説明

電気プラズマ放電デバイスのための金属電極

【課題】低圧ランプのための全金属電子放出構造体(20)を提供する。
【解決手段】1つ以上の金属からなる全金属電子放出構造体は、熱励起に応答して電子を放出するように動作可能であり、安定状態動作条件下で電子放出構造体の活性領域は、約1500度Kより高い温度を有し、安定状態動作条件下で放電媒体内のカソード降下電圧が、約100ボルト未満である。エンベロープ(102)、全金属電子放出構造体(104)を含む電極、および媒体を含むランプ(100)も開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的に電気プラズマ放電デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
低圧ハロゲン化金属電気放電プラズマは、従来の蛍光ランプにおける水銀電気放電プラズマを置き換える可能性を有する。しかしながら、酸化バリウムなどの多くの従来使用された電子放出材料は、ハロゲン化金属プラズマの存在において化学的に安定ではない。本出願人らは、いずれかの理論に拘束されることを望まないが、例えば、酸化バリウム(BaO)電子放出材料は、放電媒体内に存在するヨウ化インジウム蒸気などのハロゲン化金属(MeX、ここでMeは金属であり、Xはハロゲンである)蒸気と反応することがあり、ハロゲン化バリウム(BaX)蒸気および凝結された金属酸化物(MeO)の形成を生じると考えられる。酸化カルシウムおよび酸化ストロンチウムなどの他の従来使用された電子放出材料は、ハロゲン化金属蒸気との反応は少ない可能性がある。しかしながら、ほとんどの電子放出材料は、ある程度までハロゲン化金属蒸気と反応すると予想される。
【0003】
従来の水銀ベースの蛍光ランプにおいてでさえ、電極材料と放電材料(水銀)との間で生じる反応は、不利であった。特に、水銀は、酸化バリウムなどの電子放出材料と、または放出材料の反応生成物と反応あるいはアマルガム化することができる。電極材料堆積物は、ランプの経時変化につれランプの内壁に形成され、放電における水銀は、壁に堆積した電極材料とアマルガム化すると考えられる。この反応あるいはアマルガム化の後、水銀は、より強く結合され、通常動作の間に壁から容易には蒸発できず、したがって、ランプの光発生機構への関与から実際に取り除かれる。望ましくなく、追加の水銀は、反応あるいはアマルガム化に対して実際に損失された水銀を補償し、かつランプがその公称動作寿命を満たすことを確実するために、その製造の間にランプ内に配置されなければならない。水銀の反応およびアマルガム化は、シールドの使用を介して管理されることができ、シールドは、水銀の損失に対する物理的ならびに化学バリアを提供することができるが、シールドの追加はまた望ましくないランプの価格および複雑性を追加する。
【0004】
電子放出材料被覆を有さないタングステン電極などの金属電極は、高圧高強度アーク放電(HID)ランプのために当技術で知られている。いくつかの非熱イオン金属電極は、電極が、低圧放電プラズマのための当技術で知られているが、電極が、比較的低温であり、それらの熱イオン電子放出温度(例えば、1500度K未満)より低いときだけである。非熱イオン金属電極の場合、電子は、「二次電子放出」(一般にイオンエネルギーが100〜150電子ボルトである場合、入射高エネルギーイオンに応答して)によって、または光電子放出(十分に高いエネルギーのフォトンに応答して)電極から放出される。そのような「低温カソード」は、ネオンサイン、およびディスプレイバックライトのための「低温カソード蛍光ランプ」で使用されるが、高いカソード降下電圧のために、ランプ放電電圧は、良好なデバイス効率を達成するために一般に非常に高い(>1kV)である。一般的な照明に関して、高温カソード蛍光ランプがそれらのより高い効率およびより低い動作電圧のために、低温カソードランプの代わりに一般に使用される。
【特許文献1】米国特許出願第2005/0077828号公報
【特許文献2】米国特許第6,853,124号公報
【特許文献3】米国特許第6,034,470号公報
【特許文献4】米国特許第5,905,339号公報
【特許文献5】米国特許第3,937,996号公報
【特許文献6】米国特許第2,496,374号公報
【特許文献7】米国特許第2,363,531号公報
【特許文献8】米国特許第2,306,925号公報
【特許文献9】米国特許第2,252,474号公報
【特許文献10】米国特許第2,249,672号公報
【特許文献11】米国特許第2,034,571号公報
【特許文献12】英国特許第569,685号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、低圧プラズマ放電デバイスで使用される電極での1つ以上の前述の問題を対処する電極設計の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様において、1つ以上の金属からなる全金属電子放出構造体であって、電子放出構造体は、熱励起に応答して放電媒体に電子を放出するように動作可能であり、安定状態動作条件下で電子放出構造体の活性領域は、約1500度Kより高い温度を有し、安定状態動作条件下で放電媒体は、約1×10パスカルより低い全圧を生成し、安定状態動作条件下で放電媒体内のカソード降下電圧が、約100ボルト未満である。
