説明

電子音楽装置

【課題】 ボコーダ制御に適した設定を適切に行うことが簡単にできる電子音楽装置の提供。
【解決手段】 音源により発生された楽音信号を制御して音響効果を付与する効果付与機能及び音声信号の特徴に基づき前記音源により発生された楽音信号を制御してボコーダ音を生成するボコーダ機能とを有してなる効果付与手段において、前記効果付与手段をボコーダ機能に切り替えるために必要なパラメータの設定がなされることに応じて、取得した音声信号を前記ボコーダ機能に供給する設定を促す提示をユーザに対して行うようにした。これにより、ユーザはエフェクタに対しボコーダ制御に適した設定を行うことに加えて、ボコーダ音の生成に利用される音声信号の供給先の設定を忘れることなく続けざまに行うことができる、つまりはボコーダ制御に適した設定を適切に行うことが簡単にできるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、マイクロフォン等から入力される音声の特徴に基づいて楽器演奏音を加工して所謂ロボットボイス(ボコーダ音)を発音する、ボコーダ制御が可能な電子音楽装置に関する。特に、音源やエフェクタに対してボコーダ制御に適した設定が行われることにあわせて、ボコーダ音の生成に利用される音声信号の供給先をボコーダに設定することのできるようにした技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、マイクロフォン等から入力された音声信号にリバーブ等の単純な音響効果(エフェクト)をかけて音源等により発生された楽音信号に基づく楽器演奏音とあわせて出力させたり、前記入力された音声信号に基づき楽器演奏音をボコーダ制御してロボットボイスを発音させたりすることが可能なマルチエフェクタを具えた電子楽器等の電子音楽装置が知られている。従来知られているように、ボコーダは楽音信号に対して音響効果を付与する所謂エフェクタの一種類であって、特に入力された音声信号の特徴を抽出し、これを用いて音源等により発生された楽器演奏音を加工するボコーダ制御を行うためのものである。前記ボコーダ制御を行うと、例えばユーザはマイクロフォンを使って喋りながら鍵盤等の演奏操作子を操作することで、楽器演奏音をロボットボイス(ボコーダ音とも呼ばれる)のようにして発音させることができる。こうした装置に関連するものとしては、例えば下記に示す非特許文献1に記載されている装置がその一例である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】“MOTIF XS 取扱説明書”,2007年,ヤマハ株式会社,インターネット〈http://www2.yamaha.co.jp/manual/pdf/emi/japan/synth/motifxs_ja_om_d0.pdf〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した非特許文献1に記載されている従来の装置においては、マイクロフォン等から入力された音声信号に基づき楽器演奏音をボコーダ制御するための設定手順、つまりはマルチエフェクタ(以下、単にエフェクタ)をボコーダとして動作(機能)させるための設定手順として、ユーザは音源やエフェクタ(エフェクタのみであってよい)に対してボコーダ制御に適したパラメータ設定を行うとともに、音声信号の供給先をボコーダに設定しなければならない。すなわち、少なくともエフェクタに対してはボコーダ制御用のアルゴリズムとなるようにエフェクトパラメータ等を設定しなければならないし(なお、必須ではないが音源に対してはボコーダに適した音色(ボイス)を特定する音色パラメータを設定するのが望ましい)、またそれだけでは足りずに入力された音声信号をボコーダへ供給する設定をユーザが意識して行う必要がある。
【0005】
上述したように、従来の電子音楽装置では、単に楽音信号を制御して音響効果を付与する効果付与機能と上記ボコーダ機能のいずれかにエフェクタを切り替えて動作させることが複数のパラメータ設定に従ってできるようになっている。ここで、エフェクタをボコーダとして動作させるためには、音源やエフェクタの設定(パラメータ設定)と、音声信号の供給先の設定とをそれぞれ適宜に読み出した画面を用いて別途にユーザに設定させるようになっている。しかしながら、音源やエフェクタへの設定と音声信号の供給先の設定とを一連の手順に従って順に行うことができるようにはなっていない(上記したようなボコーダ設定手順に従って対応する画面に遷移しない)。そのため、ユーザは多数ある画面の中からボコーダ設定手順に従って該設定に必要な画面を随時に探し出して設定を行わなければならないが、音源やエフェクタの設定は多岐にわたり、特にこうした操作になれていない初心者にあっては音源やエフェクタに対してボコーダ制御に適した設定を行うことにあわせて、音声信号の供給先の設定を別途に行うことを忘れてしまうことがある。そのような場合には適切にボコーダ制御が行われないため、ユーザは期待したとおりのロボットボイスを得ることができずにユーザを困惑させてしまうことが生じ得て都合が悪いし、またそうした場合などにユーザは所望のロボットボイスを得るためにどのようにして設定を行えばいいのかがすぐにはわからないことから非常に使いづらい、という問題点があった。
