説明

電子装置及びプログラム

【課題】接続異常の被疑箇所を容易に判定することができる電子装置を提供する。
【解決手段】複数部分の状態を検出する複数の検出部と、前記複数の検出部のうち少なくとも一つが接続された第1の接続部と、前記複数の検出部のうち少なくとも他の一つが接続された第2の接続部と、制御部210と、前記第1の接続部及び前記第2の接続部と前記制御部とを接続する第3の接続部とを有し、前記制御部は、前記複数の検出部からの信号と、予め定められた信号状態とを比較して、前記第1の接続部、前記第2の接続部及び前記第3の接続部における接続異常を判定する判定手段を有する電子装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、コネクタが備える複数のポートのうち、互いに独立したデバイスに接続される複数のアナログポートからの信号を監視し、2つ以上の信号が実質的に同時に適正範囲を逸脱したことを検知した場合には、コネクタの接触不良の可能性があると判定する画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−170628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、接続異常の被疑箇所を容易に判定することができる電子装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[電子装置]
請求項1に係る本発明は、複数部分の状態を検出する複数の検出部と、前記複数の検出部のうち少なくとも一つが接続された第1の接続部と、前記複数の検出部のうち少なくとも他の一つが接続された第2の接続部と、制御部と、前記第1の接続部及び前記第2の接続部と前記制御部とを接続する第3の接続部とを有し、前記制御部は、前記複数の検出部からの信号と、予め定められた信号状態とを比較して、前記第1の接続部、前記第2の接続部及び前記第3の接続部における接続異常を判定する判定手段を有する電子装置である。
【0006】
請求項2に係る本発明は、前記制御部は、前記複数の検出部からの信号の状態の組合せを予め記憶する記憶手段をさらに有する請求項1に記載の電子装置である。
【0007】
請求項3に係る本発明は、前記記憶部は、前記複数の検出部からの信号の状態の組合せを、前記第3の接続部における接続状態に対応付けて予め記憶する請求項2に記載の電子装置である。
【0008】
請求項4に係る本発明は、前記判定部が、前記第1の接続部又は前記第2の接続部における接続異常と、前記第3の接続部における接続異常とを判定した場合、前記複数の検出部は、複数の部分の状態を新たに検知し、前記判定部は、前記第1の接続部又は前記第2の接続部に接続された前記複数の検出部からの信号と、予め定められた信号状態とをさらに比較して、前記第1の接続部又は前記第2の接続部における接続異常を判定する請求項1に記載の電子装置である。
【0009】
請求項5に係る本発明は、前記制御部は、前記判定部が、前記第1の接続部、前記第2の接続部及び前記第3の接続部における接続異常を判定した場合、前記接続異常を外部に通知する通知手段をさらに有する請求項1に記載の電子装置である。
【0010】
請求項6に係る本発明は、前記判定部が、前記第1の接続部又は前記第2の接続部における接続異常と、前記第3の接続部における接続異常とを判定した場合、前記複数の検出部が、複数の部分の状態を新たに検知できないときには、前記複数の検出部は、予め、当該接続異常が判定されないように前記第1の接続部又は前記第2の接続部に接続される請求項4に記載の電子装置である。
【0011】
[プログラム]
請求項7に係る本発明は、複数部分の状態を検出する複数の検出部と、前記複数の検出部のうち少なくとも一つが接続された第1の接続部と、前記複数の検出部のうち少なくとも他の一つが接続された第2の接続部と、制御部と、前記第1の接続部及び前記第2の接続部と前記制御部とを接続する第3の接続部と、コンピュータとを有する電子装置に対し、前記複数の検出部からの信号と、予め定められた信号状態とを比較して、前記第1の接続部、前記第2の接続部及び前記第3の接続部における接続異常を判定するステップをコンピュータに実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る本発明によれば、本発明の構成を有していない場合に比べ、接続異常の被疑箇所を容易に判定することができる電子装置を提供することができる。
