説明

電子装置の改竄を検出するメカニズム

電子装置は、シャーシ、及び孔を有するプリント配線板(PWB)を有する。孔には固定具が設置されて、PWBをシャーシに固定する。PWBには一対の導電性トレースが形成される。ある量の導電性接着剤であるキャップが固定具の一部分をカバーすると共に、2つのトレース間の電気絶縁ギャップを埋めて、2つのトレースを接続する導電性経路を形成する。感知回路がトレースに結合され、経路のインピーダンス変化を検出して、改竄事象警告をシグナリングする。他の実施形態も説明され、請求される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、電子装置に係り、より詳細には、電子装置における消費者誤用の発生を検出するための技術に係る。
【0002】
関連出願:本出願は、2009年8月10日に出願された“Mechanisms for Detecting Tampering With a Printed Circuit Board and Exposure to Water in an Electronic Device”と題する米国プロビジョナル特許出願第61/232,686号の早期出願日の利益を主張するものである。
【背景技術】
【0003】
本章は、以下に説明され及び/又は請求される本発明の種々の態様に関連した従来の種々の態様を読者に紹介することを意図している。本開示は、本発明の種々の態様の良好な理解を容易にするために背景情報を読者に与える上で有用であると考えられる。従って、これらの陳述は、この観点で読まれるべきもので、従来技術として認めるものでないことを理解されたい。
【0004】
消費者によって購入される電子装置は、通常、保証書又は返品方針が製品に添付されて販売され、売主及び/又は製造者は、製品に欠陥がなく且つ少なくとも限定された期間中は動作できる状態を保つことを保証する。例えば、典型的な保証書及び返品方針は、保証期間中に製品に欠陥が発見されるか又は製品が動作しなくなった場合に、製造者又は売主は、製品を交換するか、又は消費者に追加料金をほとんど又は全く課さずに製品を動作状態に回復させるための修理サービスを提供することを明記する。
【0005】
一般的に、このような保証書又は返品方針は、製品の製造又は設計に関する故障及び欠陥だけをカバーするもので、典型的に、消費者の誤用の結果として生じる製品の故障はカバーしない。実際に、多くの保証方針は、意図的であるかどうかに関わらず、消費者の誤用からのダメージが製品故障の基本的原因であるときには返品又は修理を明確に除外している。例えば、消費者の誤用は、電子装置を液体、極端な温度、又は過剰な衝撃(例えば、装置を落下することから生じる衝撃)に露出させることを含む。又、消費者の誤用は、装置を通常の仕方で動作することに関係のない装置との相互作用(例えば、装置のケース又はハウジングを開けて、内部のコンポーネントを追加し、除去し又は変更すること)を含む改竄からも生じる。
【0006】
デスクトップパーソナルコンピュータ、ラップトップ又はノートブックコンピュータ、スマートホン、及びポータブルデジタルメディアプレーヤのような電子装置は、エンドユーザ又は消費者によってしばしば改竄される。例えば、あるユーザは、自分で作ろう(do−it−yourself)能力をテストすることが好きで、外部ハウジングを開き、内部の電子的コンポーネント、例えば、プリント配線板又はプリント回路板(PCB)の除去又は変更を試すことによって電子装置を修理したり又はその性能を改良したりすることを試みようとする。
【0007】
当然、販売された製品のある割合は、結局のところ、製品の寿命中のある時点で、機能不良になったり動作しなくなったりする。これが起きたとき、製品がまだ保証期間内である場合には、購入消費者は、故障した又は動作しない装置を、保証協約書の条項に基づいて修理又は交換のために販売店の売主に返品するか又は製造者に直接返品することを選択する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、大雑把な点検では容易に分からない消費者の誤用のために装置が故障したが、消費者が装置を保証のもとでの修理又は交換のために返品を試みるときに、問題が生じる。多くの場合、特に、販売店において、返品された装置を受け取る係員は、装置が製造欠陥のために故障したか消費者の誤用のために故障したか判断する資格がないか又は訓練されていない。従って、販売店の係員は、多くの場合、顧客との潜在的な争いを避けるために、故障の原因に関わらず、返品された製品を、正常な代替え製品と交換してしまう。その結果、消費者が、保証書の条項のもとでカバーされない誤用された製品に対して代替え製品を受け取ったり修理サービスを受けたりすることは、珍しくない。そのような誤った交換又は修理は、製品の売主及び/又は製造者に費用がかかる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
製造者の元々の仕様に基づいてもはや動作しないユニットを返品するユーザの説明陳述に依存する必要なく消費者の誤用(一般的に、ここでは、改竄と称される)を検出するのが望ましい。本発明の一実施形態は、電子装置からプリント配線板(PWB)又はPCBを除去する試みを自動的に検出するのに使用される改竄センサメカニズムである。このメカニズムは、改竄又は侵入検出のための典型的な解決策、即ちPCB上にしばしば配置されて、PCBを装置のハウジング又はシャーシに固定する固定具をカバーする接着ラベル又はステッカーにとって代わることができる。本発明の幾つかの実施形態について以下に説明する。
