電子装置及びそのタッチパネルの走査方法
【課題】電子装置と、この電子装置のタッチパネルを走査する方法を提供する。
【解決手段】電子装置はタッチパネルと、制御回路とを有する。タッチパネルは複数のタッチセンサを有する。このタッチパネルに制御回路が結合されている。制御回路は、これらタッチセンサの各々をこのタッチセンサのプリセット充電期間に応じて充電するとともに、これらタッチセンサの充電特性における最大差を検出する。この最大差がプリセットしきい値よりも高い場合、制御回路が、これらタッチセンサの充電特性と、これらタッチセンサのプリセット充電期間のプリセット限界値とに応じて、これらタッチセンサのプリセット充電期間を調整する。
【解決手段】電子装置はタッチパネルと、制御回路とを有する。タッチパネルは複数のタッチセンサを有する。このタッチパネルに制御回路が結合されている。制御回路は、これらタッチセンサの各々をこのタッチセンサのプリセット充電期間に応じて充電するとともに、これらタッチセンサの充電特性における最大差を検出する。この最大差がプリセットしきい値よりも高い場合、制御回路が、これらタッチセンサの充電特性と、これらタッチセンサのプリセット充電期間のプリセット限界値とに応じて、これらタッチセンサのプリセット充電期間を調整する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置と、そのタッチパネルを走査(スキャニング)する方法とに関するものである。本発明は特に、上述した走査中にタッチパネルのタッチセンサを充電することに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図1は、タッチコントローラ120と、容量性のタッチパネルであるタッチパネル140とを有する従来の電子装置100を示す線図である。このタッチパネル140は、一組の駆動ライン(縦ライン)と、一組の検出ライン(横ライン)とを有する。駆動ラインが検出ラインと交差する各位置が、タッチパネル140のタッチセンサである。例えば、タッチパネル140の3つのタッチセンサに符号142、144及び146をそれぞれ付してある。
【0003】
タッチパネル140上でユーザがある動作を実行する場合、タッチパネル140を走査することによりその結果のタッチ事象をタッチコントローラ120が検出しうる。タッチパネル140を走査する場合、タッチコントローラ120が駆動信号をタッチパネル140の駆動ラインに送信する。これらの駆動信号がタッチパネル140のタッチセンサを充電し、これに応答してこれらのタッチセンサが検出信号を発生する。続いて、タッチコントローラ120がタッチパネル140の検出ラインから検出信号を受信する。このタッチコントローラ120が検出信号を解析してタッチ事象の位置を決定する。このタッチ事象に応じて、電子装置100が予め決定した機能を実行しうる。
【0004】
タッチパネルの走査中にはしばしば雑音が検出信号に悪影響を及ぼし、タッチ事象の検出に誤った結果をもたらす。雑音は常に問題となる。スマートフォン及びタブレット型コンピュータのような多くの電子装置には例えば、タッチパネル及び液晶モジュール(LCM)より成るタッチ式ディスプレイが設けられている。LCMは、その画素の極性が反転された際に、多数の雑音を発生する。
【0005】
従来の他の問題は、タッチパネルのタッチセンサの充電時間が互いに異なるということである。タッチパネルのタッチセンサの等価抵抗及び等価容量は均一ではなく、このことはタッチセンサの充電特性も均一ではないということを意味する。図2は、従来のタッチパネル140のタッチセンサ142、144及び146のそれぞれの充電時の電圧‐時間特性曲線202、204及び206を示す線図である。この図2に示すように、タッチセンサ146のような遠端のタッチセンサは、タッチセンサ142のような近端のタッチセンサが充電するよりもゆっくり充電する。その理由は、遠端のタッチセンサは大きな時定数を有する為である。この場合、タッチセンサの時定数はこのタッチセンサの等価抵抗と等価容量との積である。理想的には、タッチパネル140の走査中、全てのタッチセンサが電圧レベルVR まで充電されている必要がある。近端のタッチセンサ142は電圧レベルVR まで充電されるのに期間TN を要するが、遠端のタッチセンサ146は電圧レベルVR まで充電されるのにより長い期間TF を要する。
【0006】
しかし、従来のタッチパネルのタッチセンサは全て同じ充電時間に応じて充電されるものであり、これによりタッチセンサを不足充電又は過充電するおそれがある。例えば、全てのタッチセンサを充電期間TN に応じて充電すると、タッチセンサ144及び146が不足充電され、一方、全てのタッチセンサを充電期間TF に応じて充電すると、タッチセンサ142及び144が過充電される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明によれば、電子装置と、この電子装置のタッチパネルを走査する方法とを提供するものであり、この電子装置及び方法により、前述した雑音問題及び充電問題を解決しうる又は軽減しうるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一例によれば、電子装置を提供する。この電子装置には、タッチパネルと制御回路とが設けられている。タッチパネルには複数のタッチセンサが設けられている。又、制御回路はタッチパネルに結合されている。この制御回路は、タッチセンサのプリセット充電期間に応じてタッチセンサの各々を充電するとともに、これらタッチセンサの充電特性における最大差を検出する。この最大差がプリセットしきい値よりも大きい場合には、この制御回路が、タッチセンサの充電特性とタッチセンサのプリセット充電期間のプリセット限界値とに応じてこれらタッチセンサのプリセット充電期間を調整する。
【0009】
本発明の他の例によれば他の電子装置を提供する。この電子装置には、ディスプレイと制御回路とが設けられている。このディスプレイには複数のタッチセンサが一体化されている。このディスプレイは、液晶ディスプレイ、OLED(有機発光)ディスプレイ、インセル型ディスプレイ、オンセル型ディスプレイ又は透明OLEDディスプレイとすることができる。制御回路はタッチパネルに結合されている。この制御回路は、タッチセンサのプリセット充電期間に応じてタッチセンサの各々を充電するとともに、これらタッチセンサの充電特性における最大差を検出する。この最大差がプリセットしきい値よりも大きい場合には、この制御回路が、タッチセンサの充電特性とタッチセンサのプリセット充電期間のプリセット限界値とに応じてこれらタッチセンサのプリセット充電期間を調整する。
【0010】
本発明の更に他の例によれば、上述した電子装置のタッチパネルを走査する方法を提供する。この方法には、以下のステップを含める。各タッチセンサのプリセット充電期間に応じてタッチパネルの各タッチセンサを充電する。タッチパネルのこれらタッチセンサの充電特性における最大差を検出する。この最大差がプリセットしきい値よりも高い場合には、これらタッチセンサの充電特性とこれらタッチセンサのプリセット充電期間のプリセット限界値とに応じてこれらタッチセンサのプリセット充電期間を調整する。
【0011】
以下に説明する添付図面は、本発明を更に理解するためのものであるが、本明細書の一部を構成するものでもある。これらの図面は本発明の実施例を示すものであり、その記述と相俟って本発明の原理を説明する作用をするものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、タッチパネルを有する従来の電子装置を示す線図である。
【図2】図2は、従来のタッチパネルにおけるタッチセンサの充電を示す線図である。
【図3】図3は、本発明の一実施例による電子装置を示す線図である。
【図4】図4は、本発明の一実施例による電子装置のタッチパネルを充電する方法を示す流れ図である。
【図5】図5は、本発明の一実施例によるタッチパネルの充電を示す線図である。
【図6】図6は、本発明の一実施例によるタッチパネルのタッチセンサのプリセット充電期間を示す線図である。
【図7】図7は、本発明の一実施例によるタッチパネルのタッチセンサのプリセット充電遅延を示す線図である。
【図8】図8は、本発明の一実施例によるタッチパネルのタッチセンサのプリセット充電期間及びプリセット充電遅延を示す線図である。
【図9】図9は、本発明の他の実施例による電子装置を示す線図である。
【図10】図10は、本発明の更に他の実施例による電子装置を示す線図である。
【図11】図11は、本発明の更に他の実施例による電子装置を示す線図である。
