説明

電気自動車の充電装置及び電気自動車の充電方法

【課題】電気自動車への充電量を最適化することができる電気自動車の充電装置及び電気自動車の充電方法を提供する。
【解決手段】電気自動車20のバッテリ状態(残存電力、充電可能量)、走行予定情報(目的地、走行ルート)及び充電器10の設置場所情報(設置位置情報、周辺道路情報、交通情報及び天候情報)に基づいて電気自動車20への最適な充電量を算出し、配電ライン30からその充電量分を供給する。このとき、例えば、電気自動車20が充電場所を出てから坂道を下る場合には充電量を少なくする、夏の気温が高いときにはエアコンが使われるので充電量を多くする、雨の日はワイパーを動かすので充電量を多くする等の調整を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車の車載バッテリへ電力を供給する電気自動車の充電装置及び電気自動車の充電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図10は、従来の電気自動車用充電器100及び電気自動車200の構成を示す図である。
電気自動車用充電器100(以下、単に充電器100と称す)は、充電器全体を制御する充電器管理部101と、充電器管理部101からの指令により、外部電源に接続された配電ライン300から引き入れた交流(AC)電力を直流(DC)電力に変換し、電気自動車200の車載バッテリ202を充電する電力変換部(AC→DC)102と、充電コネクタ103とを備える。また、電気自動車200は、自動車全体を制御する車両管理部201と、電力を蓄える車載バッテリ202と、車載バッテリ202の残存電力等を管理するバッテリ管理部203と、充電器100の充電コネクタ103と接続可能な充電コネクタ204等を備える。なお、ここでは、電気自動車200のバッテリ充電に関係しない機器については図示を省略している。
【0003】
図11は、従来の充電器100と電気自動車200との接続時の動作を示す図である。
先ず、利用者は、電気自動車200と充電器100とを充電コネクタ204及び103により接続する。すると、充電器100は、車載バッテリ202の状態(残存電力、充電可能量)を取得するために、バッテリ状態要求指令を車両管理部201に対して出力する。このとき、車両管理部201は、バッテリ管理部203からバッテリ状態を取得し、これを充電器100に通知する。充電器100は、取得したバッテリ状態に基づいて充電量を決め、その充電量分充電する。充電中、バッテリ管理部203は車載バッテリ202の状態を監視する。充電が終了すると、利用者は充電コネクタ204を切り離す。
【0004】
このような電気自動車に電力を供給する電力スタンドの電力供給に関する支援を行うシステムとして、例えば特許文献1に記載の技術がある。この技術は、電力スタンドの設置位置における天候情報及び交通情報に基づいて、当該電力スタンドの必要電力量を算出し、算出した電力量に応じて電力市場より購入する電力量を決定するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−206889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来のシステムは、電力市場から電力スタンドへの電力購入を最適化することを目的としており、電力スタンドから電気自動車への充電量の最適化については全く考慮されていない。
電気自動車は、坂道を下っているときにモータの回生制動により電力を回収し、バッテリに充電することができる。また同時に、運転者にとっては、エンジンブレーキが効きながら坂道を下って行ける。
【0007】
したがって、図12に示すように、高低差がある道の中間に充電器100を設置した充電場所がある場合で、電気自動車200が充電場所からA地点へ坂道を下って行く場合には、充電器100は、モータ回生制動による回収電力を蓄えられるだけの充電容量を車載バッテリに残しておく必要がある。仮に車載バッテリを満充電してしまうと、車載バッテリへの充電ができなくなるため、坂道を下るときにモータ回生制動によるエンジンブレーキが効かないという事態が生じる。また、回収できるはずの電力を捨ててしまうことにもなる。
【0008】
そこで、坂道を下るときのモータ回生制動による電力回収を考慮して、バッテリ充電量を予め少なく設定することもできるが、この場合、充電場所からB地点へ坂道を上る電気自動車200では、頻繁に充電を行わなければならなかったり、場合によってはB地点まで辿り着けなかったりする。
そこで、本発明は、電気自動車への充電量を最適化することができる電気自動車の充電装置及び電気自動車の充電方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の電気自動車の充電装置は、電気自動車の車載バッテリに電力を供給する電気自動車の充電装置であって、前記電気自動車のバッテリ状態を取得するバッテリ状態取得手段と、前記電気自動車の走行予定情報を取得する走行予定情報取得手段と、自装置の設置場所情報を記憶する記憶手段と、前記バッテリ状態取得手段で取得したバッテリ状態、前記走行予定情報取得手段で取得した走行予定情報、及び前記記憶手段に記憶された設置場所情報に基づいて、前記電気自動車への充電量を算出する充電量算出手段と、前記充電量算出手段で算出した充電量分の電力を、外部電源に接続された配電ラインから前記電気自動車に供給する電力供給手段と、を備えることを特徴としている。
