説明

電源

PCMCIAカード(2)の形をとった負荷のための電源(1)は、基板上のGPRSクラス(10)モジュール(図示せず)を有する。このモジュール、したがってカード(2)は、経時的に平均値を有する負荷電流iloadと、この平均値よりも遥かに高い、周期的な瞬間ピーク値(ipeak)とを要求する。電源(1)は、パーソナルコンピュータ(図示せず)内に収容される調整電源(4)の形をとった電源に接続するための1対の入力端子(3)を含む。電源(4)は、当該電源に対して指定された予め定められたカレントリミット未満であり、かつ、ピーク負荷電流未満であるソース電流iinputを供給する。1対の出力端子(5)は、端子(3)およびカード(2)に電気的に接続される。1つのスーパーキャパシタ(6)の形をとったスーパーキャパシタ装置は、予め定められたカレントリミット未満にソース電流を維持しながら、ピーク負荷電流が負荷に供給されるようにするために、端子(3,5)と並列に置かれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
この発明は、電源に関する。
【0002】
この発明は、PCMCIAカード用のGPRS通信モジュールと共に使用するために主に開発されており、その用途を参照して以下に説明する。しかしながら、この発明は、その特定の使用分野に限定されず、他の通信モジュール、たとえば、PCMCIAカードまたはCompactFlash(登録商標)カードに含まれているかどうかを問わず、GSMモジュールもしくはモビテックス(Mobitex)モジュール、または、ノート型コンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレット(Tablet)コンピュータ、無線LAN装置、もしくは他の計算装置のための他のどのような通信モジュールにも適する。
【背景技術】
【0003】
背景技術
公知のモバイル通信モジュール、たとえばGPRSモジュールは、PCMCIAカードで使用される。これらのモジュールは、必要とされる通信規格に従って情報の処理および送信が行われるように集合的に機能する多数の集積回路を含む。GPRSモジュールの場合、情報は通常、非音声データであるが、音声データも同様に送信される。
【0004】
ラップトップコンピュータおよびPDA等の携帯型計算装置の設計は、バッテリを再充電してから次の再充電までの期間を最大にしながらサイズを最小にするように強く促されている。このことは、バッテリができる限り高いエネルギ密度を有するべきであることを示唆するが、この種のバッテリは一般に、長時定数を有する。したがって、これらの装置で使用される一般的な通信モジュールの高出力モード中に必要とされる電圧および電流を提供する能力の点で、支障を来たしてしまう。したがって、より一般的な妥協策は、より低い出力密度を容認することであり、したがって、より短いバッテリ寿命を容認しながらより短い時定数を得ることである。
【0005】
この問題に対する部分的な解決策では、高出力モード中にバッテリをアシストするために、並列タンタルキャパシタのバンクを使用することが公知である。何らかの小さな利点は得られるが、この利点は通常、これらのキャパシタのコストおよび嵩に見合うものではない。
【0006】
無線LAN、PCMCIAカード等のための無線通信装置の設計も同様に、体積、ピーク消費電力、およびコストを最小にしながら所望の機能性を得るように促されている。それとは対照的に、機能性の増大と、より広帯域の通信とに対する需要は、通常、より大きな体積、より高いピーク電力、およびより高いコストを必要とする。少ないものから多くを得ようと設計者が試みるのに伴い、これらの競合する考慮事項は、PCBの「面積」、実装体積、および構成要素のコストに一層重きを置くようになっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
いずれの場合も、これらのカードは、必要な電力を供給するホスト計算装置に依存している。ホストがカードに対して指定されたカレントリミットを有しており、このカレントリミットが、要求されるピーク電流よりも小さいことが次第に分かってきた。すなわち、カードが作動するために、ホストは、当該ホストの電源の仕様以外にカレントリミットを有していなければならない。このことは、すべての場合において壊滅的な故障にはならな
いかもしれないが、システムの安定性が要求される場合、全く望ましいものではなく、最終的には持続することができなくなってしまう。
【0008】
したがって、携帯型装置および電源駆動式装置の両方に関し、通信の柔軟性に対して高まる需要は、電源の制約により、阻止されるとは言わないまでも損なわれかつ妨げられている。
【0009】
この明細書全体に亘る先行技術の議論はいずれも、このような先行技術が広く公知であること、または、当該分野で一般的な知識の一部を成すことを認めるものとして認識されるべきではない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明の開示
この発明の目的は、少なくとも好ましい実施例において、先行技術の欠点の1つ以上を克服するか、もしくは実質的に改善すること、または、有用な代替例を少なくとも提供することである。
【0011】
この発明の第1の局面に従うと、平均負荷電流と、この平均負荷電流よりも高いピーク負荷電流とを要求する負荷のための電源が提供され、この電源は、
予め定められたカレントリミット未満のソース電流を供給する電源に電気的に接続するための入力端子を含み、予め定められたカレントリミットは、ピーク負荷電流未満であり、この電源はさらに、
入力端子および負荷に電気的に接続するための出力端子と、
予め定められたカレントリミット付近未満にソース電流を実質的に維持しながら、ピーク負荷電流が負荷に供給されるようにするための、出力端子に並列なスーパーキャパシタ装置とを含む。
【0012】
好ましくは、予め定められたカレントリミットは、平均負荷電流とピーク負荷電流との間にある。
【0013】
好ましくはまた、入力端子における電圧は、出力端子における電圧以上である。より好ましくは、電源は、入力端子および出力端子を実質的に同じ電圧に維持する。
【0014】
好ましい形態において、スーパーキャパシタ装置は、出力端子に並列な1つ以上のスーパーキャパシタを含む。より好ましくは、電源は、入力端子と出力端子との間に配置される電流リミッタを含む。より一層好ましくは、電流リミッタは、電源からのスーパーキャパシタ装置の充電中に、予め定められたカレントリミット未満にソース電流を維持する。
【0015】
好ましくは、スーパーキャパシタ装置は、互いに並列に接続された複数のスーパーキャパシタを含む。しかしながら、他の実施例においてスーパーキャパシタは、互いに直列に接続される。
【0016】
好ましくはまた、スーパーキャパシタ装置は、約120mΩ未満のESRを有する。より好ましくは、スーパーキャパシタ装置は、約100mΩ未満のESRを有する。いくつかの実施例において、スーパーキャパシタ装置は、80mΩ未満のESRを有するように選択されるが、他の実施例においてスーパーキャパシタ装置は、30mΩ未満のESRを有するように選択される。より好ましくは、スーパーキャパシタ装置は、24mΩ未満のESRを有する。より一層好ましくは、スーパーキャパシタ装置は、20mΩ未満のESRを有する。
【0017】
好ましい形態において、スーパーキャパシタ装置は、約0.4ファラッド(Farad)以上の静電容量を提供する。より好ましくは、この装置の占有面積は、約800mm2未満である。より一層好ましくは、この装置の占有面積は、約40mm×20mm未満である。
【0018】
好ましくは、負荷は通信装置である。より好ましくは、通信装置は、GPRSモジュールまたはGSMモジュールを含む。より一層好ましくは、負荷は、コンピュータ用のカードであり、通信装置は、このカードに取り付けられる。このような実施例において、電力源は、コンピュータの内部電源から得られる。
【0019】
好ましい形態において、電流リミッタは、入力端子と出力端子との間に配置されて予め定められた抵抗を提供するための可変抵抗装置を含む。より好ましくは、可変抵抗装置は半導体装置である。より一層好ましくは、電流リミッタは、入力端子と出力端子との間に配置されてソース電流を示す信号を提供するための電流センサを含み、可変抵抗装置は、この信号に応答して予め定められた抵抗を設定する。一実施例において、センサは低値抵抗器であり、半導体装置はMOSFETである。
【0020】
好ましくは、可変抵抗装置は信号に応答して、高抵抗モード、低抵抗モード、および線形抵抗モードのうちの1つで選択的に作動する。たとえば、可変抵抗装置がMOSFETである場合、高抵抗モード、低抵抗モード、および線形抵抗モードは、MOSFETがOFFに切換えられた状態、ONに切換えられた状態、および線形動作のためにバイアスがかけられた状態に対応する。線形抵抗モードが、このような半導体装置に関して公知であるように、信号と抵抗との間に何らかの相関関係を示唆するに過ぎず、これが厳密に比例する必要はないことが認識されるであろう。
【0021】
好ましくはまた、可変抵抗装置は、負荷電流が予め定められたカレントリミット付近未満である間、低抵抗モードで作動する。より好ましくは、可変抵抗装置は、ソース電流が予め定められたカレントリミットに近づくと線形モード内で作動する。より一層好ましくは、可変抵抗装置は、線形モード内で作動する際に、ソース電流が予め定められたカレントリミットに近づくにつれて、より大きな抵抗を提供する。
【0022】
好ましい形態において、負荷は、通常動作の条件下において、スーパーキャパシタ装置が充電を必要とする始動段階を含む。ここで、スーパーキャパシタ装置は、負荷の始動段階中にのみ電流リミッタが一般に作動するように選択される。すなわち、通常動作中に、スーパーキャパシタ装置は、予め定められたカレントリミットよりも低い供給電流を保持しながら、ピーク電流を供給し、かつ、ピークとピークとの間の供給電流により再充電される十分な容量を有する。しかしながら、他の実施例において、電流リミッタは、電流ピークと電流ピークとの間にも作動する。後者の実施例において、スーパーキャパシタは、ピーク電流のより大きな部分を提供する。
【0023】
この発明の第2の局面に従い、コンピュータ用の通信カードを提供する。このコンピュータは、予め定められたカレントリミット未満であるソース電流をカードに提供する電源を有し、このカードは、
予め定められたカレントリミットよりも大きなピーク負荷電流と、このピーク負荷電流未満の平均負荷電流とを要求する負荷を集合的に規定する複数の電気的構成要素を支持するための基板と、
電源に電気的に接続するための入力端子と、
入力端子および負荷に電気的に接続するための出力端子と、
予め定められたカレントリミット付近未満にソース電流を実質的に制限しながら、ピーク負荷電流が負荷に供給されるようにするための、出力端子に並列なスーパーキャパシタ
装置とを含む。
【0024】
この発明の第3の局面に従い、計算装置を提供する。この計算装置は、
他の計算装置とコンピュータが通信することを可能にするための通信カードを含み、このカードは、使用時に、ピーク負荷電流と、このピーク負荷電流未満である平均負荷電流とを要求し、この計算装置はさらに、
カードにソース電流を供給するための電源を含み、この電源は、ピーク負荷電流未満である予め定められたカレントリミットを有し、この計算装置はさらに、
電源に電気的に接続するための入力端子と、
入力端子およびカードに電気的に接続するための出力端子と、
予め定められたカレントリミット付近未満にソース電流を実質的に制限しながら、ピーク負荷電流がカードに供給されるようにするための、出力端子に並列なスーパーキャパシタ装置とを含む。
【0025】
この発明の第4の局面に従い、電流リミッタを提供する。この電流リミッタは、
予め定められたカレントリミット未満であるソース電流を供給する電源に電気的に接続するための入力端子を含み、予め定められたカレントリミットは、ピーク負荷電流未満であり、この電流リミッタはさらに、
入力端子および負荷に電気的に接続するため、かつ、予め定められたカレントリミット付近未満にソース電流を実質的に維持しながら、ピーク負荷電流が負荷に供給されるようにするためのスーパーキャパシタ装置に並列に電気的に接続するための出力端子を含む。
【0026】
より一層好ましくは、電流リミッタは、電源からのスーパーキャパシタ装置の充電中に、ソース電流を予め定められたカレントリミット未満に維持する。
【0027】
好ましい形態において、電流リミッタは、入力端子と出力端子との間に配置されて、予め定められた抵抗を提供するための可変抵抗装置を含む。より好ましくは、可変抵抗装置は半導体装置である。より一層好ましくは、電流リミッタは、入力端子と出力端子との間に配置されて、ソース電流を示す信号を提供するための電流センサを含み、可変抵抗装置はこの信号に応答して、予め定められた抵抗を設定する。一実施例において、センサは低値抵抗器であり、半導体装置はMOSFETである。
【0028】
好ましくは、可変抵抗装置は信号に応答して、高抵抗モード、低抵抗モード、および線形抵抗モードのうちの1つで選択的に作動する。たとえば、可変抵抗装置がMOSFETである場合、高抵抗モード、低抵抗モード、および線形抵抗モードは、MOSFETがOFFに切換えられた状態、ONに切換えられた状態、および線形動作のためにバイアスがかけられた状態に対応する。線形抵抗モードが、このような半導体装置に関して公知であるように、信号と抵抗との間に何らかの相関関係を示唆するに過ぎず、これが厳密に比例する必要はないことが認識されるであろう。
【0029】
好ましくはまた、可変抵抗装置は、負荷電流が予め定められたカレントリミット付近未満である間、低抵抗モードで作動する。より好ましくは、可変抵抗装置は、ソース電流が予め定められたカレントリミットに近づくと、線形モード内で作動する。より一層好ましくは、可変抵抗装置は、線形モード内で作動する際に、ソース電流が予め定められたカレントリミットに近づくにつれて、より大きな抵抗を提供する。
【0030】
好ましい形態において、通常動作の条件下において、負荷は、スーパーキャパシタ装置が充電を必要とする始動段階を含み、スーパーキャパシタ装置は、負荷の始動段階中にのみ電流リミッタが作動するように選択される。すなわち、通常動作中に、スーパーキャパシタ装置は、予め定められたカレントリミットよりも低い供給電流を含みながら、ピーク
