説明

電気光学装置および電子機器

【課題】信頼性を損なうことなく、高解像度を実現する。
【解決手段】データ線駆動回路200は、第1ドライバ群G1と第2ドライバ群G2に分割される。第1ドライバ群G1の一方の端部にはドライバDrkが配置され、第2ドライバ群G2の一方の端部にはドライバDrk+1が配置される。第1ドライバ群G1の一方の端部と第2ドライバ群G2の一方の端部は隣接する。制御回路300は、配線Sp1を介して第1出力画像データDO1をドライバDrkに供給して第1ドライバ群G1の配列の他方の端部に向けて伝送するとともに、配線Sp2を介して第2出力画像データDO2をドライバDrk+1に供給して第2ドライバ群G2の配列の他方の端部に向けて伝送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光ダイオード素子などの電気光学素子を利用した電気光学装置に関し、特に、電気光学素子の階調を指定する画像データを伝送する回路に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置や表示装置等の電子機器には、有機発光ダイオード素子などの電気光学素子が配列された電気光学装置が広く利用されている。一般的に、基板(以下、「電気光学基板」という)には多数の電気光学素子が配列されるとともに、各電気光学素子の発光を制御するための複数のドライバICが実装される。例えば、特許文献1に記載の電気光学装置においては、複数のドライバICが電気光学基板の表面に実装され、各電気光学素子の階調を指定する画像データが各ドライバICへと順次伝送される構成が記載されている。各ドライバICは受信した画像データに基づいて各電気光学素子を駆動する信号を生成してデータ線に供給する。
【特許文献1】特開2001−174843号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、近年、電気光学装置の高精細化が急速に進みつつある。これに伴い、電気光学素子に駆動信号を供給するデータ線の本数が増加する傾向にある。一方、画像データは所定期間(例えば、1水平走査期間)内に総てのドライバICに対して伝送されることが必要である。このため、データ線の本数の増加に応じて画像データの転送レートを高速にする必要がある。しかしながら、電気光学基板上の配線には寄生容量および配線抵抗が付随し、等価的にはローパスフィルタとして作用する。しかも寄生容量および配線抵抗は大きい。このため、高周波な信号の伝送(信号の高速な伝送)には不向きである。転送レートが不足すると画像データが所定期間内に総てのドライバICに到達しない。その結果、データ線に画像データが供給されず電気光学素子が所期のタイミングで発光しないといったことが起こり得る。このような事情に鑑みて、本発明は、電気光学装置の信頼性を損なうことなく、高精細化を実現するという課題の解決を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以上の課題を解決するために、本発明に係る電気光学装置は、複数の電気光学素子が配列された第1基板(例えば、図1における電気光学基板10)と、各々が第1基板上に実装され、一方向に配列された複数のドライバIC(例えば、図4・図7・図8におけるドライバDr1〜Dr2k)と、各電気光学素子の階調を指定する出力画像データ(例えば、出力画像データDO)を複数のドライバICに供給する制御回路(例えば、制御回路300)とを具備し、複数のドライバICは第1ドライバ群(例えば、第1ドライバ群G1)と第2ドライバ群(例えば、第2ドライバ群G2)とに分割され、第1ドライバ群の一方の端部(例えば、第1ドライバ群G1の右端)と第2ドライバ群の一方の端部(例えば、第2ドライバ群G2の左端)とは隣接し、第1ドライバ群の一方の端部には第1ドライバIC(例えば、ドライバDrk)が配設され、第2ドライバ群の一方の端部には第2ドライバIC(例えば、ドライバDrk+1)が配設され、制御回路は、出力画像データのうち、第1ドライバ群によって駆動される各電気光学素子の階調を指定する出力画像データを第1出力画像データ(例えば、第1出力画像データDO1)として第1ドライバICに供給して第1ドライバ群の他方の端部に向けて(例えば、図4におけるDL方向に)伝送するとともに、第2ドライバ群によって駆動される各電気光学素子の階調を指定する出力画像データを第2出力画像データ(例えば、第2出力画像データDO2)として第2ドライバICに供給して第2ドライバ群の他方の端部に向けて(例えば、DR方向に)伝送する。
【0005】
ここで、電気光学基板上の配線は寄生容量および配線抵抗が大きいため、転送レートが高速になるほど(すなわち、信号が高周波になるほど)、信号波形の劣化が顕著となる。換言すれば、転送レートが遅いほど信号波形の劣化が抑制される。上記電気光学装置においては、制御回路は、出力画像データを2分割した上で第1ドライバ群と第2ドライバ群とに対して2系統で伝送する。詳細には、制御回路は、第1ドライバ群に含まれるドライバICによって駆動される各電気光学素子の階調を指定する第1出力画像データを第1ドライバ群に供給し、第2ドライバ群に含まれるドライバICによって駆動される各電気光学素子の階調を指定する第2出力画像データを第2ドライバ群に供給する。よって、1系統で出力画像データを伝送する方式と比較して、伝送するデータ量(第1出力画像データおよび第2出力画像データ各々のデータ量)が2分の1となるので、同じ解像度であれば転送レートが2分の1で足りる。したがって、電気光学装置の信頼性が向上する。
【0006】
また、電気光学装置を高精細化するとデータ線の本数が増加する。これらのデータ線に対しては、所定期間(例えば、1水平走査期間)内に出力画像データが供給される。上記電気光学装置においては出力画像データを分割して2系統で伝送するので、所定期間内に出力画像データの伝送が必要なデータ線の本数は、電気光学装置のデータ線の総数の半分となる。よって、転送レートを高速化せずとも高精細化が可能となる。あるいは、信号の正確な伝達を阻害しない範囲内で転送レートを高速化すれば、1系統で出力画像データを伝送する場合と比較して、実現可能な解像度数が増加する。したがって、電気光学装置の信頼性を損なうことなく高精細化が実現される。
【0007】
また、配線長(伝送距離)が長くなると信号波形の劣化が顕著となる。よって、例えば、出力画像データが電気光学基板の左から右に向けて伝送される場合、電気光学基板の右端に近い領域では所期の発光輝度が得られないといったことが起こり得る。その結果、左右で階調がばらつき、画質が劣化する。しかしながら、上記電気光学装置によれば、1系統で出力画像データを伝送する場合と比較して伝送距離が2分の1に短縮されるので、画質の劣化の程度が抑制される。よって、上記電気光学装置によれば、より高品位な画像が実現される。
【0008】
さらに、上記電気光学装置においては、1個の制御回路から第1ドライバ群と第2ドライバ群とに対して出力画像データが伝送される。また、第1ドライバ群の一方の端部と、第2ドライバ群の一方の端部は隣接し、これら隣接する端部に配置された第1ドライバIC(例えば、ドライバDrk)と第2ドライバIC(例えば、ドライバDrk+1)の各々に対して出力画像データが供給される。よって、例えば、2個の制御回路を設けて、一方の制御回路が第1ドライバ群の他方の端部(例えば、第1ドライバ群G1の左端)に位置するドライバIC(例えば、ドライバDr1)に第1出力画像データを入力し、他方の制御回路が第2ドライバ群の他方の端部(例えば、第2ドライバ群G2の右端)に位置するドライバIC(例えば、ドライバDr2k)に第2出力画像データを入力する構成と比較して、制御回路の個数が1個で済む。また、制御回路が実装されるプリント基板(例えば、図1におけるプリント基板30)や、第1基板とプリント基板との間に配置される中継フレキシブル基板(例えば、中継フレキシブル基板20)も1組でよい。よって、2個の制御回路を用いて出力画像データを2系統で伝送する場合と比較して、コストを抑制しつつ高解像度化の実現が可能となる。
