説明

電気化学装置

殺菌性アウトプット溶液を発生させるための自動化された電気化学装置を提供し、前記装置が、陽極液溶液および陰極液溶液を発生させるために、電解液を電気分解するための陽極室および陰極室を備えた連続通水式電気化学セルを備え、本装置が、(i)陰極液を貯蔵するための貯蔵槽と、(ii)セルの立ち上げと同時に、貯蔵槽から陽極液へと陰極液を再循環させるための流体回路とをさらに備え、セル陽極室への補償用濃度の陰極液のインプットが、電気分解プロセスの開始において安定なアウトプット溶液を生成させるために、セル陽極液pHを最適化するように配置されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は改善した電気化学装置に関し、より具体的には、連続通水式電気化学セル(FEM)を含んだ電気化学装置、およびその中における溶液の電気分解に関する。とりわけ本発明は、当該電気化学装置内で電気分解したときに陽極液および殺菌性陰極液アウトプットストリームを生成するための適切な濃度およびpHを有する水溶液、例えば、ブライン水または他のイオン性塩溶液に関する。
【背景技術】
【0002】
応用電気化学の分野では、化学的な電気分解は、一般に電気化学セル内で起こるが、そこでは電流は、溶媒和の、一般的には水溶性のイオン性物質または溶融イオン性物質の水溶液のいずれかを通る。電気分解プロセスは新しい化学種を生成し、それらが引き続いてセルの陰極および陽極において化学反応に参加し、新たな化合物を形成することができる。
【0003】
一般的な電気化学プロセスは、ダイアフラムセル内での食塩水(またはブライン)溶液の電気分解が挙げられる。ダイアフラムセルとは、セルがイオン透過膜または分離材によって陽極室および陰極室とに分割される型のものである。塩素ガス、水素ガス、および水酸化ナトリウムは、この特定の電気分解システムによって生成される主な生成物であるが、セルの構成に応じて、少量のオゾン、過酸化物、および二酸化塩素もまた形成されることがある。当該セル内では、塩素イオンが陽極室内の陽極へと移動し、酸化されて塩素原子を形成する。これらの塩素原子は相互に反応し、塩素ガスを形成し、そのプロセスは下記の半反応
【0004】
【化1】

によって要約される。
【0005】
水分子は陰極で還元されて水酸化物イオンと水素ガスを陰極室で形成する。ナトリウムイオン溶液は陰極に移動し、そこでナトリウムイオンは陽極で生成した水酸化物イオンと相互作用し、したがってブラインの電気分解中に水酸化ナトリウム成分を構成することがある。つまり、陰極反応が進み水酸化物濃度が増加するにつれて、陰極室における溶液のpHが上昇し、溶液はより塩基性(陰極液)となる。
【0006】
生成した塩素は溶解し、水と反応して、次亜塩素酸および塩酸を生成する。
【0007】
【化2】

【0008】
溶液が酸性になるにつれてこの反応は進まなくなり、代わりに後に続く加水分解に進まずに水に溶解する。しかし、水中への塩素の溶解度には限度があり、一度この閾値を超えると塩素が気体として抜ける可能性がある。高いpH値では、次亜塩素酸と次亜塩素イオンとの間の平衡が7.5の酸解離定数で安定する。溶液のpHは極めて重要なものであり、溶液種「遊離塩素」平衡濃度および平衡状態に対して根本的な効果を有する可能性があることは、明らかである。
【0009】
下記の反応に従って、水の電気分解もまた陽極で起きる。
【0010】
【化3】

【0011】
酸素ガスは遊離し、水素イオンの生成は、陽極溶液(陽極液)のpHが低下して酸性になることをもたらす。この反応は塩素生成の点でセルの効率を低下させ、酸性電解液環境中では抑制され最小化されるので、望ましくない。
【0012】
典型的なブラインの化学的電気分解の特に有用な応用例として、強酸化剤である次亜塩素酸を含む強力な殺菌剤溶液の発生が挙げられる。その様な殺菌性溶液は、水、表面、および処理機器の消毒ならびに衛生を含む応用において価値があり、食品処理における使用もまた見出されている。その溶液は、バクテリア、ウィルス、および菌類など多くの種に対して典型的に殺菌性を有する。しかしながら、既存の殺菌剤溶液に伴う欠点は、pH、塩濃度、および利用可能な「遊離塩素」が頻繁に大きく変動することが当該溶液において認められることである。溶液組成の変動は、例えば電気化学セルへのインプットのコンディション、および電気分解が進むにつれてセルを通過する電流、温度、および/またはpHの変動に依存し得る。
【0013】
遊離塩素に基づく殺菌剤溶液は、一般にpHに応じて、溶存塩素、次亜塩素酸、および次亜塩素イオンのうち1つ以上からなるが、例えば、オゾンおよび二酸化塩素を含む可変量の他の種もまた含むことができる。加えて塩素酸塩などの副生成物が生成される可能性があるが、その形成の一形式は、次亜塩素酸および次亜塩素イオンの反応によるものである。遊離塩素が有効な殺菌剤であることが知られているが、殺菌作用の正確な機構がまだ十分に認識されていないということは事実である。
【0014】
遊離塩素の溶液は、その酸化還元電位(ORP)が高いために腐食性であり得る。この問題は、高濃度の塩化物イオンもまた含む遊離塩素溶液にとって最も深刻である。遊離塩素溶液は、ある量の塩化物イオンを常に含み、塩素と水の間での加水分解反応が持つ性質のために、特に激しいピッティング様の腐食を促進する。典型的には、この反応によって水に放出される塩化物イオンの量は問題ではない。しかし、遊離塩素溶液の電気化学的な生成のための多くの方法および装置は、塩化物イオンの遊離塩素への変換の不良により特徴づけられ、これらの装置を使用して得られる殺菌剤中の塩化物イオンの濃度が、深刻な関心事であり得る。それゆえに、操業コストおよび腐食問題を最小になるように、電気化学装置が塩化物を遊離塩素へと変換することにおいて効率的であるべきことが望ましい。10〜400ppmの「遊離塩素」である殺菌性溶液を生成する既存の方法は、1kAm−2未満の電流密度を使用した低塩濃度溶液(1から3g/L)の電気分解を含む。英国特許第2352728号は、100から400ppm「遊離塩素」の殺菌性溶液の生成において、7から9Aの電流(電流密度0.8kAm−2)を使用する、3から5g/Lの塩化ナトリウム溶液の電気分解を記載している。欧州特許第0832850号は、希薄ブライン溶液を電気分解するプロセスを開示しているが、具体的な電流密度情報は提供していない。流量が多く(250L/hr)、殺菌剤アウトプットの仕様を制御するアウトプットパラメータは、pHおよび酸化還元反応電位のみである。欧州特許第838434号および国際公開第WO98/12144号は、すべてが塩化ナトリウム濃縮溶液、または飽和溶液(250g/Lまで)の電気分解によって塩素ガスを形成させ、次いで殺菌性溶液を生成する為にそれらを水に溶解する殺菌性溶液の調製について記載している。欧州特許第0792584号は、pH3以下および約2ppmの次亜塩素酸濃度における殺菌性溶液の調製法を記載している。米国特許第5731008号は、10から100ppmの活性塩素種含有量を有する殺菌剤の調製を記載している。
【0015】
多様なタイプ、機能、およびデザインを有する多くの電気分解セルが入手可能である。電気化学セルを生ずる典型的な殺菌性アウトプットの一設計は、2つの電極間における空間を分離するイオン透過性膜を有する、2つの同心円状に配置された円柱状電極からなる。ダイアフラムの配置は、陽極室および陰極室を決定し、実質的にそれらを互いに分離する効果を有する。膜分離材は、結果としてもたらされる溶液が混合することを制限する。欧州特許第0842122号は、殺菌剤溶液を生成する連続通水式電気分解モジュール(FEM)を記載している。当該FEMは、本発明の内容において関心事である。
【0016】
FEMセルを通過する電流は、それぞれの室内での陽極生成物および陰極生成物の発生をもたらす。電気化学反応の全体速度は、セルを介して流れる電流に比例し、そのためセル電気分解速度は、セルを通過する電流を変化させることによって調節することができる。電流が大きいほど、電子の流れが速くなり、電気分解速度が速くなることを意味する。一般に、セル電流を制御することによって、所望濃度の殺菌性成分を有する殺菌剤アウトプットを生成することができる。
【0017】
電気化学セルの流体システムは、自動化されたセル動作に対して重要であり、自動化された装置が効率的に動作することを可能にし、したがって、殺菌性溶液の生成をより商業的に実行可能にさせることができる。電気化学発生装置の流体システムに関しては、多くの既存の設計がある。一従来設計では、必要に応じて時間経過とともにセル電解質溶液濃度を測定し調節を行うことによって、セル電流、したがってセルアウトプットにおける変動を補償することを試みている。既存のシステムは、これに関してその様に十分には機能せず、ある程度のアウトプットにおける変動が不可避である。
【0018】
当該溶液調節が必要な場合には、改善した設計では、陽極室内へ電解質塩類(saline)溶液の流出を可能にすることによってこの問題に対処する。存在するイオン物質の量(これは陽極室内の溶液の量およびその溶液の濃度に依存する場合がある)がセル内の全電流をある程度決定するので、電気化学セル電圧が一定である場合にはこれは有用である。一般に、上限および下限の塩類セルレベル(セル内の溶液の高さ)の変化をモニターすることによって、当該セル内の塩類溶液の量を制御する。つまり、電気化学セル内の電解液レベルを測定することによって、セル電流は調節される。より具体的には、必要時に塩類溶液を上限電解液レベルに達するまでセル中へと流出させることができ、その時点で流出が終わる。これは、セル内の利用可能なイオンの数を増加させる効果を有し、その結果、電流がセルを通じて流れる。電気分解プロセスは、その後、陽極室内の塩類溶液が下限電解液レベルに達するまで続き、その時点でさらに溶液は陽極室中へと流出され、セルを再度上限レベルへと上昇させる。
【0019】
