説明

電源装置

【課題】小型化できる電源装置を得る。
【解決手段】制御回路310は、電圧検出手段311が第1バッテリー1の電圧Vs1を検知して、電圧Vs1が第1の値V1未満の場合は、第1スイッチング素子112を閉じることにより第1バッテリー1と第2バッテリー111の電圧の和をDC/DCコンバータ210に印加してさらに昇圧し負荷4に供給する。電圧Vs1が第1の値V1以上で第2の値V2未満の場合は、第1スイッチング素子112を開きかつDC/DCコンバータ210を動作させる。電圧Vs1が第2の値V2以上の場合は、第1スイッチング素子112を開きかつDC/DCコンバータ210を停止し、第1バッテリー1の電圧をそのまま負荷4に印加する。一時的な電圧降下を第2バッテリー111の電圧Vs2で補償できるので、DC/DCコンバータ210の容量を小さくでき、小形化が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源装置例えば車両に搭載される電源装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
バッテリーを有し、あるタイミングだけバッテリーの電圧が低下する電源装置、例えば車両の停車時にエンジンを止めるアイドリングストップシステムなどの電源装置において、バッテリーの電圧が低下することによって、バッテリーによって動作している機器に悪影響を及ぼすため、低下したバッテリー電圧を昇圧するDC/DCコンバータが必要となる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−237501公報(段落番号0017〜0023及び図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の電源装置は以上のように構成され、自動車のアイドリングストップシステムのように、短時間急激にバッテリー電圧が下がって、その後ある程度バッテリー電圧が復帰するシステムに使用する場合、短時間であっても、バッテリー電圧の低下が最も大きい期間に合わせてDC/DCコンバータを設計しなければならず、大型のDC/DCコンバータを使用しなければならなかった。
【0005】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたものであり、小型化を図ることのできる電源装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る電源装置においては、
第1の直流電圧源と直列電圧源装置と直流−直流変換装置と制御装置とを有する電源装置であって、
上記直列電圧源装置は、第2の直流電圧源と切り換え手段とを有し、
上記直流−直流変換装置は、入力端子と出力端子と昇圧回路とを有し、上記昇圧回路は上記入力端子に入力された直流電圧を昇圧して上記出力端子から出力するとともに動作していないときは上記入力端子と上記出力端子との間が導通するようにされたものであり、
上記直流−直流変換装置の上記入力端子が上記直列電圧源装置を介して上記第1の直流電圧源に接続され、上記出力端子に負荷が接続されるものであり、
上記制御装置は、上記切り換え手段を制御して上記第1の直流電圧源と上記第2の直流電圧源とが直列接続され上記第1の直流電圧源の電圧と上記第2の直流電圧源の電圧とが加算された電圧が上記入力端子に印加される第1の状態と上記第1の直流電圧源の電圧が単独で上記入力端子に印加される第2の状態とを切り換えるとともに上記昇圧回路の動作を制御するものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明は、
第1の直流電圧源と直列電圧源装置と直流−直流変換装置と制御装置とを有する電源装置であって、
上記直列電圧源装置は、第2の直流電圧源と切り換え手段とを有し、
上記直流−直流変換装置は、入力端子と出力端子と昇圧回路とを有し、上記昇圧回路は上記入力端子に入力された直流電圧を昇圧して上記出力端子から出力するとともに動作していないときは上記入力端子と上記出力端子との間が導通するようにされたものであり、
上記直流−直流変換装置の上記入力端子が上記直列電圧源装置を介して上記第1の直流電圧源に接続され、上記出力端子に負荷が接続されるものであり、
上記制御装置は、上記切り換え手段を制御して上記第1の直流電圧源と上記第2の直流電圧源とが直列接続され上記第1の直流電圧源の電圧と上記第2の直流電圧源の電圧とが加算された電圧が上記入力端子に印加される第1の状態と上記第1の直流電圧源の電圧が単独で上記入力端子に印加される第2の状態とを切り換えるとともに上記昇圧回路の動作を制御するものであるので、小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1である電源装置の構成を示す構成図である。
【図2】図1の電源装置の動作を説明するための説明図である。
【図3】実施の形態2である電源装置の構成を示す構成図である。
【図4】実施の形態3である電源装置の構成を示す構成図である。
【図5】実施の形態4である電源装置の構成を示す構成図である。
【図6】実施の形態5である電源装置の構成を示す構成図である。
【図7】実施の形態6である電源装置の構成を示す構成図である。
【図8】実施の形態7である電源装置の構成を示す構成図である。
【図9】実施の形態8である電源装置の構成を示す構成図である。
【図10】実施の形態9である電源装置の構成を示す構成図である。
【図11】実施の形態10である電源装置の構成を示す構成図である。
【図12】実施の形態11である電源装置の構成を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1及び図2は、この発明を実施するための実施の形態1を示すものであり、図1は電源装置の構成を示す構成図、図2は動作を説明するための説明図である。図1において、電源装置11は直列電圧源回路110と直流−直流変換装置としてのDC/DCコンバータ210と制御回路310とを有する。直列電圧源回路110は、第2の直流電圧源及び蓄電手段及び二次電池としての第2バッテリー111と開閉手段としての第1スイッチング素子112と一方向導通手段としての第1ダイオード113とを有する。なお、第1スイッチング素子112と第1ダイオード113とが、この発明における切り換え手段である。この実施の形態においては、第1スイッチング素子112として、並列接続された寄生ダイオードを有するMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)が用いられている。そして、第2バッテリー111の負側に第1スイッチング素子112のソースが接続され、第2バッテリー111と第1スイッチング素子112とが直列に接続された形になっている。第2バッテリー111の正側に第1ダイオード113のカソードが接続され、第1スイッチング素子112のドレイン側に第1ダイオード113のアノードが接続され、第2バッテリー111と第1スイッチング素子112との直列回路に第1ダイオード113が並列に接続されている。
