説明

電源供給装置、これを含む表示装置、及びその駆動方法

【課題】本発明は、表示装置の消費電力を減少させることができる電源供給装置、これを含む表示装置、及びその駆動方法を提供する。
【解決手段】本発明は、電源供給装置、これを含む表示装置、及びその駆動方法に関し、表示装置の消費電力を減少させる技術を開示する。このために、本発明は、前記表示パネルに流れるパネル電流を感知して、パネル電流及び電源電圧に応じてフィードバック電圧を調節する電源電圧制御部、フィードバック電圧に応じて電源電圧を生成して複数の発光素子の各々に供給する直流-直流コンバータを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源供給装置、これを含む表示装置、及びその駆動方法に関し、特に、有機電界発光表示装置に関する技術である。
【背景技術】
【0002】
表示装置は、基板上に複数の画素をマトリックス状に配置して表示領域とし、各画素に走査線及びデータ線を接続して、画素にデータ信号を選択的に印加して表示する。表示装置は、画素の駆動方式によりパッシブ(Passive)マトリックス型発光表示装置及びアクティブ(Active)マトリックス型発光表示装置に区分される。このうち、解像度、コントラスト、動作速度の観点から、単位画素ごとに選択して点灯するアクティブマトリックス型が主に使用されている。
【0003】
このような表示装置は、PC、携帯電話機、PDAなどの携帯情報端末器などの表示装置や各種情報機器のモニターとして用いられ、液晶パネルを用いたLCD、有機発光素子を用いた有機電界発光表示装置、プラズマパネルを用いたPDPなどが公知されている。最近では、陰極線管に比べて重量及び体積が小さい各種発光表示装置が開発されており、特に、発光効率、輝度、及び視野角が優れていて、応答速度が速い有機電界発光表示装置が注目されている。
しかし、有機電界発光表示装置の場合、有機発光素子を発光させるための動作電圧範囲が表示装置の温度及び表示装置の使用時間により変わる。そのために、有機電界発光表示装置は、動作電圧範囲が変わっても安定的に有機発光ダイオードが発光するように、有機発光ダイオードに供給される駆動電源に所定の範囲のマージンを設定して供給する。このようなマージンは、不要な消費電力を発生させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−300929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記問題を解決するためのものであり、表示装置の消費電力を減少させることができる電源供給装置、これを含む表示装置、及びその駆動方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による複数の発光素子を含む表示パネルに電源電圧を供給する電源電圧供給装置は、前記表示パネルに流れるパネル電流を感知して、前記パネル電流及び前記電源電圧に応じてフィードバック電圧を調節する電源電圧制御部、及び前記フィードバック電圧に応じて前記電源電圧を生成して前記複数の発光素子の各々に供給する直流−直流コンバータを含む。
【0007】
ここで、前記電源電圧制御部は、前記パネル電流に対応するパネル電流データ及び前記電源電圧に対応する所定の目標値を検出し、前記電源電圧が前記目標値と同一になるように前記フィードバック電圧を制御するための複数のフィードバック電圧制御信号を生成するフィードバック制御部、及び前記複数のフィードバック電圧制御信号に応じて前記フィードバック電圧を調節するフィードバック電圧調節部を含む。前記直流−直流コンバータは、電源線を通して前記複数の発光素子のカソード電極に前記電源電圧を供給し、前記電源電圧制御部は、前記パネル電流が流れる前記電源線上に形成された感知抵抗を含む。前記電源電圧制御部は、前記感知抵抗の両端の電圧差を増幅させて増幅電圧を出力する増幅部をさらに含む。前記電源電圧制御部は、前記増幅電圧に応じて前記パネル電流データを出力するアナログ−デジタルコンバータをさらに含む。前記フィードバック電圧調節部は、前記電源線に一端が接続された第1抵抗、前記第1抵抗の他端及び前記直流−直流コンバータに負の基準電圧が供給される基準電圧端の間に直列連結された複数の第2抵抗、及び前記複数の第2抵抗の各々に並列連結されて、前記複数のフィードバック電圧制御信号のうちの対応するフィードバック電圧制御信号に応じてスイッチング動作する複数のスイッチング素子を含む。