【0009】
上記電気光学装置の好適な態様においては、第1ドライバ群と第2ドライバ群におけるドライバICの数を同数とすると共に、制御回路から第1ドライバICまでの配線距離と制御回路から第2ドライバICまでの配線距離とを略同一とする。よって、第1出力画像データが伝送される距離と第2出力画像データが伝送される距離とが略同一となるので、信号の遅延や劣化の程度が左右で略同一となる。したがって、左右で伝送距離が異なる構成と比較して高品位な画像が実現される。
【0010】
上記電気光学装置の好適な態様において、制御回路は第1基板上に制御ICとして実装される。この態様においては、電気光学素子が配列された第1基板(例えば、電気光学基板)に制御ICを実装するので、電気光学基板とは別の基板(例えば、プリント基板)に制御回路を実装する場合と比較して、プリント基板や、プリント基板と電気光学基板との間に介在する中継フレキシブル基板が不要となる。また、電気光学基板と中継フレキシブル基板、中継フレキシブル基板とプリント基板との2箇所で接続する代わりに、外部から入力される画像データを受信する入力端子を電気光学基板に形成して、画像データを供給する信号線と接続するのみでよい。よって、製造に関わるコストを抑制しつつ、電気光学装置の高精細化が実現される。この構成の具体例は第2実施形態として後述される。
【0011】
本発明の別の好適な態様において、制御ICは、第1出力画像データを第1ドライバICに出力する第1出力部(例えば、図5・図8における第1出力部300L)と、第2出力画像データを第2ドライバICに出力する第2出力部(例えば、第2出力部300R)とから構成され、制御ICを用いる代わりに、第1ドライバICと一体化された第1出力部が第1制御駆動IC(例えば、図8における第1制御駆動IC700L)として第1ドライバ群の一方の端部に配設され、第2ドライバICと一体化された第2出力部が第2制御駆動IC(例えば、第2制御駆動IC700R)として第2ドライバ群の一方の端部に配設される。この構成の具体例は第3実施形態として後述される。
【0012】
本態様の電気光学装置においては、制御回路の第1出力部と第1ドライバICを一体化して第1制御駆動ICとして第1基板(例えば、電気光学基板)上に実装する。また、第2出力部と第2ドライバICとを一体化して第2制御駆動ICとして電気光学基板上に実装する。したがって、制御ICとドライバICを別々に構成する場合と比較して実装するICチップの数が削減される。ICチップの数が削減されると、部品点数が減少してコストが節減される。また、ICチップと電気光学基板とを接続する接続端子の個数も減少するので、製造に関わる手間やコストが低減される。さらには、第1制御駆動ICにおいて第1出力部と第1ドライバICの内部回路(例えば、図9におけるドライバ部700Dの内部回路200A)とを結ぶ配線は接続端子を経由しないので、当該区間においては信号がより確実に伝送される。第2制御駆動ICにおいて第2出力部と第2ドライバICの内部回路とを結ぶ配線についても同様のことが云える。
【0013】
制御回路を第1基板(例えば、電気光学基板10)に制御ICとして実装する態様においては、好ましくは、第1基板の端部には、入力画像データ(例えば、図7における入力画像データDI)がシリアル形式で入力される入力端子(例えば、入力端子300b)が形成され、制御ICは、入力端子から供給されるシリアル形式の入力画像データをパラレル形式に変換して複数のドライバICに供給する。この態様においては、入力画像データはシリアル形式の信号なので、入力画像データが入力される入力端子は1個のみでよい。これに対し、第1基板上ではなくプリント基板上に制御回路を実装する場合には、パラレル形式の出力画像データが電気光学基板に入力されるので、複数個の入力端子(例えば、図5における300a1および300a2)が必要となる。本態様においては、制御回路は第1基板上に実装され、シリアル形式の入力画像データが外部から制御回路に対して供給されるので、入力端子の個数が削減される。入力端子の個数が減ると外部から接続される信号線の端子との接合に関わる手間が削減できる。
【0014】
同様に、制御回路の代わりに、第1制御駆動ICと第2制御駆動ICとを用いる態様においては、第1制御駆動ICに接続される入力端子(例えば、図8における入力端子300c1)にはシリアル形式の第1入力画像データ(例えば、第1入力画像データDI1)が供給され、第2制御駆動ICに接続される別の入力端子(例えば、入力端子300c2)には第2入力画像データ(例えば、第2入力画像データDI2)が供給される。よって、パラレル形式の出力画像データが第1基板に入力される場合と比較して、入力端子の個数が少なくて済む。したがって、制御回路を制御ICとして電気光学基板に実装する場合と同様の効果が得られる。
【0015】
本発明の好適な態様において、第1ドライバ群の相隣接するドライバIC間を結ぶ各配線および第2ドライバ群の相隣接するドライバIC間を結ぶ各配線(例えば、図4・図6における配線W)の全部または一部は、第1基板よりも単位面積当たりの配線抵抗が小さい第2基板(例えば、フレキシブル基板F)の表面に配設される部分を含む。好ましくは、第1制御駆動ICと後段のドライバIC(例えば、ドライバDrk-1)とを結ぶ配線もフレキシブル基板を経由してもよい。同様に、第2制御駆動ICと後段のドライバIC(例えば、ドライバDrk+2)とを結ぶ配線もフレキシブル基板を経由してもよい。第2基板の単位面積当たりの配線抵抗は第1基板よりも小さいから、第2基板を経由しない場合と比較して信号波形の鈍りを抑制することが可能となる。特に、多数のドライバDrが多段接続される構成においては寄生容量と配線抵抗が加重されるのでその効果は顕著となる。
【0016】
本発明の好適な態様において、複数のドライバICの各々は、クロック信号に基づいて開始パルスを順次シフトして排他的に有効となる複数のシフトパルスを出力するシフトレジスタと、複数のシフトパルスを用いて出力画像データを順次取り込み、取り込んだ出力画像データに基づいて各駆動信号を生成して複数のデータ線の各々に出力する信号生成手段とを備える。ここで、シフトレジスタは双方向に開始パルスをシフトするものであってもよいし、あるいは単方向にシフトするものであってもよい。前者の場合はシフト方向を指定する必要はあるが汎用品を用いることができる。後者の場合はシフト方向を指定する必要がない。
【0017】
本発明に係る電気光学装置は各種の電子機器に利用される。電子機器の典型例は、電気光学装置を感光体ドラムなどの像担持体の露光に利用した画像形成装置である。また、電気光学素子がマトリクス状に配列された電気光学装置は、パーソナルコンピュータや携帯電話機など各種の電子機器の表示装置として利用される。さらに、スキャナなどの画像読取装置においては、本発明に係る電気光学装置を原稿の照明に利用することが可能である。この画像読取装置は、本発明の電気光学装置と、電気光学装置から出射して読取対象(原稿)で反射した光を電気信号に変換する受光装置(例えばCCD(Charge Coupled Device)素子などの受光素子)とを具備する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
<A:第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る電気光学装置Dの概略構成を示す平面図である。図1に示されるように、電気光学装置Dの基板(以下、「電気光学基板」という)10の表面には、マトリクス状に配列する複数の画素回路400を含む画像領域Aが形成される。画像領域Aには、X方向に沿ってm本の走査線101およびm本の発光制御線102、これらと直交するn本のデータ線103とが形成される。画素回路400は、走査線101とデータ線103との交差に対応して配置される。
