説明

電子装置内の要素を制御する方法及び装置

【課題】標準ネットワーク通信を診断テストに利用して、GPIB等の診断に固有のインタフェースの必要性をなくすとともに、ローカル及びリモートでのテストを可能にすること。
【解決手段】電子装置の図形表示ブロック図を形成し、制御可能な要素をブロック図に表示し、制御可能な要素と通信するために、ブロック図を制御可能な要素と結合することを含む、電子装置の要素を制御する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器の診断テストに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の診断テスト装置では、製造ラインUNIX(登録商標)ワークステーション等のテストシステムをテスト対象、あるいは試験対象の電子機器に結合することが含まれている。従来のBASIC又はC言語プログラム又はシェルスクリプト等の形態の診断ソフトウェアアプリケーションが、テストシステム内に常駐する。このような診断ソフトウェアアプリケーションが実行されると、テストシステム及びテスト対象の電子機器が通信インタフェースを通して通信する。例えば、テスト及び測定の業界では、このような多くの診断ソフトウェアアプリケーションはIEEE488GPIB(汎用インタフェースバス)を使用する。
【0003】
多くの従来技術による電子機器は、1組の所定の機能テストルーチンによるテストに向けて各種素子組立体(device assemblies)、すなわち、特定の電気部品群で構成された電気回路内で動作する部品を有する。通常、人間のオペレータが、所定の機能テストルーチンを実行するコマンド及び命令を起動する。機能テストルーチンが実行されると、テストデータが生成され、オペレータがこれを、電子機器から独立した診断ソフトウェアに手作業で入力する。診断ソフトウェアプログラムは、生成されたテストデータに応答して、各部品が特定の機能テストルーチンに合格したか、それとも不合格であったかについての関連状況格付けを有する指定された部品のリストを生成する。素子組立体は、全体で比較的多数の実部品を含んでいるため、一般に、各部品を、それぞれに対応する機能テストルーチンで個別にテスト可能にすることは法外に高くつく。したがって、診断ソフトウェアプログラムにより特定される、特定の機能テストルーチンで不合格となった指定部品のリストは、実際の故障部品の確実なリストではない。さらなる説明として、特定の機能テストルーチンで不合格とテストされた特定の素子組立体の1つ以上の部品が不合格であると解釈される。診断ソフトウェアプログラムは、素子組立体内の個々の部品のうちのどれが機能テストルーチンで不合格となったかを特定できないため、故障部品のリストは単に潜在的な故障部品にすぎない。診断ソフトウェアプログラムは、特定された潜在的な故障部品のそれぞれに対して、潜在的故障原因割合を計算することができる。例えば、4つの部品から成る素子組立体が特定の機能テストルーチンで不合格となる場合、その群内の潜在的な故障部品はそれぞれ、潜在的故障原因割合25%を有する。各素子組立体内の部品は必ずしもすべてが互いに排他的であるとは限らないため(すなわち、2つ以上の素子組立体のテストに共通する部品があり得る)、異なる機能テストルーチンが実行されるときに、テストされる共通の部品のいくつかが、診断ソフトウェアプログラムがすべての機能テストルーチンにより生成されるすべてのテストデータに応答する際に、結果としてより高いか又はより低い潜在的故障原因割合を有することになる可能性がある。
【0004】
次いで、オペレータは、回路組み立て図等の適した回路図を参照することにより、診断ソフトウェアプログラムによって生成された潜在的故障部品のリストを素子組立体内の実際の部品に手作業で関連付ける。故障原因割合は、オペレータが、故障部品(複数可)を特定した後に場合によっては修復又は交換を行うために、必要に応じて検査、調査、及びテストを行う素子組立体の順番を判断するのに役立つ。
【0005】
通常、潜在的故障部品を含む特定の素子組立体(又は取り外し可能な回路基板)に対して検査、調査、及びテストが行われる前に、オペレータは別個のトラブルシューティングプログラムを実行して、診断ソフトウェアプログラムによって生成された結果を確認する。トラブルシューティングプログラムを介して行われるテストにより、潜在的故障部品の数の低減を図ることができる。
【0006】
まとめると、上記作業は独立したソフトウェアプログラムを使用して手作業で行われる。すなわち、所定の機能テストルーチンを実行する1つのプログラム、生成されたテスト結果を診断ソフトウェアプログラムが理解するフォーマットに変換するプログラム、生成されたテスト結果を変換したものが入力された、潜在的故障部品を特定し、故障原因割合を計算する診断ソフトウェアプログラムの手作業での起動、及びオペレータが適した回路図又は同様の文書を参照することにより各潜在的故障部品を機器内の対応する部品に関連付けする追加の手作業ステップが実施される。最後に、オペレータは、潜在的故障部品を一つでも取り外してその取り外した部品が実際に故障していたことを判定する前に、診断ソフトウェアプログラムの結果を確認するために別個のトラブルシューティング手続きを行う。こういった手作業での作業は、オペレータによる相当量の時間及び労力を要し、結果として人的費用及び他の費用が相当なものになる。電子機器が素子組立体の機能テストを制御する装置から離れて配置されている場合、遠隔地での1人又は複数の他のオペレータによる作業が必要になる可能性があり、これは時間的費用及び人的費用のさらなる増大に繋がる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
標準ネットワーク通信を診断テストに利用して、GPIB等の診断に固有のインタフェースの必要性をなくすとともに、ローカル及びリモートでのテストを可能にすることが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前のセクションで述べた問題を解消する。本発明の教示によれば、電子機器内の素子組立体の診断テストを行う装置及び方法が記載され、機能テスト、テスト結果の収集、及び潜在的故障部品を特定するための診断が、ソフトウェア制御下の1つのプロセスとなり、従来技術で使用されている多くの手作業ステップに取って代わる。本発明は、所定の機能テストルーチンによりテストされる部品を特定する在庫モデル、テスト対象の各素子組立体の図示された部品レベルブロック図、所定の機能テストルーチンが実行されるときに生成されるテストデータに応答して潜在的故障部品を特定する診断エージェント、並びに素子組立体及び所定の機能テストルーチンに結合される所定の機能テストルーチンを実行するために、また本発明の動作を指示するために必要なテストエグゼクティブを含む。部品レベルブロック図は、潜在的故障部品を示すように所望により更新することができる。