【0007】
本発明の他の態様において、1つ以上の金属からなる全金属電子放出構造体を含む電極であって、電子放出構造体は、熱励起に応答して放電媒体に電子を放出するように動作可能であり、安定状態動作条件下で電子放出構造体の活性領域は、約1500度Kより高い温度を有し、安定状態動作条件下で放電媒体は、約1×10パスカルより低い全圧を生成し、安定状態動作条件下で放電媒体内のカソード降下電圧が、約100ボルト未満であり、全金属電子放出構造体のための支持構造体を含む。
【0008】
本発明のさらに他の態様において、エンベロープと、エンベロープ内に配置される放電媒体と、電極とを含むランプであって、電極は、全金属電子放出構造体を備え、電子放出構造体は、熱励起に応答して放電媒体内に電子を放出するように動作可能であり、安定状態動作条件下で電子放出構造体の活性領域は、1500度Kより高い温度を有し、安定状態動作条件下で放電媒体は、約1×10パスカルより低い全圧を生成し、安定状態動作条件下で放電媒体内のカソード降下電圧が、約100ボルト未満である。
【0009】
本発明のこれらおよび他の特徴、態様、および利点は、以下の詳細な記載が、同様の符号が図面を通して同様な部品を示す添付の図面を参照して読まれるとき、より良く理解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の実施形態は、全金属電子放出構造体、およびそのような電子放出構造体を含むプラズマ放出デバイスを含む。
【0011】
タングステンを含む耐火金属などの金属は、従来の酸化物電子放出材料と比べてより高い仕事関数(4eVより高い)を有し、したがって低圧放電環境内で所望のレベルの電子を放出するためにより高い温度で動作されなければならない。そのような金属をそれらの熱イオン温度に加熱するために、カソード降下電圧は、カソードへのより高いエネルギーのイオンの衝突を増大するために増加されなければならないことがある。カソード降下電圧が高すぎると、入射イオンは、電極表面に衝突し、スパッタリングまたは他の方法で電極表面から材料を取り除くことによって、電極を物理的に破壊する。同様に電極の損傷を引き起こすことがある他の機構は、イオン衝撃支援エッチングである。全金属電子放出構造体が、低圧プラズマ放電デバイス技術において知られている従来の電極構造体の形状で設計されるなら、構造体は、低圧放電環境において使用可能ではないレベルで熱を散逸する。本発明の実施形態は、熱イオン温度をより低い全熱入力にすることがある低圧プラズマ放電デバイスのための、より小さい熱を保存する全金属電子放出構造体を含む。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、1つ以上の金属からなる全金属電子放出構造体が記載され、電子放出構造体は、熱励起に応答して電子を放出するように動作可能である。本明細書で使用されるとき、用語「全金属」は、金属酸化物などの任意の金属化合物が存在しない、金属だけ、金属の混合物、金属の合金からなる構造体を言及し、電子放出構造体内に金属化合物の存在を避けるために、製造の間に妥当な処置が行われる。安定状態動作条件下で電子放出構造体は、平衡にされた加熱および冷却フラックスを有する活性領域を有するように構成されることができる。本明細書で使用されるとき、用語「活性領域」は、電子放出構造体がプラズマ放電デバイス内で使用されるとき、ガス状プラズマ領域(以降、「ガス」と呼ばれる)と電子放出構造体の高温電子放出部分(以降、固体と呼ばれる)との間の界面で面積Aを有する表面を言及する。電子は、固体からガス内に放出される。
【0013】
本出願人らは、いずれかの特定の理論に拘束されることを望まないが、以下の解析は、所望の熱イオン特性を有する全金属電子放出構造体を構成する方法を提供するために示される。すなわち、熱および電流伝達は、ガスを固体から分離する表面で連続し、同時にカソード降下電圧は、入射イオンによって引き起こされる損傷を低減しかつ動作寿命を増大するように低い。
【0014】
以下にさらに詳細に記載されるように、電子放出材料特性およびガス材料特性は、所望の熱イオン特性を有する活性領域を有するように、電子放出構造体を構成するために使用されることができる。例えば、電子放出構造体表面の活性領域の熱放射エミッタンスe、電子放出構造体表面の仕事関数φ、ガスのイオン化閾値Vion、およびエネルギー単位で表現されるカソード降下とバルクプラズマとの間の境界での電子温度Tは、所望の熱イオン特性を有する活性領域を有するように電子放出構造体を構成するために使用されることができる。
【0015】
活性領域は、少なくとも3つの熱伝達チャネルによって、すなわち伝導(ガスおよび電子放出構造体の残りの両方に対する)、対流(周囲のガスに対する)、および熱放射(電子放出構造体自体の他の部品を含むことがある周囲の構造体に対する)によって冷却されることができる。
【0016】
活性領域の熱放射冷却を推定するために、熱放射放出Pradは、計算されることができる。
rad=εσT (1)
ここで、εは、活性領域材料の熱エミッタンスであり、σは、Stefan−Boltzmann定数(5.67×10−12Wcm−2)であり、Tは、活性領域材料温度である。例えば、タングステンのような金属のエミッタンスは、一般に0.2〜0.4であり、活性領域の熱放射冷却は、1500Kから3700Kの範囲の温度に関して6W/cmから425W/cmの範囲である。例えば、活性領域は、直接下にある固体バルク材料を含むこともできる。活性領域における温度は、均一であると仮定されることができ、または活性領域における温度分布が、考慮されることもできる。
