説明

電極パターンマスクの製造方法および電極

【課題】高い作業効率の電極パターンマスクの製造方法を提供し、断線の無い電極を提供する。
【解決手段】液晶表示パネルの表示パターンに対応する形状を有し、その少なくとも一部にスリットが配置された電極の形成に使用される電極パターンマスクの製造方法を、スリットと形状および配置が同じであるスリットパターンを備えるマザースリットパターンAを形成する工程と、表示パターンと同じ外形の輪郭パターンBとマザースリットパターンAとを合成して第1の合成パターンCを形成する工程と、第1の合成パターンCから、輪郭パターンBからはみ出す部分と輪郭線を除去して、第2の合成パターンDを形成する工程と、電極パターンEと第2の合成パターンDと合成して、第3の合成パターンFを形成する工程とを含んで構成する。得られた電極パターンマスクから電極を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極パターンマスクの製造方法および電極に関し、特に、液晶表示パネルの電極の形成に用いられる電極パターンマスクの製造方法および液晶表示パネルの電極に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示素子は、比較的単純な構造を有し、構成部材の選択によって薄型化および軽量化が容易であり、加えて、低電圧での駆動が可能という特徴を有する。このため、近年では、コンピュータ、テレビ、ビデオカメラおよび車両のインストルメントパネルなど、電子機器の表示部として盛んに利用されている。
【0003】
例えば、透過型の液晶表示素子は、所定の方向に配向した数μm程度の極薄い液晶層と、この液晶層を挟持する透明な一対の薄い基板と、さらに、この基板を挟持して偏光子および検光子を構成する一対の偏光板とを有する液晶表示パネルからなる。液晶表示パネルの、液晶層が設けられる側の基板面には、所定の形状にパターニングされた電極が形成されている。液晶表示パネルの電極は、画像表示のための画素電極とそれに接続する配線を有し、液晶表示パネルにおける表示のパターン(以下、表示パターンと称する。)に対応するように構成されている。したがって、電極を介して液晶層に電圧を印加すると、液晶の配向が変化して、その部分で液晶表示パネルを透過する光の量または波長が変わる。液晶表示素子では、こうした透過光の変化を利用して所望の表示を行っている。
【0004】
液晶表示素子は、液晶層の初期配向状態並びに電圧印加時の動作状態および配向状態などによって、いくつかのモードに分類される。例えば、テレビや自動車などの車両のインストルメントパネルなどに用いられる液晶表示素子の1つに、垂直配向(Vertical Alignment;以下、VAと称す。)モードがある。
【0005】
VAモードの液晶表示パネルは、一対の基板間に、初期配向状態が基板と概ね垂直(垂直配向)な負の誘電率異方性(Δε)を有する液晶層を挟持し、さらに、この基板を、通常はクロスニコルを構成するように配置した一対の偏光板で挟持することによって構成される。そして、両基板面に形成された電極を介して液晶層に電圧を印加すると、電極形成部分の液晶の配向が変化して、液晶層が電界に対して垂直、すなわち、液晶の配向方向が基板と平行になる。これにより、電圧を印加した部分と印加していない部分とで、液晶の屈折率異方性(Δn)と液晶層厚(d)との積(Δn・d)によって定まる光の透過特性、特に、色味に違いを生じさせることができる。
【0006】
ところで、液晶表示パネルにおいては、液晶が基板に対して概ね垂直に配向するように、また、電圧印加時の液晶の動作方向が均一となるように、液晶層を挟持するそれぞれの基板に対して配向処理が施されている。このとき、VAモード液晶表示パネルにおいては、液晶層における液晶の初期配向は、基板に対して完全に垂直ではなく若干斜めとなる。すなわち、配向する液晶分子の長軸方向は、法線方向との間に極く小さな角度(プレチルト角)を持つ。そして、電圧を印加すると、プレチルト角が大きくなる方向に液晶が動作する結果、液晶は、概ね基板と平行に配向するようになる。
【0007】
しかしながら、液晶が上記のように配向すると、液晶表示パネルを見る方向によって液晶分子の傾斜角度が異なることとなる。このため、視角方向により、液晶表示パネルの輝度やコントラストが変化してしまうという問題があった。
【0008】
これに対して、透明基板の上に、絶縁膜、画素電極および配向膜が順に形成されたアクティブマトリクス基板について、画素電極に複数の開口部を設けることによって、液晶層に電圧を印加したときに開口部周辺の電気力線を基板に対して傾け、これによって、開口部周辺の液晶分子を、開口部を中心として放射線状に倒れるように配向させる液晶表示素子が提案されている(特許文献1参照)。この液晶表示素子によれば、開口部周辺の液晶分子を軸対称状に配向させるので、広視野角の表示特性を実現できるとされる。
【0009】
また、液晶層を挟持する一対の透明基板上の電極各々にスリットを設け、これらのスリットが、表示領域内でスリットの長手方向と直交する方向に交互に配置された液晶表示パネルも提案されている(特許文献2参照)。この液晶表示パネルによれば、スリットのエッジ付近に生じる斜め電界によって、隣り合う液晶分子の倒れこむ方向を交互に逆転させ、何れの視角方向においても、最も視認状態のよい小領域が最も視認状態の悪い小領域によって補償されるようにするので、表示領域全体としての視角依存性を低減できるとされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許第3367902号明細書
