電池パック構造
【課題】ワイヤハーネスを冷却可能な電池パック構造を提供する。
【解決手段】電池パック構造10は、対向する側面111,112を有する電池モジュール11と、対向する側面111,112に設けられ、冷媒が通過する吸入ダクト8および排出ダクト9と、電池モジュール11に接続され、吸入ダクト8および排出ダクト9のいずれかに設けられたワイヤハーネス100,101,102とを備える。
【解決手段】電池パック構造10は、対向する側面111,112を有する電池モジュール11と、対向する側面111,112に設けられ、冷媒が通過する吸入ダクト8および排出ダクト9と、電池モジュール11に接続され、吸入ダクト8および排出ダクト9のいずれかに設けられたワイヤハーネス100,101,102とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は電池パック構造に関し、より特定的には、電池モジュールを冷却する構造を備えた電池パック構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電池パック構造は、たとえば特開2006−179190号公報(特許文献1)、特開2003−346759号公報(特許文献2)、特開2006−185863号公報(特許文献3)および特開2006−40625号公報(特許文献4)に開示されている。
【特許文献1】特開2006−179190号公報
【特許文献2】特開2003−346759号公報
【特許文献3】特開2006−185863号公報
【特許文献4】特開2006−40625号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来に技術では、電池モジュールに接続されるワイヤハーネスの冷却が困難であるという問題があった。
【0004】
そこで、この発明は上述のような問題点を解決するためになされたものであり、ワイヤハーネスの冷却を十分に行なうことが可能な構造の電池パック構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明に従った電池パック構造は、対向する側面を有する電池モジュールと、対向する側面に設けられ、冷媒が通過するチャンバダクトと、電池モジュールに接続され、チャンバダクトに設けられたワイヤハーネスとを備える。
【0006】
このように構成された電池パック構造では、新たな冷却システムを設けることなく、チャンバダクトを通過する冷媒によりワイヤハーネスの温度上昇を抑制することができる。
【0007】
さらに、チャンバダクトによりワイヤハーネスを保護することができる。
好ましくは、冷媒吸入側のチャンバダクトにワイヤハーネスが設けられる。
【0008】
好ましくは、冷媒排出側のチャンバダクトにワイヤハーネスが設けられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施の形態では同一または相当する部分については同一の参照符号を付し、その説明については繰返さない。
【0010】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1に従った電池パック構造の平面図である。図1を参照して、この発明の実施の形態1に従った電池パック構造10では、複数の電池モジュール11が隣接して設けられており、各々の電池モジュール11はバスバー13で接続されている。電池モジュール11の集合体の両端部はエンドプレート21,22と接触している。
【0011】
電池モジュール11の各々は端子12を有し、それぞれの端子12がバスバー13で接続されることにより、複数の電池モジュール11が直列に接続されている。
【0012】
電池モジュール11としては、たとえばニッケル−カドミウム電池、ニッケル−水素電池、リチウムイオン電池などの二次電池を用いることができる。電池モジュール11は、いわゆる角型平板状の外形を有しており、2列を構成するように並べられている。なお、この配列に関しては特に制限されるだけでなく、1列に電池モジュール11が並べられていてもよい。また、この実施の形態では複数の電池モジュール11が並べられる構成を示しているが、1つの電池モジュール11のみが電池パック構造10に含まれていてもよい。
【0013】
電池モジュール11の対向する側面111,112には、吸入ダクト8および排出ダクト9が設けられている。吸入ダクト8は開口81を有し、矢印81aで示す方向から開口81に冷媒が導入される。なお、この冷媒は流体であればよく、たとえば空気、水などが挙げられる。
【0014】
