説明

電気光学装置及び電子機器

【課題】回路面積の増大を抑制しながら保持容量線に対して容量電圧信号を好適に供給する。
【解決手段】電気光学装置(100)は、N本の走査線(13)と、保持容量を形成するN本の保持容量線(SC)と、N個の走査線駆動ユニット(31)を備える走査線駆動回路(3)と、後段行の走査線駆動ユニットから供給される走査信号がオン電圧となるタイミングに同期して、保持容量線に対して容量電圧信号を順次供給するN個の保持容量線駆動ユニット(51)を備える保持容量線駆動回路(5)とを備え、最終行の保持容量線駆動ユニットは、N本の走査線への一連の走査信号の供給が開始されるタイミングに同期してオン電圧に切り替わる制御信号(STV)がオン電圧となるタイミングに同期して保持容量線に容量電圧信号を供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば液晶装置等の電気光学装置、及びこのような電気光学装置を備える電子機器の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電気光学装置として、一対の素子基板及び対向基板間に、電気光学物質の一例である液晶が挟持される液晶装置が一例としてあげられる。素子基板上における画素領域には、走査線及びデータ線の交差に対応して画素電極を含む画素部が形成されることにより、複数の画素部がマトリクス状に平面配列される。そして、各画素部には、画素スイッチング素子として、例えば薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;以下適宜、「TFT」と称する)が含まれる。電気光学装置の駆動時、各画素部において、走査線より走査信号が供給されることにより画素スイッチング素子がオン状態となると、データ線より画素スイッチング素子を介して画素電極に画像信号が供給される。また、典型的には、複数の画素電極に対応して、画素領域の概ね全体に、複数の画素部に共通に共通電極がベタ状に形成されている。そして、液晶装置の駆動時には、画素電極と共通電極との間の電位差に基づく印加電圧が液晶に印加される。その結果、液晶の配向や秩序が制御され、画像表示が可能となる。
【0003】
ところで、液晶装置には、適用される電子機器の特性、特長及び用途等から、低消費電力が強く求められている。この一方、データ線は高い周波数で駆動され且つ液晶の駆動には通常10ボルト以上の高い電圧振幅が必要であるため、データ線には高い電圧振幅を有する画像信号が供給されるのが一般的である。
【0004】
このような低消費電力化の要請に応えるために、データ線に供給されるデータ信号(画像信号)の電位が正極性書込に対応するものであるか又は負極性書込に対応するものであるかに応じて、液晶と並列に接続される保持容量を形成する保持容量線の電位を、高位側又は低位側にシフトさせることにより、データ線に供給される画像信号の電圧振幅を低減させ、その結果、低消費電力化を実現する蓄積容量線(Storage Swinging Line)駆動を採用する液晶装置が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
ここで、保持容量線を駆動する(つまり、保持容量線に対して高位側又は低位側の容量電圧信号を供給する)ための保持容量線駆動回路は、画素領域に対して、走査線に走査信号を供給するための走査線駆動回路と同じ側の辺に沿って又は対向する側の辺に沿って配置されるのが一般的である。この場合、保持容量線駆動回路を配置するために、液晶装置上での回路面積が増大してしまう。このため、特許文献1に開示された構成では、走査線駆動回路に対して保持容量線駆動回路を追加すると共に走査信号を生成するためのシフトレジスタ出力を保持容量線駆動回路に対して入力することで、回路面積の増大を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−220947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、保持容量線駆動回路では、以下のような動作を行うことで保持容量線に対して容量電圧信号を供給している。具体的には、保持容量線駆動回路は、各行毎に保持容量線駆動ユニットを備えると共に、第k(但し、kは1以上の整数)行の保持容量線駆動ユニットは、第k+1行の走査線に対してオン電圧の走査信号が供給されるタイミングで、電位レベルを切り替えた容量電圧信号を第k行の保持容量線に対して供給する。つまり、ある行の保持容量線駆動ユニットは、後段行の走査線駆動ユニットから供給される走査信号がオン電圧になるタイミングで、電位レベルを切り替えた容量電圧信号を供給する。
【0008】
しかしながら、後段行の走査線駆動ユニットから供給される走査信号がオン電圧になるタイミングで電位レベルを切り替えた容量電圧信号を供給するためには、例えばN本(つまり、N行)の保持容量線が形成されている場合には、N+1個の走査線駆動ユニットが必要となる。更に、単方向スキャンのみならず双方向スキャンに対応させる場合には、N+2個の走査線駆動ユニットが必要となる。一方で、実際には、N本(つまり、N行)の走査線に対して走査信号を供給するためには、N個の走査線駆動ユニットがあれば足りる。このため、1個又は2個の走査線駆動ユニットを、保持容量線を駆動するためだけに別途配置する必要がある。しかしながら、これは、液晶装置に対する小型化の要請に反しており、好ましいとは言い難いのが現状である。
【0009】
本発明は、例えば上述した従来の問題点に鑑みなされたものであり、例えば回路面積の増大を抑制しながら保持容量線に対して容量電圧信号を好適に供給することが可能な電気光学装置、及びこのような電気光学装置を備える電子機器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(電気光学装置)
本発明の電気光学装置は、N(但し、Nは2以上の整数)本の走査線と、前記N本の走査線と交差する複数のデータ線と、前記N本の走査線と前記複数のデータ線との交差に対応してマトリクス状に配置される複数の画素部と、前記N本の走査線に沿って伸張すると共に、前記複数の画素部の保持容量を形成するN本の保持容量線と、前記N本の走査線の夫々に対して、所定のタイミングでオン電圧となる走査信号を順次供給するN個の走査線駆動ユニットを備える走査線駆動回路と、後段行の前記走査線駆動ユニットから供給される走査信号がオン電圧となるタイミングに同期して、前記N本の保持容量線の夫々に対して容量電圧信号を順次供給するN個の保持容量線駆動ユニットを備える保持容量線駆動回路とを備え、前記N個の保持容量線駆動ユニットのうち最終行の保持容量線駆動ユニットは、後段行の前記走査線駆動ユニットからオン電圧の走査信号が供給されるタイミングに同期することに代えて、前記N本の走査線への一連の走査信号の供給が開始されるタイミングに同期してオン電圧に切り替わる制御信号がオン電圧となるタイミングに同期して前記保持容量線に前記容量電圧信号を供給する。
【0011】
本発明の電気光学装置によれば、例えば画像信号であるデータ信号が供給される複数のデータ線と走査信号が供給されるN本の走査線との交差位置に対応するように設けられる複数の画素部を備ええている。複数の画素部の夫々は、画素部毎に設けられる画素電極と、一又は複数の画素部に対応するように設けられる一又は複数の共通電極と、画素電極と共通電極との間に挟持される電気光学物質とを備えている。また、電気光学装置は、画素電極、電気光学物質及び共通電極と並列接続の関係を有する保持容量を備えている。保持容量は、N本の走査線に沿って夫々伸張するN本の保持容量線によって構成されている。そして、複数の画素電極と一又は複数の共通電極との間の電位差に起因した電圧が電気光学物質に印加されると共に、該電圧が保持容量によって保持されることで、画像表示等が行われる。
【0012】
このような電気光学装置の駆動を実現するため、電気光学装置は、走査線駆動回路と、保持容量線駆動回路とを備えている。
