説明

電池および電池の製造方法

【課題】基材表面上に正負両極を近接して並べた構造を有する電池およびその製造方法において、電気化学反応により生じる電流を効率よく取り出すことのできる技術を提供する。
【解決手段】基材上で1対が互いに噛み合わせるように配置されて電池として機能する櫛歯状の電極11において、櫛歯部分112は第1集電体層112a、活物質層112bおよび第2集電体層112cが積層された構造を有する。第1集電体層112aと第2集電体層112cとが活物質層112bを挟み、しかも基材上に形成されたベース部111において電気的に接続されているため、活物質層112bに対して並列接続された一体の集電体として機能し、集電体の低抵抗化を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、正負両極において集電体と活物質とを積層した構造を有する電池および該電池の製造方法に関するものであり、特に、基材表面上に正負両極を近接して並べた構造を有する電池およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばリチウムイオン電池のような化学電池を製造する方法としては、従来より、正極活物質および負極活物質をそれぞれ集電体としての金属箔に付着させた正負両極の電極をセパレータを介して重ね合わせ、セパレータに電解液を含浸させる技術が知られている。しかしながら、近年では電池のさらなる小型化・高出力化が求められることから、各機能層を平板状に積層する構造に代えて、凹凸構造を有する正負電極を立体的に組み合わせることで相互の対向面積を増大させた構造が提案されてきている。
【0003】
例えば特許文献1には、絶縁性の基板上にいずれも金属箔からなる櫛歯状の正極集電体および負極集電体を近接させて形成し、これらの集電体上に、それぞれ正極活物質および負極活物質を含むスラリーを塗布することによって活物質層を形成する。そして、こうして形成された正負の電極間の空隙に固体電解質材料を充填することで、基板表面に沿った方向に正負の活物質が固体電解質を介して対向する電池構造を得ている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−147210号公報(例えば、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術では、電気化学反応により生じる電流を薄い櫛歯状の集電体から取り出すこととなる。そのため、集電体の断面積の小ささに起因する高抵抗により電池として良好な性能を得ることが難しい。特に、さらなる櫛歯パターンの細密化を図る場合にこの問題が顕著であり、より効率よく電流を取り出すことのできる技術の確立が望まれている。
【0006】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、基材表面上に正負両極を近接して並べた構造を有する電池およびその製造方法において、電気化学反応により生じる電流を効率よく取り出すことのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明にかかる電池は、上記目的を達成するため、基材と、前記基材表面に形成された第1正極集電体層、前記第1正極集電体層の前記基材と反対側の表面に積層された正極活物質層、および、前記正極活物質層の前記第1正極集電体層と反対側の表面に積層されるとともに前記第1正極集電体層と電気的に接続された第2正極集電体層、を有する正極電極と、前記基材表面に前記正極電極と近接して配置されて、前記基材表面に形成された第1負極集電体層、前記第1負極集電体層の前記基材と反対側の表面に積層された負極活物質層、および、前記負極活物質層の前記第1負極集電体層と反対側の表面に積層されるとともに前記第1負極集電体層と電気的に接続された第2負極集電体層、を有する負極電極と、前記正極電極と前記負極電極との間の空隙を埋めるように形成された電解質層とを備えることを特徴としている。
【0008】
このように構成された発明では、正極電極においては第1正極集電体層と第2正極集電体層とが、また負極電極においては第1負極集電体層と第2負極集電体層とがそれぞれ電気的に並列に接続されて集電体として機能し、しかも、両極のそれぞれでは活物質層を挟むように2つの集電体層が配置される。そのため、電気化学反応により活物質層から放出される電荷の流路における電気抵抗が低減されており、電流を効率よく取り出すことが可能となっている。
【0009】
この発明において、正極電極は、第2正極集電体層の正極活物質層と反対側の表面に積層された第2正極活物質層を備える一方、負極電極は、第2負極集電体層の負極活物質層と反対側の表面に積層された第2負極活物質層を備えるようにしてもよい。この場合、正極電極は、第1正極集電体層、正極活物質層、第2正極集電体層および第2正極活物質層が積層された構造を有することとなる。負極電極についても類似の構造となる。これにより、互いに対向する正負の活物質層の表面積がさらに増大されて、電池としての性能、特に電池容量と高速充放電特性が良好な電池となる。
【0010】
