説明

電源装置および画像形成装置

【課題】DC/DCコンバータをその起動時間を予測して制御する必要のない制御性に優れた電源装置を提供する。
【解決手段】直流電力を出力する電源装置は、入力端子と出力端子との間に接続された通常動作用の第1コンバータと、第1コンバータと並列に接続された小負荷時動作用の第2コンバータと、コントローラとを備える。第1コンバータは、出力電圧が第1目標電圧に近づくようにスイッチングを行う第1のDC/DC変換部を有し、第2コンバータは、出力電圧値が第1目標電圧よりも低い第2目標電圧に近づくようにスイッチングを行う第2のDC/DC変換部とを有しており、コントローラは、通常動作から小負荷時動作への切替え指示を受けて第2コンバータを停止させずに第1コンバータを停止させ、小負荷時動作から通常動作への切替え指示を受けて第1コンバータによる電力の出力を再開させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直流電力を出力する電源装置およびそれを備える画像形成装置に関する。画像形成装置には、複写機、複合機と呼ばれる多機能周辺機器(MFP:Multifunction Peripherals)、およびプリンタが含まれる。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置を含む各種の電気機器において、省エネルギー化のためにメインおよびサブの二つのDC/DCコンバータを使い分ける直流電力の供給方法が採用されている。メインDC/DCコンバータの電源効率は消費電力の比較的に大きい通常動作時の電力供給に対して最適化され、サブDC/DCコンバータの電源効率は消費電力が通常動作時と比べて小さいスリープモードやスタンバイモードなどと呼ばれる小負荷動作時に対して最適化される。また、メインDC/DCコンバータをモーターやヒーターのような比較的に重い負荷への電力供給のみに用い、サブDC/DCコンバータを制御回路のような比較的に軽い負荷への電力供給のみに用いる形態もある。
【0003】
二つのDC/DCコンバータの使い分けに関して、特許文献1には通常動作モードと小負荷動作モードとの切替え時に両方のDC/DCコンバータを動作させる電源装置が記載されている。この電源装置は、小負荷動作への移行時はサブDC/DCコンバータをOFFからONへ切り替えた後、サブDC/DCコンバータの出力が定常化すると予測される起動時間経過後にメインDC/DCコンバータをONからOFFへ切り替える。逆に、通常動作への移行時はメインDC/DCコンバータをOFFからONへ切り替えた後、メインDC/DCコンバータの出力が定常化すると予測される起動時間経過後にサブDC/DCコンバータをONからOFFへ切り替える。各DC/DCコンバータの起動時間は予めメモリに記憶されており、計数回路によって起動時間が計時される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−324820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
動作モードの切替え時にのみ二つのDC/DCコンバータの両方を動作させる上記先行技術では、両方を動作させる過渡期間の時間設定が難しい。各DC/DCコンバータの起動時間は負荷の状態に依存するので一定ではない。このため、過渡期間が短いと、ONにしたコンバータの起動が完了する以前に他方のコンバータがOFFになり、負荷への電力供給が途絶えて負荷の動作が停止するおそれがある。過渡期間を長めに設定すれば電力供給が途絶えるのを防ぐことができる。しかし、小負荷動作モードから通常動作モードへの切り替わりが遅くなって電気機器の動作の迅速性が損なわれる。したがって、過渡期間を長めに設定するのは好ましくない。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑み、DC/DCコンバータをその起動時間を予測して制御する必要のない制御性に優れた電源装置およびそれを有する画像形成装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する電源装置は、交流電力を直流電力に変換して出力する電源装置であって、交流電源が接続される入力端子と負荷が接続される出力端子との間に接続された通常動作用の第1コンバータと、前記入力端子と前記出力端子とに前記第1コンバータと並列に接続された小負荷時動作用の第2コンバータと、前記第1コンバータおよび前記第2コンバータを制御するコントローラとを備える。この電源装置において、前記第1コンバータは、前記交流電力を整流する第1整流部と、出力電圧が第1目標電圧に近づくように前記第1整流部の出力に対してスイッチングを行う第1のDC/DC変換部とを有し、前記第2コンバータは、前記交流電力を整流する第2整流部と、出力電圧値が前記第1目標電圧よりも低い第2目標電圧に近づくように前記第2整流部の出力に対してスイッチングを行う第2のDC/DC変換部とを有しており、前記コントローラは、通常動作から小負荷時動作への切替え指示を受けて前記第2コンバータを停止させずに前記第1コンバータを停止させ、小負荷時動作から通常動作への切替え指示を受けて前記第1コンバータによる電力の出力を再開させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、各DC/DCコンバータの起動時間の予測に基づく制御に依らずに、二つのDC/DCコンバータを負荷の状態に応じて使い分けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】電源装置の構成を示すブロック図である。
