説明

電子装置に搭載されるユニット及び当該電子装置の伝送線路の接続機構

電子装置に搭載され、電子装置の伝送経路を接続する接続器を備えるユニットは、接続器を複数搭載するアクセス板を摺動自在に備えることを特徴とする。また、電子装置に搭載されるユニットに配設された複数の接続器の夫々に電子装置の伝送経路を接続するための接続機構は、複数の接続器を搭載するアクセス板をユニットの内部に有し、アクセス板をユニットから摺動することによって接続器に伝送経路を接続可能とすることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、電子装置に搭載されるユニット及び当該電子装置の伝送線路の接続機構、特に、光信号の伝送線路として光ファイバを適用して情報処理または通信等を行なう電子装置に搭載されるユニット及び前記光ファイバの接続機構に関する。
【背景技術】
光信号を利用した光通信システムに用いられる光通信装置等の電子装置においては、データ通信の増大や、インターネットの普及に伴う伝送需要の増大等に基づき、基幹網の大容量化が要求されている。そのため、当該電子装置にあっては、装置の高密度化、情報伝送の大容量化・高機能化等が要請されている。
かかる要請に対応すべく、長距離伝送や大容量伝送等に適したWDM(Wavelength Division Multiplexing)方式による電子装置や、多数の光ファイバ内の光信号を波長別に切り替えるスイッチング機能を有するOXC(Optical Cross Connect)装置が近年脚光を浴びている。
しかるに、上述のWDM方式の装置やOXC装置等の電子装置にあっては、大容量伝送や光信号のスイッチング容量の大容量化を追求すればするほど、当該電子装置の内部及び外部からの光ファイバの接続の数が増大する。従って、光信号を利用した光通信システムに用いられる光通信装置等の電子装置にあっては、当該装置内の限られたスペースに、大容量の伝送が可能な光ファイバを、高密度に効率よく実装して当該装置の内部と外部とを接続することが求められる。
従来の光通信装置においては、当該光通信装置の内部及び外部の光ファイバを接続するために、当該光通信装置の内部に配設される電力インターフェイスユニット(Power Interface Unit−PIU)に光ファイバのコネクタを接続するためのアダプタを搭載する構造が採用されている。
図1は、従来の光ファイバの接続構造の第1の例を示す斜視図である。図1を参照するに、内部に図示を省略するプリント板を搭載する従来の電力インターフェイスユニット10は、図1におけるX1方向側にユニット表面板11を有する。ユニット表面板11の内周側には、後述する多数の光コネクタ接続用アダプタ12を固定するための領域として切り欠き部13を備える。
光コネクタ接続用アダプタ12は、電力インターフェイスユニット10の外部からの光ファイバ14と、電力インターフェイスユニット10の内部からの光ファイバ(図示を省略)とを接続する。光ファイバ14の端末には、光コネクタ接続用アダプタ12に挿入可能な光コネクタ15が設けられている。
光コネクタ15にあっては、図1におけるY1方向側に光コネクタ係合部16が設けられている。光コネクタ15を光コネクタ接続用アダプタ12に挿入すると、光コネクタ係合部16によって、光コネクタ15は光コネクタ接続用アダプタ12にロック固定される。従って、電力インターフェイスユニット10の外部からの光ファイバ14は、光コネクタ接続用アダプタ12によって、電力インターフェイスユニット10の内部からの光ファイバと対向接触し、光結合する。
また、光コネクタ接続用アダプタ12にロック固定された光コネクタ15の光コネクタ係合部16に押圧を加えることにより、光コネクタ15と光コネクタ接続用アダプタ12とのロックは解除され、光ファイバ14を光コネクタ接続用アダプタ12から引き抜くことが出来る。
かかる構造の下、多数の光ファイバ14が、光コネクタ15を介して、光コネクタ接続用アダプタ12に着脱可能に接続される。光ファイバ14は、例えば、光通信装置の設置のための工事や保守点検の際に、着脱される。
しかしながら、図1に示す光ファイバ14の接続構造では、多数の光ファイバ14を光コネクタ接続用アダプタ12に着脱するために、多数の光コネクタ係合部16を操作する必要がある。そのため、ユニット表面板11における各光コネクタ接続用アダプタ12の周囲には、光コネクタ係合部16を操作するに十分なスペースを有する操作領域17が必要とされる。
従って、図1に示すように、光ファイバ14を接続するための光コネクタ接続用アダプタ12をユニット表面板11に多数実装する場合に、隣り合う光コネクタ接続用アダプタ12同士の間隔を狭めることは困難である。よって、図1に示す構造では、高密度に多数の光ファイバ14をユニット表面板11に実装できるとは言い難い。
図2は、従来の光ファイバの接続構造の第2の例を示す図であり、図2−(a)は背面図、図2−(b)は側面図、図2−(c)は正面図である。図2を参照するに、従来の電力インターフェイスユニット20は、内部に回転板21を備える。
回転板21には、光コネクタ接続用アダプタ22が固定されている。光コネクタ接続用アダプタ22には、電力インターフェイスユニット20の外部からの光ファイバ24の端末に設けられた光コネクタ15と、電力インターフェイスユニット20の内部からの光ファイバ26の端末に設けられた光コネクタ27とが接続される。
電力インターフェイスユニット20の外部からの光ファイバ24を光コネクタ接続用アダプタ22に着脱する際には、光コネクタ接続用アダプタ22が固定された回転板21を、図2−(b)に示す矢印方向に回動操作し、光コネクタ接続用アダプタ22を、図2−(b)におけるX1方向側に引き出す。
しかしながら、図2に示す光ファイバの接続構造では、光ファイバ24の数を増やす場合に、以下の不都合がある。
即ち、光ファイバ24の数を増やすために、1つの回転板21に固定する光コネクタ接続用アダプタ22の数を増やすと、これに対応して、電力インターフェイスユニット20の奥行き方向(図2−(b)におけるX2方向)に操作スペースが必要となる。従って、電力インターフェイスユニット20の奥行き方向に制限がある場合は、これに対応することが出来ない。
