電気光学装置及び電気光学装置の駆動方法、並びに電子機器
【課題】 駆動周波数が低い場合でもトランジスタのリーク電流を低減する。
【解決手段】 駆動回路は、書込期間Twにおいて、走査線102を介して第1及び第2トランジスタをオン状態にさせる走査信号Yiを供給すると共に、データ線103を介して表示すべき階調に応じたデータ信号Xjを供給し、データ信号を補助容量Cs1及び液晶Clcに書き込み、書込期間に続く保持期間Thにおいて、走査線102を介して第1及び第2トランジスタをオン状態にさせる走査信号を供給し、保持期間において容量線101に補助容量Cs1の他方の電極の電位を変化させる容量線信号Vsiを供給する。
【解決手段】 駆動回路は、書込期間Twにおいて、走査線102を介して第1及び第2トランジスタをオン状態にさせる走査信号Yiを供給すると共に、データ線103を介して表示すべき階調に応じたデータ信号Xjを供給し、データ信号を補助容量Cs1及び液晶Clcに書き込み、書込期間に続く保持期間Thにおいて、走査線102を介して第1及び第2トランジスタをオン状態にさせる走査信号を供給し、保持期間において容量線101に補助容量Cs1の他方の電極の電位を変化させる容量線信号Vsiを供給する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶素子等を用いた電気光学装置及びその駆動方法、並びに電気光学装置を用いた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置に代表される中型・小型ディスプレイは、その可搬性から、多くの携帯型の電子機器(例えば、携帯電話、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタル式写真立て、電子ペーパー等)に応用されている。携帯型の電子機器は電池により駆動されることが多いため、稼働時間確保の観点から、これに用いられるディスプレイには消費電力の低さが求められる。
【0003】
液晶表示装置はマトリクス状に配置された複数の画素を備える。画像の表示は、複数の画素の各々に表示すべき階調に応じた電圧を書き込み、書き込まれた電圧に応じて液晶の透過率が制御されることによって行われる。
ディスプレイの消費電力を抑えるには、画素の駆動周波数を低くする方法が考えられる。しかし、駆動周波数を低くすると、画素への電圧の書込み間隔が長くなる。液晶容量に蓄積された電荷はリーク電流により時間と共に減少し、画素の電位が低下するので、書込み間隔が大きくなるとディスプレイの画質が低下してしまう。したがって、駆動周波数を低くしつつ、ディスプレイの画質も維持するには、リーク電流を抑えて液晶に印加される電圧を保持する必要がある。
【0004】
特許文献1には、リーク電流を抑える画素回路が開示されている。この画素回路は、データ線と画素電極(液晶)との間に2個のトランジスタが直列に接続されており、2個のトランジスタの接続点に保持容量が接続される構成となっている。2個のトランジスタのゲートは1本の走査線に接続されている。したがって、書込期間において、走査信号が走査線に供給されると、2個のトランジスタはオン状態となり、保持容量と液晶の画素容量に同じ電圧が書き込まれる。その後、2個のトランジスタがオフ状態になる。ここで、データ線に接続されるトランジスタを第1トランジスタ、画素電極(液晶)に接続されるトランジスタを第2トランジスタとする。リーク電流の大きさはソース・ドレイン間の電圧が大きくなると増大するが、保持容量と画素容量に同じ電圧を書き込むので、第2トランジスタのリーク電流を抑制することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−111491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の画素回路において、保持容量の電圧は第1トランジスタのリーク電流によって変化する。すなわち、1フレームの期間が長くなると、データ線と保持容量の間のリーク電流の影響を受けて、保持容量から電荷が失われる。その結果、画素容量と保持容量の間の電位差が大きくなり、第2トランジスタにリーク電流が発生してしまうという問題がある。
【0007】
本発明は上述した問題に鑑みてなされたものであり、駆動周波数が低い場合でもトランジスタのリーク電流を低減することができる電気光学装置及びこれを用いた電子機器、並びに駆動方法を提供することを解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するため、本発明に係る電気光学装置は、走査線と、データ線と、容量線と、画素回路と、前記画素回路を駆動する駆動回路とを備え、前記画素回路は、ゲート電極が前記走査線と接続され、ソース電極及びドレイン電極の一方が前記データ線と接続される第1トランジスタと、ゲート電極が前記走査線と接続され、ソース電極及びドレイン電極の一方が前記第1トランジスタと接続され、ソース電極及びドレイン電極の一方が第1ノードと接続される第2トランジスタと、前記第1トランジスタと前記第2トランジスタとが接続されるノードと一方の電極が接続され、前記容量線と他方の電極が接続される補助容量と、前記第1ノードに接続された画素電極と、前記画素電極に対向する対向電極と、前記画素電極と前記対向電極との間に挟持された液晶とを具備し、前記駆動回路は、書込期間において、前記走査線を介して前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタをオン状態にさせる走査信号を供給すると共に、前記データ線を介して表示すべき階調に応じたデータ信号を供給し、前記データ信号を前記補助容量及び前記液晶に書き込み、 前記書込期間に続く保持期間において、前記走査線を介して前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタをオン状態にさせる走査信号を供給し、前記保持期間において前記容量線に前記補助容量の他方の電極の電位を変化させる容量線信号を供給することを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、データ信号を画素回路に書き込んだ後、保持期間において、補助容量の他方の電極の電位を変化させる。すなわち、容量線から容量線信号が供給されることで、第1ノードの電位とは独立して補助容量の他方の電極の電位を変化させることができる。第1トランジスタ及び第2トランジスタには、ドレイン−ソース間の電圧に応じた大きさのリーク電流が流れるが、本発明によれば補助容量の他方の電極の電位を保持期間において変化させるので、リーク電流による第1ノードの電位を打ち消すことが可能となる。
【0010】
ここで、前記駆動回路は、前記対向電極の電位を基準として正極性の前記データ信号を前記書込期間において前記液晶に書き込んだ場合には、前記保持期間において第1電位から前記第1電位より高い第2電位に変化する前記容量線信号を前記容量線に供給し、負極性の前記データ信号を前記書込期間において前記第1補助容量及び前記液晶に書き込んだ場合には、前記保持期間において前記第2電位から前記第1電位に変化する前記容量線信号を前記容量線に供給すると好ましい。この場合には、対向電極の電位を基準とした補助容量の他方の電極の電位差が、第1ノードの電位差よりも、相対的に大きくなることにより、第2トランジスタにおけるリーク電流によって第1ノードの電位が変化しても、保持期間における第1ノードの電位の平均値を一定に近づけることが可能となる。
【0011】
また、前記駆動回路は、前記保持期間の長さに応じて前記第1電位と前記第2電位との電位差を制御すると好ましい。より具体的には保持期間が長くなるほど、電位差が大きくなるように制御すればよい。この場合には、保持期間の長さを切り替えても、第1ノードの電位を適切に保つことができる。例えば、駆動周波数を切り替える場合が該当する。また、前記第1ノードには保持容量が接続されることが好ましい。この場合には、保持容量により第1ノードの電位がさらに長く保持されることが可能になる。
【0012】
次に、本発明に係る電気光学装置は、走査線と、データ線と、容量線と、画素回路と、前記画素回路を駆動する駆動回路とを備え、前記画素回路は、ゲート電極が前記走査線と接続され、ソース電極及びドレイン電極の一方が前記データ線と接続される第1トランジスタと、ゲート電極が前記走査線と接続され、ソース電極及びドレイン電極の一方が前記第1トランジスタと接続され、ソース電極及びドレイン電極の一方が第1ノードと接続される第2トランジスタと、前記第1トランジスタと前記第2トランジスタとが接続されるノードと一方の電極が接続され、前記容量線と他方の電極が接続される補助容量と、前記第1ノードに接続された保持容量と、前記第1ノードの電位に応じた駆動電流を出力する駆動トランジスタと、前記駆動電流が供給される発光素子とを具備し、前記駆動回路は、書込期間において、前記走査線を介して前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタをオン状態にさせる走査信号を供給すると共に、前記データ線を介して表示すべき階調に応じたデータ信号を供給し、前記データ信号を前記補助容量及び前記保持容量に書き込み、前記書込期間に続く保持期間において、前記走査線を介して前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタをオン状態にさせる走査信号を供給し、前記保持期間において前記容量線に前記補助容量の他方の電極の電位を変化させる容量線信号を供給することを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、データ信号を画素回路に書き込んだ後、保持期間において、補助容量の他方の電極の電位を変化させる。すなわち、容量線から容量線信号が供給されることで、第1ノードの電位とは独立して補助容量の他方の電極の電位を変化させることができる。第1トランジスタ及び第2トランジスタには、ドレイン−ソース間の電圧に応じた大きさのリーク電流が流れるが、本発明によれば補助容量の他方の電極の電位を保持期間において変化させるので、リーク電流による第1ノードの電位を打ち消すことが可能となる。
