説明

電極組立体及びそれを備えるリチウム二次電池

【課題】Cレートが増加しても放電効率が優れる電極組立体及びそれを備えるリチウム二次電池を提供する。
【解決手段】本発明は、正極活物質層を含む正極と、負極活物質層を含む負極と、前記正極と前記負極との間に介在されるセパレータとを含み、前記正極活物質層は正極活物質としてMg及びTiを所定割合で含むリチウム複合酸化物を含むことを特徴とする電極組立体及びそれを備えるリチウム二次電池に関する。よって、本発明の電極組立体及びそれを備えるリチウム二次電池は、C−rate割合が増えても放電効率が優れ、電池劣化による電池容量の減少を防止して寿命特性の優れた二次電池を提供する効果がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極組立体及びそれを備えるリチウム二次電池(Electrode assembly and Lithium secondary Battery having the Same)に関し、特に、二次電池における放電効率及び寿命特性が優れるリチウム二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、携帯型電子機器の小型化及び軽量化が急速に進む中で、これらの駆動電源として用いる電池の小型化及び高容量化に対する必要性が増大している。特に、リチウム二次電池は動作電圧が3.6V以上であって、携帯型電子器機の電源として多く用いられるニッケル−カドミウム電池やニッケル−水素電池より3倍も電圧が高く、単位重量当たりエネルギー密度が高いという観点から急激に伸張している趨勢である。
【0003】
リチウム二次電池は、リチウムイオンが正極及び負極において、インタカレーション/デインタカレーションする場合の酸化、還元反応により電気エネルギーを生成する。リチウム二次電池は、リチウムイオンを可逆的にインタカレーション/デインタカレーションすることができる物質を正極と負極の活物質として用い、正極と負極との間に有機電解液またはポリマー電解液を充電させて製造する。
【0004】
リチウム二次電池は、負極板と正極板とがセパレータを間に置いて所定形態、例えばゼリーロール(jelly−roll)状に巻回して形成される電極組立体と、この電極組立体と電解液が収納される缶と、前記缶の上部に組み合わされるキャップ組立体とから構成される。
【0005】
従来のリチウム二次電池の正極活物質としては、リチウム複合金属化合物、例えば、LiCoO、LiNiOまたはLiMnなどが用いられ、これらの物質は、高エネルギー密度及び高電圧を有するという長所がある。
【0006】
しかしながら、これらの物質、特に、リチウムコバルトオキサイド(LiCoO)は、Cレート(C−rate)が増加するにつれて放電効率が低下することと、充放電サイクル回数が増加すると電池劣化による電池容量が減少することが問題となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】大韓民国特許出願公開第2007−0085860号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、Cレートが増加しても放電効率が優れるリチウム二次電池を提供することにある。
【0009】
また、本発明の目的は、リチウム二次電池において電池劣化による電池容量の減少を防止することができるリチウム二次電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、正極活物質層を含む正極と、負極活物質層を含む負極と、前記正極と前記負極との間に介在されるセパレータと、を含み、前記正極活物質層は、正極活物質として下記化学式1のリチウム複合酸化物を含む、電極組立体が提供される。
【0011】
[化1]
LiCo1−x−yMgTi
(ただし、上記化学式において、x、yは0.0056≦x≦0.0089、0.0029≦y≦0.0045である。)
【0012】
前記電極組立体において、前記正極活物質層は、正極活物質として下記化学式2のリチウム複合酸化物を含むことが好ましい。
【0013】
[化2]
LiCo1−x−yMgTi
(ただし、上記化学式において、x、yは0.0072≦x≦0.0089、0.0037≦y≦0.0045である。)
【0014】
前記電極組立体において、前記負極活物質層は、例えば、炭素系負極活物質または金属系負極活物質を含む。
【0015】
前記電極組立体において、前記セパレータは、ポリエチレン樹脂膜、ポリプロピレン樹脂膜、またはセラミックス物質とバインダーとの結合からなる多孔膜のうちいずれか1つを用いることができる。
【0016】
上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、正極活物質層を含む正極と、負極活物質層を含む負極と、前記正極と前記負極との間に介在されるセパレータと、を含み、前記正極活物質層は、正極活物質として、Mg元素及びTi元素を組成式中に含むリチウム複合酸化物を含み、前記Mg及びTiの含量は、リチウム複合酸化物の合計100質量%に対して0.14〜0.22質量%である、電極組立体が提供される。
