説明

電気を発生させる方法

【課題】高い電力レベル、固有エネルギー、および/またはエネルギー密度を実現するマイクロ電源を提供する。
【解決手段】発電機は、湿気と反応して水素を生成する水素含有燃料の方に湿気が流れるようにする水素流路を有する。LiBH4およびLiAlH4などの金属水素化物が、好ましくは、水素含有燃料として使用される。湿気は、水蒸気流路から水交換膜を通して水素流路に通過する。水素流路と水蒸気流路の間の燃料電池は、水素流路中の水素と反応して電気を生成し、さらにまた、水蒸気流路中の湿気を主に生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電機に関する。
【背景技術】
【0002】
戦場における用途、無人航空機および無人無線センサなどの多くの用途において、より軽量な電源に対する継続した、しかも急を要する要求がある。現在、主に使用されている電源は、リチウム電池である。しかし、所定重量のリチウム電池のエネルギー能力は、与えられた範囲に限られている。
【0003】
重量を追加することなしに、電源の能力を数倍に上げて、電子装置の動作寿命を実質的に増すことができるようにすることが望ましい。
【0004】
本発明の譲受人は、図1に示す高性能マイクロ電源10を以前に開発した。マイクロ電源10は、水タンク12、水浸透膜13、固体燃料タンク14、および空気圧弁16を含む。水タンク12は、例えば数ccといった少量の水を収容するように構成することができる。固体燃料タンク14は、例えばLiAlH4のような数グラムの金属水素化合物のような固体燃料を含む。
【0005】
水タンク12は、空気圧弁16を介して固体燃料タンク14に接続されている。水タンク12の水は蒸発し、水浸透膜13を通して浸透し、結果として得られた水蒸気は、空気圧弁16を介して拡散し、固体燃料タンク14の燃料と反応して水素ガスを生成する。空気圧弁16は、内部水素ガス圧を感知し、通常大気圧より僅かに高い一定内部水素ガス圧を維持するように水蒸気の拡散を調整する。
【0006】
マイクロ電源10の1つまたは複数の燃料電池18は、水素ガスを出力電圧に変換する。例えば、燃料電池18は、小型陽子交換膜(PEM)燃料電池であってもよい。小型陽子交換膜(PEM)燃料電池のそれぞれは、水素を直流出力電圧に変換する直径1mmのナフィオン(Nafion)膜を有する。ナフィオン膜は、一方の側が空気と接触する。
【0007】
液体の水ではなく水蒸気を使用することの有利点の1つは、液体の水を使用した場合に一般に見られる凝結および目詰まりのない状態で、水蒸気は固体燃料と100%の完全な反応を基本的に生じることである。
【0008】
マイクロ電源10は、一般的な一次リチウム電池の1グラム当り0.25ワット時という値に比べて、1グラムの重量当り最高で1.25ワット時を発生することができる。マイクロ電源10の蓄積エネルギー(3.1ワット時)は、約2.5グラムの燃料重量(例えば、金属水素化合物と水)を必要とするだけであり、その他の非燃料部品は、マイクロ電源10に僅か0.8グラムの重量を追加するだけであり、その結果、マイクロ電源10の全体的な固有エネルギーは1グラム当り0.95ワット時であり、一般的な一次リチウム電池の約4倍である。
【0009】
図2は、C電池の大きさの発電機として構成されたマイクロ電源10の例示の構造を示す。水タンク12で囲繞された固体燃料タンク14がコアを形成するように水タンク12および固体燃料タンク14を収納する円筒形ハウジング20の中に、マイクロ電源10は収納されている。固体燃料タンク14の燃料は、固体の金属水素化物ペレット15の形であってもよい。空気圧弁16は、水タンク12から固体燃料タンク14に拡散する水蒸気の量を調整するように弁座24と協働する弁体22を含む。内部水素ガス圧が変化するときに、弁ダイアフラム26が弁体22を弁座24に対して動かすようにたわんで、水タンク12から固体燃料タンク14に拡散する水蒸気の量を調整するように、弁体22は、弁棒28により弁ダイアフラム26に結合されている。
【0010】
燃料電池18は、空気および水素と接触している。多孔質障壁21が、水を水タンク12の中に保ち、固体の金属水素化物ペレット15を適切な位置に保っている。
【0011】
