説明

電源装置

【課題】簡略化された構成で、かつ電源体の過度の温度上昇や温度低下を抑制することができる電源装置を提供する。
【解決手段】本発明の電源装置は、電源体(2)と、電源体(2)及び該電源体(2)の冷却に用いられる冷却液(4)を収容するケース(30)と、ケース(30)と熱伝達部材(F)とに接触し、内部に冷却液(4)を収容する冷却液収容手段(50)と、冷却液収容手段(50)の冷却液(4)をケース内(S1)に移動させるとともに、ケース内(S1)の冷却液(4)を冷却液収容手段内(S2)に移動させるための駆動手段(60)とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源体の過度の温度上昇や温度低下を抑制することのできる電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気モータからの駆動力により走行するハイブリッド自動車、燃料電池車および電気自動車などがある。これらの車両では、電気モータに供給される電力を蓄える二次電池又はキャパシタ(コンデンサ)が搭載されている。
【0003】
二次電池の性能や寿命は、環境温度に大きく依存し、二次電池が著しく劣化してしまうことがある。すなわち、二次電池(電池パック)が、車両本体に接触している状態では、環境温度によって電池パックが過度に冷却されたり、過度に加熱されたりしてしまうことがある。
【0004】
例えば、冬においては、車両本体の温度が氷点下に到達することがあり、この場合には、車両本体に接触した電池パックが過度に冷却されてしまう。また、夏においては、車両本体の温度が上昇し、車両本体に接触した電池パックが過度に加熱されてしまう。
【0005】
そして、二次電池は、所定の温度範囲内で十分な電池特性を得ることができ、二次電池の温度が上記温度範囲の下限値よりも低かったり、上限値よりも高かったりする場合には、十分な電池特性を得ることができず、さらには性能の劣化を促進させてしまう場合がある。特に、上限値よりも高い状態で充放電は、性能を劣化させる大きな要因となる。
【0006】
そこで、特許文献1には、二次電池の放熱性を適正化するための構成が提案されている。この特許文献1では、電池パックを真空断熱容器に収納し、真空断熱層に真空度調整用の気体を入れ、この気体を吸着又は吸収する吸着材又は吸収材を真空断熱層に充填することで、真空断熱層の真空度を調節し、環境温度に対応して真空断熱層の断熱性(放熱量)を変化させている。
【0007】
【特許文献1】特開平08−17464号公報(段落0021−0032、図1等)
【特許文献2】特開平10−199497号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1の構成は、真空断熱容器により電池パック周囲に真空断熱層を形成しなければならず、真空断熱層への気体の充填及び吸着材等の充填を要する。このため、構成が複雑化するとともに、気体の充填や冷却、加熱等の装置を必要とし、気体の気密性を確保しなければならない。したがって、製造面、コスト面において課題を有し、特に、大掛かりな装置となることから、電池パックの配置スペースの効率化を図ることが困難となる。
【0009】
さらには、当該特許文献1の放熱は、あくまでも気体を媒介させたものであるため、その放熱性能に限界があり、電池パックの十分な冷却を実現できない。
【0010】
また、真空断熱層の断熱能力を変化させることで電池パックから電池パック外部への放熱性を調節しているが、各電池に対する温度分布のバラツキを抑制することはできず、各電池間の温度分布のバラツキによる電池パックの劣化を低減することはできない。
【0011】
そこで、本発明の目的は、簡略化された構成で、かつ電源体の過度の温度上昇や温度低下を抑制することができる電源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、電源体と、上記電源体及び該電源体の冷却に用いられる冷却液を収容するケースと、上記ケースと熱伝達部材とに接触し、内部に冷却液を収容する冷却液収容手段と、この冷却液収容手段の冷却液を上記ケース内に移動させるとともに、上記ケース内の冷却液を上記冷却液収容手段内に移動させるための駆動手段とを有することを特徴とする。
【0013】
そして、上記駆動手段は、上記冷却液収容手段内の冷却液を上記ケースに移動させて、上記冷却液収容手段のうち上記電源体に対して上記熱伝達部材側の領域に気体の層を形成する第1の状態と、該第1の状態に対して上記ケース内の冷却液を上記冷却液収容手段に移動させて、上記領域内を冷却液で満たす第2の状態との間で動作する。
【0014】
また、上記駆動手段は、冷却液を移動させるポンプと、このポンプに接続され、上記ケースと上記冷却液収容手段との間の冷却液の移動を許容する第1流路と、このポンプに接続され、上記ケース内の冷却液を循環させるための第2流路とを有する。
【0015】
なお、上記ポンプが、上記ケース内に配置されるように構成することが好ましい。
【0016】
