電磁ノイズ抑制部品、電磁ノイズ抑制部品連接シート及びこれらの組立方法
【課題】 フェライト焼結体と片面粘着シートとの密着性が高められることで、上記フェライト焼結体と上記片面粘着シートの貼着面(接着面)に空洞(空隙)が出来難い電磁ノイズ抑制部品とその組立方法を提供する。
【解決手段】 フェライト焼結体2が貼着された片面粘着シート3がフラットケーブル8に巻き付けられた状態で使用される電磁ノイズ抑制部品において、1対のフェライト焼結体2,2がフラットケーブル8の一方の側面で折り返すための折り返し間隔3dをあけて各々貼着され、フラットケーブル8の正面側と背面側とに各々密着されるとともに、微粘着性面6bを有する微粘着性冶具6と転圧手段7とによって上記片面粘着シート3に配列された当該1対のフェライト焼結体2,2がその一方の端から他方の端へと順に加圧されることで片面粘着シート3とフェライト焼結体2との貼着面(接着面)に空洞が生じない。
【解決手段】 フェライト焼結体2が貼着された片面粘着シート3がフラットケーブル8に巻き付けられた状態で使用される電磁ノイズ抑制部品において、1対のフェライト焼結体2,2がフラットケーブル8の一方の側面で折り返すための折り返し間隔3dをあけて各々貼着され、フラットケーブル8の正面側と背面側とに各々密着されるとともに、微粘着性面6bを有する微粘着性冶具6と転圧手段7とによって上記片面粘着シート3に配列された当該1対のフェライト焼結体2,2がその一方の端から他方の端へと順に加圧されることで片面粘着シート3とフェライト焼結体2との貼着面(接着面)に空洞が生じない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェライト焼結体が貼着された片面粘着シートがフラットケーブルに巻き付けられた状態で使用される電磁ノイズ抑制部品と、これを複数配列した電磁ノイズ抑制部品連接シートと、これらの組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
情報端末、複写機、ファクシミリなどの電子機器には、これら電子機器の各機能を分担する電子部品が搭載された配線基板が多数内蔵され、多数の導線が電気的にそれぞれ絶縁されて並列に配列されたフラットケーブルや、フレキシブル配線板等により相互に電気的に接続される。上記配線基板は、その機能によっては不要電波(ノイズ)を発生させることがあり、この不要電波による電磁障害(EMI:Electromagnetic interference)に伴い電子機器の所定性能が低下することがあるため、EMI対策が必須となっている。EMI対策としては、フラットケーブルにフェライトなどの磁性体からなる電磁ノイズ抑制部品を貼り付ける方法が一般に知られている。
【0003】
上記の電磁ノイズ抑制部品としては、フェライト焼結体が片面粘着シートの粘着面の内側に接着されたものや、フェライト粉末が樹脂に混練されシート状に成形された複合磁性体に粘着材が形成されたもの(電波吸収シートとも呼ばれる)がよく知られている。フェライト焼結体は、フェライト粉末が樹脂に混練されシート状に成形された複合磁性体に比べて、フェライトの分布密度が高いので電磁ノイズ抑制効果が高い。また、フェライト焼結体とフラットケーブルとの密着距離を小さくすることで、さらに電磁ノイズ抑制効果が高くなる。なお本明細書では、フェライト焼結体が粘着シートの粘着面に貼り合わされた状態を貼着と記述しており、接着と同じ意味である。
【0004】
上述のようにフェライト焼結体は電磁ノイズ抑制効果が高いが、一方で、フェライト焼結体はその厚みが薄くなるほど割れ欠けが発生し易く、取り扱いには十分な注意が必要である。電磁ノイズ抑制部品をフラットケーブルに実装する際に仮にフェライト焼結体が割れてしまいその破片が周囲に飛散した場合には、電気回路の短絡に至る不具合や割れた破片により配線や電子部品の破損が生じる恐れがある。また、フェライト焼結体は、焼結の製造工程に起因するセラミック粉がその表面に固着(概ね点接触で固着)しており、いわゆる溶媒への浸漬洗浄等では上記セラミック粉を除去することは容易ではない。一方で、フェライト焼結体の表面に振動や衝撃などの何らかの物理的な外力が加わると上記セラミック粉がフェライト焼結体の表面から外れて飛散してしまう。仮にフェライト焼結体のセラミック粉が周囲に飛散して電子部品や電気回路に付着すると、電気回路の動作に悪影響を及ぼす心配があり、外観上も好ましくない。
【0005】
従来、電磁ノイズ抑制部品としては、フェライト焼結体が片面粘着シートの粘着面の内側に貼着され、フェライト焼結体の外周側面を取り囲むように樹脂又はゴム系材料からなる保護枠材が配され、フラットケーブルに接着させるための両面テープがフェライト焼結体と保護材に貼着された電磁ノイズ抑制部品が開示されている(特許文献1)。また、フェライト粉末が樹脂に混練されシート状に成形された複合磁性体の上面中央に切れ込み溝が形成され、その下面にフラットケーブルに貼着させるための粘着層が形成された電磁ノイズ抑制部品が開示されている(特許文献2)。
【特許文献1】特開2002−204094号公報
