説明

電源装置並びに電源システム及び充放電方法

【課題】コンバータ装置によって変換された直流電力を受け付け、さらに出力すべき周波数を特定する電源装置を提供する。
【解決手段】電源装置220は、コンバータ装置210によって交流電力から変換された直流電力を、二次電池221に充電する充電部222と、電力を出力すべき周波数に関連する情報である周波数情報を外部から取得する周波数情報取得部223と、二次電池221の出力電力を、周波数情報から判別される周波数の交流電力に変換するインバータ部225とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池を備える電源装置並びに当該電源装置を備える電源システム、及び当該電源装置の充放電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商用電源の停電が発生したときにも、電力供給先の装置に対して電力を供給することができるUPS(Uninterruptible Power Supply:無停電電源装置)と呼ばれる電源装置が用いられている。このような電源装置は、一般的に内部に二次電池を備え、商用電源の停電時に、二次電池が蓄える電力を交流電力に変換して出力する。
【0003】
ところで、電力供給先の装置は、装置毎に入力に対応する周波数が決まっている。これらの多くは、当該装置を用いる地域によって決まっている。例えば日本では、設置地域によって50ヘルツと60ヘルツの何れの周波数の交流電力に対応するかが決まっている。
そのため、電源装置は、電力を供給する際、出力すべき周波数を特定する必要がある。
【0004】
特許文献1には、出力すべき周波数を特定する保護継電器の技術が開示されている。具体的には、特許文献1に記載の保護継電器は、交流電源の入力を受け付け、当該交流電源に対してサンプリングを行うことで周波数の判定を行う。電源装置でも同様の方法を用いて周波数の判定を行うことで、周波数を特定し、電力の供給を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特願2006−333536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、UPSのような電源装置は、受電場所と送電場所が同一であることを想定して製造されている。そのため、二次電池、二次電池への充電のために商用電源からの交流電力を直流電力に変換するコンバータ、及び二次電池の出力電力を交流電力に変換して出力するインバータが一体として構成されている。そのため、電源装置は大型化するため、停電が発生している地域へ電源装置を搬送する場合に搬送が困難であるという問題がある。
【0007】
そこで、送電場所では用いないコンバータと電源装置とを別個の装置とすることで、電源装置を軽量化することが考えられる。しかしながら、この場合、電源装置に入力される電力はコンバータによって変換された直流電力になるため、特許文献1に記載の方法を用いて周波数を特定することができないという問題がある。
【0008】
また、出力すべき周波数を特定できない場合、電源装置に中庸の周波数(例えば、出力すべき周波数が50ヘルツと60ヘルツの何れかである場合は、55ヘルツ)を出力させることもできるが、その場合、電源の周波数からクロック信号を生成する医療機器のような装置へ電力を供給することができないという問題がある。
【0009】
本発明の目的は、上述した課題を解決する電源装置並びに電源システム及び充放電方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、外部のコンバータ装置によって交流電力から変換された直流電力を、二次電池に充電する充電部と、電力を出力すべき周波数に関連する情報である周波数情報を外部から取得する周波数情報取得部と、前記二次電池の出力電力を、前記周波数情報から判別される周波数の交流電力に変換するインバータ部とを備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明においては、前記周波数情報取得部は、前記コンバータ装置によって交流電力から変換された直流電力に含まれる交流信号を、前記周波数情報として取得し、前記インバータ部は、前記二次電池の出力電力を、前記周波数情報取得部が取得した交流信号の周波数と同じ周波数の交流電力に変換することが好ましい。
【0012】
また、本発明においては、前記インバータ部が変換する電力の周波数は、第1の周波数か第2の周波数かのいずれかであって、前記第1の周波数の交流信号を再生する再生部と、前記周波数情報取得部が取得した交流信号と前記再生部が再生した交流信号とを合成する合成部と、を備え、前記インバータ部は、前記合成部が出力する信号のピーク値が一定である場合に、前記二次電池の出力電力を前記第1の周波数の交流電力に変換し、前記合成部が出力する信号のピーク値が一定でない場合に、前記二次電池の出力電力を前記第2の周波数の交流電力に変換することが好ましい。