電流を供給し、かつ、ピークとピークとの間の供給電流により再充電される十分な容量を有する。
【0031】
この発明の第5の局面に従い、平均負荷電流と、この平均負荷電流よりも高いピーク負荷電流とを要求する負荷を供給するための方法を提供する。この方法は、
予め定められたカレントリミット未満のソース電流を供給する電源に入力端子を電気的に接続するステップを含み、予め定められたカレントリミットは、ピーク負荷電流未満であり、この方法はさらに、
入力端子および負荷に出力端子を電気的に接続するステップと、
予め定められたカレントリミット未満付近にソース電流を実質的に維持しながら、ピーク負荷電流が負荷に供給されるようにするための、出力端子に並列なスーパーキャパシタ装置を提供するステップとを含む。
【0032】
この発明の第6の局面に従い、コンピュータ用の通信カードを供給するための方法を提供する。このコンピュータは、予め定められたカレントリミット未満であるソース電流をカードに提供する電源と、予め定められたカレントリミットよりも大きなピーク負荷電流、およびこのピーク負荷電流未満である平均負荷電流を要求する負荷を集合的に規定する複数の電気的構成要素を支持するための基板を含むカードとを有し、この方法は、
電源に入力端子を電気的に接続するステップと、
入力端子および負荷に出力端子を電気的に接続するステップと、
予め定められたカレントリミット付近未満にソース電流を実質的に制限しながら、ピーク負荷電流が負荷に供給されるようにするための、出力端子に並列なスーパーキャパシタ装置を提供するステップとを含む。
【0033】
この発明の第7の局面に従い、計算装置内に通信カードを供給するための方法を提供する。この方法は、
コンピュータが他の計算装置と通信することを可能にするために、コンピュータに通信カードを電気的に接続するステップを含み、カードは、使用時に、ピーク負荷電流と、このピーク負荷電流未満である平均負荷電流とを要求し、この方法はさらに、
ピーク負荷電流未満である予め定められたカレントリミットを有する電源により、カードにソース電流を供給するステップと、
電源に入力端子を電気的に接続するステップと、
入力端子およびカードに出力端子を電気的に接続するステップと、
予め定められたカレントリミット付近未満にソース電流を実質的に制限しながら、ピーク負荷電流がカードに供給されるようにするための、出力端子に並列なスーパーキャパシタ装置のステップとを含む。
【0034】
この発明の第8の局面に従い、電流を制限する方法を提供する。この方法は、
予め定められたカレントリミット未満であるソース電流を供給する電源に入力端子を電気的に接続するステップを含み、予め定められたカレントリミットは、ピーク負荷電流未満であり、この方法はさらに、
予め定められたカレントリミット付近未満にソース電流を実質的に維持しながら、ピーク負荷電流が負荷に供給されるようにするためのスーパーキャパシタ装置に並列に電気的に接続するために、入力端子および負荷に出力端子を電気的に接続するステップを含む。
【0035】
「コンピュータ」という用語は、電源に接続された計算機器および携帯型の計算機器の両方、たとえばデスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、PDA、およびセルラー式電話を含む。「カード」という用語は、たとえば、CompactFlash(登録商標)カード、PCMCIAカード、モデムカード、および他の通信カードを含む。
【0036】
文脈が特に明示的に必要としない限り、説明および請求項の全体に亘り、「備える」、「備えている」、「含む」、「含んでいる」等の用語は、排他的または網羅的な意味ではなく、包括的な意味で、すなわち、「含むが、それに限定されない」という意味で解釈されるべきである。加えて、文脈が特に明示的に要求しない限り、説明および請求項の全体に亘り、「接続される」および「電気的に接続される」という用語は、2つ以上の要素間の電気的な接続を説明または規定するための等価物として使用されている。電気的接続が、直接的な電気的接続である必要はなく、それぞれの要素間における間接的な電気的接続を含むことを理解されたい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
この発明の好ましい実施例を、添付の図面および付録を参照して、例示としてのみ説明する。
【0038】
付録Aは、この明細書の第22頁から35頁として番号が付されており、本発明者により開発された「アプリケーションノート(Application Note)」である。
【0039】
発明の好ましい実施例
図1を参照すると、PCMCIAカード2の形をとった負荷のための電源1が概略的に示されている。PCMCIAカード2は、実装型GPRSクラス10モジュール(図示せず)を有する。モジュール、すなわちカード2は、経時的に平均値を有する負荷電流iloadと、この平均値よりもかなり高い、周期的な瞬間ピーク値(ipeak)とを要求する。電源1は、パーソナルコンピュータ(図示せず)内に収容された調整電源4の形をとった電源に電気的に接続するための1対の入力端子3を含む。電源4は、この電源に対して予め指定されたカレントリミット未満であり、かつ、ピーク負荷電流未満である、ソース電流iinputを供給する。1対の出力端子5は、端子3およびカード2に電気的に接続される。1つのスーパーキャパシタ6の形をとったスーパーキャパシタ装置は、予め定められたカレントリミット未満にソース電流を維持しながらピーク負荷電流が負荷に供給されるようにするため、端子3および5と並列に置かれる。
【0040】
電源4は、コンピュータ内の各カードに対して予め定められたカレントリミットを1アンペアに設定する仕様を有する。他の実施例において、予め定められたカレントリミットは異なるものである。
【0041】
カード1がコンピュータ内の多数のカードの1枚に過ぎず、これらのカードが、コンピュータのユーザに対しそれぞれの機能性を提供することが当業者に認識されるであろう。しかしながら、GPRSの機能性に関し、通常のGPRS送信機は、3.3ボルトの調整供給電圧において高出力で送信を行なうのに1.5アンペアから2アンペアを必要とする。たとえば、577msの8個のタイムスロットのうちの最大2個を用いるクラス10で送信する際に、パルス持続時間は1.154msであり、期間は4.616msである。先行技術のカードでは、カードにピーク電力を提供するための二次電池の使用等、さらに複雑性を増したり、さらに費用をかけずに、この負荷を提供しかつこの負荷を使用の範囲内に留めることができない。しかしながら、図1に示す実施例において、スーパーキャパシタ6は高い静電容量および低い等価直列抵抗(ESR)を有しているため、端子5における大きな電圧スイングを伴わずに大きな電流パルスを送出することができる。すなわち、Vloadのリップルが小さく、負荷電流iloadが、送信中にカード2のピーク電流の要求を満たすことを可能にする。この状況において、iloadは予め定められたカレントリミットを上回るが、iinputは上回らない。すなわち、電源1は、負荷パルスの間に電源4から引込まれた電流が、PCカードの仕様により容認された範囲内に保持され得るようにする負荷均一化効果を有する。
【0042】
スーパーキャパシタ6を選択する際の重要な基準が低ESRである。なぜなら、ESRが一般に、高静電容量の装置の電圧リップルの主要因となるためである。しかしながら、カード2が電源4に最初にプラグ接続された時点で、スーパーキャパシタ6は通常、放電状態にある。したがって、ESRが低いほど、スーパーキャパシタ6に対する初期の充電電流が高くなる。スーパーキャパシタの初期の充電電流が電源4を過負荷状態にすることを防止するために、電源1は、電流制限回路7を含む。この回路は、カード2に対して指定されたピーク電流の供給未満にiinputを正確に制限する。回路7のより詳細な例示を図2に提示する。通常動作中に、すなわち、スーパーキャパシタ6の初期充電の後に、回路7は効果的に作動しなくなり、最小インピーダンスのみを提示することが当業者に認識されるであろう。
【0043】
スーパーキャパシタ6は、周期的なピーク時間中のiloadが、電源4によって容認される値を超えた場合でも、カード2およびGPRSモジュールが仕様内で作動することを可能にする。このことは、DC−DCコンバータのより低い効率性およびより高いコストの代わりに、実質的に100%の効率性で行なわれる。加えて、スーパーキャパシタ6は、EMIを生じない。すなわち、これは、カード2の通常動作中に電源4にかかるピーク電流負荷を制限するスーパーキャパシタ6の動作である。回路7は、通常動作中には、電流制限を行なうために使用されない。このことを異なる用語で述べると、スーパーキャパシタ6は、通常の使用中にiinputを電源4の仕様よりも低くなるように制限するだけではなく、回路7が作動するのを防止するように設計される。しかしながら、他の実施例において、回路7は、ピーク電流期間中に、必要とされる電流の、より大きな部分がスーパーキャパシタから引込まれるようにiinputを制限するように設計される。これにより、より高いESRを有するスーパーキャパシタの使用が可能になる。制約としては、スーパーキャパシタがピーク電流を提供するために放電するため、スーパーキャパシタによって提供される出力電圧が下がることである。しかしながら、スーパーキャパシタの静電容量が、課される体積の制約に照らして十分に大きく、電圧が負荷についての容認可能な最小値よりも上にある状態を確実に保つ限り、このことに対応することができる。したがって、これらの実施例において、スーパーキャパシタは、所定の占有面積および/または体積の制約に関し、ピーク電流期間中に負荷が必要とする最小電圧よりも下に入力電圧が下がらないように電圧降下を含む、静電容量およびESRの組合せを有するように選択される。
【0044】
一般的なパルス期間に電源4が送出することのできるエネルギの量は、単純なエネルギ勘定を実行することによって、カード2が必要とするエネルギと比較することができる。負荷がD(ここで0<D≦1)のデューティサイクルを有し、負荷電流がIsteadyの連続成分と(Isteadyに加え)ipeakのパルスとを有する場合、1サイクル中に引込まれる平均電力は以下のようになる。
【0045】
ave=Vcc(Isteady+D・ipeak
電源から引込まれ得る最大平均電力は、Pave,max=Vcc・Imaxにより求められ、ここでImaxは、PCカードの仕様により、1アンペアとして求められる。Paveは、負荷が機能するためにPave,max未満でなければならない。上述の等式を組合せると、以下のものが満たされなければならない。
【0046】
steady+D・tpeak<Imax
この等式は、理想的であって無限に大きなキャパシタには当てはまるが、現実の装置においては、電圧リップルに対して何らかのマージンが容認される。図示された実施例に関し、GPRSモジュールは、カード2上においてクラス10モードで稼動する。8スロットのうち2スロットが使用されて25%のデューティサイクルを提供し、カードは、100mAを連続的に引込むことに加え、1.9アンペアのピークパルス送信電流を引込む。この場合、Isteady+D・ipeak=0.1+0.25×1.9アンペア=0.575アン
ペアとなり、これは、1アンペアの制限を遥かに下回る。これは損失を無視しているが、電源4から引込まれる電流のおよその大きさを提示する。
【0047】
図3のオシロスコープ画像は、図1の回路についての掃引を示す。x軸は時間を単位とし、y軸は、上側2本の掃引に関しては電圧を単位としており、下側2本の掃引に関しては電流を単位としている。
【0048】
スーパーキャパシタ6は、0.25ファラッドおよび40mΩの装置である。電源4からの供給電圧Vccは、200mWの電源インピーダンスにおいて3.3ボルトである。4.616ms毎に1.154msに亘り、1.9Aのパルスの負荷がカード2によって課される。すなわち、クラス10(2スロット)の送信である。図3に提示される上側の掃引から下側の掃引にかけて、以下のことが示される。
【0049】
入力電圧、すなわちVccは、参照番号11により示される。
負荷電圧、すなわちVloadは、参照番号12により示される。
【0050】
電源4から引込まれる電流、すなわちiinputは、参照番号13により示される。
GPRSモジュールにより引込まれる電流、すなわちiloadは、参照番号14により示される。
【0051】
ゼロは、これらの掃引の下側の格子線であることにも注意されたい。
電源1を使用することにより、サイクル中に、iinputが、電源4の1アンペアの仕様を上回る地点が存在しない。さらに、このことは、iloadがカード2のピーク電流の要求を満たすことと同時に達成される。
【0052】
興味深いことに、電源4のインピーダンスが増大すること、または、回路7に抵抗を加えることにより、ピーク入力電流が下がることに注目されたい。しかしながら、トレードオフとして、最小出力電圧および平均出力電圧が下がる。
【0053】
以下の表、すなわち表1は、2アンペアの最大負荷電流を用いる上述の例内で作動するスーパーキャパシタのいくつかの例を含む。「型No.」は、スーパーキャパシタ装置の製造業者および供給業者であるキャップXX社(Cap-XX Pty Ltd)により装置に割当てられた型番号である。
【0054】
他の実施例では、80mΩまでの総ESRを有するスーパーキャパシタ、またはスーパーキャパシタ装置が使用される。しかしながら、この明細書の教示内容から、より低いESRを有するスーパーキャパシタまたはスーパーキャパシタ装置がこの実施例の状況においてより良好に作動し、かつ、より多くの余裕も提供することが認識されるであろう。
【0055】
表1に記載するスーパーキャパシタは、定格で2.3ボルトの動作であり、動作電圧が3.3ボルトであると仮定した場合、これらの2つが直列に組合されて電源4と共に使用される。より低い動作電圧が使用される場合、これらのスーパーキャパシタの1つを用いることが適切である。さらに、より高電圧の用途では、3つ以上のスーパーキャパシタが直列に接続される。
【0056】
【表1】

