電気光学装置及びその製造方法並びに電子機器
【課題】静電破壊を防止するとともに装置の薄型化を図り、基板表面の汚れを防止することができる電気光学装置、その製造方法、電子機器を提供する。
【解決手段】入力パネル本体21と、入力パネル本体21に対向して配置された対向基体22と、入力パネル本体21と対向基体22との間に配置され、入力パネル本体21と対向基体22のうち少なくとも一方に設けられた配線23,24と、入力パネル本体21と対向基体22との間に配置されるとともに、入力パネル本体21と対向基体22とを、配線23,24の少なくとも一部が露出した状態で接着固定する接着部材30と、入力パネル本体21と対向基体22との間に配置され、配線23,24の露出した部位全体を覆って設けられた絶縁部材31と、を有する。
【解決手段】入力パネル本体21と、入力パネル本体21に対向して配置された対向基体22と、入力パネル本体21と対向基体22との間に配置され、入力パネル本体21と対向基体22のうち少なくとも一方に設けられた配線23,24と、入力パネル本体21と対向基体22との間に配置されるとともに、入力パネル本体21と対向基体22とを、配線23,24の少なくとも一部が露出した状態で接着固定する接着部材30と、入力パネル本体21と対向基体22との間に配置され、配線23,24の露出した部位全体を覆って設けられた絶縁部材31と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気光学装置及びその製造方法並びに電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯端末などの小型情報電子機器の普及に伴い、指やペン等による入力を可能にしたタッチパネルを液晶パネル等の電気光学パネルに搭載した電気光学装置が開発されている。タッチパネルの位置検出方式としては、例えば、抵抗膜方式や静電容量方式が知られている。これらのタッチパネルは、いずれも基本構造は同様であり、例えば、ITO等からなる面状電極を形成した2枚の基板を所定のギャップを有して対向配置し、その一方の基板の面状電極(以下、単に電極という)の端辺(基板の外周部)に信号取り出し用の配線を形成した構造を有する。この種の電気光学装置では、透明なタッチパネルを通して液晶パネルの画面を視認することができる。そして、視認された画面の指示に従ってタッチパネルを指やペン等の入力手段で触れることで、その接触部位の位置情報を入力できるようになっている。
【0003】
この他にも、静電容量方式のタッチパネルとしては、1枚の基板の両面に電極が設けられた構成のものがある。これは、基板の表面に設けられた電極と基板の裏面に設けられた電極との間に形成された静電容量の変化に基づいて位置を検出するものである。この静電容量方式のタッチパネルでは、基板の表面に設けられた電極に指やペン等の入力手段が触れるか又はその電極に入力手段が近づくことにより、基板の表面に設けられた電極と基板の裏面に設けられた電極との間の電気力線が入力手段によって吸収されて静電容量が減少する。この静電容量の減少による電流変化がタッチ位置検出回路によって検知され、これによって入力した位置を検出できるようになっている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0004】
ところで、タッチパネル本体となる基板の上には、電極の損傷を防止するために保護板が設けられる。この基板と保護板を貼り合わせる場合には、一般に液状の接着剤が用いられる。このとき、基板の外周部に形成された配線が露出しないように配線を覆って接着剤が配置される。具体的には、基板と保護板のうちいずれか一方の上面に液状の接着剤を配置し、その後、液状の接着剤を基板と保護板の間に満遍なく広げるように所定の荷重で押圧することで行われる。このように、基板と保護板を全面接着して配線が露出しない構造とすることで、配線が外気に触れにくい構造とすることができる。すると、配線が外気からの静電気の影響を受けにくくなる。このため、配線や半導体ICチップ等よりなる駆動回路の静電破壊を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−324203号公報
【特許文献2】特開2008−83491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1及び2では、基板の面内に垂直な方向に保護膜(樹脂膜)やグレア防止膜などを配置しているため、装置全体として基板の面内に垂直な方向に厚くなりやすい。このため、装置の薄型化が難しいという問題点がある。
基板と保護板を全面接着する場合には、貼り合わせ時に接着剤が基板の周囲にはみ出すことがあり、作業性の面で取り扱いにくい。また、基板の外周部に配線が配置されていると、接着剤が硬化しにくくなるため、基板の周囲に未硬化の接着剤がはみ出し易くなる。すると、接着剤が手に付着したり基板表面に付着したりして基板表面の汚れになる。
一方、貼り合わせ時に接着剤が基板の周囲にはみ出さないように基板よりも小さい領域で接着することが考えられるが、基板の外周部に配置された配線が露出してしまうおそれがある。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、静電破壊を防止するとともに装置の薄型化を図り、基板表面の汚れを防止することができる電気光学装置、その製造方法、電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明の電気光学装置は、入力パネル本体と、前記入力パネル本体に対向して配置された対向基体と、前記入力パネル本体と前記対向基体との間に配置され、前記入力パネル本体と前記対向基体のうち少なくとも一方に設けられた配線と、前記入力パネル本体と前記対向基体との間に配置されるとともに、前記入力パネル本体と前記対向基体とを、前記配線の少なくとも一部が露出した状態で接着固定する接着部材と、前記入力パネル本体と前記対向基体との間に配置され、前記配線の露出した部位全体を覆って設けられた絶縁部材と、を有することを特徴とする。
【0009】
この電気光学装置によれば、入力パネル本体に設けられた配線が、入力パネル本体と対向基体との間において、接着部材及び絶縁部材の両方によって完全に覆われた状態となる。このため、配線が外気からの静電気の影響を受けにくくなる。したがって、配線や半導体ICチップ等よりなる駆動回路の静電破壊を防止することができる。また、特許文献1及び2のように、基板の面内に垂直な方向に保護膜(樹脂膜)やグレア防止膜を配置する構造となっていないので、基板の面内に垂直な方向に厚くなりにくい。このため、装置の薄型化を図ることができる。
【0010】
また、上記電気光学装置は、前記入力パネル本体の中央部には面状電極が配置されてなる平面領域である入力領域が設けられており、前記配線は前記入力領域から引き出されるとともに前記入力領域の範囲外において配置され、前記接着部材は少なくとも前記入力領域に配置されるとともに前記配線の前記入力領域が設けられた側と反対側の外側端部が少なくとも露出した状態で接着固定してもよい。
【0011】
この電気光学装置によれば、入力パネル本体に設けられた配線が、入力パネル本体と対向基体との間において、接着部材及び絶縁部材の両方によって完全に覆われた状態となる。したがって、配線や駆動回路の静電破壊を防止することができる。また、特許文献1及び2のように、基板の面内に垂直な方向に保護膜(樹脂膜)やグレア防止膜を配置する構造となっていない。このため、装置の薄型化を図ることができる。また、接着部材は、入力パネル本体と対向基体とを、配線の少なくとも外側端部が露出した状態で接着固定されているので、接着部材が入力パネル本体よりも小さい領域に配置されることになる。つまり、入力パネル本体の周囲に硬化前の接着部材(接着剤)がはみ出すことがない。したがって、接着剤が手に付着したり入力パネル本体表面に付着したりすることがないので、入力パネルの表面が汚れることを防止することができる。
【0012】
また、上記電気光学装置は、前記絶縁部材が前記入力パネル本体と前記対向基体のいずれにも接触していてもよい。
【0013】
この電気光学装置によれば、絶縁部材を、入力パネル本体と対向基体との間のギャップ層として用いることができる。つまり、絶縁部材を、接着部材の厚みを決定し、かつ、均一化するためのスペーサとして用いることができる。
【0014】
また、上記電気光学装置は、前記絶縁部材が前記入力パネル本体と前記対向基体のいずれか一方と離間しているとともに前記配線の少なくとも上端部を被覆しており、かつ、前記接着部材が絶縁材料で構成されるとともに前記配線と平面視重なる領域において前記絶縁部材を被覆していてもよい。
【0015】
この電気光学装置によれば、配線と平面視重なる部分が絶縁部材及び接着部材の両方で被覆されることになる。このため、配線と平面視重なる部分が絶縁部材と接着部材のいずれか一方で被覆される場合よりも、配線が外気からの静電気の影響を受けにくくなる。したがって、配線や駆動回路の静電破壊を防止することができる。また、絶縁部材と対向基体との離間部分は、接着部材を形成する液状の接着剤を満遍なく広げる際に空気を逃がす役割を果たしている。さらに、この離間部分は、液状の接着剤を配線のそれぞれの外側端部と絶縁部材の外側端部との間に収まる位置にはみ出させるものである。これにより、液状の接着剤が絶縁部材の外側端部を乗り越えてはみ出すことを回避しつつ、液状の接着剤の量的なマージンを確保することができる。
【0016】
本発明の電気光学装置の製造方法は、入力領域を備えた入力パネル本体と、前記入力パネル本体に対向して配置され、接着部材を介して接着された対向基体と、前記入力パネル本体と前記対向基体との間に配置され、前記入力領域の範囲外において前記入力パネル本体と前記対向基体のうち少なくとも一方に設けられた配線と、を具備する電気光学装置の製造方法において、前記入力パネル本体と前記対向基体のうちいずれか一方側における前記配線の前記入力領域が設けられた側に相当する領域に液状の接着剤を配置する第1の工程と、前記液状の接着剤を介して、前記入力パネル本体と前記対向基体とを、前記配線の前記入力領域が設けられた側と反対側の外側端部が少なくとも露出した状態で貼り合わせる第2の工程と、前記配線の露出した部位全体を覆う位置に絶縁部材を配置する第3の工程と、前記液状の接着剤を硬化させて前記接着部材とする第4の工程と、を有することを特徴とする。
【0017】
この製造方法によれば、入力パネル本体に設けられた配線は、入力パネル本体と対向基体との間において、接着部材及び絶縁部材の両方によって完全に覆われた状態となる。このように、配線が露出しない構造とすることで、配線が外気に触れない構造とすることができる。すると、配線が外気からの静電気の影響を受けにくくなる。したがって、配線や駆動回路の静電破壊を防止することができる。また、絶縁部材の配置される領域は入力領域の範囲外となる配線の形成領域を含む領域である。このため、例えば絶縁部材の幅がミクロンオーダーのサイズであっても、絶縁部材は入力パネルの額縁となる装置の大型化に寄与しない部位に収容されることになる。また、特許文献1及び2のように、基板の面内に垂直な方向に保護膜(樹脂膜)やグレア防止膜を配置しないので、基板の面内に垂直な方向に厚くなりにくい。このため、装置の薄型化を図ることができる。また、液状の接着剤を介して、入力パネル本体と対向基体とが、配線の少なくとも外側端部が露出した状態で貼り合わされるので、接着剤が入力パネル本体よりも小さい領域に配置されることになる。つまり、入力パネル本体の周囲に接着剤がはみ出すことがない。したがって、接着剤が手に付着したり入力パネル本体表面に付着したりすることがないので、入力パネルの表面が汚れることを防止することができる。
【0018】
本発明の電気光学装置の製造方法は、入力領域を備えた入力パネル本体と、前記入力パネル本体に対向して配置され、接着部材を介して接着された対向基体と、前記入力パネル本体と前記対向基体との間に配置され、前記入力領域の範囲外において前記入力パネル本体と前記対向基体のうち少なくとも一方に設けられた配線と、を具備する電気光学装置の製造方法において、前記入力パネル本体と前記対向基体のうち少なくとも一方に設けられた前記配線の前記入力領域が設けられた側と反対側の外側端部を少なくとも覆う位置に平面視枠状に絶縁部材を配置する第1の工程と、前記入力パネル本体と前記対向基体のうちいずれか一方側における前記配線の前記入力領域が設けられた側に相当する領域に液状の接着剤を配置する第2の工程と、前記液状の接着剤を介して、前記入力パネル本体と前記対向基体とを貼り合わせる第3の工程と、前記液状の接着剤を硬化させて前記接着部材とする第4の工程と、を有することを特徴とする。
【0019】
この製造方法によれば、第2の工程において、平面視枠状に配置された絶縁部材の内側に液状の接着剤を流し込むだけでよいので、製造効率を向上させることができる。第3の工程において、入力パネル本体と対向基体とを貼り合わせるときに絶縁部材がスペーサとして機能するため、接着剤の厚みを規制することができる。
【0020】
