説明

電気調理器

【課題】絶縁シートを用いるとともに、その絶縁シートの取り付けを容易にすることができる電気ポットを提供すること。
【解決手段】内容器と、該内容器を加熱する加熱手段と、該加熱手段に電気的に連結され2個の電極板を有するプラグ受けと、該プラグ受けに連結可能なマグネットプラグと、絶縁シートを備えた電気調理器であって、前記絶縁シートは、リード線挿入用切欠と、リード線保持空間を有し、2本のリード線又は/及び2個のリード線端子カバーを利用して前記電極板に対向して取り付ける電気ポット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、加熱手段を有し、電気で調理される電気ポット、炊飯器、ホットプレート等の電気調理器のプラグ受け絶縁構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気調理器は、機能等を落とすことなく安価なものが求められ、更に置き場所並びに持ち運び等を考慮し、その全体を軽量化並びに小型化される傾向にある。ところで、電気調理器は、加熱手段を有し、本体ケースに取り付けられるプラグ受けを介して電気を供給されており、電気調理器を小型化した場合、プラグ受けに設けられる電極板と内容器や内部部品との距離が必然的に短くなる。このような場合には、漏電等の危険並びに法的規制を踏まえ絶縁手段等を講じる必要が生じる。
【0003】
そして、実際、内容器や内部部品とプラグ受けとの間に絶縁手段を設けるものが既に出願されている。その一例の要部のみを図9に示す。即ち、電気調理器の本体ケース1の下端部には門形開口2が設けられ、該門形開口2には、下方から正面視方形のプラグ受け3が嵌合される。その後、底部材4がビスにより取り付けられることによりプラグ受け3は固定される。
【0004】
前記プラグ受け3は、その外側に電極ピン5が水平に取り付けられ、該電極ピン5には図示しない公知のマグネットプラグが取り付けられることにより加熱手段に電気が供給される。プラグ受け3の内側には、リード線6に接続されるリード線接続端子7が上下方向に連結されている。このようにリード線6及びリード線接続端子7を上下方向に配置することにより、電気調理器の水平方向の大きさが小さくなり電気調理器を小型化することができる。しかしながらその反面、電気調理器の図示しない内容器や内部部品との距離が短くなる。
【0005】
そのため、図に示すようにプラグ受け3の内側、即ちプラグ受け3と図示しない内容器や内部部品との間に絶縁プレート8を設けている。この絶縁プレート8は、方形のマイカ製プレートであり、その下部をプラグ受け3の裏面に設ける嵌合穴9に挿入し、その上部を同じくプラグ受け3の裏面に設ける係止爪10に係止することにより取り付けている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
しかしながら、従来のマイカ製プレート8は、プラグ受け3の嵌合穴9及び係止爪10に取り付ける必要があるためある程度の厚みを有する必要があり、それだけ材料費が嵩み、また、プラグ受け3に嵌合穴9及び係止爪10を設ける必要がありそれだけ生産コストも高騰するとという問題を有していた。
【特許文献1】特開2005−130933
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願発明は、絶縁シートを用いるとともに、その絶縁シートの取り付けを容易にすることにより、上記問題点を解消することができる電気調理器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本願発明は以下の構成を採用する。
【0009】
請求項1に係る発明では、内容器と、該内容器を加熱する加熱手段と、該加熱手段に電気的に連結され2個の電極板を有するプラグ受けと、該プラグ受けに連結可能なマグネットプラグと、絶縁シートを備えた電気調理器であって、前記絶縁シートは、リード線挿入用切欠と、リード線保持空間を有し、2本のリード線又は/及び2個のリード線端子カバーを利用して前記電極板に対向して取り付ける構成。そしてこの構成により、絶縁シートの取付けが簡単且つ容易になる。
【0010】
請求項2に係る発明では、請求項1の構成に加え、前記絶縁シートは、前記リード線接続後に取り付ける構成。そしてこの構成により、リード線並びに絶縁シートの取付けが容易になる。
【0011】
請求項3に係る発明では、請求項1または2の構成に加え、前記絶縁シートは、二つに折り曲げられてなり、その一方の面は前記リード線挿入用切欠及び前記リード線保持空間を有し、他方の面は前記電極板に対向し、前記リード線保持空間の短辺側の長さは前記リード線の径より若干大きく、長辺側の長さは前記2個の電極板に連結されるリード線の間隔と同じである構成。そしてこの構成により、絶縁シートがよりコンパクトになる。