【0009】
本発明の一実施形態では、部品レベルブロック図はテストエグゼクティブに結合され、疑いのある部品を点滅する矩形を用いて識別されるために使用される。本発明の別の実施の形態では、ブロック図は素子組立体に結合されて、素子組立体での制御に対応するブロック図に表示される制御の状態を変更すれば、信号パスを再構成することができる。最初の組の機能テストルーチンが行われた後、潜在的故障部品の再テストのいずれかに必要な特定のテストパスのいずれかをそれぞれ、オペレータがブロック図を使用して手作業でセットアップ、すなわち設定または準備をすることができる。トラブルシューティング段階中、オペレータはブロック図を介して、診断エージェントにより生成された潜在的故障部品リストの初期特定の質を確認するために機能テストルーチンで使用されるラッチをセットアップすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、機器1内の各種素子組立体(本明細書の以下のセクションにおいて図示し考察する)をテストするテストソフトウェア3を埋め込んだ、テスト対象の電子機器1を示すブロック図である。本願のすべてのセクションにおいて、機器(instrument)、素子組立体(device assembly)、及び装置(equipment)なる用語は電子回路を有する装置を指すことを理解されたい。テストソフトウェア3は一連の機能テストルーチンを備える。素子組立体は、各素子組立体内の特定の部品群をテストソフトウェア3内の機能テストルーチンでテストできるような構造を有する。機器1はネットワーク5に結合され、ネットワーク5は、LAN、WAN、インターネット、又はソフトウェアアプリケーション、テストハードウェア、及び他の装置を互いに相互接続する他の手段であってもよい。コンピュータ7がネットワーク5、従来の表示モニタ9、及びコンピュータI/O装置11(好ましくは、キーボード11A及びマウス11B)に接続される。本発明の一実施形態では、コンピュータ7は、Microsoft Windows(登録商標)オペレーティングシステムの制御下にあるが、Linux(登録商標)等の他のコンピュータオペレーティングシステムを使用することもできる。コンピュータ7は、テストエグゼクティブ14及び診断エージェント16をオペレーティングソフトウェアアプリケーションとして含むソフトウェアパッケージ17をさらに備える。
【0011】
より詳細に説明するように、テストエグゼクティブ14は機器1に結合されて、埋め込みテストソフトウェア3に機器1内の各種素子組立体のテストを実行させる。テストソフトウェア3の実行から生じるテスト結果は診断エージェント16に送られ、診断エージェント16はこれに応答して、対応するテスト結果を有する部品のリストを生成する。所定の機能テストルーチンに合格した部品にはPASS(合格)表示が記され、所定の機能テストルーチンで不合格となった部品にはFAIL(不合格)表示が記される。診断エージェント16はまた、テスト結果に応答して、機能テストルーチンによりテストされた部品の潜在的故障原因割合を計算する。診断エージェント16の主部は、本発明の譲受人であるAgilent Technologies製造販売のAgilent Fault Detectiveとして知られている市販の製品に由来する。後で説明するように、Agilent Fault Detective内の診断ソフトウェアプログラムは、本発明で使用される診断エージェント16であるように特に変更される。Agilent Fault Detective製品は、Microsoft及び他のベンダーからのWindows(登録商標)ベースのオペレーティングシステムに対応する。
【0012】
Agilent Fault Detective製品は、テストソフトウェア3の理解とテスト中のユニット内の論理部品(例えば、テスト対象の機器内の素子組立体)とを結び付けるユーザ開発モデルを含む。Agilent Fault Detectiveソフトウェアは、開発アプリケーション及びランタイムエンジンを含む。開発アプリケーションは、機器1又はテスト対象の任意の電子機器内の素子組立体のモデルの作成、デバッグ、及び保守にGUI(グラフィカルユーザインタフェース)を使用するモデル開発プログラムである。開発アプリケーションはテスト結果を受理し、根本故障原因の履歴を保持しながら、モデルをデバッグして改良できるようにモデル開発中に診断を提供する。ランタイムエンジンは、テスト結果をFault Detectiveに送って診断して、部品の合格/不合格リスト及び計算された関連する故障原因割合を生成することができるように、API(アプリケーションプログラミングインタフェース)を有する。
【0013】
詳細に説明する本発明の実際の実用的な実施形態では、Agilent Technologiesから入手可能なMicrowave Spectrum Analyzerが本発明の実用的な実施形態に結合されて、Analyzer内のIF(中間周波数)組立体のテスト、診断、及びトラブルシューティングを行った。実用的な実施形態の説明が、実用的な実施形態の特定の説明に限定されない本発明の各種特徴を説明するために提供される。
【0014】
図1〜図3を参照すると、人間のユーザ、又は、オペレータ又はテスト担当者(以下、オペレータ又はユーザと称する)が、I/O装置11を使用してモニタ9にテストエグゼクティブ14を介してメインテストフォーム20を開くことで開始する。IF組立体用に作成されたモデル(より詳細に後述する)が、モデル名(Model Name)と記されているエリア22において特定されてリストされる。特定のモデルが、名前付きファイルとして、ユーザがI/O装置11を使用して名前付きファイルを入力(又はモデルのメニューリストから選択)するとエリア22に示される関連するディレクトリパスと共に記憶される。本発明の実用的な実施形態では、ユーザは、(必要に応じてキーボード11A及びマウス11Bを介して)コマンド及び命令を入力し、説明するように各種選択を行う。IF組立体をテストするテストソフトウェア3の名称が、ユーザによりアプリケーション入力(Input Application)と記されているエリア24に入力(又はメニューリストから選択)される。次いで、ユーザは、テスト(Tests)と記されているボタン25を選択することによってテストソフトウェア3を開始し、これにより、テストエグゼクティブは、故障が見つかるまで機能テストルーチンを順に実行させる命令を送る。