本発明の電子機器は、前述した本発明の電気光学装置と、前記電気光学装置の制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、静電破壊を防止するとともに装置の薄型化を図り、基板表面の汚れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1実施形態に係る電気光学装置の概略構成を示す分解斜視図である。
【図2】第1実施形態の接着面の概略構成を示す平面図である。
【図3】第1実施形態に係る電気光学装置の概略構成を示す断面図である。
【図4】第2実施形態に係る電気光学装置の概略構成を示す断面図である。
【図5】第3実施形態に係る電気光学装置の概略構成を示す断面図である。
【図6】第4実施形態に係る電気光学装置の概略構成を示す断面図である。
【図7】第1実施形態に係る電気光学装置の製造方法を示す工程図である。
【図8】第2実施形態に係る電気光学装置の製造方法を示す工程図である。
【図9】第3実施形態に係る電気光学装置の製造方法を示す工程図である。
【図10】電子機器の外観を示す概略斜視図である。
【図11】電子機器の表示制御系を示す概略構成ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。かかる実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等が異なっている。
【0024】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る電気光学装置の概略構成を示す分解斜視図である。図2は、接着面の概略構成を示す平面図である。図3は、電気光学装置の概略構成を示す縦断面図である。なお、図1においては、便宜上、接着部材30、接着部材40及び絶縁部材31の図示を省略している。
【0025】
本実施形態の電気光学装置100は、電気光学パネル10と、この電気光学パネル10と平面視重ねて配置される入力パネル20とを有し、電気光学パネル10と入力パネル20とが透明な接着部材40を介して接着固定されたものである。また、入力パネル20を構成する入力パネル本体21と保護板(対向基体)22とが透明な接着部材30で接着固定されている。
【0026】
図3に示すように、電気光学パネル10は、例えば、ガラスや合成樹脂等によりなる一対の透明な基板11,12をシール材13で貼り合わせ、これらの基板間に液晶14を配置してなるものである。また、この電気光学パネル10は、液晶14の配向状態を図示しない電極によりそれぞれ制御可能に構成した複数の画素を備えている。また、この電気光学パネル10には、必要に応じて基板11,12の外面側(液晶14が配置された側と反対側)にそれぞれ偏光板16,17が配置される。なお、偏光板16,17は任意の構成要素であるので、以下の説明では電気光学パネル10の表面が偏光板16,17を省略して基板11,12の表面で構成されているかのように説明する場合があるが、この場合でも偏光板16,17が存在する場合には上記表面は偏光板の表面であるものとする。
【0027】
図1に示すように、電気光学パネル10には、液晶14が配置された範囲内に、画素が配置されてなる平面領域である有効表示領域Aが設けられている。この有効表示領域A内の各画素は、半導体ICチップ等よりなる駆動回路15が出力する駆動信号によって駆動され、画素ごとに所定の透過状態となるように制御される、
【0028】
電気光学パネル10において、基板11は、基板12の端縁より外側へ張り出してなる基板張出部11Tを有している。この基板張出部11T上には、有効表示領域A内から引き出された駆動側配線18a及び基板張出部11Tの端縁まで伸びる入力側配線18bが形成されるとともに、両配線18a,18bに共に導電接続された駆動回路15が実装されている。また、基板張出部11Tの端縁には、入力側配線18bに導電接続されたフレキシブル配線基板等よりなる配線部材19が実装されている。この配線部材19には入力端子19aが設けられている。この入力端子19aは、後述する電子機器の制御回路に接続される。
【0029】
図示例において、入力パネル20は透明タッチパネルである。入力パネル20の構造としては種々の構造が考えられるが、抵抗膜方式、静電容量方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、マイクロスイッチ方式などいずれの方式であってもよい。入力パネル20の構造は上記の方式ごとに異なるが、本実施形態では一例として、図3に示すように、入力パネル本体21の両面に面状電極26,27が設けられた静電容量方式のタッチパネルを示している。この入力パネル20は、入力パネル本体21の表面に設けられた面状電極26と入力パネル本体21の裏面に設けられた面状電極27との間に形成された静電容量の変化に基づいて位置を検出するものである。
【0030】
入力パネル20を構成する入力パネル本体21には、面状電極26,27が配置されてなる平面領域である入力領域Bが設けられている。面状電極26は、例えば、ITO等からなる透明導電膜または複数の電極が設けられてなるものである。保護板22には、これら面状電極26,27が形成された領域に対応する位置に、指やペン等の入力手段で触れる平面領域となる入力領域B’が設けられている。
【0031】
図1に示すように、面状電極26からは複数の配線23,24が引き出されている。これらの配線23,24は、入力領域Bに平面視重なる範囲外において、入力パネル本体21の保護板22と対向する側の面に設けられている。これらの配線23,24は、入力パネル本体21の端部に実装されたフレキシブル配線基板等よりなる配線部材25に導電接続されている。この配線部材25は、入力パネル本体21の外縁が保護板22の外縁よりも内側に配置される辺(図2に示す左辺)において、入力パネル本体21上に実装されている。
【0032】
また、面状電極27からは複数の配線28,29が引き出されている(図3参照)。これらの配線28,29は、入力領域Bに平面視重なる範囲外において、入力パネル本体21の電気光学パネル10と対向する側の面に設けられている。これらの配線28,29は、入力パネル本体21の端部に実装されたフレキシブル配線基板等よりなる配線部材(図示略)に導電接続されている。
【0033】
図2に示すように、入力領域Bは、少なくとも有効表示領域Aを完全に含むように設けられている。すなわち、入力領域Bは、有効表示領域Aの全てと重なる範囲と、必要に応じて当該範囲の外側にまで張り出した範囲と、を有している。なお、本発明においては、入力領域Bは有効表示領域Aと平面視重なる位置に配置されていればよい。例えば、入力領域Bに有効表示領域Aと平面視重ならない部分が存在してもよいし、有効表示領域Aに入力領域Bと平面視重ならない部分が存在してもよい。
【0034】
なお、電気光学パネル10は、図示例では液晶表示パネルを用いているが、これに限らず、有機EL表示パネル、プラズマディスプレイパネル、電気泳動パネルなどを用いることもできる。
【0035】
本実施形態では、電気光学パネル10と入力パネル20とが透明な接着部材40によって接着固定されている。透明な接着部材40は、液状の接着剤を硬化させたものであり、硬化後に透明であるものであれば、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、シリコーン系接着剤、ウレタン系接着剤など各種の接着剤を用いることができる。
【0036】
接着部材40は、少なくとも有効表示領域A内を全て満たすように配置され、有効表示領域Aにおいて全面的に電気光学パネル10と入力パネル20とを接着している。接着部材40の厚み(入力パネル本体21の面内に垂直な方向における入力パネル本体21と電気光学パネル10との間の距離)は特に限定されないが、1〜100μmの範囲内であることが好ましく、10〜60μmの範囲内であることがさらに好ましい。接着部材40の厚みがこの範囲であれば、光学的な影響を低減しつつ、十分な接着力を得ることが可能になる。
【0037】
また、入力パネル20を構成する入力パネル本体21と保護板22とが透明な接着部材30で接着されている。透明な接着部材30は、上記接着部材40と同様に、液状の接着剤を硬化させたものであり、硬化後に透明であるものであれば、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、シリコーン系接着剤、ウレタン系接着剤など各種の接着剤を用いることができる。
【0038】
接着部材30は、少なくとも入力領域B内を全て満たすように配置され、入力領域Bにおいて全面的に入力パネル本体21と保護板22とを接着している。
【0039】
ところで、タッチパネルと保護板を貼り合わせる場合には、タッチパネルの外周部に形成された配線が露出しないように配線を覆って接着剤が配置される。具体的には、タッチパネル本体と保護板のうちいずれか一方の上面に液状の接着剤を配置し、その後、液状の接着剤をタッチパネルと保護板の間に満遍なく広げるように所定の荷重で押圧することで行われる。このように、タッチパネルと保護板を全面接着して配線が露出しない構造とすることで、配線が外気に触れにくい構造とすることができる。すると、配線が外気からの静電気の影響を受けにくくなる。このため、配線や半導体ICチップ等よりなる駆動回路の静電破壊を防止することができる。
【0040】
しかしながら、タッチパネルと保護板を全面接着する場合には、貼り合わせ時に接着剤がタッチパネルの周囲にはみ出すことがあり、作業性の面で取り扱いにくい。また、タッチパネルの外周部に配線が配置されていると接着剤を硬化させにくいため、タッチパネルの周囲に未硬化の接着剤がはみ出し易くなる。すると、接着剤が手に付着したり基板表面に付着したりして基板表面の汚れになる。
【0041】
そこで、本実施形態では、入力パネル本体21と保護板22とを貼り合わせる時に、液状の接着剤が入力パネル本体21の周囲にはみ出さないように入力パネル本体よりも小さい領域で配線の少なくとも一部が露出した状態で接着するとともに、配線の露出した部位全体を覆うようにこの接着剤の外側に絶縁部材を設けている。
【0042】
具体的には、この接着部材30は、入力パネル本体21と保護板22とを、配線23,24の入力領域Bが設けられた側と反対側の外側端部(入力パネル本体21の外縁に近い側の側端部)が少なくとも露出した状態で接着固定している。本実施形態では、配線23,24のそれぞれの上端部の一部と、配線23,24のそれぞれの外側端部とが、接着部材30から露出している。
【0043】
また、絶縁部材31は、入力パネル本体21と保護板22との間において、配線23,24の露出した部位全体を覆って設けられている。本実施形態では、配線23,24のそれぞれの上端部の一部と、配線23,24のそれぞれの外側端部とが、絶縁部材31によって覆われている。
【0044】
これにより、入力パネル本体21に設けられた配線23,24は、入力パネル本体21と保護板22との間において、接着部材30及び絶縁部材31の両方によって完全に覆われた状態となる。このように、配線23,24が露出しない構造とすることで、配線23,24が外気に触れにくい構造とすることができる。すると、配線23,24が外気からの静電気の影響を受けにくくなる。このため、配線23,24や半導体ICチップ等よりなる駆動回路15の静電破壊を防止することができる。
【0045】
また、絶縁部材31は、入力パネル本体21の面内に平行な方向に幅を有して形成されている。絶縁部材31の配置される領域は入力領域Bの範囲外となる配線23,24の形成領域を含む領域であるため、例えば絶縁部材31の幅がミクロンオーダーであっても、絶縁部材31は入力パネル20の額縁に収容される。つまり、絶縁部材31は装置の大型化に寄与しない部位に収容される。また、特許文献1及び2のように、基板の面内に垂直な方向に保護膜(樹脂膜)やグレア防止膜を配置する構造となっていないので、基板の面内に垂直な方向に厚くなりにくい。
【0046】
また、絶縁部材31は、入力パネル本体21と保護板22とのいずれにも接触して設けられている。このため、絶縁部材31を、入力パネル本体21と保護板22との間のギャップ層として用いることができる。絶縁部材31の厚み(入力パネル本体21の面内に垂直な方向における入力パネル本体21と保護板22との間の距離)は、上述した接着部材30の厚みとして好適な範囲であることが好ましい。
【0047】
本実施形態に係る電気光学装置100によれば、入力パネル本体21に設けられた配線23,24が、入力パネル本体21と保護板22との間において、接着部材30及び絶縁部材31の両方によって完全に覆われた状態となるため、配線23,24が外気からの静電気の影響を受けにくくなる。したがって、配線23,24や駆動回路15の静電破壊を防止することができる。また、特許文献1及び2のように、基板の面内に垂直な方向に保護膜(樹脂膜)やグレア防止膜を配置する構造となっていないので、基板の面内に垂直な方向に厚くなりにくい。このため、装置の薄型化を図ることができる。また、接着部材30は、入力パネル本体21と保護板22とを、配線23,24の少なくとも外側端部が露出した状態で接着固定されているので、接着部材30が入力パネル本体21よりも小さい領域に配置されることになる。つまり、入力パネル本体21の周囲に液状の接着剤がはみ出すことがない。したがって、液状の接着剤が手に付着したり基板表面に付着したりすることがないので、入力パネル20表面が汚れることを防止することができる。