【0012】
請求項4に係る発明では、請求項3の構成に加え、前記2本のリード線は、前記リード線保持空間に挿入後、お互い遠ざかる方向に折り曲げられ、その折り曲げ部で前記絶縁シートを狭持する構成。そしてこの構成により、絶縁シートの取付けがより確実になる。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明では、絶縁シートを、リード線挿入用切欠からリード線保持空間内に導入し、2本のリード線又は/及び2個のリード線端子カバーを利用して取り付けるとともに、電極板に対向して配置することにより、薄い絶縁シートの使用が可能となり、それだけ材料費を低減できる。また、絶縁シートを取り付ける係止爪等の手段を別途設ける必要がなく、更に絶縁シートの取付けを簡単且つ容易に行なうことができるためそれだけ生産コストを低減することができる。
【0014】
請求項2に係る発明では、絶縁シートをリード線接続後に取り付けることにより、請求項1に係る発明の効果に加え、リード線の取付けを容易に行なうことができるとともに、絶縁シートの取付けも容易且つ確実に行なうことができる。
【0015】
請求項3に係る発明では、絶縁シートのリード線挿入用切欠及びリード線保持空間を、二つ折りの一方の面に設け、絶縁シートの他方の面を、電極板に対向させるとともに、リード線保持空間の短辺側の長さをリード線の径より若干大きくし、長辺側の長さを2個の電極板に連結されるリード線の間隔と同じにすることにより、請求項1または2に係る発明の効果に加え、絶縁シートの大きさをコンパクトにすることができるため、それだけコストを低減することができる。
【0016】
請求項4に係る発明では、2本のリード線をリード線保持空間に挿入した後に、お互い遠ざかる方向に折り曲げ、その折り曲げ部で絶縁シートを狭持することにより、請求項3に係る発明の効果に加え、絶縁シートの取付けを簡単にすることができるとともに、より確実に取り付けることができる。
【実施例】
【0017】
以下、本願発明の実施例について説明する。本願発明は、電気で調理される電気ポット、炊飯器、ホットプレート等の電気調理器のプラグ受け絶縁構造に関するものであるところ、以下においては電気ポットを例にして説明する。図1はプラグ受けを有する電気ポットの断面図、図2は図1のA部拡大図、図3はプラグ受けの背面図であって絶縁シートの一部を省略した図を示す。なお、鼻先部29側を前方部、ヒンジ機構25側を後方部とする。
【0018】
電気ポット20は、本体ケース21と、本体ケース21の上方開口を開閉する蓋体22と、底部を形成する底板23と、前記本体ケース21内に収納され、お湯等を入れるための内容器24等からなる。
【0019】
前記本体ケース21と底板23とは無理嵌め或いはビス等により一体化され外郭を形成するとともに、その上方開口部には前記蓋体22がその上面に設けられる開閉レバー26の操作によりヒンジ機構25を支点に開閉自在に取り付けられる。また、該蓋体22には、手動ポンプ27が設けられ、手動ポンプ27を上下動することにより内容器24内のお湯等を給湯することができる。
【0020】
蓋体22には、蒸気通路28及び蒸気排出口28aが形成され内容器24内の蒸気を外部に放出する。また、蒸気通路28の内容器24近傍には、止水弁28bが設けられ、電気ポット20が転倒等した時、蒸気通路28を閉鎖し内容器24内のお湯等が蒸気排出口28aから排出されるのを防止している。
【0021】
前記蓋体22前方に突出形成される鼻先部29の上端には、表示器及び各種スイッチが配置される表示部30を有し、鼻先部29の下端面には下方に開口した注湯口31が設けられる。
【0022】
前記本体ケース21内には、水等を入れ加熱するための内容器24が収納される。該内容器24は、内外二重の真空容器であり保温効果を高めている。該内容器24の底面には湯温センサ32及び加熱手段であるマイカヒータ等のヒータ33が設けられ、湯温センサ32で内容器24内の湯等の温度を検知し、ヒータ33での加熱量を制御している。そして前記ヒータ33は、後記のプラグ受け40にリード線55を介して連結される。
【0023】
内容器24と底板23との間の空間には内容器24内に連通する電動ポンプ34が設けられる。また、前記本体ケース21の前方側には、上下方向に給湯パイプ35が立設され、その一方端は前記電動ポンプ34に連結され、その他方端は前記注湯口31に連通する。そして、前記表示部30に設けられる図示しない給湯スイッチを操作することにより電動ポンプ34が駆動し、内容器24内のお湯等を給湯パイプ35に押し出し、前記注湯口31より給湯する。給湯パイプ35の前方側の本体ケース21には図示しない透明な窓が設けられ内容器24内のお湯等の残量を表示している。
【0024】
