説明

電気製品

【課題】 廃棄によって環境が汚染されることがなく、しかも実用上十分な耐久性をもつ、生分解性素材からなる筐体を備えた電気製品を提供する。
【解決手段】 筐体と、電気製品本体と、必要に応じて構造体とを備えた電気製品であって、これら筐体および構造体の少なくとも一部を、ポリ乳酸を主体とする生分解性素材で構成する。例えば、電気製品としてのリモートコマンダー1はシート状パネル2、ケース3、フィルター4、実装基板5および締結用のビス6からなる。この場合、筐体を構成するパネル2、ケース3およびフィルター4を、ポリ乳酸を主体とする生分解性樹脂で作製する。フィルター4は、その突起部4aをケース3の穴部3aに嵌め込むことによりケース3に固定する。実装基板5は、ビス6によりケース3に固定する。パネル2は、その裏面の接着剤により、引き剥がし容易な状態に実装基板5に固着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気製品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気製品は通常、数年〜十数年というサイクルで使用を終え、廃棄物として捨てられる。現在、一部の大型の電気製品を除いて、廃棄品を回収しリサイクルをすることは行われておらず、また法的規制もない。そのため、ほとんどの電気製品は廃棄時に不燃ごみとして捨てられている。たとえ形状が小型でも、販売数が多い場合には全体としては多量の廃棄物を発生する結果となる。廃棄物処分場が不足している昨今、これは深刻な問題となっている。
【0003】
よく行われている処理方法として、廃棄物をシュレッダー処理する方法がある。ところがこのシュレッダー処理は廃棄物の容積を減少させるだけであり、埋め立てれば廃棄物はそのままの状態で何十年、何百年と残り、基本的な解決にはならない。仮にシュレッダーダストをマテリアルリサイクルするにも、すべての部品が細かく粉砕されているため、たとえば、銅などの有価値の素材も、他の価値の低い素材と混合されてしまい、純度が落ち、回収効率が悪化してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記問題点に鑑みなされたもので、その目的は、そのまま廃棄しても環境が汚染されることがなく、廃棄処理が非常に簡略化され、しかも実用上十分な耐久性をもつ電気製品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
即ち、本発明は、シート状のパネル及びケースからなる筐体と、電気製品本体と、必要に応じて構造体とを備えた電気製品であって、
前記筐体及び前記構造体の少なくとも一部が、ポリ乳酸を主体とする生分解性素材で構成され、
かつ、ポリ乳酸を主体とする生分解性素材で形成された部材と、非生分解性素材で形成 された部材とが分離可能な構造を有する
ことを特徴とする電気製品に係るものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の電気製品では、筐体及び構造体の少なくとも一部がポリ乳酸を主体とする生分解性素材で構成されているので、ポリ乳酸の特性を生かした電気製品を提供できうるのに加えて、そのまま廃棄しても環境が汚染されることはなく、廃棄処理が非常に簡略化されるうえ、実用上十分な耐久性をもつため長期間の使用に耐えるという効果がある。
【0007】
また、ポリ乳酸を主体とする生分解性素材が、ポリ乳酸と他の素材との混合物であって、他の素材の重量比率が50%を超えないものである場合には、ポリ乳酸の特性を充分に生かすことができ、さらに、ポリ乳酸を主体とする生分解性素材がポリ乳酸100%である場合には、ポリ乳酸の優れた特性を最大限に生かした電気製品を提供することができる。
【0008】
すなわち、電気製品のパネル及び構造体の少なくとも一部をポリ乳酸を主体とする生分解性素材で構成することにより、他の生分解性樹脂による場合に比べて透明度の高い収納ケースとすることができ、録音・録画用テープ、光ディスク、フロッピィディスクなど電気製品や、電子部品の収納用に好適なものとなる。また、そのまま廃棄しても、環境汚染等の問題が生じる心配がないという効果もある。
【0009】
本発明の電気製品ではさらに、収納ケースを構成する部材同士を、ねじ止め若しくは嵌め込みにより固定するか、又は相互の引き剥がしが容易なように接着剤で固着した構造とすることで、簡便・容易に生分解性素材と非生分解性素材とに分別することができる。なお、この収納ケースに開閉蓋を設ける場合には、これを回動自在にピボット軸受で支持するとともに、開閉蓋を回動してケース本体に嵌め込むことにより閉めるように構成することで、収納ケースの分解・解体がきわめて容易となる。
【0010】
