電源設計プログラム、方法並びに装置及びコンピュータネットワーク
【課題】装置に供給される電源の設計を行う電源設計プログラムを提供する。
【解決手段】電源設計プログラムは、電源系統記憶手段に記憶されている複数の電源系統データから、複数の電源を有する構成装置の電源の1つを抽出し、電源系統記憶手段に記憶されている電源系統データのうち、構成装置の他の電源に割り当てられている電源系統データとは異なる電源系統データを抽出した電源に対応付け、この対応付けの結果に基づき電源系統記憶手段の電源系統データを更新する。
【解決手段】電源設計プログラムは、電源系統記憶手段に記憶されている複数の電源系統データから、複数の電源を有する構成装置の電源の1つを抽出し、電源系統記憶手段に記憶されている電源系統データのうち、構成装置の他の電源に割り当てられている電源系統データとは異なる電源系統データを抽出した電源に対応付け、この対応付けの結果に基づき電源系統記憶手段の電源系統データを更新する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源設計プログラム、方法並びに装置及びコンピュータネットワークに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、コンピュータネットワーク(以下、ネットワーク)の電源の設計においては、電源の故障により電源の供給が絶たれた場合等に備えて、同一の機能を持つ電源が複数用意される。これにより、ネットワークにおける電源の構成が多重化される。このようなネットワークにおいては、一方の電源に故障が発生した場合であっても、一方の電源に代って、多重化された他方の電源が動作し続ける。これにより、ネットワークを継続して運用することができる。
【0003】
なお、ネットワーク管理システムにおいて、電子計算機及びネットワーク機器に対応する情報を格納するデータベースを有し、当該情報からユーザが要求する条件を満たすネットワーク仕様図を生成できる手段が提案されている。
【0004】
また、配線管理装置において、管理対象物のレイアウト図面の表示上に、配線接続認識及び配線管理を行うことができる手段が提案されている。
【0005】
また、ネットワークシステムの監視方法、及びそのネットワークシステムにおいて、ネットワークシステムに備えられた中央装置が複数の中継アンプの状態情報と、複数の中継アンプの関連情報を入手し、伝送路図と伝送路系統図に中継アンプの状態情報を表示することができる手段が提案されている。
【0006】
また、自動レイアウト装置及び半導体集積回路設計方法において、物理的制約条件が記述された制約情報ファイルを用い、物理的制約条件に応じて配置配線をレイアウトすることができる手段が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平5−225104号公報
【特許文献2】特開2003−167932号公報
【特許文献3】特開2004−215027号公報
【特許文献4】特開2000−322462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ネットワークを構成する種々の装置の通常稼動時における消費電力に基づいて電源を多重化する場合には、電源の設計は容易である。しかし、ネットワークの電源の設計においては、電源から供給される電力と、ネットワークを構成し電源に接続される装置の消費電力と、ネットワークを構成する装置の運用方法とを考慮する必要がある。
【0009】
本発明は、装置に供給される電源の設計を行う電源設計プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
開示される電源設計プログラムは、電源系統データを記憶する電源系統記憶手段とのアクセスが可能なコンピュータに、電源系統記憶手段に記憶されている複数の電源系統データから、複数の電源を有する構成装置の電源の1つを抽出し、電源系統記憶手段に記憶されている電源系統データのうち、構成装置の他の電源に割り当てられている電源系統データとは異なる電源系統データを抽出した電源に対応付け、この対応付けの結果に基づき電源系統記憶手段の電源系統データを更新する処理を実行させる。
【発明の効果】
【0011】
開示される電源設計プログラムによれば、電子装置を構成する装置である構成装置に供給される電源を設計することができる。特に、設計者が人手により設計した場合に生じ易いミスの発生を防止して、正確に電源を設計することができる。また、コンピュータやモニタのような電子装置を構成する装置に供給すべき電源が、その運用方法に応じて変化する場合でも、電子装置を構成する装置に供給すべき電源を最適に設計することができる。
【0012】
電子装置の電源設計の完了後に、電子装置を構成する装置の増設等の設計変更により電源の設計を見直す場合でも、前述したように、電子装置を構成する装置に供給される電源を、正確にかつ最適に、設計することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】ネットワーク電源設計システムの構成の一例を示す図である。
【図2】ネットワーク電源設計装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】ネットワーク電源設計装置の構成の一例を示す図である。
【図4】入力画面の一例を示す図である。
【図5】設計データの一例を示す図である。
【図6】構成装置データの一例を示す図である。
【図7】ソート処理データの一例を示す図である。
【図8】電源割当結果データの一例を示す図である。
【図9】出力画面の一例を示す図である。
【図10】電源系統の割当て処理フローを示す図である。
【図11】電源割当結果データを説明する図である。
【図12】電源割当結果データを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ネットワークを構成する装置(以下、構成装置と言う)であるコンピュータやモニタ等は、通常稼動時における消費電力と、スタンバイ時における待機電力とが大きく異なる。換言すれば、ネットワーク又は構成装置の運用方法に依存して、消費電力が大きく異なる。また、例えばブレードサーバ等は、ブレードの実装枚数により、消費電力が異なる。換言すれば、同一製品であっても、仕様により構成装置の消費電力が異なる。また、ネットワークには、電源が多重化された構成装置と、電源が多重化されない構成装置とが混在する。従って、電源から供給される電力と、電源に接続される装置の消費電力とを考慮するだけでなく、ネットワークの運用方法を考慮する必要がある。
【0015】
しかし、このようなネットワークの電源の設計において、設計者が手作業で電源の設計を行う場合、設計ミスが発生する可能性がある。更に、ネットワークの電源設計の完了後に、構成装置の増設等の設計変更により、電源の設計を見直す必要が生じる場合がある。この場合でも、設計者が手作業で電源の設計をやり直すので、煩雑であり、また、設計ミスも発生し易い。
【0016】
以下の実施態様によれば、ネットワークを構成する装置に供給される電源を、正確にかつ最適に、設計することができる。
【0017】
図1は、ネットワーク電源設計システムの構成の一例を示す図である。
【0018】
ネットワーク電源設計システムは、ネットワーク電源設計装置1、製品ライブラリDB(データベース)2、入出力装置3を備える。ネットワーク電源設計装置1は、設計DB(データベース)11、電源系統生成部12、図面生成部13、入出力処理部14を備える。
【0019】
ネットワーク電源設計装置1は、入出力装置3からの入力と製品ライブラリDB2からの製品データとに基づいて、例えば、電源系統図を表示出力する。電源系統図は、設計対象であるネットワークにおいて、ネットワークを構成する構成装置への電源系統の割当を示す図面である。設計対象であるネットワークは、複数の構成装置を備えるコンピュータネットワークである。構成装置としては、サーバマシンやクライアントマシンのようなコンピュータ、モニタのような表示装置、ルータのような通信中継装置、磁気ディスク装置のような外部記憶装置等がある。電源系統即ち電源システムは、1又は複数の電源装置を含み、構成装置に電力を供給する。
【0020】
ネットワーク電源設計装置1は、入出力装置3からの入力に基づいて、製品ライブラリDB2から製品のデータ、電源系統のデータを読み出す。製品ライブラリDB2は、構成装置についての種々のデータ、電源系統についての種々のデータを格納する。
【0021】
ネットワーク電源設計装置1は、入出力装置3からの入力と製品ライブラリDB2から読み出したデータとに基づいて、設計対象であるネットワークにおいて、ネットワークを構成する構成装置への電源系統の割当て処理を行う。また、ネットワーク電源設計装置1は、この割当て処理の結果に基づいて、電源系統図を生成する。
【0022】
入出力処理部14は、入出力装置3からの入力のために、入力画面を生成して、入出力装置3に表示する。入出力処理部14は、入力画面から入力されたデータに基づいて、製品ライブラリDB2から製品のデータ、電源系統のデータを読み出す。更に、入出力処理部14は、入力画面から入力されたデータ、製品ライブラリDB2から読み出したデータに基づいて、設計データを生成し、設計DB11へ格納する。設計データは、後述する管理データ111、製品データ112、運用データ113及び電源系統データ114を含む。また、これらに基づいて生成される構成装置データ115も、設計データであると考えても良い。設計DB11は、構成装置に電源を供給する電源系統の設計に関する設計データを含むデータベースである。
【0023】
電源系統生成部12は、設計データ及び電源系統データ114に基づいて、構成装置に電源を供給する電源系統を、構成装置に割当てる。このために、電源系統生成部12は、構成装置に電源を供給する電源系統の割当てのための中間データを生成し、生成した中間データを設計DB11に格納する。中間データは、後述するソート処理データ116及び電源割当結果データ117を含む。
【0024】
以上に説明した各種のデータ111〜117は、各データを格納するテーブルとして構成されるようにしても良い。これらのテーブルは、例えば、主メモリであるRAM53に設けられる。
【0025】
図面生成部13は、設計DB11に格納された中間データに基づいて、構成装置に電源を供給する電源系統を示す図面データ118を生成し、生成した図面データ118を設計DB11に格納する。図面データ118については後述する。
【0026】
入出力処理部14は、設計DB11に格納された図面データに基づいて、設計対象のネットワークの電源系統図即ち出力画面を生成して、生成した電源系統図を入出力装置3へ出力する。入出力装置3は、入出力処理部14から電源系統図を入力されると、入力された電源系統図をモニタ58に表示する。
【0027】
図2は、図1に示すネットワーク電源設計装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0028】
ネットワーク電源設計装置1は、CPU(Central Processing Unit)51、ROM(Read Only Memory)52、RAM(Random Access Memory)53、HDD(Hard Disk Drive)54、CD−ROM55、キーボード56、マウス57、モニタ58を備える。
【0029】
CPU51は、CD−ROM55からネットワーク電源設計装置1を実現するアプリケーションプログラム(ネットワーク電源設計プログラム)を読込み、読込んだアプリケーションプログラムをHDD54に格納する。CD−ROM55は、CD−ROM媒体に記録されたアプリケーションプログラム等のデータを読込むためのドライブ装置である。従って、ネットワーク電源設計プログラムは、CD−ROM媒体に格納されて、コンピュータに読み取られる。CD−ROM55は、DVD(Digital Versatile Disk)、FD(Flexible Disk)等の他の記録媒体を読込むためのドライブ装置であっても良い。ネットワーク電源設計プログラムは、ROM52に格納されるようにしても良い。
【0030】
CPU51は、HDD54に格納したネットワーク電源設計プログラムを主メモリであるRAM53に転送して、主メモリ上のネットワーク電源設計プログラムを実行する。これにより、電源系統生成部12、図面生成部13、入出力処理部14の各々の処理が実行され、ネットワーク電源設計装置1が実現される。
【0031】
HDD54は、ハードディスク装置であり、例えば図1に示す設計DB11を備えると共に、その他のデータを記憶する。CPU51は、図3に示す各種のデータを記憶する各種のデータ記憶手段を含む設計DB11にアクセスが可能なコンピュータである。なお、HDD54が、製品ライブラリDB2を備えるようにしても良い。
【0032】
キーボード56、マウス57及びモニタ58は、入出力装置3を構成する。設計者は、キーボード56及びマウス57を用いて、データを入力する。モニタ58は、設計者に入力画面を表示し、入出力処理部14から出力された電源系統図を表示する。入出力装置3に代えて、ネットワーク電源設計装置1に接続されたLAN(Local Area Network)等を介して、データを入出力するようにしても良い。
【0033】
当該プログラムをCD−ROM媒体に記録し、ネットワーク電源設計装置1が、CD−ROM媒体から当該プログラムを、RAM53やHDD54等に記憶することも可能である。即ち、コンピュータ(CPU51等)が、CD−ROM媒体にインストールされたアプリケーションプログラムにより、ネットワーク電源設計装置1として動作することが可能となる。
【0034】
図3は、ネットワーク電源設計装置1の構成の一例を示す図である。図4は、入力画面の一例を示す図である。図5〜図8は、図3に示す設計データの説明図である。図9は、出力画面の一例を示す図である。以下、図4〜図9を参照しながら、図3に従ってネットワーク電源設計装置1が実行する処理について説明する。
【0035】
入出力処理部14は、入出力装置3からの入力に基づいて、設計データを生成する。入出力処理部14は、生成した設計データを設計DB11へ格納する。設計データは、管理データ111、製品データ112、運用データ113及び電源系統データ114を含む。設計データについては、図5(A)〜図5(D)を参照して後述する。