【0013】
また、本発明においては、電力を出力すべき周波数毎に、前記インバータ部が変換した交流電力の出力端であり、電力供給対象から延びるプラグを挿入されるソケット部と、前記ソケット部と周波数とを関連付けた対応ソケット記憶部とを備え、前記周波数情報取得部は、前記プラグが何れのソケット部に挿入されたかを示す情報を、前記周波数情報として取得し、前記インバータ部は、前記二次電池の出力電力を、前記プラグが挿入されたソケット部に関連付けて前記対応ソケット記憶部に記憶された周波数の交流電力に変換することが好ましい。
【0014】
また、本発明は、上記電源装置とコンバータ装置とを備える電源システムであって、前記コンバータ装置は、外部電源から供給される交流電力を直流電力に変換するコンバータ部と、前記外部電源から供給される交流電力の周波数を特定する周波数特定部と、前記周波数特定部が特定した周波数を示す周波数情報を前記電源装置に出力する周波数情報出力部とを備え、前記電源装置の周波数情報取得部は、前記コンバータ装置から出力された周波数情報を取得し、前記電源装置のインバータ部は、前記二次電池の出力電力を、前記周波数情報が示す周波数の交流電力に変換することを特徴とする。
【0015】
また、本発明においては、電力の周波数と当該周波数の電力を供給すべき地域とを関連付けて記憶する地域情報記憶部を備え、前記周波数情報取得部は、自装置が存在する地域の情報を前記周波数情報として取得して当該地域に関連づけて前記地域情報記憶部に記憶された周波数を特定し、前記インバータ部は、前記二次電池の出力電力を、前記周波数情報取得部が特定した周波数の交流電力に変換することが好ましい。
【0016】
また、本発明は、上記電源装置と、当該電源装置と電力供給対象とを接続するコネクタとを備える電源システムであって、前記コネクタは、前記電源装置からの出力を要求する周波数を示す周波数情報を前記電源装置に出力する周波数情報出力部を備え、前記電源装置の周波数情報取得部は、前記コネクタから出力された周波数情報を取得し、前記電源装置のインバータ部は、前記二次電池の出力電力を、前記周波数情報が示す周波数の交流電力に変換し、前記コネクタを介して前記電力供給対象へ出力することを特徴とする。
【0017】
また、本発明においては、前記コネクタは、前記電力供給対象と外部電源とを接続したときに、前記外部電源から供給される交流電力の周波数を特定する周波数特定部を備え、前記コネクタの周波数情報出力部は、前記周波数特定部が特定した周波数を示す周波数情報を前記電源装置に出力することが好ましい。
【0018】
また、本発明は、電源装置の充放電方法であって、前記電源装置の充電部が、外部のコンバータ装置によって交流電力から変換された直流電力を、二次電池に充電するステップと、前記電源装置の周波数情報取得部が、電源装置が出力すべき電力の周波数に関連する情報である周波数情報を外部から取得するステップと、前記電源装置のインバータ部が、前記二次電池の出力電力を、前記周波数情報から判別される周波数の交流電力に変換するステップとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、周波数情報を外部から取得する周波数情報取得部を備えるため、コンバータ装置によって変換された直流電力を受け付ける電源装置であっても、出力すべき周波数を特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1の実施形態による電源システムの構成を示す概略ブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態による電源装置の充電時及び放電時の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第2の実施形態による電源システムの構成を示す概略ブロック図である。
【図4】本発明の第2の実施形態による電源装置の放電時の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第3の実施形態による電源システムの構成を示す概略ブロック図である。
【図6】本発明の第3の実施形態による電源システムの充電時の動作を示すシーケンス図である。
【図7】本発明の第4の実施形態による電源システムの構成を示す概略ブロック図である。
【図8】電源装置とコネクタの外観を示す図である。
【図9】本発明の第4の実施形態による電源システムの放電時の動作を示すシーケンス図である。
【図10】本発明の第5の実施形態による電源システムの構成を示す概略ブロック図である。
【図11】本発明の第5の実施形態による電源装置の放電時の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