【0015】
IF組立体の各種部品のテストは、このようなテスト用に作成された一連の所定の機能テストルーチンを含む。ユーザがボタン25を選択すると、機能テストルーチンの1つ(この説明では、図3のフォーム30のエリア34に示すREAD_RF_DETECTORと呼ばれる)が表示される。ステータス(STATUS)と記されているエリア36が、故障テスト実行(RUN FAULT TEST)の現在の状況、この説明ではテスト中(TESTING)を表示する。データ(DATA)と記されているエリア38が、テストにより生成されているデータの現在の状況、この説明では検索中(RETRIEVING)を示す。
【0016】
図3及び図4を参照すると、ユーザが結果表示(PRESS TO SEE RESULTS)と記されているボタン39を選択すると、テストエグゼクティブ14は、図4に示すデータウィンドウ(Data Window)40をモニタ9上に表示し、データウィンドウでは、エリア42に、行われた一連の所定の機能テストルーチンのリストが提供される。ステータス欄45に、どの機能テストに合格したかを識別することによって結果がリストされ、READ_IF_DETECTORと記されている機能テストルーチン46aが不合格(FAIL)と記されているステータス項目46bで示されるように不合格となったことを示す。テストエグゼクティブ14は、故障が見つかるまで一連の機能テストを実行する。Analyzer製品のIF組立体は、テストエグゼクティブが実行し、不合格と記されているステータス項目47bで示されるようにこれも不合格であったREAD_IF_DETECTOR_WLCと記されている代替の機能テストルーチン47aで設計されていた。すべての素子組立体に、前の機能テストルーチンで不合格となった場合に実行される代替の機能テストルーチンが設計されているとは限らないことを理解されたい。テスト中のAnalyzer製品では、IF組立体についての他の情報から、代替の機能テストルーチン47aが利用できることが分かっていた。データ(DATA)と記されている欄48には、欄44にリストされた機能テストルーチンの実行から生じた特定のデータが示され、これらのデータは通常、電流、電圧、信号レベルの読み取り値、又は他の情報である。スペック(Spec)と記されている欄49には、関連する機能テストに合格するためのデータの期待範囲についての情報が提供される。したがって、この説明でのデータ項目46c及び47cは、スペック項目46d及び47dそれぞれの範囲外である。欄48及び欄49中の情報は、テスト中にIF組立体で何が起こったかをオペレータが理解するのを助けるのに有用である。
【0017】
Agilent Fault Detective製品は、オペレータが、IF組立体内の特定の部品及び他の制御可能要素を、IF組立体内のそれらの部品のテストに使用される所定の機能テストルーチンに関連付ける部品レベルモデルを作成するために使用するモジュールを含む。通常、オペレータは、回路組立図及びいわゆる外部参照仕様書(ERS)等の外部文書を参照して、素子組立体内のどの部品が機能テストルーチンによりテストされるかを識別する。図5は、ウィンドウ50内の画像として表示される部品レベルモデルの一部を示す。このモデルは、IF組立体の図形表示ブロック図表現(後のセクションで説明する)を作成するために使用される。エリア51においてREAD_IF_DETECTOR 46aとして特定される機能テストルーチンは、不合格したものとして図4に示す機能テスト46aと同じである。機能テスト46aが使用する特定の共有機能が、エリア52においてPREFILT_SW_THRU及びIF_DETECTOR_PATHとして特定される。共有機能の下に、IF組立体の実際の部品のいくつかがモデリングされる。欄56には、IF組立体内の各部品及びその他の制御可能要素の名称を示す部品リストが示される。オペレータが欄56(部品(Components)ウィンドウ表示53)から部品PREFILT_SW 53aを選択した場合、所定の故障率係数がエリア54に示され、この説明では、中(Medium)と計算されている。この係数は、テスト対象の部品について分かっている他の経験的情報を表し、これにより、機能テストルーチンが実行されるときに、結果として得られる計算される故障原因割合をこの係数に従って補正することができる。IF組立体に対して実行すべき所定のすべての機能テストルーチンが、欄55にリストされる。これらは、欄56に示される部品リストに関連付けられる。欄55中の機能テストルーチンは部品群をテストし、各群は往々にして互いに共通する部品を有する。個々の部品を機能テストに関連付ける際の時間的費用及び人的費用を軽減するために、共有機能のリストが作成され、欄57に示される。エリア58は、PREFILT_SW_THRUとして知られる共有機能を示し、この共有機能に共通する部品である、PREFILT_SW及びTHRU_PREFILTがエリア59に示される。例えば、IF組立体内の部品の位置等のような、IF組立体内の部品及び制御可能要素についての他の情報もモデルに入れられるが、これに限定されるものではない。
【0018】
図6を参照すると、診断結果がエリア60に示され、エリア60には、特定された各部品が、テスト結果から生じる診断エージェント16により計算された関連する故障原因割合(PERCENT)と共にリストされる。エリア62には、エリア60に示す結果を生成するために行われた機能テストルーチンのリストが示される。そのテストリストは図4に示すものと同じであり、部品(Components)と記されている欄63にリストされる部品は、図5の欄56に示される部品のサブセットである。
【0019】
ユーザが診断結果をさらに理解するために、図7及び図8を参照して、IF組立体の図形表示ブロック図がダイアグラム100として示され、最終段IF/AIF(Final IF/AIF)と記される。Agilent Fault Detective製品は、ユーザがIF組立体のブロック図を生成できるようにする機能を何ら含まない。ダイアグラム100中の図形要素は、ライブラリファイルで利用可能な要素である。ユーザは、IF組立体の回路組立図及びERS等の外部文書を参照することでダイアグラム100を構築する。説明するように、本発明は、ダイアグラム100が実際のIF組立体装置内の制御可能部品に結合されるAgilent Fault Detective製品で開示されていない、又はこの製品が示唆していない追加機能を含む。この機能は、いわゆる.Net(ドットネット)アプリケーションとして作成されたアクティブブロック図と呼ばれる。
