説明

電池パックおよびヘッドギア

【課題】1つ以上の電池を支持するための電池パックを提供する。
【解決手段】少なくとも1つの電池を受けかつ支持するための少なくとも1つの電池ケースと、この電池ケースに取り付けられた支持棒と、電池ケース内の電池からの出力を選択的に与えるために電池ケースに取り付けられた出力手段と、電池ケース内の電池を出力手段に選択的に接続するために、電池ケースと出力手段との中間に接続された切り替え手段とを含む電池パック。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
発明の分野
本発明は電池パックに向けられ、一般的に1つ以上の電池を支持するための電池パックに向けられ、この電池パックは特にヘルメットに取外し可能に装着することができる。
【背景技術】
【0002】
先行技術
先行技術で周知の多くの電池パックがある。たとえば米国特許第5,054,480号、第5,711,033号および同時継続出願連続番号第10/6577,417号に記載されたような先行技術で周知の多くのヘルメットがある。これらの構成要素が環境の呼吸器系、医療保護システム等とともに用いられる例がある。しかしながら、これらの構成要素の以前の利用においては、パックにおける単数の電池(または複数の電池)は、ケーブルまたは他の細長いコネクタ線によってヘルメットに接続された。典型的に、電源を入れられるヘルメットは、ケーブルに接続され、たとえばベルトまたは衣類のその他の要素に取付けられる電池パックがユーザによって着用される。電池パックはユーザの場所から遠く離れたところに位置することもある。
【0003】
これらの周知の技術には、(電池ソースが遠隔にある場合の)ユーザの動きの自由、またはユーザのヘルメットからコネクタケーブルが垂れ下がり、この垂れ下がったコネクタケーブルが他のケーブル等ともつれる恐れがあることからくる不快感という点で限界がある。
【0004】
しかしながら、単に電池(または電池パック)をヘルメット上に配置しようとする試みは、複数の深刻な欠点または問題を有することが明らかである。たとえば、電池パックは、ユーザの負担を減じるために適切に配置されなければならない。それはヘルメットの他の機能および/またはユーザ、ならびに他の考慮すべき事項を妨害してはならない。これらの目的は、現在のヘルメットの設計を完全に廃れさせることなく、新しい種類の電池パックを必要とする。
【特許文献1】米国特許第5,054,480号
【特許文献2】米国特許第5,711,033号
【特許文献3】同時継続出願連続番号第10/6577,417号同時継続出願 同日付にて出願され、かつ連続番号 号を付された、ローレンス・グリーン(Laurence Green)による「ヘルメットのための電池パック」(“BATTERY PACK FOR HELMETS”)と題された同時継続意匠特許出願を参照する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の概要
本発明は、1つ以上の電池を支持するための電池パックに向けられ、この電池パックはヘルメットに取外し可能に装着することができる。電池パックはヘルメットヘッドバンドに取付けられて、電池が人間工学的に装着されるようにする。電池パックは、そこから電力を得るために、およびそれに再充電を与えるために電池へのアクセスを与える。制御スイッチは電池パックの動作を制御する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
好ましい実施例の説明
ここで図1を参照すると、典型的に軽量のプラスチックで製造されたヘルメット100の左後方斜視図が示されている。
【0007】
ヘルメット100は、ヘルメットの各々の側の好適なねじ102によって調整可能なヘッドバンド101に旋回可能に装着される。ヘッドバンド101は、調節用ノブ103を含み、これを用いて着用者の頭に快適に適合するように調整するために、ヘッドバンドを緩めるか、またはきつくする。
【0008】
ヘッドバンドは、典型的に、(図2でよく見られる)頭上ストラップ104を含み、これはヘッドバンド101と一体化して形成されることが多い。ヘッドバンド101の後方部分は、電池パック200の支持として機能する。
【0009】
電池パックは、クロスバー203の対向する端部に装着された電池ケース201および202を含む。クロスバー203は、好ましくは、ピン204および205によってヘッドバンド101に取付けられる(詳細は図4を参照)。