前記フィードバック電圧は、前記複数の第2抵抗及び前記第1抵抗の抵抗比に応じて決定される。前記電源電圧制御部は、前記パネル電流に対応するパネル電流データ及び前記電源電圧に対応する所定の目標値を検出し、前記電源電圧が前記目標値と同一になるように前記フィードバック電圧を制御するための基準電圧データを生成するフィードバック制御部、前記基準電圧データに応じて基準電圧を生成するデジタル−アナログコンバータ、及び前記電源電圧及び前記基準電圧の間の電圧差を抵抗分配して前記フィードバック電圧を生成するフィードバック電圧生成部を含む。前記電源電圧制御部は、前記基準電圧を前記デジタル−アナログコンバータから受信して出力するバッファーをさらに含む。前記フィードバック電圧生成部は、前記直流−直流コンバータから前記電源電圧が供給される電源線に一端が接続された第3抵抗、前記第3抵抗の他端に一端が接続され、前記バッファーの出力端に他端が接続された第4抵抗、及び前記バッファーの出力端に一端が接続され、他端が接地されたキャパシタを含む。
【0008】
そして、本発明による表示装置は、複数の発光素子を含み、所定の電源電圧が供給される表示パネル、前記表示パネルに流れるパネル電流を感知して、前記パネル電流及び前記電源電圧に応じてフィードバック電圧を調節する電源電圧制御部、及び前記フィードバック電圧に応じて前記電源電圧を生成して前記複数の発光素子の各々に供給する直流−直流コンバータを含む。前記電源電圧制御部は、前記パネル電流に対応するパネル電流データ及び前記電源電圧に対応する所定の目標値を検出し、前記電源電圧が前記目標値と同一になるように前記フィードバック電圧を制御するための複数のフィードバック電圧制御信号を生成するフィードバック制御部、及び前記複数のフィードバック電圧制御信号に応じて前記フィードバック電圧を調節するフィードバック電圧調節部を含む。前記フィードバック電圧調節部は、前記直流−直流コンバータから前記電源電圧が供給される電源線に一端が接続された第1抵抗、前記第1抵抗の他端及び前記直流−直流コンバータから基準電圧が供給される基準電圧端の間に直列連結された複数の第2抵抗、前記複数の第2抵抗の各々に並列連結されて、前記複数のフィードバック電圧制御信号のうちの対応するフィードバック電圧制御信号に応じてスイッチング動作する複数のスイッチング素子を含む。前記フィードバック電圧は、前記複数の第2抵抗及び前記第1抵抗の抵抗比に応じて決定される。前記電源電圧制御部は、前記パネル電流に対応するパネル電流データ及び前記電源電圧に対応する所定の目標値を検出し、前記電源電圧が前記目標値と同一になるように前記フィードバック電圧を制御するための基準電圧データを生成するフィードバック制御部、前記基準電圧データに応じて基準電圧を生成するデジタル−アナログコンバータ、及び前記電源電圧及び前記基準電圧の間の電圧差を抵抗分配して前記フィードバック電圧を生成するフィードバック電圧生成部を含む。前記電源電圧制御部は、前記基準電圧を前記デジタル−アナログコンバータから受信して出力するバッファーをさらに含む。前記フィードバック電圧生成部は、前記直流−直流コンバータから前記電源電圧が供給される電源線に一端が接続された第3抵抗、前記第3抵抗の他端に一端が接続され、前記バッファーの出力端に他端が接続された第4抵抗、及び前記バッファーの出力端に一端が接続され、他端が接地されたキャパシタを含む。
【0009】
また、本発明による表示装置の駆動方法は、複数の発光素子に流れるパネル電流を感知する段階、前記パネル電流及び電源電圧に応じてフィードバック電圧を調節する段階、及び前記フィードバック電圧に応じて前記電源電圧を生成して前記複数の発光素子の各々に供給する段階を含む。前記フィードバック電圧を生成する段階は、前記パネル電流に対応するパネル電流データ及び前記電源電圧に対応する所定の目標値を検出する段階、前記電源電圧が前記目標値と同一になるように前記フィードバック電圧を制御するための複数のフィードバック電圧制御信号を生成する段階、及び前記複数のフィードバック電圧制御信号に応じて前記フィードバック電圧を調節する段階を含む。
【0010】