【0017】
前記電極組立体において、前記Mg及びTiの含量は、リチウム複合酸化物の合計100質量%に対して0.18〜0.22質量%であることが好ましい。
【0018】
前記電極組立体において、前記負極活物質層は、例えば、炭素系負極活物質または金属系負極活物質を含む。
【0019】
前記電極組立体において、前記セパレータは、ポリエチレン樹脂膜、ポリプロピレン樹脂膜、またはセラミックス物質とバインダーとの結合からなる多孔膜のうちいずれか1つを用いることができる。
【0020】
上記課題を解決するために、本発明のさらに別の観点によれば、正極活物質層を備える正極と、負極活物質層を備える負極と、前記正極と前記負極を分離させるセパレータとを含む電極組立体、及び電解液を含むリチウム二次電池において、前記正極活物質層は、正極活物質として下記化学式1のリチウム複合酸化物を含む、リチウム二次電池が提供される。
【0021】
[化1]
LiCo1−x−yMgTi
(ただし、上記化学式において、x、yは0.0056≦x≦0.0089、0.0029≦y≦0.0045である。)
【0022】
前記リチウム二次電池において、前記正極活物質層は、正極活物質として下記化学式2のリチウム複合酸化物を含むことが好ましい。
【0023】
[化2]
LiCo1−x−yMgTi
(ただし、上記化学式において、x、yは0.0072≦x≦0.0089、0.0037≦y≦0.0045である。)
【0024】
前記リチウム二次電池において、前記負極活物質層は、例えば、炭素系負極活物質または金属系負極活物質を含む。
【0025】
前記リチウム二次電池において、前記セパレータは、ポリエチレン樹脂膜、ポリプロピレン樹脂膜、またはセラミックス物質とバインダーとの結合からなる多孔膜のうちいずれか1つを用いることができる。
【0026】
前記リチウム二次電池において、前記電解液は、例えば、非水性有機溶媒及びリチウム塩である。
【0027】
上記課題を解決するために、本発明のさらに別の観点によれば、正極活物質層を備える正極と、負極活物質層を備える負極と、前記正極と前記負極を分離させるセパレータとを含む電極組立体、及び電解液を含むリチウム二次電池において、前記正極活物質層は、正極活物質として、Mg元素及びTi元素を組成式中に含むリチウム複合酸化物を含み、前記Mg及びTiの含量は、リチウム複合酸化物の合計100質量%に対して0.14〜0.22質量%である、リチウム二次電池が提供される。
【0028】
前記リチウム二次電池において、前記Mg及びTiの含量は、リチウム複合酸化物の合計100質量%に対して0.18〜0.22質量%であることが好ましい。
【0029】
前記リチウム二次電池において、前記負極活物質層は、例えば、炭素系負極活物質または金属系負極活物質を含む。
【0030】
前記リチウム二次電池において、前記セパレータは、ポリエチレン樹脂膜、ポリプロピレン樹脂膜、またはセラミックス物質とバインダーとの結合からなる多孔膜のうちいずれか1つを用いることができる。
【0031】
前記リチウム二次電池において、前記電解液は、例えば、非水性有機溶媒及びリチウム塩である。
【発明の効果】
【0032】
以上説明したように本発明によれば、電極組立体及びそれを備えるリチウム二次電池において、Cレートが増加しても放電効率が優れる電極組立体及びそれを備えるリチウム二次電池を提供することができる。
【0033】
また、本発明によれば、電池劣化による電池容量の減少を防止して寿命特性が優れるリチウム二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施形態に係る電極組立体の構成を示す分解斜視図である。
【図2】充放電サイクル数によるリチウム電池の容量維持率の一例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の目的と技術的構成及びその作用効果については、本発明の好適な実施形態を示す図面を参照して、以下の詳細な説明により明確に理解することができる。また、図面において、層及び領域の厚みは誇張されており、図示する形態が実際とは異なる場合がある。なお、明細書の全体において同一の参照番号は、同一の構成要素を示す。
【0036】
図1は本発明の一実施形態に係る電極組立体の構成を示す分解斜視図である。
【0037】
図1に示すように、電極組立体10は、第1電極20(以下、正極と称する)、第2電極30(以下、負極と称する)及びセパレータ40を含む。
【0038】
電極組立体10は、正極20、負極30及びセパレータ40が積層され、巻回されたゼリーロール状に形成される。
【0039】