【0013】
請求項2に係る本発明によれば、請求項1に係る本発明によって奏される効果に加えて、本発明の構成を有していない場合に比べ、簡易な構成で接続異常の被疑箇所を判定することができる電子装置を提供することができる。
【0014】
請求項3に係る本発明によれば、請求項2に係る本発明によって奏される効果に加えて、第3の接続部における接続異常の可能性を判定することができる電子装置を提供することができる。
【0015】
請求項4に係る本発明によれば、請求項1に係る本発明によって奏される効果に加えて、接続異常の被疑箇所を絞り込むことができる電子装置を提供することができる。
【0016】
請求項5に係る本発明によれば、請求項1に係る本発明によって奏される効果に加えて、使用者に接続異常への対応を促すことができる電子装置を提供することができる。
【0017】
請求項6に係る本発明によれば、請求項4に係る本発明によって奏される効果に加えて、複数の検出部が複数の部分の状態を新たに検知できない場合であっても、接続異常の影響を受けないようにすることができる電子装置を提供することができる。
【0018】
請求項7に係る本発明によれば、本発明の構成を有していない場合に比べ、接続異常の被疑箇所を容易に判定することができるプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に係る電子装置としての印刷装置を含む、印刷システムの構成を示す図である。
【図2】図1の印刷装置のハードウエア構成を示す図である。
【図3】図2の制御部で動作する特定プログラムの構成を示す図である。
【図4】コネクタが正常にコネクタベースに嵌め込まれている状態と、コネクタ160の端がコネクタベースから抜けている状態とを説明するための図である。
【図5】図3の特定プログラムの動作フロー(S10)を示すフローチャートである。
【図6】コネクタ及びセンサの接続例を示す図である。
【図7】コネクタのピンアサイン例を示す図である。
【図8A】判定テーブルの一部を示す図である。
【図8B】判定テーブルの一部を示す図である。
【図8C】判定テーブルの一部を示す図である。
【図8D】判定テーブルの一部を示す図である。
【図8E】判定テーブルの一部を示す図である。
【図8F】判定テーブルの一部を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明は本発明を実施するのにあたっての一例に過ぎず、本発明が以下に説明される事項に限定されるわけではなく、必要に応じて適宜変更可能である。
例えば、以下、本発明の実施形態に係る電子装置は、印刷装置であるとして説明しているが、これ以外の装置であってもよい。
【0021】
図1は、本発明の実施形態に係る電子装置としての印刷装置を含む、印刷システム1の構成を示す図である。
印刷システム1は、例えば、複数の印刷装置を直接接続して、基幹業務などに用いられる連続紙に印刷する重連システムである。
図1に示すように、印刷システム1は、一般的なコンピュータとしての機能(例えば、ディスプレイなどの表示機能や、マウス及びキーボードなどの入力機能)を備え、連続紙に印刷する印刷指示を生成する端末装置100と、連続紙を供給する前処理装置102、端末装置100からの印刷指示に基づいて連続紙の表面に印刷する印刷装置12と、端末装置100からの印刷指示に基づいて連続紙の裏面に印刷する印刷装置14と、連続紙を巻き取る後処理装置104によって構成される。
これらの装置は、ネットワーク106を介して互いに通信可能に接続されている。
【0022】
なお、印刷装置12と印刷装置14との間には、連続紙の表裏を反転する反転装置108が設けられている。前処理装置102から供給された連続紙は、印刷装置12によって表面に印刷された後、反転装置108によって表裏が反転され、印刷装置14によって裏面に印刷される。
また、印刷装置12は、操作パネル120を備え、印刷装置14は、操作パネル140を備える。操作パネル120及び操作パネル140は、印刷装置12及び印刷装置14に対するユーザからの操作の入力を受け付け、後述するコネクタ抜けの内容を出力する。
【0023】
図2は、図1の印刷装置12のハードウエア構成を示す図である。なお、印刷装置12及び印刷装置14は基本的に同様のハードウエア構成を採るため、ここでは、印刷装置12についてのみ説明する。