【0036】
入出力処理部14は、ネットワークの構成を入力するための入力画面31Aをモニタ58に表示する。図4は、ネットワークの構成を入力するための入力画面31Aの一例を示す。
【0037】
図4に示すように、入力画面31Aは、予め定められたフォーマットを備える。換言すれば、入力画面31Aは、複数の縦の入力フィールド1111と、複数の横のフィールド1141とを備える。縦の入力フィールド1111は、構成装置の入力フィールドであり、実際には、構成装置の固有名が入力される。横のフィールド1141は、電源系統の入力フィールドであり、実際には、電源系統の電源系統名が入力される。入出力処理部14は、入出力装置3から縦の入力フィールド1111の入力データ、横の入力フィールド1141の入力データを含めたデータに基づいて、ネットワークの構成のためのデータを入力する。
【0038】
なお、図4は、実線で示すように、縦の入力フィールド1111の2個に構成装置の固有名が入力され、横のフィールド1141の1個に電源系統の電源系統名が入力された状態を示す。図4において点線で示す部分は、この後に入力される。
【0039】
入出力装置3は、入力フィールド1111の入力データの決定に従って、構成装置ID毎の固有名を入力データとして、入出力処理部14へ出力する。また、入出力装置3は、入力フィールド1141の入力データの決定に従って、電源系統ID毎の電源系統名を入力データとして、入出力処理部14へ出力する。
【0040】
入出力処理部14は、製品ライブラリDB2から製品データ112、入出力装置3からデータを入力し、これらの入力したデータに基づいて、設計データを生成する。入出力処理部14は、生成した設計データを、設計DB11へ格納する。以下、設計データの生成処理について説明する。
【0041】
入出力処理部14は、入出力装置3からのデータに基づいて、管理データ111を生成し、設計DB11へ格納する。図5(A)は、管理データ111の一例を示す。
【0042】
図5(A)に示すように、管理データ111は、構成装置の構成ID(Identify)、固有名を含む。構成IDは、設計対象のネットワークにおいて入力された構成装置を識別するためのIDであり、ネットワークにおいて構成装置毎に一意に定まる。構成IDは、入出力処理部14により、構成装置の固有名の入力の際に付与される。固有名は、構成装置の固有の名称であり、構成装置毎に一意に定まり、例えば、製品名又は型番等である。
【0043】
設計者は、構成装置とする固有名を入力して、構成装置を選択する。この時、多重化のために、同一の構成装置が選択される。例えば、3台の固有名XXXの構成装置を選択する場合、設計者は、固有名XXXに番号#1〜#3等を付加して、3台の構成装置を相互に区別する。
【0044】
図4の一例において、入出力処理部14は、入出力装置3から1番目の縦の入力フィールド1111に固有名XXX#1のデータが入力されると固有名XXX#1に対応する構成装置に対し、1番目の入力である場合、構成ID=1を付与する。
【0045】
次に、入出力処理部14は、2番目の縦の入力フィールド1111に固有名XXX#2のデータが入力されると、先に付与した構成IDの値を+1だけインクリメントし、固有名XXX#2に対応する構成装置に対して構成ID=2を付与する。
【0046】
この後、例えば、図4に示すように、入出力処理部14は、入力フィールド1111に固有名XXX#3〜固有名ZZZ#3が入力される。これに応じて、入出力処理部14は、同様にして、対応する構成装置に対して構成ID=3〜8を付与する。これにより、構成ID毎に管理データ111が生成される。
【0047】
入出力処理部14は、入出力装置3からの入力に基づいて、製品ライブラリDB2から製品データ112を検索し、製品データ112を入力する。入出力処理部14は、入力した製品データ112を設計DB11へ格納する。図5(B)は、製品データ112の一例を示す。
【0048】
図5(B)に示すように、製品データ112は、構成ID毎に、電源種別(V:電圧の単位)、消費電力(W:電力の単位)、待機電力(W)、電源数を含む。電源種別(V)は、製品の使用される電源電圧の種類であり、例えば200(V)等の定格電圧値である。消費電力(W)は、製品の運用状態における消費電力の値を示す。待機電力(W)は、製品の待機状態における消費電力の値を示す。電源数は、製品の電源供給を受ける電源入力数を示す。
【0049】
例えば、入出力処理部14は、図4に入力された構成装置の番号部分(例えば、#1等)を除く固有名を用いて製品ライブラリDB2を検索して、当該固有名を持つ製品のデータを読み出す。そして、入出力処理部14は、当該構成装置の固有名、これに対応する構成ID、読み出した製品のデータを用いて、製品データ112を生成する。従って、製品ライブラリDB2は、構成装置の固有名毎に、電源種別(V:電圧の単位)、消費電力(W:電力の単位)、待機電力(W)、電源数を格納する。
【0050】
入出力処理部14は、入出力装置3から入力したデータに基づき、構成ID毎の運用データ113を生成する。入出力処理部14は、生成した運用データ113を設計DB11へ格納する。図5(C)は、運用データ113の一例を示す。
【0051】
図5(C)に示すように、運用データ113は、構成装置毎に、運用方法と、代替装置とを含む。運用方法は、通常稼動、ホットスタンバイ、コールドスタンバイのいずれかである。代替装置は、構成装置毎に、多重化された他の構成装置の固有名を示す。
【0052】
例えば、図4において、固有名XXX#1と指定する場合、「XXX」は製品名とされ、「#1」は運用方法とされる。従って、運用方法は設計者により定められる。例えば、「#1」として、「通常」「ホット」「コールド」等が入力される。「#1」とは別に、「通常」「ホット」「コールド」等を入力するようにしても良い。一方の構成装置と同一の製品名XXXを有し、運用方法が異なる他方の構成装置は、多重化された他の構成装置であり、一方の構成装置の代替装置である。従って、代替装置は、運用方法が定まれば、これに基づいて定まる。
【0053】
通常稼動は、構成装置の通常動作時における稼動状態の運用方法である。ホットスタンバイは、多重化された構成装置において、一方(主系)を通常稼動させ、他方(待機系)は同一の動作を行ないながら待機させる運用の待機系側の運用方法である。ホットスタンバイの構成装置は、主系と常に同一の状態を保っておき、主系に障害が発生すると、即座に主系の処理を引継ぐ。コールドスタンバイは、多重化された構成装置において、主系を通常稼動させ、待機系は動作させない待機系側の運用方法である。コールドスタンバイの構成装置は、主系に障害が発生すると、立ち上がり、主系の処理を行う。
【0054】
例えば、同一の固有名XXXの構成装置を3重化する場合、3台の構成装置が用いられ、固有名XXX#1〜#3が付与される。そして、例えば、固有名XXX#1の構成装置が通常稼動、固有名XXX#2の構成装置がホットスタンバイ、固有名XXX#3の構成装置がコールドスタンバイとされる。この場合、固有名XXX#1の構成装置の代替装置は、固有名XXX#2及び#3の構成装置である。
【0055】
入出力処理部14は、入出力装置3により入力されたデータに基づき、電源系統データ114を生成する。入出力処理部14は、生成した電源系統データ114を設計DB11へ格納する。図5(D)は、電源系統データ114の一例を示す。
【0056】
図5(D)に示すように、電源系統データ114は、電源系統IDと、電源系統名、電源種別(V)、契約アンペア(A:電流の単位)を含む。電源系統IDは、入力された電源系統を識別するためのIDであり、入出力処理部14により電源系統毎に一意に定められる。電源系統名は、電源系統の名称であり、電源系統毎に定められる。電源種別(V)は、電源系統の定格電圧の値であり、電源系統毎に定められる。契約アンペア(A)は、電源系統の定格電流値(A)を示し、電源系統毎に定められる。なお、契約アンペア(A)は、設計者が予め定める電源系統毎に制限する電流値であっても良い。
【0057】
なお、以下の説明においては、電源系統データ114は、電源系統名が電源系統#1〜#3である3個の電源系統について格納されているものとする。また、電源系統#1〜#3において、各々、電源種別(V)=200、契約アンペア(A)=30であるものとする。
【0058】
入出力装置3から入力された電源系統名に対して、電源系統IDを付与する処理の一例は、図4に示す通りである。図4において、入出力処理部14は、入出力装置3から縦の入力フィールド1111に固有名XXX#1のデータが入力されると固有名XXX#1に対応する構成装置に対し、例えば1番目の入力である場合、予め初期値として定めた構成ID=1を付与する。
【0059】
次に、入出力処理部14は、入出力装置3から別の縦の入力フィールド1111に固有名XXX#2のデータが入力されると、先に付与した構成IDの値を+1だけインクリメントし、固有名XXX#2に対応する構成装置に対して構成ID=2を付与する。以下、図4に示す通り、入出力処理部14は、入力フィールド1111に固有名XXX#3〜固有名ZZZ#3のデータが入力されると、同様に対応する構成装置に対して構成ID=3〜8を付与する。
【0060】
図4において、入出力処理部14は、入出力装置3から横の入力フィールド1141に、電源系統名として電源系統#1が入力されると、電源系統の最初の入力である場合、電源系統ID=1を付与する。次に、入出力処理部14は、入出力装置3から他の横の入力フィールド1141に、電源系統名として電源系統#2が入力されると、先に付与した電源系統IDの番号を+1インクリメントし、電源系統ID=2を付与する。以下、同様にして、電源系統#3に対して、電源系統ID=3を付与する。
【0061】
入出力処理部14は、電源系統名を入出力装置3からの入力に含まれる電源種別(V)及び契約アンペア(A)と共に、電源系統ID毎に後述する電源系統データ114として設計DB11に格納する。
【0062】
例えば、入出力処理部14は、図4に入力された電源系統の番号部分(例えば、#1等)を除く固有名を用いて製品ライブラリDB2を検索して、当該固有名を持つ電源系統のデータを読み出す。そして、入出力処理部14は、当該電源系統の固有名、これに対応する電源系統ID、読み出した電源系統のデータを用いて、電源系統データ114を生成する。従って、製品ライブラリDB2は、電源系統の固有名毎に、電源種別(V)及び契約アンペア(A)を格納する。
【0063】
入出力処理部14は、管理データ111、製品データ112及び運用データ113に基づいて、構成ID毎に対応づけられた構成装置データ115を生成する。入出力処理部14は、生成した構成装置データ115を設計DB11へ格納する。図6は、構成装置データ115の一例を示す。
【0064】
図6に示すように、構成装置データ115は、構成ID毎に、固有名、電源種別(V)、消費電力(W)、待機電力(W)、電源数、電流(A)、運用方法及び代替装置を含む。構成ID及び固有名は、管理データ111から得られる。電源種別(V)、消費電力(W)、待機電力(W)、電源数は、構成IDをキーとして、製品データ112から得られる。運用方法及び代替装置は、構成IDをキーとして、運用データ113から得られる。
【0065】
入出力処理部14は、電流(A)=装置の消費電力(W)÷電源種別(V)÷力率として算出する。図6の例においては、力率は予め0.6に定められているが、力率の値としてこれ以外の値を用いるようにしても良い。また、力率を入出力装置3からデータの一部として入力するようにしても良い。入出力処理部14は、この算出した値を、構成装置データ115の電流(A)とする。
【0066】
電源系統生成部12は、構成装置データ115及び電源系統データ114に基づいて、構成装置に電源を供給する電源系統を、構成装置に割当てる。このために、電源系統生成部12は、設計DB11に基づいて設計対象である構成装置に関する構成装置データ115と、電源系統データ114とを読み出す。電源系統生成部12は、読み出した構成装置データ115と電源系統データ114とに基づいて、構成装置に電源を供給する電源系統の割当てのためのソート処理データ116及び電源割当結果データ117を生成し設計DB11に格納する。電源系統生成部12は、ソート部121、第1電源割当部122及び第2電源割当部123を備える。
【0067】
入出力処理部14は、処理対象の構成装置を選択し、選択した構成装置に電源を供給すべき電源系統の候補を、図4に入力された電源系統即ち電源系統データ114の中から抽出する。候補とされる電源系統は、構成装置に電源を供給すべき電源系統の電源種別であって予め定められた電源種別と同一の電源種別の電源系統である。
【0068】
入出力処理部14は、抽出した電源系統の候補の中から、構成装置に電源を供給すべき電源系統を選択して、選択した電源系統を当該構成装置に割当てる。選択される電源系統は、当該電源系統が先行して割当てられた他の構成装置に流れる電流であって、他の構成装置の運用方法に応じて定まる他の構成装置に流れる電流の合計が最小である電源系統である。
【0069】
このために、入出力処理部14が、構成装置データ115における構成ID毎の電流(A)を、消費電力(W)又は待機電力(W)と、運用方法とに基づいて、以下に示すように決定する。入出力処理部14は、電流(A)の算出対象の運用方法を参照し、運用方法が通常運用又はホットスタンバイである場合、構成装置データ115の消費電力(W)を構成装置の消費電力とする。一方、入出力処理部14は、運用方法がコールドスタンバイである場合、構成装置データ115の待機電力(W)を構成装置の消費電力とする。
【0070】
ソート部121は、設計DB11に格納された構成装置データ115に基づいて、ソート処理データ116を生成する。ソート部121は、生成したソート処理データ116を設計DB11へ格納する。図7は、ソート処理データ116の一例を示す。
【0071】
図7に示すように、ソート処理データ116は、固有名毎に、装置の消費電力(W)、消費電力(W)、待機電力(W)、運用方法及び処理済電源数を含む。