したがって本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)電気製品用収納ケースを構成する、生分解性素材からなる部材に関して廃棄時の処理方法の選択肢が広がり、そのまま廃棄してもよいし、通常の樹脂のようにマテリアルリサイクルしても良い。
従来技術による小型の製品では解体の手間と比較して、得られる素材の量が少なく、また、もともと安価な材料で作られていることが多いので、マテリアルリサイクルが経済的に成り立たない場合が多かったが、本発明では、そのまま廃棄できる選択肢を持つため、この面でもメリットがある。
【0011】
(2)非生分解性素材からなる構成部材に関しては、生分解性部材を分別することによりリサイクルするべき量が減るため、処理コストも減少する。また、銅などの有価金属の含有率が相対的に増加するので、より価値の高い資源となる。
【0012】
(3)生分解性素材に関しては、そのまま捨てても長期間ごみとして残らず、景観を損ねることがない。さらに、生分解性素材は重金属、有機塩素化合物等の有害物を含有していないので、廃棄、焼却のいずれの処分をしても有害物を発生する心配がない。生分解性素材が穀物資源を原料とする場合には、石油等の枯渇性資源を使用することがないというメリットもある。また、高温高湿な環境など、生分解性素材の分解が加速する環境に廃棄製品を置くことにより、筐体等を自然に分解させ、生分解性のリサイクルすべき部分を、手間をかけずに取り出すことも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】たわみの定義および測定方法についての説明図である。
【図2】本発明に基づくリモートコマンダーの分解斜視図である。
【図3】上記リモートコマンダーを構成するパネルの要部構造を示す断面図である。
【図4】ミニディスク用スリーブケースの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係る電気製品は、筐体と電気製品本体と必要に応じて構造体とを備えた電気製品であって、前記筐体および前記構造体の少なくとも一部が、加熱変形温度(JIS K7207)が50℃以上である生分解性素材で構成されているのがよい。上記生分解性素材とは、生物代謝機能を通じて分解される素材である(以下、同様)。
【0015】
ここで筐体とは、電気製品(電気機器)本体を収納するとともに、電気製品の表面を形成する部材を意味する。構造体とは、電気製品の強度を受け持つ部材のことである。また、電気製品とは、内部に電気回路を有する製品はもとよりテープ、ディスク等の記録媒体、これらの付属品およびこれら記録媒体の駆動装置を意味する。
【0016】
本発明に係る電気製品では、少なくとも最表面がすべて生分解性素材で形成されていることが、また上記生分解性素材のメルトフローレート(JIS K7210)が6から12の値であることが、それぞれ好ましい。
【0017】
本発明に係る電気製品は、筐体と電気製品本体と必要に応じて構造体とを備えた電気製品であって、前記筐体および前記構造体の一部が生分解性素材で構成され、かつ生分解性素材で形成された部材と非生分解性素材で形成された部材とが分離可能な構造を有することを特徴とするものである。
【0018】
本発明の電気製品では、生分解性素材の加熱変形温度(JIS K7207)が50℃以上であることが望ましい。
【0019】
本発明に係る電気製品は、プリント基板と該プリント基板を内包する筺体とからなり、任意の波長の光を射出することで離間した電気製品をコントロールする電気製品において、前記筺体は、光を出射する部分が光透過性の生分解性素材で形成され、該筐体のその他の部分は耐衝撃性の生分解性素材で形成されているのがよい。上記した各生分解性素材の加熱変形温度(JIS K7207)は50℃以上であることが好ましい。
【0020】
本発明に係る電気製品は、表面にプレス加工にて凸形状のボタンが形成されたシート状のパネルを筺体の一部として有する電気製品において、前記パネルが生分解性素材で形成されているのがよい。
【0021】
本発明の電気製品では、生分解性素材の加熱変形温度(JIS K7207)が50℃以上であること、また上記凸形状のボタンの裏面に、生分解性素材よりなるバインダと導電材とを含む導電膜が形成されていることが、それぞれ望ましい。また上記バインダは、ポリエステル系の生分解性素材よりなるものであることが、さらに上記バインダに用いられる生分解性素材の融点が、上記凸形状のボタンが形成されたシート状のパネルに用いられる生分解性素材の融点よりも低いことが、それぞれ望ましい。
【0022】
本発明に係る電気製品は、シート状のパネルおよびケースからなる筺体を有する電気製品において、前記パネルおよび前記ケースのいずれもが生分解性素材で形成され、かつ前記パネルおよび前記ケースが生分解性素材よりなる接着剤で接着されていることを特徴とする。上記した各生分解性素材は、加熱変形温度(JIS K7207)が50℃以上であることが望ましい。