【0010】
このように、電気自動車のバッテリ状態、走行予定情報及び充電装置の設置場所情報に基づいて、電気自動車への充電量を算出し充電するので、例えば、充電装置が坂道の上に設置されており、電気自動車がこの充電場所から坂道を下っていく予定である場合には充電量を少なくし、電気自動車がこの充電場所から坂道を上っていく予定である場合には充電量を多くするなど、電気自動車への充電量を調節することができる。
【0011】
そのため、電気自動車を満充電してしまい、上記充電場所から坂道を下るときにエンジンブレーキが効かなくなってしまうという事態を回避することができる。また、充電量を少なく設定しすぎて、上記充電場所から坂道を上るときに目的地まで辿り着けなくなってしまうという事態を回避することができる。すなわち、電気自動車への充電量を最適化することができる。
【0012】
また、上記において、前記バッテリ状態は、前記電気自動車の車載バッテリの残存電力及び充電可能量の少なくとも1つであることを特徴としている。
これにより、車載バッテリの状態に応じた適切な充電量を算出することができる。
さらに、上記において、前記走行予定情報は、前記電気自動車の目的地及び走行予定ルートの少なくとも1つであることを特徴としている。
【0013】
これにより、充電場所を出てから目的地に到着するまでの間の電気自動車の電力消費予定量を把握することができるので、これに応じて適切な充電量を算出することができる。
また、上記において、前記設置場所情報は、自装置の設置位置、周辺道路の情報、周辺道路の交通情報、周辺の天候情報の少なくとも1つであることを特徴としている。
これにより、例えば、天気の変化によるワイパー使用の有無や、気温の変化によるエアコン使用量の変動などを考慮して、適切に充電量を算出することができる。
【0014】
さらにまた、上記において、通信ネットワークを介してオンラインで接続された情報配信センタから前記設置場所情報を取得し、取得した前記設置場所情報を前記記憶手段に記憶する設置場所情報取得手段を備えることを特徴としている。
これにより、交通量や天候など時々刻々と変化する情報については、常に新しい情報を取得することができるので、より適切に充電量を算出することができる。
【0015】
また、上記において、前記バッテリ状態取得手段で取得したバッテリ状態、前記走行予定情報取得手段で取得した走行予定情報、及び前記記憶手段に記憶された設置場所情報に基づいて、前記電気自動車に余剰電力が有ると判断したとき、当該余剰電力分を前記電気自動車からの売電量として算出する売電量算出手段と、前記売電量算出手段で算出した売電量分の電力を、前記電気自動車から取り出し蓄積する売電手段と、前記売電手段で売電した売電量を、通信ネットワークを介してオンラインで接続され、利用者毎に売電によって貯蓄された充電量を保存する充電バンクへ登録する登録手段と、を備えることを特徴としている。
【0016】
このように、電気自動車に余剰電力が有る場合にはこれを電気自動車から電力を取り出し、売電するので、エネルギーの無駄を無くすことができる。また、売電した電力量を充電バンクに登録するので、利用者は別の機会に、他の場所に設置された充電装置からでも充電バンクに登録されている電力量分を充電することができ、エネルギーの効率的運用が可能となる。
【0017】
さらに、上記において、前記電気自動車から取り出した電力を蓄積可能なバッテリを備え、前記売電手段は、前記売電量算出手段で算出した売電量分の電力を、前記電気自動車から取り出し前記バッテリに蓄積することを特徴としている。
このように、充電装置内にバッテリを設け、売電時には、電気自動車から取り出した余剰電力を充電装置内のバッテリに充電するので、充電装置と電気自動車との間での電力移動のみで余剰電力の売電を行うことができる。
【0018】
また、上記において、前記電力供給手段は、前記充電量算出手段で算出した充電量分の電力を、前記配電ライン及び前記バッテリの少なくとも一方から前記電気自動車に供給することを特徴としている。
このように、充電装置内のバッテリからも電気自動車の充電を可能とするので、電気自動車から取り出した余剰電力を別の電気自動車に充電することができ、エネルギーの再利用が可能となる。
【0019】
さらにまた、上記において、前記売電手段は、前記売電量算出手段で算出した売電量分の電力を、前記電気自動車から取り出し前記配電ライン上に蓄積することを特徴としている。
このように、売電時には、電気自動車から取り出した余剰電力を配電ラインに売電するので、充電装置内に余剰電力を蓄積するためのバッテリを設ける必要がなく、充電装置の構造を簡略化することができる。
【0020】
また、本発明の電気自動車の充電方法は、電気自動車の車載バッテリに電力を供給する電気自動車の充電方法であって、前記電気自動車のバッテリ状態を取得するステップと、前記電気自動車の走行予定情報を取得するステップと、取得したバッテリ状態、走行予定情報、及び記憶手段に記憶された自装置の設置場所情報に基づいて、前記電気自動車への充電量を算出するステップと、算出した充電量分の電力を、外部電源に接続された配電ラインから前記電気自動車に供給するステップと、を備えることを特徴としている。