【図2】負荷のモードと電源装置の動作との関係を示すタイミングチャートである。
【図3】電源装置の回路構成の第1例を示す図である。
【図4】電源装置の回路構成の第2例を示す図である。
【図5】電源装置を備える画像形成装置の要部の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1のように、電源装置1は、入力端子2と出力端子3との間に接続された通常動作用の第1コンバータ4と、入力端子2と出力端子3とに第1コンバータ4と並列に接続された小負荷時動作用(スリープ用)の第2コンバータ5と、第1コンバータ4および第2コンバータを制御するコントローラ6とを備える。入力端子2には例えば商用交流電源がAC電源7として接続され、出力端子3には電源装置1から直流電力の供給を受ける負荷9が接続される。本例ではAC電源7と入力端子2との間に電源スイッチ8が挿入されている。
【0011】
第1コンバータ4は、交流電力を整流する第1整流部41と、出力電圧が第1目標電圧(Vm)に近づくように第1整流部41の出力に対してスイッチングを行う第1のDC/DC変換部42とを有する。第2コンバータ5は、交流電力を整流する第2整流部51と、出力電圧値が第1目標電圧(Vm)よりも低い第2目標電圧(Vs)に近づくように第2整流部51の出力に対してスイッチングを行う第2のDC/DC変換部52とを有する。コントローラ6は、負荷9の制御手段が発する通常動作から小負荷時動作への切替え指示を受けて第2コンバータ5を停止させずに第1コンバータ4を停止させ、小負荷時動作から通常動作への切替え指示を受けて第1コンバータ4による電力の出力を再開させる。
【0012】
図2のように、第1コンバータ4はAC電源7が投入されると動作を開始し、通常動作状態の負荷9に対して電源装置1が電力を供給する通常動作期間T1において動作する。そして、通常よりも消費電力が小さいスリープ状態(小負荷状態)の負荷9に対して電源装置1が電力を供給するスリープ期間T2において、第1コンバータ4は停止する。一方、第2コンバータ5は、AC電源7が投入されても即座には動作を開始せず、コントローラ6からの起動要求に呼応して、第1コンバータ4よりも遅れて動作を開始する。そして、AC電源7が投入されている間は、通常動作期間T1とスリープ期間T2とにかかわらず、第2コンバータ5は動作する。ただし、ここでいう「動作する」とは、負荷9への電力の出力が可能な状態にあることを意味し、負荷9へ電力を出力する状態を意味していない。第2コンバータ5が負荷9へ電力を出力する期間は、第1コンバータ4が停止するスリープ期間T2である。
【0013】
図3は電源装置1の回路構成の具体例を示している。
【0014】
図3の構成では、電源装置1は制御プログラムを実行する制御基板90へ電力を供給する。制御基板90は電源装置1に対する負荷9である。そして、制御基板90においてプログラム実行によって実現される機能要素である電源制御部60は、コントローラ6として機能する。すなわち、制御基板90の一部が電源装置1の構成要素である。
【0015】
メインDC/DCコンバータとして電源装置1に備わる第1コンバータ4は、整流部41を構成する整流ダイオードブリッジD11および平滑コンデンサC11を有している。整流ダイオードブリッジD11の入力点a,bにAC電源7が接続され、入力点aとAC電源7との間にスイッチSW4が挿入される。平滑コンデンサC11の+端子は整流ダイオードブリッジD11のカソードおよびトランスT11の一次巻線L11の一端に接続される。平滑コンデンサC11の−端子は整流ダイオードブリッジD11のアノードに接続されるとともに、半導体スイッチSW16を介して一次巻線L11の他端に接続される。半導体スイッチSW16にはPWM制御部45からスイッチング信号S45が入力される。トランスT11の二次巻線L12は、整流ダイオードD12と平滑コンデンサC12との直列回路に並列に接続される。平滑コンデンサC12と並列に接続される出力電圧監視部46は、目標電圧Vmが3.4ボルトに選定された出力電圧(出力端子間電圧)を分圧抵抗R11,R12によって分圧した電圧を監視し、出力電圧と目標電圧Vmとのずれを示すフィードバック信号S46をPWM制御部45に送る。PWM制御部45にはその駆動電源としてトランスT11の補助巻線L13が接続される。PWM制御部45はフィードバック信号S46を受けて、出力電圧が目標電圧Vmに近づくように半導体スイッチSW16を制御する。