【0057】
表1のスーパーキャパシタはすべて、電流リミッタが、装置の始動中にのみ作動する必要があるように設計される。しかしながら、電流リミッタがピーク負荷電流の期間中も作動する実施例については、適切なスーパーキャパシタ装置が、それぞれの型番号であるGW209、GW214、HS201、およびGS204により、キャップXX社により指定されている。この明細書における教示内容から、等価のスーパーキャパシタ装置もまた適切であることが認識されるであろう。
【0058】
先行の段落で言及したスーパーキャパシタ装置は一般に、より薄型であることから、所定の装置内により容易に実装され得る。しかしながら、これらのスーパーキャパシタ装置は、表1で言及した装置よりも高いESRを有する。しかしながら、この実施例に記載する用途に関し、これらのスーパーキャパシタ装置は、小さな実装サイズにも拘らず、依然として十分に低いESRと十分に高い静電容量とを有し、所望の機能性を提供する。すなわち、より高いESRのスーパーキャパシタ装置は、適切に適用された場合、ピーク電流の期間中における電流リミッタの動作を考慮しながらも、負荷における電圧が、要求される最小値よりも降下しないようにする。
【0059】
この明細書に記載するすべての好ましい実施例において、約120mΩ未満のESRを有するスーパーキャパシタ装置が使用される。しかしながら、他の実施例において、スーパーキャパシタ装置は、約100mΩ未満のESRを有する。いくつかの実施例において、スーパーキャパシタ装置は、80mΩ未満のESRを有するように選択されるが、他の実施例において、スーパーキャパシタ装置は、30mΩ未満のESRを有するように選択される。特定の実施例において、スーパーキャパシタ装置は、24mΩ未満のESRを有するように選択され、他の実施例において、スーパーキャパシタ装置は、20mΩ未満のESRを有する。
【0060】
この発明の実施例で使用するのに適した他のスーパーキャパシタ装置は、エナジー・ストレージ・システムズ社(Energy Storage Systems Pty Ltd)の名の下に2003年8月29日に出願され、「予め定められた期間中に高出力を要求する通信モジュールのための電源(A Power Supply For A Communications Module That Demands High Power During Predetermined Periods」と題された、同時係属中のPCT特許出願PCT/AU03/01117に開示されている。この明細書内の開示内容は、相互参照により、ここに援用される。
【0061】
他の実施例(図示せず)において、カード2は、GPRSクラス12モジュールの形をとった通信モジュールを含む。動作原理は同じであるが、使用されるスーパーキャパシタのパラメータは、異なるモジュールの要件に対応するように異なっている。たとえば、50%のデューティサイクルである、8個のスロットのうちの4個の使用により、PCカード上でクラス12モードの送信機を稼動させることができる。このカードが連続して100mAを引込むことに加え、1.8アンペアのピークパルス送信電流を引込む場合、Ist
eady+D・ipeak=0.1+0.5×1.8アンペア=1.0アンペアとなり、これは、1アンペアの制限に等しい。これは損失を無視しているため、1.8アンペアのパルスは、理想的な回路でサポートされ得る最大値である。実際の回路において、サポートされ得るパルス負荷は、これよりも小さくなければならず、好ましい設計パラメータは1.5アンペアである。このような1.5アンペアのパルスは、0.85アンペアの平均を生じ、これは、何らかの余裕と、損失に対する許容度とを生じる。
【0062】
GPRSクラス12モジュールを有するPCカードを用いた動作のために特に設計されたこの発明の一実施例は、0.48ファラッドの静電容量と、20mΩのESRとを有するスーパーキャパシタを含む。ここでもまた、電源電圧(Vcc)は3.3ボルトであり、電源4は、200mΩの電源インピーダンスを提供する。クラス12(4スロット)の送信は、約100mAの連続した負荷と、4.616ms毎に2.308msに亘って1.5アンペアの最大パルスとを含む。図4では、図3の掃引に対応するが、すぐ上で言及したスーパーキャパシタと共にGPRSクラス12モジュールに関連する1組のオシロスコープの掃引が示される。すなわち、上側の掃引から下側の掃引にかけて、以下のことが示される。
【0063】
入力電圧、すなわちVccは、参照番号15により示される。
負荷電圧、すなわちVloadは、参照番号16により示される。
【0064】
電源4から引込まれる電流、すなわちiinputは、参照番号17により示される。
GPRSモジュールにより引込まれる電流、すなわちiloadは、参照番号18により示される。
【0065】
ここでもまた、スーパーキャパシタの使用により、iinputは、1アンペアの仕様を超えず、負荷電圧Vloadは、3Vを上回る状態を保つ。
【0066】
さらにソース抵抗を追加することは、電源4から引込まれる最大電流を下げる一手段であるが、Vloadが容認可能な最小値に近い用途では、勧められない。
【0067】
上で言及したGPRSクラス12モジュールと共に使用するのに適したスーパーキャパシタの例を表2に記載する。想定される設計パラメータは、1.6アンペアの最大負荷電流と、Vloadが3ボルトよりも上に維持されることである。
【0068】
クラス10の例と同様に、使用されるスーパーキャパシタの抵抗およびESRが下がる程、リプル電圧が良好となり、より多くの電圧の余裕が生じるようになる。
【0069】
【表2】