【0019】
図2は、画素回路400の構成を示す回路図である。図2に示されるように、各画素回路400は、電気光学素子Eと、トランジスタ401〜404と、容量素子Cとを含む。各電気光学素子Eは、電気的な作用に応じて階調が変化する要素である。本実施形態の電気光学素子Eは、有機EL(Electroluminescence)材料から形成された発光層とこの発光層を挟む陽極および陰極とを有する有機発光ダイオード素子であり、発光層に供給される電流に応じた輝度で発光する。各画素回路400には、電源電圧Vddが電源回路500から電源配線Lを介して供給される。
【0020】
トランジスタ401はpチャネルのTFT(薄膜トランジスタ)であり、駆動トランジスタとして機能する。トランジスタ402〜404はnチャネルのTFTであり、スイッチングトランジスタとして機能する。トランジスタ401のソース電極は電源配線Lに接続される一方、そのドレイン電極はトランジスタ403のドレイン電極とトランジスタ404のドレイン電極とトランジスタ402のソース電極とに各々接続される。
【0021】
容量素子Cの一端はトランジスタ401のソース電極に接続される一方、その他端はトランジスタ401のゲート電極とトランジスタ402のドレイン電極とに各々接続される。トランジスタ403のゲート電極は走査線101に接続され、ソース電極はデータ線103に接続される。トランジスタ402のゲート電極は走査線101に接続される。トランジスタ404のゲート電極は発光制御線102に接続され、ソース電極は電気光学素子Eの陽極に接続される。電気光学素子Eの陰極は、画素回路400のすべてに対して共通の電極であり、電源における低位の電位(基準電位)である。
【0022】
図3に走査信号Y(Y1〜Ym)と発光制御信号Vg(Vg1〜Vgm)のタイミングチャートの一例を示す。走査信号Y1は、1垂直走査期間(1F)の最初のタイミングから、1水平走査期間(1H)に相当する幅のパルスであって、1行目の走査線101に供給される。以降、このパルスを順次シフトして、2,3,…,p(pは、1≦p≦mを満たす整数)行目の走査線101の各々に走査信号Y2,Y3,…,Ymとして供給する。一般的にp行目の走査線101に供給される走査信号YpがHレベルになると、当該走査線101が選択されたことを示す。また、発光制御信号Vg1,Vg2,…,Vgmとしては、例えば、走査信号Y1,Y2,…,Ymの論理レベルを反転した信号を用いる。
【0023】
走査信号YpがHレベルになると、nチャネル型トランジスタ402がオン状態となるので、トランジスタ401は、ゲート電極とドレイン電極とが互いに接続されたダイオードとして機能する。走査信号YpがHレベルになると、nチャネル型トランジスタ403も、トランジスタ402と同様にオン状態となる。この結果、データ線103に供給される電流信号X(X1,X2,…,Xn)に対応する電流Idataが、電源配線L→トランジスタ401→トランジスタ403→データ線103という経路で流れるとともに、そのときに、トランジスタ401のゲート電極の電位に応じた電荷が容量素子Cに蓄積される。
【0024】
走査信号YpがLレベルになると、トランジスタ402、403はともにオフ状態となる。このとき、トランジスタ401のゲート電極における入力インピーダンスは極めて高いので、容量素子Cにおける電荷の蓄積状態は変化しない。トランジスタ401のゲート・ソース間電圧は、電流Idataが流れたときの電圧に保持される。また、走査信号YpがLレベルになると、発光制御信号VgpがHレベルとなる。この結果、トランジスタ404がオンし、トランジスタ401のソース・ドレイン間には、そのゲート電圧に応じた注入電流Ioledが流れる。この電流は、電源配線L→トランジスタ401→トランジスタ404→電気光学素子Eという経路で流れる。
【0025】
ここで、電気光学素子Eに流れる注入電流Ioledは、トランジスタ401のゲート・ソース間電圧で定まるが、その電圧は、Hレベルの走査信号Ypによって電流Idataがデータ線103に流れたときに、容量素子Cによって保持された電圧である。このため、発光制御信号VgpがHレベルになったときに、電気光学素子Eに流れる注入電流Ioledは、直前に流れた電流Idataに略一致する。このように画素回路400は、電流Idataによって発光輝度を規定することから、アクティブ電流プログラム方式の回路である。
【0026】
図1に示されるように、電気光学装置Dは、走査線駆動回路100と、データ線駆動回路200と、制御回路300とをさらに含む。走査線駆動回路100は電気光学基板10の左辺縁10aに沿う領域にY方向に延在する。走査線駆動回路100には、タイミング発生回路(図示略)からYクロック信号YCLKおよびY転送開始パルスDYが供給される。データ線駆動回路200は長方形の形状を有し、下辺縁10bに沿う領域にX方向に延在する。制御回路300は電気光学基板10とは別のプリント基板(例えば、PCB)30の表面に実装されて、電気光学基板10の下辺縁10bに接続される。プリント基板30と電気光学基板10との間には、中継フレキシブル基板20が介在する。
【0027】
走査線駆動回路100は、複数の走査線101を順次選択するための走査信号Y1,Y2…,Ymを生成すると共に発光制御信号Vg1,Vg2,…,Vgmを生成する。走査信号Y1,Y2…,Ymおよび発光制御信号Vg1,Vg2,…,Vgmは、タイミング発生回路から供給されたY転送開始パルスDYをYクロック信号YCLKに同期して順次転送することにより生成される。上述したように、走査信号Y1,Y2,…,Ymは、各走査線101を介して各画素回路400に供給される。発光制御信号Vg1,Vg2,…,Vgmは、各発光制御線102を介して各画素回路400に供給される。
【0028】
図4は、図1に示す電気光学装置Dのうち、特にデータ線駆動回路200と制御回路300周辺の具体的な構成を示すブロック図である。図4に示されるように、データ線駆動回路200は、画像領域Aの幅(X方向の長さ)に相当する領域にわたってX方向一列に配置された2k個のドライバDrを含む(kは自然数)。2k個のドライバは、ドライバDr1,Dr2,…,Drkから成る第1ドライバ群G1と、ドライバDrk+1,…,Dr2k-1,Dr2kから成る第2ドライバ群G2とに分割される。第1ドライバ群G1および第2ドライバ群G2は同数のドライバDr(各々がk個のドライバDr)を含み、第1ドライバ群G1および第2ドライバ群G2の各群内においてk個のドライバDrはカスケード接続(多段接続)される。詳細には、図4に示されるように、第1ドライバ群G1の右側の端部にはドライバDrkが配設され、他方の端部に配設されるドライバDr1へと向かって多段に接続される。第2ドライバ群G2の左側の端部にはドライバDrk+1が配設されて、第1ドライバ群G1の右側の端部と隣接する。第2ドライバ群G2の他方の端部にはドライバDr2kが配設される。第2ドライバ群G2は、ドライバDrk+1からドライバDr2kへと向かって多段に接続される。各ドライバDrは、X方向を長手とする長方形の形状を有し、電気光学基板10の表面にCOG実装される。
【0029】
画像領域Aは、第1画像領域A1と第2画像領域A2に区分される。第1画像領域A1内の電気光学素子Eは第1ドライバ群G1の各ドライバDr1〜Drkから供給される駆動電流によって駆動され、第2画像領域A2内の電気光学素子Eは第2ドライバ群G2の各ドライバDrk〜Dr2kから供給される駆動電流によって駆動される。
【0030】