また、上記電源装置は、上記駆動手段の駆動を制御する制御手段を有し、この制御手段が、電源体及び熱伝達部材の温度に関する情報に基づいて、上記駆動手段の駆動を制御するように構成できる。
【0017】
また、上記制御手段は、上記第2流路を介してケース内の冷却液を循環させるように、上記駆動手段を制御するように構成することができる。
【0018】
また、上記電源装置が、上記熱伝達部材と接触しない上記ケース周囲の非接触部に接触し、内部に冷却液を収容する第2冷却液収容手段をさらに有し、上記駆動手段が、第2冷却液収容手段内の冷却液を上記ケースに移動させて、上記電源体に対して上記非接触部との間に気体の層を形成する第3の状態と、該第3の状態に対して上記ケース内の冷却液を上記第2冷却液収容手段に移動させて、上記領域内を冷却液で満たす第4の状態との間で動作するように構成することができる。
【0019】
この場合、上記駆動手段が、上記ポンプに接続され、上記ケースと第2冷却液収容手段との間の冷却液の移動を許容する第3流路をさらに有するように構成することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、簡略化された構成で、環境温度によって電源体の温度が過度に上昇したり低下したりするのを抑制することができる。
【0021】
すなわち、周辺環境によって熱伝達部材が過度に冷却又は加熱されても、冷却液収容手段からケースに冷却液を移動させて、例えば、冷却液収容手段に気体の層を形成することができ、熱伝達部材及び冷却液間での熱伝達を抑制できる。このため、ケース内の電源体が過度に冷却又は加熱されるのを抑制することができる。また、電源体が発熱した場合には、ケースから冷却液収容手段に冷却液を移動させて、気体の層を形成した領域内に冷却液を満たすことで、冷却液を介した放熱(冷却)を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0023】
(実施例1)
本発明の電源装置(二次電池)1は、図1に示すように、電池ユニット2、電池ユニット2を収容するとともに、当該電池ユニット2の冷却に使用される冷却液4を収容するケース30、ケース30と車体本体Fとの間に位置し、ケース30及び車体本体Fに接触して配置される冷却液収容タンク(冷却液収容手段)50、及び冷却液収容タンク50内の冷却液4をケース30内に移動させるとともに、ケース30内の冷却液4を冷却液収容タンク50内に移動させる駆動手段60とで構成されている。
【0024】
電池ユニット2は、複数の単電池20aからなる組電池(電源体)20と、組電池20を両端側から狭持するための不図示の狭持部材(エンドプレート)とを有している。組電池20を構成する単電池20aは、不図示のバスバーによって電気的に直列又は並列に接続されている。なお、組電池20には、正極用及び負極用の配線(不図示)が接続されており、これらの配線は、ケース30を貫通して外部に配置された電子機器(例えば、モータ)に接続されている。
【0025】
本実施例では、単電池20aとして、円筒型の二次電池を用いている。二次電池としては、ニッケル−水素電池やリチウムイオン電池等がある。なお、単電池20aの形状は、円筒型に限るものではなく、角型等の他の形状であってもよい。また、本実施例では、二次電池を用いているが、二次電池の代わりに、電気二重層キャパシタ(コンデンサ)や燃料電池を用いることもできる。ここでいう、二次電池等は、上述した電子機器の電源となる。
【0026】
ケース30は、ロアーケース31とアッパーケース32とから構成され、ロアーケース31は、冷却液4とともに電池ユニット2を収容する収容空間S1が形成されている。なお、ロアーケース31の外側面(周方向側面)に、電池ユニット2の放熱性を向上させるための複数の放熱フィンを形成してもよい。
【0027】
アッパーケース32は、ロアーケース31の収容空間S1を上方から覆い、ネジ等によってロアーケース31に固定される。そして、ロアーケース31及びアッパーケース32により、電池ユニット2を収容する収容空間S1が密閉空間として形成される。
【0028】
そして、ケース30内の収容空間S1に収容される冷却液4は、図1に示すように、当該収容空間S1全てを満たしておらず、電池ユニット2の最上段に位置する単電池20aが、冷却液4に浸漬する量の冷却液4が充填されている。つまり、電池ユニット2の最上段に位置する単電池20aの上面と冷却液4の液面とが同じ位置、又は該上面よりも冷却液4の液面が上に位置する量の冷却液が充填され、電池ユニット2全体が冷却液4に浸漬しつつ、収容空間S1に冷却液4の未充填領TS域が設けられ、冷却液4がアッパーケース32に接触していない。
【0029】
ここで、ロアーケース31及びアッパーケース32は、熱伝達性や耐食性等に優れた材料、例えば、冷却液4の熱伝達率と同等又はこれよりも高い熱伝達率を有する材料で形成することができる。具体的には、これらケースを金属(銅や鉄、アルミニウム金属等)で形成することができる。また、冷却液4としては、絶縁性の油や不活性液体を用いることができる。絶縁性の油としては、シリコンオイルが用いられる。また、不活性液体としては、フッ素系不活性液体である、フロリナート、Novec HFE(hydrofluoroether)、Novec1230(スリーエム社製)を用いることができる。