【図12】図12は、本発明の更に他の実施例による電子装置を示す線図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に本発明の実施例につき詳細に説明するに、これらの実施例は添付図面に例示してある。これらの図面及び説明では、同じ又は同様な部分を参照するのに可能な限り同じ符号を付してある。
【0014】
図3は、本発明の一実施例による電子装置300を示す線図である。この電子装置300はスマートフォン、携帯情報端末(PDA)、タブレット型コンピュータ又はノート型パーソナルコンピュータとすることができる。この電子装置300は、タッチパネル340と、このタッチパネル340に結合された制御回路320とを有している。タッチパネル340は、タッチセンサ342、344及び346のようなタッチ事象検出用の複数のタッチセンサを有する容量性のタッチパネルとすることができる。制御回路320は、タッチパネル340を走査することによりタッチ事象を検出することができる。この制御回路320は、駆動信号をタッチパネル340に送信してタッチセンサを充電し、次にタッチパネル340から検出信号を受信して解析することによりタッチパネル340を走査する。電子装置300は、タッチ事象に応じて予め決定した機能を実行することができる。
【0015】
図4は、本発明の一実施例による電子装置のタッチパネルを充電する方法を示す流れ図である。この方法は、タッチパネル340上の制御回路320により実行しうる。又この方法は、他の同様なタッチパネル上の他の同様な制御回路により実行することもできる。
【0016】
図4に示す流れを以下に説明する。ステップ410では、タッチパネルのタッチセンサの幾つか又は全てを充電する。各タッチセンサは、このタッチセンサのプリセット充電期間に応じて充電される。この場合、プリセット充電期間とは、タッチセンサが充電される時間長である。ステップ410を最初に実行する場合、各タッチセンサのプリセット充電期間は同じ初期値である。ステップ410を後に実行する場合、各タッチセンサのプリセット充電期間は、図4の方法が前に実行された時に決定された値にすることができ、これらタッチセンサのプリセット充電期間は互いに同じ又は異なるようにすることができる。
【0017】
ステップ420では、タッチセンサの充電特性を検出するとともに、これらタッチセンサの充電特性における最大差を検出する。本例では、各タッチセンサの充電特性を、このタッチセンサがこのタッチセンサのプリセット充電期間中に充電される電圧レベルとすることができる。或いはまた、各タッチセンサの充電特性を、このタッチセンサの時定数とすることができる。ステップ430では、タッチセンサの充電特性における最大差をプリセットしきい値と比較する。
【0018】
この最大差がプリセットしきい値よりも低い場合には、流れがステップ450に進む。制御回路は、タッチセンサのプリセット充電期間を変化させない状態に保つとともに、各タッチセンサをこのタッチセンサのプリセット充電期間に応じて充電する。タッチセンサの充電特性における最大差がプリセットしきい値よりも低い為、この場合には充電が不均一である場合の従来の問題は存在しない。
【0019】
タッチセンサの充電特性における最大差がプリセットしきい値よりも高いか又はこのプリセットしきい値に等しい場合には、流れがステップ440に進み、タッチセンサのプリセット充電期間を、これらタッチセンサの充電特性及びこれらタッチセンサのプリセット充電期間のプリセット限界値TL に応じて調整する。ステップ440における調整の目的は、各タッチセンサのプリセット充電期間を決定し、各タッチセンサが充電される電圧レベルを統一して、充電が不均一である場合の従来の問題を回避するようにすることである。ステップ440における調整の他の目的は、タッチセンサのプリセット充電期間の長さを制限して、雑音妨害を回避するようにすることである。ステップ440で決定したプリセット充電期間は、後に用いるべき表に記憶させることができる。次に、ステップ450において、制御回路が、ステップ440で決定されたタッチセンサのプリセット充電期間に応じて各タッチセンサを充電する。
【0020】
タッチセンサの充電期間が長くなればなるほど、この充電期間中に現れる雑音が多くなる。従って、本例では、タッチセンサのプリセット充電期間のプリセット限界値TL が存在する。各タッチセンサのプリセット充電期間はプリセット限界値TL よりも短く又はこれに等しくする必要がある。ステップ440では、制御回路が最初に、プリセット限界値TL に応じてタッチセンサの中で最大の時定数を有する最も遅いタッチセンサのプリセット充電期間の長さを決定する。又、最も遅いタッチセンサがプリセット限界値TL 中に完全に理想的な電圧レベルVI まで充電できる場合に、制御回路は、この最も遅いタッチセンサのプリセット充電期間の長さを、この最も遅いタッチセンサがこの理想的な電圧レベルVI まで完全に充電されるのに要する時間となるように設定する。或いはまた、最も遅いタッチセンサがプリセット限界値TL 中に完全に充電できない場合に、制御回路は、この最も遅いタッチセンサのプリセット充電期間の長さを、プリセット限界値TL となるように設定する。理想的な電圧レベルVI は、タッチパネルを走査するために各タッチセンサを充電する必要がある電圧レベルである。部分的に充電されたタッチセンサは、このタッチセンサが充電された電圧レベルが理想的な電圧レベルVI よりもあまり低くない限り、タッチ事象を依然として検出しうる。
【0021】
次に、制御回路が、最も遅いタッチセンサのプリセット充電期間の長さと、その他のタッチセンサの充電特性とに応じて、これらのその他のタッチセンサのプリセット充電期間の長さを決定する。例えば、図5を参照されたい。この図5は、本発明の一実施例によるタッチパネルの3つのタッチセンサの充電を示す線図である。曲線501〜503は、3つのタッチセンサの充電の電圧‐時間特性をそれぞれ示している。最も大きい時定数を有する最も遅いタッチセンサは曲線503に対応している。
【0022】
最も遅いタッチセンサが、前述した様にプリセット限界値TL に応じて決定されたそのプリセット充電期間中に電圧レベルVL に充電されるものとする。この電圧レベルVL は理想的な電圧レベルVI よりも低く又はこれに等しくすることができる。制御回路は、他のタッチセンサの各々のプリセット充電期間の長さをこのタッチセンサが同じ電圧レベルVL に充電されるのに要する時間となるように設定することができる。図5に示すように、最も遅いタッチセンサは電圧レベルVL に充電されるのに期間TS を要する。他の2つのタッチセンサは電圧レベルVL に充電されるのにそれぞれ期間T1 及びT2 を要する。従って、制御回路は、これら他の2つのタッチセンサのプリセット充電期間の長さをそれぞれT1 及びT2 となるように設定する。制御回路は、最も遅いタッチセンサを充電することにより電圧レベルVL を決定するか又はこの最も遅いタッチセンサの充電特性に応じて電圧レベルVL を計算することができる。制御回路は、これら他の2つのタッチセンサを充電することによりT1 及びT2 の長さを検出するか又は電圧レベルVL 及びこれら他の2つのタッチセンサの充電特性に応じてT1 及びT2 の長さを計算することができる。
【0023】
図6は、本発明の一実施例によるタッチパネルの4つのタッチセンサのプリセット充電期間を示す線図である。この図6において、TL はタッチセンサのプリセット充電期間のプリセット限界値である。TP1、TP2、TP3及びTP4はそれぞれ、前述したようにステップ440において制御回路により決定された4つのタッチセンサのプリセット充電期間である。図6に示すように、これらのタッチセンサは充電を同時に開始するとともに充電を互いに異なる瞬時に終了する。時定数が最も小さい最も速いタッチセンサの充電が最初に終了する。これらタッチセンサのプリセット充電期間TP1、TP2、TP3及びTP4はプリセット限界値TL よりも長く広がらない。
【0024】
本発明の幾つかの他の実施例では、制御回路によりタッチセンサのプリセット充電期間のみではなくタッチセンサのプリセット充電遅延をも決定しうる。図7は、本発明の一実施例によるタッチパネルのタッチセンサのプリセット充電遅延を示す線図である。TD がこのタッチセンサのプリセット充電遅延である。図7に示すように、このタッチセンサはそのプリセット充電遅延が終了するまで充電しない。
【0025】
プリセット充電遅延が含まれている場合には、図4に示す方法に以下の変更を施す必要がある。ステップ410及び450において、制御回路がタッチセンサの各々をこのタッチセンサのプリセット充電期間及びプリセット充電遅延に応じて充電する。ステップ430において、最大差がプリセットしきい値よりも低い場合には、制御回路はタッチセンサのプリセット充電期間及びプリセット充電遅延を変化させないように保つ。ステップ430において、最大差がプリセットしきい値よりも高いか又はこれに等しい場合には、制御回路はステップ440においてタッチセンサのプリセット充電期間及びプリセット充電遅延をタッチセンサの充電特性及びプリセット限界値TL に応じて調整する。