【0014】
ここで、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタの替わりに、前記データ線と前記第1ノードとの間にN(Nは3以上の整数)個のトランジスタが直列に接続され、前記N個のトランジスタのゲート電極は前記走査線に接続され、前記補助容量の替わりに、前記N個のトランジスタどうしが接続される複数のノードの各々にN−1個の補助容量の一方の電極が接続され、前記N−1個の補助容量の全部又は一部の他方の電極に前記容量線が接続されると好ましい。この場合には、トランジスタを多段に接続するので、第1ノードに接続されるトランジスタのリーク電流の大きさをより一層低減することができる。また、前記N−1個の補助容量のうち最も前記データ線に近い補助容量において、当該補助容量の他方の電極は前記容量線に接続されることが好ましい。データ線と当該補助容量との間に設けられたトランジスタのリーク電流が他のトランジスタと比較して最も大きくなるからである。
【0015】
また、前記駆動回路は、前記書込期間が終了した時刻における前記第1ノードの電位を基準電位としたとき、前記保持期間における前記第1ノードの電位の平均値が前記基準電位に近づくように、前記容量線に容量線信号を供給すると好ましい。この場合には、第1ノードに向かうリーク電流と第1ノードから出ていくリーク電流がバランスするので、第1ノードの電位を基準電位に近づけることができる。この結果、正確な階調を表示することが可能となる。さらに、本発明に係る電子機器は、上述した電気光学装置を備えたことが好ましい。
【0016】
次に、本発明に係る画素回路の駆動方法は、データ線と第1ノードとの間に直列に設けられた複数のスイッチング素子と、前記第1ノードの電位に応じた階調を表示する電気光学素子と、前記複数のスイッチング素子が相互に接続される一又は複数のノードの各々に一方の電極が接続された一又は複数の補助容量とを備えた画素回路の駆動方法であって、書込期間において前記複数のスイッチング素子がオン状態になるように制御し、前記書込期間に続く保持期間において前記複数のスイッチング素子がオフ状態となるように制御し、前記書込期間が終了した時刻における前記第1ノードの電位を基準電位としたとき、前記保持期間における前記第1ノードの電位の平均値が前記基準電位に近づくように、前記一又は複数の補助容量のうち少なくとも一つの補助容量の他方の電極の電位を変化させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る電気光学装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】同装置における画素回路の構成を示す回路図である。
【図3】同装置におけるTFTの伝達特性を示すグラフである。
【図4】同装置におけるTFTの伝達特性を示すグラフである。
【図5】同装置における液晶素子における印可電圧と透過率の関係を示すグラフである。
【図6】本発明の実施形態に用いられる表示領域に表示される画面の模式図である。
【図7】同装置における画素回路の駆動動作を示すタイミングチャートである。
【図8】同実施形態の変形例に係る電気光学装置の画素回路の構成を示す回路図である。
【図9】画素回路の駆動可能周波数の対比を示す図である。
【図10】同実施形態の変形例に係る電気光学装置の画素回路の構成を示す回路図である。
【図11】同電気光学装置を適用したモバイル型のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
【図12】同電気光学装置を適用した携帯電話機の構成を示す斜視図である。
【図13】同電気光学装置を適用した携帯情報端末の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<1.実施形態>
図1は、本発明の実施形態に係る電気光学装置の概略構成を示すブロック図である。電気光学装置1は、電気光学パネルAAと制御回路700を備える。電気光学パネルAAには、表示領域A、走査線駆動回路100、データ線駆動回路200、容量線駆動回路300が形成される。このうち、表示領域Aには、X方向と平行にm本の走査線102及びm本の容量線101が形成される。また、X方向と直交するY方向と平行にn本のデータ線103が形成される。そして、走査線102とデータ線103との各交差に対応して画素回路400Aが各々設けられている。
【0019】
走査線駆動回路100は、複数の走査線102を順次選択するための走査信号Y1、Y2、Y3、…、Ymを生成する。一方、容量線駆動回路300は、補助容量Csを駆動するための容量線信号Vs1、Vs2、Vs3、…、Vsmを生成する。
データ線駆動回路200は、選択された走査線102に位置する画素回路400Aの各々に対しデータ信号X1、X2、X3、…、Xnを供給する。この例において、データ信号X1〜Xnは階調輝度を指示する電圧信号として与えられる。
【0020】
制御回路700は、各種の制御信号を生成してこれらを走査線駆動回路100、データ線駆動回路200、及び容量線駆動回路300へ出力する。また、制御回路700はガンマ補正等の画像処理を施した階調データDを生成し、データ線駆動回路200へ出力する。なお、この例では、制御回路700を電気光学パネルAAの外部に設けたが、これらの構成要素の一部又は全部を電気光学パネルAAに取り込んでもよい。更に、電気光学パネルAAに設けられた構成要素の一部を外部回路として設けてもよい。
【0021】
図2は、本発明の実施形態に係る画素回路400Aの回路図である。画素回路400Aは、表示領域Aのi(iは1≦i≦mを満たす自然数)行目のj(jは1≦j≦nを満たす自然数)列目に設けられている。画素回路400Aには、データ線103からデータ信号Xjが、走査線102から走査信号Yiが、容量線101から容量線信号Vsiがそれぞれ供給される。画素回路400Aは、2個のTFT401、402と、補助容量Cs1及び保持容量Chと、1個の液晶素子410とを備える。薄膜トランジスタ(以下、「TFT(Thin Film Transistor)」と称する)401のソース電極はノードmを介してデータ線103に接続される。TFT401のドレイン電極はノードoを介してTFT402のソース電極及び補助容量Cs1に接続される。TFT402のドレイン電極はノードpを介して液晶素子410及び保持容量Chに接続される。さらに、TFT401及びTFT402のゲート電極は走査線102に接続される。
【0022】
補助容量Cs1の一端はTFT401のドレイン電極及びTFT402のソース電極に接続される一方、その他端は容量線101に接続される。液晶素子410は、画素電極411と、対向電極412と、それらの間に挟持される液晶Clcとによって構成される。尚、対向電極412は他の画素回路400Aと共通であり、そこには共通電圧Vcomが供給される。
液晶素子410及び保持容量Chの一端はそれぞれTFT402のドレイン電極に接続される一方、液晶素子410及び保持容量Chの他端は図示しない対向電極にそれぞれ接続される。
【0023】
図3は、本実施形態に用いられるTFTの伝達特性を示すグラフである。X軸はゲート−ソース間電圧の値を示し、Y軸はドレイン−ソース間電流の値を示している。グラフ上の各曲線は、それぞれ異なるドレイン−ソース間電圧における伝達特性を示している。
ゲート−ソース間電圧(Vgs)が負の値から正の値に変動して閾値電圧を超えると、ドレイン−ソース間電流(Ids)が急激に上昇する。また、ドレイン−ソース間電圧(Vds)が小さい程、ドレイン−ソース間電流(Ids)も小さくなる。但し、ゲート−ソース間電圧(Vgs)が閾値電圧以下で負の値になっても、ドレイン−ソース間電流(Ids)が流れる。これは、TFTがオフ状態であっても、実際の回路ではリーク電流が流れることを意味する。
【0024】
図4は、本実施形態に用いられるTFTのリーク電流の特性を示すグラフである。X軸はドレイン−ソース間電圧(Vds)の値を示し、Y軸はリーク電流(Ileak)の値を示している。Vdsが小さい程、Ileakも小さくなる。このため、このTFTのリーク電流を抑えるには、ドレイン電極とソース電極の間の電圧を小さくすればよいことが理解できる。
【0025】
図5は、本実施形態に用いられる液晶素子における印可電圧と透過率の関係を示すグラフである。X軸は液晶素子に印可される電圧の値を示し、Y軸は液晶素子の透過率を示している。位相差板が無い場合、印可電圧が低い(0V〜約10V)場合には透過率はほぼ100%に維持される。印可電圧の上昇(約10V〜14V)に伴い一度透過率が上昇し、さらなる印可電圧の上昇(約14V〜)に伴い透過率が低下して透過率0に到る。位相差板が有る場合、印可電圧が低い(0V〜約10V)場合には透過率はほぼ100%に維持される。印可電圧の上昇(約10V〜)に伴い透過率が低下して透過率0に到る。いずれの場合も、液晶素子の透過率を0にするためには印可電圧を上げる必要がある。
【0026】
図6は、本実施形態に用いられる表示領域Aに表示される画面の模式図である。状態(A)では、走査信号Y1が供給される画素の全てが黒を表示し、その他の画素の全てが白を表示している。状態(B)では、走査信号Yiが供給される画素の全てが黒を表示し、その他の画素の全てが白を表示している。黒を表示している画素の透過率は0%であり、白を表示している画素の透過率は100%である。
【0027】
このような画素回路400Aにおいて、画素回路400Aへの階調に応じた電圧の書き込みが終了した時刻において、ノードp及びノードoの電圧を30V、ノードmの電圧が10Vであったとする。この場合、ノードmとノードoとの間の電圧が20Vであるため、TFT401のドレイン−ソース電圧Vdsは20Vとなり、リーク電流Ileak1が流れる(図4参照)。