【0010】
一実施形態において、PWBに形成された改竄センサは、一対の導電性(回路)トレースより成り、キャップは、ある量の導電性接着剤で、固定具の一部分をカバーし、そして流体であるために、2つのトレース間(を電気的に絶縁している)のエアギャップを埋めて、2つのトレースを接続する導電性経路を形成する。その経路のインピーダンスの変化を検出するために、一対のトレースに結合された感知回路が設けられる。検出されたインピーダンス変化が、固定具を除去する試みがなされた(又は実際に固定具が除去された)ことを指示するに充分であると分かると、感知回路は、それに応答して、電子装置に改竄事象データ構造をログするデータプロセッサに、シャーシからPWBを取り外す試みがなされたことを指示する警告をシグナリングする。
【0011】
別の実施形態では、単一の回路トレースが固定具の孔に充分接近する(改竄センサを形成するために)。測定された量の導電性接着剤であるキャップが、孔に設置された固定具のツール端に接触しそしてそれをカバーするように配置される。キャップは、回路トレースとツール端との間の電気絶縁ギャップを埋めて、固定具を経てシャーシの導電性部分に回路トレースを接続する導電性経路を形成する。この実施形態では、固定具が導電性経路の一部分として働き、そのインピーダンスが(感知回路によって)変化に対して監視される。
【0012】
2つ以上の改竄センサが望まれる場合には(例えば、PWBをシャーシに固定するのに複数の固定具が必要なときには)、各孔に関連した回路トレースの対が互いに直列に接続される。感知回路は、直列接続された全ての改竄センサを通して延びる導電性経路全体のインピーダンスの変化を検出するように結合される。従って、各改竄センサはその非改竄状態では「通常短絡」される(又は「連続性」を示す)ので、いずれかのセンサを伴って改竄がなされると、「開路」が生じ、これが感知回路によりインピーダンスのスレッシュホールド変化として検出される。
【0013】
あるケースでは、電子装置は、比較的大きなものであるか、或いは多部片PWBを伴う複雑なものであるか、又は単にPWBを伴うもので、比較的多数の改竄センサを有している。このケースでは、ランダムにアクセスできるセンサ「アレイ」の形態で比較的多数の改竄センサに結合される選択及び感知回路が設けられる。必ずしも長方形ではないが、この実施形態は、改竄センサの各導電性経路へ、一度に1つづつ、電流を通すか又は電圧を印加し、次いで、インピーダンス変化を検出するために、選択及び感知回路によりアサートされる「列」及び「行」センサ選択信号を有すると考えられる。従って、センサアレイは、改竄事象の警告を探して、周期的に「スキャン」される。そのようにする際に、改竄事象の物理的な位置を、選択された行及び列の選択信号により固有に識別することができる。
【0014】
以上の概要は、本発明の全ての態様を余すところなく列挙するものではない。本発明は、以上に概要を述べた種々の態様、並びに以下の詳細な説明に開示され及び特許請求の範囲に特に指摘された種々の態様のあらゆる適当な組み合わせから具現化できるあらゆるシステム及び方法を含むと考えられる。このような組み合わせは、以上の概要では特に示されていないが、特定の効果を有する。
【0015】
本発明の実施形態は、同様の要素が同じ参照番号で示された添付図面に一例として示されるが、これに限定されない。この開示において本発明の「一」実施形態又は「1つの」実施形態とは、必ずしも同じ実施形態を指すものではなく、少なくとも1つを意味することに注意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】電子装置の開放したシャーシの斜視図又は立面図で、改竄センサメカニズムを示す図である。
【図2】改竄センサメカニズムに使用されるPWBの孔の別の構成を示す。
【図3】改竄センサの一例の断面図である。
【図4】改竄センサの別の例、この場合は、接地型改竄センサの断面図である。
【図5】接地型改竄センサの別の例を示す。
【図6】異なる固定具ツール端を有する改竄センサの別の例を示す。
【図7】感知回路の実施例を示す回路図である。
【図8】複数の改竄センサの直列接続を示す。
【図9】選択ロジック及び感知回路に結合された改竄センサのアレイを示す。
【図10】改竄センサメカニズムのための製造及び生産テストプロセスのフローチャートである。
【図11】電子装置における改竄検出プロセスのフローチャートである。
【図12】選択可能なセンサアレイを伴う電子装置の別の改竄検出プロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態を以下に説明する。これら実施形態で述べる部品の形状、相対的位置及び他の観点が明確に定義されないときには、本発明の範囲は、図示された部品のみに限定されず、単なる例示に過ぎないことを意味する。又、多数の細部を示すが、本発明の実施形態は、それらの細部がなくても具現化できることを理解されたい。他の点について、良く知られた回路、構造及び技術は、この説明の理解を不明瞭にしないために、詳細に示されていない。
【0018】
図1は、電子装置のハウジングの内部の斜視図又は立面図で、本発明の一実施形態による改竄センサメカニズムを伴う開放シャーシを示す図である。電子装置は、デスクトップコンピュータ、ノートブック/ラップトップコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント、タブレットコンピュータ、スマートホン、或いはエンドユーザ又は消費者によって改竄されるおそれのある他の消費者向け電子装置である。