【特許文献2】特開2004−252298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
以上のように、VAモードの液晶表示パネルにおいては、基板上で垂直配向する液晶層にプレチルト角を付与するとともに視角の依存性を低減するため、基板上に形成された電極にスリットを設ける技術が知られている。VAモードなどの液晶表示パネルにおいて、電極の構造は、表示パターンに対応するとともに視角の改善に寄与するなど、重要な役割を果たすことになる。
【0012】
液晶表示パネルの電極については、フォトマスクを使用したフォトリソグラフィ技術を利用することにより、基板上で形成することが可能である。例えば、フォトマスクは、液晶表示パネルの電極に対応する形状の電極パターンを備える。そして、導電性の材料層の形成された基板上に感光性樹脂からなる樹脂層を設け、樹脂層に対し、露光機とフォトマスクによる所望のパターン露光を行い、現像、エッチング等を行い、基板上に電極を形成することが可能である。尚、以下、基板上に電極を形成するために用いられるフォトマスクを電極パターンマスクと称することにする。
【0013】
したがって、フォトリソグラフィ技術において、電極パターンマスクは、所望の形状の電極を基板上に形成するための主要な部材となる。上述のように液晶表示パネルの電極にスリットを形成する場合、電極パターンマスクは、スリットに対応するスリットパターンを備えた電極パターンを備える必要がある。そのため、電極パターンマスクの設計と、製版等の製造は非常に重要な作業となる。
【0014】
スリットを有する電極の形成に用いる電極パターンマスクを製造する場合、従来の設計では、はじめに、電極の形状に対応する形状の電極パターンの形成を行ってきた。この時点で電極パターンには、必要とされるスリットパターンは設けられていない。次いで、その電極パターンの中に、例えば、基準点を設け、その基準点に基づき、多数のスリットパターンを配置する。こうして、多数のスリットパターンを有する電極パターンを形成し、電極パターンマスクの製造を行う。
そして、例えば、キャラクタ表示の場合など、複雑な表示パターンに対応するよう、複数の画素電極からなる電極の形成が必要になる場合がある。その場合、電極パターンマスクの設計において、複数の画素電極のそれぞれに対応するよう、複数のセグメントパターンからなる電極パターンの形成を先ず行い、その後にセグメントパターン毎にスリットパターンを配置する方法が行われてきた。
【0015】
しかしながら、液晶表示パネルにおいて表示パターンの密度が高くなると、電極の形成密度も高くなる。そのため、電極パターンマスクを構成するセグメントパターンの数は膨大になることがある。そして、電極パターンマスクの設計に際し、セグメントパターンの一つ一つに対してスリットパターンを配置しようとした場合、その配置作業には膨大な時間が必要となっていた。同時に、電極パターンマスクを製造するためのマスクデータも膨大になり、その取扱いに困難が生じることがあった。そのため、電極パターンマスクの設計時間は長時間を要し、また、電極パターンマスクの製造作業の効率を低下させる原因となっていた。
【0016】
したがって、液晶表示パネルの電極にスリットを形成しようとする場合、電極パターンマスクの製造を効率的に進めることができる電極パターンマスクの製造方法が求められていた。
【0017】
また、別の課題として、液晶表示パネルの電極、特に画素電極にスリットを設けた場合、スリットの形状および配置、さらには、配線の引き回し方法によって、画素電極と配線との接続部分の面積が小さくなることがあった。その場合、接続部分において断線が生じる場合がある。したがって、このような断線の問題の生じにくい構造の液晶表示パネルの電極が求められている。
【0018】
本発明は、以上のような問題に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、設計に必要な時間を短縮でき、効率良く電極パターンマスクを製造することができる電極パターンマスクの製造方法を提供することである。そして、断線の発生を抑制できる電極を提供することである。
【0019】
本発明の他の目的および利点は、以下の記載から明らかとなるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の第1の態様は、液晶表示パネルの表示パターンに対応する形状を有し、その少なくとも一部にスリットが配置された電極の形成に使用される電極パターンマスクの製造方法であって、
そのスリットと形状および配置が同じであるスリットパターンを備えるマザースリットパターンを形成する工程と、
表示パターンと同じ外形の輪郭線からなる輪郭パターンと前記マザースリットパターンとを合成して第1の合成パターンを形成する工程と、
第1の合成パターンから、輪郭パターンからはみ出す部分と輪郭パターンの輪郭線を除去して、スリットパターンのみからなる第2の合成パターンを形成する工程と、
表示パターンに対応し、スリットパターンのない電極パターンを形成する工程と、
