説明

電子記事収集システム

【課題】 本発明では電子記事収集システムにおいて、電子記事の著作権保護を行いつつ、利用者にも使いやすい電子記事収集システムを提供する。
【解決手段】 電子記事収集システムにおいて、フォルダ又はファイルの登録要求と収集要求を行う情報端末と、電子記事を提供する電子記事提供サーバと、フォルダ又はファイルを作成して登録し、情報端末に電子記事を複製させない電子記事管理サーバとから構成され、電子記事管理サーバは情報端末から所定の電子記事の収集要求を受信すると、電子記事提供サーバに所定の電子記事の収集要求を送信し、電子記事管理サーバは、電子記事提供サーバから所定の電子記事が提供されると、電子記事をフォルダ又はファイルに保存し、電子記事管理サーバは、情報端末から他の利用者がフォルダ又はファイルを参照可能とするためのアカウントの設定要求を受信するとアカウントを設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、IP(Internet Protocol)を中心とした汎用ネットワークプロトコルにより相互通信可能な環境下で、私用、業務用の用途に関わらず、新聞・ホームページ等の電子記事を収集・蓄積・編集・加工・保存・複製するためのシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来は、下記特許文献1に示されるように、新聞等の刊行物に記載された記事の部分に記事を指定する記事指定記号をスキャナやバーコードリーダ等で読み取り、読み取った記事指定記号を記事配信機関に送信し、記事配信機関から記事指定記号に基づいて配信される記事内容を受信する記事スクラップ装置を用いた記事スクラップシステムがあった。
また、下記特許文献2に示されるように、紙の記事に固有のナンバーを付け、その紙の記事内容を電子化した記事の提供者にそのナンバーを送信し、そのナンバーに対応付けられた電子化された記事を特定し、スクラップを行うことが可能な電子スクラップシステムがあった。
さらに、下記特許文献3に示されるように、スキャナ等で取り込んだイメージデータを文字・図・写真等を領域ごとに分離し、分離されたイメージデータを編集手段により編集し保存が可能な電子スクラップブックがあった。
【特許文献1】特開2001−331498号公報
【特許文献2】特開平11−259489号公報
【特許文献3】特開平5−303619号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述された特許文献1、特許文献2、特許文献3に記載されるように、スキャナ等の読み取り手段により記事内容を電子データとして読み取る場合は、ファイルが画像としてしか把握されず、OCR(光学式文字認識)ソフトなどを利用したテキストファイルへの変換には、誤認識が伴う可能性があるという問題がある。また、バーコードリーダ等の読み取り手段により記事指定記号を読み取り、記事指定記号に基づいて電子記事配信機関から電子記事を受信する場合は、記事指定記号の掲載場所を探さねばならず、また紙媒体の変形などにより読み取りができなくなるという問題がある。
さらに、記事の電子化にあたっては、記事の提供元等の著作権保護を考慮しなければならないという問題がある。
【0004】
本発明は、記事に文字コード・文字数・発行日時・発行元組織・執筆者・記事ID・購読者ID・キーワード等の属性を付与することにより、クライアント側の環境に合わせてスクラップファイルのレイアウト編集を容易にし、記事の正当性を保証すると共に、業務利用時等の複製配布者を特定できるようにして、過剰複製による著作権侵害を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる課題を解決するため、本発明による電子記事収集システムは、利用者及び分類テーマごとに電子記事を保存するフォルダ又はファイルの登録要求と電子記事の収集要求を行う情報端末と、電子記事を特定するための電子記事特定情報を属性として含む電子記事を提供する電子記事提供サーバと、フォルダ又はファイルを作成して登録し、情報端末に電子記事を複製させない電子記事管理サーバとから構成され、電子記事管理サーバは、情報端末から電子記事特定情報に基づく入力検索条件を受信すると、入力検索条件を電子記事提供サーバに送信し、電子記事管理サーバは、電子記事提供サーバから入力検索条件に合致する電子記事の検索結果を受信すると、情報端末に検索結果の画面を提供し、電子記事管理サーバは、情報端末から所定の電子記事の収集要求を受信すると、電子記事提供サーバに所定の電子記事の収集要求を送信し、電子記事管理サーバは、電子記事提供サーバから所定の電子記事が提供されると、電子記事をフォルダ又はファイルに保存し、電子記事管理サーバは、情報端末から他の利用者がフォルダ又はファイルを参照可能とするためのアカウントの設定要求を受信するとアカウントを設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
