電気炊飯器
【課題】電気炊飯器本体側の操作パネルを着脱可能として、取外し時にはリモートコントローラとして機能させる。
【解決手段】内鍋と、該内鍋を取り出し可能に収納する炊飯器本体と、該炊飯器本体の上部開口を開閉自在に覆蓋する蓋体と、上記炊飯器本体または蓋体に設けられ、炊飯に必要な操作を行う操作パネルと、上記内鍋を加熱する炊飯加熱手段とを備えてなる電気炊飯器であって、上記操作パネルは、独立した操作ユニット部材として、上記炊飯器本体または蓋体に対して着脱可能に取り付けられており、上記炊飯器本体または蓋体から取り外された単独の状態では、リモートコントローラとして機能するように構成した。
【解決手段】内鍋と、該内鍋を取り出し可能に収納する炊飯器本体と、該炊飯器本体の上部開口を開閉自在に覆蓋する蓋体と、上記炊飯器本体または蓋体に設けられ、炊飯に必要な操作を行う操作パネルと、上記内鍋を加熱する炊飯加熱手段とを備えてなる電気炊飯器であって、上記操作パネルは、独立した操作ユニット部材として、上記炊飯器本体または蓋体に対して着脱可能に取り付けられており、上記炊飯器本体または蓋体から取り外された単独の状態では、リモートコントローラとして機能するように構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、炊飯器本体に対して着脱自在なリモコンを備えた電気炊飯器の構成に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気炊飯器では、マイコン制御手段を備え、例えば白米、無洗米、早炊き、すしめし、炊き込み、玄米、おかゆ等の各種の炊飯メニューの選択設定と、それらに対応した炊飯工程の制御並びに保温制御を行えるようにしたものが多くなっている。また、保温の場合にも、例えば標準保温やつやつや保温などの保温メニューに加え、高め、低め、標準等任意の保温温度の設定なども可能となっている。
【0003】
これら各種炊飯又は保温メニューの選択設定等は、炊飯器本体の外ケース前面側に設置されている各種の操作キーおよび表示部を備えた操作パネルを使用して行われるようになっており、操作キーにより必要な選択設定操作が行われると、その設定メニュー、設定内容が当該表示部に表示され、それに対応した炊飯又は保温メニューのプログラムが上記マイコン制御手段側のメモリ部から自動的に読み出されて、適切な炊飯又は保温制御が実行されるようになっている(例えば特許文献1を参照)。
【0004】
そして、最近では、以上の操作パネルを、内鍋を収容する本体側のみではなく、蓋体に設けるようにしたものも提供されるようになっている。
【0005】
このようなものの場合、蓋を拭き洗いする時に、電気系統部分に、水が侵入するのを防止し、また拭き洗いしやすいように、上記操作パネル部分を蓋体と別体に構成し、必要に応じて蓋体から取り外せるようにしたものもある(例えば特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−137421号公報
【特許文献2】特許第2627028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述のような操作パネルの場合、同操作パネルが内鍋を収容する炊飯器本体側に設置されていると、炊飯器を床面側に置いて使用する時に操作しにくい。他方、同操作パネルを蓋体の上面側に設置した場合には、そのような欠点を解決することができるものの、棚などに収納した時に使いづらくなる。
【0008】
上述した従来例の内の後者のものの場合、一応操作パネル部を炊飯器本体側の蓋体から取り外せるようになっているが、同構成では、取り外した状態で操作パネルが機能するようになっているわけではないので、取り外した状態では電気炊飯器自体を操作することができない。
【0009】
本願発明は、このような事情に基いてなされたもので、操作パネルをユニット化し、電気炊飯器に対して着脱可能に取り付けるとともに、取り外した状態ではリモートコントローラとなるようにすることによって、分離した所望の位置から自由に電気炊飯器の操作を行えるようにした電気炊飯器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願各発明は、上記の目的を達成するために、それぞれ次のような課題解決手段を備えて構成されている。
【0011】
(1) 請求項1の発明
この発明の電気炊飯器は、内鍋と、該内鍋を取り出し可能に収納する炊飯器本体と、該炊飯器本体の上部開口を開閉自在に覆蓋する蓋体と、上記炊飯器本体または蓋体に設けられ、炊飯に必要な操作を行う操作パネルと、上記内鍋を加熱する炊飯加熱手段とを備えてなる電気炊飯器であって、上記操作パネルは、独立した操作ユニット部材として、上記炊飯器本体または蓋体に対して着脱可能に取り付けられており、上記炊飯器本体または蓋体から取り外された単独の状態では、リモートコントローラとして機能するように構成されていることを特徴としている。
【0012】
すなわち、このような構成では、電気炊飯器自体を例えば床面、棚内、卓上など何処に置こうが、その設置場所に応じ、電気炊飯器側へ固定した状態では操作しにくい場合には、取り外してリモートコントローラとして使用することができる。
【0013】
したがって、上述した従来の問題は、確実に解消される。
【0014】
また、消費電力を低減することができる。
【0015】
(2) 請求項2の発明
この発明の電気炊飯器は、上記請求項1の発明の課題解決手段の構成において、上記独立した操作部材としてユニット化された操作パネルは、密閉構造に形成されていることを特徴としている。
【0016】
このような構成によると、ゴキブリ等の虫が侵入しなくなるとともに、例えば固定状態で蓋体に設置するようにした場合など、蒸気逃がし口から侵入するオネバへの対策としても有効になる。
【0017】
(3) 請求項3の発明
この発明の電気炊飯器は、上記請求項1又は2の発明の課題解決手段の構成において、炊飯器本体側のクロック信号発生手段としてはセラミック発振子が、操作パネル側のクロック信号発生手段としては水晶発振子が採用されていることを特徴としている。
【0018】
このような構成によると、AC電源があって時計表示用および制御用の各クロック信号が必要な時と、AC電源がなく、基本的に時計表示用のクロック信号のみで良い場合との効率的かつ省エネルギーな使い分けが可能となる。
【0019】
(4) 請求項4の発明
