説明

電子鍵盤楽器

【課題】 鍵盤部における複数の鍵の押鍵操作に応じてスピーカが発生した音を微妙に変化させて複数の鍵の間から良好に放音させることができる電子鍵盤楽器を提供する。
【解決手段】 鍵盤部8における複数の鍵11に、押鍵操作に応じて開口状態が変化する放音用の開口部35を設けた。従って、鍵盤部8における複数の鍵11を押鍵操作してスピーカ32が楽音を放音し、この放音された楽音が各鍵11の開口部35を通り抜ける際に、押鍵操作に応じて各鍵11の開口部35の開口状態が変化し、この開口部35の開口状態の変化に応じて楽音を微妙に変化させることができる。このため、複数の鍵11の押鍵操作に応じてスピーカ32で発生した音を微妙に変化させて複数の鍵11の間から良好に放音させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子ピアノなどの電子鍵盤楽器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子鍵盤楽器においては、特許文献1に記載されているように、楽器本体内に複数の鍵が配列された鍵盤部を設けると共に、この鍵盤部の後方における楽器本体内にスピーカを設け、このスピーカによって鍵盤部における複数の鍵の押鍵操作に応じた楽音を鍵盤部の後部上方から楽器本体の外部に放音するように構成されたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平01−321479号公報
【0004】
この種の電子鍵盤楽器では、鍵盤部の上方を開閉自在に覆う鍵盤蓋を楽器本体内の後部上側に収納させて鍵盤部を露出させ、この状態で露出した鍵盤部における複数の鍵を押鍵操作してスピーカから楽音を放音させると、その楽音が鍵盤蓋と鍵盤部との間から楽器本体の上部前側に向けて放音されるようになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来の電子鍵盤楽器では、鍵盤蓋と鍵盤部との間に操作パネルが配置されているため、スピーカからの音を効率良く十分に放音させることができず、楽器本体内に音がこもってしまうという問題があるほか、鍵盤部における複数の鍵の押鍵操作に応じてスピーカから放音された音を微妙に変化させて各鍵の間から放音することができない。
【0006】
この発明が解決しようとする課題は、鍵盤部における複数の鍵の押鍵操作に応じてスピーカで発生した音を微妙に変化させて複数の鍵の間から良好に放音させることができる電子鍵盤楽器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、上記課題を解決するために、次のような構成要素を備えている。
請求項1に記載の発明は、楽器本体と、この楽器本体内に設けられて鍵盤シャーシ上に複数の鍵が上下方向に回転可能に取り付けられた状態で配列された鍵盤部と、この鍵盤部における前記複数の鍵の押鍵操作に応じてそれぞれスイッチ動作するスイッチ部と、このスイッチ部のスイッチ動作に応じて楽音を前記楽器本体内に放音するスピーカとを備え、前記鍵盤部における前記複数の鍵には、押鍵操作に応じて開口状態が変化する放音用の開口部がそれぞれ設けられていることを特徴とする電子鍵盤楽器である。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記開口部が、前記複数の鍵における互いに隣接して対面する側面にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子鍵盤楽器である。
【0009】
請求項3に記載の発明は、前記複数の鍵が、複数の白鍵と複数の黒鍵とを有しており、前記開口部は、前記複数の白鍵の前端面にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子鍵盤楽器である。
【0010】
請求項4に記載の発明は、前記複数の鍵が、複数の白鍵と複数の黒鍵とを有しており、前記開口部は、前記黒鍵の前端面と対面する前記白鍵の仕切面および前記黒鍵の前端面の両方にもそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電子鍵盤楽器である。
【0011】
請求項5に記載の発明は、前記スイッチ部が、前記鍵の押鍵操作時に、最初にオンする第1接点部と、この第1接点部がオンした後に時間差をおいてオンする第2接点部とを備えており、前記スピーカは、前記スイッチ部の前記第2接点部がオンした際に楽音の発音を開始し、前記第1接点部がオフになった際に楽音の発音を停止するように構成されており、前記開口部は、前記第1接点部がオン・オフする際に開口率が約50%になり、前記第2接点部がオン・オフする際に開口率がほぼ100%になることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電子鍵盤楽器である。
【0012】
請求項6に記載の発明は、前記スイッチ部が、前記鍵の押鍵操作時に、最初にオンする第1接点部と、この第1接点部がオンした後に時間差をおいてオンする第2接点部とを備えており、前記スピーカは、前記スイッチ部の前記第2接点部がオンした際に楽音の発音を開始し、前記第1接点部がオフになった際に楽音の発音を停止するように構成されており、前記開口部は、前記第1接点部がオン・オフする際に開口率が約80%になり、前記第2接点部がオン・オフする際に開口率がほぼ100%になることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電子鍵盤楽器である。
【0013】
請求項7に記載の発明は、前記スイッチ部が、前記鍵の押鍵操作時に、最初にオンする第1接点部と、この第1接点部がオンした後に時間差をおいてオンする第2接点部と、この第2接点部がオンした後に僅かな時間差をおいてオンする第3接点部とを備えており、前記スピーカは、前記スイッチ部の前記第3接点部がオンした際に前記第2接点部との時間差に応じた音質で楽音の発音を開始し、前記第1接点部がオフになった際に楽音の発音を停止するように構成されており、前記開口部は、前記第1接点部がオン・オフする際に開口率が約30%になり、前記第2接点部がオン・オフする際に開口率が約60%になり、前記第3接点部がオン・オフする際に開口率がほぼ100%になることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電子鍵盤楽器である。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、鍵盤部における複数の鍵を押鍵操作してスピーカが楽音を放音し、この放音された楽音が各鍵の開口部を通り抜ける際に、押鍵操作に応じて各鍵の開口部の開口状態が変化し、この開口部の開口状態の変化に応じて楽音を微妙に変化させることができる。このため、複数の鍵の押鍵操作に応じてスピーカで発生した音を微妙に変化させて複数の鍵の間から良好に放音させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明を適用した電子鍵盤楽器の実施形態1を示した正面図である。
【図2】図1の電子鍵盤楽器の平面図である。
【図3】図1の電子鍵盤楽器のA−A矢視における拡大断面図である。
【図4】図3の電子鍵盤楽器において鍵盤蓋を閉じた状態を示した拡大断面図である。
【図5】図3のスイッチ部を示した拡大断面図である。
【図6】図2の鍵盤部における要部を示した拡大斜視図である。
【図7】図6の鍵を示し、(a)はその白鍵を示した拡大側面図、(b)はその黒鍵を示した拡大側面図である。