【0026】
例えば、本発明の一実施例によるタッチパネルの4つのタッチセンサのプリセット充電期間及びプリセット充電遅延を示す線図を図8に示す。この図8において、TL はタッチセンサのプリセット充電期間のプリセット限界値である。TP1、TP2、TP3及びTP4はそれぞれ、前述したようにステップ440において制御回路により決定された4つのタッチセンサのプリセット充電期間である。TD1、TD2及びTD3はそれぞれ、ステップ440において制御回路により決定された4つのタッチセンサのうちの3つのタッチセンサのプリセット充電遅延である。時定数が最も大きい最も遅いタッチセンサのプリセット充電遅延は零である。図8に示すように、タッチセンサは互いに異なる瞬時に充電を開始するとともに互いに同じ瞬時に充電を終了する。時定数が最も小さい最も速いタッチセンサの充電は最後に開始する。これらタッチセンサのプリセット充電期間TP1、TP2、TP3及びTP4はプリセット限界値TL よりも長く広がらない。図6における例は、プリセット充電遅延が全て零である図8における例の特別な場合とみなすことができる。制御回路は、タッチセンサのプリセット充電期間がプリセット限界値TL よりも長く広がらない限り、タッチセンサのプリセット充電遅延を任意に決めることができる。
【0027】
図9は、本発明の一実施例による電子装置900を示す線図である。この電子装置900はタッチパネル940と制御回路920とを有する。制御回路920はタッチドライバ925を有する。このタッチドライバ925は前述したタッチパネル走査方法をタッチパネル940上で実行することができる。
【0028】
図10は、本発明の他の実施例による電子装置1000を示す線図である。この電子装置1000は、タッチパネル1040と、ディスプレイ1060と、制御回路1020とを具える。タッチパネル1040は複数のタッチセンサを有する。このタッチパネル1040はディスプレイ1060の一部として一体化されている。例えば、タッチパネル1040の導電層はディスプレイ1060の層の中から形成しうる。制御回路1020は、タッチドライバ1025とディスプレイドライバ1027とを有する。ディスプレイドライバ1027は、電子装置1000のグラフィカルユーザインタフェースのような画像を表示するようにディスプレイ1060の画素を駆動する。
【0029】
タッチドライバ1025とディスプレイドライバ1027とは、前述したタッチパネル走査方法をタッチパネル1040上で実行するように協働する。ディスプレイドライバ1027はステップ410及び450を実行する。このディスプレイドライバ1027は駆動信号をタッチパネル1040に送信してタッチセンサを充電し、このタッチパネル1040からその結果の検出信号をタッチドライバ1025が受信する。このタッチドライバ1025は、いつタッチセンサを充電するかを、又駆動信号をタッチセンサに送信するのを開始することをディスプレイドライバ1027に通知する制御信号をいつ送信するかを決定しうる。或いはまた、ディスプレイドライバ1027が、いつタッチセンサを充電するかを、又タッチセンサから検出信号を受信することをタッチドライバ1025に通知する制御信号をいつ送信するかを決定しうる。
【0030】
タッチドライバ1025はステップ420を実行する。タッチドライバ1025又はディスプレイドライバ1027はステップ430を実行しうる。タッチドライバ1025又はディスプレイドライバ1027はステップ440を実行して、タッチパネル1040のタッチセンサのプリセット充電期間(又はプリセット充電期間とプリセット充電遅延との双方)を決定しうる。タッチセンサのプリセット充電期間(又はプリセット充電期間とプリセット充電遅延との双方)がタッチドライバ1025により決定されると、タッチドライバ1025は、タッチセンサのプリセット充電期間(又はプリセット充電期間とプリセット充電遅延との双方)をディスプレイドライバ1027に通知する制御信号を送信する。タッチセンサのプリセット充電期間(又はプリセット充電期間とプリセット充電遅延との双方)がディスプレイドライバ1027により決定されると、タッチドライバ1025は、タッチセンサの充電特性のような必要なデータをディスプレイドライバ1027に通知する制御信号を送信する。
【0031】
図11は、本発明の他の実施例による電子装置1100を示す線図である。この電子装置1100は、タッチパネル1140と制御回路1120とを具える。制御回路1120は、処理ユニット1123とタッチドライバ1125とを有する。処理ユニット1123は電子装置1100の主システムである。この処理ユニット1123とタッチドライバ1125とは、前述したタッチパネル走査方法をタッチパネル1140上で実行するように協働する。処理ユニット1123は、検出したタッチ事象に応じて電子装置1100の予め決定した機能を実行する。タッチドライバ1125はステップ410、420及び450を実行する。処理ユニット1123はステップ440を実行して、タッチパネル1140のタッチセンサのプリセット充電期間(又はプリセット充電期間とプリセット充電遅延との双方)を決定する。処理ユニット1123又はタッチドライバ1125はステップ430を実行する。
【0032】
図12は、本発明の他の実施例による電子装置1200を示す線図である。この電子装置1200は、タッチパネル1240と、ディスプレイ1260と、制御回路1220とを具える。タッチパネル1240は、ディスプレイ1260の一部として一体化されている。制御回路1120は、システム1223と、タッチドライバ1225と、ディスプレイドライバ1227とを有する。システム1223は電子装置1200の主システムである。ディスプレイドライバ1227は、電子装置1200のグラフィカルユーザインタフェースのような画像を表示するようにディスプレイ1260の画素を駆動する。
【0033】
システム1223と、タッチドライバ1225と、ディスプレイドライバ1227とは、前述したタッチパネル走査方法をタッチパネル1240上で実行するように協働する。システム1223は、検出されたタッチ事象に応じて電子装置1200の予め決定した機能を実行する。ディスプレイドライバ1227はステップ410及び450を実行する。このディスプレイドライバ1227は駆動信号をタッチパネル1240に送信してタッチセンサを充電し、タッチドライバ1225はその結果の検出信号をタッチパネル1240から受信する。このタッチドライバ1225又はディスプレイドライバ1227は、いつタッチセンサを充電するかを決定しうる。
【0034】
タッチドライバ1225はステップ420を実行する。システム1223、タッチドライバ1225又はディスプレイドライバ1227はステップ430を実行しうる。システム1223はステップ440を実行してタッチパネル1240のタッチセンサのプリセット充電期間(又はプリセット充電期間とプリセット充電遅延との双方)を決定する。
【0035】
図9〜12におけるシステム、タッチドライバ及びディスプレイドライバは全てハードウェア回路である。
【0036】
以上要するに、本発明は、タッチセンサの充電が不均一であることによる従来の問題を回避するために、タッチパネルのタッチセンサに対する充電期間を異なるように(又は充電期間を異なるように且つ充電遅延を異なるように)設定する。更に、本発明は、タッチパネルの走査中の雑音妨害を回避又は軽減させるために、タッチセンサのプリセット充電期間にプリセット限界値を課すようにする。
【0037】
当業者にとって明らかなように、本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、本発明の構造に種々の変更及び変形を成すことができるものである。上述したことを考慮するに、本発明は、特許請求の範囲及びその等価範囲に入る限り本発明の変更及び変形を含むことを意図するものである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置と、そのタッチパネルを走査(スキャニング)する方法とに関するものである。本発明は特に、上述した走査中にタッチパネルのタッチセンサを充電することに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図1は、タッチコントローラ120と、容量性のタッチパネルであるタッチパネル140とを有する従来の電子装置100を示す線図である。このタッチパネル140は、一組の駆動ライン(縦ライン)と、一組の検出ライン(横ライン)とを有する。駆動ラインが検出ラインと交差する各位置が、タッチパネル140のタッチセンサである。例えば、タッチパネル140の3つのタッチセンサに符号142、144及び146をそれぞれ付してある。