【0023】
本発明に係る電気製品は、筐体と電気製品本体と必要に応じて構造体とを備えた電気製品であって、前記筐体および前記構造体の少なくとも一部がポリ乳酸を主体とする生分解性素材で構成されていることを特徴とする。
【0024】
上記ポリ乳酸を主体とする生分解性素材は、ポリ乳酸と他の素材との混合物であって、他の素材の重量比率が50%を超えないものであること、また上記他の素材が、ポリ乳酸以外の生分解性有機物および無機化合物(水酸化マグネシウム、タルク、カーボン、酸化鉄等)からなる群より任意に選ばれた一種または複数種の素材であることが、それぞれ望ましい。
【0025】
上記ポリ乳酸以外の生分解性有機物としては、ポリブチレンサクシネート、ポリカプロラクトン、脂肪族ポリエステル(例えばポリヒドロキシ酪酸)、セルロースアセテート系生分解性樹脂、ポリビニルアルコールおよび天然有機物(紙、木材、天然ゴム、膠、漆など)からなる群より任意に選ばれた一種または複数種の素材であることが好ましい。さらに、上記ポリ乳酸を主体とする生分解性素材は、ポリ乳酸のみからなることが好ましく、廃棄処理が特に簡略化されるうえ、廃棄による環境汚染の心配が全くなくなる。
【0026】
さらに、当該電気製品では、電気製品本体が上記筐体内に、ねじ止め若しくは嵌め込みにより固定されているか、又は筐体からの引き剥がしが容易なように接着剤で固着されていることが望ましく、これにより簡単に、そのまま廃棄しても環境保全の面で問題ない生分解性の部材と、非生分解性部材とに分別することができる。さらに、上記筐体の表面に電気製品本体の操作用押しボタンが設けられ、該押しボタンがポリ乳酸を主体とする生分解性素材で構成されていることが好ましい。
【0027】
つぎに、電気製品用収納ケースは、少なくとも一部がポリ乳酸を主体とする生分解性素材で構成されているのがよい。
【0028】
この電気製品用収納ケースでは、以下のように構成することが望ましい。
(1)上記ポリ乳酸を主体とする生分解性素材が、ポリ乳酸と他の素材との混合物であって、他の素材の重量比率が50%を超えないものであること、
(2)上記他の素材が、ポリ乳酸以外の生分解性有機物および無機化合物(水酸化マグネシウム、タルク、カーボン、酸化鉄等)からなる群より任意に選ばれた一種または複数種の素材であること、
(3)上記ポリ乳酸以外の生分解性有機物が、ポリブチレンサクシネート、ポリカプロラクトン、脂肪族ポリエステル(例えばポリヒドロキシ酪酸)、セルロースアセテート系生分解性樹脂、ポリビニルアルコールおよび天然有機物(紙、木材、天然ゴム、膠、漆など)からなる群より任意に選ばれた一種または複数種の素材であること、
(4)上記したポリ乳酸を主体とする生分解性素材が、ポリ乳酸のみからなること(この場合には、廃棄処理が特に簡略化されるうえ、廃棄による環境汚染の心配が少なくなる。)、
(5)当該収納ケースを構成する部材同士が、ねじ止め若しくは嵌め込みにより係止されているか、又は相互の引き剥がしが容易なように接着剤で固着されていること(この場合には、生分解性の部材と非生分解性部材とに、簡単に分別することができる。)、
(6)当該収納ケースが、透明または半透明の収納ケースであること。
(7)なお、当該収納ケースに開閉蓋を設ける場合には、これを回動自在にピボット軸受で支持するとともに、回動してケース本体に嵌め込むことで開閉蓋を閉めるように構成することが好ましい。
【0029】
本発明では電気製品の筐体および構造体や、電気製品の収納ケースを、例えばポリ乳酸を主体とする生分解性素材で作製する。理想的には電気製品のすべての部品・部材が生分解性素材で作製できれば良いのであるが、現実には電気回路を構成する電子部品にまで生分解性素材を用いることは技術的にたいへん困難である。したがって、電気製品の体積の大部分を占める筐体や、電気製品の収納ケースを例えばポリ乳酸を主体とする生分解性素材で作製し、これらと電子部品、基板などの非生分解性部分を簡易に分離・分別できる構造としておく。これにより、ある程度の解体処理で、リサイクルするべき部分と、そのまま廃棄できる部分とを別々に処理することができる。
【0030】
また、本発明の電気製品では、望ましくは筐体や構造材の最表面を生分解性素材で作製する。例えばラジオ、マイクロホン、首掛けテレビ、キーボード、携帯用小型ステレオカセット再生機〔例えば、ウォークマン(商標名)〕、携帯電話機、ラジカセ、イヤホンなどの筐体の最表面を生分解性素材で作製する。これは例えば、筐体表面に生分解性素材の溶剤溶液を塗布するか、もしくはスプレーすることによって膜を形成するか、または生分解性素材とそれ以外の材料を混合して構成した筐体の断面構造において、外側(表面側)に向かって生分解性素材の分布量を高くする(層構造にすることもできる)といった手段で達成できる。このように、人体が接触する機会の多い部分を生分解性素材で作製しておくことで、汎用されている合成樹脂よりも安全性の高い電気製品を提供することができる。