この発明の電気炊飯器は、上記請求項1,2又は3の発明の課題解決手段の構成において、炊飯器本体側または蓋体側の操作パネル取付部は、炊飯器本体内部または蓋体内部に連通しない操作パネル嵌合溝を有して構成されていることを特徴としている。
【0020】
このような構成によると、嵌合溝内に嵌合するだけで、容易かつ確実に操作パネルを電気炊飯器側に取り付けられるとともに、また蓋体部に嵌合溝を形成した時など、オネバが侵入しても何ら問題なく使用することができる。
【発明の効果】
【0021】
以上の結果、本願発明によると、電気炊飯器の設置場所等による制約を受けることなく、自由な操作が可能な利便性に優れた電気炊飯器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本願発明の実施の形態1に係る電気炊飯器の操作パネル設置状態における全体的な構成を示す中央縦断面図である。
【図2】同電気炊飯器本体の要部である操作パネル部分の構成を示す拡大正面図である。
【図3】同電気炊飯器の図1と同様の状態における全体的な構成を示す正面図である。
【図4】同電気炊飯器の操作パネル取り外し状態における全体的な構成を示す拡大正面図である。
【図5】同電気炊飯器本体の操作パネル嵌合溝から取り外された状態の操作パネルの構成を示す断面図である。
【図6】本願発明の実施の形態3に係る電気炊飯器の操作パネルおよび操作パネル嵌合溝部分の構成を示す断面図である。
【図7】本願発明の実施の形態4に係る電気炊飯器の操作パネルおよび操作パネル嵌合溝部分の構成を示す断面図である。
【図8】同電気炊飯器の操作パネル立設状態の構成を示す断面図である。
【図9】同電気炊飯器の操作パネル立設状態における支持プレート係合部分の構成を示す断面図である。
【図10】本願発明の実施の形態5に係る電気炊飯器の蓋体側への操作パネル設置状態における全体的な構成を示す中央縦断面図である。
【図11】同電気炊飯器の図10の状態における全体的な構成を示す平面図である。
【図12】同電気炊飯器の炊飯器本体側への操作パネル設置状態における全体的な構成を示す中央縦断面図である。
【図13】同電気炊飯器の図12の状態における全体的な構成を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(実施の形態1)
図1〜図5は、蓋体の上部に着脱可能なリモコン型の操作パネルを備えた本願発明の実施の形態1に係る電気炊飯器の構成を示している。
【0024】
(炊飯器本体の構成)
先ず、本願発明の実施の形態における電気炊飯器Aでは、図1に示すように、例えば内鍋(飯器ないし保温容器)3として鉄系の金属材料からなる鍋が採用されている。
【0025】
すなわち、該電気炊飯器は、同構成の内鍋3と、該内鍋3を任意にセットし得るように形成された下部側皿状の底壁部4aおよび上部側筒状の側壁部4bよりなる内ケース(保護枠)4と、該内ケース4を保持する外部筺体である有底筒状の外ケース1と、該外ケース1と上記内ケース4とを肩部材5を介して一体化して形成された炊飯器本体の上部に開閉可能に設けられた蓋ユニット(先に述べた蓋体に相当する)2とから構成されている。
【0026】
上記内ケース4の底壁部(底部)4aの下方側にはコイルカバー9が設けられ、その下部にはフェライトコア7を配置し、またその上部には、上記内鍋3の底壁部3aの下面側と側部湾曲面に対応して各々リッツ線が同心状に巻成された第1,第2の2組のワークコイルC1,C2が設けられており、それにより通電時には内鍋3にうず電流を誘起して、内鍋3を加熱するようになっている。
【0027】
内ケース4の下部側皿状の底壁部4aは、中央部にセンターセンサー用の嵌合口が形成されている一方、上部側筒状の側壁部4bの上端は、内枠部材を介して炊飯器本体側上端の肩部材5に連結して固定されている。
【0028】
また、上記内ケース4の上部側筒状の側壁部4bの外周には、炊飯および保温時において加熱手段として機能する側面ヒータ(保温ヒータ)H1が設けられており、炊飯時および保温時において上記内鍋3の全体を有効かつ均一に加熱するようになっている。
【0029】
そして、それらワークコイルC1,C2、保温ヒータH1と後述する蓋ヒータH2の各々を、内鍋3に近い炊飯器本体側の制御基板35(制御基板カバー36により保持)と蓋ユニット2側操作パネル21内のマイコン基板25とによって、適切に駆動制御することによって、適切な炊飯/調理機能と保温機能とを実現できるようになっている。
【0030】
一方、上記蓋ユニット2は、その外周面を構成する合成樹脂製の外カバー10Aと、該外カバー10Aの外周縁部内側における同じく合成樹脂製の内枠10Bと、該内枠10Bの下面側に取り付けられた蓋ヒータH2付きの放熱板11と、該放熱板11の下方に着脱可能に設けられた内カバー12とによって図示のような中空構造に形成されている。
【0031】
そして、この蓋ユニット2は、上記肩部材5の後端側に対してヒンジカバー14bによりカバーされたヒンジ機構14aを介して上下方向に回動自在に取り付けられており、その開放端内側(前端内側)は、外ケース1の前面側上部位置に設けられているロック機構(ロック・アンロック機構)15のロック爪15aが係合されるようになっている。
【0032】
また、符号16は、上記蓋ユニット2の中央部に設けられた蒸気逃がし通路、17は同蒸気逃がし通路16の下部に着脱可能に設けられたおねば戻し機能を有する蒸気放出パイプである。
【0033】
そして、同蓋ユニット2の外カバー10Aの前部中央には、当該炊飯器の操作部および表示部を構成する操作パネル21嵌合用の凹溝部10aが形成されており、同凹溝部10a部分に外カバー10Aの外周面と連続する外周面を形成する形で操作パネル21が嵌合されるようになっている。
【0034】
該操作パネル21は、例えば図1、図2、図5に示されるように、密閉された薄型のボックス構造(合成樹脂製)のものよりなり、上記凹溝部10a内に着脱自在に嵌合して収納されている。そして、その上部側部材21aの上方側中央部に液晶パネル24に対応する透明窓21bを有するとともに、その周囲には、タイマー炊飯用の炊飯予約スイッチ22a、炊飯スイッチ22b、保温取消スイッチ22c、炊飯メニュー(例えば白米、早炊き、おこわ、おかゆ、玄米その他)を指定するメニュースイッチ22d、時計及びタイマーの時刻時設定スイッチ22e、時計及びタイマーの時刻分設定スイッチ22fが設けられている。
【0035】
