説明

電流駆動装置

【課題】 低インピーダンスなバイアス電圧によって駆動する電流駆動装置を提供する。
【解決手段】 トランジスタT101R,T101Lによって構成されたカレントミラー回路は、基準電流Irefに応じてトランジスタT104にドレイン電流Idを供給する。差動増幅回路103は、端子102から供給された基準電圧Vcを反転入力端子に入力し、トランジスタT104のドレイン電圧Vrbを非反転入力端子に入力し、入力した基準電圧Vc,ドレイン電圧Vrbに応じた出力電圧をバイアス電圧Vbiasとして出力する。トランジスタT105a,T105bの各々は、ゲートに入力されたバイアス電圧Vbiasに応じた出力電圧Ioutを外部(表示素子回路)に出力する。また、トランジスタT104は、バイアス電圧Vbiasの制御によりトランジスタT101Rが供給する電流と一致する電流を流す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電流駆動装置に関するものであり、特に、有機EL(Electro Luminescence)パネルなどの表示用ドライバ等として利用する電流駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電流駆動装置30の全体構成を図22に示す。従来の電流駆動装置30は、入力として基準電流源REF(または前段の電流駆動装置)からの基準電流Irefを持ち、設定用基準トランジスタT3001Lと、供給用基準トランジスタT3001Rと、バイアス電圧生成用トランジスタT3003と、駆動トランジスタT3004a,T3004bとを備える。
【0003】
設定用基準トランジスタT3001Lは、電源ノードVddと基準電流源REFとの間に設けられ、ゲートとドレインとが互いに接続されている。供給用基準トランジスタT3001Rは、電源ノードVddとバイアス電圧生成用トランジスタT3003との間に設けられ、ゲートが設定用基準トランジスタT3001Lのゲートに接続されている。バイアス電圧生成用トランジスタT3003は、供給用基準トランジスタT3001Rと接地ノードとの間に設けられ、ゲートは駆動トランジスタT3004a,T3004bのゲートに接続されている。駆動トランジスタT3004a,T3004bの各々は、表示素子回路(図示せず)と接地ノードのと間に設けられる。
【0004】
次に、図22に示した電流駆動装置30による動作について説明する。従来の電流駆動装置30では、設定用基準トランジスタT3001L,供給用基準トランジスタT3001R,バイアス電圧生成用トランジスタT3003によって構成されたカレントミラー回路により、基準電流Irefからバイアス電圧Vbiasが生成される。駆動トランジスタT3004a,T3004bの各々は、カレントミラー回路によって生成されたバイアス電圧Vbiasをゲートに入力し、出力電流Ioutを生成する。このように、均一な出力電流Ioutを流すことによって、表示パネルにおける複数の表示素子回路を電流駆動している。
【特許文献1】特開2001−253108号公報(図6B)
【特許文献2】特開2003−131617号公報(図3)
【特許文献3】特開2003−288045号公報(図1)
【特許文献4】特開2004−109163号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の電流駆動装置では、基準電流Irefの電流値と等しいか比例関係にある電流値を有する出力電流Ioutを生成する能力(カレントミラー精度)を高精度にするために、例えば、カレントミラー回路に入力する基準電流Irefの電流値を大きくしなければならない。この方法では、電力を有効に使用することができず、また、カレントミラー回路を構成するトランジスタT3001R,T3001Lに大きな負担がかかってしまう。さらに、従来の電流駆動装置では、トランジスタの容量カップリングによってバイアス電圧(Vbias)が変動し、出力電流Ioutの電流値が変動してしまう可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の1つの局面に従うと、電流駆動装置は、基準電流の電流値に応じた電流値を有する出力電流を出力する。電流駆動装置は、電流電圧変換部と、バイアス電圧生成用トランジスタと、差動増幅回路と、駆動トランジスタとを備える。電流電圧変換部は、第1の電圧を受ける第1のノードと第2の電圧を受ける第2のノードとの間に接続される。バイアス電圧生成用トランジスタは、上記第1のノードと上記第2のノードとの間に、上記電流電圧変換部と直列に接続される。第3のノードは、上記基準電流の電流値に応じた電圧値を有する第3の電圧を受ける。差動増幅回路は、上記電流電圧変換部と上記調整用トランジスタとの相互接続ノードにおける電圧(第4の電圧)と上記第3のノードにおける電圧(第3の電圧)との差に応じた電圧値を有する第5の電圧を出力する。駆動トランジスタは、上記出力電流が出力される出力電流ノードと上記第2のノードとの間に接続され、上記差動増幅回路によって出力された上記第5の電圧をゲートに受ける。上記電流電圧変換部は、上記所定の抵抗値を有する。上記バイアス電圧生成用トランジスタは、上記差動増幅回路によって出力された第5の電圧をゲートに受ける。
【0007】
上記電流駆動装置では、電流電圧変換部およびバイアス電圧生成用トランジスタには、電流電圧変換部が有する抵抗値とバイアス電圧生成用トランジスタのチャネル抵抗の抵抗値とに応じた電流値を有するドレイン電流が流れる。また、差動増幅回路とバイアス電圧生成用トランジスタとは負帰還回路を構成しており、相互接続ノードにおける電圧(第4の電圧)の電圧値は、第3のノードにおける電圧(第3の電圧)の電圧値と一致するように制御される。このドレイン電流の電流値が基準電流の電流値に応じた値よりも小さい場合、ドレイン電流Idの電流値が基準電流の電流値に応じた値である場合と比較すると、電流電圧変換部おける電圧降下が小さくなるので、相互接続ノードにおける電圧(第4の電圧)は、第3のノードにおける電圧(第3の電圧)よりも高くなる。よって、差動増幅回路から出力される第5の電圧の電圧値は第4の電圧と第3の電圧とが等しい場合に出力される第5の電圧の電圧値よりも高くなるので、バイアス電圧生成用トランジスタのチャネル抵抗の抵抗値は小さくなる。したがって、電流電圧変換部およびバイアス電圧生成用トランジスタを流れるドレイン電流の電流値が大きくなる。また、ドレイン電流の電流値が大きくなることによって電流電圧変換部における電圧降下も大きくなるので、相互接続ノードにおける電圧(第4の電圧)の電圧値は低くなる。このように、バイアス電圧生成用トランジスタのチャネル抵抗の抵抗値が増加/減少することによって、ドレイン電流の電流値が基準電流の電流値に応じた値に近づく。以上のように、カレントミラー精度の高い電流駆動装置を実現することができる。また、差動増幅回路は出力インピーダンスが低いので、差動増幅回路における電圧降下が小さい。よって、従来の電流駆動装置よりも、電力を効率よく使用することができる。また、差動増幅回路は入力インピーダンスが高いので、変換部等にかかる電気的な負担が小さくてすむ。さらに、差動増幅回路と調整用トランジスタとによって構成された負帰還回路がバイアス電圧(第5の電圧)の電圧値を制御するので、トランジスタの容量カップリングによるバイアス電圧(第5の電圧)の変動を低減することができる。
【0008】
好ましくは、上記電流電圧変換部は、第1のトランジスタと第2のトランジスタと含む。上記第1のトランジスタは、上記第1のノードと、第4のノードとの間に接続され、かつ、ゲートとドレインとが接続される。上記第2のトランジスタは、上記第1のノードと上記相互接続ノードとの間に接続され、ゲートが上記第1のトランジスタのゲートに接続される。上記第1のノードと上記第4のノードとの間に上記基準電流が流れる。
【0009】
上記電流駆動装置では、第1のトランジスタのゲートには、基準電流の電流値に応じた電圧値を有するゲート電圧が発生する。第2のトランジスタのチャネル抵抗の抵抗値は、第1のトランジスタのゲートに発生したゲート電圧の電圧値に応じた値になる。第2のトランジスタおよびバイアス電圧生成用トランジスタには、第2のトランジスタのチャネル抵抗の抵抗値とバイアス電圧生成用トランジスタのチャネル抵抗の抵抗値とに応じた電流値を有するドレイン電流が流れる。また、差動増幅回路とバイアス電圧生成用トランジスタとは負帰還回路を構成しており、相互接続ノードにおける電圧(第4の電圧)の電圧値は第3のノードにおける電圧(第3の電圧)の電圧値と一致するように制御される。また、第1のトランジスタのドレイン電圧および第3の電圧は、ともに、基準電流の電流値に応じた電圧値を示す。よって、第2のトランジスタのドレイン電圧(第4の電圧)を第1のトランジスタのドレイン電圧に近づけることができる。これにより、ドレイン電圧依存性(アーリー効果)による影響を低減することができる。
【0010】
好ましくは、上記第3のノードと上記第4のノードとが接続される。
【0011】
上記電流駆動装置では、第1のトランジスタのドレイン電圧の電圧値は、第3の電圧の電圧値と等しい。よって、第2のトランジスタのドレイン電圧(第4の電圧)を第1のトランジスタのドレイン電圧に近づけることができる。これにより、ドレイン電圧依存性(アーリー効果)による影響を低減することができる。
【0012】
好ましくは、上記装置は、さらに、第1の接続状態と第2の接続状態とを切り替える接続切替部を備える。上記接続切替部は、上記第1の接続状態では、上記第1のトランジスタを上記第1のノードと第4のノードとの間に接続し、かつ、上記第1のトランジスタのゲートとドレインとを接続する。また、上記接続切替部は、上記第2のトランジスタを上記第1のノードと上記相互接続ノードとの間に接続し、かつ、ゲートを上記第1のトランジスタのゲートに接続する。また、上記接続切替部は、上記第2の接続状態では、上記第2のトランジスタを上記第1のノードと第4のノードとの間に接続し、かつ、上記第2のトランジスタのゲートとドレインとを接続する。また、上記接続切替部は、上記第1のトランジスタを上記第1のノードと上記相互接続ノードとの間に接続し、かつ、ゲートを上記第2のトランジスタのゲートに接続する。
【0013】
上記電流駆動装置では、第1および第2のトランジスタによって構成されるカレントミラー回路の入力側のトランジスタと出力側のトランジスタとを切り替える。これにより、第1および第2のトランジスタ間の特性差による誤差を平均化することができるので、出力電流の電流値のずれが一方向に偏らない。例えば、複数の電流駆動装置を用いて表示パネルを駆動する場合において、その表示パネルの発光輝度のばらつきを低減することができる。
【0014】
好ましくは、上記接続切替部は、第1のスイッチング素子と、第2のスイッチング素子と、第3のスイッチング素子と、第4のスイッチング素子とを含む。第1のスイッチング素子は、上記第1のトランジスタと上記第4のノードとの間に接続される。第2のスイッチング素子は、上記第1のトランジスタと上記相互接続ノードとの間に接続される。第3のスイッチング素子は、上記第2のトランジスタと上記第4のノードとの間に接続される。第4のスイッチング素子は、上記第2のトランジスタと上記相互接続ノードとの間に接続される。上記第1の接続状態では、上記第1および第4のスイッチング素子がオンし、上記第2および第3のスイッチング素子がオフする。上記第2の接続状態では、上記第2および第3のスイッチング素子がオンし、上記第1および第4のスイッチング素子がオフする。
【0015】
好ましくは、上記電流電圧変換部は、第1のトランジスタとバイアス電圧調整部とを含む。上記第1のトランジスタは、上記第1のノードと、第4のノードとの間に接続され、かつ、ゲートがドレインに接続される。上記第1のノードと上記第4のノードとの間には上記基準電流が流れる。上記バイアス電圧調整部は、上記第1のノードと上記相互接続ノードとの間に接続され、かつ、第1のトランジスタのゲートに発生するゲート電圧の電圧値に応じた抵抗値を示す。上記ゲート電圧の電圧値とそのゲート電圧の電圧値に応じて上記バイアス電圧調整部が示す抵抗値との関係は、任意に設定することができる。
【0016】
上記電流駆動装置では、ゲート電圧の電圧値とそのゲート電圧の電圧値に応じて上記バイアス電圧調整部が示す抵抗値との関係を調整することによって、バイアス電圧生成用トランジスタに流れるドレイン電流の電流値を調整することができる。これにより、出力電流の電流値を最適な状態にすることができる。
【0017】
好ましくは、上記電流電圧変換部は、第1のトランジスタと、K個(Kは自然数)の第2のトランジスタとを含む。上記第1のトランジスタは、上記第1のノードと、第4のノードとの間に接続され、かつ、ゲートとドレインとが接続される。上記K個の第2のトランジスタは、上記第1のノードと上記相互接続ノードとの間に並列に接続される。上記K個の第2のトランジスタの各々は、ゲートが上記第1のトランジスタのゲートと接続される。上記第1のノードと上記第4のノードとの間に上記基準電流が流れる。
【0018】
上記電流駆動装置では、第2のトランジスタのばらつきによる影響を低減することができる。
【0019】
好ましくは、上記装置は、さらに、制御部と、接続部とを備える。制御部は、上記K個の第2のトランジスタのうちP個(Pは自然数:P≦K)の第2のトランジスタを選択する。接続部は、上記制御部によって選択されたP個の第2のトランジスタの各々のドレインを上記相互接続ノードに接続する。
【0020】
上記電流駆動装置では、第1のトランジスタのゲートに発生したゲート電圧を受ける第2のトランジスタの個数を選択することができる。これにより、バイアス電圧生成用トランジスタに流れるドレイン電流の電流値が最適な状態になるように調整することができる。
【0021】
好ましくは、上記装置は、さらに、記憶部を備える。記憶部は、上記K個の第2のトランジスタのうち上記制御部が選択すべきトランジスタの個数を示す情報を記憶する。上記制御部は、上記記憶部に記憶された情報に従って、上記K個の第2のトランジスタのうちP個の第2のトランジスタを選択する選択する。
【0022】
上記電流駆動装置では、バイアス電圧生成用トランジスタに流れるドレイン電流の電流値が最適な状態になるときの第2のトランジスタの個数を記憶部に記憶していれば、バイアス電圧生成用トランジスタに流れるドレイン電流の電流値が最適な状態を維持することができる。
【0023】
好ましくは、上記記憶部は、複数のヒューズを含む。上記制御部は、条件固定モードとエミュレートモードとを有する。上記制御部は、上記条件固定モードになると、上記複数のヒューズの切断状態に応じて、上記K個の第2のトランジスタのうちP個の第2のトランジスタを選択する。また、上記制御部は、上記エミュレートモードになると、上記複数のヒューズの切断状態をエミュレートすることによって、上記K個の第2のトランジスタのうちP個の第2のトランジスタを選択する。
【0024】
好ましくは、上記電流電圧変換部は、ゲート電圧調整部と、第1のトランジスタとを含む。上記第1のノードと、第4のノードとの間には、上記基準電流が流れる。上記ゲート電圧調整部は、上記第1のノードと上記第4のノードとの間に接続され、かつ、上記基準電流の電流値に応じた電圧値を有するゲート電圧を生成する。上記第1のトランジスタは、上記第1のノードと上記相互接続ノードとの間に接続され、上記ゲート電圧調整部によって生成されたゲート電圧をゲートに受ける。上記基準電流の電流値とその基準電流の電流値に応じて上記ゲート電圧調整部が生成するゲート電圧の電圧値との関係は、任意に設定することができる。
【0025】
上記電流駆動装置では、基準電流の電流値とその基準電流の電流値に応じてゲート電圧調整部が生成するゲート電圧の電圧値との関係を調整することによって、バイアス電圧生成用トランジスタに流れるドレイン電流の電流値を調整することができる。これにより、出力電流の電流値を最適な状態にすることができる。
【0026】
好ましくは、上記電流電圧変換部は、K個(Kは自然数)の第1のトランジスタと、第2のトランジスタとを含む。上記K個の第1のトランジスタは、上記第1のノードと、第4のノードとの間に並列に接続される。上記K個の第1のトランジスタの各々は、ゲートとドレインとが接続される。上記第2のトランジスタは、上記第1のノードと上記相互接続ノードとの間に接続され、かつ、ゲートが上記複数の第1のトランジスタの各々のゲートに接続される。
【0027】
上記電流駆動装置では、第1のトランジスタのばらつきによる影響を低減することができる。
【0028】
好ましくは、上記装置は、さらに、制御部と、接続部とを備える。制御部は、上記K個の第1のトランジスタのうちP個(Pは自然数:P≦K)の第1のトランジスタを選択する。接続部は、上記制御部によって選択されたP個の第1のトランジスタの各々において、その第1のトランジスタのゲートとドレインとを接続する。
【0029】
上記電流駆動装置では、 第2のトランジスタのゲートに与えるゲート電圧を生成する第1のトランジスタの個数を選択することができる。これにより、バイアス電圧生成用トランジスタに流れるドレイン電流の電流値が最適な状態になるように調整することができる。
【0030】
好ましくは、上記装置は、さらに、記憶部を備える。記憶部は、上記K個の第1のトランジスタのうち上記制御部が選択すべきトランジスタの個数を示す情報を記憶する。上記制御部は、上記記憶部に記憶された情報に従って、上記K個の第1のトランジスタのうちP個の第1のトランジスタを選択する、
上記電流駆動装置では、バイアス電圧生成用トランジスタに流れるドレイン電流の電流値が最適な状態になるときの第1のトランジスタの個数を記憶部に記憶していれば、バイアス電圧生成用トランジスタに流れるドレイン電流の電流値が最適な状態を維持することができる。
【0031】
好ましくは、上記記憶部は、複数のヒューズを含む。上記制御部は、条件固定モードとエミュレートモードとを有する。上記制御部は、上記条件固定モードになると、上記複数のヒューズの切断状態に応じて、上記K個の第1のトランジスタのうちP個の第1のトランジスタを選択する。また、上記制御部は、上記エミュレートモードになると、上記複数のヒューズの切断状態をエミュレートすることによって、上記K個の第1のトランジスタのうちP個の第1のトランジスタを選択する。
【0032】
好ましくは、上記電流電圧変換部は、第1の抵抗と、第2の抵抗を含む。上記第1の抵抗は、上記第1のノードと上記第3のノードとの間に接続される。上記第2の抵抗は、上記第1のノードと上記相互接続ノードとの間に接続される。上記第1のノードと上記第3のノードとの間には上記基準電流が流れる。
【0033】
上記電流駆動装置では、第3のノードには、第1の抵抗が有する抵抗値と基準電流の電流値とに応じた電圧値を有する第3の電圧が発生する。第2の抵抗およびバイアス電圧生成用トランジスタには、第2の抵抗が有する抵抗値とバイアス電圧生成用トランジスタのチャネル抵抗の抵抗値とに応じた電流値を有するドレイン電流が流れる。また、相互接続ノードには、第2の抵抗における電圧降下に応じた電圧値を有する第4の電圧が発生する。差動増幅回路とバイアス電圧生成用トランジスタとは負帰還回路を構成しており、相互接続ノードにおける電圧(第4の電圧)の電圧値は第3のノードにおける電圧(第3の電圧)の電圧値と一致するように制御される。バイアス電圧生成用トランジスタのチャネル抵抗の抵抗値が増加/減少することによって、ドレイン電流Idの電流値が基準電流の電流値に応じた値に近づく。以上のように、カレントミラー精度の高い電流駆動装置を実現することができる。
【0034】
好ましくは、上記装置は、さらに、第1の接続状態と第2の接続状態とを切り替える接続切替部を備える。上記接続切替部は、上記第1の接続状態では、上記第1の抵抗を上記第1のノードと上記第3のノードとの間に接続し、上記第2の抵抗を上記第1のノードと上記相互接続ノードとの間に接続する。また、上記接続切替部は、上記第2の接続状態では、上記第1の抵抗を上記第1のノードと上記相互接続ノードとの間に接続し、上記第2の抵抗を上記第1のノードと上記第3のノードとの間に接続する。
【0035】
上記電流駆動装置では、第1の抵抗と第2の抵抗との配置を切り替える。これにより、第1および第2の抵抗間の特性差による誤差を平均化することができるので、出力電流の電流値のずれが一方向に偏らない。例えば、複数の電流駆動装置を用いて表示パネルを駆動する場合において、その表示パネルの発光輝度のばらつきを低減することができる。