【0070】
この発明はまた、GPRSモデムまたはGSMモデムを含むCompactFlash(登録商標)カード等の他の動作環境にも適用可能である。これらのカードは一般に、0.5アンペア
の電流ドレインに制限され、この電流ドレインは、3.3ボルトの供給電圧において、モデムが高出力での送信を行なうために必要とする1.5から2アンペアよりも遥かに小さい。この構成は、図1と概念上同様であり、カード2はモデムを含むCompactFlash(登録商標)カードを表わし、スーパーキャパシタ6は、この環境に対して選択されたスーパーキャパシタを表わす。
【0071】
さらに別のこの実施例を説明するために、以下の特定の例を参照する。特に、このモデムは、12.5%のデューティサイクルを意味する、8個のスロットのうちの1個の使用によるCF+カード上でクラス8モードの送信を行なうように構成される。このカードは、連続的に100mAを引込むことに加え、1.9アンペアのピークパルス送信電流を引込む。上述の等式を用い、Isteady+D・ipeak=0.1+0.125×1.9アンペア=0.34アンペアとなり、これは、0.5アンペアの制限を大きく下回る。この計算は損失を無視しているが、スーパーキャパシタを使用する際に電源から引込まれる電流のおよその大きさを提示する。
【0072】
この実施例で使用されるスーパーキャパシタは、0.25ファラッドの静電容量と、40mΩのESRとを有する。電源4は、3.3ボルトの電源電圧Vccを提供し、約200mΩの電源インピーダンスを有する。CompactFlash(登録商標)カードは、クラス8(1スロット)の送信のために、連続して約100mAを引込み、かつ、4.616ms毎に0.577msに亘って1.65アンペアのパルスを引込む。実際のピークソース電流が、上で予測した理想の値よりも高いものの、これが、ソース抵抗およびスーパーキャパシタのESRを考慮した場合に予測され得るものであることが認識されるであろう。
【0073】
CompactFlash(登録商標)カードが使用される他の実施例において、スーパーキャパシタは、上述の例で使用されたものよりも低いESRを有するように選択されて、何らかの余裕を提供し、および/または、より高い電流を引込む送信機をサポートする。
【0074】
以下の表、すなわち表3は、CompactFlash(登録商標)カードを有する実施例にも適したスーパーキャパシタの例を含む。これらの装置は、0.5アンペアの制限未満の電流を引込むことにより、負荷を仕様の範囲内に留めておくことができる。ここでもまた、ここに挙げたスーパーキャパシタの指定された電圧が、用途の動作電圧未満である場合、同様の2つの装置が直列に接続される。
【0075】
【表3】

【0076】
次に、図5を参照する。図5では、PCMCIAカード19が示される。このカードは、標準寸法に適合し、デスクトップコンピュータ20、ラップトップコンピュータ21、およびPDA22の相補的なポート内に挿入されるように構成される。このようなカードまたは同様のカードが他の計算装置にも差込まれ得ることが認識されるであろう。
【0077】
カード19は、遠隔システムと通信を行なうためにこのカード19が装着される計算装
置を設けるために、通信モジュールを含む。カード19はまた、この発明に従って電源(図示せず)も含み、通信が行なわれている間にカード19が仕様の範囲内に確実に留まるようにする。
【0078】
しかしながら、他の実施例において、この発明に従った電源は、コンピュータ20、21、またはPDA22内に取付けられ、カード19に直接取付けられない。
【0079】
この発明の別の実施例は、通信カード23の形を取り、図6に示される。カード23は、コンピュータまたは他の計算装置内に取付けるように構成され、GPRSモジュール(具体的に図示せず)と、この発明に従った電源(これもまた具体的に図示せず)とを含む。このような装置に対する通常の電流ドレインの制限は、GPRSモジュールの1.5から2アンペアのピーク要件に関係なく、1アンペアである。しかしながら、カード23は、この発明に従った電源を含むことにより、この仕様の範囲内に留まることができる。
【0080】
図2に提示したものと同様のこの発明の一実施例は、同時係属中のPCT特許出願第PCT/AU02/0176の図3に詳細に記載されている。この先行の出願内に含まれる開示内容は、相互参照によりここに援用される。
【0081】
この発明の実施例に対するさらに別の設計上の考慮事項を、以下の付録Aに提示する。この付録は、本発明者により開発されたアプリケーションノートであり、この特許明細書内の開示内容の一部として組込まれる。
【0082】
この発明の上述の実施例は、以下の主な利点を提供する。
・ほとんどの時間に該当する通常動作の条件において、電流制限回路がごく僅かな抵抗しか生じないため、電力をほとんど消費しない。
【0083】
・負荷と並列なスーパーキャパシタを使用し、かつ、電源からの電流を制限することにより、高いピーク電力の回路素子に正確に電力を供給しながらも、電源を仕様の範囲内に維持することができる。
【0084】
・電源の観点から、消費電力に対し、平均化の効果が提供される。このことはバッテリ電源に対して特に有用であるが、すべての電源に対しても設計上の利点を有する。すなわち、負荷の特性に関してより高い確実性が得られるのに伴い、この平均化の効果は、電源内においてより費用対効果の高い構成要素の使用を可能にする。このことを別の態様で表現すると、電源のこのような設計により、低下したピーク電流の需要を利用することができる。
【0085】
・スーパーキャパシタ装置は、他の回路素子を最小限用いた状態で負荷(および出力端子)に単に並列に接続され得る。すなわち、スーパーキャパシタ装置を負荷と接続するように、および負荷から接続解除するように、切換える必要がない。
【0086】
・設計は、電流リミッタがほとんどの時間に亘って低抵抗モードの状態を保つような設計であるが、低抵抗モードおよび線形モードを提供する。
【0087】
・電源の制約により不可能であった先行のいくつかの状況において、パルス化された負荷の使用が可能になる。
【0088】
・先行の電源が、上述の種類のパルス化された負荷に対する仕様の範囲内に留まることを可能にする。
【0089】
・相対的に少ない構成要素が必要とされ、消費電力が平均的に少ないことにより、この発明は、たとえばバッテリまたは他の携帯型の電源に、時々、定期的に、または独占的に依存する携帯型の電子装置等の低電力の用途に、特に適したものとなる。
【0090】
・体積が小さいために、電子装置の既存の筐体に後付けするか、またはこのような装置のための新たな筐体内に設計するか、のいずれかをより容易に行なうことができる。
【0091】
特定の例を参照してこの発明を説明してきたが、この発明を他の多くの形態で実現し得ることを当業者は認識するであろう。
【0092】
[付録A]
キャップXXアプリケーションノート
PDA、他の携帯型装置、および無線の用途におけるスーパーキャパシタに対する始動時の電流リミッタ
概要
低い等価直列抵抗(ESR)および高い静電容量を有するスーパーキャパシタは、パルスにより電力供給される(pulsed-power)用途、たとえば、負荷が大きな電流パルスを引込むGSM送信機およびGPRS送信機での使用に理想的な構成要素である。これらのスーパーキャパシタは、適切に選択されて電源の両端に接続されると、各負荷パルスが必要とするエネルギのほとんどを提供し、電圧リップルおよび瞬間的な供給電流を減少させる。しかしながら、これらのスーパーキャパシタは、装置がオンにされると高い充電電流を引込み得る。これにより、過負荷のため、バッテリのシャットダウンが生じるか、または、ホスト装置内の供給電圧が降下し得る。このアプリケーションノートは、電源投入時および/または動作中に作動して、電源を過負荷の状態にすることなくスーパーキャパシタの充電を可能にする多数の電流制限回路について記載する。
【0093】
問題
携帯型装置、たとえばPDAおよび手動バーコードスキャナは、新規のデザインごとにサイズが縮小されている。ホスト装置内に差し込まれるように設計される装置、たとえばPCカードおよびCompactFlash(登録商標)装置は、極めて小さな空間に差し込まれなければならず、それでもなお、制限された電流および電力を送出し得る電源によって作動可能でなければならない。このことは、このような装置の設計を困難にする。なぜなら、GSM送信機およびGPRS送信機(および他の用途)が、電源によって提供され得ないことが考えられる高出力のバーストを必要とするためである。
【0094】
この電力の問題に対する解決策が、出力レール上における、高静電容量および低ESRを有するキャップXXスーパーキャパシタの使用である。低ESRにより、スーパーキャパシタは、(ピークの開始地点において小さな電圧降下を伴うのみで)高電力を送出することができ、高静電容量により、著しい電圧降下を伴わずに、負荷パルスの間に負荷に電力を供給するのに十分なエネルギが蓄積される。スーパーキャパシタは、負荷パルスと負荷パルスとの間に再充電される。しかしながら、静電容量が大きいことにより、このスーパーキャパシタが、電流投入時に高い充電電流を必要とするという新たな問題を生じ得る。このシステムがバッテリにより電力供給を受けている場合、高電流によってヒューズの溶断またはバッテリのシャットダウンが生じ得る。電源がホストの出力レールである場合、仕様により、サブシステムが或る一定量の電流を上回る電流を引込むことが阻止され得る。
【0095】
システムの動作を損なわずに、この電源投入時の充電電流を安全値までどのように制限することができるだろうか。
【0096】
キャップXXの解決策
この始動時の電流の問題の解決策は、スーパーキャパシタが充電されるまで、この電流を安全な既知の値まで制限することである。このアプリケーションノートは、この電流制限を行なうように設計される回路について記載する。これらの設計のうちの2つの設計において、MOSFETスイッチは、初期の充電電流がその流れを止めた後もオンのままであり、その結果、これらのスイッチは、通常動作中に電流を制限しない。第3の解決策は、常に電流を制限するモードで使用することができ、これにより、システムがそのホストから切断された後に再接続された場合に高電流を防止しながらも、スーパーキャパシタは依然として部分的に充電される。この第3の解決策は、動作中に、電源インピーダンスを基準としたスーパーキャパシタの低ESRにのみ依存せずに、その実際の値に基づいて電流を制限する。
【0097】
回路の動作
導入
ここに記載する最初の2つの回路は、回路への最初の通電時にスーパーキャパシタに送出される電流を制限するように設計されており、それにより、スーパーキャパシタは、電源に高い電流負荷を課すことなく充電され得る。スーパーキャパシタが電源から切断された後にも依然として充電された状態を保ち得、その後、部分的に放電されたバッテリまたは低電圧の出力レールに接続され得る用途に関しては、スーパーキャパシタからバッテリ/電源に電流が再び流れないようにするため、何らかの追加の回路素子(図示せず)が必要とされ得る。
【0098】
ここに論じる第1の設計(図1参照)は、初期の充電電流を制限するために直列抵抗器を使用する。これは、第2の回路よりも簡単であって費用がかからないことが考えられるが、スーパーキャパシタが充電されるのに伴い、充電電流が単純かつ級数的な態様で減少するという欠点を有する。このことは、スーパーキャパシタが、定電流電源から充電される場合に比べ、充電により長い時間がかかることを意味する。
【0099】
【表4】

