説明

電気伝導率計

【課題】泡が溜まりにくい電気伝導率計を提供する。
【解決手段】電気伝導率計1は、計器本体10と、外電極20と、内電極30と、を有し、外電極20の流体流入口20aには、フィン100a〜100hを備えたキャップ100が装着され、外電極20の流体流出口は、その形状が計器本体10側を上方として略逆三角形であり、その三つの角部が丸みを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体の電気伝導率を測定するための電気伝導率計に関する。
【背景技術】
【0002】
流体の電気伝導率を測定するための電気伝導率計として、従来より、計器本体と、外電極と、内電極と、を備え、外電極と内電極との間を流れる流体の電気伝導率を計測するものが知られている(例えば、特許文献1等参照)。
【0003】
このような電気伝導率計において、外電極は、円筒状の電極であり、その一端側の先端部に流体流入口が形成される一方で、他端側の側筒部には流体流出口が形成されており、当該他端側の先端部が計器本体に装着される。また、内電極は、円柱状の電極であり、外電極の内側に当該外電極と同心配置された状態で計器本体に装着される。
【特許文献1】特開2006−317214号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の電気伝導率計にあっては、流体に含まれていた泡(例えば、エア等)が、外電極の他端側(具体的には、外電極の他端側のセル検出部付近)に溜まり、流体の電気伝導率を測定する際に、測定誤差が生じてしまうことがあった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、泡が溜まりにくい電気伝導率計を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の電気伝導率計は、計器本体と、一端側の先端部に流体流入口が形成される一方で、他端側の側筒部には流体流出口が形成され、当該他端側の先端部が前記計器本体に装着された円筒状の外電極と、前記外電極の内側に当該外電極と同心配置された状態で、前記計器本体に装着された円柱状の内電極と、を有し、前記外電極と前記内電極との間を流れる流体の電気伝導率を計測する電気伝導率計であって、前記流体流入口には、前記流体に螺旋状の旋回流を生じさせるためのフィンを備えたキャップが設けられていることを特徴とする。
【0006】
また、本発明において、前記流体流出口は、その形状が前記計器本体側を上方として略逆三角形であり、その三つの角部が丸みを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、泡が溜まりにくい電気伝導率計を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図1〜3を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明の実施形態に係る電気伝導率計の主要部を示す図、図2は図1に示したキャップの斜視図、図3は図2のキャップを上方から視た図である。
【0009】
図1に示す電気伝導率計1は、計器本体10と、外電極20と、内電極30と、を有し、外電極20と内電極30との間を流れる流体の電気伝導率を計測するものである。
【0010】
外電極20は、円筒状の電極であり、一端側の先端部には流体流入口20aが形成される一方で、他端側の側筒部20bには流体流出口200が形成されており、当該他端側の先端部が計器本体10に装着されている。
【0011】
また、流体流入口20aには、図2、3に示すキャップ100が装着されており、このキャップ100は、流体に螺旋状の旋回流を生じさせるフィン100a〜100hを備えている。なお、キャップ100は、外電極20内若しくは内電極30が汚れたときに洗浄しやすいように、脱着可能な構造を有するものが好ましい。
【0012】
他方、流体流出口200は、その形状が計器本体10側を上方として略逆三角形であり、その三つの角部が丸みを有する。この流体流出口200を設ける箇所は、外電極20の側筒部20aのうち、内電極30に悪影響が及ばない範囲で可能な限り上方に設けることとする。これにより、泡が外電極20の他端側に溜まりにくくなる。なお、内電極30は、円柱状の電極であり、外電極20の内側に当該外電極20と同心配置された状態で、計器本体10に装着されている。
【0013】
このような電気伝導率計1にあっては、電気伝導率の測定対象である流体が流体流入口20aから流入する際に、この流体流入口20aに装着されたキャップ100によって、流体に螺旋状の旋回流が生じることとなる。そのため、たとえ流体に泡が含まれていたとしても、この泡が旋回流を有する流体の回転力により流体流出口200へ誘導されて当該流体流出口200から流出しやすくなり、その結果、泡が溜まりにくくなる。
【0014】
さらに、この電気伝導率計1にあっては、流体流出口200の形状が、計器本体10側を上方として略逆三角形であり、その三つの角部が丸みを有するため、泡が流体流出口200に付着して滞留することはなく、むしろ流体と共に流体流出口200から流出しやすくなっているので、よりいっそう泡が溜まりにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る電気伝導率計の主要部を示す図である。
【図2】図1に示したキャップの斜視図である。
【図3】図2のキャップを上方から視た図である。
【符号の説明】
【0016】
1 電気伝導率計
10 計器本体
20 外電極
20a 流体流入口
20b 側筒部
30 内電極
100 キャップ
100a〜100h フィン
200 流体流出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
計器本体と、
一端側の先端部に流体流入口が形成される一方で、他端側の側筒部には流体流出口が形成され、当該他端側の先端部が前記計器本体に装着された円筒状の外電極と、
前記外電極の内側に当該外電極と同心配置された状態で、前記計器本体に装着された円柱状の内電極と、
を有し、前記外電極と前記内電極との間を流れる流体の電気伝導率を計測する電気伝導率計であって、
前記流体流入口には、前記流体に螺旋状の旋回流を生じさせるためのフィンを備えたキャップが設けられていることを特徴とする電気伝導率計。
【請求項2】
請求項1において、
前記流体流出口は、その形状が前記計器本体側を上方として略逆三角形であり、その三つの角部が丸みを有することを特徴とする電気伝導率計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−145365(P2010−145365A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−326069(P2008−326069)
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】