【0036】
好ましくは、上記接続切替部は、第1のスイッチング素子と、第2のスイッチング素子と、第3のスイッチング素子と、第4のスイッチング素子と、第5のスイッチング素子と、第6のスイッチング素子と、第7のスイッチング素子と、第8のスイッチング素子とを含む。第1のスイッチング素子は、上記第1の抵抗と上記第3のノードとの間に接続される。第2のスイッチング素子は、上記第2の抵抗と上記第3のノードとの間に接続される。第3のスイッチング素子は、上記第1の抵抗と上記バイアス電圧生成用トランジスタとの間に接続される。第4のスイッチング素子は、上記第2の抵抗と上記バイアス電圧生成用トランジスタとの間に接続される。第5のスイッチング素子は、上記第1の抵抗と上記差動増幅回路の非反転入力端子の間に接続される。第6のスイッチング素子は、上記第2の抵抗と上記差動増幅回路の非反転入力端子の間に接続される。第7のスイッチング素子は、上記第1の抵抗と上記差動増幅回路の反転入力端子の間に接続される。第8のスイッチング素子は、上記第2の抵抗と上記差動増幅回路の反転入力端子の間に接続される。上記第1の接続状態では、上記第1,4,6,7のスイッチング素子がオンし、上記第2,3,5,8のスイッチング素子がオフする。上記第2の接続状態では、上記第2,3,5,8のスイッチング素子がオンし、上記第1,4,6,7のスイッチング素子がオフする。
【0037】
好ましくは、上記第2の抵抗は、抵抗値を任意に設定することができる抵抗である。
【0038】
上記電流駆動装置では、第2の抵抗が有する抵抗値を調整することによって、バイアス電圧生成用トランジスタに流れるドレイン電流の電流値を調整することができる。これにより、出力電流の電流値を最適な状態にすることができる。
【0039】
好ましくは、上記第2の抵抗は、上記第1のノードと、第4のノードとの間に、K個(Kは自然数)の第3の抵抗がラダー状に接続された構成である。上記装置は、さらに、制御部と、接続部とを備える。上記制御部は、上記K個の第3の抵抗のうち上記第1のノードから数えてP個目(Pは自然数:P≦K)に存在する第3の抵抗を選択する。上記接続部は、上記制御部によって選択されたP個目の第3の抵抗を上記相互接続ノードに接続する接続部とを備える。
【0040】
上記電流駆動装置では、上記第1のノードから数えてP個目に存在する第3の抵抗を相互接続ノードに接続することによって、第1のノードと第2のノードとの間にP個の第3の抵抗とバイアス電圧生成用トランジスタとが直列に接続される。よって、バイアス電圧生成用トランジスタに流れるドレイン電流の電流値は、バイアス電圧生成用トランジスタのチャネル抵抗の抵抗値とP個の第3の抵抗の各々が示す抵抗値の合計値とに応じた値になる。つまり、バイアス電圧生成用トランジスタに流れるドレイン電流の電流値を調整することができる。これにより、出力電流の電流値を最適な状態にすることができる。
【0041】
好ましくは、上記装置は、さらに、記憶部を備える。記憶部は、上記K個の第3の抵抗のうち上記制御部が選択すべき第3の抵抗の位置を示す情報を記憶する。上記制御部は、上記記憶部に記憶された情報に従って、上記K個の第3の抵抗のうち上記第1のノードから数えてP個目に存在する第3の抵抗を選択する。
【0042】
上記電流駆動装置では、バイアス電圧生成用トランジスタに流れるドレイン電流の電流値が最適な状態になるときに選択される第3の抵抗の位置を記憶部に記憶していれば、バイアス電圧生成用トランジスタに流れるドレイン電流の電流値が最適な状態を維持することができる。
【0043】
好ましくは、上記記憶部は、複数のヒューズを含む。上記制御部は、条件固定モードとエミュレートモードとを有する。上記制御部は、上記条件固定モードになると、上記複数のヒューズの切断状態に応じて、上記K個の第3の抵抗のうち上記第1のノードから数えてP個目(Pは自然数:P≦K)に存在する第3の抵抗を選択する。また、上記制御部は、上記エミュレートモードになると、上記複数のヒューズの切断状態をエミュレートすることによって、上記K個の第3の抵抗のうち上記第1のノードから数えてP個目(Pは自然数:P≦K)に存在する第3の抵抗を選択する。
【0044】
好ましくは、上記差動増幅回路は、第1のトランジスタおよび第3のトランジスタと、第2のトランジスタおよび第4のトランジスタとを含む。第1のトランジスタおよび第3のトランジスタは、上記第1のノードと上記第2のノードとの間に直列に接続される。第2のトランジスタおよび第4のトランジスタは、上記第1のノードと上記第2のノードとの間に直列に接続される。上記第1のトランジスタは、上記第1のノードと上記第3のトランジスタとの間に接続され、かつ、上記相互接続ノードの電圧(第4の電圧)をゲートに受ける。上記第2のトランジスタは、
上記第1のノードと上記第4のトランジスタとの間に接続され、かつ、上記第3のノードの電圧(第3の電圧)をゲートに受ける。上記第3のトランジスタは、上記第1のトランジスタと上記第2のノードとの間に接続され、かつ、ドレインとゲートとが接続されている。上記第4のトランジスタは、上記第2のトランジスタと上記第2のノードとの間に接続され、かつ、ゲートが上記第3のトランジスタのゲートに接続される。
【0045】
上記電流駆動装置では、第4のトランジスタのドレイン電圧が上記差動増幅回路の出力電圧(第5の電圧)として出力される。
【0046】
好ましくは、上記差動増幅回路は、さらに、第1の接続状態と第2の接続状態を切り替える接続切替部を含む。上記接続切替部は、上記第1の接続状態では、上記第1のトランジスタを上記第1のノードと上記第3のトランジスタとの間に接続し、上記第2のトランジスタを上記第1のノードと上記第4のトランジスタとの間に接続し、上記相互接続ノードの電圧(第4の電圧)を上記第1のトランジスタのゲートに与え、上記第3のノードの電圧(第3の電圧)を上記第2のトランジスタのゲートに与える。また、上記接続切替部は、上記第2の接続状態では、上記第1のトランジスタを上記第1のノードと上記第4のトランジスタとの間に接続し、上記第2のトランジスタを上記第1のノードと上記第3のトランジスタとの間に接続し、上記相互接続ノードの電圧(第4の電圧)を上記第2のトランジスタのゲートに与え、上記第3のノードの電圧(第3の電圧)を上記第1のトランジスタのゲートに与える。
【0047】
上記電流駆動装置では、第1のトランジスタと第2のトランジスタとの配置を切り替える。これにより、第1および第2のトランジスタ間の特性差による誤差(差動増幅回路におけるオフセットのばらつき)を平均化することができるので、出力電流の電流値のずれが一方向に偏らない。複数の電流駆動装置を用いて表示パネルを駆動する場合において、その表示パネルの発光輝度のばらつきを低減することができる。
【0048】
好ましくは、上記接続切替部は、第1のスイッチング素子と、第2のスイッチング素子と、第3のスイッチング素子と、第4のスイッチング素子と、第5のスイッチング素子と、第6のスイッチング素子と、第7のスイッチング素子と、第8のスイッチング素子とを含む。第1のスイッチング素子は、上記相互接続ノードと上記第1のトランジスタのゲートとの間に接続される。第2のスイッチング素子は、上記相互接続ノードと上記第2のトランジスタのゲートとの間に接続される。第3のスイッチング素子は、上記第3のノードと上記第1のトランジスタのゲートとの間に接続される。第4のスイッチング素子は、上記第3のノードと上記第2のトランジスタのゲートとの間に接続される。第5のスイッチング素子は、上記第1のトランジスタと上記第3のトランジスタとの間に接続される。第6のスイッチング素子は、上記第1のトランジスタと上記第4のトランジスタとの間に接続される。第7のスイッチング素子は、上記第2のトランジスタと上記第3のトランジスタとの間に接続される。第8のスイッチング素子は、上記第2のトランジスタと上記第4のトランジスタとの間に接続される。上記第1の接続状態では、上記第1,4,5,8のスイッチング素子がオンし、第2,3,6,7のスイッチング素子がオフする。上記第2の接続状態では、上記第2,3,6,7のスイッチング素子がオンし、上記第1,4,5,8のスイッチング素子がオフする。
【0049】
好ましくは、上記第3のトランジスタのゲートは、上記第4のトランジスタのゲートに接続されている。上記差動増幅回路は、さらに、第1の接続状態と第2の接続状態を切り替える接続切替部を含む。上記接続切替部は、上記第1の接続状態では、上記第3のトランジスタを上記第1のトランジスタと上記第2のノードとの間に接続し、上記第4のトランジスタを上記第2のトランジスタと上記第2のノードとの間に接続し、上記第3のトランジスタのゲートとドレインとを接続する。また、上記接続切替部は、上記第2の接続状態では、上記第4のトランジスタを上記第1のトランジスタと上記第2のノードとの間に接続し、上記第3のトランジスタを上記第2のトランジスタと上記第2のノードとの間に接続し、上記第4のトランジスタのゲートとドレインとを接続する。
【0050】
上記電流駆動装置では、第3のトランジスタと第4のトランジスタとの配置を切り替える。第1の接続状態では、第4のトランジスタのドレイン電圧を差動増幅回路の出力電圧(第5の電圧)として出力する。第2の接続状態では、第3のトランジスタのドレイン電圧を差動増幅回路の出力電圧(第5の電圧)として出力する。これにより、第3のトランジスタと第4のトランジスタとの間の特性差による誤差(差動増幅回路におけるオフセットのばらつき)を平均化することができるので、出力電流の電流値のずれが一方向に偏らない。複数の電流駆動装置を用いて表示パネルを駆動する場合において、その表示パネルの発光輝度のばらつきを低減することができる。
【0051】
好ましくは、上記接続切替部は、第1のスイッチング素子と、第2のスイッチング素子と、第3のスイッチング素子と、第4のスイッチング素子と、第5のスイッチング素子と、第6のスイッチング素子と、第7のスイッチング素子と、第8のスイッチング素子とを含む。第1のスイッチング素子は、上記第1のトランジスタと上記第3のトランジスタとの間に接続される。第2のスイッチング素子は、上記第1のトランジスタと上記第4のトランジスタとの間に接続される。第3のスイッチング素子は、上記第2のトランジスタと上記第3のトランジスタとの間に接続される。第4のスイッチング素子は、上記第2のトランジスタと上記第4のトランジスタとの間に接続される。第5のスイッチング素子は、上記第3のトランジスタのゲートとドレインとの間に接続される。第6のスイッチング素子は、上記第4のトランジスタのゲートとドレインとの間に接続される。第7のスイッチング素子は、上記第3のトランジスタのドレインと第5のノードとの間に接続される。第8のスイッチング素子は、上記第4のトランジスタのドレインと上記第5のノードとの間に接続される。上記第1の接続状態では、上記第1,4,5,8のスイッチング素子がオンし、第2,3,6,7のスイッチング素子がオフする。上記第2の接続状態では、第2,3,6,7のスイッチング素子がオンし、上記第1,4,5,8のスイッチング素子がオフする。
【0052】
好ましくは、上記第3のトランジスタのゲートは、上記第4のトランジスタのゲートに接続されている。上記差動増幅回路は、さらに、第1の接続状態と第2の接続状態とを切り替える接続切替部を含む。上記接続切替部は、上記第1の接続状態では、上記相互接続ノードの電圧(第4の電圧)を上記第1のトランジスタのゲートに与え、上記第3のノードの電圧(第3の電圧)を上記第2のトランジスタのゲートに与え、上記第3のトランジスタのゲートとドレインとを接続する。また、上記接続切替部は、上記第2の接続状態では、上記相互接続ノードの電圧(第4の電圧)を上記第2のトランジスタのゲートに入力し、上記第3のノードの電圧(第3の電圧)を上記第1のトランジスタのゲートに入力し、上記第4のトランジスタのゲートとドレインとを接続する。
【0053】
上記電流駆動装置では、第1および第3のトランジスタと第2および第4のトランジスタとの配置を切り替える。第1の接続状態では、第4のトランジスタのドレイン電圧を差動増幅回路の出力電圧(第5の電圧)として出力する。第2の接続状態では、第3のトランジスタのドレイン電圧を差動増幅回路の出力電圧(第5の電圧)として出力する。これにより、第1および第3のトランジスタと第2および第4のトランジスタとの間の特性差による誤差(差動増幅回路におけるオフセットのばらつき)を平均化することができるので、出力電流の電流値のずれが一方向に偏らない。例えば、複数の電流駆動装置を用いて表示パネルを駆動する場合において、その表示パネルの発光輝度のばらつきを低減することができる。
【0054】
好ましくは、上記接続切替部は、第1のスイッチング素子と、第2のスイッチング素子と、第3のスイッチング素子と、第4のスイッチング素子と、第5のスイッチング素子と、第6のスイッチング素子と、第7のスイッチング素子と、第8のスイッチング素子とを含む。第1のスイッチング素子は、上記第3のノードと上記第1のトランジスタのゲートとの間に接続される。第2のスイッチング素子は、上記第3のノードと上記第2のトランジスタのゲートとの間に接続される。第3のスイッチング素子は、上記相互接続ノードと上記第1のトランジスタのゲートとの間に接続される。第4のスイッチング素子は、上記相互接続ノードと上記第2のトランジスタのゲートとの間に接続される。第5のスイッチング素子は、上記第3のトランジスタのゲートとドレインとの間に接続される。第6のスイッチング素子は、上記第4のトランジスタのゲートとドレインとの間に接続される。第7のスイッチング素子は、上記第3のトランジスタのドレインと第5のノードとの間に接続される。第8のスイッチング素子は、上記第4のトランジスタのドレインと上記第5のノードとの間に接続される。上記第1の接続状態では、上記第1,4,6,7のスイッチング素子がオンし、上記第2,3,5,8のスイッチング素子がオフする。上記第2の接続状態では、上記第2,3,5,8のスイッチング素子がオンし、上記第1,4,6,7のスイッチング素子がオフする。
【0055】
好ましくは、上記装置は、さらに、電圧制限用トランジスタを備える。電圧制限用トランジスタは、上記第1のノードと上記調整用トランジスタとの間に接続され、ゲートに所定の制限電圧を受ける。
【0056】
上記電流駆動装置では、バイアス電圧生成用トランジスタのドレイン電圧を駆動トランジスタのドレイン電圧にあわせることができるので、駆動トランジスタにおけるドレイン電圧依存性による誤差を低減することができる。
【0057】
好ましくは、上記装置は、さらに、出力電圧制限用トランジスタを備える。出力電圧制限用トランジスタは、上記出力電流ノードと上記駆動トランジスタとの間に接続され、ゲートが上記電圧制限用トランジスタのゲートに接続される。
【0058】
上記電流駆動装置では、バイアス電圧生成用トランジスタのドレイン電圧と駆動トランジスタのドレイン電圧とをほぼ一致させることができるので、駆動トランジスタにおけるドレイン電圧依存性による誤差を低減することができる。
【0059】
好ましくは、複数の上記電流駆動装置は、直列に配置されている。上記複数の電流駆動装置の各々は、その電流駆動装置の前段に配置された電流駆動装置の駆動トランジスタが出力する出力電流の電流値に応じた電流値を有する電流が、その電流駆動装置の上記第1のノードと上記第3のノードとの間に流れる。
【0060】
上記電流駆動装置では、大型の電流駆動装置を構成することができる。
【発明の効果】
【0061】
以上のように、カレントミラー精度の高い電流駆動装置を実現することができる。また、差動増幅回路は出力インピーダンスが低いので、差動増幅回路における電圧降下が小さい。よって、従来の電流駆動装置よりも、電力を効率よく使用することができる。また、差動増幅回路は入力インピーダンスが高いので、変換部等にかかる電気的な負担が小さくてすむ。さらに、差動増幅回路と調整用トランジスタとによって構成された負帰還回路がバイアス電圧(第5の電圧)の電圧値を制御するので、トランジスタの容量カップリングによるバイアス電圧(第5の電圧)の変動を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0062】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付しその説明は繰り返さない。
【0063】
(第1の実施形態)
<全体構成>
この発明の第1の実施形態による電流駆動装置1の全体構成を図1に示す。この装置1は、有機EL等の複数の表示素子回路(図示せず)に電流を供給する装置であり、基準電流源REFによって供給される基準電流Irefを入力し、入力した基準電流Irefの電流値と同一の電流値を示す出力電流Ioutまたは入力した基準電流Irefの電流値と比例関係にある電流値を有する出力電流Iout(基準電流Irefの電流値に対して所望の倍率を乗じて得られる電流値を有する出力電流Iout)を複数の表示素子回路に出力する。この装置1は、電流電圧変換用トランジスタT101R,T101Lと、基準電圧供給端子102と、差動増幅回路103と、バイアス電圧生成用トランジスタT104と、駆動トランジスタT105a,T105bとを備える。
【0064】
電流電圧変換用トランジスタT101Rと電流電圧変換用トランジスタT101Lとはカレントミラー回路を構成しており、電流電圧変換用トランジスタT101Lに基準電流Irefが流れると、そのカレントミラー回路のミラー比に応じた電流値を有するドレイン電流Idが電流電圧変換用トランジスタT101Rに流れる。
【0065】
電流電圧変換用トランジスタT101Lは、内部電源ノードVddと基準電流源REFとの間に設けられ、電流電圧変換用トランジスタT101Lのゲートが電流電圧変換用トランジスタT101Lのドレインと電流電圧変換用トランジスタT101Rのゲートとに接続されている。よって、電流電圧変換用トランジスタT101Lに基準電流Irefが流れると、電流電圧変換用トランジスタT101Lのゲートには基準電流Irefの電流値に応じた電圧値を有するゲート電圧Vidが発生する。
【0066】
電流電圧変換用トランジスタT101Rおよび調整用トランジスタT104は、内部電源ノードVddと接地ノードGNDとの間に直列に接続されている。電流電圧変換用トランジスタT101Rは、内部電源ノードVddとノードN103との間に接続され、ゲートが電流電圧変換用トランジスタT101Lのゲートに接続されている。電流電圧変換用トランジスタT101Rのチャネル抵抗の抵抗値は、ゲートに印加されたゲート電圧Vidの電圧値に応じた値になる。バイアス電圧生成用トランジスタT104のチャネル抵抗の抵抗値は、ゲートに印加されたバイアス電圧Vbiasの電圧値に応じた値になる。これにより、電流電圧変換用トランジスタT101Rおよびバイアス電圧生成用トランジスタT104には、電流電圧変換用トランジスタT101Rのチャネル抵抗値とバイアス電圧生成用トランジスタT104のチャネル抵抗値とに応じた電流値を有するドレイン電流Idが流れる。また、ノードN103には、電流電圧変換用トランジスタT101Rにおける電圧降下に応じた電圧値を有するドレイン電圧Vrbが発生する。
【0067】
基準電圧供給端子102は、差動増幅回路103の反転入力端子に基準電圧Vcを供給する。なお、ここでは、基準電圧Vcは、電圧電流変換用トランジスタT101Rが飽和動作することができる電圧であり、かつ、基準電圧Vcの電圧値はゲート電圧Vidの電圧値とほぼ一致していると想定する。
【0068】
差動増幅回路103とバイアス電圧生成用トランジスタT104とは負帰還回路を構成しており、ドレイン電圧Vrbの電圧値は基準電圧Vcの電圧値と一致するように制御される。
【0069】
差動増幅回路103は、非反転入力端子がノードN103に接続され、反転入力端子が基準電圧供給端子102に接続され、出力端子がゲート線G104に接続されている。差動増幅回路103は、ノードN103に発生したドレイン電圧Vrbの電圧値と基準電圧供給端子102から供給された基準電圧Vcの電圧値との差に応じた電圧値を有するバイアス電圧Vbiasを出力する。
【0070】
