説明

電池ケース用アルミニウム合金板およびその製造方法

【課題】耐圧性およびレーザ溶接性に優れる電池ケース用アルミニウム合金板およびその好適な製造方法を提供する。
【解決手段】Si:0.10〜0.60質量%,Fe:0.05〜0.60質量%,Cu:0.70超〜1.0質量%未満,Mn:0.10〜1.80質量%,Mg:0.70超〜1.50質量%,Zr:0.10超0.20質量%未満,Ti:0.03〜0.25質量%であって、残部Alおよび不可避的不純物からなり、ケース成形前に人工時効処理されていないことを特徴とする電池ケース用アルミニウム合金板。B:0.02質量%以下、Cr:0.35質量%以下をさらに含有することができる。このアルミニウム合金板からケースに成形後時効処理して電池ケースとする。この電池ケースは、時効処理で十分なAlCuMgの中間相が発現されているので耐圧性に優れ、また、Cu含有量を上記特定量としているので高速でのレーザ溶接が可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウムイオン二次電池ケース等の製造に使用される耐圧性の良好な電池ケース用アルミニウム合金板およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話やパソコン等に搭載されているリチウムイオン二次電池のケースには、軽量化のために、成形性に優れ強度の高いA3003合金が広く使用されている。厚さ0.6mm程度のアルミニウム合金板をプレス成形して電池ケースを製造する。具体的な上梓されているケースの代表的な寸法を示せば、内法で厚さ4〜7mm×幅20〜30mm×高さ40mm〜60mmのDI(深絞りとしごき)成形容器であって、ケース中に電池部品を収納後、電解液注ぎ口を設けたアルミニウム製の蓋で該ケースの開口部を覆い周囲をレーザ溶接で溶接して密閉している。アルミニウム製の蓋はケースと共材であっても、組成の異なるアルミニウム合金材であっても良く、あるいはJISA1000系の材料であっても良い。蓋に防爆部を設けることもある。
【0003】
ところで、この電池の充電は短時間で行われ、しかも電池の大きさの割には大電流を印可するために、充電環境によっては電池ケース自体の温度も60〜90℃に昇温することがある。また、携帯電話の取扱いによっては、たとえば日中の自動車内に放置したような場合には、前記温度を超えるようなこともあり得る。
【0004】
電池ケースが前記のような高温度に達するとケースの内圧が上昇し、電池ケースの胴部が膨らむ事態が想定される。こういう事態を防ぐにはケース側壁の板厚さを厚くすればよいが、これではアルミニウム合金を使用する主旨から外れる。
【0005】
下記特許文献1には、Si,Fe,Cu,Mn,Mg,Zr,Ti,Bの各元素の特定量を含有する耐圧性(耐膨れ性)に優れたアルミニウム合金板が提案されている。
【特許文献1】特開2006−169574号公報
【0006】
下記特許文献2には、Mn,Cu,Mg,Zr,Crの各元素の特定量を含有するレーザ溶接性および耐圧性(耐膨れ性)に優れたアルミニウム合金板が提案されている。
【特許文献2】特開2005−336540号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年のパソコン、携帯電話等の電子機器は高容量化し、装備されるリチウムイオン二次電池も高性能化し、しかも使用環境も過酷になってきているので、電池に使用されるケースにも益々高耐圧性が求められていると共に、製造に当たっては生産性が求められ、溶接性すなわちレーザ溶接速度が速くなっている。
【0008】
しかしながら、上記特許文献1,2が提案する技術では耐圧性およびレーザ溶接性の両者を満足させることができない。
【0009】