《第1の実施形態》
以下、図面を参照しながら本発明の第1の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による電源システムの構成を示す概略ブロック図である。
第1の実施形態による電源システムは、コンバータ装置10と電源装置20とを別個の装置として備える。コンバータ装置10は、商用電源などの外部電源から供給される交流電力を直流電力に変換する。電源装置20は、コンバータ装置10が直流に変換した電力を内部の二次電池21に充電し、二次電源に蓄積された電力を交流電力に変換して外部に出力する。なお、本実施形態では、外部電源から供給される交流電力及び電力供給先が要求する交流電力の周波数は50ヘルツ(第1の周波数)か60ヘルツ(第2の周波数)かの何れかである場合について説明する。
【0022】
電源装置20は、二次電池21、充電部22、交流信号抽出部23(周波数情報取得部)、再生部24、合成部25、周波数判定部26、周波数記憶部27、インバータ部28、ソケット部29を備える。
充電部22は、コンバータ装置10が変換した直流電力を、二次電池21に充電する。
交流信号抽出部23は、コンバータ装置10が変換した直流電力に含まれる微小な交流信号(リプル)を抽出する。
再生部24は、50ヘルツの交流信号を再生する。
合成部25は、交流信号抽出した交流信号と再生部24が再生する交流信号とを合成する。
周波数判定部26は、合成部25が出力する信号のピークを監視することで、交流信号抽出部23が抽出した交流信号の周波数を判定する。
周波数記憶部27は、周波数判定部26が判定した周波数を記憶する。
インバータ部28は、二次電池21の出力電力を、周波数記憶部27が記憶する周波数の交流電力に変換する。
ソケット部29は、電力供給対象の負荷から延びるプラグを挿入され、当該プラグを介してインバータ部28が出力する交流電力を供給する。
【0023】
次に、本実施形態による電源装置20の充電時の動作について説明する。
図2は、本発明の第1の実施形態による電源装置の充電時及び放電時の動作を示すフローチャートである。
コンバータ装置10からの直流電力の供給が開始すると、電源装置20の充電部22は、当該直流電力の二次電池21への充電を開始する(ステップS1)。次に、交流信号抽出部23は、コンバータ装置10から供給される直流電力に含まれる交流信号を抽出する(ステップS2)。次に、再生部24は、50ヘルツの交流信号を再生する(ステップS3)。なお、当該交流信号は、直流電力に含まれる交流信号の振幅と同程度の振幅を有するものであることが好ましい。次に、合成部25は、交流信号抽出部23が抽出した交流信号と再生部24が再生した交流信号とを合成する(ステップS4)。
【0024】
次に、周波数判定部26は、合成部25が出力した信号のピーク値を監視し、各ピーク値が一定であるか否かを判定する(ステップS5)。なお、同一の周波数の正弦波の合成信号が同じ周波数の正弦波となり、異なる周波数の正弦波の合成信号は、ビート信号となる。したがって、交流信号抽出部23が抽出した交流信号と再生部24が再生した交流信号とが同一の周波数である場合、合成部25が出力する信号の各ピーク値は一定となる。他方、交流信号抽出部23が抽出した交流信号と再生部24が再生した交流信号とが異なる周波数である場合、合成部25が出力する信号の各ピーク値はそれぞれ異なることとなる。
【0025】
周波数判定部26は、合成部25が出力する信号の各ピーク値が一定であると判定した場合(ステップS5:YES)、周波数記憶部27に周波数が50ヘルツであることを記録する(ステップS6)。他方、周波数判定部26は、合成部25が出力する信号の各ピーク値が一定でないと判定した場合(ステップS5:NO)、周波数記憶部27に周波数が60ヘルツであることを記録する(ステップS7)。
【0026】
次に、本実施形態による電源装置20の放電時の動作について説明する。なお、電源装置20の充電から放電までの間に、電源装置20はコンバータ装置10から切断され、放電を行う場所に搬送される。
負荷に接続されたプラグがソケット部29に挿入されると、インバータ部28は、周波数記憶部27から周波数を示す情報を読み出す(ステップS8)。次に、二次電池21から出力される直流電力を、当該読み出した情報が示す周波数の交流電力に変換し、当該交流電力を、ソケット部29及びプラグを介して負荷に供給する(ステップS9)。すなわち、ステップS6によって周波数が50ヘルツであることが周波数記憶部27に記録されている場合、インバータ部28は、ステップS9で50ヘルツの交流電力を出力する。他方、ステップS7によって周波数が60ヘルツであることが周波数記憶部27に記録されている場合、インバータ部28は、ステップS9で60ヘルツの交流電力を出力する。
【0027】
