説明

電源装置

【課題】電源の供給を停止させる際にイレギュラーな操作が行われた場合であっても、より確実に、電源供給先へ電源の供給を継続する。
【解決手段】主電源スイッチ14と並列に接続されたリレー接点16g、及び励磁状態でリレー接点16gを閉にし、励磁状態が解除されたときにリレー接点16gを開にする励磁コイル16fを備えたリレー16eと、主電源スイッチ14がオン状態で副電源スイッチ17がオン操作されたときに、励磁コイル16fを励磁して励磁状態を保持し、副電源スイッチ17がオフ操作された場合に励磁コイル16fの励磁状態を解除するようにリレー16eを駆動する駆動手段とを備える

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、記憶装置を備え、DC電源回路への電源供給ラインに対して電源SWと並列にトライアックを設け、その駆動制御は制御基板のCPUにより行うようにした画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−44228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来技術と比較して、電源の供給を停止させる際にイレギュラーな操作が行われた場合であっても、より確実に、電源供給先へ電源の供給を継続することができる電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明の電源装置は、オンオフ操作されると共に電源に接続された主電源スイッチと、オンオフ操作される副電源スイッチと、前記主電源スイッチと電源供給先との間に前記主電源スイッチと直列に接続された電源供給スイッチと、前記主電源スイッチと並列に接続されたリレー接点、及び励磁状態で前記リレー接点を閉にし、励磁状態が解除されたときに前記リレー接点を開にする励磁コイルを備えたリレーと、前記主電源スイッチがオン状態で前記副電源スイッチがオン操作されたときに、前記電源供給スイッチがオンになり、前記副電源スイッチがオフ操作されたときに、前記電源供給スイッチがオフになるように制御する制御手段と、前記主電源スイッチがオン状態で前記副電源スイッチがオン操作されたときに、前記励磁コイルを励磁して励磁状態を保持し、前記副電源スイッチがオフ操作された場合に前記励磁コイルの励磁状態を解除するように前記リレーを駆動する駆動手段とを備えている。
【0006】
また、請求項2記載の発明の電源装置は、請求項1記載の発明において、前記駆動手段を、前記副電源スイッチがオフ操作された場合に、該オフ操作されてから予め定められた時間が経過した後に前記励磁コイルの励磁状態を解除するように前記リレーを駆動するようにしたものである。
【0007】
また、請求項3記載の発明の電源装置は、請求項1記載の発明の電源装置または請求項2記載の発明の電源装置において、前記電源供給先を、情報を記憶する記憶手段とし、前記制御手段を、前記記憶手段に情報を記憶させるための処理を実行する処理実行装置を含むようにしたものである。
【0008】
また、請求項4記載の発明の電源装置は、請求項3記載の発明の電源装置において、前記処理実行装置を、更に、前記副電源スイッチがオン状態で前記主電源スイッチがオフ操作された場合には、前記副電源スイッチがオン状態で前記主電源スイッチがオフ操作されたことを示す情報を記憶するように制御する処理を実行するようにしたものである。
【0009】
また、請求項5記載の発明の電源装置は、請求項4記載の発明の電源装置において、前記処理実行装置を、更に、前記主電源スイッチがオン状態で前記副電源スイッチがオン操作されて前記電源供給スイッチがオン状態になった場合に、前記情報が記憶されていたときには、前記副電源スイッチがオン状態で前記主電源スイッチがオフ操作されたことを示す情報を報知するように制御する処理を実行するようにしたものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の発明によれば、副電源スイッチがオン状態で主電源スイッチがオフ操作された場合であっても、電源供給先に電源を供給し続けることができる。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、副電源スイッチがオフ操作されてから、予め定められた時間が経過するまで、電源供給先に電源を供給し続けることができる。