一方、ノードoとノードpとの間の電圧は0VのためTFT402にはリーク電流Ileak2が流れない。ノードoの電圧は徐々にノードmの電圧に漸近していく。ここで、 ノードoの電圧の変化量をΔVとすると、ΔV=Ileak1×ΔT(保持時間)/Csc1で表すことができ、例えば、駆動周波数4Hz、Csc1=200fF の時、約2V となる。したがって、最終的なノードoの電圧は約28Vとなる。このようにノードoとノードpとの間の電圧を小さくして、TFT402によるリーク電流Ileak2を抑制することができる。この結果、駆動周波数を低くすることができ、低消費電力化が可能となる。
【0028】
図7は、画素回路400Aの駆動動作を示すタイミングチャートである。まず、走査信号Y1〜YmのうちY1のみが1水平走査期間(1H)だけハイレベルとなる。次に、走査信号Y1がローレベルに遷移すると共に、走査信号Y2が1Hだけハイレベルとなる。以後、Y3→Y4→…Ymの順にハイレベルとなる。走査信号Yiがオン状態のときに、TFT401およびTFT402のゲート電極に電圧が印可されるので、TFT401およびTFT402がオン状態となる。したがって、走査信号Yiがハイレベルのときに、データ線103から供給されるデータ信号XjがTFT401を介して補助容量Cs1に供給されると共に、TFT401およびTFT402を介して保持容量Ch及び液晶素子410に供給される。
【0029】
一方、容量線信号Vs1〜Vsmは、データ信号の書き込みの後に容量線101の電位を変化させる2フレーム周期の信号であり、ローレベルからハイレベルに遷移するタイミングがVs1→Vs2→Vs3→…→Vsmの順に遅れていく。容量線信号Vsiは容量線101を経て補助容量Cs1に供給される。
【0030】
画素回路400Aの動作を、走査信号Y1によってアクティブにされる1行目の走査線に着目して時間を追って詳述する。図7に示す1フレーム期間1Fは、時刻t0から時刻t1までの書込期間Twと、時刻t1から時刻t5までの保持期間Thに大別される。
【0031】
書込期間Twにおいて、走査信号Y1及びデータ信号Xjが画素回路400Aに供給される。この例では、共通電位Vcomを基準として正極性の電位がデータ信号Xjとして書き込まれる。また、液晶Clcに交流電圧を印加して焼き付きを防止するため、フレーム反転交流駆動を採用する。フレーム反転交流駆動では、共通電位Vcomを基準としてフレーム単位でデータ信号Xjの極性を反転させる。
【0032】
時刻t0において書込期間Twが開始すると、ノードoの電位Voとノードpの電位Vpは同じように上昇する。そして、時刻t1に至ると、走査信号Y1がハイレベルからローレベルに遷移しTFT401及びTFT402がオフ状態になり、書込期間Twが終了する。書込期間Twが終了して時刻t2に至ると、容量線信号Vs1のレベルが第1電位V1から第2電位V2に変化する。ここで、第2電位V2は第1電位V1よりも高電位である。補助容量Cs1の一方の電極はノードoに接続され他方の電極が容量線101に接続されている。時刻t2において補助容量Cs1の他方の電極の電位が第1電位V1から第2電位V2に変化すると、補助容量Cs1の一方の電極の電位がΔV(=V2−V1)だけ上昇する。これによって、ノードoの電位は、Vx+ΔVとなる。
【0033】
時刻t2から時刻t3までの期間Taにおいて、ノードoの電位Voがノードpの電位Vpよりも高いので、ノードoからノードpに向けてリーク電流Ileak2が流れる。このため、ノードpの電位Vpが上昇する。また、ノードoからは、データ線103上のノードmに向けてリーク電流Ileak1が流れる。リーク電流Ileak1及びIleak2により、ノードoの電位Voが低下する。やがて、時刻t3に至ると、ノードoの電位Voとノードpの電位Vpとが等しくなる。
次に、時刻t3から時刻t5までの期間Tbにおいて、ノードoの電位Voはリーク電流Ileak2により低下し、ノードpの電位Vpはリーク電流Ileak1により低下する。時刻t5において、走査信号Y1がローレベルからハイレベルに遷移して1フレーム期間1Fが終了する。
【0034】
このように、正極性のデータ信号Xjを書き込む場合は、時刻t2において容量線信号Vs1の電位を第1電位V1から第2電位V2に変化させることによって、ノードpの電位Vpから独立してノードoの電位Voのみを高くするよう変化させることで、容量線信号Vs1の供給が無いときよりも、ノードpの電位Vpを1フレーム期間にわたり高く保持することができる。また、次のフレームで、負極性のデータ信号Xjを書き込む場合は、時刻t2において容量線信号Vs1の電位を第2電位V2から第1電位V1に変化させることによって、ノードpの電位Vpから独立してノードoの電位Voのみを低くするよう変化させることで、容量線信号Vs1の供給が無いときよりも、ノードpの電位Vpを1フレーム期間にわたり低く保持することができる。
すなわち、書込期間Twが終了した時刻t0におけるノードpの電位Vp(=Vx)を基準電位としたとき、補助容量Cs1の他方の電極の電位を固定とした場合と比較して、保持期間Thにおけるノードpの電位Vpの平均値が基準電位に近づくように、容量線信号Vsjを供給すればよい。
【0035】
なお、ここで、保持期間Thにおけるノードpの電位Vpのなす曲線と、データ信号Xjの電位Vxのなす直線により画定される面積S1とS2とが等しくなるように容量線信号Vs1を供給すると好ましい。このようにすることで、保持期間Thにおけるノードpの平均電位がデータ信号Xjの電位Vxと等しくなる。
【0036】
<2.変形例>
本発明は上述した実施形態に限定されものではなく、例えば、以下に述べる変形が可能である。
(1)上述した実施形態では、第1電位V1の値及び第2電位V2の値は一定であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、以下の変形例のように設定してもよい。
変形例においては、制御回路700は、電位V1と電位V2との電位差が保持期間Thの長さに応じて変化するように、容量線駆動回路300を制御する。例えば、複数種類の駆動周波数に対応可能なディスプレイにおいて、駆動周波数が変更されることによって、保持期間Thの長さが変化した場合、保持期間Thの長さが長くなる程、電位V1と電位V2との電位差が大きくなるように制御する。このようにすることで、保持期間Thの長さが変動してもノードpの電位Vpをより適切に保つことができる。
なお、制御回路700が容量線駆動回路300を制御する例を上述したが、保持期間Thの長さに応じて、容量線駆動回路300自体が電位V1と電位V2との電位差を制御するようにしてもよい。
【0037】
(2)上述した実施形態では、2個のTFTを用いた画素回路200Aについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、3個以上のTFTを用いた画素回路にも適用可能である。
図8は、本発明の実施形態の変形例に係る画素回路400Bの回路図である。画素回路400Bは、表示領域Aのi(iは1≦i≦mを満たす自然数)行目のj(jは1≦j≦nを満たす自然数)列目に設けられている。画素回路400Aには、データ線103からデータ信号Xjが、走査線102から走査信号Yiが、容量線101から容量線信号Vsiがそれぞれ供給される。画素回路400Bは、3個のTFT401、402、403と、2個の補助容量Cs3及びCs4と、1個の保持容量Chと、1個の液晶素子410とを備える。TFT401のソース電極はデータ線103に接続される。TFT401のドレイン電極はTFT402のソース電極及び補助容量Cs3に接続される。TFT402のドレイン電極はTFT403のソース電極及び補助容量Cs4に接続される。TFT403のドレイン電極は液晶素子410の画素電極411及び保持容量Chの一方の電極に接続される。TFT401、402、及び403のゲート電極は走査線102に接続される。
【0038】
補助容量Cs3の一端はTFT401のドレイン電極及びTFT402のソース電極に接続される一方、その他端は容量線101に接続される。補助容量Cs4の一端はTFT402のドレイン電極及びTFT403のソース電極に接続される一方、その他端は容量線101に接続される。液晶素子410の対向電極412及び保持容量Chの他方の電極には共通電位Vcomが供給される。
なお、補助容量Cs4の他端が容量線101に接続されずに補助容量Cs3の他端と容量線101の間に接続されてもよい。
【0039】
図8の3分割の画素回路400Bの動作は、上述した図2の2分割の画素回路400Aの動作に準じる。補助容量が図2の2分割の画素回路400Aよりも1つ多いため、リーク電流の発生をより抑えることができる。
図9は、3型VGA(Video Graphics Array)ディスプレイにおける、従来の分割しない画素回路、図2に示すような2分割の画素回路、及び図8に示すような3分割の画素回路の駆動可能周波数の対比を示す図である。
【0040】
前述の通り、駆動周波数が低くなると、画素回路への電圧の書込み間隔が長くなる。液晶容量に蓄積された電荷はリーク電流により時間と共に減少し、画素の電位が低下するので、書込み間隔が大きくなるとディスプレイの画質が低下してしまう。すなわち、一定のディスプレイの画質を保つために必要な駆動周波数は、画素回路にリーク電流が発生しやすいほど高くなる。分割なしの画素回路においてはリーク電流が発生しやすいため、駆動可能周波数は30Hzという高い値である。2分割の画素回路では、分割なしの画素回路よりもリーク電流が抑えられるため、より低い4Hzで駆動可能である。そして、3分割の画素回路では、2分割の画素回路よりも更にリーク電流が抑えられるため、更に低い3Hzで駆動可能である。このようにして、画素回路の分割数を増やすことで駆動可能周波数を低く抑えることができ、ひいては消費電力を低減することが可能である。
【0041】
(3)上述した実施形態及び変形例では、階調を表示する素子として液晶素子410を一例として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、OLED素子などの発光素子を備えた画素回路にも適用可能である。本実施形態の変形例として、自発光素子、特に有機発光ダイオード素子(以下、OLED素子と称する)を用いた画素回路について説明する。
