説明

電子部品装着装置

【課題】各電子部品収容部から各供給位置に供給された電子部品の吸着位置を調整する際に、吸着位置を調整する供給位置を容易に選択することができる電子部品装着装置を提供する。
【解決手段】各フィーダ装着部12にそれぞれ対応して設けられ、フィーダ装着部12を特定する特定信号を送出する複数のデバイスセットスイッチ20を有する。吸着位置を調整する際に、デバイスセットスイッチ20が押下されると、このデバイスセットスイッチ20に対応するフィーダ装着部12が特定され、フィーダ装着部12に装着されたフィーダ11の供給部15が選択され、当該供給部15が、撮像装置96によって撮像され画像表示装置19aに表示され、操作部19bで吸着位置が調整可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品をプリント基板に装着する電子部品装着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から特許文献1に示されるように、吸着ヘッドで電子部品を吸着してプリント基板に装着する電子部品装着装置が知られている。このような電子部品装着装置は、電子部品収容部で保持された電子部品を1つずつ供給位置に送り出すフィーダを複数備え、前記供給位置に供給された電子部品を吸着ヘッドで吸着してプリント基板上に配置するようになっている。
【0003】
電子部品には、リード線が電子部品本体の片側のみに設けられているラジアル部品等、電子部品本体が供給された供給位置に対して対称とならない電子部品がある。このような電子部品が供給位置に供給されると、電子部品本体が偏心した状態で供給位置に供給されるため、電子部品本体が吸着ヘッドの吸着部から外れて吸着が不能となったり、吸着できたとしても異常な姿勢で吸着され、電子部品がプリント基板に装着できないおそれがあった。このような場合には、作業者が、操作部を操作することにより、供給位置に供給された電子部品を吸着ヘッドが吸着する吸着位置の調整を行っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−305849号公報(第4、5頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、電子部品装着装置には、フィーダが多数(多い場合には45個)設けられているため、作業者が、調整を欲する供給位置を選択するのに、操作部のボタンを順次押下することにより選択する必要があることから、作業性が非常に悪いという問題があった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、各電子部品収容部から各供給位置に供給された電子部品の吸着位置を調整する際に、吸着位置を調整する供給位置を容易に選択することができる電子部品装着装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するためになされた、請求項1に係る電子部品装着装置の特徴は、多数の電子部品が収容された電子部品収容部から電子部品を供給位置まで1つずつ供給する複数のフィーダと、フィーダが装着され、装置本体に複数並設されたフィーダ装着部と、装置本体に水平方向移動可能に装架され、各供給位置において電子部品を吸着して、プリント基板に装着する吸着ヘッドと、各供給位置に供給された電子部品を撮像する撮像装置と、撮像装置によって撮像された画像を表示する画像表示装置と、供給位置に供給された電子部品を吸着ヘッドが吸着する吸着位置を調整するための吸着位置調整手段と、各フィーダ装着部にそれぞれ対応して設けられ、フィーダ装着部を特定する特定信号を送出可能な複数のフィーダ装着部特定手段と、を備え、吸着位置を調整する際に、複数のフィーダ装着部のうち1のフィーダ装着部に対応するフィーダ装着部特定手段が作動すると、当該1のフィーダ装着部に装着されたフィーダの供給位置が選択され、当該供給位置が撮像装置によって撮像されて画像表示装置に表示され、選択された供給位置における吸着位置が吸着位置調整手段によって調整可能となることである。
【0008】
請求項2に係る電子部品装着装置の特徴は、請求項1において、フィーダ装着部特定手段は、各フィーダ装着部に対応する複数のスイッチであることである。
【0009】
請求項3に係る電子部品装着装置の特徴は、請求項1において、フィーダ装着部特定手段は、各フィーダ装着部にフィーダが装着されているか否かの装着状態を検出する装着状態検出手段であることである。
【0010】
