電気接点の封止
電子デバイス(500)が、基板(510)と、誘電体層(544)と接触し少なくとも1つの抵抗器(518)に電気的に結合される電気接点(520)と、電気接点(520)に電気的に結合される電気トレース(542)を含む基板キャリア(540)と、電気接点(520)を封入するポリマー(524)と、電気接点(520)の上に配置される実質的に平面状のフィルム(528)とを備える。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
電子デバイスの市場では、低コストで高性能であることが望まれ続けている。これらの要件を満たすために、種々の電子デバイスを含む構成要素は、さらに要求される公差、小さなサイズ、又はこれら若しくは他の因子の任意の組み合わせで、信頼性のより高いものにする必要がある。
【0002】
通常、半導体デバイスは、その表面にボンドパッドが形成された半導体ダイを含む。半導体ダイは、ボンディング前に、複数のリード線を有するリードフレームに取り付けられる。続いて、通常は、ダイ、リード線、及びリードフレームの大部分の周りにポリマーが分配又は成形されて、デバイスを封止する。デバイスは、多くの場合、リードフレームのリード線をプリント回路板(PCB)上のパッドにはんだ付けすることによってPCBに電気的に結合される。利用される封止用ポリマーによっては、湿気が原因の電気的短絡、腐食、又は割れによる性能低下及び損傷をもたらす可能性がある。これは、電子デバイスが苛酷な環境で動作しなければならない場合に、さらに大きな問題となる傾向がある。
【0003】
金属又はセラミックパッケージを用いる気密封止は、高度な保護を提供する。しかしながら、その製造プロセスは複雑であり、より高価で大きなサイズのパッケージをもたらすこととなる。利用され得る別の方法は、ウェハ上の能動回路にわたって不動態皮膜を施すことによって、ウェハステージにおいて半導体チップの能動回路を封止することである。しかしながら、このプロセスもなお、後続の処理においてボンドパッドの付近のセラミック状皮膜に損傷を与えることによって、気密封止されないデバイスができる可能性があり、これにより、腐食がチップの信頼性及び寿命に悪影響を及ぼすことを許してしまう。さらに、このプロセスは、ボンドパッド及び電気相互接続部に保護を提供しない。さらに、これらの技術は全ての用途に役立つわけではない。例えば、過去10年にわたって、インクジェットプリンタを用いる印刷技術等の分野において、流体の顕微操作の実質的な開発が行われてきた。このような製品において信頼性の高い電気相互接続部を維持する能力は、流体の腐食性が高まるほど困難になっている。
【0004】
流体噴射デバイスは、過酷な環境で動作する半導体チップへの丈夫な電気相互接続部の提供が望まれる一種の半導体デバイスである。高速且つ正確に流体を定量供給することができる多種多様な高効率の流体噴射デバイスが、現在用いられている。従来、電気相互接続部は、フレキシブル基板から延出する金属リード線を有するフレキシブル回路を用いて作られ、インクジェットチップ上にあるボンドパッドに結合される。結合されたボンドパッド及びビームには、ポリマー封止材が定量供給されてから硬化される。
【0005】
特に、画質の改善が、概してインクジェットインクの有機含有量を増やす、より複雑なインク配合の使用につながっていた。このようなインクを用いると、材料がこれらのインクと接触することによって腐食性のより高い情況が生じる。したがって、これらの腐食性のより高いインクによる電気相互接続部の劣化は、信頼性の高いプリントヘッドを維持するために材料の適合性の問題及び設計問題を引き起こす。
【0006】
流体噴射デバイスを設計するにあたり、流体噴射デバイスのサイズ、例えばプリントヘッドのシリコンダイのサイズを縮小し、その信頼性を高め、且つ流体出力、例えばプリントヘッドにおける印刷品質を高めることが望まれる。
【0007】
本発明の特徴は、添付図面に示されるような以下の本発明の例示的な実施形態の詳細な説明から、当業者には容易に理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1を参照すると、流体噴射アセンブリ102の例示的な一実施形態が、ここではインクジェットカートリッジとして示される。この実施形態では、流体噴射アセンブリ102は、ノズル層106の裏に固定される基板(図示せず)に供給される流体を収容するリザーバ104を含む。ノズル層106は、それを通って流体が噴射される1つ又は複数のオリフィス108を含む。流体噴射デバイス110は、基板(図示せず)、ノズル層106、及びオリフィス108を含む。この例示的な実施形態のフレキシブル回路112は、ポリマーフィルムであり、電気接点116に接続される電気トレース114を含む。電気トレース114は、電気接点116から基板(図示せず)上の電気コネクタ又はボンドパッドまで配線されて、流体噴射アセンブリ102に電気接続を提供する。封止ビード118が、ノズル層106の縁及び基板の縁に沿って定量供給されて、電気トレース114の端部分及び基板上のボンドパッドを封入する。
【0009】
特定の実施形態では、図1に示すように、情報記憶素子120が流体噴射アセンブリ102に配置され得る。好ましくは、情報記憶素子120は、フレキシブル回路112に電気的に結合される。情報記憶素子120は、流体又はエジェクタヘッド110の特性又はパラメータに関し得る情報を記憶及び出力するのに適した任意のタイプのメモリデバイスである。好ましくは、情報記憶素子120は、フレキシブル回路112に実装され、電気トレース124を介して電気接点126に電気的に結合されるメモリチップである。代替的に、情報記憶素子120は、対応する別個の電気トレース及び電気接点とともに自らのパッケージに封止され得る。流体噴射アセンブリ102が挿入されるか又は利用されるとき、情報記憶素子120は、その中に記憶されている情報又はパラメータを用いるために情報記憶素子120と通信するコントローラに電気的に結合される。しかしながら、情報の記憶を可能にするバーコード又は他のデバイス等、他の形態の情報記憶装置を情報記憶素子120として利用することもできる。
【0010】
図1に示す流体噴射アセンブリでは、リザーバ104は、本体128に一体形成されてもよく、又は別個に位置付けられてもよい。
【0011】
図2を参照すると、一実施形態による流体噴射アセンブリの一部の断面図が示されている。基板210は、表面212の上又は中に形成される流体噴射素子215を有する。一実施形態では、流体射出素子215は、射出のためにインクを加熱する抵抗器を利用するが、圧電性物質、フレックステンショナル、音波、及び静電等、他の流体噴射素子を用いることもできる。さらに、基板210は、好ましくは、基板210上に形成されて流体噴射素子215による噴射の切り替え及び制御を行う1つ又は複数のトランジスタ又は他の論理デバイス(図示せず)を含む。しかしながら、トランジスタ又は他の論理デバイスを用いない「直接駆動」構造を利用することもできる。直接駆動用途では、各流体エジェクタがボンドパッドに電気的に接続される。
【0012】
チャンバ層216が流体噴射素子215の流体チャンバ209を形成するため、流体噴射素子215の抵抗器又は他の構造が起動されると、概してチャンバ層216に隣接して位置するノズル211から流体が噴射される。基板210に形成される流体チャネル219が、図1に示すリザーバ104内の流体用の流路を提供して、流体チャンバ209に流体を提供する。
【0013】
図2に示すように、ノズル層217がチャンバ層216の上に形成される。ノズル層217は、金属、ポリマー、ガラス、又はセラミック等の他の適した材料、又はそれらの組み合わせから形成され得る。一実施形態では、感光性のポリマーを用いて、ノズル層217及びチャンバ層216の両方を形成することができる。例えば、感光性ポリイミド、ベンゾシクロブテン、又はエポキシが利用され得る。一実施形態では、ノズル層217及びチャンバ層216は、NANO SU−8という商標でMicroChem Corp.から入手可能なフォトイメージング可能なエポキシから形成される。ポリイミド、ポリエステル、ポリエチレンナフタレート(PEN)、エポキシ、又はポリカーボネート等、他の材料を利用することもできる。さらに、ノズル層217は、金、パラジウム、タンタル、又はロジウムの薄層によって封入されるニッケル系等の金属から形成することもできる。
【0014】
特定の実施形態では、ノズル層217及びチャンバ層216が、流体チャンバ209及びオリフィス211が画定される部分を有する1つだけの層である一体構造として形成されることに留意されたい。
【0015】
誘電体層214が、基板210の少なくとも一部の上に形成されて、1つ又は複数のボンドパッド218に電気的絶縁を提供する。好ましくは、基板210は、シリコンから構成され、その中及び/又は上に形成され得るトランジスタ及び他の論理デバイス(図示せず)を含む。しかしながら、ゲルマニウム、砒化ガリウム、アモルファスシリコン、酸化アルミニウム、ポリシリコン、及び他の材料等の材料を利用することもできる。誘電体層214及びボンドパッド218は、従来の半導体装置を利用して形成され得る。誘電体層214は、好ましくは、各層が約0.05ミクロン〜2.0ミクロンの範囲の厚さを有する、炭化ケイ素及び窒化ケイ素を含む2層構造であり得る。しかしながら、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウムなどの他の材料や、他の厚さを有する他の材料も、特定の用途及び環境因子に応じて利用することができる。
【0016】
一実施形態では、ボンドパッド218には2層構造が利用される。約0.075ミクロン〜約5.0ミクロンの範囲の厚さを有するタンタルから構成される第1の金属層が、誘電体層214の上に堆積される。約0.1ミクロン〜約2.5ミクロンの範囲の厚さを有する金から構成される第2の金属層が、第1の金属層の上に堆積される。しかしながら、アルミニウム及びアルミニウム合金等の他の金属及び金属合金を利用することもできる。さらに、他の厚さを利用することもできる。
【0017】
図2に示すように、フレキシブル回路232は、ベースフィルム230及び電気トレース240を含む。一実施形態では、ベースフィルムは、いくつかの例を挙げると、ポリイミド、ポリエステル、又はポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリマーから形成される。市販のベースフィルム材料の例としては、「Kapton」の商標でE.I.DuPont de Nemours & Co.から入手可能なポリイミドフィルム、及び「Upilex」の商標で宇部興産(日本)から入手可能なポリイミド材料が挙げられる。フレキシブル回路232は、従来のフォトリソグラフィーエッチング、金属付着、金属箔ラミネート、及び電気めっきプロセス等、当該技術分野で既知の技法を利用して形成される。好ましくは、フレキシブル回路232は、オープンリール式の処理装置を用いてテープ形態で処理される。
【0018】
一実施形態では、電気トレース端242及びボンドパッド218は、株式会社新川から市販されているインナーリードボンダ等、従来のTABボンダを利用して接続され得る。ボンダは、ノズル層217の端とベースフィルム230の端との間に形成された開口を通して、電気トレース端242に圧力を加えてトレース端242をボンドパッド218に押し付ける。ボンダは、熱を加えて熱圧着ボンドを形成することにより、電気相互接続部220を形成する。超音波ボンディング、導電性接着剤、はんだペースト、ワイヤボンディング、又は他の電気的ボンディング技術等、他のタイプのボンディングを利用することもできる。