【0010】
DC/DCコンバータ210は、一般的な昇圧DC/DCコンバータであり、第1インダクタ211、第2スイッチング素子212、第2ダイオード213、平滑コンデンサ214、正側及び負側の入力端子215a,215b、正側及び負側の出力端子216a,216bを有する。第2スイッチング素子212として、並列接続された寄生ダイオードを有するMOSFETが用いられている。第1インダクタ211と第2スイッチング素子212とが第2スイッチング素子212のドレインが第1インダクタ211側になるようにして直列に接続され、第1インダクタ211の他方側が正側の入力端子215aに接続され、第2スイッチング素子212のドレイン側が負側の入力端子215bに接続されている。なお、昇圧用インダクタとしての第1インダクタ211、昇圧用スイッチング手段としての第2スイッチング素子212、昇圧用一方向導通手段としての第2ダイオード213が、この発明における昇圧回路である。
【0011】
第1インダクタ211と第2スイッチング素子212との直列接続点に第2ダイオード213のアノード側が接続され、第2ダイオード213のカソード側が出力端子216aに接続されている。また、負側の入力端子215bと負側の出力端子216bが直接接続されている。平滑コンデンサ214は、出力端子216a,216b間に接続されている。そして、第2スイッチング素子212を高周波で開閉動作させ、入力端子215a,215bに入力される入力電圧Vaを昇圧して、出力端子216a,216bから出力する。昇圧比は、第2スイッチング素子212の開閉切り換えのデューティ比(開閉周期に占める閉時間の割合)によって決まる。DC/DCコンバータ210を動作させない場合は、第2スイッチング素子212を開路にする。
【0012】
直列電圧源回路110の第1スイッチング素子112と第1ダイオード113との接続点が第1の直流電圧源としての第1バッテリー1の正側に接続されている。DC/DCコンバータ210の正側の入力端子215aが直列電圧源回路110の第2バッテリー111の正側に接続され、負側の入力端子215bが第1バッテリー1の負側に接続されている。DC/DCコンバータ210の出力端子216a,216bに負荷4が接続される。制御回路310は、電圧検出手段311を有する。制御回路310は、電圧検出手段311にて第1バッテリー1の端子電圧を検出し、第1スイッチング素子112及び第2スイッチング素子212の各ゲートに制御信号を発して、それぞれを開閉制御する。電源装置11は以上のように構成されている。
【0013】
次に、図2により動作について説明する。制御回路310は、電圧検出手段311が第1バッテリー1の電圧Vs1を検知して、しきい値より電圧が高いか低いかで、直列電圧源回路110の第1スイッチング素子112を閉路する動作をさせるか、DC/DCコンバータ210を動作させるか、両方を動作させるか、両方を動作させないかを使い分け所望の電圧を負荷4に供給できるようにする。すなわち、第1バッテリー1の電圧Vs1が第1の値V1(例えば6V)未満の場合は、直列電圧源回路110の第1スイッチング素子112を閉路するとともにDC/DCコンバータ210を動作させる。電圧Vs1が第1の値V1(V1<V2)以上で、第2の値V2(例えば10V)未満の場合は、DC/DCコンバータ210のみを動作させる。電圧Vs1が第2の値V2以上の場合は、直列電圧源回路110の第1スイッチング素子112を閉路する動作とDC/DCコンバータ210の動作との両方とも行わない。
【0014】
具体的には、第1バッテリー1の電圧Vs1が図2に示すように変化する場合の動作は次の通りである。
大きな負荷がかかっていなくて、スタートから第1バッテリー1の電圧Vs1が第2の値V2以上である時間t1までの間は、第1スイッチング素子112を開路することにより第1バッテリー1の電圧に第2バッテリー111の電圧が加算されないようにし、DC/DCコンバータ210は昇圧動作を行わず、第1バッテリー1の電圧Vs1が単独で負荷に印加されるようにする。なお、第1バッテリー1の電圧Vs1が単独で負荷に印加される状態がこの発明における第2の状態(第1の状態については後述)である。この場合、以下の経路で電流が流れる。
第1バッテリー1→第1ダイオード113→DC/DCコンバータ210(単に通過するのみ)→負荷4→DC/DCコンバータ210→第1バッテリー1。
【0015】
時間t1において、大きな負荷が加わり電圧Vs1が第1の値V1(V1<V2)未満に降下すると、制御回路310が第1スイッチング素子112を閉路することにより、第1バッテリー1の電圧Vs1と第2バッテリー111の電圧Vs2とが加算された加算電圧VstがDC/DCコンバータ210に印加される第1の状態にするとともに、DC/DCコンバータ210を動作させ昇圧する。この場合、以下の経路で電流が流れる。
第1バッテリー1→第1スイッチング素子112→第2バッテリー111→DC/DCコンバータ210(昇圧動作)→負荷4→DC/DCコンバータ210→第1バッテリー1。
このように制御することにより、第1バッテリー1の電圧Vs1の電圧の低下を第2バッテリー111の電圧Vs2によって補償できる。
【0016】
負荷が軽くなり、時間t2において電圧Vs1が第1の値V1以上に回復しかつ第2の値V2未満の場合(V1<=Vs1<V2)は、第1スイッチング素子112を開路することにより第1バッテリー1の電圧に第2バッテリー111の電圧が加算されないようにし、第1バッテリー1の電圧Vs1が単独でDC/DCコンバータ210に印加される第2の状態とし、この印加される電圧をDC/DCコンバータ210にて昇圧する。この場合、以下の経路で電流が流れる。