請求項4に係る電子部品装着装置の特徴は、請求項1〜請求項3のいずれかにおいて、フィーダ装着部、フィーダ装着部特定手段、画像表示装置、及び、吸着位置調整手段が、装置本体の両側に設けられ、両側に設けられたフィーダ装着部特定手段のうち一方側のフィーダ装着部特定手段が作動すると、作動した側のフィーダ装着部特定手段の側にある吸着位置調整手段が作動可能な状態になるとともに、作動可能となった吸着位置調整手段と反対側にある吸着位置調整手段が非作動となることである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る電子部品装着装置によれば、吸着位置を調整する際に、複数のフィーダ装着部のうち1のフィーダ装着部に対応するフィーダ装着部特定手段が作動すると、当該1のフィーダ装着部に装着されたフィーダの供給位置が選択され、選択された供給位置における吸着位置が、吸着位置調整手段によって調整可能となる。このため、各電子部品収容部から各供給位置に供給された電子部品の吸着位置を調整する際に、吸着位置を調整する供給位置の選択が容易となる。しかも、吸着位置を調整する際に、フィーダ装着部特定手段が作動すると、吸着位置の調整を行う供給位置が自動的に画像表示装置に表示されるので、作業者は、直ちに画像表示装置に表示された供給位置にある電子部品を視認することができ、直ちに吸着位置調整手段で、吸着位置を調整することが可能となる。
【0012】
請求項2に係る電子部品装着装置によれば、フィーダ装着部特定手段は、各フィーダ装着部に対応する複数のスイッチである。これにより、作業者は、複数のスイッチのうち、吸着位置の調整を欲する供給位置を有するフィーダが装着されたフィーダ装着部に対応するスイッチを選択するだけで、吸着位置の調整を欲する供給位置を選択することができ、吸着位置を調整する供給位置の選択作業の作業性が大幅に向上する。
【0013】
請求項3に係る電子部品装着装置によれば、フィーダ装着部特定手段は、各フィーダ装着部にフィーダが装着されているか否かの装着状態を検出する装着状態検出手段であることである。これにより、作業者は、複数のフィーダのうち吸着位置の調整を欲する供給位置を有するフィーダを、フィーダ装着部から抜き差しするだけで、吸着位置の調整を欲する供給位置を選択することができ、調整を欲する供給位置の選択作業の作業性が大幅に向上する。
【0014】
請求項4に係る電子部品装着装置によれば、両側に設けられたフィーダ装着部特定手段のうち一方側のフィーダ装着部特定手段が作動すると、作動した側のフィーダ装着部特定手段の側にある吸着位置調整手段が作動可能な状態になるとともに、作動可能となった吸着位置調整手段と反対側にある吸着位置調整手段が非作動となる。これにより、フィーダ装着部特定手段が作動すると、自動的に、作動した側のフィーダ装着部特定手段の側にある吸着位置調整手段が作動可能な状態になるので、調整すべき供給位置の選択と同時に、装置の両側にある吸着位置調整手段のうち操作を欲する方の吸着位置調整手段を選択することができ、作業性が向上する。また、作動可能となった吸着位置調整手段と反対側にある吸着位置調整手段が非作動となるので、非作動となった側の各機構が、当該側にいる作業者の意に反して作動しないので、安全性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】電子部品装着装置の斜視図である。
【図2】操作パネル部の説明図である。
【図3】図1に示した電子部品装着装置にて実行される制御プログラムのサブルーチンであるデバイスセットスイッチ押下処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(電子部品装着装置の説明)
本発明に係る電子部品装着装置の実施形態を、図面に基づいて以下に説明する。図1に示すように、電子部品装着装置100は、電子部品供給装置10、基板搬送装置80、及び、移載装置90を備えている。なお、電子部品装着装置100の幅方向をX軸方向とし、電子部品装着装置100の前後方向をY軸方向とする。電子部品装着装置100は、X軸方向に複数台並べて配置され部品装着ラインを構成している。
【0017】
電子部品供給装置10は、電子部品装着装置100の装置本体99の端部に設けられている。電子部品供給装置10は、複数のカセット式のフィーダ11と、このフィーダ11が1つずつ装着される複数のフィーダ装着部12とから構成されている。フィーダ装着部12は、装置本体99の端部に複数並設されている。そして、各フィーダ11は、フィーダ装着部12に着脱可能に装着される本体13と、この本体13の後部に着脱可能に装着された複数の供給リール14(電子部品収容部)と、本体13の先端に設けられた供給部15(供給位置)を備えている。本実施形態では、フィーダ11がフィーダ装着部12に装着されると、フィーダ11とフィーダ装着部12は電気的に接続されるようになっている。
【0018】
