように、電流検出部50は、コンデンサ40#2、40#4、40#5から流れる電流を検出している。以下、これらを電流検出コンデンサと称することとする。また、直接的に電流が検出されないコンデンサ40#1、40#3を、電流非検出コンデンサと称する。
【0041】
比較処理部60は、電流検出コンデンサについては、所定期間における出力電流が閾値を下回ったときに(或いは、出力電流の想定値からの減少分が閾値を上回ったときに)、該当するコンデンサが劣化したことを示す所定の信号を出力する。
【0042】
一方、比較処理部60は、電流非検出検出コンデンサについては、所定期間における電流検出コンデンサのうち少なくとも一部の出力電流が閾値を上回ったときに、電流非検出コンデンサが劣化したことを示す所定の信号を出力する。この場合も、「出力電流が閾値を上回ったときに」を「出力電流の想定値からの増加分が閾値を上回ったときに」と置換してよい。想定値は、製品の出荷時に予め定められた値であってもよいし、過去の平均値であってもよい。
【0043】
また、電流検出コンデンサの劣化判定に係る閾値と、電流非検出コンデンサの劣化判定に係る閾値は、異なる値を用いてよい。
【0044】
次式(1)〜(5)は、ある期間においてコンデンサ40#1〜40#5から負荷70*に流れる電流の合計をIC*とした場合に、各コンデンサから流れる電流の理論値を示す図である。式中、I1はコンデンサ40#1から流れる電流を、I2はコンデンサ40#2から流れる電流を、I3はコンデンサ40#3から流れる電流を、I4はコンデンサ40#4から流れる電流を、I5はコンデンサ40#5から流れる電流を示す。
【0045】
【数1】
【0046】
例えば、コンデンサ40#1が劣化すると、r1が増加した状態とみなすことができる。この結果、r1〜r5のうち値が小さいものに該当するコンデンサの電流増加が大きく現れることになる。図4の例では、r2、r3、r4が比較的小さいため、コンデンサ40#2、40#3、40#4の電流増加が大きくなる。
【0047】
また、コンデンサ40#3が劣化すると、r3が増加した状態とみなすことができる。この結果、r1〜r5のうち値が小さいものに対応するコンデンサの電流増加が大きく現れることになる。図4の例では、r2、r4が比較的小さいため、コンデンサ40#2、40#4の電流増加が大きくなる。
【0048】
従って、比較処理部60は、I2又はI4の増加量が閾値を上回った場合に、コンデンサ40#1とコンデンサ40#3のいずれかが劣化したと判定する。図8は、コンデンサ40#3が劣化した場合に、コンデンサ40#2、及びコンデンサ40#4からの電流が増加する様子を模式的に示す図である。
【0049】
[処理フロー]
以下、情報処理装置としての電子装置1の処理の流れについて説明する。図9は、第1実施例に係る電子装置1により実行される処理の流れを示すフローチャートである。本フローは、電子装置1の起動時(電源オン時、再起動時等)に開始される。
【0050】
まず、電子装置1のCPU82は、BIOS(Basic Input/Output System)処理として、ハードウエアの初期化を行う(S100)。
【0051】
次に、電子装置1のCPU82は、BIOS処理として、コンデンサの電流測定を指示する(S102)。
【0052】
そして、比較処理部60の出力に基づいて、コンデンサの劣化判定を行う(S104)。
【0053】
いずれかのコンデンサが劣化したと判定された場合は、コンデンサの劣化を検出した旨をディスプレイ94に表示する(S106)。図10は、コンデンサの劣化検出時における表示画面の一例である。
【0054】
コンデンサの劣化を検出した旨をディスプレイ94に表示すると、強制起動の指示待ち状態に遷移し(S108)、所定時間以内に強制起動の指示がなされたか否かを判定する(S110)。所定時間以内に強制起動の指示がなされなかった場合は、エラー終了する。所定時間以内に強制起動の指示がなされた場合は、OS(Operating System)の起動処理を行い(S112)、正常起動を行う。
【0055】
一方、S104において、コンデンサが劣化していないと判定された場合は、OSの起動処理を行い(S112)、正常起動を行う。
【0056】
[まとめ]
以上説明した本実施例の電子装置1によれば、電流非検出コンデンサの劣化判定を、電流検出コンデンサの電流増加量に基づいて行うため、全てのコンデンサの電流を検出することなく各コンデンサの劣化判定を正確に行うことができる。この結果、コストや重量の増加を抑制しつつ、コンデンサの劣化判定を正確に行うことができる。すなわち、コンデンサの劣化判定を効率良く行うことができる。
【0057】
なお、本実施例における直流電源回路30とメインボード80を合わせたものが、特許請求の範囲における「電子回路基板ユニット」の一例である。
【0058】
<第2実施例>
以下、図面を参照し、本発明の第2実施例に係る電子装置2について説明する。本発明の第2実施例に係る電子装置2は、第1実施例と同様、パーソナルコンピュータやサーバ等の情報処理装置、ゲーム機、プリンター・コピー等のOA機器等に適用される。
【0059】
[全体構成]、及び直流電源回路30の基本的機能、図8に示したフロー、劣化検出時の表示画面等については、第1実施例と同様であるため説明を省略し、ここでは第1実施例との相違点を中心に説明する。
【0060】