第1バッテリー1→第1ダイオード113→DC/DCコンバータ210(昇圧動作)→負荷4→DC/DCコンバータ210→第1バッテリー1。
このように制御することにより、直列電圧源回路110の第1スイッチング素子112の開閉動作をさせないですなわち第1スイッチング素子112を開路した状態で、第1バッテリー1の電圧が単独で、第1ダイオード113を介してDC/DCコンバータ210に印加される。
【0017】
さらに、時間t3において、電圧Vs1が第2の値V2以上になると、第1スイッチング素子112を開路することにより第1バッテリー1の電圧に第2バッテリー111の電圧が加算されないようにし上記第2の状態とするとともに、DC/DCコンバータ210の昇圧動作を停止し、第1バッテリー1の電圧Vs1が負荷に印加されるようにする。この場合、以下の経路で電流が流れる。
第1バッテリー1→第1ダイオード113→DC/DCコンバータ210(単に通過するのみ)→負荷4→DC/DCコンバータ210→第1バッテリー1。
【0018】
なお、ここで示した、直列電圧源回路110とDC/DCコンバータ210の動作の組み合わせは1例であり、条件によって違った組み合わせで動作させることも可能である。また、第2の直流電圧源としてバッテリー111を用いたものを示したが、直流電圧源であれば、コンデンサなど他の直流電圧源であってもよい。
【0019】
以上のように、この実施の形態によれば、第1バッテリー1とDC/DCコンバータ210との間に直列電圧源回路110を設け、第1バッテリー1の電圧Vs1に第2バッテリー111の電圧Vs2を加算してDC/DCコンバータ210に供給可能とすることにより、DC/DCコンバータ210を小型化でき、電源装置全体としても小型化を図ることができる。
【0020】
実施の形態2.
図3は、実施の形態2である電源装置の構成を示す構成図である。図3において、電源装置12は、プログラム手段321を有する制御回路320を備える。制御回路320は。その他の構成については、図1に示した実施の形態1と同様のものであるので、相当するものに同じ符号を付して説明を省略する。実施の形態1に示した電源装置11において、第1バッテリー1の電圧変化のパターンが既知であるならば、プログラム手段321により、経過時間に対応させて直列電圧源回路110の第1スイッチング素子を閉路する動作をさせるか、DC/DCコンバータ210を動作させるか、両方を動作させるか、両方を動作させないかを使い分けるように信号を発して、直列電圧源回路110及びDC/DCコンバータ210を制御する。
【0021】
プログラム手段321は、次のように制御する。図2における、所定の時点としてのプログラム手段321動作開始時点0から第1の時間としての時間t1に至る前までの間は、第1スイッチング素子112を開路することにより第1バッテリー1の電圧に第2バッテリー111の電圧が加算されないようにし上記第2の状態とするとともに、DC/DCコンバータ210の昇圧動作をさせず、第1バッテリー1の電圧Vs1が負荷に印加されるようにする。
時間t1から第2の時間としての時間t2に至る前までの間は、制御回路310が第1スイッチング素子112を閉路し、第1バッテリー1の電圧Vs1と第2バッテリー111の電圧Vs2とが加算された加算電圧VstがDC/DCコンバータ210に印加される第1の状態にするとともに、上記電圧VstをDC/DCコンバータ210を動作させ昇圧する。
【0022】
時間t2から第3の時間としての時間t3に至る前までは、第1スイッチング素子112を開路することにより第1バッテリー1の電圧に第2バッテリー111の電圧が加算されないようにし、第1バッテリー1の電圧Vs1が単独でDC/DCコンバータ210に印加される第2の状態とし、この印加される電圧をDC/DCコンバータ210にて昇圧する。
時間t3以後は、第1スイッチング素子112を開路することにより第1バッテリー1の電圧に第2バッテリー111の電圧が加算されないようにし上記第2の状態とするとともに、DC/DCコンバータ210の昇圧動作を停止し、第1バッテリー1の電圧Vs1が負荷に印加されるようにする。なお、時間t1,t2,t3は、バッテリー1や負荷に応じて予め決められている。
【0023】
以上のように、プログラム手段321を用いることにより、第1バッテリー1の電圧Vs1を検出することなく直列電圧源回路110及びDC/DCコンバータ210を制御することができ、電圧Vs1の検出手段が不要となり電源装置の構成を簡易にできる。
【0024】
実施の形態3.
図4は、実施の形態3である電源装置の構成を示す構成図である。図4において、電源装置13は、直列電圧源回路120を有する。直列電圧源回路120は、第2バッテリー111と第1スイッチング素子112と第1ダイオード113とを有し、図1の直列電圧源回路110と同様の構成部品を有するものであるが、第2バッテリー111と第1スイッチング素子112との接続の順が逆にされている。すなわち、第2バッテリー111の正側に第1スイッチング素子112のドレインが接続され、第2バッテリー111と第1スイッチング素子112とが直列に接続されている。第2バッテリー111の負側に第1ダイオード113のアノードが接続され、第1スイッチング素子112のソース側に第1ダイオード113のカソードが接続され、第2バッテリー111と第1スイッチング素子112との直列回路に第1ダイオード113が並列に接続された形になっている。第2バッテリー111の負側が第1バッテリー1の正側に接続され、第2バッテリー111と第1スイッチング素子112との接続点がDC/DCコンバータ210の正側の入力端子215aに接続されている。その他の構成については、図1に示した実施の形態1と同様のものであるので、相当するものに同じ符号を付して説明を省略する。
【0025】
本実施の形態は、図1に示した直列電圧源回路110に比し、第2バッテリー111と第1スイッチング素子112との接続の順番が入れ替わっている点が異なるが、動作については同様であり、制御回路310により、第1バッテリー1の電圧Vs1の変化に応じて直列電圧源回路120及びDC/DCコンバータ210の動作を制御する。
【0026】
実施の形態4.