【0010】
充電ジャッキ206は、電池パック200内の電池を再充電するための電池ケース201に隣接した電池パック200に装着される。電池出力ジャッキ208は、典型的に充電ジャッキ206に隣接して電池パック200に装着される。出力ジャッキ208を用いて、ヘルメット100上のまたはヘルメット内の電子ギヤ(図示せず)を電池ケース201および202内の電池に接続する。
【0011】
スイッチ207は、便宜上、およびバランスのために、電池ケース201に隣接して電池パック200に装着される。スイッチ207は、電池パック200内の電池を、出力ジャッキ208を介してヘルメット内にもしくはヘルメット上に装着された電気部品(たとえばファンモータ等)に、または充電ジャッキ206を介して外部の電池充電源に選択的に接続されるように動作可能である。
【0012】
キャップ211および212は、(図4に示された)孔453および452と連絡する(図4に示された)ケースライナ420および450上の(図4に示された)ラッチ222および221を介して電池ケース202および201の端部に取付けられる。キャップおよびケースライナのアセンブリの取外しを容易にするために、(図4に示された)指把持225および224が設けられる。
【0013】
ここで図2を参照すると、便宜上、ヘルメット100が取外された状態の電池パック200の別の図が示されている。
【0014】
電池パック200は、上述のヘッドバンド101に装着される。たとえば、取付ピン204および205はクロスバー203を通過してヘッドバンド101と係合する。
【0015】
図2では、ヘッドバンド101に接続された(またはそれと一体化して形成された)頭上ストラップ104が示されている。望まれれば、いかなる好適な材料の前額部クッション110もヘッドバンドの前方部分に装着することができる。
【0016】
ヘルメット100をヘッドバンドに旋回可能に取付けるための適切な取付用ねじ102(図1を参照)を受けるために、支持アーム120および121がヘッドバンド101の対向する側に形成される。
【0017】
さらに、それぞれのキャップ212および211を有する電池ケース201および20
2はクロスバー203に装着される。スイッチ207は、この実施例における電池ケース202に隣接した電池パック200に装着される。
【0018】
ここで図3を参照すると、本発明の別の図が示されている。ストラップ104ならびに取付具120および121を有するヘッドバンド101が示されている。調節用ノブ103の対向する側のヘッドバンド101を通って延在する装着ピン204および205が示されている。
【0019】
ヘッドバンド101の上に載ったクロスバー203が示されている。クロスバー203は、望まれればその下側にヘッドバンドの上縁を受けるための溝を含んでもよい。
【0020】
上述のようなクロスバー203の対向する端部に接合された電池ケース201および202が示されている。
【0021】
ここで図4を参照すると、上述のようなヘルメットのヘッドバンドに取付けられるように適合された電池パック200の分解図が示されている。
【0022】
クロスバー203は、典型的にポリカーボネート等の好適な軽量のプラスチック材料から製造される。好適な強化棒401は、さらなる力を電池パックに与えるための、アルミニウム等の、しかしながらそれに限定されない適切な力の軽量材料から製造される。強化棒401は、クロスバー203における溝402内部に配置される。強化棒は、ねじを切られた孔404および405を含み、これらの孔はクロスバー203における関連する孔と位置合せされ、上述の取付ピン204および205を受けるようにされる。ピン204および205のねじを切られた部分430および431は、それぞれねじを切られた孔404および405と係合し、強化棒はクロスバー203内で固定して保持される。
【0023】
クロスバー203の対向する端部では電池ケース支持支柱406および407がそれぞれ見られる。
【0024】
支持支柱407は、スイッチ207を受けるための開口409を含み、このスイッチはスイッチと一体化されたばねを装着した歯によって開口409において固定される。
【0025】
支持支柱406は、従来のロックナット等によって固定されるジャッキ206および208を受けるための開口408および410を含む。