図11は、第2実施例に係る直流電源回路30がメインボード80に搭載された様子を示す図である。図示するように、本実施例では、複数の負荷70(ここでは、負荷70*、70**とする)に近接してコンデンサ40#1〜40#5が取り付けられている。
【0061】
電流検出コンデンサについては、第1実施例と同様、所定期間における出力電流が閾値を下回ったときに(或いは、出力電流の想定値からの減少分が閾値を上回ったときに)、該当するコンデンサが劣化したことを示す所定の信号を出力する。
【0062】
また、電流非検出コンデンサについても、原則としては、所定期間における電流検出コンデンサのうち少なくとも一部の出力電流(又はその増加分)が閾値を上回ったときに、電流非検出コンデンサが劣化したことを示す所定の信号を出力する。
【0063】
更に、本実施例の電子装置2では、いずれかの電流非検出コンデンサが劣化したと判定されたときに、負荷とコンデンサの位置関係に基づいて、電流非検出コンデンサのうち、どのコンデンサが劣化したかを推定する。より具体的には、劣化判定時に電流の増加が大きいコンデンサに近接したコンデンサが劣化したと推定する。
【0064】
図12は、コンデンサの劣化と、電流の増加が大きいコンデンサとの対応関係を示す図である。図示するように、コンデンサ40#1が劣化した場合は、近接するコンデンサ40#2、40#5からの電流が増加する。また、コンデンサ40#3が劣化した場合は、近接するコンデンサ40#2、40#4からの電流が増加する。なお、このような対応関係は、テーブルとしてレジスタ62に格納されているものとする。
【0065】
従って、コンデンサ40#2、40#5からの電流が増加した場合は、コンデンサ40#1が劣化したと判定し、その旨を表示等すると好適である。また、コンデンサ40#2、40#4からの電流が増加した場合は、コンデンサ40#3が劣化したと判定する。なお、電流検出コンデンサであるコンデンサ40#2、40#4、40#5については、それぞれの電流値に基づいて劣化を判定することができる。
【0066】
[まとめ]
以上説明した本実施例の電子装置2によれば、電流非検出コンデンサの劣化判定を、電流検出コンデンサの電流増加量に基づいて行うため、全てのコンデンサの電流を検出することなく各コンデンサの劣化判定を正確に行うことができる。この結果、コストや重量の増加を抑制しつつ、コンデンサの劣化判定を正確に行うことができる。すなわち、コンデンサの劣化判定を効率良く行うことができる。
【0067】
また、劣化したコンデンサに近接するコンデンサの電流が増加することを利用して、いずれのコンデンサが劣化したかを判定するため、ピンポイントにコンデンサの取り替え等を行うことができる。
【0068】
なお、本実施例における直流電源回路30とメインボード80を合わせたものが、特許請求の範囲における「電子回路基板ユニット」の他の例である。
【0069】
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0070】
例えば、直流電源回路30が有するコンデンサの総数、それらのうち電流又は電圧が検出されるコンデンサの個数については、電流検出コンデンサと電流非検出コンデンサがそれぞれ一以上であれば、任意に決定することができる。例えば、図13に示すように、3個のコンデンサ40#1〜40#3を備え、これらのうちコンデンサ40#3のみについて電流検出が行われるものとしてよい。図13は、直流電源回路の機能ブロック図の他の例である。この例では、コンデンサ40#3の所定期間における出力電流(又は想定値からの減少分)が閾値を下回ったときに、該当するコンデンサ40#3が劣化したと判定する。また、コンデンサ40#3の所定期間における出力電流(又は想定値からの増加分)が閾値を上回ったときに、コンデンサ40#1、又はコンデンサ40#2が劣化したと判定する。
【0071】
以上の説明に関し、さらに以下の項を開示する。
(付記1)
直流電力によって動作する負荷と、
該負荷に直流電力を供給する直流電力供給手段と、
該直流電力供給手段から負荷への電力供給経路に並列接続された一以上のコンデンサであって、検出手段による電流又は電圧の検出が行われる第1のコンデンサと、
前記電力供給経路に並列接続された一以上のコンデンサであって、検出手段による電流又は電圧の検出が行われない第2のコンデンサと、
前記検出手段による検出結果又は該検出結果の増加量が閾値を上回った場合に、前記第2のコンデンサが劣化したことを示す信号を出力する劣化判定手段と、
を備える電子装置。
(付記2)
前記劣化判定手段は、当該電子装置の起動時に動作する手段である、
請求項1に記載の電子装置。
(付記3)
負荷に直流電力を供給する電力供給経路に並列接続された一以上のコンデンサであって、検出手段による電流又は電圧の検出が行われる第1のコンデンサと、
前記電力供給経路に並列接続された一以上のコンデンサであって、検出手段による電流又は電圧の検出が行われない第2のコンデンサと、
前記検出手段による検出結果又は該検出結果の増加量が閾値を上回った場合に、前記第2のコンデンサが劣化したことを示す信号を出力する劣化判定手段と、
を備える電子回路基板ユニット。
(付記4)
付記1又は2に記載の電子装置であって、
前記第2のコンデンサは、二以上のコンデンサを含み、
前記劣化判定手段は、前記第2のコンデンサが劣化したことを示す信号を出力する際に、前記第1又は第2のコンデンサと前記負荷の位置関係に基づいて、前記第2のコンデンサのうちいずれのコンデンサが劣化したかを特定する手段である、