【0072】
ソート部121は、参照した構成装置データ115に基づいて、運用方法に対応した装置の消費電力を求める。ソート部121は、これらの情報と共に、固有名毎の構成装置に電源を供給する電源系統の割当ての結果を確認するフラグである処理済電源数を生成する。
【0073】
ソート部121は、構成装置データ115から求めた構成装置の消費電力(W)に基づいて、ソート(並べ替え)する。具体的には、ソート部121は、装置の消費電力(W)の値の大きい順に従って、構成装置をソートする。なお、構成装置の消費電力が同一の値の場合は、ソート部121は、運用方法が通常稼動である構成装置に電源を供給する電源系統の割当て処理を、ソートにおける順位として優先する。
【0074】
更に、いずれの構成装置も、通常稼動等の運用方法が同一である場合、ソート部121は、構成装置データ115に基づいて、構成IDの小さい値の方を高い順位に選択する。ソート部121は、生成したソート処理データ116を設計DB11へ格納する。
【0075】
電源系統生成部12は、構成装置データ115及びソート処理データ116に基づいて、電源割当結果データ117を生成する。換言すれば、電源系統を構成装置に割当てる割当て処理とは、電源割当結果データ117を作成又は更新することである。電源系統生成部12は、生成した電源割当結果データ117を設計DB11へ格納する。図8は、電源割当結果データ117の一例を示す。
【0076】
図8に示すように、電源割当結果データ117は、構成装置の固有名、電源系統の構成装置に対する割当て、電源系統の合計電流(A)を含むデータである。構成装置の固有名は、電源系統の割当ての対象となる構成装置を示す情報である。電源系統の構成装置に対する割当ては、その構成装置に割当てられた電源系統名において、割当てられた分の消費電流(A)を示す情報である。電源系統の合計電流(A)は、電源系統に割当てられた構成装置の消費電流(A)の合計を示す情報である。
【0077】
換言すれば、図8に示すように、電源割当結果データ117は、入力画面31Aにおける縦のフィールド1182である構成装置及び横のフィールド1181である電源系統に対応する2次元のデータである。電源割当結果データ117は、構成装置と電源系統との交点に、当該電源系統において、当該構成装置に割当てられる電源の消費電流(A)を記述する。これにより、当該構成装置に、当該電源系統から当該消費電流(A)が割当てられたことが示される。
【0078】
なお、後述するように、図11及び図12は、最終的に図8に示す電源割当結果データ117を得る処理の過程における即ち処理中の電源割当結果データ117を示す。換言すれば、電源割当結果データ117は、電源系統を構成装置に割当てる割当て処理により、例えば、図11(A)、図11(B)、図11(A)、図11(B)、図8の順に作成及び更新される。
【0079】
第1電源割当部122は、構成装置データ115及びソート処理データ116に基づいて、構成装置に電源を供給する電源系統が割当てられているか否かを判断する。更に、第1電源割当部122は、処理済電源数が装置の電源数に達していない構成装置を検索する。第1電源割当部122は、上記判断により、電源が割当てられていない構成装置を検索し、第2電源割当部123の処理対象の構成装置として選択する。
【0080】
第2電源割当部123は、電源系統データ114及び構成装置データ115に基づいて、処理対象の構成装置に供給すべき電源の電源種別と同一の電源種別の電源系統を検索する。第2電源割当部123は、検索した電源系統の中から処理対象の構成装置に割当てる。第2電源割当部123は、ソート処理データ116の処理対象の構成装置の処理済電源数を+1インクリメントして、ソート処理データ116の処理対象の構成装置の処理済電源数をインクリメントした値に更新する。
【0081】
第1電源割当部122又は第2電源割当部123は、処理対象の構成装置に電源を供給する電源系統の割当てができないと判断してエラー通知を入出力装置3へ行うか、又は電源割当結果データ117を生成するまで繰り返し実行する。電源系統生成部12は、生成された電源割当結果データ117を、設計DB11へ格納する。
【0082】
一方、入出力処理部14は、構成装置に割当てられた電源系統が、当該構成装置又はその代替装置に先行して割当てられているか否かを調べる。なお、実際には、電源系統の割当てに先行して、割り当て用としている電源系統が、当該構成装置又はその代替装置に先行して割当てられているか否かが調べられる。
【0083】
構成装置に割当てられた電源系統が、当該構成装置又はその代替装置に先行して割当てられている場合、入出力処理部14は、構成装置に当該電源系統を割当てない。そして、入出力処理部14は、抽出した電源系統の候補から構成装置に割当てられた(割当てようとした)電源系統を除いて、新たな電源系統を当該構成装置に割当てる。新たに割当てられる電源系統は、当該電源系統が先行して割当てられた他の構成装置に流れる電流の合計が最小である他の電源系統である。
【0084】
以上のように、各々の構成装置に対して、電源系統#1〜#3の中から電源系統の割当てが行われる。これにより、構成装置に電源を供給する電源系統の割当てを偏ることなく行うことができる。また、一つの構成装置に対して、同一の電源系統が割当てられることを防止することができる。
【0085】
図面生成部13は、以上のような構成装置への電源系統の割当てに従って、構成装置に割当てられた電源系統を示す図面データ118を生成する。具体的には、図面生成部13は、設計DB11から電源割当結果データ117を読み取り、読み取ったデータに基づいて、予め定めたデータ形式の電源系統の配線に関する図面データ118を生成する。図面生成部13は、生成した図面データ118を設計DB11へ格納する。図9は、図面データ118が電源系統図として出力された一例を示す図である。
【0086】
図9に示すように、図面データ118は、構成装置の構成ID及び対応する固有名と、電源を供給する電源系統ID及び対応する電源系統名と、これらの間を接続する配線とを含む電源系統図である。即ち、図面データ118は、固有名1182の構成装置と電源系統名1181との間の接続即ち配線を示すデータである。なお、図面データ118は、コンピュータネットワークにおける実際の構成装置の配置、電源系統の配置、配線と一致していても一致していなくても良い。
【0087】
入出力処理部14は、入出力装置3の要求に応じて、生成された図面データ118を設計DB11から読込み、入出力装置3が電源系統図の出力として出力画面31Bをモニタ58上に表示する。出力画面31Bは、入力画面31Aと対応した画面であり、縦のフィールド1182は構成装置を示し、横のフィールド1181は電源系統を示す。
【0088】
例えば、出力画面31Bにおいて、縦のフィールド1182である構成装置、及び、横のフィールド1181である電源系統は、入力画面31Aと同一である。ネットワークに存在する全ての構成装置及び電源系統が入力画面31Aに入力されるので、出力画面31Bにおいて、構成装置及び電源系統は、実線で示される。
【0089】
例えば、図9において、固有名XXX#1の構成装置に対して、電源系統#1及び電源系統#2が割当てられることが示される。換言すれば、固有名XXX#1の構成装置に対して、電源系統#1及び電源系統#2から電源が供給されることが示される。その他の構成装置についても、同様である。
【0090】
具体的には、図9において、固有名XXX#1の構成装置が、図8に基づいて、電源系統#1及び電源系統#2と実線で描かれる接続線で結ばれる。出力画面31Bにおいて、例えば、各構成装置及び各電源系統について複数の接続線が描かれるべき位置(グリッド)が予め定められる。
【0091】
図10は、電源系統の割当て処理フローであり、図3に示す電源系統生成部12が実行する電源系統の割当て処理を示す。
【0092】
入出力処理部14は、電源系統生成部12の電源系統の割当て処理の前処理として、以下に示すように構成装置データ115を生成する。
【0093】
入出力装置3は、設計者の入力に応じて、設計対象である構成装置に関するデータを入力する。入出力処理部14は、入出力装置3からデータ及び製品ライブラリDB2から製品データ112を入力する。入出力処理部14は、これらの入力したデータに基づいて設計データを生成し、生成した設計データを設計DB11へ格納する。入出力処理部14は、設計DB11に格納された設計データに基づいて、構成装置データ115を生成する。入出力処理部14は、生成した構成装置データ115を設計DB11へ格納する。
【0094】
この後、電源系統生成部12は、入出力処理部14が生成した構成装置データ115を設計DB11へ格納すると、以下のように電源系統の割当て処理を開始する。
【0095】
最初に、ソート部121は、構成装置データ115に基づいて、各構成装置の運用方法に対応する装置の消費電力を求める(ステップS11)。即ち、ソート部121は、運用方法が通常稼動又はホットスタンバイである場合、構成装置データ115の消費電力(W)を構成装置の消費電力とする。また、ソート部121は、運用方法がコールドスタンバイである場合、構成装置データ115の待機電力(W)を構成装置の消費電力とする。ソート部121は、求めた構成装置の消費電力のデータ及び構成装置データ115に基づいて、ソート処理データ116を生成する。ソート部121は、生成したソート処理データ116を設計DB11へ格納する。
【0096】
次に、ソート部121は、ソート処理データ116を構成装置の消費電力のデータが大きい順に従って、固有名毎にデータをソートする(ステップS12)。図7に示す結果の通り、ソート部121は、ソート処理データ116をソートする。図7に示すように、ソート部121は、固有名XXX#1、XXX#2、ZZZ#1、ZZZ#2、ZZZ#3、YYY#1、YYY#2、XXX#3の構成装置の順にソートする。ソート部121は、ソートした結果を反映するため、設計DB11のソート処理データ116を更新する。
【0097】
ソート部121は、ソート処理データ116の装置の消費電力の値が大きい順に従って、電源系統の割当ての処理対象の構成装置を選択する。図7に示す例では、ソート部121は、優先順の最初に固有名XXX#1を、電源系統の割当ての処理対象の構成装置として選択する。
【0098】
次に、第1電源割当部122は、ソート処理データ116に基づいて、未割当ての電源を持つ構成装置がある否かを判断する(ステップS13)。換言すれば、第1電源割当部122は、ソート処理データ116の処理済電源数=0である構成装置があるか否かを判断する。未割当ての電源を持つ構成装置がない場合(ステップS13 No)、第1電源割当部122は、処理を終了する。
【0099】
未割当ての電源を持つ構成装置がある場合(ステップS13 Yes)、第1電源割当部122は、更に、構成装置データ115及びソート処理データ116に基づいて、処理対象の構成装置に未割当ての電源があるか否かを判断する(ステップS14)。換言すれば、第1電源割当部122は、これらのデータに基づいて、処理済電源数=装置の電源数であるか否かを判断する。処理対象の構成装置に未割当ての電源がない場合(ステップS14 No)、第1電源割当部122は、ステップS13を繰り返す。
【0100】
処理対象の構成装置に未割当ての電源がある場合(ステップS14 Yes)、第2電源割当部123は、電源系統データ114及び構成装置データ115に基づいて、処理対象の構成装置に供給すべき電源の電源種別と同一の電源種別の電源系統があるか否かを判断する(ステップS15)。
【0101】
処理対象の構成装置に供給すべき電源の電源種別と同一の電源種別の電源系統がない場合(ステップS15 No)、第2電源割当部123は、エラー通知を行う(ステップS16)。これは、装置の電源種別と同一の電源種別の電源系統が全くない場合に該当する。
【0102】
なお、第2電源割当部123は、同一の電源種別の電源系統がある場合でも、その電源系統を割当てると、電源結果割当データ117の合計(A)が電源系統データ114の契約アンペア(A)即ち定格電流の値を超える場合も、同一の電源種別の電源系統がないと判断する。
【0103】
第2電源割当部123は、入出力処理部14へ、電源系統の割当てができない旨のエラー通知を行った後、電源系統生成部12は、電源系統の割当て処理を終了する。入出力処理部14は、入出力装置3を介して、このエラー通知を出力する。
【0104】
処理対象の構成装置に供給すべき電源の電源種別と同一の電源種別の電源系統がある場合(ステップS15 Yes)、第2電源割当部123は、前記同一の電源種別の電源系統を割当ての候補として選択し、候補として選択した電源系統を検索して、余剰の電流が一番大きい電源系統を抽出する(ステップS17)。換言すれば、第2電源割当部123は、電源割当結果データ117と電源系統データ114に基づいて、候補として選択した電源系統#1〜#3の中から余剰の電流が一番大きい電源系統を選択する。余剰の電流とは、その電源系統の契約アンペア(A)から、その電源系統が既に電源として割当てられた電流の値、即ち、その時点での電源結果割当データ117の合計(A)を差引いた値である。
【0105】
なお、選択した複数の電源系統が同一の電流の合計(A)の場合、第2電源割当部123は、電源系統IDの昇順の順位(電源系統ID=1が上位)に従って、1個の電源系統を選択する。
【0106】
また、余剰の電流のかわりに余剰の電力を用いて、電源系統を選択してもよい。
【0107】
余剰の電流が一番大きい電源系統が抽出される場合(ステップS17 Yes)、第2電源割当部123は、選択した電源系統について、同一の構成装置又はその代替装置へ割当て済みであるか否かを判断する(ステップS18)。即ち、第2電源割当部123は、構成装置データ115及びソート処理データ116に基づいて、固有名XXX#1の構成装置の処理済電源数=0であり、かつ、その代替装置が固有名XXX#2及びXXX#3であると判断する。更に、第2電源割当部123は、電源割当結果データ117に基づいて、代替装置である固有名XXX#2及びXXX#3の構成装置に対して、電源系統#1が割当てられていないことを判断する。
【0108】