この場合において、正極活物質層と第2正極活物質層とが第2正極集電体層の端面の外側で直接接触し、負極活物質層と第2負極活物質層とが第2負極集電体層の端面の外側で直接接触するようにしてもよい。このようにすると、正極活物質層と第2正極活物質層とが一体的に活物質層として機能し、その内部に第2正極集電体層が取り込まれた構造となる。負極電極についても同様である。したがって、活物質層内で生成された電荷をより効率よく集電体層で捕捉し外部へ取り出すことができる。
【0011】
これらの発明においては、例えば、正極電極と負極電極とが、それぞれ基材表面に沿って延設されたストライプ状パターンを含み、正極電極のストライプ状パターンと負極電極のストライプ状パターンとが基材表面で互いに平行に近接配置されてもよい。この発明では正負各極の集電体層の電気抵抗が低減されているため、従来技術では高抵抗のため満足な性能を得られなかったストライプ状の構造を有する電極を用いても、性能の良好な電池を構成することができる。また、複数のストライプ状パターンを櫛歯状に組み合わせるようにすれば、正負活物質層の対向面積を大きくして、電池容量および高速充放電特性のさらに良好な電池とすることができる。
【0012】
また、例えば、電解質層が固体電解質により形成されたものであってもよい。このような構成では、例えば有機溶媒を含む電解液を用いる電池よりも取り扱いが容易となる。固体電解質材料は液体電解質に比べ一般にイオン伝導度が低いが、この発明では正負活物質を立体構造として対向させることで性能の改善を図ることが可能であり、固体電解質を用いて実用的な電池を構成することができる。
【0013】
また、この発明にかかる電池の製造方法は、上記目的を達成するため、基材表面に、正極または負極のうち一方極の一方極側第1集電体層を形成する第1工程と、前記第1工程の後に、または前記第1工程と同時に、前記一方極と反対の他方極の他方極側第1集電体層を、前記基材表面に前記一方極側第1集電体層と近接させて形成する第2工程と、前記一方極側第1集電体層の前記基材と反対側の表面に一方極側活物質層を積層する第3工程と、前記他方極側第1集電体層の前記基材と反対側の表面に他方極側活物質層を積層する第4工程と、前記一方極側活物質層の前記一方極側第1集電体層と反対側の表面に、一方極側第2集電体層を積層する第5工程と、前記他方極側活物質層の前記他方極側第1集電体層と反対側の表面に、他方極側第2集電体層を積層する第6工程とを備えることを特徴としている。
【0014】
以下の説明において特に極性を限定する必要がない場合には、各構成における「一方極側」、「他方極側」の接頭語を省略することがある。
【0015】
上記のように構成された発明では、上記した構造の電池、すなわちそれぞれ第1集電体層、活物質層および第2集電体層が積層されてなる正負両極の電極が基材上で対向した構造の電池を製造することができる。したがって、この発明によれば、電流を効率よく取り出すことのできる電池を提供することが可能となっている。
【0016】
なお、本発明において、第1工程、第3工程および第5工程の各工程はこの順序で、また第2工程、第4工程および第6工程の各工程はこの順序でそれぞれ実行されることが必要であるが、上記以外に各工程での実行順についての制約はない。したがって例えば、第1ないし第6工程を番号順に実行するようにしてもよく、また第1工程、第3工程および第5工程を実行してから第2工程、第4工程および第6工程を実行するようにしてもよい。またこれ以外の順序であってもよい。
【0017】
例えば、一方極側第2集電体層と他方極側第2集電体層とを同一材料で形成し、しかも第5工程と第6工程とを同時に実行するようにしてもよい。一方極側第2集電体層と他方極側第2集電体層とが同一材料であれば、これらを同一の処理工程で同時に形成することが可能である。したがって、第1工程ないし第4工程までを実行した後に、第5および第6工程を同時に実行する、つまり当該同一材料による層を一方極側活物質層と他方極側活物質層とのそれぞれに同時形成することが可能である。こうすることで、電池製造の製造効率およびスループットの向上を図ることができる。
【0018】
また、例えば、一方極側第2集電体層の一方極側活物質層と反対側の表面に一方極側第2活物質層を積層する第7工程と、他方極側第2集電体層の他方極側活物質層と反対側の表面に他方極側第2活物質層を積層する第8工程とをさらに備えるようにしてもよい。こうすることで、正負各極の活物質層の表面積を増大させて、電池性能をより向上させることができる。
【0019】
これらの発明において、例えば、第3工程では一方極側活物質材料を含む塗布液を一方極側集電体層の表面に塗布して一方極側活物質層を形成する一方、第4工程では他方極側活物質材料を含む塗布液を他方極側集電体層の表面に塗布して他方極側活物質層を形成するようにしてもよい。塗布により活物質層を形成することで、厚い活物質層を比較的短時間で形成することができる。また、活物質層を厚くすることで、基材表面での正負の活物質層の対向面積が大きくなるため、電池性能を向上させることができる。
【0020】
