説明

電気光学用途用の最新NLO物質の設計および合成

【課題】最新の非線形光学(NLO)材料に基づいた設計、合成、用途および装置を提供すること。
【解決手段】種々の実施態様では、新規電子受容体、新規電子供与体および/または新規共役架橋を含む発色団が記述されており、これらは、非線形光学用途で有用である。ある実施態様では、本発明は、発色団構造を提供し、ここで、発色団は、単一電子供与体に電子連絡した1個より多い電子受容体および/または単一電子受容体に電子連絡した1個より多い電子供与体を含有する。これらの新規発色団および新規発色団を含有する重合体を含む材料を提供する方法もまた、記述されている。本明細書中で記述した電気光学装置は、記述した電子受容体、電子供与体、共役架橋または発色団の1個またはそれ以上を含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
(技術分野)
本発明の分野は、最新の非線形光学(NLO)材料に基づいた設計、合成、用途および装置である。
【背景技術】
【0002】
(関連技術の説明)
本願で引用した全ての特許、特許出願および公報の内容は、各個々の特許、特許出願または公報の内容が具体的かつ個別的に本明細書中で参考として援用されているように、本明細書中で参考として援用されている。
【0003】
非線形光学(NLO)特性を示す発色団の開発およびそれらの使用(これらの発色団を組み込む導波管およびそれらの作製を含めて)、および発色団を含有する有機高分子マトリックスの開発、および発色団/導波管を組み込む光学装置だけでなく、それらを作製する方法は、活発な研究領域である。これらの領域に関連した開示は、以下の最近登録された米国特許を含めた非常に多くの特許で見られる:第5,272,218号;第5,276,745号;第5,286,872号;第5,288,816号;第5,290,485号;第5,290,630号;第5,290,824号;第5,291,574号;第5,298,588号;第5,310,918号;第5,312,565号;第5,322,986号;第5,326,661号;第5,334,333号;第5,338,481号;第5,352,566号;第5,354,511号;第5,359,072号;第5,360,582号;第5,371,173号;第5,371,817号;第5,374,734号;第5,381,507号;第5,383,050号;第5,384,378号;第5,384,883号;第5,387,629号;第5,395,556号;第5,397,508号;第5,397,642号;第5,399,664号;第5,403,936号;第5,405,926号;第5,406,406号;第5,408,009号;第5,410,630号;第5,414,791号;第5,418,871号;第5,420,172号;第5,443,895号;第5,434,699号;第5,442,089号;第5,443,758号;第5,445,854号;第5,447,662号;第5,460,907号;第5,465,310号;第5,466,397号;第5,467,421号;第5,483,005号;第5,484,550号;第5,484,821号;第5,500,156号;第5,501,821号;第5,507,974号;第5,514,799号;第5,514,807号;第5,517,350号;第5,520,968号;第5,521,277号;第5,526,450号;第5,532,320号;第5,534,201号;第5,534,613号;第5,535,048号;第5,536,866号;第5,547,705号;第5,547,763号;第5,557,699号;第5,561,733号;第5,578,251号;第5,588,083号;第5,594,075号;第5,604,038号;第5,604,292号;第5,605,726号;第5,612,387号;第5,622,654号;第5,633,337号;第5,637,717号;第5,649,045号;第5,663,308号;第5,670,090号;第5,670,091号;第5,670,603号;第5,676,884号;第5,679,763号;第5,688,906号;第5,693,744号;第5,707,544号;第5,714,304号;第5,718,845号;第5,726,317号;第5,729,641号;第5,736,592号;第5,738,806号;第5,741,442号;第5,745,613号;第5,746,949号;第5,759,447号;第5,764,820号;第5,770,121号;第5,76,374号;第5,776,375号;第5,777,089号;第5,783,306号;第5,783,649号;第5,800,733号;第5,804,101号;第5,807,974号;第5,811,507号;第5,830,988号;第5,831,259号;第5,834,100号;第5,834,575号;第5,837,783号;第5,844,052号;第5,847,032号;第5,851,424号;第5,851,427号;第5,856,384号;第5,861,976号;第5,862,276号;第5,872,882号;第5,881,083号;第5,882,785号;第5,883,259号;第5,889,131号;第5,892,857号;第5,901,259号;第5,903,330号;第5,908,916号;第5,930,017号;第5,930,412号;第5,935,491号;第5,937,115号;第5,937,341号;第5,940,417号;第5,943,154号;第5,943,464号;第5,948,322号;第5,948,915号;第5,949,943号;第5,953,469号;第5,959,159号;第5,959,756号;第5,962,658号;第5,963,683号;第5,966,233号;第5,970,185号;第5,970,186号;第5,982,958号;第5,982,961号;第5,985,084号;第5,987,202号;第5,993,700号;第6,001,958号;第6,005,058号;第6,005,707号;第6,013,748号;第6,017,470号;第6,020,457号;第6,022,671号;第6,025,453号;第6,026,205号;第6,033,773号;第6,033,774号;第6,037,105号;第6,041,157号;第6,045,888号;第6,047,095号;第6,048,928号;第6,051,722号;第6,061,481号;第6,061,487号;第6,067,186号;第6,072,920号;第6,081,632号;第6,081,634号;第6,081,794号;第6,086,794号;第6,090,322号;第6,091,879号。これらの特許の全開示内容は、全ての目的で、本明細書中で参考として援用されている。
【0004】
この領域が注目されているにもかかわらず、電気光学用途および関連した用途で使用できる改良型発色団が緊急に必要とされている。本発明は、この必要性を満たすこと、および非線形光学活性発色団に基づいた用途、装置および通信システムを提供することに関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の要旨)
種々の局面では、発色団は、新規電子受容体(A)、新規電子供与体(D)および/または新規共役架橋(π)から構成される。これらの発色団は、非線形光学特性を有し、すなわち、NLO発色団である。
【0006】
1局面では、チオフェン含有発色団は、以下の構造を有する:
【0007】
【化24】


ここで、各出現例において、別個に、Dは、Aの電子親和力に比して低い電子親和力を有する電子供与性基である;πは、存在しないか、またはDと該チオフェン環との間で電子共役を与える架橋である;πは、存在しないか、またはAと該チオフェン環との間で電子共役を与える架橋である;Aは、Dの電子親和力に比して高い電子親和力を有する電子受容性基である;Xは、OまたはSである;Rは、アルキル、アリール、ヘテロアルキルまたはヘテロアリールである;そしてnは、1、2、3または4である。
【0008】
発色団に組み込まれ得る特定のD基には、以下の構造のD基が挙げられるが、これらに限定されない:
【0009】
【化25】


ここで、各出現例において、別個に、Rが、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルであり、Rが、水素、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルであり、Yが、O、SまたはSeであり、mが、2、3または4であり、pが、0、1または2であり、そしてqが、0または1である。1実施態様では、Rが、1〜12個の炭素を含有し、Rが、水素であるか、または1〜12個の炭素を含有し、Yが、OまたはSであり、mが、2、3または4であり、pが、0、1または2であり、そしてqが、0または1である。本発明の発色団で存在し得る、いくつかの好ましいD基は、以下の構造である:
【0010】
【化26】


本発明の1局面では、前記発色団は、π基およびπ基の両方を含有し、すなわち、該π基およびπ基が該発色団中に不在であることはない。πおよびπの一方または両方は、各出現例において、別個に、以下の構造であり得る:
【0011】
【化27】


ここで、各出現例において、別個に、Zが、O、S、Se、NR、C(Rまたは−C(R)=C(R)−であり、pが、0、1または2であり、oが、0、1または2であり、o+pが、少なくとも1であり、Rが、水素、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルであり、Zが、
【0012】
【化28】


であり、そしてqが、0または1である。
【0013】
πおよびπのいくつかの特定の構造には、以下がある:
【0014】
【化29】


ここで、各出現例において、別個に、Rが、水素、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルであり、Zが、O、S、Se、NR、C(Rまたは−C(R)=C(R)−であり、pが、0、1または2であり、oが、0、1または2であり、o+pが、少なくとも1であり、そしてqが、0または1である。1局面では、πおよびπの各々が、それぞれ、−CH=CH−である。
【0015】
本発明の発色団に組み込まれ得る、いくつかの特定のA基には、以下のものがある:
【0016】
【化30】


ここで、各出現例において、別個に、Rが、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルであり、Rが、水素、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルであり、Yが、O、SまたはSeであり、そしてqが、0または1である。必要に応じて、Rが、1〜12個の炭素を含有し、Rが、水素であるか、または1〜12個の炭素を含有し、Yが、OまたはSであり、そしてqが、0または1である。特に好ましいA基には、次式のものがある:
【0017】
【化31】


本発明の種々の局面では、Rは、アルキルおよび/またはアリールおよび/またはヘテロアルキルおよび/またはヘテロアリール(それらの各々の組合せおよび全ての組合せを含めて)である。必要に応じて、Rは、疎水性であるか、あるいは、Rは、親水性である。必要に応じて、R基は、飽和であるか、あるいは、R基は、不飽和である。このR基は、本発明の種々の局面において、1〜6個の炭素を有し得るか、または7〜12個の炭素を有し得るか、または13〜22個の炭素を有し得る。
【0018】
nの値は、1、または2、または3、または4であり得るか、それらの各々の組合せおよび全ての組合せ(例えば、2または3)であり得る。1局面では、Xは、Oであるのに対して、他の局面では、Xは、Sである。
【0019】
本発明の1発色団では、πおよびπが、
【0020】
【化32】


であり、そしてAが、
【0021】
【化33】


であり、ここで、Rが、各出現例において、別個に、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである。
【0022】
それゆえ、1局面では、チオフェン含有発色団は、以下の構造を有する:
【0023】
【化34】


ここで、各出現例において、別個に、Dは、
【0024】
【化35】


からなる群から選択される;
πおよびπは、別個に、
【0025】
【化36】


である;
Aは、
【0026】
【化37】


からなる群から選択される:
Xは、OまたはSである;Rは、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;nは、1、2、3または4である;Rは、水素、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;Yは、O、SまたはSeである;Zは、O、S、Se、NR、C(Rまたは−C(R)=C(R)−である;
は、
【0027】
【化38】


である;qは、0または1である;pは、0、1または2である;oは、0、1または2である;そしてo+pは、少なくとも1つである;mは、2、3または4である。
【0028】
本発明の他の発色団では、Dが、
【0029】
【化39】


から選択され、そしてπが、
【0030】
【化40】


から選択される。
【0031】
他の局面では、発色団は、以下の構造を有する:
【0032】
【化41】


ここで、各出現例において、別個に、Rは、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;Rは、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;そしてXは、OまたはSである。例えば、Rが、−(CHOH、−(CHOR、−(CHSH、−(CHCOEt、−(CHCOH、−(CHNH、−(CHCN、−(CHハロゲンまたは−COCOCF=CFであり得、ここで、wが、1〜12から選択される整数であり、そしてRが、水素、R、パーフルオロアルキル、SiR、Si(CHt−BuまたはSi(i−Pr)であり得る。
【0033】
他の局面では、発色団は、以下の構造を有する:
【0034】
【化42】


ここで、各出現例において、別個に、Rは、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;Rは、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;そしてXは、OまたはSである。例えば、Rが、−(CHOH、−(CHOR、−(CHSH、−(CHCOEt、−(CHCOH、−(CHNH、−(CHCN、−(CHハロゲンまたは−COCOCF=CFであり得、ここで、wが、1〜12から選択される整数であり、そしてRが、水素、R、パーフルオロアルキル、SiR、Si(CHt−BuまたはSi(i−Pr)であり得る。
【0035】
他の局面では、発色団は、以下の構造を有する:
【0036】
【化43】


ここで、各出現例において、別個に、Dは、
【0037】
【化44】


の電子親和力に比して低い電子親和力を有する電子供与性基である;πは、存在しないか、またはπに隣接したDと二重結合との間で電子共役を与える架橋である;そしてRは、アルキル、アリール、ヘテロアルキルまたはヘテロアリールである。
【0038】
他の局面では、発色団は、以下の構造を有する:
【0039】
【化45】


ここで、Rは、アルキル、アリール、またはヘテロアルキルであり、そしてRは、水素、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである。
【0040】
他の局面では、発色団は、以下の構造を有する:
【0041】
【化46】


ここで、Rは、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルであり、そしてRは、水素、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである。
【0042】
他の局面では、発色団は、図4A、4B、5A、6A、7C、8A、9A、10A、11A、12A、13A、14A、15A、16A、17、19、20、21、22、23、24および25のいずれかで図示した方法のいずれかにより、製造される。
【0043】
本発明の他の局面では、発色団またはそれらの成分は、図1A、1B、2A、2B、3A、3B、4A、4B、4C、5A、5B、6A、6B、7A、7B、7C、8A、8B、9A、9B、10A、10B、11A、11B、12A、12B、13A、13B、14A、14B、15A、15B、16A、16B、17、19、20、21、22、23、24および25のいずれかで示したようにして、提供される。
【0044】
他の局面では、組成物は、以下を含有する:
E−L
ここで、Eは、本明細書中で述べたような本発明の発色団である;Lは、架橋可能な化学反応基を含む;そしてn=1〜24である。例えば、Lが、熱的に架橋可能なトリフルオロビニルエーテル基であり得る。E−Lを含有する組成物では、1局面では、前記発色団のD、πまたはAの少なくとも1個が、重合体に共有結合される。必要に応じて、D、πまたはAが、ハロゲン、アルキル、アリール、またはヘテロアルキルでさらに置換される。前記発色団は、架橋可能な重合体マトリックスに非共有結合的に組み込まれ得るか、または該発色団は、架橋した重合体マトリックスに共有結合的に組み込まれ得る。
【0045】
本発明によれば、1方法は、連続して、1)本明細書中に記載の本発明の発色団を重合体マトリックスに組み込む工程;2)効果的な発色団移動度を与える選択温度で該重合体マトリックスを維持する工程;および3)該重合体マトリックスで該発色団の有効量の双極子整列を誘発するのに充分な電場を加える工程を包含できる。さらに任意の工程は、架橋を起こすのに十分な選択温度まで前記組成物を加熱する工程を包含する。本発明の実施態様はまた、これらの方法により調製された組成物を提供する。
【0046】
本発明の発色団は、多くの有用な装置(例えば、電気光学装置、導波管、光学スイッチ、光変調器、光結合器、光ルータおよび一般の通信システム)に取り込まれ得る。本発明の発色団を含む装置または他の装置は、データ伝送方法で使用され得、ここで、光は、本発明の発色団を含有する組成物を通って伝達される。それゆえ、本発明は、1局面では、電気通信方法を提供し、該方法は、本発明の発色団を含有する組成物を通って光を伝達させる工程を包含する。このような伝送は、本発明の方法に従って、本発明の発色団を含有する組成物を通ってまたは経由して光を指向することによって達成され得る。それゆえ、本発明の実施態様は、1局面では、光学システムを通って光を送る方法を提供し、該方法は、本発明の発色団を含有する組成物を通ってまたは経由して光を伝達させる工程を包含する。
【0047】
他の局面では、干渉光学変調器またはスイッチは、電気光学ポリマーまたはデンドリマー(dendrimer)を組み込む、変調器またはスイッチを包含する。1実施形態において、変調器またはスイッチは、以下を含む:1)入力導波管;2)出力導波管;3)第一レッグであって、該第一レッグは、第一末端および第二末端を有し、該第一末端で該入力導波管に連結され、そして該第二末端で該出力導波管に連結されている、第一レッグ;および4)第二レッグであって、該第二レッグは、第一末端および第二末端を有し、該第一末端で該入力導波管に連結され、そして該第二末端で該出力導波管に連結される、第二レッグ。ここで、該第一および第二レッグの少なくとも一方は、本発明の発色団を含有する組成物を含む。前記変調器またはスイッチは、電極をさらに備え得、該電極は、前記第一または第二導波管を横切る電場を生じるように位置している。例示した変調器またはスイッチは、Mach−Zender型の構造に基づいているものの、他の変調器またはスイッチ構造(例えば、Yブランチ構造、エバネセント(evanescent)カップリング構造または制御損失構造)もまた、本発明の範囲内であり得る。
【0048】
本発明によれば、光ルータは、複数のスイッチを含み、ここで、各スイッチは、以下の部分を含む:1)入力;2)出力;3)第一導波管であって、該第一導波管は、該入力と該出力との間で伸長している、第一導波管;および4)第二導波管であって、該第二導波管は、該第一導波管と整列しており、そして該第一導波管とエバネセントカップリングするように位置している、第二導波管;ここで、該第一および第二導波管の少なくとも1個は、本発明の発色団を含む。必要に応じて、前記複数のスイッチは、行列のアレイで配列されている。
【0049】
本発明のこれらの局面および他の局面は、以下でさらに記述する。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1) 以下の構造のチオフェン含有発色団:
【化1】


ここで、各出現例において、別個に、
Dは、Aの電子親和力に比して低い電子親和力を有する電子供与性基である;
πは、存在しないか、またはDと該チオフェン環との間で電子共役を与える架橋である;
πは、存在しないか、またはAと該チオフェン環との間で電子共役を与える架橋である;
Aは、Dの電子親和力に比して高い電子親和力を有する電子受容性基である;
Xは、OまたはSである;
Rは、アルキル、アリール、ヘテロアルキルまたはヘテロアリールである;そして
nは、1、2、3または4である、
発色団。
(項目2) Dが、
【化2】