このように、電気自動車のバッテリ状態、走行予定情報及び充電装置の設置場所情報に基づいて、電気自動車への充電量を算出し充電するので、電気自動車への充電量を最適化することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、電気自動車への充電量を最適化することができるので、電力の無駄を無くすことができると共に、坂道を下るときにエンジンブレーキが効かなくなるというような事態を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1の実施形態の電気自動車用充電器及び電気自動車の構成を示す図である。
【図2】第1の実施形態の充電器管理部で実行する充電処理手順を示すフローチャートである。
【図3】第1の実施形態の電気自動車用充電器と電気自動車との接続時の動作を示す図である。
【図4】第2の実施形態の電気自動車用充電器及び電気自動車の構成を示す図である。
【図5】第2の実施形態の充電器管理部で実行する充電処理手順を示すフローチャートである。
【図6】第2の実施形態の電気自動車用充電器と電気自動車との接続時の動作を示す図である。
【図7】第3の実施形態の電気自動車用充電器及び電気自動車の構成を示す図である。
【図8】第3の実施形態の充電器管理部で実行する充電処理手順を示すフローチャートである。
【図9】第3の実施形態の電気自動車用充電器と電気自動車との接続時の動作を示す図である。
【図10】従来の電気自動車用充電器及び電気自動車の構成を示す図である。
【図11】従来の電気自動車用充電器と電気自動車との接続時の動作を示す図である。
【図12】電気自動車用充電器を設置した充電場所の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
(構成)
図1は、第1の実施形態の電気自動車用充電器及び電気自動車の構成を示す図である。
図中、符号10は電気自動車用充電器であり、この電気自動車用充電器10(以下、単に充電器10と称す)は、充電器全体を制御する充電器管理部11と、充電器管理部11からの指令により、商用電源等の外部電源に接続された配電ライン30から引き入れた交流(AC)電力を直流(DC)電力に変換し、電気自動車20の車載バッテリ22を充電する電力変換部(AC→DC)12と、充電コネクタ13とを備える。
【0024】
充電器管理部11は、設置情報格納部11a、周辺情報格納部11b、交通情報格納部11c及び天候情報格納部11dを備える。設置情報格納部11aには、充電器10がどのような場所に設定されているかを示す設置位置情報(平地/坂道の下/坂道の途中/坂道の上)が予め格納されている。また、周辺情報格納部11bには、充電器10の周辺道路情報(周辺道路の高低差、坂道の傾斜、周辺の充電場所等)が格納され、交通情報格納部11cには、充電器10の周辺の交通情報(周辺の通行止め、渋滞等)が格納され、天候情報格納部11dには、充電器10の周辺の天候情報(天候、季節、気温、湿度等)が格納される。これら周辺道路情報、交通情報及び天候情報は、外部の情報配信センタ40から通信ネットワークを介して取得される。
【0025】
通信ネットワークは、利用者が独自に敷設した専用の通信網、又は通信事業者から借り受けた様々な回線を予め定めた例えば、通信プロトコルとしてIPプロトコルを利用して各装置を接続する通信網である。また、通信ネットワークは、無線LANのネットワーク及び無線LANの基地局などを含んでいるものとする。通信回路としては、ADSL、FTTH、広域LANなどが使用可能である。
情報配信センタ40は、各充電器10の設置場所の周辺道路情報、交通情報及び天候情報を収集、記憶しており、充電器管理部11からの要求に応じ、当該充電器管理部11が属する充電器10の設置場所に対応する上記各情報を充電器管理部11へ配信するようになっている。
【0026】
すなわち、充電器10及び情報配信センタ40は、それぞれデータの送受信を行うための送受信部(不図示)を備えており、充電器管理部11は、所定のタイミングで情報配信センタ40に対して充電器10が設置されている位置情報を送信すると共に、周辺道路情報、交通情報及び天候情報の要求指令を送信する。そして、当該要求指令に対して情報配信センタ40から周辺道路情報、交通情報及び天候情報が配信されると、これらを受信し各格納部11b〜11dに記憶する(設置場所情報取得手段)。
【0027】
また、電気自動車20は、自動車全体を制御する車両管理部21と、電力を蓄える車載バッテリ22と、バッテリ状態(残存電力、充電可能量)を管理するバッテリ管理部23と、充電器10の充電コネクタ13と接続可能な充電コネクタ24と、自車両の走行予定情報(目的地、走行ルート)を記憶し、運転者に当該走行ルート等をナビゲーションするカーナビゲーションシステム(カーナビ)25等を備える。なお、ここでは、電気自動車20のバッテリ充電に関係しない機器については図示を省略している。
【0028】
車両管理部21は、充電器管理部11からのバッテリ状態要求指令を受けて、バッテリ管理部23に対してバッテリ状態要求指令を出力し、バッテリ管理部23から取得したバッテリ状態を充電器管理部11へ通知可能となっている。また、車両管理部21は、充電器管理部11からの走行予定情報要求指令(目的地、走行ルート要求指令)を受けて、カーナビ25に対して走行予定情報要求指令を出力し、カーナビ25から取得した走行予定情報を充電器管理部11へ通知可能となっている。
【0029】
すなわち、バッテリ管理部23は、車両管理部21からのバッテリ状態要求指令を受けて、車両管理部21に対して自身が管理しているバッテリ状態を通知する。また、カーナビ25は、車両管理部21からの走行予定情報要求指令を受けて、車両管理部21に対して自身が管理している走行予定情報を通知する。