また、光ファイバ24の数を増やすために、電力インターフェイスユニット20の内部の高さ方向(図2−(b)におけるY1−Y2方向)に、光コネクタ接続用アダプタ22を固定した回転板21の数を増やすと、これに対応して、電力インターフェイスユニット20の高さ方向に操作スペースが必要となる。従って、電力インターフェイスユニット20の高さ方向に制限がある場合は、これに対応することが出来ない。
更に、複数の回転板21を電力インターフェイスユニット20の内部の高さ方向に設けた場合、各回転板21を回動すると、上下に隣接する光ファイバ24が干渉する可能性がある。これを回避するために、各回転板21は、所定の間隔を設けて電力インターフェイスユニット20に搭載する必要がある。従って、各回転板21が設けられる電力インターフェイスユニット20の内部には所謂デッドスペースができてしまう。
よって、図2に示す光ファイバの接続構造では、電力インターフェイスユニット20の内部における光コネクタ接続用アダプタ22及び光ファイバ24の実装スペースを有効に活用することは困難である。
なお、日本出願公開公報・特開2001−235632は、光配線盤を用いた光ファイバ接続・解除方法を開示するが、この技術によっても、作業対象の目的の光コネクタの周囲に作業用空間を形成する必要があり、上述の問題点を解消することはできない。
【発明の開示】
そこで、本発明の目的は、上述の問題点に鑑み、電子装置内の限られたスペースを有効に利用して、高密度に多数の伝送線路を実装することを可能とし、更に、伝送線路と当該伝送線路を接続する接続器との係合に関する円滑な操作を可能とする電子装置に搭載されるユニット及び当該電子装置の伝送線路の接続機構を提供することにある。
より具体的には、本発明の目的は、電子装置に搭載され、前記電子装置の伝送経路を接続する接続器を備えるユニットであって、前記接続器を複数搭載するアクセス板を摺動自在に備えることを特徴とするユニットにより達成される。
本発明の目的は、電子装置に搭載されるユニットに配設された複数の接続器の夫々に前記電子装置の伝送経路を接続するための接続機構であって、前記複数の接続器を搭載するアクセス板を前記ユニットの内部に有し、前記アクセス板を前記ユニットから摺動することによって前記接続器に前記伝送経路を接続可能とすることを特徴とする接続機構によっても達成される。
【図面の簡単な説明】
本発明の他の目的、特徴及び利点は添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むことにより一層明瞭となるであろう。
図1は、従来の光ファイバの接続構造の第1の例を示す斜視図である。
図2は、従来の光ファイバの接続構造の第2の例を示す図である。
図3は、本発明の第1の実施例に係る電力インターフェイスユニット50を示す斜視図である。
図4は、外部光ファイバ58および内部光ファイバ59が、アクセス板収容部54に収容されたアクセス板55に設けられたアダプタ部57に接続された状態の本発明の第1の実施例に係る電力インターフェイスユニット50を示す図である。
図5は、外部光ファイバ58をアクセス板55に設けられたアダプタ部57に接続し、当該アクセス板55をアクセス板収容部54から引き出した状態における本発明の第1の実施例に係る電力インターフェイスユニット50の斜視図である。
図6は、図5に示すアダプタ部57と、アダプタ部57に接続する外部光ファイバ58を拡大して示す斜視図である。
図7は、第1アダプタ抑え金具70及び第2アダプタ抑え金具71のアダプタ部57への取り付け構造を示す図である。
図8は、外部光ファイバ58をアクセス板155に設けられたアダプタ部157に接続し、アクセス板155をアクセス板収容部54から引き出した状態における本発明の第2の実施例に係る電力インターフェイスユニット150の斜視図である。
図9は、図8に示すアクセス板155に設けられたアダプタ部157近傍を拡大して示す斜視図である。
図10は、アクセス板収容部54に収容されたアクセス板155に設けられたアダプタ部157に、外部光ファイバ58および内部光ファイバ59が接続された状態の本発明の第2の実施例に係る電力インターフェイスユニット150を示す図である。
図11は、アダプタ部157のアクセス板155への搭載構造を示すアクセス板155の斜視図である。
図12は、アクセス板収容部254に収容されたアクセス板255に設けられたアダプタ部157及び257に外部光ファイバ58および内部光ファイバ59が接続された状態の本発明の第3の実施例に係る電力インターフェイスユニット250を示す図である。
図13は、図12に示すアクセス板255の支持板部400への取り付け構造を示す斜視図である。
図14は、図13に示すアダプタ部257をアクセス板255及び支持板部400に、アクセス板255を支持板部400に取り付けた状態を示す斜視図である。
図15は、図13及び図14に示すアクセス板255を、支持板部400から図13及び図14のX1方向に引き出した状態を示す側面図である。
図16は、図15に示す状態から、アダプタ部157を固定する夫々の第1アダプタ抑え金具70及び第2アダプタ抑え金具71を、アクセス板255からX1方向に引き出した状態を示す側面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
図3乃至図12を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
先ず、本発明の第1の実施例について説明する。図3は、本発明の第1の実施例に係る電力インターフェイスユニット50を示す斜視図である。
図3を参照するに、本発明の第1の実施例に係る光ファイバの接続機構を備えた電力インターフェイスユニット50は、プリント板51、コネクタ52、挿抜操作部53、アクセス板収容部54等を含む。
電力インターフェイスユニット50の前部(X1方向側)には、挿抜操作部53とアクセス板収容部54が、プリント板51を挟持した状態で設けられている。また、電力インターフェイスユニット50の後部(X2方向側)には、プリント板51にコネクタ52が設けられている。