吸入ダクト8に対向するように排出ダクト9が設けられている。排出ダクト9は吸入ダクト8と平行に延びている。排出ダクト9の開口91から矢印91aで示す方向に冷媒が排出される。吸入ダクト8に取込まれた冷媒は各々の電池モジュール11の間、電池モジュール11の上面および電池モジュール11の底面を通過して電池モジュール11の熱を奪う。熱を奪った冷媒は排出ダクト9内を流れて開口91から矢印91aで示す方向に排出される。
【0015】
吸入ダクト8上にワイヤハーネス100,101,102が設けられている。ワイヤハーネス100,101は、電池モジュール11の端子12に接続されており、電池モジュール11とインバータなどの電子機器とを接続する役割を果たす。電池パック構造10は、たとえば車両に搭載され、車両の駆動装置であるモータと接続される。モータへ電力を供給する装置が電池パック構造10である。電池パック構造10に蓄えられたエネルギをモータで使用可能な形態とするためにインバータ、コンバータおよびキャパシタなどの電気機器が設けられる。ワイヤハーネス102は温度センサ103に接続され、吸気温度に関する電気信号を制御部へ伝える働きをする。電池モジュール11は使用中に発熱するので、この熱を除去するために冷媒を取入れている。しかしながら、冷媒の温度によって冷却能力が異なるため、冷媒の温度を常に監視する必要がある。このため吸入ダクト8上に温度センサ103が設けられ、温度センサ103がワイヤハーネス102と接続されて温度情報が制御部へ送られる。
【0016】
なお、この実施の形態では、3本のワイヤハーネス100,101,102が吸入ダクト8に設けられている構造を示したが、この3本のワイヤハーネスすべてが吸入ダクト8上に設けられている必要はない。すなわち、一部のワイヤハーネスが排出ダクト9上に設けられていてもよい。
【0017】
図2は、図1中のII−II線に沿った断面図である。図2を参照して、中空形状の吸入ダクト8の内部空間82内を冷媒が流れる。内部空間82は内壁80によって規定されており、開口81が吸入ダクト8の端部である。吸入ダクト8を厚み方向に貫通するように吸入冷媒の温度を計測する温度センサ103が嵌め込まれている。
【0018】
図3は、図1中のIII−III線に沿った断面図である。図3を参照して、ワイヤハーネス101,102はアンカー121で止められている。アンカー121はワイヤハーネス101,102と接続され、吸入ダクト8の内部空間82へ差込まれる。これによりワイヤハーネス101,102が吸入ダクト8に固定されている。
【0019】
吸入ダクト8,排出ダクト9は側面111,112側に向けて開口しており、吸入ダクト8から側面111側へ向けて冷媒が流れる。流れた冷媒は電池モジュール11を冷却して側面112側から排出されて排出ダクト9で集められて放出される。
【0020】
なお、吸入ダクト8および排出ダクト9において側面111,112側のすべての面が開口している必要はなく、一部が開口して側面111側に冷媒を供給可能とされ、かつ、側面112側から冷媒が供給されることが可能な形状とされていればよい。
【0021】
すなわち、実施の形態1に従った電池パック構造10は、対向する側面111,112を有する電池モジュール11と、対向する側面111,112に設けられ、冷媒が通過する吸入ダクト8および排出ダクト9と、電池モジュール11に接続され、吸入ダクト8および排出ダクト9の少なくとも一方に設けられるワイヤハーネス100,101,102とを備える。
【0022】
このように構成された電池パック構造では、冷却用の吸入ダクト8または排出ダクト9上にワイヤハーネス100,101,102を配置することで、通電時のワイヤハーネスの発熱による温度上昇を抑制することができる。
【0023】
また、吸入ダクト8および排出ダクト9によりワイヤハーネス100,101,102を保持および固定することができる。
【0024】
さらに、吸入ダクト8および排出ダクト9によりワイヤハーネス100,101,102を保護することができる。
【0025】
さらに、温度センサ103を一体化することで、省スペースで冷媒温度を測定することができる。
【0026】
(実施の形態2)
図4から図9は、この発明の実施の形態2に従った電池パック構造の断面図である。
【0027】
図4を参照して、この発明の実施の形態2に従った電池パック構造では、吸入ダクト8上にワイヤハーネス101,102が載置されていてもよい。
【0028】
また、吸入ダクト8を貫通するようにヒートシンク122が設けられ、このヒートシンクに接触するようにワイヤハーネス101,102が設けられていてもよい。
【0029】
さらに、上述の例とは異なり、吸入ダクト8の内部空間82にワイヤハーネス101,102が設けられていてもよい。
【0030】
さらに、図7で示すように、クリップ123によってワイヤハーネス101,102が固定されていてもよい。クリップ123は内部空間82内へ到達するアンカー部と、アンカー部に接続され、外部へ設けられてワイヤハーネス101,102を保護するリング部とを有する。