【0020】
手短に説明すると、.Netアプリケーションとは、ソフトウェアを通して情報、人、システム、及び装置を結び付けるMicrosoft Corporationからの既知の技術である。インターネットを介しての必要な接続を行うウェブサービスが作成される。この技術は、情報を互いに共有するための各種ソフトウェアアプリケーションプログラムを書くのに使用されるプログラミング言語に関係なく、通信が多種多様なプラットフォーム及びオペレーティングシステムにわたって可能になるように、データが容易に適合又は変換されるユニバーサルデータフォーマットを含む。特定のウェブサービスの各コードは、限られたタスクセットを処理する別個のコードユニットである。各種ウェブサービスが互いに独立したままであっても、1つ又は複数の特定のタスクを実行できるようにされている協働グループに緩くリンクすることができる。本発明では、インターネットを使用して、本発明の制御下でテスト対象の素子組立体を接続することができる。別法として、接続は、インターネットと同じに動作するが、インターネットを特徴付ける公衆アクセス(general public access)に代えて制限されたアクセスを有するLANを介する。
【0021】
本発明の実用的な実施形態では、テストエグゼクティブ14は、Microsoft Visual Studioの従来のC#プログラミング言語を使用して開発された。C#及びMicrosoft Visual Studioは両方とも、上述した.Netアプリケーションである。テストエグゼクティブ14が使用する実行可能機能テストプログラム及びデータファイルのディレクトリパス及びファイル名は、コンピュータ7のメモリに記憶される環境テストファイルを使用してアクセスされる。この説明で使用される環境テストファイルは、Microsoft Visual Studioにおいて従来より既知であり使用されるものを指す。この環境ファイルの要素は、テストアプリケーションの場所へのパス、テストシーケンスの合格/不合格結果を含むテキストファイルへのパス、テスト名をテストされた組立体の部品にリンクするダイアグラム100へのパス、特定の部品が故障している可能性の割合と共に潜在的故障部品のリストを含むCSVファイル(カンマで区切られた変数ファイル)へのパス、特定された部品をブロック図でユーザに表示するグラフィカルアプリケーションへのパスを含む。
【0022】
診断エージェント16が潜在的故障部品を特定した後、それらの潜在的故障部品は、素子組立体の最終IF/AIFを示すダイアグラム100で特に強調表示される。本発明の実用的な実施形態では、潜在的故障部品104は、点滅する赤色矩形105として強調表示される。他の潜在的故障部品110及び111はそれぞれ、点滅する赤色矩形112及び113として示される。潜在的故障部品の故障についていくらかの理解を得るために、ユーザは、本発明により提供される情報を理解し、その後、トラブルシューティングプロセス(後述)を行い、診断エージェント16により特定された各潜在的故障部品が不合格したことを確認する。
【0023】
潜在的故障部品の確認が行われると、ユーザはそのIF組立体を取り外し、潜在的故障部品のどれが実際に故障しているかを判断し、実際に故障している部品を修復又は交換して、素子組立体を機器に再び取り付ける。予備の素子組立体を、潜在的故障部品と特定された1つ又は複数の部品を有する素子組立体との交換に利用できる状況があり得る。後の或る時点で、取り外された素子組立体を検査してテストし、場合によっては実際に故障している部品が交換又は修復される。このプロセスは、残りの各素子組立体がテストされ、実際に故障している部品が修復又は交換されるまで繰り返される。
【0024】
所定の機能テストルーチンのいずれかを実行するために、素子組立体は、テストエグゼクティブ14がテストソフトウェア3の開始コマンドを送るときに各機能テストルーチンにより特定の位置に設定される制御可能なラッチ又はスイッチ(すなわち、上述したいわゆる他の制御可能要素又は制御)を含む。本発明の実用的な実施形態はアクティブブロック図機能を含むが、本発明はそれなしでも動作する。アクティブブロック図機能が使用されない場合は、ユーザが、テストエグゼクティブ14を介して任意の制御可能ラッチをセットするか、又は素子組立体内に手作業でセットしなければならない。
【0025】
以前に言及したように、部品104、110、及び111は、潜在的故障部品として特定される。トラブルシューティング段階において、オペレータは、特定の機能テストを実行して、潜在的故障部品を特定した診断の質を確認すると判断する。図7では、ユーザはマウスカーソル102を介して、選択された位置にスイッチ103をセットして、AIF CAL_SWITCH,0と記されるポップアップ表示120に示すように較正入力スイッチをゼロにした。ダイアグラム100はテスト中の実際のIF組立体に結合されるため、ダイアグラム100内のスイッチ103に対応するIF組立体内の実際のスイッチがそれに従ってセットされる。同様に、ダイアグラム100上のスイッチ130、132、134、136、138、142、及び145に対応するその他の実際のスイッチの位置も、ユーザがダイアグラム100を操作するときに、選択された位置にセットされる。マウスのカーソル位置決め機能、ドラッグ機能、移動機能、及び選択機能は従来のものであり、ダイアグラム100はこのような機能に応答するように構成されていることを理解されたい。セットアップが完了すると、ユーザは、生成されたデータ測定を検討して、潜在的故障部品のうちの1つが機能テストで不合格となったことを確認することができる。例えば、ADCの再テストにおいて、ユーザは、生成されたデータ測定が、ユーザによりセットアップされた機能テスト合格範囲内にないことを確認することができる。
【0026】
図8を参照して、ユーザがカーソル102を点滅する赤色矩形105上に配置すると、この例ではIF_AMPと記されているポップアップ表示122として示される部品104が特に特定されることも明白にすべきである。図には示していないが、素子組立体内での部品の実際の位置等の他の情報を表示することもできる。この機能により、ユーザは、トラブルシューティングプロセスにより潜在的故障部品が故障していることが確認された場合に交換する必要があり得る実際の部品を特定することができる。
【0027】