【0016】
サブDC/DCコンバータとして電源装置1に備わる第2コンバータ5の構成は、回路定数に差異およびスイッチSW4の有無の違いはあるものの、基本的には次のとおり第1コンバータ4の構成とほぼ同様である。第2コンバータ5は、整流部51を構成する整流ダイオードブリッジD21および平滑コンデンサC21を有している。整流ダイオードブリッジD21の入力点c,dにAC電源7が接続され、平滑コンデンサC21の+端子は整流ダイオードブリッジD21のカソードおよびトランスT21の一次巻線L21の一端に接続される。平滑コンデンサC21の−端子は整流ダイオードブリッジD21のアノードに接続されるとともに、半導体スイッチSW26を介して一次巻線L21の他端に接続される。半導体スイッチSW26にはPWM制御部55からスイッチング信号S55が入力される。トランスT21の二次巻線L22は、整流ダイオードD22と平滑コンデンサC22との直列回路に並列に接続される。平滑コンデンサC22と並列に接続される出力電圧監視部56は、目標電圧Vsが3.3ボルトに選定された出力電圧(出力端子間電圧)を分圧抵抗R21,R22によって分圧した電圧を監視し、出力電圧と目標電圧Vsとのずれを示すフィードバック信号S56をPWM制御部55に送る。PWM制御部55にはその駆動電源としてトランスT21の補助巻線L23が接続される。PWM制御部55はフィードバック信号S56を受けて、出力電圧が目標電圧Vsに近づくように半導体スイッチSW26を制御する。
【0017】
このような第1コンバータ4および第2コンバータ5は制御基板90に対してダイオードオアの形式で並列に接続される。制御基板90は第1コンバータ4または第2コンバータ5から電力の供給を受けて動作する。制御基板90が動作することで実現される電源制御部60は、スリープ信号S22、起動信号S23および停止信号S24をそれぞれ適時に出力する。スリープ信号S22はスリープ期間T2において第1コンバータ4のスイッチSW4を開き、第1コンバータ4への交流電力の供給を遮断する。起動信号S23は第2コンバータ5のPWM制御部55にスイッチング制御を開始させる。停止信号S24は、第1コンバータ4のPWM制御部45にスイッチング制御を停止させる。停止信号S24がノンアクティブのとき、PWM制御部45はスイッチング制御を行う。
【0018】
次に電源装置1の起動時の動作を説明する。
【0019】
図3において、図示を省略した電源スイッチのオンによって電源装置1にAC電源7が接続されると、第1コンバータ4および第2コンバータ5に交流電力が供給される。この時点では、起動信号S23が出力されず、PWM制御部55が停止している。したがって、半導体スイッチSW26はOFF状態にあり、トランスT21に電流は流れない。整流部51において整流および平滑が行われるものの、DC/DC変換部52は動作せず、実質的に第2コンバータ5は停止している。
【0020】
第1コンバータ4においては、AC電源7が接続される時点でスイッチSW4が閉じており、AC電源7から供給された交流電力は整流部41において整流されかつ平滑される。
トランスT11での変圧によって二次側に電圧V10が生じる。整流ダイオードD12によって電圧V10が整流され、さらに平滑コンデンサC12によって平滑される。これにより、およそ3.4ボルトの直流電力が制御基板90に供給される。この出力が出力電圧監視部46によって監視され、フィードバック信号S46に基づいてPWM制御部45によるスイッチング制御が行われ、出力電圧が3.4ボルトに維持される。
【0021】
第1コンバータ4から電力が供給されて制御基板90が起動する。起動後、電源制御部60が第2コンバータ5のPWM制御部55に起動信号S23を送る。起動信号S23を受信したPWM制御部55は起動し、スイッチング信号S55の出力を開始する。半導体スイッチSW26がON状態になり、整流部51で整流・平滑された電力がトランスT21へ供給される。トランスT21での変圧によって二次側に電圧V20が生じる。整流ダイオードD22によって電圧V20が整流され、さらに平滑コンデンサC22によって平滑される。これにより、およそ3.3ボルトの電圧が分圧抵抗回路の両端に生じる。この電圧が出力電圧監視部56によって監視され、フィードバック信号S56に基づいてPWM制御部45によるスイッチング制御が行われる。PWM制御部45は出力電圧を3.3ボルトに維持しようとする。
【0022】
しかしながら、第1コンバータ4と第2コンバータ5の2次整流回路出力はダイオードオア接続されており、第1コンバータ4の出力電圧(3.4ボルト)が第2コンバータ5の出力電圧(3.3ボルト)よりも高いので、電源装置1が起動した後の通常動作では、第1コンバータ4から制御基板90へ直流電力が供給される。この時、第2コンバータ5はパルス幅変調(PWM)のON幅を可変範囲の下限(最小)とするスイッチング動作を行う。