【0012】
請求項3記載の発明によれば、副電源スイッチがオン状態で主電源スイッチがオフ操作された場合であっても、記憶手段に記憶される情報が一部欠落することなどを防止することができる。
【0013】
請求項4記載の発明、及び請求項5記載の発明によれば、副電源スイッチがオン状態で主電源スイッチがオフ操作されたことをユーザ等が認識することができる。これにより、ユーザ等は、副電源スイッチがオン状態で主電源スイッチがオフ操作されたことによる異常が発生していないかを確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施の形態における電源装置の概略構成図である。
【図2】正しい順番で電源スイッチを操作した場合のシーケンス図である。
【図3】正しい順番で電源スイッチを操作した場合の信号の状態を示す図である。
【図4】誤った順番で電源スイッチを操作した場合のシーケンス図である。
【図5】誤った順番で電源スイッチを操作した場合の信号の状態を示す図である。
【図6】本実施の形態のコントローラ部が実行する異常状態検出処理のフローチャートである。
【図7】変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を画像形成装置の電源装置に適用した場合の実施形態について説明する。
【0016】
図1は、本実施の形態における画像形成装置の電源装置10の概略構成図である。なお、本実施の形態では、本発明の主要な部分について説明する。
【0017】
図1に示すように、電源装置10は、商用電源(例えばAC100V/200V)の電力を供給するためのコンセントから電源コード12によって、電源装置10に商用電源から電力が供給される。すなわち、交流電源から交流電圧が電源装置10に入力される。
【0018】
電源装置10は、上記電源コード12、オンオフ操作される主電源スイッチ14、直流電源生成部(LVPS)16、オンオフ操作される副電源スイッチ17、主電源スイッチ状態検出部18、メインコントローラユニット(MCU)20、バックプレーン(Backplane)22、及びコントローラ部(ESS)24を備えている。
【0019】
主電源スイッチ14の一端14aは電源コード12を介して電源と接続されており、他端14bは、詳細を以下で説明する直流電源生成部16の第1の直流電源生成回路16a、第2の直流電源生成回路16b、及び第3の直流電源生成回路16cと接続されている。すなわち、主電源スイッチ14は、オンオフ操作されると共に電源に接続されており、これにより、主電源スイッチ14がオン状態である場合には、第1の直流電源生成回路16a、第2の直流電源生成回路16b、及び第3の直流電源生成回路16cへ交流電圧(交流電源)を供給可能である。
【0020】
直流電源生成部16は、第1の直流電源生成回路16a、第2の直流電源生成回路16b、第3の直流電源生成回路16c、NPN型のトランジスタ16d、及びリレースイッチ16eを備えている。
【0021】
第1の直流電源生成回路16aは、供給された交流電圧を直流電圧(+5V)に変換してコントローラ部24に出力する。なお、本実施の形態では、この直流電圧は、待機モード(スタンバイモード)時の電圧である。
【0022】
第2の直流電源生成回路16bは、スイッチング素子を含んで構成されており、詳細を以下で説明するPNP型のトランジスタ24cのコレクタ端子に抵抗24dを介して接続されている。第2の直流電源生成回路16bは、詳細を以下で説明するCPU(Central Processing Unit)24bから出力される信号の状態に応じて、オンまたはオフを示す信号を出力するPNP型のトランジスタ24cからオンを示す信号(LOW)が出力された場合には、供給された交流電圧を直流電圧(+5V)に変換して、メインコントローラユニット20、情報を記憶する記憶手段としてのHDD26、及びコントローラ部24等の電源供給先に出力する。なお、本実施の形態では、この直流電圧は、通常モード時の制御系の負荷に印加(供給)するためのものであり、電源供給先は、例えば、制御系の負荷である。また、第2の直流電源生成回路16bは、主電源スイッチ14と電源供給先との間に、主電源スイッチ14と直列に接続されている。
【0023】