また、例えば、第5工程、第6工程のそれぞれでは、導電性材料を含む塗布液を塗布して、それぞれ一方極側第2集電体層、他方極側第2集電体層を形成するようにしてもよい。第2集電体層についても、塗布により形成することで、断面積が大きく電気抵抗の低い層を短時間で形成することが可能である。
【0021】
この場合、例えば、第3工程では一方極側第1集電体層の一部を一方極側活物質層で覆われない露出領域として、第5工程では一方極側活物質層と一方極側第1集電体層の露出領域とに連続的に塗布液を塗布する一方、第4工程では他方極側第1集電体層の一部を他方極側活物質層で覆われない露出領域として、第6工程では他方極側活物質層と他方極側第1集電体層の露出領域とに連続的に塗布液を塗布するようにしてもよい。
【0022】
こうすることで、第1集電体層と塗布により形成された第2集電体層とが第1集電体層の露出領域で電気的に接続されて、これらが電気的には並列接続され、また構造的には活物質層を挟むように配置された集電体として機能するようになる。また、第1および第2集電体層を接続するための構成を別途設ける必要がないため、製造工程も簡素化される。
【0023】
これらの塗布による各機能層の形成においては、例えば、塗布液を吐出するノズルを基材表面に沿って相対的に走査移動させて、塗布液をストライプ状に塗布するようにしてもよい。このようないわゆるノズルスキャン法による塗布技術では、各種の塗布液を微細なパターンに制御性よく塗布する技術が確立されており、この技術を応用することで、微細な立体構造を有する電池を効率よく製造することが可能である。
【0024】
これらの発明では、一方極側活物質層と他方極側活物質層との間の空隙に電解質層を形成する第9工程をさらに備えることが好ましい。両極活物質層間の空隙を電解質層で満たすようにすれば、両極活物質層が電解質層を介して対向配置され、電池としての機能を付与することが可能となる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、基材表面上に正負両極を近接して並べた構造を有する電池およびその製造方法において、正負各極の活物質層を挟むように設けられた第1および第2集電体層が並列接続された構造となるので、電気化学反応により生じる電流を効率よく外部へ取り出すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】リチウムイオン二次電池モジュールの概略構造を示す図である。
【図2】正極電極の詳細構造を示す図である。
【図3】図1の電池モジュールの断面構造を示す図である。
【図4】この実施形態にかかる電池の製造方法を示すフローチャートである。
【図5】図4の製造方法の各工程における処理の進行状況を模式的に示す図である。
【図6】ノズルスキャン法による材料塗布の様子を模式的に示す図である。
【図7】電極構造の他のいくつかの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1はリチウムイオン二次電池モジュールの概略構造を示す図である。より詳しくは、図1(a)は本発明にかかる電池の一実施形態としてのリチウムイオン二次電池モジュール(以下、単に「電池モジュール」と略称する)1の概略構造を示す上面図である。この電池モジュール1は、同図に示すように、例えば樹脂シートやガラス基板、セラミック基板のような絶縁性の基材10の表面に正極電極11と負極電極12とを配設し、これらの電極11,12を薄い固体電解質層13で覆った構造を有している。
【0028】
図1(b)は図1(a)の電池モジュール1における電極の構造を示す図である。より具体的には、図1(a)に示す電池モジュール1から固体電解質膜13を除去し正極電極11および負極電極12を露出させた状態を示す斜視図である。同図に示すように、正極電極11は全体として櫛歯形状を有しており、比較的幅広の帯状を有するベース部111と、該ベース部111と直交する方向に一定間隔で延設されてベース部111より幅の狭い複数の櫛歯部112とを有している。同様に、負極電極12は、比較的幅広の帯状を有するベース部121と、該ベース部121と直交する方向に一定間隔で延設されてベース部121より幅の狭い複数の櫛歯部122とを有している。
【0029】
正極電極11の櫛歯部112と、負極電極12の櫛歯部122とは基材10上で互いに噛み合うように組み合わされており、両者の間には微小な空隙が設けられて、互いに接触することがないように配置されている。次に説明するように、正極および負極電極11,12は基材10表面から突出した立体構造を有しており、両者は上記した微小な空隙を隔てて基材10上で対向している。この空隙部分を埋めるとともにベース部111,121の一部を除く電極11,12の表面を覆うように、固体電解質層13が形成されている。
【0030】
図2は正極電極の詳細構造を示す図である。また、図3は図1の電池モジュールの断面構造を示す図である。より詳しくは、図3(a)は図1(a)のA−A’線断面図であり、図3(b)は図1(a)のB−B’線断面図である。なお、図2および図3においては、電極の断面構造を明示するために、その厚さ方向(図において上下方向)の寸法を拡大して表示している。
