電源検査回路、及び表示装置
【課題】電源回路を構成する複数の回路に対して、その製品寿命に応じて個別に処理を変更することが可能な電源検査回路を提供する。
【解決手段】
複数の電源回路に対する製品寿命を判断する電源検査回路において、前記電源回路から供給された直流電圧のリップル成分を検出するリップル成分検出部と、前記複数の電源回路と前記リップル成分検出部との接続を切替え、前記リップル成分が検出される前記電源回路80を選択する選択部と、前記検出されたリップル成分に応じて、前記各電源回路の製品寿命を個別に判断し、選択された電源回路に応じてその後の電源回路に対する処理を変化させる処理制御部と、を有する。
【解決手段】
複数の電源回路に対する製品寿命を判断する電源検査回路において、前記電源回路から供給された直流電圧のリップル成分を検出するリップル成分検出部と、前記複数の電源回路と前記リップル成分検出部との接続を切替え、前記リップル成分が検出される前記電源回路80を選択する選択部と、前記検出されたリップル成分に応じて、前記各電源回路の製品寿命を個別に判断し、選択された電源回路に応じてその後の電源回路に対する処理を変化させる処理制御部と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源回路における寿命を検出するための電源検査回路に関する。
【背景技術】
【0002】
電源回路は平滑化を行うためのコンデンサを実装しており、このコンデンサが劣化することで電源電圧の平滑化が適切に行われず、生成された電源電圧の値が低下する。そのため、この電圧値の低下を検出して電源回路の製品寿命を検出する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、平滑化コンデンサが劣化することにより、電源電圧の直流成分にリップル成分が重畳する。そのため、このリップル成分を検出することで、電源回路の製品寿命を検出する技術が開示されている(例えば、特許文献2−4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002ー281735号公報
【特許文献2】特開2001ー231253号公報
【特許文献3】特開平10−164836号公報
【特許文献4】特開平08ー248086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電源回路は、様々な電圧を生成する回路を含んで構成されており、各回路は劣化度合いに応じて対応する処理も変化させることが望ましい。即ち、電源回路の劣化に応じて早急に駆動を停止させる必要がある回路や、ある程度期間を置いても安全上問題がない回路が混在するため、各電源回路ごとに処理を変更させることが望ましい。
【0006】
本発明の目的は、電源回路を構成する複数の回路に対して、その製品寿命に応じて個別に処理を変更することが可能な電源検査回路を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明では、複数の電源回路に対する製品寿命を判断する電源検査回路において、前記電源回路が生成した直流電圧のリップル成分を検出するリップル成分検出部と、前記複数の電源回路と前記リップル成分検出部との接続を切替え、前記リップル成分が検出される前記電源回路を選択する選択部と、前記検出されたリップル成分に応じて、前記各電源回路の製品寿命を個別に判断し、選択された電源回路に応じてその後の電源回路に対する処理を変化させる処理制御部と、を有する構成としてある。
【0008】
上記のように構成された発明では、複数の電源回路に対する製品寿命を判断する電源検査回路において、リップル成分検出部は、電源回路が生成した直流電圧のリップル成分を検出し、選択部は、複数の電源回路とリップル成分検出部との接続を切替えることでリップル成分が検出される電源回路を選択し、処理制御手段は、検出されたリップル成分の電圧値等により、各電源回路の製品寿命を個別に判断し、選択された電源回路に応じてその後の電源回路に対する処理を変化させる。
そのため、製品寿命が検出される電源回路に応じて、その後の処理を変更させるため、検出した製品寿命に応じて、所定の電源回路に応じた個別の対応を取ることができる。
【0009】
また、本発明の一局面として、前記リップル成分検出部は、生成された直流成分からリップル成分を抽出し、前記抽出されたリップル成分を増幅し、この増幅したリップル成分を平滑化して前記処理制御部に出力する。
リップル成分は交流成分を含んで構成されるため、そのままでは検出対象として適さない。そのため、上記のように構成された発明では、抽出されたリップル成分を処理制御部が判断対象とすることができる成分に変換して、出力する。
【0010】
そして、本発明の一局面として、前記処理制御部は、前記選択された電源回路に応じて、前記リップル成分検出部における前記リップル成分の増幅率を変化させる。
電源回路においては生成する電圧等の違いから平滑化コンデンサの容量も異なるため、発生するリップル成分の値も異なる。そのため、上記のように構成された発明では、各電源回路に応じてリップル成分の増幅率を変化させて均一の値とすることで、処理制御部が均一の値を用いて判断を行うことが可能となる。また、リップル成分の変化後の値が均一の値となれば、複数の電源回路から入力されたリップル成分を1つの入力ポートを介して受信することが可能となり、処理制御部をコンパクトにすることができる。
【0011】
また、処理制御部が実行する処理の一例として、前記処理制御部は、前記電源回路の製品寿命を判断した場合に、エラーメッセージを表示するための表示部を有する。
上記のように構成された発明では、電源回路の製品寿命を、ユーザに対して視覚的に通知することができる。
【0012】
更に、前記表示部は、前記検出されたリップル成分の値に応じて、前記エラーメッセージを切替える構成としても良い。
【0013】
そして、処理制御部が行う処理の一例として、前記電源回路は、一次側電源回路を含み、前記処理制御部は、前記一次側電源回路が選択されて、且つ製品寿命に達していると判断された場合は、直ちに前記一次側電源回路の駆動を停止する。
また、前記電源回路は、バックライトを駆動するためのコンバータ回路を含み、前記処理制御部は、前記コンバータ回路が選択されて、且つ製品寿命に達していると判断された場合は、直ちに前記コンバータ回路の駆動を停止する。
上記のように構成された発明では、一次側電源回路やコンバータ回路といった、安全性を重視する必要がある電源回路において、製品寿命に達している場合は、直ちに駆動を停止させて、安全性を高める。ここで、コンバータ回路とは、バックライトを駆動する駆動電圧を生成する回路であり、DC−DCコンバータ回路や、インバータ回路を含む概念である。
【0014】
また、処理制御部が行う処理の一例として、前記処理制御部は、前記検出したリップル成分の値が前記電源回路に実装された平滑化コンデンサが劣化していない場合のリップル成分に基づいて規定された第1の閾値以上であって、前記電源回路に実装された平滑化コンデンサが劣化している場合のリップル成分に基づいて規定された第2の閾値未満の場合は、前記表示部にエラーメッセージを表示させ、前記受信したリップル成分の値が前記第2の閾値以上である場合は、前記電源回路が製品寿命に達したと判断して、前記電源回路の駆動を停止させる。
【0015】
更に、前記処理制御部は、入力された前記リップル成分に基づく値を記憶する構成としてもよい。
上記のように構成された発明では、検出されたリップル成分に基づく値を記憶することで、サービスマン等がこの記憶された値を参照して電源回路の寿命を判断し易くすることが可能となる。
【0016】
また、本発明の他の局面として、液晶パネルを用いて映像を表示するための表示装置において、一次側電源回路と、バックライトを点灯するためのコンバータ回路と含む電源回路と、前記一次側電源回路、コンバータ回路及びその他の電源回路に対する製品寿命を判断する電源検査回路と、を有し、前記電源検査回路は、前記電源回路が生成した直流電圧からリップル成分を抽出し、前記抽出されたリップル成分を増幅し、この増幅したリップル成分を平滑化して寿命検出信号を生成するリップル成分検出部と、前記電源回路と前記リップル成分検出部との間の接続を切替える切替え部と、生成された寿命検出信号を受信して、前記電源回路を構成する各回路の製品寿命を判断するマイクロコンピュータとを有し、前記マイクロコンピュータは、前記選択された電源回路に応じて、前記リップル成分検出部における前記リップル成分の増幅率を変化させるとともに、前記選択された電源回路が一次側電源回路及びコンバータ回路以外の電源回路であって、前記受信した寿命検出信号の電圧値が、前記選択された電源回路に実装された平滑化コンデンサが劣化していない場合のリップル成分に基づいて規定された第1の閾値未満である場合は、前記寿命検出信号に基づく値をメモリに記憶し、前記選択された電源回路が一次側電源回路及びコンバータ回路以外の電源回路であって、前記受信した寿命検出信号の電圧値が前記第1の閾値以上であり、且つ前記選択された電源回路に実装された平滑化コンデンサが劣化している場合のリップル成分に基づいて規定された第2の閾値未満の場合は、前記液晶パネルにエラーメッセージを表示させ、前記選択された電源回路が一次側電源回路及びコンバータ回路以外の電源回路であって、前記受信した寿命検出信号の電圧値が前記第2の閾値以上である場合は、前記選択された電源回路が製品寿命に達したと判断して、前記選択された電源回路の駆動を停止させ、前記選択された電源回路が一次側電源回路又はコンバータ回路であって、前記受信した寿命検出信号の電圧値が前記一次側電源回路又はコンバータ回路に実装された平滑化コンデンサが劣化していない場合のリップル成分に基づいて規定された第3の閾値以上である場合は、前記選択された一次側電源回路又はコンバータ回路の駆動を停止させる、構成としてある。
