電気自動車用補助装置の取付構造
【課題】メンテナンス性を損なうことなく、安全性を確保することができる電気自動車用補助装置の取付構造を提供する。
【解決手段】電気自動車1の左右後輪22,23間であってリアバンパ21より車両前方F側の車体31の部位に左右固定メンバ32,33を固定し、各固定メンバ32,33を車両前後方向に延設する。両固定メンバ32,33間に断面コ字状に折曲された保持ブラケット41を設け、保持ブラケット41とフロアパネル34間に、車両前後方向に開口した収容空間44を形成する。収容空間44に、充電補助装置11を格納した格納ケース61を引き出し可能に保持する。
【解決手段】電気自動車1の左右後輪22,23間であってリアバンパ21より車両前方F側の車体31の部位に左右固定メンバ32,33を固定し、各固定メンバ32,33を車両前後方向に延設する。両固定メンバ32,33間に断面コ字状に折曲された保持ブラケット41を設け、保持ブラケット41とフロアパネル34間に、車両前後方向に開口した収容空間44を形成する。収容空間44に、充電補助装置11を格納した格納ケース61を引き出し可能に保持する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車に適用される電気自動車用補助装置の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車の開発が行われている。
【0003】
この電気自動車は、搭載されたバッテリーで車両駆動用のモータを作動するように構成されており、二酸化炭素を排出すること無く、走行できるよう構成されている。
【0004】
これにより、電気自動車の普及が予測される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような電気自動車にあっては、バッテリーが切れた際に走行できなくなるとう問題を抱えている。
【0006】
また、車載のバッテリーは、容量が定められており、その走行距離が自ずと制限されてしまう。
【0007】
これらを解消する為に、エンジン式発電機などの補助装置を車両に搭載することが考えられるが、車両の取付位置に苦労を要する。
【0008】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、メンテナンス性を損なうことなく、安全性を確保することができる、発電機や補助バッテリーを含む電気自動車用補助装置の取付構造を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために本発明の請求項1の電気自動車用補助装置の取付構造においては、電気自動車にエンジン式発電機や予備バッテリー等の充電補助装置を搭載する為の電気自動車用補助装置の取付構造であって、左右の後輪間であって車両後部のバンパより車両前方側の車体に位置する部位に固定部を固定し、該固定部に、前記充電補助装置を格納する格納部を移動可能に保持した。
【0010】
すなわち、左右の後輪間であって車両後部のバンパより車両前方側の車体に位置する部位には、固定部が固定されており、この固定部に対して充電補助装置を格納する格納部を移動可能に保持できるように構成されている。
【0011】
このため、前記充電補助装置を格納した前記格納部を、車体に固定された固定部に対して移動することで、当該格納部に格納されたエンジン式発電機や予備バッテリー等の充電補助装置の取り出しが容易に行われる。
【0012】
また、請求項2の電気自動車用補助装置の取付構造にあっては、前記固定部を、前記車体に固定された車両前後方向に延在する一対の固定メンバと、両固定メンバ間に支持された断面コ字状の保持ブラケットとで構成し、前記格納部を、前記保持ブラケット上の収容空間に引き出し可能に保持されるケース状に形成した。
【0013】
すなわち、前記固定部は、車体に固定された一対の固定メンバと、両固定メンバ間に支持された断面コ字状の保持ブラケットとで構成されており、該保持ブラケットで形成された前記収容空間は、側方開口状に形成される。
【0014】
そして、この側方開口状の前記収容空間には、前記格納部が引き出し可能に保持されており、当該格納部は、側方開口部からの引き出しが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように本発明の請求項1の電気自動車用補助装置の取付構造にあっては、エンジン式発電機や予備バッテリー等の充電補助装置を格納した格納部を、車体に固定された固定部に対して移動可能に保持することができる。