バイアス電圧生成用トランジスタT104は、ノードN103と接地ノードとの間に設けられ、ゲートはゲート線G104に接続されている。バイアス電圧生成用トランジスタT104のゲートにバイアス電圧Vbiasを受けると、そのバイアス電圧Vbiasの電圧値に応じてバイアス電圧生成用トランジスタT104のチャネル抵抗の抵抗値が変化する。よって、電流電圧変換用トランジスタT101Rおよびバイアス電圧生成用トランジスタT104を流れるドレイン電流Idの電流値が変化する。また、ドレイン電流Idの電流値が変化することによって電流電圧変換用トランジスタT101Rにおける電圧降下の大きさも変化する。
【0071】
バイアス電圧生成用トランジスタT104と駆動トランジスタT105a,105bの各々とはカレントミラー回路を構成しており、バイアス電圧生成用トランジスタT104にドレイン電流Idが流れると、そのカレントミラー回路のミラー比に応じた電流値を有する出力電流Ioutが駆動トランジスタT105a,T105bの各々に流れる。
【0072】
駆動トランジスタT105a,T105bの各々は、表示素子回路(図示せず)と接地ノードとの間に設けられ、ゲートはゲート線G104に接続されている。駆動トランジスタT105a,T105bの各々には、ゲート線G104に入力されたバイアス電圧Vbiasの電圧値に応じた電流値の出力電流Ioutが流れる。
【0073】
なお、ここでは、電流電圧変換用トランジスタT101R,T101Lによって構成されるカレントミラー回路のミラー比を「1:1」であると想定する。また、バイアス電圧生成用トランジスタT104と駆動トランジスタT105a,T105bによって構成されるカレントミラー回路のミラー比も「1:1」であると想定する。つまり、電流電圧変換用トランジスタT101R,T101Lの各々が示すI−V特性(ゲート電圧の電圧値とそのゲート電圧に応じて流れるドレイン電流の電流値との関係)は等しく、駆動トランジスタT105a,T105bの各々が示すI−V特性は等しい。
【0074】
<動作>
次に、図1に示した電流駆動装置1による動作について説明する。
【0075】
まず、基準電流源REFと接続された電流電圧変換用トランジスタT101Lに、基準電流Irefが流れる。電流電圧変換用トランジスタT101Lはゲートとドレインとが接続されているので、トランジスタT101Lのゲートには基準電流Irefの電流値に応じた電圧値を有するゲート電圧Vidが発生する。
【0076】
次に、電流電圧変換用トランジスタT101Rのチャネル抵抗の抵抗値は、ゲート電圧Vidの電圧値に応じた値になる。よって、電流電圧変換用トランジスタT101R,バイアス電圧生成用トランジスタT104には、電流電圧変換用トランジスタT101Rのチャネル抵抗の抵抗値とバイアス電圧生成用トランジスタT104のチャネル抵抗の抵抗値とに応じた電流値を有するドレイン電流Idが流れる。また、電流電圧変換用トランジスタT101Rには、そのトランジスタT101Rのチャネル抵抗の抵抗値とそのトランジスタT101Rを流れるドレイン電流Idの電流値との応じた電圧降下が生じる。よって、ノードN103には、電流電圧変換用トランジスタT101Rにおける電圧降下に応じた電圧値を有するドレイン電圧Vrbが発生する。
【0077】
次に、ノードN103に発生したドレイン電圧Vrbは、差動増幅回路103の非反転入力端子に入力される。一方、基準電圧供給端子102によって供給された基準電圧Vcは、差動増幅回路103の反転入力端子に入力される。
【0078】
次に、差動増幅回路103は、非反転入力端子に入力したドレイン電圧Vrbと反転入力端子に入力した基準電圧Vcとの差に応じた電圧値を有するバイアス電圧Vbiasをゲート線G104に出力する。ゲート線G104に入力されたバイアス電圧Vbiasは、バイアス電圧生成用トランジスタT104のゲートおよび駆動トランジスタT105a,T105bのゲートに入力される。
【0079】
次に、駆動トランジスタT105a,T105bの各々には、ゲートに入力されたバイアス電圧Vbiasに応じた出力電流Ioutが流れる。これにより、表示素子回路(図示せず)の各々には、出力電流Ioutが流れる。
【0080】
一方、バイアス電圧生成用トランジスタT104のチャネル抵抗の抵抗値はバイアス電圧生成用トランジスタT104のゲートに印加されるバイアス電圧Vbiasの電圧値に応じて変化するので、バイアス電圧生成用トランジスタT104(および電流電圧変換用トランジスタT101R)に流れるドレイン電流Idの電流値は、バイアス電圧生成用トランジスタT104のゲートに入力されたバイアス電圧Vbiasの電圧値に応じて変化する。また、ドレイン電流Idの電流値が変化することによって電流電圧変換用トランジスタT101Rにおける電圧降下の大きさも変化するので、ノードN103に発生するドレイン電圧Vrbの電圧値も変化する。
【0081】
〔(ドレイン電流Idの電流値)<(基準電流Irefの電流値)の場合〕
ここで、電流電圧変換用トランジスタT101Rに流れるドレイン電流Idの電流値が電流電圧変換用トランジスタT101Lに流れる基準電流Irefの電流値よりも小さい場合について説明する。
【0082】
ドレイン電流Idの電流値が基準電流Irefの電流値と等しい場合と比較すると、この場合、電流電圧変換用トランジスタT101Rにおける電圧降下が小さくなるので、ノードN103に発生するドレイン電圧Vrbは、基準電圧Vc(ゲート電圧Vid)よりも高くなる。よって、差動増幅回路103から出力されるバイアス電圧Vbiasの電圧値は、ドレイン電圧Vrbと基準電圧Vcとが等しい場合に出力されるバイアス電圧Vbiasの電圧値よりも高くなる。よって、バイアス電圧生成用トランジスタT104のチャネル抵抗の抵抗値は小さくなる。したがって、電流電圧変換用トランジスタT101Rおよびバイアス電圧生成用トランジスタT104を流れるドレイン電流Idの電流値が大きくなる。また、ドレイン電流Idの電流値が大きくなることによって電流電圧変換用トランジスタT101Rにおける電圧降下も大きくなるので、ノードN103に発生するドレイン電圧Vrbの電圧値は低くなる。
【0083】
〔(ドレイン電流Idの電流値)>(基準電流Irefの電流値)の場合〕
一方、電流電圧変換用トランジスタT101Rのドレイン電圧Vrbが基準電圧Vcよりも低くなった場合について説明する。
【0084】
ドレイン電流Idの電流値が基準電流Irefの電流値と等しい場合と比較すると、この場合、電流電圧変換用トランジスタT101Rにおける電圧降下が大きくなるので、ノードN103に発生するドレイン電圧Vrbは、基準電圧Vc(ゲート電圧Vid)よりも低くなる。よって、差動増幅回路103から出力されるバイアス電圧Vbiasの電圧値は、ドレイン電圧Vrbと基準電圧Vcとが等しい場合に出力されるバイアス電圧Vbiasの電圧値よりも低くなる。よって、バイアス電圧生成用トランジスタT104のチャネル抵抗の抵抗値は大きくなる。したがって、電流電圧変換用トランジスタT101Rおよびバイアス電圧生成用トランジスタT104を流れるドレイン電流Idの電流値が小さくなる。また、ドレイン電流Idの電流値が小さくなることによって電流電圧変換用トランジスタT101Rにおける電圧降下も小さくなるので、ノードN103に発生するドレイン電圧Vrbの電圧値は高くなる。
【0085】
このように、バイアス電圧生成用トランジスタT104のチャネル抵抗の抵抗値が増加/減少することによって、ドレイン電流Idの電流値が基準電流Irefの電流値に近づく。
【0086】
なお、出力電流Ioutの電流値を基準電流Irefの電流値の2倍にしたい場合、電流電圧変換用トランジスタT101RのI−V特性を電流電圧変換用トランジスタT101LのI−V特性に対して1/2になるようにすればいい。この場合、電流電圧変換用トランジスタT101Rのチャネル抵抗は1/2になるので、電流電圧変換用トランジスタT101Rおよびバイアス電圧生成用トランジスタT104に流れるドレイン電流Idの電流値が2倍になれば、ノードN103に発生するドレイン電圧Vrbの電圧値と基準電圧Vcの電圧値とが等しくなる。また、バイアス電圧生成用トランジスタT104と駆動トランジスタT105a,105bの各々とによって構成されるカレントミラー回路のミラー比を「1:2」にしても、同様に、出力電流Ioutの電流値を基準電流Irefの電流値の2倍にすることができる。
【0087】
<効果>
以上のように、本実施形態による電流駆動装置では、電流電圧変換用トランジスタT101Rのドレイン電圧Vrbの電圧値が基準電圧Vc(=電流電圧変換用トランジスタT101Lのドレイン電圧)の電圧値に近づく。よって、ドレイン電圧依存性(アーリー効果)による影響が低減することができる。これにより、基準電流Irefの電流値と等しいか比例関係にある電流値を有する出力電流Ioutを出力することができ、カレントミラー精度の高い電流駆動装置を実現することができる。
【0088】
また、差動増幅回路103は出力インピーダンスが低いので、差動増幅回路103における電圧降下が小さい。よって、従来の電流駆動装置よりも電力を有効に使用することができる。
【0089】
また、差動増幅回路103は入力インピーダンスが高いので、カレントミラー回路の構成する電流電圧変換用トランジスタT101R,T101Lにかかる電気的な負担が小さくてすむ。
【0090】
さらに、差動増幅回路と調整用トランジスタとによって構成された負帰還回路によって、トランジスタの容量カップリングの影響によるバイアス電圧Vbiasおよび出力電流Ioutの変動を除去することができる。
【0091】
また、本実施形態による電流駆動装置1は、基準電流Irefを入力し、入力した基準電流Irefを用いて出力電流Ioutを生成する。よって、この電流駆動装置1を複数直列に配置すれば、各々の電流駆動装置が自己の前段に配置された電流駆動装置からの出力電流Ioutを基準電流Irefとして入力することができるので、大規模な電流駆動装置を構成することができる。
【0092】
なお、本実施形態では、電流駆動装置1は駆動トランジスタを2つ備える構成だが、駆動トランジスタの個数はこれに限らず、表示素子回路の個数に応じて増加/減少することも可能である。
【0093】
(第2の実施形態)
<全体構成>
この発明の第2の実施形態による電流駆動装置2の全体構成を図2に示す。この装置2では、図1に示した電流駆動装置1のように差動増幅回路103に基準電圧Vcを供給する基準電圧供給端子102を設ける構成ではなく、電流電圧変換用トランジスタT101Lのゲートに発生するゲート電圧Vidを差動増幅回路103に供給する構成を有する。この装置2は、図1に示した基準電圧供給端子102が省略されている。基準電流源REFは、ノードN101に接続される。電流電圧変換用トランジスタT101Lは、内部電源ノードVddとノードN101との間に設けられる。差動増幅回路103は、反転入力端子に電流電圧変換用トランジスタT101Lのゲートに発生するゲート電圧Vidを受ける。その他の構成は、図1と同様の構成である。
【0094】
<動作>
図2に示した電流駆動装置2による動作は、差動増幅回路103における動作以外は、電流駆動装置1による動作と同様である。
【0095】
差動増幅回路103は、非反転入力端子に入力したドレイン電圧Vrbと反転入力端子に入力したゲート電圧Vidとの差に応じたバイアス電圧Vbiasをゲート線G104に出力する。
【0096】
<効果>
以上のように、基準電圧Vcを特別に生成することなく、電流電圧変換用トランジスタT101Lのゲートに発生するゲート電圧Vidを差動増幅回路103に供給する構成にすることによって、第1の実施形態と比較すると、さらに簡単な構成の電流駆動装置を実現することができる。
【0097】
(第3の実施形態)
<トランジスタのばらつきによる影響について>
カレントミラー回路において入力側トランジスタのI−V特性と出力側トランジスタのI−V特性とが異なると、カレントミラー回路に入力される電流の電流値とカレントミラー回路から出力される電流の電流値と間に両者の特性差に応じた誤差が生じるので、入力側トランジスタに流れる基準電流の電流値と出力側トランジスタに流れるドレイン電流の電流値との比がミラー比に対応しなくなる。例えば、同一のゲート電圧を電流電圧変換用トランジスタT101R,T101Lに入力した場合、電流電圧変換用トランジスタT101Lに流れる電流よりも電流電圧変換用トランジスタT101Rに流れる電流の方が大きいとすると、差動増幅回路103によって生成されるバイアス電圧Vbiasの電圧値は本来あるべき電圧値よりも大きくなる。よって、電流駆動装置の出力電流Ioutの電流値は、常に、基準電流Irefの電流値よりも大きくなってしまう。このように、トランジスタの特性差によって出力電流Ioutの誤差が一方向に偏っていると、複数の電流駆動装置を用いて表示パネルを駆動した場合、その表示パネルの発光輝度が顕著にばらついてしまう。
【0098】
<全体構成>
この発明の第3の実施形態による電流駆動装置3の全体構成を図3に示す。この装置3は、図1に示した電流駆動装置1に加えて、接続切替部301を備える。その他の構成は図1と同様である。接続切替部301は、電流電圧変換用トランジスタT101R,T101Lと基準電流源REFおよびノードN103との間に設けられる。接続切替部301は、外部からの制御信号R,NRに応じて、電流電圧変換用トランジスタT101R,T101Lのうち一方を基準電流源REFに接続するとともにもう一方をノードN103に接続する。つまり、この装置3は、制御信号R,NRに応じて、電流電圧変換用トランジスタT101Rと電流電圧変換用トランジスタT101Lとの配置関係を交代する。
【0099】
なお、ここでは、電流電圧生成用トランジスタT101R,T101Lによって構成されるカレントミラー回路のミラー比は「1:1」であるものとする。
【0100】
<接続切替部301の内部構成>
図3に示した接続切替部301は、スイッチ用トランジスタT301a,T301b,T301c,T301dを含む。
【0101】
スイッチ用トランジスタT301aは、電流電圧変換用トランジスタT101Lのドレインと基準電流源REFとの間に設けられ、ゲートには制御信号Rが入力される。スイッチ用トランジスタT301bは、電流電圧変換用トランジスタT101LのドレインとノードN103との間に設けられ、ゲートには制御信号NRが入力される。スイッチ用トランジスタT301cは、電流電圧変換用トランジスタT101Rのドレインと基準電流源REFとの間に設けられ、ゲートには制御信号Rが入力される。スイッチ用トランジスタT301dは、電流電圧変換用トランジスタT101RのドレインとノードN103との間に設けられ、ゲートには制御信号NRが入力される。
【0102】
制御信号R,NRは、Lレベルのときにはスイッチ用トランジスタT301a〜T301d(PMOSトランジスタ)を活性化させる電圧であり、Hレベルのときにはスイッチ用トランジスタT301a〜T301d(PMOSトランジスタ)を非活性化させる電圧である。
【0103】
<動作>
次に、図3に示した接続切替部301による動作について説明する。
【0104】
制御信号RがLレベル(アクティブ)であり制御信号NRがHレベル(インアクティブ)である場合、スイッチ用トランジスタT301a,T301dは活性化されスイッチ用トランジスタT301b,T301cは非活性化される。よって、基準電流源REFは電流電圧変換用トランジスタT101Lのドレインに接続され、ノードN103は電圧電流変換用トランジスタT101Rのドレインに接続される。
【0105】
一方、制御信号RがHレベルであり制御信号NRがLレベルである場合、スイッチ用トランジスタT301a,T301dは非活性化されスイッチ用トランジスタT301b,T301cは活性化される。よって、基準電流源REFは電流電圧変換用トランジスタT101Rのドレインに接続され、ノードN103は電圧電流変換用トランジスタT101Rのドレインに接続される。
【0106】
<切り替えるタイミング>
制御信号R,NRの信号レベルを切り替えるタイミングは、任意ではあるが、定期的である方が好ましい。例えば、1フレームごとに制御信号R,NRの信号レベルを切り替えれば、出力電流Ioutの電流値が変化するタイミングと表示パネルに表示される画像が切り替わるタイミングとが一致するので、表示パネルにおける明るさの変化を目立たなくすることができる。
【0107】
また、制御信号R,NRの信号レベルの切り替えを垂直ブランキング期間中に行うことも可能である。
【0108】
さらに、スイッチ用トランジスタT301a,T301b,T301c,T301dのすべてが活性化する期間が生じないように制御信号R,NRの信号レベルの切り替えを行えば、基準電流源REFとノードN103との間に短絡を生じることなく、安定して切替動作を行うことができる。
【0109】
<効果>
以上のように、制御信号R,NRによって電流電圧変換用トランジスタT101R,T101Lの配置関係を交代することにより、トランジスタT101R,T101L間の特性差による誤差を平均化することができる。これにより、電流駆動装置から表示素子回路に出力される出力電流Ioutのずれが一方向に偏らないので、表示パネルの発光輝度のばらつきを低減することができる。
【0110】
また、表示パネルにおいて、出力電流Ioutの電流値が切り替わる面積は、小さい方が好ましい。例えば、1ライン単位で出力電流Ioutの電流値が切り替わる方が好ましい。このようにすれば、表示パネルさらに目立たなくなる。
【0111】
(第4の実施形態)
<全体構成>
この発明の第4の実施形態による電流駆動装置4の全体構成を図4に示す。この装置4は、図2に示した電流駆動装置2に加えて、図3に示した接続切替部301を備える。その他の構成は、図2と同様である。接続切替部301は、電流電圧変換用トランジスタT101R,T101LとノードN101,N103との間に設けられる。接続切替部301は、外部からの制御信号R,NRに応じて、電流電圧変換用トランジスタT101R,T101Lのうち一方をノードN101に接続するとともにもう一方をノードN103に接続する。
【0112】
なお、ここでは、電流電圧変換用トランジスタT101R,T101Lによって構成されるカレントミラー回路のミラー比は「1:1」であるものとする。
【0113】
<動作>
次に、図4に示した接続切替部による動作について説明する。
【0114】
制御信号RがLレベル(アクティブ)であり制御信号NRがHレベル(インアクティブ)である場合、スイッチ用トランジスタT301a,T301dは活性化されスイッチ用トランジスタT301b,T301cは非活性化される。よって、ノードN101は電流電圧変換用トランジスタT101Lのドレインに接続され、ノードN103は電圧電流変換用トランジスタT101Rのドレインに接続される。
【0115】
一方、制御信号RがHレベルであり制御信号NRがLレベルである場合、スイッチ用トランジスタT301a,T301dは非活性化しスイッチ用トランジスタT301b,T301cは活性化する。よって、ノードN101は電流電圧変換用トランジスタT101Rのドレインに接続され、ノードN103は電圧電流変換用トランジスタT101Rのドレインに接続される。
【0116】
<効果>
以上のように、制御信号R,NRによって電流電圧変換用トランジスタT101R,T101Lの配置関係を交代することにより、トランジスタT101R,T101L間の特性差による誤差を平均化することができる。これにより、電流駆動装置3から表示素子回路に出力される出力電流Ioutのずれが一方向に偏らないので、表示パネルの発光輝度のばらつきを低減することができる。
【0117】
(第5の実施形態)
<ドレイン電圧依存性について>
一般的に、飽和動作時のトランジスタでは、ドレイン電圧依存性(アーリー効果)による影響を受け、ドレイン電圧の増加によってドレイン電流の電流値がわずかに増加する。よって、バイアス電圧生成用トランジスタT104のドレイン電圧と駆動トランジスタT105a,T105bのドレイン電圧とが一致もしくはほぼ一致していることが望ましい。
【0118】
<全体構成>
この発明の第5の実施形態による電流駆動装置5の全体構成と図5に示す。この装置5は、図1に示した電流駆動装置1に加えて、制限電圧供給端子501と、電圧制限用トランジスタT502とを備える。その他の構成は、図1と同様である。制限電圧供給端子501は、制限電圧Vxを供給する。電圧制限用トランジスタT502は、ノードN103とバイアス電圧生成用トランジスタT104との間に設けられ、ゲートには制限電圧供給端子501からの制限電圧Vxが入力される。電圧制限用トランジスタT502は、ゲートに入力された制限電圧Vxに応じて、バイアス電圧生成用トランジスタT104のドレイン電圧を調整する。