【0048】
また、この構成によれば、絶縁部材31が入力パネル本体21と保護板22とのいずれにも接触して設けられているので、絶縁部材31を、入力パネル本体21と保護板22との間のギャップ層として用いることができる。つまり、絶縁部材31を、接着部材30の厚みを決定し、かつ、均一化するためのスペーサとして用いることができる。
【0049】
なお、本実施形態では、入力パネル本体21と保護板22とを接着する構造について説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、入力パネル本体と他の透光性基板(例えば、光学基板、視角制御板、三次元表示のための視差バリア板など)を接着する構造としても用いることができる。この点は、以下に説明する各実施形態においても同様である。
【0050】
また、本実施形態では、静電容量方式のタッチパネルの一例として、入力パネル本体21となる基板の両面に面状電極が設けられた構成について説明したが、これに限らない。例えば、面状電極を形成した2枚の基板を所定のギャップを有して対向配置し、その一方の基板の面状電極の端辺(基板の外周部)に信号取り出し用の配線を形成した構成であっても適用可能である。
【0051】
また、本実施形態では、配線が入力パネル本体の側に設けられている例を示したが、本発明はこれに限定するものではない。例えば、配線が入力パネル本体及び保護板の両方に設けられていてもよいし、保護板の側に設けられていてもよい。
【0052】
(第2実施形態)
次に、図4を参照して本発明の第2実施形態に係る電気光学装置100Aについて説明する。本実施形態において、上記第1実施形態と同様の部分については説明を省略し、同一部分には同一符号を付す。
【0053】
本実施形態では、図4に示すように、接着部材30が、入力パネル本体21と保護板22とを、配線23,24の少なくとも外側端部が露出した状態で接着している点で、第1実施形態と同様である。ただし、本実施形態では、配線23,24のそれぞれの外側端部のみが、接着部材30から露出している。すなわち、本実施形態の絶縁部材41は、配線23,24のそれぞれの外側端部のみを覆って設けられている。
【0054】
このように、配線23,24のそれぞれの外側端部のみが絶縁部材41によって覆われている場合、絶縁部材41が配置される下地が入力パネル本体21のみとなる。このため、絶縁部材41が配置される下地が配線23,24及び入力パネル本体21の両方を含む領域となる場合よりも、絶縁部材41を安定した状態で設けることができる。
【0055】
(第3実施形態)
次に、図5を参照して本発明の第3実施形態に係る電気光学装置100Bについて説明する。本実施形態において、上記第1実施形態と同様の部分については説明を省略し、同一部分には同一符号を付す。
【0056】
本実施形態では、図5に示すように、接着部材30が、入力パネル本体21と保護板22とを、配線23,24の少なくとも外側端部が露出した状態で接着している点で、第1実施形態と同様である。ただし、本実施形態では、配線23,24のそれぞれの上端部(入力パネル本体21に接する側と反対側の端部、つまり保護板22側の端部)全体と、配線23,24のそれぞれの外側端部とが、接着部材30から露出している。すなわち、本実施形態の絶縁部材51は、配線23,24のそれぞれの上端部全体と、配線23,24のそれぞれの外側端部とを覆って設けられている。
【0057】
また、絶縁部材51が保護板22と接着部材30を介して離間しているとともに配線23,24の上端部を被覆している。さらに、接着部材30が絶縁材料で構成されるとともに配線23,24と平面視重なる領域において絶縁部材51を被覆している。この接着部材30は、少なくとも配線23,24と平面視完全に重なるように設けられている。
【0058】
なお、本実施形態においては、接着部材30は配線23,24と平面視重なる位置に配置されていればよい。例えば、接着部材30に配線23,24と平面視重ならない部分が存在してもよい。つまり、接着部材30の外側端部が、配線23,24のそれぞれの外側端部と絶縁部材51の外側端部との間に位置していてもよい。また、配線23,24に接着剤30aと平面視重ならない部分が存在してもよい。つまり、接着部材30が配線23,24の一部と平面視重なっていてもよい。
【0059】
このような構成の場合、配線23,24と平面視重なる部分が絶縁部材51及び接着部材30の両方で被覆されることになる。このため、配線23,24と平面視重なる部分が絶縁部材51と接着部材30のいずれか一方で被覆される場合よりも、配線23,24が外気からの静電気の影響を受けにくくなる。したがって、配線23,24や駆動回路15の静電破壊を防止することができる。
【0060】
また、絶縁部材51と保護板22との離間部分は、接着部材30を形成する液状の接着剤30aを有効表示領域A全体に満遍なく広げる際に空気を逃がす役割を果たしている。さらに、この離間部分は、液状の接着剤30aを配線23,24のそれぞれの外側端部と絶縁部材51の外側端部との間に収まる位置にはみ出させるものである。これにより、液状の接着剤30aが絶縁部材51の外側端部を乗り越えてはみ出すことを回避しつつ、液状の接着剤30aの量的なマージンを確保することができる。
【0061】
(第4実施形態)
次に、図6を参照して本発明の第4実施形態に係る電気光学装置100Cについて説明する。本実施形態において、上記第1実施形態と同様の部分については説明を省略し、同一部分には同一符号を付す。
【0062】
本実施形態では、図6に示すように、接着部材30が、入力パネル本体21と保護板22とを、配線23,24の少なくとも外側端部が露出した状態で接着している点で、第1実施形態と同様である。ただし、本実施形態では、接着部材40が、入力パネル本体21と電気光学パネル10とを、配線28,29の少なくとも外側端部が露出した状態で接着している。
【0063】
すなわち、本実施形態の絶縁部材61は、入力パネル本体21と電気光学パネル10との間において、配線28,29の露出した部位全体を覆って設けられている。本実施形態では、配線28,29のそれぞれの上端部(入力パネル本体21に接する側と反対側の端部、つまり電気光学パネル10側の端部)の一部と、配線28,29のそれぞれの外側端部とが、絶縁部材61によって覆われている。
【0064】
このように、絶縁部材61が、入力パネル本体21と電気光学パネル10との間において、配線28,29の露出した部位全体を覆って設けられているので、配線28,29が外気からの静電気の影響を受けにくくなる。このため、絶縁部材が入力パネル本体21と保護板22との間において配線23,24の露出した部位全体を覆って設けられている構成と併用することで、装置全体として、配線23,24,28,29や駆動回路15の静電破壊を防止することができる。
【0065】
なお、本実施形態では、絶縁部材61が、配線28,29のそれぞれの上端部の一部と、配線28,29のそれぞれの外側端部とを覆って設けられているが、これに限らない。例えば、絶縁部材が、配線28,29のそれぞれの外側端部のみを覆って設けられていてもよいし、配線28,29のそれぞれの上端部全体と、配線28,29のそれぞれの外側端部とを覆って設けられていてもよい。つまり、絶縁部材61の配置構成は、入力パネル本体21と電気光学パネル10との間において、上記第1実施形態から第3実施形態のいずれの構成においても同様に適用することができる。
【0066】
(電気光学装置の製造方法)
次に、図7を参照して上記第1実施形態に係る電気光学装置の製造方法について説明する。図7は、第1実施形態に係る電気光学装置の製造工程を示す工程図である。なお、図7においては、便宜上、面状電極の図示を省略している。また、この製造方法は第1実施形態に係る電気光学装置に限らず、上記第2実施形態及び第4実施形態に係る電気光学装置の製造方法においても適用できる。また、図7では、入力パネル本体21と保護板22とを接着する場合について図示しているが、入力パネル本体21と電気光学装置100とを接着する場合についても適用可能である。また、上述のように、入力パネル本体21に各種の透光性基板を接着する場合にもそのまま適用できる点は同じである。
【0067】
先ず、入力パネル本体21の表面に設けられた配線23,24の内側(図2に示す入力領域Bが設けられた側)に相当する領域内における入力パネル本体21上に液状の接着剤30aを配置する(図7(a)参照、第1の工程)。ここで、接着剤30aは、配線23,24の内側に相当する領域内であれば保護板22上に配置してもよいが、配線23,24が設けられた側に配置することが好ましい。これによって、接着剤30aが過剰となって接着範囲から周囲にはみ出すことを抑制できる。なお、本願において「液状」とは、液体以外にもペースト状などの流動性を有する状態を広く包含する意味で用い、液状の接着剤とは、貼り合わせ工程(第1の工程)において流動して接着面間に広がるものであれば如何なるものであってもよい。
【0068】
次に、入力パネル本体21の配線23,24が設けられた面と保護板22とを向かい合わせにして、入力パネル本体21と保護板22とを貼り合わせる。このとき、入力パネル本体21と保護板22とを、液状の接着剤30aを介して、配線23,24の外側端部が少なくとも露出した状態で貼り合わせる(図7(b)参照、第2の工程)。具体的には、配線23,24のそれぞれの上端部の一部と、配線23,24のそれぞれの外側端部とが、液状の接着剤30aから露出した状態で貼り合わせる。
【0069】
このとき、入力パネル本体21と保護板22に平面的に均一な圧力を加えて圧着させることにより、液状の接着剤30aが入力パネル本体21と保護板22との間で押し広げられ、配線23,24の内側の全体に広がっていく。また、接着剤30aの量に応じて配線23,24のそれぞれの上端部にはみ出しが生ずるが、当該はみ出しは配線23,24のそれぞれの上端部の一部に留まるように、予め接着剤30aの量が決定される。
【0070】
次に、液状の接着剤30aが配線23,24のそれぞれの上端部の一部に留まっている状態で、配線23,24の露出した部位全体を覆う位置に絶縁部材31を配置する(図7(c)参照、第3の工程)。具体的には、配線23,24のそれぞれの上端部の一部と、配線23,24のそれぞれの外側端部とを、覆う位置に絶縁部材31を配置する。また、絶縁部材31は、入力パネル本体21の面内に平行な方向に幅を有して形成される。例えば、この絶縁部材31の幅は、ミクロンオーダーのサイズに設定することができる。
【0071】
これにより、入力パネル本体21に設けられた配線23,24は、入力パネル本体21と保護板22との間において、接着部材30及び絶縁部材31の両方によって完全に覆われた状態となる。このように、配線23,24が露出しない構造とすることで、配線23,24が外気に触れない構造とすることができる。すると、配線23,24が外気からの静電気の影響を受けにくくなる。このため、配線23,24や半導体ICチップ等よりなる駆動回路15の静電破壊を防止することができる。
【0072】
また、絶縁部材31の配置される領域は入力領域Bの範囲外となる配線23,24の形成領域を含む領域である。このため、例えば絶縁部材31の幅がミクロンオーダーのサイズであっても、絶縁部材31は入力パネル20の額縁となる装置の大型化に寄与しない部位に収容されることになる。また、特許文献1及び2のように、基板の面内に垂直な方向に保護膜(樹脂膜)やグレア防止膜を配置しないので、基板の面内に垂直な方向に厚くなりにくい。
【0073】
また、液状の接着剤30aを介して、入力パネル本体21と保護板22とが、配線23,24の少なくとも外側端部が露出した状態で貼り合わされるので、接着剤30aが入力パネル本体21よりも小さい領域に配置されることになる。つまり、入力パネル本体21の周囲に接着剤30aがはみ出すことがない。したがって、接着剤30aが手に付着したり入力パネル本体21表面に付着したりすることがないので、入力パネル20の表面が汚れることを防止することができる。
【0074】
また、絶縁部材31は、入力パネル本体21と保護板22とのいずれにも接触して設けられる。このため、絶縁部材31を、入力パネル本体21と保護板22との間のギャップ層として用いることができる。絶縁部材31の厚みは、上述した接着部材30の厚みとして好適な範囲であることが好ましい。
【0075】
次に、上記のように配線23,24が接着部材30及び絶縁部材31の両方によって完全に覆われた状態で接着剤30aを硬化させる(図7(c)参照、第4の工程)。ここで、接着剤30aとしては光硬化性接着剤を用いているが、前述と同様に光硬化性接着剤に限定されるものではなく、熱硬化性接着剤や揮発性溶媒を用いた接着剤、威圧性接着剤等の種々の接着剤を用いることができる。この工程では、接着剤30aの種類に応じた硬化処理が行われるが、接着剤30aが光硬化型接着剤の場合には、光を入力パネル本体21側若しくは保護板22側から照射して行う。接着剤30aが固定されると、入力パネル本体21と保護板22が接着部材30によって接着固定された状態とされる。