【0031】
また、図8で示すように、溝125が吸入ダクト8表面に設けられており、この溝125にワイヤハーネス101,102が嵌め合わせられていてもよい。
【0032】
さらに、図9で示すように、溝126と蓋127で囲まれた空間にワイヤハーネス101が設けられていてもよい。
【0033】
(実施の形態3)
図10は、この発明の実施の形態3に従った電池パック構造の平面図である。図10を参照して、この発明の実施の形態3に従った電池パック構造では、一部のワイヤハーネス102が吸入ダクト8に設けられ、別のワイヤハーネス100,101が排出ダクト9側へ設けられている。
【0034】
このような構成された実施の形態3に従った電池パック構造でも、実施の形態1に従った電池パック構造と同様の効果がある。
【0035】
図11は、上述の実施の形態に従った電池パック構造を有する車両のブロック図である。図11を参照して、本発明による電池パック構造を用いた自動車1は、本発明に従った電池パック構造を有する電池部3と、制御部2と、駆動部4とを備える。制御部2は電池部3および駆動部4を制御する。駆動部4は、電池部3から供給される電流によって駆動するモータなどの電動機を含む。さらに、この電動機以外に、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関を含んでいてもよい。すなわち、自動車1には、電池部3から供給される電流によって駆動するモータなどの電動機のみを駆動源とする電気自動車だけでなく、動力源としてガソリンエンジンなどの電動機以外の駆動手段を備えた、いわゆるハイブリッドカーも含まれる。
【0036】
さらに、電池部3にエネルギを供給する装置として、エンジンおよびジェネレータで発電した電力が電池部3に供給されてもよい。また、家庭用のコンセント(プラグ)が電池部3に接続されて電池部3に電気エネルギが供給されてもよい。
【0037】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、ここで示した実施の形態はさまざまに変形することが可能である。
【0038】
まず、ワイヤハーネスの本数としては今回表示された3本に限られず、さらに多い、または少ないワイヤハーネスを用いてもよい。
【0039】
さらに、吸入ダクト8および排出ダクト9の構造に関しては、断面が矩形状のものでなく、断面が円形状または半円形状さらに楕円形状の吸入ダクト8および排出ダクト9を用いてもよい。
【0040】
また、各々の電池モジュール11の形状に関しても角型だけでなく各々の辺および面が湾曲していてもよい。
【0041】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】この発明の実施の形態1に従った電池パック構造の平面図である。
【図2】図1中のII−II線に沿った断面図である。
【図3】図1中のIII−III線に沿った断面図である。
【図4】この発明の実施の形態2に従った電池パック構造の断面図である。
【図5】この発明の実施の形態2に従った電池パック構造の断面図である。
【図6】この発明の実施の形態2に従った電池パック構造の断面図である。
【図7】この発明の実施の形態2に従った電池パック構造の断面図である。
【図8】この発明の実施の形態2に従った電池パック構造の断面図である。
【図9】この発明の実施の形態2に従った電池パック構造の断面図である。
【図10】この発明の実施の形態3に従った電池パック構造の平面図である。
【図11】この発明に従った電池パック構造を用いた自動車のブロック図である。
【符号の説明】
【0043】
1 自動車、2 制御部、3 電池部、4 駆動部、8 吸入ダクト、9 排出ダクト、10 電池パック構造、11 電池モジュール、12 端子、13 バスバー、21,22 エンドプレート、80,90 内壁、81,91 開口、81a,91a 矢印、82,92 内部空間、100,101,102 ワイヤハーネス、111,112 側面、121 アンカー、122 ヒートシンク、123 クリップ、125,126 溝、127 蓋。
【技術分野】
【0001】
この発明は電池パック構造に関し、より特定的には、電池モジュールを冷却する構造を備えた電池パック構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電池パック構造は、たとえば特開2006−179190号公報(特許文献1)、特開2003−346759号公報(特許文献2)、特開2006−185863号公報(特許文献3)および特開2006−40625号公報(特許文献4)に開示されている。
