説明

電源装置

【課題】リップルを低減する。
【解決手段】メインリンク電圧生成部6mは2次電池1に供給される電圧Vbに応じた第1直流リンク電圧VDC_mを生成する。サブリンク電圧生成部6sは、2次電池1に供給される電圧Vbに応じた第2直流リンク電圧VDC_sを生成する。メインDC/DCコンバータ8mは、第1直流リンク電圧VDC_mを受け、それを昇圧または降圧して2次電池1に供給し、サブDC/DCコンバータ8sは、第2直流リンク電圧VDC_sを受け、それを昇圧または降圧して2次電池1に供給する。サブDC/DCコンバータ8sの電流リップルによってメインDC/DCコンバータ8mの電流リップルをキャンセルする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、負荷に電力を供給する電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン電池、ニッケル水素電池をはじめとする繰り返し充電可能な2次電池が広く利用されている。2次電池はその出荷前に、充放電検査装置を用いて正常に機能するかが検査される(特許文献1)。一般的に2次電池は、はじめに一定電流で充電する方式(定電流充電)によって充電され、その後2次電池が満充電状態に近づくと、端子電圧が一定となるように充電する方式(定電圧充電)によって充電される。
【0003】
充放電検査装置の最終段には、DC/DCコンバータが設けられる。定電流充電では、DC/DCコンバータの出力電流が一定となるようにフィードバック制御され、定電圧充電では、DC/DCコンバータの出力電圧が一定となるようにフィードバック制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−319334号公報
【特許文献2】特開2006−204026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
DC/DCコンバータの出力電流には、三角波のAC成分、すなわち電流リップルが重畳される。この電流リップルは、2次電池の発熱の原因となって2次電池を劣化させたり、電流制御の精度の低下などの問題を引き起こす。かかる問題は、2次電池を充放電するDC/DCコンバータのみでなく、その他の負荷に電力を供給するDC/DCコンバータにおいても生じうる。
【0006】
一般的なDC/DCコンバータの出力電流のリップル(以下、電流リップルともいう)ΔIは、その入力電圧Vin、出力電圧V、スイッチング周波数fSW、リアクトルインダクタ(単にインダクタともいう)のインダクタンスLを用いて、
ΔI=(Vin−V)・fSW−1・L−1×V/Vin …(1)
で与えられる。したがって、電流リップルを低減するためには、スイッチング周波数fSWを高めるか、インダクタンスLを大きくするか、の方策が考えられる。
【0007】
しかしながら、スイッチング周波数fSWを高めるとスイッチング損失が増大するため、電力変換効率の低下や、発熱の増大、それにともなう冷却装置の大型化など、別の問題が生ずる。またインダクタのインダクタンスを大きくする場合、銅損が増加する。したがって、これらのアプローチによるリップルの低下には限界がある。
【0008】
本発明は係る課題に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、従来と異なるアプローチによりリップルを低減した電源装置の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のある態様は、負荷に電力を供給する電源装置に関する。この電源装置は、負荷に供給される電圧に応じた第1直流リンク電圧を生成する第1リンク電圧生成部と、負荷に供給される電圧に応じた第2直流リンク電圧を生成する第2リンク電圧生成部と、第1直流リンク電圧を受け、それを昇圧または降圧して負荷に供給する第1DC/DCコンバータと、第2直流リンク電圧を受け、それを昇圧または降圧して負荷に供給する第2DC/DCコンバータと、を備える。
【0010】
この態様によると、第1直流リンク電圧および第2直流リンク電圧を、独立に調節することにより、2つのDC/DCコンバータそれぞれの出力電流のリップルを調節できる。その結果、負荷には2つのDC/DCコンバータの出力電流の和が流れるため、2つの出力電流のリップルを互いに相殺させることにより、負荷に流れる電流のリップルを低減することができる。
【0011】
第1リンク電圧生成部は、負荷に供給される電圧に比例した第1直流リンク電圧を生成し、第2リンク電圧生成部は、負荷に供給される電圧に比例した第2直流リンク電圧を生成してもよい。