【0003】
タッチパネル140上でユーザがある動作を実行する場合、タッチパネル140を走査することによりその結果のタッチ事象をタッチコントローラ120が検出しうる。タッチパネル140を走査する場合、タッチコントローラ120が駆動信号をタッチパネル140の駆動ラインに送信する。これらの駆動信号がタッチパネル140のタッチセンサを充電し、これに応答してこれらのタッチセンサが検出信号を発生する。続いて、タッチコントローラ120がタッチパネル140の検出ラインから検出信号を受信する。このタッチコントローラ120が検出信号を解析してタッチ事象の位置を決定する。このタッチ事象に応じて、電子装置100が予め決定した機能を実行しうる。
【0004】
タッチパネルの走査中にはしばしば雑音が検出信号に悪影響を及ぼし、タッチ事象の検出に誤った結果をもたらす。雑音は常に問題となる。スマートフォン及びタブレット型コンピュータのような多くの電子装置には例えば、タッチパネル及び液晶モジュール(LCM)より成るタッチ式ディスプレイが設けられている。LCMは、その画素の極性が反転された際に、多数の雑音を発生する。
【0005】
従来の他の問題は、タッチパネルのタッチセンサの充電時間が互いに異なるということである。タッチパネルのタッチセンサの等価抵抗及び等価容量は均一ではなく、このことはタッチセンサの充電特性も均一ではないということを意味する。図2は、従来のタッチパネル140のタッチセンサ142、144及び146のそれぞれの充電時の電圧‐時間特性曲線202、204及び206を示す線図である。この図2に示すように、タッチセンサ146のような遠端のタッチセンサは、タッチセンサ142のような近端のタッチセンサが充電するよりもゆっくり充電する。その理由は、遠端のタッチセンサは大きな時定数を有する為である。この場合、タッチセンサの時定数はこのタッチセンサの等価抵抗と等価容量との積である。理想的には、タッチパネル140の走査中、全てのタッチセンサが電圧レベルVR まで充電されている必要がある。近端のタッチセンサ142は電圧レベルVR まで充電されるのに期間TN を要するが、遠端のタッチセンサ146は電圧レベルVR まで充電されるのにより長い期間TF を要する。
【0006】
しかし、従来のタッチパネルのタッチセンサは全て同じ充電時間に応じて充電されるものであり、これによりタッチセンサを不足充電又は過充電するおそれがある。例えば、全てのタッチセンサを充電期間TN に応じて充電すると、タッチセンサ144及び146が不足充電され、一方、全てのタッチセンサを充電期間TF に応じて充電すると、タッチセンサ142及び144が過充電される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明によれば、電子装置と、この電子装置のタッチパネルを走査する方法とを提供するものであり、この電子装置及び方法により、前述した雑音問題及び充電問題を解決しうる又は軽減しうるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一例によれば、電子装置を提供する。この電子装置には、タッチパネルと制御回路とが設けられている。タッチパネルには複数のタッチセンサが設けられている。又、制御回路はタッチパネルに結合されている。この制御回路は、タッチセンサのプリセット充電期間に応じてタッチセンサの各々を充電するとともに、これらタッチセンサの充電特性における最大差を検出する。この最大差がプリセットしきい値よりも大きい場合には、この制御回路が、タッチセンサの充電特性とタッチセンサのプリセット充電期間のプリセット限界値とに応じてこれらタッチセンサのプリセット充電期間を調整する。
【0009】
本発明の他の例によれば他の電子装置を提供する。この電子装置には、ディスプレイと制御回路とが設けられている。このディスプレイには複数のタッチセンサが一体化されている。このディスプレイは、液晶ディスプレイ、OLED(有機発光)ディスプレイ、インセル型ディスプレイ、オンセル型ディスプレイ又は透明OLEDディスプレイとすることができる。制御回路はタッチパネルに結合されている。この制御回路は、タッチセンサのプリセット充電期間に応じてタッチセンサの各々を充電するとともに、これらタッチセンサの充電特性における最大差を検出する。この最大差がプリセットしきい値よりも大きい場合には、この制御回路が、タッチセンサの充電特性とタッチセンサのプリセット充電期間のプリセット限界値とに応じてこれらタッチセンサのプリセット充電期間を調整する。
【0010】
本発明の更に他の例によれば、上述した電子装置のタッチパネルを走査する方法を提供する。この方法には、以下のステップを含める。各タッチセンサのプリセット充電期間に応じてタッチパネルの各タッチセンサを充電する。タッチパネルのこれらタッチセンサの充電特性における最大差を検出する。この最大差がプリセットしきい値よりも高い場合には、これらタッチセンサの充電特性とこれらタッチセンサのプリセット充電期間のプリセット限界値とに応じてこれらタッチセンサのプリセット充電期間を調整する。
【0011】
以下に説明する添付図面は、本発明を更に理解するためのものであるが、本明細書の一部を構成するものでもある。これらの図面は本発明の実施例を示すものであり、その記述と相俟って本発明の原理を説明する作用をするものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、タッチパネルを有する従来の電子装置を示す線図である。
【図2】図2は、従来のタッチパネルにおけるタッチセンサの充電を示す線図である。
【図3】図3は、本発明の一実施例による電子装置を示す線図である。
【図4】図4は、本発明の一実施例による電子装置のタッチパネルを充電する方法を示す流れ図である。
【図5】図5は、本発明の一実施例によるタッチパネルの充電を示す線図である。
【図6】図6は、本発明の一実施例によるタッチパネルのタッチセンサのプリセット充電期間を示す線図である。
【図7】図7は、本発明の一実施例によるタッチパネルのタッチセンサのプリセット充電遅延を示す線図である。
【図8】図8は、本発明の一実施例によるタッチパネルのタッチセンサのプリセット充電期間及びプリセット充電遅延を示す線図である。
【図9】図9は、本発明の他の実施例による電子装置を示す線図である。
【図10】図10は、本発明の更に他の実施例による電子装置を示す線図である。
【図11】図11は、本発明の更に他の実施例による電子装置を示す線図である。
【図12】図12は、本発明の更に他の実施例による電子装置を示す線図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に本発明の実施例につき詳細に説明するに、これらの実施例は添付図面に例示してある。これらの図面及び説明では、同じ又は同様な部分を参照するのに可能な限り同じ符号を付してある。
【0014】
図3は、本発明の一実施例による電子装置300を示す線図である。この電子装置300はスマートフォン、携帯情報端末(PDA)、タブレット型コンピュータ又はノート型パーソナルコンピュータとすることができる。この電子装置300は、タッチパネル340と、このタッチパネル340に結合された制御回路320とを有している。タッチパネル340は、タッチセンサ342、344及び346のようなタッチ事象検出用の複数のタッチセンサを有する容量性のタッチパネルとすることができる。制御回路320は、タッチパネル340を走査することによりタッチ事象を検出することができる。この制御回路320は、駆動信号をタッチパネル340に送信してタッチセンサを充電し、次にタッチパネル340から検出信号を受信して解析することによりタッチパネル340を走査する。電子装置300は、タッチ事象に応じて予め決定した機能を実行することができる。
【0015】
図4は、本発明の一実施例による電子装置のタッチパネルを充電する方法を示す流れ図である。この方法は、タッチパネル340上の制御回路320により実行しうる。又この方法は、他の同様なタッチパネル上の他の同様な制御回路により実行することもできる。
【0016】
図4に示す流れを以下に説明する。ステップ410では、タッチパネルのタッチセンサの幾つか又は全てを充電する。各タッチセンサは、このタッチセンサのプリセット充電期間に応じて充電される。この場合、プリセット充電期間とは、タッチセンサが充電される時間長である。ステップ410を最初に実行する場合、各タッチセンサのプリセット充電期間は同じ初期値である。ステップ410を後に実行する場合、各タッチセンサのプリセット充電期間は、図4の方法が前に実行された時に決定された値にすることができ、これらタッチセンサのプリセット充電期間は互いに同じ又は異なるようにすることができる。