このように、本実施形態によれば、電源装置20は、周波数の情報である交流信号をコンバータ装置10が出力する直流電力から取得し、出力すべき周波数を特定する。これにより、電源装置20は、外部のコンバータ装置10からの直流電力により充電を行いつつ、出力すべき周波数を特定することができる。
【0028】
また、本実施形態によれば、直流電力に含まれる交流信号の周波数を特定するために、出力すべき2つの周波数のうちの一方の周波数である50ヘルツの交流信号を生成し、当該交流信号と直流電力に含まれる交流信号とを合成した信号のピーク値を監視する。これにより、簡易な構成で周波数の特定を行うことができ、装置の小型化を図ることができる。
【0029】
なお、本実施形態では、再生部24が50ヘルツの信号を再生し、周波数判定部26が、合成信号のピーク値が一定である場合に50ヘルツを、一定で無い場合に60ヘルツを周波数記憶部27に記録する場合について説明したが、これに限られない。つまり、再生部24が60ヘルツの信号を再生し、周波数判定部26が、合成信号のピーク値が一定である場合に60ヘルツを、一定で無い場合に50ヘルツを周波数記憶部27に記録する構成であっても良い。
【0030】
《第2の実施形態》
以下、図面を参照しながら本発明の第2の実施形態について詳しく説明する。
図3は、本発明の第2の実施形態による電源システムの構成を示す概略ブロック図である。
第2の実施形態による電源システムは、第1の実施形態と同様に、コンバータ装置110と電源装置120とを別個の装置として備える。また、外部電源から供給される交流電力及び電力供給先が要求する交流電力の周波数は50ヘルツか60ヘルツかの何れかである。
【0031】
電源装置120は、二次電池121、充電部122、ソケット部123−1、123−2(以下、ソケット部123−1、123−2を総称する場合は、ソケット部123と呼ぶ)、ソケット特定部124(周波数情報取得部)、対応ソケット記憶部125、周波数判定部126、インバータ部127を備える。
充電部122は、コンバータ装置110が変換した直流電力を、二次電池121に充電する。
ソケット部123は、電力供給対象の負荷から延びるプラグを挿入され、当該プラグを介してインバータ部127が出力する交流電力を供給する。なお、ソケット部123は、出力すべき周波数に対応して設けられ、ソケット部123−1は50ヘルツ用の電力の出力端であり、ソケット部123−2は60ヘルツ用の電力の出力端である。
ソケット特定部124は、ソケット部123の何れにプラグが挿入されたかを特定する。
対応ソケット記憶部125は、ソケット部123と当該ソケット部123から出力すべき周波数とを関連付けて記憶する。
周波数判定部126は、ソケット特定部124が特定したソケット部123と対応ソケット記憶部125が記憶する情報とに基づいて交流信号の周波数を判定する。
インバータ部127は、二次電池121の出力電力を、周波数判定部126が判定した周波数の交流電力に変換する。
【0032】
本実施形態においてコンバータ装置110からの直流電力の供給が開始すると、電源装置120の充電部122が、当該直流電力の二次電池121への充電を開始する。電源装置120の充電時の動作は以上である。
【0033】
次に、本実施形態による電源装置120の放電時の動作について説明する。
図4は、本発明の第2の実施形態による電源装置120の放電時の動作を示すフローチャートである。なお、電源装置120の充電から放電までの間に、電源装置120はコンバータ装置110から切断され、放電を行う場所に搬送される。
負荷に接続されたプラグがソケット部123に挿入されると、ソケット特定部124は、プラグが挿入されたソケット部123を特定する(ステップS101)。次に、周波数判定部126は、対応ソケット記憶部125から、ソケット特定部124が特定したソケット部123に関連付けられた周波数を読み出す(ステップS102)。そして、インバータ部127は、二次電池121から出力される直流電力を、周波数判定部126が読み出した周波数の交流電力に変換し、当該交流電力を、ソケット部123及びプラグを介して負荷に供給する(ステップS103)。
【0034】
このように、本実施形態によれば、電源装置120は、周波数に関する情報である、周波数に関連付けられたソケット部123を示す情報を、プラグの挿入により取得し、出力すべき周波数を特定する。これにより、電源装置120は、外部のコンバータ装置110からの直流電力により充電を行いつつ、出力すべき周波数を特定することができる。また、本実施形態によれば、充電を行う地域と放電を行う地域とで要求される電力の周波数が異なる場合にも、放電を行う地域の周波数に対応するソケット部123にプラグを挿入することで、適切な周波数の交流電力を出力することができる。
【0035】
なお、本実施形態では、出力すべき周波数が50ヘルツか60ヘルツかの2種類である場合について説明したが、これに限られない。例えば、ソケット部123を3つ以上備え、3種類以上の周波数を切り替えて出力するような構成であっても良い。