【0013】
走査線駆動回路は、N本の走査線に対して、所定のタイミングでオン電圧となる走査信号を順次供給する。より具体的には、走査線駆動回路は、N本の走査線に対応するN個の走査線駆動ユニットを備えている。N個の走査線駆動ユニットの夫々は、N本の走査線のうちの対応する走査線に対して、所定のタイミングでオン電圧となる走査信号を供給する。より具体的には、N個の走査線駆動ユニットのうち第k(但し、kは、1≦k≦Nを満たす整数)行の走査線駆動ユニットは、N本の走査線のうち第k行の走査線に対して、所定のタイミングでオン電圧となる走査信号を供給する。その結果、オン電圧の走査信号が供給された走査線に対応する行の画素電極が選択される。これにより、オン電圧の走査信号が供給された走査線に対応する行の画素電極に対してデータ信号の書き込みが行われる。この動作がN本の走査線に対して順に行われることで、電気光学装置における画像表示が行われる。
【0014】
保持容量線駆動回路は、N本の保持容量線に対して容量電圧信号を供給する。より具体的には、保持容量線駆動回路は、N本の保持容量線に対応するN個の保持容量線駆動ユニットを備えている。N個の保持容量線駆動ユニットの夫々は、N本の保持容量線のうちの対応する保持容量線に対して容量電圧信号を供給する。より具体的には、N個の保持容量線駆動ユニットのうち第k行の保持容量線駆動ユニットは、N本の保持容量線のうち第k行の保持容量線に対して容量電圧信号を供給する。このとき、第k行の保持容量線駆動ユニットは、スキャン方向に沿って後段行の走査線駆動ユニット(つまり、順方向スキャンを行っている場合には第k+1行の走査線駆動ユニットであり、逆方向スキャンを行っている場合には第k−1行の走査線駆動ユニット)から供給される走査信号がオン電圧となるタイミングに同期して、極性(或いは、電位レベル)を切り替えた容量電圧信号を供給する。
【0015】
尚、保持容量線駆動回路は、隣接する2つの行の保持容量線に、夫々異なる電位レベルの容量電圧信号を供給することが好ましい。この容量電圧信号の供給動作は、1垂直走査期間毎に電位レベルが切り替わる極性信号に応じて行われる。例えば、極性信号の電位レベルが第1レベルである場合には、保持容量線駆動回路は、奇数行の保持容量線に対して、第1の電位レベル(例えば、相対的にハイレベルな電位レベル)を有する容量電圧信号を供給する一方で、偶数行の保持容量線に対して、第2の電位レベル(例えば、相対的にローレベルな電位レベル)を有する容量電圧信号を供給する。他方で、例えば、極性信号の電位レベルが第1レベルとは異なる第2レベルである場合には、保持容量線駆動回路は、奇数行の保持容量線に対して、第2の電位レベルを有する容量電圧信号を供給する一方で、偶数行の保持容量線に対して、第1の電位レベルを有する容量電圧信号を供給する。
【0016】
加えて、極性信号の電位レベルが1垂直走査期間毎に切り替わるため、各保持容量線に供給される容量電圧信号の電位レベルは、1垂直走査期間毎に切り替えられることが好ましい。具体的には、例えば、ある行の保持容量線に対して第1の電位レベルを有する容量電圧信号が供給されている場合には、1垂直走査期間後には、ある行の保持容量線に対して供給される容量電圧信号の電位レベルが第1の電位レベルから第2の電位レベルへと切り替えられる。同様に、例えば、ある行の保持容量線に対して第2の電位レベルを有する容量電圧信号が供給されている場合には、1垂直走査期間後には、ある行の保持容量線に供給される容量電圧信号の電位レベルが第2の電位レベルから第1の電位レベルへと切り替えられる。
【0017】
ここで、本発明に係る電気光学装置では、N個の走査線駆動ユニットとN個の保持容量線駆動ユニットを備えているため、最終行の保持容量線駆動ユニット(つまり、順方向スキャンを行っている場合には第N行の保持容量線駆動ユニットであり、逆方向スキャンを行っている場合には第1行の保持容量線駆動ユニット)に対しては、後段行の走査線駆動ユニット(つまり、順方向スキャンを行っている場合には第N+1行の走査線駆動ユニットであり、逆方向スキャンを行っている場合には第0行の走査線駆動ユニット)が存在しない。このため、本発明に係る電気光学装置では、最終行の保持容量線駆動ユニットは、後段行の走査線駆動ユニットからオン電圧の走査信号が供給されるタイミングに同期することに代えて、所定の制御信号がオン電圧となるタイミングに同期して、電位レベルを切り替えた容量電圧信号を最終行の保持容量線に対して供給する。制御信号は、N本の走査線への一連の走査信号の供給が開始されるタイミングに同期してオン電圧に切り替わる信号であり、典型的には例えば1垂直走査期間に1回オン電圧となる又は1垂直走査期間の開始に同期してオン電圧となる信号である。
【0018】
ここで、制御信号は、N本の走査線への一連の走査信号の供給が開始されるタイミングに同期してオン電圧となる信号であるため、最終行の走査線駆動ユニットから供給される走査信号がオン電圧となった後にオン電圧となる信号である。このため、仮に最終行の保持容量線駆動ユニットが、制御信号がオン電圧となるタイミングに同期して、電位レベルを切り替えた容量電圧信号を最終行の保持容量線に対して供給したとしても、その時点で最終行への画像信号の書き込みは終了しているため、電気光学装置の動作に対して技術的な不都合をきたすことは殆ど或いは全くない。このため、最終行の保持容量線駆動ユニットに対応する後段行の走査線駆動ユニットが存在しない場合であっても、制御信号に基づいて容量電圧信号を供給することで、最終行の保持容量線に対する容量電圧信号の供給を好適に行うことができる。つまり、走査線駆動ユニットの数を保持容量線駆動ユニットの数と同一にした場合であっても、最終行の保持容量線に対する容量電圧信号の供給を好適に行うことができる。これにより、走査線駆動ユニットを1つ又は2つ以上余分に設ける必要がなくなるため、走査線駆動回路の回路面積の増大を好適に抑制しつつも、N本の保持容量線の夫々に対して容量電圧信号を好適に供給することができる。
【0019】
本発明の電気光学装置の一の態様では、前記制御信号は、前記オン電圧の走査信号の供給が開始されるためのトリガーとなる走査開始信号(例えば、後述の信号STV)である。
【0020】
この態様によれば、N本の走査線に対する走査信号の供給の開始のトリガーとなる走査開始信号がオン電圧となるタイミングに同期して、電位レベルを切り替えた容量電圧信号を最終行の保持容量線に対して供給することができる。このため、走査線駆動ユニットの数を保持容量線駆動ユニットの数と同一にした場合であっても、N本の保持容量線の夫々に対して容量電圧信号を好適に供給することができる。
【0021】
上述の如く制御信号が走査開始信号である電気光学装置の態様では、走査開始信号は、前記走査線駆動回路及び前記保持容量線駆動回路の外部に設けられるドライバICから前記走査線駆動回路及び前記保持容量線駆動回路に供給される信号であるように構成してもよい。
【0022】
このように構成すれば、走査開始信号を保持容量線駆動回路に対して供給するための電気配線を相対的に短くすることができる。
【0023】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記制御信号は、前記N個の走査線駆動ユニットのうち開始行の前記走査線駆動ユニットが供給する走査信号である。
【0024】
この態様によれば、仮に最終行の保持容量線駆動ユニットが、開始行の走査線駆動ユニット(つまり、順方向スキャンを行っている場合には第1行の走査線駆動ユニットであり、逆方向スキャンを行っている場合には第N行の走査線駆動ユニット)が供給する走査信号がオン電圧となるタイミングに同期して、電位レベルを切り替えた容量電圧信号を最終行の保持容量線に対して供給したとしても、その時点で最終行への画像信号の書き込みは終了しているため、電気光学装置の動作に対して技術的な不都合をきたすことは殆ど或いは全くない。このため、走査線駆動ユニットの数を保持容量線駆動ユニットの数と同一にした場合であっても、最終行の保持容量線に対する容量電圧信号の供給を好適に行うことができる。これにより、走査線駆動回路の回路面積の増大を好適に抑制することができるため、上述した各種効果を好適に享受することができる。