図5は、実施の形態4である電源装置の構成を示す構成図である。図5において、電源装置14は、直列電圧源回路130と制御回路340とを有する。直列電圧源回路130は、充電手段としての充電回路134を有する。制御回路340は、電圧検出手段311を有する。充電回路134は、出力側開閉手段としての第3スイッチング素子135と出力側一方向導通手段としての第3ダイオード136とが直列に接続されて構成されている。この実施の形態においては、第3スイッチング素子135として、MOSFETが用いられている。そして、第3スイッチング素子135のドレイン側が第2バッテリー111の正側に接続され、第3ダイオード136のアノード側が第2バッテリー111の負側に接続されている。第3スイッチング素子135と第3ダイオード136との接続部がDC/DCコンバータ210の正側の入力端子215aに接続されている。その他の構成については、図1に示した実施の形態1と同様のものであるので、相当するものに同じ符号を付して説明を省略する。
【0027】
次に、動作について説明する。制御回路340の基本的な動作は図1に示した制御回路310と同様である。すなわち、制御回路340は、電圧検出手段311が第1バッテリー1の電圧Vs1を検知して、しきい値より電圧が高いか低いかで、直列電圧源回路130の第1スイッチング素子112を閉路させる動作をさせるか、DC/DCコンバータ210を動作させるか、両方を動作させるか、両方を動作させないかを使い分ける。すなわち、第1バッテリー1の電圧Vs1がV2より高い場合は、第1スイッチング素子112を閉路させる動作及びDC/DCコンバータ210の動作をともにさせない。電圧Vs1がV1より高く、V2以下の場合は、DC/DCコンバータ210のみを動作させる。V1以下の場合は、第1スイッチング素子112を閉路させる動作及びDC/DCコンバータ210の動作をともにさせる。
【0028】
ここで、直列電圧源回路130の第1スイッチング素子112と第3スイッチング素子135を閉路することにより、以下の経路で電流が流れる。
第1バッテリー1→第1スイッチング素子112→第2バッテリー111→第3スイッチング素子135→DC/DCコンバータ210(昇圧)→負荷4→DC/DCコンバータ210→第1バッテリー1。
このようにすることにより、直列電圧源回路130を使って、第1バッテリー1の電圧と第2バッテリー111の電圧との和の電圧を昇圧することができる。
【0029】
第1スイッチング素子112を閉路させない場合、方法が2通りある。
1つは、第1スイッチング素子112を閉路、第3スイッチング素子135を開路することにより、以下の経路で電流が流れる。
第1バッテリー1→第1スイッチング素子112→第3ダイオード136→DC/DCコンバータ210→負荷4→DC/DCコンバータ210→第1バッテリー1。
もうひとつは、第1スイッチング素子112を開路、第3スイッチング素子135を閉路することにより、以下の経路で電流が流れる。
第1バッテリー1→第1ダイオード113→第3スイッチング素子135→DC/DCコンバータ210→負荷4→DC/DCコンバータ210→第1バッテリー1。
このようにすることにより、第1スイッチング素子112を閉路させないで、第1バッテリー1の電圧をそのままDC/DCコンバータ210に印加できる。
【0030】
また、第1スイッチング素子112と第3スイッチング素子135とを開路することにより、以下の経路で電流が流れる。
第1バッテリー1→第1ダイオード113→第2バッテリー111→第3ダイオード136→DC/DCコンバータ210→負荷4→DC/DCコンバータ210→第1バッテリー1。
このようにすることにより、第1バッテリー1の電圧Vs1を昇圧する代わりに、充電回路134により第2バッテリー111を充電することができる。
【0031】
実施の形態5.