【0019】
機械的支持及び周囲の保護を提供するために、エポキシ等のポリマー224が定量供給されるため、定量供給されたポリマー224は、ボンドパッド218と電気トレース端242との間の接続部を封入する。好ましくは、ポリマー224は、ニードルディスペンサを通して定量供給されて熱又は紫外線(UV)によって硬化されるエポキシペーストである。しかしながら、ポリイミド、ベンゾシクロブテン、ポリアクリレート、ポリノルボルネン、ポリシロキサン、ポリウレタン、フェノール、アネロビクス、シアノアクリレート、ポリスルフィド、合成及び天然ゴム接着剤等、他の材料を利用することもできる。ポリマー224の例としては、3M Inc.から市販されているAHS−735及びAHS−828が挙げられるが、これに限定はされない。
【0020】
フィルム228がポリマー224の上に施される。このフィルムは、有機又は無機の単層又は多層、好ましくはバリアコーティングを有する有機熱可塑性プラスチック又は熱硬化ポリマーであり得る。このフィルム用のポリマーの例としては、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、及びテフロン等のフルオロポリマーが挙げられるが、これに限定はされない。バリアコーティングの例としては、SiO2ガラス、シロキサン単量体由来の柔軟性のあるガラスSiOx、アルミナ酸化物、窒化物、炭化物、ホウ化物、フッ化物等のセラミック、及びそれらの混合物が挙げられるが、これに限定はされない。パラジウム、金、タングステン、アルミニウム、タンタル、クロム、ニッケル、チタン、銅、このような金属の合金等の無機成分も、バリアコーティングとして利用することができる。さらに、バリアは、フィルム内のポリマー層であってもよい。このようなバリアポリマーの例としては、液晶ポリマー、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリ二塩化ビニリデン、ポリエチレンビニルアルコール、ポリエステル、ポリイミド、及びポリアミドが挙げられるが、これに限定はされない。特定の実施形態では、フィルム228の厚さは、約5ミクロン〜約500ミクロン、好ましくは約6ミクロン〜約200ミクロンの範囲であり得る。
【0021】
一部の実施形態では、フィルム228は、表面255上に形成される接着剤を含み得る。この接着剤を利用して、フィルム228に熱が加えられて接着剤をリフローさせたときにポリマー224の少なくとも一部を形成することができる。フィルム228上に形成される接着剤材料は、熱、UV、水分、又はマイクロ波の方法によって硬化される、エポキシ、フェノール成分、アクリル樹脂、ウレタン、アネロビクス、シアノアクリレート、ポリスルフィド、オレフィン、シリコーン、フルオロポリマー、天然及び合成ゴム、ポリイミド、及びポリアミド等の材料から成り得る。接着剤フィルムの例としては、25ミクロンのポリイミド系フィルム上にコーティングされる約50ミクロン厚のエポキシ接着剤が挙げられるが、これに限定はされない。
【0022】
フィルム228は、ポリマー224の上の所定位置に固定されると実質的に平面状になるように施される。実質的に平面状のフィルムの利用は、フィルム228とポリマーが施されている表面との間のポリマー224の高さ又は深さが実質的に均一になることにより、流体噴射デバイス又は任意の他の電子デバイスを厳しい公差及び/又は仕様内で設計することを可能にする。
【0023】
さらに、流体噴射デバイスの場合、実質的に平面状のフィルムをポリマーの表面上で用いることで、流体噴射アセンブリと流体が噴射されている媒体との間の精密な間隔が可能になる。さらに、実質的に平面状のフィルムを用いることで、ノズル領域から拭われてプリントヘッドに分配されるインクが、流体噴射アセンブリに蓄積してアセンブリの損傷を引き起こすことが防止される。
【0024】
また、フィルムの長さ及び幅が正確に決定されてフィルムがアセンブリに正確に位置決めされるため、流体噴射デバイスと基板との間の間隔を狭めることができることによって流体噴射アセンブリの全体サイズを小さくすることができる。製造中に流体噴射デバイス上にポリマーが溢れる可能性が減ることにより、デバイスに形成されるノズルとデバイスの縁との間の間隔を狭めることができるため、流体噴射デバイスのサイズを小さくすることができる可能性もある。
【0025】
さらに、フィルム228はさらなるバリアを提供し、これを用いて、ガス、流体、及び他の汚染物質の拡散によって損傷を受けるか又は性能が低下する可能性のある電子デバイスの部分へのこれらの拡散を減らすことができる。
【0026】
ポリマー224とフィルム228との間の接着は、層228を施す前にポリマー224の表面を前処理することによって調整することができる。例えば、酸素等の反応ガスでのポリマー224及びフィルム228のプラズマ処理又はコロナ放電処理が用いられ得る。しかしながら、レーザ、火炎、化学薬品、又はそれらの組み合わせ等、他の表面処理を利用することもできる。さらに、ポリマー224及びフィルム228への組み込みによって、又は定量供給後にフィルム228の表面又はポリマー224の表面に施すことによって、カップリング剤を利用することもできる。
【0027】
基板210の周縁には接着剤252が定量供給されて、基板210と流体噴射体250との間の取り付け法及び流体シールの両方を提供する。好ましくは、接着剤252は、熱硬化エポキシであるが、ホットメルト、シリコーン、UV硬化型接着剤、及びそれらの混合物等、他の接着剤を利用することもできる。さらに、接着剤のビードを定量供給するのと対照的に、パターン接着剤フィルムを流体噴射体250又は基板210に配置してもよい。
【0028】
流体噴射体250にはカバー層244が熱かしめされて、フレキシブル回路232(図2に示す)を流体噴射体250に取り付ける接着機能を提供するとともに、電気トレース240の周辺の保護を提供する。好ましくは、カバー層244は、37.5ミクロンのエチルビニルアセテート(EVA)、12.5ミクロンのポリエチレンテレフタレート(PET)層、及び37.5ミクロンのエチルビニルアセテート層の3層積層板である。EVAは、加熱するとリフローして流体噴射体250に結合する熱可塑性材料である。PETフィルムは、伸びすぎることなく、カバー層244の機械的パンチング及びハンドリングを可能にするキャリア層としての役割を果たす。用途によっては、単層フィルムを利用することもできる。単層フィルムは、特に、EVA、ポリオレフィン、又はアクリル酸コポリマーの単層から構成されてもよい。
【0029】
一部の実施形態では、電子デバイスの上方から見た場合に実質的に凹状の形状を有するフィルムを形成することが可能であることに留意されたい。このような場合、フィルム228の外側に面した表面の一部は、ノズル層217の外側に面した表面よりも下にあり得る。これは、フィルム228を施した後での接着剤の硬化プロセスによって形成することができるが、これは、接着剤が硬化中に部分的に液化したときのフィルム上の接着剤の表面張力によってもたらされ得る。
【0030】
図3Aを参照すると、電子デバイスの一部の断面図の一実施形態が示されている。接点302が基板300の一部の上に、又は一部として形成され、これらはそれぞれボンドパッド及び基板であり得る。接点302は、フレキシブル回路又は他の構造に結合され得るリード線304に電気的に結合される。一部の実施形態では、接点302は、リード線304に電気的に結合されるだけでなく物理的にも結合される。図2に関して例を説明したようなペースト接着剤又はエポキシ等のポリマー306を利用して、接点302とリード線304との間の導電領域の少なくとも一部が封止される。ポリマー306を用いることで、接点302とリード線304との間の接続部を剥離させる可能性があるか又はこれらに短絡又は他の損傷を生じさせる可能性がある外部情況及び要素から、接点302及びリード線304が保護される。
【0031】
特定の実施形態では、ポリマー306は、リード線304を超えるミクロン範囲の厚さを有し、正確な厚さは、用途に望ましい仕様、例えばデバイスパラメータによって決まる。
【0032】
実質的に平面状のフィルム308が、ポリマー306の表面に施される。フィルム308は、一貫したポリマーの厚さを維持すること、及び基板を含む構成要素の表面と或る表面との間に一貫した距離を提供することを含む、いくつかの利点を提供するが、これに限定はされない。さらに、フィルム308用の組成物の選択が、接点302とリード線304との間の電気接続部の保護にさらなる利益を提供し得る。
【0033】
図3Bを参照すると、電子デバイスの一部の断面図の別の実施形態が示されている。図3Bに示す実施形態では、バリア層310がポリマー306とフィルム308との間に挟まれる。バリア層310は、ポリマー306とフィルム308との間に付加的な水分及び/又はガス拡散バリアを提供する。さらに、バリア層310は、ポリマー306とフィルム308との間の接着を向上させることができる。
【0034】
一部の実施形態では、バリア層310は、ポリマー306にフィルム308を施す前に、フィルム308上に堆積される酸化ケイ素であり得る。他の実施形態では、バリア層310は、多層フィルムであり得る別個のフィルムであってもよく、フィルム308を施す前にポリマー306の表面又はフィルム308の表面に施され得る。さらなる実施形態では、バリア層310は、酸化アルミニウム、ゾルゲル、ポリマー、又は液晶ポリマーから形成されてもよい。バリア層310の厚さは、電子デバイスの所望の仕様に適するように選択することができ、特定の実施形態では、約50オングストローム〜約5ミクロンであり得る。
【0035】
電子デバイスが流体噴射デバイスである特定の実施形態では、ポリマー306、フィルム308、及びバリア層310を合わせた厚さは約100ミクロンである。しかしながら、ポリマー306、フィルム308、及びバリア層310を合わせた厚さは、用途及び設計仕様によって決まり、任意の所望の厚さを有することができる。
【0036】
図3Cを参照すると、電子デバイスの一部の断面図のさらなる実施形態が示されている。図3Cに示す実施形態では、ポリマー306と接触するフィルム308の表面とは反対側のフィルム308の表面に、層312が施される。層312は、結合されたトレースのさらなる保護を提供するバリア層又はペースト接着剤であり得る。
【0037】
図4を参照すると、一実施形態による流体噴射アセンブリの一実施形態の斜視図が示されている。基板キャリア400が、ノズル列404、406、408、410、412、及び414を含む基板402を含む。基板400は、基板400上の流体噴射素子及び他の電子部品を制御及び動作のためにプリンタ等の外部デバイスに結合させるフレキシブル回路416に結合される。基板400の接点がフレキシブル回路416に結合される端部分420に、フィルム418が施される。フィルム418は、図示のように実質的に平面状であり、基板からフィルムまでの均一な表面及び高さを可能にする。したがって、フィルム418の下のエポキシは、フィルムから基板の表面まで均一な深さを有する。
【0038】