電力インターフェイスユニット50をシェルフに搭載し、電力インターフェイスユニット50の挿抜操作部53を操作すると、電力インターフェイスユニット50が光通信装置の図示しないシェルフ内をX2方向に進入し、コネクタ52とシェルフのコネクタとがプラグイン接続される。従って、電力インターフェイスユニット50のプリント板51は、シェルフに電気的に接続される。
アクセス板収容部54は、後述する複数枚のアクセス板55を収容する。各アクセス板55は、アクセス板収容部54の底部(Z1方向側)に形成された溝部56を摺動する。
アクセス板55は、例えば、ステンレス等から成る。各アクセス板55には、接続器として多数のアダプタ部57が、X−Y平面に対して所定の角度傾斜された状態で、Z1−Z2方向に平行に設けられている。アダプタ部57には、後述する外部光ファイバ58および内部光ファイバ59が着脱可能に接続される。
図4は、外部光ファイバ58および内部光ファイバ59が、アクセス板収容部54に収容されたアクセス板55に設けられたアダプタ部57に接続された状態の本発明の第1の実施例の電力インターフェイスユニット50を示す図であり、図4−(a)は、正面図であり、図4−(b)は、アクセス板収容部54の側面部54−a(図3参照)を取り除いたときの側面図であり、図4−(c)は平面図である。なお、図4では、3枚のアクセス板55がアクセス板収容部54に収容されているが、本実施例は、アクセス板55のアクセス板収容部54における収容枚数に特に限定はない。
ここで、外部光ファイバ58は、電力インターフェイスユニット50の外部からアダプタ部57に接続される光ファイバであり、内部光ファイバ59は、電力インターフェイスユニット50の内部からアダプタ部57に接続される光ファイバである。何れも、光通信装置への伝送経路として機能する。
図4を参照するに、アクセス板55は、上部に固定用螺子部60を備える。固定用螺子部60は、アクセス板収容部54に設けられた螺子部固定用金具61に螺子固定される。従って、固定用螺子部60を螺子部固定用金具61に螺嵌し、アクセス板55をアクセス板収容部54に固定して、アクセス板55はアクセス板収容部54に収容される。固定用螺子部60と螺子部固定用金具61との螺合を解除すると、アクセス板55をアクセス板収容部54から引き出すことができる。
アクセス板55の上部には、スリット部62が、アクセス板収容部54の下部に形成された溝部56と平行に設けられている。更に、アクセス板55の下部には、スリット部63が、アクセス板収容部54の下部に形成された溝部56と平行に設けられている。
図4におけるスリット部62及び63の左端には、各アクセス板55のスリット部62及び63を貫通する棒部材64及び65が設けられている。棒部材64及び65は、連結金具64−a及び65−aによって、アクセス板収容部54に固定されている。棒部材64及び65と連結金具64−a及び65−aは、アクセス板55をアクセス板収容部54から引き出す場合に一定以上引き出されてしまわないようにするために、アクセス板55の摺動に対するストッパー、即ち、摺動停止部材として機能する。
上述の構造の下、アクセス板55は、アクセス板収容部54の溝部56をスムーズに摺動できる一方、棒部材64及び65とスリット部62及び63の右端との当接により、アクセス板55の摺動は停止され、アクセス板55がアクセス板収容部54から飛び出ることが回避される。
図5は、外部光ファイバ58をアクセス板55に設けられたアダプタ部57に接続し、当該アクセス板55をアクセス板収容部54から引き出した状態における本発明の第1の実施例に係る電力インターフェイスユニット50の斜視図である。図5では、説明の便宜上、1本の外部光ファイバ58のみアダプタ部57接続した状態を図示し、他の外部光ファイバ58及び内部光ファイバ59のアダプタ部57への接続の図示を省略する。また、図6は、図5に示すアダプタ部57と、アダプタ部57に接続する外部光ファイバ58を拡大して示す斜視図である。
図5及び図6を参照するに、外部光ファイバ58は、Z1−Z2方向に2本並べられて、アダプタ部57へ接続される。一本は、光通信装置へのIN用であり、他の一本は、光通信装置からのOUT用である。外部光ファイバ58の先端に設けられた外部光ファイバ・コネクタ58−aをアダプタ部57へ挿入することによって、外部光ファイバ58はアダプタ部57に接続される。
外部光ファイバ58の端末に設けられた外部光ファイバ・コネクタ58−aをアダプタ部57へ挿入し、外部光ファイバ58とは反対の側からアダプタ部57に接続された内部光ファイバ59と対向接触させて、外部光ファイバ58と内部光ファイバ59とが着脱可能に光結合される。
外部光ファイバ・コネクタ58−aには、外部光ファイバ58をアダプタ部57に接続してロック固定するための外部光ファイバ・コネクタ係合部58−bが設けられている。アダプタ部57にロック固定された外部光ファイバ・コネクタ58−aの外部光ファイバ・コネクタ係合部58−bに押圧を加えることにより、外部光ファイバ・コネクタ58−aとアダプタ部57とのロックは解除され、外部光ファイバ58をアダプタ部57から抜くことが出来る。
外部光ファイバ・コネクタ係合部58−bは、図5及び図6においてY1方向に設けられているが、かかる構造は、光通信装置内において、横方向(図5におけるY1−Y2方向)の長さに制限がある場合に有効である。即ち、仮に、図5及び図6におけるZ1方向又はZ2方向に外部光ファイバ・コネクタ係合部58−bが位置するようにアダプタ部57を設置すると、アダプタ部57が図5及び図6におけるY1−Y2方向において占める長さは、図5及び図6に示す状態に比し長くなる。従って、光通信装置内において、横方向(図5及び図6におけるY1−Y2方向)の長さに制限がある場合には対応できない。
しかし、図5及び図6に示す構造とすることにより、アダプタ部57が図5及び図6におけるY1−Y2方向において占める長さを短くすることができ、光通信装置内において、横方向(図5及び図6におけるY1−Y2方向)の長さに制限がある場合に対応することができる。即ち、アダプタ部57を搭載するアクセス板55を引き出すだけで、外部光ファイバ58のアダプタ部57への着脱操作を容易に行うことが出来る。
なお、図5及び図6に示す例では、アダプタ部57は、アクセス板55の図5におけるY1側に設けられているため、外部光ファイバ・コネクタ係合部58−bも、図5においてY1方向に設けられているが、本実施例は、これに限られない。アダプタ部57を、アクセス板55の図5におけるY2側に設け、外部光ファイバ・コネクタ係合部58−bを、図5においてY2方向に設けてもよい。