図2は、充電器管理部11で実行する充電処理手順を示すフローチャートである。この充電処理は、充電器10に電気自動車20が接続されたときに実行開始する。
【0030】
先ずステップS1で、充電器管理部11は、電気自動車20のバッテリ状態を取得するためのバッテリ状態要求指令を車両管理部21に対して出力し、ステップS2に移行する。このバッテリ状態要求指令の出力により、車両管理部21側では、上述したようにバッテリ管理部23からバッテリ状態を取得し、これを充電器管理部11へ通知する処理が行われる。
【0031】
ステップS2では、充電器管理部11は、車両管理部21から通知されたバッテリ状態を取得し、ステップS3に移行する。
ステップS3では、充電器管理部11は、電気自動車20の走行予定情報を取得するための走行予定情報要求指令を車両管理部21に対して出力し、ステップS4に移行する。この走行予定情報要求指令の出力により、車両管理部21側では、上述したようにカーナビ25から走行予定情報を取得し、これを充電器管理部11へ通知する処理が行われる。
ステップS4では、充電器管理部11は、車両管理部21から通知された走行予定情報を取得し、ステップS5に移行する。
【0032】
ステップS5では、充電器管理部11は、前記ステップS2で取得したバッテリ状態と、前記ステップS4で取得した走行予定情報と、各格納部11a〜11dに記憶された各種情報(設置位置情報、周辺道路情報、交通情報及び天候情報)に基づいて、車載バッテリ22への充電量を算出する。ここで、算出する充電量に対して、例えば、坂道を下る場合には充電量を少なくする、夏の気温が高いときにはエアコンが使われるので充電量を多くする、雨の日はワイパーを動かすので充電量を多くする等の調整を行う。
【0033】
そして、ステップS6では、充電器管理部11は、前記ステップS5で算出した充電量を電力変換部12に通知する。これにより、電力変換部12は、指令された充電量分の電力を車載バッテリ22に充電する。
なお、図1の設置情報格納部11a、周辺情報格納部11b、交通情報格納部11c及び天候情報格納部11dが記憶手段に対応している。また、図2のステップS1及びS2がバッテリ状態取得手段に対応し、ステップS3及びS4が走行予定情報取得手段に対応し、ステップS5が充電量算出手段に対応し、ステップS6が電力供給手段に対応している。
【0034】
(動作)
次に、第1の実施形態の動作について説明する。
充電器10は、事前に所定のタイミングで情報配信センタ40から周辺道路情報、交通情報及び天候情報を取得し、これらを各格納部11b〜11dに記憶しておく。そして、電気自動車20の運転者等の利用者が、充電器10の設置場所で電気自動車20と充電器10とを充電コネクタ24と充電コネクタ13とにより接続すると、充電器10は、電気自動車20に対して配電ライン30からの電力を供給し、車載バッテリ22を充電する。
【0035】
図3は、充電器10と電気自動車20との接続時の動作を示す図である。
電気自動車20と充電器10とが接続されると、充電器10の充電器管理部11は、車載バッテリ22の状態(残存電力、充電可能量)を取得するために、バッテリ状態要求指令を車両管理部21に対して出力する。このとき、車両管理部21は、バッテリ管理部23にバッテリ状態要求指令を出力することで、バッテリ管理部23からバッテリ状態を取得し、これを充電器10に通知する。
【0036】
次に、充電器管理部11は、電気自動車20の走行予定情報(目的地、走行ルート)を取得するために、走行予定情報要求指令を車両管理部21に対して出力する。このとき、車両管理部21は、カーナビ25に走行予定情報要求指令を出力することで、カーナビ25から走行予定情報を取得し、これを充電器10に通知する。
【0037】
すると、充電器10は、電気自動車20から取得したバッテリ状態及び走行予定情報と、情報配信センタ40から事前に取得していた周辺道路情報、交通情報及び天候情報とに基づいて、電気自動車20への充電量を算出し、その充電量分、車載バッテリ22を充電する。このとき、充電器管理部11は、車両管理部21に対して、充電の前後で充電開始通知と充電終了通知とをそれぞれ出力する。また、充電中、バッテリ管理部23は車載バッテリ22の状態を監視する。充電が終了すると、利用者は充電コネクタ24を切り離す。
【0038】
ところで、電気自動車は、坂道を下っているときにモータの回生制動により電力を回収し、車載バッテリを充電することができる。同時に、運転者にとっては、エンジンブレーキが効きながら坂道を下って行ける。したがって、電気自動車が充電場所から坂道を下っていく場合には、充電器は、モータ回生制動による回収電力を蓄えられるだけの充電容量を車載バッテリに残しておくように充電量を決定する必要がある。
【0039】
仮にバッテリを満充電してしまうと、電気自動車が図12に示すような坂道の途中にある充電場所から坂道の下にあるA地点まで下るときに、モータ回生制動によるエンジンブレーキが効かないという事態が生じてしまう。また、回収できるはずの電力を捨ててしまうことにもなる。
一方、充電場所から坂道を下るときのモータ回生制動による電力回収を考慮して、充電器によるバッテリ充電量を予め少なく設定してしまうと、図12の充電場所から坂道の上にあるB地点まで上る電気自動車であった場合、頻繁に充電を行わなければならなかったり、場合によっては目的地まで辿り着かなかったりするおそれがある。