スリットパターンのない電極パターンと第2の合成パターンと合成して、第3の合成パターンを形成する工程と
を有することを特徴とする電極パターンマスクの製造方法に関する。
【0021】
本発明の第1の態様において、マザースリットパターンは、液晶表示パネルの外形より大きな外形を有することが好ましい。
【0022】
本発明の第1の態様では、スリットパターンのない電極パターンを形成する工程において、電極パターンは、液晶表示パネルの引き回し配線に対応する配線パターンと、表示パターンに対応するセグメントパターンと、その配線パターンとそのセグメントパターンとを接続する配線接続パターンとを形成し、
配線接続パターンが、配線よりも幅広であって、かつスリット2個分の幅よりも広い幅であることが好ましい。
【0023】
本発明の第1の態様において、液晶表示パネルは、垂直配向モードの液晶表示パネルであることが好ましい。
【0024】
本発明の第2の態様は、少なくとも一部に複数のスリットが配置された液晶表示パネルの電極であって、
複数のスリットが配置された画素電極と、液晶表示パネルの液晶を駆動する回路に接続する配線と、画素電極と配線との間に配置されて画素電極および配線のそれぞれと接続する配線接続部とを有し、
配線接続部は、画素電極と配線接続部とが接する接続部分に沿って画素電極に配置されたスリット2個分の幅より広い幅を有することを特徴とする電極に関する。
【0025】
本発明の第2の態様において、本発明の第1の態様の電極パターンマスクの製造方法による電極パターンマスクを用いて製造されることが好ましい。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、高い作業効率の電極パターンマスクの製造方法が提供される。そして、本発明によれば、断線が低減された電極が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本実施の形態の液晶表示パネルの電極の一例を示す平面図である。
【図2】図1に示す電極の一部である画素電極を拡大して示す平面図である。
【図3】図2に示す画素電極の有するスリットを拡大して示す平面図である。
【図4】本実施の形態の電極パターンマスクの製造方法を示すフローチャートである。
【図5】マザースリットパターン上に置かれた液晶表示パネルを模式的に示す図である。
【図6】本実施の形態の電極パターンマスクの製造方法よって得られた第3の合成パターンの例を説明する平面図である。
【図7】本実施の形態の電極パターンマスクの製造方法によって形成可能な電極のスリットの別の例を示す図である。
【図8】本実施の形態の電極パターンマスクの製造方法によって形成可能な電極のスリットのさらに別の例を示す図である。
【図9】従来の液晶表示パネルの電極の配線接続部分の構造を説明する図である。
【図10】本実施の形態の電極の構造の一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本実施の形態の液晶表示パネルは、例えば、VAモードの液晶表示パネルとすることができる。そして、本実施の形態の液晶表示パネルは、液晶層を挟持する一対の基板上の液晶層側の面それぞれに、表示パターンに対応するよう形成された電極を有している。
【0029】
図1は、本実施の形態の液晶表示パネルの電極の一例を示す平面図である。
【0030】
図2は、図1に示す電極の一部である画素電極を拡大して示す平面図である。
【0031】
図1に示す電極1は、本実施の形態の液晶表示パネルが、基板上に有する電極を例示するものである。図1に示す電極1は、0〜9の数字を表示するキャラクタ表示に対応し、7個の画素電極2からなる。画素電極2は、正しく設置された液晶表示パネルを正面から観察した場合の左右方向であるX方向と、X方向と直交する上下方向に対応するY方向に対して図1に示す配置で設けることができる。各画素電極2には、例えば、図2に示すような形状と配置の多数のスリット3が設けられている。そして、画素電極2には、スリット3に囲まれた多数のサブ電極4が設けられている。尚、図1では、各画素電極2が有するスリットは省略されている。
【0032】
図3は、図2に示す画素電極の有するスリットを拡大して示す平面図である。
【0033】
図3に示すスリット3は、細長い長方形のスリットが、くの字状に、ほぼ直角に屈曲した形状を有する。
【0034】
図3に示すように、スリット3は、くの字形状の屈曲部分の先端が、例えば、表示画面のある1つの方向であるY方向など、一定の方向に向かうよう形成される。そして、一つの画素電極(図示されない)内で,Y方向とそれに直交するX方向に、複数のスリット3が整列して配置されている。すなわち、Y方向に配列されたスリット3の列については、隣接する列間でスリット3のX方向のピッチが半ピッチずつずれるように形成されている。その結果、3つのスリット3a、3b、3cによって区切られたサブ電極4が形成されている。図3に示すサブ電極4の形成ピッチP1は、好ましくは50μm〜100μmであり、より好ましくは55μmである。そして、スリット3の幅D1は、好ましくは5μm〜20μmであり、より好ましくは7μm〜15μmである。スリット3の幅D1をこうした値に設定することで、サブ電極4の面積を十分に確保できる。尚、サブ電極4の形成ピッチは、図3に示すように、スリット3の形成ピッチを用いて定義することができる。すなわち、サブ電極4の形成ピッチを、くの字状に屈曲するスリット3の中心部分から左下方向および右下方向のそれぞれに伸びる部分の形成ピッチであって、それらの部分が伸びる方向と垂直な方向における形成ピッチP1と定義することができる。その場合、図3では、画素電極内での右または左の斜め方向のスリット3の形成ピッチとなる。