【図8】図6の鍵盤部を押鍵操作した際におけるスイッチ部の各接点部のオン・オフ状態と鍵の開口部の開口率との関係を示した図である。
【図9】実施形態1の変形例において、鍵盤部を押鍵操作した際におけるスイッチ部の各接点部のオン・オフ状態と鍵の開口部の開口率との関係を示した図である。
【図10】この発明を適用した電子鍵盤楽器の実施形態2を示した拡大断面図である。
【図11】図10のスイッチ部を示した拡大断面図である。
【図12】図10の鍵盤部を押鍵操作した際におけるスイッチ部の各接点部のオン・オフ状態と鍵の開口部の開口率との関係を示した図である。
【図13】この発明を適用した電子鍵盤楽器の実施形態3において鍵盤部の要部を示した拡大斜視図である。
【図14】図13の鍵盤部を押鍵操作した際におけるスイッチ部の各接点部のオン・オフ状態と鍵の開口部の開口率との関係を示した図である。
【図15】この発明を適用した電子鍵盤楽器の実施形態4において鍵盤部の要部を示した拡大斜視図である。
【図16】図15の鍵盤部において黒鍵を押鍵操作した状態における白鍵と黒鍵とを示した拡大断面図である。
【図17】図16の白鍵を示した拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施形態1)
以下、図1〜図8を参照して、この発明を適用した電子鍵盤楽器の実施形態1について説明する。
この電子鍵盤楽器は、図1および図2に示すように、楽器本体1を備えている。この楽器本体1は、左右両側の一対の側板2と、この一対の側板2間における上端部から下側に位置する箇所に設けられた底板3と、この底板3の前端部に起立して設けられた前板4と、底板3の後端部に起立して設けられた背面板5と、この背面板5および一対の側板2の各上端部に配置された天板6と、一対の側板2間における下端部に設けられたフットペダル7とを備えている。
【0017】
この場合、一対の側板2は、図1に示すように、楽器本体1のスタンドとしての脚部を兼ねるものであり、図3に示すように、その上端部における前側(図3では左側)の半分程度が前下がりに傾斜し、その後側の半分程度が水平に形成されている。前板4は、図3に示すように、背面板5の半分程度の高さに形成されている。また、天板6は、一対の側板2の上端部における後側の水平部分と背面板5の上端部とに亘って取り付けられている。これにより、楽器本体1は、図2および図3に示すように、前側(図3では左側)の半分程度が上方に開放された構成になっている。
【0018】
この楽器本体1内における底板3上には、図1〜図4に示すように、鍵盤部8が上方に開放された前側の半分程度に位置する箇所に対応して配置されている。この鍵盤部8は、図3および図4に示すように、楽器本体1の底板3上に配置された鍵盤シャーシ10を備えている。この鍵盤シャーシ10には、上下方向に回転可能に設けられた複数の鍵11と、この複数の鍵11の押鍵操作に応じて各鍵11にそれぞれアクション荷重を付与する複数のハンマー部材12と、複数の鍵11の各押鍵操作に応じてそれぞれスイッチ信号を出力するスイッチ部13と、複数の鍵11の内側にそれぞれ光を照射する複数の発光部14とが設けられている。
【0019】
この場合、複数の鍵11は、図1〜図4に示すように、複数の白鍵11aおよび複数の黒鍵11bからなり、光透過性を有する合成樹脂によって形成され、その各後端部が鍵盤シャーシ10の後側上部(図3では右側上部)に設けられた鍵支持部10aの各軸部11aにそれぞれ上下方向に回転可能に取り付けられ、この状態で図2に示すように、音階順に多数配列された構成になっている。
【0020】
複数のハンマー部材12は、図3および図4に示すように、複数の鍵11の下側にそれぞれ対応した状態で、鍵盤シャーシ10に設けられたハンマー支持部10bの各軸部12aにそれぞれ上下方向に回転可能に取り付けられている。これにより、複数のハンマー部材12は、複数の鍵11の押鍵操作に応じてそれぞれ押し下げられる際に、各ハンマー部材12がその重量に抗して軸部12aを中心に図3において反時計回りに回転することにより、各鍵11にそれぞれアクション荷重を付与するように構成されている。
【0021】
また、この複数のハンマー部材12は、図3および図4に示すように、鍵11が押鍵操作されない初期状態のときに、ハンマー部材12の後端部が楽器本体1の底板3上に、金属製の取付板15を介して配置されたフェルトなどの下限ストッパ部16に上方から当接することにより、ハンマー部材12の下限位置が規制されるように構成されている。この場合、取付板15は、鍵盤シャーシ10の後端下に取り付けられ、鍵盤シャーシ10と共に楽器本体1内の底板3上に配置されている。
【0022】
スイッチ部13は、図3〜図5に示すように、スイッチ基板17上にゴムシート18を配置した構成になっている。この場合、ゴムシート18には、ドーム状の膨出部18aが鍵11のスイッチ押圧部19にそれぞれ対応して形成されている。このドーム状の膨出部18aは、スイッチ押圧部19によって押圧された際に、弾性変形してスイッチ信号を出力するように構成されている。
【0023】
すなわち、このドーム状の膨出部18aは、第1、第2の各接点部13a、13bを備えている。第1接点部13aは、図5に示すように、ドーム状の膨出部18a内に設けられた第1可動接点18bと、スイッチ基板17上に設けられて第1可動接点18bが接離可能に接触する第1固定接点18cとを備えている。第2接点部13bは、第1接点部13aと同様、ドーム状の膨出部18a内に設けられた第2可動接点18dと、スイッチ基板17上に設けられて第2可動接点18dが接離可能に接触する第2固定接点18eとを備えている。
【0024】
この場合、第1接点部13aは、図5に示すように、第1可動接点18bと第1固定接点18cとの間隔が、第2接点部13bにおける第2可動接点18dと第2固定接点18eとの間隔よりも短く設定されている。これにより、第1接点部13aは、鍵11が押鍵操作された際に、第2接点部13bよりも早くオン動作するように構成されている。
【0025】
また、第2接点部13bは、第2可動接点18dと第2固定接点18eとの間隔が、第1接点部13aにおける第1可動接点18bと第1固定接点18cとの間隔よりも長く設定されている。これにより、第2接点部13bは、鍵11が押鍵操作された際に、第1接点部13aよりも遅くオン動作するように構成されている。
【0026】
これにより、スイッチ部13は、鍵11が押鍵操作された際に、第1接点部13aが最初にオンし、この後、時間差をおいて第2接点部13bがオンするように構成されている。また、このスイッチ部13は、鍵11が押鍵操作された後に初期位置に復帰する際に、まず、第2接点部13bがオフし、この後、時間差をおいて第1接点部13aがオフするように構成されている。
【0027】
複数の発光部14は、それぞれ発光ダイオード(LED)などの発光素子からなり、図3および図4に示すように、鍵盤シャーシ10上に複数の鍵11である各白鍵11aおよび各黒鍵11bの各前部側にそれぞれ対応して設けられている。この場合、白鍵11aに対応する発光部14は、鍵盤シャーシ10の前側上部に設けられて、白鍵11aの前側内部に光を照射するように構成されている。
【0028】
また、黒鍵11bに対応する発光部14は、鍵盤シャーシ10の中間部における上部に設けられて、黒鍵11bの前側内部に光を照射するように構成されている。これにより、複数の発光部14は、発光した光がそれぞれ各鍵11の前側内部に照射され、その照射された光が各鍵11を透過することにより、押鍵操作に応じて各鍵11の前部側をそれぞれ光らせるように構成されている。
【0029】