【特許文献1】特開2006−179190号公報
【特許文献2】特開2003−346759号公報
【特許文献3】特開2006−185863号公報
【特許文献4】特開2006−40625号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来に技術では、電池モジュールに接続されるワイヤハーネスの冷却が困難であるという問題があった。
【0004】
そこで、この発明は上述のような問題点を解決するためになされたものであり、ワイヤハーネスの冷却を十分に行なうことが可能な構造の電池パック構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明に従った電池パック構造は、対向する側面を有する電池モジュールと、対向する側面に設けられ、冷媒が通過するチャンバダクトと、電池モジュールに接続され、チャンバダクトに設けられたワイヤハーネスとを備える。
【0006】
このように構成された電池パック構造では、新たな冷却システムを設けることなく、チャンバダクトを通過する冷媒によりワイヤハーネスの温度上昇を抑制することができる。
【0007】
さらに、チャンバダクトによりワイヤハーネスを保護することができる。
好ましくは、冷媒吸入側のチャンバダクトにワイヤハーネスが設けられる。
【0008】
好ましくは、冷媒排出側のチャンバダクトにワイヤハーネスが設けられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施の形態では同一または相当する部分については同一の参照符号を付し、その説明については繰返さない。
【0010】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1に従った電池パック構造の平面図である。図1を参照して、この発明の実施の形態1に従った電池パック構造10では、複数の電池モジュール11が隣接して設けられており、各々の電池モジュール11はバスバー13で接続されている。電池モジュール11の集合体の両端部はエンドプレート21,22と接触している。
【0011】
電池モジュール11の各々は端子12を有し、それぞれの端子12がバスバー13で接続されることにより、複数の電池モジュール11が直列に接続されている。
【0012】
電池モジュール11としては、たとえばニッケル−カドミウム電池、ニッケル−水素電池、リチウムイオン電池などの二次電池を用いることができる。電池モジュール11は、いわゆる角型平板状の外形を有しており、2列を構成するように並べられている。なお、この配列に関しては特に制限されるだけでなく、1列に電池モジュール11が並べられていてもよい。また、この実施の形態では複数の電池モジュール11が並べられる構成を示しているが、1つの電池モジュール11のみが電池パック構造10に含まれていてもよい。
【0013】
電池モジュール11の対向する側面111,112には、吸入ダクト8および排出ダクト9が設けられている。吸入ダクト8は開口81を有し、矢印81aで示す方向から開口81に冷媒が導入される。なお、この冷媒は流体であればよく、たとえば空気、水などが挙げられる。
【0014】
吸入ダクト8に対向するように排出ダクト9が設けられている。排出ダクト9は吸入ダクト8と平行に延びている。排出ダクト9の開口91から矢印91aで示す方向に冷媒が排出される。吸入ダクト8に取込まれた冷媒は各々の電池モジュール11の間、電池モジュール11の上面および電池モジュール11の底面を通過して電池モジュール11の熱を奪う。熱を奪った冷媒は排出ダクト9内を流れて開口91から矢印91aで示す方向に排出される。
【0015】
吸入ダクト8上にワイヤハーネス100,101,102が設けられている。ワイヤハーネス100,101は、電池モジュール11の端子12に接続されており、電池モジュール11とインバータなどの電子機器とを接続する役割を果たす。電池パック構造10は、たとえば車両に搭載され、車両の駆動装置であるモータと接続される。モータへ電力を供給する装置が電池パック構造10である。電池パック構造10に蓄えられたエネルギをモータで使用可能な形態とするためにインバータ、コンバータおよびキャパシタなどの電気機器が設けられる。ワイヤハーネス102は温度センサ103に接続され、吸気温度に関する電気信号を制御部へ伝える働きをする。電池モジュール11は使用中に発熱するので、この熱を除去するために冷媒を取入れている。しかしながら、冷媒の温度によって冷却能力が異なるため、冷媒の温度を常に監視する必要がある。このため吸入ダクト8上に温度センサ103が設けられ、温度センサ103がワイヤハーネス102と接続されて温度情報が制御部へ送られる。
【0016】