【0006】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、音声信号に基づき楽器演奏音をボコーダ制御させてボコーダ音を発生させるために、音源やエフェクタに対してボコーダ制御に適した設定が行われることにあわせて音声信号の供給先をボコーダに設定することができるようにした電子音楽装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る電子音楽装置は、楽音信号を発生する音源と、音声信号を取得する取得手段と、前記音源により発生された楽音信号を制御して音響効果を付与する効果付与機能と、前記取得した音声信号の特徴に基づき前記音源により発生された楽音信号を制御してボコーダ音を生成するボコーダ機能とを有してなる効果付与手段であって、複数のパラメータ設定に従って前記いずれかの機能に切り替えられて動作するものと、前記取得した音声信号を前記ボコーダ機能に供給するか否かを設定する供給先設定手段と、前記複数のパラメータのうち前記効果付与手段をボコーダ機能に切り替えるために必要なパラメータの設定に応じて、前記取得した音声信号を前記ボコーダ機能に供給する設定を促す提示をユーザに対して行う提示手段とを具える。
【0008】
この発明によると、音源により発生された楽音信号を制御して音響効果を付与する効果付与機能及び音声信号の特徴に基づき音源により発生された楽音信号を制御してボコーダ音を生成するボコーダ機能とを有してなる効果付与手段において、前記効果付与手段をボコーダ機能に切り替えるために必要なパラメータの設定がなされることに応じて、音声信号の供給先を前記ボコーダ機能に供給する設定を促す提示をユーザに対して行うようにした。すなわち、ボコーダ音を生成する際には当然に効果付与手段をボコーダ機能に切り替える必要があることから、ユーザにより前記効果付与手段をボコーダ機能に切り替えるために必要なパラメータの設定が行われる。ただし、単に効果付与手段をボコーダ機能に切り替えただけではボコーダ音を発生させることはできず、ボコーダ音を発生させるためにはボコーダ音の生成に利用される音声信号をボコーダ機能に供給する設定をユーザが前記切り替え操作とは別途に行わなければならない。そこで、前記取得した音声信号をボコーダ機能に供給する設定を促す提示をユーザに対して行うことにより、ユーザはエフェクタに対しボコーダ制御に適した設定を行うことに加えて、ボコーダ音の生成に利用される音声信号の供給先の設定を忘れることなく続けざまに行うことができる、つまりはボコーダ制御に適した設定を適切に行うことが簡単にできるようになる。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、音声信号に基づき楽器演奏音をボコーダ制御させてボコーダ音を発生させるために、音源やエフェクタに対してボコーダ制御に適した設定が行われるのにあわせて音声信号の供給先をボコーダに設定する又はそうした設定を行うようにユーザに提示するようにしたことから、ユーザはボコーダ制御のために音源やエフェクタの設定を行うことに加えて音声信号の供給先の設定を忘れることなく行うことができるようになる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明に係る電子音楽装置の全体構成の一実施例を示したハード構成ブロック図である。
【図2】音源・効果回路の一実施例を模式的に略示する機能ブロック図である。
【図3】メイン処理の一実施例を示すフローチャートである。
【図4】音色設定処理の一実施例を示すフローチャートである。
【図5】音色設定画面の一実施例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に従って詳細に説明する。
【0012】
図1は、この発明に係る電子音楽装置の全体構成の一実施例を示したハード構成ブロック図である。本実施例に示す電子音楽装置は例えば電子楽器であって、マイクロプロセッサユニット(CPU)1、リードオンリメモリ(ROM)2、ランダムアクセスメモリ(RAM)3からなるマイクロコンピュータによって制御される。CPU1は、この電子音楽装置全体の動作を制御するものである。このCPU1に対して、データ及びアドレスバス1Dを介してROM2、RAM3、検出回路4,5、表示回路6、音源・効果回路7、記憶装置8、通信インタフェース(I/F)9がそれぞれ接続されている。
【0013】
ROM2は、CPU1により実行あるいは参照される各種制御プログラムや各種データ等を格納する。RAM3は、CPU1が所定のプログラムを実行する際に発生する各種データなどを一時的に記憶するワーキングメモリとして、あるいは現在実行中のプログラムやそれに関連するデータを一時的に記憶するメモリ等として使用される。RAM3の所定のアドレス領域がそれぞれの機能に割り当てられ、レジスタやフラグ、テーブル、テンポラリメモリなどとして利用される。