図5は、図4における領域B1の詳細な構成を示す平面図である。図5に示されるように、制御回路300とドライバDrkとの間には両者を結ぶ複数の配線Sp1が形成され、制御回路300とドライバDrk+1との間には両者を結ぶ複数の配線Sp2が形成される。各配線Sp1の制御回路300側の端部には複数の出力端子300d1が形成され、各配線Sp2の制御回路300側の端部には出力端子300d2が形成される。各配線Sp1のうち、プリント基板30と中継フレキシブル基板20との接続部分には、接続端子300e1が形成され、電気光学基板10に至る部分には入力端子300a1が形成される。また、各配線Sp1のドライバDrkに至る部分の端部には、入力端子200Drinが形成される。同様に、各配線Sp2は、接続端子300e2と各入力端子300a2とを経由して、ドライバDrk+1の入力端子200Drinに至る。制御回路300の各出力端子300d1からドライバDrkの入力端子200Drinまでの距離と各出力端子300d2からドライバDrk+1の入力端子200Drinまでの距離とは等しい。すなわち、配線Sp1の配線長と配線Sp2の配線長とは等しい。
【0031】
制御回路300には、外部からシリアル形式の入力画像データDIが供給される。入力画像データDIは、シリアル形式の8ビットD0〜D7の信号で各電気光学素子Eの階調を指定する。本実施形態においては、入力画像データDIにより、「0」から「255」までの256段階の階調値の何れかが外部から指定される。
【0032】
図5に示されるように、制御回路300は第1出力部300Lと第2出力部300Rとから構成される。第1出力部300Lは、入力画像データDIのうち、第1画像領域A1内の各電気光学素子Eに対応する信号D0〜D7を取り込んでシリアル/パラレル変換を施し、パラレル形式の第1出力画像データDO1を生成する。同様に、第2出力部300Rは、第2画像領域A2内の各電気光学素子Eに対応する信号D0〜D7を取り込んでシリアル/パラレル変換を施し、パラレル形式の第2出力画像データDO2を生成する。さらに、各第1出力部300Lおよび第2出力部300Rは、Yクロック信号YCLKおよびY転送開始パルスDYに同期させて、Xクロック信号XCLKとX転送開始パルスDXとを生成する。そして、第1出力部300LはXクロック信号XCLKとX転送開始パルスDXとともに第1出力画像データDO1を第1ドライバ群G1に向けて出力し、第2出力部300RはXクロック信号XCLKとX転送開始パルスDXとともに第2出力画像データDO2を第2ドライバ群G2に向けて出力する。第1出力画像データDO1はパラレル形式のデータなので、信号D0〜D7が1ビットずつ8本の信号線に分かれて互いに同期して出力される。同様に、第2出力画像データDO2も信号D0〜D7が1ビットずつ8本の信号線に分かれて互いに同期して出力される。よって、図5に示されるように、配線Sp1は、各Xクロック信号XCLKおよびX転送開始パルスDXを送信するための信号線2本と、第1出力画像データDO1の各信号D0〜D7を送信するための信号線8本とを含む。同様に、配線Sp2は、各Xクロック信号XCLKおよびX転送開始パルスDXを送信するための信号線2本と、第2出力画像データDO2の各信号D0〜D7を送信するための信号線8本とを含む。
【0033】
ここで、出力画像データDOを2系統に分割して伝送する場合には、第1出力画像データDO1および第2出力画像データDO2の信号遅延や劣化の程度が第1ドライバ群G1と第2ドライバ群G2との間で異なると、電気光学素子Eの階調(ひいては、画質)が左右でばらつく。このため、信号遅延や劣化の程度が第1ドライバ群G1と第2ドライバ群G2との間で同程度であることが望ましい。そこで、本実施形態では、第1ドライバ群G1と第2ドライバ群G2の各々に含まれるドライバDrを同数とし、制御回路300から各第1ドライバ群G1,G2に至るまでの配線長(配線Sp1の配線長と配線Sp2の配線長)を同一としている。よって、各第1出力画像データDO1および第2出力画像データDO2が伝送される距離は略同一となり、伝送距離が異なる場合に発生し得る階調のばらつき等を防ぐことが可能となる。
【0034】
図4に示されるように、電気光学基板10の下辺縁10bには、第1ドライバ群G1および第2ドライバ群G2において隣り合うドライバDrの間隙に対応する位置においてフレキシブル基板Fが配置される。図6は、図4に示す電気光学装置Dに示す領域B2の詳細を示す平面図である。図6に示されるように、第1ドライバ群G1において、ドライバDrj(jは1≦j≦kを満たす整数)とドライバDrj+1との間には、フレキシブル基板Fを経由する複数の配線Wが形成される。各配線Wのうち、ドライバDrjの長辺(下辺縁10b側の長辺)に接続する部分の端部には入力端子200Drinが形成され、ドライバDrj+1の長辺に接続する部分の端部には出力端子200Droutが形成される。また、各配線Wのうち、電気光学基板10とフレキシブル基板Fとの接続部分には接続端子200Finと200Foutとが形成される。すなわち、配線Wはこれらの接続端子200Fin,200Foutに挟まれる区間においてフレキシブル基板F上に配設される。このように、配線Wは、ドライバDrj+1の出力端子200Droutと接続端子200Finとの間の第1区間において電気光学基板10上を通り、接続端子200Finと200Foutとの間の第2区間においてフレキシブル基板F上を通る。そして、接続端子200FoutとドライバDrjの入力端子200Drinとの間の第3区間において電気光学基板10上を通る。この構成において、第1出力画像データDO1、Xクロック信号XCLKおよびX転送開始パルスDXはドライバDrj+1からドライバDrjへとフレキシブル基板Fを介して伝送される。一方、図示はしないが、第2ドライバ群G2においては、隣り合うドライバ間(例えば、ドライバDrk+1とドライバDrk+2との間)にフレキシブル基板Fが配置され、第2出力画像データDO2、Xクロック信号XCLKおよびX転送開始パルスDXはドライバDrk+1から右側のドライバDrk+2へとフレキシブル基板Fを介して伝送される。よって、第2ドライバ群G2では、図6に示す第1ドライバ群G1における信号の流れとは逆の方向で各信号が伝送される。
【0035】
図5および図6に示されるように、各ドライバDrにおいて、入力端子200Drinから延びる配線Rは内部回路200Aに至る。一方、配線Rは内部回路200Aに至る前に分岐して出力端子200Droutへと至る。第1ドライバ群G1の各ドライバDrにおいては、第1出力画像データDO1、Xクロック信号XCLKおよびX転送開始パルスDXは、配線Rを介して内部回路200Aに入力されるとともに、配線Rと出力端子200Droutを介して後段のドライバDrに向けて出力される。同様に、第2ドライバ群G2の各ドライバDrにおいては、第2出力画像データDO2、Xクロック信号XCLKおよびX転送開始パルスDXは、配線Rを介して内部回路200Aに入力されるとともに、配線Rと出力端子200Droutを介して後段のドライバDrに向けて出力される。
【0036】
以上の構成において、第1出力画像データDO1は、Xクロック信号XCLKおよびX転送開始パルスDXとともに配線Sp1を介してドライバDrkに対して伝送されて、ドライバDrkにカスケード接続されたk個のドライバDrに対して順次伝送されてドライバDr1に至る。すなわち、制御回路300は、第1出力画像データDO1をドライバDrkに供給して第1ドライバ群G1の配列の他方の端部に向けて(図4に示すDL方向に向けて)伝送する。同様に、第2ドライバ群G2に対応する第2出力画像データDO2は、Xクロック信号XCLKおよびX転送開始パルスDXとともに配線Sp2を介してドライバDrk+1に対して供給され、ドライバDrk+1にカスケード接続されたk個のドライバDrに対して順次伝送されてドライバDr2kに至る。すなわち、制御回路300は、第2出力画像データDO2をドライバDrk+1に供給して第2ドライバ群G2の配列の他方の端部に向けて(図4に示すDR方向に向けて)伝送する。以上のようにして、第1出力画像データDO1が第1ドライバ群G1の各ドライバDrに到達し、第2出力画像データDO2が第2ドライバ群G2の各ドライバDrに到達する。