【0030】
このように構成された本実施例のケース30は、内部に冷却液4が充填された冷却液収容タンク50を介してフロアパネルや車両のフレームなどの車体本体(熱伝達部材)Fにボルト等により固定される。
【0031】
冷却液収容タンク50は、ケース30に充填される冷却液4と同じ冷却液4を収容する収容空間S2を備え、ケース30と車体本体Fとの間に位置し、ケース30及び車体本体Fに接触して配置される。より具体的には、冷却液収容タンク50は、ケース30を構成するロアーケース31の下方であって、このロアーケース31の下面と接触し、かつ車両本体Fに接触するように配置される。
【0032】
なお、本実施例では、ケース30と冷却液収容タンク50とを、別体で構成しているが、例えば、図6に示すように、ケース30と冷却液収容タンク50とを一体に形成することも可能である。すなわち、ケース30を構成するロアーケース31に、電池ユニット2及び冷却液4を収容する収容空間S1と、該収容空間S1に接し、かつ車両本体Fに接する収容空間S1の下方であって、冷却液収容タンク50として冷却液4を収容する収容空間S2と、を形成するための隔壁33を設けることで、ケース30と冷却液収容タンク50とを一体に形成することが可能である。このように一体に形成することで、後述するように、冷却液4の液漏れ等のシール対策が容易に行える。
【0033】
駆動手段60は、図2に示すように、冷却液4を移動させるポンプPと、第1から第3の流路O1、O2、O3と、第2流路O2及び第3流路O3に設けられるバルブBとで構成され、電池ユニット2が収容されるケース30(収容空間S1)内のロアーケース31の底部に配置される。
【0034】
第2流路O2は、冷却液収容タンク50の冷却液4をケース30内に移動させ、また、ケース30内の冷却液4を冷却液収容タンク50に移動させるための流路であり、その流入出口が、冷却液収容タンク30内に配置されるように構成されている。本実施例では、第2流路O2を形成する配管が、ロアーケース31の底部及び冷却液収容タンク50の上部を貫通し、冷却液収容タンク50の収容空間S2に配置されている。なお、この第2流路O2の配設には、従来のシール機構(シール材)が適用されている。
【0035】
そして、このポンプPのポンプ駆動力により冷却液収容タンク50(収容空間S2)内の冷却液4は、第2流路O2を流通し、第1流路O1又は第3流路O3を流通して、ケース30(収容空間S1)に移動し、逆に、ケース30内の冷却液4は、第1流路O1又は第3流路O3を流通して、第2流路O2を流通して冷却液収容タンク50に移動する(第1流路O1又は第3流路O3と第2流路O2とにより、ケース30と冷却液収容タンク50との間の冷却液4の移動を許容する流路が形成される)。
【0036】
第3流路O3は、上述のように第2流路O2との冷却液4の流通を行うための流路であるとともに、ケース30(収容空間S1)内の冷却液4を該ケース30内で循環させるために、第1流路O1から取り込んだ冷却液4をケース30内に排出する循環路としての機能を担う。すなわち、第1及び第3流路O1、O3は、冷却液収容タンク50との間での冷却液4の移動及びケース30内の冷却液4の攪拌を行うための流路を形成し、このため、本実施例の駆動手段60は、冷却液収容タンク50とケース30との間の冷却液4の移動及びケース30内の冷却液4の攪拌を行う。
【0037】
なお、上述のように、第3流路O3は、第1流路O1から取り込んだ冷却液4をケース30内に排出して当該冷却液4のケース30内の攪拌に用いられるため、その流入出口が、電池ユニット2より下方に配置されるように構成し、図5に示すように、ケース30の内壁面に沿って冷却液4が攪拌されるように、その流入出口を配置及び形成することが好ましい。このため、本実施例の駆動手段60を、ケース30(収容空間S1)の内部であって、かつロアーケース31の底部(ロアーケース31の底面の隅部)に配設している。また、この攪拌作用において、第3流路O3から冷却液4を取り込んで、第1流路O1から排出させるように構成することも可能である。
【0038】
このように構成された本実施例の電源装置1は、図9に示すように、例えば、車両の座席(助手席、運転席、後部座席)の下方の車両本体Fに設けられる。同図は、本実施例の電源装置1が、車両の助手席10に適用された一例を示す図である。助手席10は、座部12及び背もたれ部13を有しており、背もたれ部13の上端にはヘッドレスト14が着脱可能に取付けられている。また、座部12の下側領域には、車幅方向に対向する一対のシートレール15が車両の前後方向に延びて設けられている。このシートレール15は、車両本体(熱伝達部材)F上に固定されるロアーレール15aと、座部12の下面に固定され、ロアーレール15aに対してその長手方向に摺動可能に配置され、ロアーレール15aに案内されるアッパーレール15bとから構成されている。このシートレール15により、車両の前後方向に助手席10を車両前後方向に位置調整可能としている。そして、本実施例の電源装置は、この一対のシートレール15の間の車両本体F上に、冷却液収容タンク50を介して配置される。