【0040】
これに対して本実施形態では、充電器10の周辺天候や交通状態のみならず、周辺道路の高低差や傾斜、電気自動車20の走行予定情報(目的地、走行ルート)を入手して車載バッテリ22の充電量を決定する。そのため、電気自動車20が充電場所から坂道を下っていく場合には充電量を少なくし、電気自動車20が充電場所から坂道を上っていく場合には充電量を多くすることができるなど、電気自動車20への充電量を適切に設定することができる。
【0041】
したがって、電気自動車を満充電してしまい、上記充電場所から坂道を下るときにエンジンブレーキが効かなくなってしまうという事態を回避することができる。また、充電量を少なく設定しすぎて、上記充電場所から坂道を上るときに目的地まで辿り着けなくなってしまうという事態も回避することができる。
【0042】
(効果)
このように、上記第1の実施形態では、電気自動車のバッテリ状態及び走行予定情報と、充電器の設置位置情報、周辺道路情報、交通情報、天候情報を総合して充電量を算出し充電するので、電気自動車への充電量を最適化することができる。これにより、電力の無駄を無くすことができると共に、坂道を下るときにエンジンブレーキが効かなくなるというような事態を回避することができる。
【0043】
特に、電気自動車のバッテリ状態として、車載バッテリの残存電力と充電可能量を用いるので、車載バッテリの状態に応じた適切な充電量を算出することができる。また、電気自動車の走行予定情報として、電気自動車の目的地と走行ルートとを用いるので、充電場所を出てから目的地に到着するまでの間の電気自動車の電力消費予定量を把握し、これに応じて適切な充電量を算出することができる。
【0044】
さらに、充電量の算出に際し、充電器の設置位置情報、周辺道路情報、交通情報及び天候情報も用いるので、電気自動車が充電場所から坂道を下る場合には充電量を少なくしたり、夏の気温が高いときにはエアコンが使われるので充電量を多くしたり、雨の日はワイパーを動かすので充電量を多くしたりするなどの調整が可能となる。
また、周辺道路情報、交通情報及び天候情報といった時々刻々と変化する情報については、通信ネットワークを介してオンラインで接続された情報配信センタから取得するので、より適切に充電量を算出することができる。
【0045】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
この第2の実施形態は、上述した第1の実施形態において、電気自動車の余剰電力の有無を判断し、余剰電力がある場合には当該余剰電力を売電するようにしたものである。
(構成)
図4は、第2の実施形態の充電器10及び電気自動車20の構成を示す図である。
この図4において、上述した第1の実施形態における充電器10及び電気自動車20と同一構成を有する部分には、図1と同一符号を付し、ここでは構成の異なる部分を中心に説明する。
【0046】
充電器10は、電気自動車20の余剰電力を蓄電するためのバッテリ14を備える。また、充電器10の充電器管理部11は、充電バンク50と通信ネットワークを介して接続可能となっている。充電バンク50は、利用者がそれぞれ貯蓄している充電量を記憶するものであり、例えば、利用者を識別するIDとその利用者が貯蓄している充電量とが対応付けられて登録されている。ここで、利用者が貯蓄している充電量とは、利用者の電気自動車20の車載バッテリ22から取り出し売電された売電量である。
【0047】
図5は、充電器管理部11で実行する充電処理手順を示すフローチャートである。この充電処理は、充電器10に電気自動車20が接続されたときに実行開始する。この充電処理は、図2のステップS5をステップS11に置換し、ステップS12〜S14を追加したことを除いては、図2と同様の処理を行う。したがって、ここでは、図2と同一処理を行う部分には図2と同一ステップ番号を付し、処理の異なる部分を中心に説明する。
【0048】
ステップS11では、充電器管理部11は、前記ステップS2で取得したバッテリ状態と、前記ステップS4で取得した走行予定情報と、各格納部11a〜11dに記憶された各種情報(設置位置情報、周辺道路情報、交通情報及び天候情報)に基づいて、充電器10から車載バッテリ22への充電量、又は車載バッテリ22からバッテリ14への売電量を算出する。ここでは、上記各情報に基づいて車載バッテリ22に余剰電力があるか否かを判定し、余剰電力がないと判断した場合には車載バッテリ22への充電量を算出し、余剰電力があると判断した場合には車載バッテリ22からの売電量を算出する。
【0049】
例えば、電気自動車20が坂道の上にある出発点から、坂道の途中にある充電場所を経由して坂道の下にある目的地まで下る場合、出発点から充電場所までは下り坂であるため、充電場所まで走行する間に車載バッテリ22が充電される。また、この充電場所から目的地までも下り坂であるため、この間では電力を消費しない。したがって、このような場合には余剰電力があると判断し、充電場所では車載バッテリ22への充電ではなく、車載バッテリ22から充電器10内のバッテリ14への売電を行う。ここで、算出する売電量は、例えば、夏の気温が高いときにはエアコンが使われるので売電量を少なくする、雨の日はワイパーを動かすので売電量を少なくする等の調整を行う。なお、充電量の算出については、上述した第1の実施形態と同様である。
【0050】