【0037】
各ドライバDrの内部回路200Aは、双方向シフトレジスタ(図示略)と信号生成部(図示略)とを有する。双方向シフトレジスタは、Xクロック信号XCLKに基づいてX転送開始パルスDXを順次シフトして排他的に有効となる複数のシフトパルスを出力する。X転送開始パルスDXのシフト方向は、第1ドライバ群G1の各ドライバDr1〜Drkにおいては左方向にシフトするよう制御され、第2ドライバ群G2の各ドライバDrk+1〜Dr2kにおいては右方向にシフトするよう制御される。内部回路200Aは双方向シフトレジスタから出力された複数のシフトパルスを用いて各第1出力画像データDO1および第2出力画像データDO2に含まれる信号D0〜D7を順次取り込む。信号生成部は、信号D0〜D7によって指定された階調に応じた駆動電流(駆動信号)を生成し、各データ線103に供給する。
【0038】
詳細には、各ドライバDrは電気光学基板10の表面に配列するn本のデータ線103のうち、一部(「r本」とする)のデータ線103と接続する(rは1≦r≦nを満たす整数,nはrの倍数)。よって、各ドライバDrの内部回路200Aは、例えばp行目に位置するn個の電気光学素子Eに対応する信号D0〜D7のうち、当該ドライバDrに接続するr本のデータ線103に対応するr個の各電気光学素子Eについての信号D0〜D7を取り込む。図5に示されるように、第1ドライバ群G1のドライバDrkは、q列目(qは1≦q≦n/2を満たす整数)からq+r−1列目のデータ線103に接続され、第2ドライバ群のドライバDrk+1はt列目(tは1≦t≦n/2を満たす整数)からt+r−1列目のデータ線103に接続される。第1ドライバ群G1においては、第1出力画像データDO1は左方向(図4におけるDL方向)に向かって伝送されるので、ドライバDrkの内部回路200Aは、q+r−1列目の信号D0〜D7をまず取り込み、q+r−2列目→ … →q列目へと対応する信号D0〜D7を左方向(右から左に向けて)取り込む。一方、第2ドライバ群G2においては、第2出力画像データDO2は右方向(図4におけるDR方向)に伝送されるので、信号D0〜D7は右方向に(左から右に向けて)取り込まれる。よって、t列目に対応する信号D0〜D7をまず取り込み、t+1列目→ … →t+r−1列目へと信号D0〜D7を右方向に(左から右に向けて)取り込む。各ドライバDrの内部回路200Aはこのようにして取り込んだr個の電気光学素子Eの信号D0〜D7を所定期間保持した後に信号生成部にて信号D0〜D7に基づいて電流信号Xを生成し、r本のデータ線103に対して供給する。
【0039】
ところで、電気光学装置Dにおいては、各電気光学素子Eは、走査線駆動回路100によってp行目の走査線101が選択されている期間(図3における水平走査期間1H)に各データ線103に供給された電流信号X1,X2,…,Xnの電流量に応じた輝度で発光する。上述したように、出力画像データDOはパラレル形式の信号なので、信号D0〜D7は1ビットずつ8本の信号線に分かれて伝送される。また、データ線103の本数がn本の場合、1水平走査期間1H内に送信すべき出力画像データDOはn個の電気光学素子Eに対応したn個分の信号D0〜D7に相当する。よって、1水平走査期間1H内に電流信号X1,X2,…,Xnを各データ線103に供給するためには、1水平走査期間1Hに相当する期間内にnビットの信号が2k個のドライバDr総てに伝送される必要がある。電気光学装置Dが高精細化されるとデータ線103の本数が増加し、1水平走査期間1Hに相当する期間内に伝送すべきビット数(転送レート)が増加する。ところが、電気光学基板10上の配線は寄生容量および配線抵抗が高いため、高速に信号を伝送すると高周波成分が除去されて信号波形が鈍る。このため、1水平走査期間1H内に転送可能なデータ量(転送レート)には一定の限界がある。転送レートが不足すると、電気光学素子Eが所期のタイミングで発光しないといったことが起こり得る。そこで、本実施形態においては、制御回路300は出力画像データDOを第1出力画像データDO1と第2出力画像データDO2とに2分割して、第1ドライバ群G1および第2ドライバ群G2の各々に対して2系統で伝送する構成としている。このように構成することで、出力画像データDOを1系統で伝送する方式と比較して、1水平走査期間1Hに相当する期間内に伝送が必要なデータ量が2分の1となる。よって、高精細化に伴いデータ線103の本数が増加した場合にも転送レートが不足することがなく、電気光学素子Eを所期のタイミングで確実に発光させることが可能となる。
【0040】
一方、出力画像データDOを2系統で伝送する構成としては、電気光学基板10の左右両端(電気光学基板10の表面または外側)に2個の制御回路300を配置し、ドライバDrの配列の左端に位置するドライバDr1に第1出力画像データDO1を供給し、右端に位置するドライバDr2kに第2出力画像データDO2を供給する構成も考えられる。しかしながら、この構成においては2個の制御回路300を用いるので、各制御回路300が実装されるプリント基板30や中継フレキシブル基板20および信号線・接続端子などが2組必要となる。これに対し、本実施形態の構成においては、1個の制御回路300と1組のプリント基板および中継フレキシブル基板20等を用いるのみでよいから、電子部品の点数が少なくて済む。したがって、より簡易且つ低コストな構成で、高精細化が実現される。
【0041】
また、k個のドライバDrを多段接続する構成においては、第1出力画像データDO1が入力されるドライバDrkまたは第2出力画像データDO2が入力されるドライバDrk+1からドライバDrが離れるにつれて配線の寄生容量と配線抵抗が加重される。このため、より後段に位置するドライバDrほど信号波形の鈍りが顕著となり、信号D0〜D7を正確に取り込むことが困難となる。この結果、ドライバDrが誤動作して電気光学素子Eの発光輝度が所期の階調で発光しないといったことが起こり得る。電気光学基板10上の配線は超薄膜で形成されるからその配線抵抗は大きく、信号D0〜D7の劣化は特に顕著となる。一方、フレキシブル基板Fの配線は電気光学基板10上の配線に比べて厚いので、電気光学基板10上の配線と比べて単位面積当たりの配線抵抗は小さい。このため、本実施形態では、配線Wのうち、接続端子200Finと200Foutとに挟まれる第2区間をフレキシブル基板F上に形成することで、当該区間における配線抵抗を低減し、後段のドライバに順次伝達される信号D0〜D7の劣化を抑制している。
【0042】
以上説明したように、本実施形態の電気光学装置Dにおいては、制御回路300が出力画像データDOを第1出力画像データDO1と第2出力画像データDO2とに分離した上で、前者を第1ドライバ群G1に供給し、後者を第2ドライバ群G2に供給するので、1系統で出力画像データDOを各ドライバDrに伝送する場合と比較して、同じ解像度であれば転送レートが2分の1で足りる。転送レートが低いと低周波な信号が伝送されるので、信号波形の劣化が抑制される。その結果、電気光学装置Dの信頼性が向上する。一方、1系統で出力画像データDOを伝送する方式の電気光学装置を高精細化する場合には、2系統で伝送する方式に変更することで高精細化が可能となるので、転送レートを高速化せずとも出力画像データDOが確実に各ドライバDrに伝送される。このように、本実施形態の電気光学装置Dによれば、装置の信頼性を損なうことなく高精細化が実現される。
【0043】