図6は、実施の形態5である電源装置の構成を示す構成図である。図6において、電源装置15は、直列電圧源回路140と制御回路350とを有する。直列電圧源回路140は、充電手段及び充電用DC/DCコンバータとしての充電回路144を有する。制御回路350は、電圧検出手段311を有する。直列電圧源回路140は、第2の直流電圧源及び蓄電手段としてのコンデンサ141と充電手段としての充電回路144とを有する。充電回路144は、充電用インダクタとしての第2インダクタ145と充電用スイッチング手段としての第4スイッチング素子146と充電用一方向導通手段としての第4ダイオード147とを有する。この実施の形態は、コンデンサ141を充電する充電回路144を設けたものである。図6において、第4スイッチング素子146として、MOSFETが用いられている。
【0032】
充電回路144において、第2インダクタ145の一方の端子と第4スイッチング素子146のドレインとが接続されることにより第2インダクタ145と第4スイッチング素子146とが直列に接続され、第2インダクタ145の他方の端子が第1バッテリー1の正側に接続され、第4スイッチング素子146のソースと第1バッテリー1の負側とが接続されている。第2インダクタ145と第4スイッチング素子146との接続点に第4ダイオード147のアノードが接続され、第4ダイオード147のカソードがコンデンサ141と第1ダイオード113との接続点に接続されている。
【0033】
次に動作について説明する。制御回路350が電圧検出手段311の検出した第1バッテリー1の電圧Vs1に応じて直列電圧源回路140及びDC/DCコンバータ210を制御するのは図1に示した制御回路310と同様である。また、制御回路350が、充電手段及び充電用DC/DCコンバータとしての充電回路144を次のように制御し、第2直流電圧源としてのコンデンサ141を充電する。まず第4スイッチング素子146を閉路すると、以下の経路に電流が流れ、第2インダクタ145にエネルギーが蓄積される。
第1バッテリー1→第2インダクタ145→第4スイッチング素子146→第1バッテリー1。
そして、第4スイッチング素子146を開路すると、以下の経路に電流が流れ、第2インダクタ145に蓄積されたエネルギーがコンデンサ141に充電される。
第2インダクタ145→第4ダイオード147→コンデンサ141→第1スイッチング素子112→第2インダクタ145。
なお、第1スイッチング素子112は閉路状態でも開路状態でもこの経路で電流は流れるが、閉路すると直列電圧源回路140を動作させることになるので、コンデンサ141の充電電力よりも直列電圧源回路140の動作による放電電力が大きい場合充電できないことになる。
【0034】
以上のようにして、第2インダクタ145を利用して、コンデンサ141を充電することができる。なお、このようなコンデンサ141と充電回路144とは、図1〜図5に示した第2バッテリー111の代わりに用いることができる。
【0035】
実施の形態6.
図7は、実施の形態6である電源装置の構成を示す構成図である。図7において、電源装置16は、直列電圧源回路150と制御回路360とを有する。直列電圧源回路150は、充電回路144を有する。制御回路360は、電圧検出手段311を有する。図7において、充電回路144の接続が図6に示したものと異なる。すなわち、充電回路144において、第2インダクタ145の一方の端子と第4スイッチング素子146のドレインとが接続されることにより第2インダクタ145と第4スイッチング素子146とが直列に接続され、第2インダクタ145の一方の端子が第1スイッチング素子112とコンデンサ141との接続点に接続され、第4スイッチング素子146のソースと第1バッテリー1の負側とが接続されている。第2インダクタ145と第4スイッチング素子146との接続点に第4ダイオード147のアノードが接続され、第4ダイオード147のカソードが第1ダイオード113とコンデンサ141との接続点に接続されている。また、第1ダイオード113とコンデンサ141との接続点にDC/DCコンバータ210の正側の入力端子215aが接続されている。その他の構成については、図6に示した実施の形態5と同様のものであるので、相当するものに同じ符号を付して説明を省略する。
【0036】
次に動作について説明する。制御回路360が電圧検出手段311の検出した第1バッテリー1の電圧Vs1に応じて直列電圧源回路150及びDC/DCコンバータ210を制御するのは図1に示した制御回路310と同様である。また、制御回路360は、充電回路174を次のように制御し、コンデンサ141を充電する。
まず、第1スイッチング素子112と第4スイッチング素子146とを閉路すると、以下の経路に電流が流れ、第2インダクタ145にエネルギーが蓄積される。
第1バッテリー1→第1スイッチング素子112→第2インダクタ145→第4スイッチング素子146→第1バッテリー1。
そして第4スイッチング素子146を開路すると、以下の経路に電流が流れ、第2インダクタ145に蓄積されたエネルギーが第2バッテリー111に充電される。
第2インダクタ145→第4ダイオード147→コンデンサ141→第2インダクタ145。
【0037】
なお、第1スイッチング素子112は閉路状態でも開路状態でもこの経路で電流は流れるが、この回路方式では、第1スイッチング素子112が閉路すると、第1バッテリー1とDC/DCコンバータ210との間に第2バッテリー111が挿入されることになることによる放電電力が大きい場合、第2バッテリー111を充電できない。
以上のようにして、第2インダクタ145を利用して、コンデンサ141を充電することができる。
【0038】
実施の形態7.
図8は、実施の形態7である電源装置の構成を示す構成図である。図8において、電源装置17は、直列電圧源回路160と制御回路370とを有する。直列電圧源回路160は、充電回路174を有する。制御回路370は、電圧検出手段311を有する。充電回路174は、トランス175、一次側スイッチング手段としての第5スイッチング素子176、二次側一方向導通手段としての第5ダイオード177を有する。トランス175は、一次巻線175a及び二次巻線175bを有し、図7における共通の鉄心に●に示す極性に巻回されている。制御回路370は、電圧検出手段311を有する。一次巻線175aの一方の端子が第1バッテリー1の正側に接続され、一次巻線175aの他方の端子が第5スイッチング素子176のドレインに接続され、第5スイッチング素子176のソースが第1バッテリー1の負側に接続されている。二次巻線175bは、一方の端部が第1スイッチング素子112とコンデンサ141との接続点に接続され、他方の端部が第5ダイオード177のアノードに接続されている。第5ダイオード177のカソードは、第1ダイオード113とコンデンサ141との接続点に接続されている。その他の構成については、図6に示した実施の形態5と同様のものであるので、相当するものに同じ符号を付して説明を省略する。
【0039】
制御回路370が電圧検出手段311の検出した第1バッテリー1の電圧Vs1に応じて直列電圧源回路150及びDC/DCコンバータ210を制御するのは図1に示した制御回路310と同様である。また、制御回路370は、充電回路174において、第5スイッチング素子176が開閉を繰り返すように制御することにより、第1バッテリー1からトランス175を介して、コンデンサ141を充電することができる。なお、トランス175を設けることによって電流が通る素子数を減らすことができるので、コンデンサ141を効率良く充電することができる。
【0040】
実施の形態8.