図2に示すように、印刷装置12は、制御部16及びマーキングエンジン18を有する。
このような構成により、印刷装置12は、図1の端末装置100からの印刷指示に基づいて印刷データを生成し、印刷データを連続紙に印刷するとともに、故障時には被疑箇所を特定する。
【0024】
制御部16は、例えば、CPU、メモリ、記憶媒体などを備える制御基板である。
制御部16は、端末装置100から図1のネットワーク106を介して受け取った印刷指示に基づいて印刷データを生成し、この印刷データが連続紙に印刷されるよう、マーキングエンジン18を制御する。制御部16は、後述する特定プログラムを実行して、故障の被疑箇所を特定した場合には、図1の端末装置100及び操作パネル120,140に通知する。
また、制御部16には、コネクタ160がピン接続され、制御部16は、コネクタ160を介して、後述するセンサ198からのデータ信号を受け付ける。なお、コネクタ160は、信号線及びハーネスを介してセンサ198と接続される。また、コネクタ160は、多段構成となることもある。
【0025】
マーキングエンジン18は、例えば、直接転写方式のデジタルカラープリンタであり、露光装置180、画像形成ユニット182、用紙搬送路184及び定着器186を備える。
露光装置180は、複数の発光点からなる発光点群を有する面発光レーザアレイチップから出射された複数のレーザビームを一括して走査させ、感光体ドラムに導くマルチビームの露光走査装置である。
【0026】
画像形成ユニット182は、静電潜像を形成してトナー像を担持させる像担持体である感光体ドラム188、感光体ドラム188の表面を一様に帯電する帯電器190、感光体ドラム188上の静電潜像をトナーで可視化する現像器192、及び、感光体ドラムの表面に形成されたトナー像を連続紙に転写させる転写ローラ194を備える。
画像形成ユニット182は、感光体ドラム188の表面の静電潜像からトナー像を生成し、順次、連続紙に転写する。
【0027】
用紙搬送路184には、用紙搬送路184に沿って複数組の搬送ローラ196が配列される。用紙搬送路184によって、図1の前処理装置102から供給された連続紙は、表面に印刷がなされた後、印字面を下にして、図1の反転装置108に搬送される(又は、反転装置108で反転された連続紙は、裏面に印刷がなされた後、印字面を下にして、図1の後処理装置104に搬送される)。
また、用紙搬送路184には、連続紙の有無を検知するセンサ198が設けられる。なお、センサ198は、例えば、フォトセンサ、フォトインタプリタ及びマイクロスイッチであり、印刷装置1内の他の部品に設けられてもよい。
定着器186は、連続紙に転写されたトナー像を定着させる。
【0028】
次に、図2の制御部16をさらに説明する。
図3は、図2の制御部16で動作する特定プログラム20の構成を示す図である。制御部16は、CPUに対し、メモリ及び記憶媒体などから読み出した特定プログラム20を実行させる。
【0029】
図3に示すように、特定プログラム20は、データ信号検出部200、判定テーブル記憶部202、判定テーブル読出部204、コネクタ抜け判定部206、コネクタ抜け通知部208及び制御部210を有する。
データ信号検出部200は、図2のコネクタ160を介して入力が受け付けられた、図2のセンサ198からのデータ信号について、レベルを検出する。
なお、データ信号のレベルとは、データ信号の状態を示すものであり、例えば、High及びLowのいずれかである。例えば、特定プログラム20がフェールセーフで設計されている場合には、データ信号がオンであるとき、データ信号のレベルはLowとして検出され、データ信号がオフであるとき、データ信号のレベルはHighとして検出される。データ信号の状態に対してどちらのレベルを割り当てるかは、特定プログラム20の仕様によって異なる。
【0030】
判定テーブル記憶部202には、コネクタ160のピン、コネクタ160に接続されるセンサ198、データ信号のレベル及び判定内容を対応付けた判定テーブルが、コネクタ160ごとにあらかじめ記憶される。なお、コネクタ160のピン、コネクタ160に接続されるセンサ198、データ信号のレベル及び判定内容の組合せパターンは、コネクタ160がどのようにコネクタベースに嵌め込まれているかと、コネクタ160がどの装置に接続されているかとに基づいている。また、組合せパターンに対し、通し番号(パターン番号)が割り振られてもかまわない。