【0025】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記最終行の容量線駆動ユニットは、最終行の前記走査線駆動ユニットから供給される走査信号がオフ電圧となり、前記制御信号がオン電圧となるタイミングに同期して前記保持容量線に前記容量電圧信号を供給する。
【0026】
この態様によれば、最終行の保持容量線駆動ユニットは、制御信号のみならず最終行の走査線駆動ユニットから供給される走査信号をも監視しながら、最終行の保持容量線に対して容量電圧信号を供給することができる。
【0027】
ここで、制御信号は、走査信号とは別個独立に供給される信号であることも想定されるため、最終行の走査線に供給される走査信号がオン電圧となるタイミングと制御信号がオン電圧となるタイミングに意図せぬズレが生じてしまう可能性も否定できない。この場合であっても、この態様によれば、制御信号がオン電圧となり且つ最終行の走査線駆動ユニットから供給される走査信号がオフ電圧となるタイミングに同期して、電位レベルを切り替えた容量電圧信号を最終行の保持容量線に対して供給することができる。従って、最終行の走査線駆動ユニットから供給される走査信号がオン電圧となっている期間中に、電位レベルが切り替えられた容量電圧信号が最終行の保持容量線に対して供給されてしまうという技術的な不都合を好適に抑制することができる。言い換えれば、最終行への画像信号の書き込みが行われている途中のタイミングで、電位レベルが切り替えられた容量電圧信号が最終行の保持容量線に対して供給されてしまう技術的な不都合を好適に抑制することができる。これにより、制御信号を用いた場合であっても、電気光学装置の動作に対して技術的な不都合をきたすことは殆ど或いは全くない。従って、電気光学装置の安定的な動作を実現することができる。
【0028】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記N個の保持容量線駆動ユニットの夫々は、前段行の前記走査線駆動ユニットから前記オン電圧の走査信号が供給されるタイミングに同期して、前記N本の保持容量線の夫々に対して容量電圧信号を順次供給し、前記N個の容量線駆動ユニットのうち開始行の前記容量線駆動ユニットは、前段行の前記走査線駆動ユニットから前記オン電圧の走査信号が供給されるタイミングに同期することに代えて、前記制御信号がオン電圧となるタイミングに同期して前記保持容量線に前記容量電圧信号を供給する。
【0029】
この態様によれば、第k行の保持容量線駆動ユニットは、後段行の走査線駆動ユニットから供給される走査信号がオン電圧となるタイミングのみならず、前段行の走査線駆動ユニット(つまり、順方向スキャンを行っている場合には第k−1行の走査線駆動ユニットであり、逆方向スキャンを行っている場合には第k+1行の走査線駆動ユニット)から供給される走査信号がオン電圧となるタイミングに同期して、電位レベルを切り替えた容量電圧信号を供給することができる。従って、単方向スキャンに対応する電気光学装置のみならず、双方向スキャンに対応する電気光学装置についても、上述した各種効果を好適に享受することができる。
【0030】
(電子機器)
上記課題を解決するために、本発明の電子機器は、上述した本発明の電気光学装置(但し、その各種態様を含む)を備える。
【0031】
本発明の電子機器によれば、上述した本発明の電気光学装置(或いは、その各種態様)備えているため、上述した本発明の電気光学装置が享受する各種効果と同様の効果を享受することができる。つまり、上述した本発明の電気光学装置が享受する各種効果と同様の効果を享受することができる投射型表示装置、テレビ、携帯電話、電子手帳、携帯オーディオプレーヤ、ワードプロセッサ、デジタルカメラ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器を実現することができる。
【0032】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から更に明らかにされよう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本実施形態に係る液晶装置の基本構成を概念的に示す平面ブロック図である。
【図2】本実施形態による画素部の回路図である。
【図3】本実施形態に係る走査線駆動回路と保持容量線駆動回路との間の配線図である。
【図4】本実施形態に係る保持容量線駆動回路が備える保持容量線駆動ユニットの回路図である。
【図5】保持容量線駆動回路のリセット動作に伴う信号の時系列的な変化を示すタイミングチャートである。
【図6】保持容量線駆動ユニットによる保持容量線の駆動動作に伴う信号の時系列的な変化を示すタイミングチャートである。
【図7】変形例に係る走査線駆動回路と保持容量線駆動回路との間の配線図である。
【図8】液晶装置が適用されたモバイル型のパーソナルコンピュータの斜視図である。
【図9】液晶装置が適用された携帯電話の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明を実施するための形態を、図面に基づいて説明する。尚、以下では、本発明に係る電気光学装置の一例として、液晶装置を用いて説明を進める。
【0035】
(1)液晶装置の基本構成
初めに、図1及び図2を参照して、本実施形態に係る液晶装置100の基本構成について説明する。ここに、図1は、本実施形態に係る液晶装置100の基本構成を概念的に示す平面ブロック図であり、図2は、本実施形態による画素部21の回路図である。
【0036】
図1に示すように、本実施形態に係る液晶装置100は、基板1上に形成される表示部2と、走査線駆動回路3と、データ線駆動回路4と、保持容量線駆動回路5a及び保持容量線駆動回路5bと、ドライバIC12とにより構成されている。また、表示部2には、N(但し、Nは2以上の整数)本の走査線13と、M(但し、Mは2以上の整数)本のデータ線14とが交差するように配置されている。N本の走査線13の夫々は、走査線駆動回路3に接続されていると共に、M本のデータ線14の夫々は、データ線駆動回路4に接続されている。また、N本の走査線13に沿うように、N本の保持容量線SCが配置されている。N本の保持容量線SCの夫々の一方端と他方端とは、保持容量線駆動回路5aと保持容量線駆動回路5bとに接続されている。尚、本実施形態では、保持容量線駆動回路5aと保持容量線駆動回路5bとは、表示部2を挟んで対向するように配置されている。
【0037】
保持容量線駆動回路5bは、ドライバIC12に接続されており、リセット信号S_RST、極性信号POL、反転極性信号XPOL、容量電圧信号VCOMH及び容量電圧信号VCOMLの信号が入力されるように構成されている。尚、リセット信号S_RSTは、保持容量線駆動回路5a及び5bの夫々の動作をリセットする(言い換えれば、N本の保持容量線SCをリセットする)ためのリセット信号である。また、極性信号POLは、保持容量線SCに対して供給される容量電圧信号の電位レベル(或いは、極性)を決定するための極性信号である。また、反転極性信号XPOLは、極性信号POLの反転信号である。また、容量電圧信号VCOMHは、保持容量線SCに印加されるハイレベルの容量電圧信号であり、容量電圧信号VCOMLは、保持容量線SCに印加されるローレベルの容量電圧信号である。保持容量線駆動回路5aと保持容量線駆動回路5bとは電気的に接続されており、保持容量線駆動回路5bから保持容量線駆動回路5aに、リセット信号S_RST、極性信号POL、反転極性信号XPOL、容量電圧信号VCOMH及び容量電圧信号VCOMLの夫々が伝達されるように構成されている。
