説明

電池電圧測定回路

【課題】 複数のセル電圧を同時に測定するとき、スイッチの個数を可能な限り削減して簡単な回路構成で効率的な測定ができるような入力回路を提供する。
【解決手段】 第1ステージのセルC1,C2,C3を測定するとき、スイッチS1〜S4及びスイッチS11をONする。これにより、差動増幅器D1でセルC1、差動増幅器D2でセルC2、差動増幅器D3でセルC3の電圧が同時に測定される。このとき、スイッチS11のONで差動増幅器D1の−入力端子が接地される。第2ステージのセルC4,C5,C6を測定するときは、スイッチS4〜S7及びスイッチS12をONする。これにより、差動増幅器D3でセルC4、差動増幅器D2でセルC5、差動増幅器D1でセルC6の電圧が同時に測定される。このとき、スイッチS12のONで差動増幅器D3の+入力端子が接地される。スイッチS4などが共用されることによって、全体のスイッチ数の削減と単電源の使用を実現することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組電池の電圧を測定する電池電圧測定回路に関し、特に、燃料電池などのように多数のセルが直列に接続された組電池をスキャンしながらセル電圧を測定する電池電圧測定回路に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、水素を主成分とする燃料ガスと酸素とを電気化学的に反応させて起電力を発生させる電池である。このような燃料電池のセル電圧は1V程度であるので、一般的には、数百セルを直列に接続して一つの燃料電池スタックが構成されて高電圧(例えば、260V)で使用される。このとき、1枚のセルが極端に低い電圧の状態(例えば、0.5Vの状態)で燃料電池の発電が継続されると、その不調なセルが腐食して燃料電池全体の出力電圧を低下させたり、燃料電池の破損を至らしめることがある。したがって、燃料電池の運転中には、燃料電池スタックを構成する各セルを1枚ずつ又は複数枚ずつまとめて順次スキャンしながらセル電圧の測定・監視が行われている。つまり、燃料電池の運転中に1枚又は複数枚のセルが破損した場合は、該当セルの電圧が顕著に低下するため、セル電圧を常時測定し、監視していれば異常セルの発生が即座にわかるので、直ちに燃料電池の運転を停止して異常発生の検知遅れによる破損の拡大を未然に防止することができる。
【0003】
そのため、燃料電池のセル電圧を測定する技術は従来より種々報告されている。図5は従来の電池電圧測定回路としての入力回路を示す図である。図5に示すように、燃料電池を構成するセルを複数のセル群に分割し、各セル群のうち、例えば第1ステージのスイッチS31,S32,S33,S34を同時にONにすると、第1ステージのセルC31,C32,C33の電圧が、それぞれ、入力回路30の差動増幅器D31,D32,D33によって検出されて、図示しないCPU(central processing unit)のA/D変換器へ送信され、CPUによって各セルの電圧が測定・監視される。次に、第1ステージのスイッチS31,S32,S33,S34を同時にOFFすると共に、第2ステージのスイッチS35,S36,S37,S38を同時にONすると、第2ステージのセルC34,C35,C36の電圧が、それぞれ、差動増幅器D31,D32,D33によって検出されて、図示しないCPUのA/D変換器へ送信され、CPUによって各セルの電圧が測定・監視される。このようにして、各ステージのスイッチ群を順次にON/OFFしながら群ごとにスキャンして行くと、燃料電池を構成する全てのセルの電圧を測定することができる。
【0004】
図6は、図5に示す入力回路におけるセルごとの測定電圧の極性を示す説明図である。すなわち、前記したように各ステージのセル群を順次スキャンして行くと、図6に示すように、いずれのステージにおいても各セルの電圧極性は同じ極性で各差動増幅器D31,D32,D33へ入力される。このため各差動増幅器D31,D32,D33は単電源(つまり、一方がグランドGNDで他方がプラス電源となるような一方向電源)を使用することができるので、差動増幅器D31,D32,D33の構成が簡素化される。なお、入力回路30の各ラインに構成されているフィルタF31,F32,F33はノイズを除去するための素子であり、バッファB31,B32,B33は各セルの検出電圧の波形を整形するための素子である。
【0005】
また、セルが多数直列に接続された組電池において、例えば、1組5個の複数セルに対応してそれらのセルごとにコンデンサを並列接続し、各セルに対応するスイッチを順次切り替えてゆくことによって各セルの電圧を対応するコンデンサに印加させ、各コンデンサの電圧を測定することによって組電池の全てのセル電圧の測定を行う、いわゆるフライングキャパシタ方式による組電池の電圧検出回路の技術が開示されている。この技術によれば回路構成を簡素化することができる(例えば、特許文献1参照)。さらに、複数の単電池が直列に接続されている組電池において、複数の切替手段を用いて単電池の電圧を順次測定して行く技術も開示されている。この技術によれば比較的簡単な構成で高精度に単電池の電圧を測定することができる(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平2002−156392号公報(段落番号0051〜0058、及び図1参照)