【特許文献2】特開2001−167933号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1、2記載の電磁ノイズ抑制部品をフラットケーブルに貼り付けると、フェライト焼結体(又は複合磁性体)とフラットケーブルとの間には両面テープ(又は粘着層)が介在するため、フェライト焼結体とフラットケーブルとの密着距離を上記両面テープの厚みよりも小さくすることができず、上記両面テープの厚みの分だけ電磁ノイズ抑制効果が低減するという問題点を有する。特許文献2記載の複合磁性体については、そもそも上記複合磁性体はフェライト焼結体に比べて電磁ノイズ抑制効果が低いため電磁ノイズ抑制部品としての適用範囲が限定される。そして、フェライト焼結体を複数配列して一度にシート上に組立てることが行われることがあるが、組立の際にフェライト焼結体の位置ずれが生じる問題やフェライト焼結体を損傷させる問題も有する。位置ずれや損傷した電磁ノイズ抑制部品をフラットケーブルに取り付けようとしても、フラットケーブルへの取り付けがし難くなる。
【0007】
さらに、本発明者らが、実際に上記特許文献1と同様の材料構成でフェライト焼結体に保護テープ(片面粘着シート)を貼り合わせてみると、フェライト焼結体と片面粘着シートの間に空気が巻き込まれ易く、フェライト焼結体と片面粘着シートの接着面に空洞(空隙)が形成され易いという問題点が新たに見つかった。フェライト焼結体と片面粘着シートの接着面に空洞(空隙)が形成されると、上記フェライト焼結体と片面粘着シートとの密着性が悪くなる上に、この空洞(空隙)が形成された箇所の片面粘着シートが外力により破れ易くなる。仮に上記空洞(空隙)が形成された箇所の片面粘着シートが破れてしまうと、仮に上記フェライト焼結体が割れてしまった場合に、上記フェライト焼結体の破片が上記片面粘着シートの破れ目から周囲に飛散し易くなり、上記フェライト焼結体の破片が周囲に飛散した場合には、電気回路の短絡に至る不具合や配線や電子部品の破損が生じる恐れがある。なお本明細書では、上記空洞(空隙)とは、容易に目視可能な大きさの空気の塊を指しており、片面粘着シートの厚み程度の気泡は上記の不具合が発生し難いことから適用除外としている。
【0008】
そこで、本発明の目的は、フェライト焼結体と片面粘着シートとの密着性が高められることで、上記フェライト焼結体と上記片面粘着シートの貼着面に空洞(空隙)が出来難い電磁ノイズ抑制部品とその組立方法を提供することにある。また、一対のフェライト焼結体が多数配列された電磁ノイズ抑制部品連接シートであって、フェライト焼結体が規則正しく整列され、組み立て工程でも位置ずれを生じさせずに、しかも、組み立ての際にフェライト焼結体を損傷させるような事態を防止する電磁ノイズ抑制部品連接シートとその組立方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の電磁ノイズ抑制部品は、フェライト焼結体が貼着された片面粘着シートがフラットケーブルに巻き付けられた状態で使用される電磁ノイズ抑制部品において、
1対のフェライト焼結体がフラットケーブルの一方の側面で折り返すための折り返し間隔をあけて各々貼着され、フラットケーブルの正面側と背面側とに各々密着されるとともに、微粘着性面を有する微粘着性冶具と転圧手段とによって上記片面粘着シートに配列された当該1対のフェライト焼結体がその一方の端から他方の端へと順に加圧されることで片面粘着シートとフェライト焼結体との貼着面に空洞が生じないことを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、片面粘着シートの粘着面を所定間隔で並べられたフェライト焼結体に重ねながら、転圧手段により上記片面粘着シートの粘着面とフェライト焼結体の一方の面とを貼着させることで、フェライト焼結体と片面粘着フィルムとの密着性が高められるため、上記フェライト焼結体と上記片面粘着シートの貼着面に空洞(空隙)が出来難い。そして、この1対のフェライト焼結体は、フラットケーブルの正面側と背面側を各々密着させてなるとともに、フラットケーブルの一方の側面で折り返すために形成された所定間隔を有するので、フラットケーブルに対する取り付けが行い易く、取り付け状態も良好なものになる。
【0011】
本発明は、前記片面粘着シートの粘着面側には両面粘着シートが備わり、当該両面粘着シートを貫通させて形成された取付け穴に前記フェライト焼結体が収納されることを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、フェライト焼結体が前記両面粘着シートを貫通させて形成された取付け穴に収納されることにより、フェライト焼結体の外周側面が前記両面粘着シートに取り囲まれることとなり、フェライト焼結体の破損が防止されるとともに位置ずれが防止され、仮にフェライト焼結体が割れてしまってもその破片やセラミック粉がフェライト焼結体の外周側面を取り囲んで配された両面粘着シートに捕捉されることとなる。
【0013】
