説明

電源回路、および情報処理装置

【課題】力率改善と安定的な電源の供給との両立が可能な電源回路、および情報処理装置を提供する。
【解決手段】交流電源を整流し整流された入力整流電圧を出力する整流部と、入力整流電圧が選択的に入力される1次コイルと、1次コイルに印加される入力整流電圧に基づく誘起電圧を出力する2次コイルとを有する絶縁トランスと、誘起電圧を平滑化し第1出力電圧を出力する第1平滑部と、第1出力電圧と基準電圧との差に応じた誤差信号を出力する検出部と、誤差信号が入力される入力端と、入力端と絶縁された出力端とを有し、入力端に入力される誤差信号に応じた信号を出力端から出力する絶縁部と、誤差信号に応じた信号に基づいて1次コイルに入力整流電圧を選択的に入力させるための制御信号を出力する制御部と、1次コイルと接続され、制御信号に基づいて入力整流電圧を選択的に1次コイルに入力させるスイッチング部とを備える電源回路が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源回路、および情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
50Hzや60Hzなどの交流電源(いわゆる、商用電源)を電源として駆動する情報処理装置では、交流電源からより効率よく力率を悪化させずに電力を得るために、例えばPFC(Power Factor Correction;力率改善)回路が備えられる。PFC回路に係る技術としては、例えば、非特許文献1が挙げられる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】馬場清太郎,「電流連続型8ピンPFC ICの実力」,トランジスタ技術2008年3月号,pp.213-214.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
PFC回路に係る従来の技術では、例えば非絶縁型チョッパー回路を用いることによりPCF回路を実現する。ここで、非絶縁型チョッパー回路により実現されるPCF回路は、例えば、アクティブ型のPFC回路とよばれる。また、PFC回路としては、上記アクティブ型のPFC回路の他、パッシブ型のPFC回路とよばれるものもある。ここで、パッシブ型のPFC回路とは、例えば、低周波インダクタを用いて電流の位相を変化させることによって力率の改善を行うものである。パッシブ型のPFC回路は、低周波インダクタを用いる構成であるので、大きなインダクタンスが必要となる。そのため、パッシブ型のPFC回路は、形状が大きくなり、重量もまた大きくなるため、例えば、基板設計上および/または構造設計上、小型化の大きな障害となっている。以下、アクティブ型のPFC回路とパッシブ型のPFC回路とに係る従来の技術を、総称して「従来の技術」とよぶ。
【0005】
また、従来の技術に係るPFC回路が用いられる情報処理装置(以下、「従来の情報処理装置」とよぶ。)では、例えば、トランスなどの絶縁回路(主電源回路)をPFC回路の後段に設ける必要がある。上記は、例えば、突入電流などが生じることを防止し、従来の情報処理装置を駆動させるための所定の電圧(電源)を安定的に得るためである。ここで、PFC回路は一種の電源回路として機能するため、上記の場合、従来の情報処理装置は、結果として複数の電源を備えることとなる。よって、従来の技術に係るPFC回路を備える従来の情報処理装置は、複数の電源を備えるので、1つの電源回路を備える構成よりもコストが上昇する。また、従来の技術に係るPFC回路を備える従来の情報処理装置は、駆動に用いられる電源を安定的に得るために、例えば、PFC回路と主電源回路との起動タイミングや負荷などを制御する必要がある。よって、従来の技術に係るPFC回路を備える従来の情報処理装置は、例えば、1つの電源回路を備える構成よりもより複雑な制御を行わなければ、駆動に用いられる電源を安定的に得ることはできない。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、力率改善と安定的な電源の供給との両立が可能な、新規かつ改良された電源回路、および情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点によれば、交流電源を整流し、整流された入力整流電圧を出力する整流部と、上記整流部から出力される上記入力整流電圧が選択的に入力される1次コイルと、上記1次コイルに印加される上記入力整流電圧に基づく誘起電圧を出力する2次コイルとを有する絶縁トランスと、上記誘起電圧を平滑化し、第1出力電圧を出力する第1平滑部と、上記第1出力電圧と基準電圧との差に応じた誤差信号を出力する検出部と、上記誤差信号が入力される入力端と、上記入力端と絶縁された出力端とを有し、上記入力端に入力される上記誤差信号に応じた信号を上記出力端から出力する絶縁部と、上記絶縁部から出力される上記誤差信号に応じた信号に基づいて、上記1次コイルに上記入力整流電圧を選択的に入力させるための制御信号を出力する制御部と、上記1次コイルと接続され、上記制御信号に基づいて上記入力整流電圧を選択的に上記1次コイルに入力させるスイッチング部とを備える電源回路が提供される。
【0008】
かかる構成により、力率改善と安定的な電源の供給との両立を実現することができる。
【0009】