すなわち、特許文献1に開示されている技術は、Cu:1.0超〜2.0%、Mn:0.2〜1.0%、Mg:0.1〜0.9%、必要に応じて、Zr:0.05〜0.2%、Cr:0.05〜0.2%を含有し、残部Alおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金板を冷間圧延した後、480〜560℃で20〜180秒保持し、冷却速度20〜200℃/秒の焼鈍を行った後に1〜7日間保持する自然時効を行うか、あるいは前記焼鈍後に最終冷延率10〜60%で冷延を行う最終冷間圧延と100〜220℃で2〜24時間保持する時効処理のいずれか一方または両方を行う二次電池ケース用高強度アルミニウム合金板の製造方法である。この特許文献1で提案されている技術は、Cu含有量が高く高速のレーザ溶接性に劣る。
【0010】
特許文献2に開示されている技術は、Mn:0.6〜1.5%、Cu:0.51〜1.0%、Mg:0.21〜0.7%、Si:0.2%未満、Zr:0.05〜0.2%およびCr:0.05〜0.2%を含有し、残部Alおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金板を冷間圧延する途中で昇温速度10〜250℃/秒、420〜550℃で5〜60秒保持し、冷却速度20〜200℃/秒の中間焼鈍を少なくとも1回行い、最終圧延率10〜60%で冷間圧延を行う二次電池ケース用高強度アルミニウム板の製造方法である。この特許文献2で提案されている技術は、Mg含有量が低く耐圧性に劣る。
【0011】
本発明はSi,Fe,Mn,Zr,Tiを特定量含有し、且つ、Mg含有量が多い状態でCuを特定量含有させたアルミニウム合金板は耐圧性、レーザ溶接性ともに優れることの知見に基づいて完成したものである。
【0012】
すなわち、本発明が解決しようとする課題は、耐圧性、レーザ溶接性ともに優れる電池ケース用アルミニウム合金板およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この課題を解決するため、本発明は、
Si:0.10〜0.60質量%,
Fe:0.05〜0.60質量%,
Cu:0.70超〜1.0質量%未満,
Mn:0.10〜1.80質量%,
Mg:0.70超〜1.50質量%,
Zr:0.10超え0.20質量%未満,
Ti:0.03〜0.25質量%であって、
残部Alおよび不可避的不純物からなり、ケース成形前に人工時効処理されていないことを特徴とする電池ケース用アルミニウム合金板である。
【0014】
本発明の電池ケース用アルミニウム合金板はさらにB:0.02質量%以下含有することが好ましい。
【0015】
また、本発明の電池ケース用アルミニウム合金板はさらにCr:0.35質量%以下含有させることも好ましい。
【0016】
また、本発明は、前記記載の組成を有するアルミニウム合金溶湯を半連続鋳造法で鋳造して鋳塊を製造し、該鋳塊に500〜600℃で1時間以上保持する均質化処理を施した後、430〜560℃の温度で熱間圧延を開始して熱延板とし、圧延率50%以上で冷間圧延を施した後、中間焼鈍を施し、さらに圧延率10〜60%の最終冷間圧延を施す、ことを特徴とする電池ケース用アルミニウム合金板の製造方法である。
【発明の効果】
【0017】
本発明のアルミニウム合金板は、上記組成を有することから、時効処理で十分なAl−Cu−Mg系のAlCuMgの中間相を発現できるので耐圧性に優れ、また、Cu含有量を上記特定量としているので高速でのレーザ溶接が可能であるという特性を備えており、このアルミニウム合金板から電池ケースを生産性良く製造することができる。
【0018】
また、上記の特性を有するアルミニウム合金板から生産性良く製造された電池ケースを基に組み立てられた電池は、充電環境の厳しさにも耐えることができ、これを組み入れることによって信頼性の高い電子機器を提供できる効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
まず、本発明のアルミニウム合金板の組成について説明する。
【0020】
(1)Cu:0.70超〜1.0質量%未満