【0016】
このため、前記充電補助装置を格納した前記格納部を、車体に固定された固定部に対して移動することで、当該格納部に格納されたエンジン式発電機や予備バッテリー等の充電補助装置の取り出しを容易に行うことができる。
【0017】
したがって、前記充電補助装置を車体に固定して取り付ける場合と比較して、メンテナンス性を高めることができる。
【0018】
そして、前記格納部に格納されたエンジン式発電機や予備バッテリー等の充電補助装置は、左右の後輪間であって車両後部のバンパより車両前方側の車体の位置に保持することができる。
【0019】
このため、エンジン式発電機や予備バッテリー等の充電補助装置を車室内に設置する場合と比較して、安全性を高めることができる。
【0020】
また、前記充電補助装置をトランク等の収納部に収納する場合と比較して、車両が有した収納スペースを犠牲にすること無く、充電補助装置の格納が可能となる。
【0021】
さらに、前記充電補助装置を、左右の後輪間であって車両後部のバンパより車両前方側に保持するため、車両の外観を損なうことなく、当該充電補助装置の収納が可能となる。
【0022】
また、請求項2の電気自動車用補助装置の取付構造にあっては、格納部を保持する収容空間には、側方開口状に形成されており、この側方開口部から充電補助装置を格納した前記格納部を引き出すことができる。
【0023】
これにより、必要に応じて前記収容空間から前記格納部を引き出すことができるため、該格納部に格納されたエンジン式発電機や予備バッテリー等の充電補助装置のメンテナンス性をさらに高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第一の実施の形態を示す説明図である。
【図2】(a)は、第二の実施の形態を示す説明図であり、(b)は、第三の実施の形態を示す説明図である。
【図3】(a)は、第四の実施の形態を示す説明図であり、(b)は、第五の実施の形態を示す説明図である。
【図4】(a)は、第六の実施の形態を示す説明図であり、(b)は、第七の実施の形態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(第一の実施の形態)
【0026】
以下、本発明の第一の形態を図に従って説明する。
【0027】
図1は、本実施の形態にかかる電気自動車用補助装置の取付構造を示す図であり、この電気自動車用補助装置の取付構造は、電気自動車1に適用されている。
【0028】
すなわち、電気自動車1は、搭載されたバッテリーで車両駆動用のモータを作動して走行できるように構成されており、バッテリー上がりに起因した車両停止やバッテリー容量で制限される走行距離の問題を解決する為に、エンジン式発電機や予備バッテリー等の充電補助装置11を車両に搭載できるように構成されている。
【0029】
この電気自動車1の車両後端部には、リアバンパ21が車幅方向に延設されており、該リアバンパ21より車両前方F側には、車軸が設けられている。この車軸の左端には、左後輪22が設けられており、右端には、右後輪23が設けられている。
【0030】
この左右後輪22,23間であって車両後部に設けられた前記リアバンパ21より車両前方F側の車体31の部位には、固定部を構成する左固定メンバ32及び右固定メンバ33が離間して配設されており、両固定メンバ32,33は、車体31を構成するフロアパネル34にボルト35で固定されている。各固定メンバ32,33は、矩形筒状に形成されており、車両前後方向に延設されている。
【0031】
前記左固定メンバ32と前記右固定メンバ33との間には、断面コ字状に折曲された保持ブラケット41が設けられており、該保持ブラケット41は、左側壁43が前記左固定メンバ32の側面に固定されるとともに、右側壁43が前記右固定メンバ33の側面に固定されている。この保持ブラケット41と前記フロアパネル34との間には、収容空間44が形成されており、当該収容空間44は、車両前方F及び車両後方Rへ向けて開口されている。
【0032】
これにより、前記保持ブラケット41の車両前方F側には、車両前方Fへ向けて開口した前方開口部51が設けられており、車両後方R側には、車両後方Rへ向けて開口した後方開口部52が設けられている。
【0033】