次に、アダプタ部57のアクセス板55への取り付け構造について説明する。図7は、第1アダプタ抑え金具70及び第2アダプタ抑え金具71のアダプタ部57への取り付け構造を示す図である。
図6乃至図7を参照するに、アダプタ部57は、第1アダプタ抑え金具70と第2アダプタ抑え金具71とに挟持されている。アダプタ部57の上面57−a(図6におけるZ2方向の面)には突起部57−bが形成されている。また、アダプタ部57の前面(図5におけるX1方向の面)には、2つの開口部57−cが形成され、開口部57−cに、外部光ファイバ58の端末に設けられた外部光ファイバ・コネクタ58−aが挿入され、外部光ファイバ58はアダプタ部57に接続される。
第2アダプタ抑え金具71は、図6におけるX1−X2方向に面71−aを備える。また、第2アダプタ抑え金具71は、側面71−aとは垂直であって側面71−aから延在して形成された下面71−b及び、側面71−aと平行な面であって下面71−bから延在して形成された側面71−cを有する。第2アダプタ抑え金具71の側面71−a、下面71−b、及び側面71−cによって、アダプタ部57は被装される。
第1アダプタ抑え金具70は、図6におけるX1−X2方向に面70−aを備える。また、第1アダプタ抑え金具70は、側面70−aとは垂直であって、面70−aから延在して形成された上面70−bを有する。上面70−bは、切片部70−cを有する。アダプタ部57の突起部57−bが、第1アダプタ抑え金具70の切片部70−cと嵌合することにより、第1アダプタ抑え金具70は、アダプタ部57に固定される。
このようにして、アダプタ部57は、被装部材たる第2アダプタ抑え金具71に被装され、更に、嵌合部材たる第1アダプタ抑え金具70によって固定される。
ところで、第1アダプタ抑え金具70の側面70−aと第2アダプタ抑え金具71の側面71−aとは略同じ形状及び面積を有する。従って、アダプタ部57が、第2アダプタ抑え金具71に被装され、第1アダプタ抑え金具70によって固定されると、第1アダプタ抑え金具70の側面70−aと第2アダプタ抑え金具71の側面71−aは上下に重なることとなる。更に、第1アダプタ抑え金具70の側面70−aと第2アダプタ抑え金具71の側面71−aの所定の位置に、互いに重なるように2つの穴部70−d及び71−dが形成されている。
第1アダプタ抑え金具70の側面70−aに形成された穴部70−d、第2アダプタ抑え金具71の側面71−aに形成された穴部71−d、及びアクセス板55の内側であって穴部70−d及び穴部71−dに対応する位置に形成された穴(図示を省略する)に、図5に示すリベット72が嵌挿されて、アダプタ部57はアクセス板55に取り付けられ固定される。
なお、上述の例では、アダプタ部57を先ず第2アダプタ抑え金具71によって被装し、その上で、第1アダプタ抑え金具70によって固定する構造としているが、先ず第1アダプタ抑え金具70によって固定し、その上で、第2アダプタ抑え金具71によって被装する構造としてもよい。
このようにして、第1アダプタ抑え金具70及び第2アダプタ抑え金具71という最小限の部材で、簡易に、アダプタ部57をアクセス板55に取り付け固定することが出来る。
上述の本発明の第1の実施例の構造により、アクセス板55をアクセス板収容部54から引き出すだけで、外部光ファイバ・コネクタ係合部58−bとアダプタ部57とのロックを容易に操作することができ、外部光ファイバ58をアダプタ部57から着脱することが出来る。
即ち、上述の機構により、多数のアダプタ部57を搭載するアクセス板55を引き出すことによって、アダプタ部57近傍での操作領域を確実に確保することができる。従って、電力インターフェイスユニット50にアダプタ部57を隙間なく高密度に取り付けることができ、更に、アダプタ部57に対する外部光ファイバ58の着脱操作を、隣接する他の外部光ファイバ58と干渉することなく簡単に行うことが出来る。よって、簡易な機構で、高密度に搭載できる多チャンネルの光インターフェイスを実現することができる。
次に、本発明の第2の実施例について説明する。以下の説明において、第1の実施例と同じ部分については図面中に同じ番号を付してその説明を省略する。
上述の本発明の第1の実施例においては、アダプタ部57をアクセス板55に固定し、アクセス板55のみを引き出す構造としている。本発明の第2の実施例では、アクセス板155のみならず、アクセス板55に搭載された各アダプタ部157も可動できる構造とされている。
図8は、外部光ファイバ58をアクセス板155に設けられた接続器としてのアダプタ部157に接続し、当該アクセス板155をアクセス板収容部54から引き出した状態における本発明の第2の実施例に係る電力インターフェイスユニット150の斜視図である。図8では、説明の便宜上、1本の外部光ファイバ58のみアダプタ部157接続した状態を図示し、他の外部光ファイバ58及び内部光ファイバ59のアダプタ部157への接続の図示を省略する。
図9は、図8に示すアクセス板155に設けられたアダプタ部157近傍を拡大して示す斜視図である。
図10は、アクセス板収容部54に収容されたアクセス板155に設けられたアダプタ部157に、外部光ファイバ58および内部光ファイバ59が接続された状態の電力インターフェイスユニット150を示す図であり、図10−(a)は、正面図であり、図10−(b)は、アクセス板収容部54の側面部54−a(図8参照)を取り除いたときの側面図であり、図10−(c)は平面図である。なお、図10では、3枚のアクセス板155がアクセス板収容部54に収容されているが、本発明は、アクセス板155のアクセス板収容部54における収容枚数に特に限定はない。
第2の実施例では、図9に示されるように、アクセス板155に搭載された各アダプタ部157が、アクセス板155を摺動できるように、アクセス板155に、各アダプタ部157毎に、2本の傾斜スリット部300−a及び300−bが平行に形成されている。