【0014】
演奏操作子4Aは、楽音の音高を選択するための複数の鍵を備えた例えば鍵盤等のようなものであって、各鍵に対応してキースイッチを有しており、この演奏操作子4A(鍵盤等)はユーザ自身の手弾きによるマニュアル演奏に使用することができるのは勿論のこと、例えばマイクロフォンMから入力(取得)される音声信号の供給先設定及び音源やエフェクタの設定といったボコーダ制御のための設定を行う手段などとして使用することもできる。検出回路4は、演奏操作子4Aの各鍵の押圧及び離鍵を検出することによって検出出力を生じる。
【0015】
設定操作子(スイッチ等)5Aは、例えば当該装置を音色設定可能な状態(音色設定モード)にオン設定又はオフ設定して、ディスプレイ6A上にカテゴリ一覧を表示する「音色設定画面」(区別するために便宜的に初期画面と呼ぶ、図示省略)を開く又は閉じる動作がその操作に応じて伴われる、後述するカテゴリサーチ部CS(図2参照)を有効又は無効にするカテゴリサーチボタン、前記「初期画面」や後述する「音色設定画面」(図5(a)参照)に表示された項目(カテゴリや音色データセットなど)のいずれかに操作の度に順次にカーソルを移動するInc(インクリメント)ボタンやDec(ディクリメント)ボタン、カーソルを上下左右に移動する矢印ボタンやカーソルが位置づけられた項目を設定対象に確定するEnterボタンなどの各種の操作子を含んで構成される。勿論、設定操作子5Aは上記した以外にも音高、音色、効果等を選択・設定・制御するための数値データ入力用のテンキーや文字データ入力用のキーボード、あるいはディスプレイ6Aに表示されたポインタなどを操作するマウス等の各種操作子を含んでいてもよい。検出回路5は、上記設定操作子5Aの操作状態を検出し、その操作状態に応じたスイッチ情報等をデータ及びアドレスバス1Dを介してCPU1に出力する。
【0016】
表示回路6は例えば液晶表示パネル(LCD)やCRT等から構成されるディスプレイ6Aに、前記「初期画面」や「音色設定画面」等の各種画面を表示するのは勿論のこと、ROM2や記憶装置8に記憶されている各種データあるいはCPU1の制御状態などを表示する。従来知られているように、ユーザはカテゴリサーチボタンのオン操作に伴いディスプレイ6Aに表示される上記各画面を利用して最終的にボコーダ音色を選択することによって、音源やエフェクタをボコーダ制御に切り替える(つまりは音源・効果回路7をボコーダとして動作させるボコーダ機能に切り替える)ことができるようになっている。なお、ディスプレイ6Aはタッチパネルであってよい。
【0017】
音源・効果回路7は複数のチャンネルで楽音信号の同時発生が可能であり、データ及びアドレスバス1Dを経由して演奏情報を取得し、この演奏情報に基づいて楽音を合成することによって楽音信号を発生することに加え、該発生した楽音信号に対して適宜に各種の音響効果を付与する通常エフェクタ機能(効果付与機能)を実現することができるものである。また、音源・効果回路7はマイクロフォンM及びA/D(アナログ/デジタル)変換器7Bを経由して音声信号を取得して、単に該取得した音声信号にリバーブ等の音響効果をかけながら前記楽音信号に基づく楽器演奏音と一緒に出力することができるだけでなく、取得した音声信号の特徴に基づいて楽器演奏音を加工してロボットボイスを出力するボコーダ機能を実現することもできるようになっている。すなわち、音源・効果回路7は、楽音信号を発生する音源に加えて少なくとも前記ボコーダ機能と通常エフェクタ機能のいずれかとして動作しうるマルチエフェクタを含んでなるものであって、複数のパラメータ設定に応じてボコーダ機能と通常エフェクタ機能のいずれかに動作が切り替えられて音源により発生される楽音信号を上記したように制御することのできるようになっている(後述する図2参照)。
【0018】
上記した音源・効果回路7から発生される演奏音(ロボットボイスや楽器演奏音など)や音声等の信号出力は、アンプやスピーカなどを含むサウンドシステム7Aから発音される。こうした音源・効果回路7とサウンドシステム7Aの構成には、従来のいかなる構成を用いてもよい。例えば、音源・効果回路7はFM、PCM、物理モデル、フォルマント合成等の各種楽音合成方式のいずれを採用してもよく、また専用のハードウェアで構成してもよいし、DSP(Digital Signal Processor)やCPU1によるソフトウェア処理で構成してもよい。音源・効果回路7をDSPで実行可能なソフトウェア処理で構成したような場合には、例えばアルゴリズムを変更/入れ替えるよう設定すること等によってボコーダ機能と通常エフェクタ機能の切り替えを行うようにすればよい。
【0019】
