説明

電子顕微鏡観察用試料及びその作製方法

【課題】 半導体素子などの特定箇所の断面を透過型電子顕微鏡で観察するための簡易で確実性の高い電子顕微鏡観察用試料及びその作製方法を提供すること。
【解決手段】 観察用試料3の内部に不規則に存在する結晶欠陥などを観察するために、観察用試料3の観察対象領域を薄膜化してなるものであり、観察対象領域に複数の薄片1,2を形成すべく中間部分に凹状溝5aが設けられているとともに、観察対象領域の両外側に加工溝5bが設けられてなる複数の薄膜化された薄片1,2を有している。従来の電子顕微鏡観察用試料は、Siなどの観察用試料に対し、1枚の薄片11を形成しているのに対して、本発明では、観察用試料3に対し、凹状溝5aと加工溝5bにより第1の薄片1と第2の薄片2の2枚の薄片1,2を形成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子顕微鏡観察用試料及びその作製方法に関し、より詳細には、半導体素子などの特定箇所の断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察するための薄膜試料及びその作製方法に係わり、特に観察用試料を、集束イオンビーム加工装置(FIB)を用いて薄膜化する電子顕微鏡観察用試料及びその作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスにおいて特性不良の原因となる欠陥の評価は非常に重要である。従来、表面を観察することで確認できる異常箇所や、特性不良の内容とデバイス構造から推定される異常箇所の断面をTEMで観察する手法が広く用いられてきた。TEMで観察するためには、試料を電子線が透過することが可能な厚さ(0.1μm以下)に薄膜化する必要があるが、特に半導体素子においては、近年FIBを用いて薄膜化することが一般的になっている。
【0003】
図1(a),(b)は、従来の電子顕微鏡観察用試料を示す構成図で、図1(a)は平面図、図1(b)は斜視図である。図中符号11は薄膜化された薄片、12は加工溝、13は観察用試料を示している。なお、図中の矢印は、電子顕微鏡からの電子線を示している。この従来例においては、Siなどの観察用試料13に対し、1枚の薄片11が形成されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このように、従来の電子顕微鏡観察用試料は、試料から観察対象領域を含め観察用試料13として電子顕微鏡に装着可能な形状に切り出し、切り出された試料部分の観察対象領域を、集束イオンビーム加工装置により加工溝12を形成しつつ、その中央部において1枚の薄膜化された薄片11を形成するように構成されている。
【0005】
本発明における従来技術を示すその他の特許文献としては以下のものが挙げられる。
まず、特許文献2及び3に記載のものは、非常に小さな特定領域を同一試料で断面と平面との両方向から観察できるようにした電子顕微鏡観察用試料の作製方法に関するもので、電子顕微鏡観察を必要とする材料に対して、光学顕微鏡を装着した高速回転外周刃加工装置を用いて光学顕微鏡で観察しながら電子顕微鏡に装着可能な幅に材料を切り出す工程と、特定の場所に刻印を施す工程と、切り出された材料が凹字形状或いはL字形状等の溝型形状になるように加工する工程と、収束荷電粒子ビームによるエッチングにより溝型形状の材料の表面と幅とを部分的にさらに薄片化する工程とを具備したものである。
【0006】
特に、図3には、試料部分の観察対象領域を、収束荷電粒子ビームにより加工溝を形成しつつ、薄膜化された薄片を形成することが開示されており、また、図2には、試料の断面方向の観察を行う場合に、試料部分を電子顕微鏡からの電子線の透過経路に配置して観察対象領域に存在する結晶欠陥などの観察を行なうことが開示されている。
【0007】
また、特許文献4に記載のものは、LSIなどの半導体装置の不良原因を調査する際に使用される電子顕微鏡観察用試料の作製方法に関するもので、電子顕微鏡を用いて観察が行われる材料平面上の観察場所の周囲に複数の刻印を形成する工程と、光学顕微鏡を装備した高速回転外周刃加工装置を用いて刻印を観察しつつ材料を切断し、電子顕微鏡に装着可能な大きさにするとともに切断断面に刻印の2つを残す工程と、切断断面の刻印側とは反対側を高速回転外周刃加工装置により切削して断面L字状に加工する工程と、L字状の突出部分の観察場所とは反対側に収束荷電粒子ビームによるエッチングを行って、2つ残っている刻印間を薄肉化する工程を有するものである。
【0008】
【特許文献1】特開2003−166918号公報
【特許文献2】特開平6−213785号公報
【特許文献3】特開平6−281551号公報
【特許文献4】特開平5−231998号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、デバイス内部の結晶欠陥などは、表面観察では確認できず、分布も不規則である場合が多く、一断面を薄膜化して観察しても的確に観察対象を捉えることは難しいという問題があった。
【0010】