【0036】
《第3の実施形態》
以下、図面を参照しながら本発明の第3の実施形態について詳しく説明する。
図5は、本発明の第3の実施形態による電源システムの構成を示す概略ブロック図である。
第3の実施形態による電源システムは、第1の実施形態と同様に、コンバータ装置210と電源装置220とを別個の装置として備える。
【0037】
コンバータ装置210は、コンバータ部211、周波数特定部212、周波数情報出力部213を備える。
コンバータ部211は、外部電源から供給される交流電力を直流電力に変換する。
周波数特定部212は、外部電源から供給される交流電力の周波数を特定する。
周波数情報出力部213は、周波数特定部212が特定した周波数を示す周波数情報を電源装置220に出力する。
【0038】
電源装置220は、二次電池221、充電部222、周波数情報取得部223、周波数記憶部224、インバータ部225、ソケット部226を備える。
充電部222は、コンバータ装置210が変換した直流電力を、二次電池221に充電する。
周波数情報取得部223は、コンバータ装置210から周波数情報を取得し、周波数記憶部224に記録する。
周波数記憶部224は、周波数情報取得部223が取得した周波数を記憶する。
インバータ部225は、二次電池221の出力電力を、周波数記憶部224が記憶する周波数情報が示す周波数の交流電力に変換する。
ソケット部226は、電力供給対象の負荷から延びるプラグを挿入され、当該プラグを介してインバータ部225が出力する交流電力を供給する。
【0039】
次に、本実施形態による電源装置220の充電時の動作について説明する。
図6は、本発明の第3の実施形態による電源システムの充電時の動作を示すシーケンス図である。
外部電源とコンバータ装置210とが接続され、コンバータ装置210と電源装置220とが接続されると、コンバータ装置210のコンバータ部211は、外部電源から供給される交流電力を直流電力に変換して電源装置220へ出力する(ステップS201)。そして、電源装置220の充電部222は、コンバータ装置210から出力される直流電力の二次電池221への充電を開始する(ステップS202)。
【0040】
また、このときコンバータ装置210の周波数特定部212は、外部電源から供給される交流電力をサンプリングし、当該交流電力の周波数を特定する(ステップS203)。次に、周波数情報出力部213は、周波数特定部212が特定した周波数を示す周波数情報を生成し、当該周波数情報を電源装置220へ出力する(ステップS204)。次に、電源装置220の周波数情報取得部223は、コンバータ装置210から出力された周波数情報を取得する(ステップS205)。そして、周波数情報取得部223は、取得した周波数情報を周波数記憶部224に記録する(ステップS206)。
【0041】
なお、本実施形態による電源装置220の放電時の動作は、第1の実施形態による電源装置220の放電時の動作と同じである。
【0042】
このように、本実施形態によれば、コンバータ装置210が、交流電力の周波数を特定し、当該周波数を示す周波数情報を出力する。そして、電源装置220は、コンバータ装置210から周波数情報を取得し、出力すべき周波数を特定する。これにより、電源装置220は、外部のコンバータ装置210からの直流電力により充電を行いつつ、出力すべき周波数を特定することができる。
【0043】
《第4の実施形態》
以下、図面を参照しながら本発明の第4の実施形態について詳しく説明する。
図7は、本発明の第4の実施形態による電源システムの構成を示す概略ブロック図である。
第4の実施形態による電源システムは、コンバータ装置310、電源装置320、コネクタ330を備える。コネクタ330は、電源装置320と電力供給対象の負荷との間に接続される機器であり、電源装置320から供給される電力を負荷へ伝送する。
【0044】
電源装置320は、二次電池321、充電部322、周波数情報取得部323、インバータ部324、ソケット部325を備える。
充電部322は、コンバータ装置310が変換した直流電力を、二次電池321に充電する。
周波数情報取得部323は、ソケット部325に接続されたコネクタ330から、負荷に供給すべき電力の周波数を示す周波数情報を取得する。周波数情報取得部323は、例えば内蔵する磁気センサ(図示せず)から得られる、コネクタ330に設けられた電磁石(図示せず)の磁性に基づいて周波数情報を特定することができる。
インバータ部324は、二次電池321の出力電力を、周波数情報取得部323が取得した周波数情報が示す周波数の交流電力に変換する。
ソケット部325は、コネクタ330のプラグを挿入され、当該コネクタ330を介してインバータ部324が出力する交流電力を負荷へ供給する。
【0045】
コネクタ330は、周波数特定部331、周波数記憶部332、周波数情報出力部333を備える。