【0012】
第1DC/DCコンバータは、第1直流リンク電圧が入力される第1入力端子と、負荷が接続される第1出力端子と、第1入力端子と固定電圧端子の間に順に直列に設けられたハイサイドトランジスタおよびローサイドトランジスタと、ハイサイドトランジスタとローサイドトランジスタの接続点と、第1出力端子の間に設けられた第1インダクタと、を備えてもよい。第2DC/DCコンバータは、第2直流リンク電圧が入力される第2入力端子と、負荷が接続される第2出力端子と、第2入力端子と固定電圧端子の間に順に直列に設けられたハイサイドトランジスタおよびローサイドトランジスタと、ハイサイドトランジスタとローサイドトランジスタの接続点と、第2出力端子の間に設けられた第2インダクタと、を備えてもよい。第1インダクタおよび第2インダクタのインダクタンスをそれぞれL、Lと書くとき、第1リンク電圧生成部は、負荷の電圧に、LおよびLに応じて定まる第1係数を乗じたレベルの第1直流リンク電圧を生成し、第2リンク電圧生成部は、負荷の電圧に、LおよびLに応じて定まる第2係数を乗じたレベルの第2直流リンク電圧を生成してもよい。
この場合、リップルを好適に低減できる。
【0013】
第1、第2リンク電圧生成部は、第1DC/DCコンバータのデューティ比と、第2DC/DCコンバータのデューティ比の和が1となり、かつ第1DC/DCコンバータの出力電流のリップルの振幅と、第2DC/DCコンバータの出力電流のリップルの振幅とが等しくなるように、第1、第2直流リンク電圧を調節してもよい。
【0014】
第1DC/DCコンバータの出力電流の直流レベルが、第2DC/DCコンバータの出力電流の直流レベルより大きくなるように、第1、第2DC/DCコンバータは構成されてもよい。
【0015】
負荷は容量性負荷であってもよい。
【0016】
負荷は、2次電池であり、電源装置は、2次電池の充放電装置であってもよい。
【0017】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、DC/DCコンバータのリップル量を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施の形態に係る充放電検査装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】メインDC/DCコンバータの構成を示す回路図である。
【図3】図1の充放電検査装置の動作を示す波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、実施の形態に係る充放電検査装置2の全体構成を示すブロック図である。充放電検査装置2は、検査対象の2次電池1を充電し、あるいは放電することにより、2次電池1の電気的特性が仕様を満たしているかを検査する。2次電池1は、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池などが例示されるが、特に限定されない。
【0021】
充放電検査装置2は、電源回生コンバータ4、直流変換器6m、昇降圧コンバータ8m、直流変換器6s、昇降圧コンバータ8sを備える。電源回生コンバータ4の1次側(P)は商用交流電源に電気的に連結され、その2次側(S)に直流電圧Vdcを発生させる。ここでは、2次電池1に蓄えられたエネルギーを商用交流電源に放電する場合を想定し、電源回生コンバータ4は、1次側(P)と2次側(S)との間で双方向にエネルギーを授受できるように構成される。
【0022】
第1リンク電圧生成部(以下、メインリンク電圧生成部と称する)6mは、DC/DCコンバータであり、その1次側(P)は、電源回生コンバータ4の2次側(S)と接続される。メインリンク電圧生成部6mは、電源回生コンバータ4からの直流電圧Vdcを1次側(P)に受け、それを降圧して、2次側(S)に第1のDCリンク電圧(以下、第1リンク電圧という)VDC_mを生成する。たとえば第1リンク電圧VDC_mは、数十V程度に安定化される。
【0023】
第1DC/DCコンバータ(以下、メインDC/DCコンバータという)8mは、昇降圧コンバータであり、その1次側(P)に第1リンク電圧VDC_mを受け、それを昇圧または降圧して、2次側(S)に接続される負荷である2次電池1に供給する。
【0024】
実施の形態に係る充放電検査装置2は、これらの構成要素に加えて、第2リンク電圧生成部(以下、サブリンク電圧生成部)6sおよび第2DC/DCコンバータ(以下、サブDC/DCコンバータ)8sを備える。
【0025】