一方、同操作パネル21の内側には、上記各種スイッチ22a〜22fのスイッチ部品およびそれら操作スイッチ22a〜22fの操作状態表示制御機能、上記第1,第2のワークコイルC1,C2、保温ヒータH1、蓋ヒータH2各々への通電制御機能を有するマイコン制御ユニットを備えたマイコン基板(電気回路基板)25とともに液晶パネル24がそれぞれ上記操作パネル面(上部側部材の上面)に対して所定の相対角を有した状態で設けられている。
【0036】
液晶パネル24は、上記操作パネル21の上記透明窓21bに対応して設けられており、同透明窓21b部分の前傾角(ここで前傾角とは、図1、図5中に示す蓋ユニット2上面の水平面に対して、図面左側(前側)が低くなる傾斜角を指称している)よりも所定角以上大きな前傾角を有して、液晶パネルホルダー26により支持されている。
【0037】
またマイコン基板25は、上記操作パネル21の全体に対応し、かつ上記液晶パネル24よりも下方側に位置して、上記操作パネル21の前傾角よりも小さな前傾角を有して、上記操作パネル21の下面上(ボックス内の底壁部上面側)に設置されている。
【0038】
一方、操作パネル21内の前端側(図1、図5の右側)には、図示のようにリモコン用の赤外線発光部27が設けられており、前面壁側の送信用発光レンズ27aを介して前方に所定の周波数の赤外光を送信するようになっている。
【0039】
他方、操作パネル嵌合溝10a内の対応する外カバー縦壁部分には、対応する受光レンズ28aを介して内側の受光部28に上記操作パネル21の発光部27側からの所定の周波数の赤外光(図5のa参照)を受信して、必要な情報を読み取り、必要な制御を行う受光手段が設けられている。
【0040】
また、この受光手段と同様の受光レンズ51aおよび受光部51は、例えば図1および図3、図4に示されるように、上記炊飯器本体側外ケース1の正面部にも設けられており、上記操作パネル21が、例えば図4および図5のように、上記操作パネル嵌合溝10a内から取り出され、単体で使用される時には、所定の位置から上記発光部27および発光レンズ27aを同受光部51の受光レンズ51aに向けて、上述の各種操作スイッチ22a〜22fを操作すると、そのままリモートコントローラとして使用することができ、炊飯器本体側の制御回路に必要な入力を行うことができるようになっている。
【0041】
また、逆に同操作パネル21を上述の操作パネル嵌合溝10a内に戻せば、従来のものと同様の固定状態での操作パネルとして使用することができる。
【0042】
なお、図1、図5中の符号29は、動作電源用の乾電池であり、必要に応じて交換できるようになっている。
【0043】
以上のように、この発明の電気炊飯器は、内鍋と、該内鍋を取り出し可能に収納する炊飯器本体と、該炊飯器本体の上部開口を開閉自在に覆蓋する蓋体と、上記炊飯器本体または蓋体に設けられ、炊飯に必要な操作を行う操作パネルと、上記内鍋を加熱する炊飯加熱手段とを備えてなる電気炊飯器であって、上記操作パネルは、独立した操作ユニット部材として、上記炊飯器本体または蓋体に対して着脱可能に取り付けられており、上記炊飯器本体または蓋体から取り外された単独の状態では、リモートコントローラとして機能するように構成されている。
【0044】
このような構成では、電気炊飯器自体を例えば床面、棚内、卓上など何処に置こうが、その設置場所に応じ、電気炊飯器側へ固定した状態では操作しにくい場合には、取り外してリモートコントローラとして使用することができる。
【0045】
したがって、上述した従来の問題は、確実に解消される。
【0046】
また、乾電池を動作電源としているので、その分だけ消費電力を低減することができ、省エネ性能が向上する。
【0047】
また、電池の交換も容易である。
【0048】
この発明の電気炊飯器では、また上記独立した操作部材としてユニット化された操作パネルが、密閉構造に形成されている。
【0049】
このような構成によると、ゴキブリ等の虫が侵入しなくなるとともに、例えば蓋体に取り付けるようにした場合において、蒸気逃がし口から侵入するオネバ等への対策としても有効になる。
【0050】
また、この発明の電気炊飯器では、上記の構成に加えて、必要に応じて上記炊飯器本体側のクロック信号発生手段としてはセラミック発振子が、また操作パネル側のクロック信号発生手段としては水晶発振子が採用される。
【0051】
このような構成によると、AC電源があって時計表示用および制御用の各クロック信号が必要な時と、AC電源がなく、基本的に時計表示用のクロック信号のみで良い場合との効率的かつ省エネルギーな使い分けが可能となる。
【0052】
また、この発明の電気炊飯器では、上記炊飯器本体側または蓋体側の操作パネル取付部は、図示の如く、炊飯器本体内部または蓋体内部に連通しない操作パネル嵌合溝を有して構成されている。
【0053】
このような構成によると、嵌合溝内に嵌合するだけで、容易かつ確実に操作パネルを電気炊飯器側に取り付けられるとともに、また蓋体部に嵌合溝を形成した時など、オネバが侵入しても何ら問題なく使用することができる。
【0054】
これらの結果、本願発明によると、電気炊飯器の設置場所等による制約を受けることなく、自由な操作が可能な利便性に優れた電気炊飯器を提供することができる。
【0055】
(実施の形態2)
この実施の形態は、上述した実施の形態1のリモコン型操作パネル21に対して、電気炊飯器本体A側との通信機能を設け、電気炊飯器本体A側の炊飯状況等を別の部屋など離れた所に居るユーザーに報知できるようにしたことを特徴とするものである。
【0056】
ユーザーの中には、電気炊飯器の炊飯を開始させてから、別の部屋で仕事をするなど長い時間過ごす人もある。このような場合、炊飯が終了しているにもかかわらず、ユーザーが気付かないケースも生じる。
【0057】
そこで、前述した実施の形態1のリモコン型操作パネル21に対して、電気炊飯器本体A側との通信機能を設け、電気炊飯器本体A側の炊飯状況等を別の部屋など離れた所に居るユーザーに対して、炊飯の完了または後数分で炊飯が完了することなどの炊飯状況を画像または音声で報知できるようにする。
【0058】
このようにすると、上述した操作パネル21のリモコン機能を、さらに有効で利便性の高いものにすることができる。
【0059】
(実施の形態3)
この実施の形態は、例えば図6に示すように、上述した実施の形態1のリモコン型操作パネル21における乾電池29を充電型の電気2重層コンデンサ42に変更し、上記リモコン型の操作パネル21を電気炊飯器本体A側の操作パネル嵌合溝10a内に嵌合セットした時に、所定の電力伝送手段により電磁結合させて充電可能としたことを特徴とするものである。
【0060】