【0038】
走査線駆動回路3は、ドライバIC12と接続されており、走査開始信号STV、クロック信号VCLK1、クロック信号VCLK2及びリセット信号V_RSTの信号が入力されるように構成されている。尚、走査開始信号STVは、本発明における「制御信号」の一具体例を構成しており、走査線駆動回路3による一連の走査信号の供給を開始する際のトリガーとなる信号である。また、クロック信号VCLK1及びクロック信号VCLK2は、走査線駆動回路3による走査信号の供給のためのクロック信号である。また、リセット信号V_RSTは、走査線駆動回路3の動作をリセットするための信号である。
【0039】
また、ドライバIC12は、走査線駆動回路3に加えて、保持容量線駆動回路5aに対しても走査開始信号STVを供給する。また、保持容量線駆動回路5aから保持容量線駆動回路5bに対して、走査開始信号STVが伝達される。
【0040】
データ線駆動回路4は、ドライバIC12と接続されている。また、基板1の表面上には、後述する共通電極213と接続されるコンタクト部10が4つ形成されている。コンタクト部10は、夫々、配線を介してドライバIC12に接続されている。また、基板1の端部には、ドライバIC12と接続される接続端子11が形成されている。
【0041】
また、図2に示すように、走査線13と、データ線14とが交差する位置には画素部21が設けられている。画素部21は、走査線13にゲートが接続されると共に、データ線14にソース/ドレインの一方が接続されるトランジスタ211と、トランジスタ211のソース/ドレインの他方に接続される画素電極212と、画素電極212と対向するように設けられる共通電極213と、画素電極212と共通電極213との間に設けられる液晶214と、保持容量215とによって構成されている。なお、保持容量215は、画素電極212と保持容量線SCとの間に形成される。
【0042】
(2)駆動回路の詳細な構成
続いて、図3及び図4を参照して、走査線駆動回路3及び保持容量線駆動回路5についてより詳細に説明する。ここに、図3は、本実施形態に係る走査線駆動回路3と保持容量線駆動回路5との間の配線図であり、図4は、本実施形態に係る保持容量線駆動回路5が備える保持容量線駆動ユニット51の回路図である。
【0043】
図3に示すように、走査線駆動回路3は、走査線13の数と同じ数の走査線駆動ユニット31を備えている。つまり、走査線駆動回路3は、N個の走査線駆動ユニット31を備えている。N個の走査線駆動ユニット31の夫々は、N本の走査線13のうちの対応する走査線13に対して、所定のタイミングでオン電圧となる走査信号GATEを供給する。より具体的には、N個の走査線駆動ユニット31のうち第k(但し、kは、1≦k≦Nを満たす整数)行の走査線駆動ユニット31#kは、N本の走査線13のうち第k行の走査線13に対して、所定のタイミングでオン電圧となる走査信号GATE_kを供給する。
【0044】
保持容量線駆動回路5は、保持容量線SCの数と同じ数の保持容量線駆動ユニット51を備えている。つまり、保持容量線駆動回路5は、N個の保持容量線駆動ユニット51を備えている。N個の保持容量線駆動ユニット51の夫々は、N本の保持容量線SCのうちの対応する保持容量線SCに対して容量電圧信号VCOMH又は容量電圧信号VCOMLを供給する。より具体的には、N個の保持容量線駆動ユニット51のうち第k行の保持容量線駆動ユニット51#kは、N本の保持容量線SCのうち第k行の保持容量線SC#kに対して容量電圧信号VCOMH又はVCOMLを供給する。
【0045】
また、第k行の保持容量線駆動ユニット51#kには、第k−1行の走査線駆動ユニット31#k−1から供給される走査信号GATE_k−1、第k行の走査線駆動ユニット31#kから供給される走査信号GATE_k、及び第k+1行の走査線駆動ユニット31#k+1から供給される走査信号GATE_k+1の夫々が入力されている。
【0046】
ここで、本実施形態では、走査線駆動回路3がN個の走査線駆動ユニット31を有している。このため、第N行の保持容量線駆動ユニット51#Nには、第N−1行の走査線駆動ユニット31#N−1から供給される走査信号GATE_N−1及び第N行の走査線駆動ユニット31#Nから供給される走査信号GATE_Nを入力することはできるものの、第N+1行の走査線駆動ユニット31#N+1が存在しないため、第N+1行の走査線駆動ユニット31#N+1から供給される走査信号GATE_N+1を入力することができない。同様に、第1行の容量線駆動ユニット51#1には、第1行の走査線駆動ユニット31#1から供給される走査信号GATE_1及び第2行の走査線駆動ユニット31#2から供給される走査信号GATE_2を入力することはできるものの、第0行の走査線駆動ユニット31#0が存在しないため、第0行の走査線駆動ユニット31#0+1から供給される走査信号GATE_0を入力することができない。
【0047】
このため、本実施形態では、第N行の走査線駆動ユニット31#Nに対して、第N+1行の走査線駆動ユニット31#N+1から供給される走査信号GATE_N+1の代わりに、走査開始信号STVを入力している。同様に、第1行の走査線駆動ユニット31#1に対して、第0行の走査線駆動ユニット31#0から供給される走査信号GATE_0の代わりに、走査開始信号STVを入力している。
【0048】
以下、この走査信号GATE_k−1、走査信号GATE_k及び走査信号GATE_k+1並びに走査開始信号STVが入力される保持容量線駆動ユニット51の詳細な構成について、図4を参照しながら以下に詳述する。
【0049】
尚、図3に示すように、保持容量線駆動回路5は、N個の保持容量線駆動ユニット51から構成されているが、図4では、図面の簡略化のため、2行分の保持容量線駆動ユニット51(具体的には、第k行の保持容量線駆動ユニット51#k及び第k+1行の保持容量線駆動ユニット51#k+1)のみを図示している。
【0050】
図4に示すように、保持容量線駆動ユニット51#kは、nチャネルトランジスタNT1からNT11と、pチャネルトランジスタPT1と、ラッチ回路52及びラッチ回路53と、インバータ54とから構成されている。以下、nチャネルトランジスタおよびpチャネルトランジスタは、トランジスタと称する。
【0051】
トランジスタNT1のソース/ドレインの一方は、ローレベルの電位レベルを有する低位電源VEEに接続されている。トランジスタNT1のソース/ドレインの他方は、トランジスタNT2のソース/ドレインの一方に接続されている。トランジスタNT1のゲートは、走査信号Gate_kが供給される第k行の走査線13、第k−1行の保持容量線駆動ユニット51#k−1が備えるトランジスタNT10のゲート及び第k+1行の保持容量線駆動ユニット51#k+1が備えるトランジスタNT9のゲートの夫々に接続されている。トランジスタNT2のソース/ドレインの他方は、ラッチ回路52の端子Qに接続されている。トランジスタNT2のゲートは、極性信号POLが供給される信号線に接続されている。
【0052】
トランジスタNT3のソース/ドレインの一方は、ラッチ回路52の端子/Qに接続されている。トランジスタNT3のソース/ドレインの他方は、トランジスタNT4のソース/ドレインの一方に接続されている。トランジスタNT3のゲートは、反転極性信号XPOLが供給される信号線に接続されている。トランジスタNT4のソース/ドレインの他方は、ローレベルの電位レベルを有する低位電源VEEに接続されている。トランジスタNT4のゲートは、走査信号Gate_kが供給される第k行の走査線13、第k−1行の保持容量線駆動ユニット51#k−1が備えるトランジスタNT10のゲート及び第k+1行の保持容量線駆動ユニット51#k+1が備えるトランジスタNT9のゲートの夫々に接続されている。
【0053】