サブリンク電圧生成部6sは、メインリンク電圧生成部6mと同様にDC/DCコンバータであり、その1次側(P)に入力された電源回生コンバータ4からの直流電圧Vdcを降圧し、その2次側(S)に第2のDCリンク電圧(以下、第2リンク電圧という)VDC_sを生成する。
【0026】
サブDC/DCコンバータ8sは、メインDC/DCコンバータ8mと同様に、その1次側(P)に接続されるサブリンク電圧生成部6sからの第2リンク電圧VDC_sを受け、それを昇圧または降圧して、2次側(S)に接続される負荷である2次電池1に供給する。たとえばメインDC/DCコンバータ8mおよびサブDC/DCコンバータ8sは、2次電池1を充電するとき降圧動作となり、放電するとき昇圧動作となる。
【0027】
図2は、メインDC/DCコンバータ8mの構成を示す回路図である。
メインDC/DCコンバータ8mは、入力端子P1、出力端子P2、固定電圧端子P3、ハイサイドトランジスタ(スイッチングトランジスタ)M1およびローサイドトランジスタ(同期整流トランジスタ)M2、リアクトルインダクタLおよびコントローラ9を備える。
【0028】
入力端子P1には、第1リンク電圧VDC_mが入力され、出力端子P2には負荷である2次電池1が接続される。ハイサイドトランジスタM1およびローサイドトランジスタM2は、入力端子P1と固定電圧端子P3の間に順に直列に設けられる。リアクトルインダクタLは、ハイサイドトランジスタM1とローサイドトランジスタM2の接続点と、出力端子P2の間に設けられる。
【0029】
コントローラ9は、出力電圧Vbが目標値に近づくようにハイサイドトランジスタM1、ローサイドトランジスタM2のオン、オフ状態を制御する。降圧動作を行う場合、ハイサイドトランジスタM1を所定の周波数でスイッチングするとともに、ローサイドトランジスタM2をオフ状態で固定してもよい(ダイオード整流モード)。あるいはハイサイドトランジスタM1とローサイドトランジスタM2を相補的にオン、オフさせてもよい(同期整流モード)。ハイサイドトランジスタM1のオンデューティDutyは、ハイサイドトランジスタM1のオン時間TON_mと、スイッチングの周期Tp(=1/fSW)の比で与えられる。
Duty=TON_m/Tp
【0030】
サブDC/DCコンバータ8sも同様に構成される。サブDC/DCコンバータ8sでは、図2の添え字のmがsに置換される。
【0031】
図1に戻る。この充放電検査装置2において、メインDC/DCコンバータ8mから2次電池1に供給される電流をIo_m、メインリンク電圧生成部6mから2次電池1に供給される電流をIo_sとする。そうすると、充放電検査装置2全体から2次電池1に供給される電流(電池電流ともいう)Ibは、
Ib=Io_m+Io_s
で与えられる。メインDC/DCコンバータ8mの出力電流Io_mおよびサブDC/DCコンバータ8sの出力電流Io_sには、スイッチングにともなう電流リップルが重畳される。本実施の形態に係る充放電検査装置2は、出力電流Io_mのリップル成分ΔIo_mと、出力電流Io_sのリップル成分ΔIo_sとを打ち消し合わせることにより、2次電池1に供給される電池電流Ibのリップルを抑制する。
ここで、電流リップルΔIo_m、ΔIo_sは、式(1)から、以下の式で与えられる。
ΔIo_m=(VDC_m−Vb)・fSW−1・L−1×Vb/VDC_m …(2a)
ΔIo_s=(VDC_s−Vb)・fSW−1・L−1×Vb/VDC_s …(2b)
【0032】
電流リップルΔIo_mとΔIo_sとが互いに打ち消し合うためには、以下の2つの条件を満たす必要がある。
(条件1) 電流リップルΔIo_mとΔIo_sの振幅が等しいこと
(条件2) 電流リップルΔIo_mとΔIo_sの一方の増加期間が他方の減少期間であること
【0033】
条件1を満たすために、式(3)が成り立つ必要がある。
ΔIo_m=ΔIo_s …(3)
そして式(2a)、(2b)および式(3)から、式(4)が成り立つ必要がある。
(VDC_m−Vb)・L−1/VDC_m=(VDC_s−Vb)・L−1/VDC_s
…(4)
【0034】
また条件2で運転するとき、メインDC/DCコンバータ8mとサブDC/DCコンバータ8sのスイッチング素子のスイッチング周波数(周期)が等しく、かつメインDC/DCコンバータ8mのスイッチング素子のオン時間TON_mと、サブDC/DCコンバータ8sのスイッチング素子のオフ時間TOFF_sが等しくなる。このときスイッチング素子のオンデューティ比Dutyと、Dutyの間に、式(5)が成り立つ。
Duty=1−Duty …(5)