電子装置。
(付記5)
付記3に記載の電子回路基板ユニットであって、
前記第2のコンデンサは、二以上のコンデンサを含み、
前記劣化判定手段は、前記第2のコンデンサが劣化したことを示す信号を出力する際に、前記第1又は第2のコンデンサと前記負荷の位置関係に基づいて、前記第2のコンデンサのうちいずれのコンデンサが劣化したかを特定する手段である、
電子回路基板。
【符号の説明】
【0072】
1、2 電子装置
10 PSU
30 直流電源回路
40#1、40#2、40#3、40#4、40#5 コンデンサ
50 電流検出部
60 比較処理部
62 レジスタ
70 負荷
80 メインボード
80A、80B 導電体
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のコンデンサが電力供給経路に並列に接続された電子装置、及び電子回路基板ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンピュータ等の電子装置において、商用電源が変換された直流や、バッテリー等から供給される直流が主電源として用いられている。こうした電子装置では、電力供給経路に、コンデンサ(キャパシタ)を並列接続し、能動回路の電力消費の変動に起因する供給電圧変動を抑制することが行われている。
【0003】
このような用途には、電解コンデンサやセラミックコンデンサ等が用いられることが多いが、これらのコンデンサは、電子装置に使用される他の電子部品に比較して、温度上昇などの過酷な使用条件に対して短命化となる傾向が強い。このため、コンデンサの劣化は、電子装置の故障原因の大半を占めるものとなっている。
【0004】
従って、何らかの手法によってコンデンサの劣化を検知することが望まれる。しかしながら、コンデンサの劣化を外見から判定することは困難であり、その使用される周囲環境条件、使用される回路の電気的条件等により寿命が大きく変わるため、使用時間等の情報からコンデンサの劣化を予測するのもまた困難である。
【0005】
このような課題に関連し、直流電流を供給する電力供給経路に取り付けられたコンデンサや蓄電池の状態を監視する手段を備える交流電源装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、コンデンサや蓄電池に対応して取り付けられたリップル電流測定手段によりリップル電流値を測定し、これらのリップル電流値からそれぞれの劣化状態を把握している。
【0006】
また、交流電力を平滑する平滑部に具備されるコンデンサの劣化診断を行う電源装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。この装置では、通常時には、全てのコンデンサが活線に電気的に接続され、劣化診断時には、対象コンデンサと活線の電気的接続が切り離される。これによって、全てのコンデンサが同時に活線から切り離されないように制御している。
【0007】
活線との電気的接続が切り離されたコンデンサは放電を開始し、その電圧低下分が所定値以上となるまでの放電時間が計測される。各コンデンサには、放電制御用の抵抗が取り付けられている。そして、この放電時間が短くなるとコンデンサの容量が小さくなったと判断されるため、計測された放電時間が正常範囲、交換推奨範囲、劣化範囲のいずれに収まるかによってコンデンサの状態を判定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平9−121471号公報
【特許文献2】国際公開第2008/016040号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記従来の従来の装置のように、劣化を判定する対象となるコンデンサ(及び蓄電池)の全てに測定用の抵抗等を取り付けて出力電流や電圧変化を監視すると、コストや重量が増大するという問題が生じる。
【0010】
一方、特許文献2には、直接的に監視を行わない非監視対象コンデンサの存在について記載されている。すなわち、コンデンサの劣化特性から、例えば容量低下が20%となる時期が一致するような非監視対象コンデンサと監視対象コンデンサを選定する。そして、監視対象コンデンサが劣化して容量低下が20%に達したときに、非監視対象コンデンサも同様に劣化したと推定する。しかしながら、前述のようにコンデンサの劣化の進み具合は使用環境によって、製造当初に想定されている特性から乖離したものとなることが多いため、このような推定では正確性を欠く場合がある。
【0011】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、効率良くコンデンサの劣化を判定することが可能な電子装置、及び電子回路基板ユニットを提供することを、主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するための第1の態様は、
直流電力によって動作する負荷と、
該負荷に直流電力を供給する直流電力供給手段と、
該直流電力供給手段から負荷への電力供給経路に並列接続された一以上のコンデンサであって、検出手段による電流又は電圧の検出が行われる第1のコンデンサと、
前記電力供給経路に並列接続された一以上のコンデンサであって、検出手段による電流又は電圧の検出が行われない第2のコンデンサと、