【0031】
ただし、生分解性素材を電気製品の筐体や構造体の材料として用いるためには、それなりの物性が要求される。まず、筐体として用いるためには、強度・形状の維持の面から熱変形温度(JIS K7207)が50℃以上であることが望ましい。同様に、射出成形などの成形性の面からメルトフローレート(JIS K7210)が6以上、12以下であることが望ましい。さらに、筐体または構造材として用いるには、たとえば温度60℃・相対湿度80%の雰囲気中で24時間放置しても、物性がそれほど劣化しないことが望ましい。
【0032】
本発明の電気製品または収納ケースは、上記他の素材として各種充填剤すなわち滑剤、遅燃性付与剤、難燃剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、帯電防止剤、遮音性付与剤、耐熱性付与剤、耐摩耗性付与剤および強化用繊維からなる群より任意に選ばれた一種または複数種の素材を含んでいても良い。
【0033】
上記充填剤の具体例としては、以下のものが挙げられる。
(1)滑剤:ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸ブチル
(2)遅燃性付与剤:タルク
(3)難燃剤:水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム
(4)紫外線吸収剤:サリチル酸フェニル
(5)酸化防止剤:1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン
(6)着色剤:無機顔料、有機顔料、染料
(7)帯電防止剤:アルキルイミダゾリン
(8)遮音性付与剤:酸化鉄
(9)耐熱性付与剤:タルク
(10)耐摩耗性付与剤:グラファイト
(11)強化用繊維:無機高強度繊維、有機高強度繊維
【0034】
以下、本発明の構成について、試験結果および実施例をもとに更に具体的に説明する。
本発明の電気製品及び収納ケースにおいては、それなりの物性が要求される。そこで本発明者は、各種の物性試験を行うことにより、電気製品の筐体、構造体または収納ケース用に好適な生分解性素材を見出すための検討を行った。
【0035】
下記表1は、各種の生分解性素材(生分解性樹脂)で作製したシート材(厚さ0.1mm)について耐熱・耐湿性能を試験した結果を示している。ポリ乳酸は製造元の異なる2種類のものを試験したが、この表1で明らかなように、ポリ乳酸は他の素材よりも耐熱性・耐湿性が優れている。
【0036】
【表1】

【0037】
また、加熱後の物性劣化として、「たわみ(撓み)」を測定した。たわみ測定方法および、たわみの定義は図1に示したとおりである。すなわち、図1(a)のように、幅×長さ×厚さ=7×50×2(mm)の試験片(板状試料)Sの一方の短辺部分を試験台50上に載せ、他方の短辺部分を試験台50上の支持部材51の上に載せ、この試験台50を試験片Sとともに温度80℃・湿度フリーの雰囲気中で24時間放置した。ついで、試験台50を上記雰囲気から取り出し、図1(b)に示すように、測定前の試験片Sの上面と、上記熱処理により凹状にたわんだ試験片Sの上面との間隔Bを測定し、これを「たわみ」とした。下記表2は、3種類の樹脂原料についての、たわみ測定結果を示すものである。筐体および構造体の素材としては、たわみが1.0以下のものが望ましい。
【0038】
【表2】

【0039】
つぎに下記表3は、表1で説明したシート材と同様のシート材をプレス成形してφ7mm、高さ0.5mmの円形突起を形成し、これを押しボタンとして使用したときの、クリック感と耐久性を試験した結果を示すものである。この試験を実施した理由は、電気製品ではしばしばこのような形状に加工されたシート材が製品の表面層を形成し、操作ボタンとして使用されるからである。表3の結果から、ポリ乳酸は適当な剛性を持ち、かつ耐久性も備えていることが判明した。
【0040】
【表3】

【0041】
さらに下記表4は、各種素材の光線透過率の測定結果である。電気製品として使用される場合は、可視光領域の透明性が必要とされる場合だけでなく、赤外域での通信を行うために900nm付近の波長での透過率も確認しておく必要がある。表4に示されるように、ポリ乳酸はどちらの波長領域でも高い透過率を示した。
【0042】
【表4】

【0043】
その他に耐衝撃性、引張り強さ、成形性等の物性も問題になるが、これらは樹脂製造元の提供資料などの公知の資料から、同様にポリ乳酸が優れていることが容易に確認できる。このように、ポリ乳酸はどの物性においても優れた結果を示したので、これを素材として試作品を作製した。
【実施例】
【0044】
以下、本発明を各種の例に基づいて詳細に説明する。
[例1]