当該補給プロセスが、(i)新鮮な塩類溶液がセル中へと流出される際に、セル電流を絶えず大きくさせる、および(ii)塩溶液の電気分解が行われるにつれて、電流を絶えず小さくさせることを可能にする、という効果を有することは、注目されるべきである。セルからのアウトプットは、セルを通過する電流の関数であるので、その効果は、反応が起こるに従ってセル内の電流の緩やかな低下をもたらし、その同じ期間に渡ってセルからのアウトプット溶液の濃度の緩やかな低下をもたらす。それに応じて、長時間にわたりセルのアウトプット溶液は減少する。したがって、電気化学処理セル内の電流を制御する既存の方法は不十分であり、セルからのアウトプットにおける望ましくない非効率的なサイクルの上昇および下降を生じる。自動化された殺菌剤生成システムでは、この効果が一貫性のない塩素ガス発生および殺菌剤成分アウトプット変動につながるので、好ましくない。
【0020】
当該セルでは、水酸化物イオンが陰極で生成され、その陰極液は、陰極室を通り連続的に循環されることが一般的である。このことは多くの理由により有利であるが、特に再循環によってセルと陰極液との間で熱交換が生じることを可能にし、それによって電気化学セル温度の制御を可能にする。このことは、温度がセル内での電気化学プロセスのキネティックスに影響を及ぼし得るために、重要である。
【0021】
連続的な陰極液循環のもう1つの利点は、アウトプットのpHを変更するために陰極液溶液を陽極液溶液中に投与できる点にある。事実、所望のpHを達成するために、ある量の循環している塩基性陰極液溶液を装置から新しい陽極液溶液中へと流出させることは、通常の慣行である。しかし、アルカリを含む陰極液溶液は腐食性であり、電気分解が行われないときに陰極液溶液がセル内に残留する場合には、電気化学セルおよび流体装置を損傷する可能性がある。結果的に、装置を停止するときには、陰極液をセルから排出させる。
【0022】
電気化学装置からのアウトプット溶液および特に殺菌剤アウトプットに関する多くの応用例は、pHに敏感である。事実、不安定なpH変動が最終溶液の濃度および平衡種への影響を有し、殺菌特性に影響を及ぼすので、殺菌剤アウトプットの最終pHは非常に重要である。現在のところ、立ち上げ期間中において、アウトプットが所望のpHで生成され、そのpHが十分に安定になる(必要な種が所望の平衡濃度で存在することを確実にする)ときまでは、装置からの初期アウトプットは商業的な用途に適していないことが一般的である。電気化学装置が陰極液室内で電解質溶液の初期プロセスを開始するときには、陰極液溶液は(例えば、塩電解液の電気分解の場合には水酸化物濃度が低いために)最適化されていないpHを有し、そのpHは電気分解が進むにつれて増加する(すなわち、より塩基性になる)ことは確かである。陰極液の水酸化物濃度が低いときには、立ち上げ中に初期期間がある。立ち上げ期間中に生成される低い水酸化物濃度陰極液は、装置のアウトプットpHを制御するのに十分な濃度を持っていないので、この期間中は装置からのアウトプット殺菌剤のpHを安定に保つことができない。陰極液が濃度を十分に増加させるまで、pHを安定化させたアウトプットを生成できない。したがって、必要な陰極液の水酸化物濃度が得られるまで、装置からの初期アウトプット殺菌剤溶液を廃棄しなければならない。一般的に、その影響は装置にとっての長い立ち上げ期間につながり、初期アウトプットが商業的に望ましくなく無駄が多いという結果となる。
【0023】
電気化学装置による一貫性のあるアウトプット殺菌剤溶液の生成についてのさらに考慮すべき事柄は、インプットの条件である。決定的には、インプットは電気化学装置の円滑な電気分解、一貫性のあるアウトプット、および継続した中断のない動作を可能にするように十分高い水準でなければならない。例えば、FEMに基づく装置では、装置へのインプットは最も一般的に、塩、水、および電力である。電力は、効率的なプロセスのために必要な水準に容易に調節することができる。塩は、装置の一貫性のある動作のために十分な水準で、一般的に利用可能である。しかし水は、地理的地域、添加した薬品、ならびに装置を介して存在する実際の調節の種類、例えばろ過、軟水化剤、および逆浸透による処理等に応じて劇的に変化する。一般に電気化学装置は、供給水中の混入に対して敏感である。混入の良い例として、「硬水」の使用によって起こるものが挙げられ、それは本質的に高いミネラル含有量を有する。硬水は一般的に、重炭酸塩および硫酸塩を含む対応できる可能性のある対イオンを有するカルシウムイオンやマグネシウムイオンを含む。硬水は、電気化学発生セル膜の浸透性に変化を引き起こすミネラル性沈殿物をもたらす可能性があり、セルの効率の低下させ、最終的に装置の故障をもたらす。さらに、装置動作中の故障は時折、操作員に対して不安全な条件をもたらす可能性、ならびに装置それ自体または電気化学装置の近くの別機器に損傷を与える可能性がある。したがって、インプット溶液および薬品を前処理または調整することが望ましい。しかし、その様な処理は、必要とされる大量の溶液を調整することに付随する多額のコストにより一般的に不可能となっている。
【0024】
考慮すべき最後の事柄は、発生セル内で生成されるガス圧である。セルのガス圧は、発生プロセスの効率を決定する重要な制御パラメータである。ガス圧は、装置の動作効率に影響を及ぼす。さらに、過剰に高い圧力はセル半浸透性膜に結果として損傷を与えることがあり、装置を故障させる場合がある。他方で、圧力が低すぎる場合には、立ち上げ時に動作を開始するまでに長い期間を要し得る。重要なこととして、陽極液室内の圧力もまた、装置からのアウトプット溶液中の塩の量を決定し得る。既存のシステムにおける一般的な故障形態は、膜のリーク、裂開、または破壊を引き起こす可能性がある電気分解セル内の過剰な圧力および温度であることは特筆すべきである。既存のシステムは、非常に粗い方法で、一般的には機械式圧力調節器等の形態でセル内のガス圧を維持している。該調節器は手動でのみ調節可能であり、システムおよび結果として生じるアウトプットに対する精密な制御ができないため、これは好ましくない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
従来的に先行技術に関連する幾つかの欠点に対処するために、当該装置において使用するための改善した電気化学装置、流体システム、および装置モジュールを提供する必要があり、そのシステムによって、より一貫性および安定性を有したアウトプット殺菌性溶液の自動化された生成が容易となる。
【0026】
特に、上記に概要を示した問題に対処する能力を有し、当該装置において使用するための改善した電気化学装置および流体システムを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本明細書中で記載される1つの態様では、本発明の電気化学装置を、殺菌性溶液の生成において使用することができ、本装置は:
(i)主として塩素からなるガス生成物、およびアルカリ性の腐食性溶液(陰極液)の両者を生成するように構成された電気化学セルと、
(ii)セルにインプットする溶液の条件、セルの性能、およびセル内の電気分解反応の生成物による制御されたpHの殺菌性溶液(陽極液)の生成を制御するための制御システムと
を含む。
【0028】
電気化学セルは、電解質溶液を電気分解することが可能な任意の種類のセルであり得ることを当業者は認識するであろう。好ましくは、セルは連続通水式電気化学セル(FEM)であり、平板タイプまたは円錐形タイプのFEMを含む。
【0029】
本明細書中で説明される別の一態様では、本発明は、電気分解セルからの安定で一貫性のある殺菌剤アウトプットを確実にするための手段を提供するために、電流検出システムを備えたセルの性能を調節する手段、および当該システムを使用する方法を開示する。電流検出装置が電気分解セルに電気的に接続されているので、電流検出システムは制御システムと連通し、セル内の全電気化学的電流を測定する。電気分解プロセスを通してセル内の電流がモニターされる様に、電流測定は電気分解反応が進行すると共に行う。次にその電流測定データは、セルの電流における観察されるあらゆる変化を安定化させるために外部リザーバーからインプットすべき塩/電解質溶液の量を計算するため、制御システムによって使用される。電流の減少が生じたことを電流検出システムが指示するときには、セルからのアウトプット生成物濃度の安定性を高めおよび回復させるために、塩類溶液インプットが開始される。
【0030】
したがって、電流レベルはセル内の電解質溶液のレベルとともにセルの効率の指標として働く。本発明は、セル効率の校正のために使用することができるもう1つのパラメータ、すなわち電気化学セル内のガス圧の測定を開示する。
【0031】
本発明の装置はまた、陰極液再循環のシステムによって無駄な初期アウトプットをより少なく、より速いシステム立ち上げ時間を創出することが可能であり、必要とされる量の陰極液を陽極液に投与することによって、迅速に陽極液pHを最適化するように設計された自動化されたシステムを提供する。アウトプットpHは電気分解中に形成される次亜塩素酸の分解の程度に影響を及ぼす可能性があるので、安定したアウトプットpHは、所望の特性を有する殺菌剤を生成するために重要である。装置の立ち上げ時において、陰極液の初期成分濃度はアウトプット溶液のpHを制御し、セルの動作電流を達成したことを確実にするのに十分に濃縮されておらず、または満足のいく伝導性を有していない。再循環は、電気分解が進行して溶液の水酸化物濃度が増加するにつれて、時間経過と共に陰極液のpHを上昇させるという効果を有する。しかし、電気分解装置を立ち上げ時では、初期に生成される陰極液溶液は、溶液中の水酸化物イオンが欠如しているために低いpHを有する。立ち上げ期間中に生成される低濃度の陰極液成分は、装置の動作電流を得ることを可能にすることを確実にするのに十分な濃度ではない場合がある。
【0032】