【発明の効果】
【0017】
上記のように構成した本発明によれば、寿命を検出した電源回路に対して適切な対応を取ることができる電源検査回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】表示装置の構成を説明するためのブロック図である。
【図2】表示装置の機能を説明するためのイメージ図である。
【図3】電源回路80の構成を説明するためのブロック図である。
【図4】制御回路70の構成を説明するためのブロック図である。
【図5】寿命検出信号が生成される過程を説明する波形図である。
【図6】寿命検出信号が生成される過程を説明する波形図である。
【図7】寿命検出信号が生成される過程を説明する波形図である。
【図8】寿命検出信号が生成される過程を説明する波形図である。
【図9】制御回路70により実行される処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】一例としての第2の実施形態に係る電源回路80の構成を説明するためのブロック図である。
【図11】一例としての第2の実施形態に係る制御回路70の構成を説明するためのブロック図である。
【図12】第3の実施形態に係る電源検査回路を説明するブロック構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、下記の順序に従って、図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態について説明する。
1.第1の実施形態:
2.第2の実施形態:
3.第3の実施形態:
4.その他の実施形態:
【0020】
1.第1の実施形態:
図1は、表示装置の構成を説明するためのブロック図である。図1においては、表示装置100は、入力I/F91と、表示パネル93と、制御回路70と、信号処理回路92と、電源回路80とで構成されている。また、入力I/F91と、信号処理回路92と、はバス96を介して制御回路70と接続し、バス96を介して制御回路70からの制御を受付ける。表示装置100は、入力I/F91を介して取得された映像データを、信号処理回路92により色補正等の信号処理が施された後、表示パネル93により映像として出力される。また、表示装置100は、電源回路80により生成された交流又は直流の電圧を電源ラインを介して受信し、各部を駆動させる。
【0021】
入力I/F91は、録画再生装置等の外部機器と接続して、映像及び音声信号を受信する外部入力端子や、アンテナが受信した放送電波からテレビジョン放送信号を抽出するチューナー等により構成されている。
【0022】
表示パネル93は、カラー画像を表示するための液晶表示部95と、この液晶表示部の光源として作用するバックライト94とで構成されている。また、液晶表示部95には、各画素を駆動するための駆動回路を有しており、電源回路80から出力される所定電圧の電源電圧を用いて各画素を駆動するための駆動電圧を生成する。
【0023】
電源回路80は、表示装置100を構成する各部と電源ラインを介して接続し、上記各部に電力を供給する。なお、電源回路80の具体的な構成については後述する。
【0024】
制御回路70は、表示装置100を構成する各部の駆動を制御するとともに、電源回路80のリップル成分を検出し、検出したリップル成分に応じて電源回路80の停止、又は表示パネル93を通じてユーザに電源回路80が寿命であることを通知する。ここで、本発明では、制御回路70は、電源回路80の製品寿命を内部に実装された平滑化コンデンサの劣化により判断する。具体的には、平滑化コンデンサが劣化すると、生成された直流電圧にリップル成分が発生する。そのため、制御回路70は、このリップル成分を検出することで、平滑化コンデンサの劣化を判断し、しいては電源回路80の製品寿命を判断する。
【0025】
図2は、表示装置の機能を説明するためのイメージ図である。図2に示すように、表示装置は、電源回路80のリップル成分を検出して以下の処理を実行する。まず、制御回路70は、第1の処理として、検出した電源回路80のリップル成分の値をEEPROM97等のメモリに記憶する。メモリに記憶されたリップル成分の値は、サービスマン等が表示装置100の状態を判断する際に使用される。次に、検出したリップル成分が一定の数値に達している場合は、制御回路70は第2の処理として表示パネル93にエラーメッセージを表示させる。そして、リップル成分により電源回路80の製品寿命が尽きたと判断した場合は、制御回路70は、第3の処理として、電源回路80の駆動を停止させる。以下に、制御回路70により実行される第1〜第3の処理について説明を行う。
【0026】
図3は、電源回路80の構成を説明するためのブロック図である。また、図4は、制御回路70の構成を説明するためのブロック図である。上記図3においては、電源回路80は、一次側電源回路81と、複数の二次側電源回路60とを備えて構成されている。一次側電源回路81と二次側電源回路60とはスイッチSWを介して接続されており、このスイッチSWのオン・オフは、制御回路70により切替えられる。また、一次側電源回路81及び二次側電源回路60は、制御回路70にそれぞれ接続されている。
【0027】
一次側電源回路81は、整流回路81aと、平滑化回路81bとを備えて構成され、商用電源から供給された交流電圧を、整流回路81a及び平滑化回路81bで直流電圧に変換し、二次側電源回路60に供給する。
【0028】
二次側電源回路60は、一次側電源回路81から供給された直流電圧を昇圧又は降圧して、直流電圧を生成する。二次側電源回路60は、スイッチング回路60aや、平滑化回路60bを備え、表示パネル93、制御回路70、及び信号処理回路92が必要とする電源電圧を生成する。また、平滑化回路60bには、平滑化コンデンサを備えており、平滑化回路60bの出力側は、制御回路70の切替え回路71(後述)と並列に接続されている。なお、本実施形態では、二次側電源回路60のとして、バックライト94に電源電圧を供給するコンバータ回路61と、表示パネル93に駆動電圧生成信号を供給する駆動電圧生成回路62とを用いて本発明の説明を行う。
【0029】
図4において、制御回路70は、二次側電源回路60と接続し、各電源回路80の製品寿命を判断する。制御回路70は、各二次側電源回路60の間の接続状態を切替える切替え回路(選択部)71と、入力された電源電圧からリップル成分を抽出するリップル検出回路(リップル成分検出部)72と、抽出されたリップル成分の値に応じて以後の処理を変更するマイクロコンピュータ(処理制御部)73とで構成されている。
【0030】
切替え回路71は、例えば、半導体スイッチにより構成されており、入力側で各二次側電源回路60と接続し、出力側でリップル検出回路72と接続している。また、切替え回路71は、マイクロコンピュータ73から出力される切り替え信号に応じて、入出力間の切り替えを行う。この切替え信号は、予め設定されたプログラム又はユーザのリモコン等を介した操作により入力される。
【0031】
リップル検出回路72は、切替え回路71の出力端子から出力された電源電圧からリップル成分を抽出し、このリップル成分から寿命検出信号を生成する。リップル検出回路72は、電源電圧からリップル成分を抽出するコンデンサ72aと、抽出されたリップル成分を増幅する増幅回路72bと、増幅されたリップル成分を整流する整流回路72cとを備えて構成されている。
【0032】
図5、6、7,8は、寿命検出信号が生成される過程を説明する波形図である。リップル検出回路72は、切替え回路71の出力端子を介して入力された電源電圧(図5)を、コンデンサ72aを用いて直流成分をオフセットし、リップル成分を抽出する(図6)。
【0033】