ところで、この楽器本体1には、図3および図4に示すように、鍵盤部8の上側を開閉自在に覆う鍵盤蓋20がスライド可能に設けられている。この鍵盤蓋20は、鍵盤部8を操作しないときに、図4に示すように、鍵盤部8の上方に配置されて鍵盤部8を覆い、鍵盤部8を操作するときに、図3に示すように、楽器本体1内の後部側(図3では右側)に収納されて鍵盤部8を露出させるように構成されている。
【0030】
すなわち、この鍵盤蓋20は、前蓋20aと後蓋20bとに分割され、この分割された前蓋20aと後蓋20bとが連結部21によって上下方向に回転可能に連結された構成になっている。この場合、前蓋20aの前端部(図3では左端部)には、図3および図4に示すように、前側ガイド軸22が設けられていると共に、鍵盤蓋20を開閉するための取手部23が設けられている。また、後蓋20bの後端部(図3では右端部)には、後側ガイド軸24が設けられており、この後側ガイド軸24には、ピニオンギア25が回転自在に取り付けられている。
【0031】
また、楽器本体1における一対の側板2の内面における前側上部(図3では左側上部)には、図3および図4に示すように、鍵盤蓋20の前蓋20aに設けられた前側ガイド軸22をスライド可能にガイドする前側ガイド部26が設けられている。この前側ガイド部26は、一対の側板2の内面に前後方向(図3では左右方向)に沿って設けられた溝部である。
【0032】
さらに、この楽器本体1における一対の側板2の内面における後部上側(図3では右上側)には、図3および図4に示すように、鍵盤蓋20の後蓋20bに設けられた後側ガイド軸24をスライド可能にガイドする後側ガイド部27が後部下がり(図3では右下がり)に円弧状に湾曲した状態で傾斜して設けられている。この後側ガイド部27には、ピニオンギア25が噛み合って転動するラックギア28が後側ガイド部27に沿って設けられている。
【0033】
これにより、鍵盤蓋20は、図4に示すように、取手部23を楽器本体1の前側(図4では左側)に移動させて、前側ガイド軸22を前側ガイド部26の前端部に位置させると、後側ガイド軸24が後側ガイド部27の前側上部に位置すると共に、ピニオンギア25がラックギア28の前側上部に位置する。これにより、鍵盤蓋20は、前蓋20aと後蓋20bとが前下がりに傾斜した状態で、鍵盤部8の上側を覆うように構成されている。
【0034】
また、この鍵盤蓋20は、図3および図4に示すように、取手部23を持ち上げながら楽器本体1の後側(図4では右側)に移動させると、前側ガイド軸22が前側ガイド部26に沿って後方に移動すると共に、後側ガイド軸24が後側ガイド部27に沿って後方に移動しながらピニオンギア25がラックギア28に噛み合って後方に向けて転動するように構成されている。
【0035】
このときに、鍵盤部20は、ピニオンギア25がラックギア28に沿って斜め下側に移動すると共に、後側ガイド軸24が後側ガイド部27に沿って斜め下側に移動することにより、後蓋20bが前蓋20aに対して連結部21を中心に徐々に折れ曲がりながら斜め後側下部(図4では右側下部)に向けて移動するように構成されている。
【0036】
また、この鍵盤蓋20は、図3に示すように、後側ガイド軸24が後側ガイド部27の後端下部(図3では右端下部)に位置し、ピニオンギア25がラックギア28の後端下部に位置すると、後蓋20bが楽器本体1内における鍵盤部8の後方に起立して配置されるように構成されている。
【0037】
このときに、鍵盤蓋20は、図3に示すように、前蓋20aの前側ガイド軸22が前側ガイド部26の後端部(図3では右端部)に位置し、この状態で前蓋20aの前部が前側ガイド軸22によって保持され、前蓋20aの後部が後蓋20bの前端部(図3では上端部)によって保持されることにより、前蓋20aが天板6の下側にこれとほぼ平行な状態で配置されて、鍵盤部8を上方に露出させるように構成されている。
【0038】
ところで、この楽器本体1における底板3の下部両側には、図1に示すように、スピーカ部30がそれぞれ設けられている。このスピーカ部30は、図3および図4に示すように、楽器本体1の底板3に設けられた放音口33を囲うスピーカボックス31と、このスピーカボックス31内に配置されたスピーカ32とを備えている。
【0039】
スピーカボックス31は、図3〜図5に示すように、その上面側が上方に開放された箱状に形成されている。この場合、スピーカボックス31の前面(図3では左面)は、斜め上側に向けて傾斜しており、このスピーカボックス31の外面には、上下方向に細長いスリット状の多数の放音孔31aが設けられている。そして、このスピーカボックス31は、楽器本体1の底板3に設けられた放音口33を囲った状態で、底板3の下面に取り付けられている。
【0040】
スピーカ32は、図1、図3および図4に示すように、音を発生するバッフル面側(図3では上面側)を上に向けた状態で、底板3の下面両側にそれぞれ防塵ネット部材34を介して取り付けられている。これにより、スピーカ32は、発音した音のほとんどが底板3の放音口33を通して楽器本体1の内部に放音されると共に、残りの音がスピーカボックス31の各放音孔31aから底板3の下側に放音されるように構成されている。
【0041】
この場合、底板3の放音口33は、図3および図4に示すように、楽器本体1の内部と外部とに開放された貫通孔であり、底板3の両側にそれぞれ設けられている。この放音口33には、図3および図4に示すように、その上側にハンマー部材12の下限ストッパ部16を配置するためのリブ33aがそれぞれ鍵11の配列方向に沿って設けられている。
【0042】
防塵ネット部材34は、金属板に多数の小孔をパンチングによって形成した防塵機能を有するパンチネットであり、強度の高い板状に形成され、底板3の放音口33を覆った状態で、底板3の下面両側にそれぞれ取り付けられている。これにより、防塵ネット部材34は、ゴミなどの異物がスピーカ32内に侵入するのを防ぐ防塵機能を備えているほか、放音口33が設けられた箇所の底板3およびリブ33aの強度を補強する補強機能をも兼ね備えた構成になっている。
【0043】
一方、鍵盤部8における複数の鍵11には、図6および図7に示すように、押鍵操作に応じて開口状態が変化する複数の開口部35がそれぞれ設けられている。この複数の開口部35は、複数の鍵11における互いに隣接して対面する各側面にそれぞれ設けられている。すなわち、複数の開口部35は、図6および図7に示すように、白鍵11aと黒鍵11bとが対面する白鍵11aと黒鍵11bとの各側面の箇所、および白鍵11a同士が対面する白鍵11aの各側面の箇所にそれぞれ設けられている。
【0044】
この場合、白鍵11aと黒鍵11bとが対面する白鍵11aと黒鍵11bとにおける各側面の箇所のうち、白鍵11aの側面に設けられた開口部35は、図7(a)に示すように、隣接する黒鍵11bが押鍵されていない初期状態で、隣接する黒鍵11bの側面によって隠されることにより、塞がれた状態になるように構成されている。また、この白鍵11aの側面に設けられた開口部35は、図7(a)に示すように、隣接する黒鍵11bが押鍵されると、徐々に開口量が多くなり、隣接する黒鍵11bが最も深く押されたときに開口量が最大になるように形成されている。
【0045】
また、白鍵11aと黒鍵11bとが対面する白鍵11aと黒鍵11bとにおける各側面の箇所のうち、黒鍵11bの側面に設けられた開口部35は、図6および図7(b)に示すように、隣接する白鍵11aが押鍵されていない初期状態で、隣接する白鍵11aの側面によって隠されることにより、塞がれた状態になるように構成されている。また、この黒鍵11bの側面に設けられた開口部35は、図6および図7(b)に示すように、隣接する白鍵11aが押鍵されると、徐々に開口量が多くなり、隣接する白鍵11aが最も深く押されたときに開口量が最大になるように形成されている。