【特許文献2】特開平11−237455号公報(段落番号0018〜0024及び図1、図2参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記の図5に示すような入力回路では、多数のセルが直列に接続されているので、各セルの電圧を個別に測定するためにはセル数以上の個数のスイッチが必要となる。具体的には、各ステージの境界位置に存在するセルは前ステージのセルのラインをOFFにして次ステージのラインをONにするために2個のスイッチが必要となる。例えば、第2ステージの一方の境界位置に存在するセルC34はスイッチS34,S35の2個のスイッチが必要となり、第2ステージの他方の境界位置に存在するセルC36はスイッチS38,S39の2個のスイッチが必要となる。このことから、例えば、180個のセルが直列に接続されていて、3個のセルが1ステージで組み合わされている場合は、スイッチの個数は、181個にとどまらず、181+180÷3−1=240個も必要となる。このようなスイッチは通常は高耐圧用のフォトMOSスイッチを使用しているため、使用するスイッチ数が多くなれば、それだけ材料コストが嵩む結果となる。なお、1ステージのセル数を多くすれば、各ステージの境界位置に存在するセルに対応するスイッチ数を減らすことができるので、全体のスイッチ数を若干減少させることができる。しかし、1ステージのセル数を多くすれば、入力回路30のフィルタ、バッファ、差動増幅器などが増加してしまうので、結果として、入力回路すなわち電池電圧測定回路の材料費を高くしてしまう要因となる。
【0007】
また、前記の特許文献1に開示された組電池の電圧検出回路は、スイッチによる回路構成は簡素化されるものの、各セルの電圧を印加するためのコンデンサをわざわざ設けなければならないので、結果としてコストアップの要因となる。さらに、前記の特許文献2に開示された組電池の電圧検出回路においても、切替手段の回路構成が複雑になるなどの問題がある。
【0008】
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、複数のセル電圧を同時に測定するときに、スイッチの個数を可能な限り削減して簡単な回路構成で効率的な測定を廉価に実現することができるような電池電圧測定回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の電池電圧測定回路は、前記の目的を達成するために創案されたものであり、複数のセルが直列に接続された組電池のセル群をスキャンしながらセル群ごとに各セルの電圧を測定する電池電圧測定回路であって、各セルの電圧を出力する各信号ラインのそれぞれに直列に接続された複数の開閉手段と、セル群の両側の境界位置に存在する2系統の信号ラインを選択的に切り替えて接地させる切替手段と、セル群ごとの各セルに対応する各信号ラインに個別に接続されて各セルの電圧を検出する複数の電圧検出手段とを備える構成を採っている。このとき、切替手段の切替操作によって2系統の信号ラインのうち,いずれかの信号ラインが接地されるごとに、電圧検出手段は常に同一極性のセル電圧を検出することができる。
【0010】
このような回路構成によって、セル群の両側の境界位置に存在する2系統の信号ラインに接続されるそれぞれの開閉手段は、隣接するセル群のとなり合う2個のセルで1個に共有化されるので、電池電圧測定回路におけるトータルの開閉手段の個数を必要最小限に低減させることができる。さらに、開閉手段を共有化したことによって、隣接するセル群の各セルの電圧を検出するとき、電圧検出手段に入力されるセル電圧は転極して(つまり、正極と負極が反転して)入力される。しかし、測定されるセル群が切り替わるごとにグランドに接続される信号ラインも切り替えられるので、見かけ上は、電圧検出手段には常に同一極性のセル電圧が入力されることになる。この結果、電圧検出手段を一方向電源の単電源で動作させることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の電池電圧測定回路によれば、セル電圧を測定するセル群ごとに隣接するセルの電圧極性を反転させることによって、各セル間のスイッチを共通化して部品点数を削減することができ、しかも、セル電圧の極性が反転しても、接地される信号ラインを切り替えることによって同一極性のセル電圧を検出することができるので、一方向電圧の単電源を用いて電圧測定を行うことが可能となる。その結果、単電源で動作するデバイス(例えば、差動増幅器など)を使用することができるので、電池電圧測定回路の材料費を大幅に低減させることができる。また、測定するセル群の極性が反転するごとに、そのセル群の両側の信号ラインが交互にグランドへ切り替え接続されるので、信号ラインのグランド切り替えを行わない場合に比べて、一度にスキャンできるセル数を2倍に増やすことができる。この結果、多チャンネルをより高速にスキャンすることができるので、燃料電池のように多数のセルが直列に接続されたセル群のセル電圧測定をより高速に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