図2はテレビやビデオ用のリモートコマンダーの全体構造を示す分解斜視図である。このリモートコマンダー1はシート状パネル2、ケース3、フィルター4、実装基板5および、締結用のビス6から構成される。パネル2、ケース3およびフィルター4は筐体を構成するものであり、ケース3およびフィルター4は構造体を兼ねている。パネル2、ケース3およびフィルター4は、ポリ乳酸を主体とする生分解性樹脂で作製されている。フィルター4は、その突起部4aがケース3の穴部3aに嵌まり込むことによりケース3に固定される。実装基板5は、ビス6によりケース3に固定される。パネル2はその裏面の接着剤により、かつ引き剥がし容易に実装基板5に固着される。
【0045】
リモートコマンダー1を廃棄するに際しては、まずパネル2を実装基板5から引き剥がし、次にビス6を緩めることにより、生分解性樹脂からなる筐体材(パネル2およびケース3)と、非生分解性素材からなる実装基抜5とに分離する。体積比較をすると、通常、筐体材の合計体積は実装基板のそれの3倍程度あるので、筐体材全体を生分解性樹脂で作製することにより、リサイクルするべき部品の体積を1/4程度に抑えることができる。
【0046】
ここで、各部品の作製方法について説明する。ケース3およびフィルター4は、射出成形で成形されている。ここでケース3には、耐衝撃性などを高くした素材を用い、フィルター4はリモートコマンダーにより出射された赤外線を透過させる必要があるので、透明度の高い素材を用いた。具体的には、ケース3の素材はポリ乳酸にタルクや水酸化マグネシウムなどを添加した耐衝撃性の高いものであり、フィルター4の素材は、添加物を配合していないポリ乳酸(光線透過率は表4参照)を採用した。また、ケース3を黒色に着色するために、ポリ乳酸にカーボン粉末を添加した。なお、着色剤としてはカーボンブラックの他に、無機物であって生分解後にあまり環境負荷がかからないもの、例えば酸化鉄が好ましい。
【0047】
つぎに、パネル2の構造について詳細に説明する。図3はパネル2の断面構造、特にその主要部である押しボタンの積層構造を示している。このパネル2は、断面が円形の凸部として形成された押しボタン30と、これを接着剤32を介して支持する基板31とからなっている。上記接着剤32は天然樹脂と天然ゴム乳液との混合物である。
【0048】
上記押しボタン30は、厚さ125μmのポリブチレンサクシネートからなるスペーサ33と、このスペーサ33上に接着剤34を介して積層された押しボタン本体20とからなる。上記接着剤34もまた、天然樹脂と天然ゴム乳液との混合物である。
【0049】
上記押しボタン本体20では、最表面層(基材)37が厚さ100μmのポリ乳酸膜(ポリ乳酸の二軸延伸シート)となっている。この最表面層37の裏面にアクリル系樹脂を用いたスクリーン印刷による印刷層36が形成され、このスクリーン印刷層36の裏面に、厚さ20μmのポリブチレンサクシネートからなるラミネートフィルム35が被覆され、さらに押しボタン本体20の下面(ラミネートフィルム35の裏面)に、導電膜38が積層されている。この導電膜38は、ポリブチレンサクシネートに導電材としてカーボンブラックを配合したものであり、上記印刷層36は、リモートコマンダー用の表示をスクリーン印刷したものである。また、ラミネートフィルム35はスクリーン印刷層36を保護するためのものである。
【0050】
上記のように本例では、最表面層37の素材にポリ乳酸を採用し、ラミネートフィルム35の素材として、および導電膜38のバインダー(結着材)として、ポリ乳酸より熱軟化点の低いポリブチレンサクシネートを用いたので、ポリ乳酸に押しボタン用の円形凸部をプレス加工する工程において、同時に導電膜38などの膜を熱圧着することができる利点もある。このプレス加工温度は、ポリ乳酸が熱変形せず、かつポリブチレンサクシネートがその熱圧着に必要な程度に軟化する温度範囲である80℃〜100℃の間に設定した。
【0051】
また、上記導電膜38では、導電材としてカーボンブラックを用いたので、この導電膜がパネル2とともに生分解された場合でも、環境に与える負荷が小さくてすむ。なお、本例では、バインダーとしてポリブチレンサクシネートを用いたが、ポリ乳酸その他の生分解性素材を採用することもできる。また、導電膜38の作製は、ポリブチレンサクシネート樹脂をクロロホルムに溶解した溶液に、カーボンブラックの粉末を混合・分散させて分散液を得た後、この分散液をガラス板の表面に、膜厚を調整しながら塗布し、この塗膜を乾燥させたのち剥離する方法によった。
【0052】
ここで、ポリブチレンサクシネート(バインダー)のカーボンブラック粉末に対する重量比(バインダー/カーボン)と、導電膜の膜質との関係を表5に示す。
【0053】
【表5】

【0054】
上記例では、上記重量比が15/1のものを採用した。また、膜厚は90μm〜140μmとした。なお、導電膜の抵抗値は70Ω/1cm〜100Ω/1cmであった。
【0055】