トランジスタNT5のソース/ドレインの一方は、ローレベルの電位レベルを有する低位電源VEEに接続されている。トランジスタNT5のソース/ドレインの他方は、ラッチ回路52の端子Qに接続されている。トランジスタNT5のゲートは、リセット信号S_RSTが供給される信号線に接続されている。
【0054】
また、トランジスタNT6のソース/ドレインの一方は、トランジスタNT8のソース/ドレインの他方に接続されている。トランジスタNT6のソース/ドレインの他方は、ラッチ回路53の端子Qに接続されている。トランジスタNT6のゲートは、ラッチ回路52の端子Qに接続されている。トランジスタNT7のソース/ドレインの一方は、ラッチ回路53の端子/Qに接続されている。トランジスタNT7のソース/ドレインの他方は、トランジスタNT9のソース/ドレインの他方に接続されている。トランジスタNT7のゲートは、ラッチ回路52の端子/Qに接続されている。
【0055】
インバータ54の入力端子は、ラッチ回路53の端子Qに接続されていると共に、インバータ54の出力端子は、トランジスタPT1のゲート及びトランジスタNT11のゲートの夫々に接続されている。トランジスタPT1のソース/ドレインの一方は、容量電圧信号VCOMHが供給される信号線に接続されている。また、トランジスタPT1のソース/ドレインの他方は、トランジスタNT11のソース/ドレインの一方及び第k行の保持容量線SC#kの夫々に接続されている。トランジスタNT11のソース/ドレインの一方は、トランジスタPT1のソース/ドレインの他方及び第k行の保持容量線SC#kの夫々に接続されている。トランジスタNT11のソース/ドレインの他方は、容量電圧信号VCOMLが供給される信号線に接続されている。
【0056】
トランジスタNT8のソース/ドレインの一方は、ローレベルの電位レベルを有する低位電源VEEに接続されている。トランジスタNT8のソース/ドレインの他方は、トランジスタNT6のソース/ドレインの一方に接続されている。トランジスタNT8のゲートは、リセット信号S_RSTが供給される信号線に接続されている。
【0057】
トランジスタNT9のソース/ドレインの一方は、ローレベルの電位レベルを有する低位電源VEEに接続されている。トランジスタNT9のソース/ドレインの他方は、トランジスタNT7のソース/ドレインの他方に接続されている。トランジスタNT9のゲートは、走査信号Gate_k−1が供給される第k−1行の走査線13に接続されている。
【0058】
また、トランジスタNT10のソース/ドレインの一方は、低電圧側の電位VEEに接続されている。トランジスタNT10のソース/ドレインの他方は、トランジスタNT7のソース/ドレインの他方に接続されている。トランジスタNT10のゲートは、走査信号Gate_k+1が供給される第k+1行の走査線13に接続されている。
【0059】
以上は、第k行の保持容量線駆動ユニット51#kの構成について説明しているが、第k+1行の保持容量線駆動ユニット51#k+1についても概ね同一の構成を有している。但し、第k+1行の保持容量線駆動ユニット51#k+1では、トランジスタNT2のゲート、極性信号POLが供給される信号線に接続されており、且つトランジスタNT3のゲートが、反転極性信号XPOLが供給される信号線に接続されているという点において、第k行の保持容量線駆動ユニット#kとは異なっている。そして、偶数行には、このような2種類の保持容量線駆動ユニット51のうちの一方が設けられ、奇数行には、このような2種類の保持容量線駆動ユニット51のうちの他方が設けられる。つまり、2種類の保持容量線駆動ユニット51が交互に設けられる。
【0060】
(3)動作の流れ
続いて、保持容量線駆動ユニット51の動作について説明する。
【0061】
(3−1)リセット動作
まず、初めに、図5を参照しながら、保持容量線駆動回路5のリセットの動作について説明する。ここに、図5は、保持容量線駆動回路5のリセットの動作に伴う信号の時系列的な変化を示すタイミングチャートである。
【0062】
図5に示すように、電源(VDD)が立ち上げられると共に、容量電圧信号VCOMHが立ち上げられる。次に、本実施形態では、リセット信号S_RSTが1度だけハイレベル(アクティブレベル)となる。リセット信号S_RSTは、外部電源の電位を常時検出するドライバIC12の出力であり、電源電位が所定値以上になり、電源(VDD)が立ち上げられた際に、ハイレベルとなる信号である。これにより、図4に示すトランジスタNT5及びトランジスタNT8の夫々がオン状態になる。その結果、ラッチ回路52の端子Q側の電位がVEE(ローレベル)になると共に、ラッチ回路52の端子/Q側の電位は、ハイレベルとなる。これにより、トランジスタNT6は、オフ状態のままであると共に、トランジスタNT7は、オン状態となる。
【0063】
そして、トランジスタNT8がオン状態であるので、ラッチ回路53の端子/Qの電位がローレベルになると共に、ラッチ回路53の端子Qの電位がハイレベルとなる。そして、インバータ54の入力端子の電位がハイレベルとなることにより、インバータ54の出力端子の電位は、ローレベルとなる。その結果、トランジスタPT1がオン状態になると共に、トランジスタNT11はオフ状態となる。そして、容量電圧信号VCOMHが保持容量線SCに印加される。つまり、N本の保持容量線SCに対して、容量電圧信号VCOMHが印加される。このように、リセット信号S_RSTが入力されることにより、N本の保持容量線SCの電位が一斉に容量電圧信号VCOMHに固定(リセット)される。
【0064】
(3−2)保持容量線駆動動作
続いて、図6を参照して、保持容量線駆動回路5による実際の保持容量線SCの駆動動作について説明する。ここに、図6は、保持容量線駆動回路5による保持容量線SCの駆動動作に伴う信号の時系列的な変化を示すタイミングチャートである。
【0065】
まず、図6に示すように、極性信号POLがハイレベルに立ち上げられると共に、反転極性信号XPOLがローレベルに立ち下げられる。これにより、第k行の保持容量線駆動ユニット51#kでは、トランジスタNT2がオン状態になると共に、トランジスタNT3はオフ状態となる。他方で、第k+1行の保持容量線駆動ユニット51#k+1では、トランジスタNT2がオフ状態になると共に、トランジスタNT3がオン状態となる。
【0066】
その後、走査線13に対する走査信号の供給を開始するためのトリガーとなる走査開始信号STVがハイレベルに立ち上げられる。これにより、走査線駆動回路3からN本の走査線13に対して順次走査信号が供給される。具体的には、図6に示すように、第1行の走査線13から第N行の走査線13に対して、順次ハイレベルに切り替わる走査信号Gate_1から走査信号GATE_Nが印加される。
【0067】
ここで、第k行の保持容量線駆動ユニット51#kの動作に着目して説明を進める。第k行の保持容量線駆動ユニット51#kでは、第k行の走査線13に供給される走査信号GATE_kがハイレベルとなるタイミングで、トランジスタNT1及びトランジスタNT4がオン状態となる。また、極性信号POLがハイレベルに立ち上げられると共に、反転極性信号XPOLがローレベルに立ち下げられているため、トランジスタNT2がオン状態となると共に、トランジスタNT3がオフ状態となっている。その結果、ラッチ回路52の端子Q側の電位がローレベルになると共に、端子/Q側の電位は、ハイレベルとなる。これにより、トランジスタNT6は、オフ状態のままであると共に、トランジスタNT7は、オン状態になる。
【0068】
そして、後段行の走査線駆動ユニット31(つまり、第k+1行の走査線駆動ユニット31#k+1)から供給される走査信号GATE_k+1がハイレベルとなるタイミングで、トランジスタTN10がオン状態になる。その結果、トランジスタNT7のソース/ドレインの他方の電位は、ローレベルとなる。これにより、トランジスタNT7がオン状態となっているため、ラッチ回路53の端子/Qの電位はローレベルになると共に、ラッチ回路53の端子Qの電位はハイレベルになる。その結果、インバータ54の入力端子の電位がハイレベルとなることにより、インバータ54の出力端子の電位はローレベルとなる。その結果、トランジスタPT1がオン状態になると共に、トランジスタNT11はオフ状態となる。そして、容量電圧信号VCOMHが保持容量線SC#kに印加される。つまり、第k行の保持容量線SC#kの電位が、ローレベルからハイレベルに切り替えられる。