【0031】
図2および図3に示すように、正極電極11はベース部111と複数の櫛歯部112とを有している。このうちベース部111は基材10上に例えば蒸着法により形成された金属膜から成っている。一方、複数の櫛歯部112のそれぞれは、ベース部111と一体的に形成された集電体として機能する金属膜112aと、該金属膜112aの上に積層された正極活物質材料を含む正極活物質層112bと、該正極活物質層112bの上に積層された導電性を有する第2集電体層112cとを有している。
【0032】
ベース部111との接続部分において、第2集電体層112cの端部は活物質層112bの端部を超えてベース部111の上部まで延びており、これにより、金属膜からなるベース部111および櫛歯部112の金属膜112aと第2集電体層112cとは電気的に接続されている。櫛歯部112の金属膜112aは第2集電体層112と並列接続されて第2集電体112とともに正極活物質層112bに対して集電体として機能するものであり、以下では第2集電体層112cと区別するために必要に応じてそれぞれの極の「第1集電体層」と称することがある。また、各櫛歯部112は、ベース部111を介して互いに電気的に接続されている。
【0033】
斜視図の図示を省略しているが、負極電極12もこれと類似の構造となっている。すなわち、負極電極12の櫛歯部122は、基材10側から順に、ベース部121と一体に形成されて第1集電体層として機能する金属膜122a、該金属膜122aの上に積層された負極活物質層122b、および該負極活物質層122bの上に積層された導電性を有する第2集電体層122cを有している。そして、櫛歯部122の第2集電体層122cはベース部121と電気的に接続されるとともに、各櫛歯部122はベース部121を介して互いに電気的に接続されている。
【0034】
このような構成では、図3(b)に示すように、基材10上でその表面に沿った方向において正極電極11の櫛歯部112と負極電極12の櫛歯部122とが交互に配置され、しかも両者が所定のギャップを隔てて近接対向している。そして、この両者の空隙が固体電解質層13によって満たされることにより、化学電池として作用する。特に、電解質層13が固体電解質材料により構成されることで、この電池モジュール1は全固体電池として作用する。
【0035】
また、図1(a)に示すように、正極電極11のベース部111の一部111aおよび負極電極12のベース部121の一部121aは固体電解質層13によって覆われずに金属面が露出しており、ここにタブ電極等が適宜接続されて、電池モジュール1の電気化学反応により発生する電流が外部へ取り出される。
【0036】
正極活物質材料としては、例えば、正極活物質材料として公知のLiCoO2(LCO)を用いることができる。また後述するように、この実施形態では活物質層を形成するのに活物質材料を含む塗布液の塗布を行うが、その塗布液としては、上記正極活物質材料と、導電助剤としての例えばアセチレンブラック、結着剤としてのSBR、カルボキシメチルセルロース(CMC)および溶剤としての純水などを混合した水系LCO材料を用いることができる。正極活物質材料としては、上記したLCOの他、LiNiO2またはLiFePO4、LiMnPO4、LiMn24、またLiMeO2(Me=Mxyz;Me、Mは遷移金属、x+y+z=1)で代表的に示される化合物、例えばLiNi1/3Mn1/3Co1/32、LiNi0.8Co0.15Al0.052などを用いることができる。
【0037】
また、負極活物質材料を含む塗布液としては、例えば、負極活物質材料としてのLi4Ti512(LTO)に、導電助剤としてのアセチレンブラックまたはケッチェンブラック、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンラバー(SBR)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、溶剤としてのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)などを混合したものを用いることができる。なお、負極活物質材料としては上記したLTOの他に例えば黒鉛、金属リチウム、SnO2、合金系などを用いることが可能である。
【0038】
また、電解質層13としては、固体電解質として機能する高分子電解質材料、例えばポリエチレンオキシドおよびポリスチレンの混合樹脂を用いることができ、これを形成するための塗布液としては、上記に支持塩としての例えばLiPF6(六フッ化リン酸リチウム)および溶剤としての例えばジエチレンカーボネートなどを混合したものを用いることができる。
【0039】
各部の寸法としては種々考えられるが、代表的には例えば次のようなものである。すなわち、蒸着により形成される正負の第1集電体層の膜厚については500nmないし1μm、その延設方向に直交する断面における幅については200μm以下とすることができる。塗布により形成される正負の第2集電体層についてはより厚く形成することが望ましい。また、互いに隣接する第1集電体層間の間隔としては、10μmないし50μm程度とすることができる。