本発明は、前記片面粘着シートの長手方向の一端にはフラットケーブルの他方の側面で折り返すための巻き付け部が形成され、当該巻き付け部には前記両面粘着シートが配されていないことを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、前記片面粘着シートの長手方向の一端にフラットケーブルの他方の側面で折り返すための巻き付け部が形成され、当該巻き付け部に前記両面粘着シートが配されていないことで、本発明の電磁ノイズ抑制部品をフラットケーブルから外れないようにオーバーラップさせてしっかりと巻きつけることができる。
【0015】
そして、上述した本発明の電磁ノイズ抑制部品が前記片面粘着シートに所定間隔をおいて複数配列されてなる電磁ノイズ抑制部品連接シートとすることで、本発明の電磁ノイズ抑制部品をフラットケーブルに取付する作業現場(作業工程)にて、当該連接シートから取り外すことが容易である。
【0016】
本発明の電磁ノイズ抑制部品の組立方法は、フェライト焼結体が貼着された片面粘着シートがフラットケーブルに巻き付けられた状態で使用される電磁ノイズ抑制部品の組立方法において、微粘着性冶具の微粘着性面を上向きに配置して、当該微粘着性冶具の上にフェライト焼結体を所定間隔で並べ、片面粘着シートの粘着面を下向きにして当該フェライト焼結体に重ねるか、又は、片面粘着シートの粘着面を上向きに配置して、当該片面粘着シートの上にフェライト焼結体を所定間隔で並べ、微粘着性冶具の微粘着性面を下向きにして当該フェライト焼結体に重ねて、転圧手段により、上記片面粘着シートの粘着面と上記フェライト焼結体とをそれらの一方の端から他方の端へと順に加圧して貼着させて行くことを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、片面粘着シートの粘着面を所定間隔で並べられたフェライト焼結体に重ねながら、転圧手段により上記片面粘着シートの粘着面とフェライト焼結体の一方の面とを貼着させることで、フェライト焼結体と片面粘着フィルムとの密着性が高められるため、上記フェライト焼結体と上記片面粘着シートの接着面に空洞(空隙)が出来難い。また同時に、上記転圧手段により微粘着性冶具の微粘着性面とフェライト焼結体の他方の面とが密着させられることで、フェライト焼結体の露出面に固着したセラミック粉が微粘着性シート冶具にて積極的に除去されることとなり、上記フェライト焼結体の露出面からのセラミック粉の飛散量が軽減される。
【0018】
本発明は、前記片面粘着シートの粘着面側には両面粘着シートが備わり、当該両面粘着シートを貫通させて形成された取付け穴に前記フェライト焼結体が収納されるものであり、前記微粘着性冶具の微粘着性面を上向きに配置して、一方の粘着面が剥離紙で覆われ前記フェライト焼結体を収納するための取付け穴が形成された両面粘着シートの剥離紙で覆われた面を下向きにして前記微粘着性冶具に重ねて置き、前記フェライト焼結体を上記取付け穴に収納して、片面粘着シートの粘着面を下向きにして前記フェライト焼結体に重ねるか、又は、前記片面粘着シートの粘着面を上向きに配置して、一方の粘着面が剥離紙で覆われフェライト焼結体を取り付けるための取付け穴が形成された両面粘着シートの剥離紙で覆われていない面を下向きにして前記片面粘着シートに重ねて置き、前記フェライト焼結体を上記取付け穴に収納して、前記微粘着性冶具の微粘着性面を下向きにして前記フェライト焼結体に重ねて、転圧手段により、前記片面粘着シートの粘着面と両面粘着シートの剥離紙で覆われていない面と前記フェライト焼結体とをそれらの一方の端から他方の端へと順に加圧して貼着させて行くことを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、フェライト焼結体が前記両面粘着シートを貫通させて形成された取付け穴に収納されることにより、フェライト焼結体の外周側面が前記両面粘着シートに取り囲まれることとなり、フェライト焼結体が規則正しく配置されるとともにその位置ずれが防止でき、組立の際に、この状態のフェライト焼結体が取り付けられたシートを仮に移動させることがあってもフェライト焼結体の位置ずれが生じることがない。
【0020】
本発明は、前記両面粘着シートを貫通させて取付け穴を形成すると同時に、前記片面粘着シートの長手方向の一端にフラットケーブルの他方の側面で折り返すための巻き付け部となる箇所の前記両面粘着シートを除去するための切れ目を形成することを特徴とする。
【0021】
本発明によれば、前記両面粘着シートを貫通させて取付け穴を形成すると同時に、前記片面粘着シートの長手方向の一端にフラットケーブルの他方の側面で折り返すための巻き付け部となる箇所の前記両面粘着シートを除去するための切れ目を形成することで、製造工程が短縮されるとともに、前記両面粘着シートから本発明の組立ての際に不要となる箇所を速やかに除去できる。すなわち、前記取付け穴となる箇所や巻き付け部となる箇所の前記両面粘着シートを速やかに除去できる。
【0022】
本発明は、前記転圧手段が転圧ローラ又は転圧スキージであることを特徴とする。
【0023】
本発明によれば、転圧ローラ又は転圧スキージにより前記フェライト焼結体の一方側から他方側に向かって前記片面粘着シートの粘着面を貼り合わせてゆくことで、フェライト焼結体と片面粘着シートの間の空気がフェライト焼結体の一方側から他方側に向かって押し出されることとなり、フェライト焼結体と片面粘着フィルムの接着面に空洞(空隙)が形成されることがない。