【0039】
次に、本実施例の電源装置1の放熱及び断熱について詳細に説明する。
【0040】
本実施例の電源装置1は、環境温度によって電源装置1(電池ユニット2)の温度が過度に上昇したり低下したりした場合に、電源装置1に対する車両本体Fからの伝熱及び車両本体Fへの伝熱を、冷却液収容タンク50に気体の断熱層を形成することにより制御する。
【0041】
本実施例の電源装置1では、電池ユニット2で発生した熱を冷却液4及びケース30を介して放熱し、また、車両本体Fに伝熱させて放熱し、電源装置1の放熱(冷却)を行っている。図1(A)は、電源装置1が車両本体Fを通じて放熱している場合を示した図である。
【0042】
図1(A)の状態において、例えば、夏場に車両本体Fが気温上昇とともに急激に過熱されると、電源装置1から車両本体Fを通じた放熱性が低下し、特に、車両本体Fの温度が電池ユニット2(冷却液4)の温度が高い場合、冷却液収容タンク50内に収容されている冷却液4を介して車両本体Fから電池ユニット2に熱が伝達され、電池ユニット2が、電池特性に対する電池ユニット2の適正温度範囲を超えた温度状態となる。
【0043】
そこで、本実施例の駆動手段60は、冷却液収容タンク50内の冷却液4をケース30内に移動させ、冷却液収容タンク50とケース30との間、言い換えれば、冷却液収容タンク50のうち電池ユニット2に対して車両本体F(熱伝達部材)側の領域に、気体の層ASを形成する(図1(B)参照、第1状態)。このとき、ケース30内の冷却液4の液面は、冷却液収容タンク50から移動してきた冷却液4の分だけ液面が上昇する(液面が高さH1上昇)。
【0044】
図1(B)は、冷却液収容タンク50内の冷却液4をケース30内に移動させた状態を示す図であり、冷却液収容タンク50内の冷却液4が、冷却液収容タンク50のケース30側の面に接触していない。このため、車両本体Fからの熱が冷却液4に伝達されても、冷却液4よりも熱伝導率が極めて低い気体の層ASが断熱層として機能し、電池ユニット2に対して車両本体Fからの熱が伝達され難く状態となる。なお、この気体の断熱層ASの厚さH2は、冷却液収容タンク50内の冷却液4が、冷却液収容タンク50のケース30側の面(ケース30と冷却液収容タンク50とが一体形成されている場合には(図6参照)、隔壁33)と接触しない程度の厚さであればよい。例えば、5mm程度の気体の層ASが形成されるように、駆動手段60により冷却液収容タンク50からケース30内に冷却液4を移動させるように構成する。
【0045】
したがって、図1(B)の状態では、冷却液収容タンク50内に形成された気体の層(断熱層)ASが、車両本体Fから電池ユニット2への熱伝達を遮断する。また、例えば、冬場に車両本体Fが気温低下とともに急激に冷却されると、電池ユニット2から車両本体Fへの伝熱が促進され、電池ユニット2の熱が過度に奪われてしまうことになる。この場合においても、好適な電池特性を得ることができる電池ユニット2の適正温度範囲外となり、具体的には、温度低下による電池ユニット2の発電/充電効率の低下、電池性能の劣化等の要因となる。しかしながら、このような場合であっても、図1(A)の状態から図1(B)の状態にすることで、電池ユニット2から車両本体Fへの伝熱が気体の層ASにより遮断され、電池ユニット2が過度に冷却されることはない。
【0046】
次に、図1(B)の状態において、車両本体Fの温度が過度に上昇したり、過度に低下していない場合の環境下では、車両本体Fを通じた電池ユニット2の放熱を行い、電源装置1の冷却効率を好適に維持する必要がある。このため、車両本体Fを通じた電源装置1の放熱を行うために、図1(B)の状態の状態から駆動手段60によりケース30内の冷却液4を冷却液収容タンク50内に移動させ、冷却液収容タンク50内に形成されていた気体の層ASを冷却液4で満たす(第2の状態)。
【0047】
図1(C)は、図1(B)の状態から、冷却液収容タンク50に冷却液4が移動し、冷却液収容タンク50内が冷却液4で満たされた状態を示している。すなわち、図1(A)と同じ状態となり、冷却液収容タンク50内の冷却液4が、冷却液収容タンク50のケース30側の面に接触している。このため、電池ユニット2から車両本体Fへの冷却液4を介した伝熱(放熱)が行われる。
【0048】
このように、冷却液収容タンク50内に形成された気体の層ASを満たすように冷却液4を、駆動手段によりケース30から冷却液収容タンク50に移動させることで、ケース30と車両本体Fとの断熱層ASとしての気体の層が消滅し、冷却液収容タンク50内の冷却液4が、ケース30と接触し、ケース30と車両本体Fとの断熱が解除され、電池ユニット2から車両本体Fへの熱伝達(放熱)を好適に行うことができる。