【0100】
第2の設計(図2参照)は、電流を制限する設計においてスーパーキャパシタを充電するMOSFETを使用する。第1の設計で使用される直列抵抗器は必要とされないが、MOSFETのゲート電圧を制御するために、何らかのさらに別の回路素子が用いられる。この第2の設計は、図1の回路と同一の最大電流の基準が使用される場合に、スーパーキャパシタが充電に要する時間が短いという利点を有する。重要な点は、図2に対して選択されたMOSFETが、充電段階中に生じた熱を放散させることができなければならない点である。これは、装置がオンにされるたびに行なわれる1回限りの事象であり、この事象は一般に数秒間しか継続しないため、MOSFETは、その電力量を連続的に損失させるように定格が定められる必要はない。
【0101】
ここに示す設計は、さまざまな異なる供給電圧において作動するように適合されることが意図されている。電圧を降下させることなくMOSFETが電流を通すことのできる最も低い供給電圧は、MOSFETのしきい値電圧および出力特性により決定される。装置は、所定の電流を通すために、RDS(ON)を低値まで下げるように十分確実にオンにされなければならない。しきい値電圧が小さくなるほど、回路が成功裡にかつ信頼可能な態様で作動する供給電圧が低くなる。
【0102】
低電圧で良好に機能する装置の一例が、IRL5602Sであり、この装置は、定格の
ゲートしきい値電圧、すなわち、−0.7Vから−1.0VのVGS(th)を有する。別の例が、FDR838P、スーパーSOT−8(SuperSOT-8)装置であり、この装置は、−0.4Vから−1.5V(一般には−0.85V)の範囲のVGS(th)を有するが、低い電力定格を有する。設計者は、適切なMOSFETを選択する際に、供給電圧、最大負荷電流、および電力の損失等にも考慮すべきである。いくつかのスーパーSOT−8装置および他の小型の装置は、ターンオン時の充電中に過熱することなく電力を損失させることができれば適切であると考えられる。始動時の充電中におけるMOSFETの温度上昇を推定またはモデル化することが難しいことがあり得るため、装置が適切であることを確認するために、何らかの実験が必要とされることが考えられる。MOSFETは、ターンオン後に、電力を相対的にほとんど損失させるべきではない。
【0103】
10MΩのインピーダンスを有するオシロスコープのプローブが、MOSFETのゲートにおいて高値抵抗器に接続されている場合、上述の回路と共に作動する際に通常動作に大きな影響を及ぼすことに注意されたい。極めて高い入力インピーダンスの装置(好ましくは>1GΩ)のみが、これらの地点に接続されるべきである。
【0104】
【表5】

【0105】
図3に示す第3の設計は、演算増幅器およびMOSFETによりスーパーキャパシタに送出される電流を測定および制御する。回路内の構成要素の値は、3.3Vにおける動作に対して選択されたものである。この回路は、装置が電源から切断された後、スーパーキャパシタが完全に放電される前に再接続された場合に、電源(またはホスト)に対する高い電流負荷にまつわる問題を回避する。この回路は、使用可能状態にされた場合に、負荷が高電流を引込むときは常に、電源から引込まれる電流を制限する。維持されている高負荷が存在する場合、低コストの演算増幅器を使用することにより、応答速度は、始動時における電源を保護するのに十分なものとなるが、短い持続時間の負荷パルスの間に応答を行なうのに十分な速度ではない場合があることに注意されたい。
【0106】
図3(a)における回路は、PCカードおよびCFカードの用途にとっては、設計が仕様に確実に適合することを設計者が望む場合、電流を制限するためにスーパーキャパシタのESRおよびホスト装置の電源インピーダンスに依存するよりも理想的である。ホストの電源インピーダンスに依存することは、特に問題が大きい。なぜなら、この値には製品間で大きな変動があるためである。設計者は、作動する電流リミッタを備える回路が、負荷に対して引続き適切な電流を提供することのみを必要とする。
【0107】
点線の矩形で囲まれた図3(a)の部分は、任意の「イネーブル」回路である。「イネーブル/ディスエーブル」機能が必要とされない場合、これらの構成要素は省略される。
【0108】
図3(b)において、スーパーキャパシタの電圧が所望の値に到達したときにPOWER GOOD出力を生じる回路もまた示される。この回路は任意であり、提示されるどのような電流リミッタ回路とも、共に使用可能である。
【0109】
単純な直列抵抗器の設計
再び図1を参照すると、この回路における、電流を制限する主な要素は、直列抵抗器R1である。この回路は、SW1が閉鎖されたときに、スーパーキャパシタの電圧が供給電圧にほぼ等しくなるまでスーパーキャパシタがR1を介して充電されるように設計される。この例において、R1は、4Vの電源を備えて400mAのピーク電流を提供するように選択されている。C1は、まず放電され、これにより、MOSFETは確実にオフにされる。C1は次に、R2を介して充電され、後にMOSFETをオンにする。最初の数秒間に亘る充電波形については、図4を参照されたい。右側の最も低い波形が供給電流(100mA/div)であることに注意されたい。MOSFETがオンになった瞬間を明確に認識することができる。ここで電流は、スーパーキャパシタが供給電圧に到達するのに伴って再び下がる前に、一時的に増大する。
【0110】
【表6】

【0111】
十分な充電時間を得るようにR2およびC1の値が選択されることにより、MOSFETのオン時に増大した電流は、設計上の制限をはるかに下回る。ターンオンの瞬間は、MOSFETのしきい値電圧とともに変動するため、装置間の構成要素の特性および温度の変
動に関し、タイミングの点で何らかの余裕を設けておくべきである。より高い適切な値のR2により、C1は、示されるものよりも低い値であり得る。しかしながらC1は、MOSFETのゲートの入力容量の値を満たす(swamp)のに十分な高さであるべきであり、それによってタイミングは、MOSFETの特性の変動の影響を受けない。ここで使用する値の1μFは、ほとんどの状況において十分過ぎる値である。基準として、C1は、MOSFETの入力容量の10倍を上回るべきであり、ほとんどの場合、100倍以上であることが適切であるべきである。D1は、低い逆電流を有する装置であるべきであり、C1の充電に影響を及ぼさない。
【0112】
MOSFETが低いゲートしきい値電圧VGS(th)を有する場合、より高いVGS(th)に関する場合よりも長いR21の積が必要とされる。なぜなら、より低いしきい値を有するMOSFETがより早くオンになる傾向を有するためである。MOSFETがあまりにも早くオンになる場合、MOSFETは、電源とスーパーキャパシタとの間で低抵抗接続を生じて過大な電流を流してしまう。低電圧の用途では、初期の充電段階の後にできるだけ確実にMOSFETをオンにして、そのオン抵抗を下げるために、VGS(th)の低い値が一般に望ましい。
【0113】
以下の内容は、図1の回路における構成要素の値をどのように計算するかを示す。電流リミッタにより引込まれる初期ピーク電流は、オームの法則(Ohm's Law)から以下のように求められる。
【0114】
【数1】