【0019】
この装置は、データプロセッサ30を備え、これは、不揮発性メモリ32を使用して、種々の典型的な機能(例えば、汎用コンピューティング、デスクトップコンピュータアプリケーション、ワイヤレス電話及びワイヤレスインターネットアクセスを含む移動アプリケーション、並びにマルチメディア記録及び再生、例えば、ビデオ及びオーディオ)を遂行する従来のプログラム可能なマイクロプロセッサベース(又はハードワイヤード状態マシンベース)の回路である。これらの機能は、例えば、スマートホンの典型である次のハードウェアコンポーネントを使用して遂行される。即ち、I/Oポート38(例えば、シリアルコンピュータ周辺通信バス)、ユーザ入力装置36(例えば、キーボード、マウス及びタッチ感知パネル)、ディスプレイ装置34(例えば、液晶表示パネル)、オーディオI/Oインターフェイス40(例えば、マイクロホン及びスピーカ)、並びにネットワークインターフェイス39(例えば、イーサネット(登録商標)及びワイヤレスローカルエリアネットワークプロトコルのためのネットワークインターフェイスコントローラ、移動テレコミュニケーション及びセルラーテレコミュニケーショントランシーバ回路)。これらコンポーネントのほとんどは、PWB4(プリント回路板PCBとも称される)内に設置(一緒に配線)される。PWB4は、例えば、フレックスコネクタによって互いに接続される2つ以上のセグメントを有する。又、装置のシャーシ2には、貫通孔6を有するPWB4が、その孔に設置される固定具11を使用して固定される。シャーシ2は、装置の外部ハウジング内の個別の金属フレーム又はブラケットでもよいし、又は外部ハウジングそれ自体の一部分でもよい(例えば、固定具11が取り付けられるシャーシパッドを有するプラスチックフレーム又はサポート部材)。貫通孔6は、図1に示すように、PWB4の境界の内側に位置されるが、図2に示すように、正に境界又は縁にあってもよい。固定具11は、スクリュー、ナット及びボルトの組み合わせでよく、又は孔6を貫通するシャーシにPWBを固定できる他の適当な代替え物でもよい。スクリュータイプの固定具、及びその固定具でPWBをシャーシにどのように固定するかの幾つかの可能性を図3−6に示して以下に説明する。
【0020】
PWB4には、回路トレース8、9とも称される一対の導電性トレースが孔6に隣接して又はその付近に形成される。それらは、導電性パッドとも称され、導電性接着剤キャップ12も含む改竄センサ10の一部分として、それらの目的に対し、その形状及びサイズに関して特別に構成される。接着剤キャップ12は、図3−6に示すように、測定された量の導電性接着剤で、固定具11の少なくとも一部分をカバーし、そして2つのトレース8、9間の電気絶縁性ギャップを埋めて、導電性経路を完成する。PWB4に組み立てられ又は設置されるか、さもなければ、電子装置のハウジング内に存在する感知回路25は、一対のトレース8、9に結合されて、改竄センサ10のインピーダンス変化、より詳細には、2つのトレース8、9を接続するキャップ12を通る導電性経路のインピーダンス変化を検出する。
【0021】
図3−6に見られるように、導電性接着剤キャップ12が固定具11のツール端をカバーし、シャーシからPWB4を取り外すためには、固定具11のツール端にツールを係合して固定具11を除去するか又は充分に緩め、PWB4を除去又は取り外せるようにする前に、キャップ12の一部分を破壊又は除去する必要がある。キャップ12は、開口の少なくとも一部分を埋めるか又はツール端の角をカバーするようにツール端に接触し、スクリュードライバーのようなツールを固定具に係合できないようにしている。例えば、ユーザは、固定具11のツール端のキー溝付き頂面に正しいレンチを係合する前に(そしてそのレンチを回転するか又は他の仕方で操作して、固定具を回転するか又は他の仕方でシャーシ2から解離する前に)、キャップ12の少なくとも一部分を先ず破壊しなければならない。キャップ12のこの破壊は、2つのトレース8、9を接続する導電性経路のインピーダンスを変化させ、そのような変化が感知回路25によって検出される。1つの実施形態では、キャップ12がそのように破壊されると、たとえユーザがその後に固定具をシャーシから解離することを望まないか又は解離することができなくても、インピーダンスは充分に増加する。別の実施形態では、PWB4を除去できるように固定具のツール端が緩められるか、或いはツール端がシャーシから除去されるまで、キャップ12の必要な破壊(「改竄事象」として検出されるに充分な)が生じない。キャップ12の形状及びサイズ並びにその材料(及び導電率)は、(先ずキャップ12を破壊することにより)固定具を解離すると、おそらく感知回路25により検出できるに充分なインピーダンス変化が生じるように選択されねばならない。
【0022】
図1に戻ると、感知回路25は、トレース8、9を接続する導電性経路のインピーダンスの変化を検出すると、その応答において、電子装置10のデータプロセッサ30へ改竄事象警告をシグナリングする。データプロセッサ30は、次いで、(PWB4に2つ以上のセンサあれば)改竄センサを識別する改竄事象と、おそらくその事象の日時とのデータ構造を生成することにより、改竄事象を評価して不揮発性メモリにログし、次いで、装置の動作をディスエイブルする。例えば、改竄事象警告を受け取るのに応答して、装置を修理のために製造者へ返品することをユーザに指示するメッセージが表示される以外、装置の全ての動作がディスエイブルされる。データプロセッサ30により遂行されるそのような上位層消費者誤用管理機能に関する付加的な細部は、2008年2月1日に出願された“”と題する米国特許出願公告第2009/0195394号に記載されている。