【0023】
次に電源装置1のスリープ移行時の動作について説明する。
【0024】
制御基板90がスリープモードに移行した後に電源制御部60はスイッチSW4をOFFするよう、スリープ信号S22を出力する。スリープ信号S22を受信したスイッチSW4はOFF状態となり、第1コンバータ4への交流電力の供給は遮断される。第1コンバータ4が停止し、第2コンバータ5から制御基板90へ電力が供給される。この時、制御基板90の電源制御部60からPWM制御部45へ停止信号S24を送り、PWM制御部45および半導体スイッチSW16を停止させてもよい。
【0025】
第1コンバータ4が停止すれば、直ちに第2コンバータ5から制御基板90へ電力が供給されるので、スリープ移行時に制御基板90への電力供給が途絶えることはない。
【0026】
次に電源装置1のスリープ動作モードから通常動作モードへの復帰時の動作について説明する。
【0027】
制御基板90の電源制御部90が復帰前にスイッチSW4をONにするよう、スリープ信号22をスイッチSW4へ送る。スリープ信号S22を受信したスイッチSW4はON状態となり、第1コンバータ4に交流電力が供給される。起動時(電源投入時)と同様に第1コンバータ4が起動し、3.4ボルトの電力が制御基板90へ供給される。
【0028】
第1コンバータ4による電力供給が始まるまで第2コンバータ5が制御基板90へ電力を供給するので、スリープからの復帰時に制御基板90への電力供給が途絶えることはない。
【0029】
以上の動作により、制御基板90への電源供給を途絶えさせることなく、制御基板90における動作モードの切り替わりに合わせて電力を供給するコンバータを切り替えることが可能となる。
【0030】
通常動作期間T1とスリープ動作期間T2とで電源装置1の出力電圧が3.4ボルトと3.3ボルトとに変化するが、電源装置1の出力端から制御基板90の入力端までのドロップ電圧は、負荷の重い通常動作時の方が大きく、負荷の軽いスリープ動作時の方が小さいので、制御基板90の入力端ではほぼ同一の電圧が得られる。本例では目標電圧Vm,Vsの差を0.1ボルトとしたが、ドロップ電圧を考慮して適宜に目標電圧Vm,Vsを設定することができる。ただし、目標電圧Vmよりも目標電圧Vsを低くする必要がある。
【0031】
図4は電源装置の回路構成の第2例を示す
図4の電源装置1bでは、第1コンバータ4bの出力電圧監視部46と第2コンバータ5bの出力電圧監視部56とが一つの分圧抵抗回路で分圧された電圧を監視する。その他の構成は上述の図3の構成と同様である。
【0032】
分圧抵抗回路は直列接続された三つの抵抗R13,R14,R15で構成され、出力端子の端子間の電圧を3分割する。第1コンバータ4bの出力電圧監視部46は、分圧抵抗回路における二つの中間電位点のうちの低電位側の中間電位点の電位を監視し、この電位を目標電圧Vmに対応する設定電位に保つように第1コンバータ4bは動作する。第2コンバータ5bの出力電圧監視部56は、分圧抵抗回路における二つの中間電位点のうちの高電位側の中間電位点の電位を監視し、この電位を目標電圧Vsに対応する設定電位に保つように第2コンバータ5bは動作する。
【0033】
出力電圧監視部56に監視される電位が、出力電圧監視部46に監視される電位よりも必ず高くなるので、第1コンバータ4bが出力電圧を上げようとするときに第2コンバータ5bが出力電圧を下げようとする作用が生まれ、第2コンバータ5bの出力電圧を第1コンバータ4bの出力電圧よりもより確実に低くすることができる。
【0034】
図5は電源装置1を備える画像形成装置100の要部の構成を示す。図5に例示される画像形成装置100は、電子写真法によってカラー画像またはモノクロ画像を印刷するタンデム式のカラープリンタである。カラー画像形成時にイエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、および黒(K)の4色のトナー像を並行して形成するため、画像形成装置100は中間転写ベルト20および中間転写ベルト20に沿って並ぶ4個のプロセスユニットUY,UM,UC,UKを有する。黒(K)の像形成のためのプロセスユニットUKは、感光体ドラム11、帯電装置12、プリントヘッド13、現像装置14、一次転写装置15、および清掃装置16を備えており、他のプロセスユニットUY,UM,UCも、トナーの色の違いを除いて同様の構成要素を備えている。
【0035】