《発明の概要》
本発明の電池電圧測定回路は、多数のセルが直列に接続された燃料電池において、複数のセルを一括測定する各ステージの境界位置にあるセルの信号ラインに設けたスイッチを共有化して1個にまとめることによって、全体のスイッチ数を削減する。さらに、スイッチを共有化して前ステージのセル群と次ステージのセル群のスキャンによってセルの逆電圧が入力回路の差動増幅器に入力されても、基準電位(グランド電位)が常に負電位の信号ラインとなるように、各ステージの境界位置にあるセルの負電位の信号ラインにスイッチを設けてグランドGNDに接続する。そして、測定ステージが切り替わるごとに、これらのスイッチを切り替えて負電位の信号ラインをグランドに落とすようにする。つまり、1検出ステップである1ステージのセル群の両端の信号ラインに切替スイッチを設け、セル群をスキャンするステージ(つまり、セル群)が切り替わるたびに、これらのスイッチをON/OFF切り替えすることにより、両端の信号ラインを交互にグランドGNDに接続させるようにする。
【0013】
これによって、いずれのステージのセル群をスキャンしても、入力回路の差動増幅器においては、測定基準となる作動増幅器の−入力端子が基準電位(グランド電位)として決定される。したがって、差動増幅器は、正負の両電源を必要とすることなく、単電源で正常動作を実現することができる。その結果、電池電圧測定回路全体のスイッチ数を削減することができると共に、差動増幅器の構成を簡素化することができる。さらに、1ステージのセル群の両端の信号ラインに切替スイッチを設けることによって、セル電圧を検出する信号ラインが断線しても、電圧検出が不能となるセル数を最小限に食い止めることができる。
【0014】
《発明の実施の形態》
以下、図面を参照しながら、本発明の電池電圧測定回路について詳細に説明する。燃料電池の個別セルの電圧測定など、多数のセルが直列に接続された燃料電池のセル電圧を測定する場合は、複数のセルからなるセル群に分けて各セル群を1ステージとし、それぞれのステージごとのセル群における個別セルの電圧を一括測定し次のステージのセル群にスキャンして行くという測定方法が効率的である。このとき、セル群における各セルの電圧測定入力端子(つまり、信号ライン)にスイッチを設け、1ステージごとに対応するスイッチ群を一括してON/OFFすることによって測定ステージを順次スキャンして行くことができる。また、このとき、各ステージの境界位置にあるセルの信号ラインに設けるスイッチは、前ステージ用のスイッチと次ステージ用のスイッチというように個別に設けるのではなく、共通のスイッチとする。つまり、前ステージのセル群のスキャンから次ステージのセル群のスキャンに切り替わっても、境界位置にあるセルの信号ラインに設けられたスイッチはONのままとしておく。このような構成にすればスイッチ数を削減することができるので、以下、このような構成を背景にして本発明における電池電圧測定回路の実施形態の説明を行う。
【0015】
本発明に係る電池電圧測定回路を説明する前に、本発明の背景になる回路について説明を行う。図1は、本発明の前提条件となる、各ステージの境界位置におけるセルの信号ラインに設けたスイッチを共有化した入力回路の主要部を示す回路図である。この入力回路10は、電池電圧測定回路として電圧検出値を読み取るCPUのA/D変換器に接続されている。
図1では、説明の便宜上3セルを1ステージのセル群として、各ステージのセル群をスキャンしながら各セルの電圧を測定する形態について説明する。しかし、各ステージにおけるセル群のセル数は3個に限定されるものではなく、1ステージのセル群をもっと多くのセル数で構成してもよい。当然のことながら、1ステージのセル群におけるセル数を多くすれば全セルの測定時間は短縮化される。
【0016】
図1において、入力回路10は、多数のセルが直列に接続された燃料電池における一部のセルC1〜C9が直列に接続され、各セルC1〜C9は、セルC1,C2,C3が第1ステージ、セルC4,C5,C6が第2ステージ、セルC7,C8,C9が第3ステージというように、同時に測定されるセル群がステージごとに構成されている。また、各セルC1〜C9の電圧測定端子であるそれぞれの信号ラインには、それぞれ、スイッチ(開閉手段)S1〜S10が接続されている。このとき、第1ステージの最後のセルC3と第2ステージの最初のセルC4の信号ラインには共通のスイッチS4が設けられている。同様にして、第2ステージの最後のセルC6と第3ステージの最初のセルC7の信号ラインには共通のスイッチS7が設けられている。また、第1ステージの最初のセルC1の負極の信号ラインはグランドGNDに接続されている。なお、スイッチS1〜S10は、燃料電池の直列セル数によって発生する最大電圧(例えば、200セルの直列接続で260V)に耐えられるような耐圧のフォトMOSスイッチを用いることができる。