以上の工程により、第1実施形態に係る電気光学装置が作製される。
【0076】
次に、図8を参照して上記第2実施形態に係る電気光学装置の製造方法について説明する。図8は、第2実施形態に係る電気光学装置の製造工程を示す工程図である。図8において、図7と同様の部分については説明を省略し、同一部分には同一符号を付す。なお、この製造方法は第2実施形態に係る電気光学装置に限らず、上記第4実施形態に係る電気光学装置の製造方法においても適用できる。また、図8では、入力パネル本体21と保護板22とを接着する場合について図示しているが、入力パネル本体21と電気光学装置100とを接着する場合についても適用可能である。また、上述のように、入力パネル本体21に各種の透光性基板を接着する場合にもそのまま適用できる点は同じである。
【0077】
先ず、入力パネル本体21の表面に設けられた配線23,24の外側端部を少なくとも覆う位置に絶縁部材41を配置する(図8(a)参照、第1の工程)。具体的には、配線23,24のそれぞれの外側端部のみを覆う位置に平面視枠状に絶縁部材41を配置する。
【0078】
次に、入力パネル本体21の表面に設けられた配線23,24の内側に相当する領域における入力パネル本体21上に液状の接着剤30aを配置する(図8(b)参照、第2の工程)。つまり、この接着剤配置工程(第2の工程)では、平面視枠状に配置された絶縁部材41の内側に液状の接着剤を流し込むだけでよい。このため、製造効率を向上させることができる。
【0079】
次に、入力パネル本体21の配線23,24が設けられた側と保護板22とを向かい合わせにして、入力パネル本体21と保護板22とを貼り合わせる。(図8(c)参照、第3の工程)。
【0080】
このとき、入力パネル本体21と保護板22に平面的に均一な圧力を加えて圧着させることにより、液状の接着剤30aが入力パネル本体21と保護板22との間で押し広げられ、配線23,24の内側の全体に広がっていく。また、接着剤30aが配線23,24のそれぞれの上端部にはみ出すことがないように、予め接着剤30aの量が決定される。この貼り合わせ工程(第3の工程)では、入力パネル本体21と保護板22とを圧着させたときに絶縁部材41がスペーサとして機能して接着剤30aの厚みを規制することができる。
【0081】
次に、上記のように配線23,24が接着部材30及び絶縁部材31の両方によって完全に覆われた状態で接着剤30aを硬化させる(図8(c)参照、第4の工程)。
以上の工程により、第2実施形態に係る電気光学装置が作製される。
【0082】
次に、図9を参照して上記第3実施形態に係る電気光学装置の製造方法について説明する。図9は、第3実施形態に係る電気光学装置の製造工程を示す工程図である。図9において、図7と同様の部分については説明を省略し、同一部分には同一符号を付す。なお、この製造方法は第3実施形態に係る電気光学装置に限らず、上記第4実施形態に係る電気光学装置の製造方法においても適用できる。また、図9では、入力パネル本体21と保護板22とを接着する場合について図示しているが、入力パネル本体21と電気光学装置100とを接着する場合についても適用可能である。また、上述のように、入力パネル本体21に各種の透光性基板を接着する場合にもそのまま適用できる点は同じである。
【0083】
先ず、入力パネル本体21の表面に設けられた配線23,24の外側端部を少なくとも覆う位置に絶縁部材41を配置する(図9(a)参照、第1の工程)。具体的には、配線23,24のそれぞれの上端部全体と、配線23,24のそれぞれの外側端部を覆う位置に絶縁部材41を配置する。
【0084】
次に、入力パネル本体21の表面に設けられた配線23,24の内側に相当する領域における入力パネル本体21上に液状の接着剤30aを配置する(図9(b)参照、第2の工程)。
【0085】
次に、入力パネル本体21の配線23,24が設けられた側と保護板22とを向かい合わせにして、入力パネル本体21と保護板22とを貼り合わせる。(図9(c)参照、第3の工程)。このとき、接着剤30aは、少なくとも配線23,24と平面視完全に重なるように配置される。なお、本実施形態においては、接着部材30は配線23,24と平面視重なる位置に配置されていればよい。例えば、接着部材30に配線23,24と平面視重ならない部分が存在してもよい。つまり、接着部材30の外側端部が、配線23,24のそれぞれの外側端部と絶縁部材51の外側端部との間に位置していてもよい。また、配線23,24に接着剤30aと平面視重ならない部分が存在してもよい。つまり、接着部材30が配線23,24の一部と平面視重なっていてもよい。
【0086】
このとき、入力パネル本体21と保護板22に平面的に均一な圧力を加えて圧着させることにより、液状の接着剤30aが入力パネル本体21と保護板22との間で押し広げられ、配線23,24の内側の全体に広がっていく。また、接着剤30aの量に応じて配線23,24のそれぞれの上面にはみ出しが生ずるが、当該はみ出しは配線23,24のそれぞれの上端部全体に平面視重なるように、予め接着剤30aの量が決定される。
【0087】
また、絶縁部材51と保護板22とが離間して配置される。この離間部分は、接着部材30を形成する液状の接着剤30aを有効表示領域A全体に満遍なく広げる際に空気を逃がす役割を果たす。さらに、この離間部分は、液状の接着剤30aを配線23,24のそれぞれの外側端部と絶縁部材51の外側端部との間に収まる位置にはみ出させる。これにより、液状の接着剤30aが絶縁部材51の外側端部を乗り越えてはみ出すことを回避しつつ、液状の接着剤30aの量的なマージンを確保することができる。
【0088】
次に、上記のように配線23,24が接着部材30及び絶縁部材31の両方によって完全に覆われた状態で接着剤30aを硬化させる(図9(c)参照、第4の工程)。
以上の工程により、第3実施形態に係る電気光学装置が作製される。
【0089】
(電子機器)
最後に、図10及び図11を参照して、電気光学装置100を備えた電子機器の実施形態について説明する。この電子機器400は、上記の電気光学パネル10と入力パネル20を含む電気光学装置100を内部に搭載したものである。図10は、当該電子機器400の一例として携帯電話機を示している。
【0090】
電子機器400は、複数の操作ボタン、送話口などを備えた操作部401と、受話口などを備えた表示部402とを有し、表示部402の内部に電気光学装置100が組み込まれてなる。そして、表示部402の表面(内面)上において電気光学装置100の電気光学パネル10の有効表示領域A(図1参照)を視認することができるようになっている。この場合、電子機器400の内部には、電気光学装置100を制御する後述する表示制御回路が設けられる。この表示制御回路は、電気光学パネル10を駆動する駆動回路15に対して所定の制御信号を送り、電気光学装置100の表示態様を決定する。
【0091】
図11は、電子機器400に搭載された電気光学装置100に対する制御系(表示制御系)の全体構成を示す概略構成図である。ここに示す電子機器400は、表示情報出力源291と、表示情報処理回路292と、電源回路293と、タイミングジェネレータ294と、照明ユニット60への電力供給を行う光源制御回路295とを含む表示制御回路290を有する。また、電気光学装置100には、上述の構成を有する電気光学パネル10と、この電気光学パネル10を駆動する駆動回路15と、電気光学パネル10を照明する照明ユニット60とが設けられている。
【0092】
表示情報出力源291は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等からなるメモリと、磁気記録ディスクや光記録ディスク等からなるストレージユニットと、デジタル画像信号を同調出力する同調回路とを備え、タイミングジェネレータ294によって生成された各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号等の形で表示情報を表示情報処理回路292に供給するように構成されている。
【0093】
表示情報処理回路292は、シリアル−パラレル変換回路、増幅・反転回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路等の周知の各種回路を備え、入力した表示情報の処理を実行して、その画像情報をクロック信号CLKとともに駆動回路15へ供給する。駆動回路15は、走査線駆動回路、信号線駆動回路及び検査回路を含む。また、電源回路293は、上述の各構成要素にそれぞれ所定の電圧を供給する。
【0094】
光源制御回路295は、電源回路293から供給される電圧に基づいて照明ユニット60の光源に電力を供給し、所定の制御信号に基づいて光源の点灯の有無及びその輝度等を制御するようになっている。
【0095】
また、本発明に係る電子機器としては、図10に示す携帯電話機の他に、液晶テレビ、カーナビゲーション装置、電子手帳、電卓、ワークステーション、テレビ電話、POS端末機などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器の表示部として本発明に係る電気光学装置を用いることができる。ただし、本発明は装置の薄型化が図れるという特徴を有するため、特に、携帯電話、電子時計、携帯型情報端末などといった小型の携帯型電子機器に用いる場合に有効である。
【符号の説明】
【0096】
10…電気光学パネル(対向基体)、21…入力パネル本体、22…保護板(対向基体)、23,24,28,29…配線、26,27…面状電極、30…接着部材、30a…接着剤、31,41,51…絶縁部材、100,100A,100B,100C…電気光学装置、400…電子機器、B…入力領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気光学装置及びその製造方法並びに電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯端末などの小型情報電子機器の普及に伴い、指やペン等による入力を可能にしたタッチパネルを液晶パネル等の電気光学パネルに搭載した電気光学装置が開発されている。タッチパネルの位置検出方式としては、例えば、抵抗膜方式や静電容量方式が知られている。これらのタッチパネルは、いずれも基本構造は同様であり、例えば、ITO等からなる面状電極を形成した2枚の基板を所定のギャップを有して対向配置し、その一方の基板の面状電極(以下、単に電極という)の端辺(基板の外周部)に信号取り出し用の配線を形成した構造を有する。この種の電気光学装置では、透明なタッチパネルを通して液晶パネルの画面を視認することができる。そして、視認された画面の指示に従ってタッチパネルを指やペン等の入力手段で触れることで、その接触部位の位置情報を入力できるようになっている。
【0003】
この他にも、静電容量方式のタッチパネルとしては、1枚の基板の両面に電極が設けられた構成のものがある。これは、基板の表面に設けられた電極と基板の裏面に設けられた電極との間に形成された静電容量の変化に基づいて位置を検出するものである。この静電容量方式のタッチパネルでは、基板の表面に設けられた電極に指やペン等の入力手段が触れるか又はその電極に入力手段が近づくことにより、基板の表面に設けられた電極と基板の裏面に設けられた電極との間の電気力線が入力手段によって吸収されて静電容量が減少する。この静電容量の減少による電流変化がタッチ位置検出回路によって検知され、これによって入力した位置を検出できるようになっている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0004】
ところで、タッチパネル本体となる基板の上には、電極の損傷を防止するために保護板が設けられる。この基板と保護板を貼り合わせる場合には、一般に液状の接着剤が用いられる。このとき、基板の外周部に形成された配線が露出しないように配線を覆って接着剤が配置される。具体的には、基板と保護板のうちいずれか一方の上面に液状の接着剤を配置し、その後、液状の接着剤を基板と保護板の間に満遍なく広げるように所定の荷重で押圧することで行われる。このように、基板と保護板を全面接着して配線が露出しない構造とすることで、配線が外気に触れにくい構造とすることができる。すると、配線が外気からの静電気の影響を受けにくくなる。このため、配線や半導体ICチップ等よりなる駆動回路の静電破壊を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−324203号公報
【特許文献2】特開2008−83491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1及び2では、基板の面内に垂直な方向に保護膜(樹脂膜)やグレア防止膜などを配置しているため、装置全体として基板の面内に垂直な方向に厚くなりやすい。このため、装置の薄型化が難しいという問題点がある。
基板と保護板を全面接着する場合には、貼り合わせ時に接着剤が基板の周囲にはみ出すことがあり、作業性の面で取り扱いにくい。また、基板の外周部に配線が配置されていると、接着剤が硬化しにくくなるため、基板の周囲に未硬化の接着剤がはみ出し易くなる。すると、接着剤が手に付着したり基板表面に付着したりして基板表面の汚れになる。