【0017】
構造体がプラズマ環境においてカソードとして動作するとき活性である追加の加熱および冷却機構を考慮するために、ガス体積は、2つの解析領域に分けられることができる。すなわち、(i)電極表面に直接隣接する薄い層である「カソード降下」領域と、(ii)カソード降下を越える「バルクプラズマ」領域である。「バルクプラズマ」は、実際、プレシースまたは負グローあるいは正カラムなどの放電プラズマの任意の領域であり得る。「バルクプラズマ」は、電界強度が低い、知られているプラズマパラメータを有する擬似中性領域として取り扱われることができる。バルクプラズマは、カソード降下とは対照的であり、カソード降下は、正味の電荷密度が高くかつ正であり、かつ電界強度は比較的大きい。全体としてバルクプラズマは、全電流および電気を光に変換する効率(ランプのために)などのデバイスの特性を決定する領域である。計算は、プラズマの電極および他の境界との相互作用を解析するために、一般に当技術で使用される方法に従う。
【0018】
電極がカソードとして動作するとき(すなわち、バルクプラズマに対して負)活性領域に対する加熱フラックスqは、以下によって与えられる。
q=j(Vion−φ)+j(VCF+5T/2)−jφ (2)
ここで、jは、イオン電流密度(A/cm)であり、jは、電子電流密度であり、VCFは、カソード降下電圧である。カソード降下電圧は、表面とバルクプラズマとの間の電位差である。Tは、エネルギー単位で表現された、カソード降下とバルクプラズマとの間の境界での電子温度である。式2は、全電流jおよびパラメータf、イオンによって運ばれる電極表面でのガス内の電流の一部に関して書かれることもできる。
q=j[f(Vion+VCF+5T/2)−φ] (3)
加熱フラックスqは、熱イオン放出のための適切な温度に活性領域を上昇させ、かつその温度で熱放射冷却を相殺するために十分に高くあるべきである。
【0019】
Richardson式が、電極表面での電子放出電流密度を推定するために使用されることができる。活性領域から放出される熱イオン電子電流の簡単な形態は、以下によって与えられる。
=A−φ/T (4)
ここで、Tは、活性領域の温度である。一実施例において、式(3)における材料(タングステン)およびプラズマパラメータは、加熱損失および加熱フラックスの両方の分散を作るために使用される。
【0020】
図1は、ヨウ化ガリウムプラズマで動作する、タングステン電子放出構造体の活性領域に関する動作温度(12)に対する電極表面での加熱フラックス(10)のプロットであり、イオン化閾値Vionは、6Vに等しく、カソード降下電圧VCFは、13ボルトであり、Tは、0.8電子ボルトに等しく、カソード表面でのイオン電流部分は、f=0.5である。活性領域構成は、加熱および冷却フラックスが平衡し、それぞれ冷却および加熱フラックスを表す曲線14および16が、タングステン電子放出構造体に関して図1に見られるように3100Kの温度近くで交差(18)する場合に満足される。タンタルの特性を使用する同様の解析は、活性領域構成が満足される温度として2900Kの推定を導く。本発明のさらなる実施形態において、パラメータj、f、およびVCFの様々な組合せが、要件を満足するために使用されることができ、この要件が、熱および電流伝導が、活性領域の表面で一致する、すなわちq=PradおよびjA=Iを満足し、ここで、Aは、活性領域の表面積であり、Iは、全デバイス電流である。プラズマ放電デバイスが直流モードで動作され、かつ電極が正イオンを引き付けるためにカソードとして作用するとき、式が平衡する実施形態に関して、解析が、本明細書で示される。デバイスが、交流モードで動作することができる代わりの実施形態において、冷却機構が連続して動作しても、各電極が、加熱フラックスが有効に半分にされるように、一方の半分の時間に関してカソードとして作用し、かつ他方の半分の時間に関してアノードとして作用する。本明細書で使用されるとき交流は、任意の波形、正弦形、方形、三角形、またはいくつかの一般的な周期的形状を有することができる。電極は、交流電流サイクルのアノード部分の間に、プラズマとの相互作用によって加熱されることができる。交互サイクルのアノード部分の間に加えられる任意の加熱は、サイクルのカソード部分の間に加熱要件を低減することを予想されることができる。アノード加熱は、エネルギーの高い正イオンが電極表面に当たらないので、ほとんど破壊的ではない。しかし、アノード加熱が、適切な熱設計によって避けられることができる電極構造を過熱するなら、アノード加熱は破壊的であり得る。
【0021】
表1は、本発明の低圧放電電極に関する電子放電構造体パラメータを、知られているタイプの電極と比較するリストである。従来技術と比較すると、本発明の実施形態は、表面に対して非常により高い加熱フラックスで動作し、表面は、破壊的な加熱機構の必要性なく高い温度に加熱されることができ、放出表面から十分な電流密度および全電流を供給することができる。動作温度、加熱フラックス、および放出電流密度は、従来の低圧放電デバイスにおけるより全て高い。