次に、リップル検出回路72は、増幅回路72bによりリップル成分の振幅を増幅する(図7)。ここで、電源回路80に応じて平滑化コンデンサの容量の違い等により発生するリップル成分が異なるため、増幅回路72bは、電源回路80に応じてリップル成分の増幅率を変更することで、このリップル成分を増幅して制御回路70が判断する対象を均一化することができる。また、制御回路70の入力ポートを一系統で構成することができ、回路規模を小さくすることができる。
【0034】
そして、リップル検出回路72は、増幅されたリップル成分を、整流回路72cにより平滑化して寿命検出信号を生成し、マイクロコンピュータ73の入力端子に出力する(図8)。
【0035】
マイクロコンピュータ73は、所定の電源回路80の製品寿命を検出するために切替え回路71を切替えるとともに、選択された電源回路80に応じて増幅回路72bの増幅率を変化させる増幅率設定信号を出力する。更に、マイクロコンピュータ73は、寿命を検出する電源回路及びリップル検出回路72から入力された寿命検出信号の値に応じて、上記した第1〜3の処理を選択して各部を制御する。
【0036】
マイクロコンピュータ73は、所定の演算を実行するCPU73aと、このCPU73aが所定の演算を実行するためのプログラムやデータが記憶されたROM73bや、CPU73aのワークエリアとして作用するRAM73c、更には、入力された寿命検出信号をアナログ・デジタル変換してCPU73aに出力するA/D変換回路73dと、所定のOSD画面を表示パネル93に表示するためのOSD回路73eとを備えて構成されている。
【0037】
ROM73bには、CPU73aが各電源回路80の製品寿命を検出するためのプログラムが記憶されている。そのため、CPU73aは、上記プログラムを所定のオペレーションシステムのもと実行することで、上記した第1〜3の処理を実行する。
【0038】
図9は、制御回路70により実行される処理を説明するためのフローチャートである。制御回路70は図9に示す流れに従って電源回路80の製品寿命を検出し、その後の処理を実行する。
【0039】
マイクロコンピュータ73は、切替え回路に対して切替え信号を出力し、製品寿命を検出する電源回路80を切替える(ステップS110)。図9に示すフローチャートでは、二次側電源回60の内、コンバータ回路61と、その他の電源回路80では、製品寿命を検出した後の対応が異なる。
【0040】
また、マイクロコンピュータ73は、切替え信号を出力して選択した電源回路80に対応したリップル成分の増幅率を設定する(ステップS120)。例えば、コンバータ回路61は、他の電源回路と平滑化コンデンサの容量が異なるため、マイクロコンピュータ73は、増幅回路72bに対して対応する増幅率を設定するよう増幅率設定信号を出力する。
【0041】
リップル検出回路72は、入力された電源電圧から寿命検出信号を生成する(ステップS130)。そのため、マイクロコンピュータ73のA/D変換回路には、切替え信号で選択された電源回路80に応じたアナログの寿命検出信号が入力される。
【0042】
マイクロコンピュータ73は、生成された寿命検出信号を閾値と比較して、この比較結果に従って以後の処理を変更する(ステップS140〜S220)。A/D変換回路73dは、寿命検出信号をアナログ・デジタル変換し、CPU73aに入力する。CPU73aはRAM73cに展開したテーブルを参照しつつこの寿命検出信号の電圧を閾値と比較する。以下、インバータ回路61以外の電源回路80として、駆動電圧生成回路62に対する寿命検出及びその後の処理を説明する。
【0043】
マイクロコンピュータ73は、駆動電圧生成回路62の寿命検出信号(以下、単に寿命検出信号D1と記載する)が閾値S1以下である場合は(ステップS150)、このときの寿命検出信号D1の値をEPROM97等に記憶し(ステップS160)、製品寿命検出処理を終了する。閾値S1は、駆動電圧生成回路62の平滑化コンデンサが全く劣化していない場合のリップル成分に基づく値であり、寿命検出信号D1が閾値S1以下である場合は、マイクロコンピュータ73は、駆動電圧生成回路62は製品寿命に達していないと判断する。
【0044】
このときマイクロコンピュータ73により実行される、検出した寿命検出信号D1のEPROM97への記憶は(第1の処理:ステップS160)、サービスマン等により表示装置の状態を判断するために利用される。
【0045】
マイクロコンピュータ73は、寿命検出信号が閾値S1以上であって、閾値S2未満である場合は(ステップS170)、OSD回路73eを通じて表示パネル93にエラーメッセージを表示させる(ステップS180)。閾値S2は、駆動電圧生成回路62の平滑化コンデンサが設計時における機能を発揮しないほどに劣化が進行している場合のリップル成分に基づく値であり、寿命検出信号が閾値S1以上であって閾値S2未満である場合は、マイクロコンピュータ73は、駆動電圧生成回路62は製品寿命に達してはいないものの、ユーザに対して早めの交換を促すために、表示パネネル93にエラーメッセージを表示させる。エラーメッセージの一例としては、寿命が検出された電源回路の名称や、寿命検出信号の電圧値等が表示される。また、このときの寿命検出信号もEEPROM97に記憶される。
【0046】
更に、マイクロコンピュータ73は、寿命検出信号D1が閾値S2以上である場合は、直ちに駆動電圧生成回路62の駆動を停止させる(ステップS190)。具体的には、マイクロコンピュータ73は、スイッチSWを切り替え、一次側電源回路81から駆動電圧生成回路62へ供給される電力を遮断する。そのため、駆動電圧生成回路62は駆動を停止する。また、このとき、駆動を停止した旨の表示をエラーメッセージとして表示パネル93に表示させてもよい。
【0047】
次に、コンバータ回路61の寿命検出並びにその後の処理を説明する。コンバータ回路61が寿命に達しつつある場合は、表示装置100は安全性等を考慮してコンバータ回路61の駆動を停止する構成としてある。
【0048】
ステップS110で切替え信号によりコンバータ回路61の寿命検出が選択されている場合、マイクロコンピュータ73は、コンバータ回路61の寿命検出信号(以下、単に寿命検出信号D2と記載する)を閾値S3と比較する(ステップS200)。閾値S3は、コンバータ回路61の平滑化コンデンサが設計時の機能を果していない場合のリップル成分に基づいて決定される値である。
【0049】
そのため、マイクロコンピュータ73は、寿命検出信号D2が閾値S3未満であれば、EEPROM97に寿命検出信号の電圧値等を記憶し(ステップS160)、製品寿命検出処理を終了する。また、マイクロコンピュータ73は、寿命検出信号D2が閾値S3以上であれば、直ちに、コンバータ回路61を停止させる(ステップS210)。具体的には、マイクロコンピュータ73は、コンバータ回路61へ出力する起動信号を停止し、コンバータ回路61の駆動を停止する。その後、マイクロコンピュータ73は、表示パネル93にエラーメッセージを表示し(ステップS220)、EEPROM97にそのときの寿命検出信号D2の値を記憶する。以上、第1の実施形態を説明した。
【0050】
2.第2の実施形態:
寿命を検出する対象は、二次側電源回路60に限定されず、一次側電源回路81をその検出対象に含むものであってもよい。図10は、一例としての第2の実施形態に係る電源回路80の構成を説明するためのブロック図である。又、図11は、一例としての第2の実施形態に係る制御回路70の構成を説明するためのブロック図である。
【0051】
図10に示す構成では、図3に示す回路構成に加えて、一次側電源回路81の出力側は二次側電源回路60及び制御回路70と並列に接続されている。そのため、一次側電源回路81からの電源電圧は、制御回路70に出力されて、リップル成分の検出が行われる。
【0052】
また、図11に示す制御回路70は、図4に示す回路構成に加えて、一次側電源回路81から出力される電源電圧から寿命検出信号を生成するリップル検出回路72として、コンデンサ72a、増幅回路72b、及び整流回路72cと、生成された寿命検出信号をマイクロコンピュータ73に出力するフォトカプラ72dとを備えている。更に、図11に示す制御回路70では、図4に示す回路構成に加えて、二次側電源回路60から出力された電源電圧に基づいて生成された寿命検出信号と、一次側電源回路81からの電源電圧に基づいて生成された寿命検出信号とのいずれかに切替えてA/D変換回路73dに出力する第2切替え回路74とを備えている。
【0053】
そのため、一次側電源回路81からの電源電圧は、コンデンサ72a、増幅回路72b及び整流回路72cによりアナログの寿命検出信号に変換された後、フォトカプラ72dを介して制御回路70に出力される。なお、図10では、一次側電源回路81に接続された増幅回路72bの増幅率は固定値としているが、これに限定されるものではない。マイクロコンピュータ73は、切替え回路71及び第2切替え回路74を制御して、一次側電源回路81からの電源電圧に基づく寿命検出信号と、二次側電源回路60からの電源電圧に基づく寿命検出信号のいずれかをA/D変換回路73dに出力させる。