【0024】
本発明は、前記微粘着性冶具が両面に微粘着性を有するゴム質材からなる微粘着性シートであることを特徴とする。
【0025】
本発明によれば、前記微粘着性冶具が両面に微粘着性を有するゴム質材からなる微粘着性シートであることで、微粘着性冶具の一方の面とフェライト焼結体の他方の面とを密着させることが容易であり、かつ、微粘着性シート冶具の他方の面を作業台などに密着させることが容易である。したがって、前記微粘着性冶具が前記転圧手段により片面粘着シートの粘着面とフェライト焼結体とを接着させる際のフェライト焼結体の位置ずれを防止する。
【0026】
そして、上述した本発明の電磁ノイズ抑制部品が前記片面粘着シートに所定間隔をおいて複数配列されてなる電磁ノイズ抑制部品連接シートとすることで、本発明の電磁ノイズ抑制部品をフラットケーブルに取付する作業現場(作業工程)にて、当該連接シートから取り外すことが容易である。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、片面粘着シートの粘着面を所定間隔で並べられたフェライト焼結体に重ねながら転圧手段により上記片面粘着シートの粘着面とフェライト焼結体の一方の面とを貼着させることで、フェライト焼結体と片面粘着シートとの密着性が高められるため、上記フェライト焼結体と上記片面粘着シートの貼着面(接着面)に空洞(空隙)が出来難い。また同時に、上記転圧手段により微粘着性冶具の微粘着性面とフェライト焼結体の他方の面とが密着させられることで、フェライト焼結体の露出面に固着したセラミック粉が微粘着性シート冶具にて積極的に除去されることとなり、上記フェライト焼結体の露出面からのセラミック粉の飛散量が軽減される。前記フェライト焼結体の一方側から他方側に向かって転圧ローラ又は転圧スキージにより前記片面粘着シートの粘着面をフェライト焼結体に貼り合わせてゆくことで、上記貼着面に空洞(空隙)が形成されることなくフェライト焼結体と片面粘着シートとを貼着させることができる。前記微粘着性冶具が両面に微粘着性を有するゴム質材からなる微粘着性シートであることで、前記微粘着性冶具が前記転圧手段により片面粘着シートの粘着面とフェライト焼結体とを貼着させる際のフェライト焼結体の位置ずれを防止する。したがって本発明により、片面粘着シートとフェライト焼結体との貼着面に空洞がない電磁ノイズ抑制部品が得られる。
【0028】
前記フェライト焼結体が収納される取付け穴によりフェライト焼結体の外周側面を取り囲んで両面粘着シートが配されることで、位置ずれを生じさせたり損傷を与えること無く、しかも規則正しく配列した状態で組み立てられるとともに、仮にフェライト焼結体が割れてしまってもフェライト焼結体の破片やセラミック粉が周囲に飛散する心配がない。前記片面粘着シートの長手方向の一端にフラットケーブルの他方の側面で折り返すための巻き付け部が形成され、当該巻き付け部に前記両面粘着シートが配されていないことで、本発明の電磁ノイズ抑制部品をフラットケーブルから外れないようにオーバーラップさせてしっかりと巻きつけることができる。そして、上述した本発明の電磁ノイズ抑制部品が前記片面粘着シートに所定間隔をおいて複数配列されてなる電磁ノイズ抑制部品連接シートとすることで、本発明の電磁ノイズ抑制部品をフラットケーブルに取付する作業現場(作業工程)にて、当該連接シートから取り外すことが容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を引用しながら説明する。
【0030】
(本発明の電磁ノイズ抑制部品)
図1(a)は、本発明を適用した電磁ノイズ抑制部品1aの正面図である。図1(b)はそのA−A断面図であり、図1(c)はその側面図である。本実施の形態の電磁ノイズ抑制部品1aは、1対のフェライト焼結体2,2が所定間隔3dで片面粘着シート3の粘着面3bの内側に貼着(接着)されている(図1)。片面粘着シート3の材質としては、樹脂、紙、これらの複合材が挙げられる。本実施の形態では、片面粘着シート3の材質がポリエチレンテレフタレート(PET)である。片面粘着シート3の材質をPETとすることで難燃性を持たせることができる。また、透明なPETシートとすることで、フラットケーブル8の正面側と背面側に密着させる1対のフェライト焼結体2,2の位置合わせが容易である。さらに、上記片面粘着シート3とフェライト焼結体2との接着面に空洞が形成されていないことを視認できる。
【0031】
本発明の電磁ノイズ抑制部品1(1a、1b、1c、1d)は、後述する本発明の組立方法により片面粘着シート3とフェライト焼結体2の接着面には空洞がない(図5等を参照)。このため、フェライト焼結体2と片面粘着シート3との密着性が高く、片面粘着シート3が破れ難くなっている。
【0032】