前記検出手段による検出結果、又は該検出結果の想定値からの増加量が閾値を上回った場合に、前記第2のコンデンサが劣化したことを示す信号を出力する劣化判定手段と、
を備える電子装置である。
【0013】
上記目的を達成するための第2の態様は、
負荷に直流電力を供給する電力供給経路に並列接続された一以上のコンデンサであって、検出手段による電流又は電圧の検出が行われる第1のコンデンサと、
前記電力供給経路に並列接続された一以上のコンデンサであって、検出手段による電流又は電圧の検出が行われない第2のコンデンサと、
前記検出手段による検出結果、又は該検出結果の想定値からの増加量が閾値を上回った場合に、前記第2のコンデンサが劣化したことを示す信号を出力する劣化判定手段と、
を備える電子回路基板ユニットである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、効率良くコンデンサの劣化を判定することが可能な電子装置、及び電子回路基板ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施例に係る電子装置1の機能ブロック図である。
【図2】第1実施例に係るPSU10の回路構成例である。
【図3】第1実施例に係る直流電源回路30の機能ブロック図である。
【図4】第1実施例に係る直流電源回路30の機能ブロック図に、より詳細な抵抗配置を追加した図である。
【図5】直流電源回路30がメインボード80に搭載された様子を示す図である。
【図6】直流電源回路30の各構成要素がメインボード80の導電板80A、80Bに接続される様子を示す分解斜視図である。
【図7】PSU10の出力電圧の変動に応じて、各コンデンサが充電及び放電を行う様子を模式的に示す図である。
【図8】コンデンサ40#3が劣化した場合に、コンデンサ40#2、及びコンデンサ40#4からの電流が増加する様子を模式的に示す図である。
【図9】第1実施例に係る電子装置1により実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】コンデンサの劣化検出時における表示画面の一例である。
【図11】第2実施例に係る直流電源回路30がメインボード80に搭載された様子を示す図である。
【図12】コンデンサの劣化と、電流の増加が大きいコンデンサとの対応関係を示す図である。
【図13】直流電源回路の機能ブロック図の他の例である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しながら実施例を挙げて説明する。
【実施例】
【0017】
<第1実施例>
以下、図面を参照し、本発明の第1実施例に係る電子装置1について説明する。本発明の第1実施例に係る電子装置1は、例えばパーソナルコンピュータやサーバ等の情報処理装置である。また、これに限らず、ゲーム機、プリンター・コピー等のOA機器等に適用されてもよい。
【0018】
[全体構成]
図1は、本発明の第1実施例に係る電子装置1の機能ブロック図である。図示するように、電子装置1は、PSU(Power Supply Unit)10と、直流電源回路30と、負荷70と、を備える。PSU10は、電子装置1の本体に内蔵されてもよいし、周辺機器であるACアダプタに内蔵されてもよい。
【0019】
負荷70は、メインボード80上に搭載されたCPU(Central Processing Unit)82、RAM(Random Access Memory)等のメモリ84、I/O制御回路86、ディスプレイ制御回路88を含む。また、負荷70は、HDD(Hard Disk Drive)90やODD(Optical Disk Drive)92等の補助記憶装置、ディスプレイ94等の入出力装置を含んでもよい。
【0020】
メインボード80上には、上記CPU82等の他、直流電源回路30が搭載されている。なお、直流電源回路30は、負荷70のうち消費電力変動の大きい特定の負荷に近接して取り付けられると好適であり、係る「特定の負荷」が複数個存在する場合、複数の直流電源回路30が存在してもよい。また、直流電源回路30を介さずに、直接PSU10から電力供給を受ける負荷が存在しても構わない。
【0021】
[PSU]
図2は、第1実施例に係るPSU10の回路構成例である。図示するように、PSU10は、例えば、トランス15を有する絶縁型フォワードコンバータである。
【0022】
PSU10は、トランス15に関する一次側の構成要素として、入力端子11A、11Bと、整流回路12と、平滑コンデンサ13と、スイッチング素子14と、を備える。また、直流電源回路10は、二次側の構成要素として、ダイオード16と、インダクタ17と、平滑コンデンサ18と、フリーホイールダイオード19と、電圧検出部20と、パルス幅変換部22と、を備える。
【0023】
入力端子11A、11Bは、例えばコンセント等の交流電源に接続されるプラグである。交流電源から入力端子11A、11Bを介して入力される交流電力は、整流回路12に入力される。整流回路12は、4個のダイオードがブリッジ状に接続されたダイオードブリッジ回路であり、交流電源から入力される交流電力を全波整流して出力する。平滑コンデンサ13は、整流回路12により全波整流された電力を平滑化する。平滑コンデンサ13の両端子間には、トランス15の一次巻線15A、及びスイッチング素子14が直列に接続されている。スイッチング素子14は、例えば、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field-Effect Transistor)である。スイッチング素子14は、パルス幅変換部22からパルス状のゲート電圧が印加されることによってオン/オフが行われ、PWM(Pulse Width Modulation)駆動される。