一方、貼り合わせ時に接着剤が基板の周囲にはみ出さないように基板よりも小さい領域で接着することが考えられるが、基板の外周部に配置された配線が露出してしまうおそれがある。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、静電破壊を防止するとともに装置の薄型化を図り、基板表面の汚れを防止することができる電気光学装置、その製造方法、電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明の電気光学装置は、入力パネル本体と、前記入力パネル本体に対向して配置された対向基体と、前記入力パネル本体と前記対向基体との間に配置され、前記入力パネル本体と前記対向基体のうち少なくとも一方に設けられた配線と、前記入力パネル本体と前記対向基体との間に配置されるとともに、前記入力パネル本体と前記対向基体とを、前記配線の少なくとも一部が露出した状態で接着固定する接着部材と、前記入力パネル本体と前記対向基体との間に配置され、前記配線の露出した部位全体を覆って設けられた絶縁部材と、を有することを特徴とする。
【0009】
この電気光学装置によれば、入力パネル本体に設けられた配線が、入力パネル本体と対向基体との間において、接着部材及び絶縁部材の両方によって完全に覆われた状態となる。このため、配線が外気からの静電気の影響を受けにくくなる。したがって、配線や半導体ICチップ等よりなる駆動回路の静電破壊を防止することができる。また、特許文献1及び2のように、基板の面内に垂直な方向に保護膜(樹脂膜)やグレア防止膜を配置する構造となっていないので、基板の面内に垂直な方向に厚くなりにくい。このため、装置の薄型化を図ることができる。
【0010】
また、上記電気光学装置は、前記入力パネル本体の中央部には面状電極が配置されてなる平面領域である入力領域が設けられており、前記配線は前記入力領域から引き出されるとともに前記入力領域の範囲外において配置され、前記接着部材は少なくとも前記入力領域に配置されるとともに前記配線の前記入力領域が設けられた側と反対側の外側端部が少なくとも露出した状態で接着固定してもよい。
【0011】
この電気光学装置によれば、入力パネル本体に設けられた配線が、入力パネル本体と対向基体との間において、接着部材及び絶縁部材の両方によって完全に覆われた状態となる。したがって、配線や駆動回路の静電破壊を防止することができる。また、特許文献1及び2のように、基板の面内に垂直な方向に保護膜(樹脂膜)やグレア防止膜を配置する構造となっていない。このため、装置の薄型化を図ることができる。また、接着部材は、入力パネル本体と対向基体とを、配線の少なくとも外側端部が露出した状態で接着固定されているので、接着部材が入力パネル本体よりも小さい領域に配置されることになる。つまり、入力パネル本体の周囲に硬化前の接着部材(接着剤)がはみ出すことがない。したがって、接着剤が手に付着したり入力パネル本体表面に付着したりすることがないので、入力パネルの表面が汚れることを防止することができる。
【0012】
また、上記電気光学装置は、前記絶縁部材が前記入力パネル本体と前記対向基体のいずれにも接触していてもよい。
【0013】
この電気光学装置によれば、絶縁部材を、入力パネル本体と対向基体との間のギャップ層として用いることができる。つまり、絶縁部材を、接着部材の厚みを決定し、かつ、均一化するためのスペーサとして用いることができる。
【0014】
また、上記電気光学装置は、前記絶縁部材が前記入力パネル本体と前記対向基体のいずれか一方と離間しているとともに前記配線の少なくとも上端部を被覆しており、かつ、前記接着部材が絶縁材料で構成されるとともに前記配線と平面視重なる領域において前記絶縁部材を被覆していてもよい。
【0015】
この電気光学装置によれば、配線と平面視重なる部分が絶縁部材及び接着部材の両方で被覆されることになる。このため、配線と平面視重なる部分が絶縁部材と接着部材のいずれか一方で被覆される場合よりも、配線が外気からの静電気の影響を受けにくくなる。したがって、配線や駆動回路の静電破壊を防止することができる。また、絶縁部材と対向基体との離間部分は、接着部材を形成する液状の接着剤を満遍なく広げる際に空気を逃がす役割を果たしている。さらに、この離間部分は、液状の接着剤を配線のそれぞれの外側端部と絶縁部材の外側端部との間に収まる位置にはみ出させるものである。これにより、液状の接着剤が絶縁部材の外側端部を乗り越えてはみ出すことを回避しつつ、液状の接着剤の量的なマージンを確保することができる。
【0016】
本発明の電気光学装置の製造方法は、入力領域を備えた入力パネル本体と、前記入力パネル本体に対向して配置され、接着部材を介して接着された対向基体と、前記入力パネル本体と前記対向基体との間に配置され、前記入力領域の範囲外において前記入力パネル本体と前記対向基体のうち少なくとも一方に設けられた配線と、を具備する電気光学装置の製造方法において、前記入力パネル本体と前記対向基体のうちいずれか一方側における前記配線の前記入力領域が設けられた側に相当する領域に液状の接着剤を配置する第1の工程と、前記液状の接着剤を介して、前記入力パネル本体と前記対向基体とを、前記配線の前記入力領域が設けられた側と反対側の外側端部が少なくとも露出した状態で貼り合わせる第2の工程と、前記配線の露出した部位全体を覆う位置に絶縁部材を配置する第3の工程と、前記液状の接着剤を硬化させて前記接着部材とする第4の工程と、を有することを特徴とする。
【0017】
この製造方法によれば、入力パネル本体に設けられた配線は、入力パネル本体と対向基体との間において、接着部材及び絶縁部材の両方によって完全に覆われた状態となる。このように、配線が露出しない構造とすることで、配線が外気に触れない構造とすることができる。すると、配線が外気からの静電気の影響を受けにくくなる。したがって、配線や駆動回路の静電破壊を防止することができる。また、絶縁部材の配置される領域は入力領域の範囲外となる配線の形成領域を含む領域である。このため、例えば絶縁部材の幅がミクロンオーダーのサイズであっても、絶縁部材は入力パネルの額縁となる装置の大型化に寄与しない部位に収容されることになる。また、特許文献1及び2のように、基板の面内に垂直な方向に保護膜(樹脂膜)やグレア防止膜を配置しないので、基板の面内に垂直な方向に厚くなりにくい。このため、装置の薄型化を図ることができる。また、液状の接着剤を介して、入力パネル本体と対向基体とが、配線の少なくとも外側端部が露出した状態で貼り合わされるので、接着剤が入力パネル本体よりも小さい領域に配置されることになる。つまり、入力パネル本体の周囲に接着剤がはみ出すことがない。したがって、接着剤が手に付着したり入力パネル本体表面に付着したりすることがないので、入力パネルの表面が汚れることを防止することができる。
【0018】
本発明の電気光学装置の製造方法は、入力領域を備えた入力パネル本体と、前記入力パネル本体に対向して配置され、接着部材を介して接着された対向基体と、前記入力パネル本体と前記対向基体との間に配置され、前記入力領域の範囲外において前記入力パネル本体と前記対向基体のうち少なくとも一方に設けられた配線と、を具備する電気光学装置の製造方法において、前記入力パネル本体と前記対向基体のうち少なくとも一方に設けられた前記配線の前記入力領域が設けられた側と反対側の外側端部を少なくとも覆う位置に平面視枠状に絶縁部材を配置する第1の工程と、前記入力パネル本体と前記対向基体のうちいずれか一方側における前記配線の前記入力領域が設けられた側に相当する領域に液状の接着剤を配置する第2の工程と、前記液状の接着剤を介して、前記入力パネル本体と前記対向基体とを貼り合わせる第3の工程と、前記液状の接着剤を硬化させて前記接着部材とする第4の工程と、を有することを特徴とする。
【0019】
この製造方法によれば、第2の工程において、平面視枠状に配置された絶縁部材の内側に液状の接着剤を流し込むだけでよいので、製造効率を向上させることができる。第3の工程において、入力パネル本体と対向基体とを貼り合わせるときに絶縁部材がスペーサとして機能するため、接着剤の厚みを規制することができる。
【0020】
本発明の電子機器は、前述した本発明の電気光学装置と、前記電気光学装置の制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、静電破壊を防止するとともに装置の薄型化を図り、基板表面の汚れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1実施形態に係る電気光学装置の概略構成を示す分解斜視図である。
【図2】第1実施形態の接着面の概略構成を示す平面図である。
【図3】第1実施形態に係る電気光学装置の概略構成を示す断面図である。
【図4】第2実施形態に係る電気光学装置の概略構成を示す断面図である。
【図5】第3実施形態に係る電気光学装置の概略構成を示す断面図である。
【図6】第4実施形態に係る電気光学装置の概略構成を示す断面図である。
【図7】第1実施形態に係る電気光学装置の製造方法を示す工程図である。
【図8】第2実施形態に係る電気光学装置の製造方法を示す工程図である。
【図9】第3実施形態に係る電気光学装置の製造方法を示す工程図である。
【図10】電子機器の外観を示す概略斜視図である。
【図11】電子機器の表示制御系を示す概略構成ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。かかる実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等が異なっている。
【0024】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る電気光学装置の概略構成を示す分解斜視図である。図2は、接着面の概略構成を示す平面図である。図3は、電気光学装置の概略構成を示す縦断面図である。なお、図1においては、便宜上、接着部材30、接着部材40及び絶縁部材31の図示を省略している。
【0025】
本実施形態の電気光学装置100は、電気光学パネル10と、この電気光学パネル10と平面視重ねて配置される入力パネル20とを有し、電気光学パネル10と入力パネル20とが透明な接着部材40を介して接着固定されたものである。また、入力パネル20を構成する入力パネル本体21と保護板(対向基体)22とが透明な接着部材30で接着固定されている。
【0026】
図3に示すように、電気光学パネル10は、例えば、ガラスや合成樹脂等によりなる一対の透明な基板11,12をシール材13で貼り合わせ、これらの基板間に液晶14を配置してなるものである。また、この電気光学パネル10は、液晶14の配向状態を図示しない電極によりそれぞれ制御可能に構成した複数の画素を備えている。また、この電気光学パネル10には、必要に応じて基板11,12の外面側(液晶14が配置された側と反対側)にそれぞれ偏光板16,17が配置される。なお、偏光板16,17は任意の構成要素であるので、以下の説明では電気光学パネル10の表面が偏光板16,17を省略して基板11,12の表面で構成されているかのように説明する場合があるが、この場合でも偏光板16,17が存在する場合には上記表面は偏光板の表面であるものとする。
【0027】
図1に示すように、電気光学パネル10には、液晶14が配置された範囲内に、画素が配置されてなる平面領域である有効表示領域Aが設けられている。この有効表示領域A内の各画素は、半導体ICチップ等よりなる駆動回路15が出力する駆動信号によって駆動され、画素ごとに所定の透過状態となるように制御される、
【0028】
電気光学パネル10において、基板11は、基板12の端縁より外側へ張り出してなる基板張出部11Tを有している。この基板張出部11T上には、有効表示領域A内から引き出された駆動側配線18a及び基板張出部11Tの端縁まで伸びる入力側配線18bが形成されるとともに、両配線18a,18bに共に導電接続された駆動回路15が実装されている。また、基板張出部11Tの端縁には、入力側配線18bに導電接続されたフレキシブル配線基板等よりなる配線部材19が実装されている。この配線部材19には入力端子19aが設けられている。この入力端子19aは、後述する電子機器の制御回路に接続される。
【0029】
図示例において、入力パネル20は透明タッチパネルである。入力パネル20の構造としては種々の構造が考えられるが、抵抗膜方式、静電容量方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、マイクロスイッチ方式などいずれの方式であってもよい。入力パネル20の構造は上記の方式ごとに異なるが、本実施形態では一例として、図3に示すように、入力パネル本体21の両面に面状電極26,27が設けられた静電容量方式のタッチパネルを示している。この入力パネル20は、入力パネル本体21の表面に設けられた面状電極26と入力パネル本体21の裏面に設けられた面状電極27との間に形成された静電容量の変化に基づいて位置を検出するものである。
【0030】