図9は、実施の形態8である電源装置の構成を示す構成図である。図9において、電源装置18は、直列電圧源回路170と制御回路380を有する。制御回路380は、電圧検出手段311を有する。図9において、充電回路174は、図8に示したものと同様の構成であるが、充電回路174の接続方法が異なる。すなわち、一次巻線175aの一方の端子が第1スイッチング素子112とコンデンサ141との接続点に接続され、一次巻線175aの他方の端子が第5スイッチング素子176のドレインに接続されることにより一次巻線175aと第5スイッチング素子176とが直列に接続され、第5スイッチング素子176のソースが第1バッテリー1の負側に接続されている。また、二次巻線175bの一方の端子が一次巻線175aの他方の端子に接続され、二次巻線175bの他方の端子が第5ダイオード177のアノードに接続され、第5ダイオード177のカソードが第1ダイオード113とコンデンサ141との接続点に接続されている。その他の構成については、図6に示した実施の形態5と同様のものであるので、相当するものに同じ符号を付して説明を省略する。
【0041】
制御回路380が電圧検出手段311の検出した第1バッテリー1の電圧Vs1に応じて直列電圧源回路150及びDC/DCコンバータ210を制御するのは図1に示した制御回路310と同様である。また、制御回路380は、充電回路174を次のように制御する。充電回路174において、第1スイッチング素子112と第5スイッチング素子176が閉路し、次に第5スイッチング素子176が開路する。なお、第5スイッチング素子176が開路した後は第1スイッチング素子112は閉路状態でも開路状態でもよい。
なお、この回路方式では、必ず第1スイッチング素子112を閉路する時間があり、第1バッテリー1とDC/DCコンバータ210との間に第2バッテリー111が挿入されることになるので、コンデンサ141の充電電力よりも放電電力が大きい場合、第2バッテリー111を充電できない。
このように、第1スイッチング素子112と第5スイッチング素子176とが開閉を繰り返すことにより、第1バッテリー1から一次巻線175a、二次巻線175bを介して、コンデンサ141を充電することができる。
【0042】
実施の形態9.
図10は、実施の形態9である電源装置の構成を示す構成図である。この実施の形態は、図1の電源装置11を同期整流方式の電源装置19としたものである。図10において、電源装置19は、直列電圧源回路180と直流−直流変換装置としてのDC/DCコンバータ220と制御回路390とを有する。制御回路390は、電圧検出手段311を有する。直列電圧源回路180は、一方向導通手段及び半導体スイッチング素子としての第6スイッチング素子183を有する。第6スイッチング素子183は、図1における第1スイッチング素子112と同様の並列接続された寄生ダイオードを有するMOSFETが用いられている。第6スイッチング素子183のソースが第1スイッチング素子112のドレインに接続され、第6スイッチング素子183のドレインが第2バッテリー111の正側に接続されている。なお、第1スイッチング素子112と第6ダイオード183とが、この発明における切り換え手段である。また、昇圧用インダクタとしての第1インダクタ211、昇圧用スイッチング手段としての第2スイッチング素子212、昇圧用一方向導通手段としての第7スイッチング素子223が、この発明における昇圧回路である。
【0043】
DC/DCコンバータ220は、第1インダクタ211と第2スイッチング素子212と第7スイッチング素子223と正側及び負側の入力端子225a,225b、正側及び負側の出力端子226a,226bを有する。第1インダクタ211の一方の端子と第2スイッチング素子212のドレインが接続されて直列回路が形成され、この直列回路が正負両側の入力端子225a,225bに接続されている。第1インダクタ211の他方の端子と第2スイッチング素子212との接続点に第7スイッチング素子223のソースが接続され、第7スイッチング素子223のドレインに出力端子226aが接続されている。また、入力端子225bと出力端子226bとが直結されている。その他の構成については、図1に示した実施の形態1と同様のものであるので、相当するものに同じ符号を付して説明を省略する。
【0044】
制御回路390が電圧検出手段311の検出した第1バッテリー1の電圧Vs1に応じて直列電圧源回路180及びDC/DCコンバータ220を制御するのは、図1に示した制御回路310と同様である。第6スイッチング素子183が図1における第1ダイオード113に対応し、第7スイッチング素子223が第2ダイオード213に対応するものであり、第6スイッチング素子183は、図1の第1スイッチング素子112が開路している時間に相当する時間の間閉路しすなわち導通し、第7スイッチング素子223は図1の第2スイッチング素子212が開路している時間に相当する時間の間閉路しすなわち導通することにより、電流が第1ダイオード113及び第2ダイオード213よりも損失が少ない第6スイッチング素子183及び第7スイッチング素子223を流れるため、電源装置の高効率化を図ることができる。
【0045】
また、上記の各実施の形態における第1ダイオード113,213を寄生ダイオードを有するスイッチング素子やスイッチング素子とこのスイッチング素子に並列の接続されたダイオードに置き換えることにより同期整流が可能となり、電源装置の高効率化を図ることができる。
【0046】
実施の形態10.