最後に、本明細書中で説明されるように、本発明は所望の陰極液アウトプットpHを生成するために要する時間の短縮を可能にし、その結果として通常の動作電流を達成するための時間を短縮するシステムおよび方法を提供する。装置の立ち上げと同時に、(前回の動作から貯蔵した場合には塩基性の)貯蔵した陰極液を、必要に応じて陽極液と、または実際のアウトプット溶液と直接混合するために使用することができる。この様に、本発明は、陰極液溶液を装置の動作中に容器に貯蔵し、立ち上げ時間を短くするために必要に応じて、システム立ち上げ時に電気分解セルもしくはアウトプットストリームに配送する自動化されたシステム、ならびに使用の方法を開示する。
【0033】
したがって、本発明の第1の態様では、下記および添付した特許請求の範囲に示したように殺菌性アウトプット溶液を発生させるための自動化された電気化学装置を提供し、前記装置は:
(i)アウトプット溶液を発生させるために、電解液を電気分解するための連続通水式電気化学セル;
(ii)セル電流が所定のレベルに達した時を判断するために、電気化学セルに接続された電流検出システム;および
(iii)電流測定システムによって動作可能な電解液配送システム
を含み、
所定のレベルの電流が検出されたときに、電気化学セルの発生したアウトプット溶液が実質的に一定の濃度を有するように、電解液配送システムがセル中へある体積の電解液をインプットすること、を特徴とする。
【0034】
本発明は、安定した成分濃度および/またはpHを有する実質的に一定なアウトプット溶液を生成するために、自動化され連続的な調節が可能な、改善された自動化された電気化学装置を提供する。数分の1秒から数分、またはより長い期間の範囲であり得る一定の期間にわたり、定期的に電流を検出することによって動作するように、自動化され連続的な調節を立ち上げることができる。必要とされる殺菌性アウトプットの一貫性のレベルによって、電流検出期間の長さを決定することができる。ある応用例では、期間を1ミリ秒から1秒とすることができる。他の応用例では、期間を1秒から60秒とすることができる。さらなる応用例では、期間を1分から60分毎等とすることができる。この様に、電気分解発生プロセスにおいて電流を安定化させるための改善された自動化手段、ならびに(殺菌性アウトプットの場合では、一貫性のあるレベルの殺菌性成分を有する)一貫性のあるアウトプットの生成をもたらす実質的に安定な電流を提供するために、セル電流を自動的にかつ連続的に調節することが可能なシステム、およびそのための方法を提供する。
【0035】
自動化されたシステムおよびそれを使用する方法は、固定電圧の電気化学セル内でより安定な電流出力を確実にする(従来の電流出力はより周期的である)。適切には、これは電気化学セルへ追加的な電解質をインプットすることを連続的に制御するための制御システムを使用することによって達成され、これによって電流が電極間で一定の状態レベルで流れることを維持する様に、制御システムが今ある制御システムによって提供されたデータに作用することができる。セル内の電解質のレベルをモニターすることに基づく従来のシステムでは、電解質レベルは温度およびセル内の陰極液の流れによる影響など、外部の影響を受けやすいために劣った一定のアウトプットをもたらすが、このシステムでは、セル内においてモニターした電流に基づいた連続して一定状態を維持するセルの電流は、より正確、より一定およびより安定なアウトプット生成溶液が長時間に渡って生成することを確実にできるため、先行技術のシステムに比べて有利である。
【0036】
この態様では、本発明は、電気分解セルからの安定で一貫性のある殺菌剤アウトプットを確実にするための手段を提供するために、電流検出システムを含む自動化された電気化学装置、および当該システムを使用する方法を開示する。電流検出装置が電気分解セルに電気的に接続されているので、電流検出システムは制御システムと連通し、セル内の全電気化学的電流を測定する。電流測定は電気分解プロセスを通して、望まれる場合には数分の1秒から数分ないし数時間の範囲内の時間で、決められたまたは所定の望ましい間隔にわたり、セル内の電流を絶えずモニターするように電気分解反応が進むにつれて行われる。次にその電流測定データは、セルの電流における観察されるあらゆる変化を安定化させるために外部リザーバーからインプットすべき塩/電解質溶液の量を計算するため、制御システムによって使用される。電流の減少が生じたことを電流検出システムが指示するときには、全体的な効率およびセルからのアウトプット生成物濃度の安定性を高め回復させるために、塩類溶液インプットが開始される。セル内の電解質溶液のレベルとともに電流レベルは、セルの効率の指標として働く。
【0037】
有利には、電流を電流検出システムによって検出し、測定し、決定し、および/または計算することができ、電流検出システムは、電流測定検出装置および/または発生ガス圧測定装置(両者はともに制御システムの管理下にある)を適切に含むことができる。電解液は任意のイオン性溶液とすることができるが、殺菌性アウトプット溶液生成のためには、塩電解水溶液を適切に使用することができる。FEM陽極で必要な塩素ガスを生成する当該塩電解水溶液の例は、NaCl、KCl、LiCl等のイオン性塩の水溶液を含む。NaClは自由に入手可能であり、安価であり、および取り扱うにあたって毒性がないので、NaCl塩溶液を使用することが好まれる。なおより好ましくは、他の及びさらに好ましい電気化学生成物とともに、塩基性陰極液溶液および溶存塩素を含む陽極液溶液を生成するために、ブライン溶液を使用することができる。塩素ガスは、セル内において特に望ましい生成物である。ブライン水溶液から生成される陽極液は、溶存塩素、次亜塩素酸、次亜塩素酸イオンなどの抗菌性薬品および消毒性薬品の混合物を含むことができる。これらはまた、例えば、オゾンおよび二酸化塩素を含む抗菌性および消毒性を有する不定量のラジカルまたはイオンも含むことができる。陽極液溶液はまた、使用した出発イオン性塩電解液の形に応じて、NaClまたはKClまたはこれらの組合せなどのイオン性塩を含むことができる。アウトプット中の塩の量は、陽極における塩素ガス圧に依存する。
【0038】
連続通水式電気化学セル(FEM)は、典型的にはイオン透過性膜または適切な分離材によって陽極室および陰極室に分離されるセルである。当該セルは、平板タイプまたは同軸セルタイプでもよい。適切なセルは、欧州特許第0842122号に記載されたタイプが挙げられ、その内容は引用によって本明細書中に組み込まれる。電流がFEMを通過するときに電解質溶液は解離し、イオンは反対に帯電した電極にFEM膜を渡って移動し、そこで適切な酸化還元反応が起こる。水素イオンおよび塩素ガスが陽極で生成され、時間とともに溶解して次第に酸性陽極液溶液を形成する一方で、水溶液の水酸化物が陰極で形成され、電気分解反応が進むにつれて次第に塩基性陰極液溶液を形成する。陽極液溶液は、殺菌性アウトプット溶液の主成分を形成する。用語「陽極液溶液によって」は、溶液が実際にガス、溶液、エアロゾル、またはこれらの組合せを含む組成であるという意味であることを、当業者は認識するであろう。
【0039】
したがって第1の態様では、本発明は以下のステップ:
(i)セル内の電流を検出するステップ;
(ii)所定の最小電流レベルが測定されたときにセル中へと電解液をインプットするステップ;および
(iii)電流が所定の最大レベルに達したときにインプットを終了するステップ
を含む、電気化学セルから安定な殺菌性アウトプットを発生させる方法もまた提供する。
【0040】
有利には、電流を電流検出システムによって検出し、測定し、決定し、および/または計算することができ、電流検出システムは、電流測定検出装置および/または発生ガス圧測定装置(両者はともに制御システムの管理下にある)を適切に含むことができる。有利には、セルを渡って流れる電流を直接測定するために電流測定装置を使用することができるので、該装置を使用することが好ましい。電流を測定するために、マルチメータを使用することができる。しかし、セル内の電流の流れを計算または測定するために、当業者に公知である任意の電気的測定装置を適切に使用することができる。該装置は、例えば電流計、検流計、またはマルチメータ装置等を含むことができるが、これらに限定されない。しかし、本システムにおいてはデータの精度を保証するため、電流変換器が好ましい。あるいは、制御システムがセル内の電流を計算することを可能にするように制御システムにデータを提供するために、発生ガス圧測定および動的調節装置を電流検出装置として使用することができる。電極で発生したガスは、電気分解の程度、すなわちセルを渡って流れる電流を示すので、これは可能である。さらに、電流が実質的に一定のレベルに維持される場合、セル効率に関する情報を提供するためにデータを使用することができる。この様に、本発明は改善された自動化された電気化学装置、ならびに該装置において使用するための流体システムおよびそれを使用する方法を提供し、必要なときにシステムに補償を行うことを可能にするように、およびアウトプット溶液中の塩形成の制御を可能にするように、システム内のガス圧を測定すること、制御すること、および調節することを容易にする。
【0041】