図3は、マイクロ電源10の化学プロセスを要約したものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、より高い電力レベル、固有エネルギー、および/またはエネルギー密度を実現する電源に関する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様に従って、発電機は、水素流路と、湿り空気流路と、燃料電池と、水交換膜とを備える。水素流路は、水素含有燃料および流れインデューサを含み、水素含有燃料は水素流路中の湿気と反応して水素を生成し、さらに、流れインデューサは水素流路に流れを引き起こす。燃料電池が水素流路中の水素と反応して電気を生成し、かつ湿り空気流路中の湿気が燃料電池の反応によって生成されるようにして、燃料電池は、水素流路と湿り空気流路との間にある。水交換膜は、水素流路と湿り空気流路の間にあり、水蒸気流路中の湿気を水素流路に供給することを可能にする。
【0014】
本発明の他の態様に従って、電気を発生する方法は、次のことを含む。すなわち、水素流路に湿気を供給すること、水素流路中に流れを引き起こすこと、ここで、この流れは湿気を含み、かつ水素流路は、湿気と反応して水素を生成する水素含有燃料を含むものであり、および、水素含有燃料によって生成された水素を燃料電池に向け、水素と反応させて電気を生成する。
【0015】
本発明のさらに他の態様に従って、電気を発生する方法は、次のことを含む。すなわち、水素流路で湿気を金属水素化物と反応させ水素を生成すること、水素を水素流路に通して、水素と反応して電気および湿気を生成する燃料電池に向けること、および、金属水素化物と反応する主要な湿気として、燃料電池で生成された湿気を水素流路に供給すること。
【0016】
これらおよび他の特徴および有利点は、図面と共に解釈されるとき本発明の詳細な考察からさらに明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の譲受人によって以前に開発されたマイクロ電源を示す模式図である。
【図2】図1に示すマイクロ電源の例示の構造を示す図である。
【図3】図1に示すマイクロ電源の化学プロセスを示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に従った閉サイクルマイクロ電源を示す模式図である。
【図5】図4に示す閉サイクルマイクロ電源の例示の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
上で述べたマイクロ電源10は、mWレベルの発電として非常に簡単で、かつ効率的である。しかし、マイクロ電源10は、水タンク12からの湿気の自然蒸発速度および拡散速度が遅いため、これが発電を著しく制限するものにしている。さらに、燃料電池18で生成された水は廃物として排出され、このことが、マイクロ電源10として必要とされる小ささおよび軽さを制限している。図3の化学反応シーケンスから理解できるように、燃料電池18の自然な作用としては、水蒸気と燃料との間の化学反応に必要とされる、まさにその速度で、水を生成するので、原理的には、マイクロ電源10に水を新たに供給する必要はない。
【0019】
図4は、本発明の一実施形態に従った閉サイクルマイクロ電源30を示す。閉サイクルマイクロ電源30は、水素流路32および湿り空気流路34を含む。ファン、ポンプ、インペラなどの流れインデューサ36が、水素流路32を通る流れを引き起こす。同様に、ファン、ポンプ、インペラなどのインデューサ(図4に示されない)が、湿り空気流路34を通る流れを引き起こす。水素流路32中の水素をまず始めに加湿するために、最初に水素流路32または湿り空気流路34のどちらかに霧状の水滴を注入することができる(図示せず)。
【0020】
水素流路32中の湿った水素の流れは、例えば金属水素化物のような固体燃料を含む燃料タンク38を通過する。多くの金属水素化物を燃料タンク38で使用することができるが、LiBH4およびLiAlH4は、単位重量当りに多量の水素エネルギーを含む。例えば、LiBH4は、LiAlH4の約1.7倍のエネルギーを含むので、ことによると36%×初期重量の水素をもたらすかもしれない。用い尽くされたときに燃料は、蓄積された酸素のために重量が3.9倍に増すだろう。しかしながら、LiBH4と水蒸気との間の化学反応は、反応速度を減少させるアルカリ性「スラリー」を生成し、結果として、典型的には完全(100%)に対して30%まで進むだけの化学反応となる。LiAlH4はこの問題を示さず、ほとんど100%の完全反応をもたらす。ある方法(例えば、酸または触媒を追加すること)がLiBH4の上記影響をなくすことができるならば、LiBH4は、LiAlH4よりも優れた燃料である可能性がある。