記憶装置8は、例えばボコーダカテゴリに分類される音色データセット(ボコーダ音色)などの各種データの他、CPU1が実行する各種制御プログラム等を記憶する。図示を省略したが、前記ボコーダ音色はボコーダ制御のための設定として、音源に対し設定する音色(ボイス)を特定する音色パラメータと、エフェクタに対して設定するエフェクト種類(詳しくはボコーダ)とボコーダとして動作させるためのまたボコーダの効果のかかり方を決めるための複数のエフェクトパラメータとを組み合わせて記憶してなるボコーダ用設定データである。
【0020】
なお、上述したROM2に制御プログラムが記憶されていない場合、この記憶装置8(例えばハードディスク)に制御プログラムを記憶させておき、それをRAM3に読み込むことにより、ROM2に制御プログラムを記憶している場合と同様の動作をCPU1にさせることができる。このようにすると、制御プログラムの追加やバージョンアップ等が容易に行える。なお、記憶装置8はハードディスク(HD)に限られず、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD‐ROM・CD‐RAM)、光磁気ディスク(MO)、あるいはDVD(Digital Versatile Disk)等の様々な形態の記憶媒体を利用する記憶装置であればどのようなものであってもよい。あるいは、フラッシュメモリなどの半導体メモリであってもよい。
【0021】
通信インタフェース(I/F)9は、当該装置と図示しない外部機器との間で制御プログラムやデータ(例えばボコーダ音色)などの各種情報を送受信するためのインタフェースである。この通信インタフェース7は、例えばMIDIインタフェース,LAN,インターネット,電話回線等であってよく、また有線あるいは無線のものいずれかでなく双方を具えていてよい。
【0022】
なお、上述した実施例において、演奏操作子4Aは鍵盤楽器の形態に限らず、弦楽器や管楽器、あるいは打楽器等どのようなタイプの形態でもよい。また、電子音楽装置は演奏操作子4Aやディスプレイ6Aあるいは音源・効果回路7などを1つの装置本体に内蔵したものに限らず、それぞれが別々に構成され、MIDIインタフェースや各種ネットワーク等の通信インタフェース9を用いて各装置を接続するように構成されたものであってもよいことは言うまでもない。
【0023】
次に、上記した音源・効果回路7について図2を用いて説明する。図2は、音源・効果回路7の一実施例を模式的に略示する機能ブロック図である。図中における矢印は、データや信号の流れを示すものである。図から理解できるように、音源・効果回路7は、A/D出力セレクタ部SLと、音源部Oと、A/D入力用エフェクタ部IE、音源用エフェクタ部E、全体エフェクタ/イコライザ部Wからなるマルチエフェクタとを含む。なお、音源・効果回路7としては図2に示す以外の構成要素を有するが、ここでは必要最小限の構成要素を示している。
【0024】
マイクロフォンMから入力された音声信号は、A/D変換器7Bによりアナログ・デジタル信号変換されてからA/D出力セレクタ部SLへと送られる。A/D出力セレクタ部SLは、音声信号の供給先設定指示に応じてA/D変換後の音声信号をA/D入力用エフェクタ部IE又は音源用エフェクタ部Eのいずれかに選択的に出力する。ここで、音声信号の供給先として例えば「L&R(ステレオ出力)」、「L(L端子からモノラル出力)」、「R(R端子からモノラル出力)」のいずれかが設定指示されると、A/D変換後の音声信号をA/D入力用エフェクタ部IEに供給する。A/D入力用エフェクタ部IEでは所定の音響効果(図示しない設定部でエフェクト種類やエフェクトパラメータ等が別途設定される)が付与され、該音響効果が付与された音声信号を全体エフェクタ/イコライザ部Wへ供給する。一方、音声信号の供給先として「ボコーダ(Vocoder)」が設定指示されると、A/D変換後の音声信号を音源用エフェクタ部Eに供給する。上記音声信号の供給先設定指示については後述する。なお、A/D出力セレクタ部SLは、通常は設定操作子5Aを用いて後述するボコーダ設定との連携設定とは独立して自由に出力先を設定できるようになっている。
【0025】
音源部Oは、演奏操作子4Aの操作に応じて発生される演奏情報に基づき特定される音高と音色セレクタ部OSにより記憶装置8から選択的に読み出される任意の音色データセット(ボコーダ音色に限らない)内に定義されている音色パラメータに応じて特定される音色の楽音信号を生成し、該生成した楽音信号を音源用エフェクタ部Eへ供給する。
【0026】
記憶装置8は多数の音色データセットを記憶し、各音色データセットは音源部Oに対して設定する音色(ボイス)を特定する音色パラメータと、音源用エフェクタ部Eに対して設定するエフェクト種類及びエフェクトパラメータを含んでいる。さらに、各音色データセットには、その音色データの音色タイプに応じたカテゴリが設定されている。カテゴリとしては、典型的にはピアノ、オルガン、ギター等の音色種類に応じたカテゴリが用意されているが、この発明の特徴としてカテゴリの1つに「ボコーダ」カテゴリを新規に設けている。このボコーダカテゴリに属する音色データセット(ボコーダ音色:ボコーダ用設定データ)は、エフェクト種類に「ボコーダ」と指定されており、音色パラメータとしてボコーダに通すのに適した音色が設定されている。一例として、持続系の音色でかつもともとのフォルマントが人の声に近い音色(例えば、サックスやバイオリンなど)がボコーダに適しており、そのような音色を特定する音色パラメータがボコーダカテゴリの音色データセットには設定されている。ただし、どのような音色が適しているかはボコーダ音色の作成者の好みによるので、例示されたものに限られない。