発明の効果として、本発明の電子記事収集システムによれば利用者及び分類テーマごとに電子記事を保存するスクラップファイルの登録要求と電子記事の収集要求を行う情報端末と、電子記事を特定するための電子記事特定情報を属性として含む電子記事を提供する電子記事提供サーバと、スクラップファイルを作成して登録し、情報端末に電子記事を複製させない電子記事管理サーバとから構成され、電子記事管理サーバは、情報端末から電子記事特定情報に基づく入力検索条件を受信すると、入力検索条件を電子記事提供サーバに送信し、電子記事管理サーバは電子記事提供サーバから入力検索条件に合致する電子記事の検索結果を受信すると、情報端末に検索結果の画面を提供し、電子記事管理サーバは、情報端末から所定の電子記事の収集要求を受信すると、電子記事提供サーバに所定の電子記事の収集要求を送信し、電子記事管理サーバは、電子記事提供サーバから所定の電子記事が提供されると、電子記事を前記スクラップファイルに保存し、電子記事管理サーバは、情報端末から他の利用者が前記スクラップファイルを参照可能とするためのアカウントの設定要求を受信すると前記アカウントを設定することにより、利用者はディスク領域を含め、自分の所有するクライアント端末のリソースを消費せずに電子スクラップを保管できる。
【0007】
また、紙等の物理媒体にとらわれることなく、収集された電子記事の体裁を整えて情報を整理しやすくすることができる。さらに、新たな文献への引用時など、電子記事配布の際、発行元組織から提供される各種属性が記事の正当性の証明となり、それ自体付加価値となり著作権の侵害を防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明による電子記事収集システムの実施例は、添付図面を参照して詳細に説明される。
【実施例1】
【0009】
以下、本発明による電子記事収集システムの実施例1は、図1〜図5を用いて説明される。図1は本発明のネットワーク上の接続構成を示す図である。図2は本発明の電子記事管理サーバの機能構成を示す図である。図3は本発明の電子記事管理サーバの状態と遷移を示す図である。図4はスクラップファイル編集時の動作フローを示す図である。図5はスクラップファイル編集状態の電子記事追加及び削除の動作フローを示す図である。
【0010】
まず図1において本発明のネットワーク上の接続構成が説明される。電子記事収集システムは、電子記事提供サーバ11、電子記事データベース(DB)12、情報端末13、インターネット14、電子記事管理サーバ15、課金サーバ16、管理データベース(DB)17、課金データベース(DB)18から構成される。
【0011】
電子記事提供サーバ11は電子記事を提供する出版社等の発行元のデータベースサーバである。発行元は複数存在し得るので、電子記事提供サーバ11は発行元ごとに複数存在してもよい。電子記事DB12は、記事コンテンツである電子記事が分類テーマ情報、キーワード、記事識別情報、記事掲載文献名、発行日付、多言語対応の文字コード、文字数、発行元組織名、著者名、利用者ID等の電子記事特定情報の属性が付与される電子データ化された形式となって格納されている。
【0012】
電子記事提供サーバ11が提供する電子記事DB12に格納されている電子記事は無料のものと有料のものが存在する。例えば、利用者は発行元との契約に基づき、無料で入手や参照できる電子記事は限られる。必要がある場合、新たな契約により有料で電子記事を入手や参照できてもよい。
電子記事提供サーバ11は、電子記事管理サーバ15から要求された電子記事の情報を電子記事提供サーバ15に対してのみ送信し、情報端末13に対して直接送信することはない。
【0013】