【0054】
また、マイクロコンピュータ73は、A/D変換回路73dを介してデジタルの寿命検出信号を受信した場合は、ただちに、一次側電源回路81の駆動を停止させる。そのため、第1の実施形態に係る表示装置100の機能に加えて、一次側電源回路81から出力された寿命検出信号が所定の閾値以上である場合は、エラー表示に加えて、一次側電源回路81の駆動を停止させる。
【0055】
3.第3の実施形態:
図12は、第3の実施形態に係る電源検査回路を説明するブロック構成図である。第2の実施形態では、表示装置100と、この表示装置100を検査するための検査装置110とで構成される検査システム120について説明する。検査装置110は、表示装置100の工場出荷時の製品検査を行うものである。また、その機能の一部として、表示装置100から出力される寿命検査信号に応じて、平滑化コンデンサの状態を判断し、判断結果に応じてエラー表示や、寿命検査信号から判断されるリップル成分の値を表示する。
【0056】
検査装置110は、表示装置100と接続するための入力I/F111と、制御回路112と、表示部113とを備えて構成され、表示装置100から出力された寿命検出信号を入力I/F111を介して制御回路112が受信し、所定の演算結果に従って表示部113にエラーメッセージ等を表示する。
【0057】
検査装置110は、表示装置100の出荷時に、表示装置100から出力される寿命検出信号に応じて、各電源回路80の平滑化コンデンサの誤組み付け等を判断する。即ち、電源回路80の平滑化コンデンサが誤組み付け、又は平滑化コンデンサが不良品である場合は、平滑化コンデンサが機能していないため、電源電圧のリップル成分が所定値を超えている場合が多い。そのため、検査装置110は、寿命検出信号により各平滑化コンデンサの状態を判断し、判断結果に応じて表示部113にエラー表示や、寿命検査信号から判断されるリップル成分の振幅を表示する。
【0058】
4.その他の実施形態:
本発明は、様々な変形例が存在する。
即ち、リップル成分を抽出する構成は一例であり、リップル成分を抽出する構成として、それ以外の構成であってもよい。
また、マイクロコンピュータ73が寿命検出信号を検出する周期は、任意に設定できるものとする。例えば、マイクロコンピュータ73が寿命信号を検出する周期を年ごと、月ごと、及び日ごととしてもよい。その場合、図9におけるステップS160において、検出された各寿命検出信号を検出履歴としてEEPROM97に記憶することで、サービスマン等が検査を行った場合に、この検出履歴を参照して各電源回路の寿命を判断することが容易になる。
【符号の説明】
【0059】
60…二次側電源回路、60a…スイッチング回路、60b…平滑化回路、61…コンバータ回路、62…駆動電圧生成回路、70…制御回路、71…切替え回路、72…リップル検出回路、72a…コンデンサ、72b…増幅回路、72c…整流回路、73…マイクロコンピュータ、73a…CPU、73b…ROM、73c…RAM、73d…A/D変換回路、73e…OSD回路、80…電源回路、81…一次側電源回路、81a…整流回路、81b…平滑化回路、91…入力I/F、92…信号処理回路、93…表示パネル、94…バックライト、95…液晶表示部、96…バス、100…表示装置、110…検査装置、111…入力I/F、112…制御回路、113…表示部、120…検査システム
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源回路における寿命を検出するための電源検査回路に関する。
【背景技術】
【0002】
電源回路は平滑化を行うためのコンデンサを実装しており、このコンデンサが劣化することで電源電圧の平滑化が適切に行われず、生成された電源電圧の値が低下する。そのため、この電圧値の低下を検出して電源回路の製品寿命を検出する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、平滑化コンデンサが劣化することにより、電源電圧の直流成分にリップル成分が重畳する。そのため、このリップル成分を検出することで、電源回路の製品寿命を検出する技術が開示されている(例えば、特許文献2−4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002ー281735号公報
【特許文献2】特開2001ー231253号公報
【特許文献3】特開平10−164836号公報
【特許文献4】特開平08ー248086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電源回路は、様々な電圧を生成する回路を含んで構成されており、各回路は劣化度合いに応じて対応する処理も変化させることが望ましい。即ち、電源回路の劣化に応じて早急に駆動を停止させる必要がある回路や、ある程度期間を置いても安全上問題がない回路が混在するため、各電源回路ごとに処理を変更させることが望ましい。
【0006】
本発明の目的は、電源回路を構成する複数の回路に対して、その製品寿命に応じて個別に処理を変更することが可能な電源検査回路を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明では、複数の電源回路に対する製品寿命を判断する電源検査回路において、前記電源回路が生成した直流電圧のリップル成分を検出するリップル成分検出部と、前記複数の電源回路と前記リップル成分検出部との接続を切替え、前記リップル成分が検出される前記電源回路を選択する選択部と、前記検出されたリップル成分に応じて、前記各電源回路の製品寿命を個別に判断し、選択された電源回路に応じてその後の電源回路に対する処理を変化させる処理制御部と、を有する構成としてある。
【0008】
上記のように構成された発明では、複数の電源回路に対する製品寿命を判断する電源検査回路において、リップル成分検出部は、電源回路が生成した直流電圧のリップル成分を検出し、選択部は、複数の電源回路とリップル成分検出部との接続を切替えることでリップル成分が検出される電源回路を選択し、処理制御手段は、検出されたリップル成分の電圧値等により、各電源回路の製品寿命を個別に判断し、選択された電源回路に応じてその後の電源回路に対する処理を変化させる。
そのため、製品寿命が検出される電源回路に応じて、その後の処理を変更させるため、検出した製品寿命に応じて、所定の電源回路に応じた個別の対応を取ることができる。
【0009】
また、本発明の一局面として、前記リップル成分検出部は、生成された直流成分からリップル成分を抽出し、前記抽出されたリップル成分を増幅し、この増幅したリップル成分を平滑化して前記処理制御部に出力する。
リップル成分は交流成分を含んで構成されるため、そのままでは検出対象として適さない。そのため、上記のように構成された発明では、抽出されたリップル成分を処理制御部が判断対象とすることができる成分に変換して、出力する。
【0010】
そして、本発明の一局面として、前記処理制御部は、前記選択された電源回路に応じて、前記リップル成分検出部における前記リップル成分の増幅率を変化させる。
電源回路においては生成する電圧等の違いから平滑化コンデンサの容量も異なるため、発生するリップル成分の値も異なる。そのため、上記のように構成された発明では、各電源回路に応じてリップル成分の増幅率を変化させて均一の値とすることで、処理制御部が均一の値を用いて判断を行うことが可能となる。また、リップル成分の変化後の値が均一の値となれば、複数の電源回路から入力されたリップル成分を1つの入力ポートを介して受信することが可能となり、処理制御部をコンパクトにすることができる。
【0011】
また、処理制御部が実行する処理の一例として、前記処理制御部は、前記電源回路の製品寿命を判断した場合に、エラーメッセージを表示するための表示部を有する。
上記のように構成された発明では、電源回路の製品寿命を、ユーザに対して視覚的に通知することができる。
【0012】
更に、前記表示部は、前記検出されたリップル成分の値に応じて、前記エラーメッセージを切替える構成としても良い。
【0013】
そして、処理制御部が行う処理の一例として、前記電源回路は、一次側電源回路を含み、前記処理制御部は、前記一次側電源回路が選択されて、且つ製品寿命に達していると判断された場合は、直ちに前記一次側電源回路の駆動を停止する。
また、前記電源回路は、バックライトを駆動するためのコンバータ回路を含み、前記処理制御部は、前記コンバータ回路が選択されて、且つ製品寿命に達していると判断された場合は、直ちに前記コンバータ回路の駆動を停止する。