図中、符号41は当該電気炊飯器の蓋ユニット2側1次コイル41aから操作パネル21側2次コイル41bに所定の電圧降下比(または同じ電圧比)で電源を供給する例えば電源トランス構造の電力伝送手段であり、操作パネル21側の2次コイル41bの出力側には操作パネル21側電気回路の動作電源となる電気2上層コンデンサ42が接続されている。
【0061】
そして、上記蓋体2側電源回路からの電源が上記1次コイル41aを介して上記操作パネル21側の2次コイル41bに相互の巻数比に応じて誘起され、同誘起された電圧が電源電圧として上記電気2上層コンデンサ42に蓄電され、当該嵌合時およびリモコン時の動作電源として使用される。
【0062】
このような構成の場合、実施の形態1の場合のような電池交換が不要となり、より便利になる。
【0063】
(実施の形態4)
この実施の形態は、上述した実施の形態1のようにリモコン型操作パネル21を単に電気炊飯器本体側の嵌合溝10a内に、そのまま嵌合するのではなく、例えば図7に示すように、同嵌合溝10a内に回動(傾動)可能な可動型ホルダー30を設けて、上記実施の形態1のような平面状態での設置のみでなく、所望の立設角を有して設置できるようにしたことを特徴とするものである。
【0064】
すなわち、この実施の形態の構成では、例えば図7および図8に示すように、操作パネル嵌合溝10a内に上記実施の形態1のものと同様のリモコン型操作パネル21を嵌合セットすることができる断面コ字形のホルダー部30aを備えた可動型ホルダー30が、その円形の前端側をヒンジ軸31を介して上下方向に回動可能に軸支されており、上記実施の形態1と同様のリモコン型の操作パネル21は、同可動型ホルダー30の断面コの字形のホルダー部30a部分に嵌合セットされた状態で、図示のように水平面状態(図7)から所定の前傾角状態(図8)まで任意に回動調節されるようになっている。
【0065】
ホルダー部30aは、上述のように上方側に開いた断面コの字形の形状をなし、その後端側には枢着軸32を介して、同じく断面コの字形の支持プレート30bが相対回動自由に枢着されている。
【0066】
この支持プレート30b部分は、図7のような完全に嵌合された水平状態では、上記ホルダー部30aと同一方向に連続する略一体のホルダー部となって、実質的に操作パネル嵌合溝10aの底部を形成する一方、ホルダー部30aが図8のように上方に起されて所定の起伏角度θに立設されるとホルダー部30aの後端側からくの字状に折れて、操作パネル21の背面側を支持する安定した支持部材となる。
【0067】
この場合、蓋体2側の操作パネル嵌合溝10aの底部に、例えば図9のような前面側が上下方向にストレートで、背面側が前側から後側に下降傾斜した山形の凹凸部Mを形成すると、上記支持プレート30bが、後方にズレることなく、確実に係合されて上記所定の立設角θのくの字角状態を維持して安定した支持機能を果たす。
【0068】
また、その凹凸部Mとの係合位置を前側または後側に変えると、上記操作パネル21自体の後方への傾斜角θ(図8参照)が変わる。
【0069】
したがって、上述した実施の形態1の電気炊飯器本体Aを棚等に設置したような場合にも、操作パネル21を見やすく、かつ操作しやすい角度に設定することができる。
【0070】
そして、この場合にも、操作パネル21を上記ホルダー部30aから取り出せば、上記実施の形態1のものと全く同様のリモコン型の操作パネル21となる。
【0071】
(実施の形態5)
この実施の形態は、上記実施の形態1のものと同様のリモコン型操作パネル21を、上記実施の形態1のような蓋体2側だけでなく、炊飯器本体1側にも嵌合セットできるようにし、1つの電気炊飯器Aで、リモコン型の操作パネル21を、(1)蓋体2の上面に取り付けた場合(図10,図11参照)、(2)炊飯器本体1の正面に取り付けた場合(図12,図13参照)、(3)蓋体2または炊飯器本体1から取り外しリモートコントローラとした場合(実施の形態の図5参照)の3つの操作形態を実現することができるようにしたことを特徴とするものである。
【0072】
そのために、この実施の形態では、例えば図10,図12に示すように、上記実施の形態1のような蓋体2上面側の第1の操作パネル嵌合溝10aに加えて、炊飯器本体1の正面側にも同様の第2の操作パネル嵌合溝1aを備えている。そして、これら第1,第2の操作パネル嵌合溝10a,1aは、使用されない方の操作パネル嵌合溝(図10の1a、図12の10a)の方を周囲の面と区別しにくいダミーの面カバー50を着脱自在に冠合することにより隠して置く。
【0073】
このような構成によると、その時の電気炊飯器Aの置き場所に応じて、例えば図11又は図13のように、操作パネル21の取付場所を変えることにより、見やすく、かつ操作しやすいようにすることができる。したがって、さらに利便性が向上する。また、好みに応じたデザイン変更も可能となる。
【0074】
なお、この実施の形態では、電気炊飯器本体Aとして、主ヒータH11を備えたヒータプレートHPによる内鍋加熱方式を採用し、これに保温ヒータH12、蓋ヒータH13を付加したものを採用している。
【0075】
また、符号13は断熱材を示している。
【符号の説明】
【0076】
1は外ケース、1aは第2の操作パネル嵌合溝、2は蓋ユニット、3は内鍋、4は内ケース、5は肩部材、10aは操作パネル嵌合溝(第1)、21は操作パネル、21aは操作キー設置面、21bは透明窓、24は液晶パネル、25はマイコン基板、27は発光部、28は受光部、41は電力伝送手段、41aは1次コイル、41bは2次コイル、42は電気2上層コンデンサ、51は受光部である。
【技術分野】
【0001】
本願発明は、炊飯器本体に対して着脱自在なリモコンを備えた電気炊飯器の構成に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気炊飯器では、マイコン制御手段を備え、例えば白米、無洗米、早炊き、すしめし、炊き込み、玄米、おかゆ等の各種の炊飯メニューの選択設定と、それらに対応した炊飯工程の制御並びに保温制御を行えるようにしたものが多くなっている。また、保温の場合にも、例えば標準保温やつやつや保温などの保温メニューに加え、高め、低め、標準等任意の保温温度の設定なども可能となっている。
【0003】
これら各種炊飯又は保温メニューの選択設定等は、炊飯器本体の外ケース前面側に設置されている各種の操作キーおよび表示部を備えた操作パネルを使用して行われるようになっており、操作キーにより必要な選択設定操作が行われると、その設定メニュー、設定内容が当該表示部に表示され、それに対応した炊飯又は保温メニューのプログラムが上記マイコン制御手段側のメモリ部から自動的に読み出されて、適切な炊飯又は保温制御が実行されるようになっている(例えば特許文献1を参照)。