【0017】
さらに、各ステージのセル群の電圧を取り込むための入力回路10には、ステージごとのセル群の信号ラインが接続され、各スイッチS1〜S10をON/OFFしたときのノイズや各信号ラインで誘導されたノイズを除去するためのフィルタF1,F2,F3と、それらのフィルタF1,F2,F3に直列接続され、各セルの検出電圧信号の立ち上がり波形や立ち下り波形の不揃いを整形するバッファB1,B2,B3と、各セルC1〜C9の負電圧と正電圧を入力して各セルC1〜C9の電圧を検出し、その検出電圧を図示しないCPUのA/D変換器へ出力する各差動増幅器(電圧検出手段)D1,D2,D3と、各差動増幅器D1,D2,D3のオフセット電圧を調整するための抵抗Rとを備えた構成となっている。なお、各バッファB1,B2,B3の出力と各差動増幅器D1,D2,D3の+入力端子との間に設けた抵抗rは、各差動増幅器D1,D2,D3の+入力端子の信号レベルを調整するための抵抗である。
【0018】
次に、図1に示す入力回路10によって各セルC1〜C9の電圧を測定する動作について説明する。図1に示す入力回路の例では、スイッチS1〜S4を同時にONにすると、第1ステージのセルC1,C2,C3の電圧が同時に測定される。すなわち、セルC1の負極の電位がグランドGNDとなって差動増幅器D1の−入力端子に入力され、セルC1の正極の電位がフィルタF1とバッファB1を経由して差動増幅器D1の+入力端子に入力される。これによって、差動増幅器D1の出力端子にはセルC1の負極の電位とセルC1の正極の電位との差であるセルC1の電圧が出力される。
【0019】
同様にして、セルC2の負極の電位がフィルタF1とバッファB1を経由して差動増幅器D2の−入力端子に入力され、セルC2の正極の電位がフィルタF2とバッファB2を経由して差動増幅器D2の+入力端子に入力される。これによって、差動増幅器D2の出力端子にはセルC2の負極の電位とセルC2の正極の電位との差であるセルC2の電圧が出力される。さらに同様にして、セルC3の負極の電位がフィルタF2とバッファB2を経由して差動増幅器D3の−入力端子に入力され、セルC3の正極の電位がフィルタF3とバッファB3を経由して差動増幅器D3の+入力端子に入力される。
【0020】
これによって、差動増幅器D3の出力端子にはセルC3の負極の電位とセルC3の正極の電位との差であるセルC3の電圧が出力される。このようにして、第1ステージのセルC1,C2,C3の電圧が差動増幅器D1,D2,D3で同時に測定されて図示しないCPUに取り込まれる。以下、このようにして、セルC1の電圧が差動増幅器D1によって測定され、セルC2の電圧が差動増幅器D2によって測定され、セルC3の電圧が差動増幅器D3によって測定される(以下、セルC1→差動増幅器D1、セルC2→差動増幅器D2、セルC3→差動増幅器D3と表現する)という測定順序を順方向測定と呼ぶことにする。
【0021】
次に、第1ステージのセルC1,C2,C3の電圧測定を終了して、第2ステージのセルC4,C5,C6の電圧測定を開始するときに、スイッチS4をオンのままにして、スイッチS1〜S3を同時にOFFしてスイッチS5〜S7を同時にONする。すなわち、第1ステージのセル群から第2ステージにセル群に測定が切り替わるときには、第1ステージの最後のセルC3と第2ステージの最初のセルC4との共通信号ラインにある共通のスイッチS4はONのままの状態となる。このようなスイッチのON/OFF操作によって、第2ステージのセル群は、セルC4の電圧が差動増幅器D3によって測定され、セルC5の電圧が差動増幅器D2によって測定され、セルC6の電圧が差動増幅器D1によって測定されるというように、第1ステージの場合とは差動増幅器の対応順序が逆となる。以下、このような測定順序(つまり、セルC4→差動増幅器D3、セルC5→差動増幅器D2、セルC6→差動増幅器D1)を逆方向測定と呼ぶことにする。
【0022】
第2ステージのセルC4,C5,C6の測定についてさらに詳しく説明する。第1ステージのセルC1,C2,C3の電圧測定が終了すると、スイッチS1〜S3を同時にOFFにし、スイッチ4をONのままにして、スイッチS5〜S7を同時にONにして第2ステージのセルC4,C5,C6の測定が開始される。これによって、セルC4の負極の電位がフィルタF3とバッファB3を経由して差動増幅器D3の+入力端子に入力され、セルC4の正極の電位がフィルタF2とバッファB2を経由して差動増幅器D3の−入力端子に入力される。これによって、差動増幅器D3の出力端子にはセルC4の負極の電位とセルC4の正極の電位との差であるセルC4の電圧が出力される。
【0023】