【0119】
<ドレイン電圧の調整>
次に、図5に示した電圧制限用トランジスタT502によるバイアス電圧生成用トランジスタT104のドレイン電圧の調整について説明する。
【0120】
駆動トランジスタT105a,T105bの各々のドレイン電圧の平均が「電圧Vα」である場合、制限電圧Vxは、「電圧Vα」に「電圧制限用トランジスタT502のしきい値電圧Vt」を加えた電圧に設定される。これにより、電圧制限用トランジスタT502のソース電圧(バイアス電圧生成用トランジスタT104のドレイン電圧)を駆動トランジスタT105a,T105bの各々のドレイン電圧とほぼ等しい電圧に調整することができる。
【0121】
<効果>
以上のように、バイアス電圧生成用トランジスタT104のドレイン電圧を駆動トランジスタT105a,T105bのドレイン電圧にあわせることができるので、駆動トランジスタT105a,T105bにおけるドレイン電圧依存性による誤差を低減することができる。
【0122】
(第6の実施形態)
<全体構成>
この発明の第6の実施形態による電流駆動装置6の全体構成を図6に示す。この装置6は、図2に示した電流駆動装置2に加えて、図5に示した制限電圧供給端子501と、電圧制限用トランジスタT502とも備える。その他の構成は、図2と同様である。電圧制限用トランジスタ502は、ノードN103とバイアス電圧生成用トランジスタT104との間に設けられ、ゲートには制限電圧供給端子501からの制限電圧Vxが入力される。
【0123】
<ドレイン電圧の調整>
図6に示した電圧制限用トランジスタT502による動作は、第5の実施形態(図5)と同様である。
【0124】
<効果>
以上のように、バイアス電圧生成用トランジスタT104のドレイン電圧を駆動トランジスタT105a,T105bのドレイン電圧にあわせることができるので、駆動トランジスタT105a,T105bにおけるドレイン電圧依存性による誤差を低減することができる。
【0125】
(第7の実施形態)
<全体構成>
この発明の第7の実施形態による電流駆動装置7の全体構成を図7に示す。この装置7は、図5に示した電流駆動装置5に加えて、出力電圧制限用トランジスタT701a,T701bを備える。その他の構成は、図5と同様である。制限電圧供給端子501は、ゲート線G502に制限電圧Vxを供給する。電圧制御用トランジスタT502のゲートは、ゲート線G502に接続されている。出力電圧制限用トランジスタT701aは、表示素子回路(図示せず)と駆動トランジスタT105aとの間に設けられ、ゲートにはゲート線G502が接続されている。出力電圧制限用トランジスタT701aは、ゲートに入力された制限電圧Vxに応じて、駆動トランジスタT105aのドレイン電圧を調整する。出力電圧制限用トランジスタT701bは、表示素子回路(図示せず)と駆動トランジスタT105aとの間に設けられ、ゲートにはゲート線G502が接続されている。出力電圧制限用トランジスタT701bは、ゲートに入力された制限電圧Vxに応じて、駆動トランジスタT105bのドレイン電圧を調整する。
【0126】
なお、出力電圧制限用トランジスタT701a,T701bの各々のI−V特性は、電圧制限用トランジスタT502の特性と同一もしくはほぼ同一である。
【0127】
<ドレイン電圧の調整>
次に、図7に示した電圧制限用トランジスタT502,出力電圧制限用トランジスタT701a,T701bによるバイアス電圧生成用トランジスタT104,駆動トランジスタT105a,105bのドレイン電圧の調整について説明する。
【0128】
例えば、駆動トランジスタT105a,T105bの各々のドレイン電圧を「電圧Vα」に設定したい場合、制限電圧Vxは、「電圧Vα」に「電圧制限用トランジスタT502のしきい値電圧Vt」を加えた電圧に設定される。これにより、電圧制限用トランジスタT502のソース電圧(バイアス電圧生成用トランジスタT104のドレイン電圧)および出力電圧制限用トランジスタT701a,T701bのソース電圧(駆動トランジスタT105a,T105bのドレイン電圧)を「電圧Vα」に調整することができる。
【0129】
<効果>
以上のように、バイアス電圧生成用トランジスタT104のドレイン電圧と駆動トランジスタT105a,T105bのドレイン電圧とをほぼ一致させることができるので、駆動トランジスタT105a,T105bにおけるドレイン電圧依存性による誤差を低減することができる。
【0130】
(第8の実施形態)
<全体構成>
この発明の第8の実施形態による電流駆動装置8の全体構成を図8に示す。この装置8は、図6に示した電流駆動装置6に加えて、図7に示した出力電圧制限用トランジスタT701a,T701bを備える。その他の構成は、図6と同様である。
【0131】
<ドレイン電圧の調整>
図8に示した電圧制限用トランジスタT502,出力電圧制限用トランジスタT701a,T701bによる動作は、第7の実施形態(図7)と同様である。
【0132】
<効果>
以上のように、バイアス電圧生成用トランジスタT104のドレイン電圧と駆動トランジスタT105a,T105bのドレイン電圧とをほぼ一致させることができるので、駆動トランジスタT105a,T105bにおけるドレイン電圧依存性による誤差を低減することができる。
【0133】
(第9の実施形態)
<全体構成>
この発明の第9の実施形態による電流駆動装置9の全体構成を図9に示す。この装置9は、図2に示した電流電圧変換用トランジスタT101Rに代えて、バイアス電圧調整部901を備える。その他の構成は、図2と同様である。バイアス電圧調整部901は、内部電源ノードVddとノードN103との間に接続されており、電流電圧変換用トランジスタT101Lのゲートに発生したゲート電圧Vidを受ける。バイアス電圧調整部901は、電流電圧変換用トランジスタT101から与えられたゲート電圧Vidの電圧値に応じた抵抗値を示す。ゲート電圧Vidの電圧値とそのゲート電圧の電圧値に応じてバイアス電圧調整部901が示す抵抗値との関係は、任意に設定することができる。
【0134】
<バイアス電圧調整部901の内部構成>
バイアス電圧調整部901は、電流電圧変換部911と、供給電源912と、条件記憶部913と、条件制御回路914と含む。
【0135】
電流電圧変換部911は、K個の電流電圧変換用トランジスタT91〜T9Kと、(K−1)個の選択用トランジスタTS92〜TS9Kとを含む。電流電圧変換用トランジスタT91は、内部電源ノードVddとノードN103との間に設けられ、ゲートが電流電圧変換用トランジスタT101Lのゲートに接続されている。電流電圧変換用トランジスタT92〜T9Kと選択用トランジスタTS92〜TS9Kとは一対一で対応しており、内部電源ノードVddとノードN103との間に直列に設けられる。電流電圧変換用トランジスタT92〜T9Kは、内部電源ノードVddと選択用トランジスタTS92〜TS9Kとの間に設けられ、ゲートは電流電圧変換用トランジスタT101Lのゲートに接続されている。選択用トランジスタTS92〜TS9Kは、電流電圧変換用トランジスタT92〜T9KとノードN103との間に設けられ、ゲートには条件制御回路914からの制御信号CT92〜CT9Kが入力される。
【0136】
制御信号CT92〜CT9Kは、Lレベルのときには選択用トランジスタTS92〜TS9K(PMOSトランジスタ)を活性化させる電圧であり、Hレベルのときには選択用トランジスタTS92〜TS9Kを非活性化させる電圧である。
【0137】
電流電圧変換部901では、選択用トランジスタTS92〜TS9Kを用いて電流電圧変換用トランジスタT91〜T9Kの各々のドレインとノードN103とを任意に接続することによって、ゲート電圧Vidの電圧値と電流電圧変換部911が示す抵抗値との関係を任意に設定することができる。
【0138】
供給電源912は、条件制御回路914および条件記憶部913に読出電圧を供給する。読出電圧は、条件記憶部913の接続状態を確認するための電圧である。
【0139】
条件記憶部913は、M個のヒューズh91〜h9Mを含む。ヒューズh91〜h9Mの各々は、レーザーや高電流を印加して切断することによって導通状態から非導通状態にすることができる材料である。条件記憶部913は、ヒューズh92〜h9Mの切断/非切断を2進数として扱うことによって、Mビットのバイナリデータを記憶する。なお、ここでは、条件記憶部913は、電流電圧変換用トランジスタT92〜T9Kのうち使用すべきトランジスタの個数が示されたバイナリデータを記憶するものとする。例えば、ヒューズh91が切断されており他のヒューズh92〜h9Mが切断されていない場合、条件記憶部913は、使用すべきトランジスタの個数が「1つ」であることを記憶している。また、ヒューズh91,h92が切断されており他のヒューズh93〜h9Mが切断されていない場合、条件記憶部913は、使用すべきトランジスタの個数が「3つ」であることを記憶している。
【0140】
条件制御回路914は、外部からのコントロール信号CONTに応じて、条件固定モードまたはエミュレートモードになる。
【0141】
条件固定モードになると、条件制御回路914は、条件記憶部913に含まれるヒューズh92〜h9Mの一方の端子を自己に接続してヒューズh91〜h9Mの各々が示す電圧レベルを読みとる。これにより、ヒューズの断線状態によって示されたバイナリデータが読み出される。また、条件制御回路914は、読み出したバイナリデータをデコードすることによって、制御信号CT92〜CT9Kを出力する。例えば、条件記憶部913においてヒューズh91,h92が切断されている場合(使用すべきトランジスタの個数が「3つ」であることを示すバイナリデータが条件記憶部913に記憶されている場合)、ヒューズh91〜h9Mの各々が示す電圧レベルは「L,L,H,・・・,H」になる。この場合、条件制御回路914は、制御信号CT92〜CT94をLレベルにし他の制御信号CT95〜CT9KをHレベルにする。
【0142】
エミュレートモードになると、条件制御回路914は、外部からのデータ信号DATAに従って条件記憶部913におけるヒューズh91〜h9Mの断線状態をエミュレートして、制御信号CT92〜CT9Kを出力する。データ信号DATAは、条件記憶部913におけるヒューズの断線状態をエミュレートするための信号であり、ヒューズの断線状態に応じたM個の電圧レベルが示されている。例えば、ヒューズh91が切断されている状態をエミュレートするためのデータ信号DATAの場合、そのデータ信号DATAに示されたM個の電圧レベルは「L,H,H,・・・,H」となる。この場合、条件制御回路914は、制御信号CT92をLレベルにし他の制御信号CT93〜CT9KをHレベルにする。また、ヒューズh91,h92が切断されている状態をエミュレートするためのデータ信号DATAの場合、そのデータ信号DATAに示されたM個の電圧レベルは「H,L,H,・・・,H」となる。この場合、条件制御回路914は、制御信号CT92,CT93をLレベルにし他の制御信号CT94〜CT9KをHレベルにする。
【0143】
<動作>
次に、図9に示したバイアス電圧調整部901による動作について説明する。
【0144】
〔条件固定モード〕
条件制御回路914は、条件固定モードへの切替を要請するコントロール信号CONTを入力すると条件固定モードになる。
【0145】
次に、条件制御回路914は、条件記憶部912に含まれるヒューズh91〜h9Mの一方の端子を自己に接続してヒューズの断線状態によって示されたバイナリデータを読み出す。
【0146】
次に、条件制御回路914は、読み出したバイナリデータをデコードして、制御信号CT92〜CT9Kを対応する選択用トランジスタTS92〜TS9Kのゲートに出力する。
【0147】
ここで、ヒューズh91が切断されている場合、条件制御回路914は、制御信号CT92をLレベルにし他の制御信号CT93〜CT9KをHレベルにする。よって、選択用トランジスタTS92が活性化し電流電圧変換用トランジスタT92がノードN103に接続されるので、ノードN103には電流電圧変換用トランジスタT91,T92が接続されることになる。したがって、電流電圧変換用トランジスタT101Lと電流電圧変換用トランジスタT91とのカレントミラー比によって決定されたドレイン電流I91と電流電圧変換用トランジスタT101Lと電流電圧変換用トランジスタT92とのカレントミラー比によって決定されたドレイン電流I92とを足しあわせたドレイン電流(I91+I92)がバイアス電圧生成用トランジスタT104に流れる。これにより、バイアス電圧生成用トランジスタT104のゲートに与えられるバイアス電圧Vbiasは、ドレイン電流(I91+I92)の電流値に対応した電圧値に設定される。
【0148】
このように、条件記憶部912に記憶されたバイナリデータをデコードすることによって制御信号CT92〜CT9Kの出力状態が再現される。また、その出力状態が維持される。
【0149】
〔エミュレートモード〕
一方、条件制御回路914は、エミュレートモードへの切替を要請するコントロール信号CONTを入力するとエミュレートモードになる。
【0150】
次に、条件制御回路914は、データ信号DATAに従って、制御信号CT92〜CT9Kを出力する。
【0151】
ここで、データ信号DATAが「ヒューズh92〜h9Mすべて非切断」を示しているとする。この場合、条件制御回路914から出力される制御信号CT92〜CT9Kは、すべてHレベル(インアクティブ)になる。よって、選択用トランジスタTS92〜TS9Kのいずれも活性化されず、電流電圧変換用トランジスタT92〜T9KのいずれもノードN103に接続されないので、ノードN103には電流電圧変換用トランジスタT91のみが接続されることになる。したがって、電流電圧変換用トランジスタT101Lと電流電圧変換用トランジスタT91とのカレントミラー比によって決定されたドレイン電流I91がバイアス電圧生成用トランジスタT104に流れる。これにより、そのドレイン電流I91の電流値に対応したバイアス電圧Vbiasが差動増幅回路103の出力端子から出力される。
【0152】
このように、データ信号DATAに従って条件記憶部913におけるヒューズh91〜h9Mの切断状態をエミュレートすることによって、電流電圧変換部901が示す抵抗値を任意に設定することができる。これにより、バイアス電圧生成用トランジスタT104に流れるドレイン電流Idの電流値を調整することができる。
【0153】
<効果>
以上のように、条件制御回路914によって電流電圧変換部911の性能を調整することによって、駆動トランジスタT105a,T105bにおける出力電流Iout出力電流の状態が最適になる条件(最適条件)の下で電流駆動装置を動作させることができる。
【0154】
また、エミュレーションの結果に基づいて条件記憶部913に含まれるヒューズh91〜h9Mを切断することによって制御信号CT92〜CT9Kの出力状態を記憶すれば、出力電流Ioutの状態が最適な時の条件を維持することができる。
【0155】
さらに、カレントミラー回路の出力側トランジスタとして複数の電流電圧変換用トランジスタT92〜T9Kを用いているので、トランジスタのばらつきによる影響を低減することができる。
【0156】
なお、本実施形態では、電流電圧変換用トランジスタT91〜T9Kのうち条件制御回路914によって選択されるべきトランジスタの個数(制御信号CT92〜CT9Kの出力状態)を記憶するために複数のヒューズを含む条件記憶部913を用いたが、DRAMやSRAMのような記憶媒体に制御信号CT92〜CT9Kの出力状態を示すデータを記憶しその記憶媒体に記憶されたデータをデコードして制御信号CT92〜CT9Kを出力する構成も可能である。
【0157】
また、条件制御回路914が条件固定モードをデフォルトとして動作しても構わない。つまり、条件制御回路914がエミュレートモード以外の時には常に条件固定モードであっても構わない。
【0158】
また、ヒューズの切断数を減らすため、出力電流Ioutの状態が最適な時の条件を中心に切断数が増えるように設定してもよい。例えば、電流電圧変換用トランジスタT91〜T9Kのうちいずれか2つを使用する場合に出力電流Ioutの状態が最適になるとすると、条件制御回路914は、ヒューズh91〜h9Mの各々が示す電圧レベルが「H,H,H,・・・H」であるときに制御信号CT92,CT93がLレベルになり他の制御信号CT94〜CT9KがHレベルになるように、条件記憶部913に記憶されたバイナリデータをデコードする。
【0159】
(第10の実施形態)
<全体構成>
この発明の第10の実施形態による電流駆動装置10の全体構成を図10に示す。この装置10は、図2に示した電流電圧変換用トランジスタT101Lに代えて、ゲート電圧調整部1001を備える。その他の構成は、図2と同様である。ゲート電圧調整部1001は、基準電流Irefの電流値に応じた電圧値を有するゲート電圧を生成する。基準電流Irefの電流値とその基準電流Irefの電流値に応じてゲート電圧調整部1001が生成するゲート電圧Vidの電圧値との関係は、任意に設定することができる。
【0160】
<ゲート電圧調整部1001の内部構成>
ゲート電圧調整部1001は、電流電圧変換部1011と、供給電源912と、条件記憶部913と、条件制御回路1014とを含む。
【0161】
電流電圧変換部1011は、K個の選択用トランジスタTa101〜Ta10Kと、K個の選択用トランジスタTb101〜Tb10Kと、K個の電流電圧変換用トランジスタTc101〜Tc10Kとを含む。選択用トランジスタTa101〜T10Kおよび選択用トランジスタTb101〜Tb10Kは、内部電源ノードVddとノードN1001との間に直列に設けられる。選択用トランジスタTa101〜Ta10Kは、内部電源ノードVddとノードNd101〜Nd10Kとの間に設けられ、ゲートには条件制御回路1014からの制御信号CTa101〜CTa10Kが入力される。選択用トランジスタTb101〜Tb10Kは、ノードNd101〜Nd10Kとの間に設けられ、ゲートには条件制御回路1014からの制御信号CTb101〜CTb10Kが入力される。電流電圧変換用トランジスタTc101〜Tc10Kは、内部電源ノードVddとノードN1001との間に設けられ、ゲートはノードNd101〜Nd10Kに接続されている。ノードN1001は、電流電圧変換用トランジスタT101RのゲートとノードN101とに接続されている。
【0162】
制御信号CTa101〜CTa10K,CTb101〜CTb10Kは、Lレベルのときには選択用トランジスタTa101〜Ta10K,Tb101〜Tb10K(PMOSトランジスタ)を活性化させる電圧であり、Hレベルのときには選択用トランジスタTS92〜TS9Kを非活性化させる電圧である。
【0163】
電流電圧変換部1011では、選択用トランジスタTa101〜Ta10K,Tb101〜Tb10Kを用いて電流電圧変換用トランジスタTc101〜Tc10Kの各々のドレインおよびゲートとノードN1001とを任意に接続することによって、基準電流Irefの電流値と電流電圧変換部1011が生成するゲート電圧Vidの電圧値との関係を任意に設定することができる。
【0164】
供給電源912は、図9に示したものと同様である。
【0165】
条件記憶部913は、図9に示したものと同様である。なお、ここでは、条件記憶部913は、電流電圧変換用トランジスタTc101〜Tc10Kのうち使用すべきトランジスタの個数が示されたバイナリデータを記憶するものとする。例えば、ヒューズh91が切断されており他のヒューズh92〜h9Mが切断されていない場合、条件記憶部913は、使用すべきトランジスタの個数が「1つ」であることを記憶している。また、ヒューズh91,h92が切断されており他のヒューズh93〜h9Mが切断されていない場合、条件記憶部913は、使用すべきトランジスタの個数が「3つ」であることを記憶している。
【0166】
条件制御回路1014は、条件制御回路914と同様に、外部からのコントロール信号CONTに応じて、条件固定モードまたはエミュレートモードになる。
【0167】