図2(a)は、本発明を適用した電磁ノイズ抑制部品1bの正面図である。図2(b)はそのA−A断面図であり、図2(c)はその側面図である。本実施の形態の電磁ノイズ抑制部品1bは、1対のフェライト焼結体2,2が所定間隔3dで片面粘着シート3の粘着面3bの内側に貼着(接着)されている(図2)。片面粘着シート3の材質としては、樹脂、紙、これらの複合材が挙げられる。本実施の形態では、片面粘着シート3の材質が紙である。紙製の片面粘着シート3は樹脂製のものに比べて塑性加工し易いため変形させた状態を保持し易く、フェライト焼結体2,2を片面粘着シート3にめり込ませることが比較的容易である。図2(b)では、フェライト焼結体2,2を片面粘着シート3にめり込ませたことで、片面粘着シート3の当初厚み3taに対して、フェライト焼結体2,2がめりこんだ箇所の厚みが3tbとなっている(3ta>3tb)。フェライト焼結体2,2を片面粘着シート3にめり込ませることで、フェライト焼結体2,2の位置ずれを少なくさせるとともに、フェライト焼結体2,2の外周側面を片面粘着シート3で取り囲むことも可能である。また、紙シート3に通気性を持たせることで、その材質からも片面粘着シート3とフェライト焼結体2との接着面に空洞が形成されることを防止できる。
【0033】
図3(a)は、本発明を適用した電磁ノイズ抑制部品1cの正面図である。図3(b)はそのA−A断面図であり、図3(c)はその側面図である。本実施の形態の電磁ノイズ抑制部品1cは、1対のフェライト焼結体2,2が所定間隔4dで両面粘着シート4の粘着面4bの内側に貼着(接着)されている(図3)。本実施の形態では本実施の形態では、PET製の片面粘着シート3に厚手の紙質材からなる両面粘着シート4を重ね合わせることで、フェライト焼結体2,2を両面粘着シート4にめり込ませる量を確保している。図3(b)では、フェライト焼結体2,2を両面粘着シート4にめり込ませたことで、両面粘着シート4の当初厚み4taに対して、フェライト焼結体2,2がめりこんだ箇所の厚みが4tbとなっている(4ta>4tb)。そして、材質の異なる片面粘着シート3と両面粘着シート4を重ね合わせることで、フェライト焼結体2,2に加わる外部からの衝撃を吸収して、フェライト焼結体2,2の損傷を防止する。
【0034】
図4(a)は、本発明を適用した電磁ノイズ抑制部品1dの正面図である。図4(b)はそのA−A断面図であり、図4(c)はその側面図である。本実施の形態の電磁ノイズ抑制部品1dは、1対のフェライト焼結体2,2が所定間隔4dで片面粘着シート3の粘着面3bの内側に貼着されている。そして、フェライト焼結体2の外周側面を取り囲んで両面粘着シート4が配されている。すなわち、両面粘着シート4に形成された取付け穴4cにフェライト焼結体2が一つずつ収納されている。フェライト焼結体2の厚み2tは、両面粘着シート4の厚み4tよりも若干大きい(図1)。これは、後述する本発明の製造方法によるものであるが、予め両面粘着シート4の厚み4tとフェライト焼結体2の厚み2tを等しくしておくことで、組立後に剥離紙5から電磁ノイズ抑制部品1dを取り外すと剥離紙5の厚みの分だけフェライト焼結体2が両面粘着シート4から突出することとなる(図7等を参照)。フェライト焼結体の厚み2tが両面粘着シートの厚み4tと同じか若干(0.05mmから0.5mm程度)突出していることで、電磁ノイズ抑制部品1dをフラットケーブル8に巻き付ける際に、誤って両面粘着シート4が挟まれる心配がなく、スムーズにフラットケーブル8に巻き付けることができる。
【0035】
図5(a)は、本発明を適用した電磁ノイズ抑制部品1(1d)の使用態様を示す斜視図であり、図5(b)はそのA−A線断面図である。図5に例示された本発明の電磁ノイズ抑制部品1dの使用態様では、1対のフェライト焼結体2,2がフラットケーブル8の正面側と背面側に密着されている。本発明によれば、粘着剤(接着剤)やシート材等を介さずに、直接フェライト焼結体2,2がフラットケーブル8に密着されているので、粘着剤(接着剤)やシート材等を介す場合に比べて、より高い電磁ノイズ抑制効果が得られる。
【0036】
そして、本発明の電磁ノイズ抑制部品1(1a、1b、1c、1d)は、片面粘着シート3の長手方向の一端にはフラットケーブル8の他方の側面で折り返すための巻き付け部3cが形成されている。さらに、電磁ノイズ抑制部品1a、1b、1dの当該巻き付け部3cには両面粘着シート4が配されていない(図1、図2、図4)。このため、本発明の電磁ノイズ抑制部品1をフラットケーブル8から外れないように、オーバーラップさせてしっかりと巻き付けることができる(図5(b))。
【0037】
本発明の電磁ノイズ抑制部品1cと1dは、フェライト焼結体2,2の外周側面を取り囲んで両面粘着シート4が配され、さらに両面粘着シート4を覆うように片面粘着シート3が配されている(図3、図4)。このため、仮にフェライト焼結体2が割れてしまってもその破片やセラミック粉がフェライト焼結体の外周側面を取り囲んで配された両面粘着シート4に捕捉されることとなる。したがって、フェライト焼結体2の破片やセラミックが周囲に飛散する心配がない。
【0038】
(本発明の電磁ノイズ抑制部品連接シート)