【0022】
【表1】

図2に示されるような本発明の一実施形態において、全金属電子放出構造体20は、ロッド状またはワイヤ状構造体22を含む。電子放出構造体20は、支持構造体24上に支持される。いくつかの実施形態において、ロッド状電子放出構造体の自由端部23は、平坦であり得るが、他の実施形態において湾曲されることができる。いくつかの実施形態において、支持構造体は金属製であり、他の実施形態において、支持構造体はガラスまたはシリカ製であり得る。本発明の一実施形態において、支持構造体材料は、これらに限定されず、放電媒体におけるそれらの反応性および蒸発レートなどの要因を考慮して選択されることができる。例えば、ニッケルの支持構造体は、タングステンを含む電子放出構造体とともに使用されることができる。ニッケル支持構造体は、一般に、1500度Kの温度に耐えることが予想される。タングステンロッドまたはワイヤ状電子放出構造をガラスに溶融することは、タングステンとガラスとの間の熱膨張差のために、動作の間にガラス内にクラックを生じることがある。一実施例において、タングステンのロッドを含む電子放出構造体が、ソーダライムまたは鉛アルカリ珪酸ガラスなどのガラス製のエンベロープを有する放電デバイスで使用されるなら、銅被覆されたニッケル鉄合金製など、ガラスの熱膨張特性と匹敵するワイヤは、支持構造体の一部として使用されることができる。動作の間、ガラスと金属との接合は、活性領域より低い温度であることが予想され、したがって、支持構造体で使用に関する金属の選択は、活性領域のために利用可能であるものより非常に広い。他の実施例において、ランプは、タングステンロッドを含む電子放出構造体、およびガラス状シリカのエンベロープを含む。タングステンロッドは、薄いモリブデンホイルに溶接される。ガラス状シリカは、ガラス状シリカが加熱され、次にホイルと密接に接触させるために締め付けられまたは収縮される、いくつかの知られているプロセスの任意のプロセスによってホイルの周りに製造の間に密封される。ホイルが加熱および冷却の間に弾性変形するように、ホイルは一般に十分に薄く、シリカがクラックしないように、全応力は十分に低く維持される。
【0023】
図3および図4は、図2に示される実施形態に類似する電子放出構造体の実施形態を示すが、ランプ始動を支援し、かつ熱プロファイルおよび電子放出の動力学を管理する追加の自由度を提供するために、さらに金属ワイヤのオーバワインドを有する。図3において、電子放出構造体25は、オーバワインド28を有するロッドまたはワイヤ26を含むように示される。構造体は、支持構造体30上に支持される。図4において、電子放出構造体32は、オーバワインド36および38を含む二重のオーバワインド構造体を有するロッドまたはワイヤ34を含むように示される。
【0024】
図5に示されるような本発明の他の実施形態において、全金属電子放出構造体42は、先端48を有するロッドまたはワイヤ44を含む単一構造体を含む。先端48は、図5に示されるような形状の球形であることができ、またはより平坦な構造体を有することができる。電子放出構造体42は、支持構造体50上に支持される。図6に示されるような本発明の他の実施形態において、電子放出構造体52は、構造体の自由端部でループ56に曲げられかつ自体が二重にされるワイヤ54を含む。ワイヤは、支持構造体58によって支持される。
【0025】
代わりに、図7に示されるように、電子放出構造体60は、その上にヘッド64が取り付けられるシャフト62より広い幅を有するヘッド64を有するシャフト62を含む。ヘッド64は、図7に示されるようにバーまたはプレート状構造体を有することができ、またはより湾曲されまたは球形の構造体を有することができる。構造体は、支持構造体66上で支持されることができる。いくつかの実施形態において、シャフトおよびヘッドは、ともに接合された副構造体であり得る。いくつかの実施形態において、シャフトおよびヘッドは、異なる材料製であり得る。本発明のさらに他の実施形態において、電子放出構造体68は、図8で示されるように、シャフト70および充填されたカップ形状ヘッド74を有することができる。ヘッド74は、単一金属の一体構造体であることができ、または1つ以上の金属製の外側カップおよび1つ以上の金属の内側充填を含むことができる。シャフト70は、支持構造体76上に取り付けられることができる。
【0026】
図9に示されるように、電子放出構造体78は、ループ状構造体を形成するように曲げられたワイヤ80を含むことができる。ループは、支持構造体82上に支持されることができる。図10に示されるようなさらに他の実施形態において、電子放出構造体84は、1巻きのワイヤ88を有するコイル状ワイヤ86を含むことができる。コイル状ワイヤの一端部は、支持構造体90によって支持されることができる。図11は、支持構造体98に取り付けられた複数の巻き96を有するコイル状ワイヤ94を含む、電子放出構造体92の類似する実施形態を示す。
【0027】
いくつかの実施形態において、電子放出構造体は、各副構造体内に存在する、独立したまたは組合せの1つ以上の金属を有する2つ以上の副構造体を含むことができる。さらに他の実施形態において、電子放出構造体は、多層の構造体を有することができる。いくつかの金属が、ハロゲン蒸気などの所定の放電組成によって化学的に侵食されることがある。一実施形態において、構造体は、金属被覆を有する金属基板を含むことができる。例えば、タングステン構造体は、レニウムで被覆されることができる。