情報端末13は、本電子記事収集システムの利用者が使用するPC等の端末である。実際には利用者は複数いるため、情報端末13は複数存在することになる。インターネット14には、電子記事管理サーバ11、情報端末13、電子記事管理サーバ15、課金サーバ16が接続されている。
【0014】
情報端末13を使用する利用者は、電子記事提供サーバ11や電子記事管理サーバ15から一意の利用者IDにより識別され、個人単位に管理されている。利用者IDは予めパスワードと共に電子記事管理サーバ15に対して登録される。また、利用者の識別管理は、発行元との契約等に基づき、世帯単位にグループ化されていてもよい。
情報端末13は表示部を有しており、電子記事管理サーバ15から提供される画面を表示部に表示する。また、情報端末13は入力部を有しており、利用者が入力部により入力した指示情報を電子記事管理サーバ15に対して送信する。
【0015】
電子記事管理サーバ15は、電子記事の管理組織が所有するサーバであり、フォルダやスクラップファイルを作成して電子記事を保存し、管理DB17に格納して管理するサーバである。また電子記事管理サーバ15はWebブラウザ機能を有し、情報端末13に対して各種登録画面や閲覧画面等を提供する。さらに情報端末13に対して電子記事提供サーバ11から提供された電子記事の複製を防止する機能を有している。電子記事管理サーバ15は管理DBに格納されたフォルダやスクラップファイルに保存された電子記事の編集機能も有している。電子記事管理サーバ15は、負荷分散や信頼性確保を目的とした冗長構成または異なる事業主体が運営しているなどの理由で、複数存在することもありえる。
【0016】
管理DB17は利用者毎の管理領域を持ち、分類テーマごとにフォルダまたは編集用ファイルであるスクラップファイルが設けられ、電子記事管理サーバ15はそこに電子記事を格納及び保存し、情報端末13からの要求によりフォルダやスクラップファイルに格納された電子記事の閲覧画面や電子記事の検索画面を情報端末13に対して提供する。電子記事管理サーバ15は情報端末13からの電子記事の検索指示の情報を受信すると、電子記事提供サーバ11に対して検索要求を行い、その検索結果を受信する。また電子記事管理サーバ15は、情報端末13から電子記事の収集要求の情報を受信すると、電子記事提供サーバ11から収集要求のあった電子記事を取得する。
【0017】
また電子記事管理サーバ15は他の利用者が、その格納されたフォルダ又はスクラップファイルを参照可能とするためのアカウントの設定をフォルダやスクラップファイル単位で行うことによりアクセス権限設定を可能とする。アカウントの設定には参照可能とする利用者の利用者IDを設定する。
【0018】
電子記事管理サーバ15に、電子記事が取得されて管理DB17に格納されると、取得要求をした情報端末13の利用者IDに対して利用料金を課金サーバ16が課金DB18の課金情報に基づいて徴収し、アカウントの設定に対しても、アカウントの設定を行った情報端末13の利用者IDに対しても同様に徴収する。例えば、課金DBには、電子記事ごとに取得時の料金とアカウント設定時の料金が設定されており、アカウント設定時の料金は電子記事の取得時の料金よりも安い料金で設定されている。また段組編集用ツールの利用料金を兼ねてもよい。
【0019】
情報端末13は、電子記事管理サーバ15に対して管理DB17に格納された電子記事の編集要求を行い、電子記事ごとに、フォント種、フォントサイズ、縦書きや横書き、1行当たりの文字数、行間隔、余白、写真や画像のサイズ等のレイアウト、キーワード付与等のテーマ分類情報を利用者側により自由に編集・加工することができるようになっている。また、アクセス権限設定はこの編集時に行われる。ただし、電子記事の内容自体は改竄できないようになっている。これは、新聞を見ながら同じ内容をタイピングしたテキストファイルを利用した編集文書と実質上変わらないものとなることを意味する。
【0020】
編集作業終了後、情報端末13の利用者は、電子記事管理サーバ15に電子記事自体の情報、編集情報、アクセス権限設定等の各種設定情報を管理DB17に格納しておくことで、常に所望の形態の情報として管理することができる。レイアウト編集自体は、情報端末13側で行われるため、電子記事管理サーバ15に対して負荷がかかることは無い。
【0021】