【0024】
トランス15の二次巻線15Bの一方の端部15Baは、ダイオード16、及びインダクタ17を介して出力端子24Aに接続される。トランス15の二次巻線15Bの他方の端部15Bbは、出力端子24Bに接続される。平滑コンデンサ18は、出力端子24Aと出力端子24Bを接続する。フリーホイールダイオード19のカソードはダイオード16とインダクタ17の間に接続され、アノードは出力端子22Bに接続される。
【0025】
フリーホイールダイオード19は、スイッチング素子14がオフにされ、インダクタ17に蓄えられたエネルギーが放出される際の電流経路となる。フリーホイールダイオード19は、例えば、ショットキーダイオードであり、通常のシリコンダイオード、或いはFET等を用いてもよい。
【0026】
電圧検出部20は、出力端子24Aと出力端子24Bの間の電圧を検出する。パルス幅変換部22は、電圧検出部20により検出された電圧が目標値に近づくように、スイッチング素子14に印加する電圧信号のデューティを決定する。すなわち、パルス幅変換部22は、負荷70の消費電力が大きくなって出力電圧が低下した場合にはスイッチング素子14に印加する電圧信号のデューティを増加させ、逆の場合にはデューティを低下させる。より具体的には、検出電圧と目標電圧の差を増幅し、その出力を三角波などの発振器とコンパレータで比較する事で、PWM信号を生成する。
【0027】
係る制御によって安定化電源を実現することができる。また、インダクタ17や平滑コンデンサ18の働きによって出力電圧の脈動(脈流)が抑制され、フラットに近い電圧を、直流電源回路30を介して負荷70に供給することができる。
【0028】
[直流電源回路]
図3は、第1実施例に係る直流電源回路30の機能ブロック図である。図示するように、直流電源回路30は、コンデンサ(又はキャパシタ;以下省略)40#1、40#2、40#3、40#4、40#5と、抵抗R1、R2、R3、R4、R5と、電流検出部50と、比較処理部60と、を備える。比較処理部60には、各コンデンサの劣化判定に必要な情報(各種閾値等)を記憶したレジスタ62が接続されている。抵抗R1〜R5は、例えばチップ抵抗等である。
【0029】
抵抗R1はコンデンサ40#1の例えばプラス側端子に直列に取り付けられる。同様に、抵抗R2はコンデンサ40#2に、抵抗R3はコンデンサ40#3に、抵抗R4はコンデンサ40#4に、抵抗R5はコンデンサ40#5に、それぞれ取り付けられる。
【0030】
電流検出部50は、抵抗R2、R4、R5の両端電圧を検出することにより、コンデンサ40#2、40#4、40#5から流れる電流を検出する。電流検出部50は、例えば電圧センサ、A/Dコンバータ、乗算器等を内蔵し、検出した電圧値に抵抗値を乗じた値を比較処理部60に出力する(電圧値そのものを出力しても構わない)。
【0031】
なお、抵抗R1、R3については、電流検出には用いられないが、他のコンデンサとの間でインピーダンス条件を揃えるために取り付けられている。
【0032】
図3は、PSU10から各コンデンサに至る経路の抵抗(ルート抵抗r)と、負荷70*と各コンデンサの距離に比例した抵抗r1、r2、r3、r4、r5を加味すると、図4のようになる。図4は、第1実施例に係る直流電源回路30の機能ブロック図に、より詳細な抵抗配置を追加した図である。
【0033】
以下、図4で示す抵抗が生じる構造について説明する。図5は、直流電源回路30がメインボード80に搭載された様子を示す図である。また、図6は、直流電源回路30の各構成要素がメインボード80の導電板80A、80Bに接続される様子を示す分解斜視図である。なお、これらの図において、負荷70のうち、直流電源回路30が近接する特定の負荷を、負荷70*と表記する。
【0034】
図6に示すように、メインボード80は、絶縁体で形成された基板表面80Cと、PSU10の出力端子24A、24Bにそれぞれ接続された板状の導電体80A、80Bと、が表面側から順に積層された構造となっている。導電体80A、80Bは、例えば銅(Cu)箔であり、アルミニウム(Al)や金(Au)等を用いてもよい。なお、係る積層構造は一例であり、メインボード80は、信号送受信のための導電体層等が更に追加された多層構造の基板であってもよい。各導電体の間は、樹脂等で絶縁されている。
【0035】
負荷70*の電力端子70*A、70*Bは、それぞれ導電板80A、80Bに接続される。すなわち、端子70*Aは、基板表面80Cのスルーホールを貫通して導電板80Aに接続され、端子70*Bは、基板表面80C及び導電体80Aのスルーホールを貫通して導電体80Bに接続される。これらの端子が貫通した間隙には、エポキシ樹脂等が注入される。
【0036】
同様に、コンデンサ40#4の一方の端子40#4Aは、抵抗R4を介し、基板表面80Cのスルーホールを貫通して導電体80Aに接続され、他方の端子40#4Bは、基板表面80C及び導電体80Aのスルーホールを貫通して導電体80Bに接続される。コンデンサ40#5の一方の端子40#5Aは、抵抗R5を介し、基板表面80Cのスルーホールを貫通して導電体80Aに接続され、他方の端子40#5Bは、基板表面80C及び導電体80Aのスルーホールを貫通して導電体80Bに接続される。他のコンデンサについても同様である。