【0021】
燃料タンク38は、水素流中の水蒸気と反応して乾燥水素を発生する必要量(例えば数グラム)の金属水素化物を含むことができる。乾燥水素は、水素流路32の熱交換器40を通過して、周囲温度を維持する。すなわち、燃料タンク38において水蒸気と金属水素化物との反応で発生した熱(約15ワット)は、熱交換器40によって周囲空気に受動的に伝えることができる。
【0022】
水素流路32における乾燥水素は、重合体浸透交換障壁などの水交換膜42のそばを通過する。湿り空気流路34の湿った流れと水素流路32の乾燥水素との間の大きな相対湿度差は、潜熱変化なしに、水蒸気が水交換膜42を横切って乾燥水素ガス中へ浸透する事態を引き起こす。呼吸可能な重合体(例えば、ゴアテックス(Goretex)、PEBA、PVOH、ナフィオン、その他)は、水蒸気に対して非常に高い浸透性を有し、水交換膜42に使用することができる。このようにして、湿り空気流路34からの水蒸気は、水素流路32の水素を湿らせるために、水素流路32に進む。
【0023】
それから、湿った水素が、1つまたは複数のナフィオン燃料電池のような燃料電池44の膜電極アセンブリ(MEA)のそばを通って流れ、水素の一部(約2cc/秒)が、燃料電池44の膜電極アセンブリの陽極にて消費されて電力を発生させ、さらに膜電極アセンブリの陰極にて水を発生させる。したがって、燃料電池44の水素消費速度に一致して、代替え水素が燃料タンク38の燃料によって発生されることになる。
【0024】
湿り空気流路34中の空気または他のキャリアの流れは、燃料電池44の陰極のそばを対向流(カウンターフロー)として通り過ぎるように流れ、燃料電池44で発生した水によって湿らされる。この水蒸気は、下流で、水交換膜42によって元の水素の方に抽出される。水サイクルが完全に効率的である場合、システムは、図3に示されるように、自然に釣り合いの取れた状態にあり、取り出される電力に応じて正確に必要とされるだけ水と水素が発生される。水サイクルが完全に効率的というわけではない場合、湿り空気流路34または水素流路32に小さなタンクを設け、そうしなければ閉サイクルマイクロ電源30で失われるであろう水を注入するようにしてもよい。このように、実際には、始動および失われた水の代替えのために、小さな水注入システム(図示されない)が必要であることもある。
【0025】
図5は、図4の閉サイクルマイクロ電源30の例示構造を示す。水素は水素流路32内を連続的に循環して下部マニホルド46に入り、下部マニホルド46は、水素流を、中央マニホルド49に配列された垂直管48を通して上方へ分布させる。垂直管48は、湿り空気流路34中の下向きに流れる湿り空気で囲繞されている。水素流路32中の水素は、流れインデューサ36による誘導を受けて、垂直管48を通って上の方へ流れ、上部マニホルド50によって垂直管48から集められる。垂直管48の上の方の部分は、燃料電池の電極材料でコーティングされ、垂直管48の下の方の部分は、水交換膜42でコーティングされている。中央マニホルド49の垂直管48は、金属水素化物燃料棒の形の固体燃料のような燃料を含む。垂直管48は、例えば、ナフィオン重合体管であってもよい。
【0026】
上で述べたように、水素は、水蒸気と金属水素化物燃料との反応によって水素流路32内に作り出される。水蒸気は、湿り空気流路34から水交換膜42を通ってくる。水交換膜42は、垂直管48の下の方の部分を覆っている。このようにして、水素ガスは乾燥される。垂直管48の燃料電池の陰極にて解放された水蒸気は、湿り空気流路34内を、水素の流れに対して反対方向の対向流(カウンターフロー)によって運ばれ、水交換膜42を通って乾燥水素ガス内に浸透し、水サイクルを完成する。熱交換器40は、図5に示されていないが、これを水素流路32に含ませ、上で述べたように周囲温度を維持するようにしてもよい。湿り空気流路34内における対向流は、ファン、ポンプ、インペラ、その他の流れインデューサ52によって引き起こすことができる。あるいはまた、湿り空気流路34内における対向流は、乗り物用途での空力学的な圧力を使用して生じさせるようにしてもよい。
【0027】
垂直管48ならびに下部マニホルド46および上部マニホルド50は、円筒形のハウジング54内に含まれている。円筒形ハウジング54は、軽量を実現するために、ガスの浸透しない金属被覆薄壁付きプラスチック管で組み立てることができる。