【0049】
また、本実施例では、図5に示すように、電池ユニット2の冷却に対して、駆動手段60がケース30内の冷却液4の攪拌を行うように構成されている。すなわち、図1(C)(又は図1(A))の状態において電池ユニット2の放熱を好適に行うために、駆動手段60には、第1流路O1から冷却液4を取り込み、第3流路O3からケース30内に排出させるための循環路が形成されている。このため、ケース30内の冷却液4が攪拌され、電池ユニット2を構成する複数の単電池20aの温度分布のバラツキを抑制することが可能となる。したがって、温度分布のバラツキによる電池ユニット2の性能劣化を低減することが可能となる。
【0050】
次に、図3及び図4を参照しながら、本実施例の電源装置1の制御方法について説明する。
【0051】
本実施例の電源装置1は、駆動手段60の制御ユニットを備え、この制御ユニットは、駆動手段60の制御手段としてのコントローラ100、車両本体Fに設置され、車両本体Fの温度を検出する第1の温度センサ103、電源装置1の電池ユニット2(若しくは、ケース30、冷却液4)の温度を検出する第2の温度センサ104、コントローラ100からの指示により駆動手段60のポンプ駆動を行うポンプ駆動回路101、コントローラ100からの指示より駆動手段60のバルブBの駆動を行うバルブ駆動回路102とを備える。
【0052】
そして、コントローラ100は、第1及び第2の温度センサ103、104により、電池ユニット2および車両本体Fの温度を検出して、検出された温度情報に基づいて駆動手段60の駆動制御を遂行する。
【0053】
図4に示すように、コントローラ100は、各温度センサ103、104の出力に基づいて、電池ユニット2及び車両本体Fの温度検出を行う(ステップS1)。検出された電池ユニット2の温度が、上閾値よりも高いか否かを判別し(ステップS2)、電池ユニット2の検出温度が上閾値よりも高い場合には、ステップS3に進み、また、上閾値よりも低い場合には、ステップS6に進む。
【0054】
ここで、本実施例の上閾値は、電池ユニット2の温度上昇に伴う電池特性の劣化を抑制する観点から予め設定された当該電池ユニット2の適正温度範囲における上閾値温度であり、例えば、60℃に設定することができる。
【0055】
次に、ステップS3において、コントローラ100は、電池ユニット2の検出温度が、上閾値よりも高いので、車両本体Fの検出温度との比較を行う。電池ユニット2の検出温度が車両本体Fの検出温度よりも低い場合には、ステップS4に進み、高い場合にはステップS5に進む。
【0056】
ステップS4において、コントローラ100は、ポンプ駆動回路101及びバルブ駆動回路102を介してポンプP及びバルブBを駆動することにより、図1(B)に示す状態(第1の状態)とする。
【0057】
より具体的には、コントローラ100は、バルブ駆動回路102を介して第3流路O3のバルブBを閉め、第2流路O2のバルブBを開ける。さらに、コントローラ100は、ポンプ駆動回路101を介して、冷却液収容タンク50内の冷却液4をケース30内に移動させるようにポンプPを駆動し、第2流路O2から第1流路O1へ冷却液4を流通させる。ここで、コントローラ100は、冷却液収容タンク50に気体の層ASが形成されるように、所定量の冷却液4を冷却液収容タンク50からケース30内に移動させる。
【0058】
そして、コントローラ100は、冷却液収容タンク50に気体の層ASが形成されるように、所定量の冷却液4を冷却液収容タンク50からケース30内に移動させた後に、第2流路O2のバルブBを閉めるように、バルブ駆動回路102に指示する(図1(B)の第1の状態)。
【0059】
また、ステップS5において、コントローラ100は、ポンプ駆動回路101及びバルブ駆動回路102を介してポンプPを駆動するとともに、第2流路O2のバルブBを開くように駆動することにより、図1(C)に示す状態(第2の状態)とする。このとき、コントローラ100は、冷却液収容タンク50内の冷却液4の液面、又はケース30内の冷却液4の液面を検出する不図示の液面センサの出力に基づいて、電源装置1が図1(A)に示す状態であるか、図1(C)に示す状態であるか否かを判別し、ステップ5において、図1(A)に示す状態(第2状態)である場合には、駆動手段60を駆動せずにこの状態を維持し、図1(B)に示す状態(第1状態)である場合には、ポンプ駆動回路101及びバルブ駆動回路102を介してポンプPを駆動するとともに、第2流路O2のバルブBを開くように駆動し、図1(C)の状態とする。
【0060】
一方、ステップS6では、電池ユニット2の検出温度が下閾値よりも低いか否かを判別する。ここで、電池ユニット2の検出温度が下閾値よりも低い場合にはステップS7に進み、高い場合にはステップS5に進む。
【0061】
ここで、上述した下閾値は、電池ユニット2の温度低下に伴う電池特性の劣化を抑制する観点から予め設定された当該電池ユニット2の適正温度範囲における下閾値温度であり、例えば、0℃に設定することができる。