ところで、出力画像データDOの信号D0〜D7は、制御回路300の出力端子からの配線距離(伝送距離)が短いほどより正確に受信側に伝達される。よって、制御回路300に対して配線距離が短い位置に配置されたドライバDr(例えば、図4におけるドライバDrk)によって駆動される電気光学素子Eと、配線距離が長い位置に配置されたドライバDr(例えば、ドライバDr1)によって駆動される電気光学素子Eとでは、同じ階調が指定された場合でも発光輝度が同一とならない(ばらつく)場合がある。本実施形態の電気光学装置Dにおいては、出力画像データDOを1系統で伝送する場合と比較して伝送距離が2分の1となるので、制御回路300から伝送距離が離れた位置の画像領域における画質の劣化の程度が低減される。また、電気光学装置Dにおいては、第1ドライバ群G1における第1出力画像データDO1の伝送距離と、第2ドライバ群G2における第2出力画像データDO2の伝送距離とは略同一である。よって、信号の遅延や劣化の程度が左右で略同一となり、画質が左右でばらつかない。したがって、本実施形態の電気光学装置Dによれば、より高品質な画像を生成することが可能となる。
【0044】
さらに、上記電気光学装置Dにおいては、第1ドライバ群G1および第2ドライバ群G2の各郡内において、ドライバ間を接続する配線Wは電気光学基板10の下辺縁10bに実装されるフレキシブル基板Fを経由する。フレキシブル基板Fの単位面積当たりの配線抵抗は電気光学基板10よりも小さいから、フレキシブル基板Fを経由しない場合と比較して信号波形の鈍りを抑制することが可能となる。その結果、各ドライバ群G1,G2の最終段の各ドライバDr1,Dr2kに至っても、信号D0〜D7の正確な伝達が阻害される程度にまで信号波形が劣化することなく電気光学素子Eを所期の輝度で発光させることが可能となる。特に、多数のドライバDrが多段接続される構成においてはその効果は顕著となる。また、ドライバDrをカスケード接続する代わりに電気光学基板上に共通バスを設けて各ドライバDrに駆動信号を供給する場合と比較しても、配線の寄生容量および配線抵抗を原因とする信号波形の鈍化を抑制しつつ、装置を小型化することが可能となる。
【0045】
<B:第2実施形態>
第1実施形態では、制御回路300が電気光学基板10とは別のプリント基板30上に実装される構成について説明したが、第2実施形態では、制御回路300を電気光学基板10にCOG実装する構成について説明する。なお、この点を除いては、本実施形態は第1実施形態と同一であるので、その説明を適宜に省略する。
【0046】
図7は、第2実施形態に係る電気光学装置Dの概略構成を示すブロック図である。図7に示されるように、制御回路300は、電気光学基板10の下辺縁10bに沿う領域のうち、第1ドライバ群G1の右側の端部と第2ドライバ群G2の左側の端部の図中下方の領域に配置される。制御回路300から第1ドライバ群G1のドライバDrkに向けて配線Sp1が配設され、第2ドライバ群G2のドライバDrk+1に向けて配線Sp2が配設される。第1実施形態の場合と同様に、配線Sp1と配線Sp2の配線長は等しい。
【0047】
電気光学基板10の下辺縁10bに沿う領域には、入力画像データDIが外部から入力される1個の入力端子300bが形成される。入力画像データDIは入力端子300bから入力されると電気光学基板10上の配線Ssを介して制御回路300に入力される。入力画像データDIは、制御回路300に入力されると、第1出力部300Lおよび第2出力部300Rに供給される。第1出力部300Lおよび第2出力部300Rは入力画像データDIにシリアル/パラレル変換など所定の処理を施した後に、配線Sp1を介して第1出力画像データDO1を第1ドライバ群G1に向けて出力し、配線Sp2を介して第2出力画像データDO2を第2ドライバ群G2に向けて出力する。本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0048】
ところで、上述したように、電気光学基板10上は配線抵抗が高いため、高周波な信号の伝送には不向きである。その一方で、電気光学装置Dの高精細化が進むほど、より高速な信号転送が要求される。本実施形態においては、入力端子300bからシリアル形式の入力画像データDIが入力されるので、制御回路300に至るまでは高速に信号が伝送される。しかしながら、配線Ssにおいては電気光学基板10上をシリアル形式の信号が伝送されるので、信号の鈍りが発生しやすい。そこで、配線Ssの距離を短く設定することで、信号の正確な伝達が損なわれない程度に波形の鈍化を抑制している。
【0049】
一方、上記第1実施形態のように、パラレル形式の出力画像データDOを電気光学基板10に入力する場合には出力画像データDOは信号D0〜D7のビット数に相当する本数の信号線を介して伝送されるので、多数の入力端子300a1,300a2が必要となる。これに対し、本実施形態では、シリアル形式の入力画像データDIが電気光学基板10に入力されるので、入力端子300bの個数が1個のみでよい。入力端子の個数が減ると外部から接続される信号線の端子との接合の手間が軽減される。さらには、制御回路300が実装されるプリント基板30や中継フレキシブル基板20が不要となるので、第1実施形態の構成と比較して部品点数が減り、これらの基板間の接合の手間も省ける。よって、装置の低コスト化が実現される。
【0050】
<C:第3実施形態>
上記第2実施形態においては、制御回路300を単体のICチップとして電気光学基板10上に実装する構成としていたが、本実施形態では、制御回路300を用いる代わりに、制御回路300の第1出力部300LをドライバDrkと一体化するとともに、第2出力部300RをドライバDrk+1と一体化して、各々をICチップとして電気光学基板10上に実装する。なお、この点を除いては、本実施形態は第2実施形態と同一であるので、その説明を適宜に省略する。
【0051】
図8は、本実施形態における電気光学装置Dの概略構成を示すブロック図である。図8に示されるように、制御回路300の第1出力部300Lは、ドライバDrkと一体的に形成されて、第1制御駆動IC700Lとして電気光学基板10上にCOG実装される。一方、第2出力部300RはドライバDrk+1と一体的に形成されて、第2制御駆動IC700Rとして電気光学基板10上にCOG実装される。第1制御駆動IC700LはドライバDrkの代わりに第1ドライバ群G1の右側の端部に配置され、第2制御駆動IC700RはドライバDrk+1の代わりに第2ドライバ群G2の左側の端部に配置される。
【0052】
入力画像データDIは、第1画像領域A1内の各電気光学素子Eに対応する信号D0〜D7を含む第1入力画像データDI1と、第2画像領域A2内の各電気光学素子Eに対応する信号D0〜D7を含む第2入力画像データDI2とに予め分割されて、外部からシリアル形式で供給される。電気光学基板10の下辺縁10bに沿う領域には、入力端子300c1と300c2が1個ずつ形成される。第1入力画像データDI1は入力端子300c1から電気光学基板10に入力され、第2入力画像データDI2は入力端子300c2から入力される。
【0053】
図9は、制御駆動IC700Rの詳細な構成を示す平面図である。図8および図9に示されるように、制御駆動IC700Rには、配線Ss2を介してシリアル形式の第2入力画像データDI2が入力される。第2入力画像データDI2は、制御駆動IC700Rの第2出力部300Rによってパラレル形式の第2出力画像データDO2に変換された後に、X転送開始パルスDXとXクロック信号XCLKとともに配線RAを介して制御駆動IC700Rのドライバ部700Dに渡される。ドライバ部700Dの内部回路200Aは、第2出力画像データDO2に基づいて電流信号Xを生成してXクロック信号XCLKに同期させてデータ線103に供給する。一方、第2出力画像データDO2とX転送開始パルスDXとXクロック信号XCLKとは、配線RAと出力端子700outを介してドライバDrk+2へ向けて出力される。図示はしないが、制御駆動IC700Lは、制御駆動IC700Rを左右に反転した構成を有する。制御駆動IC700Lには、配線Ss1を介して第1入力画像データDI1が入力され、第1出力部300Lによってパラレル形式の第1出力画像データDO1に変換される。第1出力画像データDO1は、配線RAを介してドライバ部700Dの内部回路200Aに渡された後に電流信号Xとして各データ線103に供給される。また、第1出力画像データDO1は、出力端子700outからドライバDrk-1へ向けて出力される。