図11は、実施の形態10である電源装置の構成を示す構成図である。図11において、電源装置20は、制御回路400及び第1のバイパススイッチとしての開閉スイッチ511及び第2のバイパススイッチとしての開閉スイッチ512を有する。開閉スイッチ511は、直列電圧源回路110と第1バッテリー1の正側との接続部と、直列電圧源回路110とDC/DCコンバータ210の正側の入力端子215aとの接続部に接続されている。開閉スイッチ512は、直列電圧源回路110とDC/DCコンバータ210の正側の入力端子215aとの接続部と、DC/DCコンバータ210の正側の出力端子216aと負荷4との接続部とに接続されている。制御回路400は、直列電圧源回路110あるいはDC/DCコンバータ210を動作させない場合に、開閉スイッチ511あるいは開閉スイッチ512を閉成する。
【0047】
開閉スイッチ511を閉成することにより、直列電源回路110を通過することなく第1バッテリー1の正側からDC/DCコンバータ210へ電流を流すことができる。開閉スイッチ512を閉成することにより、DC/DCコンバータ210を実質的に通過することなく(形の上では負側の入力端子215bと出力端子216bとを通過するが)直列電圧源回路110から負荷4へ電流を流すことができる。そして、直列電圧源回路110を動作させないときは開閉スイッチ511を閉成し、DC/DCコンバータ210を動作させないときは開閉スイッチ512を閉成する。これにより、直列電圧源回路110及びDC/DCコンバータ210を実質的に通過することなく、バイパスして開閉スイッチ511,512を流れるので、直列電圧源回路110及びDC/DCコンバータ210における抵抗損失を無くすことができる。そして、直列電圧源回路110あるいはDC/DCコンバータ210を動作させない場合に、きめ細かく制御して高効率化を図ることができる。
【0048】
実施の形態11.
図12は、実施の形態11である電源装置の構成を示す構成図である。図12において、電源装置21は、制御回路410及び第3のバイパススイッチとしての開閉スイッチ610を有する。開閉スイッチ610は、直列電圧源回路110と第1バッテリー1の正側との接続部と、DC/DCコンバータ210の正側の出力端子216aと負荷4との接続部とに接続されている。制御回路410は、直列電圧源回路110およびDC/DCコンバータ210の両方を動作させない場合に、開閉スイッチ610を閉成する。開閉スイッチ610を閉成することにより、第1バッテリー1の正側から負荷4へ直列電圧源回路110及びDC/DCコンバータ210を実質的に通過することなくバイパスして第1バッテリー1の電圧を負荷4に印加することができる。これにより、直列電圧源回路110及びDC/DCコンバータ210を通過するときの抵抗損失を無くして、直列電圧源回路110およびDC/DCコンバータ210の両方を動作させない場合の高効率化を図ることができる。
【0049】
なお、上記各実施の形態において、第2バッテリー111の代わりにコンデンサ141を用いたり、逆にンデンサ141の代わりに第2バッテリー111を用いたものであっても同様の効果を奏する。なお、充電回路は必須のものではない。充電回路を設けることなく、着脱式の一次電池や二次電池なども用いることができる。
【符号の説明】
【0050】
1 第1バッテリー、4 負荷、11,12,13,14,15,16 電源装置,
17,19,20,21 電源装置、110 直列電圧源回路、
111 第2バッテリー、112 第1スイッチング素子、113 第1ダイオード、
120,130 直列電圧源回路、135 第3スイッチング素子、
136 第3ダイオード、140 直列電圧源回路、141 コンデンサ、
144 充電回路、145 第2インダクタ、146 第4スイッチング素子、
147 第4ダイオード、150,160 直列電圧源回路、174 充電回路、
175 トランス、175a 一次巻線、175b 二次巻線、
176 第5スイッチング素子、177 第5ダイオード、180 直列電圧源回路、
183 第6スイッチング素子、210 DC/DCコンバータ、
211 第1インダクタ、212 第2スイッチング素子、213 第2ダイオード、
215a,215b 入力端子、216a,216b 出力端子、
220 DC/DCコンバータ、223 第7スイッチング素子、
225a,225b 入力端子、226a,226b 出力端子、310 制御回路、
311 電圧検出手段、320 制御回路、321 プログラム制御手段、
330,340,350,360,370,380,390 制御回路、
400,410 制御回路、511,512,610 開閉スイッチ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の直流電圧源と直列電圧源装置と直流−直流変換装置と制御装置とを有する電源装置であって、
上記直列電圧源装置は、第2の直流電圧源と切り換え手段とを有し、
上記直流−直流変換装置は、入力端子と出力端子と昇圧回路とを有し、上記昇圧回路は上記入力端子に入力された直流電圧を昇圧して上記出力端子から出力するとともに動作していないときは上記入力端子と上記出力端子との間が導通するようにされたものであり、
上記直流−直流変換装置の上記入力端子が上記直列電圧源装置を介して上記第1の直流電圧源に接続され、上記出力端子に負荷が接続されるものであり、
上記制御装置は、上記切り換え手段を制御して上記第1の直流電圧源と上記第2の直流電圧源とが直列接続され上記第1の直流電圧源の電圧と上記第2の直流電圧源の電圧とが加算された電圧が上記入力端子に印加される第1の状態と上記第1の直流電圧源の電圧が単独で上記入力端子に印加される第2の状態とを切り換えるとともに上記昇圧回路の動作を制御するものである
電源装置。
【請求項2】
上記制御装置は、上記第1の直流電圧源の電圧を検出する電圧検出手段を有するものであって、上記第1の直流電圧源の電圧が、第1の値未満のときは上記切り換え手段を制御して上記第1の直流電圧源と上記第2の直流電圧源とを上記第1の状態とするとともに上記昇圧回路を動作させ、上記第1の値以上でかつ上記第1の値より高い値である第2の値未満のときは上記第1の直流電圧源と上記第2の直流電圧源とを上記第2の状態とするとともに上記昇圧回路を動作させ、上記第2の値以上のときは上記第1の直流電圧源と上記第2の直流電圧源とを上記第2の状態とするとともに上記昇圧回路の動作を停止させるものである