上述のように、メインDC/DCコンバータ8mおよびサブDC/DCコンバータ8sは、充電状態において降圧型DC/DCコンバータとして動作する。ここで降圧型DC/DCコンバータのオンデューティ比Dutyは、入力電圧Vinと出力電圧Voutの比で与えられる。したがって、式(6a)、(6b)を得る。
Duty=Vb/Vdc_m …(6a)
Duty=Vb/Vdc_s …(6b)
【0035】
式(5)に、式(6a)、(6b)を代入し、VDC_sについて解くと、式(7)を得る。
DC_s=VDC_m・Vb/(VDC_m−Vb) …(7)
【0036】
式(4)および式(7)の連立方程式を解くと、
DC_m=(L+L)/L×Vb …(8a)
DC_s=(L+L)/L×Vb …(8b)
を得る。
【0037】
実施の形態に係る充放電検査装置2では、メインリンク電圧生成部6mおよびサブリンク電圧生成部6sはそれぞれ、第1リンク電圧VDC_m、第2リンク電圧VDC_sを互いに独立に調節可能に構成される。具体的には、メインリンク電圧生成部6mおよびサブリンク電圧生成部6sには、センサ7によって検出された電池電圧Vbがフィードバックされている。メインリンク電圧生成部6mおよびサブリンク電圧生成部6sは、第1リンク電圧VDC_mおよび第2リンク電圧VDC_sを、式(8a)、(8b)を満たすように調節する。たとえばセンサ7としてはホールセンサが利用可能であるが、その他の検出回路を用いてもよい。
【0038】
すなわち、メインリンク電圧生成部6mは、2次電池1に供給される電圧Vbに比例した第1リンク電圧VDC_mを生成し、サブリンク電圧生成部6sは、電圧Vbに比例した第2リンク電圧VDC_sを生成する。そしてそれぞれの比例係数は、LおよびLに応じて定められる。
【0039】
以上が充放電検査装置2の構成である。続いてその動作を説明する。図3は、図1の充放電検査装置2の動作を示す波形図である。図3に示すように、この充放電検査装置2によれば、メインDC/DCコンバータ8mの電流リップルΔIO_mと、サブDC/DCコンバータ8sの電流リップルΔIo_sが、逆相となり、それらの振幅は等しくなる。その結果、2つの出力電流Io_mとIo_sを加算した電池電流Ibから、リップル成分を除去できる。
【0040】
上述のように、電池電流Ibのリップルは、2次電池1の発熱の原因となって2次電池1を劣化させたり、電流制御の精度の低下などの問題を引き起こすところ、実施の形態に係る充放電検査装置2によれば、そのリップルを好適に抑制できるため、2次電池1の発熱を低下させ、またその劣化を防止できる。
【0041】
続いて充放電検査装置2の設計手順の一例を説明する。ここでは図3の波形図に示すように、メインDC/DCコンバータ8mによって電流Ibの大部分を供給し、サブDC/DCコンバータ8sはリップル成分を除去するために用いるものとする。
まず負荷である2次電池1に供給すべき電圧Vb、供給すべき電流Ibが定まる。そして電流Ibに応じて、出力電流Io_DC_mが定まる。また、メインDC/DCコンバータ8mにおいて許容すべきリップル量ΔIo_mを決定する。リップル量ΔIo_mが決定されると、式(1)からインダクタンスLを計算できる。
【0042】
充放電検査装置2によれば、リアクトルの体積を1/4程度まで低下させることができ、そのコストを下げることができる。
【0043】
なお電池電流Ibのリップル成分をゼロとすることのみを目的とする場合、出力電流Io_mとIo_sの平均直流レベルIo_DC_m、Io_DC_sの大小関係は特に限定されない。すなわち図3に示すように、直流レベルIo_DC_mを、直流レベルIo_DC_sよりも大きくしてもよいし、それらを同レベルとしてもよい。
【0044】
以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
【0045】
実施の形態では、2次電池1を充放電する充放電検査装置2を例に説明したが、本発明の適用範囲はそれに限定されない。たとえば2次電池1に代えて、容量性負荷に電力を供給する電源装置にも適用可能であるし、その他の負荷に電力を供給してもよい。
たとえば本発明は、UPS(無停電電源装置)、ハイブリッド車両のコンバータ、ハイブリッドクレーンをはじめとする建設機械、AGV(無人搬送車)、自動搬送機などにも利用可能である。これらの用途においても、負荷に供給される電流のリップルを低減することにより、発熱を抑制でき、あるいは負荷の劣化を抑制できる。
【0046】
以上、本発明を実施例にもとづいて説明した。本発明は上記実施形態に限定されず、種々の設計変更が可能であり、様々な変形例が可能であること、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。