入力パネル20を構成する入力パネル本体21には、面状電極26,27が配置されてなる平面領域である入力領域Bが設けられている。面状電極26は、例えば、ITO等からなる透明導電膜または複数の電極が設けられてなるものである。保護板22には、これら面状電極26,27が形成された領域に対応する位置に、指やペン等の入力手段で触れる平面領域となる入力領域B’が設けられている。
【0031】
図1に示すように、面状電極26からは複数の配線23,24が引き出されている。これらの配線23,24は、入力領域Bに平面視重なる範囲外において、入力パネル本体21の保護板22と対向する側の面に設けられている。これらの配線23,24は、入力パネル本体21の端部に実装されたフレキシブル配線基板等よりなる配線部材25に導電接続されている。この配線部材25は、入力パネル本体21の外縁が保護板22の外縁よりも内側に配置される辺(図2に示す左辺)において、入力パネル本体21上に実装されている。
【0032】
また、面状電極27からは複数の配線28,29が引き出されている(図3参照)。これらの配線28,29は、入力領域Bに平面視重なる範囲外において、入力パネル本体21の電気光学パネル10と対向する側の面に設けられている。これらの配線28,29は、入力パネル本体21の端部に実装されたフレキシブル配線基板等よりなる配線部材(図示略)に導電接続されている。
【0033】
図2に示すように、入力領域Bは、少なくとも有効表示領域Aを完全に含むように設けられている。すなわち、入力領域Bは、有効表示領域Aの全てと重なる範囲と、必要に応じて当該範囲の外側にまで張り出した範囲と、を有している。なお、本発明においては、入力領域Bは有効表示領域Aと平面視重なる位置に配置されていればよい。例えば、入力領域Bに有効表示領域Aと平面視重ならない部分が存在してもよいし、有効表示領域Aに入力領域Bと平面視重ならない部分が存在してもよい。
【0034】
なお、電気光学パネル10は、図示例では液晶表示パネルを用いているが、これに限らず、有機EL表示パネル、プラズマディスプレイパネル、電気泳動パネルなどを用いることもできる。
【0035】
本実施形態では、電気光学パネル10と入力パネル20とが透明な接着部材40によって接着固定されている。透明な接着部材40は、液状の接着剤を硬化させたものであり、硬化後に透明であるものであれば、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、シリコーン系接着剤、ウレタン系接着剤など各種の接着剤を用いることができる。
【0036】
接着部材40は、少なくとも有効表示領域A内を全て満たすように配置され、有効表示領域Aにおいて全面的に電気光学パネル10と入力パネル20とを接着している。接着部材40の厚み(入力パネル本体21の面内に垂直な方向における入力パネル本体21と電気光学パネル10との間の距離)は特に限定されないが、1〜100μmの範囲内であることが好ましく、10〜60μmの範囲内であることがさらに好ましい。接着部材40の厚みがこの範囲であれば、光学的な影響を低減しつつ、十分な接着力を得ることが可能になる。
【0037】
また、入力パネル20を構成する入力パネル本体21と保護板22とが透明な接着部材30で接着されている。透明な接着部材30は、上記接着部材40と同様に、液状の接着剤を硬化させたものであり、硬化後に透明であるものであれば、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、シリコーン系接着剤、ウレタン系接着剤など各種の接着剤を用いることができる。
【0038】
接着部材30は、少なくとも入力領域B内を全て満たすように配置され、入力領域Bにおいて全面的に入力パネル本体21と保護板22とを接着している。
【0039】
ところで、タッチパネルと保護板を貼り合わせる場合には、タッチパネルの外周部に形成された配線が露出しないように配線を覆って接着剤が配置される。具体的には、タッチパネル本体と保護板のうちいずれか一方の上面に液状の接着剤を配置し、その後、液状の接着剤をタッチパネルと保護板の間に満遍なく広げるように所定の荷重で押圧することで行われる。このように、タッチパネルと保護板を全面接着して配線が露出しない構造とすることで、配線が外気に触れにくい構造とすることができる。すると、配線が外気からの静電気の影響を受けにくくなる。このため、配線や半導体ICチップ等よりなる駆動回路の静電破壊を防止することができる。
【0040】
しかしながら、タッチパネルと保護板を全面接着する場合には、貼り合わせ時に接着剤がタッチパネルの周囲にはみ出すことがあり、作業性の面で取り扱いにくい。また、タッチパネルの外周部に配線が配置されていると接着剤を硬化させにくいため、タッチパネルの周囲に未硬化の接着剤がはみ出し易くなる。すると、接着剤が手に付着したり基板表面に付着したりして基板表面の汚れになる。
【0041】
そこで、本実施形態では、入力パネル本体21と保護板22とを貼り合わせる時に、液状の接着剤が入力パネル本体21の周囲にはみ出さないように入力パネル本体よりも小さい領域で配線の少なくとも一部が露出した状態で接着するとともに、配線の露出した部位全体を覆うようにこの接着剤の外側に絶縁部材を設けている。
【0042】
具体的には、この接着部材30は、入力パネル本体21と保護板22とを、配線23,24の入力領域Bが設けられた側と反対側の外側端部(入力パネル本体21の外縁に近い側の側端部)が少なくとも露出した状態で接着固定している。本実施形態では、配線23,24のそれぞれの上端部の一部と、配線23,24のそれぞれの外側端部とが、接着部材30から露出している。
【0043】
また、絶縁部材31は、入力パネル本体21と保護板22との間において、配線23,24の露出した部位全体を覆って設けられている。本実施形態では、配線23,24のそれぞれの上端部の一部と、配線23,24のそれぞれの外側端部とが、絶縁部材31によって覆われている。
【0044】
これにより、入力パネル本体21に設けられた配線23,24は、入力パネル本体21と保護板22との間において、接着部材30及び絶縁部材31の両方によって完全に覆われた状態となる。このように、配線23,24が露出しない構造とすることで、配線23,24が外気に触れにくい構造とすることができる。すると、配線23,24が外気からの静電気の影響を受けにくくなる。このため、配線23,24や半導体ICチップ等よりなる駆動回路15の静電破壊を防止することができる。
【0045】
また、絶縁部材31は、入力パネル本体21の面内に平行な方向に幅を有して形成されている。絶縁部材31の配置される領域は入力領域Bの範囲外となる配線23,24の形成領域を含む領域であるため、例えば絶縁部材31の幅がミクロンオーダーであっても、絶縁部材31は入力パネル20の額縁に収容される。つまり、絶縁部材31は装置の大型化に寄与しない部位に収容される。また、特許文献1及び2のように、基板の面内に垂直な方向に保護膜(樹脂膜)やグレア防止膜を配置する構造となっていないので、基板の面内に垂直な方向に厚くなりにくい。
【0046】
また、絶縁部材31は、入力パネル本体21と保護板22とのいずれにも接触して設けられている。このため、絶縁部材31を、入力パネル本体21と保護板22との間のギャップ層として用いることができる。絶縁部材31の厚み(入力パネル本体21の面内に垂直な方向における入力パネル本体21と保護板22との間の距離)は、上述した接着部材30の厚みとして好適な範囲であることが好ましい。
【0047】
本実施形態に係る電気光学装置100によれば、入力パネル本体21に設けられた配線23,24が、入力パネル本体21と保護板22との間において、接着部材30及び絶縁部材31の両方によって完全に覆われた状態となるため、配線23,24が外気からの静電気の影響を受けにくくなる。したがって、配線23,24や駆動回路15の静電破壊を防止することができる。また、特許文献1及び2のように、基板の面内に垂直な方向に保護膜(樹脂膜)やグレア防止膜を配置する構造となっていないので、基板の面内に垂直な方向に厚くなりにくい。このため、装置の薄型化を図ることができる。また、接着部材30は、入力パネル本体21と保護板22とを、配線23,24の少なくとも外側端部が露出した状態で接着固定されているので、接着部材30が入力パネル本体21よりも小さい領域に配置されることになる。つまり、入力パネル本体21の周囲に液状の接着剤がはみ出すことがない。したがって、液状の接着剤が手に付着したり基板表面に付着したりすることがないので、入力パネル20表面が汚れることを防止することができる。
【0048】
また、この構成によれば、絶縁部材31が入力パネル本体21と保護板22とのいずれにも接触して設けられているので、絶縁部材31を、入力パネル本体21と保護板22との間のギャップ層として用いることができる。つまり、絶縁部材31を、接着部材30の厚みを決定し、かつ、均一化するためのスペーサとして用いることができる。
【0049】
なお、本実施形態では、入力パネル本体21と保護板22とを接着する構造について説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、入力パネル本体と他の透光性基板(例えば、光学基板、視角制御板、三次元表示のための視差バリア板など)を接着する構造としても用いることができる。この点は、以下に説明する各実施形態においても同様である。
【0050】
また、本実施形態では、静電容量方式のタッチパネルの一例として、入力パネル本体21となる基板の両面に面状電極が設けられた構成について説明したが、これに限らない。例えば、面状電極を形成した2枚の基板を所定のギャップを有して対向配置し、その一方の基板の面状電極の端辺(基板の外周部)に信号取り出し用の配線を形成した構成であっても適用可能である。
【0051】
また、本実施形態では、配線が入力パネル本体の側に設けられている例を示したが、本発明はこれに限定するものではない。例えば、配線が入力パネル本体及び保護板の両方に設けられていてもよいし、保護板の側に設けられていてもよい。
【0052】
(第2実施形態)
次に、図4を参照して本発明の第2実施形態に係る電気光学装置100Aについて説明する。本実施形態において、上記第1実施形態と同様の部分については説明を省略し、同一部分には同一符号を付す。
【0053】
本実施形態では、図4に示すように、接着部材30が、入力パネル本体21と保護板22とを、配線23,24の少なくとも外側端部が露出した状態で接着している点で、第1実施形態と同様である。ただし、本実施形態では、配線23,24のそれぞれの外側端部のみが、接着部材30から露出している。すなわち、本実施形態の絶縁部材41は、配線23,24のそれぞれの外側端部のみを覆って設けられている。
【0054】
このように、配線23,24のそれぞれの外側端部のみが絶縁部材41によって覆われている場合、絶縁部材41が配置される下地が入力パネル本体21のみとなる。このため、絶縁部材41が配置される下地が配線23,24及び入力パネル本体21の両方を含む領域となる場合よりも、絶縁部材41を安定した状態で設けることができる。
【0055】
(第3実施形態)
次に、図5を参照して本発明の第3実施形態に係る電気光学装置100Bについて説明する。本実施形態において、上記第1実施形態と同様の部分については説明を省略し、同一部分には同一符号を付す。
【0056】
本実施形態では、図5に示すように、接着部材30が、入力パネル本体21と保護板22とを、配線23,24の少なくとも外側端部が露出した状態で接着している点で、第1実施形態と同様である。ただし、本実施形態では、配線23,24のそれぞれの上端部(入力パネル本体21に接する側と反対側の端部、つまり保護板22側の端部)全体と、配線23,24のそれぞれの外側端部とが、接着部材30から露出している。すなわち、本実施形態の絶縁部材51は、配線23,24のそれぞれの上端部全体と、配線23,24のそれぞれの外側端部とを覆って設けられている。
【0057】
また、絶縁部材51が保護板22と接着部材30を介して離間しているとともに配線23,24の上端部を被覆している。さらに、接着部材30が絶縁材料で構成されるとともに配線23,24と平面視重なる領域において絶縁部材51を被覆している。この接着部材30は、少なくとも配線23,24と平面視完全に重なるように設けられている。
【0058】
なお、本実施形態においては、接着部材30は配線23,24と平面視重なる位置に配置されていればよい。例えば、接着部材30に配線23,24と平面視重ならない部分が存在してもよい。つまり、接着部材30の外側端部が、配線23,24のそれぞれの外側端部と絶縁部材51の外側端部との間に位置していてもよい。また、配線23,24に接着剤30aと平面視重ならない部分が存在してもよい。つまり、接着部材30が配線23,24の一部と平面視重なっていてもよい。
【0059】
このような構成の場合、配線23,24と平面視重なる部分が絶縁部材51及び接着部材30の両方で被覆されることになる。このため、配線23,24と平面視重なる部分が絶縁部材51と接着部材30のいずれか一方で被覆される場合よりも、配線23,24が外気からの静電気の影響を受けにくくなる。したがって、配線23,24や駆動回路15の静電破壊を防止することができる。