この収容空間44には、ケース状に形成された格納部としての格納ケース61が引き出し可能に保持されており、前記保持ブラケット41には、前記格納ケース61を前記収容空間44内に配置した状態で当該格納ケース61を解除可能に固定する図外のロック機構が設けられている。
【0034】
これにより、エンジン式発電機や予備バッテリー等の充電補助装置11を前記格納ケース61に格納した状態で、前記前方開口部51又は前記後方開口部52から当該格納ケース61を前記収容空間44に挿入して前記ロック機構でロックすることによって、前記収容空間44に保持できるように構成されており、前記ロック機構を解除し前記格納ケース61をスライド移動して前記前方開口部51又は前記後方開口部52から引き出すことによって、前記格納ケース61を前記充電補助装置11と共に前記収容空間44から取り出せるように構成されている。
【0035】
以上の構成にかかる本実施の形態において、左右後輪22,23間であって車両後部のリアバンパ21より車両前方F側の車体31の部位には、固定部を構成する左右固定メンバ32,33が固定されており、充電補助装置11を格納する格納部としての格納ケース61を、この左右固定メンバ32,33に対して移動可能に保持できるように構成されている。
【0036】
このため、前記充電補助装置11を格納した前記格納ケース61を、車体31に固定された前記左右固定メンバ32,33に対して移動することで、当該格納ケース61に格納されたエンジン式発電機や予備バッテリー等の充電補助装置11の取り出しを容易に行うことができる。
【0037】
したがって、前記充電補助装置11を車体31に固定して取り付ける場合と比較して、メンテナンス性を高めることができる。
【0038】
そして、前記格納ケース61に格納されたエンジン式発電機や予備バッテリー等の充電補助装置11を、左右後輪22,23間であって車両後部のリアバンパ21より車両前方F側の車体31の位置に保持することができる。
【0039】
このため、エンジン式発電機や予備バッテリー等の充電補助装置11を車室内に設置する場合と比較して、安全性を高めることができる。
【0040】
また、前記充電補助装置11をトランク等の収納部に収納する場合と比較して、車両が有した収納スペースを犠牲にすること無く、充電補助装置11の格納を可能とすることができる。
【0041】
さらに、前記充電補助装置11を、左右後輪22,23間であって車両後部のリアバンパ21より車両前方F側に保持するため、車両の外観を損なうことなく、当該充電補助装置11の収納が可能となる。
【0042】
また、前記格納ケース61を保持する収容空間44には、側方開口状に形成されており、その前方開口部51又は後方開口部52から前記格納ケース61を引き出すことができる。
【0043】
このため、必要に応じて前記収容空間44から前記格納ケース61を引き出すことができるので、該格納ケース61に格納されたエンジン式発電機や予備バッテリー等の充電補助装置11のメンテナンス性をさらに高めることができる。
【0044】
なお、本実施の形態では、前記格納ケース61を前記収容空間44から水平方向にスライドして引き出す場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものでは無い。
【0045】
(第二の実施の形態)
【0046】
すなわち、図2の(a)に示すように、前記両固定メンバ32,33に対して前記保持ブラケット41を昇降できるように構成することで、該保持ブラケット41を下降して前記フロアパネル34から離間した状態で前記格納ケース61を引き出すことができる。
【0047】
(第三の実施の形態)
【0048】
また、図2の(b)に示すように、前記両固定メンバ32,33に対して前記保持ブラケット41を斜めに昇降できるように構成することで、該保持ブラケット41を斜めに下降して前記フロアパネル34から離間するとともに車両後方Rへ移動した状態で前記格納ケース61を引き出すことができる。
【0049】
(第四の実施の形態)
【0050】
そして、図3の(a)に示すように、前記両固定メンバ32,33の車両後方R側の端部に前記保持ブラケット41を回転軸101で軸支することによって、該保持ブラケット41を前記回転軸101を中心に回動して前記フロアパネル34から離間した状態で、前記格納ケース61を車両前方F側から取り出すことができる。
【0051】
(第五の実施の形態)
【0052】