前記フィードバック電圧を調節する段階は、前記電源電圧及び所定の基準電圧を第1抵抗及び複数の第2抵抗の間の抵抗比に応じて電圧分配し、前記複数のフィードバック電圧制御信号に応じて前記複数の第2抵抗を選択的に接続して前記抵抗比を調節する段階を含む。前記フィードバック電圧を生成する段階は、前記パネル電流に対応するパネル電流データ及び前記電源電圧に対応する所定の目標値を検出する段階、前記電源電圧が前記目標値と同一になるように前記フィードバック電圧を制御するための基準電圧データを生成する段階、前記基準電圧データに応じて基準電圧を生成する段階、及び前記電源電圧及び前記基準電圧の間の電圧差を抵抗分配する段階を含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、表示装置の消費電力を減少させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1実施形態による表示装置を示した図である。
【図2】図1に示された表示パネル10の詳細図である。
【図3】図2に示された画素(PX)の等価回路図である。
【図4】図1に示された表示パネル10の電圧−電流特性曲線を示した図である。
【図5】本発明の第2実施形態による表示装置を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。しかし、本発明は、多様な形態に具現され、ここで説明する実施形態に限られない。そして、図面では、本発明を明確に説明するために、説明上不要な部分は省略し、明細書全体にわたって類似した部分については、類似した図面符号を付けた。
【0014】
明細書全体において、ある部分が他の部分と「接続」されているという時、これは「直接的に接続」されている場合だけでなく、その間に他の素子をおいて「電気的に接続」されている場合も含む。また、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことを意味する。
【0015】
図1は本発明の第1実施形態による表示装置を示した図であり、図2は図1に示された表示パネル10の詳細図であり、図3は図2に示された画素(PX)の等価回路図である。図4は図1に示された表示パネル10の電圧−電流特性曲線を示した図である。
【0016】
図1を参照すると、本発明の第1実施形態による表示装置は、表示パネル10、走査駆動部20、データ駆動部30、直流−直流コンバータ40、及び電源電圧制御部50を含む。
【0017】
表示パネル10は、直流−直流コンバータ40から第1電源電圧(ELVDD)及び第2電源電圧(ELVSS)の供給を受け、走査駆動部20及びデータ駆動部30から複数の走査信号及び複数のデータ信号の伝達を受けて、映像を表示する。
【0018】
図2を参照すると、表示パネル10は、等価回路から見る時、複数の信号線(signal line)(S1〜Sn、D1〜Dm)、第1及び第2電源線(P1、P2)、及びこれに接続されていて、ほぼ行列状に配列された複数の画素(pixel)(PX)を含む。ここで、複数の信号線(S1〜Sn、D1〜Dm)は、複数の走査信号が順次に伝えられる複数の走査線(S1〜Sn)及び複数のデータ信号が伝えられる複数のデータ線(D1〜Dm)を含む。複数の走査線(S1〜Sn)は、ほぼ行方向に延長されて互いに平行であり、複数のデータ線(D1〜Dm)は、ほぼ列方向に延長されて互いにほぼ平行である。第1電源線(P1)は、直流−直流コンバータ40の第1出力端(OUT1)及び表示パネル10を接続する。第2電源線(P2)は、第2出力端(OUT2)及び表示パネル10を接続する。図2に示したように、第1電源線(P1)は、複数の画素(PX)の各々まで延長されて、第1出力端(OUT1)を通して出力される第1電源電圧(ELVDD)を複数の画素(PX)の各々に供給する。第2電源線(P2)は、複数の画素(PX)の各々まで延長されて、第2出力端(OUT2)を通して出力される第2電源電圧(ELVSS)を複数の画素(PX)の各々に供給する。具体的に、第2電源線(P2)は、複数の画素(PX)の各々のカソード電極に接続されていて、表示パネル10の複数の画素(PX)に流れる電流が全て合わされたパネル電流(Ivss)が第2電源線(P2)を流れる。
【0019】
図3を参照すると、各画素(PX)、例えば走査線(S1)及びデータ線(D1)に接続された画素(PX)は、有機発光ダイオード(organic light emitting diode)(OLED)、駆動トランジスター(M1)、キャパシタ(Cst)、スイッチングトランジスター(M2)、及び発光制御トランジスター(M3)を含む。
【0020】
駆動トランジスター(M1)は、ソース端子で第1電源電圧(ELVDD)を受信し、ドレイン端子は有機発光ダイオード(OLED)のアノード電極と接続されている。駆動トランジスター(M1)のゲート端子はスイッチングトランジスター(M2)のドレイン端子と接続されている。駆動トランジスター(M1)は、ゲート端子とドレイン端子との間にかかる電圧に応じて大きさが変わる電流(IOLED)を有機発光ダイオード(OLED)に流す。