【0028】
このように、必要な水の全てまたは大部分は、閉サイクルによって供給されるので、その結果、搭載すべき水の量は少なくてすみ、最初に必要とされる水の重量を大幅に節減でき、結果として高いエネルギーが得られる。水の自然蒸発速度(約1e−7cc/秒)に頼る代わりに、高電力のために必要とされる速度(10ワットシステムの出力電力用に十分な水素を発生するために、1.5e−3cc/秒の水が必要とされる)で最初に水を注入すべく、マイクロ水ポンプなどのインデューサを使用することができる。MDP1304マイクロポンプなどの適切なポンプが、例えばthinXXS Microtechnologyから市販されている。強制された水素ガス流の流れの中に液体水の微小水滴を最初に機械的に注入するために、超音波噴霧器を使用することができ、これによって、システム起動のために十分な湿った水素が生じる。そのような超音波デバイスは、家庭用加湿器で使用されている。5Cで100%RHの蒸気の形で毎秒1.5e−3ccの水を運ぶために必要とされる水素ガスの流速は、約200cc/秒である。そのようなガスの流れは、小型低出力の市販のファン(Sunon Inc #5F852、0.25W、1.8グラムなど)で引き起こすことができる。
【0029】
水サイクルはおそらく完全に効率的というわけではないので、小さな水タンクから水素流の中にいくらかの追加の水を注入してもよい。この注入の速度は、水素発生速度を制御するために利用することができる。
【0030】
水素ガスの適切な流速は、約200cc/秒である。この流速で、必要量の水を湿り水素ガスとして確実に運ぶことができる。水の蒸発に必要とされる潜熱の3.7ワットは、それがシステム環境から熱伝導で供給されるという意味で、コストのかからないものであり、電気システムの負荷にならない。
【0031】
また、湿り空気流路34は、燃料電池44の陰極側に空気を供給する。空気の必要とされる流速は、陰極表面にて酸素枯渇を起こさないよう、通常、化学量論的速度の約2倍である(約6cc/秒)。
【0032】
10Wの出力電力で、かつ0.65Vの一般的な電池電圧の場合、燃料電池44は、50%の効率であると予想され、残りの10Wを熱として消散する。燃料電池44にナフィオンが使用される場合には、この消散熱は、ナフィオンを温かく保ち、かつ陰極にて水蒸気を生成するのに役立つはずである。
【0033】
油のような少量の障壁材料を金属水素化物に添加することができる。それによって、そうしなければ起こり得る水との爆発的反応の速度を落とすことができる。一方で、制御された水素発生のための適切な反応速度は依然として維持される。液体の水は、少量のアルコールを加えられることによって、凍らないようになることができる。アルコールは、LiAlH4と反応して、また水素を生成する。
【0034】
本発明の特定の変更態様を上で述べた。他の変更態様は、本発明のする技術分野における当業者によって思いつくであろう。例えば、上で述べたように、熱交換器40が、周囲温度を維持するために水素流路32で使用されている。しかし、熱交換器40の使用は必須ではない。
【0035】
また、上で述べたように、水蒸気を、湿り空気流路34を通って流れる湿った空気から、水素流路32を通って流れる乾燥水素へと通すために、水交換膜42が使用されている。その代わりに、燃料電池44を出る湿り空気によって運び去られる水蒸気を、湿った空気をより低温の水素ガスのそばを通過させるようダクト送りさせることにより凝縮させ、実質上冷却能の潜熱を使用するようにしてもよい。例えば、凝縮された液体の水は、上で述べたようなマイクロポンプおよび噴霧器を最初の水注入のために使用することにより、水素流に再び取り入れさせることができる。
【0036】
上述した本発明の説明は、単なる例示として解釈されるべきであり、本発明を実施する最良の形態を当業者に教示する目的で記述された。本発明の細部は、本発明の精神から逸脱することなしに実質的に変えることができ、さらに、添付の特許請求の範囲内にある全ての変更例の排他的な使用は、留保される。
【0037】