からなる群から選択され、
ここで、各出現例において、別個に、
Rが、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルであり、
が、水素、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルであり、
Yが、O、SまたはSeであり、
mが、2、3または4であり、pが、0、1または2であり、そしてqが、0または1である、項目1に記載の発色団。
(項目3) 各出現例において、Rが、1〜12個の炭素を含有し、
が、水素であるか、1〜12個の炭素を含有し、
Yが、OまたはSであり、
mが、2、3または4であり、pが、0、1または2であり、そしてqが、0または1である、項目2に記載の発色団。
(項目4) Dが、
【化3】


からなる群から選択される、項目1〜3に記載の発色団。
(項目5) 各出現例において、別個に、
Rが、1〜12個の炭素を含有し、
が、水素であるか、1〜12個の炭素を含有し、そして
Yが、OまたはSである、項目4に記載の発色団。
(項目6) πおよびπが、共に、前記発色団中に存在している、項目1〜5に記載の発色団。
(項目7) πおよびπの一方または両方が、各出現例において、別個に、以下の構造であり、
【化4】


ここで、各出現例において、別個に、
が、O、S、Se、NR、C(Rまたは−C(R)=C(R)−であり、
pが、0、1または2であり、
oが、1、2または3であり、
o+pが、少なくとも1であり、
が、水素、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルであり、
が、
【化5】


であり、そして
qが、0または1である、項目1〜6に記載の発色団。
(項目8) πおよびπが、別個に、存在しないか、
【化6】


からなる群から選択されるか、いずれかであり、
ここで、各出現例において、別個に、
が、水素、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルであり、
が、O、S、Se、NR、C(Rまたは−C(R)=C(R)−であり、
pが、0、1または2であり、
oが、0、1または2であり、
o+pが、少なくとも1であり、そして
qが、0または1である、項目1〜6に記載の発色団。
(項目9) πおよびπが、それぞれ、−CH=CH−である、項目1に記載の発色団。
(項目10) Aが、
【化7】


からなる群から選択され、
ここで、各出現例において、別個に、
Rが、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルであり、
が、水素、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルであり、
Yが、O、SまたはSeであり、そして
qが、0または1である、項目1〜9に記載の発色団。
(項目11) 各出現例において、別個に、Rが、1〜12個の炭素を含有し、
が、水素であるか、1〜12個の炭素を含有し、
Yが、OまたはSであり、そして
qが、0または1である、項目10に記載の発色団。
(項目12) Aが、
【化8】


である、項目1〜9に記載の発色団。
(項目13) Rが、アルキルである、項目1〜12に記載の発色団。
(項目14) Rが、アリールである、項目1〜12に記載の発色団。
(項目15) Rが、ヘテロアルキルである、項目1〜12に記載の発色団。
(項目16) Rが、ヘテロアリールである、項目1〜12に記載の発色団。
(項目17) Rが、疎水性である、項目1〜12に記載の発色団。
(項目18) Rが、親水性である、項目1〜12に記載の発色団。
(項目19) Rが、飽和である、項目1〜12に記載の発色団。
(項目20) Rが、不飽和である、項目1〜12に記載の発色団。
(項目21) Rが、1〜6個の炭素を含有する、項目1〜12に記載の発色団。
(項目22) Rが、7〜12個の炭素を含有する、項目1〜12に記載の発色団。
(項目23) Rが、13〜22個の炭素を含有する、項目1〜12に記載の発色団。
(項目24) nが、1である、項目1〜23に記載の発色団。
(項目25) nが、2または3である、項目1〜23に記載の発色団。
(項目26) nが、4である、項目1〜23に記載の発色団。
(項目27) Xが、Oである、項目1〜26に記載の発色団。
(項目28) Xが、Sである、項目1〜26に記載の発色団。
(項目29) πおよびπが、
【化9】


であり、そしてAが、
【化10】


であり、ここで、Rが、各出現例において、別個に、アルキル、アリールまたはヘテロアリールである、項目1に記載の発色団。
(項目30) 以下の構造のチオフェン含有発色団:
【化11】


ここで、各出現例において、別個に、
Dは、
【化12】


からなる群から選択される;
πおよびπは、別個に、
【化13】


である;
Aは、
【化14】


からなる群から選択される:
Xは、OまたはSである;
Rは、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;
nは、1、2、3または4である;
は、水素、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;
Yは、O、SまたはSeである;
は、O、S、Se、NR、C(Rまたは−C(R)=C(R)−である;
は、
【化15】


である;
qは、0または1である;pは、0、1または2である;oは、0、1または2である;そしてmは、2、3または4である、
発色団。
(項目31) 各出現例において、別個に、Dが、
【化16】


であり、そしてπが、
【化17】


からなる群から選択される、項目30に記載の発色団。
(項目32) 以下の構造の発色団:
【化18】


ここで、各出現例において、別個に、
Rは、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;
は、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;そして
Xは、OまたはSである、
発色団。
(項目33) 各出現例において、別個に、
Rが、−(CHOH、−(CHOR、−(CHSH、−(CHCOEt、−(CHCOH、−(CHNH、−(CHCN、−(CHハロゲンまたは−COCOCF=CFであり、ここで、wが、1〜12の整数であり、そして
が、水素、R、パーフルオロアルキル、SiR、Si(CHt−BuまたはSi(i−Pr)である、項目32に記載の発色団。
(項目34) 以下の構造の発色団:
【化19】


ここで、各出現例において、別個に、
Rは、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;
は、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;そして
Xは、OまたはSである、
発色団。
(項目35) 各出現例において、別個に、
Rが、−(CHOH、−(CHOR、−(CHSH、−(CHCOEt、−(CHCOH、−(CHNH、−(CHCN、−(CHハロゲンまたは−COCOCF=CFであり、ここで、wが、1〜12の整数であり、そして
が、水素、R、パーフルオロアルキル、SiR、Si(CHt−BuまたはSi(i−Pr)である、項目34に記載の発色団。
(項目36) 以下の構造のチオフェン含有発色団:
【化20】


ここで、各出現例において、別個に、
Dは、
【化21】


の電子親和力に比して低い電子親和力を有する電子供与性基である;
πは、存在しないか、またはDとπに隣接した二重結合との間で電子共役を与える架橋である;そして
Rは、アルキル、アリール、ヘテロアルキルまたはヘテロアリールである、
発色団。
(項目37) 以下の構造を有する、項目36に記載の発色団:
【化22】


ここで、Rは、アルキル、ヘテロアルキルまたはヘテロアリールであり、そしてRは、水素、アルキル、アリール、ヘテロアルキルまたはヘテロアリールである、
発色団。
(項目38) 以下の構造を有する、項目36に記載の発色団:
【化23】


ここで、Rは、アルキル、ヘテロアルキルまたはヘテロアリールであり、そしてRは、水素、アルキル、アリール、ヘテロアルキルまたはヘテロアリールである、
発色団。
(項目39) 以下を含有する、組成物:
E−Ln
ここで、Eは、項目1〜35に記載の発色団である;Lは、架橋可能な化学反応基を含む;そしてn=1〜24である、
組成物。
(項目40) 以下を含有する、組成物:
E−Ln
ここで、Eは、項目36〜38に記載の発色団である;Lは、架橋可能な化学反応基を含む;そしてn=1〜24である、
組成物。
(項目41) Lが、熱的に架橋可能なトリフルオロビニルエーテル基を含有し;前記発色団のD、πまたはAの少なくとも1個が、重合体に共有結合され、そしてD、πまたはAが、L、ハロゲン、アルキル、アリール、ヘテロアルキルまたはヘテロアリールを含有する、項目39に記載の組成物。
(項目42) Lが、熱的に架橋可能なトリフルオロビニルエーテル基を含有し、前記発色団のD、πまたはAの少なくとも1個が、重合体に共有結合され;そしてD、πまたはAが、L、ハロゲン、アルキル、アリール、ヘテロアルキルまたはヘテロアリールでさらに置換されている、項目40に記載の組成物。
(項目43) 架橋可能な重合体マトリックスに非共有結合的に取り込まれた項目1〜35に記載の発色団を含有する、組成物。
(項目44) 架橋可能な重合体マトリックスに非共有結合的に取り込まれた項目36〜38に記載の発色団を含有する、組成物。
(項目45) 連続して、1)項目1〜35に記載の発色団を重合体マトリックスに取り込む工程;2)効果的な発色団移動度を与える選択温度で該重合体マトリックスを維持する工程;および3)該重合体マトリックスで該発色団の双極子整列を誘発するのに充分な電場を加える工程を包含する、プロセス。
(項目46) 連続して、1)項目36〜38に記載の発色団を重合体マトリックスに取り込む工程;2)効果的な発色団移動度を与える選択温度で該重合体マトリックスを維持する工程;および3)該重合体マトリックスで該発色団の双極子整列を誘発するのに充分な電場を加える工程を包含する、プロセス。
(項目47) 1)項目39に記載の組成物を提供する工程;2)効果的な発色団移動度を与える選択温度で該組成物を維持する工程;および3)該発色団の双極子整列を誘発するのに充分な電場を加える工程を包含する、プロセス。
(項目48) 1)項目40に記載の組成物を提供する工程;2)効果的な発色団移動度を与える選択温度で該組成物を維持する工程;および3)該発色団の双極子整列を誘発するのに充分な電場を加える工程を包含する、プロセス。
(項目49) さらに、架橋を起こす選択温度まで前記組成物を加熱する工程を包含する、項目47または48に記載のプロセス。
(項目50) 項目45に記載のプロセスにより製造された、組成物。
(項目51) 項目46に記載のプロセスにより製造された、組成物。
(項目52) 項目47に記載のプロセスにより製造された、組成物。
(項目53) 項目48に記載のプロセスにより製造された、組成物。
(項目54) 項目1〜35に記載の発色団を含む、電気光学デバイス。
(項目55) 項目40に記載の組成物を含む、電気光学デバイス。
(項目56) 項目41に記載の組成物を含む、電気光学デバイス。
(項目57) 項目1〜35に記載の発色団を含む、導波管。
(項目58) 項目36〜38に記載の発色団を含む、導波管。
(項目59) 項目40に記載の組成物を含む、導波管。
(項目60) 項目41に記載の組成物を含む、導波管。
(項目61) 項目1〜35に記載の発色団を含む、光学スイッチ。
(項目62) 項目36〜38に記載の発色団を含む、光学スイッチ。
(項目63) 項目40に記載の組成物を含む、光学スイッチ。
(項目64) 項目41に記載の組成物を含む、光学スイッチ。
(項目65) 項目1〜35に記載の発色団を含む、光変調器。
(項目66) 項目36〜38に記載の発色団を含む、光変調器。
(項目67) 項目40に記載の組成物を含む、光変調器。
(項目68) 項目41に記載の組成物を含む、光変調器。
(項目69) 項目1〜35に記載の発色団を含む、光結合器。
(項目70) 項目36〜38に記載の発色団を含む、光結合器。
(項目71) 項目40に記載の組成物を含む、光結合器。
(項目72) 項目41に記載の組成物を含む、光結合器。
(項目73) 項目1〜35に記載の発色団を含む、光ルータ。
(項目74) 項目36〜38に記載の発色団を含む、光ルータ。
(項目75) 項目40に記載の組成物を含む、光ルータ。
(項目76) 項目41に記載の組成物を含む、光ルータ。
(項目77) 項目1〜35に記載の発色団を含む、通信システム。
(項目78) 項目36〜38に記載の発色団を含む、通信システム。
(項目79) 項目40に記載の組成物を含む、通信システム。
(項目80) 項目41に記載の組成物を含む、通信システム。
(項目81) 項目1〜35に記載の発色団を含有する組成物を通って光を透過させる工程を包含する、データ伝送方法。
(項目82) 項目36〜38に記載の発色団を含有する組成物を通って光を透過させる工程を包含する、データ伝送方法。
(項目83) 項目40に記載の組成物を含有する組成物を通って光を透過させる工程を包含する、データ伝送方法。
(項目84) 項目41に記載の組成物を含有する組成物を通って光を透過させる工程を包含する、データ伝送方法。
(項目85) 項目1〜35に記載の発色団を含有する組成物を通って光を透過させる工程を包含する、電気通信方法。
(項目86) 項目36〜38に記載の発色団を含有する組成物を通って光を透過させる工程を包含する、電気通信方法。
(項目87) 項目40に記載の組成物を含有する組成物を通って光を透過させる工程を包含する、電気通信方法。
(項目88) 項目41に記載の組成物を含有する組成物を通って光を透過させる工程を包含する、電気通信方法。
(項目89) 項目1〜35に記載の発色団を含有する組成物を通ってまたは経由して光を向ける工程を包含する、光透過方法。
(項目90) 項目36〜38に記載の発色団を含有する組成物を通ってまたは経由して光を向ける工程を包含する、光透過方法。
(項目91) 項目40に記載の組成物を含有する組成物を通ってまたは経由して光を向ける工程を包含する、光透過方法。
(項目92) 項目41に記載の組成物を含有する組成物を通ってまたは経由して光を向ける工程を包含する、光透過方法。
(項目93) 項目1〜35に記載の発色団を含有する組成物を通ってまたは経由して光を向ける工程を包含する、光透過方法。
(項目94) 項目1〜35に記載の発色団を含有する組成物を通ってまたは経由して光を透過させる工程を包含する、光学システムを通って光を送る方法。
(項目95) 項目36〜38に記載の発色団を含有する組成物を通ってまたは経由して光を透過させる工程を包含する、光学システムを通って光を送る方法。
(項目96) 項目40に記載の組成物を含有する組成物を通ってまたは経由して光を透過させる工程を包含する、光学システムを通って光を送る方法。
(項目97) 項目41に記載の組成物を含有する組成物を通ってまたは経由して光を透過させる工程を包含する、光学システムを通って光を送る方法。
(項目98) 以下の部分を含む、干渉光学変調器またはスイッチ:1)入力導波管;2)出力導波管;3)第一レッグであって、該第一レッグは、第一末端および第二末端を有し、該第一末端で該入力導波管に連結され、そして該第二末端で該出力導波管に連結されている、第一レッグ;および4)第二レッグであって、該第二レッグは、第一末端および第二末端を有し、該第一末端で該入力導波管に連結され、そして該第二末端で該出力導波管に連結される、第二レッグであって、ここで、該第一および第二レッグの少なくとも1本は、項目1〜35に記載の発色団を含有する組成物を含む、
干渉光学変調器またはスイッチ。
(項目99) 以下の部分を含む、干渉光学変調器またはスイッチ:1)入力導波管;2)出力導波管;3)第一レッグであって、該第一レッグは、第一末端および第二末端を有し、該第一末端で該入力導波管に連結され、そして該第二末端で該出力導波管に連結されている、第一レッグ;および4)第二レッグであって、該第二レッグは、第一末端および第二末端を有し、該第一末端で該入力導波管に連結され、そして該第二末端で該出力導波管に連結される、第二レッグであって、ここで、該第一および第二レッグの少なくとも1本は、項目36〜38に記載の発色団を含有する組成物を含む、
干渉光学変調器またはスイッチ。
(項目100) 以下の部分を含む、干渉光学変調器またはスイッチ:1)入力導波管;2)出力導波管;3)第一レッグであって、該第一レッグは、第一末端および第二末端を有し、該第一末端で該入力導波管に連結され、そして該第二末端で該出力導波管に連結されている、第一レッグ;および4)第二レッグであって、該第二レッグは、第一末端および第二末端を有し、該第一末端で該入力導波管に連結され、そして該第二末端で該出力導波管に連結される、第二レッグであって、ここで、該第一および第二レッグの少なくとも1本は、項目40に記載の発色団を含有する組成物を含む、
干渉光学変調器またはスイッチ。
(項目101) 以下の部分を含む、干渉光学変調器またはスイッチ:1)入力導波管;2)出力導波管;3)第一レッグであって、該第一レッグは、第一末端および第二末端を有し、該第一末端で該入力導波管に連結され、そして該第二末端で該出力導波管に連結されている、第一レッグ;および4)第二レッグであって、該第二レッグは、第一末端および第二末端を有し、該第一末端で該入力導波管に連結され、そして該第二末端で該出力導波管に連結される、第二レッグであって、ここで、該第一および第二レッグの少なくとも1本は、項目41に記載の発色団を含有する組成物を含む、
干渉光学変調器またはスイッチ。
(項目102) 前記変調器またはスイッチが、さらに電極を含み、該電極が、前記第一または第二導波管を横切って電場を生じるように位置している、項目98に記載の変調器。
(項目103) 前記変調器またはスイッチが、さらに電極を含み、該電極が、前記第一または第二導波管を横切って電場を生じるように位置している、項目99に記載の変調器。
(項目104) 前記変調器またはスイッチが、さらに電極を含み、該電極が、前記第一または第二導波管を横切って電場を生じるように位置している、項目100に記載の変調器。
(項目105) 前記変調器またはスイッチが、さらに電極を含み、該電極が、前記第一または第二導波管を横切って電場を生じるように位置している、項目101に記載の変調器。
(項目106) 複数のスイッチを含む光ルータであって、ここで、各スイッチは、以下の部分を含む:1)入力;2)出力;3)第一導波管であって、該第一導波管は、該入力と該出力との間で伸長している、第一導波管;および4)第二導波管であって、該第二導波管は、該第一導波管と整列しており、そして該第一導波管とエバネセントカップリングするように位置している、第二導波管;ここで、該第一および第二導波管の少なくとも1個は、項目1〜35に記載の発色団を含む、
光ルータ。
(項目107) 複数のスイッチを含む光ルータであって、ここで、各スイッチは、以下の部分を含む:1)入力;2)出力;3)第一導波管であって、該第一導波管は、該入力と該出力との間で伸長している;および4)第二導波管であって、該第二導波管は、該第一導波管と整列しており、そして該第一導波管とエバネセントカップリングするように位置している;ここで、該第一および第二導波管の少なくとも1個は、項目36〜38に記載の発色団を含む、
光ルータ。
(項目108) 複数のスイッチを含む光ルータであって、ここで、各スイッチは、以下の部分を含む:1)入力;2)出力;3)第一導波管であって、該第一導波管は、該入力と該出力との間で伸長している、第一導波管;および4)第二導波管であって、該第二導波管は、該第一導波管と整列しており、そして該第一導波管とエバネセントカップリングするように位置している、第二導波管;ここで、該第一および第二導波管の少なくとも1個は、項目40に記載の発色団を含む、
光ルータ。
(項目109) 複数のスイッチを含む光ルータであって、ここで、各スイッチは、以下の部分を含む:1)入力;2)出力;3)第一導波管であって、該第一導波管は、該入力と該出力との間で伸長している、第一導波管;および4)第二導波管であって、該第二導波管は、該第一導波管と整列しており、そして該第一導波管とエバネセントカップリングするように位置している、第二導波管;ここで、該第一および第二導波管の少なくとも1個は、項目41に記載の発色団を含む、
光ルータ。
(項目110) 前記複数のスイッチが、行列のアレイで配列されている、項目106に記載の光ルータ。
(項目111) 前記複数のスイッチが、行列のアレイで配列されている、項目107に記載の光ルータ。
(項目112) 前記複数のスイッチが、行列のアレイで配列されている、項目108に記載の光ルータ。
(項目113) 前記複数のスイッチが、行列のアレイで配列されている、項目109に記載の光ルータ。
(項目114) 項目36〜38に記載の発色団を含む、電気光学デバイス。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1A】図1Aは、発色団に取り込まれ得る代表的な供与体部分(D)を図示しており、図1Aでは、各出現例において、別個に、Rは、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;Xは、O、S、SeまたはTeである;そしてnは、1または2である;ここで、アルキル、アリールおよびヘテロアリールの各々は、本明細書中で定義されている。
【図1B】図1Bは、発色団に取り込まれ得る代表的な供与体部分(D)を図示しており、図1Bでは、Rは、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;Rは、水素、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;Yは、O、SまたはSeである;mは、2、3または4である;pは、0、1または2である;そしてqは、0または1である;ここで、アルキル、アリールおよびヘテロアリールの各々は、本明細書中で定義されている。
【図2A】図2Aは、発色団に取り込まれ得る受容体部分(A)を図示しており、図2Aでは、各出現例において、別個に、Rは、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;Xは、O、S、SeまたはTeである;そしてnは、1または2である;ここで、アルキル、アリールおよびヘテロアリールの各々は、本明細書中で定義されている。
【図2B】図2Bは、発色団に取り込まれ得る受容体部分(A)を図示しており、図2Bでは、Rは、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;Rは、水素、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;Yは、O、SまたはSeである;そしてqは、0または1である;ここで、アルキル、アリールおよびヘテロアリールの各々は、本明細書中で定義されている。
【図3】図3Aは、発色団に取り込まれ得るπブリッジを図示しており、図3Aでは、各出現例において、別個に、Zは、O、S、Se、NR、C(Rまたは−C(R)=C(R)−である;pは、0、1または2である;oは、0、1または2である;o+pは、少なくとも1である;Rは、水素、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;Zは、
【化99】