【0028】
本発明の一実施形態において、電子放出構造体に含まれる1つ以上の金属は、遷移および希土類金属のグループから選択される。金属選択が放電媒体に応じる本発明の一実施形態において、電子放出構造体は、動作することが予想される。アルゴン水銀などの化学的に反応性が少ない雰囲気において、仕事関数、融点、蒸気圧、電極材料の蒸発レートなどのいくつかの要因が、ガスとの化学反応および反応性生物の除去よりむしろ電子放出構造体に関する材料選択を決定する。
【0029】
ハロゲン化金属放電媒体などのより反応性の雰囲気において、電子放出構造体で使用される1つ以上の金属の反応性、ならびにこれらに制限されない電子放出構造体材料の仕事関数、融点、蒸気圧、蒸発レートなどの他の要因が、電子放出構造体材料を選択するために使用される。
【0030】
非限定的な実施例において、ハロゲン化物環境で動作可能な電子放出構造体で使用する金属を決定する第1のステップとして、知られている仕事関数を有する、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Re、Gd、Dy、Er、Tm、Thなどの金属が選択され、加熱フラックス計算が実行されることができる。
【0031】
次のステップにおいて、例えば、ヨウ素化物雰囲気内での金属の反応性は、その最も高い放射効率近くで動作する低圧ヨウ化ガリウムランプ内に存在することがあるガス放電組成で、1500Kのガスでハロゲン化金属の分圧を決定することによって評価されることができる。例えば、金属化合物の分圧に関する遮断閾値は、Fe、Co、Ni、Nb、Mo、Ta、W、およびReを含む金属の選択を導くことがある0.1ミリトールであるように選択されることができる。
【0032】
金属選択のプロセスにおける他のステップで、例えば10A/cmの公称電流放出を提供するために必要な動作温度は、式4、ならびに金属がその温度で固体であるかどうかの決定を使用して決定されることができる。
【0033】
フラックス計算は、必要な動作温度に戻ることができ、動作温度での分圧に基づく金属のさらなる選択は、低圧放電環境における全金属電子放出構造体で使用する1つ以上の金属を選択するために実行されることができる。非限定実施例において、使用のために選択される金属は、WおよびTaであり得る。
【0034】
一実施例において、全金属電子放出構造体における1つ以上の金属は、0.1パスカル未満の標準動作温度下の蒸気圧を有する。さらなる実施形態において、1つ以上の金属は、0.01パスカル未満の標準動作温度下の蒸気圧を有する。非限定実施例において、タングステンの凝固された相にわたるタングステン蒸気の蒸気圧は、約3100Kの活性領域温度で約0.01パスカルであり、この活性領域温度は、加熱および冷却フラックスが平衡する温度である。他の非限定実施例において、タンタルの凝固された相にわたるタンタル蒸気の蒸気圧は、2900Kの活性領域温度で約0.01パスカルである。本発明のさらなる実施形態において、合金の凝固された相にわたる全蒸気圧が、その凝固された相にわたる合金の任意の単一の成分の蒸気圧より低いように、2つ以上の金属が合金にされることができる。
【0035】
ランプの寿命に悪影響を与える可能性がある要因の1つは、電極からの材料除去の全レートである。動作中の電子放出構造体から1つ以上の金属の除去レートは、活性領域の面積と材料の動力学的蒸気圧との積に比例する。したがって、材料除去の全レートを低減し、かつランプの動作寿命を改善するように、活性領域の表面積を低減することが望ましい。材料除去のより低いレートは、また、吸収または反射フィルムを形成しかつ光出力を低減することがあるエンベロープの内表面上への材料の蓄積を低減することが望ましいことがある。動作中に、材料が電極から除去されるなら、活性領域の位置は、ほぼ同一の電流密度および表面積を提供するように自体を連続して調整する。十分な材料が、活性領域の熱平衡における著しい変化を引き起こすために電極から除去されるまで、満足する動作は継続する。したがって、電極構造体の熱特性における望ましくない変化を妨げるために、材料除去のレートを低下させることがさらに望ましい。本発明の一実施形態において、活性領域の面積は、約10mm未満であり得る。本発明のさらなる実施形態において、活性領域の面積は、約1mm未満であり得る。本発明の他のさらなる実施形態において、活性領域の面積は、約0.1mm未満であり得る。
【0036】
本発明の一実施形態において、プラズマ放電デバイスにおけるカソード降下電圧は、約100ボルト未満である。さらなる実施形態において、カソード降下電圧は、約50ボルト未満である。他のさらなる実施形態において、カソード降下電圧は、約20ボルト未満である。いくつかの実施形態において、カソード降下電圧は、約20ボルトから約10ボルトまでの範囲である。いくつかの他の実施形態において、カソード降下電圧は、約10ボルト未満である。
【0037】
本発明の一実施形態において、全金属電子放出構造体を含む電極は、電気プラズマ放電デバイスに使用されることができる。電気プラズマ放電デバイスの非限定実施例は、放電ランプを含む。本発明のさらなる実施形態において、全金属電子放出構造体を含む電極は、エンベロープ、およびエンベロープ内に配置された放電媒体を有するランプ内に配置される。本発明の教示による使用に適したランプの非限定実施例は、直線蛍光ランプ、小型蛍光ランプ、円形蛍光ランプ、無水銀ランプ、およびキセノンランプを含む。