図10は、本発明の実施形態の変形例に係る画素回路400Cの回路図である。画素回路400Cは、表示領域Aのi(iは1≦i≦mを満たす自然数)行目のj(jは1≦j≦nを満たす自然数)列目に設けられている。画素回路400Cには、データ線103からデータ信号Xjが、走査線102から走査信号Yiが、容量線101から容量線信号Vsiがそれぞれ供給される。画素回路400Cは、3個のTFT401、402、403と、補助容量405と、保持容量420と、OLED素子430とを備える。TFT403はノードpの電位Vpに応じた大きさの駆動電流をOLED素子430に供給する。OLED素子430は駆動電流の大きさに応じた階調で発光する。換言すれば、OLED素子430はノードpの電位Vpに応じた階調で発光する発光素子である。
保持容量ChはTFT403のゲート電極とソース電極との間に設けられており、ノードpを介してTFT402と接続されている。また、補助容量405の一方の電極がTFT401とTFT403とが接続されるノードに接続され、その他方の電極は容量線101に接続される。
【0042】
このような構成において、書込期間Twではデータ信号Xjが補助容量405と保持容量Chに書き込まれる。そして、保持期間Thでは、上述した実施形態と同様に容量線信号Vsiの電位が、書込期間Twが終了した時刻t0におけるノードpの電位Vp(=Vx)を基準電位としたとき、補助容量Cs1の他方の電極の電位を固定とした場合と比較して、保持期間Thにおけるノードpの電位Vpの平均値が基準電位に近づくように変化する。よって、リーク電流が発生しても、正確な階調を表示することが可能となる。
【0043】
<3.応用例>
次に、上述した実施形態に係る電気光学装置1を適用した電子機器について説明する。図11に、電気光学装置1を適用したモバイル型のパーソナルコンピュータの構成を示す。パーソナルコンピュータ2000は、表示ユニットとしての電気光学装置1と本体部2010を備える。本体部2010には、電源スイッチ2001及びキーボード2002が設けられている。
【0044】
図12に、電気光学装置1を適用した携帯電話機の構成を示す。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001及びスクロールボタン3002、並びに表示ユニットとしての電気光学装置1を備える。スクロールボタン3002を操作することによって、電気光学装置1に表示される画面がスクロールされる。
【0045】
図13に、電気光学装置1を適用した情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)の構成を示す。情報携帯端末4000は、複数の操作ボタン4001及び電源スイッチ4002、並びに表示ユニットとしての電気光学装置1を備える。電源スイッチ4002を操作すると、住所録やスケジュール帳といった各種の情報が電気光学装置1に表示される。
【0046】
なお、電気光学装置1が適用される電子機器としては、図11〜13に示すものの他、デジタルスチルカメラ、デジタル式写真立て、電子ペーパー、液晶テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、モニタ直視型のデジタルビデオカメラ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器の表示部として、前述した電気光学装置1が適用可能である。
【符号の説明】
【0047】
1…電気光学装置、100…走査線駆動回路、200…データ線駆動回路、300…容量線駆動回路、400A、B、C…画素回路、700…制御回路、Ch…保持容量、Cs1〜Cs4…補助容量、Vs1〜Vsm…容量線信号、X1〜Xn…データ信号、Y1〜Ym…走査信号。
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶素子等を用いた電気光学装置及びその駆動方法、並びに電気光学装置を用いた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置に代表される中型・小型ディスプレイは、その可搬性から、多くの携帯型の電子機器(例えば、携帯電話、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタル式写真立て、電子ペーパー等)に応用されている。携帯型の電子機器は電池により駆動されることが多いため、稼働時間確保の観点から、これに用いられるディスプレイには消費電力の低さが求められる。
【0003】
液晶表示装置はマトリクス状に配置された複数の画素を備える。画像の表示は、複数の画素の各々に表示すべき階調に応じた電圧を書き込み、書き込まれた電圧に応じて液晶の透過率が制御されることによって行われる。
ディスプレイの消費電力を抑えるには、画素の駆動周波数を低くする方法が考えられる。しかし、駆動周波数を低くすると、画素への電圧の書込み間隔が長くなる。液晶容量に蓄積された電荷はリーク電流により時間と共に減少し、画素の電位が低下するので、書込み間隔が大きくなるとディスプレイの画質が低下してしまう。したがって、駆動周波数を低くしつつ、ディスプレイの画質も維持するには、リーク電流を抑えて液晶に印加される電圧を保持する必要がある。
【0004】
特許文献1には、リーク電流を抑える画素回路が開示されている。この画素回路は、データ線と画素電極(液晶)との間に2個のトランジスタが直列に接続されており、2個のトランジスタの接続点に保持容量が接続される構成となっている。2個のトランジスタのゲートは1本の走査線に接続されている。したがって、書込期間において、走査信号が走査線に供給されると、2個のトランジスタはオン状態となり、保持容量と液晶の画素容量に同じ電圧が書き込まれる。その後、2個のトランジスタがオフ状態になる。ここで、データ線に接続されるトランジスタを第1トランジスタ、画素電極(液晶)に接続されるトランジスタを第2トランジスタとする。リーク電流の大きさはソース・ドレイン間の電圧が大きくなると増大するが、保持容量と画素容量に同じ電圧を書き込むので、第2トランジスタのリーク電流を抑制することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−111491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の画素回路において、保持容量の電圧は第1トランジスタのリーク電流によって変化する。すなわち、1フレームの期間が長くなると、データ線と保持容量の間のリーク電流の影響を受けて、保持容量から電荷が失われる。その結果、画素容量と保持容量の間の電位差が大きくなり、第2トランジスタにリーク電流が発生してしまうという問題がある。
【0007】
本発明は上述した問題に鑑みてなされたものであり、駆動周波数が低い場合でもトランジスタのリーク電流を低減することができる電気光学装置及びこれを用いた電子機器、並びに駆動方法を提供することを解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するため、本発明に係る電気光学装置は、走査線と、データ線と、容量線と、画素回路と、前記画素回路を駆動する駆動回路とを備え、前記画素回路は、ゲート電極が前記走査線と接続され、ソース電極及びドレイン電極の一方が前記データ線と接続される第1トランジスタと、ゲート電極が前記走査線と接続され、ソース電極及びドレイン電極の一方が前記第1トランジスタと接続され、ソース電極及びドレイン電極の一方が第1ノードと接続される第2トランジスタと、前記第1トランジスタと前記第2トランジスタとが接続されるノードと一方の電極が接続され、前記容量線と他方の電極が接続される補助容量と、前記第1ノードに接続された画素電極と、前記画素電極に対向する対向電極と、前記画素電極と前記対向電極との間に挟持された液晶とを具備し、前記駆動回路は、書込期間において、前記走査線を介して前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタをオン状態にさせる走査信号を供給すると共に、前記データ線を介して表示すべき階調に応じたデータ信号を供給し、前記データ信号を前記補助容量及び前記液晶に書き込み、 前記書込期間に続く保持期間において、前記走査線を介して前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタをオン状態にさせる走査信号を供給し、前記保持期間において前記容量線に前記補助容量の他方の電極の電位を変化させる容量線信号を供給することを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、データ信号を画素回路に書き込んだ後、保持期間において、補助容量の他方の電極の電位を変化させる。すなわち、容量線から容量線信号が供給されることで、第1ノードの電位とは独立して補助容量の他方の電極の電位を変化させることができる。第1トランジスタ及び第2トランジスタには、ドレイン−ソース間の電圧に応じた大きさのリーク電流が流れるが、本発明によれば補助容量の他方の電極の電位を保持期間において変化させるので、リーク電流による第1ノードの電位を打ち消すことが可能となる。
【0010】
ここで、前記駆動回路は、前記対向電極の電位を基準として正極性の前記データ信号を前記書込期間において前記液晶に書き込んだ場合には、前記保持期間において第1電位から前記第1電位より高い第2電位に変化する前記容量線信号を前記容量線に供給し、負極性の前記データ信号を前記書込期間において前記第1補助容量及び前記液晶に書き込んだ場合には、前記保持期間において前記第2電位から前記第1電位に変化する前記容量線信号を前記容量線に供給すると好ましい。この場合には、対向電極の電位を基準とした補助容量の他方の電極の電位差が、第1ノードの電位差よりも、相対的に大きくなることにより、第2トランジスタにおけるリーク電流によって第1ノードの電位が変化しても、保持期間における第1ノードの電位の平均値を一定に近づけることが可能となる。