また、上記整流部は、平滑化を行わずに上記交流電源を整流してもよい。
【0010】
また、上記絶縁トランスは、上記1次コイルに印加される上記入力整流電圧に基づく誘起電圧を出力する複数の2次コイルを有し、上記第1平滑部は、上記複数の2次コイルとそれぞれ接続され、上記2次コイルそれぞれから出力される誘起電圧をそれぞれ平滑化する複数の平滑回路を備えてもよい。
【0011】
また、複数の上記2次コイルそれぞれは、互いに巻数が異なってもよい。
【0012】
また、上記1次コイルから出力される上記入力整流電圧を平滑化し、上記入力整流電圧に応じた第2出力信号を出力する第2平滑部をさらに備えてもよい。
【0013】
上記目的を達成するために、本発明の第2の観点によれば、交流電源に基づく第1出力電圧を出力する電源回路と、上記第1出力電圧を電源として駆動する負荷回路とを備え、上記電源回路は、上記交流電源を整流し、整流された入力整流電圧を出力する整流部と、上記整流部から出力される上記入力整流電圧が選択的に入力される1次コイルと、上記1次コイルに印加される上記入力整流電圧に基づく誘起電圧を出力する2次コイルとを有する絶縁トランスと、上記誘起電圧を平滑化し、上記第1出力電圧を出力する第1平滑部と、上記第1出力電圧と基準電圧との差に応じた誤差信号を出力する検出部と、上記誤差信号が入力される入力端と、上記入力端と絶縁された出力端とを有し、上記入力端に入力される上記誤差信号に応じた信号を上記出力端から出力する絶縁部と、上記絶縁部から出力される上記誤差信号に応じた信号に基づいて、上記1次コイルに上記入力整流電圧を選択的に入力させるための制御信号を出力する制御部と、上記1次コイルと接続され、上記制御信号に基づいて上記入力整流電圧を選択的に上記1次コイルに入力させるスイッチング部とを備える情報処理装置が提供される。
【0014】
かかる構成により、力率改善と安定的な電源の供給との両立を実現することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、力率改善と安定的な電源の供給との両立を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】従来の技術が適用される場合における問題を説明するための説明図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る電源回路の構成の一例を説明するための説明図である。
【図3A】図1に示すPFC回路および主電源回路からなる構成における効率の一例を説明するための説明図である。
【図3B】本発明の実施形態に係る電源回路における効率の一例を説明するための説明図である。
【図4】本発明の第1の実施形態の変形例に係る電源回路の構成の一例を説明するための説明図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る電源回路の構成の一例を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0018】
また、以下では、下記に示す順序で説明を行う。
1.本発明の実施形態に係るアプローチ
2.本発明の第1の実施形態に係る電源回路
3.本発明の第2の実施形態に係る電源回路
【0019】
(本発明の実施形態に係るアプローチ)
本発明の実施形態に係る電源回路について説明する前に、本発明の実施形態に係る力率改善と安定的な電源の供給との両立を図るためのアプローチについて説明する。ここで、本発明の実施形態に係る力率の改善とは、力率(0≦力率≦1)を“1(理想状態)”に近づけることをいう。
【0020】
[従来の技術の問題]
本発明の実施形態に係るアプローチを説明する前に、まず、従来の技術が適用される場合における問題について、より具体的に説明する。
【0021】
〔1〕従来の技術に係るPFC回路が備えられる従来の情報処理装置10の構成例
図1は、従来の技術が適用される場合における問題を説明するための説明図である。ここで、図1は、従来の技術に係るPFC回路が備えられる従来の情報処理装置10の構成の一例を示している。また、図1に示す交流電源12は、例えばコンセント(図示せず)などを介して情報処理装置10に入力される電源を示している。交流電源12としては、例えば、50Hzや60Hzなどの交流電源(いわゆる商用の交流電源)が挙げられる。
【0022】
情報処理装置10は、フィルタ14と、整流回路16と、PFC回路18と、主電源回路20と、負荷回路22とを備える。
【0023】
フィルタ14は、例えばバンドパス・フィルタなどで構成され、交流電源12をフィルタリングすることにより交流電源12からノイズなどを除去する。
【0024】
整流回路16は、フィルタ14においてフィルタリングされた交流電源を整流し、整流された入力整流電圧を出力する。ここで、整流回路16は、例えば、交流電源を半波整流または全波整流することによって、入力整流電圧を出力する。図1では、整流回路16がダイオードD10a〜D10dの4つのダイオードで構成されたブリッジ型全波整流回路で構成された例を示している。
【0025】