本発明の第1の態様は、発電機であって、水素含有燃料および流れインデューサを含む水素流路であって、水素含有燃料は水素流路中の湿気と反応して水素を生成するものであり、さらに、流れインデューサは水素流路に流れを引き起こすものである、水素流路と、湿り空気流路と、水素流路と湿り空気流路との間に設けられた燃料電池であって、燃料電池は水素流路中の水素と反応して電気を生成するようになされており、さらに、湿り空気流路中の湿気は、燃料電池の反応によって生成されるようになされている、燃料電池と、水素流路と湿り空気流路との間に設けられた水交換膜であって、水蒸気流路中の湿気を水素流路に供給することを可能にする水交換膜とを備える。
【0038】
本発明の第2の態様は、第1の態様の発電機において、水素含有燃料が、金属水素化物を含む。
【0039】
本発明の第3の態様は、第2の態様の発電機において、金属水素化物が、LiBH4を含む。
【0040】
本発明の第4の態様は、第2の態様の発電機において、金属水素化物が、LiAlH4を含む。
【0041】
本発明の第5の態様は、第1の態様の発電機において、水素流路の流れインデューサが、第1の流れインデューサを含み、湿り空気流路が、第2の流れインデューサを含み、さらに、第2の流れインデューサが、湿り空気流路の湿気の流れを引き起こすようになされている。
【0042】
本発明の第6の態様は、第1の態様の発電機において、水素流路で必要とされる水の大部分が、湿り空気流路から水素流路に通されるようになされている。
【0043】
本発明の第7の態様は、第1の態様の発電機において、水素流路で必要とされる最初の水が、水タンクから水素流路に注入される。
【0044】
本発明の第8の態様は、第1の態様の発電機において、湿り空気流路から供給されない水が、水タンクから水素流路に注入されるようになされている。
【0045】
本発明の第9の態様は、第1の態様の発電機において、液体の水を、霧状の水滴として水素流路に注入することができるようになされている。
【0046】
本発明の第10の態様は、第1の態様の発電機において、燃料電池が、水素流路と接続する陽極および湿り空気流路と接続する陰極を有する陽子交換膜を含む。
【0047】
本発明の第11の態様は、第10の態様の発電機において、水素流路の流れインデューサが、第1の流れインデューサを含み、湿り空気流路が、第2の流れインデューサを含み、さらに、第2の流れインデューサが、湿り空気流路の湿気の流れを引き起こすようになされている。
【0048】
本発明の第12の態様は、第1の態様の発電機において、水素流路が、さらに熱交換器を含む。
【0049】
本発明の第13の態様は、第12の態様の発電機において、燃料電池が、水素流路と接続する陽極および湿り空気流路と接続する陰極を有する陽子交換膜を含む。
【0050】
本発明の第14の態様は、第12の態様の発電機において、水素流路の流れインデューサが、第1の流れインデューサを含み、湿り空気流路が、第2の流れインデューサを含み、さらに、第2の流れインデューサが、湿り空気流路の湿気の流れを引き起こすようになされている。
【0051】
本発明の第15の態様は、第14の態様の発電機において、燃料電池が、水素流路と接続する陽極および湿り空気流路と接続する陰極を有する陽子交換膜を含む。
【0052】
本発明の第16の態様は、電気を発生する方法であって、水素流路に湿気を供給するステップと、水素流路に流れを引き起こすステップとを含み、流れが湿気を含み、さらに、水素流路が、湿気と反応して水素を生成する水素含有燃料を含み、水素含有燃料によって生成された水素を燃料電池へ向け、該燃料電池を水素と反応させて電気を生成させるステップをさらに含む。
【0053】
本発明の第17の態様は、第16の態様の方法において、水素含有燃料が、金属水素化物を含む。
【0054】
本発明の第18の態様は、第17の態様の方法において、金属水素化物が、LiBH4を含む。
【0055】
本発明の第19の態様は、第17の態様の方法において、金属水素化物が、LiAlH4を含む。
【0056】
本発明の第20の態様は、第16の態様の方法において、燃料電池が、水素と反応してまた湿気を生成し、水素流路に湿気を供給するステップが、燃料電池で生成された湿気を水素流路に供給することを含む。
【0057】
本発明の第21の態様は、第20の態様の方法において、燃料電池が、水素流路と接続する陽極および湿り空気流路と接続する陰極を有する陽子交換膜を含み、さらに、水素流路に湿気を供給するステップが、燃料電池の陰極で生成された湿気を湿り空気流路に供給し、次いで水素流路に供給することを含む。
【0058】
本発明の第22の態様は、第20の態様の方法において、燃料電池で生成された湿気を水素流路に供給することが、燃料電池で生成された湿気を、水交換膜を介して水素流路に通すことを含む。