図5を参照すると、一実施形態による電子デバイスの一部の断面図が示されている。この実施形態では、ワイヤボンドを利用して接続部が形成される。この実施形態では、電気トレース525が流体噴射体540内に形成されて、さらなる機械的及び周囲の保護を提供する。好ましくは、電気トレース525は、MID技術を利用して形成されるが、FR−4ボード、リードフレーム、フレキシブル回路、及びルーチン方式の組み合わせ等、他の電気トレースルーチン方式を利用することもできる。超音波ボール・ウェッジボンディングが好ましいが、ウェッジ・ウェッジ又はボール・ウェッジ技法と組み合わせた熱圧着又はサーモソニックボンディング等、他のボンディング技術を利用することもできる。この実施形態では、流体チャネル層、基板550、及びボンドパッド550等の構造は、図示し上述したのとほぼ同じ機能を有する。
【0039】
この実施形態では、基板510に形成される流体チャネル519が、流体チャンバ509を充填する流路を提供する。流体エジェクタ515が起動されると、流体エジェクタ515の上の流体がノズル511から噴射される。接着剤552が流体噴射体550の接着剤チャネル556に施されて、基板510に対する流体シールを形成する。機械的支持及び周囲の保護を提供するために、エポキシ等のポリマービード524が定量供給されるため、定量供給されたポリマー524は、電気相互接続部520、ボンドパッド518、及び電気トレース端542を実質的に封入する。上述のように、フィルム528がポリマー524の上に形成される。さらに、フィルム528は、図1及び図2に示す実施形態に関して説明したように、導電体518及び電気相互接続部520の上に形成される。材料、プロセス、及び装置は上述したものとほぼ同じであり得る。
【0040】
図6を参照すると、別の実施形態による電子デバイスの一部の断面図が示されている。図6の簡略断面図では、電子デバイス600が、ボールグリッドアレイ(BGA)と一般に呼ばれるものを形成するはんだボール670への電気相互接続部620のルートの変更を提供するベースフィルム630を含む。構造変更及びこれらの構造への電気相互接続部620の電気接続の細部は、図面を簡略化するために省いてある。誘電体層614及びボンドパッド618が、上述のものと同様の方法で形成される。この実施形態では、電気相互接続部620はワイヤボンドであることが好ましいが、導電性接着剤及び異方性導電性接着剤等、他のボンディング方式を利用することもできる。好ましくは、ベースフィルム630はフレキシブル回路である。しかしながら、FR−4ボード又はセラミックダイキャリア等、電気トレース配線に利用される他の基板を用いることもできる。さらに、ベースフィルム630は、パッケージのフットプリントを小さく保ったまま増加した相互接続部を提供する多層構造でもあり得る。ポリマー624は、カプセルの材料、好ましくはエポキシであるが、いくつかの例を挙げると、ポリカーボネート、ポリイミド、及びベンゾシクロブテン等の他のポリマーを利用することもできる。好ましくは、ポリマー624は、電子パッケージングの技術分野で既知の成形部品に用いられる従来のツーリングを利用して形成される。本明細書で説明したように、フィルム628が成形ポリマー封入剤624の上に形成される。材料、プロセス、及び装置は上述したものとほぼ同じであり得る。
【0041】
図7Aを参照すると、一実施形態による電子デバイスを組み立てる製造プロセスが示されている。電子デバイスが設けられる(ステップ700)。電子デバイスは、そこに形成される1つ又は複数の接点を含む。例えばフレキシブル回路又は他の構造からのリード線が、電子デバイスの接点の1つ又は複数との電気接続部を形成するために設けられる(ステップ702)。続いて、リード線は接点の1つ又は複数と結合される(ステップ704)。結合は、リード線と接点とを接続すること、はんだを用いること、導電性接着剤又はエポキシを用いること、中間導電性材料を設けること、又はそれらの任意の組み合わせによって行うことができる。
【0042】
リード線と接点とを結合した後で、電子デバイスのうちその領域を覆う片側にフィルムが施される(ステップ706)。フィルムは、実質的に平面状であり、結合されたリード線及び接点を保護する保護特性を提供し得る。フィルムは、例えば、一実施形態では、例えば85℃での熱かしめプロセスによって施され得る。他の温度及び構造を適宜利用することができる。
【0043】
フィルムが施された後で、電子デバイスのうちフィルムで覆われていない側からポリマーが設けられる(ステップ708)。ポリマーは、リード線と接点との間の電気接続部を封止及び保護するために設けられ得る。ポリマーを凝固させるために構造が硬化される。適当な硬化方法及び時間は、利用されるポリマー材料に基づいて決まる。
【0044】
図7Bを参照すると、別の実施形態による電子デバイスを組み立てる製造プロセスが図示されている。図7Bに示すプロセスは、フィルムが施される(ステップ714)前に、ポリマーが設けられる(ステップ712)ことを除いて、図7Aと同様である。
【0045】
図7A及び図7Bでは、利用されるフィルムは、ポリマーに近接する側に接着剤又はエポキシを含み得るため、硬化が行われているとき、フィルムと接着剤又はエポキシとの接着を促すために、接着剤又はエポキシがリフローすることができる。
【0046】
図7Cを参照すると、さらなる実施形態による電子デバイスを組み立てる製造プロセスが示されている。図7Cに示すプロセスは、電子デバイスの両側からポリマーが設けられる(ステップ712及び716)ことを除いて、図7Aと同様である。続いて、このように施された後で、これらのうち一方の側からフィルムが施される(ステップ718)。これらの実施形態では、フィルムが施されている側には、概して、フィルムが施されていない側よりも少ない接着剤又はエポキシが設けられる。
【0047】
図7Dを参照すると、さらなる実施形態による電子デバイスを組み立てる製造プロセスが示されている。図7Dに示すプロセスは、フィルムを設ける(ステップ722)前にポリマーが設けられ(ステップ720)、硬化される(ステップ710)ことを除いて、図7Aと同様である。
【0048】
図7Eを参照すると、さらなる実施形態による電子デバイスを組み立てる製造プロセスが示されている。図7Eに示すプロセスは、フィルム形成(732)の前の硬化プロセス730が接着剤の部分的硬化であり、さらなる硬化プロセス734がフィルム形成(732)の後に加えられることを除いて、図7Dと同様である。
【0049】
図7Fを参照すると、さらなる実施形態による電子デバイスを組み立てる製造プロセスが示されている。図7Fに示すプロセスは、フィルムの表面にポリマーが設けられず接着剤コーティングが施されることを除いて、図7Aと同様である。
【0050】
図7A〜図7Fは、電子デバイスにおける接点と、別の回路からのリード線又は独立したリード線との利用を示しているが、電子デバイスは、リード線、ワイヤ、硬質回路、又は他のコネクタを利用してもよい。さらに、フィルムを接着剤に配置して適切に位置合わせするために、工具が利用され得る。フィルム及び基板に適した形状になっている工具を利用して、敷かれたフィルムを電子デバイスの隣接構成要素の高さまで押圧することができる。流体噴射デバイスの場合、この構成要素はベースフィルム230である。
【0051】
図8を参照すると、一実施形態による流体噴射システムの側面図が示されている。流体噴射システム804の流体噴射アセンブリ802と媒体808の下面806との間の距離800が、ペン−紙間隔(PPS)を定める。一部の実施形態では、媒体808はプラテン810によって支持される。流体噴射デバイスがインク又は他の流体を噴射すると、これは印刷区域に供給される。
【0052】
PPS及び媒体808の厚さが、流体噴射アセンブリ802と媒体808の上面812との間の距離800を画定する。流体噴射アセンブリ802と上面812との間の適切な距離を維持することは、できる限り最高の画質を得るのに重要である。
【0053】
通常、プリンタが製造されるときに、PPSは、デフォルト厚を有するデフォルト媒体に基づいた正常値に設定され固定される。それにもかかわらず、流体噴射アセンブリ802と媒体808の上面812との間の距離は、実質的に非平面状のポリマーをリード線の封止に用いること等の製造問題によって変わり得る。そのため、PPSを所望の設計公差よりも大きく設計する必要があり、プリンタごとにノズルPPSレベルが変わり得るため、印刷品質が影響を受け製造コストが増加し得る。本明細書で説明したように、実質的に平面状のフィルムを用いることにより、PPSをプリンタごとに正確に設計及び製造することができるため、印刷品質及び製造歩留まりが向上する。
【0054】
本発明の概念は、構造的特徴及び方法論のステップに特定的な文言で説明されているが、添付の特許請求の範囲は説明された特定の特徴又はステップに限定されないことを理解されたい。むしろ、特定の特徴及びステップは、本発明の概念を実施するのに好ましい形態として開示されている。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】一実施形態による流体噴射アセンブリを示す。
【図2】一実施形態による流体噴射アセンブリの一部の断面図を示す。
【図3A】電子デバイスの一部の断面図の一実施形態を示す。
【図3B】電子デバイスの一部の断面図の別の実施形態を示す。
【図3C】電子デバイスの一部の断面図のさらなる実施形態を示す。
【図4】一実施形態による流体噴射アセンブリの一実施形態の斜視図を示す。
【図5】一実施形態による電気デバイスの一部の断面図を示す。
【図6】別の実施形態による電子デバイスの一部の断面図を示す。
【図7A】電子デバイスを組み立てる製造プロセスの一実施形態のプロセスフローチャートを示す。
【図7B】電子デバイスを組み立てる製造プロセスの一実施形態のプロセスフローチャートを示す。
【図7C】電子デバイスを組み立てる製造プロセスの一実施形態のプロセスフローチャートを示す。
【図7D】電子デバイスを組み立てる製造プロセスの一実施形態のプロセスフローチャートを示す。
【図7E】電子デバイスを組み立てる製造プロセスの一実施形態のプロセスフローチャートを示す。
【図7F】電子デバイスを組み立てる製造プロセスの一実施形態のプロセスフローチャートを示す。
【図8】一実施形態による流体噴射システムの側面図を示す。
【背景技術】
【0001】
電子デバイスの市場では、低コストで高性能であることが望まれ続けている。これらの要件を満たすために、種々の電子デバイスを含む構成要素は、さらに要求される公差、小さなサイズ、又はこれら若しくは他の因子の任意の組み合わせで、信頼性のより高いものにする必要がある。
【0002】
通常、半導体デバイスは、その表面にボンドパッドが形成された半導体ダイを含む。半導体ダイは、ボンディング前に、複数のリード線を有するリードフレームに取り付けられる。続いて、通常は、ダイ、リード線、及びリードフレームの大部分の周りにポリマーが分配又は成形されて、デバイスを封止する。デバイスは、多くの場合、リードフレームのリード線をプリント回路板(PCB)上のパッドにはんだ付けすることによってPCBに電気的に結合される。利用される封止用ポリマーによっては、湿気が原因の電気的短絡、腐食、又は割れによる性能低下及び損傷をもたらす可能性がある。これは、電子デバイスが苛酷な環境で動作しなければならない場合に、さらに大きな問題となる傾向がある。
【0003】