選択した電源系統が同一の構成装置又はその代替装置へ割当て済みである場合(ステップS18 Yes)、第2電源割当部123は、選択した電源系統を除いた電源系統候補を基にステップS17を実行する。
【0109】
電源系統候補に電源系統が1つしか残っていない場合(ステップS17 No)、及び、選択した電源系統が同一の構成装置又はその代替装置へ割当て済みでない場合(ステップS18 No)、第2電源割当部123は、電源割当結果データ117に基づいて、選択した電源系統に電源を割当てる(ステップS19)。換言すれば、第2電源割当部123は、固有名XXX#1の構成装置の1つに対して、ステップS17において選択した電源系統#1へ割当てる。第2電源割当部123は、その割当て結果及び構成装置データ115の電流データに基づいて、電源割当結果データ117を更新する。
【0110】
図11及び図12は、電源割当結果データ117の生成の一例を示す。図11及び図12は、入力画面31Aに図4に示すデータが入力された結果、図6の構成装置データ115が得られ、これに基づいて、最終的に図8及び図9の結果を得る過程における、電源割当結果データ117を示す。換言すれば、図11及び図12は、処理中の電源割当結果データ117を示す。
【0111】
第2電源割当部123は、固有名に対応する構成装置に電源を供給する電源系統の割当てが決定する毎に、対応する電源系統名及び供給する電流値の算出結果をメモリ即ちRAM53に記憶する。
【0112】
まず、ステップS13において、ソート部121は、ソート順に従って、選択された固有名XXX#1の構成装置における処理済電源数=0であると判断する。
【0113】
この後、ステップS14において、第1電源割当部122は、対象の固有名XXX#1の構成装置において、ソート処理データ116の処理済電源数=0であり、その装置の電源数=2であることから、未割当ての電源が2であると判断する。
【0114】
この後、ステップS15において、第2電源割当部123は、処理対象の構成装置に供給すべき電源の電源種別(200V)と電源系統#1〜#3の電源種別(200V)とが同一であるため、複数の電源系統#1〜#3を候補として選択する。
【0115】
この後、ステップS17において、電源系統#1〜#3においていずれも電流の合計(A)=0であるため、第2電源割当部123は、電源系統ID=1である即ち識別番号が小さい電源系統#1を選択する。この後、ステップS19において、第2電源割当部123は、固有名XXX#1の構成装置の未割当ての電源の一方に対して、電源系統#1を割当てる。この結果、図11(A)に示す電源割当結果データ117が得られる。
【0116】
この後、第2電源割当部123は、ソート処理データ116の固有名に対応する処理済電源数をインクリメントする。即ち、第2電源割当部123は、固有名XXX#1の構成装置の処理済電源数を「0」から「1」とし、処理済電源数を更新する。
【0117】
この後、ステップS14において、第1電源割当部122は、構成装置データ115及びソート処理データ116に基づいて、対象の固有名XXX#1の構成装置に割当てられた電源数=2であり、処理済電源数=1であることを認識する。換言すれば、第1電源割当部122は、固有名XXX#1の構成装置の未割当ての電源が1つあると判断する。
【0118】
この後、ステップS15において、第2電源割当部123は、電源系統データ114及び構成装置データ115に基づいて、固有名XXX#1の構成装置の残りの未割当ての電源の電源種別(200V)と同一の電源種別である、電源系統#1〜#3を、候補として選択する。ステップS17において、第2電源割当部123は、電源割当結果データ117の合計電流(A)に基づいて、電流の合計(A)=0となり、電源系統#2及び#3の余剰電流が一番大きいと判断する。第2電源割当部123は、更に、電源系統IDの昇順に従って、電源系統#2を割当て対象として選択する。
【0119】
この後、ステップS18において、第2電源割当部123は、選択した電源系統#2に対して、電源系統#2を同一の構成装置又はその代替装置へ割当てを行っていないと判断する。この後、ステップS19において、第2電源割当部123は、固有名XXX#1の構成装置の未割当ての電源の他方に対して、ステップS17で選択された電源系統#2を割当てる。この結果、図11(B)に示す電源割当結果データ117が得られる。
【0120】
この後、ステップS14において、第1電源割当部122は、構成装置データ115及びソート処理データ116に基づいて、対象の固有名XXX#1の構成装置に割当てられた電源数=2であり、処理済電源数=2であることを認識する。換言すれば、第1電源割当部122は、対象の固有名XXX#1の構成装置の全ての電源へ電源系統の割当てが決定していると判断する。
【0121】
そこで、ステップS13において、第1電源割当部122は、ソート処理データ116に基づいて、次のソート順である固有名XXX#2の構成装置の処理済電源数=0であることから電源系統が未割当てであると判断する。ステップS14において、第1電源割当部122は、更に、構成装置データ115に基づいて、固有名XXX#2の構成装置に割当てられた電源数=2であることから、2個の電源系統についての割当て処理を行う。
【0122】
そこで、ステップS15において、第2電源割当部123は、電源系統データ114及び構成装置データ115に基づいて、固有名XXX#2の構成装置に対し、未割当ての電源と電源種別が同一の電源系統#1〜#3を選択する。ステップS17において、第2電源割当部123は、電源割当結果データ117と電源系統データ114に基づいて、電源系統#1〜#3の中から余剰電流が一番大きい電源系統を検索する。即ち、第2電源割当部123は、電源系統#1及び#2の電源系統の電流値を、各々、合計4.2(A)であり、電源系統#3のその合計値が0(A)と算出する。電源系統#1及び#2の契約アンペアから前記合計値を差し引き、余剰電流が一番大きい電源系統を求める。本実施例では、電源系統#3を選択する。
【0123】
この後、ステップS18において、第2電源割当部123は、選択した電源系統#3に対して、電源系統#3を割当てた同一の構成装置又はその代替装置へ電源系統の割当てを行っていないと判断する。
【0124】
この後、ステップS19において、第2電源割当部123は、固有名XXX#2の構成装置の未割当ての電源の一方に対して電源系統#3を割当てる。この結果、図12(A)に示す電源割当結果データ117が得られる。
【0125】
この後、ステップS14において、第1電源割当部122は、構成装置データ115及びソート処理データ116に基づいて、固有名XXX#2の構成装置に割当てられた電源数=2、処理済電源数=1であることから、残りの未割当ての電源が1であると判断する。第1電源割当部122は、固有名XXX#2の構成装置へ残りの電源の他方に対して電源系統の割当てを行う。
【0126】
そこで、ステップS15において、第2電源割当部123は、電源系統データ114及び構成装置データ115に基づいて、固有名XXX#2の構成装置に対し、未割当ての電源と電源種別が同一の電源系統#1〜#3を選択する。ステップS17において、図12(A)に示す通り、第2電源割当部123は、電源割当結果データ117の電源系統#1〜#3の各々の電流の合計(A)=4.2であるため、電源系統#1〜#3を候補として選択する。
【0127】
この後、ステップS18において、第2電源割当部123は、構成装置データ115及び電源割当結果データ117の途中データに基づいて、電源系統#1及び#2を固有名XXX#2の構成装置の代替装置(固有名XXX#1の構成装置)の電源へ割当て済みであると判断する。また、第2電源割当部123は、電源系統#3が固有名XXX#2の構成装置へ電源系統の割当て済みであると判断する。
【0128】
この後、ステップS17において、第2電源割当部123は、割当て済みの電流合計(A)が一番小さい電源系統を、全て検索済みであると判断する。
【0129】
この後、ステップS19において、第2電源割当部123は、対象の固有名XXX#2の構成装置に対し、3つの候補である電源系統#1〜#3の中から、1つの電源系統に割当てる。割り当てられる電源系統は、複数の候補が同一条件である場合、電源系統IDに従って定められる電源系統である。即ち、図12(A)においては、電源系統#1となる。この結果、第2電源割当部123は、固有名XXX#2の構成装置の未割当ての電源の一方に対して、電源系統#1を割当てる。この結果、図12(B)に示す電源割当結果データ117が得られる。
【0130】
この後、ステップS14の処理へ戻り、第2電源割当部123は、固有名ZZZ#1〜XXX#3の構成装置について、同様にして、電源系統の割当て処理を行う。第2電源割当部123は、電源系統の割当ての結果である電源割当結果データ117を設計DB11へ格納する。その結果、図8に示す電源割当結果データ117が得られる。以上の結果、ステップS19において、すべての構成装置に電源を供給する電源系統の割当てを終了する。
【0131】
最後に、ステップS14において、第2電源割当部123は、構成装置データ115及びソート処理データ116に基づいて、対象である固有名XXX#3の構成装置(ソート処理の最後の順位の構成装置)の電源に未割当の電源がないことを判断する。そこで、ステップS13において、第1電源割当部122は、ソート処理データ116に基づいて、ソート処理による電源系統の割当ての順位が最後まで終了したことを判断し、電源系統の割当て処理を終了する。
【0132】
図面生成部13は、電源系統生成部12がすべての構成装置に電源を供給する電源系統の割当て処理を終了した後、電源割当結果データ117が設計DB11に格納されると、電源割当結果データ117に基づいて図面データ118を生成する。図面生成部13は、生成した図面データ118を設計DB11に格納する。入出力処理部14が、図面データ118に基づいて、図9の電源系統図を入出力装置3のモニタ58に表示出力する。これにより、設計者は設計された電源系統図を確認することができる。
【符号の説明】
【0133】
1 ネットワーク電源設計装置
2 製品ライブラリDB(データベース)
3 入出力装置
11 設計DB
12 電源系統生成部
13 図面生成部
14 入出力処理部
51 CPU
52 ROM
53 RAM
54 HDD
55 CD−ROM
56 キーボード
57 マウス
58 モニタ
121 ソート部
122 第1電源割当部
123 第2電源割当部
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源設計プログラム、方法並びに装置及びコンピュータネットワークに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、コンピュータネットワーク(以下、ネットワーク)の電源の設計においては、電源の故障により電源の供給が絶たれた場合等に備えて、同一の機能を持つ電源が複数用意される。これにより、ネットワークにおける電源の構成が多重化される。このようなネットワークにおいては、一方の電源に故障が発生した場合であっても、一方の電源に代って、多重化された他方の電源が動作し続ける。これにより、ネットワークを継続して運用することができる。
【0003】
なお、ネットワーク管理システムにおいて、電子計算機及びネットワーク機器に対応する情報を格納するデータベースを有し、当該情報からユーザが要求する条件を満たすネットワーク仕様図を生成できる手段が提案されている。
【0004】
また、配線管理装置において、管理対象物のレイアウト図面の表示上に、配線接続認識及び配線管理を行うことができる手段が提案されている。
【0005】
また、ネットワークシステムの監視方法、及びそのネットワークシステムにおいて、ネットワークシステムに備えられた中央装置が複数の中継アンプの状態情報と、複数の中継アンプの関連情報を入手し、伝送路図と伝送路系統図に中継アンプの状態情報を表示することができる手段が提案されている。
【0006】
また、自動レイアウト装置及び半導体集積回路設計方法において、物理的制約条件が記述された制約情報ファイルを用い、物理的制約条件に応じて配置配線をレイアウトすることができる手段が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平5−225104号公報
【特許文献2】特開2003−167932号公報
【特許文献3】特開2004−215027号公報
【特許文献4】特開2000−322462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ネットワークを構成する種々の装置の通常稼動時における消費電力に基づいて電源を多重化する場合には、電源の設計は容易である。しかし、ネットワークの電源の設計においては、電源から供給される電力と、ネットワークを構成し電源に接続される装置の消費電力と、ネットワークを構成する装置の運用方法とを考慮する必要がある。
【0009】
本発明は、装置に供給される電源の設計を行う電源設計プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
開示される電源設計プログラムは、電源系統データを記憶する電源系統記憶手段とのアクセスが可能なコンピュータに、電源系統記憶手段に記憶されている複数の電源系統データから、複数の電源を有する構成装置の電源の1つを抽出し、電源系統記憶手段に記憶されている電源系統データのうち、構成装置の他の電源に割り当てられている電源系統データとは異なる電源系統データを抽出した電源に対応付け、この対応付けの結果に基づき電源系統記憶手段の電源系統データを更新する処理を実行させる。
【発明の効果】
【0011】
開示される電源設計プログラムによれば、電子装置を構成する装置である構成装置に供給される電源を設計することができる。特に、設計者が人手により設計した場合に生じ易いミスの発生を防止して、正確に電源を設計することができる。また、コンピュータやモニタのような電子装置を構成する装置に供給すべき電源が、その運用方法に応じて変化する場合でも、電子装置を構成する装置に供給すべき電源を最適に設計することができる。
【0012】