また、上述した特許文献のいずれのものにも、本願発明の特徴的な構成である、切り出し工程により切り出された観察対象領域のうち、薄膜化されるべく複数の薄片の中間部分に凹状溝を形成すること、及び観察対象領域の両外側方向から凹状溝に向けて加工し、複数の薄膜化された薄片を形成することについては、何ら開示されていない。
【0011】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、半導体素子などの特定箇所の断面を透過型電子顕微鏡で観察するための簡易で確実性の高い電子顕微鏡観察用試料及びその作製方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、このような目的を達成するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、観察用試料の内部に不規則に存在する結晶欠陥などを観察するために、前記観察用試料の観察対象領域を薄膜化してなる電子顕微鏡観察用試料において、前記観察対象領域に複数の薄片を形成すべく中間部分に凹状溝が設けられているとともに、前記観察対象領域の両外側に加工溝が設けられてなる複数の薄膜化された薄片を有することを特徴とする。
【0013】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記複数の薄片の各々の端部が、前記電子顕微鏡からの電子線の透過経路方向から見て段差状に配置されていることを特徴とする。
【0014】
また、請求項3に記載の発明は、観察用試料の内部に不規則に存在する結晶欠陥などを観察するために、前記観察用試料の観察対象領域を薄膜化してなる電子顕微鏡観察用試料の作製方法において、前記観察対象領域が観察されるように、前記観察用試料を前記電子顕微鏡に装着可能な形状に切り出す工程と、該切り出し工程により切り出された前記観察対象領域のうち、薄膜化されるべく複数の薄片の中間部分に凹状溝を形成する工程と、前記観察対象領域の両外側方向から前記凹状溝に向けて加工し、複数の薄膜化された薄片を形成する薄片化工程とを有し、前記薄片化工程により形成された薄片を、前記電子顕微鏡からの電子線の透過経路に配置して前記観察対象領域に存在する結晶欠陥などの観察を可能にすることを特徴とする。
【0015】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記薄片化工程の前に前記観察対象領域の表面に保護層を形成する工程を有することを特徴とする。
【0016】
また、請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の発明において、前記複数の薄片の各々の一方の端部側に空隙部を形成することを特徴とする。
【0017】
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記複数の薄片の各々の端部が、前記電子線の透過経路方向から見て段差状に配置されていることを特徴とする。
【0018】
また、請求項7に記載の発明は、請求項3乃至6のいずれかに記載の発明において、前記複数の薄片の合計厚さが、前記電子線の透過可能な厚さであることを特徴とする。
【0019】
また、請求項8に記載の発明は、請求項3乃至7のいずれか記載の発明において、前記凹状溝を形成する工程及び前記薄片化工程において、集束イオンビーム加工手段を用いることを特徴とする。
【0020】
また、請求項9に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記切り出す工程により切り出された前記観察対象領域の試料部分の厚さは、20μm〜50μmであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、観察対象領域が観察されるように、観察用試料を電子顕微鏡に装着可能な形状に切り出す工程と、この切り出し工程により切り出された観察対象領域のうち、薄膜化されるべく複数の薄片の中間部分に凹状溝を形成する工程と、観察対象領域の両外側方向から凹状溝に向けて加工し、複数の薄膜化された薄片を形成する薄片化工程とを有し、この薄片化工程により形成された薄片を、電子顕微鏡からの電子線の透過経路に配置して観察対象領域に存在する結晶欠陥などの観察を可能にする。
【0022】
すなわち、欠陥が存在すると推定される領域をTEM観察用試料として薄膜化する際、電子線が透過する経路に複数の薄片を形成するので、複数の薄片の合計膜厚が、電子線が透過可能な膜厚より薄ければ、各薄片の情報が重ね合わされた透過電子線が得られ、従来の1箇所を薄膜化する方法に比べ、欠陥を捉える可能性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
まず、試料内部の結晶欠陥と薄膜化箇所の関係について説明する。
図4(a),(b)は、本発明における結晶欠陥と薄膜化箇所の関係を示す模式図で、図4(a)は、従来からの1枚の薄片を有する場合で、図4(b)は、本発明における2枚の薄片を有する場合の説明図である。図中符号1は第1の薄片、2は第2の薄片、4,14は結晶欠陥を示している。