【0115】
ここで、Vは供給電圧である。使用される用途によりサポート可能な初期ピーク電流に応じて、R1を選択されたい。
【0116】
次のステップは、MOSFETをオンに切換える前に(R1を介して)スーパーキャパシタが充電されるべき電圧を推定することである。用途によりサポート可能な最大電流が、IMAXであるものと想定されたい。直列抵抗器R1は、MOSFETがオンになった時点でも電流を有しているため、この推定値は、最大値の約半分の電流を得ることを目標とする。スーパーキャパシタのESRがRSである場合、MOSFETのオン抵抗は(供給電圧において)RDS(ON)であり、スーパーキャパシタの電圧はvSであり、電源の内部抵抗はRSであり、MOSFETが瞬間的にオンになったと想定する場合(これは保存性である)、MOSFETがオンになった瞬間にMOSFETを通る電流は、以下のようになる。
【0117】
【数2】

【0118】
または、MOSFETがオンになるべき瞬間におけるスーパーキャパシタの電圧は以下のようになる。
【0119】
【数3】

【0120】
スーパーキャパシタがこの電圧に到達する時間(秒)は、以下の等式から求められる。
【0121】
【数4】

【0122】
ONは、SW1が閉鎖された後にMOSFETがオンに切換わるべき時間である。これは、ゲートがゲート−ソースしきい値電圧VGS(th)に到達するのに必要とされる時間であり、以下の等式によって(秒で)求められる。
【0123】
【数5】

【0124】
(5)を整理すると、以下のようになる。
【0125】
【数6】

【0126】
1の値は、C1>>MOSFETのゲート容量、すなわち1μFであるように選択されたい。そして、R2を求められたい。
【0127】
計算された値は、設計の目的には適するが、近似値であり、回路を試験した後に調節する必要があり得る。対象となる温度範囲においていくつかのサンプルMOSFETを用いることにより、この電流が所望の値を上回らないことを確認しなければならない。電流がそれよりもかなり低い場合、R2のより低い値を試みることができる。電流が高すぎる場合、R2の一層大きな値を用いて、MOSFETがオンにされる前の時間を長くすべきである。
【0128】
供給電圧が0に降下する(SW1が開放され、負荷がスーパーキャパシタを放電する)と、D1はC1を放電し、それにより回路は、再度使用される準備が直ちに整う。D1は、電源装置である必要はないが、供給電圧の予測降下率においてキャパシタの放電電流を少なくとも処理可能であるべきである(C1=1μFに関し、i=C1dV/dt=1mAであり、1V/msの極めて高い放電率を想定されたい。最も一般的な小信号ダイオードが、この電流を処理することができる)。
【0129】
構成要素の典型的ないくつかの出発値が、150mΩの電源インピーダンスおよび80mΩのスーパーキャパシタのESRに関して表1に提示される。値は等式によって提示されたものであるため、設計者は、2番目に最も高い標準的な抵抗器の値を選択することができる。これらの値は確認されるべきであり、必要であれば、設計される回路で所望の挙動を得るために変更されるべきである。
【0130】
【表7】

【0131】
Sの静電容量の値は、初期のピーク電流に影響を及ぼさない。CSは、設計段階において、スーパーキャパシタが負荷のピーク中に供給電圧を維持し得るのに足りる十分に大きな値となるように選択されている。スーパーキャパシタのESRもまた、負荷パルス中の電圧降下を最適化するように選択されている。図1に示すキャップXX装置のESRは80mΩであり、この値は極めて小さいため、ピーク電流の計算に対して実質的な差を生じない。
【0132】
抵抗器R1は、スーパーキャパシタが充電されている間に電力を損失する。図示する例において、SW1が閉鎖された後の瞬間に損失された電力が1.6Wであっても、0.5Wの電力定格が適切であった。オンに切換わった後に瞬時電力が極めて速く減少し、R1の極めて穏やかな加熱しか生じない。より高い供給電圧か、または、より大きなスーパーキャパシタが使用される場合、抵抗器の電力定格および物理的なサイズを上げることが必要であると考えられる。
【0133】
【表8】

【0134】
図4から分かるように、GW−02−01スーパーキャパシタを供給電圧まで充電するのに要する総時間は、この回路構成において約8秒であり、iMAX=400mAであった。
【0135】
SW1が最初に閉鎖されたときに電流リミッタ回路により引込まれるピーク電流に関心が向けられる。なぜなら、この回路の目的が、電源からの高電流の引込みを防止することであるためである。図5は、図1の回路に関して一般的な電流および電圧の波形を示す。初期の電流ピークは、MOSFETの寄生容量の充電の結果であり、後続する、一見して定常な電流は、実際には、スーパーキャパシタの充電の指数減衰曲線の開始部である。電流は、数ナノ秒に亘ってのみ、意図される制限(400mA)を上回る。この波形は、スイッチがどれだけ迅速に作動するかに依存して、或るスイッチオンの事象から次のスイッチオンの事象にわたり、多少変化する。
【0136】
MOSFETのdv/dt電流リミッタの設計
図2を参照すると、この設計において電流を制限する主な要素が示されており、この要素はMOSFETQ1である。このMOSFETQ1は、SW1が閉鎖されてから短時間が経過するまで、オフの状態に保持される。このことは、C2が最初に放電されて、その基本電流を提供する状態で、エミッタフォロワQ2が作動することにより行なわれる。
【0137】
2およびCS(および/または負荷)を介してC1が満充電されるのに十分な時間が経過すると、C2がR4を介して充電され、Q2がオフになる。これによりC1は、相対的に長い時定数でR3を介して放電を開始する。Q1のゲートがQ1の供給電圧(供給電圧)よりも低いしきい値電圧まで下がると、Q1はオンになることを開始し、これによりCSの充電が開始される。C1がCSに接続されているため、負のフィードバック効果が生じる。スーパーキャパシタの電圧が上昇するのに伴い、この電圧は、C1を介してQ1をオフにする傾向を有する。
【0138】
スーパーキャパシタが充電される速度がこのように制限されているため、スーパーキャパシタが満充電されるまで、ほぼ一定の充電電流が生じる。その後、MOSFETは、そ
のゲートに完全な供給電圧を有した状態で最終的にオンにされ、所定の供給電圧により得ることのできる最小限のドレイン−ソース抵抗を生じる。充電電流は、副次的効果を有するMOSFETの特性を有するCS、R3、およびC1の値により主に求められる。D3は、低い逆電流を有するべきであり、それによりD3は、スーパーキャパシタの充電電流に影響を及ぼさない。同様に、Q2のエミッタの遮断電流(IBEO)は相対的に低く(この場合、10nA未満)、これは同様の利点を有する。
【0139】
この回路は、図1の回路よりもやや複雑であるが、特定の構成要素の値に対する充電電流をより正確に予測することがより容易であるという点で、設計上の利点を有する。充電段階中の、R3を介した電流は、R3の両端の電圧降下から求められ、これは、以下のように、供給電圧からMOSFETのしきい値電圧をちょうど引いたものである。
【0140】
【数7】

【0141】
ここで、正の値|VGS(th)|は、便宜上使用される。
1の電圧の変化率は、C1を通る電流から、1秒当りのボルトを単位として以下のように求められる。
【0142】
【数8】

【0143】
1が右側においてスーパーキャパシタに接続されており、MOSFETのゲートにおけるその電圧が、電源よりも低いMOSFETのしきい値電圧に留まる傾向を有するため、スーパーキャパシタの電圧の変化率は、C1のものとほぼ同じである。したがって、スーパーキャパシタへの充電電流は、供給電流と実質的に同じであり、以下により求められる。
【0144】
【数9】

【0145】
上述の等式7、8、および9を組合せることにより、以下のものが得られる。
【0146】
【数10】

【0147】
たとえば、図2における構成要素の値を用いたまま、充電電流を0.4Aに制限することを望むことが考えられる。したがって、VGS(th)=−1である場合、以下のようになる。
【0148】
【数11】

【0149】
以下の構成要素の値がC1=220nFであるように選択された場合、以下のようになる。
【0150】
【数12】

【0151】
選択された値を用いて結果を確認すると、以下のようになる。
【0152】
【数13】

【0153】
キャパシタに関し、i=C dv/dtである。定電流に関し、このことは、i=CΔv/Δtとなり、ここでΔvは、時間Δtにおけるキャパシタ両端の電圧の変化である。したがって、スーパーキャパシタを0Vから供給電圧に充電するのに必要とされる時間は、以下のようになる。
【0154】
【数14】

【0155】
上述の例において、スーパーキャパシタを充電するのに必要とされる時間は、4.0V・0.3F/0.41A=2.93sであり、これは、図5の波形によく対応する。
【0156】
以前の回路におけるように、MOSFETの入力容量よりもかなり大きなC1の値を選択して、充電電流の変動をなくすこと、また、この値が適正な精度で計算され得ることが望ましい。
【0157】
供給電圧がその制限よりも高い用途において、バイポーラトランジスタQ2がベース−エミッタ間の逆電圧に晒される可能性をなくすために、D1は、二重の安全対策機構としてのみ必要とされる(いずれの場合も、電流はR4により制限される)。
【0158】
2は、R3を介した放電(および反対の極性での再充電)に備え、最初にC1を充填するために用いられる。R2の値は、R3の値よりもはるかに小さい場合には重要ではない。たとえば、1kΩの値が代わりに使用され得る。
【0159】
MOSFETが最初にオフになることが必要であり、それによりゲート電圧は、最初に十分な高さに維持されなければならない。その後、回路には「不動作時間」が生じる。この不動作時間中に、ゲート電圧は、そのしきい値の地点に向けて降下する。SW1が閉鎖された(およびC1が充電された)直後のC1およびR2の接合部における電圧の値により、Q2がオフになった後にどの程度の長さの不動作時間が生じるかが効果的に算出される
。MOSFETのしきい値電圧がこの値よりもはるかに低い場合、MOSFETがオンになることを開始すること、および、スーパーキャパシタの充電が開始することに、多少の時間がかかる。この時間があまりにも長い場合、より小さなしきい値電圧を有するMOSFETを代わりに用いることができ、または、D2において2つの直列のショットキーダイオードを使用するか、もしくは、1N914あるいはその等価物等のシリコンダイオードを用いるか、もしくは、これらの直列の組合せを用いることにより、初期のゲート電圧を下げることができる。
【0160】
【表9】