同様にして、セルC5の負極の電位がフィルタF2とバッファB2を経由して差動増幅器D2の+入力端子に入力され、セルC5の正極の電位がフィルタF1とバッファB1を経由して差動増幅器D2の−入力端子に入力される。これによって、差動増幅器D2の出力端子にはセルC5の負極の電位とセルC5の正極の電位との差であるセルC5の電圧が出力される。さらに同様にして、セルC6の負極の電位がフィルタF1とバッファB1を経由して差動増幅器D1の+入力端子に入力され、セルC6の正極の電位がグランドGNDとなって差動増幅器D1の−入力端子に入力される。これによって、差動増幅器D1の出力端子にはセルC6の負極の電位とセルC6の正極の電位との差であるセルC6の電圧が出力される。このようにして、第2ステージのセルC4,C5,C6の電圧が差動増幅器D3,D2,D1で同時に測定されて図示しないCPUに取り込まれる。つまり、第2ステージでは、セルC4→差動増幅器D3、セルC5→差動増幅器D2、セルC6→差動増幅器D1というような逆方向測定が行われる。
【0024】
さらに、第2ステージのセルC4,C5,C6の電圧測定が終了すると、スイッチS4〜S6を同時にOFFにし、スイッチ7をONのままにして、スイッチS8〜S10を同時にONにして第3ステージのセルC7,C8,C9の測定が開始される。第3ステージでは、セルC7→差動増幅器D1、セルC8→差動増幅器D2、セルC9→差動増幅器D3というように、第1ステージと同じ順方向測定が行われる。このようにして、第3ステージのセルC7,C8,C9の電圧が差動増幅器D1,D2,D3で同時に測定されて図示しないCPUに取り込まれる。
【0025】
以上述べたように、図1に示す入力回路10によって各セルC1〜C9の電圧を測定する場合は、各ステージの境界位置にあるスイッチが共有化されるので、図5に示したような従来の入力回路30に比べて合計スイッチ数を削減することができる。例えば、180個のセルが直列に接続されていて、3個のセルが1ステージのセル群として組み合わされている場合は、図5に示す従来の入力回路30では、スイッチの個数は240個必要となったが、図1に示す入力回路10の場合のスイッチの個数は181個にすることができる。つまり、従来よりスイッチを59個減らすことができる。言い換えれば、おおよそ測定ステージの数だけスイッチ数を削減することができる。
【0026】
なお、本発明とは直接関係ないが、図1に示す入力回路10による測定で、差動増幅器D1,D2,D3の出力信号(つまり、各セルの検出電圧)が入力されるCPUのA/D変換器に入力される電圧が負側になるとA/D変換器に対する仕様がより厳しくなる。そのため、オフセット電圧を切り替えることによってこのような状態を避けることができる。例えば、セルCの起電力が燃料電池の場合のように0V〜1.3V程度の値であるとすると、図1の例で順方向測定時のオフセット電圧を+1V、逆方向測定時のオフセット電圧を+5Vにすると、A/D変換器に入力される電圧が+1V〜+5Vの範囲に収まることになり、A/D変換器の仕様をより緩やかなものにすることができる。
【0027】
次に、ステージごとに各差動増幅器D1,D2,D3に取り込まれる各セルの電圧極性について図に示して説明する。図2は、図1に示す入力回路10におけるセルごとの測定電圧の極性を示す説明図である。すなわち、図1に示すような入力回路10で各ステージのスイッチ群をON/OFFして各セル群の電圧を測定して行くと、図2に示すような極性でステージごとの各セルの検出電圧がそれぞれの差動増幅器D1,D2,D3へ入力される。すなわち、図2に示すように、第1ステージ、第3ステージというように奇数番目の測定ステージは、最も電位の低い側のセル(C1,C7など)の負極がグランドGNDに接続された状態で順方向の各セル(C1,C2,C3)の電圧が各差動増幅器D1,D2,D3に入力される。しかし、第2ステージなどのように偶数番目の測定ステージでは、最も電位の高い側のセル(C6など)の正極がグランドに接続された状態で逆方向の各セル(C6,C5,C4)が各差動増幅器D1,D2,D3に入力される。
【0028】
図2からわかるように、奇数番目のステージと偶数番目のステージでは各差動増幅器D1,D2,D3に入力される電圧の極性は逆極性となる。このため、偶数番目のステージのセル群を測定する場合と奇数番目のステージのセル群を測定する場合では、各差動増幅器D1,D2,D3に印加する電源電圧は逆極性にしなければならない。例えば、各差動増幅器D1,D2,D3は、奇数番目のステージのセル群を測定する場合は0〜+5Vの電源が必要となるが、偶数番目のステージのセル群を測定する場合は0〜−5Vの電源が必要となる。つまり、各差動増幅器D1,D2,D3は、燃料電池の全セルを測定するためには正負両方の電源(つまり、両電源)が必要となる。そのため、図1に示す入力回路10における電源回路(図示せず)が複雑になり、単電源のものより価格の高い両電源用の差動増幅器を用いなければならない。
【0029】