次に図2を用いて電子記事管理サーバの機能構成が示される。管理DB17は、登録された利用者の利用者ID及びパスワード等を格納する利用者データベース(DB)21、利用者ごとのフォルダ及びスクラップファイルの保管領域22が設定されているハードディスクである。利用者の保有する格納対象の情報としては、電子記事コンテンツ情報、編集レイアウト情報が挙げられる。
【0022】
ネットワークインタフェースカード23は、ネットワークを通じて利用者や電子記事発行者等外部との通信に利用される。制御部24は、入出力インタフェース25やネットワークインタフェースカード23により指示されたタスクを演算処理する。入出力インタフェース25には、ディスプレイ、キーボード、マウス等が接続される。メモリ26はこの演算処理の際に、一時的な記憶領域として作業上利用される。
【0023】
次に図3を用いて本発明の電子記事管理サーバの状態と遷移が説明される。
初期状態31とは、電子記事管理サーバ15が利用者IDによって識別される利用者の管理対象のフォルダやスクラップファイルを持たない状態である。初期状態31において、情報端末13から電子記事管理サーバ15に対して利用者及び分類テーマごとにフォルダやスクラップファイルを登録することで、保管状態32に移行する。
【0024】
また、フォルダやスクラップファイルが登録されるときに、電子記事管理サーバ15は、情報端末13に対して利用者ID及びパスワードによるログイン画面を提供する。電子記事管理サーバ15は、情報端末13からログイン画面にて入力された利用者ID及びパスワードを受信すると、ログイン処理として利用者DB21に格納された利用者ID及びパスワードと合致しているか認証を行い、認証に成功した場合はフォルダやスクラップファイルを登録させる。もし、利用者が予め利用者ID及びパスワードを電子記事管理サーバ等に登録していない場合には、フォルダやスクラップファイルを登録するときに、利用者ID及びパスワードを登録させるようにしてもよい。
保管状態32にてフォルダやスクラップファイルが全て削除されると、再び初期状態31に移行し、例えば利用者はログアウト処理を行って操作を終了する。
【0025】
また、すでにフォルダやスクラップファイルが登録されている場合には、保管状態32にてログイン処理が行われ、保管状態32においても、さらなるフォルダやスクラップファイルの追加登録や削除等を行うことが可能である。保管状態32においては、電子記事管理サーバ15は情報端末13に対して、フォルダやスクラップファイルの格納状態を示す閲覧画面を提供する。例えば閲覧画面にて、すでに格納されている複数のスクラップファイルのうち1つが選択され、そのスクラップファイルの編集要求がなされると、編集状態33に移行する。
【0026】
編集状態33において、利用者は情報端末13からスクラップファイルのレイアウト編集等を行うことができる。編集状態にあるスクラップファイルをアカウントが設定された利用者が参照しようとした場合は、最後に保存された情報に基づいて表示されることになる。編集状態33では、電子記事検索を容易にするためのキーワード属性の追加/変更/削除、スクラップファイル1ページ当たりの体裁の変更(用紙サイズ、余白、行間隔など)、電子記事コンテンツの登録/削除、記事コンテンツに対するフォント種別サイズ変更/行数変更、記事コンテンツ内画像の拡大縮小等のレイアウト編集作業及び他の利用者に対するアクセス権限設定を行うことができる。アクセス権限設定は記事コンテンツ毎に行うことができ、設定変更時には電子記事管理サーバ15は電子記事提供サーバ11に対してアカウントが設定された利用者ID等を含むイベント通知がなされ、また課金サーバ16により課金等の処理が行われ、著作権の無断使用を防止できる電子記事の管理が可能となる。
【0027】
利用者は、情報端末13から該当スクラップファイル全体または一部の電子記事の閲覧を要求し、情報端末13の表示部で提供された画面を見ながら、修正したい内容を所定のフォーマットで更新情報として電子記事管理サーバ15に送信することにより、編集作業を行う。
【0028】
編集状態33で編集終了要求の操作が行われると、編集内容を反映するか否か選択することにより、保管状態32に移行する。編集状態33で電子記事の追加要求の操作が実行されることにより、記事追加モード34に移行する。記事追加モード34の状態で、追加操作が終了するかキャンセル操作を行うと編集状態32に移行する。同様に、編集状態33で電子記事を削除要求の操作を実行することにより、記事削除モード35に移行する。記事削除モード35の状態で、削除操作が終了するかキャンセル操作を行うと編集状態32に移行する。