第3の直流電源生成回路16cは、スイッチング素子を含んで構成されており、PNP型のトランジスタ24cのコレクタ端子に抵抗24dを介して接続されている。第3の直流電源生成回路16bは、PNP型のトランジスタ24cからオンを示す信号(LOW)が出力された場合には、供給された交流電圧を直流電圧(+24V)に変換して、コントローラ部24、原稿から画像を読取って画像情報を取得する画像読取装置(図示せず)、及び用紙上に画像を形成して出力する画像出力装置(図示せず)等の電源供給先に出力する。なお、本実施の形態では、この直流電圧は、通常モード時の駆動系の負荷に印加(供給)するためのものであり、電源供給先は、例えば、駆動系の負荷である。また、第3の直流電源生成回路16cは、主電源スイッチ14と電源供給先との間に、主電源スイッチ14と直列に接続されている。
【0024】
ここで、第2の直流電源生成回路16b及び第3の直流電源生成回路16cにオンを示す信号が抵抗24を介してトランジスタ24cから入力されている場合には、第2の直流電源生成回路16b及び第3の直流電源生成回路16cの状態をオンとし、第2の直流電源生成回路16b及び第3の直流電源生成回路16cにオフを示す信号が抵抗24を介してトランジスタ24cから入力されている場合には、第2の直流電源生成回路16b及び第3の直流電源生成回路16cの状態をオフとする。
【0025】
なお、第2の直流電源生成回路16b及び第3の直流電源生成回路16cは、本発明の電源供給スイッチに対応する。
【0026】
NPN型のトランジスタ16dのエミッタ端子は接地されており、NPN型のトランジスタ16dのベース端子は、詳細を以下で説明するPNP型のトランジスタ20aのコレクタ端子に接続されており、NPN型のトランジスタ16dのコレクタ端子は、詳細を以下で説明するリレースイッチ16eの励磁コイル16fの一端16f_aに接続されている。
【0027】
リレースイッチ16eは、励磁コイル16f、及びリレー接点16gを備えている。
【0028】
リレー接点16gは、主電源スイッチ14と配線を介して電気的に並列に接続されている。
【0029】
励磁コイル16fの他端16f_bには、上記第1の電源生成回路16aが接続されており、これにより励磁コイル16fに、第1の電源生成回路16aによって直流電圧(+5V)が印加可能となる。励磁コイル16fに電流が流れると励磁コイル16fは励磁状態となる。励磁コイル16fは、励磁状態でリレー接点16gを閉にし、励磁状態が解除されたときにリレー接点16gを開にする。
【0030】
なおリレースイッチ16eは、本発明のリレーに対応する。
【0031】
副電源スイッチ17の一端17aは接地されており、他端17bは、抵抗20bの一端20b_aに接続されている。
【0032】
主電源スイッチ状態検出部18は、主電源スイッチ14の状態を検出するためのものであり、CPU24bに接続されている。主電源スイッチ状態検出部18は、主電源スイッチ14がオン状態である場合には、主電源スイッチ14がオン状態であることを示す信号(例えばHIの信号)をCPU24bに出力し、主電源スイッチ14がオフ状態である場合には、主電源スイッチ14がオフ状態であることを示す信号(例えばLOWの信号)をCPU24bに出力する。
【0033】
メインコントローラユニット20は、PNP型のトランジスタ20a、及び抵抗20bを備えている。
【0034】
PNP型のトランジスタ20aのエミッタ端子は3.3Vの電源に接続されており、PNP型のトランジスタ20aのベース端子は抵抗20bの他端20b_bに接続されている。また、抵抗20bの一端20b_aには、コントローラ部24の副電源スイッチ状態検出回路24aが接続されている。
【0035】
コントローラ部24は、副電源スイッチ状態検出回路24a、CPU24b、PNP型のトランジスタ24c、及び抵抗24dを備えている。
【0036】
副電源スイッチ状態検出回路24aは、反転回路24a_a、及び一端が3.3Vの電源に接続されたプルアップ用の抵抗24a_bを備えている。
【0037】
反転回路24a_aの入力端子は、抵抗20bの一端20b_aに接続されている。反転回路24a_aは、入力端子に入力された信号の状態を反転させて出力端子から出力する。反転回路24a_aの出力端子は、CPU24b及びプルアップ用の抵抗24a_bの他端に接続されている。