所望のレベルにガス圧の調節を行うことを可能にし、その結果、セルが効率的に動作し、殺菌剤アウトプット溶液中の塩濃度を精密に制御することができるので、セル陽極および流体システムにおけるガス圧の検出および制御のための手段が望まれる。そのような調節は規則的な間隔、または調節が基本的に連続的であるという意味において動的である、とすることができる。したがって、検出および調節は、望まれる場合にまたは必要に応じて、数分の1秒から数分ないし数時間の範囲の決められた間隔または所定の望ましい間隔にわたって行われる。したがって、アウトプット溶液の塩濃度を制御することもまた可能にするので、ガス圧測定装置および自動化された調節装置の使用は有利である。陽極室単独の圧力、または電流データおよび/もしくは体積測定もしくはレベル測定とともに使用するときの陽極室の圧力はまた、電気化学装置の効率を決定するために、使用することができる。したがって、流体システム内の圧力を検出することができ、かつアウトプット溶液に必要な塩のレベルおよびFEMの動作パラメータに応じて、特に所望するレベルに圧力を調節する制御機構が適所に導入されている装置、および方法を提供することが望ましい。電気式圧力弁または動的もしくは連続的な自動化されたガス圧調節のための任意の手段を使用することによって、これを実現することができることが認識されるであろう。ガス圧データはガス圧弁に連結した制御システムに中継され、そこから制御可能であることが好ましい。ガス圧を時間の経過とともに追跡することができ、システムの効率について連続的な評価を可能にする。制御設定点外におけるガス圧の突然の変化、劇的な変化、または持続的な変化は、システムにおける効率の低下、故障および/または差し迫った故障の兆候を提供することができる。効率が低下するにつれて、生成されるガスが少なくなり、ガス圧は時間の経過とともにゆるやかに低下する可能性がある。装置内に設置されたガス圧メータを、下限ガス圧に達したときに警告を発信するように設定することができる。いったん効率の変化を検出すると、その情報は多くの目的の為に使用する事ができ、例えば効率が変化したことを操作員にエラー通知または警告通知することを開始するため、または装置を停止するため、清浄プロセスを開始するため、もしくは装置点検の計画を立てるための信号を生成するために使用することができる。アウトプットストリーム中の塩の量を決定するためにガス圧測定装置もまた使用することができ、したがって、ガス圧調節器は電極でのガス圧を変化させることによってアウトプット中の塩濃度を制御するための有用な手段として働く。この様に、圧力はセルの陽極で生成される塩素ガス量の指標であり、時間の経過とともにセル性能および効率の程度を提供するので、発生セル内の圧力は、発生プロセスの電流および/または効率ならびにアウトプット溶液中の塩のレベルを決定する重要なパラメータである。
【0042】
したがって本装置は、発生ガス圧、セル電流、セル電解液体積もしくは高さレベルなどのシステム変数をモニターすることによって、ならびに電解液インプット調節もしくはそれに応じてセル陽極ガス圧調節を行うことによって、電気化学セル動作効率補償およびアウトプット成分濃度を達成することができる点で有利である。したがって、これらのパラメータのうち少なくとも1つをモニターすることは、新鮮な電解液のインプットを増加させることによって効率の損失を制御システムが補償することを可能にする。セルの効率が低下するにつれて、セルを通過する一定電流を維持するために、徐々に増加する量の新鮮な電解液をシステムにインプットしなければならないであろう。補償用インプットが事前設定した量に達したときに、ガス圧、セル電流、その結果としてセル効率を前回の状態に回復させるために、セルを点検、清掃、またはそれ以外の処置をするときまで、制御システムがさらに電解液をインプットすることを中止するようにセルを設定することができるので、このシステムは有用である。
【0043】
したがって、効率およびアウトプット塩濃度を調整することに加えて、装置は低い圧力を調節することによってより短い立ち上げ時間を容易にし、裂開、破壊、もしくはリークすることなどの膜損傷をもたらす可能性がある装置内の過剰な圧力の増大を回避するために、ガス圧を指示することおよび自動的に調節することが可能な機能を幾つか、またはすべてを組み込んだ装置は有利である。
【0044】
関連する実施形態では、以下のステップ:
(i)セル内の発生ガス圧を測定するステップ;および
(ii)アウトプット中の塩濃度が所定の範囲内になるように、所定のレベルにガス圧を調整するステップ
を含む、電気化学セルアウトプット中の塩濃度を制御する方法を提供する。
【0045】
前述のように、本システムは、システムが注意を必要としていることを操作員に警報を与えるように変更することができる。例えば、時間の経過により必要とされるセル電流補償量、および/もしくはFEM陽極室内の陽極液溶液の対応する体積もしくはレベル、または電極でのガス圧の変動といった多くの変数のうち、1つ以上を測定することによって電気化学装置の効率を決定することができることを、当業者は認識するであろう。したがって、電気化学装置の効率を決定するために、電流レベルおよび/または陽極でのガス圧と組み合わせて、陽極室内の溶液の体積および/またはレベルもまた使用することができる。体積測定手段に加えて、例えばガラスなどを含んだ透明領域をセルに取り付けることができ、それによってセル内の電解液のレベルを直接観測することを可能にする。効率損失の特定の程度を表す(1つまたは複数の)特定のレベルを指示するように、その領域に目盛りを付けることができる。セル内の温度および陰極液の流れの効果ならびに陽極液体レベルへのそれらの効果を明らかにするために、システムを構成することもできる。操作員は、次に時間の経過による効率の低下を可視化することができ、効率の重大な損失が未解決であることを通知で提供することができる。セル効率の完全自動検出を可能にする自動化された装置(例えば、レベルセンサ)を用いて、セル内の溶液のレベルおよび/または体積検出することもできる。システムに応じて、適切な是正措置を即座に取れるように、情報を制御システムに中継することができる。
【0046】
さらに、時間の経過によるセル電流の変化、電流が安定であるときの電極でのガス圧および/もしくはセル内に存在する電解液の体積および/もしくはレベル、または時間の経過によるその中での変化、のうちの少なくとも1つが、設定した期間にわたってモニターしたときにセル全体の総合効率についての情報を提供することができる、改善された電気化学装置、ならびに該装置において使用するための流体システムおよび該装置を使用する方法を提供する。したがって、電気化学セルの効率を決定する方法を提供し、該方法は以下のステップ:
(i)設定した期間にわたって実質的に一定なセル電流を維持するために必要な電解液インプットの体積変化を測定するステップ;または
(ii)セル電流が実質的に安定であるときに、時間の経過によるセルのガス圧の変化を測定するステップ;または
(iii)セル電流が実質的に安定であるときに、時間の経過によるセル内の電解液の体積もしくはレベルのうちの少なくとも1つを測定するステップ
(ただし、設定した期間にわたって、電解液インプット体積もしくはセルガス圧の所定の変化、またはセル内の電解液の体積もしくは高さの変化を測定するステップが、セル効率の重大な損失を証明することを結果としてもたらす。)
の少なくとも1つを含む。
【0047】
前述のように、電解質溶液は一般にNaCl、KCl、LiCl等のイオン性塩の水溶液である。NaCl溶液が、適切に好まれる。さらに、該イオン性電解液の希釈溶液は、例えばブラインが特に好まれる。しかし、ある応用例では、濃縮した塩類溶液が最も好まれる。NaCl中に数種の別のミネラル成分が高いような、岩塩、海塩、または精製塩(食卓塩)を同様に当然使用することができる。したがって、塩類溶液は電解液として適切に使用することができる。該溶液は電解液配送システムを介して、電気化学セル中へ好ましくは流出させることができる。水溶液が好まれるが、塩溶液の正確な濃度は重要ではなく、実際に、完全に飽和した塩溶液を使用することができる。ある応用例では、濃縮飽和塩類溶液が好まれる。しかし、50%を超える飽和状態の任意の溶液を適切に使用することができる。水を擁したもしくは水供給部に接続されたタンクまたは保持装置などの容器に、例えば岩塩を単に添加することによって、溶液を都合よく作成することができる。混合または溶液作成、ろ過などは一般的には必要としない(例えば、十分に高純度なイオン性塩を使用しない場合といった、インプットの調節が必要ではない場合)。電解液の希釈溶液を常に利用できるように、十分な岩塩を供給すべきである。電解液配送システムは、例えば塩保持タンク、別の電解液供給部、または貯蔵装置に接続されたポンプ装置を含むことができる。一定量の塩類または電解液をそのシステムに正確に配送することが可能な任意の装置を適切に使用することができることを、当業者は認識するであろう。その配送システムは制御システムの管理下にあり、制御システムからの命令に応答する。
【0048】
別の一実施形態では、セル効率が低下するにつれて、電流を維持するために必要な電解液の体積(および結果としてセル内の高さまたはレベル)が増加するので、セル内の電解液の体積または高さ(レベル)を測定することが可能な測定装置/構成は、セル効率の指示器として働くことができる。セル効率が低下するにつれて、効率損失を補償するために追加すべき新鮮な電解液の体積は、時間の経過とともに徐々に増加する。セルが許容可能な効率レベルで動作するようにセル電流を維持するために、所定の大量の電解液を必要とするときには警告を発するようにシステムを設定することができる。セル内の温度および陰極液の流れの効果、ならびに陽極液体レベルへのそれらの効果を明らかにするために、システムを校正することができる。該パラメータからもたらされる体積/レベルの変化は効率の変化を表さず、適切に把握されなければならない。その様な方法は、当業者には公知であろう。同様のシステムは陽極ガス圧に基づいて動作させることができる。
【0049】
一実施形態では、好ましい構成は、電解液配送システムが接続されている電解液貯蔵タンクに水を配送するように接続された水本管供給部を含む。主供給部への直接接続によって、配送システムへの安定で信頼性があり、および一般に中断のない水の供給源を提供することが期待され、電解液タンクの手動注入または手動の電解液溶液作成を必要としないことを意味するので、これは有利な構成である。電流検出システムは、制御システムの管理下で電解液配送システムと連通する。制御システムに提供される電流に関する情報は、電気化学セルの生成したアウトプット溶液が実質的に一定な濃度(実質的に一定なセル電流を反映する)を有するように、電解液配送システムによってインプットすべき追加の電解液を計算するために使用される。(電流検出システムデータによって指示されるように)最適電流レベルを回復したときには、制御システムは電解液インプットの中断を発信することができ、電解液配送システムは、さらなる調節が要求されるまで電解液インプットを中止することができる。