【0040】
また、正負の活物質層の延設方向に直交する断面における幅については、例えば20μmないし150μm程度、その厚さは例えば10μmないし300μm程度とすることができる。
【0041】
次に、上記のような構造を有する電池モジュールの製造方法について説明する。図4はこの実施形態にかかる電池の製造方法を示すフローチャートである。また、図5は図4の製造方法の各工程における処理の進行状況を模式的に示す図である。この製造方法では、まず絶縁性の基材10の表面に、第1集電体として機能する金属膜を形成する(ステップS101)。より具体的には、図5(a)に示すように、正極電極11および負極電極12においてそれぞれ第1集電体層としての機能を有する金属膜112aおよび122aを、それぞれのベース部111および121と一体的に例えば適宜のマスクを用いた真空蒸着法により形成する。
【0042】
ここで、正極電極11における第1集電体層112aと、負極電極12における第1集電体層122aとを同一材料とした場合には、これらを各々のベース部111,112とも併せて同時形成することが可能である。活物質材料を先に例示したものとした場合には、このように正負両極において第1集電体として共通使用可能な金属材料としては、例えば金またはアルミニウムがある。また、正負両極で異なる材料により第1集電体層を形成する場合には、それぞれの材料ごとに蒸着処理を行えばよい。また、蒸着による形成に限らず、例えばエッチング法やスクリーン印刷法によって第1集電体を形成するようにしてもよい。
【0043】
次に、正極活物質層112bおよび負極活物質層122bを形成する。これらの形成順序は任意であるが、ここでは正極活物質層112bを先に形成するものとする。すなわち、上記のようにして形成された正極電極11の第1集電体層112aに重ねて、正極活物質材料を含む塗布液を塗布してこれを乾燥固化させることで、正極活物質層112bを形成する(ステップS102)。その塗布方法は任意であるが、例えば以下に説明するノズルスキャン法や、インクジェット法などを用いることができる。
【0044】
図6はノズルスキャン法による材料塗布の様子を模式的に示す図である。ノズルスキャン法では、正極活物質材料を含む塗布液Pを吐出する吐出口Npを1つまたは複数有するノズルNを、基材10表面に沿って所定の走査移動方向Ds(この例では第1集電体層112aの延設方向)に走査移動させる。
【0045】
基材10に対するノズルNの走査移動は、基材10、ノズルNのいずれの移動によって実現されてもよい。また、吐出口Npの開口幅を形成すべき正極活物質層112bの幅と同程度とすることで、一度の走査移動で正極活物質層112bを形成することができるが、より狭い開口幅の吐出口を有するノズルを複数回走査移動させることで所定幅の正極活物質層112bを形成するようにしてもよい。また複数の正極活物質層112bをそれぞれ個別の走査移動で形成するようにしてもよい。
【0046】
これにより、吐出口Npから吐出された塗布液Pが第1集電体層112aの表面に塗り重ねられ、これが乾燥固化することで、図5(b)に示すように、正極活物質層112bが第1集電体層112a上に積層形成される。
【0047】
次いで、負極活物質層122bを負極電極12の第1集電体層122aの表面に積層形成する(ステップS103)。その形成方法は、上記した正極活物質層112bの形成方法と同様にすることができる。
【0048】
こうして正負の活物質層が形成されると、続いて第2集電体層を形成する。すなわち、導電性粒子を含むペースト状の塗布液(導電性ペースト)を正極活物質層112bおよび負極活物質層122bそれぞれの表面に塗布して、正極側の第2集電体層112cおよび負極側の第2集電体層122cをそれぞれ形成する(ステップS104)。塗布方法は任意であるが、例えば上記したノズルスキャン法やインクジェット法、スクリーン印刷法などを用いることができる。
【0049】
導電性ペーストとしては、例えば、導電性粒子と有機ビヒクル(溶剤、樹脂、増粘剤等の混合物)とを含むペースト状の混合液を用いることができる。導電性粒子は集電体の材料たる例えば金、アルミニウム等の微粉末であり、有機ビヒクルは樹脂材料としてのエチルセルロースと有機溶剤を含む。
【0050】
なお、正極および負極において第2集電体を同一材料で構成する場合には、正極側の第2集電体層112cおよび負極側の第2集電体層122cを同時に形成することが可能である。一方、異なる材料を用いる場合には、それぞれを異なるペーストを用いて個別に形成すればよい。
【0051】
また、このとき、図5(c)に示すように、活物質層が形成されていないベース部111,112の露出部分(露出領域)まで導電性ペーストを連続的に塗布する。こうすることにより、正極側の第2集電体層112cおよび負極側の第2集電体層122cを、それぞれベース部111,112を介して第1集電体層112a,122aと電気的に接続することができる。
【0052】
図4において破線矢印で示すように、ステップS102ないしS104を必要に応じて複数回繰り返して実行するようにしてもよい。この点については後述する。