【0029】
記事追加モード34では、電子記事管理サーバ15は、情報端末13からの要求により、電子記事提供サーバ11に対して電子記事の検索を行ったり、取得要求のあった電子記事を取得してフォルダやスクラップファイルに保存して追加する。
【0030】
次に図4を用いてスクラップファイル編集時の動作フローが説明される。スクラップファイル編集時の動作フローは図3の保管状態32と編集状態33との遷移を示す。
保管状態32への移行(S41)が行われると、すでにログイン済みであるか否かを判定し(S42)、ログインされていない場合にはログイン画面を提供し、認証を行わせる(S43)。認証に失敗した場合は、保管状態を維持する。
【0031】
S42にて、ログイン済みであった場合及びS43にて認証に成功した場合には、ログイン処理が行われて登録されているフォルダやスクラップファイルの閲覧画面が提供される(S44)。閲覧画面中で、利用者により所定のスクラップファイルが選択されると(S45)、情報端末13から電子記事管理サーバ15に対して編集状態への移行指示が行われ、編集状態33へと移行する(S46)。編集状態33にて所定の編集を行い、編集内容を反映するか否かを選択し、編集の終了要求の操作が行われると(S47)、再び保管状態32へと移行する(S48)。保管状態32にてログアウト処理が行われると(S49)、電子記事収集システムの動作が終了する。
【0032】
次に図5を用いてスクラップファイル編集状態の電子記事追加及び削除の動作フローが説明される。
既に説明したように、編集状態33(S51)にて電子記事コンテンツの追加や削除をする要求があるとそれぞれ記事追加モード34、記事削除モード35へと移行する(S52)。
【0033】
編集状態33(S51)にて、電子記事管理サーバ15は、記事追加モードか記事削除モードを選択する(S52)。情報端末13から電子記事を追加する要求の操作が実行されることにより、記事追加モード34に移行する。記事追加モード34では、先ず、分類テーマ情報、キーワード、記事掲載文献名、発行日付、発行元組織名、著者名等が情報端末13にて入力されることにより電子記事検索が実行される(S53)。
【0034】
次に、情報端末13にて電子記事の検索結果から所望の記事が選択され(S54)、追加対象として指定されることにより電子記事の追加操作が実行される(S55)。記事追加モード34の状態で、追加操作が終了するかキャンセル操作が行われると編集状態33(S51)に移行する。追加操作が実行されると(S55)、電子記事管理サーバ15は電子記事提供サーバ11に対して電子記事の取得要求を行い、対象の電子記事コンテンツ情報を取得し、電子記事の内容をフォルダやスクラップファイルに追加登録する(S56)。
【0035】
同様に、編集状態33で電子記事コンテンツを削除する要求の操作が実行されると(S52)、記事削除モード35に移行する。記事削除モード35では、情報端末13にてまずスクラップファイル内で削除対象の電子記事コンテンツが指定される(S58)。次に、削除実行のトリガとなる操作を行う(S59)ことにより、対象の記事データをスクラップファイルから削除する(S60)。記事削除モード35の状態で、削除操作が終了するかキャンセル操作を行うと編集状態(S51)に移行する。
【0036】
S56にて電子記事データの受信・追加が実行されるか、S60にて記事データ削除が実行されると、実行した旨の情報を電子記事提供サーバ11にイベント通知する処理を行い(S57)、編集状態S51に戻る。
【0037】
本実施例の電子記事収集システムによれば、利用者は、ディスク領域を含め、自分の所有するクライアント端末のリソースを消費せずに電子スクラップを保管できる。また、紙等の物理媒体にとらわれることなく、収集記事の体裁を整えて情報を整理しやすくすることができる。新たな文献への引用時など、電子コンテンツ配布の際、発行元組織から提供される各種属性が記事の正当性の証明となり、それ自体付加価値となると共に、提供元による課金処理がなされることで、著作権の侵害を防止するチェック機能を提供する。属性として購読者IDが埋め込まれることにより、無断複製が証明できると共にその歯止めともなる。
【0038】