また、第2の実施例においても、第1の実施例と同様に、アクセス板155には、多数のアダプタ部157が、X−Y平面に対して所定の角度傾斜された状態で、Z1−Z2方向に平行に設けられている。上述の傾斜スリット部300−a及び300−bは、図9に示すように、上述のアダプタ部157のX−Y平面に対する傾斜角度と同じ角度を、X−Y平面に対して有する。
ところで、図11は、アダプタ部157のアクセス板155への搭載構造を示すアクセス板155の斜視図である。
図11を参照するに、第1アダプタ抑え金具70の側面70−aと第2アダプタ抑え金具71の側面71−aの所定の位置に、穴部70−e及び穴部71−eとが重なるように、更に、穴部70−f及び71−fとが重なるように形成されている。
傾斜スリット部300−a、第1アダプタ抑え金具70の側面70−aの穴部70−e及び第2アダプタ抑え金具71の側面71−aの穴部71−eには、Y1−Y2方向に第1ブッシュ部材310−aが、Y2−Y1方向に第1リベット部材320−aが嵌挿される。また、傾斜スリット部300−b、第1アダプタ抑え金具70の側面70−aの穴部70−f及び第2アダプタ抑え金具71の側面71−aの穴部71−fには、Y1−Y2方向に第2ブッシュ部材310−bが、Y2−Y1方向に第2リベット部材320−bが嵌挿される。
従って、アダプタ部157が固定される第1アダプタ抑え金具70及び第2アダプタ抑え金具71は、第1ブッシュ部材310−a及び第1リベット部材320−aを介して傾斜スリット部300−aと、第2ブッシュ部材310−b及び第2リベット部材320−bを介して傾斜スリット部300−bと、可動自在に接続される。よって、アクセス板155に設けられたアダプタ部157は、傾斜スリット部300−a及び300−bに沿って摺動することが出来る。
ところで、図9及び図11に示されるように、第1アダプタ抑え金具70の側面70−aにおいて穴部70−eの近傍には穴部330が、第2アダプタ抑え金具71の側面71−aにおいて、穴部71−fの近傍には穴部335が、互いに重なるように形成されている。更に、傾斜スリット部300−aの右端及び傾斜スリット部300−bの右端の近傍には突起部340が形成されている。突起部340のX−Z断面の形状は、穴部330及び穴部350の形状と略等しい。
従って、アダプタ部157を固定している第1アダプタ抑え金具70及び第2アダプタ抑え金具71を、傾斜スリット部300−a及び300−bに沿って、図11におけるX2方向に摺動すると、穴部330及び穴部335と突起部340とが係合し、アダプタ部157を固定している第1アダプタ抑え金具70及び第2アダプタ抑え金具71は固定される。その結果、仮に、第1アダプタ抑え金具70及び第2アダプタ抑え金具71に突発的な力が作用しても、アダプタ部157を固定している第1アダプタ抑え金具70及び第2アダプタ抑え金具71が、図11におけるX1方向側に飛び出ることが防止される。
なお、アダプタ部157を固定している第1アダプタ抑え金具70及び第2アダプタ抑え金具71を図11におけるX1方向側に引き出した場合は、傾斜スリット部300−aの左端と第1リベット320−aとの接触及び傾斜スリット部300−bの左端と第2リベット320−bとの接触によって、第1アダプタ抑え金具70及び第2アダプタ抑え金具71が、傾斜スリット部300−a及び傾斜スリット部300−bに沿って摺動することが停止される。但し、上述のように、穴部と突起部を傾斜スリット部300−a及び300−bの左端近傍にも形成し、両者の係合によって、アダプタ部157を固定している第1アダプタ抑え金具70及び第2アダプタ抑え金具71をアクセス板155に固定する構造としてもよい。
図8及び図9を再度参照するに、外部光ファイバ・コネクタ係合部58−bは、図8及び図9においてZ2方向に設けられている。かかる構造は、光通信装置内において、縦方向(図8及び図9におけるZ1−Z2方向)の長さに制限がある場合に有効である。
即ち、仮に、図8及び図9におけるY1方向又はY2方向に外部光ファイバ・コネクタ係合部58−bが位置するようにアダプタ部157を設置すると、アダプタ部157が図5におけるZ1−Z2方向において占める長さは、図8及び図9に示す状態に比し長くなる。従って、光通信装置内において、縦方向(図8及び図9におけるZ1−Z2方向)の長さに制限がある場合には対応できない。
しかし、図8及び図9に示す構造とすることにより、アダプタ部157が縦方向(図8及び図9におけるZ1−Z2方向)において占める長さを短くすることができ、光通信装置内において、縦方向(図8及び図9におけるZ1−Z2方向)の長さに制限がある場合に対応することができる。
即ち、第2の実施例では、第1の実施例と同様に、アダプタ部157を搭載するアクセス板155をスムーズに引き出し、棒部材64及び65とスリット部62及び63の右端との当接によりアクセス板155がアクセス板収容部54から飛び出すこと8が抑止され、更に、アクセス板155とは別個に、第1アダプタ抑え金具70及び第2アダプタ抑え金具71という最小限の部材で、簡易にアダプタ部157を斜め前に摺動して引き出すことができる。
従って、縦方向(図8及び図9におけるZ1−Z2方向)に長さ上の制限がある場合に対応するために外部光ファイバ・コネクタ係合部58−bを図8及び図9におけるZ2方向に、所謂デッドスペースなく、多数実装することができ、更に、外部光ファイバ58のアダプタ部157への着脱操作を容易に行うことが出来る。よって、簡易な機構で、高密度に搭載できる多チャンネルの光インターフェイスを実現することができる。
なお、図8及び図9に示す例では、外部光ファイバ・コネクタ係合部58−bも、図8及び図9においてZ2方向に設けられているが、本実施例は、これに限られず、外部光ファイバ・コネクタ係合部58−bを、図8及び図9においてZ1方向に設けてもよい。
また、第1アダプタ抑え金具70及び第2アダプタ抑え金具71を用いて、アダプタ部157をアクセス板55に取り付ける構造は、図7を用いて説明した本発明の第1の実施例に係るアダプタ部57の場合と同様であるので説明を省略する。
次に、本発明の第3の実施例について説明する。以下の説明において、第1の実施例又は第2の実施例と同じ部分については同じ番号を付してその説明を省略する。