【0054】
以上の構成によれば、第1実施形態および第2実施形態と同様の効果を得ることができる。また、制御回路300の第1出力部300Lと第1ドライバ群G1の初段のドライバDrkとを一体化するとともに、第2出力部300Rと第2ドライバ群G2の初段のドライバDrk+1とを一体化して、各々をICチップとして構成するので、これらを別々に構成する場合と比較して、実装するICチップの数が削減される。ICチップの数が削減されると、部品数が減少してコストが節減されるばかりでなく、接続端子の数も削減されるのでICチップを電気光学基板10上に実装する工程数や手間が少なくて済む。よって、第1および第2実施形態における構成と比較しても、装置のさらなる低コスト化が実現される。
【0055】
<D:変形例>
以上の形態には様々な変形を加えることができる。具体的な変形の態様を例示すれば以下の通りである。なお、以下の各態様を適宜に組み合わせてもよい。
【0056】
(1)変形例1
上記実施形態では、各ドライバDrの内部回路200Aに双方向シフトレジスタを用いる構成としていたが、双方向シフトレジスタの代わりに単方向シフトレジスタを用いる構成としてもよい。その場合、第1ドライバ群G1の各ドライバICにおいてはX転送開始パルスDXを左方向にシフトさせる左方向シフトレジスタを使用し、第2ドライバ群G2の各ドライバICにおいてはX転送開始パルスDXを右方向にシフトさせる右方向シフトレジスタを使用する。この態様によれば、双方向シフトレジスタを用いた場合と比較して、シフト方向を指定する必要がないので制御が簡素化される。もっとも、双方向シフトレジスタを用いた場合には、シフト方向を指定する必要はあるが第1ドライバ群G1と第2ドライバ群G2で共通のシフトレジスタを用いればよい。よって、汎用品を用いることができコストが低減されると共に、製造工程も簡素化されるといった利点がある。
【0057】
(2)変形例2
第1〜第3実施形態では、複数の配線Wすべてが第2区間においてフレキシブル基板F上に配設されると構成としたが、必ずしもそうである必要はなく、複数の配線Wのうち数本のみをフレキシブル基板F上に配設する構成としてもよい。例えば、配線抵抗は配線距離が長いほど増大するので、配線距離の短い配線Wを電気光学基板10に配設し、他の配線Wをフレキシブル基板F上に配設する構成とすれば配線間のバラツキが吸収される(配線抵抗が配線間で均一化される)ので、より高品位な画像を得ることが可能となる。
【0058】
(3)変形例3
第1〜第3実施形態では、フレキシブル基板F上に配線Wと接続端子200Finと200Foutを配設する構成としていたが、これらに加えて、各配線Wへの接触可能領域としてランドMを設ける構成としてもよい。
図10〜図12は、本変形例に係る配線Wの例を示す図である。図10に示されるように、ランドMは、各配線Wの中途部分における拡幅された電極部分である。このような構成とすれば、ランドMに補助電源配線やコンデンサなどを容易に接触させることが可能となる。例えば、ランドMに検査用器具(プローバ)を接触させて信号状態を確認することができる。その結果、電気光学装置Dの機能評価を迅速かつ正確に行えるようになるため、開発や設計に関わる時間の短縮、ひいてはコストの低減が実現可能となる。
【0059】
また、図11に示されるように、基板Fに設けられた配線Wのうちの各駆動回路Dr1〜Drkへ電源を供給するための電源配線である各電源配線VCCおよびグラウンド配線VSSの中途部分に各ランドM1およびM2を形成する構成において、ランドM1に電源強化用配線であるVCC強化用バイパス配線V1を接続し、ランドM2にVSS強化用バイパス配線V2を接続するようにしてもよい。VCC強化用バイパス配線V1は電源(図示略)の正極に接続され、VSS強化用バイパス配線V2は電源の負極に接続される。この構成において、ランドM1を介して電源配線VCCに正の電圧が印加されると共に、グラウンド配線VSSに負の電圧が印加される。よって、電源配線VCCとグラウンド配線VSSとの間の電圧降下が低減されて各ドライバDrへの電源供給能力が安定化し、信号伝送回路およびその信号伝送回路を用いた電気光学装置の信頼性や動作マージンを向上させることができる。
【0060】
なお、VCC強化用バイパス配線V1およびVSS強化用バイパス配線V2に接続される電源は、制御回路300の電源配線でもよいし、外部の電源であってもよい。また、各VCC強化用バイパス配線V1およびVSS強化用バイパス配線V2を各電源配線VCCとグラウンド配線VSSに接触させるに際して、配線Wの幅を拡幅せずとも簡単に位置合わせができるような場合には、ランドM1およびM2を必ずしも設ける必要はない。よって、各電源配線VCCおよびグラウンド配線VSSの各中途部分に電極部分(絶縁体で被覆されない部分)を形成して、VCC強化用バイパス配線V1とVSS強化用バイパス配線V2とを各電極部分に各々接続する構成も採用される。
【0061】
さらに、図12に示されるように、配線Wのうち、電源配線VCCにランドM1を設け、グラウンド配線VSSにランドM2を設け、ランドM1とM2との両方に電源用バイパスコンデンサC1を一括的に接触して配置してもよい。このように電源用バイパスコンデンサC1を設けることにより、ドライバDr1からDrkへの電源供給が安定化(平滑化)され、信号伝送回路およびその信号伝送回路を用いた電気光学装置Dの信頼性を向上させることができる。なお、図11の場合と同様に、必ずしもランドM1およびM2を設ける必要はなく、各電源配線VCCおよびグラウンド配線VSSの各電極部分に電源用バイパスコンデンサC1を接続するようにしてもよい。
【0062】
<E:応用例>
次に、本発明に係る電気光学装置Dを利用した電子機器について説明する。図13から図15には、以上の何れかの形態に係る電気光学装置を表示装置として採用した電子機器の形態が図示されている。
【0063】
図13は、電気光学装置Dを採用したモバイル型のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。パーソナルコンピュータ2000は、各種の画像を表示する電気光学装置Dと、電源スイッチ2001やキーボード2002が設置された本体部2010とを具備する。電気光学装置Dは有機発光ダイオード素子を電気光学素子Eとして使用しているので、視野角が広く見易い画面を表示できる。
【0064】
図14は、電気光学装置を適用した携帯電話機の構成を示す斜視図である。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001およびスクロールボタン3002と、各種の画像を表示する電気光学装置Dとを備える。スクロールボタン3002を操作することによって、電気光学装置Dに表示される画面がスクロールされる。
【0065】
図15は、電気光学装置を適用した携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)の構成を示す斜視図である。情報携帯端末4000は、複数の操作ボタン4001および電源スイッチ4002と、各種の画像を表示する電気光学装置Dとを備える。複数の操作ボタン4001を操作すると、住所録やスケジュール帳といった様々な情報が電気光学装置Dに表示される。
【0066】