【0059】
本発明の第23の態様は、第16の態様の方法において、水素流路が、さらに熱交換器を含む。
【0060】
本発明の第24の態様は、第16の態様の方法において、水素流路に湿気を供給するステップが、湿気を、水交換膜を介して水素流路に通すことを含む。
【0061】
本発明の第25の態様は、第16の態様の方法において、水素流路に湿気を供給するステップが、湿り空気を水凝縮器に通し、さらに凝縮された水を元の水素流路に通すことを含む。
【0062】
本発明の第26の態様は、電気を発生する方法であって、水素を生成するように水素流路で湿気を金属水素化物と反応させるステップと、水素を、水素流路を通して燃料電池に向け、該燃料電池を水素と反応させて電気と湿気とを生成するステップと、金属水素化物と反応する主要な湿気として、燃料電池で生成された湿気を水素流路に供給するステップとを含む。
【0063】
本発明の第27の態様は、第26の態様の方法において、金属水素化物が、LiBH4を含む。
【0064】
本発明の第28の態様は、第26の態様の方法において、金属水素化物が、LiAlH4を含む。
【0065】
本発明の第29の態様は、第26の態様の方法において、燃料電池が、水素流路と接続する陽極および水蒸気流路と接続する陰極を含み、さらに、燃料電池で生成された湿気を供給するステップが、水蒸気流路を通して湿気を供給することを含む。
【0066】
本発明の第30の態様は、第26の態様の方法において、水素流路が、熱交換器をさらに含む。
【0067】
本発明の第31の態様は、第26の態様の方法において、燃料電池で生成された湿気を供給するステップが、湿気を、水交換膜を介して水素流路に通すことを含む。
【0068】
本発明の第32の態様は、第26の態様の方法において、水素を生成するように水素流路で湿気を金属水素化物と反応させるステップが、水素流路中の湿気の流れを金属水素化物の方に向けて生じさせることを含む。
【0069】
本発明の第33の態様は、第26の態様の方法において、水素流路に湿気を供給するステップが、湿り空気を水凝縮器に通し、さらに、凝縮された水を元の水素流路に通すことを含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気を発生させる方法であって、
単独の湿り空気流路から水素流路に水蒸気を供給するステップと、
前記湿り空気流路からの水蒸気が前記水素流路内へ流れることを許容するステップと、
水素流路に流れを引き起こすステップであって、当該流れが前記水蒸気を含み、さらに当該水蒸気と反応して水素を生成する水素含有燃料を当該水素流路が含む、ステップと、
前記水素含有燃料によって生成された前記水素を燃料電池に向け、当該燃料電池を陽極で前記水素の少なくとも一部と反応させて電気と湿気とを陰極で生成させるステップと、
前記燃料電池の前記陰極で生成された湿気を前記湿り空気流路へ方向付け、その湿気の大部分を水蒸気の形態で前記水素流路へ供給して、水の閉サイクルを提供するステップと、を含む方法において、
前記燃料電池の前記陰極で生成された前記湿気を前記水素流路へ供給するステップは、当該燃料電池の当該陰極で生成された湿気が、当該燃料電池とは分離して配置された水蒸気交換膜を通じて前記湿り空気流路から当該水素流路へ水蒸気の形態で浸透するステップを含む、方法。
【請求項2】
前記水素含有燃料が、金属水素化物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記水素流路が、さらに熱交換器を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
最初に湿気を水タンクから前記水素流路に注入するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−142291(P2012−142291A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−30719(P2012−30719)
【出願日】平成24年2月15日(2012.2.15)
【分割の表示】特願2007−521605(P2007−521605)の分割
【原出願日】平成17年7月13日(2005.7.13)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】