上記接着剤32,34は天然樹脂と天然ゴム乳液との混合物としたが、これに代わる生分解性素材の接着剤としてポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリカプロラクトン、ポリシドロキシ酪酸などの脂肪族ポリエステル、セルロースアセテート系生分解性樹脂(天然樹脂)、ポリビニルアルコールなどからなるものを用いることができる。また、接着剤の素材としては、パネル材やシート材用の高分子材料を低分子量化したものを使用することもできる。さらに、天然ゴムなどの天然物とポリ乳酸とをブレンドした接着剤とすることもできるし、接着剤の素材がポリブチレンサクシネートなど、融点が100℃以下の脂肪族ポリエステルであるときには、これをホットメルト接着剤として使用するか、あるいは溶剤溶液型の接着剤として用いることができる。
【0056】
以上のように、図3のパネル2では、基板31とスクリーン印刷層36とを除く構成部材、すなわち接着剤32、スペーサ33、接着剤34、ラミネートフィルム35、最表面層(基材)37および導電膜38のバインダーのすべてが生分解性素材からなっている。
【0057】
[例2]
別の例として、電気製品の収納ケースに応用した例を示す。図4は、音楽録音用ミニディスク14を収納するためのスリーブケース11の分解斜視図である。このスリーブケース11は、上ケース12と下ケース13のみで構成される。したがって、スリーブケース11全体を、ポリ乳酸を主体とする生分解性樹脂で構成することができる。スリーブケース11は、これにミニディスク14が入ったまま廃棄されることもあるが、この場合は容易にミニディスク14とスリーブケース11とに分別することができる。
【0058】
以上説明したように、本発明によれば以下の効果が得られる。
筐体および構造体の少なくとも一部が、加熱変形温度(JIS K7207)が50℃以上である生分解性素材で構成されている。
したがって、上記筐体および構造体は実用上、充分な強度および形状維持性を有するものとなる。また、これらの構成部材を廃棄処理する際の効率が向上するとともに、廃棄処理方法の選択肢が広がる。
【0059】
一般に電気製品では、最表面に人体が接触する機会が多い。したがって、少なくとも最表面のすべてを生分解性素材で形成した場合には、最表面が汎用の合成樹脂からなるものに比べて安全性の高い電気製品を提供することができる。また上記生分解性素材として、射出成形などの成形性に優れた、メルトフローレートが6〜12の範囲にある生分解性樹脂を用いることにより、高品質の筐体および構造体を歩留り良く成形することができる。
【0060】
筐体および構造体の一部が生分解性素材で構成され、かつ生分解性素材で形成された部材と非生分解性素材で形成された部材とが分離可能となっている。このため、上記の効果に加えて、以下の効果が得られる。
【0061】
すなわち、従来技術による小型の製品では解体の手間と比較して、得られる素材の量が少なく、また、もともと安価な材料で作られていることが多いので、マテリアルリサイクルが経済的に成り立たない場合が多かったが、生分解性素材からなる部材と、非生分解性素材からなる部材とに分離できるので、前者をそのまま廃棄することもできるというメリットがある。さらに、電子部品、基板等の非生分解性素材からなる構成部材に関しては、生分解性部材を分別することによりリサイクルするべき量が減るため、処理コストも減少する。また、銅などの有価金属の含有率が相対的に増加するので、より価値の高い資源となる。
【0062】
さらに、生分解性素材に関しては、そのまま捨てても長期間ごみとして残らず、景観を損ねることがない。さらに、生分解性素材は重金属、有機塩素化合物等の有害物を含有していないので廃棄、焼却のいずれの処分をしても有害物を発生する心配がない。生分解性素材が穀物資源を原料とする場合には、石油等の枯渇性資源を使用することがないというメリットもある。また、高温高湿な環境など、生分解性素材の分解が加速する環境に廃棄製品を置くことにより、筐体等を自然に分解させ、生分解性のリサイクルすべき部分を、手間をかけずに取り出すことも可能となる。
【0063】
さらに、生分解性素材として加熱変形温度(JIS K7207)が50℃以上であるものを用いることにより、強度・形状維持特性に優れた電気製品を提供することができる。
【0064】
例えば、いわゆるリモートコマンダーであって、この電気製品では、筺体のうち光を出射する部分が光透過性の生分解性素材で形成され、その他の部分が耐衝撃性の生分解性素材で形成されている。
したがって、充分な実用性と耐久性とを具備しているリモートコマンダーなどを提供することができるうえ、筐体の主要部および、その他の部分をそのまま廃棄することができるという効果がある。
【0065】
また、生分解性素材として加熱変形温度(JIS K7207)が50℃以上であるものを用いることにより、強度・形状維持特性に優れた電気製品を提供することができる。