【0035】
図2および図3に示すように、液晶表示パネルにおいては、基板上に形成された電極1の画素電極2にこのような形状と配置のスリット3を多数形成することで、画素電極2内にサブ電極4を形成することができる。そして、液晶表示パネルがVAモードである場合、基板上で垂直配向する液晶層にプレチルト角を付与するとともに視角の依存性を低減することができる。以下で、液晶表示パネルの基板上の電極であって、例えば、複数のスリットを配置して構成された電極の形成について説明する。そして特に、電極の製造に用いられる電極パターンマスクの製造方法について説明する。
【0036】
液晶表示パネルの基板上の電極の形成は、上述のようにフォトリソグラフィ法を利用して行うことができる。その場合、電極形状に対応するパターン露光を行うため、対応する電極パターンを備えた電極パターンマスクを製造する必要がある。本実施の形態の電極パターンマスクの製造方法では、従来方法に比べ高効率な電極パターンマスクの製造を実現する。
【0037】
液晶表示パネルのスリットを有する電極に対応するように、電極パターンマスクの電極パターンを形成する場合、従来方法では、初めに電極の外形に対応する形状の電極パターンの形成を行う。次いで、電極のスリットと同じ形状および配置のスリットパターンを電極パターンに形成する。その結果、多数のスリットパターンが配置された電極パターンを備えた電極パターンマスクを製造するという方法をとってきた。
【0038】
一方、本実施の形態の電極パターンマスクの製造方法では、例えば、液晶表示パネルや液晶表示パネルを構成する基板の外形より大きな外形を有するマザースリットパターンを準備する。このマザースリットパターンは、例えば、図2に示すスリット3と同じ形状と配置のスリットパターンを用いて構成される。すなわち、マザースリットパターンは、図2のスリット3と同じ形状および配置のスリットパターンによって全面が構成されている。このマザースリットパターンと、電極の形状に対応する形状を備えた、スリットパターンが形成されていない電極パターンとを組み合わせて合成処理を行う。その後、不要部分を除去するなどして、所望する電極パターンマスクを高効率に形成する。以下、本実施の形態の電極パターンマスクの製造方法をより詳しく説明する。
【0039】
図4は、本実施の形態の電極パターンマスクの製造方法を示すフローチャートである。
【0040】
図4では、本実施の形態の電極パターンマスクの製造方法に含まれる主要な製造工程(ステップS1〜ステップS7)を説明している。
【0041】
図4に示すように、本実施の形態の電極パターンマスクの製造方法のステップS1では、マザースリットパターン(A)を形成する。マザースリットパターン(A)は、所望の形状と配置を有するスリットパターンから構成されている。そして、例えば、本実施の形態の電極パターンマスクが、図3に示すスリット3を配置した電極を形成するためのものである場合、スリット3と同じ形状と配置のスリットパターンを備えるマザースリットパターン(A)を形成する。
【0042】
図5は、マザースリットパターン上に置かれた液晶表示パネルを模式的に示す図である。
【0043】
図5に示すように、マザースリットパターン(A)は、電極の形成された一対の基板によって構成された液晶表示パネル5の外形より大きな外形を有する。マザースリットパターン(A)は、例えば、外形を縦が1000mmで横が1000mmの正方形状とするなど、所定形状で所定の大きさとすることが可能である。したがって、マザースリットパターン(A)は、液晶表示パネルの基板上に形成される電極に比べて、より大きな外形を有している。
【0044】
続くステップS2とステップS3では、液晶表示パネルにおいて実際に点灯表示される表示パターンを、ステップS1で得られたマザースリットパターン(A)に重ね合わせる作業が行われる。液晶表示パネルでは、表示パターンに対応するように、基板上の電極の形状が設計されている。そして、液晶表示パネルにおける表示パターンは、液晶層を挟持する一対の基板の表面のそれぞれに形成された、電極の互いに対向する部分の形状に対応して定められる。
ステップS2では、表示パターンのマザースリットパターン(A)への重ね合わせ作業を行うため、ステップS1とは別に、液晶表示パネルの表示パターンの輪郭を表す輪郭パターン(B)を形成する。
【0045】
ステップS3では、ステップS1で得られたマザースリットパターン(A)とステップS2で得られた輪郭パターン(B)とを用い、それぞれが有する基準位置を一致させ、マザースリットパターン(A)と輪郭パターン(B)とを重ね合わせる。そして、マザースリットパターン(A)と輪郭パターン(B)とを合成し、第1の合成パターン(C)を形成する。
【0046】