【0069】
このとき、第k+1行の保持容量線駆動ユニット51#k+1は、第k行の保持容量線駆動ユニット51#kと異なり、トランジスタNT2のゲートに対して反転極性信号XPOLが入力され、トランジスタNT3のゲートに対して極性信号POLが入力されている。このため、第k+1行の保持容量線駆動ユニット51#k+1のラッチ回路52及びラッチ回路53には、第k行の保持容量線駆動ユニット51#kのラッチ回路52及びラッチ回路53に蓄積される信号と逆の極性の信号が記憶される。従って、第k+1行の保持容量線SC#k+1に対しては、後段行の走査線駆動ユニット31(つまり、第k+2行の走査線駆動ユニット31#k+2)から供給される走査信号GATE_k+2がハイレベルとなるタイミングで、トランジスタPT1がオフ状態になると共に、トランジスタNT11は、オン状態となる。その結果、容量電圧信号VCOMLが保持容量線SC#k+1に印加される。つまり、第2行の保持容量線SC#k+1の電位が、ハイレベルからローレベルに切り替えられる。
【0070】
そして、1垂直走査期間経過した後、極性信号POL及び反転極性信号XPOLの信号が反転されると共に、走査開始信号STVが再びハイレベルになる。
【0071】
ここで、第N行の保持容量線駆動ユニット51#Nでは、上述したように、後段行の走査線駆動ユニット31(つまり、第N+1行の走査線駆動ユニット31#N+1)から供給される走査信号GATE_N+1に代えて、走査開始信号STVを用いている。つまり、第N行の保持容量線駆動ユニット51#Nが備えるトランジスタTN10には、後段行の走査線駆動ユニット31(つまり、第N+1行の走査線駆動ユニット31#N+1)から供給される走査信号GATE_N+1に代えて、走査開始信号STVが入力される。このため、第N行の保持容量線駆動ユニット51#Nは、走査開始信号STVがハイレベルとなるタイミングで、容量電圧信号VCOMLを保持容量線SC#Nに印加している。
【0072】
また、走査開始信号STVが再びハイレベルになるため、新たな垂直走査期間が開始する。これにより、先の垂直走査期間で印加された容量電圧信号と逆の極性の容量電圧信号が保持容量線SCに印加される。つまり、第k行の保持容量線SC#kに対して、後段行の走査線駆動ユニット31(つまり、第k+1行の走査線駆動ユニット31#k+1)から供給される走査信号GATE_k+1がハイレベルとなるタイミングで、容量電圧信号VCOMLが印加される。同様に、第k+1行の保持容量線SC#k+1に対して、後段行の走査線駆動ユニット31(つまり、第k+2行の走査線駆動ユニット31#k+2)から供給される走査信号GATE_k+2がハイレベルとなるタイミングで、容量電圧信号VCOMHが印加される。
【0073】
以上説明したように、本実施形態に係る液晶装置100によれば、第N行の保持容量線駆動ユニット51#Nに対応する後段行の走査線駆動ユニット31が存在しない場合であっても、走査開始信号STVに基づいて、第N行の保持容量線SC#Nに対して容量電圧信号VCOMH又は容量電圧信号VCOMLを供給することができる。つまり、走査線駆動ユニット31の数を保持容量線駆動ユニット51の数と同一にした場合であっても、第N行の保持容量線SCに対する容量電圧信号VCOMH又は容量電圧信号VCOMLの供給を好適に行うことができる。これにより、走査線駆動ユニット31を1つ又は2つ以上余分に設ける必要がなくなるため、走査線駆動回路3の回路面積の増大を好適に抑制することができる。従って、走査線駆動回路3の回路面積の増大を好適に抑制することができる。従って、液晶装置100の狭額縁化を図ることができる。
【0074】
また、走査開始信号STVは、N本の走査線13への一連の走査信号の供給が開始されるタイミングに同期してハイレベルとなる信号であるため、第N行の走査線駆動ユニット31から供給される走査信号GATE_Nがハイレベルとなった後にハイレベルに立ち上がる信号である。このため、仮に第N行の保持容量線駆動ユニット51#Nが、走査開始信号STVがハイレベルとなるタイミングに同期して、電位レベルを切り替えた容量電圧信号VCOMH又は容量電圧信号VCOMLを第N行の保持容量線SC#Nに対して供給したとしても、その時点で第N行の画素部21への画像信号の書き込みは終了している。従って、液晶装置100の動作に対して技術的な不都合をきたすことは殆ど或いは全くない。従って、上述したように走査線駆動回路3の回路面積の増大を好適に抑制しつつも、N本の保持容量線SCに対する容量電圧信号VCOMH又は容量電圧信号VCOMLの供給を好適に行うことができる。
【0075】
尚、液晶装置100の好適な動作に悪影響を与えないと言う観点からは、第N行の保持容量線駆動ユニット51#Nでは、走査開始信号STVに代えて、第1行の走査線駆動ユニット31#1から供給される走査信号GATE_1を用いてもよい。つまり、第N行の保持容量線駆動ユニット51#Nが備えるトランジスタTN10には、走査開始信号STVに代えて、第1行の走査線駆動ユニット31から供給される走査信号GATE_1が入力される。この場合、第N行の保持容量線駆動ユニット51#Nは、走査信号GATE_1がハイレベルとなるタイミングで、電位レベルを切り替えた容量電圧信号VCOMH又は容量電圧信号VCOMLを保持容量線SC#Nに印加する。或いは、第N行の保持容量線駆動ユニット51#Nでは、走査開始信号STV及び走査信号GATE_1に代えて、第1行付近の走査線駆動ユニット31から供給される走査信号を用いてもよい。但し、第1行又は第1行付近の走査線駆動ユニット31から供給される走査信号を第N行の保持容量線駆動ユニット31#Nに対して供給するための取り回し配線が相対的に長くなってしまうということを考慮すれば、ドライバIC12が保持容量線駆動回路5に対して直接供給する走査開始信号STVを用いることがより好ましい。
【0076】
また、本実施形態では、2つの保持容量線駆動回路5a及び5bが、保持容量線SCの一方端と他方端とに設けられている。このため、保持容量線SCが1つの保持容量線駆動回路によって駆動される場合と異なり、保持容量線SCの抵抗値や寄生容量を小さくすることができる。
【0077】
また、本実施形態では、2つの保持容量線駆動回路5a及び5bに入力されるリセット信号S_RSTに基づいて保持容量線SCの電位を容量電圧信号VCOMHの電位レベルに固定するように構成している。このため、2つの保持容量線駆動回路5a及び5bから保持容量線SCに異なる電圧が印加されるのを抑制することができる。これにより、保持容量線駆動回路5a(5b)から保持容量線駆動回路5b(5a)に向かって、保持容量線SCを介してリーク電流が流れるのを抑制することができる。
【0078】
また、本実施形態では、保持容量線SCが固定される電位を容量電圧信号VCOMHの電位レベルに設定している。つまり、保持容量線SCを反転駆動させるための高電圧側の電位である容量電圧信号VCOMHを、保持容量線SCをリセットするための電位として用いることができる。このため、保持容量線SCをリセットするための電位を別途生成する必要がなくなる。これにより、液晶装置100の構成を簡略にすることができる。
【0079】
また、本実施形態では、リセット信号S_RSTが、電源VDDがオン状態になった後から走査線13に対して走査信号の供給が開始されるまでの間に、1度だけアクティブとなるように構成している。このため、最小限の動作で、リセットが行えるので、低消費電力を実現できる。なお、電源VDDがオン状態になった後から走査線13に対して走査信号の供給が開始されるまでの間に、リセット信号S_RSTを複数回、アクティブとしてもよい。このようにすれば、よりリセットの動作をより確実に行うことができる。