【0037】
係る構造によって、導電体80A、80Bにおける端子間の距離に比例した抵抗が、r1、r2、r3、r4、r5として現れる。図5に示すように、本実施例では、r1とr5が比較的大きく、r2、r3、r4が比較的小さいものとする。
【0038】
ところで、前述のように、PSU10の平滑コンデンサ18、及び直流電源回路30の各コンデンサは、PSU10の出力電圧の脈流に応じて充電と放電を繰り返し行うことによって、負荷70への供給電圧を平滑する。図7は、PSU10の出力電圧の変動に応じて、各コンデンサが充電及び放電を行う様子を模式的に示す図である。
【0039】
図7に「リップル」と表記した出力電圧の変動は、負荷の電力消費が小さい状態では小さいものであり、出力電圧はほぼフラットなものとなるが、負荷の電力消費が大きくなると次第に大きくなり、電流検出部50による検出が容易となる。本実施例では、以下に説明するように、負荷の電力消費が大きくなる所定期間においてリップルの大きさを検出することによって、直流電源回路30の各コンデンサの劣化を判定する。なお、「所定期間」は、後述するように、電子装置1の起動時における特定の期間とすると好適である。
【0040】
[劣化判定]
図3に示したように、電流検出部50は、コンデンサ40#2、40#4、40#5から流れる電流を検出している。以下、これらを電流検出コンデンサと称することとする。また、直接的に電流が検出されないコンデンサ40#1、40#3を、電流非検出コンデンサと称する。
【0041】
比較処理部60は、電流検出コンデンサについては、所定期間における出力電流が閾値を下回ったときに(或いは、出力電流の想定値からの減少分が閾値を上回ったときに)、該当するコンデンサが劣化したことを示す所定の信号を出力する。
【0042】
一方、比較処理部60は、電流非検出検出コンデンサについては、所定期間における電流検出コンデンサのうち少なくとも一部の出力電流が閾値を上回ったときに、電流非検出コンデンサが劣化したことを示す所定の信号を出力する。この場合も、「出力電流が閾値を上回ったときに」を「出力電流の想定値からの増加分が閾値を上回ったときに」と置換してよい。想定値は、製品の出荷時に予め定められた値であってもよいし、過去の平均値であってもよい。
【0043】
また、電流検出コンデンサの劣化判定に係る閾値と、電流非検出コンデンサの劣化判定に係る閾値は、異なる値を用いてよい。
【0044】
次式(1)〜(5)は、ある期間においてコンデンサ40#1〜40#5から負荷70*に流れる電流の合計をIC*とした場合に、各コンデンサから流れる電流の理論値を示す図である。式中、I1はコンデンサ40#1から流れる電流を、I2はコンデンサ40#2から流れる電流を、I3はコンデンサ40#3から流れる電流を、I4はコンデンサ40#4から流れる電流を、I5はコンデンサ40#5から流れる電流を示す。
【0045】
【数1】
【0046】
例えば、コンデンサ40#1が劣化すると、r1が増加した状態とみなすことができる。この結果、r1〜r5のうち値が小さいものに該当するコンデンサの電流増加が大きく現れることになる。図4の例では、r2、r3、r4が比較的小さいため、コンデンサ40#2、40#3、40#4の電流増加が大きくなる。
【0047】
また、コンデンサ40#3が劣化すると、r3が増加した状態とみなすことができる。この結果、r1〜r5のうち値が小さいものに対応するコンデンサの電流増加が大きく現れることになる。図4の例では、r2、r4が比較的小さいため、コンデンサ40#2、40#4の電流増加が大きくなる。
【0048】
従って、比較処理部60は、I2又はI4の増加量が閾値を上回った場合に、コンデンサ40#1とコンデンサ40#3のいずれかが劣化したと判定する。図8は、コンデンサ40#3が劣化した場合に、コンデンサ40#2、及びコンデンサ40#4からの電流が増加する様子を模式的に示す図である。
【0049】
[処理フロー]
以下、情報処理装置としての電子装置1の処理の流れについて説明する。図9は、第1実施例に係る電子装置1により実行される処理の流れを示すフローチャートである。本フローは、電子装置1の起動時(電源オン時、再起動時等)に開始される。
【0050】
まず、電子装置1のCPU82は、BIOS(Basic Input/Output System)処理として、ハードウエアの初期化を行う(S100)。
【0051】
次に、電子装置1のCPU82は、BIOS処理として、コンデンサの電流測定を指示する(S102)。
【0052】
そして、比較処理部60の出力に基づいて、コンデンサの劣化判定を行う(S104)。
【0053】
いずれかのコンデンサが劣化したと判定された場合は、コンデンサの劣化を検出した旨をディスプレイ94に表示する(S106)。図10は、コンデンサの劣化検出時における表示画面の一例である。
【0054】
コンデンサの劣化を検出した旨をディスプレイ94に表示すると、強制起動の指示待ち状態に遷移し(S108)、所定時間以内に強制起動の指示がなされたか否かを判定する(S110)。所定時間以内に強制起動の指示がなされなかった場合は、エラー終了する。所定時間以内に強制起動の指示がなされた場合は、OS(Operating System)の起動処理を行い(S112)、正常起動を行う。
【0055】