【0062】
ステップS7では、電池ユニット2の検出温度が車両本体Fの検出温度よりも高いか否かを判別し、電池ユニット2の検出温度が車両本体Fの検出温度よりも高い場合には、ステップS4に進み、高い場合にはステップS5に進む。
【0063】
単電池20aにおける充放電によって、単電池20aが発熱すると、この熱は、冷却液4を介してケース30に伝達される。そして、ケース30に伝達された熱は、外部(大気中)に放出されることになる。その放熱経路は、ケース30周囲の空気等の気体に伝達されて放熱される経路と、ケース30から冷却液収容タンク50の冷却液4を介して車両本体Fに伝達されて放熱される経路とがあり、電源装置1が外部から熱をもらう場合も、この経路を逆に辿った経路となる。
【0064】
図1(A)に示す状態では、上述した車両本体Fを介した放熱経路によって、電池ユニット2で発生した熱を放出(放熱)させることができ、電池ユニット2の温度上昇を抑制することができる。これにより、温度上昇に伴って、単電池20aの電池特性が劣化してしまうのを抑制することができる。
【0065】
そして、上述のように、図1(A)に示す状態において、車両本体Fが過度に冷却された場合には、車両本体Fに接触する冷却液収容タンク50が冷却されるとともに、内部の冷却液4が冷却されることにより、電池ユニット2が過度に冷却されてしまう。これにより、単電池20aは、電池特性が劣化してしまうことがある。また、図1(A)に示す状態において、車両本体40が過度に加熱された場合には、車両本体Fに接触する冷却液収容タンク50が加熱されるとともに、内部の冷却液4が加熱されることにより、電池ユニット2が過度に加熱されてしまう。これにより、単電池20aは、電池特性が劣化してしまうことがある。
【0066】
そこで、本実施例では、電池ユニット2の検出温度が上閾値よりも高く、車両本体Fの検出温度が電池ユニット2の検出温度よりも高い場合や、電池ユニット2の検出温度が下閾値よりも低く、車両本体Fの検出温度が電池ユニット2の検出温度よりも低い場合に、駆動手段60を駆動して、冷却液収容タンク50内の冷却液4をケース30に移動させて、冷却液収容タンク50のケース30と接する面側に気体の層ASを形成する。このため、冷却液4が冷却液収容タンク50のケース30と接する面側に接しないので、電池ユニット2と車両本体Fとの間の熱伝達が行われ難い状態としている。
【0067】
また、本実施例では、駆動手段60により、ケース30内の冷却液4の攪拌し、電池ユニット2(冷却液4)の温度分布のバラツキを抑制する。
【0068】
すなわち、ケース30内の冷却液4の温度にバラツキがあると、電池ユニット2を構成する各単電池20aの温度にバラツキが生じ、単電池20a間で温度差による性能劣化に差が生じ、電池ユニット2全体の性能を劣化させることになる。このため、本実施例では、駆動手段60の第1流路O1から冷却液4を取り込み、第3流路O3からケース30内に排出させるための循環路を形成し、ケース30内の冷却液4を攪拌することで、電池ユニット2(冷却液4)の温度分布のバラツキを抑制する。
【0069】
具体的には、冷却液4(電池ユニット2)が、適正温度範囲における下閾値温度(例えば、0℃)から上閾値温度(例えば、60℃)の間にある場合には、常に、駆動手段60によるケース30内の冷却液4の攪拌を行うように制御することができる。また、ケース30内の冷却液4の温度を検出するための不図示の温度センサを、冷却液4の液面側(上側)と電池ユニット2の下方側と各々設け、ケース30内の冷却液4の上側と下側での温度差を検出する。そして、この温度差をコントローラ100が監視し、例えば、温度差が2℃以上である場合に、コントローラ100が、ポンプ駆動回路101を介してポンプPを駆動し、また、バルブ駆動回路102を介して第3流路O3のバルブBを開けて、冷却液4を第1流路O1から取り込み、第3流路O3からケース30内に排出させるように構成することもできる。
【0070】
なお、この駆動手段60によるケース30内の冷却液4の攪拌は、上述の電源装置1に対する車両本体Fからの伝熱及び車両本体Fへの伝熱を、冷却液収容タンク50に気体の断熱層ASを形成する制御すると独立して、また、並行させて行うことが可能である。
【0071】
例えば、図4のステップS2において、電池ユニット2の検出温度が上閾値よりも高い場合には、自動的に駆動手段60によるケース30内の冷却液4の攪拌を行うように制御し、また、図1(B)の状態においてもケース30内の冷却液4の攪拌を行うよう制御してもよい。また、電池ユニット2の検出温度が下閾値よりも低い場合は、駆動手段60による攪拌を行わないようにすることが好ましい。これは、攪拌作用によって、電池ユニット2の熱がより奪われ、適正温度範囲での好適な電池特性を維持することができないためである。
【0072】