条件固定モードになると、条件制御回路1014は、条件制御回路914と同様に、条件記憶部913に記憶されたバイナリデータをデコードすることによって、制御信号CTa101〜CTa10K,CTb101〜CTb10Kを出力する。例えば、条件記憶部913においてヒューズh91が切断されている場合、条件制御回路1014は、制御信号CTa101をHレベルに制御信号CTa102〜CTa10KをLレベルにし、制御信号CTb101をLレベルに制御信号CTb102〜CTb10KをHレベルにする。
【0168】
エミュレートモードになると、条件制御回路1014は、条件制御回路914と同様に、外部からのデータ信号DATAに従って条件記憶部913におけるヒューズh91〜h9Mの断線状態をエミュレートして、制御信号CTa101〜CTa10K,CTb101〜CTb10Kを出力する。例えば、ヒューズh91,h92が切断されている状態をエミュレートするためのデータ信号DATAの場合、そのデータ信号DATAに示されたM個の電圧レベルは「H,L,H,・・・,H」となる。この場合、条件制御回路1014は、制御信号CTa101,CTa102をHレベルに制御信号CTa103〜CTa10KをLレベルにし、制御信号CTb101,CTb102をLレベルに制御信号CTb103〜CTb10KをHレベルにする。
【0169】
<動作>
次に、図10に示したゲート電圧調整部1001による動作について説明する。
【0170】
〔条件固定モード〕
条件制御回路1014は、条件固定モードへの切替を要請するコントロール信号CONTを入力すると条件固定モードになる。次に、条件制御回路914は、条件記憶部912に含まれるヒューズh91〜h9Mの一方の端子を自己に接続してヒューズの断線状態によって示されたバイナリデータを読み出す。次に、条件制御回路1014は、読み出したバイナリデータをデコードして、制御信号CTa101〜CTa10K,CTb101〜CTb10Kを対応する選択用トランジスタTa101〜Ta10K,Tb101〜Tb10Kのゲートに出力する。
【0171】
ここで、ヒューズh91が切断されている場合、条件制御回路1014は、制御信号CTb101,CTa102〜CTb10KをLレベル(アクティブ)にし制御信号CTa101,CTb102〜CTb10KをHレベル(インアクティブ)にする。よって、選択用トランジスタTa101が活性化されず選択用トランジスタTb101が活性化されるので、電流電圧変換用トランジスタTc101のゲートとドレインと同電位になり電流が流れる。一方、選択用トランジスタTa102〜Ta10Kが活性化され選択用トランジスタTb102〜Tb10Kが活性化されないので、電流電圧変換用トランジスタTc102〜Tc10Kのゲートが内部電源ノードVddと同電位になり電流が流れない。したがって、電流電圧変換用トランジスタTc101にのみ基準電流Irefが流れる。これにより、電流電圧変換用トランジスタTc101のゲートに発生したゲート電圧Vidが電流電圧変換用トランジスタT101Rのゲートに入力される。
【0172】
このように、条件記憶部1013に記憶された制御信号CTa101〜CTa10K,CTb101〜CTb10Kの出力状態が再現される。また、その出力状態が維持される。
【0173】
〔エミュレートモード〕
一方、条件制御回路1014は、エミュレーションモードへの切替を要請するコントロール信号CONTを入力するとエミュレートモードになる。次に、条件制御回路1014は、データ信号DATAに従って、制御信号CTa101〜CTa10K,CTb101〜CTb10Kを出力する。
【0174】
ここで、ヒューズh91,h92が切断されている状態をエミュレートするためのデータ信号DATAが条件制御回路1014に入力された場合、条件制御回路1014は、制御信号CTb101,CTb102,CTa103〜CTb10KをLレベル(アクティブ)にし制御信号CTa101,CTa102,CTb103〜CTb10KをHレベル(インアクティブ)にする。よって、選択用トランジスタTa101,Ta102が活性化されず選択用トランジスタTb101が活性化されるので、電流電圧変換用トランジスタTc101のゲートとドレインと同電位になり電流が流れる。また、選択用トランジスタTa102が活性化されず選択用トランジスタTb102が活性化されるので、電流電圧変換用トランジスタTc102のゲートとドレインと同電位になり電流が流れる。一方、選択用トランジスタTa103〜Ta10Kが活性化され選択用トランジスタTb103〜Tb10Kが活性化されないので、電流電圧変換用トランジスタTc103〜Tc10Kのゲートが内部電源ノードVddと同電位になり電流が流れない。したがって、電流電圧変換用トランジスタTc101,Tc102にのみ基準電流Irefが流れる。これにより、電流電圧変換用トランジスタTc101のゲートに発生したゲート電圧Vidと電流電圧変換用トランジスタTc102のゲートに発生したゲート電圧Vidとが電流電圧変換用トランジスタT101Rのゲートに入力される。
【0175】
このように、データ信号DATAに従って条件記憶部913におけるヒューズh91〜h9Mの切断状態をエミュレートすることによって、電流電圧変換用トランジスタT101Rに入力されるゲート電圧Vidの電圧値を調整することができる。
【0176】
<効果>
以上のように、条件制御回路1014によって電流電圧変換部1013の性能を調整することによって、駆動トランジスタT105a,T105bにおける出力電流Iout出力電流の状態が最適になる条件(最適条件)の下で動作することができる。
【0177】
また、エミュレーションの結果に基づいて条件記憶部913に含まれるヒューズh91〜h9Mを切断することによって制御信号CTa101〜CTa10K,CTb101〜CTb10Kの出力状態を記憶すれば、出力電流Ioutの状態が最適な時の条件を維持することができる。
【0178】
(第11の実施形態)
<全体構成>
この発明の第11の実施形態による電流駆動装置11の全体構成を図11に示す。この装置11は、図2に示した電流電圧変換用トランジスタT101R,T101Lに代えて、電流電圧変換用抵抗1101R,1101Lを備える。その他の構成は、図2と同様である。
【0179】
電流電圧変換用抵抗1101Lは、内部電源ノードVddとノードN101との間に接続されている。よって、ノードN101には、基準電流Irefの電圧値と電流電圧変換用抵抗1101Lの抵抗値とに応じた電圧値を有する基準用電圧Vrefが発生する。
【0180】
電流電圧変換用抵抗1101Rおよびバイアス電圧生成用トランジスタT104は、内部電源ノードVddとノードN103との間に直列に接続されている。電流電圧変換用抵抗1101Rおよびバイアス電圧生成用トランジスタT104には、電流電圧変換用抵抗1101Rの抵抗値とバイアス電圧生成用トランジスタT104のチャネル抵抗の抵抗値とに応じたドレイン電流Idが流れる。また、ノードN103には、電流電圧変換用抵抗1101Rにおける電圧降下に応じた電圧値を有する比較用電圧Vrbが発生する。
【0181】
差動増幅回路103は、ノードN103に発生した比較用電圧Vrbを非反転入力端子に入力するとともに電流電圧変換用抵抗1101Lによって生成された基準用電圧Vrefを反転入力端子に入力する。また、差動増幅回路103は、入力した比較用電圧Vrbの電圧値と基準用電圧Vrefの電圧値との差に応じた電圧値を有するバイアス電圧Vbiasを出力する。
【0182】
<動作>
次に、図11に示した電流駆動装置11による動作について説明する。
【0183】
まず、基準電流源REFと接続された電流電圧変換用抵抗1101Lに基準電流Irefが流れる。基準電流Irefの電流値と電流電圧変換用抵抗1101Lの抵抗値とに応じた電圧降下が電流電圧変換用抵抗1101Lに発生するので、ノードN101には、その電圧降下に応じて基準用電圧Vrefが発生する。
【0184】
一方、バイアス電圧生成用トランジスタT104に流れるドレイン電流Idが電流電圧変換用抵抗1101Rに流れる。ドレイン電流Idの電流値と電流電圧変換用抵抗1101Rの抵抗値とに応じた電圧降下が発生するので、ノードN103には、その電圧降下に応じて比較用電圧Vrbが発生する。
【0185】
次に、差動増幅回路103は、非反転入力端子に入力した比較用電圧Vrbと反転入力端子に入力した基準用電圧Vrefとに応じた電圧値を有するバイアス電圧Vbiasをゲート線G104に出力する。ゲート線G104に入力されたバイアス電圧Vbiasは、バイアス電圧生成用トランジスタT104のゲートおよび駆動トランジスタT105a,T105bのゲートに入力される。
【0186】
次に、駆動トランジスタT105a,T105bの各々には、ゲートに入力されたバイアス電圧Vbiasの電圧値に応じた出力電流Ioutが流れる。これにより、表示素子回路(図示せず)の各々には、出力電流Ioutが流れる。
【0187】
一方、バイアス電圧生成用トランジスタT104のチャネル抵抗の抵抗値はバイアス電圧生成用トランジスタT104のゲートに印加されるバイアス電圧Vbiasの電圧値に応じて変化するので、バイアス電圧生成用トランジスタT104(および電流電圧変換用抵抗1101R)に流れるドレイン電流Idの電流値は、バイアス電圧生成用トランジスタT104のゲートに入力されたバイアス電圧Vbiasの電圧値に応じて変化する。また、バイアス電圧生成用トランジスタT104のチャネル抵抗値が変化することによって、ノードN103に発生する比較用電圧Vrbの電圧値も変化する。また、ドレイン電流Idの電流値が変化することによって電流電圧変換用抵抗1101Rにおける電圧降下の大きさも変化するので、ノードN103に発生する比較用電圧Vrbの電圧値も変化する。
【0188】
〔(ドレイン電流Idの電流値)<(基準電流Irefの電流値)の場合〕
ここで、電流電圧変換用抵抗1101Rに流れるドレイン電流Idの電流値が電流電圧変換用抵抗1101Lに流れる基準電流Irefの電流値よりも小さい場合について説明する。
【0189】
ドレイン電流Idの電流値が基準電流Irefの電流値と等しい場合と比較すると、この場合、電流電圧変換用抵抗1101Rにおける電圧降下が小さくなるので、ノードN103に発生する比較用電圧Vrbの電圧値は、ノードN101に発生する基準用電圧Vrefの電圧値よりも高くなる。よって、差動増幅回路103から出力されるバイアス電圧Vbiasの電圧値は、比較用電圧Vrbと基準用電圧Vrefとが等しい場合に出力されるバイアス電圧Vbiasの電圧値よりも高くなる。よって、バイアス電圧生成用トランジスタT104のチャネル抵抗の抵抗値は小さくなる。したがって、電流電圧変換用抵抗1101Rおよびバイアス電圧生成用トランジスタT104を流れるドレイン電流Idの電流値は大きくなる。また、ドレイン電流Idの電流値が大きくなることによって電流電圧変換用抵抗1101Rにおける電圧降下も大きくなるので、ノードN103に発生する比較用電圧Vrbの電圧値は低くなる。
【0190】
〔(ドレイン電流Idの電流値)>(基準電流Irefの電流値)の場合〕
一方、電流電圧変換用抵抗1101Rに流れるドレイン電流Idの電流値が電流電圧変換用抵抗1101Lに流れる基準電流Irefの電流値よりも大きい場合について説明する。
【0191】
ドレイン電流Idの電流値が基準電流Irefの電流値と等しい場合と比較すると、この場合、電流電圧変換用抵抗1101Rにおける電圧降下が大きくなるので、ノードN103に発生する比較用電圧Vrbの電圧値は、ノードN101に発生する基準用電圧Vrefの電圧値よりも低くなる。よって、差動増幅回路103から出力されるバイアス電圧Vbiasの電圧値は、比較用電圧Vrbと基準用電圧Vrefとが等しい場合に出力されるバイアス電圧Vbiasの電圧値よりも低くなる。よって、バイアス電圧生成用トランジスタT104のチャネル抵抗の抵抗値は大きくなる。したがって、電流電圧変換用抵抗1101Rおよびバイアス電圧生成用トランジスタT104を流れるドレイン電流Idの電流値は小さくなる。また、ドレイン電流Idの電流値が下降することによって電流電圧変換用抵抗1101Rにおける電圧降下も小さくなるので、ノードN103に発生する比較用電圧Vrbの電圧値は大きくなる。
【0192】
このように、バイアス電圧生成用トランジスタT104のチャネル抵抗の抵抗値が増加/減少することによって、ドレイン電流Idの電流値が基準電流Irefの電流値に近づく。
【0193】
なお、出力電流Ioutの電流値を基準電流Irefの電流値の2倍にしたい場合、電流電圧変換用抵抗1101Rの抵抗値が電流電圧変換用抵抗1101Lの抵抗値に対して1/2になるようにすればいい。この場合、電流電圧変換用抵抗1101Rおよびバイアス電圧生成用トランジスタT104に流れるドレイン電流Idの電流値が2倍になれば、ノードN103に発生する比較用電圧Vrbの電圧値と基準用電圧Vrefの電圧値とが等しくなる。また、バイアス電圧生成用トランジスタT104と駆動トランジスタT105a,105bの各々とによって構成されるカレントミラー回路のミラー比を「1:2」にしても、同様に、出力電流Ioutの電流値を基準電流Irefの電流値の2倍にすることができる。
【0194】
<効果>
以上のように、駆動トランジスタT105a,T105bの各々は、差動増幅回路103から出力されるバイアス電圧Vbiasによって出力電流Ioutを生成する。差動増幅回路103は出力インピーダンスが低いので、差動増幅回路103における電圧降下が小さい。よって、従来の電流駆動装置よりも電力を有効に使用することができる。
【0195】
また、差動増幅回路103は入力インピーダンスが高いので、電流電圧変換用抵抗1101R,1101Lにかかる電気的な負担が小さくてすむ。
【0196】
また、本実施形態による電流駆動装置1は、基準電流Irefを入力し、入力した基準電流Irefを用いて出力電流Ioutを生成する。よって、この電流駆動装置11を複数直列に配置すれば、各々の電流駆動装置が自己の前段に配置された電流駆動装置からの出力電流Ioutを基準電流Irefとして入力することができるので、大規模な電流駆動装置を構成することができる。
【0197】
(第12の実施形態)
<抵抗のばらつきによる影響について>
電流電圧変換用抵抗1101Rの抵抗値と電流電圧変換用抵抗1101Lの抵抗値との間にずれがあると、基準電圧Vrefと比較用電圧Vrbとが常にずれてしまう。例えば、基準用電圧Vrefよりも比較用電圧Vrbが大きいとすると、差動増幅回路103によって生成されるバイアス電圧Vbiasは本来あるべき電圧よりも大きくなる。よって、電流駆動装置の出力電流Ioutは、常に、基準電流Irefよりも大きくなってしまう。このように、トランジスタの特性差によって出力電流Ioutの誤差が一方向に偏っていると、複数の電流駆動装置を用いて表示パネルを駆動した場合、その表示パネルの発光輝度が顕著にばらついてしまう。
【0198】
<全体構成>
この発明の第12の実施形態による電流駆動装置12の全体構成を図12に示す。この装置12は、図11に示した電流駆動装置11に加えて、トランジスタ用切替部1201と、差動増幅回路用切替部1202とを備える。トランジスタ用切替部1201において、入出力端子Xaは基準電流源REFに接続され、入出力端子Xbはバイアス電圧生成用トランジスタT104のドレインに接続され、入出力端子YaはノードN101に接続され、入出力端子YbはノードN103に接続されている。差動増幅回路用切替部1202において、入出力端子Xaは差動増幅回路103の反転入力端子に接続され、入出力端子Xbは差動増幅回路103の非反転入力端子に接続され、入出力端子YaはノードN101に接続され、入出力端子YbはノードN103に接続されている。トランジスタ用切替部1201および差動増幅回路用切替部1202の各々は、外部からの制御信号Sに応じて、入出力端子Xa,Xbのうち一方を入出力端子Yaに接続するとともにもう一方を入出力端子Ybに接続する。つまり、この装置12では、電流電圧変換用抵抗1101Rと電流電圧変換用抵抗1101Lとの配置関係を定期的に交代する。
【0199】
<切替部1201,1202の内部構成>
次に、図12に示したトランジスタ用切替部1201および差動増幅回路用切替部1202の内部構成について説明する。なお、トランジスタ用切替部1201および差動増幅回路用切替部1202は内部構成が同様であるので、代表して、トランジスタ用切替部1201の内部構成を図13に示す。
【0200】
トランジスタ用切替部1201は、スイッチ用トランジスタT1201an,T1201ap,T1201bn,T1201bp,T1201cn,T1201cp,T1201dn,T1201dpを含む。制御信号Sには、制御信号SN,SP,NSN,NSPが含まれる。
【0201】
スイッチ用トランジスタT1201an,T1201apは、入出力端子Xaと入出力端子Ybとの間に並列に設けられ、スイッチ用トランジスタT1201anのゲートには制御信号NSNが入力され、スイッチ用トランジスタT1201apのゲートには制御信号NSPが入力される。
【0202】
スイッチ用トランジスタT1201bn,T1201bpは、入出力端子Xaと入出力端子Yaとの間に並列に設けられ、スイッチ用トランジスタT1201bnのゲートには制御信号SNが入力され、スイッチ用トランジスタT1201bpのゲートには制御信号SPが入力される。
【0203】
スイッチ用トランジスタT1201cn,T1201cpは、入出力端子Xbと入出力端子Yaとの間に並列に設けられ、スイッチ用トランジスタT1201cnゲートには制御信号NSNが入力され、スイッチ用トランジスタT1201cpのゲートには制御信号NSPが入力される。
【0204】
スイッチ用トランジスタT1201dn,T1201dpは、入出力端子Xbと入出力端子Ybとの間に並列に設けられ、スイッチ用トランジスタT1201dnのゲートには制御信号SNが入力され、スイッチ用トランジスタT1201dpのゲートには制御信号SPが入力される。
【0205】
<動作>
次に、図12,13に示したトランジスタ用切替部1201の動作について図14を参照しつつ説明する。
【0206】
時刻T1において、制御信号SNがHレベルになり制御信号SPがLレベルになる。これにより、スイッチ用トランジスタT1201bn,T1201bp,T1201dn,T1201dpが活性化される。また、制御信号NSNがLレベルであり制御信号NSPがHレベルであるので、スイッチ用トランジスタT1201an,T1201ap,T1201cn,T1201cpは非活性化されている。よって、入出力端子Xaは入出力端子Yaに接続され、入出力端子Xbは入出力端子Ybに接続される。これにより、ノードN101は基準電流源REFと差動増幅回路103の反転入力端子とに接続され、ノードN103はバイアス電圧生成用トランジスタT104のドレインと差動増幅回路103の非反転入力端子とに接続される(図12参照)ので、電流電圧変換用抵抗1101Lによって基準用電圧Vrefが生成され電流電圧変換用抵抗1101Rによって比較用電圧Vrbが生成される。
【0207】
時刻T2において、制御信号SNがLレベルになり制御信号SPがHレベルになる。これにより、スイッチ用トランジスタT1201bn,T1201bp,T1201dn,T1201dpが非活性化される。よって、入出力端子Xa,Xbは、入出力端子Ya,Ybのいずれとも接続されない。
【0208】
時刻T3において、制御信号NSNがHレベルになり制御信号NSPがLレベルになる。これにより、スイッチ用トランジスタT1201an,T1201ap,T1201cn,T1201cpが活性化される。よって、入出力端子Xaは入出力端子Ybに接続され、入出力端子Xbは入出力端子Yaに接続される。これにより、ノードN103は基準電流源REFと差動増幅回路103の反転入力端子とに接続され、ノードN101はバイアス電圧生成用トランジスタT104のドレインと差動増幅回路103の非反転入力端子とに接続される(図12参照)ので、電流電圧変換用抵抗1101Rによって基準用電圧Vrefが生成され電流電圧変換用抵抗1101Lによって比較用電圧Vrbが生成される。
【0209】
時刻T4において、制御信号NSNがLレベルになり制御信号NSPがHレベルになる。これにより、スイッチ用トランジスタT1201an,T1201ap,T1201cn,T1201cpが非活性化される。よって、入出力端子Xa,Xbは、入出力端子Ya,Ybのいずれとも接続されない。