【0023】
図3を参照すれば、改竄センサ10の一例の断面図が示されている。この実施形態では、固定具のツール端(頭部14と称される)は、一対の導電性トレース8、9が形成されるPWB4の表面上にある。導電性トレースは、ほとんどの場合に、PWB4の同じ平面、即ち同じ金属層、特に、最も上の金属層に形成されることに注意されたい。しかしながら、図6を参照して以下に述べるように、1つの別の態様は、トレース8、9の少なくとも一方を下位の金属層(PWB4の最も上の表面より下)に形成することである。
【0024】
更に、図3を参照すれば、導電性接着剤キャップ12は、図示されたように、固定具のツール端の頂面に接触する。このケースでは、導電性接着剤が開口の充分な部分を埋めるか、又は固定具のツール端の少なくとも一角をカバーし、ツール又はレンチが(キャップ12を破壊せずに)固定具に係合できないようにする。この例の固定具は、シャーシのシャーシパッド16にねじ込まれ、その際に、PWB4を、図示されたように、シャーシパッド16の頂部に固定する六角ボルト又はスクリューである。
【0025】
導電性接着剤キャップ12は、トレース8、9に電気的に接続され、それらの間に導電性経路を与える。測定された量の導電性接着剤とは、トレース8、9間のギャップ内に流れてギャップを埋めるに充分であり且つツール又はレンチを使用して固定具を解離するのを防止するに充分な厚みのバリアを固定具のツール端上に設ける量である。実際に、導電性接着剤キャップ12は、測定された量の導電性接着剤を流体の形態で固定具の頭部14のほぼ中心に堆積し、次いで、頭部上に定住又は拡散させてトレース8、9に接触させた結果である。この測定された量の導電性接着剤は、次いで、図示された最終的な形状へと硬化又は個化され、固定具のツール端にレンチ又は他のツールを係合させるには接着剤を破壊しなければならなくする。
【0026】
図4は、改竄センサ10の別の例、このケースでは、接地型改竄センサ19の断面図である。このケースでの固定具11は、導電性ボルトであり、接地されたシャーシの導電性部分への導電性経路を形成する。より詳細には、金属スクリューが示され、これは、その開放端へとねじ込まれるナット18によって、PWB4の下で金属シャーシプレート又はブラケットに固定される。又、このケースでは、固定具11の頭部14は、PWB4へと下方に凹設され、設置時に、頭部14は、孔の外側のPWBの最上面より下となる。更に、導電性接着剤キャップは、ここでも、頭部14が設置されるPWBの凹所の一部分を埋める。
【0027】
図5を参照すれば、接地型改竄センサ19の別の例が示され、今度は、単一のトレース8を使用するもので、トレース9は使用せず、導電性接着剤キャップ12により形成される導電性経路と接触する。この実施形態では、図4と同様に、固定具が導電性である。特に、その頭部14が導電性であり、接着剤キャップ12がトレース8及び頭部14に接触して堆積されたとき、導電性経路が固定具の本体を経て回路トレース8をシャーシの導電性部分(このケースでは、これも接地された金属シャーシプレート又はブラケット20)に接続する。感知回路25(図示せず)は、単一のトレース8に結合されるが、接地接続(例えば、PWB接地平面)を経て金属シャーシプレート又はブラケット20にも結合される。これは、感知回路25が、図3の「フローティング」改竄センサ10と同様に導電性経路のインピーダンスの変化を検出できるようにし、但し、改竄センサ19は、接地されるが、図3に示す改竄センサ10はその必要がない。
【0028】
又、図4及び5は、シャーシプレート又はブラケット20を接地することにより接地される改竄センサ19を示すが、その別の態様は、金属のシャーシプレート又はブラケット20を接地点の上にフローティングさせることである点にも注意されたい。そのケースでは、感知回路25は、センサ19のインピーダンスを感知できるようにするためにシャーシプレート又はブラケット20への接続をもつことが依然必要であるが、そのような接続は、このケースでは、接地されない。
【0029】
図6は、改竄センサ10の更に別の例を示すもので、このケースでは、固定具11のツール端は、スクリューの開放ねじ切り端で、そこにナット18が設置されて、PWB4を固定する。この実施形態も、固定具のツール端がPWB4の最上面の切欠部又はくぼみ又は凹所内に置かれるという点で、図4と同様である。この実施形態では、他と同様に、導電性接着剤キャップ12は、トレース8及びトレース9に接触し、従って、それらトレース間に導電性経路を与え、その経路のインピーダンスは、実質的に変化する(即ち、シャーシからPWBを除去するために固定具11からナット18を除去しようと試みたときに増加する)。PWB4の金属最上層にトレース8、9を形成するのとは別に、この実施形態では、トレース8、9の一方又は両方が凹所の上面に露出されるPWB4の金属下層に「埋設」されることに注意されたい(ナット18との間に絶縁ギャップを形成して導電性接着剤キャップ12を埋めるためにナットに隣接するがナットから離間して)。
【0030】