【0011】
また、前記駆動回路は、前記保持期間の長さに応じて前記第1電位と前記第2電位との電位差を制御すると好ましい。より具体的には保持期間が長くなるほど、電位差が大きくなるように制御すればよい。この場合には、保持期間の長さを切り替えても、第1ノードの電位を適切に保つことができる。例えば、駆動周波数を切り替える場合が該当する。また、前記第1ノードには保持容量が接続されることが好ましい。この場合には、保持容量により第1ノードの電位がさらに長く保持されることが可能になる。
【0012】
次に、本発明に係る電気光学装置は、走査線と、データ線と、容量線と、画素回路と、前記画素回路を駆動する駆動回路とを備え、前記画素回路は、ゲート電極が前記走査線と接続され、ソース電極及びドレイン電極の一方が前記データ線と接続される第1トランジスタと、ゲート電極が前記走査線と接続され、ソース電極及びドレイン電極の一方が前記第1トランジスタと接続され、ソース電極及びドレイン電極の一方が第1ノードと接続される第2トランジスタと、前記第1トランジスタと前記第2トランジスタとが接続されるノードと一方の電極が接続され、前記容量線と他方の電極が接続される補助容量と、前記第1ノードに接続された保持容量と、前記第1ノードの電位に応じた駆動電流を出力する駆動トランジスタと、前記駆動電流が供給される発光素子とを具備し、前記駆動回路は、書込期間において、前記走査線を介して前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタをオン状態にさせる走査信号を供給すると共に、前記データ線を介して表示すべき階調に応じたデータ信号を供給し、前記データ信号を前記補助容量及び前記保持容量に書き込み、前記書込期間に続く保持期間において、前記走査線を介して前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタをオン状態にさせる走査信号を供給し、前記保持期間において前記容量線に前記補助容量の他方の電極の電位を変化させる容量線信号を供給することを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、データ信号を画素回路に書き込んだ後、保持期間において、補助容量の他方の電極の電位を変化させる。すなわち、容量線から容量線信号が供給されることで、第1ノードの電位とは独立して補助容量の他方の電極の電位を変化させることができる。第1トランジスタ及び第2トランジスタには、ドレイン−ソース間の電圧に応じた大きさのリーク電流が流れるが、本発明によれば補助容量の他方の電極の電位を保持期間において変化させるので、リーク電流による第1ノードの電位を打ち消すことが可能となる。
【0014】
ここで、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタの替わりに、前記データ線と前記第1ノードとの間にN(Nは3以上の整数)個のトランジスタが直列に接続され、前記N個のトランジスタのゲート電極は前記走査線に接続され、前記補助容量の替わりに、前記N個のトランジスタどうしが接続される複数のノードの各々にN−1個の補助容量の一方の電極が接続され、前記N−1個の補助容量の全部又は一部の他方の電極に前記容量線が接続されると好ましい。この場合には、トランジスタを多段に接続するので、第1ノードに接続されるトランジスタのリーク電流の大きさをより一層低減することができる。また、前記N−1個の補助容量のうち最も前記データ線に近い補助容量において、当該補助容量の他方の電極は前記容量線に接続されることが好ましい。データ線と当該補助容量との間に設けられたトランジスタのリーク電流が他のトランジスタと比較して最も大きくなるからである。
【0015】
また、前記駆動回路は、前記書込期間が終了した時刻における前記第1ノードの電位を基準電位としたとき、前記保持期間における前記第1ノードの電位の平均値が前記基準電位に近づくように、前記容量線に容量線信号を供給すると好ましい。この場合には、第1ノードに向かうリーク電流と第1ノードから出ていくリーク電流がバランスするので、第1ノードの電位を基準電位に近づけることができる。この結果、正確な階調を表示することが可能となる。さらに、本発明に係る電子機器は、上述した電気光学装置を備えたことが好ましい。
【0016】
次に、本発明に係る画素回路の駆動方法は、データ線と第1ノードとの間に直列に設けられた複数のスイッチング素子と、前記第1ノードの電位に応じた階調を表示する電気光学素子と、前記複数のスイッチング素子が相互に接続される一又は複数のノードの各々に一方の電極が接続された一又は複数の補助容量とを備えた画素回路の駆動方法であって、書込期間において前記複数のスイッチング素子がオン状態になるように制御し、前記書込期間に続く保持期間において前記複数のスイッチング素子がオフ状態となるように制御し、前記書込期間が終了した時刻における前記第1ノードの電位を基準電位としたとき、前記保持期間における前記第1ノードの電位の平均値が前記基準電位に近づくように、前記一又は複数の補助容量のうち少なくとも一つの補助容量の他方の電極の電位を変化させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る電気光学装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】同装置における画素回路の構成を示す回路図である。
【図3】同装置におけるTFTの伝達特性を示すグラフである。
【図4】同装置におけるTFTの伝達特性を示すグラフである。
【図5】同装置における液晶素子における印可電圧と透過率の関係を示すグラフである。
【図6】本発明の実施形態に用いられる表示領域に表示される画面の模式図である。
【図7】同装置における画素回路の駆動動作を示すタイミングチャートである。
【図8】同実施形態の変形例に係る電気光学装置の画素回路の構成を示す回路図である。
【図9】画素回路の駆動可能周波数の対比を示す図である。
【図10】同実施形態の変形例に係る電気光学装置の画素回路の構成を示す回路図である。
【図11】同電気光学装置を適用したモバイル型のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
【図12】同電気光学装置を適用した携帯電話機の構成を示す斜視図である。
【図13】同電気光学装置を適用した携帯情報端末の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<1.実施形態>
図1は、本発明の実施形態に係る電気光学装置の概略構成を示すブロック図である。電気光学装置1は、電気光学パネルAAと制御回路700を備える。電気光学パネルAAには、表示領域A、走査線駆動回路100、データ線駆動回路200、容量線駆動回路300が形成される。このうち、表示領域Aには、X方向と平行にm本の走査線102及びm本の容量線101が形成される。また、X方向と直交するY方向と平行にn本のデータ線103が形成される。そして、走査線102とデータ線103との各交差に対応して画素回路400Aが各々設けられている。
【0019】
走査線駆動回路100は、複数の走査線102を順次選択するための走査信号Y1、Y2、Y3、…、Ymを生成する。一方、容量線駆動回路300は、補助容量Csを駆動するための容量線信号Vs1、Vs2、Vs3、…、Vsmを生成する。
データ線駆動回路200は、選択された走査線102に位置する画素回路400Aの各々に対しデータ信号X1、X2、X3、…、Xnを供給する。この例において、データ信号X1〜Xnは階調輝度を指示する電圧信号として与えられる。
【0020】
制御回路700は、各種の制御信号を生成してこれらを走査線駆動回路100、データ線駆動回路200、及び容量線駆動回路300へ出力する。また、制御回路700はガンマ補正等の画像処理を施した階調データDを生成し、データ線駆動回路200へ出力する。なお、この例では、制御回路700を電気光学パネルAAの外部に設けたが、これらの構成要素の一部又は全部を電気光学パネルAAに取り込んでもよい。更に、電気光学パネルAAに設けられた構成要素の一部を外部回路として設けてもよい。
【0021】
図2は、本発明の実施形態に係る画素回路400Aの回路図である。画素回路400Aは、表示領域Aのi(iは1≦i≦mを満たす自然数)行目のj(jは1≦j≦nを満たす自然数)列目に設けられている。画素回路400Aには、データ線103からデータ信号Xjが、走査線102から走査信号Yiが、容量線101から容量線信号Vsiがそれぞれ供給される。画素回路400Aは、2個のTFT401、402と、補助容量Cs1及び保持容量Chと、1個の液晶素子410とを備える。薄膜トランジスタ(以下、「TFT(Thin Film Transistor)」と称する)401のソース電極はノードmを介してデータ線103に接続される。TFT401のドレイン電極はノードoを介してTFT402のソース電極及び補助容量Cs1に接続される。TFT402のドレイン電極はノードpを介して液晶素子410及び保持容量Chに接続される。さらに、TFT401及びTFT402のゲート電極は走査線102に接続される。
【0022】
補助容量Cs1の一端はTFT401のドレイン電極及びTFT402のソース電極に接続される一方、その他端は容量線101に接続される。液晶素子410は、画素電極411と、対向電極412と、それらの間に挟持される液晶Clcとによって構成される。尚、対向電極412は他の画素回路400Aと共通であり、そこには共通電圧Vcomが供給される。
液晶素子410及び保持容量Chの一端はそれぞれTFT402のドレイン電極に接続される一方、液晶素子410及び保持容量Chの他端は図示しない対向電極にそれぞれ接続される。
【0023】
図3は、本実施形態に用いられるTFTの伝達特性を示すグラフである。X軸はゲート−ソース間電圧の値を示し、Y軸はドレイン−ソース間電流の値を示している。グラフ上の各曲線は、それぞれ異なるドレイン−ソース間電圧における伝達特性を示している。