【0050】
電解液配送システムは、適切には体積測定装置、例えばセル電流に対する調節を行うために必要な小さな体積を正確に測定することが可能な任意のポンプとすることができる。該動作は、決められたまたは所定の時間間隔にわたって本質的に連続的なモニターをすること、ならびに必要に応じて正確に電解質インプットを投与することによる実質的に連続的な電流調節を含み、その結果、本質的に電流が基本的に一定になることが重要である。有利には、電流検出に基づく該自動化された常時モニターシステムが、相対的に不正確なレベルのモニターに基づいた粗い先行技術の装置に関係する現在の電気化学周期的電流変化プロファイルを回避し、したがって、より安定な向上したセル電流を確実にし、それによって前回実現したものより安定で一貫性のある殺菌性アウトプットを生成する。
【0051】
関連する一実施形態では、電気化学装置は、定常状態電流を維持するために必要とされる新鮮な電解液のインプット体積が所定のレベルに達したとき(これは効率の重大な損失を示す)に、電解液配送システムを停止するための手段をさらに含むことができる。典型的には、該システムは電気分解を中止するという趣旨において、遮断弁もしくは遮断スイッチ、電解液配送システムならびに/またはセルを渡る電流および/もしくは電圧を遮断することが可能な任意の該システムを含むことができる。ある期間にわたり要求される水準をアウトプットが満足しなくなるようなときまでセル効率は絶えず低下するので、その様な構成は有利である。効率の損失を補償するために、時間が進むにつれて、一定のセル電流を維持するためにより多くの電解液を必要とする。アウトプット溶液の水準が特定のクオリティより下に低下する前に、セルを点検または修理することができるので、効率損失の所定の点で停止するシステムが望ましい。水準以下の殺菌性溶液の偶発的生成を回避するので、これは有利である。
【0052】
さらにもう1つの関連する実施形態では、電気化学装置はまた、インプット体積が所定のレベルに実質的に達したこと、または近づいていること(またはガス圧があるレベルに達したこと)を指示するための警報手段を含むこともできる。適切には、該システムは警告灯、または音による警報手段などのアラーム警告システムを含むことができる。操作員は効率の重大な損失点が切迫する前に警告を受け、生産停止時間を短縮させるためにセルの点検を準備するので、明確な利点がこのシステムから生じる。換言すれば、該システムは、効率の重大な損失点が近づいているという旨の事前警告を与えることができる。したがって、本発明は、セル効率が事前設定した程度にまで落ち込み、セルもしくはシステムが注意を必要とすることを指示するための警告メッセージならびに/または警告信号ならびに/または警告音を生成する、改善された自動化された電気化学装置を提供する。本発明のこの態様は、装置の安全で効率的な動作およびアウトプット溶液の一貫性のある生成を保証するように、電気化学装置が所望のパラメータの範囲内で動作することを確実にする。
【0053】
本発明では、また殺菌性アウトプット溶液を発生させるための自動化された電気化学装置を提供し、前記装置は:
陽極液溶液および陰極液溶液を発生させるために、電解液を電気分解するための陽極室ならびに陰極室を含んだ連続通水式電気化学セルを含み、さらに本装置が:
(i)陰極液を貯蔵するための貯蔵槽;および
(ii)セルの立ち上げ時に、陰極液を貯蔵槽から陽極液へと再循環させるための流体回路
(ただし、セル陽極室への補償用濃度の陰極液のインプットは、電気分解プロセスの開始において安定なアウトプット溶液を生成させるために、セル陽極液pHを最適化するように配置される。)
を含むことを特徴とする。
【0054】
陰極液溶液が陽極液調節のために必要とされる所望のpH変化をもたらすため(換言すれば、殺菌性アウトプットを安定化させるため)の適切なpH(塩基性)であることを、用語「pH補償用陰極液」によって意味する。例えば、溶液中に過剰な水素イオンが存在するために陽極液が過度に酸性である場合には、pH補償用陰極液は好ましい値を動かすために陰極の酸性pHを下げるのに十分な塩基性を有することができる。陽極液が最適なpHであるときには、平衡種は一貫性のある殺菌性特性を確実にするための妥当な濃度であることができる。先行技術による電気化学セル内で生成される初期陰極液は、電気分解がある時間進行し、補償するのに十分低いpHを有する陰極溶液を供給するために、水酸化物イオンが蓄積するのに十分な時間を有するまで水酸化物濃度が低いため、本発明のシステムは先行技術の陰極液再循環システムよりも有利である。先行技術のシステムは、望ましい陰極液pH状態が実現されると、最適化された陰極液を再循環するように設計されている。再循環のために最適化した陰極液を生成するためにはある期間が必要であり、したがって、立ち上げ時間が遅くなるという問題が残る。本明細書で説明される本構成に関する議論に拠り、陽極液溶液のpHが重要なパラメータであり、溶液種「遊離塩素」平衡濃度および平衡状態に根本的な効果を有するであろうことが明らかである。したがって、陽極液溶液のpHを都合よく調節し制御するための手段は有利である。したがって、事前に最適化した陰極液を貯蔵し、装置が始動したときに直ちに使用するための準備ができているので、再循環のために陰極液の最適化を待つ必要性を除去するために、既にある「出来合いの」補償用陰極液溶液を貯蔵し再循環することが可能な装置は、魅力的であり、および望まれている。これは、初期のアウトプットをより早くpH安定化させ、無駄になる生成物は少ししかないことを意味する。さらに、本発明のシステムは、電気化学装置から陰極液を排出する必要性を除去する。先行技術のシステムでは、最適化した陰極液の腐食性に起因する損傷を回避するために、使用後は排出しなければならない。有利には、処理時間が短縮される。したがって、一貫性のないアウトプット生成をもたらす、電気化学発生装置の立ち上げ時における不安定なpHの現存する望ましくない延長期間を、本発明は自動的に克服するので、本発明は既存のシステムよりも有利である。さらに、本発明は、一貫性があり無駄の少ないアウトプット溶液を確実にするように、電気化学装置の通常の動作中においてアウトプット生成物pHの自動化された制御を可能にする。有利には、本発明は立ち上げ時間を短縮する。該システムのもう1つの利点は、無駄になる初期アウトプットを防ぐ、または少なくとも許容可能なレベルへと最小化することである。
【0055】
一実施形態では、貯蔵槽は電気化学装置の外部にあってもよく、例えば貯蔵槽は外部に設置したタンクまたは別の貯蔵装置の形を取ることができ、そこから適切に接続したインプット配管を介して、陰極液を必要に応じてセル陽極液に供給することができる。貯蔵される最適化した陰極液溶液は腐食性を有する可能性があるので、好ましくは、貯蔵槽は耐腐食性材料から作られる。この構成では、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどの適切な陰極液置換溶液は、陽極液溶液を最適化するために使用することができることが認識されるであろう。換言すれば、システムそれ自体は生成しない陰極液溶液を使用することができる。しかしながら、貯蔵槽を装置の内部に設置することが好ましい。事前に最適化した陰極液の循環によって、システムそれ自体によって生成される陰極液を、陽極液最適化の際に使用することもまた好まれる。装置が清潔であり、装置の動作中に外部発生源からの混入を生じ問題を引き起こす可能性が少ないので、貯蔵槽の内部配置によって明確な利点がもたらされる。内部配置に貯蔵槽を有することによって、外部貯蔵コンテナの使用する必要性を除去し、または陰極液を次の発生サイクルが始まるまで貯蔵することを容易にする。加えて、システムが発生した事前に最適化した陰極液を使用するときには、適切な水酸化ナトリウム溶液または水酸化カリウム溶液を調製するのに関係する仕事は回避される。
【0056】
電気化学装置流体回路および/または貯蔵槽は、少なくとも1つの排出管をさらに含む。必要に応じて排出管は古くなった陰極液の除去を容易にし、システムの清浄および/または保守を容易にできるようにするので、これは有利である。
【0057】
本発明は、殺菌性アウトプット溶液を発生させるための自動化された電気化学装置をさらに提供し、前記装置は:
陽極液成分および陰極液溶液を発生させるために、電解液を電気分解するための連続通水式電気化学セル;
を含み、
本装置が:
アウトプット溶液のpHを調節するためのpH調整システム
(それによって、必要とされる陰極液溶液の量に基づいて陽極液溶液中へと陰極液溶液を投与することが、所望のアウトプット溶液pH調節に効果をもたらす。)
をさらに含むことを特徴とする。
【0058】
陽極液成分が、ガスや、溶液や、エアロゾル、またはこれらの組合せとすることができることを、当業者は認識するであろう。
【0059】
関連する実施形態では、電気化学セルから一貫性のある殺菌性溶液を生成する方法を提供し、以下のステップ:
(i)陰極液溶液および陽極液溶液を生成するために、電解液を電気分解するステップ;
(ii)所望のレベルに陰極液のpHを調節するステップ;
(iii)所定のpHを有する陽極液アウトプットを生成するために、陽極液中へと所定の量の陰極液を投与するステップ
を含む。
【0060】
所望のレベルにpHを制御するために、または陽極液が過度に濃縮されている条件およびその様なときに陽極液を希釈するために、陰極液を装置のアウトプット溶液と混合することができる。前述にあるように、セル電解質溶液のpHは電解液生成物、および、特に塩素ガス発生に対する傾向を制御するために重要である。陽極液ならびに最終アウトプット溶液pHおよび濃度の個別の制御をし、安定化することは、信頼性のある殺菌性活性を有する一貫性のある生成物殺菌性アウトプットを供給するために重要である。
【0061】