【0026】
電池ケース202は、ポリカーボネート等の好適なプラスチックから形成される。ケース202は、ねじ411によって強化棒401に取付けられ、このねじは、上述のように、ケース202の上端における開口413を通って、クロスバー203に取付けられた強化棒401の端部におけるねじを切った開口415へ入る。さらに、ねじ231は、支柱407を通ってケース202の正面と係合する(図1を参照)。この構成は、強くて固定されたアセンブリを提供する。ケース201は、ケース202を反映し、同様の態様でクロスバー203に取付けられる。
【0027】
(ヘルメット100における電気部品にエネルギを与えるのに適切なサイズの)電池418および419が電池ケースライナ420に挿入される。電池の導電性の端部は、好ましくは充電可能な電池であり、ケースライナ420の内側端部でコネクタ422および423と相互接続するコネクタ421および421Aとインターフェイスする。コネクタ422および423は、回路基板426上のピンコネクタ424および425それぞれと係合し、この回路基板は、電池ケース202内の導体と相互接続するケース202の連結端部に装着される。
【0028】
回路コネクタ428および428Aは、ケースライナ420の開いた端部と係合するキャップ211の内部における回路基板427に装着された1対のコネクタに接続される。回路基板427は、ライナ420の内部にワイヤを有する接点422および423に接続される。
【0029】
電池ケース201のアセンブリは、本質的に電池ケース202の複製である。したがって、ラッチ221(図1を参照)は、(部分的に挿入した状態で示されている)ケースライナ450の表面からわずかに外部に突出する。ライナケース450が電池ケース201へとさらに押されるときに、ラッチ221は、ラッチが解放されかつ電池ケース201の内面における孔であるラッチホルダ452と係合するまで押される。
【0030】
ライナケース450を取外すために、ラッチ221は内部に押され、ライナケースは指把持225(図1を参照)で握られ、外部に引っ張られる。ライナケース420は、そのラッチ222(図1を参照)を押し、かつ指把持224(図2を参照)を掴んで外部に引っ張ることによって同様に取外される。
【0031】
ここで図5を参照すると、電池パック200に含まれる回路の概略図が示されている。回路は、取外し可能で再充電可能な電池500を含み、これは、図4に示されたおよび図4に関して示されたライナケース420および450における個々の電池418および419の組合せを示している。
【0032】
個々の電池418および419は、図4に示されかつ図4に関して記載されるように電気的に接続されている。電池500は、制御装置424および425と関連した接点422および423を介して電池ケース回路に接続され、これらの制御装置は図5において示された接点501および502によって示されている。接点501は電池500をスイッチ207のトグルアームに接続する一方で、接点502は電池500を共通線503に接続する。
【0033】
共通線503は、充電ジャッキ206の1つの端子と電力出力ジャッキ208の1つの端子とに接続される。ジャッキの各々の他の端子は、スイッチ207の出力端子に接続される。したがって、スイッチ207を動作させることによって、電池500は、ヘルメット内の電力装置に電力を供給するための電力ジャッキ208に、または代わりに電池500を再充電するための充電ジャッキ206に選択的に接続される。
【0034】
図5に示された導体は、電池パック200の構成要素に装着された、個々のワイヤまたはメッキ導体を含むことができる。
【0035】
このように、電池パックの独特の設計および概念が示され、記載されている。この説明は特定の実施例に向けられているが、当業者は本明細書に示されかつ記載された特定の実施例への修正および/または変更を考え得ることが理解される。この説明の範囲内の、いかなるこのような修正または変更もここに含まれることが意図される。この説明は、例示的であるにすぎないことが意図され、限定的であることは意図されないことが理解される。むしろ、ここに記載された本発明の範囲は、別掲の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】ヘルメットに装着された本発明の電池パックの左後方斜視図である。