【0021】
スイッチングトランジスター(M2)のゲート端子は走査線(S1)と接続されており、ソース端子はデータ線(D1)と接続されている。スイッチングトランジスター(M2)は、走査線(S1)に印加される走査信号に応答してスイッチング動作を行い、スイッチングトランジスター(M2)が駆動されると、データ線(D1)に印加されるデータ信号、つまりデータ電圧が駆動トランジスター(M1)のゲート端子に伝えられる。
【0022】
キャパシタ(Cst)は、駆動トランジスター(M1)のソース端子及びゲート端子の間に接続されている。キャパシタ(Cst)は、駆動トランジスター(M1)のゲート端子に印加されるデータ電圧を充電して、スイッチングトランジスター(M2)が遮断された後にもこれを維持する。
【0023】
有機発光ダイオード(OLED)は、カソード電極で第2電源電圧(ELVSS)を受信する。有機発光ダイオード(OLED)は、駆動トランジスター(M1)が供給する電流(IOLED)に応じて異なる強さで発光する。
【0024】
一方、図3では駆動トランジスター(M1)及びスイッチングトランジスター(M2)をp-チャンネル電界効果トランジスター(field effect transistor、FET)で示したが、本発明はこれに限定されず、駆動トランジスター(M1)及びスイッチングトランジスター(M2)のうちの少なくとも一つはn-チャンネル電界効果トランジスターであってもよい。また、駆動トランジスター(M1)、スイッチングトランジスター(M2)、キャパシタ(Cst)、及び有機発光ダイオード(OLED)の接続関係が変わってもよい。図3に示した画素(PX)は表示装置のある一つの画素の例であり、少なくとも二つのトランジスターまたは少なくとも一つのキャパシタを含む他の形態の画素を用いることもできる。
【0025】
再び図1を参照すると、走査駆動部20は、表示パネル10の複数の走査線(S1-Sn)と接続されていて、複数の走査線(S1-Sn)に順次に走査信号を印加する。データ駆動部30は、表示パネル10のデータ線(D1-Dm)と接続されていて、複数のデータ信号を生成して複数のデータ線(D1-Dm)に印加する。
【0026】
直流−直流コンバータ40は、入力端(IN)で入力電圧(Vbat)を受信して、第1電源電圧(ELVDD)、第2電源電圧(ELVSS)、及び基準電圧(Vref)を生成する。ここで、第1電源電圧(ELVDD)及び基準電圧(Vref)は固定され、第2電源電圧(ELVSS)はフィードバック電圧(Vfb)に応じて変化する。
【0027】
電源電圧制御部50は、感知抵抗(DR1)、増幅部52、アナログ−デジタルコンバータ54、フィードバック制御部56、及びフィードバック電圧調節部58を含む。感知抵抗(DR1)は、第2電源線(P2)上に位置し、感知抵抗(DR1)に第2電源線(P2)を流れるパネル電流(Ivss)が流れるため、感知抵抗(DR1)の両端に電圧差が生じる。電源電圧制御部50は、感知抵抗(DR1)の両端の電圧を利用してパネル電流(Ivss)を感知する。以下では、感知抵抗(DR1)の両端の電圧差を感知電圧(VS)という。
【0028】
増幅部52は、感知電圧(VS)を増幅して、増幅された感知電圧(VS)(以下、増幅電圧(AMV)という)をアナログ−デジタルコンバータ54に伝達する。アナログ−デジタルコンバータ54は、増幅電圧(AMV)に応じてパネル電流(Ivss)に対するデータ(CRD)(以下、パネル電流データという)を出力する。
【0029】
フィードバック制御部56は、パネル電流データ(CRD)及び第2電源電圧(ELVSS)に応じてフィードバック電圧(Vfb)を生成するための複数のフィードバック電圧制御信号(FBC1〜FBCn)を出力する。本発明の実施形態によるフィードバック制御部56は、パネル電流データ(CRD)及び第2電源電圧(ELVSS)に対応する所定の目標値(A)を検出し、第2電源電圧(ELVSS)が目標値(A)と同一になるようにフィードバック電圧(Vfb)を制御する。
【0030】