電気化学装置は、この様に陽極液溶液と最終殺菌性アウトプット溶液のいずれか一方または両方に陰極液を供給するのに適した流体回路を有する。この陰極液流体回路はまた、pHメータおよび陰極液を陽極液溶液中へと投与する前に陰極液の濃度を調節するための水供給源(陰極液希釈システム)も含むことができる。陰極液流体回路が正確な濃度の一貫性あるアウトプットの生成を補助する限りにおいては、これは有利である。
【0062】
したがって、電気化学装置流体回路はまた、陰極液流体回路中にpH調整システムを含むことができる。適切なシステムは、陰極液pH調整装置である。適切には、陰極液pH調整制御装置はpHメータ、および陰極液を陽極液溶液中へと投与する前に陰極液の濃度を調節するための新鮮な水の供給部に接続された溶液混合/希釈装置を含むことができる。pHメータは、陰極液のpHを測定し、制御システムにその情報を中継し、制御システムは、アウトプット溶液を制御するために必要な濃度の陰極液溶液を供給するために必要な希釈の量を計算し、そのデータを陰極液混合/希釈装置に提供することができる。陰極液の投与それ自体が必要な場合には希釈ステップを介して調節可能であるので、これは陽極液に行うことができる調節について、より精密な制御を可能にする。陽極液中へと投与すべき陰極液が適切なpHおよび濃度のものであることを確実にすることによって、正確な濃度およびpHの一貫性のあるアウトプットの生成を補助する限りにおいては、陰極液pH調整システムは有利である。
【0063】
別の一実施形態では、装置はまた、制御システムの管理下のpHメータおよび水供給源(アウトプット溶液混合/希釈システム)を含む最終殺菌性アウトプットpH調整制御装置を含む。ある構成では、所望により陰極液をアウトプット中へと投与することを可能にするために、流体配管を最終アウトプット配管に提供することができる。pH調整制御装置は、好ましくは最終アウトプット流体回路の下流に設置し、初期陰極液投与ステップ後に殺菌性アウトプット溶液に最終調節を行うために使用する。この様に、最終殺菌性アウトプット溶液pH特性または濃度を最終殺菌性アウトプットpH調整制御装置によって決定することができる。したがって、本発明はまた、改善した自動化された電気化学装置および該装置において用いるための流体システムを提供し、これらによって、陰極液投与による初期pH調節の前ならびに/または後にアウトプット溶液の希釈およびpH調節を可能にすることによって、一貫性のあるアウトプット溶液の生成を容易にする。したがって、電気化学装置はこの様に陽極液、および必要な場合には最終殺菌性アウトプット溶液にも陰極液を供給するために適した流体回路を有する。
【0064】
一つの具体的な実施形態では、電気化学装置の外部にある貯蔵槽から陰極液流体回路に、陰極液供給を提供することができる。例えば、貯蔵槽は外部に設置されたタンクの形、または所望により陰極液をセル陽極液に供給することができる別の貯蔵装置の形を取ることができる。この実施形態では、陽極液および/またはアウトプット溶液を最適化するために、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどの適切な陰極液置換溶液を使用することができることが認識されるであろう。しかしながら、該貯蔵槽を装置の内部に設置し、システムそれ自体によって生成される陰極液を、陽極液および/またはアウトプットの最適化に使用することが好ましい。装置が清潔であり、装置の動作中に外部発生源からの混入を生じ問題を引き起こす可能性が少ないので、貯蔵槽の内部配置によって明確な利点がもたらされる。加えて、適切な水酸化ナトリウム溶液または水酸化カリウム溶液を調製するのに関係する仕事は回避される。
【0065】
装置希釈システムは、所定の量の希釈剤を正確に配送することができるポンプ等を含むことができる。あるいは、配送システムは所望のpHを得るまで水を単純に加える構成を含むことができる。正確な最終濃度およびpHの一貫性のあるアウトプットの生成を補助する限りにおいては、(1つまたは複数の)混合/希釈機構は有利である。この様に、所望のアウトプットpHを生成するまでアウトプット溶液中へ陰極液を連続的に投与することによって、および/または所望の濃度にアウトプットを希釈するための殺菌性アウトプットの希釈によって、最終殺菌剤アウトプットpHを装置の動作中に連続的に自動的に調節することができる。
【0066】
本発明は、改善された自動化された電気化学装置、ならびに該装置において使用するための流体システムおよび該装置を使用する方法を提供し、主供給溶液および装置に必要な大量の主供給溶液からコア電解液を発生させるのに必要な主供給物の分離および転用を可能にし、それによって低いコストおよび高い調整効率で、小さな体積のコア溶液の高いレベルでの調整が可能になる。
【0067】
全体として、装置全体は電流検出システム(ならびに、システムpH調整装置およびガス調整構成要素など、ただし設置されている場合)によって情報が中継される制御システムによって、一般に動作可能である。制御システムは、電解液配送システム、陽極ガス圧装置、陰極液混合/希釈装置(陰極液pH調整制御装置)、およびアウトプットpH調整制御装置に情報/命令を提供するために、システムモジュールによって送られるデータを使用する。制御システムは、セル内で定常状態電流を維持するためにインプットすることを必要とする追加の電解液の量を計算することが可能であるように設定された任意のプロセッサデバイスもしくは電子チップ、回路基板もしくは演算デバイスであってもよく、制御システムはさらに、電解液配送システムへ開始命令および中止命令を与えることが可能であることが、認識されるであろう。制御システムはまた、pHおよび希釈必要量を計算すること、ならびに陽極液/陰極液および/もしくはアウトプット混合および希釈システムを含むような装置モジュールに「開始」命令および「中止」命令を配信することが可能でなければならない。適切には、該装置はコンピュータまたは電子回路基板である。
【0068】
本発明はまた、アウトプットのより一貫性のある供給を確実にし、電気化学機器のミネラル沈殿物混入によってもたらされるセル停止時間を回避するように、電気化学セルに事前に調整したインプット溶液の少量のストリームを供給するシステムおよび方法の提供に関する。この態様では、本発明はインプット調整を経済的で都合の良い方式で実行する方法を開示する。一般にコア発生プロセスに必要な溶液の量は、装置からアウトプットされる溶液の体積の非常に小さな部分だけである。コア発生プロセスにおいて必要な少量の溶液は、発生装置に対してより安定な決められたアウトプットをもたらし、これらの溶液における高水準の調整を可能にする。この様に、本発明は、本管供給と比較したときに非常に少ない体積で、調整されるべき発生用インプット溶液を装置の一般的なアウトプット溶液のための流体回路とは別の流体回路中に維持するシステムおよび方法を提供する。セルへの均一なコア発生用溶液の導入は、装置からの均一なアウトプットをもたらす。有益には、インプット溶液が混入を伴わない高水準なものであるために、装置の保守および清浄を縮減することができる。
【0069】
別の態様では、殺菌性溶液を発生させるために装置をそのまま使用することができ、殺菌性溶液を関心のある特定の応用例において使用するために必要とされるまで、または追加処理もしくは生成物パッケージング等のために必要とされるまで、貯蔵容器またはタンカー中に集めておくことができる。
【0070】
別の態様では、装置の最終アウトプット流体配管を、殺菌性溶液で処理されるべきシステムまたは領域と直接的に相互作用するように適合させることができる。例えば、空調ユニットの水システム等の近く、または建物の水加熱システム、例えば病院の水システムの近くに装置を据え付けることができる。この構成は、装置アウトプットを処理すべきシステム中へと直接送り込むという利点を有する。アウトプットが適切な流量で適切な期間にわたり処理すべきシステムに供給されるように、装置を設定することができる。本システムを処理するために、殺菌剤を人の手によって使用するための人員を必要としないので、これはさらに利点を有する。
【0071】
本明細書中で説明した様々の具体的な実施形態を参照すると、上記の発明におけるいずれかの実施形態の1つ以上の機能を組み合わせることから特別な利点が生じることに注目することが重要である。1つ以上の機能の組合せが可能であり、最適化した殺菌性生成物を提供する。特許請求の範囲中におよび明細書中に提示したような機能について任意の特定の組合せが可能であり、特定の組合せが特別な利点を提供するであろう。特に、本発明の装置は、記載した機能の任意の組合せを組み込むことができることが認識されるであろう。本発明者らが多くの別個の改善を行っているが、改善の各々を他のもののいずれかと、特に別個に述べたこれらの機能と組み合わせて使用することができることが認識されるであろう。例えば、セル電流安定化機能を短縮した立ち上げ時間機能と組み合わせることは特に有利であり、これらの機能のいずれかを単独で、または自動化されたシステム効率測定および調節機能との組合せ、ならびに自動化されたシステム圧力検出および制御機能とのさらなる組合せで組み合わせること、および/もしくはアウトプット希釈機能もしくは別個の機能についての任意の下位組合せもしくは置換と組み合わせることは、さらに有利である。
【0072】
本発明は、添付した図面を参照して、単に例として与えられる本発明の実施形態の下記の説明から、より明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の電気化学殺菌剤発生器の典型的な流体系統および構成要素の概略図である。
【図2】任意選択の発生ガス圧メータを有する本発明の電気化学殺菌剤発生器の流体系統および構成要素の概略図である。
【図3】水調整システムを有する本発明の電気化学殺菌剤発生器の流体系統および構成要素の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0074】