各供給リール14には、所定個数の電子部品Pを一定のピッチ間隔で保持したキャリアテープが巻回されている。フィーダ11は、供給リール14に巻回されたキャリアテープを1ピッチずつ送り出して、電子部品Pを供給部15に1個ずつ移送する移送機構(図示省略)を備えている。
【0019】
本実施形態では、図1に示すように、電子部品装着装置100の前後(両側)に、それぞれ、電子部品供給装置10が設けられていて、電子部品装着装置100の前後の両側から、電子部品Pが供給されるようになっている。なお、以下において、電子部品装着装置100の前側をSIDE1とし、電子部品装着装置100の後ろ側をSIDE2とする。
【0020】
各電子部品装着装置100の基台83上には、プリント基板75をX軸方向に搬送する基板搬送装置80が設けられている。基板搬送装置80は、基台83上に一対のガイドレール84a、84bを互い平行に対向させてそれぞれ水平に並設し、このガイドレール84a、84bによりそれぞれ案内されるプリント基板75を支持して搬送する一対のコンベアベルト(図示省略)を互いに対向させて並設して構成されたものである。図示は省略したが、各電子部品装着装置100は、基板搬送装置80がX軸方向に連続されるように互いに隣接して配置され、各電子部品装着装置100の基板搬送装置80は互いに連動して作動されて、各プリント基板75を隣の基板搬送装置80上に順次送り込んで、所定位置に位置決め保持するようになっている。
【0021】
移載装置90はXYロボットタイプのものであり、装置本体99上に装架されて基板搬送装置80及び電子部品供給装置10の上方に配設され、ガイドレール92に沿ってY軸方向に移動可能なY軸スライド93を備えている。Y軸スライド93は、Y軸サーボモータ91の出力軸に連結されたボールねじ91aを有するボールねじ機構によってY軸方向に移動される。Y軸スライド93には、X軸スライド94がY軸方向と直交するX軸方向に移動可能に案内されている。Y軸スライド93にはX軸サーボモータ97が設置され、このX軸サーボモータ97の出力軸に連結された図略のボールねじ機構によってX軸スライド94がX軸方向に移動される。
【0022】
X軸スライド94には、吸着ヘッド95と撮像装置96が取り付けられている。このような構造により、吸着ヘッド95及び撮像装置96は、装置本体99に水平方向移動可能に装架されている。吸着ヘッド95は、吸着ノズル95aを有していて、この吸着ノズル95aで、供給部15にある電子部品Pを吸着してプリント基板75に装着する。撮像装置96は、CCDやCMOS等の撮像素子と、この撮像素子に被写像を結像するレンズを有していて、各供給部15(供給位置)に供給された電子部品Pを撮像する。
【0023】
制御部50は、電子部品装着装置100の統括制御を行うものであり、電子部品供給装置10、基板搬送装置80、及び、移載装置90のモータ等の各アクチュエータに制御信号を出力することにより、前記各アクチュエータを制御する。また、制御部50には、後述の、操作部19b、各デバイスセットスイッチ20、各操作権スイッチ21からの操作信号が入力される。制御部50は、後述のデバイスセットスイッチ押下処理が実行されるCPU50a、後述のデバイスセットスイッチ押下処理を実行するプログラムや、後述の操作権、選択された供給部15、決定された吸着位置を記憶する記憶部50bを有している。
【0024】
装置本体99の上部フレーム18のSIDE1側、及び、SIDE2側(前後側)の両方には、操作パネル部19が設けられている。図2に示すように、操作パネル部19は、画像表示装置19aと操作部19bを備えている。画像表示装置19aには、操作部19bを操作する際の操作画面や、撮像装置96で撮像された供給部15にある電子部品Pの画像である供給位置電子部品画像19dが表示される。図2においては、操作画面として吸着位置調整画面19cが表示されている。図2に示す吸着位置調整画面19cには、吸着位置を調整する供給部15を有するフィーダ装着部12のスロット番号19g、供給部15にある基準点からの吸着位置のX軸方向及びY軸方向のオフセット量19h等が表示される。なお、図2に示す供給位置電子部品画像19dにおいて、十字状のマーカー19eの交点19fが、吸着ノズル95aが吸着する吸着位置である。
【0025】
操作部19bには、物理的なボタンの他、タッチパネルが含まれる。操作部19bは、電子部品装着装置100の操作や設定をするためのものであり、本実施形態では、供給部15に供給された電子部品Pの吸着位置を調整するものである。作業者は、画像表示装置19aに表示された供給位置電子部品画像19dを見ながら、操作部19bを操作することにより、マーカー19eの交点19fを移動させて、電子部品P上の適切な位置に、吸着位置を決定する。決定された吸着位置は、フィーダ装着部12(スロット番号19g)と関連づけられて、制御部50の記憶部50bに記憶される。
【0026】