また、図3の(b)に示すように、前記両固定メンバ32,33の車両前方F側の端部に前記保持ブラケット41を回転軸101で軸支することによって、該保持ブラケット41を前記回転軸101を中心に回動して前記フロアパネル34から離間した状態で、前記格納ケース61を車両後方R側から取り出すことができる。
【0053】
(第六の実施の形態)
【0054】
さらに、図4の(a)に示すように、前記両固定メンバ32,33に対して前記保持ブラケット41を昇降可能に支持するとともに、該保持ブラケット41の車両後方R側に回転軸101で前記格納ケース61を軸支することで、前記保持ブラケット41を下降して前記フロアパネル34から離間した後、前記保持ブラケット41に対して前記格納ケース61を回動した状態で、該格納ケース61内の充電補助装置11を車両前方Fより取り出すことができる。
【0055】
(第七の実施の形態)
【0056】
また、図4の(b)に示すように、前記両固定メンバ32,33に対して前記保持ブラケット41を昇降可能に支持するとともに、該保持ブラケット41の車両前方F側に回転軸101で前記格納ケース61を軸支することで、前記保持ブラケット41を下降して前記フロアパネル34から離間した後、前記保持ブラケット41に対して前記格納ケース61を回動した状態で、該格納ケース61内の充電補助装置11を車両後方Rより取り出すことができる。
【符号の説明】
【0057】
1 電気自動車
11 充電補助装置
21 リアバンパ
22 左後輪
23 右後輪
31 車体
32 左固定メンバ
33 右固定メンバ
34 フロアパネル
41 保持ブラケット
44 収容空間
52 後方開口部
61 格納ケース
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車に適用される電気自動車用補助装置の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車の開発が行われている。
【0003】
この電気自動車は、搭載されたバッテリーで車両駆動用のモータを作動するように構成されており、二酸化炭素を排出すること無く、走行できるよう構成されている。
【0004】
これにより、電気自動車の普及が予測される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような電気自動車にあっては、バッテリーが切れた際に走行できなくなるとう問題を抱えている。
【0006】
また、車載のバッテリーは、容量が定められており、その走行距離が自ずと制限されてしまう。
【0007】
これらを解消する為に、エンジン式発電機などの補助装置を車両に搭載することが考えられるが、車両の取付位置に苦労を要する。
【0008】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、メンテナンス性を損なうことなく、安全性を確保することができる、発電機や補助バッテリーを含む電気自動車用補助装置の取付構造を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために本発明の請求項1の電気自動車用補助装置の取付構造においては、電気自動車にエンジン式発電機や予備バッテリー等の充電補助装置を搭載する為の電気自動車用補助装置の取付構造であって、左右の後輪間であって車両後部のバンパより車両前方側の車体に位置する部位に固定部を固定し、該固定部に、前記充電補助装置を格納する格納部を移動可能に保持した。
【0010】
すなわち、左右の後輪間であって車両後部のバンパより車両前方側の車体に位置する部位には、固定部が固定されており、この固定部に対して充電補助装置を格納する格納部を移動可能に保持できるように構成されている。
【0011】
このため、前記充電補助装置を格納した前記格納部を、車体に固定された固定部に対して移動することで、当該格納部に格納されたエンジン式発電機や予備バッテリー等の充電補助装置の取り出しが容易に行われる。
【0012】
また、請求項2の電気自動車用補助装置の取付構造にあっては、前記固定部を、前記車体に固定された車両前後方向に延在する一対の固定メンバと、両固定メンバ間に支持された断面コ字状の保持ブラケットとで構成し、前記格納部を、前記保持ブラケット上の収容空間に引き出し可能に保持されるケース状に形成した。
【0013】
すなわち、前記固定部は、車体に固定された一対の固定メンバと、両固定メンバ間に支持された断面コ字状の保持ブラケットとで構成されており、該保持ブラケットで形成された前記収容空間は、側方開口状に形成される。