である;そしてqは、0または1である。図3Bは、発色団に取り込まれ得るπブリッジを図示しており、図3Bでは、各出現例において、別個に、Rは、水素、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;Zは、O、S、Se、NR、C(Rまたは−C(R)=C(R)−である;pは、0、1または2である;oは、0、1、2または3である;o+pは、少なくとも1である;そしてqは、0または1である。
【図4A】図4Aは、本発明の発色団を調製する一般合成図式または本発明の特定の発色団のいずれかを図示している。
【図4B】図4Bは、本発明の発色団を調製する一般合成図式または本発明の特定の発色団のいずれかを図示している。
【図4C】図4Cは、本発明の発色団を調製する一般合成図式または本発明の特定の発色団のいずれかを図示している。
【図5A】図5Aは、本発明の発色団を調製する一般合成図式または本発明の特定の発色団のいずれかを図示している。
【図5B】図5Bは、本発明の発色団を調製する一般合成図式または本発明の特定の発色団のいずれかを図示している。
【図6A】図6Aは、本発明の発色団を調製する一般合成図式または本発明の特定の発色団のいずれかを図示している。
【図6B】図6Bは、本発明の発色団を調製する一般合成図式または本発明の特定の発色団のいずれかを図示している。
【図7A】図6Aは、本発明の発色団を調製する一般合成図式または本発明の特定の発色団のいずれかを図示している。
【図7B】図6Bは、本発明の発色団を調製する一般合成図式または本発明の特定の発色団のいずれかを図示している。
【図7C】図7Cは、本発明の発色団を調製する一般合成図式または本発明の特定の発色団のいずれかを図示している。
【図8A】図8Aは、本発明の発色団を調製する一般合成図式または本発明の特定の発色団のいずれかを図示している。
【図8B】図8Bは、本発明の発色団を調製する一般合成図式または本発明の特定の発色団のいずれかを図示している。
【図9A】図9Aは、本発明の発色団を調製する一般合成図式または本発明の特定の発色団のいずれかを図示している。
【図9B】図9Bは、本発明の発色団を調製する一般合成図式または本発明の特定の発色団のいずれかを図示している。
【図10A】図10Aは、本発明の発色団を調製する一般合成図式または本発明の特定の発色団のいずれかを図示している。
【図10B】図10Bは、本発明の発色団を調製する一般合成図式または本発明の特定の発色団のいずれかを図示している。
【図11A】図11Aは、本発明の発色団を調製する一般合成図式または本発明の特定の発色団のいずれかを図示している。
【図11B】図11Bは、本発明の発色団を調製する一般合成図式または本発明の特定の発色団のいずれかを図示している。
【図12A】図12Aは、本発明の発色団を調製する一般合成図式または本発明の特定の発色団のいずれかを図示している。
【図12B】図12Bは、本発明の発色団を調製する一般合成図式または本発明の特定の発色団のいずれかを図示している。
【図13A】図13Aは、本発明の発色団を調製する一般合成図式または本発明の特定の発色団のいずれかを図示している。
【図13B】図13Bは、本発明の発色団を調製する一般合成図式または本発明の特定の発色団のいずれかを図示している。
【図14A】図14Aは、本発明の発色団を調製する一般合成図式または本発明の特定の発色団のいずれかを図示している。
【図14B】図14Bは、本発明の発色団を調製する一般合成図式または本発明の特定の発色団のいずれかを図示している。
【図15A】図15Aは、本発明の発色団を調製する一般合成図式または本発明の特定の発色団のいずれかを図示している。
【図15B】図15Bは、本発明の発色団を調製する一般合成図式または本発明の特定の発色団のいずれかを図示している。
【図16A】図16Aは、本発明の発色団を調製する一般合成図式または本発明の特定の発色団のいずれかを図示している。
【図16B】図16Bは、本発明の発色団を調製する一般合成図式または本発明の特定の発色団のいずれかを図示している。
【図17】図17は、発色団を含有する重合体マトリックスを調製する方法を図示している。
【図18】図18は、Mach−Zender変調器(1)を図示しており、この変調器は、入力側(5)、出力側(20)、2本のレッグ(10a、10b)(これらは、共に、この入力側および出力側に連結されている)および電極(15)(これは、これらのレッグのうちの1本の近くに位置している)を有する。
【図19】図19は、本明細書中で詳細に説明したように、本発明の発色団を調製する特定の例を図示している。
【図20】図20は、本明細書中で詳細に説明したように、本発明の発色団を調製する特定の例を図示している。
【図21】図21は、本明細書中で詳細に説明したように、本発明の発色団を調製する特定の例を図示している。
【図22】図22は、本明細書中で詳細に説明したように、本発明の発色団を調製する特定の例を図示している。
【図23】図23は、本明細書中で詳細に説明したように、本発明の発色団を調製する特定の例を図示している。
【図24】図24は、本明細書中で詳細に説明したように、本発明の発色団を調製する特定の例を図示している。
【図25】図25は、本明細書中で詳細に説明したように、本発明の発色団を調製する特定の例を図示している。
【発明を実施するための形態】
【0051】
(発明の詳細な説明)
(定義)
一般に、本明細書中で使用する全ての技術用語および科学用語は、他に明らかに指示されていなければ、本発明が属する当業者が通常理解する意味と同じ意味を有する。ある元素を引用するとき、その元素の同位元素の全てが暗黙のうちに含まれる(例えば、「水素」とは、水素、重水素および三重水素を表す)。ある同位元素は、もし明白に同定されたなら、その記号の直前にある原子番号の上付き文字により表わされる(すなわち、重水素は、「D」ではなく、「H」である)。分類のために、以下では、本発明の実施態様を説明するために、本明細書中で使用する特定の用語の定義を列挙している。これらの定義は、他に明示されていなければ、本明細書全体にわたって使用される用語に適用する。
【0052】
本明細書および添付の請求の範囲で使用する単数形「a」、「an」および「the」は、他に文脈で明らかに指示がなければ、複数の指示物を含む。例えば、「a group」は、このような基の1個またはそれ以上を意味するのに対して、「a chromophore」は、特定の発色団だけでなく、当業者に公知であるそれらの他のファミリーのメンバーおよび等価物を含む。
【0053】
置換基および分子部分の両方は、時には、本明細書中にて、記号(例えば、R、R、π、π、π、DおよびA)で表わされる。ある記号に関連して、「各出現例において、別個に」との語句を使用するとき、その記号は、式に現れるときはいつでも、異なる実在の置換基または分子部分を表わし得る。例えば、以下の構造(この構造は、n回の繰り返し単位の各々の中に2個のX基を含む)では、
【0054】
【化47】


Xは、すなわち、OまたはSを表わし、そのとき、繰り返し単位内で、2個のX基は、OおよびO、またはOおよびS、またはSおよびO、またはSおよびSであり得、ある繰り返し単位内での選択は、第二、第三などの繰り返し単位内での選択に依存も関係しない。言い換えれば、「各出現例において、別個に」とは、Xが、表わし得るものの定義内の原子または部分を表わす限り、ある1出現例でXが表わすものが、任意の他の出現例にてXが表わすものに全く非依存的であることを意味する。各記号は、他の記号と同じであろうと異なっていようと、その記号に対する定義で与えられた選択肢のいずれかを表わし得、この表現は、その記号が現れるときはいつでも、別個に選択される。それゆえ、ある構造が、「ここで、各出現例において、別個に、」との語句に続いて提供されているとき、この語句は、その構造に関連して使用される各記号、またはある構造または下部構造内に含まれる任意の下部構造内で使用される各記号が、この構造またはその下部構造内の記号の任意の他の出現例において、同じ記号または異なる記号の選択とは無関係に選択されること示すことが意味される。
【0055】
本明細書中で提供した化学構造では、環は、その環を形成する線の1本を横切って引かれた線(二分線)を付けて示され得、この場合、この二分線は、記号に結合されている。例えば、以下のフェノール構造は、記号Rに結合した二分線を有する。
【0056】
【化48】


この状態では、この記号は、その環を形成する任意の原子が任意の特定の非水素置換基に結合されるように示されていなければ、この環を形成する任意の原子に結合され得る。それゆえ、このフェノール化合物の上記例では、そのR基は、以下の構造で示されているように、5個もの炭素原子と結合され得る。
【0057】
【化49】


しかしながら、R基は、環上の各水素を必ずしも置換しない。このR基は、その水素原子のいずれかを置換する必要はなく、R基は、これらの水素の1個または2個または3個または4個または5個を置換し得、その環原子に結合された水素原子の総数によってのみ、制限され得る。それゆえ、上で示したフェノール構造(ここで、Rは、各出現例において、別個に、メチルまたは水素である)は、フェノールだけでなく、数個のメチル置換フェノール(2−メチルフェノール、3−メチルフェノール、3,4−ジメチルフェノール、2,4,6−トリメチルフェノールなど)に対応している。
【0058】
「発色団」とは、光を吸収する任意の分子、分子の凝集体、または高分子構造を意味する。それゆえ、発色団は、光を吸収する単一の分子、吸収分子を1個だけ含有する凝集体または高分子、または1個より多い吸収分子を含有する凝集体または高分子を意味し得る。
【0059】
「電気光学」(EO)とは、材料の光学特性のうち、電場により変更できるものに関する。
【0060】
「電子」とは、分子内または原子上の電子に関する。
【0061】
「電気」とは、加えた電圧または他の信号から生じる電気および電気現象に関する。
【0062】
「時間安定性」は、特定の特性の長期的保持を意味する。時間安定性は、分子間化学構造または分子内化学構造のいずれかの変化を修正する任意の要因により、影響され得る。
【0063】
供与体(これは、化学構造内で、「D」または「D」(ここで、nは、整数である)により表わされる)は、酸化可能性が低い原子または原子基であり、ここで、この原子または原子群は、π架橋によって、受容体「A」に電子を供与し得る。供与体(D)は、受容体(A)よりも電子親和性が低く、その発色団は、一般に、供与体(D)上で、比較的低い電子密度で極性化される。典型的には、供与体基は、そのヘテロ原子に直接結合した原子のp−軌道と共役できる孤立電子対を有する少なくとも1個のヘテロ原子を含有し、その結果、共鳴構造が引き出され得、これは、これらの孤立電子対を、このヘテロ原子に直接結合した原子のp−軌道との結合に移動して、形式上、このヘテロ原子とそのヘテロ原子に直接結合した原子との間の結合の多重度を高めて(すなわち、単結合が、形式上、二重結合に変換されるか、または二重結合が、形式上、三重結合に変換される)、その結果、このヘテロ原子は、形式的な正電荷を獲得する。このヘテロ原子に直接結合した原子のp−軌道は、空いているか、ヘテロ原子以外の他の原子との多重結合の一部であり得る。このヘテロ原子は、π結合を有する原子の置換基であり得るか、または複素環内にあり得る。代表的な供与体基には、RN−、RX−および式1Aで示した構造が挙げられるが、これらに限定されず、ここで、Rは、(本明細書中で定義した)アルキル、(本明細書中で定義した)アリール、および(本明細書中で定義した)ヘテロアリールであり、Xは、O、S、SeまたはTeであり、そしてnは、1または2である。別の代表的な供与体は、図1Bで示されており、ここで、各出現例において、別個に、Rは、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;Rは、水素、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;Yは、O、SまたはSeである;mは、2、3または4である;pは、0、1または2である;そしてqは、0または1である;ここで、アルキル、アリールおよびヘテロアリールの各々は、本明細書中で定義されている。さらに他の代表的な供与体は、図4A、4B、4C、5A、5B、6A、6B、7A、7B、7C、8A、8B、9A、9B、10A、10B、11A、11B、12A、12B、13A、13B、14A、14B、15A、15B、16A、16B、19、20、21、22、23、24および/または25で図示されている。供与体中のヘテロ原子および炭素の総数は、典型的には、約30個(すなわち、5員および6員複素環およびアミン置換フェニル)であり、この供与体は、(本明細書中で定義した)アルキル、(本明細書中で定義した)アリール、および(本明細書中で定義した)ヘテロアリールでさらに置換され得る。「供与体」および「受容体」との術語は、本発明の技術分野において、周知であり、理解されている。例えば、第5,670,091号、第5,679,763号および第6,090,332号を参照。
【0064】
受容体(これは、化学構造内で、「A」または「A」(ここで、nは、整数である)により表わされる)は、還元可能性が低い原子または原子群であり、ここで、この原子または原子群は、π架橋によって、供与体「D」から電子を受容できる。受容体(A)は、供与体(D)よりも電子親和性が高く、その結果、その発色団は、一般に、受容体(A)上で、比較的高い電子密度で極性化される。典型的には、受容体基は、π結合(二重結合または三重結合)の一部である少なくとも1個の電気陰性ヘテロ原子を含有し、その結果、共鳴構造が引き出され得、これは、このπ結合の電子対を、このヘテロ原子に移動すると同時に、このπ結合の多重度を低めて(すなわち、二重結合が、形式上、単結合に変換されるか、または三重結合が、形式上、二重結合に変換される)、その結果、このヘテロ原子は、形式的な負電荷を獲得する。このヘテロ原子は、複素環の一部であり得る。代表的な受容体基には、−NO、−CN、−CHO、COR、COR、−PO(OR)、−SOR、−SOR、−SORおよび式2Aで示した構造が挙げられるが、これらに限定されず、ここで、Rは、(本明細書中で定義した)アルキル、(本明細書中で定義した)アリール、および(本明細書中で定義した)ヘテロアリールであり、Xは、O、S、SeまたはTeであり、そしてnは、1または2である。別の代表的な受容体構造は、図2Bで示されており、ここで、各出現例において、別個に、Rは、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;Rは、水素、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;Yは、O、SまたはSeである;そしてqは、0または1である。さらに他の代表的な受容体は、図4A、4B、4C、5A、5B、6A、6B、7A、7B、7C、8A、8B、9A、9B、10A、10B、11A、11B、12A、12B、13A、13B、14A、14B、15A、15B、16A、16B、19、20、21、22、23、24および/または25で図示されている。受容体基中のヘテロ原子および炭素の総数は、典型的には、約30個(すなわち、5員および6員複素環およびジシアノビニレン)であり、この受容体基は、(本明細書中で定義した)アルキル、(本明細書中で定義した)アリール、および(本明細書中で定義した)ヘテロアリールでさらに置換され得る。「供与体」および「受容体」との術語は、本発明の技術分野において、周知であり、理解されている。例えば、第5,670,091号、第5,679,763号および第6,090,332号を参照。
【0065】
「π−架橋」または「電子共役架橋」(これは、化学構造内で、「π」または「π」(ここで、nは、整数である)により表わされる)は、その架橋内の電子軌道を通って電子供与体(以下で定義する)から電子受容体(以下で定義する)へと電子が非局在化され得る原子または原子群から構成される。このような群は、当該技術分野で非常に周知である。典型的には、それらの軌道は、二重(sp)または三重(sp)結合した炭素原子上のp−軌道(例えば、アルケン、アルキン、中性または荷電芳香環系、および中性または荷電ヘテロ芳香環系で見られるもの)である。さらに、これらの軌道は、ホウ素または窒素のような原子上のp−軌道であり得る。さらに、これらの軌道は、p、dまたはf有機金属軌道またはハイブリッド有機金属軌道であり得る。その電子が非局在化される軌道を含む架橋の原子は、本明細書中にて、「臨界原子」と呼ぶ。架橋内の臨界原子数は、1〜約30の数であり得る。これらの臨界原子は、任意の有機基または無機基で置換され得る。この置換基は、重合体マトリックス内の発色団の溶解性を改善させる目的で、この発色団の溶解性を向上させる目的で、または任意の他の目的で、選択され得る。代表的なπ−架橋は、図3Aおよび3Bで図示されており、図3Aでは、各出現例において、別個に、Zは、O、S、Se、NR、C(Rまたは−C(R)=C(R)−である;pは、0、1または2である;oは、0、1または2である;o+pは、少なくとも1である;Rは、水素、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;Zは、
【0066】
【化50】