電子装置の電源設計の完了後に、電子装置を構成する装置の増設等の設計変更により電源の設計を見直す場合でも、前述したように、電子装置を構成する装置に供給される電源を、正確にかつ最適に、設計することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】ネットワーク電源設計システムの構成の一例を示す図である。
【図2】ネットワーク電源設計装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】ネットワーク電源設計装置の構成の一例を示す図である。
【図4】入力画面の一例を示す図である。
【図5】設計データの一例を示す図である。
【図6】構成装置データの一例を示す図である。
【図7】ソート処理データの一例を示す図である。
【図8】電源割当結果データの一例を示す図である。
【図9】出力画面の一例を示す図である。
【図10】電源系統の割当て処理フローを示す図である。
【図11】電源割当結果データを説明する図である。
【図12】電源割当結果データを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ネットワークを構成する装置(以下、構成装置と言う)であるコンピュータやモニタ等は、通常稼動時における消費電力と、スタンバイ時における待機電力とが大きく異なる。換言すれば、ネットワーク又は構成装置の運用方法に依存して、消費電力が大きく異なる。また、例えばブレードサーバ等は、ブレードの実装枚数により、消費電力が異なる。換言すれば、同一製品であっても、仕様により構成装置の消費電力が異なる。また、ネットワークには、電源が多重化された構成装置と、電源が多重化されない構成装置とが混在する。従って、電源から供給される電力と、電源に接続される装置の消費電力とを考慮するだけでなく、ネットワークの運用方法を考慮する必要がある。
【0015】
しかし、このようなネットワークの電源の設計において、設計者が手作業で電源の設計を行う場合、設計ミスが発生する可能性がある。更に、ネットワークの電源設計の完了後に、構成装置の増設等の設計変更により、電源の設計を見直す必要が生じる場合がある。この場合でも、設計者が手作業で電源の設計をやり直すので、煩雑であり、また、設計ミスも発生し易い。
【0016】
以下の実施態様によれば、ネットワークを構成する装置に供給される電源を、正確にかつ最適に、設計することができる。
【0017】
図1は、ネットワーク電源設計システムの構成の一例を示す図である。
【0018】
ネットワーク電源設計システムは、ネットワーク電源設計装置1、製品ライブラリDB(データベース)2、入出力装置3を備える。ネットワーク電源設計装置1は、設計DB(データベース)11、電源系統生成部12、図面生成部13、入出力処理部14を備える。
【0019】
ネットワーク電源設計装置1は、入出力装置3からの入力と製品ライブラリDB2からの製品データとに基づいて、例えば、電源系統図を表示出力する。電源系統図は、設計対象であるネットワークにおいて、ネットワークを構成する構成装置への電源系統の割当を示す図面である。設計対象であるネットワークは、複数の構成装置を備えるコンピュータネットワークである。構成装置としては、サーバマシンやクライアントマシンのようなコンピュータ、モニタのような表示装置、ルータのような通信中継装置、磁気ディスク装置のような外部記憶装置等がある。電源系統即ち電源システムは、1又は複数の電源装置を含み、構成装置に電力を供給する。
【0020】
ネットワーク電源設計装置1は、入出力装置3からの入力に基づいて、製品ライブラリDB2から製品のデータ、電源系統のデータを読み出す。製品ライブラリDB2は、構成装置についての種々のデータ、電源系統についての種々のデータを格納する。
【0021】
ネットワーク電源設計装置1は、入出力装置3からの入力と製品ライブラリDB2から読み出したデータとに基づいて、設計対象であるネットワークにおいて、ネットワークを構成する構成装置への電源系統の割当て処理を行う。また、ネットワーク電源設計装置1は、この割当て処理の結果に基づいて、電源系統図を生成する。
【0022】
入出力処理部14は、入出力装置3からの入力のために、入力画面を生成して、入出力装置3に表示する。入出力処理部14は、入力画面から入力されたデータに基づいて、製品ライブラリDB2から製品のデータ、電源系統のデータを読み出す。更に、入出力処理部14は、入力画面から入力されたデータ、製品ライブラリDB2から読み出したデータに基づいて、設計データを生成し、設計DB11へ格納する。設計データは、後述する管理データ111、製品データ112、運用データ113及び電源系統データ114を含む。また、これらに基づいて生成される構成装置データ115も、設計データであると考えても良い。設計DB11は、構成装置に電源を供給する電源系統の設計に関する設計データを含むデータベースである。
【0023】
電源系統生成部12は、設計データ及び電源系統データ114に基づいて、構成装置に電源を供給する電源系統を、構成装置に割当てる。このために、電源系統生成部12は、構成装置に電源を供給する電源系統の割当てのための中間データを生成し、生成した中間データを設計DB11に格納する。中間データは、後述するソート処理データ116及び電源割当結果データ117を含む。
【0024】
以上に説明した各種のデータ111〜117は、各データを格納するテーブルとして構成されるようにしても良い。これらのテーブルは、例えば、主メモリであるRAM53に設けられる。
【0025】
図面生成部13は、設計DB11に格納された中間データに基づいて、構成装置に電源を供給する電源系統を示す図面データ118を生成し、生成した図面データ118を設計DB11に格納する。図面データ118については後述する。
【0026】
入出力処理部14は、設計DB11に格納された図面データに基づいて、設計対象のネットワークの電源系統図即ち出力画面を生成して、生成した電源系統図を入出力装置3へ出力する。入出力装置3は、入出力処理部14から電源系統図を入力されると、入力された電源系統図をモニタ58に表示する。
【0027】
図2は、図1に示すネットワーク電源設計装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0028】
ネットワーク電源設計装置1は、CPU(Central Processing Unit)51、ROM(Read Only Memory)52、RAM(Random Access Memory)53、HDD(Hard Disk Drive)54、CD−ROM55、キーボード56、マウス57、モニタ58を備える。
【0029】
CPU51は、CD−ROM55からネットワーク電源設計装置1を実現するアプリケーションプログラム(ネットワーク電源設計プログラム)を読込み、読込んだアプリケーションプログラムをHDD54に格納する。CD−ROM55は、CD−ROM媒体に記録されたアプリケーションプログラム等のデータを読込むためのドライブ装置である。従って、ネットワーク電源設計プログラムは、CD−ROM媒体に格納されて、コンピュータに読み取られる。CD−ROM55は、DVD(Digital Versatile Disk)、FD(Flexible Disk)等の他の記録媒体を読込むためのドライブ装置であっても良い。ネットワーク電源設計プログラムは、ROM52に格納されるようにしても良い。
【0030】
CPU51は、HDD54に格納したネットワーク電源設計プログラムを主メモリであるRAM53に転送して、主メモリ上のネットワーク電源設計プログラムを実行する。これにより、電源系統生成部12、図面生成部13、入出力処理部14の各々の処理が実行され、ネットワーク電源設計装置1が実現される。
【0031】
HDD54は、ハードディスク装置であり、例えば図1に示す設計DB11を備えると共に、その他のデータを記憶する。CPU51は、図3に示す各種のデータを記憶する各種のデータ記憶手段を含む設計DB11にアクセスが可能なコンピュータである。なお、HDD54が、製品ライブラリDB2を備えるようにしても良い。
【0032】
キーボード56、マウス57及びモニタ58は、入出力装置3を構成する。設計者は、キーボード56及びマウス57を用いて、データを入力する。モニタ58は、設計者に入力画面を表示し、入出力処理部14から出力された電源系統図を表示する。入出力装置3に代えて、ネットワーク電源設計装置1に接続されたLAN(Local Area Network)等を介して、データを入出力するようにしても良い。
【0033】
当該プログラムをCD−ROM媒体に記録し、ネットワーク電源設計装置1が、CD−ROM媒体から当該プログラムを、RAM53やHDD54等に記憶することも可能である。即ち、コンピュータ(CPU51等)が、CD−ROM媒体にインストールされたアプリケーションプログラムにより、ネットワーク電源設計装置1として動作することが可能となる。
【0034】
図3は、ネットワーク電源設計装置1の構成の一例を示す図である。図4は、入力画面の一例を示す図である。図5〜図8は、図3に示す設計データの説明図である。図9は、出力画面の一例を示す図である。以下、図4〜図9を参照しながら、図3に従ってネットワーク電源設計装置1が実行する処理について説明する。
【0035】
入出力処理部14は、入出力装置3からの入力に基づいて、設計データを生成する。入出力処理部14は、生成した設計データを設計DB11へ格納する。設計データは、管理データ111、製品データ112、運用データ113及び電源系統データ114を含む。設計データについては、図5(A)〜図5(D)を参照して後述する。
【0036】
入出力処理部14は、ネットワークの構成を入力するための入力画面31Aをモニタ58に表示する。図4は、ネットワークの構成を入力するための入力画面31Aの一例を示す。
【0037】
図4に示すように、入力画面31Aは、予め定められたフォーマットを備える。換言すれば、入力画面31Aは、複数の縦の入力フィールド1111と、複数の横のフィールド1141とを備える。縦の入力フィールド1111は、構成装置の入力フィールドであり、実際には、構成装置の固有名が入力される。横のフィールド1141は、電源系統の入力フィールドであり、実際には、電源系統の電源系統名が入力される。入出力処理部14は、入出力装置3から縦の入力フィールド1111の入力データ、横の入力フィールド1141の入力データを含めたデータに基づいて、ネットワークの構成のためのデータを入力する。
【0038】
なお、図4は、実線で示すように、縦の入力フィールド1111の2個に構成装置の固有名が入力され、横のフィールド1141の1個に電源系統の電源系統名が入力された状態を示す。図4において点線で示す部分は、この後に入力される。
【0039】
入出力装置3は、入力フィールド1111の入力データの決定に従って、構成装置ID毎の固有名を入力データとして、入出力処理部14へ出力する。また、入出力装置3は、入力フィールド1141の入力データの決定に従って、電源系統ID毎の電源系統名を入力データとして、入出力処理部14へ出力する。
【0040】
入出力処理部14は、製品ライブラリDB2から製品データ112、入出力装置3からデータを入力し、これらの入力したデータに基づいて、設計データを生成する。入出力処理部14は、生成した設計データを、設計DB11へ格納する。以下、設計データの生成処理について説明する。
【0041】
入出力処理部14は、入出力装置3からのデータに基づいて、管理データ111を生成し、設計DB11へ格納する。図5(A)は、管理データ111の一例を示す。
【0042】
図5(A)に示すように、管理データ111は、構成装置の構成ID(Identify)、固有名を含む。構成IDは、設計対象のネットワークにおいて入力された構成装置を識別するためのIDであり、ネットワークにおいて構成装置毎に一意に定まる。構成IDは、入出力処理部14により、構成装置の固有名の入力の際に付与される。固有名は、構成装置の固有の名称であり、構成装置毎に一意に定まり、例えば、製品名又は型番等である。
【0043】
設計者は、構成装置とする固有名を入力して、構成装置を選択する。この時、多重化のために、同一の構成装置が選択される。例えば、3台の固有名XXXの構成装置を選択する場合、設計者は、固有名XXXに番号#1〜#3等を付加して、3台の構成装置を相互に区別する。
【0044】
図4の一例において、入出力処理部14は、入出力装置3から1番目の縦の入力フィールド1111に固有名XXX#1のデータが入力されると固有名XXX#1に対応する構成装置に対し、1番目の入力である場合、構成ID=1を付与する。
【0045】
次に、入出力処理部14は、2番目の縦の入力フィールド1111に固有名XXX#2のデータが入力されると、先に付与した構成IDの値を+1だけインクリメントし、固有名XXX#2に対応する構成装置に対して構成ID=2を付与する。
【0046】
この後、例えば、図4に示すように、入出力処理部14は、入力フィールド1111に固有名XXX#3〜固有名ZZZ#3が入力される。これに応じて、入出力処理部14は、同様にして、対応する構成装置に対して構成ID=3〜8を付与する。これにより、構成ID毎に管理データ111が生成される。
【0047】
入出力処理部14は、入出力装置3からの入力に基づいて、製品ライブラリDB2から製品データ112を検索し、製品データ112を入力する。入出力処理部14は、入力した製品データ112を設計DB11へ格納する。図5(B)は、製品データ112の一例を示す。
【0048】
図5(B)に示すように、製品データ112は、構成ID毎に、電源種別(V:電圧の単位)、消費電力(W:電力の単位)、待機電力(W)、電源数を含む。電源種別(V)は、製品の使用される電源電圧の種類であり、例えば200(V)等の定格電圧値である。消費電力(W)は、製品の運用状態における消費電力の値を示す。待機電力(W)は、製品の待機状態における消費電力の値を示す。電源数は、製品の電源供給を受ける電源入力数を示す。
【0049】