【0038】
従って、本実施の形態の副電源スイッチ状態検出回路24aは、副電源スイッチ17がオン操作されてオン状態になると、副電源スイッチ17がオン状態であることを示す信号(HI)をCPU24bに出力する。また、本実施の形態の副電源スイッチ状態検出回路24aは、副電源スイッチ17がオフ操作されてオフ状態になると、副電源スイッチ17がオフ状態であることを示す信号(LOW)をCPU24bに出力する。
【0039】
CPU24bは、画像形成装置全体の動作を司るものである。CPU24bは、PNP型のトランジスタ24cのベースに接続されている。本実施の形態のCPU24bは、例えば、副電源スイッチ状態検出回路24aから副電源スイッチ17がオン状態であることを示す信号(HI)が入力されると、第2の直流電源生成回路16b及び第3の直流電源生成回路16cから直流電源が出力されるように、PNP型のトランジスタ24cのベース端子にLOWの信号を出力する。また、本実施の形態のCPU24bは、例えば、副電源スイッチ状態検出回路24aから副電源スイッチ17がオフ状態であることを示す信号(LOW)が入力されると、HDD26に記憶させるための情報の退避や電源オフに必要な各退避動作を行う。
【0040】
PNP型のトランジスタ24cのエミッタ端子には3.3Vの電源が接続されている。また、上述したように、PNP型のトランジスタ24cのコレクタ端子には、抵抗24dを介して、第2の直流電源生成回路16b及び第3の直流電源生成回路16cが接続されている。従って、CPU24bからPNP型のトランジスタ24cのベース端子にLOWの信号が入力されると、第2の直流電源生成回路16b及び第3の直流電源生成回路16cの各々は、交流電圧を直流電圧に変換して、各々の電源供給先に供給する。
【0041】
また、CPU24bは、記憶手段としてのHDD26に情報を記憶させるための処理を実行する。
【0042】
また、CPU24bは、副電源スイッチ状態検出回路24aからの信号が示す状態が、副電源スイッチ17がオン状態であることを示している状態で、主電源スイッチ状態検出部18からの信号が示す状態が、主電源スイッチ14がオン状態からオフ状態に変化した場合には、イレギュラーな操作が行われたと判断して、副電源スイッチ17がオン状態で主電源スイッチ14がオフ操作されたことを示す情報を不揮発性のメモリ(図示せず)に記憶するように制御する処理を実行する。CPU24bは、例えば、副電源スイッチ状態検出回路24aからの信号が示す状態が、副電源スイッチ17がオン状態であることを示している状態で、主電源スイッチ状態検出部18からの信号が示す状態が、主電源スイッチ14がオン状態からオフ状態に変化した場合には、メモリ上の所定のフラグ(初期値として0が設定されたフラグ)の値を1に設定する処理を実行する。このフラグが1に設定されている場合には、副電源スイッチ17がオン状態で主電源スイッチ14がオフ操作されたと判断される。すなわち、本実施の形態のCPU24bは、副電源スイッチ17がオン状態で主電源スイッチ14がオフ操作された場合には、副電源スイッチ17がオン状態で主電源スイッチ14がオフ操作されたことを示す情報を記憶するように制御する処理を実行する。なお、このような処理の一例として、図6に示す異常状態検出処理がある。この異常状態検出処理については、以下で詳細を説明する。
【0043】
また、CPU24bは、主電源スイッチ状態検出部18からの信号が示す状態が、主電源スイッチ14がオン状態であることを示している状態で、副電源スイッチ状態検出回路24aからの信号が示す状態が、副電源スイッチ17がオフ状態からオン状態に変化した場合に、上記の情報(副電源スイッチ17がオン状態で主電源スイッチ14がオフ操作されたことを示す情報)がメモリに記憶されていたときには、副電源スイッチ17がオン状態で主電源スイッチ14がオフ操作されたことを示す情報を報知するように制御する。例えば、CPU24bは、主電源スイッチ14がオン状態であることを示している状態で、副電源スイッチ状態検出回路24aからの信号が示す状態が、副電源スイッチ17がオフ状態からオン状態に変化した場合に、上記の副電源スイッチ17がオン状態で主電源スイッチ14がオフ操作されたことを示す情報がメモリに記憶されていたときには、副電源スイッチ17がオン状態で主電源スイッチ14がオフ操作されたことを示す情報として、メッセージ「副電源スイッチ17がオン状態で主電源スイッチ14がオフ操作されました」を表示装置(図示せず)に表示するように制御する処理を実行するか、または、音声「副電源スイッチ17がオン状態で主電源スイッチ14がオフ操作されました」が出力されるように音声出力装置(図示せず)を制御する処理を実行する。