【0060】
また、絶縁部材51と保護板22との離間部分は、接着部材30を形成する液状の接着剤30aを有効表示領域A全体に満遍なく広げる際に空気を逃がす役割を果たしている。さらに、この離間部分は、液状の接着剤30aを配線23,24のそれぞれの外側端部と絶縁部材51の外側端部との間に収まる位置にはみ出させるものである。これにより、液状の接着剤30aが絶縁部材51の外側端部を乗り越えてはみ出すことを回避しつつ、液状の接着剤30aの量的なマージンを確保することができる。
【0061】
(第4実施形態)
次に、図6を参照して本発明の第4実施形態に係る電気光学装置100Cについて説明する。本実施形態において、上記第1実施形態と同様の部分については説明を省略し、同一部分には同一符号を付す。
【0062】
本実施形態では、図6に示すように、接着部材30が、入力パネル本体21と保護板22とを、配線23,24の少なくとも外側端部が露出した状態で接着している点で、第1実施形態と同様である。ただし、本実施形態では、接着部材40が、入力パネル本体21と電気光学パネル10とを、配線28,29の少なくとも外側端部が露出した状態で接着している。
【0063】
すなわち、本実施形態の絶縁部材61は、入力パネル本体21と電気光学パネル10との間において、配線28,29の露出した部位全体を覆って設けられている。本実施形態では、配線28,29のそれぞれの上端部(入力パネル本体21に接する側と反対側の端部、つまり電気光学パネル10側の端部)の一部と、配線28,29のそれぞれの外側端部とが、絶縁部材61によって覆われている。
【0064】
このように、絶縁部材61が、入力パネル本体21と電気光学パネル10との間において、配線28,29の露出した部位全体を覆って設けられているので、配線28,29が外気からの静電気の影響を受けにくくなる。このため、絶縁部材が入力パネル本体21と保護板22との間において配線23,24の露出した部位全体を覆って設けられている構成と併用することで、装置全体として、配線23,24,28,29や駆動回路15の静電破壊を防止することができる。
【0065】
なお、本実施形態では、絶縁部材61が、配線28,29のそれぞれの上端部の一部と、配線28,29のそれぞれの外側端部とを覆って設けられているが、これに限らない。例えば、絶縁部材が、配線28,29のそれぞれの外側端部のみを覆って設けられていてもよいし、配線28,29のそれぞれの上端部全体と、配線28,29のそれぞれの外側端部とを覆って設けられていてもよい。つまり、絶縁部材61の配置構成は、入力パネル本体21と電気光学パネル10との間において、上記第1実施形態から第3実施形態のいずれの構成においても同様に適用することができる。
【0066】
(電気光学装置の製造方法)
次に、図7を参照して上記第1実施形態に係る電気光学装置の製造方法について説明する。図7は、第1実施形態に係る電気光学装置の製造工程を示す工程図である。なお、図7においては、便宜上、面状電極の図示を省略している。また、この製造方法は第1実施形態に係る電気光学装置に限らず、上記第2実施形態及び第4実施形態に係る電気光学装置の製造方法においても適用できる。また、図7では、入力パネル本体21と保護板22とを接着する場合について図示しているが、入力パネル本体21と電気光学装置100とを接着する場合についても適用可能である。また、上述のように、入力パネル本体21に各種の透光性基板を接着する場合にもそのまま適用できる点は同じである。
【0067】
先ず、入力パネル本体21の表面に設けられた配線23,24の内側(図2に示す入力領域Bが設けられた側)に相当する領域内における入力パネル本体21上に液状の接着剤30aを配置する(図7(a)参照、第1の工程)。ここで、接着剤30aは、配線23,24の内側に相当する領域内であれば保護板22上に配置してもよいが、配線23,24が設けられた側に配置することが好ましい。これによって、接着剤30aが過剰となって接着範囲から周囲にはみ出すことを抑制できる。なお、本願において「液状」とは、液体以外にもペースト状などの流動性を有する状態を広く包含する意味で用い、液状の接着剤とは、貼り合わせ工程(第1の工程)において流動して接着面間に広がるものであれば如何なるものであってもよい。
【0068】
次に、入力パネル本体21の配線23,24が設けられた面と保護板22とを向かい合わせにして、入力パネル本体21と保護板22とを貼り合わせる。このとき、入力パネル本体21と保護板22とを、液状の接着剤30aを介して、配線23,24の外側端部が少なくとも露出した状態で貼り合わせる(図7(b)参照、第2の工程)。具体的には、配線23,24のそれぞれの上端部の一部と、配線23,24のそれぞれの外側端部とが、液状の接着剤30aから露出した状態で貼り合わせる。
【0069】
このとき、入力パネル本体21と保護板22に平面的に均一な圧力を加えて圧着させることにより、液状の接着剤30aが入力パネル本体21と保護板22との間で押し広げられ、配線23,24の内側の全体に広がっていく。また、接着剤30aの量に応じて配線23,24のそれぞれの上端部にはみ出しが生ずるが、当該はみ出しは配線23,24のそれぞれの上端部の一部に留まるように、予め接着剤30aの量が決定される。
【0070】
次に、液状の接着剤30aが配線23,24のそれぞれの上端部の一部に留まっている状態で、配線23,24の露出した部位全体を覆う位置に絶縁部材31を配置する(図7(c)参照、第3の工程)。具体的には、配線23,24のそれぞれの上端部の一部と、配線23,24のそれぞれの外側端部とを、覆う位置に絶縁部材31を配置する。また、絶縁部材31は、入力パネル本体21の面内に平行な方向に幅を有して形成される。例えば、この絶縁部材31の幅は、ミクロンオーダーのサイズに設定することができる。
【0071】
これにより、入力パネル本体21に設けられた配線23,24は、入力パネル本体21と保護板22との間において、接着部材30及び絶縁部材31の両方によって完全に覆われた状態となる。このように、配線23,24が露出しない構造とすることで、配線23,24が外気に触れない構造とすることができる。すると、配線23,24が外気からの静電気の影響を受けにくくなる。このため、配線23,24や半導体ICチップ等よりなる駆動回路15の静電破壊を防止することができる。
【0072】
また、絶縁部材31の配置される領域は入力領域Bの範囲外となる配線23,24の形成領域を含む領域である。このため、例えば絶縁部材31の幅がミクロンオーダーのサイズであっても、絶縁部材31は入力パネル20の額縁となる装置の大型化に寄与しない部位に収容されることになる。また、特許文献1及び2のように、基板の面内に垂直な方向に保護膜(樹脂膜)やグレア防止膜を配置しないので、基板の面内に垂直な方向に厚くなりにくい。
【0073】
また、液状の接着剤30aを介して、入力パネル本体21と保護板22とが、配線23,24の少なくとも外側端部が露出した状態で貼り合わされるので、接着剤30aが入力パネル本体21よりも小さい領域に配置されることになる。つまり、入力パネル本体21の周囲に接着剤30aがはみ出すことがない。したがって、接着剤30aが手に付着したり入力パネル本体21表面に付着したりすることがないので、入力パネル20の表面が汚れることを防止することができる。
【0074】
また、絶縁部材31は、入力パネル本体21と保護板22とのいずれにも接触して設けられる。このため、絶縁部材31を、入力パネル本体21と保護板22との間のギャップ層として用いることができる。絶縁部材31の厚みは、上述した接着部材30の厚みとして好適な範囲であることが好ましい。
【0075】
次に、上記のように配線23,24が接着部材30及び絶縁部材31の両方によって完全に覆われた状態で接着剤30aを硬化させる(図7(c)参照、第4の工程)。ここで、接着剤30aとしては光硬化性接着剤を用いているが、前述と同様に光硬化性接着剤に限定されるものではなく、熱硬化性接着剤や揮発性溶媒を用いた接着剤、威圧性接着剤等の種々の接着剤を用いることができる。この工程では、接着剤30aの種類に応じた硬化処理が行われるが、接着剤30aが光硬化型接着剤の場合には、光を入力パネル本体21側若しくは保護板22側から照射して行う。接着剤30aが固定されると、入力パネル本体21と保護板22が接着部材30によって接着固定された状態とされる。
以上の工程により、第1実施形態に係る電気光学装置が作製される。
【0076】
次に、図8を参照して上記第2実施形態に係る電気光学装置の製造方法について説明する。図8は、第2実施形態に係る電気光学装置の製造工程を示す工程図である。図8において、図7と同様の部分については説明を省略し、同一部分には同一符号を付す。なお、この製造方法は第2実施形態に係る電気光学装置に限らず、上記第4実施形態に係る電気光学装置の製造方法においても適用できる。また、図8では、入力パネル本体21と保護板22とを接着する場合について図示しているが、入力パネル本体21と電気光学装置100とを接着する場合についても適用可能である。また、上述のように、入力パネル本体21に各種の透光性基板を接着する場合にもそのまま適用できる点は同じである。
【0077】
先ず、入力パネル本体21の表面に設けられた配線23,24の外側端部を少なくとも覆う位置に絶縁部材41を配置する(図8(a)参照、第1の工程)。具体的には、配線23,24のそれぞれの外側端部のみを覆う位置に平面視枠状に絶縁部材41を配置する。
【0078】
次に、入力パネル本体21の表面に設けられた配線23,24の内側に相当する領域における入力パネル本体21上に液状の接着剤30aを配置する(図8(b)参照、第2の工程)。つまり、この接着剤配置工程(第2の工程)では、平面視枠状に配置された絶縁部材41の内側に液状の接着剤を流し込むだけでよい。このため、製造効率を向上させることができる。
【0079】
次に、入力パネル本体21の配線23,24が設けられた側と保護板22とを向かい合わせにして、入力パネル本体21と保護板22とを貼り合わせる。(図8(c)参照、第3の工程)。
【0080】
このとき、入力パネル本体21と保護板22に平面的に均一な圧力を加えて圧着させることにより、液状の接着剤30aが入力パネル本体21と保護板22との間で押し広げられ、配線23,24の内側の全体に広がっていく。また、接着剤30aが配線23,24のそれぞれの上端部にはみ出すことがないように、予め接着剤30aの量が決定される。この貼り合わせ工程(第3の工程)では、入力パネル本体21と保護板22とを圧着させたときに絶縁部材41がスペーサとして機能して接着剤30aの厚みを規制することができる。
【0081】
次に、上記のように配線23,24が接着部材30及び絶縁部材31の両方によって完全に覆われた状態で接着剤30aを硬化させる(図8(c)参照、第4の工程)。
以上の工程により、第2実施形態に係る電気光学装置が作製される。
【0082】
次に、図9を参照して上記第3実施形態に係る電気光学装置の製造方法について説明する。図9は、第3実施形態に係る電気光学装置の製造工程を示す工程図である。図9において、図7と同様の部分については説明を省略し、同一部分には同一符号を付す。なお、この製造方法は第3実施形態に係る電気光学装置に限らず、上記第4実施形態に係る電気光学装置の製造方法においても適用できる。また、図9では、入力パネル本体21と保護板22とを接着する場合について図示しているが、入力パネル本体21と電気光学装置100とを接着する場合についても適用可能である。また、上述のように、入力パネル本体21に各種の透光性基板を接着する場合にもそのまま適用できる点は同じである。
【0083】
先ず、入力パネル本体21の表面に設けられた配線23,24の外側端部を少なくとも覆う位置に絶縁部材41を配置する(図9(a)参照、第1の工程)。具体的には、配線23,24のそれぞれの上端部全体と、配線23,24のそれぞれの外側端部を覆う位置に絶縁部材41を配置する。
【0084】
次に、入力パネル本体21の表面に設けられた配線23,24の内側に相当する領域における入力パネル本体21上に液状の接着剤30aを配置する(図9(b)参照、第2の工程)。
【0085】
次に、入力パネル本体21の配線23,24が設けられた側と保護板22とを向かい合わせにして、入力パネル本体21と保護板22とを貼り合わせる。(図9(c)参照、第3の工程)。このとき、接着剤30aは、少なくとも配線23,24と平面視完全に重なるように配置される。なお、本実施形態においては、接着部材30は配線23,24と平面視重なる位置に配置されていればよい。例えば、接着部材30に配線23,24と平面視重ならない部分が存在してもよい。つまり、接着部材30の外側端部が、配線23,24のそれぞれの外側端部と絶縁部材51の外側端部との間に位置していてもよい。また、配線23,24に接着剤30aと平面視重ならない部分が存在してもよい。つまり、接着部材30が配線23,24の一部と平面視重なっていてもよい。
【0086】