なお、この実施の形態では、3本のワイヤハーネス100,101,102が吸入ダクト8に設けられている構造を示したが、この3本のワイヤハーネスすべてが吸入ダクト8上に設けられている必要はない。すなわち、一部のワイヤハーネスが排出ダクト9上に設けられていてもよい。
【0017】
図2は、図1中のII−II線に沿った断面図である。図2を参照して、中空形状の吸入ダクト8の内部空間82内を冷媒が流れる。内部空間82は内壁80によって規定されており、開口81が吸入ダクト8の端部である。吸入ダクト8を厚み方向に貫通するように吸入冷媒の温度を計測する温度センサ103が嵌め込まれている。
【0018】
図3は、図1中のIII−III線に沿った断面図である。図3を参照して、ワイヤハーネス101,102はアンカー121で止められている。アンカー121はワイヤハーネス101,102と接続され、吸入ダクト8の内部空間82へ差込まれる。これによりワイヤハーネス101,102が吸入ダクト8に固定されている。
【0019】
吸入ダクト8,排出ダクト9は側面111,112側に向けて開口しており、吸入ダクト8から側面111側へ向けて冷媒が流れる。流れた冷媒は電池モジュール11を冷却して側面112側から排出されて排出ダクト9で集められて放出される。
【0020】
なお、吸入ダクト8および排出ダクト9において側面111,112側のすべての面が開口している必要はなく、一部が開口して側面111側に冷媒を供給可能とされ、かつ、側面112側から冷媒が供給されることが可能な形状とされていればよい。
【0021】
すなわち、実施の形態1に従った電池パック構造10は、対向する側面111,112を有する電池モジュール11と、対向する側面111,112に設けられ、冷媒が通過する吸入ダクト8および排出ダクト9と、電池モジュール11に接続され、吸入ダクト8および排出ダクト9の少なくとも一方に設けられるワイヤハーネス100,101,102とを備える。
【0022】
このように構成された電池パック構造では、冷却用の吸入ダクト8または排出ダクト9上にワイヤハーネス100,101,102を配置することで、通電時のワイヤハーネスの発熱による温度上昇を抑制することができる。
【0023】
また、吸入ダクト8および排出ダクト9によりワイヤハーネス100,101,102を保持および固定することができる。
【0024】
さらに、吸入ダクト8および排出ダクト9によりワイヤハーネス100,101,102を保護することができる。
【0025】
さらに、温度センサ103を一体化することで、省スペースで冷媒温度を測定することができる。
【0026】
(実施の形態2)
図4から図9は、この発明の実施の形態2に従った電池パック構造の断面図である。
【0027】
図4を参照して、この発明の実施の形態2に従った電池パック構造では、吸入ダクト8上にワイヤハーネス101,102が載置されていてもよい。
【0028】
また、吸入ダクト8を貫通するようにヒートシンク122が設けられ、このヒートシンクに接触するようにワイヤハーネス101,102が設けられていてもよい。
【0029】
さらに、上述の例とは異なり、吸入ダクト8の内部空間82にワイヤハーネス101,102が設けられていてもよい。
【0030】
さらに、図7で示すように、クリップ123によってワイヤハーネス101,102が固定されていてもよい。クリップ123は内部空間82内へ到達するアンカー部と、アンカー部に接続され、外部へ設けられてワイヤハーネス101,102を保護するリング部とを有する。
【0031】
また、図8で示すように、溝125が吸入ダクト8表面に設けられており、この溝125にワイヤハーネス101,102が嵌め合わせられていてもよい。
【0032】
さらに、図9で示すように、溝126と蓋127で囲まれた空間にワイヤハーネス101が設けられていてもよい。
【0033】
(実施の形態3)
図10は、この発明の実施の形態3に従った電池パック構造の平面図である。図10を参照して、この発明の実施の形態3に従った電池パック構造では、一部のワイヤハーネス102が吸入ダクト8に設けられ、別のワイヤハーネス100,101が排出ダクト9側へ設けられている。
【0034】
このような構成された実施の形態3に従った電池パック構造でも、実施の形態1に従った電池パック構造と同様の効果がある。
【0035】
図11は、上述の実施の形態に従った電池パック構造を有する車両のブロック図である。図11を参照して、本発明による電池パック構造を用いた自動車1は、本発明に従った電池パック構造を有する電池部3と、制御部2と、駆動部4とを備える。制御部2は電池部3および駆動部4を制御する。駆動部4は、電池部3から供給される電流によって駆動するモータなどの電動機を含む。さらに、この電動機以外に、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関を含んでいてもよい。すなわち、自動車1には、電池部3から供給される電流によって駆動するモータなどの電動機のみを駆動源とする電気自動車だけでなく、動力源としてガソリンエンジンなどの電動機以外の駆動手段を備えた、いわゆるハイブリッドカーも含まれる。