ステップS4では、ステップS3で得られた第1の合成パターン(C)を用い、輪郭パターン(B)の外にはみ出している部分を除去する。マザースリットパターン(A)は、輪郭パターン(B)に比べて大きな外形を有するため、第1の合成パターン(C)では、輪郭パターン(B)に由来する部分の外にマザースリットパターンに由来する部分の一部がはみ出すことになる。ステップS4では、その部分を除去する。このとき、マザースリットパターン(A)は、スリットパターンから構成されており、上述したはみ出し部分の除去は、輪郭パターン(B)からはみ出すスリットパターンを除去することになる。尚、ここで、輪郭パターン(B)と接触しているスリットパターンについては除去せず、そのまま残すことが可能である。
【0047】
ステップS5では、ステップS4で一部のスリットパターンが除去された第1の合成パターン(C)から、輪郭パターン(B)に由来する輪郭線のみを削除する。そして、表示パターンに対応する外形を有し、スリットパターンのみから構成される第2の合成パターン(D)を形成する。
【0048】
ステップS6では、ステップS5とは別に、液晶表示パネルの基板上に形成された電極に対応する、スリットパターンの形成されていない電極パターン(E)を形成する。液晶表示パネルの基板上に形成された電極は、表示パターンに対応する画素電極と液晶表示パネルの引回し配線などを含んで構成される。したがって、スリットパターンのない電極パターン(E)には、画素電極に対応するセグメントパターンと引回し配線に対応する配線パターンなどが含まれる。そして、電極パターン(E)は表示パターンに対応する。この工程において、セグメントパターンと配線パターンとを接続する配線接続パターンを形成することが好ましい。特に、この配線接続パターンのセグメントパターンとの接続幅は、配線パターンの幅よりも大きく、かつ、スリットパターン2個分の幅よりも大きいこと、すなわち、引回し配線の幅よりも大きく、かつ、電極に配置されるスリット2個分の幅よりも大きくすることが好ましい。こうすることにより、電極パターンマスクを用いて製造される電極での断線防止や配線抵抗の上昇防止を可能にする。尚、ここで示されるスリット2個分の長さとは、スリットの1個の長さを単純に2倍にした長さではなく、実際に電極上に配置されたスリットの2個分の長さである。したがって、スリット2個分の長さには、スリットの1個の長さを単純に2倍にした長さとともに、2個のスリットの間に形成されている隙間部分の長さも含まれる。
【0049】
ステップS7では、ステップS5で得られた第2の合成パターン(D)とステップS6で得られたスリットパターンのない電極パターン(E)とを重ね合わせて合成し、第3の合成パターン(F)、すなわち、スリットパターンの形成された電極パターンを形成する。次いで、必要な検査などを行う。このような工程を経て作成された電極パターンマスクは配線パターンにスリットパターンが配設されずに、表示パターンに対応する部分のみにスリットパターンを確実に配置することができる。
【0050】
図6は、本実施の形態の電極パターンマスクの製造方法よって得られた第3の合成パターンの例を説明する平面図である。
【0051】
図6に示すように、第3の合成パターン(F)は、上述のように、電極パターン(E)に第2の合成パターンで(D)を重ね合わせた構造を有する。したがって、第3の合成パターン(F)は、電極パターン(E)に由来する形状を有する。そして、第3の合成パターン(F)の中には、第2の合成パターン(D)と電極パターン(E)との重ね合わせ部分(D+E)のほか、電極パターン(E)に含まれていた他の部分に対応するスリットパターンを有しない部分(e1)および配線パターン(e2)などが含まれている。
【0052】
そして、形成された第3の合成パターン(F)を用いて電極パターンマスクを製造することができる。この本実施の形態の電極パターンマスクは、上述のように、所望のスリットパターンを全面に配置して構成されたマザースリットパターンを用い、そこに電極パターンを組み合わせて効率的に製造されたものである。本実施の形態の電極パターンマスクの製造方法によれば、短い時間で高効率に電極パターンマスクを製造することができる。
【0053】
そして、この本実施の形態の電極パターンマスクを使用して、フォトリソグラフィ法により液晶表示パネルの基板上に電極を形成することができる。得られる基板上の電極は、所望の形状を備えることができるが、上述のように、例えば、図3に示されたスリット3を多数配置して有することができる。そして、液晶表示パネルに用いられ、電極中のサブ電極を用い、垂直配向する液晶層にプレチルト角を付与することや、視角の依存性を低減することなどを可能とする。
【0054】
尚、本実施の形態の電極パターンマスクの製造方法において形成可能なスリットパターンについては、図3に示したスリット3と同じ形状と配置のみに限られるわけではない。本実施の形態の電極パターンマスクの製造方法では、多様な構造の電極パターンマスクの形成を行うことができる。そして、スリット3と異なる形状と配置のスリットパターンを有する電極パターンを形成することが可能である。
【0055】
すなわち、上述した図4のステップS1において、図3に示すスリット3と異なる形状と配置のスリットに対応するスリットパターンを用いてマザースリットパターンを構成する。そして、電極パターンマスクを形成することが可能である。
【0056】
図7は、本実施の形態の電極パターンマスクの製造方法によって形成可能な電極のスリットの別の例を示す図である。
【0057】