本発明は、抗菌性溶液を生成するように設計された電気化学装置に関する。ここで、図面、具体的には図1から図3を包括的に、初めに図1を参照する。
【0075】
図1は本発明の電気化学装置を示す。装置は、制御システムCS(図中では破線の長方形によって表される)の命令の下で動作可能である。この装置は、2つの別個の流体回路、それぞれCおよびAによって表される陰極液回路および陽極液回路を含み:
(i)(主に塩素からなる)ガス状生成物を電気化学セル内で形成するように、陽極液流体回路Aに沿った電気化学セル2の陽極液室への電解液インプットおよびそこからの陽極液アウトプット;ならびに
(ii)電気化学セル2への再循環陰極液インプットおよび水酸化物イオンを生成するセル2の陰極室から陰極液貯蔵装置1および回路Cに沿った陰極液pH調整制御装置4への陰極液アウトプット
を供給する。
【0076】
流体回路Aは電解液体積/レベル指示装置9に任意選択で接続することができ、体積/レベル指示装置9は効率の損失を指示するためおよび電解液レベルの流れの効果/温度効果を明らかにするために校正することができる。体積/レベル指示装置9は、陽極室内の電解液のレベルまたは高さの読みを単純に提供する。電流検出システム11を、電気化学セル2におよび体積/レベル検出装置9に電気的に接続する。図2および図3は陽極でのガス圧を調節することが可能である発生ガス圧測定装置12を示し、セル2中の電極でのガス圧に関するデータを制御システムCSに提供するために、電気化学セル2に接続される。発生ガス圧測定装置12はアウトプットストリーム中の塩含有量の制御を可能にし、セル2を通過する電流の指示を提供する。発生ガス圧測定装置12は、図2および図3に概略的に示され、流体回路Aに沿った電気化学セル2と陽極液pH調整制御装置5との間のアウトプットストリームに沿って配置される。発生ガス圧測定装置12はまた、陽極でのガス圧を調節することが可能である。
【0077】
本システムは本管水供給Wを配送する水インプット流体システムを含み、本管水供給部Wは、(i)電解液貯蔵タンク8および電解液配送システム7、(ii)陰極液貯蔵部1および流体循環システムC、および(iii)陽極液pH調整制御装置5および陰極液pH調整制御装置4の下流にあるアウトプットストリーム上に配置されたpH測定装置/希釈システム6へ、水を供給するように設計されている。
【0078】
電気化学セル2を渡って電流を印加するときに電荷に従って溶液イオンの分離を可能にする電気化学セルイオン透過性膜13によって、流体回路CおよびAは互いに直接分離される。
【0079】
流体システムCは、陰極液pH調整制御装置4、電気分解中に陰極液の再循環を可能にする立ち上げ陰極液循環および排出装置3、ならびに(i)立ち上げ陰極液循環および排出装置3、(ii)陰極液貯蔵装置1、および(iii)陰極液貯蔵装置1からのオーバーフロー、のそれぞれからの溶液を排出するための排出弁D1、D2およびD3をさらに含む。陰極液の希釈および混合のために必要である場合には、新鮮な水を利用可能にするために、陰極液pH調整制御装置4、陽極液pH調整制御装置5、アウトプットpH調整制御装置6、および立ち上げ陰極液循環装置3を、主供給部に別々に接続することができる。
【0080】
図2は、インプットストリーム、希釈ストリーム、およびpH測定ストリームに分岐する前に本管インプットストリーム上に配置することができる水調整ユニット10に接続された水流体システムWを示す。陰極液pH調整制御装置4を、図2において水調整ユニット10から離して、調整した水供給部に接続する。動作中、電気化学セル電流が増加していることを電流検出システム11が指示するので、セル中へと制御システムCSの影響下で電解液配送システム7によって流出される塩類溶液の量は、電流出力が所定のレベルで維持されることを保証するために、減少する。電気分解プロセスが進むにつれて、所定の期間にわたって電流を決定するために、電流検出システム11を起動させる。電流の減少が指示される場合には、電流出力を再安定化させるために、電解液配送システム7によってセル2へと配送される塩類溶液の量を必要なレベルに増加させる。プロセスを繰り返して、必要に応じてセル内の電流を実質的に一定のレベルに安定させるという結果をもたらす。基本的に電流が実質的に一定に保たれるように、所定の時間間隔にわたって本質的に連続的なモニターをすることおよび実質的に連続的な電流調節が該動作に含まれることに留意することは重要である。塩類インプットを、一定の流量で一定の期間にわたり別々の間隔で生じるように設定することができる。この様にして、決められた体積の塩類溶液がセル2にインプットされる。この配送期間後、電流が設定点よりも上にある場合は、電解液配送システム7は再度起動されず、それ以上の溶液はセルにインプットされない。しかし、この配送期間後、電流が設定点よりも依然として下にある場合は、電解液配送システム7は再び起動され、所望する電流が達成するまでそのプロセスを継続する。
【0081】
電気分解プロセス中に、塩類溶液は電解液配送システム7を介して電気化学セル2にインプットされ、電圧/電流は電気分解を開始するために印加される。電気化学装置からアウトプットされる全殺菌剤成分は装置中を通過する電流の量の関数であるので、電流を特定の所定のレベルで維持することができる場合には、装置からのアウトプット溶液を所望のレベルまたは所望の状態で維持することができる。実質的に一定な電流がセル2を渡って流れるように設定した間隔にわたって電流を連続的にモニターし、調節を行うため、本システムは最適に動作する。したがって、セル2の塩類溶液のレベルを制御し調節することによって装置からのアウトプットを制御することができ、任意の所望のレベルに変えることができる。存在する塩類のレベルが液体によって浸潤した陽極部分を決定し、塩化物を酸化して塩素にすることができるために、セル2内の塩類レベルはセル電流に影響を持つ。(電解液レベルの低下によって指示される)電解液の消費が進むにつれて生じるセル電流のいかなる変化も、新鮮な塩類電解質溶液のインプットによって補償することができる。必要な補償用の体積は、必要とされる電流補償の程度に依存する。有利には、該自動化された常時モニターシステムは、従来の粗い電気化学的な周期的電流変化プロファイルを取り除き、したがって、電解液レベルモニターのみに基づく先行技術のシステムよりもさらに安定で進歩したセル電流を確実にする。より安定で一貫性のある殺菌剤成分のアウトプットを結果としてもたらす。電解液体積/レベル指示装置9によって指示される電解質溶液のセル体積/レベルが所与の電流を維持するために増加するにつれて、装置の効率が低下していることを、これは示している。電流検出システム11はセル2の電流を測定し、電解液体積/レベル指示装置9はセル溶液体積および/または溶液レベルを測定する。次いで2つの測定値を比較し、効率を決定することができる。装置が重大な損失効率の状態に達しようとしており、結果として故障を被りそうな場合には、体積/レベル測定対電流測定比率を変化することができる。これを検出することができるので、利用者は事前に警告され、是正措置を取ることができる。例えば、警告を発することができ、または清浄プロセスを始めさせることができ、または終了手続を開始することができる。セル内の温度および陰極液流れの効果ならびに陽極液体レベルについてのこれらの効果を明らかにするために、システムを校正することができる。該パラメータから結果としてもたらされる体積/レベルの変化が効率の変化を意味しないこと、および適切にそれが把握されなければならないことを、留意すべきである。
【0082】
図2および図3に示したように、陽極液流体ストリームA上のガス圧測定装置12によってセル2のセル電流および/または効率はモニターされる。特定のセル電流において生成した塩素ガスの量、すなわち生成した塩素ガス圧は、セル効率を示している。ガス圧測定装置12によって指示されるガス圧の低下は、セル2内の電流が低下していること、またはセル2内の電流がまだ一定であるがセル効率が低下していることを示している。危険な所定の点に達したときには、セル2に対して注意を必要とすることがあることを、これは示している。装置の立ち上げ時においては、陰極液の濃度が所望する動作電流およびアウトプット殺菌剤のpHを調整するには十分なイオン伝導率、またはpHではないことが多い。装置の立ち上げ時間を短縮させるために高濃度陰極液を装置の立ち上げ時にセルを介して循環させることができるように、装置が動作していないときに、高濃度陰極液をセル2の外部の貯蔵容器1(図1から図3に表示)に貯蔵することができる。ここで具体的に図2を参照して、その容器は、立ち上げ循環および排出装置3、電気化学セル(FEM)2、および陽極液pH調整制御装置5に流体で接続する。電気化学装置が停止または使用していないときには、装置の前回の動作による陰極液は、装置の構成に応じて、貯蔵容器1中へと汲み上げられ保持され、または外部貯蔵槽もしくは前回の陰極液の貯蔵物もしくは実際に操作員が調製した水酸化ナトリウム溶液か水酸化カリウム溶液から汲み上げられる。システムの立ち上げ時に、最適な動作をするセル2の迅速な確立を可能にするために、貯蔵した陰極液をセル2の陰極室内へと流出させて戻す。所望の殺菌剤アウトプットpHを作り出すために、陰極液溶液はまた、陽極液pH調整制御装置5によって陽極液または装置アウトプット溶液に配送することができる。初めに導入する陰極液が所望のpHアウトプットを直ちに生成するために十分な濃度のものであり、それ故に正常な動作電流をより早く達成できるので、電気化学装置は装置を立ち上げたほぼ直後に安定なpHアウトプットを生成することができる。
【0083】
所望のpHの殺菌性アウトプット溶液を形成するために、担体水溶液は、陽極液溶液またはアウトプット溶液との混合のために装置を通過する。アウトプット溶液のpHを測定することによって、必要に応じて担体水溶液の流れを調整することを可能にし、その結果、アウトプット溶液の濃度および/またはpHを変化させて、装置から安定で一貫性のある殺菌剤アウトプットを提供することができる。あるいは、ガスを電気化学装置内で生成している場合には、生成したガスの体積は装置の効率に依存する。この場合には、該発生装置のアウトプット効率を調整するために必要な担体水溶液の流れを評価するために、ガス測定を使用することができ、よって必要な場合には、より安定なアウトプットを生成する。