なお、上述の操作部19bや、吸着位置調整画面19cや供給位置電子部品画像19dを画像表示装置19aに表示させるプログラム、操作部19bが操作された際に、マーカー19eを移動させるとともに吸着位置を決定して記憶部50bに記憶させるプログラム(これらプログラムを吸着位置設定プログラムとする)が、吸着位置を調整するための吸着位置調整手段に相当する。
【0027】
装置本体99のSIDE1側、SIDE2側(前後側)の両方には、幅方向それぞれのフィーダ装着部12に対応する位置に、複数のデバイスセットスイッチ20(フィーダ装着部特定手段)が並設されている。これらのデバイスセットスイッチ20は、各フィーダ装着部12に対応している。このデバイスセットスイッチ20は、押下されると、フィーダ装着部12を特定する特定信号を制御部50に送出する。作業者が、新しい供給リール14をフィーダ11に装着(セット)した際に、作業者がデバイスセットスイッチ20を押下すると、新しい供給リール14が装着されたフィーダ装着部12を特定する特定信号が制御部50に送出され、供給リール14のセットの完了が制御部50に通知される。すると、各供給部15に供給された電子部品Pの吸着ヘッド95によるプリント基板75への装着が開始される。つまり、作業者が、新しい供給リール14をフィーダ11に装着した際に、これに対応するデバイスセットスイッチ20を押下しない限り、各供給部15に供給された電子部品Pの吸着ヘッド95によるプリント基板75への装着が禁止される。
【0028】
電子部品装着装置100のSIDE1側、SIDE2側(前後側)の両方、それぞれ1つずつ、操作権スイッチ21が設けられている。この操作権スイッチ21は、電子部品装着装置100のSIDE1側、SIDE2側いずれかの操作部19bを操作するための権限(操作権)を取得するものであり、作業者が一方の操作権スイッチ21を押下すると、操作権スイッチ21が押下された側にある操作部19bが操作可能な状態となる。このような操作権スイッチ21により、2人の作業者がそれぞれの操作部19bを操作する際に、作業者の意に反して電子部品装着装置100が作動してしまうことが防止される。
【0029】
(デバイスセットスイッチ押下処理の説明)
次に、図3を用いて、上述した電子部品装着装置100において実行される、デバイスセットスイッチ20が押下された際の処理であるデバイスセットスイッチ押下処理について説明する。
電子部品装着装置100が起動すると、ステップ102において、制御部50は、デバイスセットスイッチ20が押下されて、フィーダ装着部12を特定する特定信号が入力されたか否かを判断し、特定信号が入力されたと判断した場合には(ステップ102でYESと判定)、プログラムをステップ104に進め、一方で、特定信号が入力されていないと判断した場合には(ステップ102でNOと判定)、ステップ102の処理を繰り返す。
【0030】
ステップ104において、制御部50は、その記憶部50bを参照することにより、操作権がSIDE1側にあるか否かを判断し、操作権がSIDE1側にあると判断した場合には(ステップ104でYESと判断)、プログラムをステップ106に進め、一方で、操作権がSIDE2側にあると判断した場合には(ステップ104でNOと判断)、プログラムをステップ122に進める。
【0031】
ステップ106において、制御部50は、押下されたデバイスセットスイッチ20がSIDE1側であるか否かを判断し、SIDE1側であると判断した場合には(ステップ106においてYESと判断)、プログラムをステップ132に進め、一方で、SIDE2側と判断した場合には(ステップ106においてNOと判断)、ステップ108において、記憶部50bに記憶されている操作権を、SIDE2に更新記憶させたうえで、プログラムをステップ132に進める。
【0032】
ステップ122において、制御部50は、押下されたデバイスセットスイッチ20がSIDE2側であるか否かを判断し、SIDE2側であると判断した場合には(ステップ122においてYESと判断)、プログラムをステップ132に進め、一方で、SIDE1側と判断した場合には(ステップ122においてNOと判断)、ステップ124において、記憶部50bに記憶されている操作権を、SIDE1に更新記憶させたうえで、プログラムをステップ132に進める。
【0033】
ステップ132において、制御部50は、吸着位置の調整中であるか否かを判断する。具体的には、吸着位置設定プログラムが起動し、画像表示装置19aに吸着位置調整画面19cが表示されている場合には、制御部50は、吸着位置の調整中であると判断し(ステップ132においてYESと判断)、プログラムをステップ142に進め、吸着位置設定プログラムが起動していない場合には、制御部50は、吸着位置の調整中でないと判断し(ステップ132においてNOと判断)、プログラムをステップ152に進める。