【0004】
そして、最近では、以上の操作パネルを、内鍋を収容する本体側のみではなく、蓋体に設けるようにしたものも提供されるようになっている。
【0005】
このようなものの場合、蓋を拭き洗いする時に、電気系統部分に、水が侵入するのを防止し、また拭き洗いしやすいように、上記操作パネル部分を蓋体と別体に構成し、必要に応じて蓋体から取り外せるようにしたものもある(例えば特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−137421号公報
【特許文献2】特許第2627028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述のような操作パネルの場合、同操作パネルが内鍋を収容する炊飯器本体側に設置されていると、炊飯器を床面側に置いて使用する時に操作しにくい。他方、同操作パネルを蓋体の上面側に設置した場合には、そのような欠点を解決することができるものの、棚などに収納した時に使いづらくなる。
【0008】
上述した従来例の内の後者のものの場合、一応操作パネル部を炊飯器本体側の蓋体から取り外せるようになっているが、同構成では、取り外した状態で操作パネルが機能するようになっているわけではないので、取り外した状態では電気炊飯器自体を操作することができない。
【0009】
本願発明は、このような事情に基いてなされたもので、操作パネルをユニット化し、電気炊飯器に対して着脱可能に取り付けるとともに、取り外した状態ではリモートコントローラとなるようにすることによって、分離した所望の位置から自由に電気炊飯器の操作を行えるようにした電気炊飯器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願各発明は、上記の目的を達成するために、それぞれ次のような課題解決手段を備えて構成されている。
【0011】
(1) 請求項1の発明
この発明の電気炊飯器は、内鍋と、該内鍋を取り出し可能に収納する炊飯器本体と、該炊飯器本体の上部開口を開閉自在に覆蓋する蓋体と、上記炊飯器本体または蓋体に設けられ、炊飯に必要な操作を行う操作パネルと、上記内鍋を加熱する炊飯加熱手段とを備えてなる電気炊飯器であって、上記操作パネルは、独立した操作ユニット部材として、上記炊飯器本体または蓋体に対して着脱可能に取り付けられており、上記炊飯器本体または蓋体から取り外された単独の状態では、リモートコントローラとして機能するように構成されていることを特徴としている。
【0012】
すなわち、このような構成では、電気炊飯器自体を例えば床面、棚内、卓上など何処に置こうが、その設置場所に応じ、電気炊飯器側へ固定した状態では操作しにくい場合には、取り外してリモートコントローラとして使用することができる。
【0013】
したがって、上述した従来の問題は、確実に解消される。
【0014】
また、消費電力を低減することができる。
【0015】
(2) 請求項2の発明
この発明の電気炊飯器は、上記請求項1の発明の課題解決手段の構成において、上記独立した操作部材としてユニット化された操作パネルは、密閉構造に形成されていることを特徴としている。
【0016】
このような構成によると、ゴキブリ等の虫が侵入しなくなるとともに、例えば固定状態で蓋体に設置するようにした場合など、蒸気逃がし口から侵入するオネバへの対策としても有効になる。
【0017】
(3) 請求項3の発明
この発明の電気炊飯器は、上記請求項1又は2の発明の課題解決手段の構成において、炊飯器本体側のクロック信号発生手段としてはセラミック発振子が、操作パネル側のクロック信号発生手段としては水晶発振子が採用されていることを特徴としている。
【0018】
このような構成によると、AC電源があって時計表示用および制御用の各クロック信号が必要な時と、AC電源がなく、基本的に時計表示用のクロック信号のみで良い場合との効率的かつ省エネルギーな使い分けが可能となる。
【0019】
(4) 請求項4の発明
この発明の電気炊飯器は、上記請求項1,2又は3の発明の課題解決手段の構成において、炊飯器本体側または蓋体側の操作パネル取付部は、炊飯器本体内部または蓋体内部に連通しない操作パネル嵌合溝を有して構成されていることを特徴としている。
【0020】
このような構成によると、嵌合溝内に嵌合するだけで、容易かつ確実に操作パネルを電気炊飯器側に取り付けられるとともに、また蓋体部に嵌合溝を形成した時など、オネバが侵入しても何ら問題なく使用することができる。
【発明の効果】
【0021】
以上の結果、本願発明によると、電気炊飯器の設置場所等による制約を受けることなく、自由な操作が可能な利便性に優れた電気炊飯器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本願発明の実施の形態1に係る電気炊飯器の操作パネル設置状態における全体的な構成を示す中央縦断面図である。
【図2】同電気炊飯器本体の要部である操作パネル部分の構成を示す拡大正面図である。
【図3】同電気炊飯器の図1と同様の状態における全体的な構成を示す正面図である。
【図4】同電気炊飯器の操作パネル取り外し状態における全体的な構成を示す拡大正面図である。
【図5】同電気炊飯器本体の操作パネル嵌合溝から取り外された状態の操作パネルの構成を示す断面図である。
【図6】本願発明の実施の形態3に係る電気炊飯器の操作パネルおよび操作パネル嵌合溝部分の構成を示す断面図である。
【図7】本願発明の実施の形態4に係る電気炊飯器の操作パネルおよび操作パネル嵌合溝部分の構成を示す断面図である。
【図8】同電気炊飯器の操作パネル立設状態の構成を示す断面図である。
【図9】同電気炊飯器の操作パネル立設状態における支持プレート係合部分の構成を示す断面図である。
【図10】本願発明の実施の形態5に係る電気炊飯器の蓋体側への操作パネル設置状態における全体的な構成を示す中央縦断面図である。
【図11】同電気炊飯器の図10の状態における全体的な構成を示す平面図である。
【図12】同電気炊飯器の炊飯器本体側への操作パネル設置状態における全体的な構成を示す中央縦断面図である。
【図13】同電気炊飯器の図12の状態における全体的な構成を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(実施の形態1)