図3のスリット3と異なる形状と配置のスリットの例としては、例えば、図7に示すスリット構造とすることが可能である。
【0058】
図7に示すスリット構造の例では、Y方向に伸びる複数の直線状のスリット33と、X方向に伸びる複数の直線状のスリット34とが、互いに交わることがないように、組み合わされて形成されている。その結果、図7に示すように、4本のスリット33a、33b、34a、34bによって、正方形に区切られたサブ電極35が形成される。好ましいサブ電極35の形成ピッチP2は、30μm〜100μmである。スリット33とスリット34のスリット幅は5μm〜20μmが好ましく、特に10μmとすることが好ましい。尚、サブ電極の形成ピッチは、図7に示すように、同じ方向に伸びるスリット部分の形成ピッチであって、スリット部分が伸びる方向と垂直な方向における形成ピッチである。
【0059】
また、VAモードの液晶表示パネルにおいては、液晶層を挟持する一対の基板それぞれの電極にスリットを設ける場合がある。
【0060】
図8は、本実施の形態の電極パターンマスクの製造方法によって形成可能な電極のスリットのさらに別の例を示す図である。
【0061】
本実施の形態の液晶表示パネルにおいては、基板上の電極に、例えば、図8に示すスリットを有することが可能である。図8に示すスリットでは、上述した図3のスリット3と同様の構造の、くの字状に屈曲したスリット64がピッチP3で配置されている。そして、サブ電極65の中央付近に位置するよう円形スリット67が設けられている。円形スリット67は、スリット64が形成された電極に形成されたものではなく、液晶表示パネルのもう一方の基板の電極に形成されたものである。
【0062】
液晶表示パネルにおいて、図8に示すような構造のスリットを形成しようとする場合、液晶層を挟持する一対の基板の各電極を、上述の電極パターンマスクの製造方法による電極パターンマスクを用いて形成することが可能である。すなわち、本実施の形態の電極パターンマスクの製造方法により電極パターンマスクを製造する。そして、得られた電極パターンマスクを用いて、スリットを有する電極をそれぞれが備えた一対の基板を準備することができる。次いで、それら一対の基板を用いて液晶層を挟持し、液晶表示パネルを構成することが可能である。
【0063】
例えば、図8に示すスリットの形成においては、屈曲構造のスリット64と同じの形状と配置のスリットパターンを用い、マザースリットパターンを形成する。そのマザースリットパターンから上述した工程に従い、電極パターンマスクを形成する。そして、その電極パターンマスクを用い、スリット64を多数配置した電極を有する基板を得る。次に、円形スリット67と同じ形状と配置のスリットパターンからなるマザースリットパターンを形成し、上述した各工程に従い、もう1つの電極パターンマスクを形成する。次いで、そのもう1つの電極パターンマスクを用い、円形スリット67を多数配置した電極を有するもう一方の基板を得る。次いで、それら2枚の基板を一対とし、位置合わせをして重ね合わせる。そして、液晶層を挟持することによって、液晶表示パネルを構成する。得られた液晶表示パネルでは、一方の基板上の電極に屈所形状のスリット64が配置され、対向する基板の電極に円形スリット67が配置されている。その結果、液晶表示パネルにおいて、図8に示すスリット構造が実現される。この円形スリット67を設けることにより、液晶表示パネルにおいて、液晶の配向が安定化し、問題とされる液晶駆動時の配向乱れが生じにくくなる。
【0064】
以上、本実施の形態の電極パターンマスクの形成方法について説明した。
本実施の形態の液晶表示パネルは、VAモードの場合、基板の電極に上述した多様な形状のスリットを形成することで、垂直配向する液晶層にプレチルト角を付与するとともに視角の依存性を低減することができる。そして、その場合併せて、液晶表示パネルの電極は、スリットを配置することによって生じる問題が抑制されたものであることが望ましい。以下で、スリットを有することにより生じる問題の低減された、本実施の形態の電極、およびその形成方法について説明する。
【0065】
図9は、従来の液晶表示パネルの電極の配線接続部分の構造を説明する図である。
【0066】
図9に示すように、従来の液晶表示パネル(図示されない)の液晶層を挟持する一対の基板(図示されない)の表面には、例えば、液晶に電圧を印加するための電極111が形成されている。電極111は、表示パターンを形成するための画素電極112と、液晶層に電圧印加をするように画素電極112に電気的に接続された配線113とから構成される。すなわち、電極111は、画素電極112のX方向に伸びる下部側の辺に対して下方側から、Y方向に先端部分が伸びる配線113を接続することによって構成されている。尚、X方向は、上記した図1と同様、電極111の形成された液晶表示パネルを正しく設置し、正面から観察した場合の左右方向であり、Y方向は、X方向と直交する上下方向である。
【0067】