PFC回路18は、整流回路16と主電源回路20との間に接続され、整流回路16から出力される入力整流電圧に基づいて力率を改善し、非絶縁電圧を出力する。より具体的には、PFC回路18は、PFC回路18に流れる電流における50Hzや60Hzなどの交流電源の周波数(以下、「基本周波数」という。)の整数倍の周波数成分(以下、「高調波」という。)をより正弦波に近い状態とすることにより力率を改善する。ここで、図1は、PFC回路18が昇圧型チョッパー回路で構成された例を示しており、入力される入力整流電圧(電圧信号)をチョークコイル(コイルL10)に選択的に印加することにより一度に流れる電流を抑制し、力率を改善する。また、PFC回路18は、スイッチング部36のスイッチングを制御することによって入力整流電圧を昇圧し、昇圧された非絶縁電圧を出力する。
【0026】
〔PFC回路18の構成例〕
PFC回路18は、コイルL10と、平滑部30と、検出部32と、制御部34と、スイッチング部36とを備える。
【0027】
コイルL10は、例えば、基本周波数を超える高周波の電流を阻止する。つまり、コイルL10は、チョークコイルの役目を果たす。また、コイルL10には、整流回路16から出力される入力整流電圧がスイッチング部36のスイッチング動作によって選択的に入力される。PFC回路18では、例えばスイッチング部36のスイッチング動作によって、一度に流れる電流が抑制され、また、昇圧(または、降圧)が制御される。
【0028】
平滑部30は、コイルL10から出力される入力整流電圧(昇圧された入力整流電圧)を平滑化し、入力整流電圧が平滑化された非絶縁電圧を出力する。
【0029】
検出部32には基準電圧Vrefと非絶縁電圧とが入力され、非絶縁電圧と基準電圧Vrefとの差分に対応する誤差信号NFを出力する。図1では、検出部32が差動増幅器で構成された例を示している。
【0030】
制御部34は、誤差信号NFに基づいて、スイッチング部36におけるスイッチングを制御する制御信号を出力する。制御部34は、例えば、誤差信号NFが設定された閾値を超えたか否かに基づいて、ハイレベルとローレベルとの制御信号を出力する。
【0031】
スイッチング部36は、スイッチング素子Q10を備え、制御部34から出力される制御信号の信号レベルに応じて選択的にON/OFF(スイッチング動作)を行う。
【0032】
PFC回路18は、例えば、上記のような構成によって、整流回路16から出力される入力整流電圧に基づいて力率を改善し、入力整流電圧が昇圧された(または降圧された)非絶縁電圧を出力する。よって、PFC回路18は、一種の電源回路であるといえる。
【0033】
主電源回路20は、例えば、トランスなどの絶縁回路で構成され、所定の大きさの出力電圧Eo’を負荷回路22へ供給する。主電源回路20は、例えば、トランスの1次コイルに入力される非絶縁電圧に基づいてトランスの2次コイルに誘起する電圧を平滑化することによって、出力電圧Eo’(直流電圧)を出力する。また、主電源回路20は、例えば、コイルの巻数が予め調整されたトランスを備えることによって、所定の大きさの出力電圧Eo’を出力する。
【0034】
負荷回路22は、情報処理装置10が有する各機能を実現するための各種回路を概略的に示したものであり、主電源回路20から供給される出力電圧Eo’を電源として駆動する。
【0035】
情報処理装置10は、例えば、図1の構成によって、交流電源12が直流電圧に変換された出力電圧Eo’を電源として駆動することができる。なお、上記では、主電源回路20が、トランスを備える構成について説明したが、上記に限られない。
【0036】
〔2〕従来の情報処理装置10における問題
情報処理装置10は、図1の構成によって、交流電源12が直流電圧に変換された出力電圧Eo’を電源として駆動することができる。しかしながら、情報処理装置10は、図1に示すように、非絶縁電圧を出力するPFC回路18(一種の電源回路)の後段に、トランスなどの絶縁回路で構成された主電源回路20を別途備える必要がある。したがって、情報処理装置10では、図1に示す構成により、例えば、以下の(i)、(ii)の問題を内在する。
【0037】
(i)第1の問題:コスト増加の問題
例えば図1に示す構成を有する情報処理装置10は、PFC回路18と主電源回路20という2つの電源回路を備える必要があるので、1つの電源回路を備える構成よりもコストが増加する。
【0038】
(ii)第2の問題:制御が複雑となる問題
例えば図1に示す構成を有する情報処理装置10は、電源としての役目を果たす出力電圧Eo’を安定的に得るために、PFC回路18と主電源回路20とをそれぞれ制御しなければならない。ここで、出力電圧Eo’を安定的に出力するための制御としては、例えば、PFC回路18と主電源回路20との起動タイミングの制御や負荷の制御などが挙げられる。よって、例えば図1に示す構成を有する情報処理装置10は、1つの電源回路を備える構成よりもより複雑な制御を行わなければ、負荷回路22の駆動に用いられる電源を安定的に得ることはできない。
【0039】
[本発明の実施形態に係るアプローチ]
本発明の実施形態では、例えば上記(i)、(ii)の問題が複数の電源回路を備えることに起因していることに着目し、1つの電源回路にて力率改善と安定的な電源の供給との両立を図る。より具体的には、本発明の実施形態は、図1のPFC回路18を構成する昇圧型チョッパー回路のチョークコイル(コイルL10に対応)を、絶縁トランスに置き換えることによって、PFC回路と主電源回路が一体となった電源回路を実現する。
【0040】