【0046】
また、白鍵11a同士が対面する白鍵11aの各側面に設けられた各開口部35は、図6および図7(a)に示すように、隣接する白鍵11aが押鍵されていない初期状態で、隣接する白鍵11aの側面によって隠されることにより、塞がれた状態になるように構成されている。また、この白鍵11aの側面に設けられた開口部35は、図6および図7(a)に示すように、隣接する白鍵11aが押鍵されると、徐々に開口量が多くなり、隣接する白鍵11aが最も深く押されたときに開口量が最大になるように形成されている。
【0047】
この場合、複数の鍵11における互いに隣接して対面する各側面に設けられた開口部35は、押鍵操作時に開口部35が露出しても、開口部35が外部から見えないように隠すための、不織布などの音を通すシート(図示せず)が各鍵11の側面にそれぞれ貼り付けられた構成にしても良い。
【0048】
また、複数の鍵11における互いに隣接して対面する各側面に設けられた開口部35は、図8に示すように、鍵11が押鍵操作されてスイッチ部13の第1接点部13aがオンした際に開口率が約50%になり、第1接点部13aがオンした後に時間差をおいて第2接点部13bがオンした際に開口率がほぼ100%になるように構成されている。この場合、各開口部35は、その上下方向の長さや前後方向の長さである幅が、スピーカ32の性能および楽器本体1内の内部音響に応じて調整された状態で形成されている。
【0049】
スイッチ部13は、鍵11が押鍵操作されて第1接点部13aが最初にオンした後に、時間差をおいて第2接点部13bがオンすると、その時間差に応じた音量および音質で、スピーカ32からの楽音の発音を開始させ、この後、鍵11が初期位置に向けて復帰する際に、第2接点部13bがオフになった後に、時間差をおいて第1接点部13aがオフになると、スピーカ32からの楽音の発音を停止させるように構成されている。
【0050】
このため、複数の鍵11における互いに隣接して対面する各側面に設けられた開口部35は、図8に示すように、鍵11が押鍵操作されて第1接点部13aが最初にオンした際に、開口率が約50%になり、この後、時間差をおいて第2接点部13bがオンしてスピーカ32からの楽音の発音が開始される際に、開口率がほぼ100%になるように構成されている。
【0051】
また、複数の鍵11における互いに隣接して対面する各側面に設けられた開口部35は、鍵11が押鍵された後に初期位置に向けて復帰する際に、第2接点部13bがオフになっても、開口率がほぼ100%に保たれ、この後、時間差をおいて第1接点部13aがオフになる間では、開口率が徐々に下がり、第1接点部13aがオフになり、スピーカ32からの楽音の発音が停止される際に、開口率が約50%になるように構成されている。
【0052】
次に、この電子鍵盤楽器を使用する場合について説明する。
まず、図4に示すように、鍵盤部8の上側を覆っている鍵盤蓋20を図3に示すように、開いて鍵盤部8を露出させる。このときには、前蓋20aの前端部に設けられた取手部23を持ち上げながら楽器本体1の後側(図4では右側)に移動させる。すると、前側ガイド軸22が前側ガイド部26に沿って後方に移動すると共に、後側ガイド軸24が後側ガイド部27に沿って後方に移動しながらピニオンギア25がラックギア28に噛み合って後方に向けて転動する。
【0053】
そして、図3に示すように、後側ガイド軸24が後側ガイド部27の後端下部(図3では右端下側)に位置して保持されると共に、ピニオンギア25がラックギア28の後端下部に位置して保持されると、後蓋20bが楽器本体1内における鍵盤部8の後方に起立する。また、前蓋20aは、図3に示すように、その前部が前側ガイド軸22によって保持され、前蓋20aの後部が後蓋20bの前端部(図3では上端部)によって保持された状態で、前蓋20aが天板6の下側に接近してほぼ平行に配置される。これにより、鍵盤蓋20がほぼ直角に折り曲げられた状態で楽器本体1内の後部側に収納されて、鍵盤部8を楽器本体1の前側上部に露出させる。
【0054】
この状態で、鍵盤部8を押鍵操作して演奏を行うと、その押鍵操作に応じてスピーカ32が演奏音を放音する。このときには、スピーカ32で発音された演奏音のほとんどが、楽器本体1の底板3に設けられた放音口33から楽器本体1の内部に放音され、この放音された演奏音が鍵盤部8側から楽器本体1の前側外部に向けて放音される。
【0055】
この場合、楽器本体1内に放音された演奏音は、そのほとんどが鍵盤部8の鍵盤シャーシ10内を通り、鍵盤部8における複数の鍵11の各隙間を通り抜けて、鍵盤部8の斜め前側上方に向けて放音される。このときには、鍵盤部8における複数の鍵11が押鍵操作されて第1接点部13aが最初にオンする際に、鍵11に設けられた開口部35の開口率が約50%になり、この後、時間差をおいて第2接点部13bがオンしてスピーカ32からの楽音の発音を開始させる際に、開口部35の開口率がほぼ100%になる。
【0056】
このため、鍵盤部8における複数の鍵11の各隙間を通り抜ける演奏音は、押鍵された鍵11に隣接する鍵11の開口部35がほぼ100%の開口率であることにより、押鍵された鍵11に隣接する鍵11の開口部35から鍵盤部8の斜め前側上方に向けて明るい音で良好に放音される。この状態で、鍵11が更に押された後に初期位置に向けて復帰する際に、第2接点部13bがオフになっても、開口率がほぼ100%に保たれているので、演奏音が鍵盤部8の斜め前側上方に向けて良好に放音される。
【0057】
この後、第2接点部13bがオフになり、時間差をおいて第1接点部13aがオフになり、スピーカ32からの演奏音の発音が停止されるまでの間は、開口部35の開口率が徐々に下がり、第2接点部13bがオフになると、開口部35の開口率が約50%になる。このときには、開口部35の開口率が100%〜50%の間で変化するので、この開口部35の開口率の変化によって楽音の音量および音質をコントロールすることができる。このため、開口部35の開口率の変化に応じて演奏音の音色を微妙に変化させることができると共に、スピーカ32で発音された演奏音よりも、演奏者の押鍵操作に応じた音量および音質の演奏音を忠実に再現することができる。
【0058】
なお、楽器本体1内にスピーカ32で放音された演奏音のうち、鍵盤部8の鍵盤シャーシ10内を通り、複数の鍵11の間を通り抜けない残りの演奏音は、楽器本体1内の後部側に収納されてほぼ直角に折り曲げられた鍵盤蓋20によって反射されて鍵盤部8の上方から楽器本体1の前側に向けて放音されると共に、鍵盤蓋20と楽器本体1の背面板5および天板6との間の隙間6を通り抜けて鍵盤部8の上方から楽器本体1の前側に向けて放音される。
【0059】
また、スピーカ32で発音されて楽器本体1内に放音されない残りの演奏音は、スピーカボックス31の各放音孔31aから楽器本体1の底板3の下側に向けて放音されることにより、演奏者にその足元から回り込んで聞こえることになる。これにより、スピーカ32で発音された演奏音は、楽器本体1の鍵盤部8側から楽器本体1の前側に放音された演奏音と、楽器本体1の底板3の下側に放音された演奏音との両方によって、楽器全体から放音されているように、演奏者に聞こえる。
【0060】