画素電極112は、図9に例示される、スリット114を有する。この画素電極112のスリット114は、上述の図3に示したスリット3と同じ形状と配置を有する。そして、スリット114は、画素電極112の、配線113が接続する下部側の辺に沿って多数が配置されている。画素電極112がこのような配置で多数のスリット114を有する場合、従来の電極111では、画素電極112と配線113との接続部分に断線が生じる場合があった。すなわち、従来の電極111では、画素電極112に接続する配線113の線幅(D2)が細く、スリット114によって接続部分での導通部分の面積を十分に取ることができない場合があった。その場合、画素電極112と配線113との接続部分で、導通する部分が狭くなり、断線を生じさせる場合があった。したがって、そうした電極111における断線を防止するため、画素電極112と配線113の接続位置が制限されるほか、配線113の所望の引回しを行うことができないなど、電極111の形成において問題が生じることがあった。
そこで、画素電極に多数のスリットが配置されても、配線の線幅を同様に維持して、画素電極と配線との接続部分で断線が生じる懸念の少ない電極の実現が求められている。
【0068】
図10は、本実施の形態の電極の構造の一例を説明する図である。
【0069】
図10では、本実施の形態の電極の一例である電極11の、画素電極12と配線13との接続部分を拡大して模式的に示している。
【0070】
図10に示すように、液晶表示パネル(図示されない)の基板(図示されない)上に形成される、本実施の形態の一例である電極11は、複数のスリット14が配置された画素電極12と、液晶表示パネルの液晶を駆動する回路(図示されない)に接続する配線13と、画素電極12と配線13との間に配置されて画素電極12および配線13のそれぞれと接続する配線接続部15とを有する。画素電極12には、図9に示した画素電極112と同様の構造を有し、スリット114と同じ形状と配置のスリット14が形成されている。配線接続部15は、画素電極12の下部側の辺と、その下方側にあってY方向に伸びる配線13の先端部分との間に配置されている。そして、配線接続部15は、配線13の線幅(D3)であって、配線接続部15と接続すると先端部分の線幅(D3)より広い幅(D4)を有する。すなわち、本実施の形態の電極11では、配線接続部15が画素電極12および配線13のそれぞれに接続し、配線接続部15を介することで画素電極12と配線13との間の電気的な接続が実現されるように構成されている。尚、配線13の線幅(D3)は、上述した図9の配線113の線幅(D2)と同様とすることができる。
【0071】
配線接続部15の幅(D4)については、上述のように、例えば、配線13の線幅(D3)より広く設定する。そして、配線接続部15と画素電極12とが接している部分である接続部分の長さが、その接続部分に沿って配置されたスリット14の2個分の長さより長くなるようにすることが好ましい。尚、ここで示されるスリット2個分の長さとは、スリット14の1個の長さを単純に2倍にした長さではなく、実際に画素電極12上に配置されたスリット14の2個分の長さである。したがって、スリット2個分の長さには、スリット14の1個の長さを単純に2倍にした長さとともに、2個のスリット14の間に形成されている隙間部分の長さも含まれる。
【0072】
そして特に、本実施の形態の電極11では、配線接続部15の幅(D4)が、配線接続部15と画素電極12とが接している接続部分に沿って画素電極12に配置されたスリット14の2個分の幅(D5)より広い幅を有することが好ましい。ここで、画素電極12に配置されたスリット2個分の幅(D5)は、上述のように、スリット14の1個の幅を単純に2倍にした幅とともに、2個のスリット14の間に形成されている隙間部分の幅も含まれる。したがって、配線接続部15の幅(D4)を、画素電極12に配置されたスリット14の2個分の幅(D5)とすることで、画素電極12と配線接続部15との接続部分で、2個のスリット14の間に形成されている隙間を画素電極12と配線接続部15の電気的接続に利用することができる。
【0073】
図10に例示する電極11の場合では、画素電極12のスリット14が、画素電極12のX方向に伸びる下部側の辺16に沿って配列されている。一方、長方形状である配線接続部15は、先端側である長辺が画素電極12の下部側の辺16に接するように配置されている。したがって、配線接続部15の長辺方向であるX方向の幅(D4)は、X方向に配列するスリット14の2個分の幅(D5)より大きくなるよう設定される。尚、図10に示す例は、配線接続部15と画素電極12とが接している接続部分の長さと配線接続部15の幅(D4)とが一致する例となっている。また、配線接続部15の幅(D4)の方向(X方向)と直交するY方向の幅については、5μm〜100μmであることが好ましい。
【0074】
配線接続部15が以上のような大きさを有することにより、画素電極12にスリット14が形成されていても、画素電極12と配線接続部15との導通部分の面積を十分に取ることができる。その結果、画素電極12と配線接続部15との接続部分で、導通部分が狭くなることは防止されて電気的な接続が確保され、ひいては、画素電極12と配線13との間の電気的な接続が確保される。その結果、電極11において断線の発生が抑制される。したがって、本実施の形態の電極11では、画素電極12の所望の位置で配線13の引回しを行うことができ、所望の形状を実現することができる。
【0075】