上述の如く、本発明の第1の実施例においては、アダプタ部57をアクセス板55に固定し、アクセス板55のみを引き出す構造としている。また、本発明の第2の実施例では、アクセス板155のみならず、アクセス板55に搭載された各アダプタ部157も可動できる構造とされている。本発明の第3の実施例では、アクセス板255の上側に設けられた接続器としてのアダプタ部257については、アクセス板255を摺動することにより放射状に可動し、アクセス板255の下側に設けられた接続器としてのアダプタ部157については第2実施例で示した構造と同じ構造を有しアクセス板255の上側に設けられたアダプタ部157とは個別に可動できる構造とされている。
図12は、アクセス板収容部254に収容されたアクセス板255に設けられたアダプタ部157及び257に外部光ファイバ58および内部光ファイバ59が接続された状態の本発明の第3の実施例に係る電力インターフェイスユニット250を示す図であり、図12−(a)は、正面図であり、図12−(b)は、側面に関する透視図であり、図12−(c)は平面図である。なお、図12では、3枚のアクセス板255がアクセス板収容部254に収容されているが、本発明は、アクセス板255のアクセス板収容部54における収容枚数に特に限定はない。
図12を参照するに、本発明の第3の実施例に係る光ファイバの接続機構を備えた電力インターフェイスユニット250は、プリント板51、コネクタ52、挿抜操作部53、アクセス板収容部254等を含む。
アクセス板収容部254の下面254−a上に、支持板部400が配設される。支持板部400には、アクセス板255が摺動可能に取り付けられている。アクセス板255の支持板部400への取り付け構造については後述する。
アクセス板255は、例えば、ステンレス等から成る。各アクセス板255には、多数のアダプタ部157及び257が、設けられている。アダプタ部157及び257には、外部光ファイバ58および内部光ファイバ59が着脱可能に接続される。
第1実施例及び第2実施例と同様に、アクセス板255は、上部に固定用螺子部60を備える。固定用螺子部60は、アクセス板収容部254に設けられた螺子部固定用金具61に螺子固定される。固定用螺子部60の螺子部固定用金具61への螺合を解除すると、アクセス板255をアクセス板収容部254から引き出すことができる。
図13は、図12に示すアクセス板255の支持板部400への取り付け構造を示す斜視図である。
図13を参照するに、支持板部400は、X−Z面において、上部側面部400−1、下部側面部400−2、及び上部側面部400−1と下部側面部400−2を連結する連結側面部400−3を有する。上部側面部400−1、下部側面部400−2、及び連結側面部400−3により、切り欠き部400−4が支持板部400のX−Z面に形成されている。
上部固定面400−5が上部側面部400−1の最上端からY1方向に延設される。また、下部固定面400−6が下部側面部400−2の最下端からY1方向に延設される。上部固定面400−5が図12に示されるアクセス板収容部254の上面254−bに当接し、下部固定面400−6が図12に示されるアクセス板収容部254の下面254−aに当接することによって、支持板部400はアクセス板収容部254に固定され、支持板部400によって重合支持されるアクセス板255はアクセス板収容部254に収容される。
更に、Z1方向に開口しているY−Z断面を有する上部溝部400−7が、上部側面部400−1の上部においてY1方向に設けられている。また、Z2方向に開口しているY−Z断面を有する下部溝部400−8が、下部側面部400−2の下部においてY1方向に設けられている。
上部側面部400−1の内部においては、同一の傾斜面を有する第1放射スリット部400−10と第2放射スリット部400−11とが、一組として、複数組形成されている。上部側面部400−1の下部であって、左端(X1方向の端部)には第1係合穴400−12が形成されている。また、第1係合穴400−12からX2方向に所定の長さ離間した位置に、第2係合穴400−13が形成されている。下部側面部400−2の内部においては、X1−X2方向に、スリット400−9が形成されている。
アクセス板255の下部には、第2の実施例と同様に、第1アダプタ抑え金具70及び第2アダプタ抑え金具71によって固定されたアダプタ部157がアクセス板155を摺動できるように、各アダプタ部157毎に、2本の傾斜スリット部300−a及び300−bが所定の角度をもって平行に一組として、複数組が形成されている。
また、アクセス板255の上部の右側(X2方向側)に、Z1−Z2方向に、縦スリット部500が形成されている。縦スリット部500のZ1方向側の下端部は、上述の傾斜スリット部300−aのうち最上位に位置している傾斜スリット部300−aよりも上側(Z2方向側)に形成されている。
縦スリット部500の下端よりも左下側には突起部520が、Y2方向に延在して形成されている。更に、アクセス板255の下部には、アクセス板取り付け穴510が形成されている。
このような構造を有するアクセス板255の支持板部400への取り付け構造およびアダプタ部257のアクセス板255及び支持板部400への取り付け構造を以下、説明する。
図14は、上述のような構造を有する図13に示すアダプタ部257をアクセス板255及び支持板部400に、アクセス板255を支持板部400に取り付けた状態を示す斜視図である。
図13及び図14を参照するに、アクセス板255のZ1−Z2方向の長さは、上部溝部400−7と下部溝部400−8との間の長さと略等しい。従って、アクセス板255の上端部を、支持板部400の上部溝部400−7の開口部に挿入し、アクセス板255の下端部を、支持板部400の下部溝部400−8の開口部に挿入すると、アクセス板255は、支持板部400の上部溝部400−7および下部溝部400−8によって、支持される。
アクセス板255の右端(X2方向側)が支持板部400の右端(X2方向側)と一致するようにアクセス板255を上部溝部400−7および下部溝部400−8に搭載したときに、スリット400−9の右端(X2方向側)と当接するように、アクセス板取り付け穴510は位置づけられている。また、このとき、X−Z断面の形状が第2係合穴400−13と略等しい突起部520は、第2係合穴400−13と係合する。