周波数特定部331は、接続された外部電源から供給される交流電力を監視し、当該交流電力の周波数を特定し、当該周波数を示す周波数情報を、周波数記憶部332に記録する。
周波数記憶部332は、負荷に供給すべき電力の周波数を示す周波数情報を記憶する。
周波数情報出力部333は、周波数記憶部332が記憶する周波数情報を電源装置320に出力する。周波数情報取得部323は、例えば内蔵する電磁石の磁性を変化させることで所望の周波数情報を出力することができる。
【0046】
図8は、電源装置320とコネクタ330の外観を示す図である。
図8に示すように、電源装置320のソケット部325にコネクタ330のプラグを挿入したときに、コネクタ330に設けられた電磁石が、電源装置320の磁気センサに相対するように、電源装置320とコネクタ330が構成される。
【0047】
本実施形態においてコンバータ装置310からの直流電力の供給が開始すると、電源装置320の充電部322が、当該直流電力の二次電池321への充電を開始する。電源装置320の充電時の動作は以上である。
【0048】
次に、本実施形態による電源システムの放電時の動作について説明する。
図9は、本発明の第4の実施形態による電源システムの放電時の動作を示すシーケンス図である。なお、電源装置320の充電から放電までの間に、電源装置320はコンバータ装置310から切断され、放電を行う場所に搬送される。
【0049】
放電対象の地域において、当該地域に停電が発生していない場合、コネクタ330は外部電源である商用電源と電力供給対象の負荷とを接続するよう設置され、商用電源から供給される交流電力を負荷に伝送する。このとき、コネクタ330の周波数特定部331は、商用電源から供給される交流電力を監視して当該交流電力の周波数を特定する(ステップS401)。次に、周波数特定部331は特定した周波数を示す周波数情報を、周波数記憶部332に記録する(ステップS402)。以降、周波数情報出力部333は、周波数記憶部332が記憶する周波数情報を電磁石によって出力する。
【0050】
放電対象の地域に停電が発生すると、コネクタ330は充電地域から搬送された電源装置320と負荷とを接続するよう設置される。このとき、コネクタ330の周波数情報出力部333は、周波数記憶部332が記憶する周波数情報を電磁石によって出力している(ステップS403)。コネクタ330のプラグがソケット部325に挿入されることにより、電源装置320の磁気センサがコネクタ330の電磁石に近接すると、電源装置320の周波数情報取得部323は、磁気センサを介してコネクタ330から周波数情報を取得する(ステップS404)。そして、インバータ部324は、二次電池321から出力される直流電力を、周波数情報取得部323が取得した周波数情報が示す周波数の交流電力に変換し、当該交流電力を、ソケット部325及びコネクタ330を介して負荷に供給する(ステップS405)。
【0051】
このように、本実施形態によれば、電源装置320は、周波数情報をコネクタ330から取得し、出力すべき周波数を特定する。これにより、電源装置320は、外部のコンバータ装置310からの直流電力により充電を行いつつ、出力すべき周波数を特定することができる。また、本実施形態によれば、充電を行う地域と放電を行う地域とで要求される電力の周波数が異なる場合にも、放電を行う地域の周波数を記憶したコネクタ330をソケット部325に挿入することで、適切な周波数の交流電力を出力することができる。
【0052】
なお、本実施形態では、電磁石と磁気センサとを介して周波数情報の授受を行う場合について説明したが、これに限られない。例えば、RFID(Radio Frequency Identification)タグをコネクタ330に設け、RFIDリーダを電源装置320に設けることで、これらを用いて周波数情報の授受を行っても良い。また、周波数情報の授受のための通信線を設け、当該通信線を介して周波数情報の授受を行っても良い。
【0053】
また、本実施形態では、コネクタ330が周波数特定部331及び周波数記憶部332を備えることで、放電を行う地域の周波数を記憶する場合について説明したが、これに限られない。例えば、周波数情報出力部333が、予め当該放電対象の地域において供給される電力の周波数を示す周波数情報を固定的に出力する構成であっても良い。
【0054】
《第5の実施形態》
以下、図面を参照しながら本発明の第5の実施形態について詳しく説明する。
図10は、本発明の第5の実施形態による電源システムの構成を示す概略ブロック図である。
第5の実施形態による電源システムは、第1の実施形態と同様に、コンバータ装置410と電源装置420とを別個の装置として備える。
【0055】
電源装置420は、二次電池421、充電部422、地域情報記憶部423、地域情報取得部424(周波数情報取得部)、周波数判定部425、インバータ部426、ソケット部427を備える。