セパレータ40は、正極20と負極30との間に位置する第1セパレータ40aと、2つの電極である正極20と負極30の下側あるいは上側に位置する第2セパレータ40bとからなり、積層及び巻回される2つの電極20、30が接触する部分に介在されて2つの電極間、すなわち、正極20と負極30との間の短絡を防止する。
【0040】
前記正極20は、化学反応により発生する電子を集めて外部回路に伝達する略矩形の板状の正極集電体21と、前記正極集電体21の一面あるいは両面に正極活物質を含む正極用スラリーが塗布された正極活物質層22とからなる。また、正極集電体21の長手方向の両端のうち一方または両方には、正極活物質を含む正極用スラリーが塗布されず、正極集電体21の表面が露出した正極無地部23が形成されている。
【0041】
前記正極無地部23には、正極集電体21に集まった電子を外部回路に伝達する、例えばニッケルまたはアルミニウム等の材質の薄板から形成される正極タップ24が接合される。前記正極タップ24が接合される部位にはその上面に保護部材25が設けられる。前記保護部材25は、正極タップ24が正極無地部23に接合された部位を保護して短絡などを防止するためのものであって、保護部材25には、耐熱性を有する素材、例えばポリエステルのような高分子樹脂が好適に使用される。
【0042】
また、正極20は、正極活物質層22の長手方向の両端のうちの少なくとも一端を覆うように形成された絶縁部材26を含むことができる。絶縁部材26は、例えば絶縁テープの形態に形成され、正極集電体21(正極無地部23)や正極活物質層22と接着する接着層と、接着層の一面に付着される絶縁フィルムとからなることができる。しかし、本発明において、絶縁部材26の形状及び材質を限定するものではない。
【0043】
前記負極30は、化学反応により発生する電子を集めて外部回路に伝達する略矩形の板状の負極集電体31と、前記負極集電体31の一面あるいは両面に負極活物質が含まれた負極用スラリーが塗布された負極活物質層32とからなる。また、負極集電体31の長手方向の両端のうちの一方または両方には、負極活物質が含まれた負極用スラリーが塗布されず、負極集電体31の表面が露出した負極無地部33が形成される。
【0044】
前記負極無地部33には、負極集電体31に集まった電子を外部回路に伝達する、例えばニッケル等の材質の薄板からなる負極タップ34が接合される。前記負極タップ34が接合される部位にはその上面に保護部材35が設けられる。前記保護部材35は、負極タップ34が負極無地部33に接合された部位を保護して短絡などを防止するためのもので、保護部材35には、耐熱性を有する素材、例としてポリエステルのような高分子樹脂が好適に使用される。
【0045】
また、負極30は負極活物質層32の長手方向の両端のうち少なくとも一端を覆うように形成される絶縁部材36を含むことができる。絶縁部材36は、例えば絶縁テープの形態に形成され、負極集電体31(負極無地部33)や負極活物質層32と接着する接着層と、接着層の一面に付着する絶縁フィルムからなることができる。しかし、本発明において、絶縁部材36の形状及び材質を限定するものではない。
【0046】
続いて、本発明のセパレータを含む電極組立体及びそれを備える二次電池を説明する。
【0047】
本発明に係る前記セパレータ40は、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの樹脂膜、またはセラミックス物質とバインダーの結合からなる多孔膜が用いられるが、本発明において、前記セパレータの材質を限定するものではない。
【0048】
次に、本発明のセパレータを含む電極組立体及びそれを備える二次電池は正極及び負極を含む。
【0049】
上述のように、前記正極20は、正極活物質層22及び前記正極活物質が塗布された正極集電体21を含んで形成される。前記正極集電体21では、アルミニウム及びアルミニウム合金などが用いられ、前記正極活物質層22は、正極活物質として下記化学式1のリチウム複合酸化物を含むことを特徴とする。
【0050】
[化1]
LiCo1−x−yMgTi
(ただし、上記化学式において、x、yは0.0056≦x≦0.0089、0.0029≦y≦0.0045である。)
【0051】
また、前記正極活物質層22は、好ましくは、正極活物質として下記化学式2のリチウム複合酸化物を含むことを特徴とする。
【0052】
[化2]
LiCo1−x−yMgTi
(ただし、上記化学式において、x、yは0.0072≦x≦0.0089、0.0037≦y≦0.0045である。)
【0053】
本発明に係る上記化学式1のリチウム複合酸化物は、リチウムコバルト酸化物にドーピングされたMg及びTiを含むことによって、充放電時における活物質の比表面積が減少した結果として界面極性が増えることにより発生するCレート(C−rate)の増加による電池の容量減少を改善させ、また、寿命低下の問題点を解決することができる。なお、「Cレート」とは、電池の全容量を1時間かけて充電または放電する電流値を1Cレートとしたときに、その何倍の電流値で充電または放電しているかを表したものである。