金属又はセラミックパッケージを用いる気密封止は、高度な保護を提供する。しかしながら、その製造プロセスは複雑であり、より高価で大きなサイズのパッケージをもたらすこととなる。利用され得る別の方法は、ウェハ上の能動回路にわたって不動態皮膜を施すことによって、ウェハステージにおいて半導体チップの能動回路を封止することである。しかしながら、このプロセスもなお、後続の処理においてボンドパッドの付近のセラミック状皮膜に損傷を与えることによって、気密封止されないデバイスができる可能性があり、これにより、腐食がチップの信頼性及び寿命に悪影響を及ぼすことを許してしまう。さらに、このプロセスは、ボンドパッド及び電気相互接続部に保護を提供しない。さらに、これらの技術は全ての用途に役立つわけではない。例えば、過去10年にわたって、インクジェットプリンタを用いる印刷技術等の分野において、流体の顕微操作の実質的な開発が行われてきた。このような製品において信頼性の高い電気相互接続部を維持する能力は、流体の腐食性が高まるほど困難になっている。
【0004】
流体噴射デバイスは、過酷な環境で動作する半導体チップへの丈夫な電気相互接続部の提供が望まれる一種の半導体デバイスである。高速且つ正確に流体を定量供給することができる多種多様な高効率の流体噴射デバイスが、現在用いられている。従来、電気相互接続部は、フレキシブル基板から延出する金属リード線を有するフレキシブル回路を用いて作られ、インクジェットチップ上にあるボンドパッドに結合される。結合されたボンドパッド及びビームには、ポリマー封止材が定量供給されてから硬化される。
【0005】
特に、画質の改善が、概してインクジェットインクの有機含有量を増やす、より複雑なインク配合の使用につながっていた。このようなインクを用いると、材料がこれらのインクと接触することによって腐食性のより高い情況が生じる。したがって、これらの腐食性のより高いインクによる電気相互接続部の劣化は、信頼性の高いプリントヘッドを維持するために材料の適合性の問題及び設計問題を引き起こす。
【0006】
流体噴射デバイスを設計するにあたり、流体噴射デバイスのサイズ、例えばプリントヘッドのシリコンダイのサイズを縮小し、その信頼性を高め、且つ流体出力、例えばプリントヘッドにおける印刷品質を高めることが望まれる。
【0007】
本発明の特徴は、添付図面に示されるような以下の本発明の例示的な実施形態の詳細な説明から、当業者には容易に理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1を参照すると、流体噴射アセンブリ102の例示的な一実施形態が、ここではインクジェットカートリッジとして示される。この実施形態では、流体噴射アセンブリ102は、ノズル層106の裏に固定される基板(図示せず)に供給される流体を収容するリザーバ104を含む。ノズル層106は、それを通って流体が噴射される1つ又は複数のオリフィス108を含む。流体噴射デバイス110は、基板(図示せず)、ノズル層106、及びオリフィス108を含む。この例示的な実施形態のフレキシブル回路112は、ポリマーフィルムであり、電気接点116に接続される電気トレース114を含む。電気トレース114は、電気接点116から基板(図示せず)上の電気コネクタ又はボンドパッドまで配線されて、流体噴射アセンブリ102に電気接続を提供する。封止ビード118が、ノズル層106の縁及び基板の縁に沿って定量供給されて、電気トレース114の端部分及び基板上のボンドパッドを封入する。
【0009】
特定の実施形態では、図1に示すように、情報記憶素子120が流体噴射アセンブリ102に配置され得る。好ましくは、情報記憶素子120は、フレキシブル回路112に電気的に結合される。情報記憶素子120は、流体又はエジェクタヘッド110の特性又はパラメータに関し得る情報を記憶及び出力するのに適した任意のタイプのメモリデバイスである。好ましくは、情報記憶素子120は、フレキシブル回路112に実装され、電気トレース124を介して電気接点126に電気的に結合されるメモリチップである。代替的に、情報記憶素子120は、対応する別個の電気トレース及び電気接点とともに自らのパッケージに封止され得る。流体噴射アセンブリ102が挿入されるか又は利用されるとき、情報記憶素子120は、その中に記憶されている情報又はパラメータを用いるために情報記憶素子120と通信するコントローラに電気的に結合される。しかしながら、情報の記憶を可能にするバーコード又は他のデバイス等、他の形態の情報記憶装置を情報記憶素子120として利用することもできる。
【0010】
図1に示す流体噴射アセンブリでは、リザーバ104は、本体128に一体形成されてもよく、又は別個に位置付けられてもよい。
【0011】
図2を参照すると、一実施形態による流体噴射アセンブリの一部の断面図が示されている。基板210は、表面212の上又は中に形成される流体噴射素子215を有する。一実施形態では、流体射出素子215は、射出のためにインクを加熱する抵抗器を利用するが、圧電性物質、フレックステンショナル、音波、及び静電等、他の流体噴射素子を用いることもできる。さらに、基板210は、好ましくは、基板210上に形成されて流体噴射素子215による噴射の切り替え及び制御を行う1つ又は複数のトランジスタ又は他の論理デバイス(図示せず)を含む。しかしながら、トランジスタ又は他の論理デバイスを用いない「直接駆動」構造を利用することもできる。直接駆動用途では、各流体エジェクタがボンドパッドに電気的に接続される。
【0012】
チャンバ層216が流体噴射素子215の流体チャンバ209を形成するため、流体噴射素子215の抵抗器又は他の構造が起動されると、概してチャンバ層216に隣接して位置するノズル211から流体が噴射される。基板210に形成される流体チャネル219が、図1に示すリザーバ104内の流体用の流路を提供して、流体チャンバ209に流体を提供する。
【0013】
図2に示すように、ノズル層217がチャンバ層216の上に形成される。ノズル層217は、金属、ポリマー、ガラス、又はセラミック等の他の適した材料、又はそれらの組み合わせから形成され得る。一実施形態では、感光性のポリマーを用いて、ノズル層217及びチャンバ層216の両方を形成することができる。例えば、感光性ポリイミド、ベンゾシクロブテン、又はエポキシが利用され得る。一実施形態では、ノズル層217及びチャンバ層216は、NANO SU−8という商標でMicroChem Corp.から入手可能なフォトイメージング可能なエポキシから形成される。ポリイミド、ポリエステル、ポリエチレンナフタレート(PEN)、エポキシ、又はポリカーボネート等、他の材料を利用することもできる。さらに、ノズル層217は、金、パラジウム、タンタル、又はロジウムの薄層によって封入されるニッケル系等の金属から形成することもできる。
【0014】
特定の実施形態では、ノズル層217及びチャンバ層216が、流体チャンバ209及びオリフィス211が画定される部分を有する1つだけの層である一体構造として形成されることに留意されたい。
【0015】
誘電体層214が、基板210の少なくとも一部の上に形成されて、1つ又は複数のボンドパッド218に電気的絶縁を提供する。好ましくは、基板210は、シリコンから構成され、その中及び/又は上に形成され得るトランジスタ及び他の論理デバイス(図示せず)を含む。しかしながら、ゲルマニウム、砒化ガリウム、アモルファスシリコン、酸化アルミニウム、ポリシリコン、及び他の材料等の材料を利用することもできる。誘電体層214及びボンドパッド218は、従来の半導体装置を利用して形成され得る。誘電体層214は、好ましくは、各層が約0.05ミクロン〜2.0ミクロンの範囲の厚さを有する、炭化ケイ素及び窒化ケイ素を含む2層構造であり得る。しかしながら、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウムなどの他の材料や、他の厚さを有する他の材料も、特定の用途及び環境因子に応じて利用することができる。
【0016】
一実施形態では、ボンドパッド218には2層構造が利用される。約0.075ミクロン〜約5.0ミクロンの範囲の厚さを有するタンタルから構成される第1の金属層が、誘電体層214の上に堆積される。約0.1ミクロン〜約2.5ミクロンの範囲の厚さを有する金から構成される第2の金属層が、第1の金属層の上に堆積される。しかしながら、アルミニウム及びアルミニウム合金等の他の金属及び金属合金を利用することもできる。さらに、他の厚さを利用することもできる。
【0017】
図2に示すように、フレキシブル回路232は、ベースフィルム230及び電気トレース240を含む。一実施形態では、ベースフィルムは、いくつかの例を挙げると、ポリイミド、ポリエステル、又はポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリマーから形成される。市販のベースフィルム材料の例としては、「Kapton」の商標でE.I.DuPont de Nemours & Co.から入手可能なポリイミドフィルム、及び「Upilex」の商標で宇部興産(日本)から入手可能なポリイミド材料が挙げられる。フレキシブル回路232は、従来のフォトリソグラフィーエッチング、金属付着、金属箔ラミネート、及び電気めっきプロセス等、当該技術分野で既知の技法を利用して形成される。好ましくは、フレキシブル回路232は、オープンリール式の処理装置を用いてテープ形態で処理される。
【0018】
一実施形態では、電気トレース端242及びボンドパッド218は、株式会社新川から市販されているインナーリードボンダ等、従来のTABボンダを利用して接続され得る。ボンダは、ノズル層217の端とベースフィルム230の端との間に形成された開口を通して、電気トレース端242に圧力を加えてトレース端242をボンドパッド218に押し付ける。ボンダは、熱を加えて熱圧着ボンドを形成することにより、電気相互接続部220を形成する。超音波ボンディング、導電性接着剤、はんだペースト、ワイヤボンディング、又は他の電気的ボンディング技術等、他のタイプのボンディングを利用することもできる。
【0019】
機械的支持及び周囲の保護を提供するために、エポキシ等のポリマー224が定量供給されるため、定量供給されたポリマー224は、ボンドパッド218と電気トレース端242との間の接続部を封入する。好ましくは、ポリマー224は、ニードルディスペンサを通して定量供給されて熱又は紫外線(UV)によって硬化されるエポキシペーストである。しかしながら、ポリイミド、ベンゾシクロブテン、ポリアクリレート、ポリノルボルネン、ポリシロキサン、ポリウレタン、フェノール、アネロビクス、シアノアクリレート、ポリスルフィド、合成及び天然ゴム接着剤等、他の材料を利用することもできる。ポリマー224の例としては、3M Inc.から市販されているAHS−735及びAHS−828が挙げられるが、これに限定はされない。
【0020】
フィルム228がポリマー224の上に施される。このフィルムは、有機又は無機の単層又は多層、好ましくはバリアコーティングを有する有機熱可塑性プラスチック又は熱硬化ポリマーであり得る。このフィルム用のポリマーの例としては、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、及びテフロン等のフルオロポリマーが挙げられるが、これに限定はされない。バリアコーティングの例としては、SiO2ガラス、シロキサン単量体由来の柔軟性のあるガラスSiOx、アルミナ酸化物、窒化物、炭化物、ホウ化物、フッ化物等のセラミック、及びそれらの混合物が挙げられるが、これに限定はされない。パラジウム、金、タングステン、アルミニウム、タンタル、クロム、ニッケル、チタン、銅、このような金属の合金等の無機成分も、バリアコーティングとして利用することができる。さらに、バリアは、フィルム内のポリマー層であってもよい。このようなバリアポリマーの例としては、液晶ポリマー、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリ二塩化ビニリデン、ポリエチレンビニルアルコール、ポリエステル、ポリイミド、及びポリアミドが挙げられるが、これに限定はされない。特定の実施形態では、フィルム228の厚さは、約5ミクロン〜約500ミクロン、好ましくは約6ミクロン〜約200ミクロンの範囲であり得る。