画像形成動作の概要は次のとおりである。図示しない外部装置(例えば、パーソナルコンピュータ)から例えばカラープリントジョブが与えられると、プロセスユニットUY,UM,UC,UKにおいて、帯電装置12が感光体ドラム11の表面を一様に帯電させる。外部装置からの画像データに応じて、プリントヘッド13の射出する光ビームがオンオフ制御され、感光体ドラム11の表面に潜像が形成される。潜像は現像装置14によってトナー像に現像され、一次転写装置15によって中間転写ベルト20に一次転写される。中間転写ベルト20の移動に同期した一次転写によって、4色のそれぞれのトナー像が中間転写ベルト20上で重ねられる。4色のトナー像の形成と並行して、用紙収納部24からジョブが指定する種類およびサイズの用紙Pが取り出され、搬送ローラ26によって中間転写ベルト20と二次転写ローラ27とが対向する二次転写位置へ搬送される。中間転写ベルト20からトナー像が二次転写された用紙Pは、定着器80を経た後、排紙ローラ対28によって排紙トレイ29に排出される。用紙Pが定着器80を通過するとき、トナーが溶融して画像が記録用紙に定着する。
【0036】
この一連の動作は制御基板90に備わるコンピュータとしてのCPU(central processing unit)を含む制御回路によって制御される。CPUは電源装置1から直流電力の供給を受けて作動する。
【0037】
以上の実施形態において、AC電源7は商用交流電源に限らない。直流給電システムを利用する構成の機器では、インバータによって直流から変換した交流を電源装置1に供給することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 電源装置
7 AC電源(交流電源)
2 入力端子
9 負荷
90 制御基板(負荷)
3 出力端子
4,4b 第1コンバータ
5,5b 第2コンバータ
6 コントローラ
60 電源制御部(コントローラ)
41 第1整流部
42 第1のDC/DC変換部
51 第2整流部
52 第2のDC/DC変換部
T1 通常動作期間
T2 スリープ動作期間
100 画像形成装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電力を直流電力に変換して出力する電源装置であって、
交流電源が接続される入力端子と負荷が接続される出力端子との間に接続された通常動作用の第1コンバータと、
前記入力端子と前記出力端子とに前記第1コンバータと並列に接続された小負荷時動作用の第2コンバータと、
前記第1コンバータおよび前記第2コンバータを制御するコントローラとを備え、
前記第1コンバータは、前記交流電力を整流する第1整流部と、出力電圧が第1目標電圧に近づくように前記第1整流部の出力に対してスイッチングを行う第1のDC/DC変換部とを有し、
前記第2コンバータは、前記交流電力を整流する第2整流部と、出力電圧値が前記第1目標電圧よりも低い第2目標電圧に近づくように前記第2整流部の出力に対してスイッチングを行う第2のDC/DC変換部とを有しており、
前記コントローラは、通常動作から小負荷時動作への切替え指示を受けて前記第2コンバータを停止させずに前記第1コンバータを停止させ、小負荷時動作から通常動作への切替え指示を受けて前記第1コンバータによる電力の出力を再開させる
ことを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記出力端子の端子間の電圧を3分割する分圧抵抗回路を有し、
前記第1コンバータは、前記分圧抵抗回路における二つの中間電位点のうちの低電位側の中間電位点の電位を設定電位に保つように動作し、
前記第2コンバータは、前記分圧抵抗回路における高電位側の中間電位点の電位を設定電位に保つように動作する
請求項1記載の電源装置。
【請求項3】
前記第1のDC/DC変換部は、前記分圧抵抗回路における前記低電位側の中間電位点の電位が設定電位より低いときにスイッチングを行い、
前記第2のDC/DC変換部は、前記高電位側の中間電位点の電位が設定電位より低いときにスイッチングを行う
請求項2記載の電源装置。
【請求項4】
前記第1コンバータは、非接続状態であった前記交流電源が接続される電源起動時において、前記交流電源の接続に呼応して、前記負荷への電力の出力が可能な動作状態になり、
前記第2コンバータは、前記電源起動時において、前記第1コンバータが動作状態になった後に前記コントローラから与えられる起動要求を受けて前記負荷への電力の出力が可能な動作状態になる
請求項1ないし3のいずれかに記載の電源装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の電源装置と、
前記電源装置から電力の供給を受けて作動する制御回路と、
前記制御回路によって制御されて用紙に画像を印刷する機構とを備える
ことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−10434(P2012−10434A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−141814(P2010−141814)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】