すなわち、本実施の形態のCPU24bは、主電源スイッチ14がオン状態で副電源スイッチ17がオン操作されて電源供給スイッチとしての第2の直流電源生成回路16b及び第3の直流電源生成回路16cがオン状態になった場合に、上記の情報が記憶されていたときには、副電源スイッチ17がオン状態で主電源スイッチ14がオフ操作されたことを示す情報を報知するように制御する処理を実行する。なお、CPU24bは、本発明の処理実行装置に対応する。
【0044】
次に、本実施の形態の電源装置10の動作について説明する。図2は、図3に示すように、主電源スイッチ14がオン状態で副電源スイッチ17がオン操作され、そして、主電源スイッチ14がオン状態のときに副電源スイッチ17がオフ操作された場合、すなわち、通常の操作が行われた場合における、図1に示すA、B、C、D、E、及びFの各部位の信号の状態を示す図である。図2に示すように、主電源スイッチ14がオン状態で副電源スイッチ17がオン操作されたときに、電源供給スイッチとしての第2の直流電源生成回路16b及び第3の直流電源生成回路16cがオンになり、副電源スイッチ17がオフ操作されたときに、第2の直流電源生成回路16b及び第3の直流電源生成回路16cがオフになるように、コントローラ部24(より具体的には副電源スイッチ状態検出回路24a、CPU24b、トランジスタ24c、及び抵抗24d)が制御する。なお、副電源スイッチ状態検出回路24a、CPU24b、トランジスタ24c、及び抵抗24dは、本発明の制御手段に対応する。
【0045】
また、図2に示すように、主電源スイッチ14がオン状態で副電源スイッチ17がオン操作されたときに、励磁コイル16fを励磁して励磁状態を保持することによりリレー接点16gを閉にし、副電源スイッチ17がオフ操作された場合に励磁コイル16fの励磁状態を解除するように、メインコントローラユニット20(より具体的にはトランジスタ20a、及び抵抗20b)及びトランジスタ16dがリレースイッチ16eを駆動する。なお、メインコントローラユニット20(より具体的にはトランジスタ20a、及び抵抗20b)及びトランジスタ16dは、本発明の駆動手段に対応する。
【0046】
図4は、図5に示すように、主電源スイッチ14がオン状態で副電源スイッチ17がオン操作され、そして、副電源スイッチ17がオン状態のときに主電源スイッチ14がオフ操作された場合、すなわち、イレギュラーな操作(電源を落とすときに、オフ操作するスイッチの順番を間違えた場合)が行われた場合における、図1に示すA、B、C、D、E、及びFの各部位の信号の状態を示す図である。
【0047】
図4に示すように、イレギュラーな操作が行われた場合であっても、副電源スイッチ17がオン状態の場合には、励磁コイル16fが励磁されて励磁状態が保持されて、リレー接点16gが閉にされているので、主電源スイッチ14がオフ操作されても電源供給先への電源の供給が継続される。
【0048】
次にCPU24bが実行する処理の一例である異常状態検出処理を、図6を参照して説明する。なお、この異常状態検出処理は、例えば、主電源スイッチ14がオン状態で副電源スイッチ17がオン操作されて通常モードになったときに実行が開始される。
【0049】
まず、ステップ100で、主電源スイッチ状態検出部18からの信号を所定時間間隔で取込むことを開始する。これにより、以降、所定時間間隔で主電源スイッチ状態検出部18からの信号が取込まれる。
【0050】
次のステップ102では、副電源スイッチ状態検出回路24aからの信号を所定時間間隔で取込むことを開始する。これにより、以降、所定時間間隔で副電源スイッチ状態検出回路24aからの信号が取込まれる。
【0051】
次のステップ104では、副電源スイッチ状態検出回路24aからの信号が、副電源スイッチ17がオン状態であることを示し、かつ主電源スイッチ状態検出部18からの信号が、主電源スイッチ14がオフ状態になったことを示すか否かを判定する。
【0052】