以下、本発明の実施形態に係るアプローチを実現可能な、本発明の実施形態に係る電源回路の構成について説明する。なお、以下では、本発明の実施形態に係る電源回路が、情報処理装置に備えられる場合を例に挙げて説明するが、上記に限られない。例えば、本発明の実施形態に係る電源回路は、例えばAC(Alternating Current)アダプタのような、情報処理装置とは別体の電源装置として実現することもできる。
【0041】
(第1の実施形態に係る電源回路)
図2は、本発明の第1の実施形態に係る電源回路100の構成の一例を説明するための説明図である。ここで、図2は、電源回路100を備える第1の実施形態に係る情報処理装置500の構成の一例を示している。また、図2に示す交流電源102は、例えばコンセント(図示せず)などを介して情報処理装置500に入力される電源を示している。交流電源102としては、例えば、50Hzや60Hzなどの交流電源(いわゆる商用の交流電源)が挙げられるが、上記に限られない。
【0042】
情報処理装置500は、フィルタ104と、電源回路100と、負荷回路106とを備える。
【0043】
フィルタ104は、交流電源102をフィルタリングすることにより交流電源102からノイズなどを除去する。フィルタ104は、例えばバンドパス・フィルタや、ローパス・フィルタなどで構成されるが、上記に限られない。
【0044】
電源回路100は、PFC回路と主電源回路との双方の役目を果たす。より具体的には、電源回路100は、フィルタ104においてフィルタリングされた交流電源に基づいて、力率を改善し、負荷回路106を駆動させる電源としての役目を果たすことが可能な第1出力電圧Eo(直流電圧)を出力する。
【0045】
[電源回路100の構成例]
電源回路100は、整流部110と、絶縁トランス112と、平滑部114(第1平滑部)と、検出部116と、絶縁部118と、制御部120と、スイッチング部122とを備える。
【0046】
整流部110は、フィルタ104においてフィルタリングされた交流電源を整流し、整流された入力整流電圧を出力する。ここで、整流部110は、例えば、交流電源を半波整流または全波整流することによって、入力整流電圧を出力する。
【0047】
ここで、図2では、整流部110が、ダイオードD1a〜D1dの4つのダイオードで構成されたブリッジ型全波整流回路で構成され、平滑化を行わずに交流電源を整流する例を示している。例えば整流部110を平滑化を行わない構成とすることによって、電源回路100は、例えば平滑化に用いられるコンデンサにより生じうる交流電源の位相変化を防止することができるので、力率の悪化(力率がより“0”に近づくこと)を防止することができる。よって、電源回路100は、平滑化を行わない構成(すなわち、直流電圧を出力しない構成)の整流部110を備えることによって、力率をより改善することができる。なお、本発明の実施形態に係る整流部110が、ブリッジ型全波整流回路で構成されることに限られないことは、言うまでもない。
【0048】
絶縁トランス112は、整流部110とスイッチング部122と接続される1次コイルL1と、2次コイルL2とを有する。1次コイルL1には、スイッチング部122におけるスイッチング動作に応じて整流部110から出力される入力整流電圧が選択的に入力される。2次コイルL2は、電磁誘導により1次コイルL1に印加される入力整流電圧に基づく誘起電圧を出力する。
【0049】
平滑部114は、絶縁トランス112の2次コイルL2から出力される誘起電圧を平滑化し、第1出力電圧Eo(直流電圧)を出力する。第1出力電圧Eoは、例えば、負荷回路106を駆動させるための電源としての役目を果たす。ここで、図2では、平滑部114が、ダイオードD2とコンデンサC1とから構成される半波整流回路で構成された例を示しているが、上記に限られない。
【0050】
電源回路100は、絶縁トランス112と平滑部114とを備えることによって、負荷回路106を駆動させるための電源としての役目を果たすことが可能な第1出力電圧Eo(直流電圧)を出力することができる。よって、電源回路100は、例えば図1の主電源回路20と同様に、主電源回路として機能することができる。
【0051】
検出部116には基準電圧Vrefと第1出力電圧Eoとが入力され、第1出力電圧Eoと基準電圧Vrefとの差分に対応する誤差信号(第1出力電圧Eoと基準電圧Vrefとの差に応じた誤差信号を)を出力する。ここで、図2では、検出部116が差動増幅器で構成された例を示しているが、上記に限られない。
【0052】
絶縁部118は、検出部116から出力される誤差信号が入力される入力端と、入力端と絶縁された出力端とを有し、入力端に入力される誤差信号に応じた信号(以下、「信号NF」という。)を出力端から出力する。ここで、絶縁部118は、入力端側に発光ダイオードを備え、出力端側に発光ダイオードが発した光を受光するフォトトランジスタを備えるフォトカプラで構成されるが、上記に限られない。
【0053】
絶縁トランス112と絶縁部118とを備えることによって、電源回路100は、交流電源が入力される入力側と、第1出力電圧Eoを出力する出力側とを絶縁することができる。よって、電源回路100は、絶縁トランス112と絶縁部118とを備えることによって、例えば、突入電流などが生じることを防止し、電源としての役目を果たす第1出力電圧Eoを安定的に得ることができる。
【0054】