【0027】
音源用エフェクタ部Eでは、音源部Oから供給された楽音信号に対して、音色セレクタ部OSから供給される任意の音色データセット内に定義されているエフェクト種類及びエフェクトパラメータに応じて適宜にその有する機能を切り替えてボコーダ制御又は通常の音響効果付与などの信号制御を行ってから、該制御後の楽音信号を全体エフェクタ/イコライザ部Wへと供給する。すなわち、音源用エフェクタ部Eは、一般的な音響効果を単に楽音信号に付与する通常エフェクト機能(効果付与機能)と、一般的な音響効果を単に楽音信号に付与するのではなく音声信号のフォルマント特性に応じた音響特性の楽音信号に加工するボコーダ機能を適宜に切り替えて、それぞれの信号制御を行うことが可能になっている。
【0028】
例えば、音色セレクタ部OSから供給されるエフェクト種類として「ボコーダ」が指示された場合には(ボコーダ音色が選択された場合など)、音源用エフェクタ部Eをボコーダとして動作(機能)させるために、音色セレクタ部OSからエフェクト種類とともに供給されたエフェクトパラメータに従って、通常エフェクタ機能Zからボコーダ機能Bへと切り替える。具体的には、エフェクトパラメータに従い、音源用エフェクタ部Eが有する多数のバンドパスフィルタのうちのいくつかをフォルマントフィルタ部Yとして使用するように設定することによって(そのようにフィルタのアルゴリズムを設定するなど)、通常エフェクタ機能Zからボコーダ機能Bへと音源用エフェクタ部Eの機能は切り替えられる。なお、音色セレクタ部OSから供給されるエフェクト種類として「ボコーダ」以外のリバーブやコーラス等が指示された場合には、音色セレクタ部OSからエフェクト種類とともに供給されたエフェクトパラメータに従って、ボコーダ機能Bから通常エフェクタ機能Zへと音源用エフェクタ部Eの機能は切り替えられるようにしてもよい。
【0029】
なお、音源用エフェクタ部Eが有するボコーダ機能Bはボコーダ制御として公知のどのような信号制御方法を採用してもよいが一例を示すと、マイクロフォンMからの音声信号を特徴抽出部Xに、音源部Oにより発生された楽音信号をフォルマントフィルタ部Yにそれぞれ入力させ、前記音声信号の特徴(周波数成分)を特徴抽出部Xにより抽出して、該抽出した音声信号の特徴(周波数成分)に従ってフォルマントフィルタ部Yにより音声のフォルマントを再現した楽音信号を出力させるものがある。また、音源用エフェクタ部Eを通常エフェクタ機能Zとボコーダ機能Bとの間で機能切り替えをするにあたり、1つのハードウェアを備え、アルゴリズムを差し替えることで実現してもよいし、2つのハードウェアを備え、いずれかのハードウェアを使い分けることで実現してもよい。
【0030】
カテゴリサーチ部CSでは、ユーザの指示により「初期画面」で選択されたカテゴリが付与された音色データセットをサーチして、ユーザに対してそのカテゴリに属する音色データセットのリストを「音色設定画面」(図5(a)参照)に提示し、その中からユーザがいずれかを選ぶことで所望のカテゴリに属した音色データセットを簡単に選択できるようにしている。音色セレクタ部OSは、前記ユーザの選択に従って記憶装置8に記憶されている複数の音色データセットから該当の音色データセットを選択し、該選択した音色データセットに基づき音源部Oに対して音色パラメータを、音源用エフェクタ部Eに対してエフェクト種類及びエフェクトパラメータをそれぞれ供給する。これに応じて、音源用エフェクタ部Eの機能は通常エフェクタ機能Zとボコーダ機能Bとの間で適宜に切り替えられることになる。
【0031】
ここで、ユーザがボコーダを使った演奏を所望して「音色設定画面」でボコーダ音色を選択し、音源用エフェクタ部Eの機能を通常エフェクタ機能Zからボコーダ機能Bへと切り替えたとしても、A/D出力セレクタ部SLで「ボコーダ」すなわち音声信号の供給先として音源用エフェクタ部Eが選択されていないとボコーダ音が出力されずに意味をなさない。そこで、本願発明に係る電子音楽装置においては、ボコーダカテゴリの音色データセット(ボコーダ音色)が選択された際に、ユーザに対してA/D出力セレクタ部SLで音源用エフェクタ部Eを選択するように促すようにしている。すなわち、音色セレクタ部OSにて「ボコーダ音色」が選択された場合(つまりは音源用エフェクタ部Eの機能が通常エフェクタ機能Zからボコーダ機能Bへと切り替えられた場合)には、A/D出力セレクタ部SLが音源用エフェクタ部Eを選択するよう、すなわち音声信号の供給先として「ボコーダ」を設定するようにユーザに促す「メッセージ画面」を表示し(後述する図5(b)参照)、該画面において「ボコーダ」が選択されることに応じて、A/D出力セレクタ部SLに対し音声信号の供給先として「ボコーダ」を設定するように指示する(図中において音色セレクタ部OSからA/D出力セレクタ部SLへとのびている破線で示す設定指示参照)。