【0038】
プラズマ放電デバイスは、一般に、それを介してガス放電が行われるガス放電媒体を含むエンベロープ、ならびにエンベロープ内に密封される2つの金属電極を含む。第1の電極は、放電空間内に電子を供給する一方、第2の電極は、電源を有する電気回路を完成するために、放電空間外の経路に電子を提供する。放電ランプは、一般に外部電流制限電源または「バラスト」によって給電される。放電デバイスは、直流電流によってまたは交流電流によって給電されることができる。直流電流動作において、一方の電極(カソード)は、常に電子電流を供給し、他方の電極は、常に電子電流を吸収する(アノード)。交流電流動作において、各電極は、外部デバイスがデバイスを介して電流の極性を交互にするにつれ、カソードとして次にアノードとして交互に動作する。放電デバイスの非限定実施例は、限定されずアルゴンおよびネオンなどの希ガスなどの放電媒体を含む。他のデバイスは、放電媒体がガスおよび凝結された材料の両方として存在することができる、水銀およびハロゲン化金属などの材料を含み、安定状態動作の間に水銀またはハロゲン化金属の分圧は、デバイスが室温であるときより数倍高い。
【0039】
表面での電界(電界放出、または電界強化された熱イオン放出)、イオン衝撃(イオン誘起二次電子放出)、およびフォトン衝撃(光電子放出)を含む多くの物理的プロセスが、電子放出に寄与するが、電子放出は、一般に熱イオン放出を介して行われる。本明細書で、用語「熱イオン放出」は、電子放出材料の比較的高い温度(>1500K)が、カソードによって放出される全電子電流の大部分に寄与する材料および状態を示すために使用される。
【0040】
放電媒体は、バッファガスおよびイオン化可能な放電組成などの放電材料を含むことができる。バッファガスは、限定されずアルゴン、ネオン、ヘリウム、クリプトン、およびキセノンなどの希ガスなどの材料を含むことができ、一方、イオン化可能な放電組成は、限定されず金属および金属化合物などの材料を含むことができる。いくつかの実施例において、イオン化可能な放電組成は、希ガスを含むことができる。全金属電子放出構造体を備えるランプで使用するために適した放電材料の非限定実施例は、限定されずHg、Na、Zn、Mn、Ni、Cu、Al、Ga、In、Tl、Sn、Pb、Bi、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Re、またはOs、あるいはそれらの任意の組合せなどの金属を含むことができる。使用に適した他の放電材料は、限定されずネオンおよびアルゴンなどの希ガスを含む。さらに他の放電材料は、限定されずハロゲン化物、酸化物、カルコゲニド、水酸化物、水素化物、有機金属化合物、または限定されずHg、Na、Zn、Mn、Ni、Cu、Al、Ga、In、Tl、Ge、Sn、Pb、Bi、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Re、またはOs、あるいはそれらの任意の組合せなどの金属とのそれらの任意の組合せを含む。金属化合物の非限定実施例は、ハロゲン化亜鉛、ヨウ化ガリウム、臭化ガリウム、臭化インジウム、およびヨウ化インジウムを含む。いくつかの実施形態において、ハロゲン化金属放電ランプにおいて、金属およびハロゲンは、非化学量論的な比率で存在することができる。例えば、ヨウ化ガリウムランプ内で、ヨウ素およびガリウムは、約1/3に等しいモル比(I/Ga)で存在することができる。他の実施例において、ヨウ素およびガリウムは、約2より大きく約3未満である範囲のモル比(I/Ga)で存在することができる。他の実施例において、放電は、イオン化可能な組成として水銀を有する1つ以上の希ガスからなる。一実施形態において、ランプは水銀ランプである。他の実施形態において、ランプは無水銀ランプである。
【0041】
本発明の一実施形態において、全金属電子放出構造体は、放電媒体内で動作可能であり、安定状態動作条件下で放電媒体は、約1×10パスカル未満の全蒸気圧を生成する。本明細書で使用されるとき、用語「安定状態動作条件」は、その周囲環境と熱平衡であるランプの動作条件を参照し、放電からの放射の大部分は、イオン化可能な放電組成から生じる。本発明のいくつかの実施形態において、安定状態動作条件下のランプ内の放電媒体は、約1×10パスカル未満の全蒸気圧を生成する。一般に、安定状態動作中のバッファガス圧力は、周囲温度であるときより高い。圧力上昇は、デバイス内での温度上昇に比例する。例えば、水銀ベースの放電媒体に関して、動作温度が、25℃(非動作)の温度から40℃の動作に増大されるとき、バッファガスの圧力における約5%の増大が見られる。非限定実施例において、ヨウ化ガリウムなどの非水銀放電媒体において、動作温度が、25℃(非動作)の温度から100℃に増大されるとき、バッファガスの圧力における約25%の増大が見られ、バッファガスの圧力における約100%の増大は、インジウムおよびハロゲン化亜鉛に関して約275℃の動作温度で見られる。いくつかの実施形態において、安定状態動作条件下で放電媒体は、約20パスカルから約2×10パスカルの範囲の全蒸気圧を生成する。