制御部120は、信号NFに基づいて、スイッチング部122におけるスイッチングを制御する制御信号を出力する。制御部120は、例えば、信号NFが設定された閾値を超えたか否かに基づいて、ハイレベルとローレベルとで規定されるパルス状の制御信号を出力するが、上記に限られない。制御部120が出力する制御信号は、一方の信号レベルがスイッチング部122をONの状態とさせ、また、他方の信号レベルがスイッチング部122をOFFの状態とさせる。ここで、スイッチング部122がONの状態とは、例えば、絶縁トランス112の1次コイルL1に入力整流電圧を入力させる状態をいう。また、制御部120が出力する制御信号は、例えば、時比率制御された信号に相当する。制御部120は、例えば、信号NFと所定の大きさの基準信号(図示せず)との誤差に応じた信号を出力する差動増幅器などを備えることによって、制御信号を出力するが、上記に限られない。
【0055】
また、制御部120は、時比率制御により、例えば、発振周波数が50kHz以上の制御信号を出力する。上記のように基本周波数よりも高い発振周波数の制御信号によりスイッチング部122がスイッチング動作を行うことによって、絶縁トランス112の1次コイルL1には、制御信号の発信周波数に応じて断続的に電流が流れる。つまり、絶縁トランス112の1次コイルL1は、図1に示すPFC回路18のコイルL10(チョークコイル)と同様の役目を果たすこととなる。したがって、電源回路100は、交流電源102に基づく入力電流の力率改善を図り、PFC回路として機能することができる。
【0056】
スイッチング部122は、スイッチング素子Q1を備え、制御部120から出力される制御信号の信号レベルに応じて選択的にON/OFF(スイッチング動作)を行う。ここで、スイッチング素子Q1としては、例えば、nチャネル型のMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)や、pチャネル型のMOSFETが挙げられるが、上記に限られない。例えば、スイッチング部122は、スイッチング素子Q1として、バイポーラトランジスタ(Bipolar transistor)を備えることもできる。
【0057】
電源回路100は、上記の構成により、図1のPFC回路18と主電源回路20との双方の機能を実現することができる。したがって、電源回路100は、力率改善と安定的な電源の供給との両立を実現することができる。
【0058】
また、電源回路100は、第1平滑部114から出力される第1出力電圧Eoを検出部116において検出し、検出結果(誤差信号)に基づく制御信号によって、絶縁トランス112の1次コイルL1に入力整流電圧を選択的に入力させる。よって、電源回路100は、第1出力電圧Eoを安定化させることができるので、電源回路100を備える情報処理装置500は、電源回路100の後段に別途の安定化電源を備える必要がない。
【0059】
さらに、電源回路100は、絶縁トランス112を用いたフライバックコンバータ回路を備えているので、第1出力電圧Eoの昇圧/降圧設定を容易に設定することが可能である。
【0060】
〔電源回路100における効率〕
ここで、電源回路100における効率について、PFC回路18および主電源回路20からなる従来の技術に係る構成(図1の構成)における効率と比較して説明する。本発明の実施形態に係る「効率」とは、交流電源から得られる電力をどれだけ無駄なく変換することができたかを表す指標であり、例えば、0[%]〜100[%](理想状態)で表される。
【0061】
図3Aは、図1に示すPFC回路18および主電源回路20からなる構成における効率の一例を説明するための説明図である。また、図3Bは、本発明の実施形態に係る電源回路100における効率の一例を説明するための説明図である。ここで、図3Aは主電源回路20が絶縁トランスを備える構成における効率の一例を示しており、また、図3Bは、電源回路100が、図3Aの主電源回路20と同様の絶縁トランスを備える場合における効率の一例を示している。
【0062】
図3Aに示すように、PFC回路18および主電源回路20からなる従来の技術に係る構成では、PFC回路18と主電源回路20という2つの電源回路を備える。よって、図3Aに示す従来の技術に係る構成における効率(総合効率)は、約74.7〜83.6[%]となる。
【0063】
これに対して、電源回路100は、図3Bに示すように1つの電源回路で構成される。よって、電源回路100における効率は、例えば図3Aの主電源回路20と同様の約83〜88[%]となる。
【0064】
したがって、電源回路100は、PFC回路18および主電源回路20からなる従来の技術に係る構成と同等の効率、もしくは、同等以上の効率を実現することができる。
【0065】
再度図2を参照して、電源回路100を備える情報処理装置500の構成要素について説明する。負荷回路106は、情報処理装置500が有する各機能を実現するための各種回路を概略的に示したものであり、電源回路100から供給される第1出力電圧Eoを電源として駆動する。ここで、負荷回路106は、例えば、MPU(Micro Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などの各種処理回路や、ハードディスク(Hard Disk)などの磁気記録媒体、各種デバイスなどが挙げられる。上記各種デバイスとしては、例えば、LCD(Liquid Crystal Display。液晶ディスプレイ)などの表示デバイスや、Blu−ray(登録商標)ディスクドライブなどの光ディスクデバイスなどが挙げられるが、上記に限られない。