【0161】
ダイオードD3およびD4は、電源切断後にタイミングキャパシタを放電し、それにより回路は、再び作動する準備が整う。
【0162】
時定数R42は臨界値ではなく、Q2がオフになる前にC1が満充電され得るようにする十分な長さでありさえすればよい。C1を充電する間に、短時間に亘ってQ2をオンに保持するために利用可能な十分な基本電流が存在しなければならないことに注意されたい。以下の内容は、(上で求めた)C1の値に関し、Q2を選択してR4およびC2の必要値を推定するおよその方法について概略的に説明する。まず、Q2が2つの機能を実行することに注目されたい。すなわち、一方の機能は、SW1が閉鎖された直後にQ1がオフにされた状態を確実に保つこと、および他方の機能は、C1を極めて迅速に充電することである。そのベースドライブは、C2により提供されるため、C2は、C1が確実に充電されるだけの長さに亘ってドライブを送出するだけの十分な大きさを有していなければならない。C1が充電されるとすぐに、上述の回路における電流制限の段階が開始し得る。
【0163】
2の利得を利用することにより、C2における相対的に小さな静電容量は、Q2が上述の2つのタスクを実行することを可能にする。Q2は、適度に高い利得を有し、かつ、適度に高速度のスイッチングトランジスタであるべきである。2N2222A(または2N2222)の最小利得は、極めて広範囲に変化する(たとえば、VCE=10Vにおいて35から100である)が、一般には適切であることが分かっている。面実装型であるか、スルーホール型であるかにかかわらず、設計者に公知の多くの等価装置またはより優れた装置が明らかに存在する。
【0164】
設計により、C1は、MOSFETの入力容量よりも遥かに大きいため、MOSFET
の入力容量は重要ではない。Q2が2N2222Aの利得以上の利得を有する場合、C1の値に相当するC2の値は、適切なものになる筈である。すなわち、0.5C1から2C1の(望ましい場合は、それよりも大きな)範囲のものが、適切に作動する筈である。
【0165】
【表10】

【0166】
次に、R4を求めなければならない。これは、時定数R42から求められる。C1は、SW1の閉鎖時にD2を介して相対的に迅速に充電を行なうべきであるが、その時間を推定する際に何らかの不確実性が生じる。図2で選択されたR2の値は、C1を充電するのに予測される時間を基準として、極めて大きな時定数(10ms)を提供するように選択されたが、これもまた、スーパーキャパシタを充電するのに必要とされる時間に比べると、無視できるものである。それにより、この値は、実際に有害な影響を有さない。R4を小さくし過ぎると(たとえばサブ1kΩ)、SW1の閉鎖時に流れる初期の過渡電流の原因となり得、これは望ましいものではない。R4が極めて高い(たとえば、範囲>>1MΩであり、C2の値がそれに対応して低い)場合、Q2は適切にオフになることができない。
【0167】
図6から分かるように、充電中の電流は相対的に一定である。この例では1秒間の不動作時間が存在し、この時間は、上述の測定値により短縮することができる。総充電時間は、不動作時間が存在しても、ほぼ同じピーク電流を用いた場合の図1の回路の約8秒に比べると、4秒をちょうど超えた時間に過ぎない。
【0168】
図7は、約1.5アンペアの充電電流を有する図2の回路を示す。充電が開始する前の不動作時間は、C1のこの値において僅か約250msであり、スーパーキャパシタを充電する総時間は、約1.2秒である。
【0169】
表2は、図2の回路を用いることによる、さまざまな充電電流についてのいくつかの構成要素の値の一覧である。
【0170】
【表11】

【0171】
図8は、充電が進行中にSW1が繰返し開放および閉鎖される際の、図2の回路のロバスト性を示す。スイッチが再び閉鎖される毎に、電流が過剰なレベルまで上昇することな
く、スイッチがオフにされたところから充電が継続する。
【0172】
図9は、図2の回路によって得られる過渡供給電流および電圧の波形を示す。スイッチ閉鎖時の電流のピークは、C1の充電およびMOSFETの寄生容量の充電から生じる。ピーク電流は、数ナノ秒に亘り約500mAであり、その後、ゼロ付近まで下がり、スーパーキャパシタの充電が始まるまでその状態を保つ。
【0173】
フィードバック制御の設計
【0174】
【表12】

【0175】
図3(a)は、実際の電流を監視し、フィードバックを用い、MOSFETを通って流れる電流を制御する電流リミッタ回路である。この回路により充電されるスーパーキャパシタは、CX1で表わされる。このスーパーキャパシタは、直列の2つのセルを有し、それに関連する平衡抵抗器は、R5およびR6である。電流制限値はスーパーキャパシタの値から独立しているため、適切なスーパーキャパシタの表はここに提示していない。
【0176】
図3(b)の回路は、スーパーキャパシタの電圧が予め定められた値にいつ到達したかを検出し、「POWER GOOD」(アクティブハイ)信号を出力する。この信号を用いて、スーパーキャパシタが満充電されたことを他の回路に信号送信することができる。回路(a)および(b)は、公称3.3Vの電源で作動するように設計されているが、少なくとも3Vという低い電圧(好ましくは、適切な抵抗器の変化を伴う)から、4.5V、すなわち、2セルのスーパーキャパシタの定格電圧までの電圧で機能する。
【0177】
(a)の回路は、分流抵抗器(R1)の両端の電圧降下と、低出力の電圧基準ICから得られた基準電圧とを比較することによって電流を監視する。この分流器の両端の電圧が基準値を上回る場合、電流が高過ぎるため、演算増幅器の出力がMOSFETのM1をオフにすることを開始する。スーパーキャパシタが充電されると電流は下がり、M1は再び完全にオンにされる。
【0178】
任意の「ENABLE」回路が含まれている場合、電流リミッタ回路が作動し得るためには、入力に印加される論理0信号(0V)が必要となる。入力がハイであるか、または浮動状態にある場合、M1はM2によりオフに保持され、その結果、負荷に電流が流れない。
【0179】
電圧基準回路D1、D6、およびD7が、精度および低消費電力を得るために選択される。場合によっては、使用される部品が、動作の温度範囲の全体に亘って良好な許容範囲(好ましくは1%)を有する場合、必要であればより安価なツェナーダイオードが代わりに使用される。そうではない場合、POWER GOOD信号の生成時の制限電流および電圧が、正しくないことが考えられる。ツェナーダイオードは一般に、より高いバイアス電流を必要とし、その結果、この回路により消費電力が増大する。
【0180】
演算増幅器TS1852Aは、1mVの最大入力オフセット電圧と、0.1mVの標準値とを有する。このパラメータは制限電流およびPOWER GOOD信号の精度に影響を及ぼすため、これよりも高いオフセット電圧を有する増幅器を使用すべきではない。ここでもまた、POWER GOOD回路が別個に使用される場合、その演算増幅器の電源には、100nFのキャパシタにより側路が形成されるべきである。
【0181】
(b)のPOWER GOOD回路は、スーパーキャパシタの両端の電圧の一部と、基準電圧とを比較する。スーパーキャパシタの電圧が予め定められた値を上回ると、POWER GOODの出力がハイになる。何らかのヒステリシスが、フィードバック抵抗器R22を介して導入される。
【0182】
【表13】

【0183】
図10は、2アンペアのカレントリミットに対して選択された構成要素を有する、図3の種類の回路についての電圧および電流の波形を示す。回路に供給を行なうリチウムイオンバッテリは、4.2ボルトの満充電電圧を有した。図10の電流制限の期間中に、バッテリの電圧は、負荷時の内部抵抗における電圧降下により減少した。
【0184】
最大電流と構成要素の値との関係:図3(a)のカレントリミットは、基準電圧の両端の分圧器内で抵抗器を適切に選択すること、すなわちR2およびR6によって選択される。最初に、電流がその制限値にあるときのシャント電圧は、以下により求められる。
【0185】
【数15】

【0186】
電流制限が開始した瞬間における演算増幅器の非反転入力における電圧は、以下のようになる。
【0187】
【数16】

【0188】
ここでVD1は、D1の両端の電圧である。(12)および(13)を等式化すると、抵抗器の値の関数として、電流の制限に関して以下の結果が得られる。
【0189】
【数17】

【0190】
代替的に、所望される最大電流および他の値に関し、Rzの値を以下のように表わすことができる。
【0191】
【数18】

【0192】
例:図D1に対して1.2ボルトの基準を含む、図3に提示された値を用い、所望の最大電流が500mAである場合、等式15は、R2の値に対して203Ωを示す。
【0193】
スーパーキャパシタのPOWER GOODのしきい値電圧と構成要素の値との間の関係:図3(b)を参照する。スーパーキャパシタの電圧が低いために演算増幅器の出力がローである場合、非反転入力における電圧は、以下のように示すことができる。
【0194】
【数19】

【0195】
ここでVS(PGLow)は、スーパーキャパシタの電圧である。同様に、スーパーキャパシタの
電圧が基準電圧を上回っているために演算増幅器の出力がハイである場合、非反転入力における電圧は、以下のように示すことができる。
【0196】
【数20】

【0197】
ここでVD7は、R22に接続された基準装置の電圧である。しかしながら、V+(PGLow)およびV+(PGHigh)の各々が反転入力における電圧に等しいとき、POWER GOOD信号の切換点が生じる。増幅器に対する、反転入力における基準電圧は、以下により求められる。
【0198】
【数21】