【0021】
一部の実施形態では、フィルム228は、表面255上に形成される接着剤を含み得る。この接着剤を利用して、フィルム228に熱が加えられて接着剤をリフローさせたときにポリマー224の少なくとも一部を形成することができる。フィルム228上に形成される接着剤材料は、熱、UV、水分、又はマイクロ波の方法によって硬化される、エポキシ、フェノール成分、アクリル樹脂、ウレタン、アネロビクス、シアノアクリレート、ポリスルフィド、オレフィン、シリコーン、フルオロポリマー、天然及び合成ゴム、ポリイミド、及びポリアミド等の材料から成り得る。接着剤フィルムの例としては、25ミクロンのポリイミド系フィルム上にコーティングされる約50ミクロン厚のエポキシ接着剤が挙げられるが、これに限定はされない。
【0022】
フィルム228は、ポリマー224の上の所定位置に固定されると実質的に平面状になるように施される。実質的に平面状のフィルムの利用は、フィルム228とポリマーが施されている表面との間のポリマー224の高さ又は深さが実質的に均一になることにより、流体噴射デバイス又は任意の他の電子デバイスを厳しい公差及び/又は仕様内で設計することを可能にする。
【0023】
さらに、流体噴射デバイスの場合、実質的に平面状のフィルムをポリマーの表面上で用いることで、流体噴射アセンブリと流体が噴射されている媒体との間の精密な間隔が可能になる。さらに、実質的に平面状のフィルムを用いることで、ノズル領域から拭われてプリントヘッドに分配されるインクが、流体噴射アセンブリに蓄積してアセンブリの損傷を引き起こすことが防止される。
【0024】
また、フィルムの長さ及び幅が正確に決定されてフィルムがアセンブリに正確に位置決めされるため、流体噴射デバイスと基板との間の間隔を狭めることができることによって流体噴射アセンブリの全体サイズを小さくすることができる。製造中に流体噴射デバイス上にポリマーが溢れる可能性が減ることにより、デバイスに形成されるノズルとデバイスの縁との間の間隔を狭めることができるため、流体噴射デバイスのサイズを小さくすることができる可能性もある。
【0025】
さらに、フィルム228はさらなるバリアを提供し、これを用いて、ガス、流体、及び他の汚染物質の拡散によって損傷を受けるか又は性能が低下する可能性のある電子デバイスの部分へのこれらの拡散を減らすことができる。
【0026】
ポリマー224とフィルム228との間の接着は、層228を施す前にポリマー224の表面を前処理することによって調整することができる。例えば、酸素等の反応ガスでのポリマー224及びフィルム228のプラズマ処理又はコロナ放電処理が用いられ得る。しかしながら、レーザ、火炎、化学薬品、又はそれらの組み合わせ等、他の表面処理を利用することもできる。さらに、ポリマー224及びフィルム228への組み込みによって、又は定量供給後にフィルム228の表面又はポリマー224の表面に施すことによって、カップリング剤を利用することもできる。
【0027】
基板210の周縁には接着剤252が定量供給されて、基板210と流体噴射体250との間の取り付け法及び流体シールの両方を提供する。好ましくは、接着剤252は、熱硬化エポキシであるが、ホットメルト、シリコーン、UV硬化型接着剤、及びそれらの混合物等、他の接着剤を利用することもできる。さらに、接着剤のビードを定量供給するのと対照的に、パターン接着剤フィルムを流体噴射体250又は基板210に配置してもよい。
【0028】
流体噴射体250にはカバー層244が熱かしめされて、フレキシブル回路232(図2に示す)を流体噴射体250に取り付ける接着機能を提供するとともに、電気トレース240の周辺の保護を提供する。好ましくは、カバー層244は、37.5ミクロンのエチルビニルアセテート(EVA)、12.5ミクロンのポリエチレンテレフタレート(PET)層、及び37.5ミクロンのエチルビニルアセテート層の3層積層板である。EVAは、加熱するとリフローして流体噴射体250に結合する熱可塑性材料である。PETフィルムは、伸びすぎることなく、カバー層244の機械的パンチング及びハンドリングを可能にするキャリア層としての役割を果たす。用途によっては、単層フィルムを利用することもできる。単層フィルムは、特に、EVA、ポリオレフィン、又はアクリル酸コポリマーの単層から構成されてもよい。
【0029】
一部の実施形態では、電子デバイスの上方から見た場合に実質的に凹状の形状を有するフィルムを形成することが可能であることに留意されたい。このような場合、フィルム228の外側に面した表面の一部は、ノズル層217の外側に面した表面よりも下にあり得る。これは、フィルム228を施した後での接着剤の硬化プロセスによって形成することができるが、これは、接着剤が硬化中に部分的に液化したときのフィルム上の接着剤の表面張力によってもたらされ得る。
【0030】
図3Aを参照すると、電子デバイスの一部の断面図の一実施形態が示されている。接点302が基板300の一部の上に、又は一部として形成され、これらはそれぞれボンドパッド及び基板であり得る。接点302は、フレキシブル回路又は他の構造に結合され得るリード線304に電気的に結合される。一部の実施形態では、接点302は、リード線304に電気的に結合されるだけでなく物理的にも結合される。図2に関して例を説明したようなペースト接着剤又はエポキシ等のポリマー306を利用して、接点302とリード線304との間の導電領域の少なくとも一部が封止される。ポリマー306を用いることで、接点302とリード線304との間の接続部を剥離させる可能性があるか又はこれらに短絡又は他の損傷を生じさせる可能性がある外部情況及び要素から、接点302及びリード線304が保護される。
【0031】
特定の実施形態では、ポリマー306は、リード線304を超えるミクロン範囲の厚さを有し、正確な厚さは、用途に望ましい仕様、例えばデバイスパラメータによって決まる。
【0032】
実質的に平面状のフィルム308が、ポリマー306の表面に施される。フィルム308は、一貫したポリマーの厚さを維持すること、及び基板を含む構成要素の表面と或る表面との間に一貫した距離を提供することを含む、いくつかの利点を提供するが、これに限定はされない。さらに、フィルム308用の組成物の選択が、接点302とリード線304との間の電気接続部の保護にさらなる利益を提供し得る。
【0033】
図3Bを参照すると、電子デバイスの一部の断面図の別の実施形態が示されている。図3Bに示す実施形態では、バリア層310がポリマー306とフィルム308との間に挟まれる。バリア層310は、ポリマー306とフィルム308との間に付加的な水分及び/又はガス拡散バリアを提供する。さらに、バリア層310は、ポリマー306とフィルム308との間の接着を向上させることができる。
【0034】
一部の実施形態では、バリア層310は、ポリマー306にフィルム308を施す前に、フィルム308上に堆積される酸化ケイ素であり得る。他の実施形態では、バリア層310は、多層フィルムであり得る別個のフィルムであってもよく、フィルム308を施す前にポリマー306の表面又はフィルム308の表面に施され得る。さらなる実施形態では、バリア層310は、酸化アルミニウム、ゾルゲル、ポリマー、又は液晶ポリマーから形成されてもよい。バリア層310の厚さは、電子デバイスの所望の仕様に適するように選択することができ、特定の実施形態では、約50オングストローム〜約5ミクロンであり得る。
【0035】
電子デバイスが流体噴射デバイスである特定の実施形態では、ポリマー306、フィルム308、及びバリア層310を合わせた厚さは約100ミクロンである。しかしながら、ポリマー306、フィルム308、及びバリア層310を合わせた厚さは、用途及び設計仕様によって決まり、任意の所望の厚さを有することができる。
【0036】
図3Cを参照すると、電子デバイスの一部の断面図のさらなる実施形態が示されている。図3Cに示す実施形態では、ポリマー306と接触するフィルム308の表面とは反対側のフィルム308の表面に、層312が施される。層312は、結合されたトレースのさらなる保護を提供するバリア層又はペースト接着剤であり得る。
【0037】
図4を参照すると、一実施形態による流体噴射アセンブリの一実施形態の斜視図が示されている。基板キャリア400が、ノズル列404、406、408、410、412、及び414を含む基板402を含む。基板400は、基板400上の流体噴射素子及び他の電子部品を制御及び動作のためにプリンタ等の外部デバイスに結合させるフレキシブル回路416に結合される。基板400の接点がフレキシブル回路416に結合される端部分420に、フィルム418が施される。フィルム418は、図示のように実質的に平面状であり、基板からフィルムまでの均一な表面及び高さを可能にする。したがって、フィルム418の下のエポキシは、フィルムから基板の表面まで均一な深さを有する。
【0038】
図5を参照すると、一実施形態による電子デバイスの一部の断面図が示されている。この実施形態では、ワイヤボンドを利用して接続部が形成される。この実施形態では、電気トレース525が流体噴射体540内に形成されて、さらなる機械的及び周囲の保護を提供する。好ましくは、電気トレース525は、MID技術を利用して形成されるが、FR−4ボード、リードフレーム、フレキシブル回路、及びルーチン方式の組み合わせ等、他の電気トレースルーチン方式を利用することもできる。超音波ボール・ウェッジボンディングが好ましいが、ウェッジ・ウェッジ又はボール・ウェッジ技法と組み合わせた熱圧着又はサーモソニックボンディング等、他のボンディング技術を利用することもできる。この実施形態では、流体チャネル層、基板550、及びボンドパッド550等の構造は、図示し上述したのとほぼ同じ機能を有する。
【0039】
この実施形態では、基板510に形成される流体チャネル519が、流体チャンバ509を充填する流路を提供する。流体エジェクタ515が起動されると、流体エジェクタ515の上の流体がノズル511から噴射される。接着剤552が流体噴射体550の接着剤チャネル556に施されて、基板510に対する流体シールを形成する。機械的支持及び周囲の保護を提供するために、エポキシ等のポリマービード524が定量供給されるため、定量供給されたポリマー524は、電気相互接続部520、ボンドパッド518、及び電気トレース端542を実質的に封入する。上述のように、フィルム528がポリマー524の上に形成される。さらに、フィルム528は、図1及び図2に示す実施形態に関して説明したように、導電体518及び電気相互接続部520の上に形成される。材料、プロセス、及び装置は上述したものとほぼ同じであり得る。
【0040】