である;そしてqは、0または1である。
【0067】
図3Bでは、各出現例において、別個に、Rは、水素、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;Zは、O、S、Se、NR、C(Rまたは−C(R)=C(R)−である;pは、0、1または2である;oは、0、1、2または3である;o+pは、少なくとも1である;そしてqは、0または1である。別の代表的なπ−架橋は、図1A、1B、2A、2B、3A、3B、4A、4B、4C、5A、5B、6A、6B、7A、7B、7C、8A、8B、9A、9B、10A、10B、11A、11B、12A、12B、13A、13B、14A、14B、15A、15B、16A、16B、17、19、20、21、22、23、24および/または25で図示されている。1実施態様では、これらの臨界原子上の置換基は、以下から選択される:以下で定義する「アルキル」、以下で定義する「アリール」または以下で定義する「ヘテロアルキル」。この架橋内の臨界原子の(以下で定義する)アルキル、(以下で定義する)アリールまたは(以下で定義する)ヘテロアルキル置換基上の1個またはそれ以上の原子(水素を除いて)は、(以下で定義する)他のアルキル、(以下で定義する)他のアリールまたは(以下で定義する)他のヘテロアルキル置換基内の原子と結合して、1個またはそれ以上の環を形成し得る。
【0068】
「供与体カップリング」または「π架橋および/または供与体カップリング」とは、供与体を含有する第一の化学基を第二の選定された化学構造に共有結合をするのを達成する、合成化学段階を意味する。この段階は、複数の段階に分割され得、ここで、第一段階は、π−架橋(これはまた、反応性である)を共有結合し、そして第二段階は、供与体基を共有結合する。典型的には、このカップリングは、カルボニルを含有するπ架橋または供与体基を、少なくとも1個の酸性プロトンを含有する選択された化学構造と反応させる工程、または少なくとも1個の酸性プロトンを含有するπ架橋または供与体基を、反応性カルボニル基を含有する選択された化学構造と反応させる工程のいずれかを包含する。適当な供与体カップリング反応は、当業者に周知である。
【0069】
「受容体カップリング」または「π架橋および/または受容体カップリング」とは、受容体を含有する第一の化学基を第二の選定された化学構造に共有結合させる、合成化学段階を意味する。この段階は、複数の段階に分割され得、ここで、第一段階は、π−架橋(これはまた、反応性である)を共有結合し、そして第二段階は、受容体基を共有結合する。典型的には、このカップリングは、カルボニルを含有するπ架橋または受容体基を、少なくとも1個の酸性プロトンを含有する選択された化学構造と反応させる工程、または少なくとも1個の酸性プロトンを含有するπ架橋または受容体基を、反応性カルボニル基を含有する選択された化学構造と反応させる工程のいずれかを包含する。適切な受容体カップリング反応は、当業者に周知である。
【0070】
デンドロン(dendron)とは、規則的な繰り返し単位を有する分枝置換基である。デンドリマーとは、1個またはそれ以上のデンドロンで取り囲まれた「コア」を含む高分子構造体である。当該技術分野において、しばしば、デンドロンおよびデンドリマーとの用語は、交換可能に使用される。1個またはそれ以上のデンドロンは、本発明の発色団に結合され得る。
【0071】
本明細書中で使用する「R」または「R」(ここで、nは、整数である)とは、原子または原子群(例えば、環)上の置換基を意味する。他に特別に割り当てられていなければ、−Rは、任意の単一の原子または以下で定義する置換基の任意の1個を表わす。分子内で1個より多い−Rが存在しているとき、「−R」は、各出現例において、別個に、単一の原子または以下で定義する置換基の任意の1個を意味する。
【0072】
以下の定義は、置換基に適用する。特定の置換基は、1〜約200個の範囲の炭素原子の総数を有し得る。
【0073】
1.「アルキル」とは、1〜約30個の炭素を含有する飽和または不飽和の直鎖または分枝、環式または多環式脂肪族(すなわち、非芳香族)炭化水素基である。この炭化水素基は、種々の実施態様にて、0個の分枝(すなわち、直鎖)、1個の分枝、2個の分枝、2個より多い分枝を有する;そして/または飽和または不飽和である(ここで、不飽和アルキル基は、1個の二重結合、2個の二重結合、2個より多い二重結合、および/または1個の三重結合、2個の三重結合、3個より多い三重結合を有し得る);そして/または環式構造または非環式構造である。代表的なアルキル基には、Cアルキル(すなわち、−CH(メチル))、Cアルキル(すなわち、−CHCH(エチル)、−CH=CH(エテニル)および−C≡CH(エチニル))およびCアルキル(すなわち、−CHCHCH(n−プロピル)、−CH(CH(i−プロピル)、−CH=CH−CH(1−プロペニル)、−C≡C−CH(1−プロピニル)、−CH−CH=CH(2−プロペニル)、−CH−C≡CH(2−プロピニル)、−C(CH)=CH(1−メチルエテニル)、−CH(CH(シクロプロピル)およびアダマンチルが挙げられる。「アルキル」との用語には、また、その炭化水素基の水素原子の少なくとも1個が以下の少なくとも1個で置換された基が含まれる:アルキル;以下で定義する「アリール」;または以下で定義する「ヘテロアルキル」。水素を除いて、アルキル基内の1個またはそれ以上の原子は、隣接したアルキル基、アリール基(以下で定義するアリール)またはヘテロアルキル基(以下で定義するヘテロアルキル)内の1個またはそれ以上の原子と結合して、1個またはそれ以上の環を形成できる。
【0074】
2.「アリール」とは、3〜約30個の炭素を含有する単環式または多環式の芳香環系またはヘテロ芳香環である。この環系は、単環式または縮合多環式(例えば、二環式、三環式など)であり得る。好ましいヘテロ原子には、窒素、酸素、イオウおよびホウ素がある。種々の実施態様では、この単環式アリール環は、C5〜C10またはC5〜C7またはC5〜C6であり、ここで、これらの炭素数は、この環系を形成する炭素原子の数を意味する。C6環系(すなわち、フェニル環)は、好ましいアリール基である。C4−S環系(すなわち、チオフェン)は、他の好ましいアリール基である。種々の実施態様では、この多環式の環は、二環式アリール基であり、ここで、好ましい二環式アリール基は、C8〜C12またはC9〜C10である。ナフチル環(これは、10個の炭素原子を有する)は、好ましい多環式アリール基である。「アリール」との用語には、また、その芳香族環系またはヘテロ芳香族環系の水素の少なくとも1個が以下の少なくとも1個でさらに置換された基が含まれる:アルキル;ハロゲン;または(以下で定義する)ヘテロアルキル。水素を除いて、アリール基内の1個またはそれ以上の原子は、隣接したアルキル基、アリール基またはヘテロアルキル基(以下で定義するヘテロアルキル)内の1個またはそれ以上の原子と結合して、1個またはそれ以上の環を形成できる。
【0075】
3.「ヘテロアルキル」または「ヘテロアリール」とは、その炭素原子または水素原子の少なくとも1個がヘテロ原子で置換された(本明細書中で定義した)アルキル基またはアリール基であるが、但し、少なくとも1個の炭素原子は、炭素または水素をヘテロ原子で置換した後、このヘテロアルキル基内に残っている。好ましいヘテロ原子には、窒素、酸素、イオウ、ケイ素およびハロゲンがある。ヘテロ原子は、それが置換する炭素原子または水素原子と同数の原子価部位を有し得るが、典型的には、そうではない。従って、炭素をヘテロ原子で置換するとき、このヘテロ原子に結合される水素の数は、このヘテロ原子の原子価部位の数と一致するように、増加または減少させる必要があるかもしれない。例えば、もし、炭素(4原子価)が窒素(3原子価)で置換されるなら、置換した炭素に以前に結合していた水素のうちの1個は、除去される。同様に、もし、炭素がハロゲン(1原子価)で置換されるなら、置換した炭素に以前に結合していた水素のうちの3個(すなわち、全部)は、除去されるはずである。炭素または水素をヘテロ原子で置換することによりアルキルから誘導されたヘテロアルキルの例を、すぐ下で示す。代表的なヘテロアリールには、メトキシ(−OCH)、アミン(−CHNH)、ニトリル(−CN)、カルボン酸(−COH)、他の官能基、およびヘテロ原子含有デンドロンがある。「ヘテロアルキル」との用語には、また、そのヘテロアルキルの炭素またはヘテロ原子の水素の少なくとも1個が以下の少なくとも1個で置換され得る基が含まれる:アルキル;アリール;およびヘテロアルキル。水素を除いて、ヘテロアルキル基内の1個またはそれ以上の原子は、隣接したアルキル基、アリール基またはヘテロアルキル基内の1個またはそれ以上の原子と結合して、1個またはそれ以上の環を形成できる。
【0076】
【化51】


以下の置換基のリストは、上記定義または以下で記述する本発明の範囲を限定することを意味しておらず、むしろ、単に、上記定義に入る置換基の例を含む:1)(アルキル)−CH、−i−Pr、−n−Bu、−t−Bu、−i−Bu、−CHCH=CH(アリル)、−CH(ベンジル);2)(ヘテロアルキル)−X(0−1)(CH(0−12)(CF(0−12)(CH(0−12)CH(ここで、Xは、−O、−S、−CO−(エステル)であり、Z=ハロゲン、p=0〜3、q=0〜3、そしてp+q=3である)およびそれらの分枝異性体、−X(0−1)(CH(0−12)(CF(0−12)(CH(0−12)Z(ここで、Xには、−O、−S、−CO−(エステル)が挙げられ、Zには、−OH、−NH、−COHおよびそれらのエステルおよびアミド、−COClおよび−NCOが挙げられる)およびそれらの分枝異性体、−OCFCF(TFVE)、−Si(CH(TMS)、−Si(CH(t−Bu)(TBDMS)、−Si(C)(TPS)、−Si(C、およびBosmanら、Chem.Rev.1999,99,1665〜1688で論述されたデンドリマーで説明されたようなデンドロン;3)(アリール)−C(フェニル)、p−、o−および/またはm−置換フェニル(独立して、−CH、−i−Pr、−n−Bu、−t−Bu、−i−Bu、−X(0−1)(CH(0−12)(CF(0−12)(CH(0−12)CH(ここで、Xには、−O、−S、−CO−(エステル)が挙げられ、Z=ハロゲン、p=0〜3、q=0〜3、そしてp+q=3である))およびそれらの分枝異性体、−X(0−1)(CH(0−12)(CF(0−12)(CH(0−12)Z(ここで、Xには、−O、−S、−CO−(エステル)が挙げられ、Zには、−OH、−NH、−COHおよびそれらのエステルおよびアミド、−TFVE、−COClおよび−NCOが挙げられる)およびそれらの分枝異性体、−Si(CH(TMS)、−Si(CH(t−Bu)(TBDMS)、−CHCH=CH(アリル)およびTFVE、およびBosmanら、Chem.Rev.1999,99,1665または米国特許第5,041,516号で論述されたデンドリマーで説明されたようなデンドロン。
【0077】
(概説)
歴史的に、NLO発色団(これはまた、「プッシュ−プル」発色団として知られている)は、一般式D−π−Aで表わされる3個の基礎構成単位を含む。D−π−A配列は、大きな二次NLO効果を達成するのに重要であり、NLO分子に対する利点の分子形態は、第一分子電子過分極性(β、時には、μβとして与えられ、ここで、μは、その発色団の双極子モーメントである)であるが、D、πまたはAのいずれか1個の電子特性を変えることにより、調整され最適化できる(German and Marder Proc.Natl.Acad.Sci,USA 1993,90,11297を参照)。分子NLO効果は、電場を加えて分子を一方向で整列させることにより、ある物質内でのバルクEO活性に変換できる。
【0078】
一般に、特定のD−π−A発色団に対して、D、πまたはAのいずれか1個は、この発色団の電子特性を著しく変えない基で誘導体化できる。このような誘導体化は、例えば、高い分子μβをそのバルク物質の高いEO活性に変換するために、または整列した双極子の緩和に関連した時間安定性を高めるために、いずれかのために、重要であり得る(Daltonら、J.Mater.Chem.1999,9,1905〜1920を参照)。それゆえ、高いμβの発色団は、例えば、以下を行うように誘導体化できる:重合体マトリックス内でのその溶解性を向上する;他の分子または重合体との共有結合を可能にする;および他の発色団との分子間相互作用を空間的に妨害する。本発明の種々の他の局面では、発色団含有マトリックスの新しい設計および合成が提供され、これには、それをEO物質に処理することが挙げられる。例えば、本発明の発色団は、マトリックスへの性能および/または処理を高める立体バルク特性および/または溶解性を与える化学基を含有し得る。
【0079】
本明細書中で開示した実施形態は、一般に、発色団含有電気光学(EO)材料に関し、これは、市場開発、良好な装置品質および高い性能が期待されている。EO装置用途用の材料は、好ましくは、以下の特性を有する:
1.高い電気光学係数;
2.操作周波数での高い光透過性(低い吸収損失);
3.高い光学品質(これは、高分子フィルムの均一性により、決定される);
4.良好な機械特性(例えば、可撓性);および
5.EO活性の長期にわたる時間安定性。
【0080】
1局面では、発色団は、新規電子供与体基(D)、新規π架橋またはそれらの下部構造(π)および/または新規電子受容体基(A)から構成される。
【0081】
他の局面では、発色団は、それらの発色団の特性を改変する化学基を取り込む。例えば、本発明の発色団は、その発色団のマトリックス(特に、重合体マトリックス)内での溶解性を高める基を取り込み得る。他の例として、この発色団は、その発色団に対する特定の望ましい立体的要求を課する基を取り込む得る。
【0082】
これらの発色団は、ある発色団と他の発色団との立体的関係に影響を与える置換基を含有し得る。望ましくは、この置換基は、ある発色団が他の発色団に近づきすぎるのを妨害する;このような置換基は、典型的には、かさ高いアルキル基またはヘテロアルキル基である。デンドロンは、好ましいかさ高い置換基であり、脂肪族または芳香族アルコール官能基を含有する任意の発色団に取り込むことができる(例えば、米国特許第5,041,516号を参照)。さらに、当業者は、発色団に含有され得る他の官能基が存在していること、それがデンドロンを発色団に共有結合するのに利用できることを認識しており、この場合、このような官能基には、アミン、カルボン酸、臭化アルキル、イソシアネートおよびイソチオシアネートが挙げられる。これらの発色団を互いに分離すると、その発色団間における分子間静電相互作用が少なくでき、結果的に、光散乱から生じる光学損失を少なくし、また、ポーリング効率を高める。
【0083】
別の局面では、これらの発色団は、その発色団供与体、受容体および/またはπ架橋に隣接した活性水素(例えば、アリル水素およびベンジル水素)の数を変えるように設計されている。活性水素は、光化学プロセスの反応部位を与え、望ましくは、発色団から排除される。これらの部位は、ラジカル攻撃する傾向があるだけでなく、光照射に晒すと簡単にラジカルを発生できる。さらに、アリル水素は、一重項酸素との「エン」反応に関与できる(Nicholas J.Turro,Modern Molecular Photochemistry,University Science Books,Mill Valley,Ca,1991を参照)。
【0084】
別の局面では、これらの発色団は、π−架橋に関して供与体および受容体のねじれ自由度を制限する5員環を取り込む。いくつかの実施形態では、広い共役系にわたって良好なp−軌道オーバーラップを与えるために、発色団には、6員環よりもむしろ5員環が取り込まれる。6員環ポリエン(例えば、イソホロン)は、ある程度捻れたπ−共役を引き起こすことができる構造立体配置を有する。
【0085】
別の局面では、発色団は、かさ高い側鎖(例えば、アダマンタン)を取り込む。このような嵩張った基を架橋上に配置すると、擬似球形分子構造が作り出され、これは、発色団−発色団静電相互作用を大きく低下できる。さらに、当業者は、デンドロンを供与体、受容体およびπ−架橋に容易に取り込むことができ、NLOデンドリマーを形成することを認識している。
【0086】
他の局面では、発色団は、1300nmおよび1550nmで適用するために、750〜800nm内での吸収が低い。通常の電子実施形態は、複数の電子吸引基(例えば、FTC受容体上の3CN基)を有し、これは、発色団の電子密度非局在化に対して、誘起効果および共鳴効果の両方を及ぼす。これらの基の1つ以上(しかし代表的には全てではない)は、誘導効果のみを有するCF基で置換され得る。
【0087】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
1局面では、発色団は、式D1に従って構造化される:
【0088】
【化52】