図6は、本発明の電磁ノイズ抑制部品1a(又は1b)がシート状の剥離紙5に複数配列された状態の電磁ノイズ抑制部品連装シート11a(又は11b)を示す模式的図であり、図6(a)はその正面図を示しており、図6(b)はそのA−A線断面図を示しており、図6(c)はその背面図を示している。本発明の電磁ノイズ抑制部品1cについても上記と同様にシート状の剥離紙5に複数配列された状態の電磁ノイズ抑制部品連装シート11cとなる(図示せず)。また、図7は、本発明の電磁ノイズ抑制部品1dがシート状の剥離紙5に複数配列された状態の電磁ノイズ抑制部品連装シート11dを示す模式的図であり、図7(a)はその正面図を示しており、図7(b)はそのA−A線断面図を示しており、図7(c)はその背面図を示している。
【0039】
図6や図7に示すように、本発明の電磁ノイズ抑制部品1(1a、1b、1c、1d)が複数、規則的に配列されていることで梱包や搬送、及びフラットケーブル8への巻き付け作業(貼り付け作業)が容易である。図6や図7に示す実施例では、20組の電磁ノイズ抑制部品1がシート状の剥離紙5に等間隔で規則的に配列されている。
【0040】
(本発明の電磁ノイズ抑制部品の第1の組立方法)
図8は、本発明の実施形態の電磁ノイズ抑制部品連装シート11a(又は11b)の組立手順を示す工程フローチャートである。S1からS5は本作業であり、S11からS13は片面粘着シート3の予備加工作業である。本発明を適用した電磁ノイズ抑制部品1aがシート状の剥離紙5に複数配列された状態の電磁ノイズ抑制部品連装シート11aの組立方法を例にして以下に説明する。
【0041】
最初に、片面粘着シート3の予備加工作業を説明する。まず、片面粘着シート3をプレス機などの加工機に配置して(S11)、片面粘着シート3の剥離紙5で覆われた側のシート面にフェライト焼結体2を取り付けるための取付け穴5cをプレス機などの加工機にて打ち抜き加工する(S12)。つまり、剥離紙5を貫通させてフェライト焼結体2を取り付けるための取付け穴5cを形成する。加工機には打ち抜き用の刃物と位置決め用のピンが取り付けられた木型(又は金型)が取り付けられている。本実施の形態では、1つの木型で位置決め穴5dの打ち抜きと取付け穴5cの打ち抜きをほぼ同時に行っている。位置決め穴5dの打ち抜きでは、上記刃物が剥離紙5及び片面粘着シート3を貫通する。取付け穴5cの打ち抜きでは、上記刃物が剥離紙5を貫通するが、片面粘着シート3が切れ目が入らないように残す(図12を参照)。位置決め穴5dの役割は、シートの4隅に形成された位置決め穴5dに上記木型のピンを通しつつ取付け穴5cの打ち抜きを施すことで、上記シートの平坦な状態を維持させて上記複数の取付け穴5cが所定間隔で正確な位置に形成されるようにすることである。
【0042】
取付け穴5cの打ち抜き加工(S12)の後、不要な箇所の剥離紙を除去する(S13)。これにより、片面粘着シート3の剥離紙5で覆われた側のシート面にフェライト焼結体2を取り付けるための取付け穴5c(貫通穴5c)が形成された状態となる(図12を参照)。
【0043】
引き続き、電磁ノイズ抑制部品連装シート11aの本加工作業を説明する。まず、上記予備作業S13で作製した片面粘着シート3の剥離紙5の付いている面を上向きにして作業台(作業机)に配置する(S1)。次に、フェライト焼結体2を剥離紙5に形成された取付け穴5cに入れる(S2)。そして、微粘着性冶具6の微粘着性面6bを下向きにしてフェライト焼結体2に密着させる(S3、図12)。より詳しくは、転圧ローラ7a(転圧手段7)によりフェライト焼結体2の一方側から他方側に向かって微粘着性冶具6の微粘着性面6bを重ね合わせてゆく(図13)。これにより、微粘着性冶具6の微粘着性面6aとフェライト焼結体2の一方の面(図12では上面)2bとが密着させられるので、フェライト焼結体2の上面(露出面となる面)2bに固着したセラミック粉が微粘着性シート冶具6にて積極的に除去されることとなり、フェライト焼結体2の露出面2bからのセラミック粉の飛散量が軽減される。また同時に片面粘着シート3の粘着面3bとフェライト焼結体2の他方の面(図12では下面)2aとが密着させられるので、片面粘着シート3の粘着面3bとフェライト焼結体2との密着性を高められる。本実施の形態では、転圧手段7として転圧ローラ7aを使用した。これは、ゴム質材のシートからなる微粘着性冶具6に均一な外力を加えながらゴム質材のシートをフェライト焼結体2に密着させることが容易となるからである。
【0044】
微粘着性冶具6をフェライト焼結体2に重ね合わせて密着させて(S3)、微粘着性冶具6をワークから取り外すことでフェライト焼結体2の露出面2bに固着したセラミック粉を積極的に除去する。そして、プレス機などの加工機にて片面粘着シートの非粘着面3aに所定間隔のスリット3fや3gを形成する外形加工を行う(S4)。加工機には打ち抜き用の刃物と位置決め用のピンが取り付けられた木型(又は金型)が取り付けられている。片面粘着シート3の外形加工は、上記刃物が片面粘着シート3を貫通するが、剥離紙5は貫通せずに剥離紙5が切り取られないように残す(図6を参照)。片面粘着シート3の外形加工は、電磁ノイズ抑制部品1aとして不要な箇所の片面粘着シートを除去するための加工である。ここでの位置決め穴5dの役割は、片面粘着シート3の4隅に形成された位置決め穴5dに上記木型のピンを通しつつ片面粘着シート3の外形加工を施すことで、上記シートの平坦な状態を維持させて片面粘着シート3の外形加工が所定間隔で正確な位置に形成されるようにすることである。片面粘着シート3の外形加工(S4)の後、電磁ノイズ抑制部品1aとして不要な箇所の片面粘着シートを除去する(S5)。このようにして、電磁ノイズ抑制部品連装シート11aが完成する。