判定テーブル読出部204は、データ信号検出部200においてデータ信号の入力を介したコネクタ160に対応する判定テーブルを読み出す。
【0031】
コネクタ抜け判定部206は、データ信号検出部200によって検出されたレベルと判定テーブル読出部204によって読み出された判定テーブルとに基づいて、コネクタ抜け及びコネクタ抜けの可能性があるかどうかを判定する。
なお、コネクタ抜けとは、コネクタ160が正常にコネクタベースに嵌め込まれている状態(例えば、図4(A)に示す状態)に対し、コネクタ160の端の少なくともいずれかがコネクタベースから抜けている状態を意味する。
以下、コネクタ160の両端が抜けている状態を「全抜け」といい、コネクタ160の端が抜けている状態(例えば、図4(B)に示す状態)を「半抜け」という。半抜けの場合には、振動や経時変化によって接触不良になりやすく、コネクタ160の端のピンにおけるデータ信号の状態が不安定になりやすい。
また、以下、コネクタの全抜け、コネクタの全抜けの可能性、コネクタの半抜け及びコネクタの半抜けの可能性を総称して「コネクタ抜け」という。
【0032】
コネクタ抜け通知部208は、コネクタ抜け判定部206によってコネクタ抜けがあると判定された場合には、図1の端末装置100にコネクタ抜けを通知する。
なお、コネクタ160が多段構成をとっている場合、データ信号検出によって検出されたレベルによっては、コネクタ160−1に対応する判定テーブルから読み出し、コネクタ160−1についてコネクタ抜けを判定した後、コネクタ160−1に接続される別のコネクタ160−2についても同様の処理を行うことがある。
【0033】
制御部210は、コネクタ抜け判定部206によってコネクタ抜けが特定できなかった場合には、後述するチェック動作を行うよう、図2のマーキングエンジン18を制御する。
【0034】
図5は、図3の特定プログラム20の動作フロー(S10)を示すフローチャートである。
なお、図2のコネクタ160及びセンサ198は、図6に示すように接続されているものとする。図6に示すように、コネクタ160は多段構成をとっており、センサ198−1〜198−5からのデータ信号は、センサ198を一括して接続するコネクタ160−3を介して、制御部16に接続されるコネクタ160−1,160−2に送られる。コネクタ160−3は、センサ198−1〜198−5を一括して接続し、センサ198−1〜198−3からのデータ信号をコネクタ160−1に送るとともに、センサ198−4,198−5からのデータ信号をコネクタ160−2に送っている。
また、コネクタ160−1〜160−3は多極コネクタであり、コネクタ160−3は、図7に示すピンアサインを備えるものとする。
【0035】
図5に示すように、ステップ100(S100)において、コネクタ160がセンサ198からデータ信号の入力を受け付けたか否かを判定する。データ信号の入力が受け付けられた場合には、ステップ102の処理に進み、そうでない場合には、ステップ100の判定を繰り返す。ここでは、まず、センサ198を一括して接続するコネクタ160−3が、センサ198からデータ信号の入力を受け付けたか否かが判定される。
ステップ102(S102)において、図3のデータ信号レベル検出部200は、ステップ100において入力が受け付けられたデータ信号について、レベルを検出する。
【0036】
ステップ104(S104)において、図3の判定テーブル読出部204は、ステップ100においてデータ信号の入力を介したコネクタ160に対応する判定テーブルを読み出す。ここでは、コネクタ160−3に対応する判定テーブルを読み出す。コネクタ160−3に対応する判定テーブルは、例えば、図8A〜8Fとして、一部が示されている。
ステップ106(S106)において、図3のコネクタ抜け判定部206は、ステップ102において検出されたレベルと、ステップ104において読み出された判定テーブルとに基づいて、判定テーブルの判定内容に応じた処理を行う。
【0037】
ステップ102において検出されたレベルが、図8Aに示す組合せパターンに該当する場合など、ステップ100においてデータ信号の入力を介したコネクタ160において、コネクタ抜けがない場合には、処理を終了する。
図8Aの組合せパターンにおいては、データ信号のレベルがすべてLowである(データ信号がすべてオンである)ので、コネクタ抜けはないと判定される。
【0038】