いくつかの他の実施形態において、安定状態動作条件下で放電媒体は、約20パスカルから約2×10パスカルの範囲の全圧を生成する。いくつかの実施例において、安定状態動作条件下で放電媒体は、約1×10パスカルの範囲からの全圧を生成する。いくつかの実施形態において、放電媒体内のイオン化可能な放電組成の安定状態動作条件下での分圧は、約1×10パスカル未満である。一般に、安定状態動作の間のイオン化可能な放電組成圧力は、ランプが周囲温度であるときの圧力より数倍高く、蒸気圧が温度に指数関数的に応じるので、しばしば数桁より高い。さらなる実施形態において、放電材料におけるイオン化可能な放電組成の安定状態動作条件下での分圧は、約0.1パスカルから約10パスカルの範囲にある。一実施形態において、ランプは水銀ランプである。他の実施形態において、ランプは無水銀ランプである。非限定実施例において、放電媒体は、アルゴンバッファガスおよびヨウ化ガリウムのイオン化可能放電組成を含む。20℃の周囲温度で、全圧は、主にバッファガスのために約670パスカルであり、イオン化可能放電組成の分圧は、約1×10−4パスカルである。100℃の安定状態動作条件温度で、電力の放射への変換効率は高く、少なくとも25%である。全圧は、約1000パスカルであり、イオン化可能放電組成の分圧は、約1パスカルである。
【0042】
いくつかの実施形態において、全金属電子放出構造体は、カソード、バラスト、放電媒体、および放電材料を含むエンベロープまたはカバーを含むランプ内に設けられることができる。ランプは、適宜1つ以上の蛍光体または蛍光体ブレンドを含むことができる。ランプは、エンベロープ102および全金属電子放出構造体104を有する電極を含む図12に示されるような直線ランプ100を備えることができ、または図13に示されるようにエンベロープ108および全金属電子放出構造体110を有する電極を有する小型ランプ106を備えることができる。ランプは、図14に示されるようにエンベロープ114および全金属電子放出構造体116を有する電極を有する円形ランプ112であることができる。
【0043】
さらなる詳述なしに、当業者は、本明細書の記載を使用してその完全な範囲まで本発明を利用することができると考えられる。以下の実施例は、特許請求された発明の実施における当業者への追加の案内を提供するために含まれる。提供される実施例は、本出願の教示に寄与する作業の単なる指示である。したがって、これらの実施例は、いずれの方法でも添付の特許請求の範囲に規定されるように、本発明を制限することを目的としない。
[実施例1]
一実施例において、全金属電極は、放電ランプで使用されるために作られる。電極は、図2に示されるようなタングステンのロッド状またはワイヤ状の電子放出構造体を含む。電極は、低圧プラズマ放電デバイスで使用される。ロッド状電子放出構造体は、放電デバイス内で生成されるプラズマが、ロッド状構造体の自由端部に取り付けられるように設計されかつ構成される。この実施例において、ロッド状のタングステン電子放出構造体は、約0.3mmの直径、プラズマが取り付けられる自由端部と、構造体がランプエンベロープと良好な熱接触をする位置と間の約10mmの長さを有する。約0.3Aのランプ電流は、約0.01cmの面積にわたる電子放出を提供するために使用される。プラズマは、ロッドの自由端部ならびにワイヤの側部に取り付き、自由端部から約1mm後方に延びる。この1mm長さの円筒形が活性領域である。
[実施例2]
電極は、図9に示されるようなタングステンのループ状の電子放出構造体を含む。電極は、低圧プラズマ放電デバイスで使用される。ランプエンベロープへの熱伝導の2つの経路が存在するので、各経路への伝導は、実施例1におけるロッド状の電子放出構造体に対してほぼ半分である。この実施例において、ループ状のタングステン電子放出構造体は、約2.1mmの直径を有する。そのような構成において、抵抗加熱電流は、ランプ始動の間に熱を提供するために、またはプラズマだけが熱フラックスを提供する条件下での動作と比較して、ランプ動作の間に温度を増大するために、外部電流源からループを通過されることができる。
[実施例3]
ガラス状シリカまたはガラスを使用するプラズマ放電デバイスが作られた。電子放出構造体とガラスとの接合は、残留する伝導された熱パワーは、ワイヤとガラスとの接合領域を通して、エンベロープ温度に等しいバルク領域内の温度と一致するシリカまたはガラスのバルク内にワイヤから通過することができるように設計される。金属ロッドがエンベロープに入る位置での熱伝導に一致するために使用されることができる設計パラメータは、ロッド状電子放出構造体の直径である。
【0044】
本発明の所定の特徴だけが、本明細書で示されかつ記載されたが、多くの修正および変更は、当業者には考えられる。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の精神内にある全てのそのような修正および変更を包含することが目的にされることが理解されるべきである。また、図面の符号に対応する特許請求の範囲中の符号は、単に本願発明の理解をより容易にするために用いられているものであり、本願発明の範囲を狭める意図で用いられたものではない。そして、本願の特許請求の範囲に記載した事項は、明細書に組み込まれ、明細書の記載事項の一部となる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明のいくつかの実施形態による、全金属電子放出構造体の活性領域の温度に対する冷却および加熱フラックスにおける変化のグラフである。