ステップS12では、充電器管理部11は、前記ステップS11で車載バッテリ22に余剰電力が無いか、即ち車載バッテリ22への充電を行うと判断されたか否かを判定する。そして、前記ステップS11で車載バッテリ22への充電を行うと判断され、充電量が算出されている場合には、前記ステップS6に移行する。一方、前記ステップS11で車載バッテリ22からの売電を行うと判断され、売電量が算出されている場合にはステップS13に移行する。
【0051】
ステップS13では、充電器管理部11は、前記ステップS11で算出した売電量を電力変換部12に通知する。これにより、電力変換部12は、指令された売電量分の電力を車載バッテリ22から取り出し、バッテリ14に充電する。
次にステップS14では、充電器管理部11は、前記ステップS11で算出した売電量を、利用者の情報と共に通信ネットワークを介して充電バンク50へ通知する。これにより、売電した電力量が充電バンク50に登録(貯蓄された充電量に加算)される。
なお、図5のステップS11が売電量算出手段に対応し、ステップS13が売電手段に対応し、ステップS14が登録手段に対応している。
【0052】
(動作)
次に、第2の実施形態の動作について説明する。
充電器10は、事前に所定のタイミングで情報配信センタ40から周辺道路情報、交通情報及び天候情報を取得し、これらを各格納部11b〜11dに記憶しておく。そして、電気自動車20の運転者等の利用者が、充電器10の設置場所で電気自動車20と充電器10とを充電コネクタ24と充電コネクタ13とにより接続すると、充電器10は、電気自動車20に対して配電ライン30やバッテリ14からの電力を供給し、車載バッテリ22を充電する。
【0053】
図6は、充電器10と電気自動車20との接続時の動作を示す図である。
電気自動車20と充電器10とが接続されると、充電器10の充電器管理部11は、車載バッテリ22の状態(残存電力、充電可能量)を取得するために、バッテリ状態要求指令を車両管理部21に対して出力する。このとき、車両管理部21は、バッテリ管理部23にバッテリ状態要求指令を出力することで、バッテリ管理部23からバッテリ状態を取得し、これを充電器10に通知する。
【0054】
次に、充電器管理部11は、電気自動車20の走行予定情報(目的地、走行ルート)を取得するために、走行予定情報要求指令を車両管理部21に対して出力する。このとき、車両管理部21は、カーナビ25に走行予定情報要求指令を出力することで、カーナビ25から走行予定情報を取得し、これを充電器10に通知する。
【0055】
すると、充電器10は、電気自動車20から取得したバッテリ状態及び走行予定情報と、情報配信センタ40から事前に取得していた周辺道路情報、交通情報及び天候情報とを総合的に判断して、電気自動車20への充電量又は充電器10への売電量を算出する。
このとき、電気自動車20が、図12に示すような坂道の上にあるB地点から坂道の下にあるA地点まで下る場合、B地点から坂道の途中にある充電場所への走行時に車載バッテリ22が充電されている。また、この充電場所から目的地であるA地点までは下り坂であるため、電力を消費しない。
【0056】
したがって、このような場合には、充電場所では車載バッテリ22への充電ではなく、車載バッテリ22から充電器10内のバッテリ14への売電を行うべく売電量を算出し、その売電量分、車載バッテリ22から電力を取り出す(売電する)。このとき、充電器管理部11は、車両管理部21に対して、売電の前後で売電開始通知と売電終了通知とをそれぞれ出力する。また、売電中、バッテリ管理部23は車載バッテリ22の状態を監視する。売電が終了すると、利用者は充電コネクタ24を切り離す。
車載バッテリ22から取り出した電力は、充電器10内のバッテリ14に移動(充電)する。また、このようにして売電された電力量は、充電器10から充電バンク50へ通知する。
【0057】
このように、電気自動車20が坂道を下ってきたときのように、車載バッテリ22の充電量が多い場合には、車載バッテリ22から余剰電力を取り出し、充電器10内のバッテリ14に充電(売電)することにより、エネルギーの無駄を無くすことができる。つまり、電気自動車20への充電を行う際、配電ライン30及び充電器10内のバッテリ14の少なくとも一方から電力供給を行うものとすれば、バッテリ14に電力が蓄積されている場合には、バッテリ14から車載バッテリ22を充電することができる。
また、売電した電力量を充電バンク50に登録することにより、利用者は他の場所に設置された充電器からでも充電バンク50に登録されている電力量分を充電することができる。
【0058】
(効果)
このように、上記第2の実施形態では、車載バッテリの余剰電力の有無に応じて、充電器から電気自動車への充電を行うか、電気自動車から充電器への売電を行うかを判断する。そのため、電気自動車に余剰電力が無い場合には最適な充電量で電気自動車を充電することができ、上述した第1の実施形態と同様に、坂道を下るときにエンジンブレーキが効かなくなるというような事態を回避することができる。また、電気自動車に余剰電力が有る場合には電気自動車から電力を取り出し、売電するので、エネルギーの無駄を無くすことができる。
【0059】
さらに、充電器内にバッテリを設け、売電時には、電気自動車から取り出した余剰電力を充電器内のバッテリに充電するので、充電器と電気自動車との間での電力移動のみで余剰電力の売電を行うことができる。