【0014】
そして、この側方開口状の前記収容空間には、前記格納部が引き出し可能に保持されており、当該格納部は、側方開口部からの引き出しが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように本発明の請求項1の電気自動車用補助装置の取付構造にあっては、エンジン式発電機や予備バッテリー等の充電補助装置を格納した格納部を、車体に固定された固定部に対して移動可能に保持することができる。
【0016】
このため、前記充電補助装置を格納した前記格納部を、車体に固定された固定部に対して移動することで、当該格納部に格納されたエンジン式発電機や予備バッテリー等の充電補助装置の取り出しを容易に行うことができる。
【0017】
したがって、前記充電補助装置を車体に固定して取り付ける場合と比較して、メンテナンス性を高めることができる。
【0018】
そして、前記格納部に格納されたエンジン式発電機や予備バッテリー等の充電補助装置は、左右の後輪間であって車両後部のバンパより車両前方側の車体の位置に保持することができる。
【0019】
このため、エンジン式発電機や予備バッテリー等の充電補助装置を車室内に設置する場合と比較して、安全性を高めることができる。
【0020】
また、前記充電補助装置をトランク等の収納部に収納する場合と比較して、車両が有した収納スペースを犠牲にすること無く、充電補助装置の格納が可能となる。
【0021】
さらに、前記充電補助装置を、左右の後輪間であって車両後部のバンパより車両前方側に保持するため、車両の外観を損なうことなく、当該充電補助装置の収納が可能となる。
【0022】
また、請求項2の電気自動車用補助装置の取付構造にあっては、格納部を保持する収容空間には、側方開口状に形成されており、この側方開口部から充電補助装置を格納した前記格納部を引き出すことができる。
【0023】
これにより、必要に応じて前記収容空間から前記格納部を引き出すことができるため、該格納部に格納されたエンジン式発電機や予備バッテリー等の充電補助装置のメンテナンス性をさらに高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第一の実施の形態を示す説明図である。
【図2】(a)は、第二の実施の形態を示す説明図であり、(b)は、第三の実施の形態を示す説明図である。
【図3】(a)は、第四の実施の形態を示す説明図であり、(b)は、第五の実施の形態を示す説明図である。
【図4】(a)は、第六の実施の形態を示す説明図であり、(b)は、第七の実施の形態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(第一の実施の形態)
【0026】
以下、本発明の第一の形態を図に従って説明する。
【0027】
図1は、本実施の形態にかかる電気自動車用補助装置の取付構造を示す図であり、この電気自動車用補助装置の取付構造は、電気自動車1に適用されている。
【0028】
すなわち、電気自動車1は、搭載されたバッテリーで車両駆動用のモータを作動して走行できるように構成されており、バッテリー上がりに起因した車両停止やバッテリー容量で制限される走行距離の問題を解決する為に、エンジン式発電機や予備バッテリー等の充電補助装置11を車両に搭載できるように構成されている。
【0029】
この電気自動車1の車両後端部には、リアバンパ21が車幅方向に延設されており、該リアバンパ21より車両前方F側には、車軸が設けられている。この車軸の左端には、左後輪22が設けられており、右端には、右後輪23が設けられている。
【0030】
この左右後輪22,23間であって車両後部に設けられた前記リアバンパ21より車両前方F側の車体31の部位には、固定部を構成する左固定メンバ32及び右固定メンバ33が離間して配設されており、両固定メンバ32,33は、車体31を構成するフロアパネル34にボルト35で固定されている。各固定メンバ32,33は、矩形筒状に形成されており、車両前後方向に延設されている。
【0031】
前記左固定メンバ32と前記右固定メンバ33との間には、断面コ字状に折曲された保持ブラケット41が設けられており、該保持ブラケット41は、左側壁43が前記左固定メンバ32の側面に固定されるとともに、右側壁43が前記右固定メンバ33の側面に固定されている。この保持ブラケット41と前記フロアパネル34との間には、収容空間44が形成されており、当該収容空間44は、車両前方F及び車両後方Rへ向けて開口されている。