【0045】
(本発明の電磁ノイズ抑制部品の第2の組立方法)
図9は、本発明の実施形態の電磁ノイズ抑制部品連装シート11a(又は11b)の他の組立手順を示す工程フローチャートである。S1からS5は本作業であり、S11からS13は片面粘着シート3の予備加工作業である。ここで、図9に示す片面粘着シート3の予備加工作業(S11からS13)は、上述した図8に示す製造方法と同一であるためその説明を割愛する。また、図8に示す製造方法と重複する点については一部省略して相違点を主体的に説明する。本発明を適用した電磁ノイズ抑制部品11bがシート状の剥離紙5に複数配列された状態の電磁ノイズ抑制部品連装シート11bの組立方法を例にして以下に説明する。
【0046】
電磁ノイズ抑制部品連装シート11bの本加工作業を説明する。まず、微粘着性冶具6の微粘着性面6aを上向きにして作業台(作業机)に配置する(S1)。予め微粘着性冶具6の微粘着性面6aにはフェライト焼結体2の配置場所が印されている。また、微粘着性冶具6の下面6bについても微粘着性を有するものとする。次に、フェライト焼結体2を所定間隔で微粘着性冶具6に配置する(S2)。そして、上述した予備作業S13で作製した片面粘着シート3の剥離紙5の付いている面を下向きにしてフェライト焼結体2に密着させる(S3、図14)。より詳しくは、転圧スキージ7b(転圧手段7)によりフェライト焼結体2の一方側から他方側に向かって片面粘着シート3の剥離紙5の付いている面を貼り合わせてゆく(図15)。これにより、微粘着性冶具6の微粘着性面6aとフェライト焼結体2の一方の面(図14では下面)2bとが密着させられるので、フェライト焼結体2の下面(露出面となる面)2bに固着したセラミック粉が微粘着性シート冶具6にて積極的に除去されることとなり、フェライト焼結体2の露出面2bからのセラミック粉の飛散量が軽減される。また同時に片面粘着シート3の粘着面3bとフェライト焼結体2の他方の面(図14では上面)2あとが密着させられるので、片面粘着シート3の粘着面3bとフェライト焼結体2の密着性を高められる。本実施の形態では、転圧手段7として転圧スキージ7bを使用した。これは、紙質材のシートからなる片面粘着シート3に皺(巻き皺)が生じ難く片面粘着シート3を塑性加工することも比較的容易であるためである。そして片面粘着シート3の外形加工(S4)の後、電磁ノイズ抑制部品1bとして不要な箇所の片面粘着シートを除去する(S5)。このようにして、電磁ノイズ抑制部品連装シート11bが完成する。
【0047】
上述した図8と図9いずれの方法でも、本発明の実施形態の電磁ノイズ抑制部品連装シート11a(又は11b)が完成する。また、片面粘着シート3に両面粘着シート4を重ね合わせた電磁ノイズ抑制部品連装シート11c(図示せず)についても、片面粘着シートを片面粘着シートに両面粘着シートを重ね合わせたシートに置き換えることで上述した図8と図9いずれの方法でも、作製できる。
【0048】
(本発明の電磁ノイズ抑制部品の第3の組立方法)
図10は、本発明の実施形態の電磁ノイズ抑制部品連装シート11dの組立手順を示す工程フローチャートである。S1からS6は本作業であり、S11からS13は両面粘着シート4の予備加工作業である。本発明を適用した電磁ノイズ抑制部品1dがシート状の剥離紙5に複数配列された状態の電磁ノイズ抑制部品連装シート11dの組立方法を以下に説明する。
【0049】
最初に、両面粘着シート4の予備加工作業を説明する。まず、両面粘着シート4をプレス機などの加工機に配置して(S11)、両面粘着シート4の両面が剥離紙5で覆われた状態のシートにフェライト焼結体2を取り付けるための取付け穴4c及び5cをプレス機などの加工機にて打ち抜き加工する(S12)。取付け穴4cと5cは、同一形状で同一場所の取付け穴であるが、両面粘着シート4に形成された取付け穴を4cとして表しており、剥離紙5に形成された取付け穴を5cとして表している。加工機には打ち抜き用の刃物と位置決め用のピンが取り付けられた木型(又は金型)が取り付けられている。本実施の形態では、1つの木型で位置決め穴4d及び5dの打ち抜きと取付け穴4c及び5cの打ち抜きと両面粘着シート4に所定間隔のスリット4gを形成する外形加工をほぼ同時に行っている。位置決め穴4d及び5dの打ち抜きと取付け穴4c及び5cの打ち抜きは、上記刃物が両面粘着シート4及び剥離紙5を貫通する。両面粘着シート4の外形加工は、上記刃物が両面粘着シート4を貫通するが、剥離紙5は貫通せずに剥離紙5が切り取られないように残す(図16を参照)。ここで両面粘着シート4の外形加工は、不要な箇所の両面粘着シートを予め除去するための加工であり、巻き付け部3cに両面粘着シート4が配されないようにするための加工である(図4等を参照)。ここで位置決め穴4d及び5dの役割は、両面粘着シートの4隅に形成された位置決め穴4d及び5dに上記木型のピンを通しつつ取付け穴4c及び5cの打ち抜きを施すことで、上記シートの平坦な状態を維持させて上記複数の取付け穴4c及び5cが所定間隔で正確な位置に形成されるようにすることである。