上記のように構成された発明では、一次側電源回路やコンバータ回路といった、安全性を重視する必要がある電源回路において、製品寿命に達している場合は、直ちに駆動を停止させて、安全性を高める。ここで、コンバータ回路とは、バックライトを駆動する駆動電圧を生成する回路であり、DC−DCコンバータ回路や、インバータ回路を含む概念である。
【0014】
また、処理制御部が行う処理の一例として、前記処理制御部は、前記検出したリップル成分の値が前記電源回路に実装された平滑化コンデンサが劣化していない場合のリップル成分に基づいて規定された第1の閾値以上であって、前記電源回路に実装された平滑化コンデンサが劣化している場合のリップル成分に基づいて規定された第2の閾値未満の場合は、前記表示部にエラーメッセージを表示させ、前記受信したリップル成分の値が前記第2の閾値以上である場合は、前記電源回路が製品寿命に達したと判断して、前記電源回路の駆動を停止させる。
【0015】
更に、前記処理制御部は、入力された前記リップル成分に基づく値を記憶する構成としてもよい。
上記のように構成された発明では、検出されたリップル成分に基づく値を記憶することで、サービスマン等がこの記憶された値を参照して電源回路の寿命を判断し易くすることが可能となる。
【0016】
また、本発明の他の局面として、液晶パネルを用いて映像を表示するための表示装置において、一次側電源回路と、バックライトを点灯するためのコンバータ回路と含む電源回路と、前記一次側電源回路、コンバータ回路及びその他の電源回路に対する製品寿命を判断する電源検査回路と、を有し、前記電源検査回路は、前記電源回路が生成した直流電圧からリップル成分を抽出し、前記抽出されたリップル成分を増幅し、この増幅したリップル成分を平滑化して寿命検出信号を生成するリップル成分検出部と、前記電源回路と前記リップル成分検出部との間の接続を切替える切替え部と、生成された寿命検出信号を受信して、前記電源回路を構成する各回路の製品寿命を判断するマイクロコンピュータとを有し、前記マイクロコンピュータは、前記選択された電源回路に応じて、前記リップル成分検出部における前記リップル成分の増幅率を変化させるとともに、前記選択された電源回路が一次側電源回路及びコンバータ回路以外の電源回路であって、前記受信した寿命検出信号の電圧値が、前記選択された電源回路に実装された平滑化コンデンサが劣化していない場合のリップル成分に基づいて規定された第1の閾値未満である場合は、前記寿命検出信号に基づく値をメモリに記憶し、前記選択された電源回路が一次側電源回路及びコンバータ回路以外の電源回路であって、前記受信した寿命検出信号の電圧値が前記第1の閾値以上であり、且つ前記選択された電源回路に実装された平滑化コンデンサが劣化している場合のリップル成分に基づいて規定された第2の閾値未満の場合は、前記液晶パネルにエラーメッセージを表示させ、前記選択された電源回路が一次側電源回路及びコンバータ回路以外の電源回路であって、前記受信した寿命検出信号の電圧値が前記第2の閾値以上である場合は、前記選択された電源回路が製品寿命に達したと判断して、前記選択された電源回路の駆動を停止させ、前記選択された電源回路が一次側電源回路又はコンバータ回路であって、前記受信した寿命検出信号の電圧値が前記一次側電源回路又はコンバータ回路に実装された平滑化コンデンサが劣化していない場合のリップル成分に基づいて規定された第3の閾値以上である場合は、前記選択された一次側電源回路又はコンバータ回路の駆動を停止させる、構成としてある。
【発明の効果】
【0017】
上記のように構成した本発明によれば、寿命を検出した電源回路に対して適切な対応を取ることができる電源検査回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】表示装置の構成を説明するためのブロック図である。
【図2】表示装置の機能を説明するためのイメージ図である。
【図3】電源回路80の構成を説明するためのブロック図である。
【図4】制御回路70の構成を説明するためのブロック図である。
【図5】寿命検出信号が生成される過程を説明する波形図である。
【図6】寿命検出信号が生成される過程を説明する波形図である。
【図7】寿命検出信号が生成される過程を説明する波形図である。
【図8】寿命検出信号が生成される過程を説明する波形図である。
【図9】制御回路70により実行される処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】一例としての第2の実施形態に係る電源回路80の構成を説明するためのブロック図である。
【図11】一例としての第2の実施形態に係る制御回路70の構成を説明するためのブロック図である。
【図12】第3の実施形態に係る電源検査回路を説明するブロック構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、下記の順序に従って、図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態について説明する。
1.第1の実施形態:
2.第2の実施形態:
3.第3の実施形態:
4.その他の実施形態:
【0020】
1.第1の実施形態:
図1は、表示装置の構成を説明するためのブロック図である。図1においては、表示装置100は、入力I/F91と、表示パネル93と、制御回路70と、信号処理回路92と、電源回路80とで構成されている。また、入力I/F91と、信号処理回路92と、はバス96を介して制御回路70と接続し、バス96を介して制御回路70からの制御を受付ける。表示装置100は、入力I/F91を介して取得された映像データを、信号処理回路92により色補正等の信号処理が施された後、表示パネル93により映像として出力される。また、表示装置100は、電源回路80により生成された交流又は直流の電圧を電源ラインを介して受信し、各部を駆動させる。
【0021】
入力I/F91は、録画再生装置等の外部機器と接続して、映像及び音声信号を受信する外部入力端子や、アンテナが受信した放送電波からテレビジョン放送信号を抽出するチューナー等により構成されている。
【0022】
表示パネル93は、カラー画像を表示するための液晶表示部95と、この液晶表示部の光源として作用するバックライト94とで構成されている。また、液晶表示部95には、各画素を駆動するための駆動回路を有しており、電源回路80から出力される所定電圧の電源電圧を用いて各画素を駆動するための駆動電圧を生成する。
【0023】
電源回路80は、表示装置100を構成する各部と電源ラインを介して接続し、上記各部に電力を供給する。なお、電源回路80の具体的な構成については後述する。
【0024】
制御回路70は、表示装置100を構成する各部の駆動を制御するとともに、電源回路80のリップル成分を検出し、検出したリップル成分に応じて電源回路80の停止、又は表示パネル93を通じてユーザに電源回路80が寿命であることを通知する。ここで、本発明では、制御回路70は、電源回路80の製品寿命を内部に実装された平滑化コンデンサの劣化により判断する。具体的には、平滑化コンデンサが劣化すると、生成された直流電圧にリップル成分が発生する。そのため、制御回路70は、このリップル成分を検出することで、平滑化コンデンサの劣化を判断し、しいては電源回路80の製品寿命を判断する。
【0025】
図2は、表示装置の機能を説明するためのイメージ図である。図2に示すように、表示装置は、電源回路80のリップル成分を検出して以下の処理を実行する。まず、制御回路70は、第1の処理として、検出した電源回路80のリップル成分の値をEEPROM97等のメモリに記憶する。メモリに記憶されたリップル成分の値は、サービスマン等が表示装置100の状態を判断する際に使用される。次に、検出したリップル成分が一定の数値に達している場合は、制御回路70は第2の処理として表示パネル93にエラーメッセージを表示させる。そして、リップル成分により電源回路80の製品寿命が尽きたと判断した場合は、制御回路70は、第3の処理として、電源回路80の駆動を停止させる。以下に、制御回路70により実行される第1〜第3の処理について説明を行う。
【0026】
図3は、電源回路80の構成を説明するためのブロック図である。また、図4は、制御回路70の構成を説明するためのブロック図である。上記図3においては、電源回路80は、一次側電源回路81と、複数の二次側電源回路60とを備えて構成されている。一次側電源回路81と二次側電源回路60とはスイッチSWを介して接続されており、このスイッチSWのオン・オフは、制御回路70により切替えられる。また、一次側電源回路81及び二次側電源回路60は、制御回路70にそれぞれ接続されている。
【0027】