ここで、目標値(A)は、図4に示した表示パネル10の電圧−電流特性曲線において急激に傾きが変わる値に設定する。図4に示された電圧−電流特性曲線は、第1電源電圧(ELVDD)のレベルは固定して、第2電源電圧(ELVSS)のレベルを所定の範囲内で可変させて、第2電源電圧(ELVSS)に応じたパネル電流(Ivss)の変化を示したものである。このような電圧−電流特性曲線において、目標値(A)は、表示パネル10の特性により決定される。第2電源電圧(ELVSS)を目標値(A)より小さい値(図4の横軸の左側方向)に設定すると第2電源電圧(ELVSS)を生成するために不要な消費電力が生じ、目標値(A)より大きい値(図4の横軸の右側方向)に設定すると表示パネル電流を制限するようになって、フルホワイト階調を表示することができない。
【0031】
また、本発明の実施形態では、直流−直流コンバータ40が、フィードバック電圧(Vfb)が低くなれば第2電源電圧(ELVSS)を高くし、フィードバック電圧(Vfb)が高くなれば第2電源電圧(ELVSS)を低くすると仮定する。従って、フィードバック制御部56は、パネル電流データ(CRD)が目標値(A)より低ければフィードバック電圧(Vfb)を低くし、パネル電流データ(CRD)が目標値(A)より高ければフィードバック電圧(Vfb)を高くする。そして、第2電源電圧(ELVSS)は、表示パネル10の駆動特性に対応して正確な値に調節される。
【0032】
フィードバック電圧調節部58は、複数のフィードバック電圧制御信号(FBC1〜FBCn)に応じてフィードバック電圧(Vfb)を調節して、直流−直流コンバータ40に伝達する。フィードバック電圧調節部58は、抵抗(R1)、複数の抵抗(CR1〜CRn)、及び複数のスイッチング素子(SW1〜SWn)を含む。抵抗(R1)は、直流−直流コンバータ40の第2出力端(OUT2)及びノード(A)の間に接続されている。複数の抵抗(CR1〜CRn)は、ノード(A)及び直流−直流コンバータ40の第3出力端(OUT3)の間に直列連結されている。複数のスイッチング素子(SW1〜SWn)は、複数の抵抗(CR1〜CRn)の各々の一端及び他端の間に接続されて、複数のフィードバック電圧制御信号(FBC1〜FBCn)に応じてスイッチング動作が制御される。複数のスイッチング素子(SW1〜SWn)のオン/オフ動作により抵抗(R1)及び複数の抵抗(CR1〜CRn)の間の抵抗比が調節されて、ノード(A)の電位、つまりフィードバック電圧(Vfb)のレベルが変更される。
【0033】
例えば、複数のスイッチング素子(SW1〜SWn)のうちのスイッチング素子(SW1)が導通されると、スイッチング素子(SW1)のオン(on)抵抗及び抵抗(CR1)が並列連結される。この時、スイッチング素子(SW1)のオン(on)抵抗は非常に低いため、スイッチング素子(SW1)のオン(on)抵抗及び抵抗(CR1)の和が非常に低くなる。従って、複数のスイッチング素子(SW1〜SWn)のうちの導通されたスイッチング素子の数が増加するほど、複数の抵抗(CR1〜CRn)の総抵抗値は小さくなる。複数の抵抗(CR1〜CRn)の総抵抗値が小さくなると、結局、フィードバック電圧(Vfb)が低くなって、第2電源電圧(ELVSS)が高くなる。
【0034】
一方、本発明の実施形態では、複数のスイッチング素子(SW1〜SWn)がn-チャンネル電界効果トランジスターで構成される。従って、複数のフィードバック電圧制御信号(FBC1〜FBCn)が高電圧レベルであれば複数のスイッチング素子(SW1〜SWn)は導通され、低電圧レベルであれば複数のスイッチング素子(SW1〜SWn)は遮断される。本発明はこれに限定されず、複数のスイッチング素子(SW1〜SWn)がp-チャンネル電界効果トランジスターで構成されてもよい。
【0035】
図5は本発明の第2実施形態による表示装置を示した図である。
【0036】
図5を参照すると、本発明の第2実施形態による表示装置は、表示パネル10、走査駆動部20、データ駆動部30、電源電圧制御部60、及び直流−直流コンバータ70を含む。図5に示された表示パネル10、走査駆動部20、及びデータ駆動部30は、図1の構成と同一であるため、同一な参照番号で示し、これに関する具体的な説明は省略する。
【0037】
電源電圧制御部60は、感知抵抗(DR2)、増幅部61、アナログ−デジタルコンバータ62、フィードバック制御部63、デジタル−アナログコンバータ64、バッファー65、及びフィードバック電圧生成部66を含む。
【0038】
感知抵抗(DR2)は、第2電源線(P2)上に位置し、感知抵抗(DR2)に第2電源線(P2)を流れるパネル電流(Ivss)が流れるため、感知抵抗(DR2)の両端に電圧差が生じる。電源電圧制御部60は、感知抵抗(DR2)の両端の電圧を利用してパネル電流(Ivss)を感知する。以下では、感知抵抗(DR2)の両端の電圧差を感知電圧(VS)という。増幅部61は、感知電圧(VS)を増幅して、増幅された感知電圧(VS)(以下、増幅電圧(AMV)という)をアナログ−デジタルコンバータ62に伝達する。