【0053】
上記のようにして、基材10の表面に、それぞれ各機能層が積層されてなる正極電極11および負極電極12がそれぞれ形成される。こうして形成された電極11,12をその一部111a,121aを除いて覆う固体電解質層13を形成することで(ステップS105)、図1に示す電池モジュール1が製造される。固体電解質層13の形成方法は任意であるが、電池としての機能を付与するためには正極電極11と負極電極12との空隙部分に電解質が充填される必要があり、また固体電解質層13が電極の他の露出表面を覆うことで保護膜としての機能も果たすことから、電極11,12および基材10の露出表面を薄く均一に覆うことのできる方法が望ましい。この目的のためには、例えばノズルスキャン法、インクジェット法、スピンコート法、スプレーコート法などを用いることができる。
【0054】
以上のように、この実施形態では、正極電極11と負極電極12とが基材10の表面に沿った方向に対向してなる電池モジュール1において、基材10表面側から順に第1集電体層112a,122a、活物質層112b,122b、および第2集電体層112c,122cを積層した構造の電極11,12を採用している。そして、正極の第1集電体層112aと第2集電体層112cとが、また、負極の第1集電体層122aと第2集電体層122cとが活物質層112b,122bの端面より外側でそれぞれ電気的に接続されている。
【0055】
このような構成では、活物質層112b,122bを挟むように第1集電体層112a,122aおよび第2集電体層112c,122cが配置されて、しかも各極において第1集電体層と第2集電体層とは並列に接続されているため、これらが一体的に活物質層に対する集電体として機能する。これにより、この実施形態では、集電体の電気抵抗を小さくして、外部への電流の取り出しを低損失で効率よく行うことが可能となっている。
【0056】
この場合において、活物質層を活物質材料を含む塗布液の塗布により、また第2集電体層は導電性ペーストの塗布により形成している。このため、例えば真空蒸着により形成する場合に比べてその膜厚を大きくすることができ、正負活物質層間の対向面積の増大および集電体の低抵抗化という点においてより効果的である。また、活物質層以後の各機能層の形成を塗布により行うことで、蒸着法において必要な真空引きのプロセスを省くことができるので、より短時間での製造が可能となっている。
【0057】
以上説明したように、この実施形態の電池モジュール1では、正極電極11を構成する第1集電体層112a、正極活物質層112bおよび第2集電体層112cが、それぞれ本発明の「第1正極集電体層」、「正極活物質層」および「第2正極集電体層」として機能している。またこれらはそれぞれ、本発明の「一方極側第1集電体層」、「一方極側活物質層」および「一方極側第2集電体層」に相当している。
【0058】
同様に、負極電極12を構成する第1集電体層122a、負極活物質層122bおよび第2集電体層122cが、それぞれ本発明の「第1負極集電体層」、「負極活物質層」および「第2負極集電体層」として機能している。また固体電解質層13が本発明の「電解質層」として機能している。またこれらはそれぞれ、本発明の「他方極側第1集電体層」、「他方極側活物質層」および「他方極側第2集電体層」に相当している。
【0059】
また、この実施形態における電池の製造方法(図4)においては、ステップS101が本発明の「第1工程」および「第2工程」に相当している。すなわち、この実施形態では、正負の集電体材料を同一とすることで、本発明の第1工程と第2工程とを同時に実行している。また、ステップS102およびステップS103がそれぞれ本発明の「第3工程」および「第4工程」に相当している。
【0060】
また、図4のステップS104が本発明の「第5工程」および「第6工程」に相当している。すなわち、この実施形態では、正負の第2集電体層を同一材料で形成することで、本発明の第5工程と第6工程とを同時に実行している。また、図4のステップS105が、本発明の「第9工程」に相当している。
【0061】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態の電池の製造方法では、正極活物質材料を塗布してから負極活物質材料を塗布しているが、これらの順序は逆であってもよい。また、上記実施形態では第1集電体層および第2集電体層をそれぞれ正負極間で同一材料としているが、これに限定されない。正負極間で異なる材料を用いる場合には、上記手順に代えて、例えば正極、負極電極の一方のみを先に形成してからもう一方の電極を形成するようにしてもよい。また各機能層の形成方法についても、上記した蒸着や塗布によるものに限定されない。
【0062】
また、基材上における正負の電極パターンの平面形状および断面形状についても、上記に限定されず任意のものを用いてよい。例えば次のような断面構造を有する正負電極を形成してもよい。
【0063】
図7は電極構造の他のいくつかの例を示す図である。ここでは正極電極のみを図示しているが、負極電極についても同様である。なお、電池としての性能の観点からは、正負の電極の構造は同じであることが望ましい。