【0080】
また、本実施形態では、複数の保持容量線SCの電位をリセット信号S_RSTに基づいて一斉に固定するように構成している。このため、複数の保持容量線SCの電位が順次固定される場合と異なり、リセットの動作をすばやく行うことができる。
【0081】
また、本実施形態では、上記のように、トランジスタNT5及びNT8にリセット信号S_RSTが入力されることにより、トランジスタNT5及びNT8がオン状態になることによって、保持容量線SCの電位が固定されるように構成している。このため、容易に、保持容量線SCの電位を固定することができる。
【0082】
また、本実施形態では、上記のように、2つの保持容量線駆動回路5a及び5bを、表示部2を挟んで対向するように配置している。このため、容易に、保持容量線SCの一方端と他方端とに保持容量線駆動回路5a及び5bを設けることができる。
【0083】
尚、図6に示すタイミングチャートは、走査線駆動回路3が、単方向スキャン(特に、順方向(1行目からN行目)に向かう単方向スキャン)を行う場合の保持容量線SCの容量電圧信号のタイミングチャートを示している。この場合は、図4に示す保持容量線駆動ユニット51のトランジスタTN9については、必ずしも設けなくともよい。しかしながら、トランジスタTN9を設けることで、単方向スキャンのみならず、走査線駆動回路3が、双方向スキャン(順方向スキャンと逆方向(N行目から1行目に向かう)スキャン)を行う場合であっても、上述した各種効果を享受することができる。
【0084】
具体的には、走査線駆動回路3が、双方向スキャンを行う場合には、以下のように動作する。まず順方向スキャンの場合、第k行の保持容量線駆動ユニット51#kでは、後段行の走査線駆動ユニット31(つまり、第k+1行の走査線駆動ユニット31#k+1)から供給される走査信号GATE_k+1がハイレベルとなるタイミングで、電位レベルが切り替えられた容量電圧信号VCOMH又は容量電圧信号VCOMLを供給する。尚、第k行の保持容量線駆動ユニット51#kは、前段行の走査線駆動ユニット31(つまり、第k−1行の走査線駆動ユニット31#k−1)から供給される走査信号GATE_k−1がハイレベルとなるタイミングで、容量電圧信号VCOMH又は容量電圧信号VCOMLを供給するが、この容量電圧信号は、1フレーム前の容量電圧信号と同じ信号であるので、容量電圧信号の電位レベルは切り替わらない。又、逆方向スキャンの場合、第k行の保持容量線駆動ユニット51#kでは、前段行の走査線駆動ユニット31(つまり、第k−1行の走査線駆動ユニット31#k−1)から供給される走査信号GATE_k−1がハイレベルとなるタイミングで、電位レベルが切り替えられた容量電圧信号VCOMH又は容量電圧信号VCOMLを供給する。尚、第k行の保持容量線駆動ユニット51#kは、後段行の走査線駆動ユニット31(つまり、第k+1行の走査線駆動ユニット31#k+1)から供給される走査信号GATE_k+1がハイレベルとなるタイミングで、容量電圧信号VCOMH又は容量電圧信号VCOMLを供給するが、この容量電圧信号は、1フレーム前の容量電圧信号と同じ信号であるので、容量電圧信号の電位レベルは切り替わらない。
【0085】
ここで、双方向スキャンを行う場合には、第N行の保持容量線駆動ユニット51#Nでは、逆方向スキャンの場合には、前段行の走査線駆動ユニット31(つまり、第N−1行の走査線駆動ユニット31#N−1)から供給される走査信号GATE_N−1がハイレベルとなるタイミングで、又は、順方向スキャンの場合には走査開始信号STVがハイレベルとなるタイミングで、電位レベルが切り替えられた容量電圧信号VCOMH又は容量電圧信号VCOMLを供給する。
【0086】
また、第1行の保持容量線駆動ユニット51#1では、上述したように、前段行の走査線駆動ユニット31(つまり、第0行の走査線駆動ユニット31#0)から供給される走査信号GATE_0に代えて、走査開始信号STVを用いている。つまり、第1行の保持容量線駆動ユニット51#1が備えるトランジスタTN9には、前段行の走査線駆動ユニット31(つまり、第0行の走査線駆動ユニット31#0)から供給される走査信号GATE_0に代えて、走査開始信号STVが入力される。このため、双方向スキャンを行う場合には、第1行の保持容量線駆動ユニット51#1では、順方向スキャンの場合には後段行の走査線駆動ユニット31(つまり、第2行の走査線駆動ユニット31#2)から供給される走査信号GATE_2がハイレベルとなるタイミングで、又は、逆方向スキャンの場合には走査開始信号STVがハイレベルとなるタイミングで、電位レベルが切り替えられた容量電圧信号VCOMH又は容量電圧信号VCOMLを供給する。
【0087】
(4)変形例
続いて、図7を参照して、本実施形態に係る保持容量線駆動回路5の変形例について説明する。ここに、図7は、変形例に係る走査線駆動回路3と保持容量線駆動回路5との間の配線図である。
【0088】
図7に示すように、変形例に係る走査線駆動回路3及び保持容量線駆動回路5は、図3において説明した構成と同様の構成を有している。変形例では特に、インバータ521a、論理積回路522a及びインバータ523aを備える接続回路52aと、インバータ521b、論理積回路522b及びインバータ523bを備える接続回路52bとが備えられている。
【0089】
インバータ521aの入力端子は、走査信号GATE_Nが供給される第N行の走査線13に接続されている。インバータ521aの出力端子は、論理積回路522aの一方の入力端子に接続されている。論理積回路522aの他方の入力端子は、走査開始信号STVが供給される信号線に接続されている。論理積回路522aの出力端子は、インバータ523aの入力端子に接続されている。インバータ523aの出力端子は、第N行の保持容量線駆動ユニット51#N(特に、第N行の保持容量線駆動ユニット51#Nが備えるトランジスタNT10)に接続される。
【0090】
インバータ521bの入力端子は、走査信号GATE_1が供給される第1行の走査線13に接続されている。インバータ521bの出力端子は、論理積回路522bの一方の入力端子に接続されている。論理積回路522bの他方の入力端子は、走査開始信号STVが供給される信号線に接続されている。論理積回路522bの出力端子は、インバータ523bの入力端子に接続されている。インバータ523bの出力端子は、第1行の保持容量線駆動ユニット51#1(特に、第1行の保持容量線駆動ユニット51#Nが備えるトランジスタNT9)に接続される。
【0091】
このため、第N行の保持容量線駆動ユニット51#Nでは、前段行の走査線駆動ユニット31(つまり、第N−1行の走査線駆動ユニット31#N−1)から供給される走査信号GATE_N−1がハイレベルとなるタイミングで又は走査開始信号STVと第N行の走査線駆動ユニット31#Nから供給される走査信号GATE_Nの反転信号との論理積がハイレベルとなるタイミングで、電位レベルが切り替えられた容量電圧信号VCOMH又は容量電圧信号VCOMLを供給する。
【0092】
同様に、第1行の保持容量線駆動ユニット51#1では、後段行の走査線駆動ユニット31(つまり、第2行の走査線駆動ユニット31#2)から供給される走査信号GATE_2がハイレベルとなるタイミングで又は走査開始信号STVと第1行の走査線駆動ユニット31#1から供給される走査信号GATE_1の反転信号との論理積がハイレベルとなるタイミングで、電位レベルが切り替えられた容量電圧信号VCOMH又は容量電圧信号VCOMLを供給する。
【0093】