また、電気自動車から余剰電力を売電した際、その電力量を充電バンクに登録するので、利用者は別の機会に、別の充電器からでも、これを取り出し車載バッテリの充電に用いることができる。このように、余剰電力を蓄積し再利用することができるので、エネルギーの効率的利用が可能となる。
【0060】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
この第3の実施形態は、上述した第2の実施形態において、電気自動車20の車載バッテリ22から充電器10内のバッテリ14に売電しているのに対し、電気自動車20の車載バッテリ22から配電ライン30に売電するようにしたものである。
【0061】
(構成)
図7は、第3の実施形態の充電器10及び電気自動車20の構成を示す図である。
この図7において、上述した第2の実施形態における充電器10及び電気自動車20と同一構成を有する部分には、図4と同一符号を付し、ここでは構成の異なる部分を中心に説明する。
充電器10は、図4の電力変換部(AC→DC)12に代えて電力変換部(AC⇔DC)15を備える。電力変換部(AC⇔DC)15は、充電器管理部11からの指令により、配電ライン30から引き入れた交流(AC)電力を直流(DC)電力に変換し、電気自動車20の車載バッテリ22を充電する電力変換機能(AC→DC)と、電気自動車20の余剰電力を取り出して直流(DC)電力を交流(AC)電力に変換し、配電ライン30へ売電する電力変換機能(DC→AC)とを兼ね備えたものである。なお、本実施形態の充電器10は、バッテリ14は備えていない。
【0062】
図8は、充電器管理部11で実行する充電処理手順を示すフローチャートである。この充電処理は、充電器10に電気自動車20が接続されたときに実行開始する。この充電処理は、図5のステップS13をステップS21に置換したことを除いては、図5と同様の処理を行う。したがって、ここでは、図5と同一処理を行う部分には図5と同一ステップ番号を付し、処理の異なる部分を中心に説明する。
ステップS21では、充電器管理部11は、前記ステップS11で算出した売電量を電力変換部15に通知する。これにより、電力変換部15は、指令された売電量分の電力を車載バッテリ22から取り出し、配電ライン30に売電する。
なお、図8のステップS21が売電手段に対応している。
【0063】
(動作)
次に、第3の実施形態の動作について説明する。
充電器10は、事前に所定のタイミングで情報配信センタ40から周辺道路情報、交通情報及び天候情報を取得し、これらを各格納部11b〜11dに記憶しておく。そして、電気自動車20の運転者等の利用者が、充電器10の設置場所で電気自動車20と充電器10とを充電コネクタ24と充電コネクタ13とにより接続すると、充電器10は、電気自動車20に対して配電ライン30からの電力を供給し、車載バッテリ22を充電する。
【0064】
図9は、充電器10と電気自動車20との接続時の動作を示す図である。
電気自動車20と充電器10とが接続されると、充電器10の充電器管理部11は、車載バッテリ22の状態(残存電力、充電可能量)を取得するために、バッテリ状態要求指令を車両管理部21に対して出力する。このとき、車両管理部21は、バッテリ管理部23にバッテリ状態要求指令を出力することで、バッテリ管理部23からバッテリ状態を取得し、これを充電器10に通知する。
【0065】
次に、充電器管理部11は、電気自動車20の走行予定情報(目的地、走行ルート)を取得するために、走行予定情報要求指令を車両管理部21に対して出力する。このとき、車両管理部21は、カーナビ25に走行予定情報要求指令を出力することで、カーナビ25から走行予定情報を取得し、これを充電器10に通知する。
すると、充電器10は、電気自動車20から取得したバッテリ状態及び走行予定情報と、情報配信センタ40から事前に取得していた周辺道路情報、交通情報及び天候情報とを総合的に判断して、電気自動車20への充電量又は配電ライン30への売電量を算出する。
【0066】
このとき、電気自動車20が、図12に示すような坂道の上にあるB地点から坂道の下にあるA地点まで下る場合、B地点から坂道の途中にある充電場所への走行時に車載バッテリ22が充電されている。また、この充電場所から目的地であるA地点までは下り坂であるため、電力を消費しない。
したがって、このような場合には、充電場所では車載バッテリ22への充電ではなく、車載バッテリ22から配電ライン30への売電を行うべく売電量を算出し、その売電量分、車載バッテリ22から余剰電力を取り出す(売電する)。このとき、充電器管理部11は、車両管理部21に対して、売電の前後で売電開始通知と売電終了通知とをそれぞれ出力する。また、売電中、バッテリ管理部23は車載バッテリ22の状態を監視する。売電が終了すると、利用者は充電コネクタ24を切り離す。
【0067】
車載バッテリ22から取り出した余剰電力は、配電ライン30に売電する。また、このようにして売電された電力量は、充電器10から充電バンク50へ通知する。このように、配電ライン30に売電することにより、配電ライン30上の所定の蓄電装置等に当該余剰電力を蓄積することができる。そのため、蓄積された余剰電力は、配電ライン30に接続された他の充電器から他の電気自動車への充電に用いることができ、エネルギーの効率的利用が可能となる。
【0068】
(効果)
このように、上記第3の実施形態では、売電時には、電気自動車から取り出した余剰電力を配電ラインに売電するので、充電器内に余剰電力を蓄積するためのバッテリを設ける必要がなく、充電器の構造を簡略化することができる。