【0066】
以上のように、本発明の第1の実施形態に係る電源回路100は、図1に示すPFC回路18を構成する昇圧型チョッパー回路のチョークコイル(コイルL10に対応)を、絶縁トランスに置き換えることによって、PFC回路と主電源回路が一体となった電源回路を実現する。したがって、電源回路100は、力率改善と安定的な電源の供給との両立を実現することができる。
【0067】
また、本発明の第1の実施形態に係る情報処理装置500は、電源回路100を備える。したがって、情報処理装置500は、従来の情報処理装置10のように複数の電源回路を備える必要はないので、情報処理装置10よりも電源回路の部品数を低減させることができ、電源回路に係る信頼性を向上させる(例えば、故障率の低減など)ことができる。また、情報処理装置500は、従来の情報処理装置10のように複数の電源回路を備える必要はないので、情報処理装置10よりも電源回路に係るコストを低減することができ、電源回路の制御もまた容易となる。
【0068】
[第1の実施形態に係る電源回路100の変形例]
上記では、第1の実施形態に係る電源回路100として、1つの出力電圧(第1出力電圧Eo)を出力する構成を示した。しかしながら、本発明の第1の実施形態に係る電源回路は、上記に限られず、複数の出力電圧を出力する構成とすることもできる。
【0069】
図4は、本発明の第1の実施形態の変形例に係る電源回路150の構成の一例を説明するための説明図である。ここで、図4は、変形例に係る電源回路150のうち、図2に示す電源回路100と同様の構成を省略して示している。より具体的には、図4は、電源回路150を構成する絶縁トランス152と、平滑部154(第1平滑部)とを示している。以下では、図4を参照して電源回路150の構成について説明し、電源回路100と同様の構成については説明を省略する。なお、図4では示していないが、電源回路150は、例えば、平滑部154から出力される複数の出力電圧のうちの1つの出力電圧を検出部116に入力させる。ここで、上記1つの出力電圧としては、例えば、主電源として用いる出力電圧や、最も安定性を要する出力電圧が挙げられる。
【0070】
絶縁トランス152は、1次コイルL1と、複数の2次コイルL2、L3、…、Ln(nは、3以上の整数)とを有する。複数の2次コイルL2、L3、…、Lnそれぞれは、電磁誘導により1次コイルL1に印加される入力整流電圧に基づく誘起電圧をそれぞれ出力する。ここで、絶縁トランス152は、例えば、複数の2次コイルL2、L3、…、Lnの巻数を互いに変えることによって、2次コイルL2、L3、…、Lnそれぞれから互いに異なる誘起電圧を出力させるが、上記に限られない。例えば、絶縁トランス152は、一部の2次コイル、または全ての2次コイルの巻数を同一とすることもできる。
【0071】
また、絶縁トランス152が備える2次コイルの数、および各2次コイルの巻数は、電源回路150が備えられる変形例に係る情報処理装置が備える負荷回路(図示せず)に必要とされる電源の数、および出力電圧の大きさに応じて設定される。
【0072】
平滑部154は、絶縁トランス152の2次コイルL2、L3、…、Lnとそれぞれ接続され、2次コイルL2、L3、…、Lnそれぞれから出力される誘起電圧をそれぞれ平滑化する複数の平滑回路156A、156B、…156Nを備える。
【0073】
平滑部154を構成する各平滑回路は、対応する2次コイルから出力される誘起電圧を平滑化し、第1出力電圧Eo1〜Em(mは、m=n−1)を出力する。ここで、平滑部154を構成する各平滑回路は、図2に示す平滑部114と同様に、例えば、ダイオードとコンデンサとから構成される半波整流回路で構成されるが、上記に限られない。
【0074】
電源回路150は、例えば、図4に示す絶縁トランス152と平滑部154とを備えることによって、複数の出力電圧(Eo1〜Eom)を出力することができる。
【0075】
また、電源回路150は、図4に示す絶縁トランス152、平滑部154以外の構成は、図2に示す第1の実施形態に係る電源回路100と同様の構成を有する。したがって、電源回路150は、電源回路100と同様の効果を奏することができる。
【0076】
(第2の実施形態に係る電源回路)
上記では、第1の実施形態に係る電源回路100として、絶縁トランス112の2次コイルに誘起した誘起電圧に応じた第1出力電圧Eo(いわゆる、絶縁電圧)を出力する電源回路について説明した。しかしながら、本発明の実施形態に係る電源回路は、絶縁トランス112(絶縁回路)を介して出力される絶縁電圧を出力する構成に限られず、絶縁回路を介さずに出力される非絶縁電圧を出力することもできる。そこで、次に、本発明の第2の実施形態に係る電源回路として、絶縁電圧および非絶縁電圧を出力可能な電源回路を示す。
【0077】
図5は、本発明の第2の実施形態に係る電源回路200の構成の一例を説明するための説明図である。ここで、図5は、電源回路200を備える第2の実施形態に係る情報処理装置600の構成の一例を示している。ここで、図5に示す交流電源102は、図2に示す交流電源102と同様に、例えばコンセント(図示せず)などを介して情報処理装置600に入力される電源を示している。