【図2】明瞭にするために、ヘルメットを取外した状態のヘルメットヘッドバンドに装着された本発明の電池パックの右後方斜視図である。
【図3】図2に示されたアセンブリの下方右後方斜視図である。
【図4】ヘルメットから分離された電池パックの分解図である。
【図5】電池パックの電気回路の概略図である。
【符号の説明】
【0037】
100 ヘルメット、101 ヘッドバンド、104 頭上ストラップ、200 電池パック、201 電池ケース、203 クロスバー、204 取付ピン、206 充電ジャッキ、221 ラッチ、401 強化棒、406 支持支柱、420 ケースライナ、421 コネクタ、 422 接点。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの電池を受けかつ支持するための少なくとも1つの電池ケースと、
前記電池ケースに取付けられた支持棒と、
前記電池ケース内の電池からの出力を選択的に与えるために前記電池ケースに取付けられた出力手段と、
前記電池ケース内の電池を前記出力手段に選択的に接続するために、前記電池ケースと前記出力手段との中間に接続された切換手段とを含む、電池パック。
【請求項2】
少なくとも1つの電池をそれぞれ受けるための第1の電池ケースおよび第2の電池ケースと、
前記第1の電池ケースおよび第2の電池ケースの間に接続された支持棒と、
前記第1の電池ケースおよび第2の電池ケース内の電池への接続を可能にするために前記第1の電池ケースに装着された入力手段と、
前記電池から利用装置への接続を可能にするために前記第1の電池ケースに装着された出力手段と、
前記第2の電池ケースに装着され、かつ前記入力手段および前記出力手段のうちの1つに電池を選択的に接続するために、前記第1の電池ケースと第2の電池ケースとの中間に、および前記入力手段と前記出力手段との中間に接続された切換手段とを含む、電池パック。
【請求項3】
さらなる構造的な力を与えるために前記支持棒に装着された強化手段を含む、請求項2に記載の電池パック。
【請求項4】
前記入力手段および前記出力手段の各々はジャッキを含む、請求項2に記載の電池パック。
【請求項5】
前記切換手段はトグルスイッチを含む、請求項2に記載の電池パック。
【請求項6】
電気部品に電気的に接続された電池を支持するための電池支持を含む少なくとも1つの電気部品を有するヘッドギヤであって、
前記電池支持は、電池がヘルメットよりも下に吊り下げられるように前記ヘッドギヤに装着される、ヘッドギヤ。
【請求項7】
着用者の頭部のヘッドギヤを支持するために前記ヘッドギヤに接続されたヘッドバンドを含む、請求項6に記載のヘッドギヤ。
【請求項8】
前記電池支持は、電池が前記ヘッドバンドよりも下に吊り下げられるように前記ヘッドバンドに装着される、請求項7に記載のヘッドギヤ。
【請求項9】
前記電池と前記電気部品との間の電気的な接続を選択的に制御するために前記電池支持に装着されたスイッチを含む、請求項7に記載のヘッドギヤ。
【請求項10】
前記電池支持を前記ヘッドバンドに固定するための固定ピンを含む、請求項7に記載のヘッドギヤ。
【請求項11】
前記電池支持は、電池を支持するための電池ケースを支持するためのクロスバーを含む、請求項6に記載のヘッドギヤ。
【請求項12】
前記クロスバーは分離した強化棒を含む、請求項11に記載のヘッドギヤ。
【請求項13】
前記電池支持は、電池を装着するための第1の電池ケースと第2の電池ケースとを含む、請求項6に記載のヘッドギヤ。
【請求項14】
支持された電池を相互接続するために前記第1の電池ケースおよび第2の電池ケースの各々に装着された電気導体を含む、請求項13に記載のヘッドギヤ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−123089(P2007−123089A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−314449(P2005−314449)
【出願日】平成17年10月28日(2005.10.28)
【出願人】(504351747)パブバン・ディベロップメント・インコーポレイテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】PABBAN DEVELOPMENT, INC.
【Fターム(参考)】