【0064】
上記実施形態では、第1集電体層上に形成した活物質層を覆うように第2集電体層を形成し、第1集電体層と第2集電体層とを並列接続することで、集電体全体としての電気抵抗を低減し、電気化学反応により生成される電荷を低損失で効率よく外部へ取り出せるようにしている。ここで、活物質層の表面積(特に対極の活物質層との対向面積)をさらに増大させればより高出力が得られ、特に高速充放電特性が向上する。
【0065】
そこで、図7(a)に示す電極21では、第1集電体層212a、活物質層212b、第2集電体層212cに加えてさらに第2活物質層212dを積層している。これにより、同じ電池面積における活物質の使用量が増大することで電池容量が増加し、また対極の活物質層との対向面積が増大することで、充放電特性の向上を図ることができる。
【0066】
また、図7(b)に示す電極31では、断面方向における第2集電体層312cの幅を第1集電体層312a、上下の活物質層312b、312dの幅よりも小さくすることで、一体の活物質層として機能する上下の活物質層312b、312dにより第2集電体層312cが包み込まれた構造となっている。これにより、両極の活物質層間の対向面積がさらに大きくなり、充放電特性をより向上させることができる。
【0067】
これらの変形態様においては、第2集電体層212d,312dが本発明の「第2正極集電体層」および「一方極側第2活物質層」に相当することとなる。また図示を省略しているが、負極電極を同様の構造としたときにこれに対応して負極活物質材料により形成される層が、本発明の「第2負極集電体層」および「他方極側第2活物質層」に相当することとなる。
【0068】
また、図7(c)に示す電極41のように、第1集電体層412a、活物質層412b、第2集電体層412c、第2活物質層412dを積層した上にさらに集電体層412eを積層し、これを第1および第2集電体層と並列接続するようにしてもよい。こうすることで集電体のさらなる低抵抗化を図ることが可能となる。
【0069】
これらの構造は、図4のフローチャートにおいて破線矢印で示した、ステップS102ないしS104の繰り返し実行によって形成することができる。この意味において、繰り返し時に実行されるステップS102およびS103が、それぞれ本発明の「第7工程」および「第8工程」に相当することとなる。なお、図7(a)および図7(b)の構造を形成するに際しては、繰り返し時のステップS104を省略すればよい。また、これらの処理を3回以上繰り返して、活物質層と集電体層とをより多層に積層するようにしてもよい。こうすることで、正負活物質層間の対向面積を大きくし、しかも集電体の低抵抗化を図ることができるので、電池としての性能をさらに向上させることが可能である。
【0070】
また、図7(d)に示す電極51のように、第1集電体層512aの側面を含む表面全体を覆うように活物質層512bを形成しても、電池としての機能には問題がない。ただし、活物質層512bの側面を第2集電体層512cによって覆ってしまうことは、対極との電荷のやり取りが阻害されるので避けるべきである。
【0071】
また、上記実施形態の電池およびその製造方法では、正負の電極間に固体電解質層を形成しており、この電池は全固体電池となっている。しかしながら、上記の電極構造およびその製造方法は、このような固体電解質を用いる電池のみでなく、液体電解質を用いる電池においても有効である。
【0072】
また、上記実施形態で例示した集電体、活物質、電解質等の材料はその一例を示したものであってこれに限定されず、リチウムイオン電池の構成材料として用いられる他の材料を使用してリチウムイオン電池を製造する場合においても、本発明の製造方法を好適に適用することが可能である。また、リチウムイオン電池に限らず、他の材料を用いた化学電池全般に本発明を適用することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0073】
この発明は、例えばリチウムイオン二次電池のように正負極の活物質層が電解質層を介して対向する構造を有する電池に適用可能であり、特に電気化学反応で発生した電荷を低損失で効率よく取り出すことのできる電池を提供することができる。
【符号の説明】
【0074】
1 電池モジュール(電池)
11 正極電極
12 負極電極
13 固体電解質層(電解質層)
112a 第1集電体層(第1正極集電体層、一方極側第1集電体層)
112b 正極活物質層(正極活物質層、一方極側活物質層)
112c 第2集電体層(第2正極集電体層、一方極側第2集電体層)
122a 第1集電体層(第1負極集電体層、他方極側第1集電体層)
122b 負極活物質層(負極活物質層、他方極側活物質層)
122c 第2集電体層(第2負極集電体層、他方極側第2集電体層)
212d,312d 第2集電体層(第2正極集電体層、一方極側第2活物質層)
S101 第1工程、第2工程
S102 第3工程、第7工程
S103 第4工程、第8工程
S104 第5工程、第6工程
S105 第9工程