図1〜図5は、蓋体の上部に着脱可能なリモコン型の操作パネルを備えた本願発明の実施の形態1に係る電気炊飯器の構成を示している。
【0024】
(炊飯器本体の構成)
先ず、本願発明の実施の形態における電気炊飯器Aでは、図1に示すように、例えば内鍋(飯器ないし保温容器)3として鉄系の金属材料からなる鍋が採用されている。
【0025】
すなわち、該電気炊飯器は、同構成の内鍋3と、該内鍋3を任意にセットし得るように形成された下部側皿状の底壁部4aおよび上部側筒状の側壁部4bよりなる内ケース(保護枠)4と、該内ケース4を保持する外部筺体である有底筒状の外ケース1と、該外ケース1と上記内ケース4とを肩部材5を介して一体化して形成された炊飯器本体の上部に開閉可能に設けられた蓋ユニット(先に述べた蓋体に相当する)2とから構成されている。
【0026】
上記内ケース4の底壁部(底部)4aの下方側にはコイルカバー9が設けられ、その下部にはフェライトコア7を配置し、またその上部には、上記内鍋3の底壁部3aの下面側と側部湾曲面に対応して各々リッツ線が同心状に巻成された第1,第2の2組のワークコイルC1,C2が設けられており、それにより通電時には内鍋3にうず電流を誘起して、内鍋3を加熱するようになっている。
【0027】
内ケース4の下部側皿状の底壁部4aは、中央部にセンターセンサー用の嵌合口が形成されている一方、上部側筒状の側壁部4bの上端は、内枠部材を介して炊飯器本体側上端の肩部材5に連結して固定されている。
【0028】
また、上記内ケース4の上部側筒状の側壁部4bの外周には、炊飯および保温時において加熱手段として機能する側面ヒータ(保温ヒータ)H1が設けられており、炊飯時および保温時において上記内鍋3の全体を有効かつ均一に加熱するようになっている。
【0029】
そして、それらワークコイルC1,C2、保温ヒータH1と後述する蓋ヒータH2の各々を、内鍋3に近い炊飯器本体側の制御基板35(制御基板カバー36により保持)と蓋ユニット2側操作パネル21内のマイコン基板25とによって、適切に駆動制御することによって、適切な炊飯/調理機能と保温機能とを実現できるようになっている。
【0030】
一方、上記蓋ユニット2は、その外周面を構成する合成樹脂製の外カバー10Aと、該外カバー10Aの外周縁部内側における同じく合成樹脂製の内枠10Bと、該内枠10Bの下面側に取り付けられた蓋ヒータH2付きの放熱板11と、該放熱板11の下方に着脱可能に設けられた内カバー12とによって図示のような中空構造に形成されている。
【0031】
そして、この蓋ユニット2は、上記肩部材5の後端側に対してヒンジカバー14bによりカバーされたヒンジ機構14aを介して上下方向に回動自在に取り付けられており、その開放端内側(前端内側)は、外ケース1の前面側上部位置に設けられているロック機構(ロック・アンロック機構)15のロック爪15aが係合されるようになっている。
【0032】
また、符号16は、上記蓋ユニット2の中央部に設けられた蒸気逃がし通路、17は同蒸気逃がし通路16の下部に着脱可能に設けられたおねば戻し機能を有する蒸気放出パイプである。
【0033】
そして、同蓋ユニット2の外カバー10Aの前部中央には、当該炊飯器の操作部および表示部を構成する操作パネル21嵌合用の凹溝部10aが形成されており、同凹溝部10a部分に外カバー10Aの外周面と連続する外周面を形成する形で操作パネル21が嵌合されるようになっている。
【0034】
該操作パネル21は、例えば図1、図2、図5に示されるように、密閉された薄型のボックス構造(合成樹脂製)のものよりなり、上記凹溝部10a内に着脱自在に嵌合して収納されている。そして、その上部側部材21aの上方側中央部に液晶パネル24に対応する透明窓21bを有するとともに、その周囲には、タイマー炊飯用の炊飯予約スイッチ22a、炊飯スイッチ22b、保温取消スイッチ22c、炊飯メニュー(例えば白米、早炊き、おこわ、おかゆ、玄米その他)を指定するメニュースイッチ22d、時計及びタイマーの時刻時設定スイッチ22e、時計及びタイマーの時刻分設定スイッチ22fが設けられている。
【0035】
一方、同操作パネル21の内側には、上記各種スイッチ22a〜22fのスイッチ部品およびそれら操作スイッチ22a〜22fの操作状態表示制御機能、上記第1,第2のワークコイルC1,C2、保温ヒータH1、蓋ヒータH2各々への通電制御機能を有するマイコン制御ユニットを備えたマイコン基板(電気回路基板)25とともに液晶パネル24がそれぞれ上記操作パネル面(上部側部材の上面)に対して所定の相対角を有した状態で設けられている。
【0036】
液晶パネル24は、上記操作パネル21の上記透明窓21bに対応して設けられており、同透明窓21b部分の前傾角(ここで前傾角とは、図1、図5中に示す蓋ユニット2上面の水平面に対して、図面左側(前側)が低くなる傾斜角を指称している)よりも所定角以上大きな前傾角を有して、液晶パネルホルダー26により支持されている。
【0037】
またマイコン基板25は、上記操作パネル21の全体に対応し、かつ上記液晶パネル24よりも下方側に位置して、上記操作パネル21の前傾角よりも小さな前傾角を有して、上記操作パネル21の下面上(ボックス内の底壁部上面側)に設置されている。
【0038】
一方、操作パネル21内の前端側(図1、図5の右側)には、図示のようにリモコン用の赤外線発光部27が設けられており、前面壁側の送信用発光レンズ27aを介して前方に所定の周波数の赤外光を送信するようになっている。
【0039】
他方、操作パネル嵌合溝10a内の対応する外カバー縦壁部分には、対応する受光レンズ28aを介して内側の受光部28に上記操作パネル21の発光部27側からの所定の周波数の赤外光(図5のa参照)を受信して、必要な情報を読み取り、必要な制御を行う受光手段が設けられている。
【0040】
また、この受光手段と同様の受光レンズ51aおよび受光部51は、例えば図1および図3、図4に示されるように、上記炊飯器本体側外ケース1の正面部にも設けられており、上記操作パネル21が、例えば図4および図5のように、上記操作パネル嵌合溝10a内から取り出され、単体で使用される時には、所定の位置から上記発光部27および発光レンズ27aを同受光部51の受光レンズ51aに向けて、上述の各種操作スイッチ22a〜22fを操作すると、そのままリモートコントローラとして使用することができ、炊飯器本体側の制御回路に必要な入力を行うことができるようになっている。
【0041】
また、逆に同操作パネル21を上述の操作パネル嵌合溝10a内に戻せば、従来のものと同様の固定状態での操作パネルとして使用することができる。