アクセス板255に形成されているアクセス板取り付け穴510は、リベット511およびブッシュ512を介して、スリット400−9に取り付けられる。従って、アクセス板255が、支持板部400の上部溝部400−7および下部溝部400−8に沿ってX1方向に摺動し、リベット511およびブッシュ512がスリット400−9の左端(X1方向側)に当接すると、当該摺動は停止される。この場合、X−Z断面の形状が第1係合穴400−12と略等しい突起部520は、第1係合穴400−12と係合する。
また、アクセス板255の右端(X2方向側)と支持板部400の右端(X2方向側)が一致するようにアクセス板255を上部溝部400−7および下部溝部400−8に搭載したときに、第1放射スリット部400−10の右端(X2方向側)及び第2放射スリット部400−11の右端(X2方向側)は、縦スリット部500と重なるように位置づけられている。
更に、リベット511およびブッシュ512が、スリット400−9の左端に当接する状態になるまでアクセス板255をX1側に引き出したときに、第1放射スリット部400−10の左端(X1方向側)及び第2放射スリット部400−11の左端(X1方向側)は、縦スリット部500と重なるように、位置づけられている。
ところで、アダプタ部257は、第1の実施例及び第2の実施例に類似した構造を有する第1アダプタ抑え金具270及び第2アダプタ抑え金具271により固定されている。第1アダプタ抑え金具270及び第2アダプタ抑え金具271は、以下の点で、第1アダプタ抑え金具70及び第2アダプタ抑え金具71と相違する。
即ち、第1アダプタ抑え金具270及び第2アダプタ抑え金具271の穴部270−a及び271−aと、穴部270−b及び271−bの位置が、第1の実施例及び第2の実施例の第1アダプタ抑え金具70及び第2アダプタ抑え金具71と相違する。図12−(b)に示されるように、アクセス板255がアクセス板収容部254から引き出されずに、アクセス板収容部254に収容されている状態では、アダプタ部57も、アダプタ部257も、X−Z面に対して略同一の傾斜角を有して平行に設けられている。この状態で、第1アダプタ抑え金具270の穴部270−a及び穴部270−bと、第2アダプタ抑え金具271の穴部271−a及び穴部271−bとが縦スリット部500を貫通する。
リベット600及びブッシュ610が、穴部270−a及び穴部271−a、縦スリット部500、及び第1放射スリット部と、穴部270−b及び穴部271−b、縦スリット部500、及び第2放射スリット部400−11とに嵌挿されることによって、アダプタ部257を固定する第1アダプタ抑え金具270及び第2アダプタ抑え金具271は、可動自在に、アクセス板255及び支持板部400に固定される。
図15は、図13及び図14に示すアクセス板255を、図13及び図14のX1方向に、支持板部400から引き出した状態を示す側面図である。
図15を参照するに、図13及び図14に示すアクセス板255を、支持板部400から図13及び図14のX1方向に摺動して引き出すと、アダプタ部257を固定する第1アダプタ抑え金具270及び第2アダプタ抑え金具271は、縦スリット部500、第1放射スリット部400−10、及び第2放射スリット部400−11に沿って摺動する。
即ち、図15において、各アダプタ部257は、X1方向には同じ長さ分、Y1方向には、第1放射スリット部400−10及び第2放射スリット部400−11の傾斜角に基づく長さ分、放射状に移動する。
従って、アクセス板255を、図15におけるX1方向に支持板部400から摺動して引き出すと、アダプタ部257を固定する夫々の第1アダプタ抑え金具270及び第2アダプタ抑え金具271は、高さ方向(Y1方向)に、アダプタ部257を操作するに十分な間隔が形成される。
図13及び図15を参照するに、第1放射スリット部400−10及び第2放射スリット部400−11は、一組として、アダプタ部257毎に設けられているが、各組毎に、傾斜角は相違している。より具体的には、上側(Y1方向側)に位置すればするほど、第1放射スリット部400−10及び第2放射スリット部400−11の傾斜角は、大きくなる。
かかる構造にすることにより、仮に、アダプタ部257に接続する内部光ファイバ59の余長部分が十分でなくとも、アダプタ部257が、縦スリット部500、第1放射スリット部400−10及び第2放射スリット部400−11を摺動することによって、内部光ファイバ59は、図15に示すA点を中心点として回動し、必要以上に、内部光ファイバ59が引っ張られることはない。即ち、アダプタ部257の摺動の前後において、内部光ファイバ59の長さを変えることなくアダプタ部257を摺動できるように、上述の傾斜角が設けられている。
よって、アクセス板255を、支持板部400から図15におけるX1方向に摺動して引き出すと、高さ方向(Y1−Y2)方向に、アダプタ部257を操作するに十分な領域を確保することができる。
図16は、図15に示す状態から、アダプタ部157を固定する夫々の第1アダプタ抑え金具70及び第2アダプタ抑え金具71を、アクセス板255からX1方向に引き出した状態を示す側面図である。図16を参照するに、第1アダプタ抑え金具70及び第2アダプタ抑え金具71は、第2の実施例と同様の機構によって、摺動して引き出すことが出来る。なお、アクセス板255の下側にあるアダプタ部57に接続される内部光ファイバ59については、十分に余長部分が形成されるため、アダプタ部257の場合と同様の構造を設ける必要はない。
ところで、第3の実施例では、アダプタ部157及びアダプタ部257に接続される外部光ファイバ・コネクタ係合部58−bは、図16においてY1方向に設けられている。
即ち、第3の実施例では、第2の実施例と同様に、縦方向(図16におけるY1−Y2方向)の長さに制限がある場合に対応すべく、外部光ファイバ・コネクタ係合部58−bを、図16においてY1方向に設けても、アクセス板255を、支持板部400から図15におけるX1方向に摺動して引き出すと、アダプタ部257は、放射状に摺動して、高さ方向(Y1−Y2)方向においてアダプタ部257を操作するに十分な間隔を形成し、また、アダプタ部57にあっては、アクセス板255とは別個に、第1アダプタ抑え金具70及び第2アダプタ抑え金具71という最小限の部材で、簡易にアダプタ部57を斜め前に摺動して引き出すことができる。