このように、この電子鍵盤楽器によれば、楽器本体1と、楽器本体1内に設けられて鍵盤シャーシ10上に複数の鍵11が上下方向に回転可能に取り付けられた状態で配列された鍵盤部8と、この鍵盤部8における複数の鍵11の押鍵操作に応じてそれぞれスイッチ動作するスイッチ部13と、このスイッチ部13のスイッチ動作に応じて楽音を楽器本体1内に放音するスピーカ32とを備え、鍵盤部8における複数の鍵11に、押鍵操作に応じて開口状態が変化する放音用の開口部35を設けた構成であるから、複数の鍵11の押鍵操作に応じてスピーカ32で発生した音を微妙に変化させて複数の鍵11の間から良好に放音させることができる。
【0061】
すなわち、この電子鍵盤楽器によれば、鍵盤部8における複数の鍵11を押鍵操作してスピーカ32が楽音を楽器本体1内に放音し、そのほとんどの楽音が鍵盤部8の鍵盤シャーシ10内を通り、鍵盤部8における複数の鍵11の各開口部35を通り抜けて各鍵11の間から放音される際に、押鍵操作に応じて鍵11の開口部35の開口量が変化するので、各鍵11の開口部35における開口状態の変化に応じて、楽音を微妙に変化させることができる。このため、複数の鍵11の押鍵操作に応じてスピーカ32で発生した音を微妙に変化させて複数の鍵11の間から演奏者に向けて良好に放音させることができる。
【0062】
この場合、開口部35は、複数の鍵11における互いに隣接して対面する側面にそれぞれ設けられているので、隣接する鍵11が押鍵されていない初期状態では、隣接する鍵11の側面によって開口部35を隠すことができ、これにより外観的に好ましいものを得ることができる。また、鍵11を押鍵した際には、これに隣接する鍵11の開口部35を露呈させることができると共に、その露呈した開口部35の開口量を押鍵操作に応じて変化させることができるので、開口部35を通り抜ける楽音の音量および音質のコントロールが可能になり、楽音の音色を微妙に変化させることができると共に、スピーカ32で発音された楽音よりも、演奏者による押鍵操作に応じた音量および音質の楽音を忠実に再現することができる。
【0063】
また、スイッチ部13は、鍵11が押鍵操作された際に、最初にオンする第1接点部13aと、この第1接点部13aがオンした後に時間差をおいてオンする第2接点部13bとを備えており、スピーカ32は、スイッチ部13の第2接点部13bがオンした際に楽音の発音を開始し、第1接点部13aがオフになった際に楽音の発音を停止するように構成されており、開口部35は、第1接点部13aがオンする際に開口率が約50%になり、第2接点部13bがオンする際に開口率がほぼ100%になるので、開口率がほぼ100%と開口率が約50%との間で開口率を変化させることができるので、熟練者が演奏する際に、スピーカ32から放音された楽音の音色を微妙に変化させることができる。
【0064】
すなわち、鍵盤部8における複数の鍵11は、押鍵操作されて第1接点部13aが最初にオンした際に、鍵11に設けられた開口部35の開口率が約50%になり、この後、時間差をおいて第2接点部13bがオンしてスピーカ32からの楽音の発音が開始される際に、開口部35の開口率がほぼ100%になるので、鍵盤部8における複数の鍵11の各開口部35を通り抜ける演奏音が、押鍵された鍵11に隣接する鍵11の開口部35から鍵盤部8の斜め前側上方に向けて明るい音で良好に放音することができる。
【0065】
この状態で、鍵11が更に押された後に初期位置に向けて復帰する際に、第2接点部13bがオフになっても、開口率がほぼ100%に保たれているので、演奏音を鍵盤部8の斜め前側上方に向けて良好に放音することができる。この後、第2接点部13bがオフになり、時間差をおいて第1接点部13aがオフになり、スピーカ32からの演奏音の発音が停止されるまでの間は、開口部35の開口率が徐々に下がり、第2接点部13bがオフになると、開口部35の開口率が約50%になる。
【0066】
このため、開口部35の開口率を100%〜50%の間で変化させることができるので、この開口部35の開口量の変化に応じて開口部35を通り抜ける楽音の音量および音質のコントロールが可能になる。これにより、熟練者が演奏する際に、スピーカ32で発音された楽音の音色を微妙に変化させることができるので、スピーカ32で発音された楽音よりも、演奏者による押鍵操作に応じた音量および音質の楽音を忠実に再現することができ、これにより演奏の表現力を向上させることができる。
【0067】
なお、上述した実施形態1では、開口部35の開口率をスイッチ部13の第1接点部13aがオンした際に約50%にし、第2接点部13bがオンした際にほぼ100%になるように構成した場合について述べたが、これに限らず、例えば図9に示す変形例のように、スイッチ部13の第1接点部13aがオンした際に開口率が約80%になり、第2接点部13bがオンした際に開口率がほぼ100%になるように構成しても良い。
【0068】
このように構成すれば、鍵11が押鍵操作されて、スイッチ部13の第1接点部13aがオンした際に、開口部35の開口率が約80%になり、第2接点部13bがオンした際に開口率がほぼ100%になることにより、開口率がほぼ100%と開口率が約80%との間で開口率を変化させることができ、その変化量を少なくすることができる。これにより、演奏者が演奏する際に、スピーカ32から放音された楽音の音色の変化を小さく抑えることができるので、初心者でも良好に演奏することができる。
【0069】
(実施形態2)
次に、図10〜図12を参照して、この発明を適用した電子鍵盤楽器の実施形態2について説明する。なお、図1〜図8に示された実施形態1と同一部分には同一符号を付して説明する。
この電子鍵盤楽器は、図10および図11に示すように、スイッチ部40が実施形態1と異なる構成であり、これ以外は実施形態1とほぼ同じ構成になっている。
【0070】
すなわち、スイッチ部40は、図10および図11に示すように、鍵11が押鍵操作された際に、鍵11によってスイッチ動作する第1スイッチ41と、鍵11の押鍵操作に伴って回転するハンマー部材12によってスイッチ動作する第2スイッチ42とを備えている。このスイッチ部40は、鍵11が押鍵操作された際に、最初に第1スイッチ41が鍵11によってオンし、この第1スイッチ41がオンした後に、時間差をおいて第2スイッチ42がハンマー部材12によってオンするように構成されている。
【0071】
第1スイッチ41は、図11に示すように、スイッチ基板17上にゴムシート43を設けた構成になっている。この場合、ゴムシート43には、ドーム状の膨出部44が鍵11のスイッチ押圧部19にそれぞれ対応して形成されている。このドーム状の膨出部44は、第1接点部40aを備え、スイッチ押圧部19によって押圧された際に、弾性変形して第1接点部40aをオンさせるように構成されている。すなわち、この第1接点部40aは、図11に示すように、ドーム状の膨出部44内に設けられた第1可動接点44aと、スイッチ基板17上に設けられて第1可動接点44aが接離可能に接触する第1固定接点44bとを備えている。
【0072】
また、第2スイッチ部42は、図11に示すように、スイッチ基板17の下面にゴムシート45を配置した構成になっている。この場合、ゴムシート45には、ドーム状の膨出部46がハンマー部材12のスイッチ押圧部47にそれぞれ対応して形成されている。このドーム状の膨出部46は、第2、第3の各接点部40b、40cを備え、ハンマー部材12のスイッチ押圧部47によって押圧された際に、弾性変形して第2、第3の各接点部40b、40cを順次オンさせるように構成されている。
【0073】
すなわち、第2接点部40bは、図11に示すように、ドーム状の膨出部46内に設けられた第2可動接点46aと、スイッチ基板17の下面に設けられて第2可動接点46aが接離可能に接触する第2固定接点46bとを備えている。第3接点部40cは、第2接点部40bと同様、ドーム状の膨出部46内に設けられた第3可動接点46cと、スイッチ基板17の下面に設けられて第3可動接点46cが接離可能に接触する第3固定接点46dとを備えている。