ステップ104で、副電源スイッチ状態検出回路24aからの信号が、副電源スイッチ17がオフ状態であることを示すか、または、主電源スイッチ状態検出部18からの信号が、主電源スイッチ14がオン状態であることを示すと判定された場合には、再度、同様の判定を行う。
【0053】
一方、ステップ104で、副電源スイッチ状態検出回路24aからの信号が、副電源スイッチ17がオン状態であることを示し、かつ主電源スイッチ状態検出部18からの信号が、主電源スイッチ14がオフ状態になったことを示すと判定された場合には、次のステップ106へ進む。
【0054】
ステップ106では、フラグの値を1に設定する。そして、異常状態検出処理を終了する。
【0055】
以上、本実施の形態の電源装置10について説明した。
【0056】
なお、図7に示すように、トランジスタ16dとトランジスタ20aとの間に、入力された信号の状態を予め定められた時間遅らせて出力する遅延回路30を設けても良い。なお、この時間は、例えば、上記のHDD26に記憶させるための情報の退避や電源オフに必要な各退避動作を行う際に必要な時間となるように設定しておけばよい。これにより、副電源スイッチ17がオフ操作されてから、予め定められた時間が経過するまで、電源供給先に電源を供給し続ける。遅延回路30もまた、本発明の制御手段の一部を構成する。
【符号の説明】
【0057】
10 電源装置
14 主電源スイッチ
16 直流電源生成部
16b 第2の直流電源生成回路
16c 第3の直流電源生成回路
16e リレースイッチ
16f 励磁コイル
16g リレー接点
20 メインコントローラユニット
24 コントローラ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オンオフ操作されると共に電源に接続された主電源スイッチと、
オンオフ操作される副電源スイッチと、
前記主電源スイッチと電源供給先との間に前記主電源スイッチと直列に接続された電源供給スイッチと、
前記主電源スイッチと並列に接続されたリレー接点、及び励磁状態で前記リレー接点を閉にし、励磁状態が解除されたときに前記リレー接点を開にする励磁コイルを備えたリレーと、
前記主電源スイッチがオン状態で前記副電源スイッチがオン操作されたときに、前記電源供給スイッチがオンになり、前記副電源スイッチがオフ操作されたときに、前記電源供給スイッチがオフになるように制御する制御手段と、
前記主電源スイッチがオン状態で前記副電源スイッチがオン操作されたときに、前記励磁コイルを励磁して励磁状態を保持し、前記副電源スイッチがオフ操作された場合に前記励磁コイルの励磁状態を解除するように前記リレーを駆動する駆動手段と、
を備えた電源装置。
【請求項2】
前記駆動手段は、前記副電源スイッチがオフ操作された場合に、該オフ操作されてから予め定められた時間が経過した後に前記励磁コイルの励磁状態を解除するように前記リレーを駆動する請求項1記載の電源装置。
【請求項3】
前記電源供給先を、情報を記憶する記憶手段とし、
前記制御手段は、前記記憶手段に情報を記憶させるための処理を実行する処理実行装置を含む請求項1または請求項2記載の電源装置。
【請求項4】
前記処理実行装置は、更に、前記副電源スイッチがオン状態で前記主電源スイッチがオフ操作された場合には、前記副電源スイッチがオン状態で前記主電源スイッチがオフ操作されたことを示す情報を記憶するように制御する処理を実行する請求項3記載の電源装置。
【請求項5】
前記処理実行装置は、更に、前記主電源スイッチがオン状態で前記副電源スイッチがオン操作されて前記電源供給スイッチがオン状態になった場合に、前記情報が記憶されていたときには、前記副電源スイッチがオン状態で前記主電源スイッチがオフ操作されたことを示す情報を報知するように制御する処理を実行する請求項4記載の電源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−198178(P2010−198178A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−40666(P2009−40666)
【出願日】平成21年2月24日(2009.2.24)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】