本発明は、機能テストルーチン、診断、及びその後の潜在的故障部品の図形表示の実行が、ユーザにより別個に実行されるように動作することができる。ユーザ側の時間量を短縮するために、本発明は、このような要素をすべて順に、ユーザによるテストエグゼクティブ14への1つの開始コマンドを使用して実行することができ、それにより、一連の機能テストが行われ、合格/不合格結果が診断エージェント16に送られて診断エージェント16に用いられる。診断エージェント16は潜在的故障部品の診断リストを解釈して、ダイアグラム100上の対応する点滅赤色矩形にする。この構成は、入力信号及び出力信号が機器又は機器内の特定の各素子組立体に対して送受信されるパッドの接続整合性をテストする等の比較的単純な機能テストに対して有用である。より複雑な機能テストルーチンでは、特定のイベントで停止して、次のステップに行く前に状況を解析して診断する時間をユーザに提供することが望まれる場合がある。
【0028】
本発明において使用される組立体機能テストの哲学は、組立体の最も単純な回路ブロックから始まり、基板全体がカバーされるまで、徐々により複雑な回路をテストする一連のテストを開発することであった。本発明の実用的な実施形態のこの説明では、開発された第1のテストは電源線のA/D読み取り診断であった。この特定のC#テスト関数では、テスト名ストリング(テスト名文字列)が合格/不合格テスト結果に割り当てられた。これと同じテスト名ストリングが、このテストで使用される回路部品をカバーするためにAgilent Fault Detectiveでモデリングされた。この特定のテストに合格したことが分かった場合、テストによりカバーされる部品は良好であるとみなされ、本発明では次のテストの下で再びモデリングされることはなかった。この部品消去プロセスは、故障の可能性の割合が低いとしても、良好であると証明された部品が後の診断で決して表示されないという点で、診断エージェント16により最高精度の診断が行われることを保証するのに役立つ。
【0029】
このいわゆるテスト及び消去哲学に対する例外が、複雑な回路テストで不合格となり、複雑な回路パス内の部品のうちのいくつかを良好と証明し得る代替の回路パスが存在する場合に発生する。この場合、代替のパスと共有される複雑なパスの共通部品が、複雑なパスが不合格となった場合のみ実行される特別な診断テスト名の下で再びモデリングされる。代替のパスがテストされて、故障後になくなった場合、テストシーケンスは終了し、トラブルシューティング診断が開始される。これにより、一度に1つだけの故障がトラブルシューティングされることが保証され、それにより、組立体が同じ部品番号の複数の誤った読み込みがある場合に混乱が回避される。
【0030】
このテスト及び消去哲学の図での例を図9に示す。通常のテストは、パスABCEの機能をテストし、テストモデルもABCEを含む。テストに合格した場合、これらの部品は良好なものとして消去される。次のテストはパスABDEをテストする。ABEは良好と証明されているため、本発明では、部品Dのみがこの第2のテスト下でモデリングされる。この第2のテストで不合格となる場合、本発明は非常に高い故障確率割合(パーセンテージ)を部品Dに与える。ABCEテストで不合格となった場合、特別なテスト名を実行してパスABDEをテストし、すべての部品A、B、D、及びEがこの特別なテスト名の下にモデリングされる。これは、ABDEが合格した場合には部品CにABCEの不合格の責任があったか否か、ABDEも不合格となった場合にはA、B、又はEが故障していると判断するのに役立つ。この特別なテストが終了した後、テストは終了し、診断が開始される。仮にテスト下の組立体の回路が機能テストで不合格となった場合には、故障の原因である可能性が最も高い回路のユーザフレンドリーな図形表現を提示することが望まれるであろう。これは、.CSVファイルとして保存されている診断情報を検索することによって行われた。診断情報は、特定の部品がテストアプリケーションにより報告された故障の原因である可能性に対応する割合が関連付けられた部品のリストを含む。
【0031】
ユーザに診断結果を図形で表示するために、組立体の回路組立図又は組立体のブロック図のビットマップを背景として使用するC#フォームが作成された。ツールパレットから組立図背景を有するC#フォームにドラッグできる矩形である特別なC#透明矩形制御が開発された。回路部品のアウトラインが制御の下で見えるように、制御が透明であることが重要であった。次いで、部品名が、矩形を輪郭とする特定の部品の制御に属性として関連付けられた。次いで、矩形の境界を、その部品名が診断からの名称に合致したか否かに基づいてオンオフ切り替えすることができる。次いで、ブロック図上のすべての制御が1つのタイマを使用して、制御についての可視のアウトラインをオンオフに点滅させた。制御についてのアウトラインを点滅させることで、ユーザの目を故障ブロックの位置に引きつけることに大きく役立つことが発見された。図5の欄56にリストされ、図7及び図8のダイアグラム100に含まれるすべての部品に、この透明矩形制御機能が付される。
【0032】
テスト中の装置(例えば、IF組立体)との通信が、Agilent Technologies市販であり、Microsoft Visial Studioの開発環境下でアクセサリとしてインストール可能なAgilent Test and Measurement Toolkitと共にセットアップされるLANデバイスドライバを使用して確立される。遠隔装置と通信するために、ユーザが、装置のコンピュータ名をテストエグゼクティブ14に入力することができる。この遠隔機能は、これに必要なソフトウェアコーディングがまだ書かれていなかったため、本発明の実用的な実施形態に加えられなかった。しかし、このようなソフトウェアコーディングは十分に、過度の実験なしで当業者の能力の範囲内である。埋め込み通信の場合、コンピュータ名は単純に「localHost」に設定される。すべての実行形式(executable)ファイル及び関連ファイルと共に埋め込み使用するために本発明において使用される「故障検出(製品名:Fault Detective(故障探偵))」アプリケーションにアクセスするためのライセンスが、イメージング手続き中に主機器ファームウェアと共にインストールされる。
【0033】