符号40はプラグ受けである。該プラグ受け40は、正面視横長の矩形状の樹脂製部材であり、その正面部Fには、図示しない公知のマグネットプラグが挿入されるプラグ差込凹部41を有し、図5に示すようにその側面部Sには、上下方向の凹溝42が上端から下端近傍まで形成され、その背面部Bには、電極板を取り付けるための嵌合溝43が上下方向に2個形成される。
【0025】
正面部Fのプラグ差込凹部41の底面中央部には、図6でその断面を示すように縦長で矩形状の磁石吸着板44が取り付けられ、更に磁石吸着板44の左右側には正面部Fから背面部Bに貫通して取り付けられる2本の電極ピン45、45を有しており、プラグ差込凹部41に図示しない公知のマグネットプラグを挿入するとマグネットプラグ先端に設けられる2個の雌形電極がプラグ差込凹部41の底面から突出する前記2本の雄形電極ピン45、45に嵌合し電気的接続が行われるとともに、マグネットプラグ先端に設けられる磁石がプラグ差込凹部41の底面に設けられる磁石吸着板44に吸着し、プラグ受け40とマグネットプラグとの接続を保持する。
【0026】
本体ケース21の下端部には、プラグ受け40を受け入れるためのプラグ受け40とほぼ同形で且つ門形の開口46が形成され、該開口46の両側部には、図6に示すように上下方向に延設した係止突部47、47が設けられている。前記プラグ受け40は、該開口46に下方より挿入されるが、挿入時には、開口46の係止突部47、47に、プラグ受け40の両側面部Sに設けられる凹溝42、42を嵌合することにより行われ、開口46内にプラグ受け40を挿入後、底板23を取り付け、プラグ受け40を固定する。
【0027】
プラグ受け40の背面部Bの上下方向に形成される2個の嵌合溝43には、電極板48が取り付けられる。該電極板48は、細長い矩形状の導電性金属部材であり、その根本部には電極ピン45の他端が貫通可能にされている。電極板48の取り付けは、2個の嵌合溝43にそれぞれ電極板48を挿入し、その根本部に電極ピン45の他端を貫通し、その貫通した他端部をかしめ、図5に示すように電極ピンかしめ部49を形成することにより行われる。電極板48の先端部の幅は、図4に示すように若干狭くされており電極端子50を形成している。
【0028】
符号55は、リード線である。リード線55は、外部から取り入れられる電気をヒータ33等に供給する線部材であり、その先端には、リード線端子56が取り付けられる。このリード線端子56は、ファストン端子と呼ばれる導電性金属部材からなるもので、図3及び図4に示すようにその根本部に小折曲部57を有し、その先端に大折曲部58を有する。
【0029】
前記小折曲部57は、リード線55を取り付ける部分で、リード線55の両側からリード線55を包むように折り曲げ、最終的にリード線55を強く狭持することによりリード線55と通電可能に一体化される。
【0030】
前記大折曲部58は、電極板48先端部の電極端子50との嵌合がなされる部分で、リード線55の左右方向に展開した矩形状部58aを有し、この左右に展開した矩形状部58aを内側方向に折り曲げるとともに、それぞれの断面折り曲げ形状を略半円形にし、最終的な断面折り曲げ形状をめがね形状58bにしてなるもので、電極端子50の嵌入を可能とし、嵌入後では両者の係合を強固にする。このようなリード線端子56を用いることにより電極端子50との取り付けが容易になる。
【0031】
符号59は、リード線端子カバーである。リード線端子カバー59は、リード線端子56を覆う絶縁性樹脂製部材であり、断面矩形の細長い形状からなりリード線端子56を覆いその絶縁を行う。該リード線端子カバー59の先端及び内部には、複数の係止片59aが設けられており、リード線端子カバー59内にリード線端子56を挿入すると、リード線端子カバー59の端部とリード線端子56との端部とがほぼ同一面に位置するとともに、該係止片59aがリード線端子56に係合し、容易に外れなくなる。
【0032】
リード線端子カバー59内に予めリード線端子56を挿入したものを用意しておき、そのリード線端子56付きのリード線端子カバー59を電極端子50に接続することになる。その接続は、図5に示すようにそれぞれの電極端子50にリード線端子56付きのリード線端子カバー59を押し込むことによって行われる。リード線端子カバー59を電極端子50に接続後は、電極板48、電極端子50、リード線端子カバー59及びリード線55は、上下方向に一列に並ぶ形態になるため、水平方向での本体ケース21をより小型化することができる。
【0033】
符号60は、絶縁シートである。絶縁シート60は、電極板48から内容器24及び内部部品を絶縁するための例えばポリエステル製フィルムからなる絶縁部材である。その展開図を図8に示すように全体は略矩形状で、その一端部近傍には、短辺に平行に折れ曲げ部63が設けられ、狭い係止領域61と広いプラグ受け包囲領域62とが形成される。