図6を参照すると、別の実施形態による電子デバイスの一部の断面図が示されている。図6の簡略断面図では、電子デバイス600が、ボールグリッドアレイ(BGA)と一般に呼ばれるものを形成するはんだボール670への電気相互接続部620のルートの変更を提供するベースフィルム630を含む。構造変更及びこれらの構造への電気相互接続部620の電気接続の細部は、図面を簡略化するために省いてある。誘電体層614及びボンドパッド618が、上述のものと同様の方法で形成される。この実施形態では、電気相互接続部620はワイヤボンドであることが好ましいが、導電性接着剤及び異方性導電性接着剤等、他のボンディング方式を利用することもできる。好ましくは、ベースフィルム630はフレキシブル回路である。しかしながら、FR−4ボード又はセラミックダイキャリア等、電気トレース配線に利用される他の基板を用いることもできる。さらに、ベースフィルム630は、パッケージのフットプリントを小さく保ったまま増加した相互接続部を提供する多層構造でもあり得る。ポリマー624は、カプセルの材料、好ましくはエポキシであるが、いくつかの例を挙げると、ポリカーボネート、ポリイミド、及びベンゾシクロブテン等の他のポリマーを利用することもできる。好ましくは、ポリマー624は、電子パッケージングの技術分野で既知の成形部品に用いられる従来のツーリングを利用して形成される。本明細書で説明したように、フィルム628が成形ポリマー封入剤624の上に形成される。材料、プロセス、及び装置は上述したものとほぼ同じであり得る。
【0041】
図7Aを参照すると、一実施形態による電子デバイスを組み立てる製造プロセスが示されている。電子デバイスが設けられる(ステップ700)。電子デバイスは、そこに形成される1つ又は複数の接点を含む。例えばフレキシブル回路又は他の構造からのリード線が、電子デバイスの接点の1つ又は複数との電気接続部を形成するために設けられる(ステップ702)。続いて、リード線は接点の1つ又は複数と結合される(ステップ704)。結合は、リード線と接点とを接続すること、はんだを用いること、導電性接着剤又はエポキシを用いること、中間導電性材料を設けること、又はそれらの任意の組み合わせによって行うことができる。
【0042】
リード線と接点とを結合した後で、電子デバイスのうちその領域を覆う片側にフィルムが施される(ステップ706)。フィルムは、実質的に平面状であり、結合されたリード線及び接点を保護する保護特性を提供し得る。フィルムは、例えば、一実施形態では、例えば85℃での熱かしめプロセスによって施され得る。他の温度及び構造を適宜利用することができる。
【0043】
フィルムが施された後で、電子デバイスのうちフィルムで覆われていない側からポリマーが設けられる(ステップ708)。ポリマーは、リード線と接点との間の電気接続部を封止及び保護するために設けられ得る。ポリマーを凝固させるために構造が硬化される。適当な硬化方法及び時間は、利用されるポリマー材料に基づいて決まる。
【0044】
図7Bを参照すると、別の実施形態による電子デバイスを組み立てる製造プロセスが図示されている。図7Bに示すプロセスは、フィルムが施される(ステップ714)前に、ポリマーが設けられる(ステップ712)ことを除いて、図7Aと同様である。
【0045】
図7A及び図7Bでは、利用されるフィルムは、ポリマーに近接する側に接着剤又はエポキシを含み得るため、硬化が行われているとき、フィルムと接着剤又はエポキシとの接着を促すために、接着剤又はエポキシがリフローすることができる。
【0046】
図7Cを参照すると、さらなる実施形態による電子デバイスを組み立てる製造プロセスが示されている。図7Cに示すプロセスは、電子デバイスの両側からポリマーが設けられる(ステップ712及び716)ことを除いて、図7Aと同様である。続いて、このように施された後で、これらのうち一方の側からフィルムが施される(ステップ718)。これらの実施形態では、フィルムが施されている側には、概して、フィルムが施されていない側よりも少ない接着剤又はエポキシが設けられる。
【0047】
図7Dを参照すると、さらなる実施形態による電子デバイスを組み立てる製造プロセスが示されている。図7Dに示すプロセスは、フィルムを設ける(ステップ722)前にポリマーが設けられ(ステップ720)、硬化される(ステップ710)ことを除いて、図7Aと同様である。
【0048】
図7Eを参照すると、さらなる実施形態による電子デバイスを組み立てる製造プロセスが示されている。図7Eに示すプロセスは、フィルム形成(732)の前の硬化プロセス730が接着剤の部分的硬化であり、さらなる硬化プロセス734がフィルム形成(732)の後に加えられることを除いて、図7Dと同様である。
【0049】
図7Fを参照すると、さらなる実施形態による電子デバイスを組み立てる製造プロセスが示されている。図7Fに示すプロセスは、フィルムの表面にポリマーが設けられず接着剤コーティングが施されることを除いて、図7Aと同様である。
【0050】
図7A〜図7Fは、電子デバイスにおける接点と、別の回路からのリード線又は独立したリード線との利用を示しているが、電子デバイスは、リード線、ワイヤ、硬質回路、又は他のコネクタを利用してもよい。さらに、フィルムを接着剤に配置して適切に位置合わせするために、工具が利用され得る。フィルム及び基板に適した形状になっている工具を利用して、敷かれたフィルムを電子デバイスの隣接構成要素の高さまで押圧することができる。流体噴射デバイスの場合、この構成要素はベースフィルム230である。
【0051】
図8を参照すると、一実施形態による流体噴射システムの側面図が示されている。流体噴射システム804の流体噴射アセンブリ802と媒体808の下面806との間の距離800が、ペン−紙間隔(PPS)を定める。一部の実施形態では、媒体808はプラテン810によって支持される。流体噴射デバイスがインク又は他の流体を噴射すると、これは印刷区域に供給される。
【0052】
PPS及び媒体808の厚さが、流体噴射アセンブリ802と媒体808の上面812との間の距離800を画定する。流体噴射アセンブリ802と上面812との間の適切な距離を維持することは、できる限り最高の画質を得るのに重要である。
【0053】
通常、プリンタが製造されるときに、PPSは、デフォルト厚を有するデフォルト媒体に基づいた正常値に設定され固定される。それにもかかわらず、流体噴射アセンブリ802と媒体808の上面812との間の距離は、実質的に非平面状のポリマーをリード線の封止に用いること等の製造問題によって変わり得る。そのため、PPSを所望の設計公差よりも大きく設計する必要があり、プリンタごとにノズルPPSレベルが変わり得るため、印刷品質が影響を受け製造コストが増加し得る。本明細書で説明したように、実質的に平面状のフィルムを用いることにより、PPSをプリンタごとに正確に設計及び製造することができるため、印刷品質及び製造歩留まりが向上する。
【0054】
本発明の概念は、構造的特徴及び方法論のステップに特定的な文言で説明されているが、添付の特許請求の範囲は説明された特定の特徴又はステップに限定されないことを理解されたい。むしろ、特定の特徴及びステップは、本発明の概念を実施するのに好ましい形態として開示されている。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】一実施形態による流体噴射アセンブリを示す。
【図2】一実施形態による流体噴射アセンブリの一部の断面図を示す。
【図3A】電子デバイスの一部の断面図の一実施形態を示す。
【図3B】電子デバイスの一部の断面図の別の実施形態を示す。
【図3C】電子デバイスの一部の断面図のさらなる実施形態を示す。
【図4】一実施形態による流体噴射アセンブリの一実施形態の斜視図を示す。
【図5】一実施形態による電気デバイスの一部の断面図を示す。
【図6】別の実施形態による電子デバイスの一部の断面図を示す。
【図7A】電子デバイスを組み立てる製造プロセスの一実施形態のプロセスフローチャートを示す。
【図7B】電子デバイスを組み立てる製造プロセスの一実施形態のプロセスフローチャートを示す。
【図7C】電子デバイスを組み立てる製造プロセスの一実施形態のプロセスフローチャートを示す。
【図7D】電子デバイスを組み立てる製造プロセスの一実施形態のプロセスフローチャートを示す。
【図7E】電子デバイスを組み立てる製造プロセスの一実施形態のプロセスフローチャートを示す。
【図7F】電子デバイスを組み立てる製造プロセスの一実施形態のプロセスフローチャートを示す。
【図8】一実施形態による流体噴射システムの側面図を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に配置される電気接点と、
前記電気接点に電気的に結合されるリード線と、
前記電気接点を封入するポリマーと、
前記電気接点の上に配置されて前記ポリマーと接触する第1のフィルムと、
前記第1のフィルムの上に配置される第2のフィルムとを備えることを特徴とする電子デバイス。
【請求項2】
前記第1のフィルムはバリア層により構成されることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項3】
前記バリア層は、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、ゾルゲル、又はポリマーから成る群より選択されることを特徴とする請求項2に記載の電子デバイス。
【請求項4】
前記バリア層は、約50オングストロームから50ミクロンの間の厚さを有することを特徴とする請求項2に記載の電子デバイス。
【請求項5】
前記第2のフィルムは、約5ミクロンから500ミクロンの間の厚さを有することを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項6】
前記第2のフィルムは、ポリエステル、ポリイミド、ポリオレフィン、及びポリナフタレートから成る群より選択されることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項7】
前記第2のフィルムは多層構造であることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項8】
前記多層構造の層は、ポリマー、ガラス、セラミック、及び金属から成る群より選択されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ポリマーは、前記第1のフィルムに取り付けられる接着剤の層であることを特徴とする請求項8に記載の電子デバイス。
【請求項10】
前記ポリマーは、ペースト接着剤又はエポキシの一方であることを特徴とする請求項8に記載の電子デバイス。
【請求項11】
前記ポリマーは、ペースト接着剤又はエポキシの一方であることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項12】
前記リード線はワイヤであることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項13】
前記第1のフィルム及び前記第2のフィルムは実質的に平面状であることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項14】
前記基板は流体噴射デバイスであることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項15】
前記リード線はフレキシブル回路に結合されることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項16】
前記リード線は硬質回路に結合されることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項17】
基板と、
前記基板上に配置される電気接点と、
前記電気接点に電気的に結合されるリード線と、
前記電気接点を封入するポリマーと、
前記電気接点の上に配置される実質的に平面状のフィルムとを備えることを特徴とする電子デバイス。