【0032】
これにより、前記保持ブラケット41の車両前方F側には、車両前方Fへ向けて開口した前方開口部51が設けられており、車両後方R側には、車両後方Rへ向けて開口した後方開口部52が設けられている。
【0033】
この収容空間44には、ケース状に形成された格納部としての格納ケース61が引き出し可能に保持されており、前記保持ブラケット41には、前記格納ケース61を前記収容空間44内に配置した状態で当該格納ケース61を解除可能に固定する図外のロック機構が設けられている。
【0034】
これにより、エンジン式発電機や予備バッテリー等の充電補助装置11を前記格納ケース61に格納した状態で、前記前方開口部51又は前記後方開口部52から当該格納ケース61を前記収容空間44に挿入して前記ロック機構でロックすることによって、前記収容空間44に保持できるように構成されており、前記ロック機構を解除し前記格納ケース61をスライド移動して前記前方開口部51又は前記後方開口部52から引き出すことによって、前記格納ケース61を前記充電補助装置11と共に前記収容空間44から取り出せるように構成されている。
【0035】
以上の構成にかかる本実施の形態において、左右後輪22,23間であって車両後部のリアバンパ21より車両前方F側の車体31の部位には、固定部を構成する左右固定メンバ32,33が固定されており、充電補助装置11を格納する格納部としての格納ケース61を、この左右固定メンバ32,33に対して移動可能に保持できるように構成されている。
【0036】
このため、前記充電補助装置11を格納した前記格納ケース61を、車体31に固定された前記左右固定メンバ32,33に対して移動することで、当該格納ケース61に格納されたエンジン式発電機や予備バッテリー等の充電補助装置11の取り出しを容易に行うことができる。
【0037】
したがって、前記充電補助装置11を車体31に固定して取り付ける場合と比較して、メンテナンス性を高めることができる。
【0038】
そして、前記格納ケース61に格納されたエンジン式発電機や予備バッテリー等の充電補助装置11を、左右後輪22,23間であって車両後部のリアバンパ21より車両前方F側の車体31の位置に保持することができる。
【0039】
このため、エンジン式発電機や予備バッテリー等の充電補助装置11を車室内に設置する場合と比較して、安全性を高めることができる。
【0040】
また、前記充電補助装置11をトランク等の収納部に収納する場合と比較して、車両が有した収納スペースを犠牲にすること無く、充電補助装置11の格納を可能とすることができる。
【0041】
さらに、前記充電補助装置11を、左右後輪22,23間であって車両後部のリアバンパ21より車両前方F側に保持するため、車両の外観を損なうことなく、当該充電補助装置11の収納が可能となる。
【0042】
また、前記格納ケース61を保持する収容空間44には、側方開口状に形成されており、その前方開口部51又は後方開口部52から前記格納ケース61を引き出すことができる。
【0043】
このため、必要に応じて前記収容空間44から前記格納ケース61を引き出すことができるので、該格納ケース61に格納されたエンジン式発電機や予備バッテリー等の充電補助装置11のメンテナンス性をさらに高めることができる。
【0044】
なお、本実施の形態では、前記格納ケース61を前記収容空間44から水平方向にスライドして引き出す場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものでは無い。
【0045】
(第二の実施の形態)
【0046】
すなわち、図2の(a)に示すように、前記両固定メンバ32,33に対して前記保持ブラケット41を昇降できるように構成することで、該保持ブラケット41を下降して前記フロアパネル34から離間した状態で前記格納ケース61を引き出すことができる。
【0047】
(第三の実施の形態)
【0048】
また、図2の(b)に示すように、前記両固定メンバ32,33に対して前記保持ブラケット41を斜めに昇降できるように構成することで、該保持ブラケット41を斜めに下降して前記フロアパネル34から離間するとともに車両後方Rへ移動した状態で前記格納ケース61を引き出すことができる。
【0049】
(第四の実施の形態)
【0050】