図7を参照すれば、感知回路25の一実施形態の回路図が示されている。感知回路25は、既知の電流源21から電圧又は電流を印加することにより改竄センサ10をアクチベートするようにトランジスタスイッチ22を制御する制御信号オン/オフを入力として受け取る。この例では、改竄センサ10は、接地される必要がなく、フローティング型のものでよいことに注意されたい。或いは又、接地型の改竄センサ19が使用されてもよい。増幅器23は、(スイッチ22がターンオンされたときに)改竄センサ10にまたがって発生する電圧を測定するために、ある電圧利得で構成される。下限比較器及び上限比較器を含むウインドウ検出器24を使用して、改竄センサ10のインピーダンスの尺度が取り出される。各比較器のスレッシュホールドは、デジタル/アナログコンバータ(DAC)26を使用してプログラムすることができる。改竄センサ10間で測定された電圧が規定のウインドウ内に入らず、即ち下限比較器のスレッシュホールドより低いか又は上限比較器のスレッシュホールドより高いことを検出器24が指示するときには、感知回路25の出力に改竄事象警告信号がアサートされる。この警告信号は、図1のデータプロセッサ30で実行される上位層消費者誤用管理機能に与えられる。
【0031】
例えば、設計又はテスト段階において、改竄センサ10の非改竄状態であると考えられる電圧範囲(又はそれと同等で、インピーダンス範囲)を選択するために、多数のアクチベートされた改竄センサ10をテストし又はシミュレーションすることにより、非改竄状態における改竄センサ10の所与の電圧範囲又はウインドウが決定される。このウインドウは、もちろん、特に、導電性接着剤キャップ12の導電率を含む改竄センサ10の設計に依存する。このウインドウは、非改竄状態と、改竄又は破壊状態との両方におけるサンプル改竄センサ10の実験的分析に基づいて決定される。改竄センサ10の多数のサンプル、及び破壊又は改竄状態の多数の例から、非改竄状態を定義する「最良適合」ウインドウを選択するための統計学的データが取り出される。この定義されたウインドウは、不揮発性メモリ32(図1)に記憶され、データプロセッサ30は、適当なソフトウェアを実行する間に、この定義されたウインドウをメモリ32からアクセスし、それに応じて一対のDAC26をプログラムし、ウインドウ検出器24のスレッシュホールドを動作に対して初期化する。それとは別に、PWB4の製造及びアッセンブル時に、ウインドウスレッシュホールドを固定配線してもよい。
【0032】
このウインドウ決定プロセスを使用して、導電性接着剤キャップ12の材料の量及び/又はタイプを選択し、例えば、その抵抗値が狭いウインドウ内に入るようにする上で助けとすることができる。例えば、キャップ12の導電率は、銅のような純粋な導体より実質的に低い狭い範囲(ウインドウ)に入るように設計される。
【0033】
図7の感知回路25を更に参照すれば、電流ソース21は、多数の個別のDC電流レベル(例えば、10mA、100mA、250mA)でプログラムすることができる。これは、データプロセッサ30が、特定の改竄センサ10を有する特定のポータブル装置に対し感知回路25を更にカスタマイズできるようにする。電源(Vcc)に関して、これは、ポータブル装置内のバッテリから得られてもよいし、又は別の「常時オン」の電源レールであってもよい。電源レールとトランジスタスイッチ22との間に直列に保護ダイオードが含まれてもよいことに注意されたい。又、増幅器23の利得は、異なるタイプの改竄センサ10をサポートするために(例えば、データプロセッサ30のコマンドのもとで)プログラムすることができる。ウインドウ検出器24は、一対の比較器として示されているが、それとは別に、非改竄状態を低い精度で又はより広く定義するために、単一の比較器を使用してもよいことに注意されたい。例えば、単一の比較器は、単一のスレッシュホールド電圧で使用され、非改竄状態は、そのスレッシュホールドより低い増幅器23の出力の電圧として定義される(改竄状態では、改竄センサ10間の電圧がそのスレッシュホールドより上に増加する)。
【0034】
図8を参照すれば、複数の改竄センサの直列接続が示されている。センサS1、S2、・・・SNの各々は、ユーザがそれらの1つを改竄するまで、低い抵抗(ここでは、一般的に、「短絡」又は「通常短絡」)を有すると考えられる。N個のセンサのいずれか1つが改竄されると、直列ブランチに高い抵抗状態(又は一般的に、ここでは「開路」と称される)が生じ、これが、次いで、感知回路25によりセンサ間の上昇電圧として検出される(図7を参照)。これは、PWB4を固定するのに必要な複数の固定具をこのように保護できるようにする一方、このような侵入検出機能を具現化するのに必要な電子装置のピンの本数を節減することができる。換言すれば、各個々のセンサS1、S2、・・・に対して個別の感知回路25を有するのではなく、図7のような単一のウインドウ検出器24がN個の直列接続されたセンサにより共用される。
【0035】