【0039】
アナログ−デジタルコンバータ62は、増幅電圧(AMV)に応じてパネル電流(Ivss)に関するデータ(CRD)(以下、パネル電流データという)を出力する。フィードバック制御部63は、パネル電流データ(CRD)及び第2電源電圧(ELVSS)に応じてフィードバック電圧(Vfb)を制御するための基準電圧データ(RVD)を出力する。本発明の実施形態によるフィードバック制御部63は、図4に示された電圧−電流特性曲線を利用してパネル電流データ(CRD)及び第2電源電圧(ELVSS)に対応する所定の目標値(A)を検出し、第2電源電圧(ELVSS)が目標値(A)と同一になるようにフィードバック電圧(Vfb)を制御する。
【0040】
デジタル−アナログコンバータ64は、基準電圧データ(RVD)に応じて基準電圧(Vref)を出力する。バッファー65は、基準電圧(Vref)をデジタル−アナログコンバータ64から受信して出力する。フィードバック電圧生成部66は、第2電源電圧(ELVSS)及び基準電圧(Vref)の電圧差を抵抗(R2)及び抵抗(R3)の間の抵抗比に応じて電圧分配してフィードバック電圧(Vfb)を出力する。従って、基準電圧(Vref)が高くなるとフィードバック電圧(Vfb)が高くなり、基準電圧(Vref)が低くなるとフィードバック電圧(Vfb)が低くなる。フィードバック電圧(Vfb)が低くなると第2電源電圧(ELVSS)が高くなり、フィードバック電圧(Vfb)が高くなると第2電源電圧(ELVSS)が低くなるため、結局、第2電源電圧(ELVSS)は常に目標値(A)と同一となる。このように、本発明の第2実施形態は、基準電圧(Vref)を制御して、フィードバック電圧(Vfb)を調節する。
【0041】
具体的に、フィードバック電圧生成部66は、抵抗(R2、R3)及びキャパシタ(C1)を含む。抵抗(R2)は、直流−直流コンバータ70の第2出力端(OUT2)及びノード(B)の間に接続されている。抵抗(R3)は、ノード(B)及びバッファー65の出力端の間に接続されている。キャパシタ(C1)は、バッファー65の出力端及び接地端の間に接続されている。ここで、キャパシタ(C1)は、バッファー65の出力端から出力される基準電圧(Vref)を所定の時間ホールディング(維持)する。直流−直流コンバータ70は、入力端(IN)で入力電圧(Vbat)を受信して、第1及び第2電源電圧(ELVDD、ELVSS)を生成する。ここで、第1電源電圧(ELVDD)は固定されたレベルであり、第2電源電圧(ELVSS)はフィードバック電圧(Vfb)に応じて変化する。
【0042】
つまり、本発明は、表示パネルのパネル電流を感知して、パネル電流及び電源電圧(ELVSS)に対応する目標値を検出する。そして、電源電圧(ELVSS)が目標値と同一になるようにフィードバック電圧を制御する。従って、表示パネルに電源電圧をマージンなく供給することができるため、不要な消費電力を減少させることができる。
【0043】
以上で、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるのではなく、特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を用いた当業者の多様な変形及び改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0044】
10 表示パネル
20 走査駆動部
30 データ駆動部
40、70 直流−直流コンバータ
50、60 電源電圧制御部
52 増幅部
54、62 アナログ−デジタルコンバータ
56、63 フィードバック制御部
58 フィードバック電圧調節部
61 増幅部
64 デジタル−アナログコンバータ
65 バッファー
66 フィードバック電圧生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光素子を含む表示パネルに電源電圧を供給する電源電圧供給装置において、
前記表示パネルに流れるパネル電流を感知して、前記パネル電流及び前記電源電圧に応じてフィードバック電圧を調節する電源電圧制御部、及び
前記フィードバック電圧に応じて前記電源電圧を生成して前記複数の発光素子の各々に供給する直流−直流コンバータ
を含み、
前記電源電圧制御部は、