ゲート−ソース間電圧(Vgs)が負の値から正の値に変動して閾値電圧を超えると、ドレイン−ソース間電流(Ids)が急激に上昇する。また、ドレイン−ソース間電圧(Vds)が小さい程、ドレイン−ソース間電流(Ids)も小さくなる。但し、ゲート−ソース間電圧(Vgs)が閾値電圧以下で負の値になっても、ドレイン−ソース間電流(Ids)が流れる。これは、TFTがオフ状態であっても、実際の回路ではリーク電流が流れることを意味する。
【0024】
図4は、本実施形態に用いられるTFTのリーク電流の特性を示すグラフである。X軸はドレイン−ソース間電圧(Vds)の値を示し、Y軸はリーク電流(Ileak)の値を示している。Vdsが小さい程、Ileakも小さくなる。このため、このTFTのリーク電流を抑えるには、ドレイン電極とソース電極の間の電圧を小さくすればよいことが理解できる。
【0025】
図5は、本実施形態に用いられる液晶素子における印可電圧と透過率の関係を示すグラフである。X軸は液晶素子に印可される電圧の値を示し、Y軸は液晶素子の透過率を示している。位相差板が無い場合、印可電圧が低い(0V〜約10V)場合には透過率はほぼ100%に維持される。印可電圧の上昇(約10V〜14V)に伴い一度透過率が上昇し、さらなる印可電圧の上昇(約14V〜)に伴い透過率が低下して透過率0に到る。位相差板が有る場合、印可電圧が低い(0V〜約10V)場合には透過率はほぼ100%に維持される。印可電圧の上昇(約10V〜)に伴い透過率が低下して透過率0に到る。いずれの場合も、液晶素子の透過率を0にするためには印可電圧を上げる必要がある。
【0026】
図6は、本実施形態に用いられる表示領域Aに表示される画面の模式図である。状態(A)では、走査信号Y1が供給される画素の全てが黒を表示し、その他の画素の全てが白を表示している。状態(B)では、走査信号Yiが供給される画素の全てが黒を表示し、その他の画素の全てが白を表示している。黒を表示している画素の透過率は0%であり、白を表示している画素の透過率は100%である。
【0027】
このような画素回路400Aにおいて、画素回路400Aへの階調に応じた電圧の書き込みが終了した時刻において、ノードp及びノードoの電圧を30V、ノードmの電圧が10Vであったとする。この場合、ノードmとノードoとの間の電圧が20Vであるため、TFT401のドレイン−ソース電圧Vdsは20Vとなり、リーク電流Ileak1が流れる(図4参照)。
一方、ノードoとノードpとの間の電圧は0VのためTFT402にはリーク電流Ileak2が流れない。ノードoの電圧は徐々にノードmの電圧に漸近していく。ここで、 ノードoの電圧の変化量をΔVとすると、ΔV=Ileak1×ΔT(保持時間)/Csc1で表すことができ、例えば、駆動周波数4Hz、Csc1=200fF の時、約2V となる。したがって、最終的なノードoの電圧は約28Vとなる。このようにノードoとノードpとの間の電圧を小さくして、TFT402によるリーク電流Ileak2を抑制することができる。この結果、駆動周波数を低くすることができ、低消費電力化が可能となる。
【0028】
図7は、画素回路400Aの駆動動作を示すタイミングチャートである。まず、走査信号Y1〜YmのうちY1のみが1水平走査期間(1H)だけハイレベルとなる。次に、走査信号Y1がローレベルに遷移すると共に、走査信号Y2が1Hだけハイレベルとなる。以後、Y3→Y4→…Ymの順にハイレベルとなる。走査信号Yiがオン状態のときに、TFT401およびTFT402のゲート電極に電圧が印可されるので、TFT401およびTFT402がオン状態となる。したがって、走査信号Yiがハイレベルのときに、データ線103から供給されるデータ信号XjがTFT401を介して補助容量Cs1に供給されると共に、TFT401およびTFT402を介して保持容量Ch及び液晶素子410に供給される。
【0029】
一方、容量線信号Vs1〜Vsmは、データ信号の書き込みの後に容量線101の電位を変化させる2フレーム周期の信号であり、ローレベルからハイレベルに遷移するタイミングがVs1→Vs2→Vs3→…→Vsmの順に遅れていく。容量線信号Vsiは容量線101を経て補助容量Cs1に供給される。
【0030】
画素回路400Aの動作を、走査信号Y1によってアクティブにされる1行目の走査線に着目して時間を追って詳述する。図7に示す1フレーム期間1Fは、時刻t0から時刻t1までの書込期間Twと、時刻t1から時刻t5までの保持期間Thに大別される。
【0031】
書込期間Twにおいて、走査信号Y1及びデータ信号Xjが画素回路400Aに供給される。この例では、共通電位Vcomを基準として正極性の電位がデータ信号Xjとして書き込まれる。また、液晶Clcに交流電圧を印加して焼き付きを防止するため、フレーム反転交流駆動を採用する。フレーム反転交流駆動では、共通電位Vcomを基準としてフレーム単位でデータ信号Xjの極性を反転させる。
【0032】
時刻t0において書込期間Twが開始すると、ノードoの電位Voとノードpの電位Vpは同じように上昇する。そして、時刻t1に至ると、走査信号Y1がハイレベルからローレベルに遷移しTFT401及びTFT402がオフ状態になり、書込期間Twが終了する。書込期間Twが終了して時刻t2に至ると、容量線信号Vs1のレベルが第1電位V1から第2電位V2に変化する。ここで、第2電位V2は第1電位V1よりも高電位である。補助容量Cs1の一方の電極はノードoに接続され他方の電極が容量線101に接続されている。時刻t2において補助容量Cs1の他方の電極の電位が第1電位V1から第2電位V2に変化すると、補助容量Cs1の一方の電極の電位がΔV(=V2−V1)だけ上昇する。これによって、ノードoの電位は、Vx+ΔVとなる。
【0033】
時刻t2から時刻t3までの期間Taにおいて、ノードoの電位Voがノードpの電位Vpよりも高いので、ノードoからノードpに向けてリーク電流Ileak2が流れる。このため、ノードpの電位Vpが上昇する。また、ノードoからは、データ線103上のノードmに向けてリーク電流Ileak1が流れる。リーク電流Ileak1及びIleak2により、ノードoの電位Voが低下する。やがて、時刻t3に至ると、ノードoの電位Voとノードpの電位Vpとが等しくなる。
次に、時刻t3から時刻t5までの期間Tbにおいて、ノードoの電位Voはリーク電流Ileak2により低下し、ノードpの電位Vpはリーク電流Ileak1により低下する。時刻t5において、走査信号Y1がローレベルからハイレベルに遷移して1フレーム期間1Fが終了する。
【0034】
このように、正極性のデータ信号Xjを書き込む場合は、時刻t2において容量線信号Vs1の電位を第1電位V1から第2電位V2に変化させることによって、ノードpの電位Vpから独立してノードoの電位Voのみを高くするよう変化させることで、容量線信号Vs1の供給が無いときよりも、ノードpの電位Vpを1フレーム期間にわたり高く保持することができる。また、次のフレームで、負極性のデータ信号Xjを書き込む場合は、時刻t2において容量線信号Vs1の電位を第2電位V2から第1電位V1に変化させることによって、ノードpの電位Vpから独立してノードoの電位Voのみを低くするよう変化させることで、容量線信号Vs1の供給が無いときよりも、ノードpの電位Vpを1フレーム期間にわたり低く保持することができる。
すなわち、書込期間Twが終了した時刻t0におけるノードpの電位Vp(=Vx)を基準電位としたとき、補助容量Cs1の他方の電極の電位を固定とした場合と比較して、保持期間Thにおけるノードpの電位Vpの平均値が基準電位に近づくように、容量線信号Vsjを供給すればよい。
【0035】
なお、ここで、保持期間Thにおけるノードpの電位Vpのなす曲線と、データ信号Xjの電位Vxのなす直線により画定される面積S1とS2とが等しくなるように容量線信号Vs1を供給すると好ましい。このようにすることで、保持期間Thにおけるノードpの平均電位がデータ信号Xjの電位Vxと等しくなる。
【0036】
<2.変形例>
本発明は上述した実施形態に限定されものではなく、例えば、以下に述べる変形が可能である。
(1)上述した実施形態では、第1電位V1の値及び第2電位V2の値は一定であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、以下の変形例のように設定してもよい。
変形例においては、制御回路700は、電位V1と電位V2との電位差が保持期間Thの長さに応じて変化するように、容量線駆動回路300を制御する。例えば、複数種類の駆動周波数に対応可能なディスプレイにおいて、駆動周波数が変更されることによって、保持期間Thの長さが変化した場合、保持期間Thの長さが長くなる程、電位V1と電位V2との電位差が大きくなるように制御する。このようにすることで、保持期間Thの長さが変動してもノードpの電位Vpをより適切に保つことができる。
なお、制御回路700が容量線駆動回路300を制御する例を上述したが、保持期間Thの長さに応じて、容量線駆動回路300自体が電位V1と電位V2との電位差を制御するようにしてもよい。
【0037】
(2)上述した実施形態では、2個のTFTを用いた画素回路200Aについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、3個以上のTFTを用いた画素回路にも適用可能である。
図8は、本発明の実施形態の変形例に係る画素回路400Bの回路図である。画素回路400Bは、表示領域Aのi(iは1≦i≦mを満たす自然数)行目のj(jは1≦j≦nを満たす自然数)列目に設けられている。画素回路400Aには、データ線103からデータ信号Xjが、走査線102から走査信号Yiが、容量線101から容量線信号Vsiがそれぞれ供給される。画素回路400Bは、3個のTFT401、402、403と、2個の補助容量Cs3及びCs4と、1個の保持容量Chと、1個の液晶素子410とを備える。TFT401のソース電極はデータ線103に接続される。TFT401のドレイン電極はTFT402のソース電極及び補助容量Cs3に接続される。TFT402のドレイン電極はTFT403のソース電極及び補助容量Cs4に接続される。TFT403のドレイン電極は液晶素子410の画素電極411及び保持容量Chの一方の電極に接続される。TFT401、402、及び403のゲート電極は走査線102に接続される。