【0017】
ステップ420では、タッチセンサの充電特性を検出するとともに、これらタッチセンサの充電特性における最大差を検出する。本例では、各タッチセンサの充電特性を、このタッチセンサがこのタッチセンサのプリセット充電期間中に充電される電圧レベルとすることができる。或いはまた、各タッチセンサの充電特性を、このタッチセンサの時定数とすることができる。ステップ430では、タッチセンサの充電特性における最大差をプリセットしきい値と比較する。
【0018】
この最大差がプリセットしきい値よりも低い場合には、流れがステップ450に進む。制御回路は、タッチセンサのプリセット充電期間を変化させない状態に保つとともに、各タッチセンサをこのタッチセンサのプリセット充電期間に応じて充電する。タッチセンサの充電特性における最大差がプリセットしきい値よりも低い為、この場合には充電が不均一である場合の従来の問題は存在しない。
【0019】
タッチセンサの充電特性における最大差がプリセットしきい値よりも高いか又はこのプリセットしきい値に等しい場合には、流れがステップ440に進み、タッチセンサのプリセット充電期間を、これらタッチセンサの充電特性及びこれらタッチセンサのプリセット充電期間のプリセット限界値TL に応じて調整する。ステップ440における調整の目的は、各タッチセンサのプリセット充電期間を決定し、各タッチセンサが充電される電圧レベルを統一して、充電が不均一である場合の従来の問題を回避するようにすることである。ステップ440における調整の他の目的は、タッチセンサのプリセット充電期間の長さを制限して、雑音妨害を回避するようにすることである。ステップ440で決定したプリセット充電期間は、後に用いるべき表に記憶させることができる。次に、ステップ450において、制御回路が、ステップ440で決定されたタッチセンサのプリセット充電期間に応じて各タッチセンサを充電する。
【0020】
タッチセンサの充電期間が長くなればなるほど、この充電期間中に現れる雑音が多くなる。従って、本例では、タッチセンサのプリセット充電期間のプリセット限界値TL が存在する。各タッチセンサのプリセット充電期間はプリセット限界値TL よりも短く又はこれに等しくする必要がある。ステップ440では、制御回路が最初に、プリセット限界値TL に応じてタッチセンサの中で最大の時定数を有する最も遅いタッチセンサのプリセット充電期間の長さを決定する。又、最も遅いタッチセンサがプリセット限界値TL 中に完全に理想的な電圧レベルVI まで充電できる場合に、制御回路は、この最も遅いタッチセンサのプリセット充電期間の長さを、この最も遅いタッチセンサがこの理想的な電圧レベルVI まで完全に充電されるのに要する時間となるように設定する。或いはまた、最も遅いタッチセンサがプリセット限界値TL 中に完全に充電できない場合に、制御回路は、この最も遅いタッチセンサのプリセット充電期間の長さを、プリセット限界値TL となるように設定する。理想的な電圧レベルVI は、タッチパネルを走査するために各タッチセンサを充電する必要がある電圧レベルである。部分的に充電されたタッチセンサは、このタッチセンサが充電された電圧レベルが理想的な電圧レベルVI よりもあまり低くない限り、タッチ事象を依然として検出しうる。
【0021】
次に、制御回路が、最も遅いタッチセンサのプリセット充電期間の長さと、その他のタッチセンサの充電特性とに応じて、これらのその他のタッチセンサのプリセット充電期間の長さを決定する。例えば、図5を参照されたい。この図5は、本発明の一実施例によるタッチパネルの3つのタッチセンサの充電を示す線図である。曲線501〜503は、3つのタッチセンサの充電の電圧‐時間特性をそれぞれ示している。最も大きい時定数を有する最も遅いタッチセンサは曲線503に対応している。
【0022】
最も遅いタッチセンサが、前述した様にプリセット限界値TL に応じて決定されたそのプリセット充電期間中に電圧レベルVL に充電されるものとする。この電圧レベルVL は理想的な電圧レベルVI よりも低く又はこれに等しくすることができる。制御回路は、他のタッチセンサの各々のプリセット充電期間の長さをこのタッチセンサが同じ電圧レベルVL に充電されるのに要する時間となるように設定することができる。図5に示すように、最も遅いタッチセンサは電圧レベルVL に充電されるのに期間TS を要する。他の2つのタッチセンサは電圧レベルVL に充電されるのにそれぞれ期間T1 及びT2 を要する。従って、制御回路は、これら他の2つのタッチセンサのプリセット充電期間の長さをそれぞれT1 及びT2 となるように設定する。制御回路は、最も遅いタッチセンサを充電することにより電圧レベルVL を決定するか又はこの最も遅いタッチセンサの充電特性に応じて電圧レベルVL を計算することができる。制御回路は、これら他の2つのタッチセンサを充電することによりT1 及びT2 の長さを検出するか又は電圧レベルVL 及びこれら他の2つのタッチセンサの充電特性に応じてT1 及びT2 の長さを計算することができる。
【0023】
図6は、本発明の一実施例によるタッチパネルの4つのタッチセンサのプリセット充電期間を示す線図である。この図6において、TL はタッチセンサのプリセット充電期間のプリセット限界値である。TP1、TP2、TP3及びTP4はそれぞれ、前述したようにステップ440において制御回路により決定された4つのタッチセンサのプリセット充電期間である。図6に示すように、これらのタッチセンサは充電を同時に開始するとともに充電を互いに異なる瞬時に終了する。時定数が最も小さい最も速いタッチセンサの充電が最初に終了する。これらタッチセンサのプリセット充電期間TP1、TP2、TP3及びTP4はプリセット限界値TL よりも長く広がらない。
【0024】
本発明の幾つかの他の実施例では、制御回路によりタッチセンサのプリセット充電期間のみではなくタッチセンサのプリセット充電遅延をも決定しうる。図7は、本発明の一実施例によるタッチパネルのタッチセンサのプリセット充電遅延を示す線図である。TD がこのタッチセンサのプリセット充電遅延である。図7に示すように、このタッチセンサはそのプリセット充電遅延が終了するまで充電しない。
【0025】
プリセット充電遅延が含まれている場合には、図4に示す方法に以下の変更を施す必要がある。ステップ410及び450において、制御回路がタッチセンサの各々をこのタッチセンサのプリセット充電期間及びプリセット充電遅延に応じて充電する。ステップ430において、最大差がプリセットしきい値よりも低い場合には、制御回路はタッチセンサのプリセット充電期間及びプリセット充電遅延を変化させないように保つ。ステップ430において、最大差がプリセットしきい値よりも高いか又はこれに等しい場合には、制御回路はステップ440においてタッチセンサのプリセット充電期間及びプリセット充電遅延をタッチセンサの充電特性及びプリセット限界値TL に応じて調整する。
【0026】
例えば、本発明の一実施例によるタッチパネルの4つのタッチセンサのプリセット充電期間及びプリセット充電遅延を示す線図を図8に示す。この図8において、TL はタッチセンサのプリセット充電期間のプリセット限界値である。TP1、TP2、TP3及びTP4はそれぞれ、前述したようにステップ440において制御回路により決定された4つのタッチセンサのプリセット充電期間である。TD1、TD2及びTD3はそれぞれ、ステップ440において制御回路により決定された4つのタッチセンサのうちの3つのタッチセンサのプリセット充電遅延である。時定数が最も大きい最も遅いタッチセンサのプリセット充電遅延は零である。図8に示すように、タッチセンサは互いに異なる瞬時に充電を開始するとともに互いに同じ瞬時に充電を終了する。時定数が最も小さい最も速いタッチセンサの充電は最後に開始する。これらタッチセンサのプリセット充電期間TP1、TP2、TP3及びTP4はプリセット限界値TL よりも長く広がらない。図6における例は、プリセット充電遅延が全て零である図8における例の特別な場合とみなすことができる。制御回路は、タッチセンサのプリセット充電期間がプリセット限界値TL よりも長く広がらない限り、タッチセンサのプリセット充電遅延を任意に決めることができる。
【0027】
図9は、本発明の一実施例による電子装置900を示す線図である。この電子装置900はタッチパネル940と制御回路920とを有する。制御回路920はタッチドライバ925を有する。このタッチドライバ925は前述したタッチパネル走査方法をタッチパネル940上で実行することができる。
【0028】