前記パネル電流に対応するパネル電流データ及び前記電源電圧に対応する所定の目標値を検出し、前記電源電圧が前記目標値と同一になるように前記フィードバック電圧を制御するための基準電圧データを生成するフィードバック制御部、
前記基準電圧データに応じて基準電圧を生成するデジタル−アナログコンバータ、及び
前記電源電圧及び前記基準電圧の間の電圧差を抵抗分配して前記フィードバック電圧を生成するフィードバック電圧生成部
を含むことを特徴とする、電源電圧供給装置。
【請求項2】
前記電源電圧制御部は、
前記基準電圧を前記デジタル−アナログコンバータから受信して出力するバッファーをさらに含む
ことを特徴とする、請求項1に記載の電源電圧供給装置。
【請求項3】
前記フィードバック電圧生成部は、
前記直流−直流コンバータから前記電源電圧が供給される電源線に一端が接続された第3抵抗、
前記第3抵抗の他端に一端が接続され、前記バッファーの出力端に他端が接続された第4抵抗、及び
前記バッファーの出力端に一端が接続され、他端が接地されたキャパシタ
を含むことを特徴とする、請求項2に記載の電源電圧供給装置。
【請求項4】
複数の発光素子を含み、所定の電源電圧が供給される表示パネル、
前記表示パネルに流れるパネル電流を感知して、前記パネル電流及び前記電源電圧に応じてフィードバック電圧を調節する電源電圧制御部、及び
前記フィードバック電圧に応じて前記電源電圧を生成して前記複数の発光素子の各々に供給する直流−直流コンバータ
を含み、
前記電源電圧制御部は、
前記パネル電流に対応するパネル電流データ及び前記電源電圧に対応する所定の目標値を検出し、前記電源電圧が前記目標値と同一になるように前記フィードバック電圧を制御するための基準電圧データを生成するフィードバック制御部、
前記基準電圧データに応じて基準電圧を生成するデジタル−アナログコンバータ、及び
前記電源電圧及び前記基準電圧の間の電圧差を抵抗分配して前記フィードバック電圧を生成するフィードバック電圧生成部
を含むことを特徴とする、表示装置。
【請求項5】
前記電源電圧制御部は、
前記基準電圧を前記デジタル−アナログコンバータから受信して出力するバッファーをさらに含む
ことを特徴とする、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記フィードバック電圧生成部は、
前記直流−直流コンバータから前記電源電圧が供給される電源線に一端が接続された第3抵抗、
前記第3抵抗の他端に一端が接続され、前記バッファーの出力端に他端が接続された第4抵抗、及び
前記バッファーの出力端に一端が接続され、他端が接地されたキャパシタ
を含むことを特徴とする、請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
複数の発光素子に流れるパネル電流を感知する段階、
前記パネル電流及び電源電圧に応じてフィードバック電圧を調節する段階、及び
前記フィードバック電圧に応じて前記電源電圧を生成して前記複数の発光素子の各々に供給する段階
を含み、
前記フィードバック電圧を生成する段階は、
前記パネル電流に対応するパネル電流データ及び前記電源電圧に対応する所定の目標値を検出する段階、
前記電源電圧が前記目標値と同一になるように前記フィードバック電圧を制御するための基準電圧データを生成する段階、
前記基準電圧データに応じて基準電圧を生成する段階、及び
前記電源電圧及び前記基準電圧の間の電圧差を抵抗分配する段階
を含むことを特徴とする、表示装置の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−198547(P2012−198547A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−110596(P2012−110596)
【出願日】平成24年5月14日(2012.5.14)
【分割の表示】特願2009−261284(P2009−261284)の分割
【原出願日】平成21年11月16日(2009.11.16)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Mobile Display Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】San #24 Nongseo−Dong,Giheung−Gu,Yongin−City,Gyeonggi−Do 446−711 Republic of KOREA
【Fターム(参考)】