【0034】
絶縁シート60は、使用時には、折れ曲げ部63を中心にして図2に示すように略直角に折り曲げて使用される。係止領域61は、リード線端子カバー59の下端部にリード線とで狭持される形態で位置し、プラグ受け包囲領域62は、プラグ受け背面部Bを覆うように対向する形態で位置する。そして、プラグ受け包囲領域62の幅及び高さは、プラグ受け40の背面部Bの幅及び高さとほぼ同じか若干小さくされ、係止領域61の長さは、プラグ受け40の側面部Sの長さよりは短くされている。
【0035】
係止領域61には、その略中央の領域に折れ曲げ部63に平行に細長い略矩形状のリード線保持空間64が形成される。このリード線保持空間64の短辺側の長さは、リード線55の径より若干大きく、長辺側の長さHは、図3に示すようにプラグ受け40に取り付けられる2個の電極板48に連結されるリード線55間の長さHと略同じにされる。
【0036】
また、係止領域61には、リード線保持空間64の略中央に連通するリード線挿入用切欠65がリード線保持空間64の長辺に直交する方向で設けられており、リード線55は、このリード線挿入用切欠65よりリード線保持空間64内に挿入される。リード線挿入用切欠65は、2本のリード線55間のほぼ中央に位置することになるためリード線55の挿入を容易に行うことができる。また、係止領域61は、単にプラグ受け40の底部を覆う程度の長さでありその大きさを必要最小限にすることができるため、生産コストを抑えることができる。
【0037】
その挿入手順を図7(A)〜(D)に示す。(A)においてまずリード線挿入用切欠65近傍に挿入するリード線55の部分を矢印で示すように近づけ、次いで(B)に示すようにリード線55をリード線挿入用切欠65内に矢印方向に押し込み、(C)に示すようにリード線55をリード線保持空間64内に挿入する。その後、(D)に示すようにお互いのリード線55が遠ざかるように左右方向に折り曲げ、リード線55と、リード線端子56或いはリード線端子カバー59との間で絶縁シート60の係止領域61を狭持する。この絶縁シート60は、リード線55の接続後に取り付けられる。
【0038】
絶縁シート60の狭持状態を図3及び図4に示す。図3及び図4は絶縁シート60を取り付け、且つその一部を除いた状態をプラグ受け40の背面部B方向から見た図である。図3は、リード線端子56にリード線端子カバー59を取り付けた状態のもの(なお、絶縁シート60を除いた部分のリード線端子カバー59はその前面がない状態で示している。)であり、図に示すようにプラグ受け背面部Bの嵌合溝43には2個の電極板48が上下方向に配置され、その先端の電極端子50には、リード線端子56付きリード線端子カバー59が嵌合されている。そして、該背面部B及びリード線端子カバー59を覆って絶縁シート60のプラグ受け包囲領域62が位置し、絶縁シート60の係止領域61は、リード線端子カバー59の下端部に折り曲げられた状態で位置している。
【0039】
リード線端子カバー59の下端部より下方に飛び出ているリード線55は、係止領域61のリード線保持空間64内に挿入されており、その状態で左右方向、即ち、お互い遠ざかる方向に略直角に折り曲げられ、折り曲げられたリード線55の部分とリード線端子カバー59の下端部とで絶縁シート60の係止領域61を狭持する。リード線保持空間64の長手方向の長さHは、電極板48に連結されるリード線55間の長さHと略同じにされているため、リード線55を折り曲げた場合に絶縁シート60に遊びがなくなりその取り付けが強固になる。その結果、絶縁シート60のプラグ受け包囲領域62は、プラグ受け40の背面部Bに沿う形状で位置固定される。
【0040】
プラグ受け40は、この状態で本体ケース21に取り付けられる。プラグ受け40が本体ケース21に取り付けられると、絶縁シート60のプラグ受け包囲領域62は、プラグ受け40の背面部Bと内容器24との間に立設状態で保持される。なお、本体ケース21と内容器24との間に筒状の断熱材が入れられるものでは、絶縁シート60のプラグ受け包囲領域62は、プラグ受け40の背面部Bと該断熱材との間でより安定した状態で保持される。
【0041】
図4は、リード線端子56にリード線端子カバー59を取り付けないものであり、図に示すようにプラグ受け背面部Bの嵌合溝43には2個の電極板48が上下方向に配置され、その先端の電極端子50には、リード線55先端のリード線端子56が嵌合されている。そして、該背面部B及びリード線端子56を覆って絶縁シート60のプラグ受け包囲領域62が位置し、絶縁シート60の係止領域61は、リード線端子56の下端部に折り曲げられた状態で位置している。
【0042】