【0210】
<切り替えるタイミング>
制御信号S(制御信号NS,NP,NSN,NSP)の信号レベルを切り替えるタイミングは、任意ではあるが、定期的である方が好ましい。例えば、1フレームごとに制御信号NS,NP,NSN,NSPの信号レベルを切り替えれば、出力電流Ioutの電流値が変化するタイミングと表示パネルに表示される画像が切り替わるタイミングとが一致するので、表示パネルにおける明るさの変化を目立たなくすることができる。
【0211】
また、制御信号NS,NP,NSN,NSPの信号レベルの切り替えを垂直ブランキング期間中に行うことも可能である。
【0212】
<効果>
以上のように、制御信号NS,NP,NSN,NSPによって電流電圧変換用抵抗1101R,1101Lの配置関係を交代することにより、電流電圧変換用抵抗1101R,1101L間の特性差による誤差を平均化することができる。これにより、電流駆動装置3から表示素子回路に出力される出力電流Ioutのずれが一方向に偏らないので、表示パネルの発光輝度のばらつきを低減することができる。
【0213】
また、すべてのスイッチ用トランジスタが活性化しない期間が生じるように制御信号R,NRの信号レベルの切り替えを行うことによって、基準電流源REFとノードN103や基準電流源REFとバイアス電圧生成用トランジスタT104との間に短絡を生じることなく、安定して切替動作を行うことができる。
【0214】
また、表示パネルにおいて、出力電流Ioutの電流値が切り替わる面積は、小さい方が好ましい。例えば、1ライン単位で出力電流Ioutの電流値が切り替わる方が好ましい。このようにすれば、表示パネルの発光輝度のばらつきがさらに目立たなくなる。
【0215】
(第13の実施形態)
<全体構成>
この発明の第13の実施形態による電流駆動装置13の全体構成を図15に示す。この装置13は、図11に示した電流駆動装置11に加えて、図5に示した制限電圧供給端子501と電圧制限用トランジスタT502とを備える。その他の構成は、図11と同様である。電圧制限用トランジスタ502は、ノードN103とバイアス電圧生成用トランジスタT104との間に設けられ、ゲートには制限電圧供給端子501からの制限電圧Vxが入力される。
【0216】
<動作>
図15に示した電圧制限用トランジスタT502による動作は、第5の実施形態(図5)と同様である。
【0217】
<効果>
以上のように、バイアス電圧生成用トランジスタT104のドレイン電圧を駆動トランジスタT105a,T105bのドレイン電圧にあわせることができるので、駆動トランジスタT105a,T105bにおけるドレイン電圧依存性による誤差を低減することができる。
【0218】
(第14の実施形態)
<全体構成>
この発明の第14の実施形態による電流駆動装置14の全体構成を図16に示す。この装置14は、図15に示した電流駆動装置13に加えて、図7に示した出力電圧制限用トランジスタT701a,T701bを備える。その他の構成は、図15と同様である。
【0219】
<ドレイン電圧の調整>
図16に示した電圧制限用トランジスタT502,出力電圧制限用トランジスタT701a,T701bによる動作は、第7の実施形態(図7)と同様である。
【0220】
<効果>
以上のように、バイアス電圧生成用トランジスタT104のドレイン電圧と駆動トランジスタT105a,T105bのドレイン電圧とをほぼ一致させることができるので、駆動トランジスタT105a,T105bにおけるドレイン電圧依存性による誤差を低減することができる。
【0221】
(第15の実施形態)
<全体構成>
この発明の第15の実施形態による電流駆動装置15の全体構成を図17に示す。この装置15は、図11に示した電流電圧変換用抵抗1101Rに代えて、バイアス電圧調整部1501を備える。その他の構成は、図11と同様である。バイアス電圧調整部1501は、自己が有する抵抗値とバイアス電圧生成用トランジスタT104を流れるドレイン電流Idの電流値とに応じた電圧値を有する比較用電圧Vrbを生成する。バイアス電圧調整部1501が有する抵抗値は、任意に設定することができる。
【0222】
<バイアス電圧調整部1501の内部構成>
図15に示したバイアス電圧調整部1501は、電流電圧変換部1511と、抵抗調整部1512と、供給電源913と、条件記憶部914と、条件制御部1514とを含む。
【0223】
電流電圧変換部1511は、K個の電流電圧変換用抵抗R151〜R15Kを含む。電流電圧変換用抵抗R151〜R15Kは、内部電源ノードVddとノードNd15Kとの間に直列に設けられる。ノードNd151〜ノードNd15Kの各々の間には、電流電圧変換用抵抗R151〜R15Kがそれぞれ設けられている。
【0224】
抵抗調整部1512は、K個の選択用トランジスタTa151〜Ta15Kと、K個の選択用トランジスタTb151〜Tb15Kとを含む。選択用トランジスタTa151〜Ta15Kと選択用トランジスタTb151〜Tb15Kとは一対一で対応しており、差動増幅回路103の非反転入力端子とバイアス電圧生成用トランジスタT104との間に設けられる。選択用トランジスタTa151〜Ta15Kは、バイアス電圧生成用トランジスタT104とノードNc151〜Nc15Kとの間に設けられ、ゲートには条件制御回路1515からの制御信号CT151〜CT15Kが入力される。選択用トランジスタTb151〜Tb15Kは、ノードNc151〜Nc15Kと差動増幅回路103の非反転入力端子との間に設けられ、ゲートには条件制御回路1515からの制御信号CT151〜CT15Kが入力される。ノードNc151〜Nc15Kは、ノードNd151〜Nd15Kに接続されている。
【0225】
制御信号CT151〜CT15Kは、Lレベルのときには選択用トランジスタTa151〜Ta15K,Tb151〜Tb15K(PMOSトランジスタ)を活性化させる電圧であり、Hレベルのときには選択用トランジスタTa151〜Ta15K,Tb151〜Tb15Kを非活性化させる電圧である。
【0226】
抵抗調整部1501が有する抵抗値は、選択用トランジスタTa151〜Ta15K,Tb151〜Tb15Kを用いて電流電圧変換用抵抗R151〜R15Kをバイアス電圧生成用トランジスタT104のドレインおよび差動増幅回路103の非反転入力端子に任意に接続することによって、任意に設定することができる。
【0227】
供給電源912は、図9に示したものと同様である。
【0228】
条件記憶部913は、図9に示したものと同様である。なお、ここでは、条件記憶部913は、ノードNd151〜Nd15Kのうち選択すべきノードが示されたバイナリデータを記憶するものとする。例えば、ヒューズh91が切断されており他のヒューズh92〜h9Mが切断されていない場合、条件記憶部913は、選択すべきノードが「ノードNd151」であることを記憶している。また、ヒューズh91,h92が切断されており他のヒューズh93〜h9Mが切断されていない場合、条件記憶部913は、選択すべきノードが「ノードNd153」であることを記憶している。
【0229】
条件制御回路1514は、条件制御回路914と同様に、外部からのコントロール信号CONTに応じて、条件固定モードまたはエミュレートモードになる。
【0230】
条件固定モードになると、条件制御回路1514は、条件制御回路914と同様に、条件記憶部913に記憶されたバイナリデータをデコードすることによって、制御信号CT151〜CT15Kを出力する。例えば、条件記憶部913においてヒューズh91が切断されている場合、条件制御回路1514は、制御信号CT151をLレベルにし他の制御信号CT152〜CT15KをHレベルにする。
【0231】
エミュレートモードになると、条件制御回路1514は、条件制御回路914と同様に、外部からのデータ信号DATAに従って条件記憶部913におけるヒューズh91〜h9Mの断線状態をエミュレートして、制御信号CT92〜CT9Kを出力する。例えば、ヒューズh91が切断されている状態をエミュレートするためのデータ信号DATAが条件制御回路1514に入力されると、条件制御回路1514は、制御信号CT151をLレベルにし他の制御信号CT152〜CT15KをHレベルにする。また、ヒューズh91,h92が切断されている状態をエミュレートするためのデータ信号DATAが条件制御回路1514に入力されると、条件制御回路1514は、制御信号CT153をLレベルにし他の制御信号CT151,CT152,CT154〜CT15KをHレベルにする。
【0232】
<動作>
次に、図17に示したバイアス電圧調整部1501による動作について説明する。
【0233】
〔条件固定モード〕
条件制御回路1514は、条件固定モードへの切替を要請するコントロール信号CONTを入力すると条件固定モードになる。次に、条件制御回路1514は、条件記憶部912に含まれるヒューズh91〜h9Mの一方の端子を自己に接続してヒューズの断線状態によって示されたバイナリデータを読み出す。次に、条件制御回路514は、読み出したバイナリデータをデコードして、制御信号CT151〜CT15Kを対応する選択用トランジスタTa151〜Ta15K,Tb151〜Tb15Kのゲートに出力する。
【0234】
ここで、ヒューズh91が切断されている場合、条件制御回路1514は、制御信号CT151をLレベル(アクティブ)にし制御信号CT152〜CT15KをHレベル(インアクティブ)にする。よって、選択用トランジスタTa151,Tb151が活性化されるので、電流電圧変換用抵抗R151の一方の端子が、差動増幅回路103の非反転入力端子とバイアス電圧生成用トランジスタT104のドレインとに接続される。したがって、バイアス電圧生成用トランジスタT104のドレインには、電流電圧変換用抵抗R151の抵抗値に応じた比較用電圧Vrbが発生する。
【0235】
このように、条件記憶部1514に記憶された制御信号CT151〜CT15Kの出力状態が再現される。また、その出力状態が維持される。
【0236】
〔エミュレートモード〕
一方、条件制御回路1514は、エミュレーションモードへの切替を要請するコントロール信号CONTを入力するとエミュレートモードになる。次に、条件制御回路1014は、データ信号DATAに従って、制御信号CT151〜CT15Kを出力する。
【0237】
ここで、ヒューズh91,h92が切断されている状態をエミュレートするためのデータ信号DATAが条件制御回路1514に入力された場合された場合、条件制御回路1514は、制御信号CT152をLレベル(アクティブ)にし制御信号CT151,CT153〜CT15KをHレベル(インアクティブ)にする。よって、選択用トランジスタTa152,Tb152が活性化されるので、電流電圧変換用抵抗R152の一方の端子が、差動増幅回路103の非反転入力端子とバイアス電圧生成用トランジスタT104のドレインとに接続される。したがって、バイアス電圧生成用トランジスタT104のドレインには、電流電圧変換用抵抗R151,R152の抵抗値に応じた比較用電圧Vrbが発生する。
【0238】
このように、バイアス電圧生成用トランジスタT104に発生するドレイン電圧の電圧値を調整することができる。
【0239】
<効果>
以上のように、条件制御回路1515によって電流電圧変換部1511の性能を調整することによって、駆動トランジスタT105a,T105bにおける出力電流Iout出力電流の状態が最適になる条件(最適条件)の下で動作することができる。
【0240】
また、エミュレーションの結果に基づいて条件記憶部1514に含まれるヒューズh91〜h9Mを切断することによって制御信号CT151〜CT15Kの出力状態を記憶すれば、出力電流Ioutの状態が最適な時の条件を維持することができる。
【0241】
(第16の実施形態)
まず、本実施形態による電流駆動装置の説明する前に、図1〜図12,図15〜図17に示された差動増幅回路の内部構成について説明する。図1〜図12,図15〜図17に示された差動増幅回路の各々は内部構成が同様であるので、代表として図1に示した差動増幅回路103の内部構成について説明する。
【0242】
<差動増幅回路103の内部構成>
図1に示された差動増幅回路103の内部構成を図18に示す。差動増幅回路103は、差動増幅部103aと、カレントミラー部103bとを含む。
【0243】
〔差動増幅部〕
差動増幅部103aは、電流調整用トランジスタTyと、信号線LSinp,LSinnと、差動増幅用トランジスタTdL,TdRとを含む。電流調整用トランジスタTyは、内部電源ノードVddとノードNa103との間に設けられ、ゲートには調整電圧Vyが入力される。信号線LSinnには、反転入力端子に入力された信号(基準電圧Vc,ゲート電圧Vid,基準用電圧Vref等)が入力される。信号線LSinpには、非反転入力端子に入力された信号(ドレイン電圧Vrb,比較用電圧Vrb等)が入力される。差動増幅用トランジスタTdLは、ノードNa103とノードNopとの間に設けられ、ゲートは信号線LSinpに接続されている。よって、ノードNopには、信号線LSinpを介して差動増幅用トランジスタTdLのゲートに入力された信号に応じた電流が流れる。差動増幅用トランジスタTdRは、ノードNa103とノードNonとの間に設けられ、ゲートは信号線LSinnに接続されている。よって、ノードNonには、信号線LSinnを介して差動増幅用トランジスタTdRのゲートに入力された信号に応じた電流が流れる。
【0244】
〔カレントミラー部〕
カレントミラー部103bは、カレントミラー用トランジスタTcL,TcRと、接地ノードとを含む。カレントミラー用トランジスタTcLは、ノードNopと接地ノードとの間に設けられる。カレントミラー用トランジスタTcRは、ノードNonと接地ノードとの間に設けられる。カレントミラー用トランジスタTcLのゲートは、カレントミラー用トランジスタTcLのドレインとカレントミラー用トランジスタTcRのゲートとに接続されている。また、ノードNonとカレントミラー用トランジスタTcRとの間に存在するノードNb103には、差動増幅用トランジスタTdRが示す抵抗値とカレントミラー用トランジスタTcRが示す抵抗値との比に応じた電圧が発生する。また、ノードNb103に発生した電圧はバイアス電圧Vbiasとして出力される。
【0245】
<差動増幅回路103のオフセットについて>
図11に示した電流駆動装置11では、図18に示した差動増幅回路103において差動増幅用トランジスタTdR,TdLの間に特性差が存在すると、バイアス電圧Vbiasはその特性差の分だけ増加/減少したものになる。例えば、差動増幅用トランジスタTdRがTdLより電流能力が大きいとバイアス電圧Vbiasが本来あるべき電圧よりも大きくなってしまう。この場合、電流駆動装置の出力電流Ioutは、常に、基準電流Irefよりも大きくなってしまう。このように、出力電流Ioutの電流値が有する誤差が一方向に偏っていると、複数の電流駆動装置を用いて表示パネルを駆動した場合、その表示パネルの発光輝度が顕著にばらついてしまう。
【0246】
<本実施形態の構成>
この発明の第16の実施形態による電流駆動装置の全体構成は、差動増幅回路103の内部構成を除き、図11に示した構成と同様である。この実施形態において用いられる差動増幅回路は、図18に示した差動増幅部103aに代えて図19に示す差動増幅部1603aを含む。その他の構成は、図18と同様である。図19に示した差動増幅部1603aは、図18に示した差動増幅部103aに加えて、スイッチ用トランジスタTLr1,TLnr1,TRr1,TRnr1,TLr2,TLnr2,TRr2,TRnr2を含む。
【0247】
スイッチ用トランジスタTLr1,TLnr1は、信号線LSinpと信号線LSinnとの間に直列に設けられる。スイッチ用トランジスタTLr1は、信号線LSinpとノードN1Lとの間に設けられ、ゲートには制御信号Rが入力される。スイッチ用トランジスタTLnr1は、ノードN1Lと信号線LSinnとの間に設けられ、ゲートには制御信号NRが入力される。ノードN1Lは、差動増幅用トランジスタTdLのゲートに接続される。スイッチ用トランジスタTRnr1,TRr1は、信号線LSinpと信号線LSinnとの間に直列に設けられる。スイッチ用トランジスタTRnr1は、信号線LSinpとノードN1Rとの間に設けられ、ゲートには制御信号NRが入力される。スイッチ用トランジスタTRr1は、ノードN1Rと信号線LSinnとの間に設けられ、ゲートには制御信号Rが入力される。ノードN1Rは、差動増幅用トランジスタTdRのゲートに接続される。
【0248】
スイッチ用トランジスタTLr2は、差動増幅用トランジスタTdLとノードNopとの間に設けられ、ゲートには制御信号Rが入力される。スイッチ用トランジスタTLnr2は、差動増幅用トランジスタTdLとノードNonとの間に設けられ、ゲートには制御信号NRが入力される。スイッチ用トランジスタTRnr2は、差動増幅用トランジスタTdRとノードNopとの間に設けられ、ゲートには制御信号NRが入力される。スイッチ用トランジスタTRr2は、差動増幅用トランジスタTdRとノードNonとの間に設けられ、ゲートには制御信号Rが入力される。
【0249】
制御信号R,NRは、Lレベルのときにはスイッチ用トランジスタTLr1,TLnr1,TRr1,TRnr1,TLr2,TLnr2,TRr2,TRnr2(PMOSトランジスタ)を活性化させる電圧を示し、Hレベルのときにはスイッチ用トランジスタTLr1,TLnr1,TRr1,TRnr1,TLr2,TLnr2,TRr2,TRnr2を非活性化させる電圧を示す。例えば、制御信号R,NRは、Lレベルのときには内部電源における電圧の最高値VddmaxからPMOSトランジスタのしきい値電圧Vtpを引いた電圧(Vddmax−Vtp)よりも低い電圧であり、Hレベルのときには内部電源における電圧の最大値Vddmaxと同一の電圧である。
【0250】
<動作>
次に、図19に示した差動増幅部1603aによる動作について説明する。
【0251】
〔接続1〕
まず、制御信号NRをHレベル(インアクティブ)にし制御信号RをLレベル(アクティブ)にする。この場合、スイッチ用トランジスタTLr1,TRr1が活性化することによって、差動増幅用トランジスタTdLのゲートと信号線LSinpとが接続され、差動増幅用トランジスタTdRのゲートと信号線LSinnとが接続される。これにより、差動増幅用トランジスタTdLにおいて非反転入力端子に入力された信号に応じた電流が生成され、差動増幅用トランジスタTdRにおいて反転入力端子に入力された信号に応じた電流が生成される。
【0252】
一方,スイッチ用トランジスタTLr2,TRr2が活性化することによって、差動増幅用トランジスタTdLのドレインとノードNopとが接続され、差動増幅用トランジスタTdRのドレインとノードNonとが接続される。これにより、差動増幅用トランジスタTdLにおいて生成された電流がノードNopに流れ、差動増幅用トランジスタTdRにおいて生成された電流がノードNonに流れる。
【0253】
このようにして、非反転入力端子に入力された信号に応じた電流はノードNopに流れ、反転入力端子に入力された信号に応じた電流はノードNonに流れる。
【0254】
〔接続2〕
一方、制御信号NRをLレベル(アクティブ)にし制御信号RをHレベル(インアクティブ)にする。この場合、スイッチ用トランジスタTLnr1,TRnr1が活性化することによって、差動増幅用トランジスタTdLのゲートと信号線LSinnとが接続され、差動増幅用トランジスタTdRのゲートと信号線LSinpとが接続される。これにより、差動増幅用トランジスタTdLにおいて反転入力端子に入力された信号に応じた電流が生成され、差動増幅用トランジスタTdRにおいて非反転入力端子に入力された信号に応じた電流が生成される。
【0255】
一方,スイッチ用トランジスタTLnr2,TRnr2が活性化することによって、差動増幅用トランジスタTdLのドレインとノードNonとが接続され、差動増幅用トランジスタTdRのドレインとノードNopとが接続される。これにより、差動増幅用トランジスタTdLにおいて生成された電流がノードNonに流れ、差動増幅用トランジスタTdRにおいて生成された電流がノードNopに流れる。
【0256】
このようにして、非反転入力端子に入力された信号に応じた電流はノードNopに流れ、反転入力端子に入力された信号に応じた電流はノードNonに流れる。
【0257】