このとき、入力パネル本体21と保護板22に平面的に均一な圧力を加えて圧着させることにより、液状の接着剤30aが入力パネル本体21と保護板22との間で押し広げられ、配線23,24の内側の全体に広がっていく。また、接着剤30aの量に応じて配線23,24のそれぞれの上面にはみ出しが生ずるが、当該はみ出しは配線23,24のそれぞれの上端部全体に平面視重なるように、予め接着剤30aの量が決定される。
【0087】
また、絶縁部材51と保護板22とが離間して配置される。この離間部分は、接着部材30を形成する液状の接着剤30aを有効表示領域A全体に満遍なく広げる際に空気を逃がす役割を果たす。さらに、この離間部分は、液状の接着剤30aを配線23,24のそれぞれの外側端部と絶縁部材51の外側端部との間に収まる位置にはみ出させる。これにより、液状の接着剤30aが絶縁部材51の外側端部を乗り越えてはみ出すことを回避しつつ、液状の接着剤30aの量的なマージンを確保することができる。
【0088】
次に、上記のように配線23,24が接着部材30及び絶縁部材31の両方によって完全に覆われた状態で接着剤30aを硬化させる(図9(c)参照、第4の工程)。
以上の工程により、第3実施形態に係る電気光学装置が作製される。
【0089】
(電子機器)
最後に、図10及び図11を参照して、電気光学装置100を備えた電子機器の実施形態について説明する。この電子機器400は、上記の電気光学パネル10と入力パネル20を含む電気光学装置100を内部に搭載したものである。図10は、当該電子機器400の一例として携帯電話機を示している。
【0090】
電子機器400は、複数の操作ボタン、送話口などを備えた操作部401と、受話口などを備えた表示部402とを有し、表示部402の内部に電気光学装置100が組み込まれてなる。そして、表示部402の表面(内面)上において電気光学装置100の電気光学パネル10の有効表示領域A(図1参照)を視認することができるようになっている。この場合、電子機器400の内部には、電気光学装置100を制御する後述する表示制御回路が設けられる。この表示制御回路は、電気光学パネル10を駆動する駆動回路15に対して所定の制御信号を送り、電気光学装置100の表示態様を決定する。
【0091】
図11は、電子機器400に搭載された電気光学装置100に対する制御系(表示制御系)の全体構成を示す概略構成図である。ここに示す電子機器400は、表示情報出力源291と、表示情報処理回路292と、電源回路293と、タイミングジェネレータ294と、照明ユニット60への電力供給を行う光源制御回路295とを含む表示制御回路290を有する。また、電気光学装置100には、上述の構成を有する電気光学パネル10と、この電気光学パネル10を駆動する駆動回路15と、電気光学パネル10を照明する照明ユニット60とが設けられている。
【0092】
表示情報出力源291は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等からなるメモリと、磁気記録ディスクや光記録ディスク等からなるストレージユニットと、デジタル画像信号を同調出力する同調回路とを備え、タイミングジェネレータ294によって生成された各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号等の形で表示情報を表示情報処理回路292に供給するように構成されている。
【0093】
表示情報処理回路292は、シリアル−パラレル変換回路、増幅・反転回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路等の周知の各種回路を備え、入力した表示情報の処理を実行して、その画像情報をクロック信号CLKとともに駆動回路15へ供給する。駆動回路15は、走査線駆動回路、信号線駆動回路及び検査回路を含む。また、電源回路293は、上述の各構成要素にそれぞれ所定の電圧を供給する。
【0094】
光源制御回路295は、電源回路293から供給される電圧に基づいて照明ユニット60の光源に電力を供給し、所定の制御信号に基づいて光源の点灯の有無及びその輝度等を制御するようになっている。
【0095】
また、本発明に係る電子機器としては、図10に示す携帯電話機の他に、液晶テレビ、カーナビゲーション装置、電子手帳、電卓、ワークステーション、テレビ電話、POS端末機などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器の表示部として本発明に係る電気光学装置を用いることができる。ただし、本発明は装置の薄型化が図れるという特徴を有するため、特に、携帯電話、電子時計、携帯型情報端末などといった小型の携帯型電子機器に用いる場合に有効である。
【符号の説明】
【0096】
10…電気光学パネル(対向基体)、21…入力パネル本体、22…保護板(対向基体)、23,24,28,29…配線、26,27…面状電極、30…接着部材、30a…接着剤、31,41,51…絶縁部材、100,100A,100B,100C…電気光学装置、400…電子機器、B…入力領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力パネル本体と、
前記入力パネル本体に対向して配置された対向基体と、
前記入力パネル本体と前記対向基体との間に配置され、前記入力パネル本体と前記対向基体のうち少なくとも一方に設けられた配線と、
前記入力パネル本体と前記対向基体との間に配置されるとともに、前記入力パネル本体と前記対向基体とを、前記配線の少なくとも一部が露出した状態で接着固定する接着部材と、
前記入力パネル本体と前記対向基体との間に配置され、前記配線の露出した部位全体を覆って設けられた絶縁部材と、
を有することを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
前記入力パネル本体の中央部には面状電極が配置されてなる平面領域である入力領域が設けられており、前記配線は前記入力領域から引き出されるとともに前記入力領域の範囲外において配置され、前記接着部材は少なくとも前記入力領域に配置されるとともに前記配線の前記入力領域が設けられた側と反対側の外側端部が少なくとも露出した状態で接着固定することを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
前記絶縁部材が前記入力パネル本体と前記対向基体のいずれにも接触していることを特徴とする請求項1または2に記載の電気光学装置。
【請求項4】
前記絶縁部材が前記入力パネル本体と前記対向基体のいずれか一方と離間しているとともに前記配線の少なくとも上端部を被覆しており、かつ、前記接着部材が絶縁材料で構成されるとともに前記配線と平面視重なる領域において前記絶縁部材を被覆していることを特徴とする請求項1または2に記載の電気光学装置。
【請求項5】
入力領域を備えた入力パネル本体と、前記入力パネル本体に対向して配置され、接着部材を介して接着された対向基体と、前記入力パネル本体と前記対向基体との間に配置され、前記入力領域の範囲外において前記入力パネル本体と前記対向基体のうち少なくとも一方に設けられた配線と、を具備する電気光学装置の製造方法において、
前記入力パネル本体と前記対向基体のうちいずれか一方側における前記配線の前記入力領域が設けられた側に相当する領域に液状の接着剤を配置する第1の工程と、
前記液状の接着剤を介して、前記入力パネル本体と前記対向基体とを、前記配線の前記入力領域が設けられた側と反対側の外側端部が少なくとも露出した状態で貼り合わせる第2の工程と、
前記配線の露出した部位全体を覆う位置に絶縁部材を配置する第3の工程と、
前記液状の接着剤を硬化させて前記接着部材とする第4の工程と、
を有することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項6】
入力領域を備えた入力パネル本体と、前記入力パネル本体に対向して配置され、接着部材を介して接着された対向基体と、前記入力パネル本体と前記対向基体との間に配置され、前記入力領域の範囲外において前記入力パネル本体と前記対向基体のうち少なくとも一方に設けられた配線と、を具備する電気光学装置の製造方法において、
前記入力パネル本体と前記対向基体のうち少なくとも一方に設けられた前記配線の前記入力領域が設けられた側と反対側の外側端部を少なくとも覆う位置に平面視枠状に絶縁部材を配置する第1の工程と、
前記入力パネル本体と前記対向基体のうちいずれか一方側における前記配線の前記入力領域が設けられた側に相当する領域に液状の接着剤を配置する第2の工程と、
前記液状の接着剤を介して、前記入力パネル本体と前記対向基体とを貼り合わせる第3の工程と、
前記液状の接着剤を硬化させて前記接着部材とする第4の工程と、
を有することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気光学装置と、
前記電気光学装置の制御手段と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項1】
入力パネル本体と、
前記入力パネル本体に対向して配置された対向基体と、
前記入力パネル本体と前記対向基体との間に配置され、前記入力パネル本体と前記対向基体のうち少なくとも一方に設けられた配線と、
前記入力パネル本体と前記対向基体との間に配置されるとともに、前記入力パネル本体と前記対向基体とを、前記配線の少なくとも一部が露出した状態で接着固定する接着部材と、
前記入力パネル本体と前記対向基体との間に配置され、前記配線の露出した部位全体を覆って設けられた絶縁部材と、
を有することを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
前記入力パネル本体の中央部には面状電極が配置されてなる平面領域である入力領域が設けられており、前記配線は前記入力領域から引き出されるとともに前記入力領域の範囲外において配置され、前記接着部材は少なくとも前記入力領域に配置されるとともに前記配線の前記入力領域が設けられた側と反対側の外側端部が少なくとも露出した状態で接着固定することを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
前記絶縁部材が前記入力パネル本体と前記対向基体のいずれにも接触していることを特徴とする請求項1または2に記載の電気光学装置。
【請求項4】
前記絶縁部材が前記入力パネル本体と前記対向基体のいずれか一方と離間しているとともに前記配線の少なくとも上端部を被覆しており、かつ、前記接着部材が絶縁材料で構成されるとともに前記配線と平面視重なる領域において前記絶縁部材を被覆していることを特徴とする請求項1または2に記載の電気光学装置。
【請求項5】
入力領域を備えた入力パネル本体と、前記入力パネル本体に対向して配置され、接着部材を介して接着された対向基体と、前記入力パネル本体と前記対向基体との間に配置され、前記入力領域の範囲外において前記入力パネル本体と前記対向基体のうち少なくとも一方に設けられた配線と、を具備する電気光学装置の製造方法において、
前記入力パネル本体と前記対向基体のうちいずれか一方側における前記配線の前記入力領域が設けられた側に相当する領域に液状の接着剤を配置する第1の工程と、
前記液状の接着剤を介して、前記入力パネル本体と前記対向基体とを、前記配線の前記入力領域が設けられた側と反対側の外側端部が少なくとも露出した状態で貼り合わせる第2の工程と、
前記配線の露出した部位全体を覆う位置に絶縁部材を配置する第3の工程と、
前記液状の接着剤を硬化させて前記接着部材とする第4の工程と、
を有することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項6】
入力領域を備えた入力パネル本体と、前記入力パネル本体に対向して配置され、接着部材を介して接着された対向基体と、前記入力パネル本体と前記対向基体との間に配置され、前記入力領域の範囲外において前記入力パネル本体と前記対向基体のうち少なくとも一方に設けられた配線と、を具備する電気光学装置の製造方法において、
前記入力パネル本体と前記対向基体のうち少なくとも一方に設けられた前記配線の前記入力領域が設けられた側と反対側の外側端部を少なくとも覆う位置に平面視枠状に絶縁部材を配置する第1の工程と、
前記入力パネル本体と前記対向基体のうちいずれか一方側における前記配線の前記入力領域が設けられた側に相当する領域に液状の接着剤を配置する第2の工程と、
前記液状の接着剤を介して、前記入力パネル本体と前記対向基体とを貼り合わせる第3の工程と、
前記液状の接着剤を硬化させて前記接着部材とする第4の工程と、
を有することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気光学装置と、
前記電気光学装置の制御手段と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−128932(P2011−128932A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−287291(P2009−287291)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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