さらに、図1に示す入力回路では、各差動増幅器D1,D2,D3の電源電圧はデバイスの定格で規定されているため、その電源電圧の範囲内で収まるように一度でスキャンできるチャネル数(つまり、セル数)は決定されてしまう。例えば、差動増幅器D1,D2,D3の定格電圧が20Vmaxであって、セル電圧が2セル1組で3Vとすると、一度でスキャンできるセル数は、20V÷2÷3V≒3セルとなる。つまり、一度でスキャンできるセル数は3セルに決められてしまうので、測定時間を速めるために1ステージのセル数を増やすことが出来ない。また、図1に示す入力回路10では、各ステージの共通の信号ラインのうちグランドに接続された信号ラインが断線などによって故障すると、例えば、第1ステージと第2ステージの共通のスイッチS4の信号ラインが断線などによって故障すると、第1ステージのセルC1,C2,C3と第2のステージのセルC4,C5,C6の6個のセルの電圧測定が不可能になってしまう。
【0030】
本発明に係る入力回路では、図1のようにスイッチ数を低減させると共に、いずれのステージをスキャンしても、入力回路10の測定基準となる差動増幅器に入力されるセルの負電圧が基準電位(グランド電位)となるように、スイッチによってグランドGNDに接続する信号ラインを切り替えるようにする。このようにすることによって、差動増幅器は、いずれのステージにおいても同一極性のセル電圧を検出するので、単電源で動作する差動増幅器が使用することが可能となる。その結果、入力回路すなわち電池電圧測定回路の一層のコストダウンを図ることができる。また、各ステージ間の共通の信号ラインが断線などによって故障しても、2ステージ分の全セルの測定が不可能とならないようにして、最小限のセルだけの測定不能に留めることができる。
【0031】
図3は、本発明に係る入力回路を示す回路図である。つまり、図3に示す入力回路(電池電圧測定回路)10aは、図1に示す入力回路10に対して、入力回路10aへ入力される信号ラインのグランドGNDを切り替えるためのスイッチ(切替手段)S11,S12を追加したものである。他の構成要素は図1に示す入力回路10の構成と変わらないので、説明を省略する。なお、新たに追加されたスイッチS11及びスイッチS12は、スイッチS1〜S10と同様に、燃料電池の直列セル数によって発生する最大電圧(例えば、200セルの直列接続で260V)に耐えられるような耐圧のフォトMOSスイッチを用いることができる。
【0032】
つまり、図3に示すように、差動増幅器D1の−入力端子へ入力される信号ライン(つまり、第1ステージのセルC1の負極の信号ライン)よりスイッチS11を介してグランドGNDに接続すると共に、差動増幅器D3の+入力端子へ入力される信号ライン(つまり、第1ステージのセルC3の正極と第2ステージのセルC4の負極の共通の信号ライン)よりスイッチS12を介してグランドGNDに接続する構成が新たに追加されている。
【0033】
このような回路構成にして、測定するステージが変わるごとにスイッチS11とスイッチS12のON/OFFを切り替えて交互に信号ラインをグランドGNDに接続するようにする。つまり、測定するステージが変わるごとにグランドGNDに接続されるスイッチS11,S12を交互に切り替えることによって、測定するステージごとに入力されるセル電圧の基準電位(つまり、グランド電位)が上下の差動増幅器に移動する。言い換えれば、測定するステージごとに入力されるセル電圧の基準電位(つまり、グランド電位)が差動増幅器D1の−入力端子と差動増幅器D3の+入力端子との間を移動する。
【0034】
さらに詳しく説明すると、測定するステージが変わるごとに、差動増幅器D1,D2,D3に入力されるセル電圧が、セルC1→差動増幅器D1、セルC2→差動増幅器D2、セルC3→差動増幅器D3という順方向と、セルC4→差動増幅器D3、セルC5→差動増幅器D2、セルC6→差動増幅器D1という逆方向とに変わっても、常に測定基準となる側の差動増幅器の負電位がグランドGNDに接続させることになる。このようにして、差動増幅器D1,D2,D3のグランドGNDはセルの測定順序に合わせて規制されるので、結果的に、差動増幅器D1,D2,D3の電源は、基準電位(つまり、グランド電位)から一方の電位に印加される単一方向の電源(つまり、単電源)を利用することができる。
【0035】
図3に示す入力回路10aの動作についてさらに詳しく説明する。第1ステージのセルC1,C2,C3を測定するときは、スイッチS1,S2,S3,S4及びスイッチS11をONにする。これによって、セルC1→差動増幅器D1、セルC2→差動増幅器D2、セルC3→差動増幅器D3という順方向測定が行われ、グランド電位(基準電位)はスイッチS11によって差動増幅器D1の−入力端子に規制されるので、全ての差動増幅器D1,D2,D3は同一方向電位の単電源で動作を行うことができる。
【0036】
次に、第1ステージのセルC1,C2,C3の電圧測定を終了して、第2ステージのセルC4,C5,C6の電圧測定が開始されると、まず、スイッチS11がOFFされてスイッチS12がONされる。これによって、グランドGNDに接続されるグランド電位(基準電位)の信号ラインは、差動増幅器D3の+入力端子に接続される信号ラインに切り替わる。さらに、スイッチS4をONのままにして、スイッチS1〜S3を同時にOFFにし、スイッチS5〜S7を同時にONにして第2ステージのセル群の測定を開始する。
【0037】