【0074】
この場合、第2接点部40bは、図11に示すように、第2可動接点45aと第2固定接点46bとの間隔が、第3接点部40cにおける第3可動接点46cと第3固定接点46dとの間隔よりも短く設定されている。この第2接点部40bは、第3接点部40cよりも早くオン動作するように構成されている。
【0075】
また、第3接点部40cは、第3可動接点46cと第3固定接点46dとの間隔が、第2接点部40bにおける第2可動接点46aと第2固定接点46bとの間隔よりも長く設定されている。この第3接点部40cは、第2接点部40bよりも遅くオン動作するように構成されている。従って、第2スイッチ42は、鍵11の押鍵操作に伴ってハンマー部材12が回転してスイッチ押圧部47によって押圧された際に、まず、第2接点部40bがオンし、この後、僅かな時間差をおいて第3接点部40cがオンするように構成されている。
【0076】
これにより、スイッチ部40は、鍵11が押鍵操作されると、最初に第1スイッチ41が鍵11のスイッチ押圧部19によって押されて第1接点部40aがオンし、この第1接点部40aがオンした後に、鍵11の押鍵操作に伴って回転するハンマー部材12のスイッチ押圧部47によって第2スイッチ42が押されて、まず、第2スイッチ42の第2接点部40bがオンした後に、僅かな時間差をおいて第2スイッチ42の第3接点部40cがオンするように構成されている。
【0077】
また、このスイッチ部40は、鍵11が押鍵操作されて第1接点部40aが鍵11のスイッチ押圧部19によって最初にオンし、この後、鍵11の押鍵操作に伴って回転するハンマー部材12のスイッチ押圧部47によって第2接点部40bがオンした後、僅かな時間差をおいて第3接点部40cがオンすると、第2接点部40bと第3接点部40cとの時間差に応じた音量および音質で、スピーカ32から楽音の発音を開始させるように構成されている。
【0078】
さらに、このスイッチ部40は、押鍵された鍵11が初期位置に向けて復帰する際に、ハンマー部材12のスイッチ押圧部47が第2スイッチ42から離れて、第3接点部40cおよび第2接点部40bがその順で順次オフした後に、鍵11のスイッチ押圧部19が第1スイッチ41から離れて、第1接点部40aがオフになると、スピーカ32からの楽音の発音を停止させるように構成されている。
【0079】
このため、複数の鍵11における互いに隣接して対面する各側面に設けられた開口部35は、図12に示すように、鍵11が押鍵操作されて第1接点部40aが最初にオンした際に、開口率が約30%になり、この後、第2接点部40bがオンした際に、開口率が約60%になり、更にこの後、僅かな時間差をおいて第3接点部40cがオンしてスピーカ32からの楽音の発音が開始される際に、開口率がほぼ100%になるように構成されている。
【0080】
また、複数の鍵11における互いに隣接して対面する各側面に設けられた開口部35は、第3接点部40cがオンしてスピーカ32からの楽音の発音が開始された後に、鍵11が初期位置に向けて復帰する際に、上述した場合とは逆に、第3接点部40cがオフになると、開口率がほぼ100%から徐々に下がり始め、第2接点部40bがオフになると、開口率が60%に下がり、更に第1接点部40aがオフになり、スピーカ32からの楽音の発音が停止される際に、開口率が約30%になるように構成されている。
【0081】
このような電子鍵盤楽器によれば、実施形態1と同様の作用効果があるほか、スイッチ部40が、鍵11の押鍵操作時に、最初にオンする第1接点部40aと、この第1接点部40aがオンした後にオンする第2接点部40bと、この第2接点部40bがオンした後に僅かな時間差をおいてオンする第3接点部40cとを備えており、スピーカ32は、スイッチ部40の第3接点部40cがオンした際に第2接点部40bとの時間差に応じた音量および音質で楽音の発音を開始し、第1接点部40aがオフになった際に楽音の発音を停止する構成であり、開口部35は、第1接点部40aがオンした際に開口率が約30%になり、第2接点部40bがオンした際に開口率が約60%になり、第3接点部40cがオンした際に開口率がほぼ100%になることにより、熟練者が演奏する際に、スピーカ32から放音された楽音の音色を極めて微妙に変化させることができる。
【0082】
すなわち、複数の鍵11における互いに隣接して対面する各側面に設けられた開口部35は、図12に示すように、鍵11が押鍵操作されて第1接点部40aが最初にオンした際に、開口率が約30%になり、この後、第2接点部40bがオンした際に、開口率が約60%になり、この後、僅かな時間差をおいて第3接点部40cがオンしてスピーカ32からの楽音の発音が開始される際に、開口率がほぼ100%になるので、実施形態1と同様、鍵盤部8における複数の鍵11の各開口部35を通り抜ける演奏音が、押鍵された鍵11に隣接する鍵11の開口部35から鍵盤部8の斜め前側上方に向けて明るい音で良好に放音することができる。
【0083】
この状態で、鍵11が更に押された後に初期位置に向けて復帰する際に、第3接点部40cがオフになると、開口率がほぼ100%から徐々に下がり始め、第2接点部40bがオフになると、開口率が60%に下がり、更に第1接点部40aがオフになり、スピーカ32からの演奏音の発音が停止されるまでの間は、開口部35の開口率が徐々に下がり、第1接点部40aがオフになると、開口部35の開口率が約30%になるので、開口率を100%と30%との間で大きく変化させることができ、これにより熟練者が演奏する際に、開口部35を通り抜ける楽音の音量および音質をコントールする範囲が広くなるので、スピーカ32で発音された楽音の音色を極めて微妙に変化させることができ、このため実施形態1よりも更に表現力を向上させることができる。
【0084】
(実施形態3)
次に、図13および図14を参照して、この発明を適用した電子鍵盤楽器の実施形態3について説明する。この場合には、図10〜図12に示された実施形態2と同一部分に同一符号を付して説明する。
この電子鍵盤楽器は、図13に示すように、鍵盤部8における複数の鍵11のうち、白鍵11aの前端面にも開口部35aを設けた構成であり、これ以外は実施形態2とほぼ同じ構成になっている。
【0085】
すなわち、白鍵11aの前端面は、図13に示すように、白鍵11aが押鍵されていない初期状態の際に、楽器本体1の前板4の上方に露呈し、白鍵11aが押鍵される際に楽器本体1の前板4の後側に徐々に隠れるように構成されている。このため、白鍵11aの前端面に設けられた開口部35aは、白鍵11aが押鍵されていない初期状態の際に、開口率がほぼ100%になるように構成されている。
【0086】
また、白鍵11aの前端面に設けられた開口部35aは、白鍵11aが押鍵されると、その押鍵操作に伴って楽器本体1の前板4の後側に徐々に隠れて塞がれるため、開口率が徐々に下がってほぼ0%になるように構成されている。この場合にも、白鍵11aの前端面に設けられた開口部35aは、その上下方向の長さや前後方向の長さである幅が、スピーカ32の性能および楽器本体1内の内部音響に応じて調整された状態で形成されている。
【0087】
スイッチ部40は、実施形態2と同様、鍵11が押鍵操作された際に、鍵11によってスイッチ動作する第1スイッチ41と、鍵11の押鍵操作に伴って回転するハンマー部材12によってスイッチ動作する第2スイッチ42とを備えている。すなわち、このスイッチ部40は、鍵11が押鍵操作された際に、最初に第1スイッチ41が鍵11によってオンし、この第1スイッチ41がオンした後に、時間差をおいて第2スイッチ42がハンマー部材12によってオンするように構成されている。