Cuは、固溶強化によりアルミニウム合金板の強度を高め、特に本発明のMgの存在のもとでアルミニウム合金板の製造過程でAlCuMgの中間相を発現させてさらに強度を高め、耐圧強度を向上させるために添加する。Cuの含有量が0.70質量%以下であると本発明のMgの存在のもとでもAlCuMgの中間相を発現し難く強度向上の効果が低い。また、Cuの含有量が1.0質量%以上では高速のレーザ溶接で溶接部に割れが生じやすくなる。好ましいCuの下限値は0.72質量%であり、好ましいCuの上限値は0.98質量%である。
【0021】
(2)Mg:0.70超〜1.50質量%
Mgは、固溶強化によりアルミニウム合金板の強度を高め、特に本発明のCuの存在のもとでアルミニウム合金板の製造過程AlCuMgの中間相を発現させてさらに強度を高め、耐圧強度向上させるために添加する。Mgの含有量が0.70質量%以下であると本発明のCuの存在のもとでもAlCuMgの中間相を発現し難く強度向上の効果が低い。また、Mgの含有量が1.5質量%を超えると高速のレーザ溶接で溶接部に割れが生じやすくなる。好ましいMgの下限値は0.75質量%であり、好ましいMgの上限値は1.25質量%である。
【0022】
(3)Si:0.10〜0.60質量%
(4)Fe:0.05〜0.60質量%
(5)Mn:0.0〜1.80質量%
これらの元素は、アルミニウム合金板に強度を付与すると共に、Al−Fe系、Al−Mn系、Al−(Fe,Mn)−Si系等の金属間化合物を微細に分散形成して再結晶粒組織の微細化並びに、DI(絞りおよびしごき)成形性を付与するために添加する。これらの元素の含有量が上記各下限値未満ではその効果が少なく耐膨れ性にも劣り、また、上記各上限値を超えると粗大化合物を形成しDI成形性を低下させ、溶接性も劣ることになる。
【0023】
(6)Zr:0.10超え0.20質量%未満
(7)Ti:0.03〜0.25質量%
(8)必要に応じてB:0.02質量%以下
これらの元素は、共存させることによって多種類の凝固核となる金属間化合物を生成させ、急冷凝固を伴う溶接ビード部の割れ発生を防ぎパルスレーザ溶接の高速度化を可能とするために添加する。これらの元素の含有量が上記各下限値未満ではその効果が少なく割れ発生の虞があり、また、上記各上限値を超えると粗大化合物が生じて成形性が低下する。好ましくはZr:0.13〜0.19質量%である。Zr,Tiの添加は母合金による添加方法でよい。
【0024】
Bは選択元素である。Bを添加含有させるとZrおよびTiの添加効果を向上させる。Bは返材の溶解割合が高いとBの含有量が高くなり、通常の操業では10ppm以下含有している。さらに含有させるには、Al−Ti−B母合金、Al−B母合金等で添加するとよい。Bの0.02質量%以上の添加はTiB等のBを含有する粗大な金属間化合物を形成してケース成形時のコーナー部割れを起こしやすい。好ましくは0.01質量%以下である。
【0025】
(9)Cr:0.35質量%以下
前記組成に加えてさらにCrを0.35質量%以下含有させると、再結晶粒を微細化して容器の肌が美麗に仕上がる。なお、Crは返材等から不可避的に混入し、通常の溶製では0.01質量%以下含有しているので、Crの添加効果を顕在化させるには0.01質量%を超えて含有させる必要がある。好ましくはCr0.1質量%以上、さらに好ましくはCr0.15質量%以上である。上限値である0.35質量%を超えると粗大金属間化合物が生じて成形性が低下する。
【0026】
(10)不可避的不純物
その他の不可避的不純物は原料地金、返材等から不可避的に混入する管理外のもので、それらの含有量は、たとえば、Zn:0.25質量%以下、GaおよびV:0.05質量%以下、その他各0.05質量%以下であって、この範囲で管理外元素を含有しても本発明の効果を妨げるものではない。
【0027】
次に本発明によるアルミニウム合金板の製造方法およびこれにより製造されたアルミニウム合金板を用いて電池ケースを製造するまでの工程を説明するが、本発明は電池ケースの製造方法を対象としないので、これに拘束されるものではない。
【0028】
前記組成からなるアルミニウム合金溶湯を半連続鋳造法(DC鋳造法)で鋳造して鋳塊を製造し、該鋳塊に均質化処理を施す。鋳塊の面削を行うが、これは均質化処理前に行っても良いし、均質化処理後室温で行っても良い。均質化処理は500〜600℃×1時間以上保持して鋳塊の偏析を解消し均質化する。