一方、S104において、コンデンサが劣化していないと判定された場合は、OSの起動処理を行い(S112)、正常起動を行う。
【0056】
[まとめ]
以上説明した本実施例の電子装置1によれば、電流非検出コンデンサの劣化判定を、電流検出コンデンサの電流増加量に基づいて行うため、全てのコンデンサの電流を検出することなく各コンデンサの劣化判定を正確に行うことができる。この結果、コストや重量の増加を抑制しつつ、コンデンサの劣化判定を正確に行うことができる。すなわち、コンデンサの劣化判定を効率良く行うことができる。
【0057】
なお、本実施例における直流電源回路30とメインボード80を合わせたものが、特許請求の範囲における「電子回路基板ユニット」の一例である。
【0058】
<第2実施例>
以下、図面を参照し、本発明の第2実施例に係る電子装置2について説明する。本発明の第2実施例に係る電子装置2は、第1実施例と同様、パーソナルコンピュータやサーバ等の情報処理装置、ゲーム機、プリンター・コピー等のOA機器等に適用される。
【0059】
[全体構成]、及び直流電源回路30の基本的機能、図8に示したフロー、劣化検出時の表示画面等については、第1実施例と同様であるため説明を省略し、ここでは第1実施例との相違点を中心に説明する。
【0060】
図11は、第2実施例に係る直流電源回路30がメインボード80に搭載された様子を示す図である。図示するように、本実施例では、複数の負荷70(ここでは、負荷70*、70**とする)に近接してコンデンサ40#1〜40#5が取り付けられている。
【0061】
電流検出コンデンサについては、第1実施例と同様、所定期間における出力電流が閾値を下回ったときに(或いは、出力電流の想定値からの減少分が閾値を上回ったときに)、該当するコンデンサが劣化したことを示す所定の信号を出力する。
【0062】
また、電流非検出コンデンサについても、原則としては、所定期間における電流検出コンデンサのうち少なくとも一部の出力電流(又はその増加分)が閾値を上回ったときに、電流非検出コンデンサが劣化したことを示す所定の信号を出力する。
【0063】
更に、本実施例の電子装置2では、いずれかの電流非検出コンデンサが劣化したと判定されたときに、負荷とコンデンサの位置関係に基づいて、電流非検出コンデンサのうち、どのコンデンサが劣化したかを推定する。より具体的には、劣化判定時に電流の増加が大きいコンデンサに近接したコンデンサが劣化したと推定する。
【0064】
図12は、コンデンサの劣化と、電流の増加が大きいコンデンサとの対応関係を示す図である。図示するように、コンデンサ40#1が劣化した場合は、近接するコンデンサ40#2、40#5からの電流が増加する。また、コンデンサ40#3が劣化した場合は、近接するコンデンサ40#2、40#4からの電流が増加する。なお、このような対応関係は、テーブルとしてレジスタ62に格納されているものとする。
【0065】
従って、コンデンサ40#2、40#5からの電流が増加した場合は、コンデンサ40#1が劣化したと判定し、その旨を表示等すると好適である。また、コンデンサ40#2、40#4からの電流が増加した場合は、コンデンサ40#3が劣化したと判定する。なお、電流検出コンデンサであるコンデンサ40#2、40#4、40#5については、それぞれの電流値に基づいて劣化を判定することができる。
【0066】
[まとめ]
以上説明した本実施例の電子装置2によれば、電流非検出コンデンサの劣化判定を、電流検出コンデンサの電流増加量に基づいて行うため、全てのコンデンサの電流を検出することなく各コンデンサの劣化判定を正確に行うことができる。この結果、コストや重量の増加を抑制しつつ、コンデンサの劣化判定を正確に行うことができる。すなわち、コンデンサの劣化判定を効率良く行うことができる。
【0067】
また、劣化したコンデンサに近接するコンデンサの電流が増加することを利用して、いずれのコンデンサが劣化したかを判定するため、ピンポイントにコンデンサの取り替え等を行うことができる。
【0068】
なお、本実施例における直流電源回路30とメインボード80を合わせたものが、特許請求の範囲における「電子回路基板ユニット」の他の例である。
【0069】
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0070】
例えば、直流電源回路30が有するコンデンサの総数、それらのうち電流又は電圧が検出されるコンデンサの個数については、電流検出コンデンサと電流非検出コンデンサがそれぞれ一以上であれば、任意に決定することができる。例えば、図13に示すように、3個のコンデンサ40#1〜40#3を備え、これらのうちコンデンサ40#3のみについて電流検出が行われるものとしてよい。図13は、直流電源回路の機能ブロック図の他の例である。この例では、コンデンサ40#3の所定期間における出力電流(又は想定値からの減少分)が閾値を下回ったときに、該当するコンデンサ40#3が劣化したと判定する。また、コンデンサ40#3の所定期間における出力電流(又は想定値からの増加分)が閾値を上回ったときに、コンデンサ40#1、又はコンデンサ40#2が劣化したと判定する。
【0071】
以上の説明に関し、さらに以下の項を開示する。
(付記1)
直流電力によって動作する負荷と、
該負荷に直流電力を供給する直流電力供給手段と、
該直流電力供給手段から負荷への電力供給経路に並列接続された一以上のコンデンサであって、検出手段による電流又は電圧の検出が行われる第1のコンデンサと、