このように、本実施例の駆動手段60は、ケース30と冷却液収容タンク50との間の冷却液4の移動を行うとともに、ケース30内の冷却液4を攪拌する。言い換えれば、ケース30内に冷却液4を攪拌するためのポンプ等が設けられている場合、このポンプにケース30と冷却液収容タンク50との間の冷却液4の移動を許容する流路(第1流路O1又は第3流路O3と第2流路O2とで形成される流路)を設けることで(冷却液攪拌用のポンプを流用して)、本実施例における電源装置を容易、かつ安価に実現することができる。
【0073】
(実施例2)
本発明の実施例2の電源装置は、上記実施例1の冷却液収容タンク50を、車両本体Fと接触しないケース周囲の非接触部、すなわち、ケース30の側面の配設している。なお、以下の説明において、上記実施例1と同様の部分については、同符号を付して説明を省略し、上記実施例1と異なる部分について、説明する。
【0074】
図7(A)及び図7(B)に示すように、本実施例のケース30aは、ロアーケース31に設けられた隔壁31aによって収納空間が2重構造となっており、電池ユニット2及び冷却液4が収容される収納空間S1と、この収納空間S1の周囲を取り囲むように形成され、冷却液4が収容される収納空間S3とを有する。すなわち、図7(B)に示すように、ケース30a内と冷却液4が直接に混ざり合うことなく、電源装置1の上面視において、収納空間S1の周囲に冷却液4が隔壁31aによって独立して配置されている。
【0075】
このロアーケース31の側壁と隔壁31aにより上記実施例1の冷却液収容タンク50に対応する冷却液収容手段(第2冷却液収容手段)が形成され、本実施例の冷却液収容手段は、熱伝達部材としての車両本体Fと接触せずに、電源装置1の周囲の空気(車両本体Fと接触しないケース周囲の非接触領域)と接触し、かつケース30の収容空間S1に接触して配置されている。なお、上記実施例1と同様に、本実施例の冷却液収容手段も、ケース30と独立して設けることもできる。
【0076】
図8は、本実施例の駆動手段60aを説明するための図であり、同図に示すように、収納空間S3とケース30a内の収納空間S1との間で冷却液4を移動させるために、第4流路O4が設けられている。このため、収容空間S1及び収納空間S3の冷却液4は、第4流路O4及び第1流路O1(又は第2流路O3)を介して移動することができる。なお、本実施例の冷却液収容手段は、冷却液収容タンク50と接しておらず、独立した構成となっているが、例えば、冷却液収容タンク50の収容空間S2と本実施例の冷却液収容手段の収納空間S3とが接するように隣接して設けられるように構成してもよい。
【0077】
そして、上記実施例1と同様に、図7(A)の状態において、例えば、夏場に電源装置1外であってケース30aに接する空気が気温上昇とともに急激に過熱され、又は冬場に気温低下とともに急激に冷却される場合、上述のように、電池ユニット2が、電池特性に対する電池ユニット2の適正温度範囲を超えた温度状態となる。
【0078】
そこで、本実施例の駆動手段60aは、収容空間S3を備えた冷却液収容手段内の冷却液4をケース30a内に移動させ、収容空間S1とケース30aの外部の空気との間、言い換えれば、電池ユニット2の周囲に気体の層ASを形成する(図7(C)参照、第3の状態)。このとき、ケース30a内の冷却液4の液面は、冷却液収容タンク50から移動してきた冷却液4と本実施例の冷却液収容手段から移動してきた冷却液4の分だけ液面が上昇する(液面が高さH3上昇)。
【0079】
図7(C)は、冷却液収容タンク50内の冷却液4をケース30a内に移動させ、かつ本実施例の冷却液収容手段内の冷却液4をケース30a内に移動させた状態を示す図である。このように、本実施例の冷却液収容手段により形成された気体の層AS(断熱層)が、電源装置1の外部の空気との熱伝達を遮断し、かつ冷却液収容タンク50により形成された気体の層AS(断熱層)が、車両本体Fから電池ユニット2への熱伝達を遮断する。つまり、ケース30aの収容空間S1内の未充填領域TSとともに、電池ユニット2の全周囲が、気体の層により囲まれ、例えば、冬場に車両本体Fが気温低下とともに急激に冷却されると、電池ユニット2から車両本体F及び電源装置1外部の空気への伝熱が促進され、電池ユニット2の熱が過度に奪われてしまうことなく、また、夏場に車両本体Fが気温上昇とともに急激に加熱され、電池ユニット2に対して車両本体F及び電源装置1外部の空気から熱が伝達されて電池ユニット2に熱が過度に供給されてしまうことない。
【0080】
なお、上記実施例1と同様に、図7(C)の状態から、コントローラ100により、図7(A)の状態とする駆動手段60aの制御が行われ、ポンプ駆動回路101及びバルブ駆動回路102を介してポンプPを駆動するとともに、第3流路O3のバルブBを開くように駆動することにより(第2流路O2への冷却液4の流動をさせつつ、又はさせないで)、図6(A)に示す状態(第4の状態)とことができる。
【0081】