【0038】
補助容量Cs3の一端はTFT401のドレイン電極及びTFT402のソース電極に接続される一方、その他端は容量線101に接続される。補助容量Cs4の一端はTFT402のドレイン電極及びTFT403のソース電極に接続される一方、その他端は容量線101に接続される。液晶素子410の対向電極412及び保持容量Chの他方の電極には共通電位Vcomが供給される。
なお、補助容量Cs4の他端が容量線101に接続されずに補助容量Cs3の他端と容量線101の間に接続されてもよい。
【0039】
図8の3分割の画素回路400Bの動作は、上述した図2の2分割の画素回路400Aの動作に準じる。補助容量が図2の2分割の画素回路400Aよりも1つ多いため、リーク電流の発生をより抑えることができる。
図9は、3型VGA(Video Graphics Array)ディスプレイにおける、従来の分割しない画素回路、図2に示すような2分割の画素回路、及び図8に示すような3分割の画素回路の駆動可能周波数の対比を示す図である。
【0040】
前述の通り、駆動周波数が低くなると、画素回路への電圧の書込み間隔が長くなる。液晶容量に蓄積された電荷はリーク電流により時間と共に減少し、画素の電位が低下するので、書込み間隔が大きくなるとディスプレイの画質が低下してしまう。すなわち、一定のディスプレイの画質を保つために必要な駆動周波数は、画素回路にリーク電流が発生しやすいほど高くなる。分割なしの画素回路においてはリーク電流が発生しやすいため、駆動可能周波数は30Hzという高い値である。2分割の画素回路では、分割なしの画素回路よりもリーク電流が抑えられるため、より低い4Hzで駆動可能である。そして、3分割の画素回路では、2分割の画素回路よりも更にリーク電流が抑えられるため、更に低い3Hzで駆動可能である。このようにして、画素回路の分割数を増やすことで駆動可能周波数を低く抑えることができ、ひいては消費電力を低減することが可能である。
【0041】
(3)上述した実施形態及び変形例では、階調を表示する素子として液晶素子410を一例として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、OLED素子などの発光素子を備えた画素回路にも適用可能である。本実施形態の変形例として、自発光素子、特に有機発光ダイオード素子(以下、OLED素子と称する)を用いた画素回路について説明する。
図10は、本発明の実施形態の変形例に係る画素回路400Cの回路図である。画素回路400Cは、表示領域Aのi(iは1≦i≦mを満たす自然数)行目のj(jは1≦j≦nを満たす自然数)列目に設けられている。画素回路400Cには、データ線103からデータ信号Xjが、走査線102から走査信号Yiが、容量線101から容量線信号Vsiがそれぞれ供給される。画素回路400Cは、3個のTFT401、402、403と、補助容量405と、保持容量420と、OLED素子430とを備える。TFT403はノードpの電位Vpに応じた大きさの駆動電流をOLED素子430に供給する。OLED素子430は駆動電流の大きさに応じた階調で発光する。換言すれば、OLED素子430はノードpの電位Vpに応じた階調で発光する発光素子である。
保持容量ChはTFT403のゲート電極とソース電極との間に設けられており、ノードpを介してTFT402と接続されている。また、補助容量405の一方の電極がTFT401とTFT403とが接続されるノードに接続され、その他方の電極は容量線101に接続される。
【0042】
このような構成において、書込期間Twではデータ信号Xjが補助容量405と保持容量Chに書き込まれる。そして、保持期間Thでは、上述した実施形態と同様に容量線信号Vsiの電位が、書込期間Twが終了した時刻t0におけるノードpの電位Vp(=Vx)を基準電位としたとき、補助容量Cs1の他方の電極の電位を固定とした場合と比較して、保持期間Thにおけるノードpの電位Vpの平均値が基準電位に近づくように変化する。よって、リーク電流が発生しても、正確な階調を表示することが可能となる。
【0043】
<3.応用例>
次に、上述した実施形態に係る電気光学装置1を適用した電子機器について説明する。図11に、電気光学装置1を適用したモバイル型のパーソナルコンピュータの構成を示す。パーソナルコンピュータ2000は、表示ユニットとしての電気光学装置1と本体部2010を備える。本体部2010には、電源スイッチ2001及びキーボード2002が設けられている。
【0044】
図12に、電気光学装置1を適用した携帯電話機の構成を示す。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001及びスクロールボタン3002、並びに表示ユニットとしての電気光学装置1を備える。スクロールボタン3002を操作することによって、電気光学装置1に表示される画面がスクロールされる。
【0045】
図13に、電気光学装置1を適用した情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)の構成を示す。情報携帯端末4000は、複数の操作ボタン4001及び電源スイッチ4002、並びに表示ユニットとしての電気光学装置1を備える。電源スイッチ4002を操作すると、住所録やスケジュール帳といった各種の情報が電気光学装置1に表示される。
【0046】
なお、電気光学装置1が適用される電子機器としては、図11〜13に示すものの他、デジタルスチルカメラ、デジタル式写真立て、電子ペーパー、液晶テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、モニタ直視型のデジタルビデオカメラ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器の表示部として、前述した電気光学装置1が適用可能である。
【符号の説明】
【0047】
1…電気光学装置、100…走査線駆動回路、200…データ線駆動回路、300…容量線駆動回路、400A、B、C…画素回路、700…制御回路、Ch…保持容量、Cs1〜Cs4…補助容量、Vs1〜Vsm…容量線信号、X1〜Xn…データ信号、Y1〜Ym…走査信号。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走査線と、データ線と、容量線と、画素回路と、前記画素回路を駆動する駆動回路とを備え、
前記画素回路は、
ゲート電極が前記走査線と接続され、ソース電極及びドレイン電極の一方が前記データ線と接続される第1トランジスタと、
ゲート電極が前記走査線と接続され、ソース電極及びドレイン電極の一方が前記第1トランジスタと接続され、ソース電極及びドレイン電極の一方が第1ノードと接続される第2トランジスタと、
前記第1トランジスタと前記第2トランジスタとが接続されるノードと一方の電極が接続され、前記容量線と他方の電極が接続される補助容量と、
前記第1ノードに接続された画素電極と、
前記画素電極に対向する対向電極と、
前記画素電極と前記対向電極との間に挟持された液晶とを具備し、
前記駆動回路は、
書込期間において、前記走査線を介して前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタをオン状態にさせる走査信号を供給すると共に、前記データ線を介して表示すべき階調に応じたデータ信号を供給し、前記データ信号を前記補助容量及び前記液晶に書き込み、
前記書込期間に続く保持期間において、前記走査線を介して前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタをオン状態にさせる走査信号を供給し、
前記保持期間において前記容量線に前記補助容量の他方の電極の電位を変化させる容量線信号を供給する、
ことを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
前記駆動回路は、
前記対向電極の電位を基準として正極性の前記データ信号を前記書込期間において前記液晶に書き込んだ場合には、前記保持期間において第1電位から前記第1電位より高い第2電位に変化する前記容量線信号を前記容量線に供給し、
負極性の前記データ信号を前記書込期間において前記第1補助容量及び前記液晶に書き込んだ場合には、前記保持期間において前記第2電位から前記第1電位に変化する前記容量線信号を前記容量線に供給する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
前記駆動回路は、前記保持期間の長さに応じて前記第1電位と前記第2電位との電位差を制御することを特徴とする請求項2に記載の電気光学装置。
【請求項4】
前記第1ノードには保持容量が接続されることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の電気光学装置。
【請求項5】
走査線と、データ線と、容量線と、画素回路と、前記画素回路を駆動する駆動回路とを備え、
前記画素回路は、
ゲート電極が前記走査線と接続され、ソース電極及びドレイン電極の一方が前記データ線と接続される第1トランジスタと、
ゲート電極が前記走査線と接続され、ソース電極及びドレイン電極の一方が前記第1トランジスタと接続され、ソース電極及びドレイン電極の一方が第1ノードと接続される第2トランジスタと、
前記第1トランジスタと前記第2トランジスタとが接続されるノードと一方の電極が接続され、前記容量線と他方の電極が接続される補助容量と、
前記第1ノードに接続された保持容量と、
前記第1ノードの電位に応じた駆動電流を出力する駆動トランジスタと、
前記駆動電流が供給される発光素子とを具備し、
前記駆動回路は、