【0032】
こうすると、ユーザは音源やエフェクタ(エフェクタのみであってよい)に対してボコーダ制御に適した設定を行った際に、あわせて音声信号の供給先を「ボコーダ」に設定することを忘れずに行うことができる。すなわち、ユーザがボコーダ音色を選択したにも関わらず音声信号の供給先を「ボコーダ」に設定し忘れることによる、「マイクからの音声がそのまま出てしまい、ロボットボイス(ボコーダ音)になっていない。何がいけないのであろう、どうすればいいの?」といったユーザがにっちもさっちもいかない困った状態に陥ることを防止するようにしている。
【0033】
全体エフェクタ/イコライザ部Wは、上記した以外の更なる通常知られた一般的な音響効果(図示しない設定部でエフェクト種類やエフェクトパラメータが設定される)の付与や楽音信号の周波数特性を調整するなどの制御を実行する。
【0034】
次に、「音色設定画面」を利用して音源・効果回路(詳しくは音源用エフェクタ部)の機能を切り替える「メイン処理」について説明する。図3は、「メイン処理」の一実施例を示すフローチャートである。当該処理は、例えばユーザによるカテゴリサーチボタンの操作に応じて開始される。
【0035】
ステップS1は、「初期化処理」を実行する。「初期化処理」としては、例えば音源部Oに対して設定されている音色パラメータや音源用エフェクタ部Eに対して設定されているエフェクト種類及びエフェクトパラメータをクリアするなどの処理が挙げられる。勿論、これに限られない。ステップS2は、「音色設定処理」を実行する。この処理の詳細な説明については後述する(図4参照)。
【0036】
ステップS3は、「その他の処理」を実行する。「その他の処理」としては、例えばボコーダの効果のかかり方を変更するために任意のエフェクトパラメータを設定する等の「その他の各種設定処理」、演奏操作子4Aの操作に応じて楽音信号を発生する等の「演奏操作子処理」などがある。詳しい説明は省略するが、「演奏操作子処理」に従ってユーザによる演奏操作子4Aの操作に応じてロボットボイスが発音されることになる。ステップS4は、当該処理を終了するか否かを判定する。ユーザによるカテゴリサーチボタンの再度の操作が行われて当該処理を終了すると判定した場合には(ステップS4のYES)、当該処理を終了する。一方、ユーザによるカテゴリサーチボタンの再度の操作が行われず当該処理を終了しないと判定した場合には(ステップS4のNO)、上記ステップS2及びS3の処理を繰り返す。
【0037】
次に、上記「音色設定処理」(図3のステップS2)について説明する。図4は、「音色設定処理」の一実施例を示すフローチャートである。また、図5は、音色設定処理の実行に従いディスプレイ6Aに適宜に表示される「音色設定画面」の一実施例を示す概念図である。
【0038】
ステップS11は、「初期画面」を表示する。すなわち、ユーザによるカテゴリサーチボタンの操作に応じてカテゴリサーチ部CS(図2参照)が有効にされると、最初の画面としてピアノ、オルガン、ギター、ボコーダ等の音色種類に応じたカテゴリを一覧表示した「初期画面」(図示せず)がディスプレイ6Aに表示される。ステップS12は、前記「初期画面」においてユーザによる矢印ボタン等の操作にあわせてカテゴリが選択されることに応じて、該選択されたカテゴリに含まれる音色データセットの一覧を「音色設定画面」として表示し(図5(a)参照)、さらにその画面に表示された中からユーザにより指定されたいずれかの音色データセットを記憶装置8から選択する。ステップS13は、選択された音色データセットに基づき、音源とエフェクタそれぞれに対して上述の設定を行う。
【0039】
図5(a)に示す「音色設定画面」GVはカテゴリを一覧表示した「初期画面」VSとは別途にポップアップ表示される例えば小さなウィンドウからなるダイアログボックスのようなものであり、この例では記憶装置8等に記憶されている多数の音色データセットの中からユーザにより選択されたボコーダカテゴリに含まれるVocoder1〜Vocoder4までの4つの音色データセットが一覧表示されている。ユーザは矢印ボタンなどを操作して表示されている音色データセットのいずれかにカーソルKを位置づけることができ、その状態でEnterボタンを操作することによってカーソルKが位置づけられている音色データセットを指定することができるようになっている。上述したように、ボコーダカテゴリの音色データセット(ボコーダ音色)が特定されると、音源やエフェクタに対して音色パラメータ、エフェクト種類及びエフェクトパラメータがそれぞれ設定される。
【0040】