図10は、本発明の他の実施例による電子装置1000を示す線図である。この電子装置1000は、タッチパネル1040と、ディスプレイ1060と、制御回路1020とを具える。タッチパネル1040は複数のタッチセンサを有する。このタッチパネル1040はディスプレイ1060の一部として一体化されている。例えば、タッチパネル1040の導電層はディスプレイ1060の層の中から形成しうる。制御回路1020は、タッチドライバ1025とディスプレイドライバ1027とを有する。ディスプレイドライバ1027は、電子装置1000のグラフィカルユーザインタフェースのような画像を表示するようにディスプレイ1060の画素を駆動する。
【0029】
タッチドライバ1025とディスプレイドライバ1027とは、前述したタッチパネル走査方法をタッチパネル1040上で実行するように協働する。ディスプレイドライバ1027はステップ410及び450を実行する。このディスプレイドライバ1027は駆動信号をタッチパネル1040に送信してタッチセンサを充電し、このタッチパネル1040からその結果の検出信号をタッチドライバ1025が受信する。このタッチドライバ1025は、いつタッチセンサを充電するかを、又駆動信号をタッチセンサに送信するのを開始することをディスプレイドライバ1027に通知する制御信号をいつ送信するかを決定しうる。或いはまた、ディスプレイドライバ1027が、いつタッチセンサを充電するかを、又タッチセンサから検出信号を受信することをタッチドライバ1025に通知する制御信号をいつ送信するかを決定しうる。
【0030】
タッチドライバ1025はステップ420を実行する。タッチドライバ1025又はディスプレイドライバ1027はステップ430を実行しうる。タッチドライバ1025又はディスプレイドライバ1027はステップ440を実行して、タッチパネル1040のタッチセンサのプリセット充電期間(又はプリセット充電期間とプリセット充電遅延との双方)を決定しうる。タッチセンサのプリセット充電期間(又はプリセット充電期間とプリセット充電遅延との双方)がタッチドライバ1025により決定されると、タッチドライバ1025は、タッチセンサのプリセット充電期間(又はプリセット充電期間とプリセット充電遅延との双方)をディスプレイドライバ1027に通知する制御信号を送信する。タッチセンサのプリセット充電期間(又はプリセット充電期間とプリセット充電遅延との双方)がディスプレイドライバ1027により決定されると、タッチドライバ1025は、タッチセンサの充電特性のような必要なデータをディスプレイドライバ1027に通知する制御信号を送信する。
【0031】
図11は、本発明の他の実施例による電子装置1100を示す線図である。この電子装置1100は、タッチパネル1140と制御回路1120とを具える。制御回路1120は、処理ユニット1123とタッチドライバ1125とを有する。処理ユニット1123は電子装置1100の主システムである。この処理ユニット1123とタッチドライバ1125とは、前述したタッチパネル走査方法をタッチパネル1140上で実行するように協働する。処理ユニット1123は、検出したタッチ事象に応じて電子装置1100の予め決定した機能を実行する。タッチドライバ1125はステップ410、420及び450を実行する。処理ユニット1123はステップ440を実行して、タッチパネル1140のタッチセンサのプリセット充電期間(又はプリセット充電期間とプリセット充電遅延との双方)を決定する。処理ユニット1123又はタッチドライバ1125はステップ430を実行する。
【0032】
図12は、本発明の他の実施例による電子装置1200を示す線図である。この電子装置1200は、タッチパネル1240と、ディスプレイ1260と、制御回路1220とを具える。タッチパネル1240は、ディスプレイ1260の一部として一体化されている。制御回路1120は、システム1223と、タッチドライバ1225と、ディスプレイドライバ1227とを有する。システム1223は電子装置1200の主システムである。ディスプレイドライバ1227は、電子装置1200のグラフィカルユーザインタフェースのような画像を表示するようにディスプレイ1260の画素を駆動する。
【0033】
システム1223と、タッチドライバ1225と、ディスプレイドライバ1227とは、前述したタッチパネル走査方法をタッチパネル1240上で実行するように協働する。システム1223は、検出されたタッチ事象に応じて電子装置1200の予め決定した機能を実行する。ディスプレイドライバ1227はステップ410及び450を実行する。このディスプレイドライバ1227は駆動信号をタッチパネル1240に送信してタッチセンサを充電し、タッチドライバ1225はその結果の検出信号をタッチパネル1240から受信する。このタッチドライバ1225又はディスプレイドライバ1227は、いつタッチセンサを充電するかを決定しうる。
【0034】
タッチドライバ1225はステップ420を実行する。システム1223、タッチドライバ1225又はディスプレイドライバ1227はステップ430を実行しうる。システム1223はステップ440を実行してタッチパネル1240のタッチセンサのプリセット充電期間(又はプリセット充電期間とプリセット充電遅延との双方)を決定する。
【0035】
図9〜12におけるシステム、タッチドライバ及びディスプレイドライバは全てハードウェア回路である。
【0036】
以上要するに、本発明は、タッチセンサの充電が不均一であることによる従来の問題を回避するために、タッチパネルのタッチセンサに対する充電期間を異なるように(又は充電期間を異なるように且つ充電遅延を異なるように)設定する。更に、本発明は、タッチパネルの走査中の雑音妨害を回避又は軽減させるために、タッチセンサのプリセット充電期間にプリセット限界値を課すようにする。
【0037】
当業者にとって明らかなように、本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、本発明の構造に種々の変更及び変形を成すことができるものである。上述したことを考慮するに、本発明は、特許請求の範囲及びその等価範囲に入る限り本発明の変更及び変形を含むことを意図するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のタッチセンサを有するタッチパネルと、
このタッチパネルに結合された制御回路と
を具える電子装置であって、
前記制御回路は、前記タッチセンサの各々をこのタッチセンサのプリセット充電期間に応じて充電するとともに、これらタッチセンサの充電特性における最大差を検出するようになっており、更に前記制御回路は、前記最大差がプリセットしきい値よりも高い場合に、これらタッチセンサの充電特性と、これらタッチセンサのプリセット充電期間のプリセット限界値とに応じて、これらタッチセンサのプリセット充電期間を調整するようになっている電子装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電子装置において、前記最大差がプリセットしきい値よりも低い場合に、前記制御回路は、前記タッチセンサのプリセット充電期間を変化させないように保つとともに前記タッチセンサの各々をこのタッチセンサのプリセット充電期間に応じて充電するようになっている電子装置。
【請求項3】
請求項1に記載の電子装置において、前記制御回路により前記タッチセンサのプリセット充電期間を調整する場合、この制御回路が、前記タッチセンサの中で時定数が最大の最も遅いタッチセンサのプリセット充電期間の長さを、前記プリセット限界値に応じて決定するとともに、この制御回路が、その他のタッチセンサのプリセット充電期間の長さを、前記最も遅いタッチセンサのプリセット充電期間の長さと、これらのその他のタッチセンサの充電特性とに応じて決定するようになっている電子装置。
【請求項4】
請求項3に記載の電子装置において、前記最も遅いタッチセンサが前記プリセット限界値中に完全に充電できる場合に、前記制御回路は、この最も遅いタッチセンサのプリセット充電期間の長さを、この最も遅いタッチセンサが完全に充電されるのに要する時間となるように設定し、この最も遅いタッチセンサが前記プリセット限界値中に完全に充電できない場合に、前記制御回路は、この最も遅いタッチセンサのプリセット充電期間の長さを、前記プリセット限界値となるように設定し、前記制御回路は、その他のタッチセンサの各々のプリセット充電期間の長さを、このタッチセンサの充電特性に応じて、このタッチセンサが、最も遅いタッチセンサのプリセット充電期間内でこの最も遅いタッチセンサが充電されるのと同じ電圧レベルまで充電されるのに要する時間となるように設定するようになっている電子装置。
【請求項5】
請求項1に記載の電子装置において、前記制御回路は、前記タッチセンサの各々をこのタッチセンサの前記プリセット充電期間及びプリセット充電遅延に応じて充電するとともに、これらタッチセンサの充電特性における最大差を検出し、この最大差がプリセットしきい値よりも高い場合に、前記制御回路は、これらタッチセンサの充電特性及び前記プリセット限界値に応じてこれらタッチセンサのプリセット充電期間及びプリセット充電遅延を調整するようになっている電子装置。