【請求項18】
前記実質的に平面状のフィルムは、ポリエステル、ポリイミド、ポリオレフィン、及びポリナフタレートから成る群より選択されることを特徴とする請求項17に記載の電子デバイス。
【請求項19】
前記実質的に平面状のフィルムは多層構造であることを特徴とする請求項18に記載の電子デバイス。
【請求項20】
前記実質的に平面状のフィルムの層は、ポリマー、ガラス、セラミック、及び金属から成る群より選択されることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記実質的に平面状のフィルムと前記ポリマーとの間に配置されるバリア層をさらに備えることを特徴とする請求項19に記載の電子デバイス。
【請求項22】
前記バリアは、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、軟質の酸化ケイ素(SiOx)、ゾルゲル、及びポリマーから成る群より選択されることを特徴とする請求項21に記載の電子デバイス。
【請求項23】
前記バリア層は、約50オングストロームから50ミクロンの間の厚さを有することを特徴とする請求項21に記載の電子デバイス。
【請求項24】
前記実質的に平面状のフィルムは、約5ミクロンから500ミクロンの間の厚さを有することを特徴とする請求項17に記載の電子デバイス。
【請求項25】
前記ポリマーは、ペースト接着剤又はエポキシの一方であることを特徴とする請求項17に記載の電子デバイス。
【請求項26】
前記リード線はワイヤであることを特徴とする請求項17に記載の電子デバイス。
【請求項27】
前記基板は流体噴射デバイスであることを特徴とする請求項17に記載の電子デバイス。
【請求項28】
前記実質的に平面状のフィルムは、前記電気接点の上に配置される第1の側、及び第2の側を備え、前記第2の側は、前記第1の側の実質的に反対側にあり、接着剤が前記第2の側の少なくとも一部の上に配置されることを特徴とする請求項17に記載の電子デバイス。
【請求項29】
前記リード線はフレキシブル回路に結合されることを特徴とする請求項17に記載の電子デバイス。
【請求項30】
前記リード線は硬質回路に結合されることを特徴とする請求項17に記載の電子デバイス。
【請求項31】
前記ポリマーは、前記実質的に平面状のフィルムに取り付けられる接着剤の層であることを特徴とする請求項17に記載の電子デバイス。
【請求項32】
基板であって、その上に配置される少なくとも1つの抵抗器、前記基板の少なくとも一部の上に配置される誘電体層、及び前記誘電体層と接触し且つ前記少なくとも1つの抵抗器に電気的に結合される電気接点を含む基板と、
前記電気接点に電気的に結合される電気トレースを含む基板キャリアと、
前記電気接点を封入するポリマーと、
前記電気接点の上に配置される実質的に平面状のフィルムとを備えることを特徴とする電子デバイス。
【請求項33】
前記実質的に平面状のフィルムは、ポリエステル、ポリイミド、ポリオレフィン、及びポリナフタレートから成る群より選択されることを特徴とする請求項32に記載の電子デバイス。
【請求項34】
前記実質的に平面状のフィルムと前記ポリマーとの間に配置されるバリア層をさらに備えることを特徴とする請求項32に記載の電子デバイス。
【請求項35】
前記バリアは、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、ゾルゲル、又はポリマーから成る群より選択されることを特徴とする請求項34に記載の電子デバイス。
【請求項36】
前記バリア層は、約50オングストロームから50ミクロンの間の厚さを有することを特徴とする請求項34に記載の電子デバイス。
【請求項37】
前記実質的に平面状のフィルムは、約5ミクロンから500ミクロンの間の厚さを有することを特徴とする請求項32に記載の電子デバイス。
【請求項38】
前記ポリマーは、ペースト接着剤又はエポキシの一方であることを特徴とする請求項32に記載の電子デバイス。
【請求項39】
前記実質的に平面状のフィルムは、前記電気接点の上に配置される第1の側、及び第2の側を備え、前記第2の側は、前記第1の側の実質的に反対側にあり、接着剤が前記第2の側の少なくとも一部の上に配置されることを特徴とする請求項32に記載の電子デバイス。
【請求項40】
前記基板キャリアは、ポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエステルナフタレンフィルム、又はそれらの組み合わせより成る群から選択されることを特徴とする請求項32に記載の電子デバイス。
【請求項41】
前記基板キャリアは、ポリイミド、ポリエステル、ポリエステルナフタレン、又はそれらの混合物から成る群より選択されることを特徴とする請求項32に記載の電子デバイス。
【請求項42】
前記リード線はフレキシブル回路に結合されることを特徴とする請求項32に記載の電子デバイス。
【請求項43】
前記リード線は硬質回路に結合されることを特徴とする請求項32に記載の電子デバイス。
【請求項44】
前記ポリマーは、前記実質的に平面状のフィルムに取り付けられる接着剤の層であることを特徴とする請求項32に記載の電子デバイス。
【請求項45】
電気接点を含む基板を設けることと、
リード線を設けることと、
前記リード線の少なくとも一部を前記電気接点に結合することと、
結合された前記リード線及び前記電気接点の少なくとも一部分を封止することと、
前記基板の上にフィルムを施すことであって、それにより、結合された前記リード線及び前記電気接点の少なくとも一部分が前記フィルムで覆われる、フィルムを施すこととを含むことを特徴とする接点を形成する方法。
【請求項46】
前記フィルムを施すことは、前記基板にフィルムを熱かしめることを含むことを特徴とする請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記フィルムを施すことは、結合された前記リード線及び前記電気接点の前記少なくとも一部分を封止する前に、前記基板の上に前記フィルムを施すことを含むことを特徴とする請求項45に記載の方法。
【請求項48】
前記フィルムを施すことは、結合された前記リード線及び前記電気接点の前記少なくとも一部分を封止した後に、前記基板の上に前記フィルムを施すことを含むことを特徴とする請求項47に記載の方法。
【請求項49】
封止することは、前記基板の第1の側に実質的に隣接する場所からポリマーを設けることを含み、前記フィルムを施すことは、前記第1の側の実質的に反対側にある前記基板の第2の側に隣接する場所から前記フィルムを設けることを含むことを特徴とする請求項45に記載の方法。
【請求項50】
封止することは、前記基板の第1の側に実質的に隣接する場所からポリマーを設けること、及び前記第1の側の実質的に反対側にある前記基板の第2の側に隣接する場所から前記ポリマーを設けることを含むことを特徴とする請求項45に記載の方法。
【請求項51】
前記第1の側に実質的に隣接する場所から設けられる前記ポリマーの量は、前記第2の側に実質的に隣接する場所から設けられる前記ポリマーの量よりも多いことを特徴とする請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記フィルムは接着剤部分を備え、前記少なくとも一部分を封止することは、前記接着剤をリフローさせて前記少なくとも一部分を封止するように、前記フィルムを加熱することを含むことを特徴とする請求項45に記載の方法。
【請求項53】
封止することは、ポリマーを設けることを含み、前記方法は、前記ポリマーを硬化させることをさらに含むことを特徴とする請求項45に記載の方法。
【請求項54】
前記ポリマーを硬化させることは、前記フィルムを施した後で行われることを特徴とする請求項53に記載の接点を形成する方法。
【請求項55】
前記ポリマーを硬化させることは、前記フィルムを施す前に行われることを特徴とする請求項53に記載の方法。
【請求項56】
前記ポリマーを硬化させることは、前記フィルムを施す前に前記ポリマーを部分的に硬化させること、及び続いて前記フィルムを施した後で前記ポリマーの硬化を完了することを含むことを特徴とする請求項53に記載の方法。
【請求項57】
前記フィルムは、前記電気接点の上に配置される第1の側と、前記第1の側の実質的に反対側の第2の側とを備え、前記方法は、前記第2の側の少なくとも一部分に接着剤を設けることをさらに含むことを特徴とする請求項45に記載の方法。
【請求項58】
電気接点を含む基板を設けることと、
リード線を設けることと、
前記リード線の少なくとも一部を前記電気接点に結合することと、
前記基板の上にフィルムを施すことであって、それにより、結合された前記リード線及び前記電気接点の少なくとも一部分が前記フィルムで覆われる、フィルムを施すこととを含むことを特徴とする接点を形成する方法。
【請求項59】
前記フィルムは、その表面に施される接着剤コーティングを含むことを特徴とする請求項58に記載の方法。
【請求項1】
基板と、
前記基板上に配置される電気接点と、
前記電気接点に電気的に結合されるリード線と、
前記電気接点を封入するポリマーと、
前記電気接点の上に配置されて前記ポリマーと接触する第1のフィルムと、
前記第1のフィルムの上に配置される第2のフィルムとを備えることを特徴とする電子デバイス。
【請求項2】
前記第1のフィルムはバリア層により構成されることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項3】
前記バリア層は、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、ゾルゲル、又はポリマーから成る群より選択されることを特徴とする請求項2に記載の電子デバイス。
【請求項4】
前記バリア層は、約50オングストロームから50ミクロンの間の厚さを有することを特徴とする請求項2に記載の電子デバイス。
【請求項5】
前記第2のフィルムは、約5ミクロンから500ミクロンの間の厚さを有することを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項6】
前記第2のフィルムは、ポリエステル、ポリイミド、ポリオレフィン、及びポリナフタレートから成る群より選択されることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項7】
前記第2のフィルムは多層構造であることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項8】
前記多層構造の層は、ポリマー、ガラス、セラミック、及び金属から成る群より選択されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ポリマーは、前記第1のフィルムに取り付けられる接着剤の層であることを特徴とする請求項8に記載の電子デバイス。
【請求項10】
前記ポリマーは、ペースト接着剤又はエポキシの一方であることを特徴とする請求項8に記載の電子デバイス。
【請求項11】
前記ポリマーは、ペースト接着剤又はエポキシの一方であることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項12】
前記リード線はワイヤであることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項13】