【0054】
すなわち、本発明のドーピングされたMg及びTiは、正極活物質の体積膨脹を減少させることにより、充放電時における電池が構造的安定性を有することで容量減少や寿命低下を防止することができる。また、上記化学式1のリチウム複合酸化物は、リチウムイオンの伝導度を向上させ、C−rateが増えると発生する界面極性を減少させることにより、C−rateの増加による容量特性の低下を改善させることができる。
【0055】
次に、上記化学式1のリチウム複合酸化物を製造する方法を説明する。
【0056】
まず、一次的にLi源とCo源とを混合及び熱処理してリチウムコバルト酸化物(LiCoO)を合成する工程を行う。前記Li源とCo源としては、例えば、それぞれLiCOとCoを用い、混合処理はジルコニアボールを投入した状態でボールミル(Ball mill)を用いて行うことができる。
【0057】
このとき、前記LiとCoの量は、混合工程でのリチウムの揮発を勘案してモル比としてLi:Co=1:1、Li:Co=1.025:1、Li:Co=1.05:1などに選定でき、また、ボールミルを用いる混合処理は、例えば、100rpmの回転速度で1〜4時間行うことができる。
【0058】
前記混合処理の完了後に、例えば、450℃で1時間の1次熱処理を行い、その後950℃で4時間の2次熱処理を行ってリチウムコバルト酸化物を合成することができる。このとき、前記リチウムコバルト酸化物(LiCoO)の粒子の大きさ(粒度分布D50の値)が10〜14μmであることが好ましい。すなわち、粒度分布値がD50であるリチウムコバルト酸化物(LiCoO)の粒子大きさが10〜14μmであることが好ましい。前記粒度分布D50の値とは、粒度分析器の測定値において累積分布において最高値に対して50%に相当する値を意味し、これは当業界において自明なことであるので、その詳細な説明は省略する。
【0059】
なお、本発明において、前記リチウムコバルト酸化物の合成方法は限定されるものではなく、公知の多様な方法でリチウムコバルト酸化物を合成することができる。
【0060】
次に、リチウムコバルト酸化物にMg源及びTi源を添加して混合する過程を行う。
【0061】
例えば、前記Mg源とTi源として、それぞれTiO及びMgCOを用いることができ、混合処理はジルコニアボールの投入状態でボールミルを用いて行うことができ、ボールミルを用いる混合処理は100rpmの速度で1〜4時間行なうことができる。
【0062】
前記混合処理の完了後に、塑性工程を行なってリチウム複合酸化物を製造する。前記塑性工程において、熱処理工程は約800〜1100℃の温度で20〜40時間行なうのが好ましく、1000〜1050℃の温度で30〜35時間行なうのがより好ましい。
【0063】
前記リチウム複合酸化物においてMg及びTiの含量は、それぞれの合計100質量%に対して0.14〜0.22質量%であることが好ましい。前記Mg及びTiの含量が0.14〜0.22質量%の範囲外の場合には、C−rateの増加により容量特性が悪くなるおそれがあるという問題点がある。
【0064】
また、前記リチウム複合酸化物においてMg及びTiの含量は、それぞれの合計100質量%に対して0.18〜0.22質量%であることがより好ましい。前記Mg及びTiの含量が0.18〜0.22質量%の範囲外の場合は、容量維持率が低下するおそれがあるという問題点がある。
【0065】
なお、前記リチウム複合酸化物の最終粉末においてMg及びTiの含量は、ICP−AES(誘導結合プラズマ発光分光法)を用いて分析した値である。
【0066】
また、上記のように、前記負極30は、負極活物質層32及び前記負極活物質が塗布された負極集電体31を含んで形成される。前記負極集電体としては、例えば、銅及び銅合金などを用いることができ、前記負極活物質としては、例えば、結晶質または非晶質の炭素、または炭素複合体の炭素系負極活物質を用いることができ、リチウムと合金化が可能な金属物質を含む金属系の負極活物質を用いることが好ましい。
【0067】
このような金属系負極活物質材料は、高容量でありながら高エネルギー密度を有し、炭素系材料のようにリチウムに対して可逆的な充放電を行うことができるので、負極活物質の容量及びエネルギー密度を向上させることができる。また、金属系負極活物質材料を用いる負極活物質は、炭素系材料を用いる負極活物質よりも多くのリチウムイオンを吸蔵、放出することができるので、高容量を有する電池を製造することができる。
【0068】
このとき、前記金属物質は、リチウムと合金化可能な金属の1種または2種以上を含んで形成することができるが、前記リチウムと合金可能な金属としては、例えば、Sn、Si、Ge、Cr、Al、Mn、Ni、Zn、Co、In、Cd、Bi、Pb及びVからなる群から選択される少なくとも1つの物質が挙げられる。このうち、前記金属物質としては、Si、Sn、Geなどのような金属が高容量であることから好ましい。