テスト中の実際の素子組立体が、別の建物内、温度テスト槽内、又はコンピュータ7が利用できない場所等の遠隔場所にある場合、本発明は、従来のLAN、WAN、インターネット、又は他の従来から既知のエリアネットワークを介してWindows(登録商標)ベースの装置と遠隔通信するように構成することができる。適したディスプレイ及びI/O機能がユーザに提供されている限り外部コンピュータ7が必要ないように、Windows(登録商標)ベースの機器に直接埋め込むこともできる。本発明の実用的な実施形態では、Analyzer製品は、温度テストのために閉じられたオーブン内に配置された。実用的な実施形態はAnalyzer製品に埋め込まれ、Analyzer製品がオーブン内にあるときに機能テストルーチンを実行するよう動作した。
【0034】
本発明の作業実施形態では、潜在的故障部品104、110、及び111が、点滅する赤色矩形105、112、及び113のそれぞれにおいて強調表示された。もちろん、点滅矩形に赤色に代えて他の強調表示色を使用することもできる。さらに、配色方式を使用して、潜在的故障部品に計算された故障原因割合の各種値を表すこともでき、計算された故障割合が最高レベルの部品を、ある色、例えば赤で表すことができる。
【0035】
故障部品が特定されると、多くの場合、診断の確認を助けるトラブルシューティングツールを手作業で起動する必要がある。本発明は、トラブルシューティングツールをアクティブブロック図機能と組み合わせ、初期の規定機能テストルーチンが実行される診断段階後にトラブルシューティングツールを自動的に起動させるように構成することができる。
【0036】
従来技術によるAgilent Fault Detective製品では、テスト中の素子組立体のモデルを作成するソフトウェアプログラムは図形画像のみであり、モデルを実際の素子組立体に結合させる機能はない。これより、アクティブブロック図の詳細な説明を提供して、ダイアグラム100が素子組立体にどのように結合されるかを説明する。ダイアグラム100は素子組立体に結合され、より低レベルの部品制御及びテスト信号処理に対するアクセスを有する。機器内の素子組立体の機能テストは、素子組立体に内蔵され、各機能テストルーチンにより選択されるテストパスを介する。ERS(外部参照仕様書)等の外部文書からのラッチについての詳細な情報及び回路組立図又は回路図からの機器内の部品の物理的な位置についての情報が、ダイアグラム100に関連するデータファイルに入力され、ユーザの検討用に提供される。
【0037】
本発明のアクティブブロック図機能は、ユーザが、機能テスト対象の素子組立体内のハードウェア部品と共に一般に使用される制御のソフトウェアライブラリを参照することで開始される。図10に示すのは、オペレータがトラブルシューティングする素子組立体にアクティブブロック図を作成する際に使用するソフトウェアライブラリから利用出来る制御装置のいくつかの例の図形表示300である。制御装置は、本発明により制御可能な素子組立体内の部品及びラッチである。このような制御装置の例としては、オレンジの配色で強調表示されるDAC302(デジタルアナログ変換器)、ブルーの配色で強調表示されるADC304及び305(アナログデジタル変換器)、並びに二者択一(alternative)の接続点で示されるスイッチ306及び307が含まれる。図形表示300の左側の欄が、各種制御装置のリストである。例えば、SmallDACControlと記されるエントリ310をDAC302に関連付けることができる。オペレータは、素子組立体に対応するアクティブブロック図を作成しているとき、制御ライブラリから必要なアイテムを選択して、アクティブブロック図になる新フォームに配置する。アクティブブロック図の透明矩形機能については上述した。ブロック320は、オペレータが、選択して、制御ライブラリからとって新フォームに配置する各部品の周囲に配置する透明な矩形である。図4の欄56にリストされるすべての部品にはこの透明矩形が付され、図7及び図8のダイアグラム100で使用される。図11及び図12は、制御ライブラリから取られた要素を使用して作成されたアクティブブロック図のさらなる例である。
【0038】
図11は、好ましくは、テスト対象機器内の2nd LO/Cal Signalsと記されている素子組立体の回路組立体のビットマップ画像として表示されるアクティブブロック図500を示す。アクティブブロック図500は、図10に示すように実際はオレンジ及びブルーに配色されているDAC501〜506及びADC507〜510を含む。素子組立体内に所定のテストパスを形成するための接続点が関連付けられたスイッチ511〜514(赤に配色される)も示される。ユーザがカーソル(図示しないが、上述した)をスイッチ511及び512に隣接して配置すると、REF CAL_4800M_SW_0,1と記されているポップアップ表示520が表示され、この例では、これは素子組立体の一部をテストするためのリファレンス較正設定に関連する。このポップアップメッセージは、その特定のハードウェアデバイスを制御するために使用される低レベルラッチ制御名を含む。
【0039】
アクティブブロック図500は、各種の所定の機能テストルーチンのセットアップ及び実行に有用であるが、他の機能も有する。図12は、テスト対象の機器内のアクティブブロック図500に加えて別の素子組立体であるFront Endと記されている素子組立体の別のアクティブブロック図600を示す。画像602は、Front Endの回路組立体のビットマップ画像である。ハードウェアが動作中である間、データは、それが生成されるにつれてリアルタイムで表示されて、ユーザがFront Endがどのように実行されているかを理解するのを助ける。例えば、それぞれ1、2、4、及び5と付番されているブロックで記されている各表示604〜607が、他の情報を示す。これらの各表示604〜607の実際の配色はブルーであるため、このような情報はADCに関連し、Front Endがどのように実行されているかの理解に有用な電流、電圧、電力の読み取り値、又は他の読み取り値であることができる。このような情報は、ユーザにより所望に応じて定期的に更新してもよく、又は最終読み取り値であってもよい。このような情報は、ユーザにより要求されるポップアップ表示として設定することもでき、又はユーザが表示をオフにするまで常時存在してもよい。各制御について、表示される値はハードウェア内のその部品の現在値である。例えば、スイッチ514はハードウェア内の実際のスイッチを示し、現在、開いた状態である。ここで、その状態が変化し、制御がリフレッシュされた場合には、閉じた状態のスイッチが表示される。
【0040】