【0084】
陰極液の流出体積を制御するために、投与およびpH調節を、陰極液pH調整制御装置4(図1から図3)を使用して自動的に制御することができる。アウトプットpHが所望のレベルよりも下に低下する場合には、貯蔵容器1からアウトプットストリームへの陰極液の流出を増加させることができる。所望のアウトプットpHレベルを生成するために流出速度を変えることができるので、流出させる陰極液の実際の濃度は必ずしも完全に一様である必要がない。
【0085】
再循環している陰極液の濃度はpH測定装置4を使用して測定することができることが見出されているので、このタイプのアウトプットpH調整システムは特に有用である。アウトプットの所与の流れに対して特定のpH値を生成するために、アウトプット溶液に添加している陰極液の体積を測定することによって、陰極液のpHもまた決定することができる。例えば、毎分45mlの流量に対してpH7.0を生成するために、低水酸化ナトリウム濃度の陰極液は、所与の流量の陰極液をアウトプット溶液中へと流出させることを必要とする場合がある。高水酸化ナトリウム濃度の陰極液は、毎分30mlの流れのpH7.0を生成するために、同じ流れの陰極液を必要とすることがある。時間経過とともに、再循環した陰極液は高濃度になり、pHが上昇し、溶液はより腐食性になる。陰極液の濃度が設定レベルに達すると、所定のレベルでpHを維持するために、陰極液を希釈することができる。希釈薬品(一般に水である)の流出を制御することによって、これは達成される。陰極液pH調整装置(混合/希釈装置4)を、本管水供給Wおよびアウトプット流体回路に沿ったアウトプット調整装置6(pHメータ)に連結する。アウトプット調整装置6(pHメータ)からの情報は、アウトプットストリーム流量データとともに、陽極液希釈のレベルまたは陰極液インプット投与量を計算することを可能にする。アウトプットのpHに関する情報は、濃度/pH調節が必要であるか、およびその実施が必要であるかを決定する制御システムCSに送られる。したがって、本発明は装置を通過する水溶液の流れを自動的に検出し、検出した効率ならびに殺菌剤適用の必要条件となるpHおよび濃度に基づいて調整する装置を提供する。
【0086】
ここで具体的に図3を参照すると、本管水流体システムWからの水の一部は、アウトプット希釈ストリームを供給する主回路から逸れ、遥かに少ない体積で水調整ユニット10中へと向けられる。水調整ユニット10はその形式に応じて水からイオンを除去し、調整した水を電解液貯蔵タンク8および電解液配送手段7へ供給し、最終的に陽極液流体回路Aを介して調整した形で電気化学セル2へ供給される。調整した水はまた、調整装置10から陰極液再循環流体回路Cへ供給される。これは、調整装置10から直接または再循環回路Cからセルに到達するすべての水が、未処理の主供給物から分離していることを確実にし、セル内でのより安定な電気化学処理を確実にし、セル内の(カルシウムおよびマグネシウムの水酸化物および炭酸塩などに起因する)ミネラルの沈殿がもたらすセル停止時間を回避する。
【0087】
別の塩など、別の電解質を利用することができるときは、塩類という。
【0088】
用語「陽極液溶液」の使用によって、該溶液が実際にガス、溶液、エアロゾル、またはこれらの任意の組合せを含む組成であることを意味することを、当業者は認識するであろう。
【0089】
本発明に関連して本明細書中で使用される際、語「備える/備えている(comprises/comprising)」および、語「有している/含んでいる(having/including)」は、記述した構成、整数、ステップ、または構成要素の存在を特定するために使用するが、1つまたは複数の別の構成、整数、ステップ、構成要素、またはこれらのグループの存在もしくは追加を排除しない。
【0090】
明確化のために、別々の実施形態の文脈において説明した本発明のある種の構成はまた、1つの実施形態内で組み合わせて提供できることが認識される。逆に簡潔化のために、1つの実施形態の文脈において説明した本発明の様々な構成はまた、別々にまたは任意の適切な下位組合せで提供できる。
【0091】
本発明は、本明細書中で上記に説明した実施形態に限定されないが、構造および詳細の両者において変形することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
殺菌性アウトプット溶液を発生させるための自動化された電気化学装置であって、前記装置は:
陽極液溶液および陰極液溶液を発生させるために、電解液を電気分解するための陽極室および陰極室を備えた連続通水式電気化学セル;
を含み、
前記装置が、
(i)陰極液を貯蔵するための貯蔵槽;および
(ii)前記セルの立ち上げ時に、前記貯蔵槽から前記陽極液へと陰極液を再循環させるための流体回路
(ただし、前記セル陽極室への補償用濃度の陰極液のインプットは、前記電気分解プロセスの開始において安定なアウトプット溶液を生成させるために、前記セル陽極液pHを最適化するように配置される。)
をさらに含むことを特徴とする、電気化学装置。
【請求項2】
前記貯蔵槽が前記電気化学装置の外部にある、請求項1に記載の電気化学装置。
【請求項3】
前記流体回路が、陰極液pH調整制御装置をさらに含む、請求項1または2に記載の電気化学装置。
【請求項4】
前記装置が、アウトプットpH調整制御装置をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の電気化学装置。
【請求項5】
殺菌性アウトプット溶液を発生させるための自動化された電気化学装置であって、前記装置が:
(i)アウトプット溶液を発生させるための、電解液を電気分解するための連続通水式電気化学セル;
(ii)セル電流が所定のレベルに達した時を判断するための、前記電気化学セルに接続された電流検出システム;および
(iii)電流測定システムによって動作可能な電解液配送システム
を含み、
前記電気化学セルの前記発生したアウトプット溶液が実質的に一定の濃度を有するように、所定のレベルの電流が検出されたときに、前記配送システムが、前記セル中へある体積の電解液をインプットする
ことを特徴とする、電気化学装置。
【請求項6】
前記電流検出システムが電流測定装置を含む、請求項5に記載の電気化学装置。
【請求項7】
インプット電解液の前記インプット体積が所定のレベルに達したときに、前記電解液配送システムを停止させるための手段をさらに含む、請求項5または6に記載の電気化学装置。
【請求項8】
前記インプット体積が前記所定のレベルに実質的に達したことを指示するための警報手段をさらに含む、請求項7に記載の電気化学装置。
【請求項9】
殺菌性アウトプット溶液を発生させるための自動化された電気化学装置であって、前記装置は:
(i)陽極液溶液および陰極液溶液を発生させるために、電解液を電気分解するための連続通水式電気化学セル;
(ii)前記陰極液を陽極液溶液へ供給するための流体回路
を含み、
前記装置が、
前記アウトプット溶液のpHを調節するためのpH調整システム
をさらに含み、
必要とされる陰極液溶液の量に基づいて前記陰極液溶液を前記陽極液溶液中へ投与することが、所望のアウトプット溶液pH調節に効果をもたらす
ことを特徴とする、電気化学装置。
【請求項10】
前記装置の内部または外部とすることができる、陰極液のための貯蔵槽をさらに含む、請求項9に記載の電気化学装置。
【請求項11】
前記流体回路が、前記陰極液が前記陽極液溶液中へと投与される前に前記陰極液の濃度を調節するための陰極液希釈システムをさらに含む、請求項9または10に記載の電気化学装置。
【請求項12】
pH調節の後に前記殺菌性アウトプット溶液の濃度を調節するための殺菌性アウトプット希釈システムをさらに含む、請求項9から11のいずれか一項に記載の電気化学装置。
【請求項13】
請求項5から8に記載の構成をさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の電気化学装置。
【請求項14】
請求項9から12に記載の構成をさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の電気化学装置。
【請求項15】
請求項1から4のいずれか一項に記載の構成をさらに含む、請求項5から8のいずれか一項に記載の電気化学装置。
【請求項16】
請求項9から12のいずれか一項に記載の構成をさらに含む、請求項5から8のいずれか一項に記載の電気化学装置。
【請求項17】
請求項1から4のいずれか一項に記載の構成をさらに含む、請求項9から12のいずれか一項に記載の電気化学装置。
【請求項18】
請求項5から8のいずれか一項に記載の構成をさらに含む、請求項5から8のいずれか一項に記載の電気化学装置。
【請求項19】
添付した図面を参照して本明細書中で実質的に説明した電気化学装置。
【請求項20】
請求項1から19のいずれか一項に記載の電気化学装置によって生成される殺菌性溶液。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−529391(P2011−529391A)
【公表日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−520511(P2011−520511)
【出願日】平成21年7月29日(2009.7.29)
【国際出願番号】PCT/EP2009/059832
【国際公開番号】WO2010/012792
【国際公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(511026164)トラストウォーター リミテッド (1)
【Fターム(参考)】