【0029】
均質化炉から出た鋳塊はそのままの温度または少し下げて430〜560℃の温度で熱間圧延を開始し熱延板とする。次に冷間圧延でさらに薄板に加工するが、この場合の圧延率(%)[{(圧延前厚−圧延後厚)/圧延前厚}×100]は、爾後の中間焼鈍処理で再結晶させるときに再結晶組織を微細なものとしDI加工後のケース肌を美麗なものとするために、高く設定すると良く、たとえば50%とすると良い。
【0030】
圧延率50%以上で冷延された冷延板に中間焼鈍を施す。該中間焼鈍は加工組織の再結晶化と合金元素の再固溶化を目的とする。該中間焼鈍の条件は、バッチ焼鈍では300〜400℃×1時間以上保持し、連続焼鈍では10℃以上/秒の昇温速度で加熱し、450〜550℃×10分間以内保持し、10℃以上/秒の降温速度で冷却する。ここで保持時間は保持温度が低ければ長く、高ければ短く設定する。この中間焼鈍処理後の時間経過で自然時効が進行し、Cu,Mg,Si等の元素によるGPゾーンを形成して強度を向上させ、またこの強度向上によってDI成形性を向上させる効果がある。
【0031】
最後に、中間焼鈍後のアルミニウム合金板に最終冷間圧延を施す。この場合の圧延率は10〜60%とするのが好ましい。これは適度の加工硬化を付与し、DI成形性を向上させるためである。
【0032】
このようにして製板したアルミニウム合金板をDI成形して電池ケースとする。このDI成形は、たとえば複数段で深絞り成形し、最終過程でしごき成形して側壁厚さの薄い、高さの高い電池ケースを製造するものである。このケースの製造に供される本発明のアルミニウム合金板はCu,Mg,Siが十分固溶しているので、該アルミニウム合金板製電池ケースに人工時効処理を施すことにより、GPゾーンおよびGPゾーンがさらに成長したS’−AlCuMg中間相やMgSiの中間相が形成されており、強度が高く且つ耐膨れ性も高い電池ケースとすることができる。
【0033】
次に本発明の具体的な実施例について説明する。
【実施例】
【0034】
アルミニウム合金溶湯を溶製し、半連続鋳造法で厚さ530mm、幅1100mm、金型からの冷却水2.5〜3.0リットル/cm分、鋳塊の引出し速度40〜60mm/分の条件にて鋳造した。Zrの添加はAl−Zr母合金、TiはAl−Ti母合金、BはAl−Ti−B母合金を使用した。その組成を表1に示す。
【0035】
【表1】

【0036】
次に、得られた鋳塊を面削後、均質化処理として590℃×3時間保持し、保持後500℃から熱延を開始し、終了温度400℃で厚さ6mmの熱延板とした。次いで冷間圧延4パスで厚さ1.0mmの冷延板とし、中間焼鈍を電磁誘導加熱で50℃/秒の昇温速度で加熱して行い、520℃×数秒間保持後、水焼入れした。水焼入れ後最終冷間圧延して厚さ0.6mmの圧延板とした。最終の冷延率は40%である。
【0037】
得られた圧延板を用いて4段の深絞りを施し、これをしごき加工して内法6mm×幅25mmのDI成形容器とし、耳部を切除して高さ50mmに揃えて電池ケースとした。ケース胴部の板厚さは0.25mmであった。この電池ケースを160℃×1時間の時効処理した。
【0038】
また、ケースと同組成の蓋を作製し、時効させた電池ケースの開口部に突合せ、突合部をレーザ溶接し、接合部を40倍の拡大鏡で割れの有無を目視観察した。割れの確認されない健全なケースを下記条件で膨れ試験をした。結果を表2に示す。
【0039】
<膨れ量>
ケースと蓋を下記条件でレーザ溶接して密閉し、供試材とした。この供試材を内圧2kgf/cmの下、100℃×1時間保持し、室温まで冷却した後に胴部の膨れ量をノギスで測定した。膨れ量の大きいほど膨れやすいことを示す。
【0040】
膨れ量=(試験後のケース胴部中央の厚さ−元のケース胴部中央の厚さ)×1/2
なお、胴部中央とは長側面における対角線の交点を指す。
<レーザ溶接>
溶接速度:30mm/sec
1パルス時間:0.3ms.