ここで、各場合において、独立して、X=OまたはSである;X=O、Sまたは単結合である;Rは、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;Rは、水素、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;πは、A基との電子共役を与える架橋である;そしてAは、有機電子受容体基であり、これは、その発色団の残りの部分に比べて、高い電子親和性を有する。πまたはAのいずれかは、1個またはそれ以上のハロゲン、アルキル、アリールまたはヘテロアルキル置換基で置換できる。
【0089】
式D1の発色団は、当業者に公知の反応を使用して、図4Aおよび4Bで概説したように調製され得る。Tet.Lett.1987,28,1857;J.Am.Chem.Soc.1986,108,800;J.Org.Chem.1987,52,2378;Chem.Hetero.Comp.(NY)2000,35(10),1150;Synthesis 1977,12,869;Mendeleev Comm.2001,1,17;およびTet.Lett.1988,29(13),1489を参照。1方法では、図4Aに示されるように、式D1の発色団は、2級アミンをケトンまたはエステルのいずれかで縮合するか、2級アミンをγ−ヒドロキシアルキニルエステルで縮合してβ−アミノ不飽和エステルを生成することにより、調製され得る。得られたβ−アミノ不飽和エステルは、分子内にR基を取り込むために、Xが単結合でありXがOまたはSである場合、必要に応じて、そのアミノ窒素に隣接してアルキル化され得る。その後、その発色団に、選択したπ架橋および受容体が取り込まれ得る。ジエステルを使っても、図4Bで示すように、事実上同じ手順に従い得る。
【0090】
図4Cは、D1発色団の例を示すが、これらは、本発明の範囲を限定するつもりはなく、図4Aで示した方法により、調製され得る。当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、図4Aの方法により調製できるD1発色団の多くの異なる異形が存在していることを認識している。
【0091】
別の局面では、発色団は、5員または6員環でロックしたπ架橋を有し、これらは、式B1に従って、反応性アリル水素を含有しない:
【0092】
【化53】


ここで、各場合において、独立して、πは、存在しないか、またはDと分子の残りの部分との間で電子共役を与える架橋である;πは、存在しないか、またはAと分子の残りの部分との間で電子共役を与える架橋である;Rは、ハロゲン、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;Rは、ハロゲン、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;n=0または1である;Dは、Aの電子親和力に比して低い電子親和力を有する電子供与性基である;Aは、Dの電子親和力に比して高い電子親和力を有する電子供与性基である。
【0093】
式B1の発色団は、当業者に公知の反応を使用して、調製され得る。Chem.Ber.1985,118(2),704;J.Chem.Soc.,Perkins Trans.2 1996,1455;Tet.Lett.1989,30(9),1033;J.Am.Chem.Soc.1988,110,4625,J.Org.Chem.1977,42,2520;J.Am.Chem.Soc.1980,102,5866;Acc.Chem.Res.1979,12,61;Synthesis 1983,429;Tet.Lett.2000,41(5),763;Org.Lett.1999,1(3),391;J.Org.Chem.1990,55(6);1909,J.Chem.Soc.B1969,4,449を参照。例えば、図5Aで示すように、1)シクロペンテン誘導体の塩基誘発環化またはアルキル化;2)n=0の場合、メチルホスホネートエステルに続いた酸化的異性体化;3)π架橋および/または供与体カップリング;および4)π架橋および/または受容体カップリング。図5Bでは、B1発色団の例が示されているが、これらは、本発明の範囲を限定するつもりはなく、図5Aで示した方法により、調製され得る。当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、図5Aの方法により調製できるB1発色団の多くの異なる異形が存在していることを認識している。
【0094】
別の局面では、発色団は、式B2に従って、5員または6員環でロックした複素環π架橋を有する:
【0095】
【化54】


ここで、各場合において、独立して、πは、存在しないか、またはXと分子の残りの部分との間で電子共役を与える架橋である;πは、存在しないか、またはXと分子の残りの部分との間で電子共役を与える架橋である;いずれかのXは、Dであり、Xは、Aであるか、またはXは、Aであり、そしてXは、Dである;Dは、Aの電子親和力に比して低い電子親和力を有する電子供与性基である;Aは、Dの電子親和力に比して高い電子親和力を有する電子供与性基である;Xは、OまたはSである;Xは、O、S、単結合またはCRである;Rは、ハロゲン、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;Rは、ハロゲン、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;X、X、πおよびπは、さらに、ハロゲン、アルキル、アリールおよびヘテロアルキルで置換できる。
【0096】
式B2の発色団は、当業者に公知の反応を使用して、調製され得る。Syn Lett.1995,503;J.Org.Chem.1988,53(9),2011;Syn.Comm.1988,18(9),949;Helv.Chim.Acta.1991,74(1),27を参照。例えば、図6Aで示すように、1)π架橋および/または供与体は、選択した不飽和環状ケトンまたはエステルにカップリングされ得、続いて、2)π架橋および/または受容体にカップリングされ得る。図3Bでは、B2発色団の例が示されているが、これらは、本発明の範囲を限定するつもりはなく、図6Aで示した方法により、調製され得る。当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、図6Aの方法により調製できるB2発色団の多くの異なる異形が存在していることを認識している。
【0097】
別の局面では、本発明は、式B3で示したように、チオフェンπ架橋を含有する発色団を提供し、ここで、これらの架橋は、アリルプロトンを含有しない:
【0098】
【化55】


ここで、各場合において、独立して、πは、存在しないか、またはDと分子の残りの部分との間で電子共役を与える架橋である;πは、存在しないか、またはAと分子の残りの部分との間で電子共役を与える架橋である;Dは、Aの電子親和力に比して低い電子親和力を有する電子供与性基である;Aは、Dの電子親和力に比して高い電子親和力を有する電子供与性基である;Xは、OまたはSである;Rは、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;n=1〜4である;そしてπ、π、DまたはAのいずれか1個は、独立して、ハロゲン、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルでさらに置換できる、B3では、2個のR基、この場合も独立して、各機会において、一緒になって、2個のR基が結合した2個の「X」基を含有する複素環式環を形成する。
【0099】
式B3の発色団は、当業者に公知の反応を使用して、調製され得る。Synth.Comm.1996,26(11),2205;Tet.Lett.2001,42,1507;J.Am.Chem.Soc.2001,123(19),4643;Chem.Mater.1996,8(11),2659;J.Chem.Soc.Perkins Trans.1 1997,1957;Chem.Comm.2000,17,1597を参照。例えば、図7Aで示すように、式B3の発色団は、以下により調製され得る:1)n=1の場合、そのジアルコキシチオフェンのホルミル化およびπ架橋および/または供与体のカップリング;および2)π架橋および/または受容体のホルミル化およびカップリング。n=2、3または4である発色団は、図7Cで示すように、オリゴチオフェン合成における以下の周知方法を使用することにより、調製され得る:1)リチル化(lithiated)ヨウ化物およびStilleスズ試薬へのジアルキルオキシチオフェンの転化;2)このスズ試薬とヨウ化物とのStilleカップリング;3)π架橋および/または供与体のホルミル化およびカップリング;ならびに4)π架橋および/または受容体のホルミル化およびカップリング。図7Bでは、ジアルコキシチオフェンの例が示されているが、これらは、本発明の範囲を限定するつもりはなく、図7Aで示した方法により、B3発色団を調製するのに使用され得る。当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、図7Aの方法により調製できるB3発色団の多くの異なる異形が存在していることを認識している。
【0100】
別の局面では、本発明は、式B4で示したように、縮合チエニルチオフェンπ架橋を含有する発色団を提供する:
【0101】
【化56】


ここで、各場合において、独立して、πは、存在しないか、またはDと分子の残りの部分との間で電子共役を与える架橋である;πは、存在しないか、またはAと分子の残りの部分との間で電子共役を与える架橋である;Dは、Aの電子親和力に比して低い電子親和力を有する電子供与性基である;Aは、Dの電子親和力に比して高い電子親和力を有する電子供与性基である;Rは、各場合において、独立して、ハロゲン、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;n=1〜4である;そしてπ、π、DまたはAのいずれか1個は、独立して、1つ以上のハロゲン、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルでさらに置換できる。
【0102】
式B4の発色団は、当業者に公知の反応を使用して、調製され得る。J.Chem.Soc.Perkins Trans 1 1997,22,3465;J.Chem.Soc.Pekins Trans.2 1996,1377;Heterocycles 1994,38(1),143;J.Org.Chem.1975,40(23),3384を参照。例えば、図8Aに示されるように、式B4の発色団は、以下により調製され得る:1)最も活性なα位での臭素−リチウム交換;2)官能化基またはかさ高い基の縮合チオフェンへの金属触媒交差カップリング;3)これらの活性なα位の1個のホルミル化に続いてπ架橋および/または受容体のカップリング;および4)残りのα位でのホルミル化およびπ架橋および/または受容体カップリング。図8Bでは、代表的な構造が示されているが、これらは、本発明の範囲を限定するつもりはなく、この金属触媒交差カップリング工程で、この架橋に取り込まれ得る。当業者は、本発明の範囲内で、図8Aで開示したような方法により合成できるB4含有発色団の多くの可能な異形が存在していることを認識している。
【0103】
別の局面では、本発明は、式B5に従って環ロックしたビチオフェンπ架橋を含有する発色団を提供する:
【0104】
【化57】


ここで、各場合において、独立して、πは、存在しないか、またはDと分子の残りの部分との間で電子共役を与える架橋である;πは、存在しないか、またはAと分子の残りの部分との間で電子共役を与える架橋である;Dは、Aの電子親和力に比して低い電子親和力を有する電子供与性基である;Aは、Dの電子親和力に比して高い電子親和力を有する電子供与性基である;Xは、O、S、SeまたはCRである;Rは、水素、ハロゲン、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;n=1〜4である;そしてπ、π、DまたはAのいずれか1個は、独立して、1つ以上のハロゲン、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルでさらに置換できる。
【0105】
式B5の発色団は、当業者に公知の反応を使用して、調製され得る。J.Chem.Soc.Perkins Trans 2 1992,5,765;J.Org.Chem.1971,36(12),1645;J.Mater.Chem.1999,9(9),2227;Tet.1999,55,14985;Macromolecules 1994,27(7),1938。例えば、図9Aで示すように、式B5の発色団は、以下により調製され得る:1)(X=O、SまたはSeおよびn=1について)、そのビチオフェンの臭素化に続いて、最も活性なα位置での臭素−リチウム交換;2)選択したアルキル基の金属触媒交差カップリング、ホルミル化、およびπ架橋および/または供与体カップリング;3)ホルミル化およびπ架橋および/または受容体カップリング;4)(X=CRおよびn=1について)、このジチエニルシクロペンタジエンのアルキル化;5)ホルミル化、π架橋および/または供与体カップリング、ホルミル化、およびπ架橋および/または受容体カップリング;6)(X=O、S、SeまたはCRおよびn=2〜4について)、ヨードおよびトリアルキルスズ試薬のStille交差カップリング(両方は、図9Aの適切な中間体から、図7Aで示した方法により調製される);およびホルミル化、π架橋および/または供与体カップリング、ホルミル化、およびπ架橋および/または受容体カップリング。図9Bでは、代表的な構造が示されているが、これらは、本発明の範囲を限定するつもりはなく、この金属触媒交差カップリング工程またはアルキル化工程で、この架橋に取り込まれ得る。当業者は、本発明の範囲内で、図9Aで開示したような方法により合成できるB5含有発色団の多くの可能な異形が存在していることを認識している。
【0106】
別の局面では、本発明は、式B6に従って、環ロックした複素環π架橋を含有する発色団を提供する:
【0107】
【化58】


ここで、各場合において、独立して、πは、存在しないか、またはXと分子の残りの部分との間で電子共役を与える架橋である;πは、存在しないか、またはXと分子の残りの部分との間で電子共役を与える架橋である;いずれかのXは、Dであり、そしてXは、Aであるか、またはXは、Aであり、そしてXは、Dである;Dは、Aの電子親和力に比して低い電子親和力を有する電子供与性基である;Aは、Dの電子親和力に比して高い電子親和力を有する電子供与性基である;Xは、O、S、Se、単結合またはCRである;Xは、CRであるか、またはXがO、S、SeまたはCRである場合、単結合である;Rは、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;Rは、各場合において、独立して、水素、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;n=1〜4である;そしてπ、π、XまたはXのいずれか1個は、独立して、1個またはそれ以上のハロゲン、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルでさらに置換できる。
【0108】
式B6の発色団は、当業者に公知の反応を使用して、調製され得る。Syn.Comm.1988,18(9),949;Helv.Chim.Acta.1991,74(1),27;Synlett 1995,503;Tet.1976,32,3;Syn.1976,177;Tet.Lett.1993,34(47),7641;J.Chem.Soc.Perkins Trans 1 1998,1(6),1139;Chem.Lett.1987,1007。例えば、式B6の発色団は、式10Aで示したように、以下により調製され得る:1)そのリチウムエノラートの形成に続いて、選択したケトンのマイケル付加;2)塩基誘発した環形成縮合;3)π架橋および/または供与体カップリング;および4)π架橋および/または受容体カップリング。図10Bでは、代表的な構造が示されているが、これらは、本発明の範囲を限定するつもりはなく、この架橋に取り込まれ得る。当業者は、本発明の範囲内で、図10Aで開示したような方法により合成できるB6含有発色団の多くの可能な異形が存在していることを認識している。
【0109】
他の局面では、本発明は、式B7に従って、立体的に込み合ったπ架橋を含有する発色団を提供する:
【0110】
【化59】


ここで、各場合において、独立して、πは、存在しないか、またはDと分子の残りの部分との間で電子共役を与える架橋である;πは、存在しないか、またはAと分子の残りの部分との間で電子共役を与える架橋である;Dは、Aの電子親和力に比して低い電子親和力を有する電子供与性基である;Aは、Dの電子親和力に比して高い電子親和力を有する電子供与性基である;Xは、アルキルリンカー、アリールリンカー、ヘテロアルキルリンカーであるか、または存在しない;Rは、アルキル、アリール、ヘテロアリールである;Rの同定は、Xの同定に依存しており、(a)Xが、アルキルリンカー、アリールリンカーまたはヘテロアルキルリンカーである場合、Rは、水素、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルであるが、(b)Xが存在しない場合、Rは、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;n=1〜4である;そしてπ、π、DまたはAのいずれか1個は、独立して、1個またはそれ以上のハロゲン、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルでさらに置換できる。
【0111】
式B6の発色団は、当業者に公知の反応を使用して、調製され得る。J.Org.Chem.1997,62(7),1940;Macromolecules 2000,33(1),4069;J.Org.Chem.1998,63(15),4912を参照。例えば、式B6の発色団は、式11Aで示したように、以下により調製され得る:1)(X=リンカーについて)、ホルミル化およびπ架橋および/または供与体カップリング;2)ホルミル化;3)π架橋および/または受容体カップリング;4)(X=なしについて)、ジ(β−ケト)スルフィドのMcMurry様分子内カップリングに続いて、水の酸触媒二重脱離;5)ホルミル化およびπ架橋および/または供与体カップリング;6)ホルミル化およびπ架橋および/または受容体カップリング。図11Bでは、代表的な構造が示されているが、これらは、本発明の範囲を限定するつもりはなく、この架橋に取り込まれ得る。当業者は、本発明の範囲内で、図11Aで開示したような方法により合成できるB7含有発色団の多くの可能な異形が存在していることを認識している。
【0112】
それゆえ、本発明の種々の実施形態は、以下である:
式B1による反応性アリル水素を含有しない5員または6員環ロック架橋を含有する第二発色団:
【0113】
【化60】