このときは、セルC4→差動増幅器D3、セルC5→差動増幅器D2、セルC6→差動増幅器D1という逆方向測定が行われるが、グランド電位(基準電位)はスイッチS12によって差動増幅器D3の+入力端子に規制されるので、全ての差動増幅器D1,D2,D3は同一方向電位の単電源で動作を行うことができる。このようにして、測定ステージによって各差動増幅器D1,D2,D3に入力されるセル電圧の極性が変わっても、各差動増幅器D1,D2,D3は決められた基準電位のレベルから一方の電位の方向へ動作するので、各差動増幅器D1,D2,D3は単電源で十分に動作機能を実現することができる。
【0038】
図4は、各ステージのセル数を4セルとした場合の、本発明に係る入力回路の具体的な一実施例を示す回路図である。図4に示す入力回路10b(電池電圧測定回路)の例では、セル電圧測定用のスイッチS1〜S9及びグランド切り替え用のスイッチS11,S12を、燃料電池の全セル電圧に耐え得る耐圧のフォトMOSスイッチにした場合の例を示している。
【0039】
図4に示すように、ステージごとに4セルずつセル電圧を取得して行く。その際、共通に信号ラインを引き込む第1ステージと第2ステージの信号ラインには共通のスイッチ(フォトMOSスイッチ)S5が接続されているので、従来の入力回路に比べて、燃料電池を構成するステージ数とほぼ同数のフォトMOSスイッチを削減することができる。但し、その場合、差動増幅器D1,D2,D3,D4に入力されるセル電圧は、測定ステージが切り替わるごとに転極される。つまり、奇数番号のステージと偶数番号のステージが切り替わるごとに、差動増幅器D1,D2,D3,D4に入力されるセル電圧は正電位/負電位が逆に転極される。
【0040】
したがって、通常であれば、各差動増幅器D1,D2,D3,D4の電源は転極に対応するために正負両方向の両電源が必要となるが、図4の回路構成では、測定ステージが切り替わるごとに、スイッチ(フォトMOSスイッチ)S11,S12の切替操作によってステージの境界位置の信号ラインが交互にグランド電位(基準電位)に接続される。すなわち、測定ステージが切り替わるごとに、各ステージの最初の信号ラインをスイッチ(フォトMOSスイッチ)S11,S12によって交互にグランドGNDに落としている。
【0041】
さらに詳しく説明すると、図4において、第1ステージのセルC1の負極の信号ラインにスイッチ(フォトMOSスイッチ)S11を設けてグランドGNDに落とすと共に、第2ステージのセルC5の負極の信号ラインにスイッチ(フォトMOSスイッチ)S12を設けてグランドGNDに落としている。これらのスイッチ(フォトMOSスイッチ)S11,S12のON/OFFを測定ステージの奇数/偶数によって交互に切り替えることによって、つまり、第1ステージのセル群を測定しているときはスイッチ(フォトMOSスイッチ)S11をONにし、第2ステージのセル群を測定しているときはスイッチ(フォトMOSスイッチ)S12をONにすることによって、各差動増幅器D1,D2,D3,D4にはステージの切り替えごとに異極性のセル電圧が入力されても、グランド電位(基準電位)は基準となる差動増幅器の基準入力端子に規制される。
【0042】
このようにして、スイッチ(フォトMOSスイッチ)S11,S12によってグランドGNDを交互に切り替えることによって、ステージを切り替えるごとに交互に入力されるセル電圧の基準電位(グランド電位)が−/+に移動するため、各差動増幅器D1,D2,D3,D4に入力される電源は単一方向の単電源で間に合うことになる。そのため、各差動増幅器D1,D2,D3,D4のデバイス電源は両電源ではなく単電源でよいことになる。
【0043】
この結果、一度にスキャンできるセル数は、グランドの切り替えを行わない場合に比べて2倍に増やすことができる。例えば、前記したように、図1に示すようなグランドの切り替えを行わない場合は、差動増幅器の定格電圧が20Vmaxであって、セル電圧が2セル1組で3Vとすると、一度でスキャンできるセル数は20V÷2÷3V≒3セルとなる。つまり、差動増幅器に両電源が必要なために一度でスキャンできるセル数は3個になってしまう。
【0044】
一方、図3に示すようにグランドの切り替えを行う場合は、前記と同一条件の差動増幅器の定格電圧が20Vmaxで、セル電圧が2セル1組で3Vとすると、一度でスキャンできるセル数は20V÷3V≒6セルとなる。つまり、グランドの切り替えを行う場合は、グランドの切り替えを行わない場合に比べて一度にスキャンできるセル数を2倍に増やすことができるので、結果として、多チャンネルをより高速にスキャンして燃料電池のセル電圧を行うことができる。
【0045】
さらに、図4で説明すると、グランドの切り替えを行わない場合は、スイッチ(フォトMOSスイッチ)S5の信号ラインが断線したときは、第1ステージのセルC1,C2,C3,C4と第2ステージのセルC5,C6,C7,C8の8個のセルの測定が不可能となる。しかし、スイッチ(フォトMOSスイッチ)S11,S12によってグランドGNDを交互に切り替えることによって、第2ステージのセルC5,C6,C7,C8の4個のセルのみが測定が不可能となる。このように、グランドの切り替えを行うことによって信号ラインの断線時における測定不可能なセル数を半分に削減することができる。