書込期間において、前記走査線を介して前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタをオン状態にさせる走査信号を供給すると共に、前記データ線を介して表示すべき階調に応じたデータ信号を供給し、前記データ信号を前記補助容量及び前記保持容量に書き込み、
前記書込期間に続く保持期間において、前記走査線を介して前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタをオン状態にさせる走査信号を供給し、
前記保持期間において前記容量線に前記補助容量の他方の電極の電位を変化させる容量線信号を供給する、
ことを特徴とする電気光学装置。
【請求項6】
前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタの替わりに、前記データ線と前記第1ノードとの間にN(Nは3以上の整数)個のトランジスタが直列に接続され、
前記N個のトランジスタのゲート電極は前記走査線に接続され、
前記補助容量の替わりに、前記N個のトランジスタどうしが接続される複数のノードの各々にN−1個の補助容量の一方の電極が接続され、
前記N−1個の補助容量の全部又は一部の他方の電極に前記容量線が接続される、
ことを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の電気光学装置。
【請求項7】
前記N−1個の補助容量のうち最も前記データ線に近い補助容量において、当該補助容量の他方の電極は前記容量線に接続されることを特徴とする請求項6に記載の電気光学装置。
【請求項8】
前記駆動回路は、前記書込期間が終了した時刻における前記第1ノードの電位を基準電位としたとき、前記保持期間における前記第1ノードの電位の平均値が前記基準電位に近づくように、前記容量線に容量線信号を供給する、
ことを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の電気光学装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のうちいずれか1項に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項10】
データ線と第1ノードとの間に直列に設けられた複数のスイッチング素子と、前記第1ノードの電位に応じた階調を表示する電気光学素子と、前記複数のスイッチング素子が相互に接続される一又は複数のノードの各々に一方の電極が接続された一又は複数の補助容量とを備えた画素回路の駆動方法であって、
書込期間において前記複数のスイッチング素子がオン状態になるように制御し、
前記書込期間に続く保持期間において前記複数のスイッチング素子がオフ状態となるように制御し、
前記書込期間が終了した時刻における前記第1ノードの電位を基準電位としたとき、前記保持期間における前記第1ノードの電位の平均値が前記基準電位に近づくように、前記一又は複数の補助容量のうち少なくとも一つの補助容量の他方の電極の電位を変化させる、
ことを特徴とする画素回路の駆動方法。
【請求項1】
走査線と、データ線と、容量線と、画素回路と、前記画素回路を駆動する駆動回路とを備え、
前記画素回路は、
ゲート電極が前記走査線と接続され、ソース電極及びドレイン電極の一方が前記データ線と接続される第1トランジスタと、
ゲート電極が前記走査線と接続され、ソース電極及びドレイン電極の一方が前記第1トランジスタと接続され、ソース電極及びドレイン電極の一方が第1ノードと接続される第2トランジスタと、
前記第1トランジスタと前記第2トランジスタとが接続されるノードと一方の電極が接続され、前記容量線と他方の電極が接続される補助容量と、
前記第1ノードに接続された画素電極と、
前記画素電極に対向する対向電極と、
前記画素電極と前記対向電極との間に挟持された液晶とを具備し、
前記駆動回路は、
書込期間において、前記走査線を介して前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタをオン状態にさせる走査信号を供給すると共に、前記データ線を介して表示すべき階調に応じたデータ信号を供給し、前記データ信号を前記補助容量及び前記液晶に書き込み、
前記書込期間に続く保持期間において、前記走査線を介して前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタをオン状態にさせる走査信号を供給し、
前記保持期間において前記容量線に前記補助容量の他方の電極の電位を変化させる容量線信号を供給する、
ことを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
前記駆動回路は、
前記対向電極の電位を基準として正極性の前記データ信号を前記書込期間において前記液晶に書き込んだ場合には、前記保持期間において第1電位から前記第1電位より高い第2電位に変化する前記容量線信号を前記容量線に供給し、
負極性の前記データ信号を前記書込期間において前記第1補助容量及び前記液晶に書き込んだ場合には、前記保持期間において前記第2電位から前記第1電位に変化する前記容量線信号を前記容量線に供給する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
前記駆動回路は、前記保持期間の長さに応じて前記第1電位と前記第2電位との電位差を制御することを特徴とする請求項2に記載の電気光学装置。
【請求項4】
前記第1ノードには保持容量が接続されることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の電気光学装置。
【請求項5】
走査線と、データ線と、容量線と、画素回路と、前記画素回路を駆動する駆動回路とを備え、
前記画素回路は、
ゲート電極が前記走査線と接続され、ソース電極及びドレイン電極の一方が前記データ線と接続される第1トランジスタと、
ゲート電極が前記走査線と接続され、ソース電極及びドレイン電極の一方が前記第1トランジスタと接続され、ソース電極及びドレイン電極の一方が第1ノードと接続される第2トランジスタと、
前記第1トランジスタと前記第2トランジスタとが接続されるノードと一方の電極が接続され、前記容量線と他方の電極が接続される補助容量と、
前記第1ノードに接続された保持容量と、
前記第1ノードの電位に応じた駆動電流を出力する駆動トランジスタと、
前記駆動電流が供給される発光素子とを具備し、
前記駆動回路は、
書込期間において、前記走査線を介して前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタをオン状態にさせる走査信号を供給すると共に、前記データ線を介して表示すべき階調に応じたデータ信号を供給し、前記データ信号を前記補助容量及び前記保持容量に書き込み、
前記書込期間に続く保持期間において、前記走査線を介して前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタをオン状態にさせる走査信号を供給し、
前記保持期間において前記容量線に前記補助容量の他方の電極の電位を変化させる容量線信号を供給する、
ことを特徴とする電気光学装置。
【請求項6】
前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタの替わりに、前記データ線と前記第1ノードとの間にN(Nは3以上の整数)個のトランジスタが直列に接続され、
前記N個のトランジスタのゲート電極は前記走査線に接続され、
前記補助容量の替わりに、前記N個のトランジスタどうしが接続される複数のノードの各々にN−1個の補助容量の一方の電極が接続され、
前記N−1個の補助容量の全部又は一部の他方の電極に前記容量線が接続される、
ことを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の電気光学装置。
【請求項7】
前記N−1個の補助容量のうち最も前記データ線に近い補助容量において、当該補助容量の他方の電極は前記容量線に接続されることを特徴とする請求項6に記載の電気光学装置。
【請求項8】
前記駆動回路は、前記書込期間が終了した時刻における前記第1ノードの電位を基準電位としたとき、前記保持期間における前記第1ノードの電位の平均値が前記基準電位に近づくように、前記容量線に容量線信号を供給する、
ことを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の電気光学装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のうちいずれか1項に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項10】
データ線と第1ノードとの間に直列に設けられた複数のスイッチング素子と、前記第1ノードの電位に応じた階調を表示する電気光学素子と、前記複数のスイッチング素子が相互に接続される一又は複数のノードの各々に一方の電極が接続された一又は複数の補助容量とを備えた画素回路の駆動方法であって、
書込期間において前記複数のスイッチング素子がオン状態になるように制御し、
前記書込期間に続く保持期間において前記複数のスイッチング素子がオフ状態となるように制御し、
前記書込期間が終了した時刻における前記第1ノードの電位を基準電位としたとき、前記保持期間における前記第1ノードの電位の平均値が前記基準電位に近づくように、前記一又は複数の補助容量のうち少なくとも一つの補助容量の他方の電極の電位を変化させる、
ことを特徴とする画素回路の駆動方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−170133(P2011−170133A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−34365(P2010−34365)
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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