一次側電源回路81は、整流回路81aと、平滑化回路81bとを備えて構成され、商用電源から供給された交流電圧を、整流回路81a及び平滑化回路81bで直流電圧に変換し、二次側電源回路60に供給する。
【0028】
二次側電源回路60は、一次側電源回路81から供給された直流電圧を昇圧又は降圧して、直流電圧を生成する。二次側電源回路60は、スイッチング回路60aや、平滑化回路60bを備え、表示パネル93、制御回路70、及び信号処理回路92が必要とする電源電圧を生成する。また、平滑化回路60bには、平滑化コンデンサを備えており、平滑化回路60bの出力側は、制御回路70の切替え回路71(後述)と並列に接続されている。なお、本実施形態では、二次側電源回路60のとして、バックライト94に電源電圧を供給するコンバータ回路61と、表示パネル93に駆動電圧生成信号を供給する駆動電圧生成回路62とを用いて本発明の説明を行う。
【0029】
図4において、制御回路70は、二次側電源回路60と接続し、各電源回路80の製品寿命を判断する。制御回路70は、各二次側電源回路60の間の接続状態を切替える切替え回路(選択部)71と、入力された電源電圧からリップル成分を抽出するリップル検出回路(リップル成分検出部)72と、抽出されたリップル成分の値に応じて以後の処理を変更するマイクロコンピュータ(処理制御部)73とで構成されている。
【0030】
切替え回路71は、例えば、半導体スイッチにより構成されており、入力側で各二次側電源回路60と接続し、出力側でリップル検出回路72と接続している。また、切替え回路71は、マイクロコンピュータ73から出力される切り替え信号に応じて、入出力間の切り替えを行う。この切替え信号は、予め設定されたプログラム又はユーザのリモコン等を介した操作により入力される。
【0031】
リップル検出回路72は、切替え回路71の出力端子から出力された電源電圧からリップル成分を抽出し、このリップル成分から寿命検出信号を生成する。リップル検出回路72は、電源電圧からリップル成分を抽出するコンデンサ72aと、抽出されたリップル成分を増幅する増幅回路72bと、増幅されたリップル成分を整流する整流回路72cとを備えて構成されている。
【0032】
図5、6、7,8は、寿命検出信号が生成される過程を説明する波形図である。リップル検出回路72は、切替え回路71の出力端子を介して入力された電源電圧(図5)を、コンデンサ72aを用いて直流成分をオフセットし、リップル成分を抽出する(図6)。
【0033】
次に、リップル検出回路72は、増幅回路72bによりリップル成分の振幅を増幅する(図7)。ここで、電源回路80に応じて平滑化コンデンサの容量の違い等により発生するリップル成分が異なるため、増幅回路72bは、電源回路80に応じてリップル成分の増幅率を変更することで、このリップル成分を増幅して制御回路70が判断する対象を均一化することができる。また、制御回路70の入力ポートを一系統で構成することができ、回路規模を小さくすることができる。
【0034】
そして、リップル検出回路72は、増幅されたリップル成分を、整流回路72cにより平滑化して寿命検出信号を生成し、マイクロコンピュータ73の入力端子に出力する(図8)。
【0035】
マイクロコンピュータ73は、所定の電源回路80の製品寿命を検出するために切替え回路71を切替えるとともに、選択された電源回路80に応じて増幅回路72bの増幅率を変化させる増幅率設定信号を出力する。更に、マイクロコンピュータ73は、寿命を検出する電源回路及びリップル検出回路72から入力された寿命検出信号の値に応じて、上記した第1〜3の処理を選択して各部を制御する。
【0036】
マイクロコンピュータ73は、所定の演算を実行するCPU73aと、このCPU73aが所定の演算を実行するためのプログラムやデータが記憶されたROM73bや、CPU73aのワークエリアとして作用するRAM73c、更には、入力された寿命検出信号をアナログ・デジタル変換してCPU73aに出力するA/D変換回路73dと、所定のOSD画面を表示パネル93に表示するためのOSD回路73eとを備えて構成されている。
【0037】
ROM73bには、CPU73aが各電源回路80の製品寿命を検出するためのプログラムが記憶されている。そのため、CPU73aは、上記プログラムを所定のオペレーションシステムのもと実行することで、上記した第1〜3の処理を実行する。
【0038】
図9は、制御回路70により実行される処理を説明するためのフローチャートである。制御回路70は図9に示す流れに従って電源回路80の製品寿命を検出し、その後の処理を実行する。
【0039】
マイクロコンピュータ73は、切替え回路に対して切替え信号を出力し、製品寿命を検出する電源回路80を切替える(ステップS110)。図9に示すフローチャートでは、二次側電源回60の内、コンバータ回路61と、その他の電源回路80では、製品寿命を検出した後の対応が異なる。
【0040】
また、マイクロコンピュータ73は、切替え信号を出力して選択した電源回路80に対応したリップル成分の増幅率を設定する(ステップS120)。例えば、コンバータ回路61は、他の電源回路と平滑化コンデンサの容量が異なるため、マイクロコンピュータ73は、増幅回路72bに対して対応する増幅率を設定するよう増幅率設定信号を出力する。
【0041】
リップル検出回路72は、入力された電源電圧から寿命検出信号を生成する(ステップS130)。そのため、マイクロコンピュータ73のA/D変換回路には、切替え信号で選択された電源回路80に応じたアナログの寿命検出信号が入力される。
【0042】
マイクロコンピュータ73は、生成された寿命検出信号を閾値と比較して、この比較結果に従って以後の処理を変更する(ステップS140〜S220)。A/D変換回路73dは、寿命検出信号をアナログ・デジタル変換し、CPU73aに入力する。CPU73aはRAM73cに展開したテーブルを参照しつつこの寿命検出信号の電圧を閾値と比較する。以下、インバータ回路61以外の電源回路80として、駆動電圧生成回路62に対する寿命検出及びその後の処理を説明する。
【0043】
マイクロコンピュータ73は、駆動電圧生成回路62の寿命検出信号(以下、単に寿命検出信号D1と記載する)が閾値S1以下である場合は(ステップS150)、このときの寿命検出信号D1の値をEPROM97等に記憶し(ステップS160)、製品寿命検出処理を終了する。閾値S1は、駆動電圧生成回路62の平滑化コンデンサが全く劣化していない場合のリップル成分に基づく値であり、寿命検出信号D1が閾値S1以下である場合は、マイクロコンピュータ73は、駆動電圧生成回路62は製品寿命に達していないと判断する。
【0044】
このときマイクロコンピュータ73により実行される、検出した寿命検出信号D1のEPROM97への記憶は(第1の処理:ステップS160)、サービスマン等により表示装置の状態を判断するために利用される。
【0045】
マイクロコンピュータ73は、寿命検出信号が閾値S1以上であって、閾値S2未満である場合は(ステップS170)、OSD回路73eを通じて表示パネル93にエラーメッセージを表示させる(ステップS180)。閾値S2は、駆動電圧生成回路62の平滑化コンデンサが設計時における機能を発揮しないほどに劣化が進行している場合のリップル成分に基づく値であり、寿命検出信号が閾値S1以上であって閾値S2未満である場合は、マイクロコンピュータ73は、駆動電圧生成回路62は製品寿命に達してはいないものの、ユーザに対して早めの交換を促すために、表示パネネル93にエラーメッセージを表示させる。エラーメッセージの一例としては、寿命が検出された電源回路の名称や、寿命検出信号の電圧値等が表示される。また、このときの寿命検出信号もEEPROM97に記憶される。
【0046】
更に、マイクロコンピュータ73は、寿命検出信号D1が閾値S2以上である場合は、直ちに駆動電圧生成回路62の駆動を停止させる(ステップS190)。具体的には、マイクロコンピュータ73は、スイッチSWを切り替え、一次側電源回路81から駆動電圧生成回路62へ供給される電力を遮断する。そのため、駆動電圧生成回路62は駆動を停止する。また、このとき、駆動を停止した旨の表示をエラーメッセージとして表示パネル93に表示させてもよい。
【0047】
次に、コンバータ回路61の寿命検出並びにその後の処理を説明する。コンバータ回路61が寿命に達しつつある場合は、表示装置100は安全性等を考慮してコンバータ回路61の駆動を停止する構成としてある。
【0048】
ステップS110で切替え信号によりコンバータ回路61の寿命検出が選択されている場合、マイクロコンピュータ73は、コンバータ回路61の寿命検出信号(以下、単に寿命検出信号D2と記載する)を閾値S3と比較する(ステップS200)。閾値S3は、コンバータ回路61の平滑化コンデンサが設計時の機能を果していない場合のリップル成分に基づいて決定される値である。
【0049】