充電部422は、コンバータ装置410が変換した直流電力を、二次電池421に充電する。
地域情報記憶部423は、郵便番号や電話番号などの地域情報と当該地域情報が示す地域において供給される電力の周波数とを関連付けて記憶する。
地域情報取得部424は、利用者から入力される地域情報を取得する。
周波数判定部425は、地域情報取得部424が取得した地域情報と地域情報記憶部423が記憶する情報とに基づいて出力すべき電力の周波数を判定する。
インバータ部426は、二次電池421の出力電力を、周波数判定部425が判定した周波数の交流電力に変換する。
【0056】
本実施形態においてコンバータ装置410からの直流電力の供給が開始すると、電源装置420の充電部422が、当該直流電力の二次電池421への充電を開始する。電源装置420の充電時の動作は以上である。
【0057】
次に、本実施形態による電源装置420の放電時の動作について説明する。
図11は、本発明の第5の実施形態による電源装置420の放電時の動作を示すフローチャートである。なお、電源装置420の充電から放電までの間に、電源装置420はコンバータ装置410から切断され、放電を行う場所に搬送される。
負荷に接続されたプラグがソケット部427に挿入されると、地域情報取得部424は、利用者から地域情報の入力を受け付ける(ステップS501)。地域情報取得部424が地域情報を取得すると、周波数判定部425は、地域情報記憶部423から、地域情報取得部424が取得した地域情報に関連付けられた周波数を読み出す(ステップS502)。そして、インバータ部426は、二次電池421から出力される直流電力を、周波数判定部425が読み出した周波数の交流電力に変換し、当該交流電力を、ソケット部427及びプラグを介して負荷に供給する(ステップS503)。
【0058】
このように、本実施形態によれば、電源装置420は、周波数に関する情報である地域情報を、プラグの挿入により取得し、出力すべき周波数を特定する。これにより、電源装置420は、外部のコンバータ装置410からの直流電力により充電を行いつつ、出力すべき周波数を特定することができる。また、本実施形態によれば、充電を行う地域と放電を行う地域とで要求される電力の周波数が異なる場合にも、放電を行う地域を示す地域情報を入力することで、適切な周波数の交流電力を出力することができる。
【0059】
なお、本実施形態では、地域情報取得部424が地域情報を利用者からの入力により取得する場合について説明したが、これに限られず、例えば地域情報取得部424は、GPS(Global Positioning System)から取得した緯度及び経度の情報を地域情報としても良い。
【0060】
以上、図面を参照してこの発明のいくつかの実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【0061】
上述の電源装置20、120、220、320、420は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0062】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0063】
10…コンバータ装置 20…電源装置 21…二次電池 22…充電部 23…交流信号取得部 24…再生部 25…合成部 26…周波数判定部 27…周波数記憶部 28…インバータ部 29…ソケット部 110…コンバータ装置 120…電源装置 121…二次電池 122…充電部 123…ソケット部 124…ソケット特定部 125…対応ソケット記憶部 126…周波数判定部 127…インバータ部 210…コンバータ装置 211…コンバータ部 212…周波数特定部 213…周波数情報出力部 220…電源装置 221…二次電池 222…充電部 223…周波数情報取得部 224…周波数記憶部 225…インバータ部 226…ソケット部 310…コンバータ装置 320…電源装置 321…二次電池 322…充電部 323…周波数情報取得部 324…インバータ部 325…ソケット部 330…コネクタ 331…周波数特定部 332…周波数記憶部 333…周波数情報出力部 410…コンバータ装置 420…電源装置 421…二次電池 422…充電部 423…地域情報記憶部 424…地域情報取得部 425…周波数判定部 426…インバータ部 427…ソケット部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部のコンバータ装置によって交流電力から変換された直流電力を、二次電池に充電する充電部と、
電力を出力すべき周波数に関連する情報である周波数情報を外部から取得する周波数情報取得部と、
前記二次電池の出力電力を、前記周波数情報から判別される周波数の交流電力に変換するインバータ部と