【図2】本発明のいくつかの実施形態による全金属電子放出構造体の概略図である。
【図3】本発明のいくつかの実施形態による全金属電子放出構造体の概略図である。
【図4】本発明のいくつかの実施形態による全金属電子放出構造体の概略図である。
【図5】本発明のいくつかの実施形態による全金属電子放出構造体の概略図である。
【図6】本発明のいくつかの実施形態による全金属電子放出構造体の概略図である。
【図7】本発明のいくつかの実施形態による全金属電子放出構造体の概略図である。
【図8】本発明のいくつかの実施形態による全金属電子放出構造体の概略図である。
【図9】本発明のいくつかの実施形態による全金属電子放出構造体の概略図である。
【図10】本発明のいくつかの実施形態による全金属電子放出構造体の概略図である。
【図11】本発明のいくつかの実施形態による全金属電子放出構造体の概略図である。
【図12】本発明のいくつかの実施形態による全金属電子放出構造体を含む放電ランプの断面図である。
【図13】本発明のいくつかの実施形態による全金属電子放出構造体を含む放電ランプの断面図である。
【図14】本発明のいくつかの実施形態による全金属電子放出構造体を含む放電ランプの断面図である。
【符号の説明】
【0046】
10 加熱フラックス
12 動作温度
14 冷却フラックス
16 加熱フラックス
18 交差
20、42、104、110、116 全金属電子放出構造体
22 ロッド状またはワイヤ状構造体
23 自由端部
24、30、50、58、66、76、82、90、98 支持構造体
25、32、52、60、78、84、92 電子放出構造体
26、34、44 ロッドまたはワイヤ
28、36、38 オーバワインド
48 先端
56 ループ
62、70 シャフト
64、74 ヘッド
54、80 ワイヤ
86、94 コイル状のワイヤ
88 1巻きのワイヤ
96 複数巻き
100 直線ランプ
102、108、114 エンベロープ
106 小型ランプ
112 円形ランプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の金属からなる全金属電子放出構造体(20)であって、
前記電子放出構造体は、熱励起に応答して放電媒体に電子を放出するように動作可能であり、安定状態動作条件下で前記電子放出構造体の活性領域は、約1500度Kより高い温度を有し、
前記電子放出構造体は、放電媒体内で動作可能であり、安定状態動作条件下で前記放電媒体は、約1×10パスカルより低い全圧を生成し、安定状態動作条件下で前記放電媒体内のカソード降下電圧が、約100ボルト未満である全金属電子放出構造体。
【請求項2】
安定状態動作条件下で前記放電媒体は、約2×10パスカルより低い全圧を生成し、安定状態動作条件下で前記放電媒体内のカソード降下電圧が、約50ボルト未満である請求項1記載の全金属電子放出構造体。
【請求項3】
前記活性領域は、約1mm未満である請求項1記載の全金属電子放出構造体。
【請求項4】
前記1つ以上の金属は、Fe、Co、Ni、Nb、Mo、Ta、W、Re、およびそれらの組合せからなるグループから選択される請求項1記載の全金属電子放出構造体。
【請求項5】
前記1つ以上の金属は、Mo、Ta、W、Re、およびそれらの組合せからなるグループから選択される請求項1記載の全金属電子放出構造体。
【請求項6】
前記1つ以上の金属は、Ta、W、およびそれらの組合せからなるグループから選択される請求項1記載の全金属電子放出構造体。
【請求項7】
全金属電子放出構造体は、ロッド状構造体(22)を備える請求項1記載の全金属電子放出構造体。
【請求項8】
ランプ(100)であって、
エンベロープ(102)と、
前記エンベロープ内に配置される放電媒体と、
電極(104)とを備え、前記電極は、全金属電子放出構造体を備え、前記電子放出構造体は、熱励起に応答して放電媒体内に電子を放出するように動作可能であり、安定状態動作条件下で前記電子放出構造体の活性領域は、1500度Kより高い温度を有し、
安定状態動作条件下で前記放電媒体は、約1×10パスカルより低い全圧を生成し、安定状態動作条件下で前記放電媒体内のカソード降下電圧が、約100ボルト未満であるランプ。
【請求項9】
安定状態動作条件下で前記放電媒体は、約20パスカルから約2×10パスカルの範囲の全圧を生成する請求項8記載のランプ。
【請求項10】
前記放電媒体は、ヨウ化ガリウム、臭化ガリウム、ヨウ化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化インジウム、臭化インジウム、およびそれらの組合せからなるグループから選択される少なくとも1つの材料を含む請求項8記載のランプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−234592(P2007−234592A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−39201(P2007−39201)
【出願日】平成19年2月20日(2007.2.20)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】