ここで、πおよびπは、独立して、任意である;Rは、各場合において、独立して、ハロゲン、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;Rは、各場合において、独立して、ハロゲン、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;そしてn=0または1である。
【0114】
一般式B2による5員または6員環ロックした複素環π架橋を含有する第三発色団:
【0115】
【化61】


ここで、πおよびπは、独立して、任意である;いずれかのXは、Dであり、そしてXは、Aであるか、またはXは、Aであり、そしてXは、Dである;Xは、OまたはSである;Xは、O、S、単結合またはCRである;Rは、各場合において、独立して、水素、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;そしてX、X、πおよびπは、ハロゲン、アルキル、アリールおよびヘテロアルキルでさらに置換できる。
【0116】
式B3によるアリルプロトンを含有しないチオフェンπ架橋を含有する第四発色団:
【0117】
【化62】


ここで、πおよびπは、独立して、任意である;Xは、各場合において、独立して、OまたはSである;Rは、各場合において、独立して、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;n=1〜4である;そしてπ、π、DまたはAのいずれか1個は、独立して、ハロゲン、アルキル、アリールおよびヘテロアルキルでさらに置換できる。
【0118】
式B4による縮合チオフェンπ架橋を含有する第五発色団:
【0119】
【化63】


ここで、πおよびπは、独立して、任意である;Rは、各場合において、独立して、ハロゲン、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;n=1〜4である;そしてπ、π、DまたはAのいずれか1個は、独立して、1個またはそれ以上のハロゲン、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルでさらに置換できる。
【0120】
式B5によるロックしたビチオフェンπ架橋を含有する第六発色団:
【0121】
【化64】


ここで、πおよびπは、独立して、任意である;Xは、O、S、SeまたはCRである;Rは、各場合において、独立して、水素、ハロゲン、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;n=1〜4である;そしてπ、π、DまたはAのいずれか1個は、独立して、1個またはそれ以上のハロゲン、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルでさらに置換できる。
【0122】
式B6による縮合した複素環式π架橋を含有する第七発色団:
【0123】
【化65】


ここで、πおよびπは、独立して、任意である;Xは、O、S、Se、単結合またはCRである;Xは、CRであるか、またはXがO、S、SeまたはCRの場合、単結合である;いずれかのXは、XがAの場合、Dであるか、Xは、XがDの場合、Aである;Rは、各場合において、独立して、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;Rは、各場合において、独立して、水素、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;n=1〜4である;そしてπ、π、XまたはXのいずれか1個は、独立して、1個またはそれ以上のハロゲン、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルでさらに置換できる。
【0124】
式B7による立体的に込み合ったπ架橋を含有する第八発色団:
【0125】
【化66】


ここで、πおよびπは、独立して、任意である;Xは、各場合において、独立して、アルキルリンカー、アリールリンカー、ヘテロアルキルリンカーであるか、または存在しない;Rは、各場合において、独立して、アルキル、アリール、ヘテロアリールである;Rは、各場合において、独立して、X=なしの場合、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルであるが、但し、X=アルキル、アリールまたはヘテロアルキルリンカーである場合、水素であり得る;n=1〜4である;そしてπ、π、DまたはAのいずれか1個は、独立して、1個またはそれ以上のハロゲン、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルでさらに置換できる。
【0126】
他の局面では、本発明は、式A1によるロックした複素環式ビニリデン受容体を含有する発色団を提供する:
【0127】
【化67】


ここで、各場合において、独立して、πは、存在しないか、またはDと分子の残りの部分との間で電子共役を与える架橋である;Dは、分子の残りの部分に比して低い電子親和力を有する電子供与性基である;Rは、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;そしてπまたはDは、独立して、1個またはそれ以上のハロゲン、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルでさらに置換できる。さらに、その環内のイオウは、SOまたはSOに酸化できる。
【0128】
式A1による発色団は、当業者に公知の反応を使用して、調製され得る。Inorg.Chem.1998,37,5722を参照。例えば、式A1の発色団は、図12Aで図示したようにして、以下により調製され得る:1)2当量のマロノニトリルとα−チオケトンとの縮合;および2)π架橋および/または供与体カップリング。図12Bでは、代表的な構造が示されているが、これらは、本発明の範囲を限定するつもりはなく、本発明の追加実施形態である。当業者は、本発明の範囲内で、図12Aで開示したような方法により合成できるA1発色団の多くの可能な異形が存在していることを認識している。
【0129】
それゆえ、さらに別の実施形態では、本発明は、以下を提供する:
式A1によるロックした複素環ビニリデン実施形態を含有する第九発色団:
【0130】
【化68】


ここで、各場合において、独立して、πは、存在しないか、またはDと分子の残りの部分との間で電子共役を与える架橋である;Dは、分子の残りの部分に比して低い電子親和力を有する電子供与性基である;Rは、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;そしてXまたはDは、独立して、1個またはそれ以上のハロゲン、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルでさらに置換できる。
【0131】
本発明の種々の追加局面は、D−π−A結合性を有する発色団である;さらに、本発明の他の局面では、複数の供与体および受容体を有する発色団であり、ここで、その連結性は、以下により表わすことができる:D−π(−π−A)、(D−π−)π−Aおよび(D−π−)π(−π−A)
【0132】
本発明の他の局面は、式MACによりD−π(−π−A)で表わされる発色団である:
【0133】
【化69】


ここで、各出現例において、別個に、πは、存在しないか、またはAと分子の残りの部分との間で電子共役を与える架橋である;Aは、分子の残りの部分に比して高い電子親和力を有する電子受容性基である;Rは、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;そしてπおよび/またはAは、ハロゲン、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルでさらに置換され得る。
【0134】
式MACの発色団は、図13Aで示したような反応を使用して、以下により合成され得る:1)アミン(これらはまた、図1Aで示されている)による硫化メチルの二重求核置換;2)対応するジニトリルのジアルデヒドへの二重還元;3)任意のアルデヒド伸長;および4)選択した受容体のカップリング。図13Aでは、代表的な構造が示されているが、これらは、本発明の範囲を限定するつもりはなく、本発明の追加実施態様である。当業者は、本発明の範囲内で、図13Aで開示したような方法により合成できるMAC発色団の多くの可能な異形が存在していることを認識している。
【0135】
本発明の他の局面は、式MDCによる(D−π−)π−Aの発色団である:
【0136】
【化70】


ここで、各出現例において、別個に、πは、存在しないか、またはDと分子の残りの部分との間で電子共役を与える架橋である;πは、存在しないか、またはAと分子の残りの部分との間で電子共役を与える架橋である;Dは、Aの電子親和力に比して低い電子親和力を有する電子供与性基である;Aは、Dの電子親和力に比して高い電子親和力を有する電子受容性基である;Rは、水素、ハロゲン、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;Xは、単結合、O、S、Se、NR(ここで、Rは、各出現例において、別個に、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである)またはC(R(ここで、Rは、各出現例において、別個に、水素、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである)である;そしてπ、π、DまたはAのいずれかは、各出現例において、別個に、ハロゲン、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルでさらに置換できる。
【0137】
式MDCの発色団は、図14Aで示したような反応を使用して、例えば、以下により合成され得る:1)選択したアルデヒドの二重酸性π架橋による二重縮合;2)任意のアルデヒド伸長;および3)選択した受容体のカップリング。図14Bでは、代表的な構造が示されているが、これらは、本発明の範囲を限定するつもりはなく、本発明の追加実施態様である。当業者は、本発明の範囲内で、図14Aで開示したような方法により合成できるMDC発色団の多くの可能な異形が存在していることを認識している。
【0138】
本発明の他の局面は、式MDACによる(D−π−)π(−π−A)連結性の発色団である:
【0139】
【化71】


ここで、各出現例において、別個に、πは、存在しないか、またはDと分子の残りの部分との間で電子共役を与える架橋である;πは、存在しないか、またはAと分子の残りの部分との間で電子共役を与える架橋である;Dは、Aの電子親和力に比して低い電子親和力を有する電子供与性基である;Aは、Dの電子親和力に比して高い電子親和力を有する電子受容性基である;Rは、水素、ハロゲン、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;Xは、単結合、O、S、Se、NR(ここで、Rは、各出現例において、別個に、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである)またはC(R(ここで、Rは、各出現例において、別個に、水素、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである)である;そしてπ、π、DまたはAのいずれかは、各出現例において、別個に、ハロゲン、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルでさらに置換できる。
【0140】
式MDACの発色団は、図15Aで示したような反応を使用して、例えば、以下により合成され得る:1)選択したアルデヒドの二重酸性π架橋による二重縮合;2)マロノニトリルのクネーベナーゲル縮合およびそのジアルデヒドへの二重還元;および3)選択した受容体のカップリング。図15Bでは、代表的な構造が示されているが、これらは、本発明の範囲を限定するつもりはなく、本発明の追加実施態様である。当業者は、本発明の範囲内で、図15Aで開示したような方法により合成できるMDAC発色団の多くの可能な異形が存在していることを認識している。
【0141】
それゆえ、本発明の種々の実施態様は、以下である:
式MACによるD−π(−π−A)連結性の第十発色団:
【0142】
【化72】


ここで、πは、各出現例において、別個に、任意である;Rは、各出現例において、別個に、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;そしてπは、各出現例において、別個に、またはAは、各出現例において、別個に、ハロゲン、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルでさらに置換できる。
【0143】
式MDCによる(D−π−)π−A連結性の第十一発色団:
【0144】
【化73】


ここで、πおよびπは、各出現例において、別個に、任意である;Rは、各出現例において、別個に、水素、ハロゲン、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;Xは、単結合、O、S、Se、NR(ここで、Rは、各出現例において、各出現例において、別個に、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである)またはC(R(ここで、Rは、各出現例において、別個に、水素、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである)である;そしてπ、π、DまたはAのいずれかは、別個に、ハロゲン、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルでさらに置換できる。
【0145】
式MDACによる(D−π−)π(−π−A)連結性の第十二発色団:
【0146】
【化74】


ここで、πおよびπは、各出現例において、別個に、任意である;Rは、各出現例において、別個に、水素、ハロゲン、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;Xは、単結合、O、S、Se、NR(ここで、Rは、各出現例において、別個に、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである)またはC(R(ここで、Rは、各出現例において、別個に、水素、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである)である;そしてπ、π、DまたはAのいずれかは、各出現例において、別個に、ハロゲン、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルでさらに置換できる。
【0147】
当業者は、本発明の発色団の多くの異形(これらは、当業者に公知の一般工程を包含する方法により、活性EO材料に加工され得る)が存在していることを認識している。米国特許第5834575号;第5736592号;第5718845号;第5688906号;第5679763号;第5410630号;Macromolecules 1996,29(7),2365;Macromolecules 2001,34,235;Chem.Phys.1999,245,487;Chem.Phys.1999,245,35;Polymer 1999,40(17),4923を参照。1)この発色団を重合体マトリックスに共有結合的または非共有結合的に取り込むこと;2)この重合体マトリックスを選択した温度で維持して、効果的な発色団移動度が得られるようにすること;および3)この発色団を重合体マトリックス内で極性整列するのに充分な電場を加えること。
【0148】
この重合体マトリックスを架橋すると、このマトリックス内での発色団の長期的な配向安定性(すなわち、極性整列)が向上することは、当上記技術分野でさらに知られている;また、長期的な配向安定性により、それらの材料がEO活性である時間が効果的に長くなる。本発明の発色団は、3つの方法のいずれか1つで、架橋可能重合体マトリックスに取り込まれ得る:1)この発色団を架橋可能重合体に非共有結合的に取り込むこと;2)この発色団を重合体に共有結合的に取り込むことであって、ここで、この重合体は、別個に、架橋可能である;および3)反応性発色団を重合体に共有結合的に取り込むことであって、それにより、この重合体を架橋可能にする。酸、塩基、熱、UV光照射、可視光照射および電子線照射により誘発される適当な架橋プロセスは、当業者に周知である。
【0149】
発色団(これはまた、上記のように、任意の受容体、π架橋および/または追加供与体を含有する)に取り込まれ得る特定のD基には、本明細書中で記述した図のいずれかで図示されたD基(以下の構造のD基を含めて)の各々が挙げられるが、これらに限定されない:
【0150】
【化75】


ここで、各出現例において、別個に、Rは、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;Rは、水素、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;Yは、O、SまたはSeである;mは、2、3または4である;pは、0、1または2である;そしてqは、0または1である。1実施態様では、Rは、1〜12個の炭素原子を含有する;Rは、水素であるか、または1〜12個の炭素原子を含有する;Yは、OまたはSである;mは、2、3または4である;pは、0、1または2である;そしてqは、0または1である。発色団中に存在し得る好ましいD基は、以下の構造を有する:
【0151】
【化76】


発色団(これはまた、本明細書中で記述したような任意の供与体、受容体または追加π架橋を含有する)に取り込まれ得る特定のπ架橋には、以下の構造のπ架橋が挙げられるが、これらに限定されない:
【0152】
【化77】


ここで、各出現例において、別個に、Zは、O、S、Se、NR、C(Rまたは−C(R)=C(R)−である;pは、0、1または2である;oは、0、1または2である;o+pは、少なくとも1である;Rは、水素、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;
は、
【0153】
【化78】


である;そしてqは、0または1である。π架橋(πおよびπを含めて)に対する特定の構造には、以下がある:
【0154】
【化79】


ここで、各出現例において、別個に、Rは、水素、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;Zは、O、S、Se、NR、C(Rまたは−C(R)=C(R)−である;pは、0、1または2である;oは、0、1または2である;o+pは、少なくとも1である;そしてqは、0または1である。1局面では、πおよびπの各々は、−CH=CH−である。
【0155】
発色団(これはまた、本明細書中で記述したような1個またはそれ以上の供与体(D)およびπ架橋を含有する)に取り込まれ得る特定のA基には、以下の構造のA基を含めて、本明細書中で記載した図面のいずれかで図示されているA基の各々が挙げられる:
【0156】
【化80】


ここで、各出現例において、別個に、Rは、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;Rは、水素、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;Yは、O、SまたはSeである;そしてqは、0または1である。必要に応じて、Rは、1〜12個の炭素を含有する;Rは、水素であるか、または1〜12個の炭素原子を含有する;Yは、OまたはSである;そしてqは、0または1である。特に好ましいA基は、次式を有する:
【0157】
【化81】


種々の局面では、発色団は、Rが、アルキルおよび/またはアリールおよび/またはヘテロアルキルおよび/またはヘテロアリール(それらの各々の組合せおよび全ての組合せを含めて)であることを特定し得る。必要に応じて、R基は、疎水性であるか、あるいは、R基は、親水性である。必要に応じて、R基は、飽和であるか、あるいは、R基は、不飽和である。このR基は、本発明の種々の局面において、1〜6個の炭素を有するか、または7〜12個の炭素を有するか、または13〜22個の炭素を有し得る。
【0158】
本明細書中で記述した発色団中のnの値は、1、または2、または3、または4であり得るか、それらの各々の組合せおよび全ての組合せ(例えば、2または3)であり得る。1局面では、発色団中のXは、Oであるのに対して、他の局面では、Xは、Sである。
【0159】
本発明の1発色団では、πおよびπが、
【0160】
【化82】


であり、そしてAが、
【0161】
【化83】


を含む本明細書中に示される受容体のいずれかであり、ここで、Rが、各出現例において、別個に、アルキル、アリールまたはヘテロアリールである。
【0162】
本明細書中で記述した発色団は、そのπ架橋の部分だけでなく供与体基および受容体基が必要に応じて選択される特定の構造、例えば、以下の構造の発色団を有し得る:
【0163】
【化84】


この場合、D基およびA基は、本明細書中で示した供与体基および受容体基のいずれかであり得、そしてπ架橋は、本明細書中で示したπ架橋のいずれかであり得る。例えば、Dは、以下からなる群から選択され得る:
【0164】
【化85】


πおよびπは、別個に、以下であり得る:
【0165】
【化86】


そしてAは、以下からなる群から選択され得る:
【0166】
【化87】


ここで、Xは、OまたはSである;Rは、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;nは、1、2、3または4である;Rは、水素、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;Yは、O、SまたはSeである;Zは、O、S、Se、NR、C(Rまたは−C(R)=C(R)−である;Zは、
【0167】
【化88】