【0088】
これにより、このスイッチ部40は、実施形態2と同様、鍵11が押鍵操作されて第1接点部40aが鍵11のスイッチ押圧部19によって最初にオンし、この後、鍵11の押鍵操作に伴って回転するハンマー部材12のスイッチ押圧部47によって第2接点部40bがオンした後、僅かな時間差をおいて第3接点部40cがオンすると、スピーカ32からの楽音の発音を開始させ、この後、鍵11が初期位置に向けて復帰する際に、第3接点部40cおよび第2接点部40bがその順で順次オフした後に、第1接点部40aがオフになると、スピーカ32からの楽音の発音を停止させるように構成されている。
【0089】
この場合、複数の鍵11における白鍵11aの前端面に設けられた開口部35aは、図14に示すように、白鍵11aが押鍵されていない初期状態の際に、開口率がほぼ100%になり、鍵11が押鍵操作されて第1接点部40aがオンした際に、開口率が約50%になり、この後、第2接点部40bがオンするまでは、開口率が徐々に下がり、第2接点部40bがオンした際に、開口率がほぼ0%になるように構成されている。
【0090】
このため、白鍵11aの前端面に設けられた開口部35aは、第3接点部40cがオンしてスピーカ32からの楽音の発音が開始された後に、白鍵11aが初期位置に向けて復帰して、第3接点部40cと第2接点部40bとがオフになるまでは、開口率がほぼ0%を維持し、第2接点部40bがオフになると、開口率が徐々に上昇し、第1接点部40aがオフになってスピーカ32からの楽音の発音が停止される際に、開口率が約50%になり、白鍵11aが初期位置に復帰した際に、開口率がほぼ100%になるように構成されている。
【0091】
このような電子鍵盤楽器によれば、実施形態2と同様の作用効果があるほか、スイッチ部40が、鍵11の押鍵操作時に最初にオンする第1接点部40aと、この第1接点部40aがオンした後にオンする第2接点部40bと、この第2接点部40bがオンした後に僅かな時間差をおいてオンする第3接点部40cとを備えており、白鍵11aの前端面に設けられた開口部35aは、白鍵11aが押鍵されていない初期状態で、開口率がほぼ100%を維持し、白鍵11aが押鍵されて第1接点部40aがオンするまでは、開口率が徐々に下がって約50%になり、この後、第2接点部40bがオンすると、開口率がほぼ0%になることにより、熟練者が演奏する際に、スピーカ32から発音された楽音の音色を複雑に且つ微妙に変化させることができる。
【0092】
すなわち、複数の鍵11における互いに隣接して対面する各側面に設けられた開口部35は、図14に示すように、鍵11が押鍵操作されて第2接点部40bがオンするまでは、開口率が徐々に上がって約60%になると共に、白鍵11aの前端面に設けられた開口部35aは、第2接点部40bがオンするまで、開口率が100%から徐々に下がってほぼ0%になるため、鍵11の側面に設けられた開口部35と、白鍵11aの前端面に設けられた開口部35aとの両者の開口率は、相互に打消し合うように変化する。
【0093】
また、第2接点部40bがオンした後は、鍵11の側面に設けられた開口部35と、白鍵11aの前端面に設けられた開口部35aとの両者の開口率が、鍵11の側面に設けられた開口部35の開口率の変化のみに依存する。そして、第2接点部40bがオンしてから僅かな時間差をおいて第3接点部40cがオンすると、スピーカ32からの楽音の発音が開始される。
【0094】
このときには、鍵11の側面に設けられた開口部35の開口率が約60%からほぼ100%になるので、鍵盤部8における複数の鍵11の各開口部35、35aを通り抜ける演奏音は、押鍵された鍵11に隣接する鍵11の側面に設けられた開口部35と、押鍵されていない白鍵11aの前端面に設けられた開口部35aとによって、鍵盤部8の斜め前側上方に向けて明るい音で良好に放音することができる。
【0095】
この状態で、鍵11が更に押された後に初期位置に向けて復帰する際に、第3接点部40cがオフになると、鍵11の側面に設けられた開口部35の開口率がほぼ100%から徐々に下がり、第2接点部40bがオフになると、開口率が60%に下がると共に、白鍵11aの前端面に設けられた開口部35aの開口率はほぼ0%を維持しているので、鍵11の側面に設けられた開口部35の開口率の変化のみに依存し、この開口率の変化によって実施形態2と同様にスピーカ32からの演奏音の音色を微妙に変化させることができる。
【0096】
この後、第1接点部40aがオフになり、スピーカ32による演奏音の発音が停止されるまでは、鍵11の側面に設けられた開口部35の開口率が約60%から約30%に下がると共に、白鍵11aの前端面に設けられた開口部35aの開口率がほぼ0%からほぼ50%に上がる。
【0097】
このため、鍵11の側面に設けられた開口部35と、白鍵11aの前端面に設けられた開口部35aとの両者の開口率は、その両者の開口量が打消し合うように変化するので、スピーカ32からの演奏音の音色を複雑に且つ微妙に変化させることができる。例えば、同じ鍵11を連続して押鍵操作する連打の際に、衝撃音が短時間に重なって楽音が聞きづらくなるのを防ぐことができる。
【0098】
(実施形態4)
次に、図15〜図17を参照して、この発明を適用した電子鍵盤楽器の実施形態4について説明する。この場合には、図1〜図8に示された実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明する。
この電子鍵盤楽器は、図16に示すように、鍵盤部8における複数の鍵11のうち、黒鍵11bの前端面が対面する白鍵11aの仕切面50および黒鍵11bの前端面の両方にも開口部35b、35cをそれぞれ設けた構成であり、これ以外は実施形態1とほぼ同じ構成になっている。
【0099】
すなわち、黒鍵11bの前端面に設けられた開口部35cは、図15および図16に示すように、隣接する白鍵11aが押鍵されていない初期状態で、隣接する白鍵11aの仕切面50によって隠されることにより、塞がれた状態になるように構成されている。また、この黒鍵11bの前端面に設けられた開口部35cは、図15および図16に示すように、隣接する白鍵11aが押鍵されると、徐々に開口量が多くなり、隣接する白鍵11aが最も深く押されたときに開口量が最大になるように形成されている。
【0100】
また、黒鍵11bの前端面が対面する白鍵11aの仕切面50に設けられた開口部35bは、図16および図17に示すように、隣接する黒鍵11bが押鍵されていない初期状態で、隣接する黒鍵11bの前端面によって隠されることにより、塞がれた状態になるように構成されている。また、この白鍵11aの仕切面50に設けられた開口部35bは、図16および図17に示すように、隣接する黒鍵11bが押鍵されると、徐々に開口量が多くなり、隣接する黒鍵11bが最も深く押されたときに開口量が最大になるように形成されている。
【0101】
この場合、黒鍵11bの前端面およびこれに対面する白鍵11aの仕切面50の両方に設けられた開口部35c、35bは、実施形態1と同様、鍵11が押鍵操作されてスイッチ部13の第1接点部13aがオンした際に開口率が約50%になり、第1接点部13aがオンした後に時間差をおいてオンする第2接点部13bがオンした際に開口率がほぼ100%になるように構成されている。
【0102】