【0034】
ステップ142において、制御部50は、押下されたデバイスセットスイッチ20に対応するフィーダ装着部12を特定する。そして、特定されたフィーダ装着部12に装着されているフィーダ11の供給部15(供給位置)を選択する。そして、供給部15が選択されると、制御部50は、移載装置90のY軸サーボモータ91及びX軸サーボモータ97に制御信号を出力することにより、撮像装置96を上記選択された供給部15に移動させて、この撮像装置96で上記選択された供給部15にある電子部品Pを撮像させて、画像表示装置19aに表示させる。更に、制御部50は、選択された供給部15における吸着位置を、吸着位置調整手段(操作部19bを含む)によって調整可能な状態とする。ステップ142が終了すると、プログラムはステップ102に戻る。
【0035】
ステップ152において、制御部50は、新しい供給リール14が装着されたフィーダ装着部12を認識する。そして、制御部50は、基板搬送装置80、移載装置90、及び、吸着ヘッド95に、制御信号を出力し、各供給部15に供給された電子部品Pの吸着ヘッド95によるプリント基板75への装着を開始させる。ステップ152が終了すると、プログラムはステップ102に戻る。
【0036】
上述した実施形態によれば、複数のフィーダ装着部12のうち1のフィーダ装着部12に対応するデバイスセットスイッチ20が押下されると(フィーダ装着部特定手段が作動すると)、図3のステップ102でYESと判断され、吸着位置設定プログラムが起動している場合には、ステップ132でYESと判断され、ステップ142において、押下されたデバイスセットスイッチ20に対応するフィーダ装着部12が特定され、特定されたフィーダ装着部12に装着されたフィーダ11の供給部15が選択される。そして、選択された供給部15における吸着位置が、吸着位置調整手段によって調整可能となる。このため、供給部15に供給された電子部品Pの吸着位置を調整する際に、吸着位置を調整する供給部15を容易に選択することができる。しかも、吸着位置を調整する際に、フィーダ装着部特定手段が作動すると、吸着位置を調整する供給部15にある電子部品Pが自動的に画像表示装置19aに表示されるので、作業者は、画像表示装置19aに表示された供給部15にある電子部品Pを視認することにより、直ちに操作部19bを操作して、吸着位置を調整することが可能となる。
【0037】
また、図1に示すように、フィーダ装着部特定手段は、フィーダ装着部12に対応する複数のデバイスセットスイッチ20である。これにより、作業者は、複数のデバイスセットスイッチ20のうち、吸着位置の調整を欲する供給部15を有するフィーダ11が装着されたフィーダ装着部12に対応するデバイスセットスイッチ20を選択して押下するだけで、吸着位置の調整を欲する供給部15を選択することができ、吸着位置を調整する供給部15の選択作業の作業性が大幅に向上する。また、図1に示す実施形態では、従来からあるデバイスセットスイッチ20を、吸着位置を調整する供給部15の選択にも兼用することにしたので、コスト高とならずに、吸着位置を調整する供給部15を容易に選択することができる機能を追加することが可能となる。
【0038】
また、装置本体99の両側に設けられたデバイスセットスイッチ20のうち一方側のデバイスセットスイッチ20が押下されると(図3のステップ102でYESと判断)、押下された側のデバイスセットスイッチ20の側にある操作部19bが作動可能な状態になるとともに、作動可能となった操作部19bと反対側にある操作部19bが非作動となる(図3のステップ104、106、108、122、124の処理)。これにより、装置本体99の両側に設けられたデバイスセットスイッチ20のうち一方側のデバイスセットスイッチ20が押下されると、自動的に、押下された側のデバイスセットスイッチ20側にある操作部19bが操作可能な状態になるので、吸着位置を調整すべき供給位置の選択と同時に、装置の両側にある操作部19bのうち操作を欲する方の操作部19bを選択することができ、操作権スイッチ21を押圧する場合と比較して、作業性が向上する。また、作動可能となった操作部19bと反対側にある操作部19bが非作動となるので、非作動となった側の各機構が、当該側にいる作業者の意に反して作動しないので、安全性を確保することができる。
【0039】
以上説明した実施形態では、デバイスセットスイッチ20は、装置本体99の端部に、幅方向それぞれのフィーダ装着部12に対応する位置に、複数のデバイスセットスイッチ20が並設されている。しかし、デバイスセットスイッチ20は、各フィーダ11に設けられていても差し支え無い。この実施形態の場合には、各フィーダ11に設けられたデバイスセットスイッチ20が押下されると、フィーダ装着部12を介して、デバイスセットスイッチ20が押下されたフィーダ11が装着されたフィーダ装着部12を特定する特定信号が制御部50に入力される。