である;qは、0または1である;pは、0、1または2である;oは、0、1または2である;o+pは、少なくとも1である;そしてmは、2、3または4である。
【0168】
ある場合には、本発明は、一般に1個またはそれ以上のA、Dおよび/またはπ架橋を含有する発色団を記述する。例えば、発色団は、以下の構造を有するように記述され得る:
【0169】
【化89】


ここで、各出現例において、別個に、Dは、以下のものの電子親和性に比べて低い電子親和性を有する電子供与性基である:
【0170】
【化90】


πは、存在しないか、またはDとπに隣接した二重結合との間で電子共役を与える架橋である;そしてRは、アルキル、アリール、ヘテロアルキルまたはヘテロアリールである。この場合、A、Dおよび/またはπ架橋は、本明細書中で記述したA、Dおよび/またはπ架橋のいずれか(図面で記述したものを含めて)であり得る。一例として、Dおよび1個またはそれ以上のπ架橋を含有するように定義した発色団では、Dは、以下から選択され得る:
【0171】
【化91】


そしてπは、以下から選択され得る:
【0172】
【化92】


例えば、本発明は、以下の構造を有する発色団を提供する:
【0173】
【化93】


ここで、各出現例において、別個に、Rは、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;Rは、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;そしてXは、OまたはSである。例えば、Rは、−(CHOH、−(CHOR、−(CHSH、−(CHCOEt、−(CHCOH、−(CHNH、−(CHCN、−(CHハロゲンまたは−COCOCF=CFであり得、ここで、wは、1〜12の整数である;そしてRは、水素、R、パーフルオロアルキル、SiR、Si(CHt−BuまたはSi(i−Pr)であり得る。
【0174】
他の例として、本発明は、以下の構造を有する発色団を提供する:
【0175】
【化94】


ここで、各出現例において、別個に、Rは、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;Rは、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである;そしてXは、OまたはSである。例えば、Rは、−(CHOH、−(CHOR、−(CHSH、−(CHCOEt、−(CHCOH、−(CHNH、−(CHCN、−(CHハロゲンまたは−COCOCF=CFであり得、ここで、wは、1〜12の整数である;そしてRは、水素、R、パーフルオロアルキル、SiR、Si(CHt−BuまたはSi(i−Pr)であり得る。
【0176】
さらに他の例では、本発明は、以下の構造を有する発色団を提供する:
【0177】
【化95】


ここで、Rは、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルであり、そしてRは、水素、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである。
【0178】
さらに他の例では、本発明は、以下の構造を有する発色団を提供する:
【0179】
【化96】


ここで、Rは、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルであり、そしてRは、水素、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルである。
【0180】
架橋可能マトリックスで使用できる本発明の発色団は、一般式CMで表わされる:
【0181】
【化97】


ここで、Eは、D1、D2、B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7、Al、MAC、MDCおよびMDACからなる群から選択される本発明の発色団である;n=1〜24である;そして少なくとも1個のLは、化学反応基であり、これは、架橋可能重合体に取り込むことができるか、または架橋プロセスで直接使用できるか、いずれかである。L基は、形式上、Eの任意の水素をLとの結合で置換することにより、発色団Eに接合されているように見える。
【0182】
好ましくは、本発明は、架橋可能発色団マトリックス(CM1)を提供し、ここで、Eは、D1、B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7、Al、MAC、MDCおよびMDACからなる群から選択される本発明の発色団である;Lには、熱架橋可能な−OCFCF(TFVE)が挙げられる;n=1〜24である;D、πまたはAの少なくとも1個は、重合体に結合される;そしてD、πまたはAは、L、ハロゲン、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルでさらに置換され得る。
【0183】
CM1のようなマトリックスは、以下の工程を包含する一般方法に従って調製され架橋され得る:1)このTFVE含有発色団を、光学品質フィルムが得られる程度まで、また、この発色団がそのTFVE基の架橋温度より低い温度でその重合体中で依然として移動できる程度まで、TFVE含有スペーサ/架橋剤でまたはそれなしで、TFVE含有発色団と重合または共重合される、工程;2)当業者に公知の方法により、光学品質フィルムを製造する工程;3)このフィルムを、残留溶媒が選択レベルまで低下するのに充分に長く加熱する工程;4)この共重合体を、発色団の移動性を高める選択温度まで加熱する工程;5)この重合体フィルムに、EO活性を誘発するのに充分な電圧を加える工程;および6)この重合体を熱硬化温度まで加熱する工程。
【0184】
TFVE基を含有するCM1のような材料は、以下の有利な特性を生じ得る:1)架橋したとき、かなり高いガラス転移温度;2)C−F結合の濃度が高いことが原因の高い光透過性(これは、1.3μmおよび1.55μmでのC−Hオーバートーンにより引き起こされる光損失を最小にする);および3)これらの発色団の合成汎用性に起因する特性の向上。本発明の一部の実施態様には、その主鎖にフッ素付加した重合体および/またはその重合体主鎖にペンダントした基を有する重合体が挙げられる。この主鎖にフッ素付加を含めると、長期的な時間安定性および熱安定性の両方が向上する傾向にある。このTFVE基の調製、分子への取り込みおよび架橋化学反応は、当上記技術分野で公知である。米国特許第4,423,249号、第5,021,602号、J.Am.Chem.Soc.2001,121,986,Organometallics 1996,17,783,Macromolecules 1996,29,852およびChem.Mater.2000,12,1187を参照。
【0185】
CM1マトリックスの1実施態様は、図16Aで示したようにして調製され得るが、これは、本発明の範囲を限定するつもりはない:1)式B3の発色団は、TFVE含有酸塩化物でエステル化され、次いで、酸脱保護されて、ジオールを得る;2)このジオールは、選択した二酸塩化物と重合されて、選択した平均分子量を有する重合体を得る;そして3)その有効架橋温度まで加熱することにより、このTFVE基を架橋する。図13Bでは、代表的な二酸構造が示されており、これは、本発明の範囲を限定するつもりはなく、本発明の追加実施態様で使用できる。当業者は、本発明の範囲内で、図16Aで開示したような方法により合成できるCM1発色団マトリックスの多くの可能な異形が存在していることを認識している。
【0186】
CM1マトリックスの他の実施態様は、図14で示したようにして調製され得るが、これは、本発明の範囲を限定するつもりはない:1)式B3のトリオール発色団は、TFVE含有デンドロン酸塩化物で三重にエステル化される;2)選択した粘度に対して小さい世代のデンドリマーの任意の重合工程であって、この場合、その発色団は、選択した温度で、効果的に移動性である;3)デンドリマーまたはプレ重合デンドリマーのスピン塗装;および4)その効果的な架橋温度への加熱。当業者は、本発明の範囲内で、図17で開示したような方法により合成できるCM1発色団マトリックスの多くの可能な異形が存在していることを認識している。
【0187】
それゆえ、種々の実施態様では、本発明は、以下を提供する:
以下の一般式CMで表わされる発色団マトリックス:
【0188】
【化98】


ここで、Eは、D1、B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7、Al、MAC、MDCおよびMDACからなる群から選択される本発明の発色団である;n=1〜24である;そして少なくとも1個のLは、化学反応基であり、これは、架橋可能重合体に取り込むことができるか、または架橋プロセスで直接使用できるか、いずれかである;
CM(CM1)のような発色団マトリックスであって、ここで、Eは、D1、B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7、Al、MAC、MDCおよびMDACからなる群から選択される本発明の発色団である;Lには、熱架橋可能なTFVE基が挙げられる;n=1〜24である;D、πまたはAの少なくとも1個は、重合体に結合される;そしてD、πまたはAは、L、ハロゲン、アルキル、アリールまたはヘテロアルキルでさらに置換され得る;
発色団を重合体マトリックスに共有結合的または非共有結合的に取り込んだ組成物であって、ここで、この発色団は、D1、D2、B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7、Al、MAC、MDC、MDAC、CMおよびCM1からなる群から選択される;
以下の工程を包含する方法:1)この発色団を重合体マトリックスに共有結合的または非共有結合的に取り込む工程であって、ここで、この発色団は、D1、D2、B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7、Al、MAC、MDCおよびCM1からなる群から選択される;2)効果的な発色団移動性を与える選択温度でこの重合体マトリックスを維持する工程;および3)必要に応じて、この重合体マトリックスにおいて、この発色団の双極子整列を誘発するのに充分な電場を加える工程;および
以下の工程を包含する方法:1)一般式CMまたはCM1の発色団マトリックスを提供する工程;2)この発色団マトリックスを選択した温度で維持して、効果的な発色団移動度が得られるようにする工程;3)この発色団を重合体マトリックス内で極性整列するのに充分な電場を加える工程;および4)この発色団マトリックスに含まれる反応性基を架橋する工程。
【0189】
本発明の材料および方法は、種々の電気光学(EO)用途で有用であり得る。それに加えて、これらの材料および方法は、高分子トランジスタまたは他の能動または受動電子デバイスだけでなく、OLED(有機発光ダイオード)またはLCD(液晶表示装置)の用途に適用され得る。
【0190】
集積光学機器および光通信システム(これは、光ファイバーおよびルータを含有する)で有機重合体を使用することは、以前に開示されている。本発明の化合物、分子成分、重合体、組成物など(以下、「材料」)は、殆どの種類の集積光学機器、光演算用途および光通信システムにおいて、現在使用されている材料(例えば、ニオブ酸リチウム)に代えて使用され得る。例えば、本発明の材料は、スイッチ、変調器、導波管または他の電気光学デバイスに製作され得る。
【0191】
例えば、本発明の材料から製作した光通信システム装置には、光通信システムに対して、ルータが組み込まれ得、または光通信システムまたは光学スイッチまたは光演算用途に対して、導波管が組み込まれ得る。これらの材料は、一般に、現在使用されている材料よりもそれほど要求条件が厳しくないので、このような重合体から製造した装置は、米国特許第6,049,641号(その内容は、本明細書中で参考として援用されている)で記述されているように、ずっとよく統合され得る。さらに、このような材料は、米国特許第5,911,018号(その内容は、本明細書中で参考として援用されている)で記述されているように、定期的に電極化した用途だけでなく、ある種の表示装置で使用され得る。
【0192】
光透過性材料から光通信システムの部品を調製する技術は、以前に記述されており、また、本発明に従って材料からこのような部品を作製するのに使用され得る。多くの論文および特許は、適当な技術を記載しており、また、適当な技術を記載した他の論文および特許を参照しており、以下の論文および特許は、代表的なものである:
【0193】
【表1】