【0069】
次に、本発明のセパレータを含む電極組立体を備える二次電池は電解液を含む。本発明に係る電解液は非水性有機溶媒を含み、前記非水性有機溶媒としては、例えば、カーボネート、エステル、エーテルまたはケトンを用いることができる。前記カーボネートとしては、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)、エチルプロピルカーボネート(EPC)、メチルエチルカーボネート(MEC)エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)などが用いられ、前記エステルとしては、ブチロラクトン(BL)、デカノライド(decanolide)、バレロラクトン(valerolactone)、メバロノラクトン(mevalonolactone)、カプロラクトン(caprolactone)、n−メチルアセテート、n−エチルアセテート、n−プロピルアセテートなどが用いられ、前記エーテルとしては、ジブチルエーテルなどが用いられ、前記ケトンとしてはポリメチルビニールケトンなどが用いられるが、本発明は非水性有機溶媒の種類に限定されるものではない。
【0070】
前記非水性有機溶媒がカーボネート系の有機溶媒の場合は、環状(cyclic)カーボネートと鎖状(chain)カーボネートを混合して用いることが好ましい。この場合、環状カーボネートと鎖状カーボネートとは1:1〜1:9の体積比に混合して用いることが好ましく、1:1.5〜1:4の体積比に混合して用いることがより好ましい。前記体積比に混合することで、電解質の性能がよくなる。
【0071】
本発明の電解液は、前記カーボネート系溶媒に芳香族炭化水素系有機溶媒をさらに含むこともできる。芳香族炭化水素系有機溶媒としては、芳香族炭化水素系化合物が用いられる。
【0072】
芳香族炭化水素系有機溶媒の具体的な例としては、ベンゼン、フルオロベンゼン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン、トルエン、フルオロトルエン、トリフルオロトルエン、キシレンなどがある。芳香族炭化水素系有機溶媒を含む電解質において、カーボネート系溶媒/芳香族炭化水素系溶媒の体積比が1:1〜30:1であることが好ましい。上記の体積比で混合されることによって電解質の性能がよくなる。
【0073】
また、本発明に係る電解液は、リチウム塩を含む。前記リチウム塩は、電池内においてリチウムイオンの供給源として作用し、基本的なリチウム電池として作動させるようにする。このようなリチウム塩の例としては、LiPF、LiBF、LiSbF、LiAsF、LiClO、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiAlO、LiAlCl、LiN(C2x+1SO)(C2x+1SO)(ここで、x及びyは自然数)及びLiSOCFからなる群から選択される1種、または複数種の混合物を含む。
【0074】
このとき、前記リチウム塩の濃度は、0.6〜2.0Mの範囲内とすることができ、0.7〜1.6Mの範囲がより好ましい。リチウム塩の濃度が0.6M未満であると電解液の粘度が低くなって電解液の性能が落ち、2.0Mを超える場合には電解液の粘度が増えてリチウムイオンの移動性が悪くなるおそれがある。
【0075】
上述のように、セラミックス物質とバインダからなる多孔膜が、本発明に係る正極または負極または両方に形成された状態で2つの電極が積層されるか、または積層後に巻回されて電極群を形成した後、缶またはそれと類似な容器に入れ、電解液を注入してリチウム二次電池を製造する。
【0076】
また、上記の方法で製作されたリチウムイオン二次電池の外形には制限がなく、例えば、円筒状、角形またはパウチ(pouch)状であってもよい。
【実施例】
【0077】
以下に、本発明の好適な実施例及び比較例を記載する。しかし、下記の実施例は本発明の好適な実施例であって、本発明が下記の実施例に限定されるものではない。
【0078】
(実施例1)
LiCoOに、TiO及びMgCOを混合及び塑性し、Ti及びMgの含量がそれぞれ合計100質量%に対して0.14質量%になるようにドーピングしてリチウム複合酸化物の正極活物質を製造し、バインダーとしてポリビニリデンフルオライド(PVDF)及び導電剤としてカーボンを96:2:2の質量比に混合した後、N−メチル−2−ピロリドンに分散させて正極スラリーを製造した。このスラリーを厚さ12μmのアルミニウムホイルにコーティングした後に乾燥、圧延して正極を製造した。
【0079】
対極としてはリチウム金属を用い、前記製造された正極と対極との間に厚さ16μmのポリエチレン(PE)材質のフィルムセパレータを用い、電解液を注入した後にコインタイプの半電池を製造した。前記電解液はEC/EMC/FB/DMCが3/5/1/1の体積比で混合された溶媒に1.15M LiPFが含まれた電解液を用いた。