例えば、入出力処理部14は、図4に入力された構成装置の番号部分(例えば、#1等)を除く固有名を用いて製品ライブラリDB2を検索して、当該固有名を持つ製品のデータを読み出す。そして、入出力処理部14は、当該構成装置の固有名、これに対応する構成ID、読み出した製品のデータを用いて、製品データ112を生成する。従って、製品ライブラリDB2は、構成装置の固有名毎に、電源種別(V:電圧の単位)、消費電力(W:電力の単位)、待機電力(W)、電源数を格納する。
【0050】
入出力処理部14は、入出力装置3から入力したデータに基づき、構成ID毎の運用データ113を生成する。入出力処理部14は、生成した運用データ113を設計DB11へ格納する。図5(C)は、運用データ113の一例を示す。
【0051】
図5(C)に示すように、運用データ113は、構成装置毎に、運用方法と、代替装置とを含む。運用方法は、通常稼動、ホットスタンバイ、コールドスタンバイのいずれかである。代替装置は、構成装置毎に、多重化された他の構成装置の固有名を示す。
【0052】
例えば、図4において、固有名XXX#1と指定する場合、「XXX」は製品名とされ、「#1」は運用方法とされる。従って、運用方法は設計者により定められる。例えば、「#1」として、「通常」「ホット」「コールド」等が入力される。「#1」とは別に、「通常」「ホット」「コールド」等を入力するようにしても良い。一方の構成装置と同一の製品名XXXを有し、運用方法が異なる他方の構成装置は、多重化された他の構成装置であり、一方の構成装置の代替装置である。従って、代替装置は、運用方法が定まれば、これに基づいて定まる。
【0053】
通常稼動は、構成装置の通常動作時における稼動状態の運用方法である。ホットスタンバイは、多重化された構成装置において、一方(主系)を通常稼動させ、他方(待機系)は同一の動作を行ないながら待機させる運用の待機系側の運用方法である。ホットスタンバイの構成装置は、主系と常に同一の状態を保っておき、主系に障害が発生すると、即座に主系の処理を引継ぐ。コールドスタンバイは、多重化された構成装置において、主系を通常稼動させ、待機系は動作させない待機系側の運用方法である。コールドスタンバイの構成装置は、主系に障害が発生すると、立ち上がり、主系の処理を行う。
【0054】
例えば、同一の固有名XXXの構成装置を3重化する場合、3台の構成装置が用いられ、固有名XXX#1〜#3が付与される。そして、例えば、固有名XXX#1の構成装置が通常稼動、固有名XXX#2の構成装置がホットスタンバイ、固有名XXX#3の構成装置がコールドスタンバイとされる。この場合、固有名XXX#1の構成装置の代替装置は、固有名XXX#2及び#3の構成装置である。
【0055】
入出力処理部14は、入出力装置3により入力されたデータに基づき、電源系統データ114を生成する。入出力処理部14は、生成した電源系統データ114を設計DB11へ格納する。図5(D)は、電源系統データ114の一例を示す。
【0056】
図5(D)に示すように、電源系統データ114は、電源系統IDと、電源系統名、電源種別(V)、契約アンペア(A:電流の単位)を含む。電源系統IDは、入力された電源系統を識別するためのIDであり、入出力処理部14により電源系統毎に一意に定められる。電源系統名は、電源系統の名称であり、電源系統毎に定められる。電源種別(V)は、電源系統の定格電圧の値であり、電源系統毎に定められる。契約アンペア(A)は、電源系統の定格電流値(A)を示し、電源系統毎に定められる。なお、契約アンペア(A)は、設計者が予め定める電源系統毎に制限する電流値であっても良い。
【0057】
なお、以下の説明においては、電源系統データ114は、電源系統名が電源系統#1〜#3である3個の電源系統について格納されているものとする。また、電源系統#1〜#3において、各々、電源種別(V)=200、契約アンペア(A)=30であるものとする。
【0058】
入出力装置3から入力された電源系統名に対して、電源系統IDを付与する処理の一例は、図4に示す通りである。図4において、入出力処理部14は、入出力装置3から縦の入力フィールド1111に固有名XXX#1のデータが入力されると固有名XXX#1に対応する構成装置に対し、例えば1番目の入力である場合、予め初期値として定めた構成ID=1を付与する。
【0059】
次に、入出力処理部14は、入出力装置3から別の縦の入力フィールド1111に固有名XXX#2のデータが入力されると、先に付与した構成IDの値を+1だけインクリメントし、固有名XXX#2に対応する構成装置に対して構成ID=2を付与する。以下、図4に示す通り、入出力処理部14は、入力フィールド1111に固有名XXX#3〜固有名ZZZ#3のデータが入力されると、同様に対応する構成装置に対して構成ID=3〜8を付与する。
【0060】
図4において、入出力処理部14は、入出力装置3から横の入力フィールド1141に、電源系統名として電源系統#1が入力されると、電源系統の最初の入力である場合、電源系統ID=1を付与する。次に、入出力処理部14は、入出力装置3から他の横の入力フィールド1141に、電源系統名として電源系統#2が入力されると、先に付与した電源系統IDの番号を+1インクリメントし、電源系統ID=2を付与する。以下、同様にして、電源系統#3に対して、電源系統ID=3を付与する。
【0061】
入出力処理部14は、電源系統名を入出力装置3からの入力に含まれる電源種別(V)及び契約アンペア(A)と共に、電源系統ID毎に後述する電源系統データ114として設計DB11に格納する。
【0062】
例えば、入出力処理部14は、図4に入力された電源系統の番号部分(例えば、#1等)を除く固有名を用いて製品ライブラリDB2を検索して、当該固有名を持つ電源系統のデータを読み出す。そして、入出力処理部14は、当該電源系統の固有名、これに対応する電源系統ID、読み出した電源系統のデータを用いて、電源系統データ114を生成する。従って、製品ライブラリDB2は、電源系統の固有名毎に、電源種別(V)及び契約アンペア(A)を格納する。
【0063】
入出力処理部14は、管理データ111、製品データ112及び運用データ113に基づいて、構成ID毎に対応づけられた構成装置データ115を生成する。入出力処理部14は、生成した構成装置データ115を設計DB11へ格納する。図6は、構成装置データ115の一例を示す。
【0064】
図6に示すように、構成装置データ115は、構成ID毎に、固有名、電源種別(V)、消費電力(W)、待機電力(W)、電源数、電流(A)、運用方法及び代替装置を含む。構成ID及び固有名は、管理データ111から得られる。電源種別(V)、消費電力(W)、待機電力(W)、電源数は、構成IDをキーとして、製品データ112から得られる。運用方法及び代替装置は、構成IDをキーとして、運用データ113から得られる。
【0065】
入出力処理部14は、電流(A)=装置の消費電力(W)÷電源種別(V)÷力率として算出する。図6の例においては、力率は予め0.6に定められているが、力率の値としてこれ以外の値を用いるようにしても良い。また、力率を入出力装置3からデータの一部として入力するようにしても良い。入出力処理部14は、この算出した値を、構成装置データ115の電流(A)とする。
【0066】
電源系統生成部12は、構成装置データ115及び電源系統データ114に基づいて、構成装置に電源を供給する電源系統を、構成装置に割当てる。このために、電源系統生成部12は、設計DB11に基づいて設計対象である構成装置に関する構成装置データ115と、電源系統データ114とを読み出す。電源系統生成部12は、読み出した構成装置データ115と電源系統データ114とに基づいて、構成装置に電源を供給する電源系統の割当てのためのソート処理データ116及び電源割当結果データ117を生成し設計DB11に格納する。電源系統生成部12は、ソート部121、第1電源割当部122及び第2電源割当部123を備える。
【0067】
入出力処理部14は、処理対象の構成装置を選択し、選択した構成装置に電源を供給すべき電源系統の候補を、図4に入力された電源系統即ち電源系統データ114の中から抽出する。候補とされる電源系統は、構成装置に電源を供給すべき電源系統の電源種別であって予め定められた電源種別と同一の電源種別の電源系統である。
【0068】
入出力処理部14は、抽出した電源系統の候補の中から、構成装置に電源を供給すべき電源系統を選択して、選択した電源系統を当該構成装置に割当てる。選択される電源系統は、当該電源系統が先行して割当てられた他の構成装置に流れる電流であって、他の構成装置の運用方法に応じて定まる他の構成装置に流れる電流の合計が最小である電源系統である。
【0069】
このために、入出力処理部14が、構成装置データ115における構成ID毎の電流(A)を、消費電力(W)又は待機電力(W)と、運用方法とに基づいて、以下に示すように決定する。入出力処理部14は、電流(A)の算出対象の運用方法を参照し、運用方法が通常運用又はホットスタンバイである場合、構成装置データ115の消費電力(W)を構成装置の消費電力とする。一方、入出力処理部14は、運用方法がコールドスタンバイである場合、構成装置データ115の待機電力(W)を構成装置の消費電力とする。
【0070】
ソート部121は、設計DB11に格納された構成装置データ115に基づいて、ソート処理データ116を生成する。ソート部121は、生成したソート処理データ116を設計DB11へ格納する。図7は、ソート処理データ116の一例を示す。
【0071】
図7に示すように、ソート処理データ116は、固有名毎に、装置の消費電力(W)、消費電力(W)、待機電力(W)、運用方法及び処理済電源数を含む。
【0072】
ソート部121は、参照した構成装置データ115に基づいて、運用方法に対応した装置の消費電力を求める。ソート部121は、これらの情報と共に、固有名毎の構成装置に電源を供給する電源系統の割当ての結果を確認するフラグである処理済電源数を生成する。
【0073】
ソート部121は、構成装置データ115から求めた構成装置の消費電力(W)に基づいて、ソート(並べ替え)する。具体的には、ソート部121は、装置の消費電力(W)の値の大きい順に従って、構成装置をソートする。なお、構成装置の消費電力が同一の値の場合は、ソート部121は、運用方法が通常稼動である構成装置に電源を供給する電源系統の割当て処理を、ソートにおける順位として優先する。
【0074】
更に、いずれの構成装置も、通常稼動等の運用方法が同一である場合、ソート部121は、構成装置データ115に基づいて、構成IDの小さい値の方を高い順位に選択する。ソート部121は、生成したソート処理データ116を設計DB11へ格納する。
【0075】
電源系統生成部12は、構成装置データ115及びソート処理データ116に基づいて、電源割当結果データ117を生成する。換言すれば、電源系統を構成装置に割当てる割当て処理とは、電源割当結果データ117を作成又は更新することである。電源系統生成部12は、生成した電源割当結果データ117を設計DB11へ格納する。図8は、電源割当結果データ117の一例を示す。
【0076】
図8に示すように、電源割当結果データ117は、構成装置の固有名、電源系統の構成装置に対する割当て、電源系統の合計電流(A)を含むデータである。構成装置の固有名は、電源系統の割当ての対象となる構成装置を示す情報である。電源系統の構成装置に対する割当ては、その構成装置に割当てられた電源系統名において、割当てられた分の消費電流(A)を示す情報である。電源系統の合計電流(A)は、電源系統に割当てられた構成装置の消費電流(A)の合計を示す情報である。
【0077】
換言すれば、図8に示すように、電源割当結果データ117は、入力画面31Aにおける縦のフィールド1182である構成装置及び横のフィールド1181である電源系統に対応する2次元のデータである。電源割当結果データ117は、構成装置と電源系統との交点に、当該電源系統において、当該構成装置に割当てられる電源の消費電流(A)を記述する。これにより、当該構成装置に、当該電源系統から当該消費電流(A)が割当てられたことが示される。
【0078】
なお、後述するように、図11及び図12は、最終的に図8に示す電源割当結果データ117を得る処理の過程における即ち処理中の電源割当結果データ117を示す。換言すれば、電源割当結果データ117は、電源系統を構成装置に割当てる割当て処理により、例えば、図11(A)、図11(B)、図11(A)、図11(B)、図8の順に作成及び更新される。
【0079】
第1電源割当部122は、構成装置データ115及びソート処理データ116に基づいて、構成装置に電源を供給する電源系統が割当てられているか否かを判断する。更に、第1電源割当部122は、処理済電源数が装置の電源数に達していない構成装置を検索する。第1電源割当部122は、上記判断により、電源が割当てられていない構成装置を検索し、第2電源割当部123の処理対象の構成装置として選択する。
【0080】
第2電源割当部123は、電源系統データ114及び構成装置データ115に基づいて、処理対象の構成装置に供給すべき電源の電源種別と同一の電源種別の電源系統を検索する。第2電源割当部123は、検索した電源系統の中から処理対象の構成装置に割当てる。第2電源割当部123は、ソート処理データ116の処理対象の構成装置の処理済電源数を+1インクリメントして、ソート処理データ116の処理対象の構成装置の処理済電源数をインクリメントした値に更新する。
【0081】
第1電源割当部122又は第2電源割当部123は、処理対象の構成装置に電源を供給する電源系統の割当てができないと判断してエラー通知を入出力装置3へ行うか、又は電源割当結果データ117を生成するまで繰り返し実行する。電源系統生成部12は、生成された電源割当結果データ117を、設計DB11へ格納する。
【0082】
一方、入出力処理部14は、構成装置に割当てられた電源系統が、当該構成装置又はその代替装置に先行して割当てられているか否かを調べる。なお、実際には、電源系統の割当てに先行して、割り当て用としている電源系統が、当該構成装置又はその代替装置に先行して割当てられているか否かが調べられる。
【0083】