また、ステップ102において検出されたレベルが、図8B,図8C,図8Dに示す組合せパターンに該当する場合など、ステップ100においてデータ信号の入力を介したコネクタ160において、コネクタ抜けを特定できる場合には、ステップ108の処理に進む。
図8Bの組合せパターンにおいては、データ信号のレベルがすべてHighである(データ信号がすべてオフである)ので、コネクタ160−3が全抜けであると判定される。つまり、コネクタ160−3において、コネクタ抜けを特定できる。
図8Cの組合せパターンにおいては、コネクタ160−3の端のピン(A2,A4)におけるデータ信号のレベルがHighである(データ信号がオフである)ので、コネクタ160−3が半抜けであると判定される。つまり、コネクタ160−3において、コネクタ抜けを特定できる。
図8Dの組合せパターンにおいては、コネクタ160−3の端のピン(A10)におけるデータ信号のレベルがHighである(データ信号がオフである)ので、コネクタ160−3が半抜けの可能性があると判定される。つまり、コネクタ160−3において、コネクタ抜けを特定できる。
【0039】
また、ステップ102において検出されたレベルが、図8E,図8Fに示す組合せパターンに該当する場合など、ステップ100においてデータ信号の入力を介したコネクタ160において、コネクタ抜けを特定できない場合には、ステップ110の処理に進む。
図8Eの組合せパターンにおいては、一部のデータ信号のレベルがHighである(データ信号がオフである)ものの、コネクタの両端におけるデータ信号のレベルがLowである(データ信号がオンである)ので、コネクタ160−3は全抜けでもなく、半抜けでもないと判定される。つまり、コネクタ160−3において、コネクタ抜けを特定できない。
図8Fの組合せパターンにおいては、コネクタ160−3の端であって、コネクタ160−1に接続されるピン(A2,A4,A6)におけるデータ信号のレベルがHighである(データ信号がオフである)ので、コネクタ160−3が半抜けか、コネクタ160−1が全抜けであると判定される。つまり、コネクタ160−3において、コネクタ抜けを特定できない。
【0040】
ステップ108(S108)において、図3のコネクタ抜け通知部208は、ステップ106において判定されたコネクタ抜けの内容を、図1の端末装置100及び操作パネル120,140に通知する。
例えば、コネクタ抜け通知部208は、コネクタ抜けの内容が端末装置100のディスプレイ及び操作パネル120,140にエラーとして表示されるようにする。
なお、コネクタ抜けの内容が図1の印刷装置1の動作に支障のないものである場合には、コネクタ抜け通知部208は、端末装置100及び操作パネル120,140に通知しなくてもかまわない。
【0041】
ステップ110(S110)において、ステップ106においてコネクタ抜けを判定したコネクタ160に接続されるコネクタ160があれば、図3の制御部210は、このコネクタ160がセンサ198からのデータ信号の入力を受け付けるよう、図2のマーキングエンジン18を動作させ(以下、「チェック動作」)、ステップ100の処理に戻る。
例えば、ステップ102において検出されたレベルが、図8Fの組合せパターンに該当する場合、コネクタ160−3に接続されるコネクタ160−1がセンサ198からのデータ信号の入力を受け付けるよう、チェック動作が行われ、コネクタ160−1についてステップ100〜108の処理が行われる。
なお、コネクタ160に接続されるコネクタ160が複数ある場合には、複数のコネクタ160それぞれについて、チェック動作が行われ、ステップ100〜108の処理が行われる。
【0042】
マーキングエンジン18が印刷中であるなど、チェック動作をすぐに行うことができない場合には、制御部210は、マーキングエンジン18を停止させ、リスタートされるまでの時間にチェック動作を行ってもかまわない。
また、チェック動作を行うことができないことが予め分かっている場合には、コネクタ抜けが特定されないセンサ198は、コネクタ160の中央付近に接続させ、コネクタ抜けの影響を受けにくくなるようにしてもかまわない。
【0043】
このように、コネクタ160がどのようにコネクタベースに嵌め込まれているかと、コネクタ160がどの装置に接続されているかとに基づいて、データ信号のレベルを組み合わせたパターンをあらかじめ記憶しておき、いずれの組合せパターンに該当するかに応じて、接続異常の被疑箇所を判定することによって、コネクタ160の両端にリターン線を設けるなど、ハードウエア上の変更を加える場合に比べ、接続異常の被疑箇所を容易に判定することができる。