【0036】
さらに、電池部3にエネルギを供給する装置として、エンジンおよびジェネレータで発電した電力が電池部3に供給されてもよい。また、家庭用のコンセント(プラグ)が電池部3に接続されて電池部3に電気エネルギが供給されてもよい。
【0037】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、ここで示した実施の形態はさまざまに変形することが可能である。
【0038】
まず、ワイヤハーネスの本数としては今回表示された3本に限られず、さらに多い、または少ないワイヤハーネスを用いてもよい。
【0039】
さらに、吸入ダクト8および排出ダクト9の構造に関しては、断面が矩形状のものでなく、断面が円形状または半円形状さらに楕円形状の吸入ダクト8および排出ダクト9を用いてもよい。
【0040】
また、各々の電池モジュール11の形状に関しても角型だけでなく各々の辺および面が湾曲していてもよい。
【0041】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】この発明の実施の形態1に従った電池パック構造の平面図である。
【図2】図1中のII−II線に沿った断面図である。
【図3】図1中のIII−III線に沿った断面図である。
【図4】この発明の実施の形態2に従った電池パック構造の断面図である。
【図5】この発明の実施の形態2に従った電池パック構造の断面図である。
【図6】この発明の実施の形態2に従った電池パック構造の断面図である。
【図7】この発明の実施の形態2に従った電池パック構造の断面図である。
【図8】この発明の実施の形態2に従った電池パック構造の断面図である。
【図9】この発明の実施の形態2に従った電池パック構造の断面図である。
【図10】この発明の実施の形態3に従った電池パック構造の平面図である。
【図11】この発明に従った電池パック構造を用いた自動車のブロック図である。
【符号の説明】
【0043】
1 自動車、2 制御部、3 電池部、4 駆動部、8 吸入ダクト、9 排出ダクト、10 電池パック構造、11 電池モジュール、12 端子、13 バスバー、21,22 エンドプレート、80,90 内壁、81,91 開口、81a,91a 矢印、82,92 内部空間、100,101,102 ワイヤハーネス、111,112 側面、121 アンカー、122 ヒートシンク、123 クリップ、125,126 溝、127 蓋。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する側面を有する電池モジュールと、
前記対向する側面に設けられ、冷媒が通過するチャンバダクトと、
前記電池モジュールに接続され、前記チャンバダクトに設けられたワイヤハーネスとを備えた、電池パック構造。
【請求項2】
冷媒吸入側の前記チャンバダクトに前記ワイヤハーネスが設けられる、請求項1に記載の電池パック構造。
【請求項3】
冷媒排出側の前記チャンバダクトに前記ワイヤハーネスが設けられる、請求項1に記載の電池パック構造。
【請求項1】
対向する側面を有する電池モジュールと、
前記対向する側面に設けられ、冷媒が通過するチャンバダクトと、
前記電池モジュールに接続され、前記チャンバダクトに設けられたワイヤハーネスとを備えた、電池パック構造。
【請求項2】
冷媒吸入側の前記チャンバダクトに前記ワイヤハーネスが設けられる、請求項1に記載の電池パック構造。
【請求項3】
冷媒排出側の前記チャンバダクトに前記ワイヤハーネスが設けられる、請求項1に記載の電池パック構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−99490(P2009−99490A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−272262(P2007−272262)
【出願日】平成19年10月19日(2007.10.19)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月19日(2007.10.19)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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