リード線端子56からのリード線55は、係止領域61のリード線保持空間64内に挿入されており、その状態で左右方向、即ち、お互い遠ざかる方向に略直角に折り曲げられ、折り曲げられたリード線55の部分とリード線端子56の下端部とで絶縁シート60の係止領域61を狭持する。リード線保持空間64の長手方向の長さHは、電極板48に連結されるリード線55間の長さHと略同じにされているため、リード線55を折り曲げた場合に絶縁シート60に遊びがなくなりその取り付けが強固になる。
【0043】
プラグ受け40は、この状態で本体ケース21に取り付けられる。図3のものと同様に、プラグ受け40が本体ケース21に取り付けられると、絶縁シート60のプラグ受け包囲領域62は、プラグ受け40の背面部Bと内容器24との間に立設状態で保持される。なお、本体ケース21と内容器24との間に筒状の断熱材が入れられるものでは、絶縁シート60のプラグ受け包囲領域62は、プラグ受け40の背面部Bと該断熱材との間でより安定した状態で保持される。
【0044】
本願発明は、上記各実施の態様の構成に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜設計変更可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本願発明の電気ポットの断面図
【図2】本図1のA部の拡大図
【図3】本願発明のプラグ受けの背面図であって絶縁シートの一部を省略した図
【図4】本願発明のプラグ受けの背面図であって絶縁シートの一部を省略した他の図
【図5】本願発明のプラグ受けとリード線端子カバーを被せたリード線とを示す斜視図
【図6】図2のB−B線断面図
【図7】本願発明の絶縁シートにリード線を取り付ける手順を示す概略図
【図8】本願発明の絶縁シートの展開図
【図9】従来のプラグ受けの断面図
【符号の説明】
【0046】
20・・・電気ポット 21・・・本体ケース
22・・・蓋体 23・・・底板
24・・・内容器 25・・・ヒンジ機構
26・・・開閉レバー 27・・・手動ポンプ
28・・・蒸気通路 28a・・・蒸気排出口
28b・・・止水弁 29・・・鼻先部
30・・・表示部 31・・・注湯口
32・・・湯温センサ 33・・・ヒータ
34・・・電動ポンプ 35・・・給湯パイプ
40・・・プラグ受け F・・・正面部
S・・・側面部 B・・・背面部
41・・・プラグ差込凹部 42・・・凹溝
43・・・嵌合溝 44・・・磁石吸着板
45・・・電極ピン 46・・・開口
47・・・係止突部 48・・・電極板
49・・・電極ピンかしめ部 50・・・電極端子
55・・・リード線 56・・・リード線端子
57・・・小折曲部 58・・・大折曲部
58a・・・矩形状部 58b・・・めがね状端部
59・・・リード線端子カバー 59a・・・係止片
60・・・絶縁シート 61・・・係止領域
62・・・プラグ受け包囲領域 63・・・折れ曲げ部
64・・・リード線保持空間 65・・・リード線挿入用切欠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容器と、該内容器を加熱する加熱手段と、該加熱手段に電気的に連結され2個の電極板を有するプラグ受けと、該プラグ受けに連結可能なマグネットプラグと、絶縁シートを備えた電気調理器であって、前記絶縁シートは、リード線挿入用切欠と、リード線保持空間を有し、2本のリード線又は/及び2個のリード線端子カバーを利用して前記電極板に対向して取り付けることを特徴とする電気調理器。
【請求項2】
前記絶縁シートは、前記リード線接続後に取り付けることを特徴とする請求項1記載の電気調理器。
【請求項3】
前記絶縁シートは、二つに折り曲げられてなり、その一方の面は前記リード線挿入用切欠及び前記リード線保持空間を有し、他方の面は前記電極板に対向し、前記リード線保持空間の短辺側の長さは前記リード線の径より若干大きく、長辺側の長さは前記2個の電極板に連結されるリード線の間隔と同じであることを特徴とする請求項1または2記載の電気調理器。
【請求項4】
前記2本のリード線は、前記リード線保持空間に挿入後、お互い遠ざかる方向に折り曲げられ、その折り曲げ部で前記絶縁シートを狭持することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電気調理器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−330566(P2007−330566A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−166800(P2006−166800)
【出願日】平成18年6月16日(2006.6.16)
【出願人】(000003702)タイガー魔法瓶株式会社 (509)
【Fターム(参考)】