【0046】
以上説明したように、本発明に係る入力回路(電池電圧測定回路)によれば、セル電圧を測定するセル群ごとに隣接するセルの電圧極性を反転させるので、各セル間のスイッチを共通化して部品点数を削減することができ、しかも、セル電圧の極性が反転しても、接地される信号ラインを切り替えることによって同一極性のセル電圧を検出することができるので、一方向電圧の単電源を用いて電圧測定を行うことが可能となる。その結果、単電源で動作する差動増幅器を使用することができるので、入力回路の材料費を大幅に低減させることができる。また、測定するセル群の極性が反転するごとに、そのセル群の両側の信号ラインが交互にグランドへ切り替え接続されるので、信号ラインのグランド切り替えを行わない場合に比べて、一度にスキャンできるセル数を2倍に増やすことができる。この結果、多チャンネルをより高速にスキャンすることができるので、燃料電池のように多数のセルが直列に接続されたセル群のセル電圧測定をより高速に行うことができる。
以上に述べた実施の形態は、燃料電池の各セルをスキャンしながらセル電圧を測定する場合について説明したが、本発明に係る入力回路は燃料電池のセル電圧測定に限定されるものではなく、直列に接続されたあらゆる2次電池のセル電圧測定や、直列に接続された乾電池の単電池電圧測定などに適用することもできる。
【0047】
本発明の入力回路は、燃料電池のセルなど複数のセルが直列に接続された起電力素子の起電力を従来よりも少ない部品点数で検出・測定することができるので、燃料電池システムが用いられる広範囲な産業分野を中心に、各種の電池の電圧監視が必要な分野で広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の前提条件となる、各ステージの境界位置におけるセルの信号ラインに設けたスイッチを共有化した入力回路の主要部を示す回路図である。
【図2】図1に示す入力回路におけるセルごとの測定電圧の極性を示す説明図である。
【図3】本発明に係る入力回路の主要部を示す回路図である。
【図4】各ステージのセル数を4セルとした場合の、本発明に係る入力回路の具体的な一実施例を示す回路図である。
【図5】従来の入力回路の主要部を示す回路図である。
【図6】図5に示す入力回路におけるセルごとの測定電圧の極性を示す説明図である。
【符号の説明】
【0049】
10,10a、10b 入力回路
B1〜B5 バッファ
C1〜C9 セル
D1〜D4 差動増幅器(電圧検出手段)
F1〜F3 フィルタ
R、r 抵抗
S1〜S10 スイッチ(開閉手段)
S11〜S12 スイッチ(切替手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセルが直列に接続された組電池のセル群をスキャンしながら前記セル群ごとに各セルの電圧を測定する電池電圧測定回路であって、
前記各セルの電圧を出力する各信号ラインのそれぞれに直列に接続された複数の開閉手段と、
前記セル群の両側の境界位置に存在する2系統の信号ラインを選択的に切り替えて接地させる切替手段と、
前記セル群ごとの各セルに対応する前記各信号ラインに個別に接続されて前記各セルの電圧を検出する複数の電圧検出手段と、
を備えることを特徴とする電池電圧測定回路。
【請求項2】
前記切替手段の切替操作によって前記2系統の信号ラインのうち、いずれかの信号ラインが接地されるごとに、前記電圧検出手段は同一極性のセル電圧を検出することを特徴とする請求項1に記載の電池電圧測定回路。
【請求項3】
前記切替手段は、前記各セルの電圧測定に供する前記セル群が、最初に電圧測定を行ったセル群から数えて奇数番目であるか偶数番目であるかを判定して、前記2系統の信号ラインを交互に接地させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電池電圧測定回路。
【請求項4】
前記開閉手段及び前記切替手段は、前記組電池の電圧より高い耐圧を有するフォトMOSスイッチであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の電池電圧測定回路。
【請求項5】
前記組電池は燃料電池であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の電池電圧測定回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−153780(P2006−153780A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−347874(P2004−347874)
【出願日】平成16年11月30日(2004.11.30)
【出願人】(000141901)株式会社ケーヒン (1,140)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】