なお、本発明に係る電気光学装置が適用される電子機器としては、図13から図15に示した機器のほか、デジタルスチルカメラ、テレビ、ビデオカメラ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電子ペーパー、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、プリンタ、スキャナ、複写機、ビデオプレーヤ、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。また、本発明に係る電気光学装置の用途は画像の表示に限定されない。例えば、光書込型のプリンタや電子複写機といった画像形成装置においては、用紙に形成されるべき画像に応じて感光体を露光する光ヘッド(書込ヘッド)が使用されるが、この種の光ヘッドとしても本発明の電気光学装置は利用される。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電気光学装置の構成を例示する平面図である。
【図2】画素回路の構成を示す回路図である。
【図3】走査信号と発光制御信号のタイミングチャートである。
【図4】電気光学装置の構成を示すブロック図である。
【図5】電気光学装置の一部を詳細に示す平面図である。
【図6】電気光学装置の一部を詳細に示す平面図である。
【図7】第2実施形態に係る電気光学装置の構成を示すブロック図である。
【図8】第3実施形態に係る電気光学装置の構成を示すブロック図である。
【図9】制御駆動ICの詳細な構成を示す平面図である。
【図10】本発明の変形例に係る図である。
【図11】本発明の変形例に係る図である。
【図12】本発明の変形例に係る図である。
【図13】電気光学装置を利用した電子機器の一例を示す図である。
【図14】電気光学装置を利用した電子機器の一例を示す図である。
【図15】電気光学装置を利用した電子機器の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0068】
10…電気光学基板、10a…左辺縁、10b…下辺縁、20…中継フレキシブル基板、30…プリント基板、100…走査線駆動回路、101…走査線、102…発光制御線、103…データ線、200…データ線駆動回路、200A…内部回路、200Drin,300a1,300a2,300b,300c1,300c2…入力端子、200Drout,300d1,300d2,700out…出力端子、200Fin,200Fout,300e1,300e2…接続端子、300…制御回路、300L…第1出力部、300R…第2出力部、400…画素回路、401〜404…トランジスタ、500…電源回路、700D…ドライバ部、700L…第1制御駆動IC、700R…第2制御駆動IC、A…画像領域、A1…第1画像領域、A2…第2画像領域、B1,B2…領域、Sin,Sp1,Sp2,Ss,Ss1,Ss2,R,RA,W…配線、C…容量素子、C1…電源用バイパスコンデンサ、D…電気光学装置、DI…入力画像データ、DI1…第1入力画像データ、DI2…第2入力画像データ、DO…出力画像データ、DO1…第1出力画像データ、DO2…第2出力画像データ、Dr…ドライバ、E…電気光学素子、F…フレキシブル基板、G1…第1ドライバ群、G2…第2ドライバ群、L…電源配線、M,M1,M2…ランド、X…電流信号、Y…走査信号、V1…VCC強化用バイパス配線、V2…VSS強化用バイパス配線、Vg…発光制御信号。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電気光学素子が配列された第1基板と、
各々が前記第1基板上に実装され、一方向に配列された複数のドライバICと、
前記各電気光学素子の階調を指定する出力画像データを前記複数のドライバICに供給する制御回路と
を具備し、
前記複数のドライバICは第1ドライバ群と第2ドライバ群とに分割され、前記第1ドライバ群の一方の端部と前記第2ドライバ群の一方の端部とは隣接し、前記第1ドライバ群の前記一方の端部には第1ドライバICが配設され、前記第2ドライバ群の前記一方の端部には第2ドライバICが配設され、
前記制御回路は、前記出力画像データのうち、前記第1ドライバ群によって駆動される各電気光学素子の階調を指定する出力画像データを第1出力画像データとして前記第1ドライバICに供給して前記第1ドライバ群の他方の端部に向けて伝送するとともに、前記第2ドライバ群によって駆動される各電気光学素子の階調を指定する出力画像データを第2出力画像データとして前記第2ドライバICに供給して前記第2ドライバ群の他方の端部に向けて伝送する
電気光学装置。
【請求項2】
前記制御回路が前記第1基板上に制御ICとして実装される
請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
前記第1基板の端部には、入力画像データがシリアル形式で入力される入力端子が形成され、
前記制御ICは、前記入力端子から供給される前記シリアル形式の入力画像データをパラレル形式に変換して前記複数のドライバICに供給する
請求項2に記載の電気光学装置。
【請求項4】
前記第1ドライバ群の相隣接するドライバIC間を結ぶ各配線および前記第2ドライバ群の相隣接するドライバIC間を結ぶ各配線の全部または一部は、前記第1基板よりも単位面積当たりの配線抵抗が小さい第2基板の表面に配設される部分を含む
請求項1から請求項3の何れかに記載の電気光学装置。
【請求項5】
前記制御ICは、前記第1出力画像データを前記第1ドライバICに出力する第1出力部と、前記第2出力画像データを前記第2ドライバICに出力する第2出力部とから構成され、
前記制御ICを用いる代わりに、
前記第1ドライバICと一体化された前記第1出力部が第1制御駆動ICとして前記第1ドライバ群の前記一方の端部に配設され、
前記第2ドライバICと一体化された前記第2出力部が第2制御駆動ICとして前記第2ドライバ群の前記一方の端部に配設される
請求項2に記載の電気光学装置。
【請求項6】
前記第1基板の端部には、第1入力画像データがシリアル形式で入力される第1入力端子と、第2入力画像データがシリアル形式で入力される第2入力端子とが形成され、
前記第1制御駆動ICの前記第1出力部は、前記第1入力端子から供給される前記シリアル形式の第1入力画像データをパラレル形式に変換して前記第1出力画像データとして出力し、
前記第2制御駆動ICの前記第2出力部は、前記第2入力端子から供給される前記シリアル形式の第2入力画像データをパラレル形式に変換して前記第2出力画像データとして出力する
請求項5に記載の電気光学装置。
【請求項7】
前記第1ドライバ群の相隣接するドライバIC間を結ぶ各配線および前記第2ドライバ群の相隣接するドライバIC間を結ぶ各配線の全部または一部は、前記第1基板よりも単位面積当たりの配線抵抗が小さい第2基板の表面に配設される部分を含む
請求項5または請求項6に記載の電気光学装置。
【請求項8】
前記第1ドライバ群のうち、前記第1制御駆動ICと当該第1制御駆動ICに隣接するドライバICとを結ぶ配線は、前記第1基板よりも単位面積当たりの配線抵抗が小さい第2基板の表面に配設される部分を含み、
前記第2ドライバ群のうち、前記第2制御駆動ICと当該第2制御駆動ICに隣接するドライバICとを結ぶ配線は、前記第1基板よりも単位面積当たりの配線抵抗が小さい第2基板の表面に配設される部分を含む
請求項5から請求項7の何れかに記載の電気光学装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8の何れかに記載の電気光学装置を具備する電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−14996(P2008−14996A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−183055(P2006−183055)
【出願日】平成18年7月3日(2006.7.3)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】