構成装置に割当てられた電源系統が、当該構成装置又はその代替装置に先行して割当てられている場合、入出力処理部14は、構成装置に当該電源系統を割当てない。そして、入出力処理部14は、抽出した電源系統の候補から構成装置に割当てられた(割当てようとした)電源系統を除いて、新たな電源系統を当該構成装置に割当てる。新たに割当てられる電源系統は、当該電源系統が先行して割当てられた他の構成装置に流れる電流の合計が最小である他の電源系統である。
【0084】
以上のように、各々の構成装置に対して、電源系統#1〜#3の中から電源系統の割当てが行われる。これにより、構成装置に電源を供給する電源系統の割当てを偏ることなく行うことができる。また、一つの構成装置に対して、同一の電源系統が割当てられることを防止することができる。
【0085】
図面生成部13は、以上のような構成装置への電源系統の割当てに従って、構成装置に割当てられた電源系統を示す図面データ118を生成する。具体的には、図面生成部13は、設計DB11から電源割当結果データ117を読み取り、読み取ったデータに基づいて、予め定めたデータ形式の電源系統の配線に関する図面データ118を生成する。図面生成部13は、生成した図面データ118を設計DB11へ格納する。図9は、図面データ118が電源系統図として出力された一例を示す図である。
【0086】
図9に示すように、図面データ118は、構成装置の構成ID及び対応する固有名と、電源を供給する電源系統ID及び対応する電源系統名と、これらの間を接続する配線とを含む電源系統図である。即ち、図面データ118は、固有名1182の構成装置と電源系統名1181との間の接続即ち配線を示すデータである。なお、図面データ118は、コンピュータネットワークにおける実際の構成装置の配置、電源系統の配置、配線と一致していても一致していなくても良い。
【0087】
入出力処理部14は、入出力装置3の要求に応じて、生成された図面データ118を設計DB11から読込み、入出力装置3が電源系統図の出力として出力画面31Bをモニタ58上に表示する。出力画面31Bは、入力画面31Aと対応した画面であり、縦のフィールド1182は構成装置を示し、横のフィールド1181は電源系統を示す。
【0088】
例えば、出力画面31Bにおいて、縦のフィールド1182である構成装置、及び、横のフィールド1181である電源系統は、入力画面31Aと同一である。ネットワークに存在する全ての構成装置及び電源系統が入力画面31Aに入力されるので、出力画面31Bにおいて、構成装置及び電源系統は、実線で示される。
【0089】
例えば、図9において、固有名XXX#1の構成装置に対して、電源系統#1及び電源系統#2が割当てられることが示される。換言すれば、固有名XXX#1の構成装置に対して、電源系統#1及び電源系統#2から電源が供給されることが示される。その他の構成装置についても、同様である。
【0090】
具体的には、図9において、固有名XXX#1の構成装置が、図8に基づいて、電源系統#1及び電源系統#2と実線で描かれる接続線で結ばれる。出力画面31Bにおいて、例えば、各構成装置及び各電源系統について複数の接続線が描かれるべき位置(グリッド)が予め定められる。
【0091】
図10は、電源系統の割当て処理フローであり、図3に示す電源系統生成部12が実行する電源系統の割当て処理を示す。
【0092】
入出力処理部14は、電源系統生成部12の電源系統の割当て処理の前処理として、以下に示すように構成装置データ115を生成する。
【0093】
入出力装置3は、設計者の入力に応じて、設計対象である構成装置に関するデータを入力する。入出力処理部14は、入出力装置3からデータ及び製品ライブラリDB2から製品データ112を入力する。入出力処理部14は、これらの入力したデータに基づいて設計データを生成し、生成した設計データを設計DB11へ格納する。入出力処理部14は、設計DB11に格納された設計データに基づいて、構成装置データ115を生成する。入出力処理部14は、生成した構成装置データ115を設計DB11へ格納する。
【0094】
この後、電源系統生成部12は、入出力処理部14が生成した構成装置データ115を設計DB11へ格納すると、以下のように電源系統の割当て処理を開始する。
【0095】
最初に、ソート部121は、構成装置データ115に基づいて、各構成装置の運用方法に対応する装置の消費電力を求める(ステップS11)。即ち、ソート部121は、運用方法が通常稼動又はホットスタンバイである場合、構成装置データ115の消費電力(W)を構成装置の消費電力とする。また、ソート部121は、運用方法がコールドスタンバイである場合、構成装置データ115の待機電力(W)を構成装置の消費電力とする。ソート部121は、求めた構成装置の消費電力のデータ及び構成装置データ115に基づいて、ソート処理データ116を生成する。ソート部121は、生成したソート処理データ116を設計DB11へ格納する。
【0096】
次に、ソート部121は、ソート処理データ116を構成装置の消費電力のデータが大きい順に従って、固有名毎にデータをソートする(ステップS12)。図7に示す結果の通り、ソート部121は、ソート処理データ116をソートする。図7に示すように、ソート部121は、固有名XXX#1、XXX#2、ZZZ#1、ZZZ#2、ZZZ#3、YYY#1、YYY#2、XXX#3の構成装置の順にソートする。ソート部121は、ソートした結果を反映するため、設計DB11のソート処理データ116を更新する。
【0097】
ソート部121は、ソート処理データ116の装置の消費電力の値が大きい順に従って、電源系統の割当ての処理対象の構成装置を選択する。図7に示す例では、ソート部121は、優先順の最初に固有名XXX#1を、電源系統の割当ての処理対象の構成装置として選択する。
【0098】
次に、第1電源割当部122は、ソート処理データ116に基づいて、未割当ての電源を持つ構成装置がある否かを判断する(ステップS13)。換言すれば、第1電源割当部122は、ソート処理データ116の処理済電源数=0である構成装置があるか否かを判断する。未割当ての電源を持つ構成装置がない場合(ステップS13 No)、第1電源割当部122は、処理を終了する。
【0099】
未割当ての電源を持つ構成装置がある場合(ステップS13 Yes)、第1電源割当部122は、更に、構成装置データ115及びソート処理データ116に基づいて、処理対象の構成装置に未割当ての電源があるか否かを判断する(ステップS14)。換言すれば、第1電源割当部122は、これらのデータに基づいて、処理済電源数=装置の電源数であるか否かを判断する。処理対象の構成装置に未割当ての電源がない場合(ステップS14 No)、第1電源割当部122は、ステップS13を繰り返す。
【0100】
処理対象の構成装置に未割当ての電源がある場合(ステップS14 Yes)、第2電源割当部123は、電源系統データ114及び構成装置データ115に基づいて、処理対象の構成装置に供給すべき電源の電源種別と同一の電源種別の電源系統があるか否かを判断する(ステップS15)。
【0101】
処理対象の構成装置に供給すべき電源の電源種別と同一の電源種別の電源系統がない場合(ステップS15 No)、第2電源割当部123は、エラー通知を行う(ステップS16)。これは、装置の電源種別と同一の電源種別の電源系統が全くない場合に該当する。
【0102】
なお、第2電源割当部123は、同一の電源種別の電源系統がある場合でも、その電源系統を割当てると、電源結果割当データ117の合計(A)が電源系統データ114の契約アンペア(A)即ち定格電流の値を超える場合も、同一の電源種別の電源系統がないと判断する。
【0103】
第2電源割当部123は、入出力処理部14へ、電源系統の割当てができない旨のエラー通知を行った後、電源系統生成部12は、電源系統の割当て処理を終了する。入出力処理部14は、入出力装置3を介して、このエラー通知を出力する。
【0104】
処理対象の構成装置に供給すべき電源の電源種別と同一の電源種別の電源系統がある場合(ステップS15 Yes)、第2電源割当部123は、前記同一の電源種別の電源系統を割当ての候補として選択し、候補として選択した電源系統を検索して、余剰の電流が一番大きい電源系統を抽出する(ステップS17)。換言すれば、第2電源割当部123は、電源割当結果データ117と電源系統データ114に基づいて、候補として選択した電源系統#1〜#3の中から余剰の電流が一番大きい電源系統を選択する。余剰の電流とは、その電源系統の契約アンペア(A)から、その電源系統が既に電源として割当てられた電流の値、即ち、その時点での電源結果割当データ117の合計(A)を差引いた値である。
【0105】
なお、選択した複数の電源系統が同一の電流の合計(A)の場合、第2電源割当部123は、電源系統IDの昇順の順位(電源系統ID=1が上位)に従って、1個の電源系統を選択する。
【0106】
また、余剰の電流のかわりに余剰の電力を用いて、電源系統を選択してもよい。
【0107】
余剰の電流が一番大きい電源系統が抽出される場合(ステップS17 Yes)、第2電源割当部123は、選択した電源系統について、同一の構成装置又はその代替装置へ割当て済みであるか否かを判断する(ステップS18)。即ち、第2電源割当部123は、構成装置データ115及びソート処理データ116に基づいて、固有名XXX#1の構成装置の処理済電源数=0であり、かつ、その代替装置が固有名XXX#2及びXXX#3であると判断する。更に、第2電源割当部123は、電源割当結果データ117に基づいて、代替装置である固有名XXX#2及びXXX#3の構成装置に対して、電源系統#1が割当てられていないことを判断する。
【0108】
選択した電源系統が同一の構成装置又はその代替装置へ割当て済みである場合(ステップS18 Yes)、第2電源割当部123は、選択した電源系統を除いた電源系統候補を基にステップS17を実行する。
【0109】
電源系統候補に電源系統が1つしか残っていない場合(ステップS17 No)、及び、選択した電源系統が同一の構成装置又はその代替装置へ割当て済みでない場合(ステップS18 No)、第2電源割当部123は、電源割当結果データ117に基づいて、選択した電源系統に電源を割当てる(ステップS19)。換言すれば、第2電源割当部123は、固有名XXX#1の構成装置の1つに対して、ステップS17において選択した電源系統#1へ割当てる。第2電源割当部123は、その割当て結果及び構成装置データ115の電流データに基づいて、電源割当結果データ117を更新する。
【0110】
図11及び図12は、電源割当結果データ117の生成の一例を示す。図11及び図12は、入力画面31Aに図4に示すデータが入力された結果、図6の構成装置データ115が得られ、これに基づいて、最終的に図8及び図9の結果を得る過程における、電源割当結果データ117を示す。換言すれば、図11及び図12は、処理中の電源割当結果データ117を示す。
【0111】
第2電源割当部123は、固有名に対応する構成装置に電源を供給する電源系統の割当てが決定する毎に、対応する電源系統名及び供給する電流値の算出結果をメモリ即ちRAM53に記憶する。
【0112】
まず、ステップS13において、ソート部121は、ソート順に従って、選択された固有名XXX#1の構成装置における処理済電源数=0であると判断する。
【0113】
この後、ステップS14において、第1電源割当部122は、対象の固有名XXX#1の構成装置において、ソート処理データ116の処理済電源数=0であり、その装置の電源数=2であることから、未割当ての電源が2であると判断する。
【0114】
この後、ステップS15において、第2電源割当部123は、処理対象の構成装置に供給すべき電源の電源種別(200V)と電源系統#1〜#3の電源種別(200V)とが同一であるため、複数の電源系統#1〜#3を候補として選択する。
【0115】
この後、ステップS17において、電源系統#1〜#3においていずれも電流の合計(A)=0であるため、第2電源割当部123は、電源系統ID=1である即ち識別番号が小さい電源系統#1を選択する。この後、ステップS19において、第2電源割当部123は、固有名XXX#1の構成装置の未割当ての電源の一方に対して、電源系統#1を割当てる。この結果、図11(A)に示す電源割当結果データ117が得られる。
【0116】
この後、第2電源割当部123は、ソート処理データ116の固有名に対応する処理済電源数をインクリメントする。即ち、第2電源割当部123は、固有名XXX#1の構成装置の処理済電源数を「0」から「1」とし、処理済電源数を更新する。
【0117】
この後、ステップS14において、第1電源割当部122は、構成装置データ115及びソート処理データ116に基づいて、対象の固有名XXX#1の構成装置に割当てられた電源数=2であり、処理済電源数=1であることを認識する。換言すれば、第1電源割当部122は、固有名XXX#1の構成装置の未割当ての電源が1つあると判断する。
【0118】
この後、ステップS15において、第2電源割当部123は、電源系統データ114及び構成装置データ115に基づいて、固有名XXX#1の構成装置の残りの未割当ての電源の電源種別(200V)と同一の電源種別である、電源系統#1〜#3を、候補として選択する。ステップS17において、第2電源割当部123は、電源割当結果データ117の合計電流(A)に基づいて、電流の合計(A)=0となり、電源系統#2及び#3の余剰電流が一番大きいと判断する。第2電源割当部123は、更に、電源系統IDの昇順に従って、電源系統#2を割当て対象として選択する。
【0119】
この後、ステップS18において、第2電源割当部123は、選択した電源系統#2に対して、電源系統#2を同一の構成装置又はその代替装置へ割当てを行っていないと判断する。この後、ステップS19において、第2電源割当部123は、固有名XXX#1の構成装置の未割当ての電源の他方に対して、ステップS17で選択された電源系統#2を割当てる。この結果、図11(B)に示す電源割当結果データ117が得られる。
【0120】
この後、ステップS14において、第1電源割当部122は、構成装置データ115及びソート処理データ116に基づいて、対象の固有名XXX#1の構成装置に割当てられた電源数=2であり、処理済電源数=2であることを認識する。換言すれば、第1電源割当部122は、対象の固有名XXX#1の構成装置の全ての電源へ電源系統の割当てが決定していると判断する。