そのため、マイクロコンピュータ73は、寿命検出信号D2が閾値S3未満であれば、EEPROM97に寿命検出信号の電圧値等を記憶し(ステップS160)、製品寿命検出処理を終了する。また、マイクロコンピュータ73は、寿命検出信号D2が閾値S3以上であれば、直ちに、コンバータ回路61を停止させる(ステップS210)。具体的には、マイクロコンピュータ73は、コンバータ回路61へ出力する起動信号を停止し、コンバータ回路61の駆動を停止する。その後、マイクロコンピュータ73は、表示パネル93にエラーメッセージを表示し(ステップS220)、EEPROM97にそのときの寿命検出信号D2の値を記憶する。以上、第1の実施形態を説明した。
【0050】
2.第2の実施形態:
寿命を検出する対象は、二次側電源回路60に限定されず、一次側電源回路81をその検出対象に含むものであってもよい。図10は、一例としての第2の実施形態に係る電源回路80の構成を説明するためのブロック図である。又、図11は、一例としての第2の実施形態に係る制御回路70の構成を説明するためのブロック図である。
【0051】
図10に示す構成では、図3に示す回路構成に加えて、一次側電源回路81の出力側は二次側電源回路60及び制御回路70と並列に接続されている。そのため、一次側電源回路81からの電源電圧は、制御回路70に出力されて、リップル成分の検出が行われる。
【0052】
また、図11に示す制御回路70は、図4に示す回路構成に加えて、一次側電源回路81から出力される電源電圧から寿命検出信号を生成するリップル検出回路72として、コンデンサ72a、増幅回路72b、及び整流回路72cと、生成された寿命検出信号をマイクロコンピュータ73に出力するフォトカプラ72dとを備えている。更に、図11に示す制御回路70では、図4に示す回路構成に加えて、二次側電源回路60から出力された電源電圧に基づいて生成された寿命検出信号と、一次側電源回路81からの電源電圧に基づいて生成された寿命検出信号とのいずれかに切替えてA/D変換回路73dに出力する第2切替え回路74とを備えている。
【0053】
そのため、一次側電源回路81からの電源電圧は、コンデンサ72a、増幅回路72b及び整流回路72cによりアナログの寿命検出信号に変換された後、フォトカプラ72dを介して制御回路70に出力される。なお、図10では、一次側電源回路81に接続された増幅回路72bの増幅率は固定値としているが、これに限定されるものではない。マイクロコンピュータ73は、切替え回路71及び第2切替え回路74を制御して、一次側電源回路81からの電源電圧に基づく寿命検出信号と、二次側電源回路60からの電源電圧に基づく寿命検出信号のいずれかをA/D変換回路73dに出力させる。
【0054】
また、マイクロコンピュータ73は、A/D変換回路73dを介してデジタルの寿命検出信号を受信した場合は、ただちに、一次側電源回路81の駆動を停止させる。そのため、第1の実施形態に係る表示装置100の機能に加えて、一次側電源回路81から出力された寿命検出信号が所定の閾値以上である場合は、エラー表示に加えて、一次側電源回路81の駆動を停止させる。
【0055】
3.第3の実施形態:
図12は、第3の実施形態に係る電源検査回路を説明するブロック構成図である。第2の実施形態では、表示装置100と、この表示装置100を検査するための検査装置110とで構成される検査システム120について説明する。検査装置110は、表示装置100の工場出荷時の製品検査を行うものである。また、その機能の一部として、表示装置100から出力される寿命検査信号に応じて、平滑化コンデンサの状態を判断し、判断結果に応じてエラー表示や、寿命検査信号から判断されるリップル成分の値を表示する。
【0056】
検査装置110は、表示装置100と接続するための入力I/F111と、制御回路112と、表示部113とを備えて構成され、表示装置100から出力された寿命検出信号を入力I/F111を介して制御回路112が受信し、所定の演算結果に従って表示部113にエラーメッセージ等を表示する。
【0057】
検査装置110は、表示装置100の出荷時に、表示装置100から出力される寿命検出信号に応じて、各電源回路80の平滑化コンデンサの誤組み付け等を判断する。即ち、電源回路80の平滑化コンデンサが誤組み付け、又は平滑化コンデンサが不良品である場合は、平滑化コンデンサが機能していないため、電源電圧のリップル成分が所定値を超えている場合が多い。そのため、検査装置110は、寿命検出信号により各平滑化コンデンサの状態を判断し、判断結果に応じて表示部113にエラー表示や、寿命検査信号から判断されるリップル成分の振幅を表示する。
【0058】
4.その他の実施形態:
本発明は、様々な変形例が存在する。
即ち、リップル成分を抽出する構成は一例であり、リップル成分を抽出する構成として、それ以外の構成であってもよい。
また、マイクロコンピュータ73が寿命検出信号を検出する周期は、任意に設定できるものとする。例えば、マイクロコンピュータ73が寿命信号を検出する周期を年ごと、月ごと、及び日ごととしてもよい。その場合、図9におけるステップS160において、検出された各寿命検出信号を検出履歴としてEEPROM97に記憶することで、サービスマン等が検査を行った場合に、この検出履歴を参照して各電源回路の寿命を判断することが容易になる。
【符号の説明】
【0059】
60…二次側電源回路、60a…スイッチング回路、60b…平滑化回路、61…コンバータ回路、62…駆動電圧生成回路、70…制御回路、71…切替え回路、72…リップル検出回路、72a…コンデンサ、72b…増幅回路、72c…整流回路、73…マイクロコンピュータ、73a…CPU、73b…ROM、73c…RAM、73d…A/D変換回路、73e…OSD回路、80…電源回路、81…一次側電源回路、81a…整流回路、81b…平滑化回路、91…入力I/F、92…信号処理回路、93…表示パネル、94…バックライト、95…液晶表示部、96…バス、100…表示装置、110…検査装置、111…入力I/F、112…制御回路、113…表示部、120…検査システム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電源回路に対する製品寿命を判断する電源検査回路において、
前記電源回路が生成した直流電圧のリップル成分を検出するリップル成分検出部と、
前記複数の電源回路と前記リップル成分検出部との接続を切替え、前記リップル成分が検出される前記電源回路を選択する選択部と、
前記検出されたリップル成分に応じて、前記各電源回路の製品寿命を個別に判断し、選択された電源回路に応じてその後の電源回路に対する処理を変化させる処理制御部と、を有することを特徴とする電源検査回路。
【請求項2】
前記リップル成分検出部は、前記直流電圧からリップル成分を抽出し、前記抽出されたリップル成分を増幅し、この増幅したリップル成分を平滑化して前記処理制御部に出力する、ことを特徴とする請求項1に記載の電源検査回路。
【請求項3】
前記処理制御部は、前記選択された電源回路に応じて、前記リップル成分検出部における前記リップル成分の増幅率を変化させる、ことを特徴とする請求項2に記載の電源検査回路。
【請求項4】
前記処理制御部は、前記電源回路の製品寿命を判断した場合に、エラーメッセージを表示するための表示部を有する、ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の電源検査回路。
【請求項5】
前記表示部は、前記検出されたリップル成分の値に応じて、前記エラーメッセージを切替える、ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の電源検査回路。
【請求項6】
前記電源回路は、一次側電源回路を含み、
前記処理制御部は、前記一次側電源回路が選択されて、且つ製品寿命に達していると判断された場合は、直ちに前記一次側電源回路の駆動を停止する、ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の電源検査回路。
【請求項7】
前記電源回路は、バックライトを駆動するためのコンバータ回路を含み、
前記処理制御部は、前記コンバータ回路が選択されて、且つ製品寿命に達していると判断された場合は、直ちに前記コンバータ回路の駆動を停止する、ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の電源検査回路。
【請求項8】
前記処理制御部は、
前記検出したリップル成分の値が前記電源回路に実装された平滑化コンデンサが劣化していない場合のリップル成分に基づいて規定された第1の閾値以上であって、前記電源回路に実装された平滑化コンデンサが劣化している場合のリップル成分に基づいて規定された第2の閾値未満の場合は、前記表示部にエラーメッセージを表示させ、