【0024】
図4(a)に示すように、従来の1枚の薄片を形成する場合に、結晶欠陥14を薄片11上に捉えてTEM観察するためには、少なくとも結晶欠陥14の一部が薄膜11に重ならなければならない。従って、結晶欠陥14の大きさをa、薄片11の厚さdとすると、結晶欠陥14を捉えられる領域の大きさbは、b=d+2aとなる(領域b内に結晶欠陥4の全体が入れば、薄片11に結晶欠陥14の一部が重なる)。
【0025】
一方、図4(b)に示すように、本発明におけるように薄片を2枚形成する場合は、結晶欠陥4の大きさをa、薄片1,2の厚さをd/2(合計の膜厚が従来例と同じdとなるようにした)とすると、結晶欠陥4を捉えられる領域の大きさbは、b=d+4aとなり、従来例よりも結晶欠陥4を捉えられる領域が大きくなる。
【0026】
このように状況を踏まえ、薄片1,2を2枚形成した場合の本発明の実施例について以下に説明する。
【実施例1】
【0027】
図2(a),(b)は、本発明の電子顕微鏡観察用試料の実施例1を説明するための構成図で、図2(a)は平面図、図2(b)は斜視図である。図中符号3は観察用試料、5aは凹状溝、5bは加工溝を示している。図中の矢印は、電子顕微鏡からの電子線を示している。なお、図4と同じ構成要素については同一の符号を付してある。
【0028】
本発明の電子顕微鏡観察用試料は、観察用試料3の内部に不規則に存在する結晶欠陥などを観察するために、観察用試料3の観察対象領域を薄膜化してなるものであり、観察対象領域に複数の薄片1,2を形成すべく中間部分に凹状溝5aが設けられているとともに、観察対象領域の両外側に加工溝5bが設けられてなる複数の薄膜化された薄片1,2を有している。
【0029】
上述したように、図1に示した従来の電子顕微鏡観察用試料は、Siなどの観察用試料に対し、1枚の薄片11を形成しているのに対して、本発明では図2に示すように、観察用試料3に対し、凹状溝5aと加工溝5bにより第1の薄片1と第2の薄片2の2枚の薄片1,2を形成している。薄片1と薄片2の合計の膜厚は、観察に使用する電子顕微鏡の電子線が透過する厚さ以下である必要がある。形成される薄片1,2の枚数は、2枚に限定するものではなく、薄片1,2の合計の膜厚が、観察に使用する電子顕微鏡の電子線が透過する厚さ以下であれば、枚数は多くてもよい。
【実施例2】
【0030】
図3(a),(b)は、本発明の電子顕微鏡観察用試料の実施例2を説明するための構成図で、図3(a)は平面図、図3(b)は斜視図である。なお、図中符号5cは空隙部で、その他図2と同じ構成要素は同一に符号を付してある。
【0031】
観察用試料3の凹状溝5a及び加工溝5bにより形成された薄片1,2の一方に端部を除去して空隙部5cを形成し、この薄片1,2の端部を電子線が透過する方向から見て段差状になるように加工する。つまり、第1の薄片1の長さと第2の薄片2の長さとを異なるようにすることによって、2枚の薄片1,2を段差状に配置する。
【0032】
このようにすることにより、電子顕微鏡観察時に薄片1,2の端部それぞれにフォーカスを合わせることができ、観察された結晶欠陥が薄片1,2のどちらにあるのか判別することができる。さらに、結晶欠陥がある方の薄片を残し、他方をFIBで除去後に再度観察することで、結晶欠陥をより詳細に観察することも可能である。
【0033】
次に、本発明の電子顕微鏡観察用試料の作製方法について以下に説明する。
まず、ダイサー(高速回転外周刃加工装置)で薄膜化箇所を含む部分をTEM試料ホルダーに取り付け可能なサイズに切り出す。次に、FIBで第1の薄片1と第2の薄片2とを形成する。このとき後のFIBの加工時間を短縮するため薄膜化箇所の近傍は、ダイサーでの切り出し時に厚さを20μm〜50μmにするのが望ましい。なお、薄片の形成方法は、上述した方法に限定されるものではない。
【0034】
図5(a)〜(c)は、本発明の電子顕微鏡観察用試料の作製方法を説明するための工程図で、上側が平面図、下側が斜視図である。2枚の薄片1,2を形成し、Si基板に形成されたエピタキシャル層表面付近の結晶欠陥を評価する場合について説明する。
【0035】
まず、観察対象領域が観察されるように、観察用試料3をダイサーにより電子顕微鏡に装着可能な形状に切り出す。厚さ500μmのSiウェハー上に厚さ5μmのエピタキシャル層が形成されている観察用試料3をダイサーでTEM試料ホルダーに取り付け可能な2mm×0.2mmサイズに切り出した。このとき、後のFIB加工の時間を短縮するため観察用試料3の上面は、幅30μmになるように表面から50μmの深さまでダイサーで切削した(図示せず)。
【0036】
次に、観察対象領域の試料部分の表面に、加工中の薄片を保護するための保護膜を形成する。この保護層としてPtを10μm×6μmの領域に、厚さ1μm形成した(図示せず)。この保護層の形成は、切り出し工程の後に行われるが、次に説明する薄片化工程の前に行なえばよい。
【0037】
次に、FIBによる薄片化を行なう。図5(a)の状態から図5(b)に示すように、FIBにより2枚の薄片1,2の間となる部分を8μm×3μm、深さ5μmに加工して凹状溝5aを形成する。つまり、切り出された観察対象領域のうち、形成すべく複数の薄片1,2の中間部分に凹状溝5aを形成する。