従って、縦方向(Z1−Z2方向)に長さの制限がある場合に対応するために外部光ファイバ・コネクタ係合部58−bをZ2方向に、所謂デッドスペースなく多数実装することができ、更に、外部光ファイバ58のアダプタ部57への着脱操作を容易に行うことが出来る。従って、簡易な機構で、高密度に搭載できる多チャンネルの光インターフェイスを実現することができる。
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれに限定されるわけではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置に搭載され、前記電子装置の伝送経路を接続する接続器を備えるユニットであって、
前記接続器を複数搭載するアクセス板を摺動自在に備えることを特徴とするユニット。
【請求項2】
当該ユニットは、溝部を更に備え、
前記アクセス板は前記溝部を摺動することを特徴とする請求項1記載のユニット。
【請求項3】
前記アクセス板はスリット部を備え、
当該ユニットは、前記スリット部を貫通し且つ前記スリット部の端部との当接により前記アクセス板の摺動を停止する摺動停止部材を更に備えることを特徴とする請求項1又は2記載のユニット。
【請求項4】
電子装置に搭載され、前記電子装置の伝送経路を接続する接続器を備えるユニットであって、
当該ユニットは、前記接続器を摺動自在に複数搭載するアクセス板を備えることを特徴とするユニット。
【請求項5】
前記接続器は、被装部材によって被装され、嵌合部材によって嵌合され、前記被装部材及び前記嵌合部材を介して前記アクセス板に搭載されることを特徴とする請求項4記載のユニット。
【請求項6】
前記アクセス板には、傾斜スリット部が斜設され、
前記接続器は、前記アクセス板に対して前記アクセス板の前記傾斜スリット部に沿って摺動自在に搭載されていることを特徴とする請求項4又は5記載のユニット。
【請求項7】
前記被装部材及び前記嵌合部材には穴部が形成され、
前記アクセス板の前記傾斜スリット部の端部の近傍には突起部が形成され、
前記穴部と前記突起部との係合により、前記接続器の前記アクセス板に対する摺動が停止されることを特徴とする請求項6記載のユニット。
【請求項8】
前記接続器は、前記アクセス板を当該ユニットから摺動することによって、前記アクセス板に対して摺動することを特徴とする請求項4又は5記載のユニット。
【請求項9】
当該ユニットは、前記アクセス板を摺動自在に重合支持する支持板部を更に備え、
前記アクセス板は、当該ユニットからの摺動方向と垂直の方向に形成された縦スリット部を備え、
前記支持板部は、放射状に形成された放射スリット部を備え、
前記接続器は、前記縦スリット部及び前記放射スリット部に沿って摺動することを特徴とする請求項8記載のユニット。
【請求項10】
電子装置に搭載されるユニットに配設された複数の接続器の夫々に前記電子装置の伝送経路を接続するための接続機構であって、
前記複数の接続器を搭載するアクセス板を前記ユニットの内部に有し、
前記アクセス板を前記ユニットから摺動することによって前記接続器に前記伝送経路を接続可能とすることを特徴とする接続機構。
【請求項11】
前記ユニットは、溝部を更に備え、
前記アクセス板を前記ユニットの前記溝部に沿って摺動することによって前記接続器に前記伝送経路を接続可能とすることを特徴とする請求項10記載の接続機構。
【請求項12】
前記アクセス板は、スリット部を備え、
前記ユニットは、前記スリット部を貫通する摺動停止部材を備え、
前記摺動停止部材を前記スリット部の端部に当接することにより、前記アクセス板を前記ユニット部から摺動することが停止されることを特徴とする請求項10又は11記載の接続機構。
【請求項13】
電子装置に搭載されるユニットに配設された複数の接続器の夫々に前記電子装置の伝送経路を接続するための接続機構であって、
前記複数の接続器を搭載するアクセス板を前記ユニットの内部に有し、
前記接続器を前記アクセス板に対して摺動することによって前記接続器に前記伝送経路を接続可能とすることを特徴とする接続機構。
【請求項14】
前記接続器は、被装部材によって被装され、嵌合部材によって嵌合され、前記被装部材及び前記嵌合部材を介して前記アクセス板に搭載されることを特徴とする請求項13記載の接続機構。
【請求項15】
前記アクセス板には、傾斜スリット部が斜設され、
前記接続器を前記アクセス板の前記傾斜スリット部に沿って摺動することによって前記接続器に前記伝送経路を接続可能とすることを特徴とする請求項13又は14記載の接続機構。
【請求項16】
前記被装部材及び前記嵌合部材には穴部が形成され、
前記アクセス板の前記傾斜スリット部の端部の近傍には突起部が形成され、
前記穴部と前記突起部との係合により、前記接続器を前記アクセス板に対して摺動することが停止されることを特徴とする請求項15記載の接続機構。
【請求項17】
前記接続器は、前記アクセス板を前記ユニットから摺動することによって、前記接続器は前記アクセス板に対して摺動され、前記接続器に前記伝送経路を接続可能とすることを特徴とする請求項13又は14記載の接続機構。
【請求項18】
前記ユニットは、前記アクセス板を摺動自在に重合支持する支持板部を更に備え、
前記アクセス板は、前記アクセス板の前記ユニットからの摺動方向と垂直の方向に形成された縦スリット部を備え、
前記支持板部は、放射状に形成された放射スリット部を備え、
前記接続器は、前記縦スリット部及び前記放射スリット部に沿って摺動し、前記接続器に前記伝送経路を接続可能とすることを特徴とする請求項17記載の接続機構。

【国際公開番号】WO2004/052066
【国際公開日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【発行日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−556775(P2004−556775)
【国際出願番号】PCT/JP2002/012528
【国際出願日】平成14年11月29日(2002.11.29)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】