【0080】
(実施例2)
Mgの含量が合計100質量%に対して0.22質量%になるようにドーピングしてリチウム複合酸化物の正極活物質を製造したこと以外は、実施例1と同様に実施した。
【0081】
(実施例3)
Ti及びMgの含量がそれぞれ、合計100質量%に対して0.18質量%になるようにドーピングしてリチウム複合酸化物の正極活物質を製造したこと以外は、実施例1と同様に実施した。
【0082】
(実施例4)
Tiの含量を合計100質量%に対して0.22質量%になるようにドーピングしてリチウム複合酸化物の正極活物質を製造し、Mgの含量を合計100質量%に対して0.18質量%になるようにドーピングしてリチウム複合酸化物の正極活物質を製造したこと以外は、実施例1と同様に実施した。
【0083】
(実施例5)
Ti及びMgの含量がそれぞれ合計100質量%に対して0.22質量%になるようにドーピングしてリチウム複合酸化物の正極活物質を製造したこと以外は、実施例1と同様に実施した。
【0084】
(比較例1)
Ti及びMgの含量がそれぞれ合計100質量%に対して0.10質量%になるようにドーピングしてリチウム複合酸化物の正極活物質を製造したこと以外は、実施例1と同様に実施した。
【0085】
(比較例2)
Ti及びMgの含量がそれぞれ合計100質量%に対して0.26質量%になるようにドーピングしてリチウム複合酸化物の正極活物質を製造したこと以外は、実施例1と同様に実施した。
【0086】
まず、上記実施例1〜5、比較例1及び2の電池をTi及びMgの質量%による初期充電容量及び初期放電容量を測定して、初期充放電効率を計算した。また、Ti及びMgの質量%によるC−rateごとに放電容量を測定し、これを百分率に換算して放電効率を計算した。このとき、前記放電効率の計算は、基準放電容量である初期放電容量(0.1C放電容量)に対してC−rateごとの放電容量を計算し、前記C−rateごとの放電容量は、基準放電容量である0.1C放電容量、0.1Cに対して0.2C放電容量、0.1Cに対して0.5C放電容量、及び0.1Cに対して1.0C放電容量を測定した。
【0087】
上記測定の結果を下記表1に示す。
【0088】
【表1】

【0089】
この場合、充電や放電の電流値を示すことになるが、0.1C、0.2C、0.5C、1.0Cなどの表現を用いる。当業界において1Cは電池の定格容量と同一電流で充電または放電することを意味し、0.1Cは電池の定格容量の1/10の電流が充電または放電されるということを意味する。
【0090】
例えば、電池の定格容量が1000mAhの二次電池を、1000mAhの電流で充電または放電する際、これを1C充電または1C放電であるといい、この場合、1時間内に充電または放電を完了するものと仮定する。このとき、もし前記電池の定格容量が1000mAhの二次電池を2000mAhの電流で充電または放電する際、これを2C充電または2C放電であるといい、この場合は30分内に充電または放電を完了するものとする。また、前記電池の定格容量が1000mAhの二次電池を500mAhの電流値で充電または放電する際、0.5C充電または0.5C放電であるといい、この場合は2時間内に充電または放電を完了するものとする。
【0091】
上記のように、セルを所定時間に所定電流で充電または放電することを示すために、C−rateという概念を用いる。これは、同一時間に充電または放電する電流容量が互いに異なることを意味し、よって、前記C−rateとは単位時間当たりの電流容量率として定義することができる。
【0092】
すなわち、本発明において、例えば0.1Cに対して0.2C放電容量とは0.2Cで放電する場合の放電容量を意味し、0.1Cに対して0.2C放電効率とは0.1Cで放電する場合と0.2Cで放電する場合との放電容量を比べた放電効率を意味しており、0.1Cで放電する場合よりも0.2Cで放電する場合が最も大きな電流で放電されるため、短時間に放電が完了されることを意味する。結局、同一時間に放電する電流容量は0.2Cの場合がより大きいことを意味する。
【0093】
上記表1に示すように、初期充放電効率においては、実施例と比較例とに大きな差はないことがわかる。また、0.1Cに対して0.2C放電の場合においても、実施例と比較例とに大きな差はないことがわかる。
【0094】
しかし、C−rateの割合が増えるほど、比較例の場合の放電効率が実施例よりも低く、特に0.1Cに対して1.0C放電の場合の比較例は、放電効率が実施例よりも著しく低下していることがわかる。これはC−rateの割合が増えて、さらに大きな電流で放電されるほど、すなわち、二次電池を使用する電子機器装置などにおいて同一時間に電流消耗量が増えるほど、放電される電池容量が減少されることを意味する。
【0095】