それゆえ、前述の参考文献は、例えば、直接フォトリゾグラフィ、反応イオンエッチング、エキシマーレーザー切除、成形、通常のマスクフォトリソグラフィー、切除レーザーライティングまたはエンボス加工(例えば、ソフトエンボス加工)を使用して、本発明の材料から導波管を製作する指示および指針を提供する。前述の参考文献はまた、本発明の発色団に取り込まれ得る電子受容体、電子供与体および電子架橋を開示しており、これらの発色団はまた、本発明の電子受容体および/または電子供与体および/または電子架橋を取り込む。
【0194】
本発明の材料を使って全体的または部分的に製作され得る光通信システムの部品には、直線導波管、曲管、単一モードスプリッタ、結合器(方向性結合器、MMI結合器、スター結合器を含めて)、ルータ、フィルター(波長フィルターを含めて)、スイッチ、変調器(光学変調器および電気光学変調器(例えば、複屈折変調器、Mach−Zender干渉計、および方向性エバネセント結合器))、アレイ(例えば、長波長高密度波長アレイを含めて)、光学インタコネクト、オプトチップス(optochips)、単一モードDWDM部品および回折格子が挙げられるが、これらに限定されない。図18は、このような1部品を図示しており、これは、Mach−Zehnder変調器(1)であり、この変調器は、入力側(5)、出力側(20)、2本のレッグ(10a、10b)(これらは、共に、この入力側および出力側に連結されている)および電極(15)(これは、これらのレッグのうちの1本の近くに位置している)を有する。例示した変調器またはスイッチは、Mach−Zender型の構造に基づいているが、他の変調器またはスイッチ構造(例えば、Y分枝構造、エバネセント連結構造または制御損失構造)は、本発明の範囲内であり得る。
【0195】
本発明の材料は、例えば、垂直空洞面放射レーザー(VCSEL)およびCMOS技術で適用されるように、例えば、ウエハレベルプロセシングと併用され得る。
【0196】
多くの用途では、本発明の材料は、ニオブ酸リチウム、ヒ化ガリウムおよび他の無機材料(これらは、現在、光通信システムにおける光透過性材料としての用途がある)の代わりに使用され得る。
【0197】
本発明の材料は、電気通信、データ伝送、信号プロセシング、情報プロセシングおよびレーダーシステム装置で使用され得、それゆえ、少なくとも部分的に情報の光伝送に依存した通信方法で使用され得る。それゆえ、本発明の方法は、光により情報を伝送する工程を包含し、この場合、この光は、少なくとも部分的に、本明細書中で記述した材料を通って、伝送される。
【0198】
種々の実施態様では、本発明の構造および装置は、以下の部分を含むことができる:
EOデバイスであって、上記EOデバイスは、本発明の発色団、組成物、またはプロセスにより調製した組成物の少なくとも1種を含有する;
導波管であって、上記導波管は、本発明の発色団、組成物、またはプロセスにより調製した組成物の少なくとも1種を含有する;
光学スイッチであって、上記光学スイッチは、本発明の発色団、組成物、またはプロセスにより調製した組成物の少なくとも1種を含有する;
光変調器であって、上記光変調器は、本発明の発色団、組成物、またはプロセスにより調製した組成物の少なくとも1種を含有する;
光結合器であって、上記光結合器は、本発明の発色団、組成物、またはプロセスにより調製した組成物の少なくとも1種を含有する;
光ルータであって、上記光ルータは、本発明の発色団、組成物、またはプロセスにより調製した組成物の少なくとも1種を含有する;
通信システムであって、上記通信システムは、本発明の発色団、組成物、またはプロセスにより調製した組成物の少なくとも1種を含有する;
データ伝送方法であって、上記方法は、本発明の発色団、組成物、またはプロセスにより調製した組成物の少なくとも1種を通って光を透過させる工程を包含する;
電気通信方法であって、上記方法は、本発明の発色団、組成物、またはプロセスにより調製した組成物の少なくとも1種を通って光を透過させる工程を包含する;
光透過方法であって、上記方法は、本発明の発色団、組成物、またはプロセスにより調製した組成物の少なくとも1種を通ってまたは経由して光を向ける工程を包含する;
光学システムを通って光を送る方法であって、上記方法は、本発明の発色団、組成物、またはプロセスにより調製した組成物の少なくとも1種を通ってまたは経由して光を透過させる工程を包含する;
以下の部分を含む、干渉光学変調器またはスイッチ:1)入力導波管;2)出力導波管;3)第一レッグであって、上記第一レッグは、第一末端および第二末端を有し、上記第一末端で上記入力導波管に連結され、そして上記第二末端で上記出力導波管に連結されている、第一レッグ;および4)第二レッグであって、上記第二レッグは、第一末端および第二末端を有し、上記第一末端で上記入力導波管に連結され、そして上記第二末端で上記出力導波管に連結される、第二レッグ。ここで、上記第一および第二レッグの少なくとも1本は、D1、B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7、Al、MAC、MDC、MDAC、CMおよびCM1からなる群から選択される本発明の組成物を含む。
【0199】
以下の部分を含む、干渉光学変調器またはスイッチ:1)入力;2)出力;3)第一導波管であって、上記第一導波管は、上記入力と上記出力との間で伸長している、第一導波管;および4)第二導波管であって、上記第二導波管は、上記第一導波管と整列しており、そして上記第一導波管とエバネセントカップリングするように位置している、第二導波管;ここで、上記第一および第二レッグの少なくとも1個は、D1、B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7、Al、MAC、MDC、MDAC、CMおよびCM1からなる群から選択される本発明の組成物を含む。上記変調器またはスイッチは、上記第一および第二導波管を通る電場を生成するように位置している電極をさらに含む。
【0200】
本発明の光ルータは、複数のスイッチを含み、ここで、各スイッチは、以下の部分を含む:1)入力;2)出力;3)第一導波管であって、上記第一導波管は、上記入力と上記出力との間で伸長している、第一導波管;および4)第二導波管であって、上記第二導波管は、上記第一導波管と整列しており、そして上記第一導波管とエバネセントカップリングするように位置している、第二導波管;ここで、上記第一および第二レッグの少なくとも1個は、D1、D2、B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7、Al、MAC、MDC、MDAC、CMおよびCM1からなる群から選択される本発明の組成物を含む。複数のスイッチは、必要に応じて、行列のアレイで配列され得る。
【0201】
さらに、本明細書中で記述した材料は、その材料を通る光波の相を制御するデバイスまたは方法に適用され得る。ある用途では、この光波が進む導波管のセットを横切って、電場が加えられる。これらの電場を制御すると、これらの光波の相対的な位相が制御できるようになる。このような手法は、代替導波管を通る光波のフェイズドアレイビームステアリング(phased−array beam steering)または位相マッチングのような用途で、特に有用であり得る。
【0202】
以下の実施例は、本発明を説明するが、その限定であるとは解釈されない。
【0203】
(実施例)
(実施例1)
工程A 図式19で図示したように、3,4−ジブトキシチオフェン(12g、0.053mol)(Syn.Comm.1996,26,2205)、DMF(8.14mL、0.105mol)および1,2−ジクロロエタンをフラスコに入れ、そして0℃まで冷却した。POCl(7.83mL、0.084mol)を滴下した。この反応混合物を2時間還流し、次いで、酢酸ナトリウム溶液(1N)に注いだ。ワークアップ後、そのオイルを、酢酸エチル/ヘキサンを使うカラムクロマトグラフィーにより精製した。収率90%で、そのアルデヒド生成物12.17gを得た。
【0204】
工程B [(4−N,N−ジエチルアミノフェニル)メチル]トリフェニルホスホニウムブロマイド(17g、0.034mol)およびTHF(300mL)をフラスコに入れ、そして−40℃まで冷却した。BuLiのヘキサン溶液(2.5M、13.5mL、0.034mol)を滴下し、その混合物を、室温で、30分間攪拌した。次いで、上記工程Aで調製したアルデヒド(6.15g、0.024mol)のTHF(40mL)溶液を添加し、そして室温で、4時間攪拌した。ワークアップ後、それを、酢酸エチル/ヘキサンを使うカラムクロマトグラフィーにより精製した。そのD−B3生成物9.5gを得た。
【0205】
工程C このD−B3生成物(9.5g、0.024mol)、DMF(3.0mL、0.038mol)および1,2−ジクロロエタンをフラスコに入れ、そして0℃まで冷却した。POCl(5.1g、0.033mol)を滴下し、その混合物を2時間還流した。次いで、それを、酢酸ナトリウム溶液に注いだ。ワークアップ後、その固形物を、酢酸エチル/ヘキサンを使うカラムクロマトグラフィーにより精製した。そのD−B3アルデヒド生成物4.0gを得た。2工程を会わせた収率は、39%である。
【0206】
工程D 工程Cで調製したD−B3アルデヒド(2g、4.66mmol)、(ジシアノビニリデン)シアノフラン受容体(1.2g、6.05mmol)、ピペリジン(1滴)およびクロロホルム(10mL)をフラスコに入れ、そして5時間還流した。その溶媒を減圧下にて除去し、その固形物を、塩化メチレン/ヘキサンを使う再結晶および酢酸エチル/塩化メチレン/ヘキサンを使うカラムクロマトグラフィーにより精製した。収率53%で、そのD−B3−A発色団1.5gを得た。
【0207】
(実施例2)
工程A 図20で図示したように、3,4−ジブロモ−2−チオフェンカルボアルデヒド(35g、0.137mol)およびメタノール(120mL)をフラスコに入れた。NaBH(1.93g、0.051mol)を2M NaOH溶液(2.7mL)に溶解することにより、溶液を製造し、これを、水25mLで希釈した。0℃で、このフラスコに上記溶液を滴下し、そして室温で、2時間攪拌した。ワークアップ後、収率98%で、そのアルコール生成物34.5gを得た。
【0208】
工程B 工程Aから得たアルコール生成物(34.5g、0.134mol)、PPh・HBr(41.3g、0.12mol)およびクロロホルム(140mL)を、ディーン−スターク装置を備えたフラスコに入れた。この混合物を2時間還流し、次いで、その溶媒を減圧下にて除去した。その固形物をクロロホルムに再溶解し、そしてエチルエーテルで沈殿させた。収率69%で、そのホスホニウム塩生成物48.6gを得た。
【0209】
工程C 工程Bから得たホスホニウム塩(30g、0.051mol)およびTHF(600mL)をフラスコに入れ、そして−40℃まで冷却した。BuLiのヘキサン溶液(2.5M、22.6mL、0.057mol)を滴下し、その混合物を、室温で、30分間攪拌した。次いで、4−N,N−ジ[(2−tert−ブチルジメチル−シリロキシ)エチル]アミノベンズアルデヒド(17.3g、0.040mol)のTHF(100mL)溶液を添加し、そして室温で、4時間攪拌した。ワークアップ後、それを、酢酸エチル/ヘキサンを使うカラムクロマトグラフィーにより精製した。収率76%で、そのD−B3生成物20gを得た。
【0210】
工程D 上記D−B3生成物(19.5g、0.029mol)、DMF(4.1mL、0.053mol)および1,2−ジクロロエタンをフラスコに入れ、そして0℃で冷却した。POCl(7.2g、0.047mol)を滴下し、その混合物を2時間還流した。この生成物混合物を室温まで冷却した後、HCl溶液を添加し、2時間攪拌した。次いで、それを酢酸エチル溶液に注いだ。ワークアップ後、そのD−B3アルデヒド生成物13.5gを得た。
【0211】
工程E 工程Dから得たD−B3アルデヒド(9g、19.5mmol)、(ジシアノビニリデン)シアノフラン(7.77g、39mmol)、ピペリジン(1滴)およびクロロホルム(30mL)をフラスコに入れ、そして5時間還流した。その溶媒を減圧下にて除去し、その固形物を、塩化メチレン/ヘキサンを使う再結晶および酢酸エチル/塩化メチレン/ヘキサンを使うカラムクロマトグラフィーにより精製した。収率48%で、そのD−B3−A発色団6.0gを得た。
【0212】
(実施例3)
工程A 図21で図示したように、3−メルカプト−3−メチル−2−ブタノン(5g、0.042mol)(Inorg.Chem.1998,37,5722)、マロノニトリル(5.9g、0.089mol)およびエタノール(120mL)を、ソックスレー(これには、モレキュラーシーブを充填した)を備えたフラスコに入れた。触媒量のLiを添加し、その混合物を8時間還流した。それを、次いで、室温まで冷却し、固形物を沈殿して除いた。この固形物を濾過により集めた。その濾液を濃縮し、そしてフリーザーに入れて、さらに多くの固形物を集めた。収率58%で、そのA1受容体を合わせて5.3gで得た。
【0213】
工程B D−πアルデヒド(2g、3.42mmol)、A1受容体(0.8g、3.72mmol)およびナトリウムエトキシド15mgを、無水エタノール40mlに溶解した。この混合物を、還流下にて、4時間攪拌した。その沈殿物を濾過により除き、そしてエタノールで洗浄して、このD−n−Al発色団1g(35.7%)を得た。
【0214】
(実施例4)
図18で図示したように、D−B3アルデヒド(1.8g、4.19mmol)、A1受容体(1.17g、5.45mmol)、ピペリジン(1滴)およびクロロホルム(10mL)をフラスコに入れ、そして5時間還流した。その溶媒を減圧下にて除去し、その固形物を、塩化メチレン/ヘキサンを使う再結晶および酢酸エチル/塩化メチレン/ヘキサンを使うカラムクロマトグラフィーにより精製した。収率69%で、そのD−B3−A発色団1.8gを得た。
【0215】
(実施例5)
図19で図示したように、D−B3アルデヒド(4.5g、9.75mmol)、Al受容体(4.2g、19.5mmol)、ピペリジン(1滴)およびクロロホルム(15mL)をフラスコに入れ、そして5時間還流した。その溶媒を減圧下にて除去し、その固形物を、塩化メチレン/ヘキサンを使う再結晶および酢酸エチル/塩化メチレン/ヘキサンを使うカラムクロマトグラフィーにより精製した。収率47%で、そのD−B3−A発色団3.0gを得た。
【0216】
(実施例6)
表I:「CLD発色団」(エントリー1)、本発明のD−n−A1(エントリー2)発色団および本発明のD−B3−A(エントリー3)発色団の光化学安定性データ。ポリカーボネート(PC)およびポリメタクリル酸(メチル)(PMMA)マトリックスで研究を行った。その安定性の数値は、400ワットハロゲンランプに照射したときの1分あたりの吸収極大の減少パーセントとして報告している(すなわち、数値が小さいほど、光化学安定性が高い)。
【0217】
【表2】


(実施例7)
以下の工程は、図24で図示されている。
【0218】
工程A 公開された文献(Stephan,O.ら、J.Electroanalytical Chem.443,1998,217)に従って、2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イルメタノール(1)を調製した。
【0219】
工程B tert−ブチル−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イルメトキシ)−ジメチル−シラン(2)の調製。1(20g、0.116mole)、イミダゾール10.212g(0.15mole)およびt−ブチルジメチルシリルクロライド33.16g(0.22mole)を、無水ジメチルホルムアミド100mlに溶解した。この反応混合物を、室温で、12時間攪拌し、その時点で、この混合物から沈殿物を濾過し、そして捨てた。残留している溶液をクロロホルム1Lと合わせ、そして水1Lに添加した。その有機層を分離し、そして水でさらに2回洗浄した。次いで、この有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、その溶媒を減圧下にて除去した。その生成物を分別蒸留すると、2(23g、収率69%)を得ることができる。
【0220】
工程C 3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−5−カルボアルデヒド(3)の調製。注射器を経由して、窒素パージした丸底フラスコに収容された2(32g、0.111mole)に、無水テトラヒドロフラン250mLを添加する。その溶液を、ドライアイス−アセトン浴を使用して、−40℃まで冷却する。この溶液を、−40℃で、30分間攪拌し、その時点で、BuLiの2.5Mヘキサン溶液60mlを滴下する。この溶液を、−40℃で、30分間攪拌し、続いて、ジメチルホルムアミド14.62g(0.2mole)を添加する。この溶液を室温まで暖め、1時間攪拌した。この溶液を等量のクロロホルムに注ぎ、そして水(3×)で抽出する。その有機相をMgSOで乾燥し、濾過し、そして減圧下にて、溶媒を除去して、粘稠な赤色オイルを得る。この化合物を、ヘキサン/酢酸エチル移動相を使うシリカカラム上で精製すると、17g(収率49%)が得られる。
【0221】
工程D (4−{2−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ−メチル)−2,3−ジヒドロ−チエニル[3,4−b][1,4]ジオキシン−5−イル]−ビニル}−フェニル)−ジエチル−アミン(4)の調製。ジエチル−{4−[(トリフェニルホスフィンブロマイド)−メチル]−フェニル}−アミン10.47(0.021mole)gに、無水テトラヒドロフラン25mLを添加した。その懸濁液を−40℃まで冷却し、そして30分間攪拌した。この懸濁液に、2.5M BuLi(8.4mL)を滴下し、それは、15分間のうちに、深赤色溶液に変わった。室温で、1時間のうちに、添加漏斗を経由して、3(6.6g、0.021mole)のテトラヒドロフラン溶液25mLを添加した。この溶液を、さらに2時間攪拌した。この溶液を等量のクロロホルムに注ぎ、そして水(3×)で抽出した。その有機相をMgSOで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下にて除去して、粘稠なオイルを得た。この化合物を、ヘキサン/酢酸エチル移動相を使うシリカカラム上で精製して、4(3.4g、収率35%)を得た。
【0222】
工程E 3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−7−[2−(4−ジエチルアミノ−フェニル)−ビニル]−2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−5−カルボアルデヒド(5)の調製。注射器を経由して、窒素パージした丸底フラスコに収容された4(3.4g、0.0074mole)に、無水テトラヒドロフラン60mLを添加する。その溶液を、0℃まで冷却する。この溶液を、0℃で、60分間攪拌し、その時点で、BuLiの2.5Mヘキサン溶液3.2mlを滴下する。この溶液を、0℃で、15分間攪拌し、続いて、無水ジメチルホルムアミド0.697mL(0.009mole)を添加する。この溶液を室温まで暖め、一晩攪拌した。そのテトラヒドロフランを減圧下にて除去し、得られた物質をクロロホルム500mLに吸収した。その有機層を、水で3回洗浄し、MgSOで乾燥し、次いで、溶媒を減圧下にて除去する。この化合物を、ヘキサン/酢酸エチル移動相を使うシリカカラム上で精製する。
【0223】
工程F 2−[4−(2−{3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−7−[2−(4−ジエチルアミノ−フェニル)−ビニル]−2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−5−イル}−ビニル)−3−シアノ−5,5−ジメチル−5H−フラン−2−イリデン]−マロンニトリル(6)の調製。2−(3−シアノ−4,5,5−トリメチル−5H−フラン−2−イリデン)−マロンニトリル0.318g(0.0016mole)および5(0.640g、0.00131mole)に、無水クロロホルム20mLを添加した。一旦、溶液になると、トリメチルアミン10mgを添加し、その反応混合物を、室温で、12時間攪拌した。その溶媒を減圧下にて除去した。この化合物を、ヘキサン/酢酸エチル移動相を使うシリカカラム上で精製した。
【0224】
(実施例8)
以下の工程は、図25で図示されている。
【0225】
工程A 公開された文献(Stephan,O.ら、J.Electroanalytical Chem.443,1998,217)に従って、2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イルメタノール(図21の1)を調製した。
【0226】
工程B tert−ブチル−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イルメトキシ)−ジメチル−シラン(2)の調製。工程Aからの1(20g、0.116mole)、イミダゾール10.212g(0.15mole)およびt−ブチルジメチルシリルクロライド33.16g(0.22mole)を、無水ジメチルホルムアミド100mlに溶解した。この反応混合物を、室温で、12時間攪拌し、その時点で、この混合物から沈殿物を濾過し、そして捨てた。残留している溶液をクロロホルム1Lと合わせ、そして水1Lに添加した。その有機層を分離し、そして水でさらに2回洗浄した。次いで、この有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、その溶媒を減圧下にて除去した。その生成物を分別蒸留すると、2(23g、収率69%)を得ることができる。
【0227】
工程C 2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−5,7−ジカルボアルデヒド(3)の調製。注射器を経由して、窒素パージした丸底フラスコに収容された2(23g、0.080mole)に、無水テトラヒドロフラン150mLを添加する。その溶液を、ドライアイス−アセトン浴を使用して、−40℃まで冷却する。この溶液を、−40℃で、30分間攪拌し、その時点で、BuLiの2.0Mヘキサン溶液60mlを滴下する。この溶液を、−40℃で、30分間攪拌し、続いて、ジメチルホルムアミド15.49mL(0.2mole)を添加する。この溶液を室温まで暖め、1時間攪拌した。この溶液を等量のクロロホルムに注ぎ、そして水(3×)で抽出する。その有機相をMgSOで乾燥し、濾過し、そして減圧下にて、溶媒を除去して、粘稠な赤色オイルを得る。この化合物を、ヘキサン/酢酸エチル移動相を使うシリカカラム上で精製すると、10g(収率36%)が得られる。
【0228】
工程D 3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−7−(2−{4−[エチル−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−フェニル}−ビニル)−2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−5−カルボアルデヒド(4)の調製。2−(エチル−{4−[(トリフェニルホスフィンブロマイド)−メチル]−フェニル}−アミノ)−エタノール9.97g(0.019mol)に、無水テトラヒドロフラン50mLを添加した。その懸濁液を−40℃まで冷却し、そして30分間攪拌した。この懸濁液に、2.5M BuLi(16mL)を滴下し、それは、15分間のうちに、深赤色溶液に変わった。室温で、1時間のうちに、添加漏斗を経由して、3(6.56g、0.019mole)のテトラヒドロフラン溶液50mLを添加した。この溶液を、さらに2時間攪拌した。この溶液を等量のクロロホルムに注ぎ、そして水(3×)で抽出した。その有機相をMgSOで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下にて除去して、粘稠な赤色オイルを得た。この化合物を、ヘキサン/酢酸エチル移動相を使うシリカカラム上で精製して、4(7.2g、収率75%)を得た。
【0229】
工程E 2−(4−{2−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−7−(2−{4−[エチル−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−フェニル}−ビニル)−2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−5−イル]−ビニル}−3−シアノ−5,5−ジメチル−5H−フラン−2−イリデン)−マロノニトリル(5)の調製。2−(3−シアノ−4,5,5−トリメチル−5H−フラン−2−イリデン)−マロノニトリル1.99g(0.010mol)および4(2.92g、0.007mol)に、無水物15mLを添加した。一旦、溶液になると、ピペリジン5滴を添加し、その反応混合物を、還流状態で、攪拌した。2時間で、この反応は完結した。その粗反応混合物を水に注ぎ、等量をクロロホルムを添加した。その有機相を水で3回洗浄し、MgSOで乾燥し、そして濾過した。その溶媒を減圧下にて除去した。この化合物を、ヘキサン/酢酸エチル移動相を使うシリカカラム上で精製して、5(1.5g、収率37.5%)を得た。
【0230】
前述のことから、本明細書中では、例示の目的のために、本発明の特定の実施態様が記述されているものの、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、種々の改良を行い得ることが分かる。従って、本発明は、添付の請求の範囲以外によっては限定されない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。


【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2012−123425(P2012−123425A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−69652(P2012−69652)
【出願日】平成24年3月26日(2012.3.26)
【分割の表示】特願2002−519445(P2002−519445)の分割
【原出願日】平成13年8月17日(2001.8.17)
【出願人】(512069393)ギグオプティックス, インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】