前記電力供給経路に並列接続された一以上のコンデンサであって、検出手段による電流又は電圧の検出が行われない第2のコンデンサと、
前記検出手段による検出結果又は該検出結果の増加量が閾値を上回った場合に、前記第2のコンデンサが劣化したことを示す信号を出力する劣化判定手段と、
を備える電子装置。
(付記2)
前記劣化判定手段は、当該電子装置の起動時に動作する手段である、
請求項1に記載の電子装置。
(付記3)
負荷に直流電力を供給する電力供給経路に並列接続された一以上のコンデンサであって、検出手段による電流又は電圧の検出が行われる第1のコンデンサと、
前記電力供給経路に並列接続された一以上のコンデンサであって、検出手段による電流又は電圧の検出が行われない第2のコンデンサと、
前記検出手段による検出結果又は該検出結果の増加量が閾値を上回った場合に、前記第2のコンデンサが劣化したことを示す信号を出力する劣化判定手段と、
を備える電子回路基板ユニット。
(付記4)
付記1又は2に記載の電子装置であって、
前記第2のコンデンサは、二以上のコンデンサを含み、
前記劣化判定手段は、前記第2のコンデンサが劣化したことを示す信号を出力する際に、前記第1又は第2のコンデンサと前記負荷の位置関係に基づいて、前記第2のコンデンサのうちいずれのコンデンサが劣化したかを特定する手段である、
電子装置。
(付記5)
付記3に記載の電子回路基板ユニットであって、
前記第2のコンデンサは、二以上のコンデンサを含み、
前記劣化判定手段は、前記第2のコンデンサが劣化したことを示す信号を出力する際に、前記第1又は第2のコンデンサと前記負荷の位置関係に基づいて、前記第2のコンデンサのうちいずれのコンデンサが劣化したかを特定する手段である、
電子回路基板。
【符号の説明】
【0072】
1、2 電子装置
10 PSU
30 直流電源回路
40#1、40#2、40#3、40#4、40#5 コンデンサ
50 電流検出部
60 比較処理部
62 レジスタ
70 負荷
80 メインボード
80A、80B 導電体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電力によって動作する負荷と、
該負荷に直流電力を供給する直流電力供給手段と、
該直流電力供給手段から負荷への電力供給経路に並列接続された一以上のコンデンサであって、検出手段による電流又は電圧の検出が行われる第1のコンデンサと、
前記電力供給経路に並列接続された一以上のコンデンサであって、検出手段による電流又は電圧の検出が行われない第2のコンデンサと、
前記検出手段による検出結果、又は該検出結果の想定値からの増加量が閾値を上回った場合に、前記第2のコンデンサが劣化したことを示す信号を出力する劣化判定手段と、
を備える電子装置。
【請求項2】
前記劣化判定手段は、当該電子装置の起動時に動作する手段である、
請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
負荷に直流電力を供給する電力供給経路に並列接続された一以上のコンデンサであって、検出手段による電流又は電圧の検出が行われる第1のコンデンサと、
前記電力供給経路に並列接続された一以上のコンデンサであって、検出手段による電流又は電圧の検出が行われない第2のコンデンサと、
前記検出手段による検出結果、又は該検出結果の想定値からの増加量が閾値を上回った場合に、前記第2のコンデンサが劣化したことを示す信号を出力する劣化判定手段と、
を備える電子回路基板ユニット。
【請求項1】
直流電力によって動作する負荷と、
該負荷に直流電力を供給する直流電力供給手段と、
該直流電力供給手段から負荷への電力供給経路に並列接続された一以上のコンデンサであって、検出手段による電流又は電圧の検出が行われる第1のコンデンサと、
前記電力供給経路に並列接続された一以上のコンデンサであって、検出手段による電流又は電圧の検出が行われない第2のコンデンサと、
前記検出手段による検出結果、又は該検出結果の想定値からの増加量が閾値を上回った場合に、前記第2のコンデンサが劣化したことを示す信号を出力する劣化判定手段と、
を備える電子装置。
【請求項2】
前記劣化判定手段は、当該電子装置の起動時に動作する手段である、
請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
負荷に直流電力を供給する電力供給経路に並列接続された一以上のコンデンサであって、検出手段による電流又は電圧の検出が行われる第1のコンデンサと、
前記電力供給経路に並列接続された一以上のコンデンサであって、検出手段による電流又は電圧の検出が行われない第2のコンデンサと、
前記検出手段による検出結果、又は該検出結果の想定値からの増加量が閾値を上回った場合に、前記第2のコンデンサが劣化したことを示す信号を出力する劣化判定手段と、
を備える電子回路基板ユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−230075(P2012−230075A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−99949(P2011−99949)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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