【0078】
情報処理装置600は、フィルタ104と、電源回路200と、負荷回路202とを備える。
【0079】
フィルタ104は、図2に示すフィルタ104と同様に、交流電源102をフィルタリングすることにより交流電源102からノイズなどを除去する。
【0080】
電源回路200は、図2に示す第1の実施形態に係る電源回路100と基本的に同様の構成を有し、PFC回路と主電源回路との双方の役目を果たす。より具体的には、電源回路200は、フィルタ104においてフィルタリングされた交流電源に基づいて、力率を改善し、電源としての役目を果たすことが可能な第1出力電圧Eo(直流電圧)と、第2出力電圧Einv(直流電圧)とを出力する。ここで、第1出力電圧Eoは、絶縁トランスから絶縁電圧であり、第2出力電圧Einvは、非絶縁電圧である。
【0081】
[電源回路200の構成例]
電源回路200は、整流部110と、絶縁トランス112と、平滑部114(第1平滑部)と、検出部116と、絶縁部118と、制御部120と、スイッチング部122と、平滑部204(第2平滑部)とを備える。図2と図5とを比較すると、電源回路200は、基本的に図2に示す電源回路100と同様の構成を有しており、平滑部204をさらに備えていることが分かる。
【0082】
ここで、電源回路200が備える整流部110、絶縁トランス112、平滑部114、検出部116、絶縁部118、制御部120、およびスイッチング部122それぞれは、図2に示す電源回路100と同様の構成を有する。したがって、電源回路200は、図2に示す電源回路100と同様に、PFC回路と主電源回路とを一体とした構成であり、図2に示す電源回路100と同様の効果を奏する。
【0083】
平滑部204は、絶縁トランス112の1次コイルL1から制御信号に応じて選択的に出力される入力整流電圧を平滑化し、入力整流電圧に応じた第2出力信号Einvを出力する。ここで、図2は、平滑部204が、例えば、スイッチング部122を構成するスイッチング素子Q1のソースとドレイン(スイッチング素子Q1がMOSFETの場合)から絶縁トランス112の1次コイルL1の出力を取り出す例を示しているが、上記に限られない。また、第2出力信号Einvは、絶縁トランス112の1次コイルL1から出力される入力整流電圧に応じた電圧であるので、非絶縁電圧であるといえる。図5では、平滑部204が、ダイオードD9とコンデンサC9とから構成される半波整流回路で構成された例を示しているが、上記に限られない。
【0084】
電源回路200は、上記の構成により、図2に示す電源回路100と同様に、図1のPFC回路18と主電源回路20との双方の機能を実現することができる。したがって、電源回路200は、図2に示す電源回路100と同様に、力率改善と安定的な電源の供給との両立を実現することができる。また、電源回路200は、図2に示す電源回路100と基本的に同様の構成を有するので、電源回路100と同様の効果を奏することができる。
【0085】
さらに、電源回路200は、絶縁トランス112の2次コイルL2から出力される誘起電圧に応じた第1出力電圧Eoと、絶縁トランス112の1次コイルL1から出力される入力整流電圧に応じた第2出力電圧Einvとを出力する。よって、電源回路200は、絶縁電圧(第1出力電圧Eo)および非絶縁電圧(第2出力電圧Einv)を出力する混合電源として機能することができる。
【0086】
負荷回路202は、情報処理装置600が有する各機能を実現するための各種回路を概略的に示したものであり、電源回路200から供給される第1出力電圧Eoおよび第2出力電圧Einvを電源として駆動する。ここで、第1出力電圧Eoにて駆動する負荷回路202を構成する要素としては、例えば、MPUなどの各種処理回路や、ハードディスクなどの磁気記録媒体、各種デバイスが挙げられるが、上記に限られない。また、第2出力電圧Einvにて駆動する負荷回路202を構成する要素としては、例えば、絶縁インバータなどの回路が挙げられるが、上記に限られない。
【0087】
以上のように、本発明の第2の実施形態に係る電源回路200は、基本的に図2に示す第1の実施形態に係る電源回路100と同様の構成を有する。したがって、電源回路200は、第1の実施形態に係る電源回路100と同様に、力率改善と安定的な電源の供給との両立を実現することができる。また、電源回路200は、図2に示す電源回路100と基本的に同様の構成を有するので、電源回路100と同様の効果を奏することができる。
【0088】
また、電源回路200は、絶縁トランス112の2次コイルL2から出力される誘起電圧に応じた第1出力電圧Eoと、絶縁トランス112の1次コイルL1から出力される入力整流電圧に応じた第2出力電圧Einvとを出力する。したがって、電源回路200は、絶縁電圧(第1出力電圧Eo)および非絶縁電圧(第2出力電圧Einv)を出力する混合電源として機能することができる。
【0089】
また、本発明の第2の実施形態に係る情報処理装置600は、電源回路200を備える。したがって、情報処理装置600は、従来の情報処理装置10のように複数の電源回路を備える必要はないので、情報処理装置500と同様に、情報処理装置10よりも電源回路の部品数を低減させることができ、電源回路に係る信頼性を向上させることができる。また、情報処理装置600は、情報処理装置500と同様に、従来の情報処理装置10のように複数の電源回路を備える必要はないので、情報処理装置10よりも電源回路に係るコストを低減することができ、電源回路の制御もまた容易となる。