したがって、本発明では、前記リチウム複合酸化物においてMg及びTiの含量がそれぞれ合計100質量%に対して0.14〜0.22質量%であることが好ましい。
【0096】
次に、前記実施例1〜5、比較例1及び2のTi及びMgの質量%による数値をmol%に換算した。上記換算結果を下記表2に示す。









【0097】
【表2】

【0098】
すなわち、上記実施例1〜5、比較例1及び2のTi及びMgの質量%による数値をmol%に換算した値に基づいて、本発明に係るリチウム複合酸化物を導出した。その結果、本発明において正極活物質は下記化学式1のリチウム複合酸化物であることが好ましいことがわかった。
【0099】
[化1]
LiCo1−x−yMgTi
(ただし、上記化学式において、x、yは0.0056≦x≦0.0089、0.0029≦y≦0.0045である。)
【0100】
続いて、前記実施例1〜5の正極活物質を用いるリチウム電池の容量維持率の特性を測定した。前記容量維持率は、前記実施例1〜5の正極活物質を用いたリチウム電池を1C充放電速度で4.2V、CC−CV方式でカットオフ充電した後、これを1C充放電速度で2V、CC方式でカットオフ放電することを500回実施した後、それぞれ容量維持率を測定した。なお、容量維持率の特性を測定する場合には、対極としてリチウム金属を用いるコインタイプの半電池とは異なって、フルセル(Full−cell)を製造して測定した。
【0101】
すなわち、正極は上述のコインタイプの半電池と同様に製造した。負極活物質として、天然黒鉛、バインダーとしてスチレン−ブタジエンゴム、及び増粘剤としてカルボキシメチルセルロースを96:2:2の質量比で混合した後、水に分散させて負極活物質スラリーを製造した。このスラリーを厚さ15μmの銅ホイルにコーティングした後に乾燥、圧延して負極を製造した。
【0102】
前記製造の電極間に厚さ16μmのポリエチレン(PE)材質のフィルム状のセパレータを入れ、巻回及び圧縮して角形缶に挿入し、前記角形缶に電解液を注入してリチウム二次電池を製造した。
【0103】
前記測定した容量維持率を図2に示す。図2は、充放電サイクル数によるリチウム電池の容量維持率を示すグラフである。図2のグラフA、B、C、D、Eは、それぞれ実施例1、2、3、4、5の正極活物質を用いるリチウム電池の容量維持率を示す。
【0104】
図2に示すように、実施例3の正極活物質を用いたリチウム電池に相当するグラフCの場合は、400回の容量においても90%の容量を維持し、500回の容量でも約88%の容量を維持していて、容量維持率が非常に優れていることがわかる。
【0105】
また、それぞれの実施例4、5の正極活物質を用いるリチウム電池に相当するグラフD、Eの場合も500回の容量は80%未満であったが、300回の容量は85%以上と容量維持率が優れ、400回の容量も80%以上と容量維持率が優れていることがわかる。
【0106】
一方、それぞれの実施例1、2の正極活物質を用いるリチウム電池に相当するグラフA、Bの場合は300回以後の容量が80%未満であり容量維持率が実施例3〜5と比べるとやや低い傾向にあることがわかる。
【0107】
したがって、本発明では、前記リチウム複合酸化物においてMg及びTiの含量はそれぞれ合計100質量%に対して0.14〜0.22質量%であることが好ましく、Mg及びTiの含量はそれぞれ合計100質量%に対して0.18〜0.22質量%であることがより好ましい。
【0108】
また、上記表2及び図2により、本発明において正極活物質は下記化学式2のリチウム複合酸化物であることがより好ましい。
【0109】
[化2]
LiCo1−x−yMgTi
(ただし、上記化学式において、x、yは0.0072≦x≦0.0089、0.0037≦y≦0.0045である。)
【0110】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0111】
10 電極組立体
20 正極
21 正極集電体
22 正極活物質層
30 負極
31 負極集電体
32 負極活物質層
40 セパレータ



【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極活物質層を含む正極と、
負極活物質層を含む負極と、
前記正極と前記負極との間に介在されるセパレータと、
を含み、
前記正極活物質層は、正極活物質として下記化学式1のリチウム複合酸化物を含むことを特徴とする、電極組立体。
[化1]
LiCo1−x−yMgTi
(ただし、上記化学式において、x、yは0.0056≦x≦0.0089、0.0029≦y≦0.0045である。)
【請求項2】
前記正極活物質層は、正極活物質として下記化学式2のリチウム複合酸化物を含むことを特徴とする、請求項1に記載の電極組立体。
[化2]
LiCo1−x−yMgTi
(ただし、上記化学式において、x、yは0.0072≦x≦0.0089、0.0037≦y≦0.0045である。)