出力:2.5ジュール/スポット
焦点はずし距離:溶接幅が1mmになるように調節
周波数:100Hz
【0041】
【表2】

【0042】
表2の結果から、本発明に係る試料番号1〜6は割れの発生が無く、また膨れ量も少ないことが判る。一方、Cu含有量の多い比核例(試料番号7)は溶接割れが発生し、Mg含有量の少ない比核例(試料番号8,10)は膨れ量が大きいことが判る。また、Cu含有量の少ない比核例(試料番号9)は膨れ量の大きいことが判る。なお、試料番号7の比較例については溶接割れが発生したので、溶接割れが発生しないようにケースを加熱し且つ溶接速度を遅くして溶接を行い、割れの無いことを確認して膨れ試験の試料とした。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Si:0.10〜0.60質量%,
Fe:0.05〜0.60質量%,
Cu:0.70超〜1.0質量%未満,
Mn:0.10〜1.80質量%,
Mg:0.70超〜1.50質量%,
Zr:0.10超〜0.20質量%未満,
Ti:0.03〜0.25質量%であって、
残部Alおよび不可避的不純物からなり、ケース成形前に人工時効処理されていないことを特徴とする電池ケース用アルミニウム合金板
【請求項2】
さらにB:0.02質量%以下含有することを特徴とする請求項1記載の電池ケース用アルミニウム合金板
【請求項3】
さらにCr:0.35質量%以下含有することを特徴とする請求項1または請求項記載の電池ケース用アルミニウム合金板
【請求項4】
請求項1に記載の組成を有するアルミニウム合金溶湯を半連続鋳造法で鋳造して鋳塊を製造し、
該鋳塊に500〜600℃で1時間以上保持する均質化処理を施した後、
430〜560℃の温度で熱間圧延を開始して熱延板とし、
圧延率50%以上で冷間圧延を施した後、
中間焼鈍を施し、
さらに圧延率10〜60%の最終冷間圧延を施す、
ことを特徴とする電池ケース用アルミニウム合金板の製造方法。
【請求項5】
請求項2に記載の組成を有するアルミニウム合金溶湯を半連続鋳造法で鋳造して鋳塊を製造し、
該鋳塊に500〜600℃で1時間以上保持する均質化処理を施した後、
430〜560℃の温度で熱間圧延を開始して熱延板とし、
圧延率50%以上で冷間圧延を施した後、
中間焼鈍を施し、
さらに圧延率10〜60%の最終冷間圧延を施す、
ことを特徴とする電池ケース用アルミニウム合金板の製造方法。
【請求項6】
請求項3に記載の組成を有するアルミニウム合金溶湯を半連続鋳造法で鋳造して鋳塊を製造し、
該鋳塊に500〜600℃で1時間以上保持する均質化処理を施した後、
430〜560℃の温度で熱間圧延を開始して熱延板とし、
圧延率50%以上で冷間圧延を施した後、
中間焼鈍を施し、
さらに圧延率10〜60%の最終冷間圧延を施す、
ことを特徴とする電池ケース用アルミニウム合金板の製造方法。
【請求項7】
前記中間焼鈍は、300〜400℃で1時間以上保持するバッチ焼鈍であることを特徴とする請求項4ないし6のいずれか1項に記載の電池ケース用アルミニウム合金の製造方法。
【請求項8】
前記中間焼鈍は、10℃/秒以上の昇温速度で加熱し、450〜550℃で10分以上保持し、10℃/秒以上の降温速度で冷却する連続焼鈍であることを特徴とする請求項4ないし6のいずれか1項に記載の電池ケース用アルミニウム合金の製造方法。

【公開番号】特開2012−255214(P2012−255214A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−167264(P2012−167264)
【出願日】平成24年7月27日(2012.7.27)
【分割の表示】特願2007−215908(P2007−215908)の分割
【原出願日】平成19年8月22日(2007.8.22)
【出願人】(000004743)日本軽金属株式会社 (627)
【Fターム(参考)】