図4の説明に戻って、ステップS14は、上記ステップS12の処理においてボコーダ音色が選択されたか否か(あるいは選択された音色データセットはボコーダ音色を含むものであるか否か)を判定する。ボコーダ音色が選択されていない(あるいは選択された音色データセットはボコーダ音色を含まない)と判定した場合には(ステップS14のNO)、当該処理を終了する。他方、ボコーダ音色が選択されている(あるいは選択された音色データセットはボコーダ音色を含む)と判定した場合には(ステップS14のYES)、音声信号の出力先がボコーダ以外に設定されている状態か否かを判定する(ステップS15)。音声信号の出力先がボコーダ以外に設定されている状態でないつまりはボコーダに設定されていると判定した場合には(ステップS15のNO)、当該処理を終了する。すなわち、この場合には音源及びエフェクタの設定と音声信号の供給先の設定とが共にボコーダ制御に適した設定となることから、特に何もしないでよい。
【0041】
他方、音声信号の出力先がボコーダ以外に設定されている状態であるつまりはボコーダに設定されていないと判定した場合には(ステップS15のYES)、音声信号の出力先として「ボコーダ」の選択を促すメッセージ画面を表示する(ステップS16)。「メッセージ画面」としては、例えば図5(b)に示すようなダイアログボックスが表示される。
【0042】
ここで、「メッセージ画面」について説明する。図5(b)に示すように、「メッセージ画面」GM(メッセージダイアログ)はユーザに入力を求めたり、何らかの通知を行うために表示される例えば小さなウィンドウからなるダイアログボックスであり、ここではユーザに対して音声信号の出力先(図中における「Voice A/D Output」表示)として「ボコーダ」の設定を促すメッセージ(図中における「Select Vocoder ?」表示)を提示する。
【0043】
図4の説明に戻り、ステップS17は、音声信号の出力先として「ボコーダ」の設定を促す上記「メッセージ画面」GMにおいて「Yes」が選択されたか否かを判定する。「Yes」が選択されていないと判定した場合には(ステップS17のNO)、ステップS19の処理へジャンプする。「Yes」が選択されたと判定した場合には(ステップS17のYES)、音声信号の出力先として「ボコーダ」を設定する用に指示する(ステップS18)。ステップS19は、図5(b)に示した「メッセージ画面」GMを閉じて図5(a)に示した「音色設定画面」GVの表示に戻る。すなわち、図5(b)に示した「メッセージ画面」において、メッセージ表示の下方には「Yes」及び「No」の表示がなされており、ユーザは矢印ボタン等を操作してカーソルKをいずれかに位置づけることができる。カーソルKが「Yes」に位置づけられた状態でEnterボタンが操作されると、音声信号の出力先としてボコーダ以外に設定されている状態から「ボコーダ」へと設定(変更)される。なお、カーソルが「No」に位置づけられた状態でEnterボタンが操作された場合には、音声信号の出力先として「ボコーダ」に設定(変更)されることはなく、ボコーダ以外に設定されている状態が維持される。
【0044】
図4の説明に戻り、ステップS20は、ユーザにより「Exit」ボタンが操作されたか否かを判定する。「Exit」ボタンが操作されていないと判定した場合には(ステップS20のNO)、ステップS11の処理に戻って上記したステップS11〜S20までの各処理を繰り返し実行する。「Exit」ボタンが操作されたと判定した場合には(ステップS20のYES)、当該処理を終了する。
【0045】
以上のようにして、通常エフェクタ機能(効果付与機能)とボコーダ機能とを有し、これらの機能をパラメータ設定に応じて切り替え可能な音源・効果回路7において(詳しくは音源用エフェクタ部E)、前記音源用エフェクタ部Eをボコーダ機能に切り替える設定がなされることに応じて、マイクロフォンMからの音声信号の供給先を前記ボコーダ機能に供給する設定を促すメッセージ画面GM(図5(b)参照)をユーザに対して提示するようにした。これにより、ユーザは音源やエフェクタに対してボコーダ制御に適した設定が行われることにあわせて、音声信号の供給先をボコーダに設定することを忘れることなく行うことができるようになる。
【0046】
なお、上述した実施例では音声信号の供給先を前記ボコーダ機能に供給する設定を促す「メッセージ画面」GM(図5(b)参照)をユーザに対して提示し、該画面に従ってユーザが「ボコーダ」を選択することに応じて音声信号の供給先をボコーダに設定するようにしたがこれに限らず、当該「メッセージ画面」GMをユーザに提示することなく、音源やエフェクタに対してボコーダ制御に適した設定が行われることにあわせ自動的に音声信号の供給先をボコーダに設定するようにしてよい。具体的には、図4のステップS16及びS17の処理を省略し、ステップS15の処理において音声信号の出力先がボコーダ以外に設定されている状態であると判定された場合にすぐさまステップS18の処理を行うようにしてよい。また、自動設定させるか、メッセージ表示に従う手動設定とするかをユーザが任意に設定することができるようにしてもよい。
【0047】