【0066】
表面にプレス加工により凸形状のボタンが形成されたシート状パネルを筺体の一部として有する電気製品において、上記パネルが生分解性素材で形成されている。したがって、この電気製品によれば、上記の電気製品の場合と同様の優れた効果が得られる。また、凸形状のボタンがプレス加工で形成されため、上記パネルを安価に提供することができる。
【0067】
また、生分解性素材として加熱変形温度(JIS K7207)が50℃以上であるものを用いることにより、強度・形状維持特性に優れた電気製品を提供することができる。
【0068】
さらに、上記パネルの素材よりも低融点の生分解性素材からなるバインダー中に導電材を配合して形成された導電膜を、上記凸状ボタンの裏面に設ける場合には、シート状パネルにこの凸状ボタンを形成するプレス加工において、同時に上記導電膜を熱圧着することができるので、製造工程が簡略化されるという効果がある。
【0069】
生分解性素材からなるシート状パネルとケースとにより筺体が構成され、しかも、これらパネルとケースが生分解性素材の接着剤で接着されている。したがって、上記シート状パネルとケースが接着したままの状態で廃棄しても、環境保全上何ら問題がないし、所望により分離した後、それぞれを適宜に処理することもできる。
【0070】
また、生分解性素材として加熱変形温度(JIS K7207)が50℃以上であるものを用いることにより、強度・形状維持特性に優れた電気製品を提供することができる。
【0071】
筐体および構造体の少なくとも一部がポリ乳酸を主体とする生分解性素材で構成されている。生分解性樹脂であるポリ乳酸は、上記表1〜4に示したように、他の生分解性樹脂に比べて、(1)高温・高湿環境下での耐久性に優れていて、白化や形状変化を起こしにくい、(2)高温環境下で多少の荷重がかかっても撓みにくい、(3)押しボタンとして用いた場合のクリック感に優れているうえ、押したり、曲げたりした場合の耐久性に富んでいる、(4)可視光線の透過率が高く、透明性に優れているなどの特性を有している。
【0072】
したがって、この電気製品は、そのまま廃棄しても環境が汚染されることはなく、廃棄処理が非常に簡略化されるうえ、実用上十分な耐久性をもつため長期間の使用に耐えうるという利点を有するものである。
【0073】
また、ポリ乳酸を主体とする生分解性素材が、ポリ乳酸と他の素材との混合物であって、他の素材の重量比率が50%を超えないものである場合には、ポリ乳酸の特性を充分に生かすことができ、さらに、ポリ乳酸を主体とする生分解性素材がポリ乳酸100%である場合には、ポリ乳酸の優れた特性を最大限に生かした電気製品を提供することができる。
【0074】
電気製品本体を上記筐体内に、ねじ止め若しくは嵌め込みにより固定するか、又は筐体からの引き剥がしが容易なように接着剤で固着した構造とすることで、簡便・容易に生分解性素材と非生分解性素材とに分別することができる。
【0075】
筐体表面に設けた操作用押しボタンを、ポリ乳酸を主体とする生分解性素材で構成したので、クリック感および耐久性に富む押しボタンとなる効果がある。また、この筐体を押しボタンつきのまま廃棄しても、環境汚染等の問題が生じる心配がないという効果もある。
【0076】
収納ケースでは、少なくとも一部がポリ乳酸を主体とする生分解性素材で構成されている。したがって、この収納ケースによれば、上記の電気製品と同様に、ポリ乳酸の特性を生かした収納ケースが提供できうるのに加えて、そのまま廃棄しても環境が汚染されることはなく、廃棄処理が非常に簡略化されるうえ、実用上十分な耐久性をもつため長期間の使用に耐えるという効果がある。
【0077】
また、ポリ乳酸を主体とする生分解性素材が、ポリ乳酸と他の素材との混合物であって、他の素材の重量比率が50%を超えないものである場合には、ポリ乳酸の特性を充分に生かすことができ、さらに、ポリ乳酸を主体とする生分解性素材がポリ乳酸100%である場合には、ポリ乳酸の優れた特性を最大限に生かした収納ケースを提供することができる。
【0078】
すなわち、電気製品用収納ケースをポリ乳酸を主体とする生分解性素材で構成することにより、他の生分解性樹脂による場合に比べて透明度の高い収納ケースとすることができ、録音・録画用テープ、光ディスク、フロッピィディスクなど電気製品や、電子部品の収納用に好適なものとなる。また、この収納ケースをそのまま廃棄しても、環境汚染等の問題が生じる心配がないという効果もある。
【0079】
この電気製品用収納ケースではさらに、当該ケースを構成する部材同士を、ねじ止め若しくは嵌め込みにより固定するか、又は相互の引き剥がしが容易なように接着剤で固着した構造とすることで、簡便・容易に生分解性素材と非生分解性素材とに分別することができる。なお、この収納ケースに開閉蓋を設ける場合には、これを回動自在にピボット軸受で支持するとともに、開閉蓋を回動してケース本体に嵌め込むことにより閉めるように構成することで、収納ケースの分解・解体がきわめて容易となる。