このため、黒鍵11bの前端面およびこれに対面する白鍵11aの仕切面50の両方に設けられた開口部35c、35bは、実施形態1と同様、鍵11が押鍵操作されて第1接点部13aが最初にオンした際に、開口率が約50%になり、この後、時間差をおいて第2接点部13bがオンしてスピーカ32からの楽音の発音が開始される際に、開口率がほぼ100%になるように構成されている。
【0103】
また、この黒鍵11bの前端面およびこれに対面する白鍵11aの仕切面50の両方に設けられた開口部35c、35bは、鍵11が押された後に初期位置に向けて復帰する際に、第2接点部13bがオフになっても、開口率がほぼ100%に保たれ、この後、時間差をおいて第1接点部13aがオフになり、スピーカ32からの楽音の発音を停止させる際に、開口率が約50%になるように構成されている。
【0104】
この場合にも、黒鍵11bの前端面およびこれに対面する白鍵11aの仕切面50の両方に設けられた開口部35c、35bも、その上下方向の長さや前後方向の長さである幅が、スピーカ32の性能および楽器本体1内の内部音響に応じて調整された状態で形成されている。
【0105】
このような電子鍵盤楽器においても、実施形態1と同様、鍵盤部8における複数の鍵11を押鍵操作してスピーカ32が楽音を楽器本体1内に放音し、そのほとんどの楽音が鍵盤部8の鍵盤シャーシ10内を通り、鍵盤部8における複数の鍵11の各開口部35、35b、35cを通り抜ける際に、押鍵操作に応じて鍵11の開口部35、35b、35cの開口量が変化するので、各鍵11に設けられた開口部35、35b、35cの開口状態の変化に応じて、楽音を微妙に変化させることができる。このため、複数の鍵11の押鍵操作に応じてスピーカ32で発生した音を微妙に変化させて複数の鍵11の間から演奏者に向けて良好に放音させることができる。
【0106】
なお、上述した実施形態4では、スイッチ部13が第1、第2の各接点部13a、13bを備えた構成である場合について述べたが、これに限らず、スイッチ部は、実施形態2のスイッチ部40と同様に第1〜第3の各接点部40a〜40cを備えた構成であっても良い。また、これに限らず、実施形態3のように、白鍵11aの前端面にも開口部35を設けた構成でも良い。
【0107】
また、上述した実施形態1〜4およびその変形例では、複数の鍵11にそれぞれ設けられた開口部35、35a、35b、35cが鍵盤部8のすべての音域に対して同じ開口条件で設けられている場合について述べたが、これに限らず、鍵盤部8における低音領域側と高音領域側とで開口部35、35a、35b、35cの開口条件を変えた構成にしても良い。
【0108】
例えば、低音領域側の各鍵11の開口部35、35a、35b、35cにおける開口率の変化を大きく、高音領域側の各鍵11の開口部35、35a、35b、35cにおける開口率の変化を小さくしても良い。このように構成すれば、低音領域側の音色変化を大きくすることができるので、ローテンポで演奏する際に、低音領域側の演奏表現を向上させることができると共に、高音領域側の音色変化を小さくすることができるので、アップテンポで演奏する際に、高音領域側の演奏表現を向上させることができる。
【0109】
さらに、上述した実施形態1〜4およびその変形例では、ハンマー部材12を備えた電子鍵盤楽器に適用した場合について述べたが、必ずしもハンマー部材12を備えた電子鍵盤楽器である必要はない。この場合には、スイッチ部のうち、第1〜第3の各接点部40a〜40cを有するスイッチ部40を、第1スイッチ41と第2スイッチ42とに分割せず、1つのドーム状の膨出部内に3つの接点部を設けた構成にすれば良い。
【符号の説明】
【0110】
1 楽器本体
8 鍵盤部
10 鍵盤シャーシ
11 鍵
11a 白鍵
11b 黒鍵
13、40 スイッチ部
13a、40a 第1接点部
13b、40b 第2接点部
32 スピーカ
35、35a、35b、35c 開口部
40c 第3接点部
50 白鍵の仕切面


【特許請求の範囲】
【請求項1】
楽器本体と、この楽器本体内に設けられて鍵盤シャーシ上に複数の鍵が上下方向に回転可能に取り付けられた状態で配列された鍵盤部と、この鍵盤部における前記複数の鍵の押鍵操作に応じてそれぞれスイッチ動作するスイッチ部と、このスイッチ部のスイッチ動作に応じて楽音を前記楽器本体内に放音するスピーカとを備え、
前記鍵盤部における前記複数の鍵には、押鍵操作に応じて開口状態が変化する放音用の開口部がそれぞれ設けられていることを特徴とする電子鍵盤楽器。
【請求項2】
前記開口部は、前記複数の鍵における互いに隣接して対面する側面にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子鍵盤楽器。
【請求項3】
前記複数の鍵は、複数の白鍵と複数の黒鍵とを有しており、前記開口部は、前記複数の白鍵の前端面にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子鍵盤楽器。
【請求項4】
前記複数の鍵は、複数の白鍵と複数の黒鍵とを有しており、前記開口部は、前記黒鍵の前端面が対面する前記白鍵の仕切面および前記黒鍵の前端面の両方にもそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電子鍵盤楽器。
【請求項5】
前記スイッチ部は、前記鍵が押鍵操作された際に、最初にオンする第1接点部と、この第1接点部がオンした後に時間差をおいてオンする第2接点部とを備えており、前記スピーカは、前記スイッチ部の前記第2接点部がオンした際に楽音の発音を開始し、前記第1接点部がオフになった際に楽音の発音を停止するように構成されており、前記開口部は、前記第1接点部がオン・オフする際に開口率が約50%になり、前記第2接点部がオン・オフする際に開口率がほぼ100%になることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電子鍵盤楽器。
【請求項6】
前記スイッチ部は、前記鍵が押鍵操作された際に、最初にオンする第1接点部と、この第1接点部がオンした後に時間差をおいてオンする第2接点部とを備えており、前記スピーカは、前記スイッチ部の前記第2接点部がオンした際に楽音の発音を開始し、前記第1接点部がオフになった際に楽音の発音を停止するように構成されており、前記開口部は、前記第1接点部がオン・オフする際に開口率が約80%になり、前記第2接点部がオン・オフする際に開口率がほぼ100%になることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電子鍵盤楽器。
【請求項7】
前記スイッチ部は、前記鍵が押鍵操作された際に、最初にオンする第1接点部と、この第1接点部がオンした後に時間差をおいてオンする第2接点部と、この第2接点部がオンした後に僅かな時間差をおいてオンする第3接点部とを備えており、前記スピーカは、前記スイッチ部の前記第3接点部がオンした際に前記第2接点部との時間差に応じた音質で楽音の発音を開始し、前記第1接点部がオフになった際に楽音の発音を停止するように構成されており、前記開口部は、前記第1接点部がオン・オフする際に開口率が約30%になり、前記第2接点部がオン・オフする際に開口率が約60%になり、前記第3接点部がオン・オフする際に開口率がほぼ100%になることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電子鍵盤楽器。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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