【符号の説明】
【0047】
1…2次電池、P1…入力端子、M1…ハイサイドトランジスタ、2…充放電検査装置、P2…出力端子、M2…ローサイドトランジスタ、P3…固定電圧端子、4…電源回生コンバータ、6m…メインリンク電圧生成部、6s…サブリンク電圧生成部、8m…メインDC/DCコンバータ、8s…サブDC/DCコンバータ、9…コントローラ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷に電力を供給する電源装置であって、
前記負荷に供給される電圧に応じた第1直流リンク電圧を生成する第1リンク電圧生成部と、
前記負荷に供給される電圧に応じた第2直流リンク電圧を生成する第2リンク電圧生成部と、
前記第1直流リンク電圧を受け、それを昇圧または降圧して前記負荷に供給する第1DC/DCコンバータと、
前記第2直流リンク電圧を受け、それを昇圧または降圧して前記負荷に供給する第2DC/DCコンバータと、
を備えることを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記第1リンク電圧生成部は、前記負荷に供給される電圧に比例した前記第1直流リンク電圧を生成し、
前記第2リンク電圧生成部は、前記負荷に供給される電圧に比例した前記第2直流リンク電圧を生成することを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
前記第1DC/DCコンバータは、
前記第1直流リンク電圧が入力される第1入力端子と、
前記負荷が接続される第1出力端子と、
前記第1入力端子と固定電圧端子の間に順に直列に設けられたハイサイドトランジスタおよびローサイドトランジスタと、
前記ハイサイドトランジスタと前記ローサイドトランジスタの接続点と、前記第1出力端子の間に設けられた第1インダクタと、
を備え、
前記第2DC/DCコンバータは、
前記第2直流リンク電圧が入力される第2入力端子と、
前記負荷が接続される第2出力端子と、
前記第2入力端子と固定電圧端子の間に順に直列に設けられたハイサイドトランジスタおよびローサイドトランジスタと、
前記ハイサイドトランジスタと前記ローサイドトランジスタの接続点と、前記第2出力端子の間に設けられた第2インダクタと、
を備え、
前記第1インダクタおよび前記第2インダクタのインダクタンスをそれぞれL、Lと書くとき、
前記第1リンク電圧生成部は、前記負荷の電圧に、LおよびLに応じて定まる第1係数を乗じたレベルの前記第1直流リンク電圧を生成し、
前記第2リンク電圧生成部は、前記負荷の電圧に、LおよびLに応じて定まる第2係数を乗じたレベルの前記第2直流リンク電圧を生成することを特徴とする請求項2に記載の電源装置。
【請求項4】
前記第1、第2リンク電圧生成部は、
前記第1DC/DCコンバータのデューティ比と、前記第2DC/DCコンバータのデューティ比の和が1となり、
かつ前記第1DC/DCコンバータの出力電流のリップルの振幅と、前記第2DC/DCコンバータの出力電流のリップルの振幅とが等しくなるように、
前記第1、第2直流リンク電圧を調節することを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項5】
前記第1DC/DCコンバータの出力電流の直流レベルが、前記第2DC/DCコンバータの出力電流の直流レベルより大きくなるように、前記第1、第2DC/DCコンバータは構成されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の電源装置。
【請求項6】
前記負荷は容量性負荷であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の電源装置。
【請求項7】
前記負荷は、2次電池であり、前記電源装置は、2次電池の充放電装置であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の電源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−147641(P2012−147641A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−6158(P2011−6158)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【出願人】(000002107)住友重機械工業株式会社 (2,241)
【Fターム(参考)】