【0199】
ここでVD5は、基準IC/ダイオードD5の電圧である。スーパーキャパシタが充電されるのに伴ってPOWER GOOD信号がローからハイになるときのスーパーキャパシタの電圧は、V+(PGLow)(等式16)がv-(等式19)に等しいときの電圧であり、以下のようになる。
【0200】
【数22】

【0201】
同様に、スーパーキャパシタが放電するのに伴ってPOWER GOOD信号がハイからローに変化するときのスーパーキャパシタの電圧は、V+(PGHigh)(等式17)およびv-(等式19)を等式化することにより、以下のように求められる。
【0202】
【数23】

【0203】
注意:上で論じたように、「PGLow」および「PGHigh」は、スーパーキャパシタの電圧を考慮したときのPOWER GOOD信号の状態を指す。ヒステリシスの効果は、電圧vS(PGLow)が電圧VS(PGHigh)よりも高くなることである。
【0204】
例:D5およびD7として2.5ボルトの基準装置を含む、図3に提示された構成要素の値を用いると、POWER GOOD回路は、3.0ボルトの公称スイッチング電圧を有する(等式19より)。スーパーキャパシタが充電中に、POWER GOODがローからハイになるときの電圧は、vS(PGLow)=3.07Vである(等式20より)。スーパーキャパシタが放電中に、POWER GOODがハイからローになるときの電圧は、vS(PGHigh)=2.93ボルトである(等式21より)。
【0205】
図11は、図10におけるように、2アンペアのカレントリミットを生じる構成要素を用いる、図3の回路の過渡的な挙動を示す。この回路は、バッテリから切断されており、スーパーキャパシタを約3ボルトまで放電させている。この回路はその後、バッテリに再接続され、その結果、電流リミッタが応答する前に80μsに亘って約3.5アンペアの電流を生じ、それ以降の電流を2アンペアまで制限する。右側における上部の波形は、電流制限の段階におけるバッテリ電圧である。スーパーキャパシタの電圧は、バッテリに再接続された後に上昇するが、その傾きは、この掃引が対象として含む短時間において、認識することができない。
【0206】
この電源に対して十分な減結合を有するホスト装置は、それ自体をリセットせずに、3.5アンペアの過渡電流を送出することができる。
【0207】
【表14】

【図面の簡単な説明】
【0208】
【図1】この発明に従った電源の概略的な回路図である。
【図2】図1の電源で使用される電流制限回路のより詳細な回路図である。
【図3】図1の電源についての多数の掃引を含むオシロスコープ画像である。
【図4】この発明に従った電源の代替的な一実施例についての多数の掃引を含むオシロスコープ画像である。
【図5】この発明の一実施例のPCMCIAカードの概略図である。
【図6】この発明に従った代替的な通信カードの概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均負荷電流と、前記平均負荷電流よりも高いピーク負荷電流とを要求する負荷のための電源であって、
予め定められたカレントリミット未満のソース電流を供給する電源に接続するための入力端子を備え、前記予め定められたカレントリミットは、前記ピーク負荷電流未満であり、前記電源はさらに、
前記入力端子および負荷に電気的に接続するための出力端子と、
前記予め定められたカレントリミット付近未満に前記ソース電流を実質的に維持しながら、前記ピーク負荷電流が前記負荷に供給されるようにするための、前記出力端子に並列なスーパーキャパシタ装置とを備える、電源。
【請求項2】
前記予め定められたカレントリミットは、前記平均負荷電流と前記ピーク負荷電流との間にある、請求項1に記載の電源。
【請求項3】
前記入力端子における電圧は、前記出力端子における電圧以上である、請求項1に記載の電源。
【請求項4】
前記入力端子および前記出力端子を実質的に同じ電圧に維持する、請求項1に記載の電源。
【請求項5】
前記スーパーキャパシタ装置は、前記出力端子に並列な1つ以上のスーパーキャパシタを含む、請求項1に記載の電源。
【請求項6】
前記入力端子と前記出力端子との間に配置される電流リミッタを備える、請求項1に記載の電源。
【請求項7】
前記電流リミッタは、前記電源からの前記スーパーキャパシタ装置の充電中に、前記予め定められたカレントリミット未満に前記ソース電流を維持する、請求項6に記載の電源。
【請求項8】
前記スーパーキャパシタ装置は、互いに並列に接続された複数のスーパーキャパシタを含む、請求項1に記載の電源。
【請求項9】
前記スーパーキャパシタ装置は、互いに直列に接続された複数のスーパーキャパシタを含む、請求項1に記載の電源。
【請求項10】
前記スーパーキャパシタ装置は、30mΩ未満のESRを有する、請求項1に記載の電源。
【請求項11】
前記スーパーキャパシタ装置は、24mΩ未満のESRを有する、請求項10に記載の電源。
【請求項12】
前記スーパーキャパシタ装置は、20mΩ未満のESRを有する、請求項11に記載の電源。
【請求項13】
前記スーパーキャパシタ装置は、約0.4ファラッド以上の静電容量を提供する、請求項1に記載の電源。
【請求項14】
前記装置の占有面積は、約800mm2未満である、請求項1に記載の電源。
【請求項15】
前記装置の占有面積は、約40mm×20mm未満である、請求項1に記載の電源。
【請求項16】
前記負荷は通信装置である、請求項1に記載の電源。
【請求項17】
前記通信装置は、GPRSモジュールまたはGSMモジュールを含む、請求項16に記載の電源。
【請求項18】
前記負荷は、コンピュータ用のカードであり、前記通信装置は、前記カードに取付けられる、請求項1に記載の電源。
【請求項19】
電力源は、前記コンピュータの内部電源から得られる、請求項18に記載の電源。
【請求項20】
前記電流リミッタは、前記入力端子と前記出力端子との間に配置されて予め定められた抵抗を提供するための可変抵抗装置を含む、請求項6に記載の電源。
【請求項21】
前記可変抵抗装置は半導体装置である、請求項20に記載の電源。
【請求項22】
前記半導体装置はMOSFETである、請求項21に記載の電源。
【請求項23】
前記電流リミッタは、前記入力端子と前記出力端子との間に配置されて前記ソース電流を示す信号を提供するための電流センサを含み、前記可変抵抗装置は、前記信号に応答して前記予め定められた抵抗を設定する、請求項20または請求項21に記載の電源。
【請求項24】
前記センサは低値抵抗器である、請求項21に記載の電源。
【請求項25】
前記可変抵抗装置は前記信号に応答して、高抵抗モード、低抵抗モード、および線形抵抗モードの1つで選択的に作動する、請求項23に記載の電源。
【請求項26】
前記可変抵抗装置は、前記負荷電流が前記予め定められたカレントリミット付近未満である間、前記低抵抗モードで作動する、請求項25に記載の電源。
【請求項27】
前記可変抵抗装置は、前記ソース電流が前記予め定められたカレントリミットに近づくと前記線形モード内で作動する、請求項25に記載の電源。
【請求項28】
前記可変抵抗装置は、前記線形モード内で作動する際に、前記ソース電流が前記予め定められたカレントリミットに近づくにつれて、より大きな抵抗を提供する、請求項25に記載の電源。
【請求項29】
前記負荷は、通常動作の条件下において、前記スーパーキャパシタ装置が充電を必要とする始動段階を含み、前記スーパーキャパシタ装置は、前記負荷の前記始動段階中にのみ前記電流リミッタが一般に作動するように選択される、請求項21に記載の電源。
【請求項30】
コンピュータ用の通信カードであって、前記コンピュータは、予め定められたカレントリミット未満であるソース電流を前記カードに提供する電源を有し、前記カードは、
前記予め定められたカレントリミットよりも大きなピーク負荷電流と、前記ピーク負荷電流未満の平均負荷電流とを要求する負荷を集合的に規定する複数の電気的構成要素を支持するための基板と、
前記電源に接続するための入力端子と、
前記入力端子および前記負荷に電気的に接続するための出力端子と、
前記予め定められたカレントリミット付近未満に前記ソース電流を実質的に制限しながら、前記ピーク負荷電流が前記負荷に供給されるようにするための、前記出力端子に並列なスーパーキャパシタ装置とを備える、通信カード。
【請求項31】
計算装置であって、
他の計算装置とコンピュータが通信することを可能にするための通信カードを備え、前記カードは、使用時に、ピーク負荷電流と、前記ピーク負荷電流未満である平均負荷電流とを要求し、前記計算装置はさらに、
前記カードにソース電流を供給するための電源を備え、前記電源は、前記ピーク負荷電流未満である予め定められたカレントリミットを有し、前記計算装置はさらに、
前記電源に電気的に接続するための入力端子と、
前記入力端子および前記カードに電気的に接続するための出力端子と、
前記予め定められたカレントリミット付近未満に前記ソース電流を実質的に制限しながら、前記ピーク負荷電流が前記カードに供給されるようにするための、前記出力端子に並列なスーパーキャパシタ装置とを備える、計算装置。
【請求項32】
電流リミッタであって、
予め定められたカレントリミット未満であるソース電流を供給する電源に接続するための入力端子を備え、前記予め定められたカレントリミットは、ピーク負荷電流未満であり、前記電流リミッタはさらに、
前記入力端子および負荷に電気的に接続するため、かつ、前記予め定められたカレントリミット付近未満に前記ソース電流を実質的に維持しながら、前記ピーク負荷電流が前記負荷に供給されるようにするためのスーパーキャパシタ装置に並列に接続するための出力端子を備える、電流リミッタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−505370(P2007−505370A)
【公表日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−569780(P2004−569780)
【出願日】平成15年9月9日(2003.9.9)
【国際出願番号】PCT/AU2003/001175
【国際公開番号】WO2004/023637
【国際公開日】平成16年3月18日(2004.3.18)
【出願人】(501116192)キャップ−エックス・エックス・リミテッド (9)
【氏名又は名称原語表記】CAP−XX LIMITED
【Fターム(参考)】