以上より、本実施の形態の電極の構造について説明した。このような構造の本実施の形態の電極は、フォトリソグラフィ法など、公知の方法に従い形成することが可能である。その場合、図4を用いて既に説明した、本実施の形態の電極パターンマスクの製造方法によって製造された電極パターンマスクを用い、電極の形成が行われることが望ましい。そうすることにより、高い作業効率で、断線の問題が抑制された電極を形成することができる。以下、本実施の形態の電極パターンマスクの製造方法を用い、本実施の形態の電極を形成する方法について、図10に示した電極11を一例として説明する。
【0076】
図4で示された本実施の形態の電極パターンマスクの製造方法を使用し、電極パターンマスクの製造をして、例えば、図10の電極11の形成を行う。その場合、図4のステップS1で、スリット14と同じ形状と配置のスリットパターンからなるマザースリットパターン(A)を形成した後、ステップS2〜ステップS5で、スリット14と同じ形状と配置のスリットパターンからなる第2の合成パターン(D)を形成する。次いで、ステップS6の電極パターン(E)を形成する工程で、電極11の画素電極12と配線13と配線接続部15の形状を実現できるように電極パターン(E)の形成を行う。その結果、電極パターン(E)には、図10に示す画素電極12と配線13と配線接続部15の形状に対応する、スリットパターンを有しないセグメントパターンと配線パターンと配線接続パターンとが含まれるようになる。
【0077】
続くステップS7で、ステップS6で形成された電極パターン(E)を用いて、ステップS5で形成された第2の合成パターン(D)と合成し、得られた第3の合成パターン(F)を用いて電極パターンマスクを製造する。そして、得られた電極パターンマスクを用い、公知の方法に従うことによって液晶表示パネル用の基板の上に電極11を形成することができる。
【0078】
尚、本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0079】
1、11、111 電極
2、12、112 画素電極
3、3a、3b、3c、14、33、33a、33b、34、34a、34b、64、114 スリット
4、35、65 サブ電極
5 液晶表示パネル
13、113 配線
15 配線接続部
16 辺
67 円形スリット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶表示パネルの表示パターンに対応する形状を有し、その少なくとも一部にスリットが配置された電極の形成に使用される電極パターンマスクの製造方法であって、
前記スリットと形状および配置が同じであるスリットパターンを備えるマザースリットパターンを形成する工程と、
前記表示パターンと同じ外形の輪郭線からなる輪郭パターンと前記マザースリットパターンとを合成して第1の合成パターンを形成する工程と、
前記第1の合成パターンから、前記輪郭パターンからはみ出す部分と前記輪郭パターンの輪郭線を除去して、前記スリットパターンのみからなる第2の合成パターンを形成する工程と、
前記表示パターンに対応し、スリットパターンのない電極パターンを形成する工程と、
前記スリットパターンのない電極パターンと前記第2の合成パターンと合成して、第3の合成パターンを形成する工程と
を有することを特徴とする電極パターンマスクの製造方法。
【請求項2】
前記マザースリットパターンは、前記液晶表示パネルの外形より大きな外形を有することを特徴とする請求項1に記載の電極パターンマスクの製造方法。
【請求項3】
前記スリットパターンのない電極パターンを形成する工程において、前記電極パターンは、前記液晶表示パネルの引き回し配線に対応する配線パターンと、前記表示パターンに対応するセグメントパターンと、前記配線パターンと前記セグメントパターンとを接続する配線接続パターンとを形成し、
前記配線接続パターンが、前記配線よりも幅広であって、かつ前記スリット2個分の幅よりも広い幅であることを特徴とする請求項1または2に記載の電極パターンマスクの製造方法。
【請求項4】
前記液晶表示パネルは、垂直配向モードの液晶表示パネルであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電極パターンマスクの製造方法。
【請求項5】
少なくとも一部に複数のスリットが配置された液晶表示パネルの電極であって、
前記複数のスリットが配置された画素電極と、前記液晶表示パネルの液晶を駆動する回路に接続する配線と、前記画素電極と前記配線との間に配置されて前記画素電極および前記配線のそれぞれと接続する配線接続部とを有し、
前記配線接続部は、前記画素電極と前記配線接続部とが接する接続部分に沿って前記画素電極に配置された前記スリット2個分の幅より広い幅を有することを特徴とする電極。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の電極パターンマスクの製造方法による電極パターンマスクを用いて製造されることを特徴とする請求項5に記載の電極。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−24998(P2013−24998A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−158448(P2011−158448)
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【出願人】(000103747)京セラディスプレイ株式会社 (843)
【Fターム(参考)】