【符号の説明】
【0044】
1 印刷システム
100 端末装置
102 前処理装置
12 印刷装置
14 印刷装置
120 操作パネル
140 操作パネル
104 後処理装置
106 ネットワーク
108 反転装置
16 制御部
160 コネクタ
18 マーキングエンジン
180 露光装置
182 画像形成ユニット
184 用紙搬送路
186 定着器
188 感光体ドラム
190 帯電器
192 現像器
194 転写ローラ
196 搬送ローラ
198 センサ
20 特定プログラム
200 データ信号検出部
202 判定テーブル記憶部
204 判定テーブル読出部
206 コネクタ抜け判定部
208 コネクタ抜け通知部
210 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数部分の状態を検出する複数の検出部と、
前記複数の検出部のうち少なくとも一つが接続された第1の接続部と、
前記複数の検出部のうち少なくとも他の一つが接続された第2の接続部と、
制御部と、
前記第1の接続部及び前記第2の接続部と前記制御部とを接続する第3の接続部と
を有し、
前記制御部は、前記複数の検出部からの信号と、予め定められた信号状態とを比較して、前記第1の接続部、前記第2の接続部及び前記第3の接続部における接続異常を判定する判定手段を有する
電子装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記複数の検出部からの信号の状態の組合せを予め記憶する記憶手段
をさらに有する
請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記記憶部は、
前記複数の検出部からの信号の状態の組合せを、前記第3の接続部における接続状態に対応付けて予め記憶する
請求項2に記載の電子装置。
【請求項4】
前記判定部が、前記第1の接続部又は前記第2の接続部における接続異常と、前記第3の接続部における接続異常とを判定した場合、前記複数の検出部は、複数の部分の状態を新たに検知し、前記判定部は、前記第1の接続部又は前記第2の接続部に接続された前記複数の検出部からの信号と、予め定められた信号状態とをさらに比較して、前記第1の接続部又は前記第2の接続部における接続異常を判定する
請求項1に記載の電子装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記判定部が、前記第1の接続部、前記第2の接続部及び前記第3の接続部における接続異常を判定した場合、前記接続異常を外部に通知する通知手段
をさらに有する
請求項1に記載の電子装置。
【請求項6】
前記判定部が、前記第1の接続部又は前記第2の接続部における接続異常と、前記第3の接続部における接続異常とを判定した場合、前記複数の検出部が、複数の部分の状態を新たに検知できないときには、前記複数の検出部は、予め、当該接続異常が判定されないように前記第1の接続部又は前記第2の接続部に接続される
請求項4に記載の電子装置。
【請求項7】
複数部分の状態を検出する複数の検出部と、
前記複数の検出部のうち少なくとも一つが接続された第1の接続部と、
前記複数の検出部のうち少なくとも他の一つが接続された第2の接続部と、
制御部と、
前記第1の接続部及び前記第2の接続部と前記制御部とを接続する第3の接続部と、
コンピュータと
を有する電子装置に対し、
前記複数の検出部からの信号と、予め定められた信号状態とを比較して、前記第1の接続部、前記第2の接続部及び前記第3の接続部における接続異常を判定するステップをコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【図8F】
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【公開番号】特開2011−203635(P2011−203635A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−72682(P2010−72682)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】