を備えることを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記周波数情報取得部は、前記コンバータ装置によって交流電力から変換された直流電力に含まれる交流信号を、前記周波数情報として取得し、
前記インバータ部は、前記二次電池の出力電力を、前記周波数情報取得部が取得した交流信号の周波数と同じ周波数の交流電力に変換する
ことを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
前記インバータ部が変換する電力の周波数は、第1の周波数か第2の周波数かのいずれかであって、
前記第1の周波数の交流信号を再生する再生部と、
前記周波数情報取得部が取得した交流信号と前記再生部が再生した交流信号とを合成する合成部と、
を備え、
前記インバータ部は、前記合成部が出力する信号のピーク値が一定である場合に、前記二次電池の出力電力を前記第1の周波数の交流電力に変換し、前記合成部が出力する信号のピーク値が一定でない場合に、前記二次電池の出力電力を前記第2の周波数の交流電力に変換する
ことを特徴とする請求項2に記載の電源装置。
【請求項4】
電力を出力すべき周波数毎に、前記インバータ部が変換した交流電力の出力端であり、電力供給対象から延びるプラグを挿入されるソケット部と、
前記ソケット部と周波数とを関連付けた対応ソケット記憶部と
を備え、
前記周波数情報取得部は、前記プラグが何れのソケット部に挿入されたかを示す情報を、前記周波数情報として取得し、
前記インバータ部は、前記二次電池の出力電力を、前記プラグが挿入されたソケット部に関連付けて前記対応ソケット記憶部に記憶された周波数の交流電力に変換する
ことを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項5】
請求項1に記載の電源装置とコンバータ装置とを備える電源システムであって、
前記コンバータ装置は、
外部電源から供給される交流電力を直流電力に変換するコンバータ部と、
前記外部電源から供給される交流電力の周波数を特定する周波数特定部と、
前記周波数特定部が特定した周波数を示す周波数情報を前記電源装置に出力する周波数情報出力部と
を備え、
前記電源装置の周波数情報取得部は、前記コンバータ装置から出力された周波数情報を取得し、
前記電源装置のインバータ部は、前記二次電池の出力電力を、前記周波数情報が示す周波数の交流電力に変換する
ことを特徴とする電源システム。
【請求項6】
電力の周波数と当該周波数の電力を供給すべき地域とを関連付けて記憶する地域情報記憶部を備え、
前記周波数情報取得部は、自装置が存在する地域の情報を前記周波数情報として取得して当該地域に関連づけて前記地域情報記憶部に記憶された周波数を特定し、
前記インバータ部は、前記二次電池の出力電力を、前記周波数情報取得部が特定した周波数の交流電力に変換する
ことを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項7】
請求項1に記載の電源装置と、当該電源装置と電力供給対象とを接続するコネクタとを備える電源システムであって、
前記コネクタは、
前記電源装置からの出力を要求する周波数を示す周波数情報を前記電源装置に出力する周波数情報出力部を備え、
前記電源装置の周波数情報取得部は、前記コネクタから出力された周波数情報を取得し、
前記電源装置のインバータ部は、前記二次電池の出力電力を、前記周波数情報が示す周波数の交流電力に変換し、前記コネクタを介して前記電力供給対象へ出力する
ことを特徴とする電源システム。
【請求項8】
前記コネクタは、前記電力供給対象と外部電源とを接続したときに、前記外部電源から供給される交流電力の周波数を特定する周波数特定部を備え、
前記コネクタの周波数情報出力部は、前記周波数特定部が特定した周波数を示す周波数情報を前記電源装置に出力する
ことを特徴とする請求項7に記載の電源システム。
【請求項9】
電源装置の充放電方法であって、
前記電源装置の充電部が、外部のコンバータ装置によって交流電力から変換された直流電力を、二次電池に充電するステップと、
前記電源装置の周波数情報取得部が、電源装置が出力すべき電力の周波数に関連する情報である周波数情報を外部から取得するステップと、
前記電源装置のインバータ部が、前記二次電池の出力電力を、前記周波数情報から判別される周波数の交流電力に変換するステップと
を備えることを特徴とする充放電方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−115984(P2013−115984A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261888(P2011−261888)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】