<切り替えるタイミング>
制御信号R,NRの信号レベルを切り替えるタイミングは、任意ではあるが、定期的である方が好ましい。例えば、1フレームごとに制御信号R,NRの信号レベルを切り替えれば、出力電流Ioutの電流値が変化するタイミングと表示パネルに表示される画像が切り替わるタイミングとが一致するので、表示パネルにおける明るさの変化を目立たなくすることができる。
【0258】
また、制御信号R,NRの信号レベルの切り替えを垂直ブランキング期間中に行うことも可能である。
【0259】
<効果>
以上のように、制御信号R,NRによって差動増幅用トランジスタTdR,TdLの配置関係を交代することにより、差動増幅用トランジスタTdR,TdL間の特性差による誤差を平均化することができる。これにより、電流駆動装置から表示素子回路に出力される出力電流Ioutのずれが一方向に偏らないので、表示パネルの発光輝度のばらつきを低減することができる。
【0260】
また、図18等では、差動増幅用トランジスタTdL,TdRにPchトランジスタを用いており、カレントミラー用トランジスタTcL,TcRにNchトランジスタを用いているが、差動増幅用トランジスタTdL,TdRにNchトランジスタを用いて、カレントミラー用トランジスタTcL,TcRにPchトランジスタを用いることも可能である。この場合、制御信号や配線等を適宜変更すればいい。
【0261】
なお、バイアス電圧Vbiasの電圧値を安定させるための出力部を設ける構成も可能である。
【0262】
(第17の実施形態)
<差動増幅回路103のオフセットについて>
図18に示した差動増幅回路では、カレントミラー用トランジスタTcR,TcLの間に特性差が存在すると、図11の構成ではバイアス電圧Vbiasはその特性差の分だけ増加/減少したものになる。例えば、カレントミラー用トランジスタTcLがTcRより電流能力が大きいとバイアス電圧Vbiasが本来あるべき電圧よりも大きくなってしまう。この場合、電流駆動装置の出力電流Ioutは、常に、基準電流Irefよりも大きくなってしまう。このように、トランジスタの特性差によって出力電流Ioutの誤差が一方向に偏っていると、複数の電流駆動装置を用いて表示パネルを駆動した場合、その表示パネルの発光輝度が顕著にばらついてしまう。
【0263】
<全体構成>
この発明の第17の実施形態による電流駆動装置の全体構成は、差動増幅回路103の内部構成を除き、図11に示した構成と同様である。この実施形態において用いられる差動増幅回路は、図18に示したカレントミラー部103bに代えて、図20に示すカレントミラー部1703bを含む。その他の構成は、図18と同様である。図20に示したカレントミラー部1703bは、図18に示したカレントミラー部103bに加えて、スイッチ用トランジスタTLr3,TLnr3,TRr3,TRnr3,TLr4,TLnr4,TRr4,TRnr4を含む。
【0264】
スイッチ用トランジスタTLnr3は、ノードNopとノードN3Lとの間に設けられ、ゲートには制御信号NRが入力される。スイッチ用トランジスタTLr3は、ノードNonとノードN3Lとの間に設けられ、ゲートには制御信号Rが入力される。スイッチ用トランジスタTRr3は、ノードNopとノードN3Rとの間に設けられ、ゲートには制御信号Rが入力される。スイッチ用トランジスタTRnr3は、ノードNonとノードN3Rとの間に設けられ、ゲートには制御信号NRが入力される。
【0265】
ノードN4L1,N4L2,カレントミラー用トランジスタTcLは、ノードN3Lと接地ノードとの間に直列に設けられる。ノードN4L1は、ノードN3LとノードN4L2との間に設けられる。ノードN4L2は、ノードN4L1とカレントミラー用トランジスタTcLとの間に設けられる。カレントミラー用トランジスタTcLは、ノードN4L2と接地ノードとの間に設けられ、ゲートはノードN4cに接続される。
【0266】
ノードN4R1,N4R2,カレントミラー用トランジスタTcRは、ノードN3Rと接地ノードとの間に直列に設けられる。ノードN4R1は、ノードN3RとノードN4R2との間に設けられる。ノードN4R2は、ノードN4R1とカレントミラー用トランジスタTcRとの間に設けられる。カレントミラー用トランジスタTcRは、ノードN4R2と接地ノードとの間に設けられ、ゲートはノードN4cに接続される。
【0267】
スイッチ用トランジスタTLr4,TRnr4は、ノードN4L1とノードN4R1との間に直列に設けられる。スイッチ用トランジスタTLr4は、ノードN4L1とノードN4aとの間に設けられ、ゲートには制御信号Rが入力される。スイッチ用トランジスタTRnr4は、ノードN4aとノードN4R1のと間に設けられ、ゲートには制御信号NRが入力される。
【0268】
スイッチ用トランジスタTLnr4,TRr4は、ノードN4L2とノードN4R2との間に直列に接続される。スイッチ用トランジスタTLnr4は、ノードN4L2とノードN4bとの間に設けられ、ゲートには制御信号NRが入力される。スイッチ用トランジスタTRr4は、ノードN4bとノードN4R2との間に設けられ、ゲートには制御信号Rが入力される。ノードN4bは、ノードN4cに接続されている。
【0269】
制御信号R,NRは、Lレベルのときにはスイッチ用トランジスタTLr3,TLnr3,TRr3,TRnr3,TLr4,TLnr4,TRr4,TRnr4(NMOSトランジスタ)を非活性化させる電圧を示し、Hレベルのときにはスイッチ用トランジスタTLr3,TLnr3,TRr3,TRnr3,TLr4,TLnr4,TRr4,TRnr4を活性化させる電圧を示す。例えば、制御信号R,NRは、Lレベルのときには内部電源における電圧の最低値Vddminと同一の電圧であり、Hレベルのときには内部電源における電圧の最低値Vddminにスイッチ用トランジスタを活性化させるために少なくともしきい値電圧Vtnの2倍以上の電圧値有する電圧(>Vddmin+Vtn×2)である。
【0270】
また、スイッチ用トランジスタTLr3,TLnr3,TRr3,TRnr3はPMOSトランジスタを使ってもよい。この場合、制御信号の印加電圧の活性化極性は逆になるため(Lレベルでアクティブ、Hレベルでインアクティブ)、スイッチ用トランジスタTLr3,TRnr3には制御信号R、スイッチ用トランジスタTLnr3,TRr3には制御信号NRを接続する。制御信号の印加電圧はLレベルのときには内部電源における電圧の最低値Vddminと同一の電圧であり、Hレベルの時には最高値Vddmaxと同一の電圧である。
【0271】
<動作>
次に、図20に示したカレントミラー部1703bによる動作について説明する。
【0272】
〔接続1〕
まず、制御信号NRがHレベル(アクティブ)にし制御信号RがLレベル(インアクティブ)にする。この場合,スイッチ用トランジスタTLnr3,TRnr3が活性化することによって、ノードNopとノードN3Lとが接続されノードNonとノードN3Rとが接続される。これにより、ノードNopに流れる電流(非反転入力端子に入力された信号に応じた電流)がノードN3Lに流れ、ノードNonに流れる電流(反転入力端子に入力された信号に応じた電流)がノードN3Rに流れる。
【0273】
一方、スイッチ用トランジスタTLnr4が活性化することによって、カレントミラー用トランジスタTcLのゲートとドレインが接続される。また、スイッチ用トランジスタTRnr4が活性化することによって、カレントミラー用トランジスタTcRのドレインに発生した電圧がバイアス電圧Vbiasとして出力される。これにより、カレントミラー用トランジスタTcLを入力側としカレントミラー用トランジスタTcRを出力側とするカレントミラー回路が構成される。
【0274】
〔接続2〕
一方、制御信号NRがLレベル(インアクティブ)にし制御信号RがHレベル(アクティブ)にする。この場合,スイッチ用トランジスタTLr3,TRr3が活性化することによって、ノードNonとノードN3Lとが接続され、ノードNopとノードN3Rとが接続される。これにより、ノードNonに流れる電流(反転入力端子に入力された信号に応じた電流)がノードN3Lに流れ、ノードNopに流れる電流(非反転入力端子に入力された信号に応じた電流)がノードN3Rに流れる。
【0275】
一方、スイッチ用トランジスタTLr4が活性化することによって、カレントミラー用トランジスタTcRのゲートとドレインが接続される。また、スイッチ用トランジスタTRr4が活性化することによって、カレントミラー用トランジスタTcLのドレインに発生した電圧がバイアス電圧Vbiasとして出力される。これにより、カレントミラー用トランジスタTcRを入力側としカレントミラー用トランジスタTcLを出力側とするカレントミラー回路が構成される。
【0276】
<効果>
以上のように、制御信号R,NRによってカレントミラー用トランジスタTcR,TcLの配置関係を交代することにより、カレントミラー用トランジスタTcR,TcL間の特性差による誤差を平均化することができる。これにより、電流駆動装置から表示素子回路に出力される出力電流Ioutのずれが一方向に偏らないので、表示パネルの発光輝度のばらつきを低減することができる。
【0277】
なお、図19に示した差動増幅部1603aと組み合わせた構成も可能である。この場合、制御信号R,NRを切り替えるタイミングは、一致しなくても構わない。
【0278】
(第18の実施形態)
<構成>
この発明の第18の実施形態による電流駆動装置は、差動増幅回路103に代えて、差動増幅回路1803を備える。その他の構成は図11に示した構成と同様である。この実施形態において用いられる差動増幅回路1803の内部構成を図21に示す。図21に示した差動増幅回路1803は、図18に示した差動増幅回路103に加えて、スイッチ用トランジスタTLr5,TLnr5,TRr5,TRnr5,TLr6,TLnr6,TRr6,TRnr6を含む。
【0279】
スイッチ用トランジスタTLnr5,TLr5は、信号線LSinpと信号線LSinnとの間に直列に設けられる。スイッチ用トランジスタTLnr5は、信号線LSinpとノードN5Lとの間に設けられ、ゲートには制御信号NRが入力される。スイッチ用トランジスタTLr5は、ノードN5Lと信号線LSinnとの間に設けられ、ゲートには制御信号Rが入力される。ノードN5Lは、差動増幅用トランジスタTdLのゲートに接続される。
【0280】
スイッチ用トランジスタTRr5,TRnr5は、信号線LSinpと信号線LSinnとの間に直列に設けられる。スイッチ用トランジスタTRr5は、信号線LSinpとノードN5Rとの間に設けられ、ゲートには制御信号Rが入力される。スイッチ用トランジスタTRnr5は、ノードN5Rと信号線LSinnとの間に設けられ、ゲートには制御信NRが入力される。ノードN5Rは、差動増幅用トランジスタTdRのゲートに接続される。
【0281】
ノードN6L1,N6L2は、差動増幅用トランジスタTdLとカレントミラー用トランジスタTcLとの間に直列に設けられる。ノードN6L1は、差動増幅用トランジスタTdLとノードN6L2との間に設けられる。ノードN6L2は、ノードN6L1とカレントミラー用トランジスタTcLとの間に設けられる。
【0282】
ノードN6R1,N6R2は、差動増幅用トランジスタTdRとカレントミラー用トランジスタTcRとの間に直列に設けられる。ノードN6R1は、差動増幅用トランジスタTdRとノードN6R2との間に設けられる。ノードN6R2は、ノードN6R1とカレントミラー用トランジスタTcRとの間に設けられる。
【0283】
スイッチ用トランジスタTLr6,TRnr6は、ノードN6L1とノードN6R1との間に直列に設けられる。スイッチ用トランジスタTLr6は、ノードN6L1とノードN6aとの間に設けられ、ゲートには制御信号NRが入力される。スイッチ用トランジスタTRnr6は、ノードN6aとノードN6R1との間に設けられ、ゲートには制御信号Rが入力される。
【0284】
スイッチ用トランジスタTLnr6,TRr6は、ノードN6L2とノードN6R2との間に直列に設けられる。スイッチ用トランジスタTLnr6は、ノードN6L2とノードN6bとの間に設けられ、ゲートには制御信号Rが入力される。スイッチ用トランジスタTRr6は、ノードN6bとノードN6R2との間に設けられ、ゲートには制御信号NRが入力される。ノードN6bは、ノードN6cに接続される。
【0285】
制御信号R,NRは、Lレベルのときにはスイッチ用トランジスタTLr5,TLnr5,TRr5,TRnr5(PMOSトランジスタ)を活性化させスイッチ用トランジスタTLr6,TLnr6,TRr6,TRnr6(NMOSトランジスタ)を非活性化させる電圧を示し、Hレベルのときにはスイッチ用トランジスタTLr5,TLnr5,TRr5,TRnr5(PMOSトランジスタ)を非活性化させスイッチ用トランジスタTLr6,TLnr6,TRr6,TRnr6(NMOSトランジスタ)を活性化させる電圧を示す。例えば、制御信号R,NRは、Lレベルのときには内部電源における電圧の最低値Vddminと同一の電圧であり、Hレベルのときには内部電源における電圧の最高値Vddmaxと同一の電圧である。
【0286】
<動作>
次に、図21に示した差動増幅回路1803による動作について説明する。
【0287】
〔接続1〕
まず、制御信号NRをLレベルにし制御信号RをHレベルにする。この場合、スイッチ用トランジスタTLnr5,TRnr5が活性化することによって、差動増幅用トランジスタTdLのゲートと信号線LSinpとが接続され、差動増幅用トランジスタTdRのゲートと信号線LSinnとが接続される。これにより、差動増幅用トランジスタTdLにおいて非反転入力端子に入力された信号に応じた電流が生成され、差動増幅用トランジスタTdRにおいて反転入力端子に入力された信号に応じた電流が生成される。
【0288】
一方、スイッチ用トランジスタTLnr6が活性化することによって、カレントミラー用トランジスタTcLのゲートとドレインが接続される。また、スイッチ用トランジスタTRnr6が活性化することによって、カレントミラー用トランジスタTcRのドレインに発生した電圧がバイアス電圧Vbiasとして出力される。これにより、カレントミラー用トランジスタTcLを入力側としカレントミラー用トランジスタTcRを出力側とするカレントミラー回路が構成される。
【0289】
〔接続2〕
一方、制御信号NRをHレベルにし制御信号RをLレベルにする。この場合、スイッチ用トランジスタTLr5,TRr5が活性化することによって、差動増幅用トランジスタTdLのゲートと信号線LSinnとが接続され、差動増幅用トランジスタTdRのゲートと信号線LSinpとが接続される。これにより、差動増幅用トランジスタTdLにおいて反転入力端子に入力された信号に応じた電流が生成され、差動増幅用トランジスタTdRにおいて非反転入力端子に入力された信号に応じた電流が生成される。
【0290】
一方、スイッチ用トランジスタTRr6が活性化することによって、カレントミラー用トランジスタTcRのゲートとドレインが接続される。また、スイッチ用トランジスタTLr6が活性化することによって、カレントミラー用トランジスタTcLのドレインに発生した電圧がバイアス電圧Vbiasとして出力される。これにより、カレントミラー用トランジスタTcRを入力側としカレントミラー用トランジスタTcLを出力側とするカレントミラー回路が構成される。
【0291】
<効果>
以上のように、制御信号R,NRによって差動増幅用トランジスタTdR,TdLおよびカレントミラー用トランジスタTcR,TcLの配置関係を交代することにより、差動増幅用トランジスタTdR,TdLおよびカレントミラー用トランジスタTcR,TcL間の特性差による誤差を平均化することができる。これにより、電流駆動装置から表示素子回路に出力される出力電流Ioutのずれが一方向に偏らないので、表示パネルの発光輝度のばらつきを低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0292】
本発明にかかる電流駆動装置は、有機ELパネルなど電流駆動型の表示用ドライバ等に有用である。また、複数の回路ブロックに分かれて、互いに電流値を合わせながら高精度に出力するプリンタドライバ等の用途にも応用できる。
【図面の簡単な説明】
【0293】
【図1】この発明の第1の実施形態による電流駆動装置の全体構成を示す図である。
【図2】この発明の第2の実施形態による電流駆動装置の全体構成を示す図である。
【図3】この発明の第3の実施形態による電流駆動装置の全体構成を示す図である。
【図4】この発明の第4の実施形態による電流駆動装置の全体構成を示す図である。
【図5】この発明の第5の実施形態による電流駆動装置の全体構成を示す図である。
【図6】この発明の第6の実施形態による電流駆動装置の全体構成を示す図である。
【図7】この発明の第7の実施形態による電流駆動装置の全体構成を示す図である。
【図8】この発明の第8の実施形態による電流駆動装置の全体構成を示す図である。
【図9】この発明の第9の実施形態による電流駆動装置の全体構成を示す図である。
【図10】この発明の第10の実施形態による電流駆動装置の全体構成を示す図である。
【図11】この発明の第11の実施形態による電流駆動装置の全体構成を示す図である。
【図12】この発明の第12の実施形態による電流駆動装置の全体構成を示す図である。
【図13】図12に示したトランジスタ用切替部の内部構成を示す図である。
【図14】図13に示したトランジスタ用切替部の動作を示すタイミングチャートである。
【図15】この発明の第13の実施形態による電流駆動装置の全体構成を示す図である。
【図16】この発明の第14の実施形態による電流駆動装置の全体構成を示す図である。
【図17】この発明の第15の実施形態による電流駆動装置の全体構成を示す図である。
【図18】図1に示した差動増幅回路の内部構成を示す図である。
【図19】この発明の第16の実施形態における差動増幅回路に含まれる差動増幅部の内部構成を示す図である。
【図20】この発明の第17の実施形態における差動増幅回路に含まれるカレントミラー部の内部構成を示す図である。
【図21】この発明の第18の実施形態における差動増幅回路の内部構成を示す図である。
【図22】従来の電流駆動装置の全体構成を示す図である。
【符号の説明】
【0294】
1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15 電流駆動装置
T101R,T101L 電流電圧変換用トランジスタ
102 基準電圧供給端子
103,1803 差動増幅回路
T104 バイアス電圧生成用トランジスタ
T105a,T105b 駆動トランジスタ
REF 基準電流源
Tctrl 基準電圧制御用トランジスタ
Vctrl 調整用電圧
Vc 基準電圧
Vbias バイアス電圧
Iref 基準電流
Id ドレイン電流
Iout 出力電流
301 接続切替部
T301a,T301b,T301c,T301d スイッチ用トランジスタ
501 制限電圧供給端子
T502 電圧制御用トランジスタ
T701a,T701b 出力電圧制限用トランジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準電流の電流値に応じた電流値を有する出力電流を出力する装置であって、
第1の電圧を受ける第1のノードと第2の電圧を受ける第2のノードとの間に接続される電流電圧変換部と、
前記第1のノードと前記第2のノードとの間に、前記電流電圧変換部と直列に接続されるバイアス電圧生成用トランジスタと、
前記基準電流の電流値に応じた電圧値を有する第3の電圧を受ける第3のノードと、
前記電流電圧変換部と前記調整用トランジスタとの相互接続ノードにおける電圧(第4の電圧)と前記第3のノードにおける電圧(第3の電圧)との差に応じた電圧値を有する第5の電圧を出力する差動増幅回路と、
前記出力電流が出力される出力電流ノードと前記第2のノードとの間に接続され、前記差動増幅回路によって出力された前記第5の電圧をゲートに受ける駆動トランジスタとを備え、
前記電流電圧変換部は、
所定の抵抗値を有し、
前記バイアス電圧生成用トランジスタは、
前記差動増幅回路によって出力された第5の電圧をゲートに受ける、
ことを特徴とする電流駆動装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記電流電圧変換部は、