前記受信したリップル成分の値が前記第2の閾値以上である場合は、前記電源回路が製品寿命に達したと判断して、前記電源回路の駆動を停止させることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の電源検査回路。
【請求項9】
前記処理制御部は、入力された前記リップル成分に基づく値を記憶することを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の電源検査回路。
【請求項10】
液晶パネルを用いて映像を表示するための表示装置において、
一次側電源回路と、バックライトを点灯するためのコンバータ回路と含む電源回路と、
前記一次側電源回路、コンバータ回路及びその他の電源回路に対する製品寿命を判断する電源検査回路と、を有し、
前記電源検査回路は、
前記電源回路が生成した直流電圧からリップル成分を抽出し、前記抽出されたリップル成分を増幅し、この増幅したリップル成分を平滑化して寿命検出信号を生成するリップル成分検出部と、
前記電源回路と前記リップル成分検出部との間の接続を切替える切替え部と、
生成された寿命検出信号を受信して、前記電源回路を構成する各回路の製品寿命を判断するマイクロコンピュータとを有し、
前記マイクロコンピュータは、
前記選択された電源回路に応じて、前記リップル成分検出部における前記リップル成分の増幅率を変化させるとともに、
前記選択された電源回路が一次側電源回路及びコンバータ回路以外の電源回路であって、前記受信した寿命検出信号の電圧値が、前記選択された電源回路に実装された平滑化コンデンサが劣化していない場合のリップル成分に基づいて規定された第1の閾値未満である場合は、前記寿命検出信号に基づく値をメモリに記憶し、
前記選択された電源回路が一次側電源回路及びコンバータ回路以外の電源回路であって、前記受信した寿命検出信号の電圧値が前記第1の閾値以上であり、且つ前記選択された電源回路に実装された平滑化コンデンサが劣化している場合のリップル成分に基づいて規定された第2の閾値未満の場合は、前記液晶パネルにエラーメッセージを表示させ、
前記選択された電源回路が一次側電源回路及びコンバータ回路以外の電源回路であって、前記受信した寿命検出信号の電圧値が前記第2の閾値以上である場合は、前記選択された電源回路が製品寿命に達したと判断して、前記選択された電源回路の駆動を停止させ、
前記選択された電源回路が一次側電源回路又はコンバータ回路であって、前記受信した寿命検出信号の電圧値が前記一次側電源回路又はコンバータ回路に実装された平滑化コンデンサが劣化していない場合のリップル成分に基づいて規定された第3の閾値以上である場合は、前記選択された一次側電源回路又はコンバータ回路の駆動を停止させる、ことを特徴とする表示装置。
【請求項1】
複数の電源回路に対する製品寿命を判断する電源検査回路において、
前記電源回路が生成した直流電圧のリップル成分を検出するリップル成分検出部と、
前記複数の電源回路と前記リップル成分検出部との接続を切替え、前記リップル成分が検出される前記電源回路を選択する選択部と、
前記検出されたリップル成分に応じて、前記各電源回路の製品寿命を個別に判断し、選択された電源回路に応じてその後の電源回路に対する処理を変化させる処理制御部と、を有することを特徴とする電源検査回路。
【請求項2】
前記リップル成分検出部は、前記直流電圧からリップル成分を抽出し、前記抽出されたリップル成分を増幅し、この増幅したリップル成分を平滑化して前記処理制御部に出力する、ことを特徴とする請求項1に記載の電源検査回路。
【請求項3】
前記処理制御部は、前記選択された電源回路に応じて、前記リップル成分検出部における前記リップル成分の増幅率を変化させる、ことを特徴とする請求項2に記載の電源検査回路。
【請求項4】
前記処理制御部は、前記電源回路の製品寿命を判断した場合に、エラーメッセージを表示するための表示部を有する、ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の電源検査回路。
【請求項5】
前記表示部は、前記検出されたリップル成分の値に応じて、前記エラーメッセージを切替える、ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の電源検査回路。
【請求項6】
前記電源回路は、一次側電源回路を含み、
前記処理制御部は、前記一次側電源回路が選択されて、且つ製品寿命に達していると判断された場合は、直ちに前記一次側電源回路の駆動を停止する、ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の電源検査回路。
【請求項7】
前記電源回路は、バックライトを駆動するためのコンバータ回路を含み、
前記処理制御部は、前記コンバータ回路が選択されて、且つ製品寿命に達していると判断された場合は、直ちに前記コンバータ回路の駆動を停止する、ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の電源検査回路。
【請求項8】
前記処理制御部は、
前記検出したリップル成分の値が前記電源回路に実装された平滑化コンデンサが劣化していない場合のリップル成分に基づいて規定された第1の閾値以上であって、前記電源回路に実装された平滑化コンデンサが劣化している場合のリップル成分に基づいて規定された第2の閾値未満の場合は、前記表示部にエラーメッセージを表示させ、
前記受信したリップル成分の値が前記第2の閾値以上である場合は、前記電源回路が製品寿命に達したと判断して、前記電源回路の駆動を停止させることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の電源検査回路。
【請求項9】
前記処理制御部は、入力された前記リップル成分に基づく値を記憶することを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の電源検査回路。
【請求項10】
液晶パネルを用いて映像を表示するための表示装置において、
一次側電源回路と、バックライトを点灯するためのコンバータ回路と含む電源回路と、
前記一次側電源回路、コンバータ回路及びその他の電源回路に対する製品寿命を判断する電源検査回路と、を有し、
前記電源検査回路は、
前記電源回路が生成した直流電圧からリップル成分を抽出し、前記抽出されたリップル成分を増幅し、この増幅したリップル成分を平滑化して寿命検出信号を生成するリップル成分検出部と、
前記電源回路と前記リップル成分検出部との間の接続を切替える切替え部と、
生成された寿命検出信号を受信して、前記電源回路を構成する各回路の製品寿命を判断するマイクロコンピュータとを有し、
前記マイクロコンピュータは、
前記選択された電源回路に応じて、前記リップル成分検出部における前記リップル成分の増幅率を変化させるとともに、
前記選択された電源回路が一次側電源回路及びコンバータ回路以外の電源回路であって、前記受信した寿命検出信号の電圧値が、前記選択された電源回路に実装された平滑化コンデンサが劣化していない場合のリップル成分に基づいて規定された第1の閾値未満である場合は、前記寿命検出信号に基づく値をメモリに記憶し、
前記選択された電源回路が一次側電源回路及びコンバータ回路以外の電源回路であって、前記受信した寿命検出信号の電圧値が前記第1の閾値以上であり、且つ前記選択された電源回路に実装された平滑化コンデンサが劣化している場合のリップル成分に基づいて規定された第2の閾値未満の場合は、前記液晶パネルにエラーメッセージを表示させ、
前記選択された電源回路が一次側電源回路及びコンバータ回路以外の電源回路であって、前記受信した寿命検出信号の電圧値が前記第2の閾値以上である場合は、前記選択された電源回路が製品寿命に達したと判断して、前記選択された電源回路の駆動を停止させ、
前記選択された電源回路が一次側電源回路又はコンバータ回路であって、前記受信した寿命検出信号の電圧値が前記一次側電源回路又はコンバータ回路に実装された平滑化コンデンサが劣化していない場合のリップル成分に基づいて規定された第3の閾値以上である場合は、前記選択された一次側電源回路又はコンバータ回路の駆動を停止させる、ことを特徴とする表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−193639(P2010−193639A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−36291(P2009−36291)
【出願日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】
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