Weblog等での情報源公開の対象としても利用することができ、公開対象の利用者の権限設定編集時にイベント通知を行うことで、著作権者(発行元組織)側が必要な処理を行い、著作権の侵害を防止するチェック機能を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明のネットワーク上の接続構成を示す図
【図2】電子記事管理サーバの機能構成を示す図
【図3】電子記事管理サーバの状態と遷移を示す図
【図4】スクラップファイル編集時の動作フローを示す図
【図5】スクラップファイル編集状態の電子記事追加及び削除の動作フローを示す図
【符号の説明】
【0040】
11…電子記事提供サーバ、12…電子記事DB、13…情報端末、14…インターネット、15…電子記事管理サーバ、16…課金サーバ、17…管理DB、18…課金DB、21…利用者データベース、22…利用者毎の保管領域、23…ネットワークインタフェースカード、24…制御部、25…入出力インタフェース、26…メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子データ化された電子記事を収集する電子記事収集システムにおいて、
利用者及び分類テーマごとに電子記事を保存するフォルダ又はファイルの登録要求と電子記事の収集要求を行う情報端末と、
前記電子記事を特定するための電子記事特定情報を属性として含む前記電子記事を提供する電子記事提供サーバと、
前記フォルダ又はファイルを作成して登録し、前記情報端末に電子記事を複製させない電子記事管理サーバとから構成され、
前記電子記事管理サーバは、前記情報端末から前記電子記事特定情報に基づく入力検索条件を受信すると、前記入力検索条件を前記電子記事提供サーバに送信し、
前記電子記事管理サーバは、前記電子記事提供サーバから前記入力検索条件に合致する電子記事の検索結果を受信すると、前記情報端末に前記検索結果の画面を提供し、
前記電子記事管理サーバは、前記情報端末から所定の電子記事の収集要求を受信すると、前記電子記事提供サーバに前記所定の電子記事の収集要求を送信し、
前記電子記事管理サーバは、前記電子記事提供サーバから前記所定の電子記事が提供されると、前記電子記事を前記フォルダ又はファイルに保存し、
前記電子記事管理サーバは、前記情報端末から他の利用者が前記フォルダ又はファイルを参照可能とするためのアカウントの設定要求を受信すると前記アカウントを設定すること
を特徴とする電子記事収集システム。
【請求項2】
請求項1に記載される電子記事収集システムにおいて、
前記情報端末は前記電子記事管理サーバに前記フォルダ又はファイルに保存された電子記事の編集要求を送信し、
前記電子記事管理サーバは、前記編集要求を受信すると、前記情報端末に電子記事編集画面を送信することを特徴とする電子記事収集システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載される電子記事収集システムにおいて、
前記電子記事管理サーバが、前記電子記事を前記フォルダ又はファイルに保存するとき、及び前記アカウントを設定するときに課金を行う課金サーバを備えることを特徴とする電子記事収集システム。
【請求項4】
請求項3に記載される電子記事収集システムにおいて、
前記課金サーバにより前記アカウントを設定するときに行われる課金は、前記電子記事を前記フォルダ又はファイルに保存するときに行われる課金より低料金であることを特徴とする電子記事収集システム。
【請求項5】
請求項1に記載される電子記事収集システムにおいて、
前記情報端末の利用者には予め利用者を識別するための利用者IDが登録されており、
前記フォルダ及びファイルは利用者ID及び分類テーマごとに登録され、
前記電子記事管理サーバは、前記情報端末から前記他の利用者の利用者IDを含むアカウントの設定要求を受信すると前記利用者IDに対して前記アカウントを設定し、
前記課金サーバは前記利用者IDに対して課金を行うこと
を特徴とする電子記事収集システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−94476(P2007−94476A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−279263(P2005−279263)
【出願日】平成17年9月27日(2005.9.27)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】