前記第1のフィルム及び前記第2のフィルムは実質的に平面状であることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項14】
前記基板は流体噴射デバイスであることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項15】
前記リード線はフレキシブル回路に結合されることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項16】
前記リード線は硬質回路に結合されることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項17】
基板と、
前記基板上に配置される電気接点と、
前記電気接点に電気的に結合されるリード線と、
前記電気接点を封入するポリマーと、
前記電気接点の上に配置される実質的に平面状のフィルムとを備えることを特徴とする電子デバイス。
【請求項18】
前記実質的に平面状のフィルムは、ポリエステル、ポリイミド、ポリオレフィン、及びポリナフタレートから成る群より選択されることを特徴とする請求項17に記載の電子デバイス。
【請求項19】
前記実質的に平面状のフィルムは多層構造であることを特徴とする請求項18に記載の電子デバイス。
【請求項20】
前記実質的に平面状のフィルムの層は、ポリマー、ガラス、セラミック、及び金属から成る群より選択されることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記実質的に平面状のフィルムと前記ポリマーとの間に配置されるバリア層をさらに備えることを特徴とする請求項19に記載の電子デバイス。
【請求項22】
前記バリアは、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、軟質の酸化ケイ素(SiOx)、ゾルゲル、及びポリマーから成る群より選択されることを特徴とする請求項21に記載の電子デバイス。
【請求項23】
前記バリア層は、約50オングストロームから50ミクロンの間の厚さを有することを特徴とする請求項21に記載の電子デバイス。
【請求項24】
前記実質的に平面状のフィルムは、約5ミクロンから500ミクロンの間の厚さを有することを特徴とする請求項17に記載の電子デバイス。
【請求項25】
前記ポリマーは、ペースト接着剤又はエポキシの一方であることを特徴とする請求項17に記載の電子デバイス。
【請求項26】
前記リード線はワイヤであることを特徴とする請求項17に記載の電子デバイス。
【請求項27】
前記基板は流体噴射デバイスであることを特徴とする請求項17に記載の電子デバイス。
【請求項28】
前記実質的に平面状のフィルムは、前記電気接点の上に配置される第1の側、及び第2の側を備え、前記第2の側は、前記第1の側の実質的に反対側にあり、接着剤が前記第2の側の少なくとも一部の上に配置されることを特徴とする請求項17に記載の電子デバイス。
【請求項29】
前記リード線はフレキシブル回路に結合されることを特徴とする請求項17に記載の電子デバイス。
【請求項30】
前記リード線は硬質回路に結合されることを特徴とする請求項17に記載の電子デバイス。
【請求項31】
前記ポリマーは、前記実質的に平面状のフィルムに取り付けられる接着剤の層であることを特徴とする請求項17に記載の電子デバイス。
【請求項32】
基板であって、その上に配置される少なくとも1つの抵抗器、前記基板の少なくとも一部の上に配置される誘電体層、及び前記誘電体層と接触し且つ前記少なくとも1つの抵抗器に電気的に結合される電気接点を含む基板と、
前記電気接点に電気的に結合される電気トレースを含む基板キャリアと、
前記電気接点を封入するポリマーと、
前記電気接点の上に配置される実質的に平面状のフィルムとを備えることを特徴とする電子デバイス。
【請求項33】
前記実質的に平面状のフィルムは、ポリエステル、ポリイミド、ポリオレフィン、及びポリナフタレートから成る群より選択されることを特徴とする請求項32に記載の電子デバイス。
【請求項34】
前記実質的に平面状のフィルムと前記ポリマーとの間に配置されるバリア層をさらに備えることを特徴とする請求項32に記載の電子デバイス。
【請求項35】
前記バリアは、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、ゾルゲル、又はポリマーから成る群より選択されることを特徴とする請求項34に記載の電子デバイス。
【請求項36】
前記バリア層は、約50オングストロームから50ミクロンの間の厚さを有することを特徴とする請求項34に記載の電子デバイス。
【請求項37】
前記実質的に平面状のフィルムは、約5ミクロンから500ミクロンの間の厚さを有することを特徴とする請求項32に記載の電子デバイス。
【請求項38】
前記ポリマーは、ペースト接着剤又はエポキシの一方であることを特徴とする請求項32に記載の電子デバイス。
【請求項39】
前記実質的に平面状のフィルムは、前記電気接点の上に配置される第1の側、及び第2の側を備え、前記第2の側は、前記第1の側の実質的に反対側にあり、接着剤が前記第2の側の少なくとも一部の上に配置されることを特徴とする請求項32に記載の電子デバイス。
【請求項40】
前記基板キャリアは、ポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエステルナフタレンフィルム、又はそれらの組み合わせより成る群から選択されることを特徴とする請求項32に記載の電子デバイス。
【請求項41】
前記基板キャリアは、ポリイミド、ポリエステル、ポリエステルナフタレン、又はそれらの混合物から成る群より選択されることを特徴とする請求項32に記載の電子デバイス。
【請求項42】
前記リード線はフレキシブル回路に結合されることを特徴とする請求項32に記載の電子デバイス。
【請求項43】
前記リード線は硬質回路に結合されることを特徴とする請求項32に記載の電子デバイス。
【請求項44】
前記ポリマーは、前記実質的に平面状のフィルムに取り付けられる接着剤の層であることを特徴とする請求項32に記載の電子デバイス。
【請求項45】
電気接点を含む基板を設けることと、
リード線を設けることと、
前記リード線の少なくとも一部を前記電気接点に結合することと、
結合された前記リード線及び前記電気接点の少なくとも一部分を封止することと、
前記基板の上にフィルムを施すことであって、それにより、結合された前記リード線及び前記電気接点の少なくとも一部分が前記フィルムで覆われる、フィルムを施すこととを含むことを特徴とする接点を形成する方法。
【請求項46】
前記フィルムを施すことは、前記基板にフィルムを熱かしめることを含むことを特徴とする請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記フィルムを施すことは、結合された前記リード線及び前記電気接点の前記少なくとも一部分を封止する前に、前記基板の上に前記フィルムを施すことを含むことを特徴とする請求項45に記載の方法。
【請求項48】
前記フィルムを施すことは、結合された前記リード線及び前記電気接点の前記少なくとも一部分を封止した後に、前記基板の上に前記フィルムを施すことを含むことを特徴とする請求項47に記載の方法。
【請求項49】
封止することは、前記基板の第1の側に実質的に隣接する場所からポリマーを設けることを含み、前記フィルムを施すことは、前記第1の側の実質的に反対側にある前記基板の第2の側に隣接する場所から前記フィルムを設けることを含むことを特徴とする請求項45に記載の方法。
【請求項50】
封止することは、前記基板の第1の側に実質的に隣接する場所からポリマーを設けること、及び前記第1の側の実質的に反対側にある前記基板の第2の側に隣接する場所から前記ポリマーを設けることを含むことを特徴とする請求項45に記載の方法。
【請求項51】
前記第1の側に実質的に隣接する場所から設けられる前記ポリマーの量は、前記第2の側に実質的に隣接する場所から設けられる前記ポリマーの量よりも多いことを特徴とする請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記フィルムは接着剤部分を備え、前記少なくとも一部分を封止することは、前記接着剤をリフローさせて前記少なくとも一部分を封止するように、前記フィルムを加熱することを含むことを特徴とする請求項45に記載の方法。
【請求項53】
封止することは、ポリマーを設けることを含み、前記方法は、前記ポリマーを硬化させることをさらに含むことを特徴とする請求項45に記載の方法。
【請求項54】
前記ポリマーを硬化させることは、前記フィルムを施した後で行われることを特徴とする請求項53に記載の接点を形成する方法。
【請求項55】
前記ポリマーを硬化させることは、前記フィルムを施す前に行われることを特徴とする請求項53に記載の方法。
【請求項56】
前記ポリマーを硬化させることは、前記フィルムを施す前に前記ポリマーを部分的に硬化させること、及び続いて前記フィルムを施した後で前記ポリマーの硬化を完了することを含むことを特徴とする請求項53に記載の方法。
【請求項57】
前記フィルムは、前記電気接点の上に配置される第1の側と、前記第1の側の実質的に反対側の第2の側とを備え、前記方法は、前記第2の側の少なくとも一部分に接着剤を設けることをさらに含むことを特徴とする請求項45に記載の方法。
【請求項58】
電気接点を含む基板を設けることと、
リード線を設けることと、
前記リード線の少なくとも一部を前記電気接点に結合することと、
前記基板の上にフィルムを施すことであって、それにより、結合された前記リード線及び前記電気接点の少なくとも一部分が前記フィルムで覆われる、フィルムを施すこととを含むことを特徴とする接点を形成する方法。
【請求項59】
前記フィルムは、その表面に施される接着剤コーティングを含むことを特徴とする請求項58に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図7F】
【図8】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図7F】
【図8】
【公表番号】特表2008−511130(P2008−511130A)
【公表日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−524836(P2007−524836)
【出願日】平成17年7月22日(2005.7.22)
【国際出願番号】PCT/US2005/025991
【国際公開番号】WO2006/020345
【国際公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(503003854)ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. (1,145)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月22日(2005.7.22)
【国際出願番号】PCT/US2005/025991
【国際公開番号】WO2006/020345
【国際公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(503003854)ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. (1,145)
【Fターム(参考)】
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