図9を参照すれば、これもピンの本数を減少するのに有用な別のマルチセンサ構成が示されている。ここでは、改竄センサS11、S12、・・・SMNの「アレイ」が示され、このアレイにはMxN個のセンサがある。このいわゆるアレイ又はマトリクス構成は、ランダムにアクセスできるセンサアレイを形成するように個々の列選択及び行選択線がセンサSijのアレイに接続されたスキャンセンサ実施形態とも称される。ピンの本数を減少するのに加えて、このような構成は、欠陥(改竄事象)を正確に特定するように望ましい個々のセンサSijを分離すると共に、所与の瞬間に単一のセンサをターンオン又はアクチベートするだけでよいので電力消費を減少することができる。例えば、センサS22をアクチベートするには、行選択線2及び列選択線2のみをアクチベートして、電流ソース21がそのセンサのみに電流を強制的に流せるようにすればよい。このケースでは、各センサは、非改竄状態において通常短絡される改竄センサ10、19の一例である。状態検出又は感知回路25は、図示されたように、スイッチ又はマルチプレクサ27を通して特定の列選択線に接続されて、行及び列選択ロジック28により指令されたアレイの1つのセンサの状態を検出できるようにされる。その行のトランジスタスイッチ29だけをターンオンすることにより単一のセンサを選択することができる。行及び列選択ロジック28は、データプロセッサ30から受け取ったセンサ選択を、アクチベートされるべき適当な列及び行選択線へとデコードする。この実施形態では、行選択線は、各トランジスタスイッチ29のゲート又はコントロール電極へ接続された比較的高インピーダンスの線であり、一方、列選択線は、所与のセンサをアクチベート又は駆動するために電流ソース21へ切り換えられる。「列」及び「行」の呼称は、2つのタイプの選択線間を区別するためにのみ使用されるもので、ランダムにアクセスできるセンサアレイの構成を限定するものではない。
【0036】
図10は、改竄センサメカニズムのための製造及び生産テストプロセスのフローチャートである。動作はブロック42で始まり、固定具を設置するときに通す孔を有するPWBが形成される。PWBは、孔に隣接してPWBの金属上層に形成された少なくとも1つの回路トレース(例えば、一対の回路トレース)を含む。それとは別に、PWBの埋設金属層に回路トレースが形成されてもよい。次いで、電子コンポーネント(パッケージされた集積回路、コネクタ、及び個別回路装置のような)がPWB上にアッセンブル(例えば、半田付け)される。これらコンポーネントは、少なくとも1つの信号線(例えば、PWBの1つ以上の金属層に形成された一対の信号線)を通して回路トレースに結合される感知回路を含む。アッセンブルされたPWBを電子装置のシャーシに固定して動作を続ける(ブロック46)。例えば、PWBは、シャーシの金属又はプラスチックプレート或いはブラケット部分に固定される。これは、孔を通して固定具を設置してPWBをシャーシに固定することにより達成される。次いで、その設置された固定具にある量の導電性接着剤が堆積され、その量は、(導電性接着剤を実質的に破壊しない限り)固定具へのアクセスを防止するように固定具のツール端の少なくとも一部分をカバーするのに充分なものである。堆積された導電性接着剤は、次いで、少なくとも1つの回路トレースとツール端との間、又は一対の回路トレース間のエアギャップに流れ込んでそれを埋め、改竄センサの導電性経路を形成することができるようにされる。堆積された導電性接着剤は、流体であり、それ故、ギャップへ流れ込んで広がるときに、ツール端の形状に適合し、テストの前に硬化及び個化することができる。改竄センサメカニズムは、関連センサ回路の出力を測定又は評価することによりテストされる(ブロック50)。特に、改竄センサの非改竄状態は、記録されて、規定のウインドウ内に入る(又は所与のスレッシュホールド電圧より上である)ことが検証される。センサの改竄事象を定義するこのウインドウ又はスレッシュホールドは、感知回路へ固定配線されてもよいし、或いはPWBに設置された不揮発性メモリに書き込まれてもよい。アッセンブルされたPWBは、これで、生産テストのこの観点に合格すると思われる。
【0037】
図11は、電子装置で実行される改竄検出プロセスのフローチャートである。プロセスは、動作52で開始され、改竄事象を定義するウインドウ又はスレッシュホールドを初期化することを含めて、感知回路がリセットされる。それとは別に、改竄事象を定義するウインドウ又はスレッシュホールドが感知回路へ固定配線されてもよい。次いで、感知回路がイネーブル又はアクチベートされ、それに結合された少なくとも1つの改竄センサに電圧(電流)を印加する(ブロック54)。これは、データプロセッサが、上述した図7の感知回路25にオン/オフ信号をアサートすることにより行われる。次いで、データプロセッサは、感知回路からの改竄事象警告信号を待機する(ブロック56)。データプロセッサが改竄事象警告信号を「待機する」という言及は、プロセッサが感知回路をポーリングする状態及びそれが警告により割り込まれるときの状態の両方を包含することに注意されたい。ブロック56に続いて改竄事象警告が受け取られると、データプロセッサは、検出された改竄事象をログする(ブロック58)。これは、改竄警告が受け取られたところのセンサを識別し、そしてその識別を、その警告に関連した日時スタンプと一緒に記憶することを含む。ログされた改竄事象は、電子装置内の不揮発性メモリに記憶される。次いで、ある装置動作がディスエイブルされ(ブロック59)、そして修理のために装置を返品するための指示が電子装置のユーザに表示され又は与えられる(ブロック60)。装置が製造者に返品されると、ログされた改竄事象が読み取られ、そして改竄されたセンサを検査して、電子装置が実際にユーザにより改竄されたことを確認することができる。
【0038】