【0042】
なお、図1、図5中の符号29は、動作電源用の乾電池であり、必要に応じて交換できるようになっている。
【0043】
以上のように、この発明の電気炊飯器は、内鍋と、該内鍋を取り出し可能に収納する炊飯器本体と、該炊飯器本体の上部開口を開閉自在に覆蓋する蓋体と、上記炊飯器本体または蓋体に設けられ、炊飯に必要な操作を行う操作パネルと、上記内鍋を加熱する炊飯加熱手段とを備えてなる電気炊飯器であって、上記操作パネルは、独立した操作ユニット部材として、上記炊飯器本体または蓋体に対して着脱可能に取り付けられており、上記炊飯器本体または蓋体から取り外された単独の状態では、リモートコントローラとして機能するように構成されている。
【0044】
このような構成では、電気炊飯器自体を例えば床面、棚内、卓上など何処に置こうが、その設置場所に応じ、電気炊飯器側へ固定した状態では操作しにくい場合には、取り外してリモートコントローラとして使用することができる。
【0045】
したがって、上述した従来の問題は、確実に解消される。
【0046】
また、乾電池を動作電源としているので、その分だけ消費電力を低減することができ、省エネ性能が向上する。
【0047】
また、電池の交換も容易である。
【0048】
この発明の電気炊飯器では、また上記独立した操作部材としてユニット化された操作パネルが、密閉構造に形成されている。
【0049】
このような構成によると、ゴキブリ等の虫が侵入しなくなるとともに、例えば蓋体に取り付けるようにした場合において、蒸気逃がし口から侵入するオネバ等への対策としても有効になる。
【0050】
また、この発明の電気炊飯器では、上記の構成に加えて、必要に応じて上記炊飯器本体側のクロック信号発生手段としてはセラミック発振子が、また操作パネル側のクロック信号発生手段としては水晶発振子が採用される。
【0051】
このような構成によると、AC電源があって時計表示用および制御用の各クロック信号が必要な時と、AC電源がなく、基本的に時計表示用のクロック信号のみで良い場合との効率的かつ省エネルギーな使い分けが可能となる。
【0052】
また、この発明の電気炊飯器では、上記炊飯器本体側または蓋体側の操作パネル取付部は、図示の如く、炊飯器本体内部または蓋体内部に連通しない操作パネル嵌合溝を有して構成されている。
【0053】
このような構成によると、嵌合溝内に嵌合するだけで、容易かつ確実に操作パネルを電気炊飯器側に取り付けられるとともに、また蓋体部に嵌合溝を形成した時など、オネバが侵入しても何ら問題なく使用することができる。
【0054】
これらの結果、本願発明によると、電気炊飯器の設置場所等による制約を受けることなく、自由な操作が可能な利便性に優れた電気炊飯器を提供することができる。
【0055】
(実施の形態2)
この実施の形態は、上述した実施の形態1のリモコン型操作パネル21に対して、電気炊飯器本体A側との通信機能を設け、電気炊飯器本体A側の炊飯状況等を別の部屋など離れた所に居るユーザーに報知できるようにしたことを特徴とするものである。
【0056】
ユーザーの中には、電気炊飯器の炊飯を開始させてから、別の部屋で仕事をするなど長い時間過ごす人もある。このような場合、炊飯が終了しているにもかかわらず、ユーザーが気付かないケースも生じる。
【0057】
そこで、前述した実施の形態1のリモコン型操作パネル21に対して、電気炊飯器本体A側との通信機能を設け、電気炊飯器本体A側の炊飯状況等を別の部屋など離れた所に居るユーザーに対して、炊飯の完了または後数分で炊飯が完了することなどの炊飯状況を画像または音声で報知できるようにする。
【0058】
このようにすると、上述した操作パネル21のリモコン機能を、さらに有効で利便性の高いものにすることができる。
【0059】
(実施の形態3)
この実施の形態は、例えば図6に示すように、上述した実施の形態1のリモコン型操作パネル21における乾電池29を充電型の電気2重層コンデンサ42に変更し、上記リモコン型の操作パネル21を電気炊飯器本体A側の操作パネル嵌合溝10a内に嵌合セットした時に、所定の電力伝送手段により電磁結合させて充電可能としたことを特徴とするものである。
【0060】
図中、符号41は当該電気炊飯器の蓋ユニット2側1次コイル41aから操作パネル21側2次コイル41bに所定の電圧降下比(または同じ電圧比)で電源を供給する例えば電源トランス構造の電力伝送手段であり、操作パネル21側の2次コイル41bの出力側には操作パネル21側電気回路の動作電源となる電気2上層コンデンサ42が接続されている。
【0061】
そして、上記蓋体2側電源回路からの電源が上記1次コイル41aを介して上記操作パネル21側の2次コイル41bに相互の巻数比に応じて誘起され、同誘起された電圧が電源電圧として上記電気2上層コンデンサ42に蓄電され、当該嵌合時およびリモコン時の動作電源として使用される。
【0062】
このような構成の場合、実施の形態1の場合のような電池交換が不要となり、より便利になる。
【0063】
(実施の形態4)
この実施の形態は、上述した実施の形態1のようにリモコン型操作パネル21を単に電気炊飯器本体側の嵌合溝10a内に、そのまま嵌合するのではなく、例えば図7に示すように、同嵌合溝10a内に回動(傾動)可能な可動型ホルダー30を設けて、上記実施の形態1のような平面状態での設置のみでなく、所望の立設角を有して設置できるようにしたことを特徴とするものである。
【0064】
すなわち、この実施の形態の構成では、例えば図7および図8に示すように、操作パネル嵌合溝10a内に上記実施の形態1のものと同様のリモコン型操作パネル21を嵌合セットすることができる断面コ字形のホルダー部30aを備えた可動型ホルダー30が、その円形の前端側をヒンジ軸31を介して上下方向に回動可能に軸支されており、上記実施の形態1と同様のリモコン型の操作パネル21は、同可動型ホルダー30の断面コの字形のホルダー部30a部分に嵌合セットされた状態で、図示のように水平面状態(図7)から所定の前傾角状態(図8)まで任意に回動調節されるようになっている。
【0065】
ホルダー部30aは、上述のように上方側に開いた断面コの字形の形状をなし、その後端側には枢着軸32を介して、同じく断面コの字形の支持プレート30bが相対回動自由に枢着されている。
【0066】