(変形例)
なお、上記各実施形態においては、充電器10内に電力変換部12又は15を設ける場合について説明したが、電気自動車20側に電力変換部を備える場合には、充電器10側に電力変換部を備えなくてもよい。或いは、電気自動車20が電力変換部を備えていない場合にのみ、充電器10の電力変換部を介して電力供給を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0069】
10…電気自動車用充電器(充電器)、11…充電器管理部、12…電力変換部(AC→DC)、13…接続コネクタ、14…バッテリ、15…電力変換部(AC⇔DC)、20…電気自動車、21…車両管理部、22…車載バッテリ、23…バッテリ管理部、24…接続コネクタ、25…カーナビ、30…配電ライン、40…情報配信センタ、50…充電バンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車の車載バッテリに電力を供給する電気自動車の充電装置であって、
前記電気自動車のバッテリ状態を取得するバッテリ状態取得手段と、
前記電気自動車の走行予定情報を取得する走行予定情報取得手段と、
自装置の設置場所情報を記憶する記憶手段と、
前記バッテリ状態取得手段で取得したバッテリ状態、前記走行予定情報取得手段で取得した走行予定情報、及び前記記憶手段に記憶された設置場所情報に基づいて、前記電気自動車への充電量を算出する充電量算出手段と、
前記充電量算出手段で算出した充電量分の電力を、外部電源に接続された配電ラインから前記電気自動車に供給する電力供給手段と、を備えることを特徴とする電気自動車の充電装置。
【請求項2】
前記バッテリ状態は、前記電気自動車の車載バッテリの残存電力及び充電可能量の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載の電気自動車の充電装置。
【請求項3】
前記走行予定情報は、前記電気自動車の目的地及び走行予定ルートの少なくとも1つであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気自動車の充電装置。
【請求項4】
前記設置場所情報は、自装置の設置位置、周辺道路の情報、周辺道路の交通情報、周辺の天候情報の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の電気自動車の充電装置。
【請求項5】
通信ネットワークを介してオンラインで接続された情報配信センタから前記設置場所情報を取得し、取得した前記設置場所情報を前記記憶手段に記憶する設置場所情報取得手段を備えることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の電気自動車の充電装置。
【請求項6】
前記バッテリ状態取得手段で取得したバッテリ状態、前記走行予定情報取得手段で取得した走行予定情報、及び前記記憶手段に記憶された設置場所情報に基づいて、前記電気自動車に余剰電力が有ると判断したとき、当該余剰電力分を前記電気自動車からの売電量として算出する売電量算出手段と、
前記売電量算出手段で算出した売電量分の電力を、前記電気自動車から取り出し蓄積する売電手段と、
前記売電手段で売電した売電量を、通信ネットワークを介してオンラインで接続され、利用者毎に売電によって貯蓄された充電量を保存する充電バンクへ登録する登録手段と、
を備えることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の電気自動車の充電装置。
【請求項7】
前記電気自動車から取り出した電力を蓄積可能なバッテリを備え、
前記売電手段は、前記売電量算出手段で算出した売電量分の電力を、前記電気自動車から取り出し前記バッテリに蓄積することを特徴とする請求項6に記載の電気自動車の充電装置。
【請求項8】
前記電力供給手段は、前記充電量算出手段で算出した充電量分の電力を、前記配電ライン及び前記バッテリの少なくとも一方から前記電気自動車に供給することを特徴とする請求項7に記載の電気自動車の充電装置。
【請求項9】
前記売電手段は、前記売電量算出手段で算出した売電量分の電力を、前記電気自動車から取り出し前記配電ライン上に蓄積することを特徴とする請求項6に記載の電気自動車の充電装置。
【請求項10】
電気自動車の車載バッテリに電力を供給する電気自動車の充電方法であって、
前記電気自動車のバッテリ状態を取得するステップと、
前記電気自動車の走行予定情報を取得するステップと、
取得したバッテリ状態、走行予定情報、及び記憶手段に記憶された自装置の設置場所情報に基づいて、前記電気自動車への充電量を算出するステップと、
算出した充電量分の電力を、外部電源に接続された配電ラインから前記電気自動車に供給するステップと、を備えることを特徴とする電気自動車の充電方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−244784(P2012−244784A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−112914(P2011−112914)
【出願日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(000005234)富士電機株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】