【請求項6】
請求項5に記載の電子装置において、前記最大差がプリセットしきい値よりも低い場合に、前記制御回路は、タッチセンサのプリセット充電期間及びプリセット充電遅延を変化させない状態に保つとともに、これらタッチセンサの各々をこのタッチセンサのプリセット充電期間及びプリセット充電遅延に応じて充電するようになっている電子装置。
【請求項7】
一体化されたタッチセンサを有するディスプレイと、
タッチパネルに結合された制御回路と
を具える電子装置であって、
前記制御回路は、前記タッチセンサの各々をこのタッチセンサのプリセット充電期間に応じて充電するとともに、これらタッチセンサの充電特性における最大差を検出するようになっており、更にこの最大差がプリセットしきい値よりも高い場合に、前記制御回路は、これらタッチセンサの充電特性と、これらタッチセンサのプリセット充電期間のプリセット限界値とに応じて、これらタッチセンサのプリセット充電期間を調整するようになっている電子装置。
【請求項8】
請求項7に記載の電子装置において、前記最大差がプリセットしきい値よりも低い場合に、前記制御回路は、前記タッチセンサのプリセット充電期間を変化させないように保つとともに前記タッチセンサの各々をこのタッチセンサのプリセット充電期間に応じて充電するようになっている電子装置。
【請求項9】
請求項7に記載の電子装置において、前記制御回路により前記タッチセンサのプリセット充電期間を調整する場合、この制御回路が、前記タッチセンサの中で時定数が最大の最も遅いタッチセンサのプリセット充電期間の長さを、前記プリセット限界値に応じて決定するとともに、この制御回路が、その他のタッチセンサのプリセット充電期間の長さを、前記最も遅いタッチセンサのプリセット充電期間の長さと、これらのその他のタッチセンサの充電特性とに応じて決定するようになっている電子装置。
【請求項10】
請求項9に記載の電子装置において、前記最も遅いタッチセンサが前記プリセット限界値中に完全に充電できる場合に、前記制御回路は、この最も遅いタッチセンサのプリセット充電期間の長さを、この最も遅いタッチセンサが完全に充電されるのに要する時間となるように設定し、この最も遅いタッチセンサが前記プリセット限界値中に完全に充電できない場合に、前記制御回路は、この最も遅いタッチセンサのプリセット充電期間の長さを、前記プリセット限界値となるように設定し、前記制御回路は、その他のタッチセンサの各々のプリセット充電期間の長さを、このタッチセンサの充電特性に応じて、このタッチセンサが、最も遅いタッチセンサのプリセット充電期間内でこの最も遅いタッチセンサが充電されるのと同じ電圧レベルまで充電されるのに要する時間となるように設定するようになっている電子装置。
【請求項11】
請求項7に記載の電子装置において、前記制御回路は、前記タッチセンサの各々をこのタッチセンサの前記プリセット充電期間及びプリセット充電遅延に応じて充電するとともに、これらタッチセンサの充電特性における最大差を検出し、この最大差がプリセットしきい値よりも高い場合に、前記制御回路は、これらタッチセンサの充電特性及び前記プリセット限界値に応じてこれらタッチセンサのプリセット充電期間及びプリセット充電遅延を調整するようになっている電子装置。
【請求項12】
請求項11に記載の電子装置において、前記最大差がプリセットしきい値よりも低い場合に、前記制御回路は、タッチセンサのプリセット充電期間及びプリセット充電遅延を変化させない状態に保つとともに、これらタッチセンサの各々をこのタッチセンサのプリセット充電期間及びプリセット充電遅延に応じて充電するようになっている電子装置。
【請求項13】
電子装置のタッチパネルを走査する走査方法において、この走査方法が、
前記タッチパネルの各タッチセンサをこのタッチセンサのプリセット充電期間に応じて充電させるステップと、
前記タッチパネルのこれらタッチセンサの充電特性における最大差を検出するステップと、
この最大差がプリセットしきい値よりも高い場合に、これらタッチセンサの充電特性とこれらタッチセンサのプリセット充電期間のプリセット限界値とに応じてこれらタッチセンサのプリセット充電期間を調整するステップと
を具える走査方法。
【請求項14】
請求項13に記載の走査方法において、この走査方法が更に、
前記最大差がプリセットしきい値よりも低い場合に、前記タッチセンサのプリセット充電期間を変化させないように保つとともに、これらタッチセンサの各々をこのタッチセンサのプリセット充電期間に応じて充電するステップ
を具えている走査方法。
【請求項15】
請求項13に記載の走査方法において、タッチセンサのプリセット充電期間を調整する前記ステップが、
前記プリセット限界値に応じてこれらタッチセンサの中で最大の時定数を有する最も遅いタッチセンサのプリセット充電期間の長さを決定するステップと、
前記最も遅いタッチセンサのプリセット充電期間の長さと、その他のタッチセンサの充電特性とに応じて、これらのその他のタッチセンサのプリセット充電期間の長さを決定するステップと
を有している走査方法。
【請求項16】
請求項15に記載の走査方法において、タッチセンサのプリセット充電期間を調整する前記ステップが更に、
前記最も遅いタッチセンサが前記プリセット限界値中に完全に充電できる場合に、この最も遅いタッチセンサのプリセット充電期間の長さを、この最も遅いタッチセンサが完全に充電されるのに要する時間となるように設定するステップと、
前記最も遅いタッチセンサが前記プリセット限界値中に完全に充電できない場合に、この最も遅いタッチセンサのプリセット充電期間の長さを、プリセット限界値となるように設定するステップと、
前記その他のタッチセンサの各々のプリセット充電期間の長さを、このタッチセンサの充電特性に応じて、このタッチセンサが、前記最も遅いタッチセンサのプリセット充電期間内でこの最も遅いタッチセンサが充電されるのと同じ電圧レベルまで充電されるのに要する時間となるように設定するステップと
を有している走査方法。
【請求項17】
請求項13に記載の走査方法において、この走査方法が更に、
前記タッチセンサの各々をこのタッチセンサの前記プリセット充電期間及びプリセット充電遅延に応じて充電するステップと、
前記最大差が前記プリセットしきい値よりも高い場合に、これらタッチセンサの充電特性及び前記プリセット限界値に応じてこれらタッチセンサのプリセット充電期間及びプリセット充電遅延を調整するステップと
を有している走査方法。
【請求項18】
請求項17に記載の走査方法において、この走査方法が更に、
前記最大差が前記プリセットしきい値よりも低い場合に、前記タッチセンサのプリセット充電期間及びプリセット充電遅延を変化させない状態に保つとともに、これらタッチセンサの各々をこのタッチセンサのプリセット充電期間及びプリセット充電遅延に応じて充電するステップ
を具えている走査方法。
【請求項1】
複数のタッチセンサを有するタッチパネルと、
このタッチパネルに結合された制御回路と
を具える電子装置であって、
前記制御回路は、前記タッチセンサの各々をこのタッチセンサのプリセット充電期間に応じて充電するとともに、これらタッチセンサの充電特性における最大差を検出するようになっており、更に前記制御回路は、前記最大差がプリセットしきい値よりも高い場合に、これらタッチセンサの充電特性と、これらタッチセンサのプリセット充電期間のプリセット限界値とに応じて、これらタッチセンサのプリセット充電期間を調整するようになっている電子装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電子装置において、前記最大差がプリセットしきい値よりも低い場合に、前記制御回路は、前記タッチセンサのプリセット充電期間を変化させないように保つとともに前記タッチセンサの各々をこのタッチセンサのプリセット充電期間に応じて充電するようになっている電子装置。
【請求項3】
請求項1に記載の電子装置において、前記制御回路により前記タッチセンサのプリセット充電期間を調整する場合、この制御回路が、前記タッチセンサの中で時定数が最大の最も遅いタッチセンサのプリセット充電期間の長さを、前記プリセット限界値に応じて決定するとともに、この制御回路が、その他のタッチセンサのプリセット充電期間の長さを、前記最も遅いタッチセンサのプリセット充電期間の長さと、これらのその他のタッチセンサの充電特性とに応じて決定するようになっている電子装置。
【請求項4】