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、
前記基材表面に形成された第1正極集電体層、前記第1正極集電体層の前記基材と反対側の表面に積層された正極活物質層、および、前記正極活物質層の前記第1正極集電体層と反対側の表面に積層されるとともに前記第1正極集電体層と電気的に接続された第2正極集電体層、を有する正極電極と、
前記基材表面に前記正極電極と近接して配置されて、前記基材表面に形成された第1負極集電体層、前記第1負極集電体層の前記基材と反対側の表面に積層された負極活物質層、および、前記負極活物質層の前記第1負極集電体層と反対側の表面に積層されるとともに前記第1負極集電体層と電気的に接続された第2負極集電体層、を有する負極電極と、
前記正極電極と前記負極電極との間の空隙を埋めるように形成された電解質層と
を備えることを特徴とする電池。
【請求項2】
前記正極電極は、前記第2正極集電体層の前記正極活物質層と反対側の表面に積層された第2正極活物質層を備える一方、前記負極電極は、前記第2負極集電体層の前記負極活物質層と反対側の表面に積層された第2負極活物質層を備える請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記正極活物質層と前記第2正極活物質層とが前記第2正極集電体層の端面の外側で直接接触し、前記負極活物質層と前記第2負極活物質層とが前記第2負極集電体層の端面の外側で直接接触する請求項2に記載の電池。
【請求項4】
前記正極電極と前記負極電極とが、それぞれ前記基材表面に沿って延設されたストライプ状パターンを含み、前記正極電極のストライプ状パターンと前記負極電極のストライプ状パターンとが前記基材表面で互いに平行に近接配置された請求項1ないし3のいずれかに記載の電池。
【請求項5】
前記電解質層が固体電解質により形成された請求項1ないし4のいずれかに記載の電池。
【請求項6】
基材表面に、正極または負極のうち一方極の一方極側第1集電体層を形成する第1工程と、
前記第1工程の後に、または前記第1工程と同時に、前記一方極と反対の他方極の他方極側第1集電体層を、前記基材表面に前記一方極側第1集電体層と近接させて形成する第2工程と、
前記一方極側第1集電体層の前記基材と反対側の表面に一方極側活物質層を積層する第3工程と、
前記他方極側第1集電体層の前記基材と反対側の表面に他方極側活物質層を積層する第4工程と、
前記一方極側活物質層の前記一方極側第1集電体層と反対側の表面に、一方極側第2集電体層を積層する第5工程と、
前記他方極側活物質層の前記他方極側第1集電体層と反対側の表面に、他方極側第2集電体層を積層する第6工程と
を備えることを特徴とする電池の製造方法。
【請求項7】
前記一方極側第2集電体層と前記他方極側第2集電体層とを同一材料で形成し、しかも前記第5工程と前記第6工程とを同時に実行する請求項6に記載の電池の製造方法。
【請求項8】
前記一方極側第2集電体層の前記一方極側活物質層と反対側の表面に一方極側第2活物質層を積層する第7工程と、
前記他方極側第2集電体層の前記他方極側活物質層と反対側の表面に他方極側第2活物質層を積層する第8工程と
を備える請求項6または7に記載の電池の製造方法。
【請求項9】
前記第3工程では、一方極側活物質材料を含む塗布液を前記一方極側集電体層の表面に塗布して前記一方極側活物質層を形成する一方、前記第4工程では、他方極側活物質材料を含む塗布液を前記他方極側集電体層の表面に塗布して前記他方極側活物質層を形成する請求項6ないし8のいずれかに記載の電池の製造方法。
【請求項10】
前記第5工程、前記第6工程のそれぞれでは、導電性材料を含む塗布液を塗布して、それぞれ前記一方極側第2集電体層、前記他方極側第2集電体層を形成する請求項6ないし9のいずれかに記載の電池の製造方法。
【請求項11】
前記第3工程では前記一方極側第1集電体層の一部を前記一方極側活物質層で覆われない露出領域として、前記第5工程では前記一方極側活物質層と前記一方極側第1集電体層の前記露出領域とに連続的に前記塗布液を塗布する一方、
前記第4工程では前記他方極側第1集電体層の一部を前記他方極側活物質層で覆われない露出領域として、前記第6工程では前記他方極側活物質層と前記他方極側第1集電体層の前記露出領域とに連続的に前記塗布液を塗布する請求項10に記載の電池の製造方法。
【請求項12】
前記塗布液を吐出するノズルを前記基材表面に沿って相対的に走査移動させて、前記塗布液をストライプ状に塗布する請求項9ないし11のいずれかに記載の電池の製造方法。
【請求項13】
前記一方極側活物質層と前記他方極側活物質層との間の空隙に電解質層を形成する第9工程を備える請求項6ないし12のいずれかに記載の電池の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−73720(P2013−73720A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−210556(P2011−210556)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】