図12は、今度は、選択可能な又はランダムにアクセス可能なセンサアレイを含む電子装置における別の改竄検出プロセスのフローチャートである。動作は、ブロック62で開始され、電子装置に一体化された選択可能な改竄センサのアレイに対する改竄事象を定義するウインドウ又はスレッシュホールドを初期化することを含めて、感知回路がリセットされる。感知回路を各々の異なるウインドウ又はスレッシュホールドに対して再構成又はプログラムできるならば、各改竄センサに異なるウインドウ又はスレッシュホールドを関連付けることができる。動作は、ブロック64へと続き、感知回路をイネーブルして、少なくとも1つの選択された改竄センサに電圧(電流)を印加する。例えば、図9の実施形態では、これは、データプロセッサ30からのセンサ選択コマンドを行及び列選択ロジック28へ送信することにより達成され、その選択ロジック28は、それに応答して、要求された選択を、アクチベート又はアサートされる適当な一対の列及び行選択線へとデコードする。これは、次いで、感知回路25をアレイ内の特定のセンサに接続させる。その時点で改竄事象が検出されると(ブロック66)、感知回路は、その改竄事象警告信号をデータプロセッサへアサートし、それに応答して、データプロセッサは、選択されたセンサに関連する検出された改竄事象をログする(ブロック68)。感知回路25によって改竄事象が検出されない場合には、データプロセッサが、これを認識して、別の改竄センサを選択する(ブロック67)。これは、行及び列選択ロジック28へ別のセンサ選択コマンドを送信することにより達成される。従って、アレイは、ブロック68において改竄事象が検出されてログされるまで、このようにスキャンされる。その後、装置の動作は、検出された改竄事象に応答してディスエイブルされ(ブロック69)、そしてユーザは、装置を修理のために返品するよう指示される(ブロック70)。
【0039】
幾つかの実施形態を添付図面に示して説明したが、そのような実施形態は、本発明を単に例示するもので、それに限定されないことを理解されたい。又、本発明は、当業者であれば、他の種々の変更がなされ得るので、図示して説明した特定の構造及び構成に限定されない。例えば、図示された固定具11は、ねじ切りされたタイプであったが、異なるタイプ又は他のツール(シャーシからそれを解離するのに依然レンチを必要とする)、例えば、リベット、バネ負荷のかかった1/4回転のプランジャーでもよい。従って、この説明は、限定ではなく、例示と考えるべきである。
【符号の説明】
【0040】
2:シャーシ
4:PWB
6:貫通孔
8:トレース
9:トレース
10:改竄センサ
11:固定具
12:導電性接着剤キャップ
14:頭部
16:シャーシパッド
18:ナット
19:接地型改竄センサ
20:金属シャーシプレート又はブラケット
25:感知回路
30:データプロセッサ:
32:不揮発性メモリ
34:ディスプレイ装置
36:ユーザ入力装置
38:I/Oポート
39:ネットワークインターフェイス
40:オーディオI/Oインターフェイス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャーシと、
孔を有するプリント配線板(PWB)であって、前記孔に固定具が設置されてPWBを前記シャーシに固定し、PWBには一対の導電性トレースが形成され、ある量の導電性接着剤であるキャップが前記固定具の一部分をカバーすると共に、前記2つのトレース間の電気絶縁ギャップを埋めて、前記2つのトレースを接続する導電性経路を形成するようなPWBと、
前記一対のトレースに結合されて、前記経路のインピーダンスの変化を検出する感知回路と、
を備えた電子装置。
【請求項2】
設置時に、前記固定具のツール端は、前記孔の外側のPWBの表面より下にあり、前記量の導電性接着剤が前記孔の一部を埋める、請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記量の導電性接着剤が前記固定具の前記端に接触する、請求項2に記載の電子装置。
【請求項4】
前記一対の導電性トレースは、前記固定具の前記端より上でPWBの同じ平面に形成される、請求項2に記載の電子装置。
【請求項5】
設置時に、前記固定具のツール端は、前記一対の導電性トレースが形成されるPWBの表面より上にあり、前記量の導電性接着剤が前記固定具の前記端に接触する、請求項1に記載の電子装置。
【請求項6】
導電性部分を有するシャーシと、
孔を有するプリント配線板(PWB)であって、ツール端を有する導電性固定具が前記孔に設置されて、PWBを前記シャーシの導電性部分に固定し、PWBには回路トレースが形成され、測定された量の導電性接着剤であるキャップが前記固定具のツール端に接触してそれをカバーすると共に、前記回路トレースとツール端との間の電気絶縁ギャップを埋めて、前記固定具を経て前記シャーシの導電性部分に前記回路トレースを接続する導電性経路を形成するようなPWBと、
前記回路トレース及びシャーシの導電性部分に結合されて、前記導電性経路のインピーダンスの変化を検出する感知回路と、
を備えた電子装置。
【請求項7】
前記シャーシの導電性部分は、接地される、請求項6に記載の電子装置。
【請求項8】
前記シャーシの導電性部分は、接地された金属プレート又はブラケットである、請求項6に記載の電子装置。
【請求項9】
前記PWBは、別の孔を有し、更に別の固定具が前記別の孔に設置されてPWBを前記シャーシに固定し、PWBには、更に別の一対の導電性トレースが形成され、ある測定された量の導電性接着剤である更に別のキャップが、前記更に別の固定具の一部分をカバーすると共に、前記更に別の一対のトレース間の電気絶縁ギャップを埋めて、前記更に別の一対のトレースを接続する更に別の導電性経路を形成し、
前記感知回路は、前記更に別の一対のトレースに結合されて、前記更に別の経路のインピーダンスの変化を検出し、そして前記経路及び前記更に別の経路は、互いに直列に接続される、請求項1に記載の電子装置。