【0121】
そこで、ステップS13において、第1電源割当部122は、ソート処理データ116に基づいて、次のソート順である固有名XXX#2の構成装置の処理済電源数=0であることから電源系統が未割当てであると判断する。ステップS14において、第1電源割当部122は、更に、構成装置データ115に基づいて、固有名XXX#2の構成装置に割当てられた電源数=2であることから、2個の電源系統についての割当て処理を行う。
【0122】
そこで、ステップS15において、第2電源割当部123は、電源系統データ114及び構成装置データ115に基づいて、固有名XXX#2の構成装置に対し、未割当ての電源と電源種別が同一の電源系統#1〜#3を選択する。ステップS17において、第2電源割当部123は、電源割当結果データ117と電源系統データ114に基づいて、電源系統#1〜#3の中から余剰電流が一番大きい電源系統を検索する。即ち、第2電源割当部123は、電源系統#1及び#2の電源系統の電流値を、各々、合計4.2(A)であり、電源系統#3のその合計値が0(A)と算出する。電源系統#1及び#2の契約アンペアから前記合計値を差し引き、余剰電流が一番大きい電源系統を求める。本実施例では、電源系統#3を選択する。
【0123】
この後、ステップS18において、第2電源割当部123は、選択した電源系統#3に対して、電源系統#3を割当てた同一の構成装置又はその代替装置へ電源系統の割当てを行っていないと判断する。
【0124】
この後、ステップS19において、第2電源割当部123は、固有名XXX#2の構成装置の未割当ての電源の一方に対して電源系統#3を割当てる。この結果、図12(A)に示す電源割当結果データ117が得られる。
【0125】
この後、ステップS14において、第1電源割当部122は、構成装置データ115及びソート処理データ116に基づいて、固有名XXX#2の構成装置に割当てられた電源数=2、処理済電源数=1であることから、残りの未割当ての電源が1であると判断する。第1電源割当部122は、固有名XXX#2の構成装置へ残りの電源の他方に対して電源系統の割当てを行う。
【0126】
そこで、ステップS15において、第2電源割当部123は、電源系統データ114及び構成装置データ115に基づいて、固有名XXX#2の構成装置に対し、未割当ての電源と電源種別が同一の電源系統#1〜#3を選択する。ステップS17において、図12(A)に示す通り、第2電源割当部123は、電源割当結果データ117の電源系統#1〜#3の各々の電流の合計(A)=4.2であるため、電源系統#1〜#3を候補として選択する。
【0127】
この後、ステップS18において、第2電源割当部123は、構成装置データ115及び電源割当結果データ117の途中データに基づいて、電源系統#1及び#2を固有名XXX#2の構成装置の代替装置(固有名XXX#1の構成装置)の電源へ割当て済みであると判断する。また、第2電源割当部123は、電源系統#3が固有名XXX#2の構成装置へ電源系統の割当て済みであると判断する。
【0128】
この後、ステップS17において、第2電源割当部123は、割当て済みの電流合計(A)が一番小さい電源系統を、全て検索済みであると判断する。
【0129】
この後、ステップS19において、第2電源割当部123は、対象の固有名XXX#2の構成装置に対し、3つの候補である電源系統#1〜#3の中から、1つの電源系統に割当てる。割り当てられる電源系統は、複数の候補が同一条件である場合、電源系統IDに従って定められる電源系統である。即ち、図12(A)においては、電源系統#1となる。この結果、第2電源割当部123は、固有名XXX#2の構成装置の未割当ての電源の一方に対して、電源系統#1を割当てる。この結果、図12(B)に示す電源割当結果データ117が得られる。
【0130】
この後、ステップS14の処理へ戻り、第2電源割当部123は、固有名ZZZ#1〜XXX#3の構成装置について、同様にして、電源系統の割当て処理を行う。第2電源割当部123は、電源系統の割当ての結果である電源割当結果データ117を設計DB11へ格納する。その結果、図8に示す電源割当結果データ117が得られる。以上の結果、ステップS19において、すべての構成装置に電源を供給する電源系統の割当てを終了する。
【0131】
最後に、ステップS14において、第2電源割当部123は、構成装置データ115及びソート処理データ116に基づいて、対象である固有名XXX#3の構成装置(ソート処理の最後の順位の構成装置)の電源に未割当の電源がないことを判断する。そこで、ステップS13において、第1電源割当部122は、ソート処理データ116に基づいて、ソート処理による電源系統の割当ての順位が最後まで終了したことを判断し、電源系統の割当て処理を終了する。
【0132】
図面生成部13は、電源系統生成部12がすべての構成装置に電源を供給する電源系統の割当て処理を終了した後、電源割当結果データ117が設計DB11に格納されると、電源割当結果データ117に基づいて図面データ118を生成する。図面生成部13は、生成した図面データ118を設計DB11に格納する。入出力処理部14が、図面データ118に基づいて、図9の電源系統図を入出力装置3のモニタ58に表示出力する。これにより、設計者は設計された電源系統図を確認することができる。
【符号の説明】
【0133】
1 ネットワーク電源設計装置
2 製品ライブラリDB(データベース)
3 入出力装置
11 設計DB
12 電源系統生成部
13 図面生成部
14 入出力処理部
51 CPU
52 ROM
53 RAM
54 HDD
55 CD−ROM
56 キーボード
57 マウス
58 モニタ
121 ソート部
122 第1電源割当部
123 第2電源割当部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源系統データを記憶する電源系統記憶手段とのアクセスが可能なコンピュータに、
前記電源系統記憶手段に記憶されている複数の電源系統データから、複数の電源を有する構成装置の電源の1つを抽出し、
前記電源系統記憶手段に記憶されている電源系統データのうち、前記構成装置の他の電源に割り当てられている前記電源系統データとは異なる電源系統データを前記抽出した電源に対応付け、この対応付けの結果に基づき前記電源系統記憶手段の電源系統データを更新する
処理を実行させることを特徴とする電源設計プログラム。
【請求項2】
電源系統データを記憶する電源系統記憶手段とのアクセスが可能なコンピュータに、
前記電源系統記憶手段に記憶されている複数の電源系統データから、構成装置の電源情報を抽出し、
前記電源系統記憶手段に記憶されている電源系統データのうち、前記構成装置の代替装置に割り当てた電源系統とは異なる1つの前記電源系統データを選択し、該選択した前記電源系統データと前記構成装置の電源情報とを対応付け、この対応付けの結果に基づき前記電源系統記憶手段の更新データを更新する
処理を実行させることを特徴とする電源設計プログラム。
【請求項3】
前記コンピュータに、更に、
抽出された前記電源系統記憶手段から電源系統データを選択する際に、余剰電流ないしは余剰電力が大きい電源系統データを選択する
処理を実行させることを特徴とする請求項1あるいは2記載の電源設計プログラム。
【請求項4】
電源系統データを記憶する電源系統記憶手段とのアクセスが可能なコンピュータが、
前記電源系統記憶手段に記憶されている複数の電源系統データから、複数の電源を有する構成装置の電源の1つを抽出し、
前記電源系統記憶手段に記憶されている電源系統データのうち、前記構成装置の他の電源に割り当てられている前記電源系統データとは異なる電源系統データを前記抽出した電源に対応付け、この対応付けの結果に基づき前記電源系統記憶手段の電源系統データを更新する
ことを特徴とする電源設計方法。
【請求項5】
電源系統データを記憶する電源系統記憶手段とのアクセスが可能なコンピュータが、
前記電源系統記憶手段に記憶されている複数の電源系統データから、構成装置の電源情報を抽出し、
前記電源系統記憶手段に記憶されている電源系統データのうち、前記構成装置の代替装置に割り当てた電源系統とは異なる1つの前記電源系統データを選択し、該選択した前記電源系統データと前記構成装置の電源情報とを対応付け、この対応付けの結果に基づき前記電源系統記憶手段の更新データを更新する
ことを特徴とする電源設計方法。
【請求項6】
請求項4もしくは5記載の電源設計方法を用いて設計されたコンピュータネットワーク。
【請求項7】
電源系統データを記憶する電源系統記憶手段と、
前記電源系統記憶手段に記憶されている複数の電源系統データから、複数の電源を有する構成装置の電源の1つを抽出する抽出手段と、
前記電源系統記憶手段に記憶されている電源系統データのうち、前記構成装置の他の電源に割り当てられている前記電源系統データとは異なる電源系統データを前記抽出手段により抽出した電源に対応付け、この対応付けの結果に基づき前記電源系統記憶手段の電源系統データを更新する更新手段と
を有することを特徴とする電源設計装置。
【請求項8】
電源系統データを記憶する電源系統記憶手段と、
前記電源系統記憶手段に記憶されている複数の電源系統データから、構成装置の電源情報を抽出する抽出手段と、
前記電源系統記憶手段に記憶されている電源系統データのうち、前記構成装置の代替装置に割り当てた電源系統とは異なる1つの前記電源系統データを選択し、該選択した前記電源系統データと前記抽出手段にて抽出した構成装置の電源情報とを対応付け、この対応付けの結果に基づき前記電源系統記憶手段の更新データを更新する更新手段と
を有することを特徴とする電源設計装置。
【請求項1】
電源系統データを記憶する電源系統記憶手段とのアクセスが可能なコンピュータに、
前記電源系統記憶手段に記憶されている複数の電源系統データから、複数の電源を有する構成装置の電源の1つを抽出し、
前記電源系統記憶手段に記憶されている電源系統データのうち、前記構成装置の他の電源に割り当てられている前記電源系統データとは異なる電源系統データを前記抽出した電源に対応付け、この対応付けの結果に基づき前記電源系統記憶手段の電源系統データを更新する
処理を実行させることを特徴とする電源設計プログラム。
【請求項2】
電源系統データを記憶する電源系統記憶手段とのアクセスが可能なコンピュータに、
前記電源系統記憶手段に記憶されている複数の電源系統データから、構成装置の電源情報を抽出し、
前記電源系統記憶手段に記憶されている電源系統データのうち、前記構成装置の代替装置に割り当てた電源系統とは異なる1つの前記電源系統データを選択し、該選択した前記電源系統データと前記構成装置の電源情報とを対応付け、この対応付けの結果に基づき前記電源系統記憶手段の更新データを更新する
処理を実行させることを特徴とする電源設計プログラム。
【請求項3】
前記コンピュータに、更に、
抽出された前記電源系統記憶手段から電源系統データを選択する際に、余剰電流ないしは余剰電力が大きい電源系統データを選択する
処理を実行させることを特徴とする請求項1あるいは2記載の電源設計プログラム。
【請求項4】
電源系統データを記憶する電源系統記憶手段とのアクセスが可能なコンピュータが、
前記電源系統記憶手段に記憶されている複数の電源系統データから、複数の電源を有する構成装置の電源の1つを抽出し、
前記電源系統記憶手段に記憶されている電源系統データのうち、前記構成装置の他の電源に割り当てられている前記電源系統データとは異なる電源系統データを前記抽出した電源に対応付け、この対応付けの結果に基づき前記電源系統記憶手段の電源系統データを更新する
ことを特徴とする電源設計方法。
【請求項5】
電源系統データを記憶する電源系統記憶手段とのアクセスが可能なコンピュータが、
前記電源系統記憶手段に記憶されている複数の電源系統データから、構成装置の電源情報を抽出し、
前記電源系統記憶手段に記憶されている電源系統データのうち、前記構成装置の代替装置に割り当てた電源系統とは異なる1つの前記電源系統データを選択し、該選択した前記電源系統データと前記構成装置の電源情報とを対応付け、この対応付けの結果に基づき前記電源系統記憶手段の更新データを更新する
ことを特徴とする電源設計方法。
【請求項6】
請求項4もしくは5記載の電源設計方法を用いて設計されたコンピュータネットワーク。
【請求項7】
電源系統データを記憶する電源系統記憶手段と、
前記電源系統記憶手段に記憶されている複数の電源系統データから、複数の電源を有する構成装置の電源の1つを抽出する抽出手段と、
前記電源系統記憶手段に記憶されている電源系統データのうち、前記構成装置の他の電源に割り当てられている前記電源系統データとは異なる電源系統データを前記抽出手段により抽出した電源に対応付け、この対応付けの結果に基づき前記電源系統記憶手段の電源系統データを更新する更新手段と
を有することを特徴とする電源設計装置。
【請求項8】
電源系統データを記憶する電源系統記憶手段と、
前記電源系統記憶手段に記憶されている複数の電源系統データから、構成装置の電源情報を抽出する抽出手段と、
前記電源系統記憶手段に記憶されている電源系統データのうち、前記構成装置の代替装置に割り当てた電源系統とは異なる1つの前記電源系統データを選択し、該選択した前記電源系統データと前記抽出手段にて抽出した構成装置の電源情報とを対応付け、この対応付けの結果に基づき前記電源系統記憶手段の更新データを更新する更新手段と
を有することを特徴とする電源設計装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−176162(P2010−176162A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−14923(P2009−14923)
【出願日】平成21年1月27日(2009.1.27)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月27日(2009.1.27)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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