【0080】
したがって本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)電気製品または収納ケースを構成する、生分解性素材からなる部材に関して廃棄時の処理方法の選択肢が広がり、そのまま廃棄してもよいし、通常の樹脂のようにマテリアルリサイクルしても良い。
従来技術による小型の製品では解体の手間と比較して、得られる素材の量が少なく、また、もともと安価な材料で作られていることが多いので、マテリアルリサイクルが経済的に成り立たない場合が多かったが、本発明では、そのまま廃棄できる選択肢を持つため、この面でもメリットがある。
【0081】
(2)電子部品、基板等の非生分解性素材からなる構成部材に関しては、生分解性部材を分別することによりリサイクルするべき量が減るため、処理コストも減少する。また、銅などの有価金属の含有率が相対的に増加するので、より価値の高い資源となる。
【0082】
(3)生分解性素材に関しては、そのまま捨てても長期間ごみとして残らず、景観を損ねることがない。さらに、生分解性素材は重金属、有機塩素化合物等の有害物を含有していないので廃棄、焼却のいずれの処分をしても有害物を発生する心配がない。生分解性素材が穀物資源を原料とする場合には、石油等の枯渇性資源を使用することがないというメリットもある。また、高温高湿な環境など、生分解性素材の分解が加速する環境に廃棄製品を置くことにより、筐体等を自然に分解させ、生分解性のリサイクルすべき部分を、手間をかけずに取り出すことも可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、そのまま廃棄しても環境が汚染されることがなく、廃棄処理が非常に簡略化され、しかも実用上十分な耐久性をもつ電気製品を提供することができる。
【符号の説明】
【0084】
1…リモートコマンダー、2…パネル、3…ケース、3a…穴部、4…フィルター、
4a…突起部、5…実装基板、6…ビス、11…スリーブケース、12…上ケース、
13…下ケース、14…ミニディスク、20…押しボタン本体、30…押しボタン、
31…基板、32…接着剤、33…スペーサ、34…接着剤、
35…ラミネートフィルム、36…スクリーン印刷層、37…最表面層(基材)、
38…導電膜、50…試験台、51…支持部材、B…たわみ、S…試験片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状のパネル及びケースからなる筐体と、電気製品本体と、必要に応じて構造体とを備えた電気製品であって、
前記筐体及び前記構造体の少なくとも一部が、ポリ乳酸を主体とする生分解性素材で 構成され、かつ、ポリ乳酸を主体とする生分解性素材で形成された部材と、非生分解性 素材で形成された部材とが分離可能な構造を有する
ことを特徴とする電気製品。
【請求項2】
前記ポリ乳酸を主体とする生分解性素材が、ポリ乳酸と他の素材との混合物であって、他の素材の重量比率が50%を超えない、請求項1に記載の電気製品。
【請求項3】
前記他の素材が、ポリ乳酸以外の生分解性有機物および無機化合物からなる群より任意に選ばれた一種又は複数種の素材である、請求項2に記載の電気製品。
【請求項4】
前記ポリ乳酸以外の生分解性有機物が、ポリブチレンサクシネート、ポリカプロラクトン、脂肪族ポリエステル、セルロースアセテート系生分解性樹脂、ポリビニルアルコール及び天然有機物からなる群より任意に選ばれた一種又は複数種の素材である、請求項3に記載の電気製品。
【請求項5】
前記ポリ乳酸を主体とする生分解性素材が、ポリ乳酸のみからなる、請求項1に記載の電気製品。
【請求項6】
前記電気製品本体が前記筐体内に、ねじ止め若しくは嵌め込みにより固定されているか、又は前記筐体からの引き剥がしが容易なように接着剤で固着されている、請求項1に記載の電気製品。
【請求項7】
前記筐体の表面に前記電気製品本体の操作用押しボタンが設けられ、該押しボタンはポリ乳酸を主体とする生分解性素材で構成されている、請求項1に記載の電気製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−179803(P2009−179803A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−113502(P2009−113502)
【出願日】平成21年5月8日(2009.5.8)
【分割の表示】特願2000−70897(P2000−70897)の分割
【原出願日】平成12年3月14日(2000.3.14)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】