【請求項10】
シャーシと、
複数の孔を有するプリント配線板(PWB)であって、該PWBを前記シャーシに固定するように前記孔に各々設置される複数の固定具も有するPWBと、
を備え、各孔に対して、PWBには各対の導電性トレースが形成され、ある測定された量の導電性接着剤である各キャップが、前記孔内にある前記固定具の一部分をカバーすると共に、前記各対のトレース間の電気絶縁ギャップを埋めて、前記トレース対との各導電性経路を形成し、その各導電性経路は、互いに直列に結合され、更に、
前記直列結合された各導電性経路に結合された感知回路であって、導電性経路のインピーダンスの変化を検出し、そしてそれに応答して、電子装置における改竄事象を評価しログするデータプロセッサへ警告をシグナリングするような感知回路、
を備えた電子装置。
【請求項11】
前記感知回路は、前記直列結合された各導電性経路に2つのノードにおいてのみ結合される、請求項10に記載の電子装置。
【請求項12】
設置時に、前記固定具のツール端は、前記孔内のPWBの表面より下にあり、前記測定された量の導電性接着剤は、前記孔の一部分を埋める、請求項10に記載の電子装置。
【請求項13】
前記測定された量の導電性接着剤は、前記固定具の前記端に接触する、請求項12に記載の電子装置。
【請求項14】
前記導電性トレースの対は、前記固定具の前記端より上でPWBの同じ平面に形成される、請求項10に記載の電子装置。
【請求項15】
設置時に、前記固定具のツール端は、前記導電性トレースの対が形成されるPWBの表面より上にあり、前記測定された量の導電性接着剤が前記固定具の前記端に接触する、請求項10に記載の電子装置。
【請求項16】
シャーシと、
複数の孔を有するプリント配線板(PWB)であって、該PWBを前記シャーシに固定するように前記孔に各々設置される複数の固定具も有するPWBと、
を備え、各孔に対して、PWBには各対の導電性トレースが形成され、ある測定された量の導電性接着剤である各キャップが、前記孔内にある前記固定具の一部分をカバーすると共に、前記各対のトレース間の電気絶縁ギャップを埋めて、前記トレース対との各導電性経路を形成し、その各導電性経路は、ランダムにアクセスできるセンサアレイとして接続され、更に、
前記ランダムにアクセスできるセンサアレイに結合され、一度に1つの各導電性経路に電流を通過させ、次いで、その導電性経路のインピーダンス変化を検出する選択及び感知回路であって、インピーダンス変化を検出するのに応答して、電子装置における改竄事象を評価しログするデータプロセッサへ警告をシグナリングし、その警告は、インピーダンス変化が検出された各導電性経路の前記1つを識別するものである選択及び感知回路、
を備えた電子装置。
【請求項17】
設置時に、前記固定具のツール端は、前記孔におけるPWBの表面より下にあり、前記測定された量の導電性接着剤が前記孔の一部分を埋める、請求項16に記載の電子装置。
【請求項18】
前記測定された量の導電性接着剤は、前記固定具の前記端に接触する、請求項17に記載の電子装置。
【請求項19】
前記導電性トレースの対は、前記固定具の前記端より上でPWBの同じ平面に形成される、請求項16に記載の電子装置。
【請求項20】
設置時に、前記固定具のツール端は、前記導電性トレースの対が形成されるPWBの表面より上にあり、前記測定された量の導電性接着剤が前記固定具の前記端に接触する、請求項16に記載の電子装置。
【請求項21】
電子装置を製造する方法において、
アッセンブルされたプリント配線板(PWB)の孔を通して固定具を設置することによりそのPWBを電子装置のシャーシに固定し、PWBは、前記孔に隣接してPWBの金属層に形成された少なくとも1つの回路トレースを含むものであり、
前記固定具のツール端をカバーしそして前記少なくとも1つの回路トレースとそのツール端との間の電気絶縁ギャップを埋めて改竄センサを形成するに充分な量の導電性接着剤を前記設置された固定具に堆積する、
ことを含む方法。
【請求項22】
前記アッセンブルされたPWBにおける感知回路の出力を評価することにより前記改竄センサをテストし、前記感知回路は、PWBの金属層に形成された信号線を通して前記回路トレースに結合され、そして
前記評価に基づいて前記改竄センサの非改竄状態を記録する、
ことを更に含む請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記改竄センサの改竄事象を定義するウインドウ又はスレッシュホールドを前記感知回路に設定し、前記感知回路は、前記改竄センサに電圧又は電流を印加し、そして前記改竄センサの出力を前記設定されたウインドウ又はスレッシュホールドと比較して、改竄事象警告をシグナリングすべきかどうか決定するのに使用される、請求項22に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2013−502002(P2013−502002A)
【公表日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−524721(P2012−524721)
【出願日】平成22年7月26日(2010.7.26)
【国際出願番号】PCT/US2010/043219
【国際公開番号】WO2011/019496
【国際公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(503260918)アップル インコーポレイテッド (568)
【Fターム(参考)】