アクティブブロック図500及び600の両方について、ユーザは、好ましくは、ライブラリから選択された制御装置をドラッグして作成するアクティブブロック図に挿入することで、各アイコンで表される各種制御装置を制御ソフトウェアライブラリからとることによって各素子組立体の画像を作成することを理解されたい。別法として、ユーザは、Windows(登録商標)ベースのオペレーティングシステムで既知のコピーアンドペースト機能を使用することができる。上述したように、素子組立体内のすべての制御可能な素子が、所定のインタフェースを介して、ソフトウェアライブラリからとられたアイコンにすべてリンクされ、アクティブブロック図に使用される。テスト対象の機器には、オペレータが機器内の任意の制御可能な素子にアクセスし、所定の機能テストルーチンを実行させ、生成データを検索できるようにする、従来技術において両方とも既知の既存の通信プロトコルを使用する既存のインタフェースがある。アクティブブロック図は同じインタフェース及び通信プロトコルを使用する。制御可能素子に分かっているすべての制御機能がアイコンにプログラムされてリンクされ、それにより、ユーザはアクティブブロック図を介して任意の制御機能にアクセスし、生成されたデータを検索することができる。例えば、DACがデジタル入力範囲0〜255を有する場合、ユーザは、その範囲にわたり10カウント増分でDACを動作させる増分ステップを設定して、DACが動作するにつれてその出力を見ることができる。別法として、ユーザは、テストの目的及びトラブルシューティングの目的で有用であり得る他の任意の所定の増分でDACを動作させることができる。
【0041】
アクティブブロック図はテスト対象の機器と完全に通信しており、生成されたテスト情報を表示し、潜在的故障部品を特定し、ユーザが定めるように選択可能なラッチを制御して、ユーザが選択した任意の機能テストルーチンを実行する代替のテストパスをセットアップすることも理解されたい。上述したように、アクティブブロック図は、潜在的故障部品が故障していることを確認するためにユーザにより行われる、それに続くトラブルシューティング手続き中に有用である。
【0042】
ユーザは通常、見やすくするため、又はハードコピー等のプリントアウトのためにアクティブブロック図のサイズを指定する。特定のアクティブブロック図の作成に使用されるアイコンの相対サイズは、アクティブブロック図に所望のサイズに合い、図形的に同様のアイコンと同じ比率を有するように必要に応じて変更可能である。アイコンの別の属性は、新しいアクティブブロック図を作成するリンク機能である。例えば、いくつかのラッチ(すなわち、スイッチ)又は制御が、両方の機能を有する1制御ビットを有することが知られている。したがって、図式的にリンクされているものとして表示されるように2つのラッチ(又はスイッチ)を共に互いにリンクさせることができる。別法として、アクティブブロック図において3つ以上のラッチを必要に応じて共にリンクさせることができる。
【0043】
理解できるように、アクティブブロック図は、任意の電子回路で発生し得るハードウェア問題のトラブルシューティングに有用である。このことは合格/不合格の結果を生成する機能テストルーチンに限定されない。オペレータは、所定の部品の組を接続する所定の信号パスをセットアップすることができるため、電子回路を動作させて生成されるデータをリアルタイムで見ることができる。例えば、選択された部品又は選択された部品群の入出力レベルを見ることが可能である。
【0044】
図13に本発明の代替の一実施形態を示す。本発明の上述した実用的な実施形態に使用されるAnalyzer製品は、埋め込みテストソフトウェア3の一部である機能テストルーチンを行うために必要なテストハードウェア(所定の信号を素子組立体に印加する信号発生器等であるがこれらに限定されない)を含んだ。このようなテストハードウェアのすべてを有するわけではない機器の場合、本発明の代替の実施形態は、コンピュータ7を介して本発明に結合され、接続18aを介してネットワーク5に結合されるテストハードウェア18を含む。テストエグゼクティブ14は、テストハードウェア18を機器1に接続し、必要に応じて埋め込みテストソフトウェア3と併せて動作して、機器1内の素子組立体の機能テストルーチンを行えるようにテストハードウェア18を制御する。RFケーブル19がテストハードウェア18を機器1に接続して、素子組立体のテストに必要な信号を伝送する。
【0045】
図13に示す本発明の別の代替の実施形態は、機器内の素子組立体に対して機能テストルーチンを行うためにテストエグゼクティブ14により機器1に結合できる、コンピュータ7に常駐する追加のテストソフトウェアを含む。追加のテストソフトウェアが必要とする任意のテストハードウェア18は、テストエグゼクティブ14の制御下で機器1に結合される。追加のテストソフトウェアに従って素子組立体をテストするために必要な信号は、RFケーブル19を介して機器1に送信される。
【0046】
本発明について特定の実施形態を参照して詳細に説明したが、添付の特許請求の範囲の精神及び範囲から逸脱することなく、各種変更及び修正が可能なことを、本発明に関連する当業者は理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】テスト対象の電子機器に結合された本発明を示すブロック図である。
【図2】本発明において使用されるメインテストエグゼクティブフォームを示す図である。
【図3】実行中のテストの状態に関連する情報を表示する本発明でのフォームを示す図である。
【図4】本発明により生成される情報を示すデータウィンドウである。
【図5】部品を機能テストルーチンに関連付ける在庫モデルを示す表示である。
【図6】テスト結果データを使用して更新された図2に示すフォームである。
【図7】素子組立体のテストを制御するためのアクティブブロック図である。
【図8】本発明の他の特徴を示す図7に示すアクティブブロック図である。
【図9】本発明において使用されるテスト及び消去プロセスを説明するブロック図である。
【図10】本発明において使用される制御の図形ライブラリを示す図である。
【図11】別の素子組立体のアクティブブロック図である。
【図12】さらに別の素子組立体のアクティブブロック図である。
【図13】本発明の代替の実施形態を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0048】
1 テスト対象の電子機器
3 テストソフトウェア
5 ネットワーク
7 コンピュータ
9 表示モニタ
11 コンピュータI/O装置
11A キーボード
11B マウス
14 テストエグゼクティブ
16 診断エージェント
17 ソフトウェアパッケージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置の要素を制御する方法であって、
前記電子装置の図形表示ブロック図を形成し、