また、本実施例の第2冷却液収容手段は、上記実施例1のケース30の外周面に設けられる放熱フィンに適用することも可能である。すなわち、ケース30の外周面に設けられる放熱フィンを中空に形成し、冷却液4を充填可能な空間を設ける。そして、駆動手段60により放熱フィン内に冷却液4をケース30内に移動させ、また、ケース30内の冷却液4を放熱フィン内に移動させることができる。この場合においても、上述と同様に効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の実施例1における電源装置の断面図を示す図であり、放熱及び断熱を説明するための図である。
【図2】本発明の実施例1における駆動手段の構成図である。
【図3】本発明の実施例1における制御ユニットの内部構成を示す図である。
【図4】本発明の実施例1における電源装置の制御フローを説明するためのフローチャート図である。
【図5】本発明の実施例1におけるケース内の冷却液の攪拌の様子を説明するための断面図である。
【図6】本発明の実施例1における電源装置の変形例を示す図である。
【図7】本発明の実施例2における電源装置の断面図を示す図であり、放熱及び断熱を説明するための図である。
【図8】本発明の実施例2における駆動手段の構成図である。
【図9】本発明の電源装置が車両内の座席の下方に配置された場合の配置構成を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
【0083】
2 電池ユニット
4 冷却液
30 ケース
50 冷却液収容タンク
60 駆動手段
P ポンプ
B バルブ
F 車両本体(熱伝達部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源体と、
前記電源体及び該電源体の冷却に用いられる冷却液を収容するケースと、
前記ケースと熱伝達部材とに接触し、内部に前記冷却液を収容する冷却液収容手段と、
前記冷却液収容手段の冷却液を前記ケース内に移動させるとともに、前記ケース内の冷却液を前記冷却液収容手段内に移動させるための駆動手段と、を有し、
前記駆動手段は、前記冷却液収容手段内の冷却液を前記ケースに移動させて、前記冷却液収容手段のうち前記電源体に対して前記熱伝達部材側の領域に気体の層を形成する第1の状態と、該第1の状態に対して前記ケース内の冷却液を前記冷却液収容手段に移動させて、前記領域内を冷却液で満たす第2の状態との間で動作することを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記駆動手段は、
冷却液を移動させるポンプと、
前記ポンプに接続され、前記ケースと前記冷却液収容手段との間の冷却液の移動を許容する第1流路と、
前記ポンプに接続され、前記ケース内の冷却液を循環させるための第2流路と、を有することを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
前記ポンプは、前記ケース内に配置されることを特徴とする請求項2に記載の電源装置。
【請求項4】
前記駆動手段の駆動を制御する制御手段を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の電源装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記電源体及び前記熱伝達部材の温度に関する情報に基づいて、前記駆動手段の駆動を制御することを特徴とする請求項4に記載の電源装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記第2流路を介して前記ケース内の冷却液を循環させるように、前記駆動手段を制御することを特徴とする請求項5に記載の電源装置。
【請求項7】
前記熱伝達部材と接触しない前記ケース周囲の非接触部に接触し、内部に前記冷却液を収容する第2冷却液収容手段をさらに有し、
前記駆動手段は、前記第2冷却液収容手段内の冷却液を前記ケースに移動させて、前記電源体に対して前記周囲との間に気体の層を形成する第3の状態と、該第3の状態に対して前記ケース内の冷却液を前記第2冷却液収容手段に移動させて、前記領域内を冷却液で満たす第4の状態との間で動作することを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の電源装置。
【請求項8】
前記駆動手段は、前記ポンプに接続され、前記ケースと前記第2冷却液収容手段との間の冷却液の移動を許容する第3流路をさらに有することを特徴とする請求項7に記載の電源装置。
【請求項9】
前記熱伝達部材が車両本体であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1つに記載の電源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−9730(P2009−9730A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−167624(P2007−167624)
【出願日】平成19年6月26日(2007.6.26)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】