さらには、「メッセージ画面」GM(図5(b)参照)において音声信号の供給先をボコーダに設定することができるように構成することなく、単に「音声信号の供給先をボコーダに設定する」必要性があることをユーザに認識させるメッセージのみを表示しておき、別途に音声信号の供給先をボコーダに設定する処理を行うか否かをユーザに対して選択させるようにしてもよい。例えば、ユーザが設定処理を行うことを選択した場合には、上記「メッセージ画面」GMのような供給先設定画面を表示してユーザに音声信号の供給先をボコーダに設定させればよいし、一方ユーザが設定処理を行わないことを選択した場合には供給先設定画面を表示することなく、音声信号の供給先がボコーダ以外である現状状態を維持するようにしておけばよい。
【0048】
なお、上記「メッセージ画面」GM(図5(b)参照)等を利用して音声信号の供給先をボコーダに設定した後に、ボコーダ音色からボコーダ音色以外の音色に音色変更された場合には、音源やエフェクタに対してボコーダ制御に適した設定が行われていない状態となることから、音色変更にあわせて音声信号の供給先を前記ボコーダ設定前に戻すとよい。この場合には、ボコーダ設定前の音声信号の供給先を記憶することは言うまでもない。
なお、図2に示す全体エフェクタ/イコライザ部Wの入出力先が複数系統あるような場合には、A/D出力先セレクタ部SLにおいて音声信号の供給先としてA/D入力用エフェクタ部IE又は音源用エフェクタ部Eのいずれかを選択することに加えて、複数系統ある全体エフェクタ/イコライザ部Wの入出力先のうちいずれか(1乃至複数)を設定することができるようにしてよい。
【0049】
なお、ボコーダカテゴリの音色データセット(ボコーダ音色)として、音源に設定する音色パラメータ、エフェクタに設定するエフェクト種類及びエフェクトパラメータとを組み合わせて記憶するようにしたがこれに限らず、音色データとボコーダエフェクトデータ(エフェクト種類とエフェクトパラメータ)とに分離記憶しておき、音源やエフェクタに対してボコーダ制御に適した設定を行う際にエフェクト種類設定画面(図示せず)を開き、ボコーダエフェクトデータのみを選択設定できるようにしてもよい。そのとき、音色データもボコーダ制御により発音されるロボットボイスなどに適したものにするのが好ましいが必須ではない。
【符号の説明】
【0050】
1…CPU、2…ROM、3…RAM、4,5…検出回路、4A…演奏操作子、5A…設定操作子、6…表示回路、6A…ディスプレイ、7…音源・効果回路、7A…サウンドシステム、7B…A/D変換器、8…記憶装置、9…通信インタフェース、1D…データ及びアドレスバス、B…ボコーダ機能、E…音源用エフェクタ部、M…マイクロフォン、O…音源部、W…全体エフェクタ/イコライザ部、X…特徴抽出部、Y…フォルマントフィルタ部、Z…通常エフェクタ機能、SL…A/D出力セレクタ部、IE…A/D入力用エフェクタ部、OS…音色セレクタ部、CS…カテゴリサーチ部、GM…メッセージ画面、G…A/D出力設定画面、GV…音色設定画面、K…カーソル、VS…初期画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
楽音信号を発生する音源と、
音声信号を取得する取得手段と、
前記音源により発生された楽音信号を制御して音響効果を付与する効果付与機能と、前記取得した音声信号の特徴に基づき前記音源により発生された楽音信号を制御してボコーダ音を生成するボコーダ機能とを有してなる効果付与手段であって、複数のパラメータ設定に従って前記いずれかの機能に切り替えられて動作するものと、
前記取得した音声信号を前記ボコーダ機能に供給するか否かを設定する供給先設定手段と、
前記複数のパラメータのうち前記効果付与手段をボコーダ機能に切り替えるために必要なパラメータの設定に応じて、前記取得した音声信号を前記ボコーダ機能に供給する設定を促す提示をユーザに対して行う提示手段と
を具える電子音楽装置。
【請求項2】
前記複数のボコーダ用設定データのいずれかに基づき前記複数のパラメータのうち前記効果付与手段をボコーダ機能に切り替えるために必要なパラメータの設定に応じて、前記取得した音声信号を前記ボコーダ機能に供給する設定を自動的に行う自動設定手段をさらに具えることを特徴とする請求項1に記載の電子音楽装置。
【請求項3】
前記複数のパラメータのうち前記効果付与手段をボコーダ機能に切り替えるために必要なパラメータの設定が行われた時点において、前記取得した音声信号を前記ボコーダ機能に供給する設定が既になされているか否かを判定する判定手段をさらに具えてなり、既に前記音声信号を前記ボコーダ機能に供給する設定がなされている場合には、前記提示手段によるユーザへの前記音声信号の供給先の設定を促す提示又は前記自動設定手段による前記音声信号の供給先の自動設定を省略することを特徴とする請求項1又は2に記載の電子音楽装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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