請求項3に記載の電子装置において、前記最も遅いタッチセンサが前記プリセット限界値中に完全に充電できる場合に、前記制御回路は、この最も遅いタッチセンサのプリセット充電期間の長さを、この最も遅いタッチセンサが完全に充電されるのに要する時間となるように設定し、この最も遅いタッチセンサが前記プリセット限界値中に完全に充電できない場合に、前記制御回路は、この最も遅いタッチセンサのプリセット充電期間の長さを、前記プリセット限界値となるように設定し、前記制御回路は、その他のタッチセンサの各々のプリセット充電期間の長さを、このタッチセンサの充電特性に応じて、このタッチセンサが、最も遅いタッチセンサのプリセット充電期間内でこの最も遅いタッチセンサが充電されるのと同じ電圧レベルまで充電されるのに要する時間となるように設定するようになっている電子装置。
【請求項5】
請求項1に記載の電子装置において、前記制御回路は、前記タッチセンサの各々をこのタッチセンサの前記プリセット充電期間及びプリセット充電遅延に応じて充電するとともに、これらタッチセンサの充電特性における最大差を検出し、この最大差がプリセットしきい値よりも高い場合に、前記制御回路は、これらタッチセンサの充電特性及び前記プリセット限界値に応じてこれらタッチセンサのプリセット充電期間及びプリセット充電遅延を調整するようになっている電子装置。
【請求項6】
請求項5に記載の電子装置において、前記最大差がプリセットしきい値よりも低い場合に、前記制御回路は、タッチセンサのプリセット充電期間及びプリセット充電遅延を変化させない状態に保つとともに、これらタッチセンサの各々をこのタッチセンサのプリセット充電期間及びプリセット充電遅延に応じて充電するようになっている電子装置。
【請求項7】
一体化されたタッチセンサを有するディスプレイと、
タッチパネルに結合された制御回路と
を具える電子装置であって、
前記制御回路は、前記タッチセンサの各々をこのタッチセンサのプリセット充電期間に応じて充電するとともに、これらタッチセンサの充電特性における最大差を検出するようになっており、更にこの最大差がプリセットしきい値よりも高い場合に、前記制御回路は、これらタッチセンサの充電特性と、これらタッチセンサのプリセット充電期間のプリセット限界値とに応じて、これらタッチセンサのプリセット充電期間を調整するようになっている電子装置。
【請求項8】
請求項7に記載の電子装置において、前記最大差がプリセットしきい値よりも低い場合に、前記制御回路は、前記タッチセンサのプリセット充電期間を変化させないように保つとともに前記タッチセンサの各々をこのタッチセンサのプリセット充電期間に応じて充電するようになっている電子装置。
【請求項9】
請求項7に記載の電子装置において、前記制御回路により前記タッチセンサのプリセット充電期間を調整する場合、この制御回路が、前記タッチセンサの中で時定数が最大の最も遅いタッチセンサのプリセット充電期間の長さを、前記プリセット限界値に応じて決定するとともに、この制御回路が、その他のタッチセンサのプリセット充電期間の長さを、前記最も遅いタッチセンサのプリセット充電期間の長さと、これらのその他のタッチセンサの充電特性とに応じて決定するようになっている電子装置。
【請求項10】
請求項9に記載の電子装置において、前記最も遅いタッチセンサが前記プリセット限界値中に完全に充電できる場合に、前記制御回路は、この最も遅いタッチセンサのプリセット充電期間の長さを、この最も遅いタッチセンサが完全に充電されるのに要する時間となるように設定し、この最も遅いタッチセンサが前記プリセット限界値中に完全に充電できない場合に、前記制御回路は、この最も遅いタッチセンサのプリセット充電期間の長さを、前記プリセット限界値となるように設定し、前記制御回路は、その他のタッチセンサの各々のプリセット充電期間の長さを、このタッチセンサの充電特性に応じて、このタッチセンサが、最も遅いタッチセンサのプリセット充電期間内でこの最も遅いタッチセンサが充電されるのと同じ電圧レベルまで充電されるのに要する時間となるように設定するようになっている電子装置。
【請求項11】
請求項7に記載の電子装置において、前記制御回路は、前記タッチセンサの各々をこのタッチセンサの前記プリセット充電期間及びプリセット充電遅延に応じて充電するとともに、これらタッチセンサの充電特性における最大差を検出し、この最大差がプリセットしきい値よりも高い場合に、前記制御回路は、これらタッチセンサの充電特性及び前記プリセット限界値に応じてこれらタッチセンサのプリセット充電期間及びプリセット充電遅延を調整するようになっている電子装置。
【請求項12】
請求項11に記載の電子装置において、前記最大差がプリセットしきい値よりも低い場合に、前記制御回路は、タッチセンサのプリセット充電期間及びプリセット充電遅延を変化させない状態に保つとともに、これらタッチセンサの各々をこのタッチセンサのプリセット充電期間及びプリセット充電遅延に応じて充電するようになっている電子装置。
【請求項13】
電子装置のタッチパネルを走査する走査方法において、この走査方法が、
前記タッチパネルの各タッチセンサをこのタッチセンサのプリセット充電期間に応じて充電させるステップと、
前記タッチパネルのこれらタッチセンサの充電特性における最大差を検出するステップと、
この最大差がプリセットしきい値よりも高い場合に、これらタッチセンサの充電特性とこれらタッチセンサのプリセット充電期間のプリセット限界値とに応じてこれらタッチセンサのプリセット充電期間を調整するステップと
を具える走査方法。
【請求項14】
請求項13に記載の走査方法において、この走査方法が更に、
前記最大差がプリセットしきい値よりも低い場合に、前記タッチセンサのプリセット充電期間を変化させないように保つとともに、これらタッチセンサの各々をこのタッチセンサのプリセット充電期間に応じて充電するステップ
を具えている走査方法。
【請求項15】
請求項13に記載の走査方法において、タッチセンサのプリセット充電期間を調整する前記ステップが、
前記プリセット限界値に応じてこれらタッチセンサの中で最大の時定数を有する最も遅いタッチセンサのプリセット充電期間の長さを決定するステップと、
前記最も遅いタッチセンサのプリセット充電期間の長さと、その他のタッチセンサの充電特性とに応じて、これらのその他のタッチセンサのプリセット充電期間の長さを決定するステップと
を有している走査方法。
【請求項16】
請求項15に記載の走査方法において、タッチセンサのプリセット充電期間を調整する前記ステップが更に、
前記最も遅いタッチセンサが前記プリセット限界値中に完全に充電できる場合に、この最も遅いタッチセンサのプリセット充電期間の長さを、この最も遅いタッチセンサが完全に充電されるのに要する時間となるように設定するステップと、
前記最も遅いタッチセンサが前記プリセット限界値中に完全に充電できない場合に、この最も遅いタッチセンサのプリセット充電期間の長さを、プリセット限界値となるように設定するステップと、
前記その他のタッチセンサの各々のプリセット充電期間の長さを、このタッチセンサの充電特性に応じて、このタッチセンサが、前記最も遅いタッチセンサのプリセット充電期間内でこの最も遅いタッチセンサが充電されるのと同じ電圧レベルまで充電されるのに要する時間となるように設定するステップと
を有している走査方法。
【請求項17】
請求項13に記載の走査方法において、この走査方法が更に、
前記タッチセンサの各々をこのタッチセンサの前記プリセット充電期間及びプリセット充電遅延に応じて充電するステップと、
前記最大差が前記プリセットしきい値よりも高い場合に、これらタッチセンサの充電特性及び前記プリセット限界値に応じてこれらタッチセンサのプリセット充電期間及びプリセット充電遅延を調整するステップと
を有している走査方法。
【請求項18】
請求項17に記載の走査方法において、この走査方法が更に、
前記最大差が前記プリセットしきい値よりも低い場合に、前記タッチセンサのプリセット充電期間及びプリセット充電遅延を変化させない状態に保つとともに、これらタッチセンサの各々をこのタッチセンサのプリセット充電期間及びプリセット充電遅延に応じて充電するステップ
を具えている走査方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−65300(P2013−65300A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−203038(P2012−203038)
【出願日】平成24年9月14日(2012.9.14)
【出願人】(502160992)宏達國際電子股▲ふん▼有限公司 (97)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−203038(P2012−203038)
【出願日】平成24年9月14日(2012.9.14)
【出願人】(502160992)宏達國際電子股▲ふん▼有限公司 (97)
【Fターム(参考)】
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