【請求項3】
前記負極活物質層は、炭素系負極活物質または金属系負極活物質を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の電極組立体。
【請求項4】
前記セパレータは、ポリエチレン樹脂膜、ポリプロピレン樹脂膜、またはセラミックス物質とバインダーとの結合からなる多孔膜のうちいずれか1つを用いることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電極組立体。
【請求項5】
正極活物質層を含む正極と、
負極活物質層を含む負極と、
前記正極と前記負極との間に介在されるセパレータと、
を含み、
前記正極活物質層は、正極活物質として、Mg元素及びTi元素を組成式中に含むリチウム複合酸化物を含み、前記Mg及びTiの含量は、リチウム複合酸化物の合計100質量%に対して0.14〜0.22質量%であることを特徴とする、電極組立体。
【請求項6】
前記Mg及びTiの含量は、リチウム複合酸化物の合計100質量%に対して0.18〜0.22質量%であることを特徴とする、請求項5に記載の電極組立体。
【請求項7】
前記負極活物質層は、炭素系負極活物質または金属系負極活物質を含むことを特徴とする、請求項5または6に記載の電極組立体。
【請求項8】
前記セパレータは、ポリエチレン樹脂膜、ポリプロピレン樹脂膜、またはセラミックス物質とバインダーとの結合からなる多孔膜のうちいずれか1つを用いることを特徴とする、請求項5〜7のいずれか1項に記載の電極組立体。
【請求項9】
正極活物質層を備える正極と、負極活物質層を備える負極と、前記正極と前記負極を分離させるセパレータとを含む電極組立体、及び電解液を含むリチウム二次電池において、
前記正極活物質層は、正極活物質として下記化学式1のリチウム複合酸化物を含むことを特徴とする、リチウム二次電池。
[化1]
LiCo1−x−yMgTi
(ただし、上記化学式において、x、yは0.0056≦x≦0.0089、0.0029≦y≦0.0045である。)
【請求項10】
前記正極活物質層は、正極活物質として下記化学式2のリチウム複合酸化物を含むことを特徴とする、請求項9に記載のリチウム二次電池。
[化2]
LiCo1−x−yMgTi
(ただし、上記化学式において、x、yは0.0072≦x≦0.0089、0.0037≦y≦0.0045である。)
【請求項11】
前記負極活物質層は、炭素系負極活物質または金属系負極活物質を含むことを特徴とする、請求項9または10に記載のリチウム二次電池。
【請求項12】
前記セパレータは、ポリエチレン樹脂膜、ポリプロピレン樹脂膜、またはセラミックス物質とバインダーとの結合からなる多孔膜のうちいずれか1つを用いることを特徴とする、請求項9〜11のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
【請求項13】
前記電解液は、非水性有機溶媒及びリチウム塩を含むことを特徴とする、請求項9〜12のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
【請求項14】
正極活物質層を備える正極と、負極活物質層を備える負極と、前記正極と前記負極を分離させるセパレータとを含む電極組立体、及び電解液を含むリチウム二次電池において、
前記正極活物質層は、正極活物質として、Mg元素及びTi元素を組成式中に含むリチウム複合酸化物を含み、前記Mg及びTiの含量は、リチウム複合酸化物の合計100質量%に対して0.14〜0.22質量%であることを特徴とする、リチウム二次電池。
【請求項15】
前記Mg及びTiの含量は、リチウム複合酸化物の合計100質量%に対して0.18〜0.22質量%であることを特徴とする、請求項14に記載のリチウム二次電池。
【請求項16】
前記負極活物質層は、炭素系負極活物質または金属系負極活物質を含むことを特徴とする、請求項14または15に記載のリチウム二次電池。
【請求項17】
前記セパレータは、ポリエチレン樹脂膜、ポリプロピレン樹脂膜、またはセラミックス物質とバインダーとの結合からなる多孔膜のうちいずれか1つを用いることを特徴とする、請求項14〜16のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
【請求項18】
前記電解液は、非水性有機溶媒及びリチウム塩を含むことを特徴とする、請求項14〜17のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−18649(P2011−18649A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−158162(P2010−158162)
【出願日】平成22年7月12日(2010.7.12)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】