第1のトランジスタと第2のトランジスタと含み、
前記第1のトランジスタは、
前記第1のノードと、第4のノードとの間に接続され、かつ、ゲートとドレインとが接続され、
前記第2のトランジスタは、
前記第1のノードと前記相互接続ノードとの間に接続され、ゲートが前記第1のトランジスタのゲートに接続され、
前記第1のノードと前記第4のノードとの間に前記基準電流が流れる、
ことを特徴とする電流駆動装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記第3のノードと前記第4のノードとが接続される、
ことを特徴とする電流駆動装置。
【請求項4】
請求項2において、
前記装置は、さらに、
第1の接続状態と第2の接続状態とを切り替える接続切替部を備え、
前記接続切替部は、
前記第1の接続状態では、
前記第1のトランジスタを前記第1のノードと第4のノードとの間に接続し、かつ、前記第1のトランジスタのゲートとドレインとを接続し、
前記第2のトランジスタを前記第1のノードと前記相互接続ノードとの間に接続し、かつ、ゲートを前記第1のトランジスタのゲートに接続し、
前記第2の接続状態では、
前記第2のトランジスタを前記第1のノードと第4のノードとの間に接続し、かつ、前記第2のトランジスタのゲートとドレインとを接続し、
前記第1のトランジスタを前記第1のノードと前記相互接続ノードとの間に接続し、かつ、ゲートを前記第2のトランジスタのゲートに接続する、
ことを特徴とする電流駆動装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記接続切替部は、
前記第1のトランジスタと前記第4のノードとの間に接続される第1のスイッチング素子と、
前記第1のトランジスタと前記相互接続ノードとの間に接続される第2のスイッチング素子と、
前記第2のトランジスタと前記第4のノードとの間に接続される第3のスイッチング素子と、
前記第2のトランジスタと前記相互接続ノードとの間に接続される第4のスイッチング素子とを含み、
前記第1の接続状態では、
前記第1および第4のスイッチング素子がオンし、前記第2および第3のスイッチング素子がオフし、
前記第2の接続状態では、
前記第2および第3のスイッチング素子がオンし、前記第1および第4のスイッチング素子がオフする、
ことを特徴とする電流駆動装置。
【請求項6】
請求項1において、
前記電流電圧変換部は、
第1のトランジスタとバイアス電圧調整部とを含み、
前記第1のトランジスタは、
前記第1のノードと、第4のノードとの間に接続され、かつ、ゲートがドレインに接続され、
前記第1のノードと前記第4のノードとの間には前記基準電流が流れ、
前記バイアス電圧調整部は、
前記第1のノードと前記相互接続ノードとの間に接続され、かつ、第1のトランジスタのゲートに発生するゲート電圧の電圧値に応じた抵抗値を示し、
前記ゲート電圧の電圧値と当該ゲート電圧の電圧値に応じて前記バイアス電圧調整部が示す抵抗値との関係は、任意に設定することができる、
ことを特徴とする電流駆動装置。
【請求項7】
請求項1において、
前記電流電圧変換部は、
第1のトランジスタと、K個(Kは自然数)の第2のトランジスタとを含み、
前記第1のトランジスタは、
前記第1のノードと、第4のノードとの間に接続され、かつ、ゲートとドレインとが接続され、
前記K個の第2のトランジスタは、
前記第1のノードと前記相互接続ノードとの間に並列に接続され、
前記K個の第2のトランジスタの各々は、
ゲートが前記第1のトランジスタのゲートと接続され、
前記第1のノードと前記第4のノードとの間に前記基準電流が流れる、
ことを特徴とする電流駆動装置。
【請求項8】
請求項7において、
前記装置は、さらに、
前記K個の第2のトランジスタのうちP個(Pは自然数:P≦K)の第2のトランジスタを選択する制御部と、
前記制御部によって選択されたP個の第2のトランジスタの各々のドレインを前記相互接続ノードに接続する接続部とを備える、
ことを特徴とする電流駆動装置。
【請求項9】
請求項8において、
前記装置は、さらに、
前記K個の第2のトランジスタのうち前記制御部が選択すべきトランジスタの個数を示す情報を記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、
前記記憶部に記憶された情報に従って、前記K個の第2のトランジスタのうちP個の第2のトランジスタを選択する選択する、
ことを特徴とする電流駆動装置。
【請求項10】
請求項9において
前記記憶部は、
複数のヒューズを含み、
前記制御部は、
条件固定モードとエミュレートモードとを有し、
前記条件固定モードになると、
前記複数のヒューズの切断状態に応じて、前記K個の第2のトランジスタのうちP個の第2のトランジスタを選択し、
前記エミュレートモードになると、
前記複数のヒューズの切断状態をエミュレートすることによって、前記K個の第2のトランジスタのうちP個の第2のトランジスタを選択する、
ことを特徴とする電流駆動装置。
【請求項11】
請求項1において、
前記電流電圧変換部は、
ゲート電圧調整部と、第1のトランジスタとを含み、
前記第1のノードと、第4のノードとの間には、前記基準電流が流れ、
前記ゲート電圧調整部は、
前記第1のノードと前記第4のノードとの間に接続され、かつ、前記基準電流の電流値に応じた電圧値を有するゲート電圧を生成し、
前記第1のトランジスタは、
前記第1のノードと前記相互接続ノードとの間に接続され、前記ゲート電圧調整部によって生成されたゲート電圧をゲートに受け、
前記基準電流の電流値と当該基準電流の電流値に応じて前記ゲート電圧調整部が生成するゲート電圧の電圧値との関係は、任意に設定することができる、
ことを特徴とする電流駆動装置。
【請求項12】
請求項1において、
前記電流電圧変換部は、
K個(Kは自然数)の第1のトランジスタと、第2のトランジスタとを含み、
前記K個の第1のトランジスタは、
前記第1のノードと、第4のノードとの間に並列に接続され、
前記K個の第1のトランジスタの各々は、
ゲートとドレインとが接続され、
前記第2のトランジスタは、
前記第1のノードと前記相互接続ノードとの間に接続され、かつ、ゲートが前記複数の第1のトランジスタの各々のゲートに接続される、
ことを特徴とする電流駆動装置。
【請求項13】
請求項12において、
前記装置は、さらに、
前記K個の第1のトランジスタのうちP個(Pは自然数:P≦K)の第1のトランジスタを選択する制御部と、
前記制御部によって選択されたP個の第1のトランジスタの各々において、当該第1のトランジスタのゲートとドレインとを接続する接続部とを備える、
ことを特徴とする電流駆動装置。
【請求項14】
請求項13において、
前記装置は、さらに、
前記K個の第1のトランジスタのうち前記制御部が選択すべきトランジスタの個数を示す情報を記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、
前記記憶部に記憶された情報に従って、前記K個の第1のトランジスタのうちP個の第1のトランジスタを選択する、
ことを特徴とする電流駆動装置。
【請求項15】
請求項14において、
前記記憶部は、
複数のヒューズを含み、
前記制御部は、
条件固定モードとエミュレートモードとを有し、
前記条件固定モードになると、
前記複数のヒューズの切断状態に応じて、前記K個の第1のトランジスタのうちP個の第1のトランジスタを選択し、
前記エミュレートモードになると、
前記複数のヒューズの切断状態をエミュレートすることによって、前記K個の第1のトランジスタのうちP個の第1のトランジスタを選択する、
ことを特徴とする電流駆動装置。
【請求項16】
請求項1において、
前記電流電圧変換部は、
第1の抵抗と、第2の抵抗を含み、
前記第1の抵抗は、
前記第1のノードと前記第3のノードとの間に接続され、
前記第2の抵抗は、
前記第1のノードと前記相互接続ノードとの間に接続され、
前記第1のノードと前記第3のノードとの間には前記基準電流が流れる、
ことを特徴とする電流駆動装置。
【請求項17】
請求項16において、
前記装置は、さらに、
第1の接続状態と第2の接続状態とを切り替える接続切替部を備え、
前記接続切替部は、
前記第1の接続状態では、
前記第1の抵抗を前記第1のノードと前記第3のノードとの間に接続し、
前記第2の抵抗を前記第1のノードと前記相互接続ノードとの間に接続し、
前記第2の接続状態では、
前記第1の抵抗を前記第1のノードと前記相互接続ノードとの間に接続し、
前記第2の抵抗を前記第1のノードと前記第3のノードとの間に接続し、
ことを特徴とする電流駆動装置。
【請求項18】
請求項17において、
前記接続切替部は、
前記第1の抵抗と前記第3のノードとの間に接続される第1のスイッチング素子と、
前記第2の抵抗と前記第3のノードとの間に接続される第2のスイッチング素子と、
前記第1の抵抗と前記バイアス電圧生成用トランジスタとの間に接続される第3のスイッチング素子と、
前記第2の抵抗と前記バイアス電圧生成用トランジスタとの間に接続される第4のスイッチング素子と、
前記第1の抵抗と前記差動増幅回路の非反転入力端子の間に接続される第5のスイッチング素子と、
前記第2の抵抗と前記差動増幅回路の非反転入力端子の間に接続される第6のスイッチング素子と、
前記第1の抵抗と前記差動増幅回路の反転入力端子の間に接続される第7のスイッチング素子と、
前記第2の抵抗と前記差動増幅回路の反転入力端子の間に接続される第8のスイッチング素子とを含み、
前記第1の接続状態では、
前記第1,4,6,7のスイッチング素子がオンし、前記第2,3,5,8のスイッチング素子がオフし、
前記第2の接続状態では、
前記第2,3,5,8のスイッチング素子がオンし、前記第1,4,6,7のスイッチング素子がオフする、
ことを特徴とする電流駆動装置。
【請求項19】
請求項16において、
前記第2の抵抗は、抵抗値を任意に設定することができる抵抗である、
ことを特徴とする電流駆動装置。
【請求項20】
請求項16において、
前記第2の抵抗は、
前記第1のノードと、第4のノードとの間に、K個(Kは自然数)の第3の抵抗がラダー状に接続された構成であり、
前記装置は、さらに、
前記K個の第3の抵抗のうち前記第1のノードから数えてP個目(Pは自然数:P≦K)に存在する第3の抵抗を選択する制御部と、
前記制御部によって選択されたP個目の第3の抵抗を前記相互接続ノードに接続する接続部とを備える、
ことを特徴とする電流駆動装置。
【請求項21】
請求項16において、
前記装置は、さらに、
前記K個の第3の抵抗のうち前記制御部が選択すべき第3の抵抗の位置を示す情報を記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、
前記記憶部に記憶された情報に従って、前記K個の第3の抵抗のうち前記第1のノードから数えてP個目に存在する第3の抵抗を選択する、
ことを特徴とする電流駆動装置。
【請求項22】
請求項21において、
前記記憶部は、
複数のヒューズを含み、
前記制御部は、
条件固定モードとエミュレートモードとを有し、
前記条件固定モードになると、
前記複数のヒューズの切断状態に応じて、前記K個の第3の抵抗のうち前記第1のノードから数えてP個目(Pは自然数:P≦K)に存在する第3の抵抗を選択し、
前記エミュレートモードになると、
前記複数のヒューズの切断状態をエミュレートすることによって、前記K個の第3の抵抗のうち前記第1のノードから数えてP個目(Pは自然数:P≦K)に存在する第3の抵抗を選択する、
ことを特徴とする電流駆動装置。
【請求項23】
請求項16において、
前記差動増幅回路は、
前記第1のノードと前記第2のノードとの間に直列に接続される、第1のトランジスタおよび第3のトランジスタと、
前記第1のノードと前記第2のノードとの間に直列に接続される、第2のトランジスタおよび第4のトランジスタとを含み、
前記第1のトランジスタは、
前記第1のノードと前記第3のトランジスタとの間に接続され、かつ、前記相互接続ノードの電圧(第4の電圧)をゲートに受け、
前記第2のトランジスタは、
前記第1のノードと前記第4のトランジスタとの間に接続され、かつ、前記第3のノードの電圧(第3の電圧)をゲートに受け、
前記第3のトランジスタは、
前記第1のトランジスタと前記第2のノードとの間に接続され、かつ、ドレインとゲートとが接続されており、
前記第4のトランジスタは、
前記第2のトランジスタと前記第2のノードとの間に接続され、かつ、ゲートが前記第3のトランジスタのゲートに接続される、
ことを特徴とする電流駆動装置。
【請求項24】
請求項23において、
前記差動増幅回路は、さらに、
第1の接続状態と第2の接続状態を切り替える接続切替部を含み、
前記接続切替部は、
前記第1の接続状態では、
前記第1のトランジスタを前記第1のノードと前記第3のトランジスタとの間に接続し、
前記第2のトランジスタを前記第1のノードと前記第4のトランジスタとの間に接続し、
前記相互接続ノードの電圧(第4の電圧)を前記第1のトランジスタのゲートに与え、
前記第3のノードの電圧(第3の電圧)を前記第2のトランジスタのゲートに与え、
前記第2の接続状態では、
前記第1のトランジスタを前記第1のノードと前記第4のトランジスタとの間に接続し、
前記第2のトランジスタを前記第1のノードと前記第3のトランジスタとの間に接続し、
前記相互接続ノードの電圧(第4の電圧)を前記第2のトランジスタのゲートに与え、
前記第3のノードの電圧(第3の電圧)を前記第1のトランジスタのゲートに与える、
ことを特徴とする電流駆動装置。
【請求項25】
請求項24において、
前記接続切替部は、
前記相互接続ノードと前記第1のトランジスタのゲートとの間に接続される第1のスイッチング素子と、
前記相互接続ノードと前記第2のトランジスタのゲートとの間に接続される第2のスイッチング素子と、
前記第3のノードと前記第1のトランジスタのゲートとの間に接続される第3のスイッチング素子と、
前記第3のノードと前記第2のトランジスタのゲートとの間に接続される第4のスイッチング素子と、
前記第1のトランジスタと前記第3のトランジスタとの間に接続される第5のスイッチング素子と、
前記第1のトランジスタと前記第4のトランジスタとの間に接続される第6のスイッチング素子と、
前記第2のトランジスタと前記第3のトランジスタとの間に接続される第7のスイッチング素子と、
前記第2のトランジスタと前記第4のトランジスタとの間に接続される第8のスイッチング素子とを含み、
前記第1の接続状態では、
前記第1,4,5,8のスイッチング素子がオンし、第2,3,6,7のスイッチング素子がオフし、
前記第2の接続状態では、
前記第2,3,6,7のスイッチング素子がオンし、前記第1,4,5,8のスイッチング素子がオフする、
ことを特徴とする電流駆動装置。
【請求項26】
請求項24において、
前記第3のトランジスタのゲートは、前記第4のトランジスタのゲートに接続されており、
前記差動増幅回路は、さらに、
第1の接続状態と第2の接続状態を切り替える接続切替部を含み、
前記接続切替部は、
前記第1の接続状態では、
前記第3のトランジスタを前記第1のトランジスタと前記第2のノードとの間に接続し、
前記第4のトランジスタを前記第2のトランジスタと前記第2のノードとの間に接続し、
前記第3のトランジスタのゲートとドレインとを接続し、
前記第2の接続状態では、
前記第4のトランジスタを前記第1のトランジスタと前記第2のノードとの間に接続し、
前記第3のトランジスタを前記第2のトランジスタと前記第2のノードとの間に接続し、
前記第4のトランジスタのゲートとドレインとを接続する、
ことを特徴とする電流駆動装置。
【請求項27】
請求項26において、
前記接続切替部は、
前記第1のトランジスタと前記第3のトランジスタとの間に接続される第1のスイッチング素子と、
前記第1のトランジスタと前記第4のトランジスタとの間に接続される第2のスイッチング素子と、
前記第2のトランジスタと前記第3のトランジスタとの間に接続される第3のスイッチング素子と、
前記第2のトランジスタと前記第4のトランジスタとの間に接続される第4のスイッチング素子と、
前記第3のトランジスタのゲートとドレインとの間に接続される第5のスイッチング素子と、
前記第4のトランジスタのゲートとドレインとの間に接続される第6のスイッチング素子と、
前記第3のトランジスタのドレインと第5のノードとの間に接続される第7のスイッチング素子と、
前記第4のトランジスタのドレインと前記第5のノードとの間に接続される第8のスイッチング素子とを含み、
前記第1の接続状態では、
前記第1,4,5,8のスイッチング素子がオンし、前記第2,3,6,7のスイッチング素子がオフし、
前記第2の接続状態では、
第2,3,6,7のスイッチング素子がオンし、前記第1,4,5,8のスイッチング素子がオフする、
ことを特徴する電流駆動装置。
【請求項28】
請求項23において、
前記第3のトランジスタのゲートは、前記第4のトランジスタのゲートに接続されており、
前記差動増幅回路は、さらに、
第1の接続状態と第2の接続状態とを切り替える接続切替部を含み、
前記接続切替部は、
前記第1の接続状態では、
前記相互接続ノードの電圧(第4の電圧)を前記第1のトランジスタのゲートに与え、
前記第3のノードの電圧(第3の電圧)を前記第2のトランジスタのゲートに与え、
前記第4のトランジスタのゲートとドレインとを接続し、
前記第2の接続状態では、
前記相互接続ノードの電圧(第4の電圧)を前記第2のトランジスタのゲートに入力し、
前記第3のノードの電圧(第3の電圧)を前記第1のトランジスタのゲートに入力し、
前記第3のトランジスタのゲートとドレインとを接続する、
ことを特徴とする電流駆動装置。
【請求項29】
請求項28において、
前記接続切替部は、
前記第3のノードと前記第1のトランジスタのゲートとの間に接続される第1のスイッチング素子と、
前記第3のノードと前記第2のトランジスタのゲートとの間に接続される第2のスイッチング素子と、
前記相互接続ノードと前記第1のトランジスタのゲートとの間に接続される第3のスイッチング素子と、
前記相互接続ノードと前記第2のトランジスタのゲートとの間に接続される第4のスイッチング素子と、
前記第3のトランジスタのゲートとドレインとの間に接続される第5のスイッチング素子と、
前記第4のトランジスタのゲートとドレインとの間に接続される第6のスイッチング素子と、
前記第3のトランジスタのドレインと第5のノードとの間に接続される第7のスイッチング素子と、
前記第4のトランジスタのドレインと前記第5のノードとの間に接続される第8のスイッチング素子とを含み、
前記第1の接続状態では、
前記第1,4,6,7のスイッチング素子がオンし、前記第2,3,5,8のスイッチング素子がオフし、
前記第2の接続状態では、
前記第2,3,5,8のスイッチング素子がオンし、前記第1,4,6,7のスイッチング素子がオフする、
ことを特徴する電流駆動装置。
【請求項30】
請求項1において、
前記装置は、さらに、
前記第1のノードと前記調整用トランジスタとの間に接続され、ゲートに所定の制限電圧を受ける電圧制限用トランジスタを備える、
ことを特徴とする電流駆動装置。
【請求項31】
請求項30において、
前記装置は、さらに、
前記出力電流ノードと前記駆動トランジスタとの間に接続され、ゲートが前記電圧制限用トランジスタのゲートに接続される出力電圧制限用トランジスタを備える、
ことを特徴とする電流駆動装置。
【請求項32】
請求項3または請求項16において、
直列に配置された複数の前記電流駆動装置を備え、
前記複数の電流駆動装置の各々は、
当該電流駆動装置の前段に配置された電流駆動装置の駆動トランジスタが出力する出力電流の電流値に応じた電流値を有する電流が、当該電流駆動装置の前記第1のノードと前記第3のノードとの間に流れる、
ことを特徴とする電流駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2006−133570(P2006−133570A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−323450(P2004−323450)
【出願日】平成16年11月8日(2004.11.8)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】