【0038】
次に、図5(c)に示すように、FIBにより観察用試料3の観察対象領域の両外側方向から凹状溝5aに向けて加工溝5bを形成し、複数の薄膜化された薄片1,2を形成する。薄片1,2は、幅8μm、深さ5μm、厚さ0.05μm以下とした。
【0039】
このようにして作製された電子顕微鏡観察用試料を5個用意し、TEMで観察したところ、3個の観察用試料3でエピタキシャル層の結晶欠陥が観察された。
【0040】
本発明と比較するために、幅8μm、深さ5μm、厚さ0.1μm以下の薄片を1枚のみ形成すること以外は実施例と同様の方法で比較用の観察用試料を5個作製した。作製された5個の観察用試料をTEMで観察したところ、1個の観察用試料でエピタキシャル層の結晶欠陥が観察された。このように、本発明における2つの薄片を有する観察用試料の方が、1つの薄片を有する観察用試料よりも多くの結晶欠陥を観察できることが分かった。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】(a),(b)は、従来の電子顕微鏡観察用試料を示す構成図で、(a)は平面図、(b)は斜視図である。
【図2】(a),(b)は、本発明の電子顕微鏡観察用試料の実施例1を説明するための構成図で、(a)は平面図、(b)は斜視図である。
【図3】(a),(b)は、本発明の電子顕微鏡観察用試料の実施例2を説明するための構成図で、(a)は平面図、(b)は斜視図である。
【図4】(a),(b)は、本発明における結晶欠陥と薄膜化箇所の関係を示す模式図で、(a)は、従来からの1枚の薄片を有する場合で、(b)は、本発明における2枚の薄片を有する場合の説明図である。
【図5】(a)〜(c)は、本発明の電子顕微鏡観察用試料の作製方法を説明するための工程図で、上側が平面図、下側が斜視図である。
【符号の説明】
【0042】
1 第1の薄片
2 第2の薄片
3,13 観察用試料
4,14 結晶欠陥
5a 凹状溝
5b 加工溝
5c 空隙部
11 薄片
12 加工溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
観察用試料の内部に不規則に存在する結晶欠陥などを観察するために、前記観察用試料の観察対象領域を薄膜化してなる電子顕微鏡観察用試料において、
前記観察対象領域に複数の薄片を形成すべく中間部分に凹状溝が設けられているとともに、前記観察対象領域の両外側に加工溝が設けられてなる複数の薄膜化された薄片を有することを特徴とする電子顕微鏡観察用試料。
【請求項2】
前記複数の薄片の各々の端部が、前記電子顕微鏡からの電子線の透過経路方向から見て段差状に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電子顕微鏡観察用試料。
【請求項3】
観察用試料の内部に不規則に存在する結晶欠陥などを観察するために、前記観察用試料の観察対象領域を薄膜化してなる電子顕微鏡観察用試料の作製方法において、
前記観察対象領域が観察されるように、前記観察用試料を前記電子顕微鏡に装着可能な形状に切り出す工程と、
該切り出し工程により切り出された前記観察対象領域のうち、薄膜化されるべく複数の薄片の中間部分に凹状溝を形成する工程と、
前記観察対象領域の両外側方向から前記凹状溝に向けて加工し、複数の薄膜化された薄片を形成する薄片化工程と
を有し、前記薄片化工程により形成された薄片を、前記電子顕微鏡からの電子線の透過経路に配置して前記観察対象領域に存在する結晶欠陥などの観察を可能にすることを特徴とする電子顕微鏡観察用試料の作製方法。
【請求項4】
前記薄片化工程の前に前記観察対象領域の表面に保護層を形成する工程を有することを特徴とする請求項3に記載の電子顕微鏡観察用試料の作製方法。
【請求項5】
前記複数の薄片の各々の一方の端部側に空隙部を形成することを特徴とする請求項3又は4に記載の電子顕微鏡観察用試料の作製方法。
【請求項6】
前記複数の薄片の各々の端部が、前記電子線の透過経路方向から見て段差状に配置されていることを特徴とする請求項5に記載の電子顕微鏡観察用試料の作製方法。
【請求項7】
前記複数の薄片の合計厚さが、前記電子線の透過可能な厚さであることを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の電子顕微鏡観察用試料の作製方法。
【請求項8】
前記凹状溝を形成する工程及び前記薄片化工程において、集束イオンビーム加工手段を用いることを特徴とする請求項3乃至7のいずれかに記載の電子顕微鏡観察用試料の作製方法。
【請求項9】
前記切り出す工程により切り出された前記観察対象領域の試料部分の厚さは、20μm〜50μmであることを特徴とする請求項3に記載の電子顕微鏡観察用試料の作製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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