ことを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
上記制御装置は、プログラム制御手段を有するものであって、上記プログラム制御手段は所定の時点から第1の時間に至る前までは上記切り換え手段を制御して上記第1の直流電圧源と上記第2の直流電圧源とを上記第2の状態とするとともに上記昇圧回路を動作させず、上記第1の時間から第2の時間に至る前までは上記第1の直流電圧源と上記第2の直流電圧源とを上記第1の状態とするとともに上記昇圧回路を動作させ、上記第2の時間以後は上記第1の直流電圧源と上記第2の直流電圧源とを上記第2の状態とするものである
ことを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項4】
上記切り換え手段は、開閉手段と一方向導通手段とを有し、
上記開閉手段は、上記第2の直流電圧源と直列に接続され上記第2の直流電圧源との直列回路を構成するものであり、
上記一方向導通手段は、上記直列回路と並列に接続されたものであって、上記開閉手段が開路しているとき上記直列回路をバイパスして電流を流しうるようにされたものであり、
上記直列回路が上記第1の直流電圧源と直列に接続され、
上記制御装置は、上記開閉手段を開閉制御して上記第1の状態と上記第2の状態とを切り換えるものである
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電源装置。
【請求項5】
上記一方向導通手段は、半導体スイッチング素子であり、上記開閉手段が閉路しているとき非導通とされ開路しているとき導通されるものである
ことを特徴とする請求項4に記載の電源装置。
【請求項6】
上記昇圧回路は、昇圧用インダクタと昇圧用スイッチング手段と昇圧用一方向導通手段とを有し、上記昇圧用インダクタと上記昇圧用スイッチング手段とが直列に接続された直列回路が上記各入力端子間に接続され、上記昇圧用インダクタと上記昇圧用スイッチング手段との接続部が上記昇圧用一方向導通手段を介して上記出力端子の一方に接続されたものであり、
上記昇圧用スイッチング手段の開閉により上記昇圧用インダクタに発生する電圧を上記昇圧用一方向導通手段が上記昇圧用スイッチング手段の開路と同期して閉路され閉路と同期して開路されることにより上記出力端子に出力するものである
ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の電源装置。
【請求項7】
上記第2の直流電圧源は、充放電可能な蓄電手段であり、
上記直列電圧源装置は、上記蓄電手段を充電する充電手段を有するものである
ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の電源装置。
【請求項8】
上記蓄電手段は、二次電池である
ことを特徴とする請求項7に記載の電源装置。
【請求項9】
上記蓄電手段は、コンデンサである
ことを特徴とする請求項7に記載の電源装置。
【請求項10】
上記充電手段は、充電用DC/DCコンバータであり、上記充電用DC/DCコンバータは上記第1の直流電圧源の電圧を変換して上記蓄電手段に印加することにより上記蓄電手段を充電するものである
ことを特徴とする請求項7に記載の電源装置。
【請求項11】
上記充電用DC/DCコンバータは、充電用インダクタと充電用スイッチング手段と充電用一方向導通手段とを有し、上記充電用インダクタと上記充電用スイッチング手段とが直列に接続された直列回路が上記第1の直流電圧源に並列に接続され、上記充電用スイッチング手段の開閉により上記充電用インダクタに発生する電圧を上記充電用一方向導通手段を介して上記蓄電手段に印加することにより上記蓄電手段を充電するものである
ことを特徴とする請求項10に記載の電源装置。
【請求項12】
上記充電用DC/DCコンバータは、トランスと一次側スイッチング手段と二次側一方向導通手段とを有し、上記トランスは一次巻線と二次巻線とを有し、上記一次巻線が上記一次側スイッチング手段を介して上記第1の直流電圧源に並列に接続され、上記二次巻線が上記二次側一方向導通手段を介して上記蓄電手段に並列に接続され、上記一次側スイッチング手段の開閉により上記二次巻線に発生する電圧を上記二次側一方向導通手段を介して上記蓄電手段に印加することにより上記蓄電手段を充電するものである
ことを特徴とする請求項10に記載の電源装置。
【請求項13】
上記充電手段は、出力側開閉手段と出力側一方向導通手段とが直列に接続されたものであり、
上記出力側開閉手段と上記出力側一方向導通手段との直列回路が上記第2の直流電圧源に接続され、上記直流−直流変換装置が上記出力側開閉手段及び上記直列電圧源装置を介して上記第1の直流電圧源に接続され、
上記開閉手段が開路されたとき上記出力側開閉手段が開路されることにより上記蓄電手段に上記第1の直流電圧源の電圧が印加され上記蓄電手段を充電するものである
ことを特徴とする請求項7に記載の電源装置。
【請求項14】
第1と第2と第3のバイパススイッチのうちの少なくとも一つを有するものであって、
上記第1のバイパススイッチは、上記直列電圧源装置を通過することなく上記第1の直流電圧源の電圧を上記直流−直流変換装置に印加可能にするものであり、
上記第2のバイパススイッチは、上記直流−直流変換装置を通過することなく上記第1の直流電圧源の電圧あるいは上記第1の直流電圧源の電圧と上記第2の直流電圧源の電圧とが加算された電圧を上記負荷に印加可能にするものであり、
上記第3のバイパススイッチは、上記直列電圧源装置及び上記直流−直流変換装置を通過することなく上記第1の直流電圧源の電圧を上記負荷に印加可能にするものである
ことを特徴とする請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載の電源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−105408(P2012−105408A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−250376(P2010−250376)
【出願日】平成22年11月9日(2010.11.9)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】