ここで、走査開始信号STVは、走査信号とは別個独立に供給される信号であるため、順方向スキャンを行っている場合には、第N行の走査線13に供給される走査信号GATE_Nがハイレベルとなるタイミングと走査開始信号STVがハイレベルとなるタイミングに意図せぬズレが生じてしまう可能性も否定できない。同様に、逆方向スキャンを行っている場合には、第1行の走査線13に供給される走査信号GATE_1がハイレベルとなるタイミングと走査開始信号STVがハイレベルとなるタイミングに意図せぬズレが生じてしまう可能性も否定できない。
【0094】
この場合であっても、変形例によれば、順方向スキャンを行っている場合には、第N行の保持容量線駆動ユニット51#Nでは、走査開始信号STVがハイレベルとなり且つ第N行の走査線駆動ユニット31#Nから供給される走査信号GATE_Nがローレベルとなるタイミングに同期して、電位レベルを切り替えた容量電圧信号VCOMH又は容量電圧信号VCOMLを第N行の保持容量線SC#Nに対して供給することができる。従って、第N行の走査線駆動ユニット31#Nから供給される走査信号GATE_Nがオン電圧となっている期間中に、第N行の保持容量線SC#Nに対して、電位レベルが切り替えられた容量電圧信号VCOMH又は容量電圧信号VCOMLが供給されてしまうという技術的な不都合を好適に抑制することができる。言い換えれば、第N行への画像信号の書き込みが行われている途中のタイミングで、第N行の保持容量線SC#Nに対して、電位レベルが切り替えられた容量電圧信号VCOMH又は容量電圧信号VCOMLが供給されてしまう技術的な不都合を好適に抑制することができる。
【0095】
同様に、逆方向スキャンを行っている場合には、第1行の保持容量線駆動ユニット51#1では、走査開始信号STVがハイレベルとなり且つ第1行の走査線駆動ユニット31#1から供給される走査信号GATE_1がローレベルとなるタイミングに同期して、電位レベルを切り替えた容量電圧信号VCOMH又は容量電圧信号VCOMLを第1行の保持容量線SC#1に対して供給することができる。従って、第1行の走査線駆動ユニット31#1から供給される走査信号GATE_1がハイレベルとなっている期間中に、第1行の保持容量線SC#1に対して、電位レベルが切り替えられた容量電圧信号VCOMH又は容量電圧信号VCOMLが供給されてしまうという技術的な不都合を好適に抑制することができる。言い換えれば、第1行への画像信号の書き込みが行われている途中のタイミングで、第1行の保持容量線SC#1に対して、電位レベルが切り替えられた容量電圧信号VCOMH又は容量電圧信号VCOMLが供給されてしまう技術的な不都合を好適に抑制することができる。
【0096】
これにより、液晶装置100の動作のより一層の安定化を図ることができる。
【0097】
(5)電子機器
続いて、図8及び図9を参照しながら、上述の液晶装置100を具備してなる電子機器の例を説明する。
【0098】
図8は、上述した液晶装置100が適用されたモバイル型のパーソナルコンピュータの斜視図である。図8において、コンピュータ1200は、キーボード1202を備えた本体部1204と、上述した液晶装置100を含んでなる液晶表示ユニット1206とから構成されている。液晶表示ユニット1206は、液晶装置100の背面にバックライトを付加することにより構成されている。
【0099】
次に、上述した液晶装置100を携帯電話に適用した例について説明する。図9は、電子機器の一例である携帯電話の斜視図である。図9において、携帯電話1300は、複数の操作ボタン1302と共に、半透過反射型の表示形式を採用し、且つ上述した液晶装置100と同様の構成を有する液晶装置1005を備えている。
【0100】
これらの電子機器においても、上述した液晶装置100を含んでいるため、上述した各種効果を好適に享受することができる。
【0101】
尚、図8及び図9を参照して説明した電子機器の他にも、液晶テレビ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた直視型の表示装置や、液晶プロジェクタ等の投射型の表示装置等が挙げられる。そして、これらの各種電子機器に適用可能なのは言うまでもない。
【0102】
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴なう電気光学装置及び電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0103】
3…走査線駆動回路、31…走査線駆動ユニット、13…走査線、5…保持容量線駆動回路、51…保持容量線駆動ユニット、SC…保持容量線、STV…走査開始信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
N(但し、Nは2以上の整数)本の走査線と、
前記N本の走査線と交差する複数のデータ線と、
前記N本の走査線と前記複数のデータ線との交差に対応してマトリクス状に配置される複数の画素部と、
前記N本の走査線に沿って伸張すると共に、前記複数の画素部の保持容量を形成するN本の保持容量線と、
前記N本の走査線の夫々に対して、所定のタイミングでオン電圧となる走査信号を順次供給するN個の走査線駆動ユニットを備える走査線駆動回路と、
後段行の前記走査線駆動ユニットから供給される走査信号がオン電圧となるタイミングに同期して、前記N本の保持容量線の夫々に対して容量電圧信号を順次供給するN個の保持容量線駆動ユニットを備える保持容量線駆動回路と
を備え、
前記N個の保持容量線駆動ユニットのうち最終行の保持容量線駆動ユニットは、後段行の前記走査線駆動ユニットからオン電圧の走査信号が供給されるタイミングに同期することに代えて、前記N本の走査線への一連の走査信号の供給が開始されるタイミングに同期してオン電圧に切り替わる制御信号がオン電圧となるタイミングに同期して前記保持容量線に前記容量電圧信号を供給することを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
前記制御信号は、前記オン電圧の走査信号の供給が開始されるためのトリガーとなる走査開始信号であることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
走査開始信号は、前記走査線駆動回路及び前記保持容量線駆動回路の外部に設けられるドライバICから前記走査線駆動回路及び前記保持容量線駆動回路に供給される信号であることを特徴とする請求項2に記載の電気光学装置。
【請求項4】
前記制御信号は、前記N個の走査線駆動ユニットのうち開始行の前記走査線駆動ユニットが供給する走査信号であることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項5】
前記最終行の容量線駆動ユニットは、最終行の前記走査線駆動ユニットから供給される走査信号がオフ電圧となり、前記制御信号がオン電圧となるタイミングに同期して前記保持容量線に前記容量電圧信号を供給することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項6】
前記N個の保持容量線駆動ユニットの夫々は、前段行の前記走査線駆動ユニットから前記オン電圧の走査信号が供給されるタイミングに同期して、前記N本の保持容量線の夫々に対して容量電圧信号を順次供給し、
前記N個の容量線駆動ユニットのうち開始行の前記容量線駆動ユニットは、前段行の前記走査線駆動ユニットから前記オン電圧の走査信号が供給されるタイミングに同期することに代えて、前記制御信号がオン電圧となるタイミングに同期して前記保持容量線に前記容量電圧信号を供給することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−197485(P2010−197485A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−39617(P2009−39617)
【出願日】平成21年2月23日(2009.2.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】