【0040】
また、以上説明した実施形態では、図3に示すステップ102の処理は、デバイスセットスイッチ20が押下されたか否かによって判断しているが、ステップ102において、各フィーダ装着部12にフィーダ11が装着されているか否かで判断する実施形態であっても差し支え無い。この実施形態の場合には、各フィーダ装着部12にフィーダ11が装着されているか否かを検出する装着状態検出手段(フィーダ11とフィーダ装着部12との電気的な接続を検知するプログラム又はハードウエア、光センサ、磁気センサ、物理的スイッチ等のセンサを含む)が設けられている。そして、フィーダ装着部12にフィーダ11が装着されると、装着状態検出手段は、フィーダ装着部12へのフィーダ11の装着を検知して、当該フィーダ装着部12を特定する特定信号を制御部50に送出する。これにより、作業者は、複数のフィーダ11のうち吸着部の調整を欲する供給位置15を有するフィーダ11をフィーダ装着部12から抜き差しするだけで、調整すべき供給位置を選択することができ、吸着位置を調整する供給位置の選択作業の作業性が大幅に向上する。
【0041】
また、以上説明した実施形態では、多数の電子部品Pを収容する電子部品収容部として、所定個数の電子部品Pを一定のピッチ間隔で保持したキャリアテープが巻回された各供給リール14を用いているが、電子部品収容部は、これに限定されず、所定個数の電子部品Pが収容された筒状の供給スティックであっても差し支え無い。
【符号の説明】
【0042】
10…電子部品供給装置、 11…フィーダ、 12…フィーダ装着部、 14…供給リール(電子部品収容部) 15…供給部(供給位置)、 19a…画像表示装置、 19b…操作部(吸着位置調整手段)、 20…デバイスセットスイッチ(フィーダ装着部特定手段)、 50…制御部、 94…撮像装置、 95…吸着ヘッド、 99…装置本体、 100…電子部品装着装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の電子部品が収容された電子部品収容部から前記電子部品を供給位置まで1つずつ供給する複数のフィーダと、
前記フィーダが装着され、装置本体に複数並設されたフィーダ装着部と、
前記装置本体に水平方向移動可能に装架され、前記各供給位置において前記電子部品を吸着して、プリント基板に装着する吸着ヘッドと、
前記各供給位置に供給された電子部品を撮像する撮像装置と、
前記撮像装置によって撮像された画像を表示する画像表示装置と、
前記供給位置に供給された電子部品を前記吸着ヘッドが吸着する吸着位置を調整するための吸着位置調整手段と、
前記各フィーダ装着部にそれぞれ対応して設けられ、前記フィーダ装着部を特定する特定信号を送出可能な複数のフィーダ装着部特定手段と、を備え、
前記吸着位置を調整する際に、前記複数のフィーダ装着部のうち1のフィーダ装着部に対応するフィーダ装着部特定手段が作動すると、当該1のフィーダ装着部に装着された前記フィーダの前記供給位置が選択され、当該供給位置が前記撮像装置によって撮像されて前記画像表示装置に表示され、前記選択された供給位置における吸着位置が前記吸着位置調整手段によって調整可能となることを特徴とする電子部品装着装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記フィーダ装着部特定手段は、前記各フィーダ装着部に対応する複数のスイッチであることを特徴とする電子部品装着装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記フィーダ装着部特定手段は、前記各フィーダ装着部に前記フィーダが装着されているか否かの装着状態を検出する装着状態検出手段であることを特徴とする電子部品装着装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかにおいて、
前記フィーダ装着部、前記フィーダ装着部特定手段、前記画像表示装置、及び、前記吸着位置調整手段が、前記装置本体の両側に設けられ、
前記両側に設けられた前記フィーダ装着部特定手段のうち一方側の前記フィーダ装着部特定手段が作動すると、前記作動した側の前記フィーダ装着部特定手段の側にある前記吸着位置調整手段が作動可能な状態になるとともに、前記作動可能となった吸着位置調整手段と反対側にある吸着位置調整手段が非作動となることを特徴とする電子部品装着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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