制御可能な前記要素を前記ブロック図に表示し、
前記制御可能な要素と通信するために、前記ブロック図を該制御可能な要素と結合する
ことを含む、電子装置の要素を制御する方法。
【請求項2】
制御可能な前記要素を表すアイコンのライブラリを形成すること、
前記アイコンをそれぞれ制御可能な前記要素に結合すること、及び
前記アイコンを前記ブロック図に挿入すること
をさらに含む、請求項1に記載の電子装置の要素を制御する方法。
【請求項3】
前記ブロック図で使用される前記アイコンのサイズを変更することをさらに含む、請求項2に記載の電子装置の要素を制御する方法。
【請求項4】
前記アイコンのうちの2つ以上を前記ブロック図での使用のために互いにリンクすることをさらに含む、請求項2に記載の電子装置の要素を制御する方法。
【請求項5】
前記電子装置を遠隔地に配置すること、
前記電子装置をネットワークに結合すること、及び
前記電子装置と通信するために、前記ブロック図を前記ネットワークに結合すること
をさらに含む、請求項1に記載の電子装置の要素を制御する方法。
【請求項6】
前記ブロック図を前記電子装置に埋め込むことをさらに含む、請求項1に記載の電子装置の要素を制御する方法。
【請求項7】
前記要素は可変動作特性を含み、前記方法は、
前記ブロック図を介して各要素に特定の動作特性を選択することをさらに含む、請求項1に記載の電子装置の要素を制御する方法。
【請求項8】
前記要素はアナログ−デジタル部品を含み、前記動作特性は可変ステップセットを有するレベルを含み、前記方法は、
前記オペレータが命令を前記ブロック図に入力した後、前記部品に所定のステップレベルで動作するように命令することをさらに含む、請求項1に記載の電子装置の要素を制御する方法。
【請求項9】
電子装置の要素を制御する方法であって、該要素は部品及びラッチを含み、該方法は、
前記電子装置のブロック図を形成すること、
制御可能な前記要素を前記ブロック図に表示すること、
前記制御可能な要素と通信するために、前記ブロック図を制御可能な前記要素に結合すること、及び
部品及びラッチの所定の組み合わせをセットアップするために前記ブロック図を使用し、該所定の組み合わせを接続する信号パスを形成すること
を含む、電子装置の要素を制御する方法。
【請求項10】
前記信号パスを通して所定の信号を伝送すること、
前記所定の組み合わせに送信された前記信号から生じる動作データを生成すること、及び
要求に応じて前記動作データを表示すること
をさらに含む、請求項9に記載の電子装置の要素を制御する方法。
【請求項11】
前記信号を或る時間期間にわたって印加すること、及び
前記時間期間中、各部品について、前記組み合わせの該部品により生成されている動作データを表示すること
をさらに含む、請求項10に記載の電子装置の要素を制御する方法。
【請求項12】
前記部品及び前記動作データから発生する情報を前記ブロック図に表示することをさらに含む、請求項10に記載の電子装置の要素を制御する方法。
【請求項13】
電子装置の要素を制御する装置であって、
前記電子装置の図形表示ブロック図
を備え、
前記ブロック図は、制御可能な前記要素を画像として表示するように構成され、前記電子装置に結合されて、オペレータが該ブロック図を介して制御可能な前記要素を制御する、電子装置の要素を制御する装置。
【請求項14】
前記要素を表すアイコンのライブラリをさらに備え、該アイコンは前記要素に結合され、前記オペレータは、該アイコンを前記ライブラリから前記ブロック図に挿入することによって該ブロック図を作成する、請求項13に記載の電子装置の要素を制御する装置。
【請求項15】
ネットワークをさらに備え、前記電子装置は遠隔地にあり、前記ネットワークに接続され、前記ブロック図は前記ネットワークに接続されて前記電子装置と通信する、請求項13に記載の電子装置の要素を制御する装置。
【請求項16】
前記ブロック図は前記電子装置に埋め込まれる、請求項13に記載の電子装置の要素を制御する装置。
【請求項17】
前記要素は可変動作特性を含み、前記オペレータは、前記ブロック図を使用して各要素に特定の動作特性を選択する、請求項13に記載の電子装置の要素を制御する装置。
【請求項18】
前記要素はアナログ−デジタル部品を含み、前記動作特性は可変ステップセットを有するレベルを含み、所定のセットで前記部品のそれぞれを動作させるコマンドが、前記オペレータが命令を前記ブロック図内の該部品に入力することによって確立される、請求項17に記載の電子装置の要素を制御する装置。
【請求項19】
前記アイコンのサイズは、前記ブロック図での使用のために変更される、請求項13に記載の電子装置の要素を制御する装置。
【請求項20】
前記アイコンのうちの2つ以上が前記ブロック図での使用のために互いにリンクされる、請求項13に記載の電子装置の要素を制御する装置。
【請求項21】
電子装置の要素を制御する装置であって、
前記電子装置のブロック図を含み、該ブロック図は、制御可能な前記要素を画像として表示するように構成され、前記電子装置に結合され、オペレータが該ブロック図を使用して制御可能な前記要素を制御し、
前記要素は、部品及びラッチであって、前記オペレータが前記ブロック図を用いて所定の部品の組み合わせを接続する所定の信号パスを確立して該部品及び該ラッチを選択するように構成されている部品及びラッチを含む、電子装置の要素を制御する装置。
【請求項22】
前記所定の信号は前記信号パスを通して前記組み合わせに伝送されて、該組み合わせから動作データを生成し、前記ブロック図は前記動作データを表示する、請求項21に記載の電子装置の要素を制御する装置。
【請求項23】
前記所定の信号は或る時間期間にわたって印加され、各部品の前記動作データが、該動作データが前記組み合わせの前記部品により生成されている前記時間期間中に表示される、請求項22に記載の電子装置の要素を制御する装置。
【請求項24】
前記部品及び前記ラッチに関する情報が前記ブロック図に表示される、請求項21に記載の電子装置の要素を制御する装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−59574(P2008−59574A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−200401(P2007−200401)
【出願日】平成19年8月1日(2007.8.1)
【出願人】(399117121)アジレント・テクノロジーズ・インク (710)
【氏名又は名称原語表記】AGILENT TECHNOLOGIES, INC.
【Fターム(参考)】