【0090】
[第2の実施形態に係る電源回路200の変形例]
第2の実施形態に係る電源回路は、図5に示す構成に限られず、例えば、図4に示す第1の実施形態の変形例に係る電源回路150と同様に、複数の第1出力電圧(絶縁電圧)を出力する構成とすることもできる。
【0091】
以上、本発明の実施形態として電源回路100、150、200を挙げて説明したが、本発明の実施形態は、かかる形態に限られない。本発明の実施形態は、例えば、ACアダプタなどのように外部装置へ電源を供給する電源装置や、電源回路を備えることが可能な様々な機器に適用することができる。
【0092】
また、本発明の実施形態として情報処理装置500、600を挙げて説明したが、本発明の実施形態は、かかる形態に限られない。本発明の実施形態は、例えば、PC(Personal Computer)、ノート型PCなどのコンピュータ、デジタル放送/アナログ放送を受信可能なテレビ受像機など、本発明の実施形態に係る電源回路を備えることが可能な様々な機器に適用することができる。
【0093】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0094】
10、500、600 情報処理装置
12、102 交流電源
14、104 フィルタ
16 整流回路
18 PFC回路
20 主電源回路
22、106、202 負荷回路
30、114、154、204 平滑部
32、116 検出部
34、120 制御部
36、122 スイッチング部
100、150、200 電源回路
112、152 絶縁トランス
110 整流部
118 絶縁部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源を整流し、整流された入力整流電圧を出力する整流部と;
前記整流部から出力される前記入力整流電圧が選択的に入力される1次コイルと、前記1次コイルに印加される前記入力整流電圧に基づく誘起電圧を出力する2次コイルとを有する絶縁トランスと;
前記誘起電圧を平滑化し、第1出力電圧を出力する第1平滑部と;
前記第1出力電圧と基準電圧との差に応じた誤差信号を出力する検出部と;
前記誤差信号が入力される入力端と、前記入力端と絶縁された出力端とを有し、前記入力端に入力される前記誤差信号に応じた信号を前記出力端から出力する絶縁部と;
前記絶縁部から出力される前記誤差信号に応じた信号に基づいて、前記1次コイルに前記入力整流電圧を選択的に入力させるための制御信号を出力する制御部と;
前記1次コイルと接続され、前記制御信号に基づいて前記入力整流電圧を選択的に前記1次コイルに入力させるスイッチング部と;
を備える、電源回路。
【請求項2】
前記整流部は、平滑化を行わずに前記交流電源を整流する、請求項1に記載の電源回路。
【請求項3】
前記絶縁トランスは、前記1次コイルに印加される前記入力整流電圧に基づく誘起電圧を出力する複数の2次コイルを有し、
前記第1平滑部は、前記複数の2次コイルとそれぞれ接続され、前記2次コイルそれぞれから出力される誘起電圧をそれぞれ平滑化する複数の平滑回路を備える、請求項1、または請求項2に記載の電源回路。
【請求項4】
複数の前記2次コイルそれぞれは、互いに巻数が異なる、請求項3に記載の電源回路。
【請求項5】
前記1次コイルから出力される前記入力整流電圧を平滑化し、前記入力整流電圧に応じた第2出力信号を出力する第2平滑部をさらに備える、請求項1、または請求項2に記載の電源回路。
【請求項6】
交流電源に基づく第1出力電圧を出力する電源回路と;
前記第1出力電圧を電源として駆動する負荷回路と;
を備え、
前記電源回路は、
前記交流電源を整流し、整流された入力整流電圧を出力する整流部と;
前記整流部から出力される前記入力整流電圧が選択的に入力される1次コイルと、前記1次コイルに印加される前記入力整流電圧に基づく誘起電圧を出力する2次コイルとを有する絶縁トランスと;
前記誘起電圧を平滑化し、前記第1出力電圧を出力する第1平滑部と;
前記第1出力電圧と基準電圧との差に応じた誤差信号を出力する検出部と;
前記誤差信号が入力される入力端と、前記入力端と絶縁された出力端とを有し、前記入力端に入力される前記誤差信号に応じた信号を前記出力端から出力する絶縁部と;
前記絶縁部から出力される前記誤差信号に応じた信号に基づいて、前記1次コイルに前記入力整流電圧を選択的に入力させるための制御信号を出力する制御部と;
前記1次コイルと接続され、前記制御信号に基づいて前記入力整流電圧を選択的に前記1次コイルに入力させるスイッチング部と;
を備える、情報処理装置。



【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−183668(P2010−183668A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−22802(P2009−22802)
【出願日】平成21年2月3日(2009.2.3)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】