そして、図3の(a)に示すように、前記両固定メンバ32,33の車両後方R側の端部に前記保持ブラケット41を回転軸101で軸支することによって、該保持ブラケット41を前記回転軸101を中心に回動して前記フロアパネル34から離間した状態で、前記格納ケース61を車両前方F側から取り出すことができる。
【0051】
(第五の実施の形態)
【0052】
また、図3の(b)に示すように、前記両固定メンバ32,33の車両前方F側の端部に前記保持ブラケット41を回転軸101で軸支することによって、該保持ブラケット41を前記回転軸101を中心に回動して前記フロアパネル34から離間した状態で、前記格納ケース61を車両後方R側から取り出すことができる。
【0053】
(第六の実施の形態)
【0054】
さらに、図4の(a)に示すように、前記両固定メンバ32,33に対して前記保持ブラケット41を昇降可能に支持するとともに、該保持ブラケット41の車両後方R側に回転軸101で前記格納ケース61を軸支することで、前記保持ブラケット41を下降して前記フロアパネル34から離間した後、前記保持ブラケット41に対して前記格納ケース61を回動した状態で、該格納ケース61内の充電補助装置11を車両前方Fより取り出すことができる。
【0055】
(第七の実施の形態)
【0056】
また、図4の(b)に示すように、前記両固定メンバ32,33に対して前記保持ブラケット41を昇降可能に支持するとともに、該保持ブラケット41の車両前方F側に回転軸101で前記格納ケース61を軸支することで、前記保持ブラケット41を下降して前記フロアパネル34から離間した後、前記保持ブラケット41に対して前記格納ケース61を回動した状態で、該格納ケース61内の充電補助装置11を車両後方Rより取り出すことができる。
【符号の説明】
【0057】
1 電気自動車
11 充電補助装置
21 リアバンパ
22 左後輪
23 右後輪
31 車体
32 左固定メンバ
33 右固定メンバ
34 フロアパネル
41 保持ブラケット
44 収容空間
52 後方開口部
61 格納ケース
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車にエンジン式発電機や予備バッテリー等の充電補助装置を搭載する為の電気自動車用補助装置の取付構造であって、
左右の後輪間であって車両後部のバンパより車両前方側の車体に位置する部位に固定部を固定し、該固定部に、前記充電補助装置を格納する格納部を移動可能に保持したことを特徴とする電気自動車用補助装置の取付構造。
【請求項2】
前記固定部を、前記車体に固定された車両前後方向に延在する一対の固定メンバと、両固定メンバ間に支持された断面コ字状の保持ブラケットとで構成し、前記格納部を、前記保持ブラケット上の収容空間に引き出し可能に保持されるケース状に形成したことを特徴とする請求項1記載の電気自動車用補助装置の取付構造。
【請求項1】
電気自動車にエンジン式発電機や予備バッテリー等の充電補助装置を搭載する為の電気自動車用補助装置の取付構造であって、
左右の後輪間であって車両後部のバンパより車両前方側の車体に位置する部位に固定部を固定し、該固定部に、前記充電補助装置を格納する格納部を移動可能に保持したことを特徴とする電気自動車用補助装置の取付構造。
【請求項2】
前記固定部を、前記車体に固定された車両前後方向に延在する一対の固定メンバと、両固定メンバ間に支持された断面コ字状の保持ブラケットとで構成し、前記格納部を、前記保持ブラケット上の収容空間に引き出し可能に保持されるケース状に形成したことを特徴とする請求項1記載の電気自動車用補助装置の取付構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図2】
【図3】
【図4】
【公開番号】特開2010−260420(P2010−260420A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−111681(P2009−111681)
【出願日】平成21年5月1日(2009.5.1)
【出願人】(593116364)株式会社サン自動車工業 (15)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月1日(2009.5.1)
【出願人】(593116364)株式会社サン自動車工業 (15)
【Fターム(参考)】
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