この支持プレート30b部分は、図7のような完全に嵌合された水平状態では、上記ホルダー部30aと同一方向に連続する略一体のホルダー部となって、実質的に操作パネル嵌合溝10aの底部を形成する一方、ホルダー部30aが図8のように上方に起されて所定の起伏角度θに立設されるとホルダー部30aの後端側からくの字状に折れて、操作パネル21の背面側を支持する安定した支持部材となる。
【0067】
この場合、蓋体2側の操作パネル嵌合溝10aの底部に、例えば図9のような前面側が上下方向にストレートで、背面側が前側から後側に下降傾斜した山形の凹凸部Mを形成すると、上記支持プレート30bが、後方にズレることなく、確実に係合されて上記所定の立設角θのくの字角状態を維持して安定した支持機能を果たす。
【0068】
また、その凹凸部Mとの係合位置を前側または後側に変えると、上記操作パネル21自体の後方への傾斜角θ(図8参照)が変わる。
【0069】
したがって、上述した実施の形態1の電気炊飯器本体Aを棚等に設置したような場合にも、操作パネル21を見やすく、かつ操作しやすい角度に設定することができる。
【0070】
そして、この場合にも、操作パネル21を上記ホルダー部30aから取り出せば、上記実施の形態1のものと全く同様のリモコン型の操作パネル21となる。
【0071】
(実施の形態5)
この実施の形態は、上記実施の形態1のものと同様のリモコン型操作パネル21を、上記実施の形態1のような蓋体2側だけでなく、炊飯器本体1側にも嵌合セットできるようにし、1つの電気炊飯器Aで、リモコン型の操作パネル21を、(1)蓋体2の上面に取り付けた場合(図10,図11参照)、(2)炊飯器本体1の正面に取り付けた場合(図12,図13参照)、(3)蓋体2または炊飯器本体1から取り外しリモートコントローラとした場合(実施の形態の図5参照)の3つの操作形態を実現することができるようにしたことを特徴とするものである。
【0072】
そのために、この実施の形態では、例えば図10,図12に示すように、上記実施の形態1のような蓋体2上面側の第1の操作パネル嵌合溝10aに加えて、炊飯器本体1の正面側にも同様の第2の操作パネル嵌合溝1aを備えている。そして、これら第1,第2の操作パネル嵌合溝10a,1aは、使用されない方の操作パネル嵌合溝(図10の1a、図12の10a)の方を周囲の面と区別しにくいダミーの面カバー50を着脱自在に冠合することにより隠して置く。
【0073】
このような構成によると、その時の電気炊飯器Aの置き場所に応じて、例えば図11又は図13のように、操作パネル21の取付場所を変えることにより、見やすく、かつ操作しやすいようにすることができる。したがって、さらに利便性が向上する。また、好みに応じたデザイン変更も可能となる。
【0074】
なお、この実施の形態では、電気炊飯器本体Aとして、主ヒータH11を備えたヒータプレートHPによる内鍋加熱方式を採用し、これに保温ヒータH12、蓋ヒータH13を付加したものを採用している。
【0075】
また、符号13は断熱材を示している。
【符号の説明】
【0076】
1は外ケース、1aは第2の操作パネル嵌合溝、2は蓋ユニット、3は内鍋、4は内ケース、5は肩部材、10aは操作パネル嵌合溝(第1)、21は操作パネル、21aは操作キー設置面、21bは透明窓、24は液晶パネル、25はマイコン基板、27は発光部、28は受光部、41は電力伝送手段、41aは1次コイル、41bは2次コイル、42は電気2上層コンデンサ、51は受光部である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内鍋と、該内鍋を取り出し可能に収納する炊飯器本体と、該炊飯器本体の上部開口を開閉自在に覆蓋する蓋体と、上記炊飯器本体または蓋体に設けられ、炊飯に必要な操作を行う操作パネルと、上記内鍋を加熱する炊飯加熱手段とを備えてなる電気炊飯器であって、上記操作パネルは、独立した操作ユニット部材として、上記炊飯器本体または蓋体に対して着脱可能に取り付けられており、上記炊飯器本体または蓋体から取り外された単独の状態では、リモートコントローラとして機能するように構成されていることを特徴とする電気炊飯器。
【請求項2】
独立した操作部材としてユニット化された操作パネルは、密閉構造に形成されていることを特徴とする請求項1記載の電気炊飯器。
【請求項3】
炊飯器本体側のクロック信号発生手段としてはセラミック発振子が、操作パネル側のクロック信号発生手段としては水晶発振子が採用されていることを特徴とする請求項1又は2記載の電気炊飯器。
【請求項4】
炊飯器本体側または蓋体側の操作パネル取付部は、炊飯器本体内部または蓋体内部に連通しない操作パネル嵌合溝を有して構成されていることを特徴とする請求項1,2又は3記載の電気炊飯器。
【請求項1】
内鍋と、該内鍋を取り出し可能に収納する炊飯器本体と、該炊飯器本体の上部開口を開閉自在に覆蓋する蓋体と、上記炊飯器本体または蓋体に設けられ、炊飯に必要な操作を行う操作パネルと、上記内鍋を加熱する炊飯加熱手段とを備えてなる電気炊飯器であって、上記操作パネルは、独立した操作ユニット部材として、上記炊飯器本体または蓋体に対して着脱可能に取り付けられており、上記炊飯器本体または蓋体から取り外された単独の状態では、リモートコントローラとして機能するように構成されていることを特徴とする電気炊飯器。
【請求項2】
独立した操作部材としてユニット化された操作パネルは、密閉構造に形成されていることを特徴とする請求項1記載の電気炊飯器。
【請求項3】
炊飯器本体側のクロック信号発生手段としてはセラミック発振子が、操作パネル側のクロック信号発生手段としては水晶発振子が採用されていることを特徴とする請求項1又は2記載の電気炊飯器。
【請求項4】
炊飯器本体側または蓋体側の操作パネル取付部は、炊飯器本体内部または蓋体内部に連通しない操作パネル嵌合溝を有して構成されていることを特徴とする請求項1,2又は3記載の電気炊飯器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−160960(P2011−160960A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−26550(P2010−26550)
【出願日】平成22年2月9日(2010.2.9)
【出願人】(000003702)タイガー魔法瓶株式会社 (509)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月9日(2010.2.9)
【出願人】(000003702)タイガー魔法瓶株式会社 (509)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]