【0050】
取付け穴4c及び5cの打ち抜き加工(S12)の後、不要な箇所の剥離紙や不要な箇所の両面粘着シートを除去する(S13)。これにより、両面粘着シート4の剥離紙5で覆われた側のシート面にフェライト焼結体2を取り付けるための取付け穴4c及び5c(貫通穴4c及び5c)が形成された状態となる(図16を参照)。
【0051】
引き続き、電磁ノイズ抑制部品連装シート11dの本加工作業を説明する。まず、微粘着性冶具6を作業台(作業机)に配置する(S1)。微粘着性冶具6の微粘着性面6aは、上向きである。本実施の形態の微粘着性冶具6は、両面6a,6bに微粘着性を有するゴム質材からなる微粘着性シートである。したがって、微粘着性冶具6の上面6aとフェライト焼結体2の下面2bとを密着させることが容易であり、かつ、微粘着性シート冶具6の下面6bを作業机などに密着させることが容易である。ここで微粘着性を有するゴム質材からなる微粘着性シートとは、より具体的には、例えばウレタンやネオブチレンなどの比較的摩擦係数の高いゴムシートの両面に微粘着性を有する粘着層を形成させたり、ゴムシートの両面に細かな模様を付けて摩擦係数を高くさせたものを用いる。ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの一方の面に微粘着性を有するゴム質材の粘着層を形成させて用いてもよい。
【0052】
微粘着性冶具6の配置(S1)の後、S13の作業で作製した両面粘着シート4の剥離紙5で覆われた面を下向きにして、微粘着性冶具6の上に重ねて配置する(S2)。両面粘着シート4の配置(S2)の後、フェライト焼結体2を両面粘着シート4と剥離紙5に形成された取付け穴4c及び5cに一つずつ収納する(S3)。そして、フェライト焼結体2の配置(S3)の後、片面粘着シート3の粘着面3bを下向きにして貼り合わせる(S4)。片面粘着シート3の粘着面3bを所定間隔で並べられたフェライト焼結体2に重ねながら、転圧手段7により片面粘着シートの粘着面3bとフェライト焼結体2の上面2aとを接着させることで、フェライト焼結体2と片面粘着シート3との密着性が高められる。また同時に、転圧手段7により微粘着性冶具6の微粘着性面6aとフェライト焼結体の下面2bとが密着させられることで、フェライト焼結体2の下面(露出面となる面)2bに固着したセラミック粉が微粘着性シート冶具6にて積極的に除去されるので、フェライト焼結体2の露出面2bからのセラミック粉の飛散量が軽減される。
【0053】
本実施の形態では、片面粘着シート3の粘着面3bを下向きにして、上記両面粘着シート4の上面4aやフェライト焼結体2の上面2aに重ね合わせながら、転圧ローラ7a(転圧手段)により、フェライト焼結体2の一方側から他方側に向かって(図17では右側から左側に向かって)片面粘着シートの粘着面3bと両面粘着シートの剥離紙で覆われていない面4aとフェライト焼結体の上面2aを貼り合せて接着させる(図17)。本実施の形態では転圧手段7として転圧ローラ7aを用いたが、転圧スキージでも支障ない。本実施の形態によれば、転圧ローラ7aによりフェライト焼結体2の一方側から他方側に向かって片面粘着シートの粘着面3bを貼り合わせてゆくことで、フェライト焼結体2の上面2aと片面粘着シートの粘着面3bとの間の空気がフェライト焼結体2の一方側から他方側に向かって押し出されることとなり、フェライト焼結体2と片面粘着シート3の接着面に空洞を形成する大きさの空気が閉じ込められることがない。したがって、フェライト焼結体2と片面粘着シート3の接着面に空洞(空隙)が形成されることがない。
【0054】
微粘着性冶具6をフェライト焼結体2に重ね合わせて密着させて(S4)、微粘着性冶具6からワークを取り外すことでフェライト焼結体2の露出面2bに固着したセラミック粉を積極的に除去する。そして、プレス機などの加工機にて片面粘着シートの非粘着面3aに所定間隔のスリット3fや3gを形成する外形加工を行う(S5)。加工機には打ち抜き用の刃物と位置決め用のピンが取り付けられた木型(又は金型)が取り付けられている。片面粘着シート3の外形加工は、上記刃物が片面粘着シート3を貫通するが、剥離紙5は貫通せずに剥離紙5が切り取られないように残す(図7を参照)。片面粘着シート3の外形加工は、電磁ノイズ抑制部品1dとして不要な箇所の片面粘着シートを除去するための加工である。ここでの位置決め穴5dの役割は、片面粘着シート3の4隅に形成された位置決め穴5dに上記木型のピンを通しつつ片面粘着シート3の外形加工を施すことで、上記シートの平坦な状態を維持させて片面粘着シート3の外形加工が所定間隔で正確な位置に形成されるようにすることである。片面粘着シート3の外形加工(S5)の後、電磁ノイズ抑制部品1aとして不要な箇所の片面粘着シートを除去する(S6)。このようにして、電磁ノイズ抑制部品連装シート11aが完成する。
【0055】
(本発明の電磁ノイズ抑制部品の第4の組立方法)
図11は、本発明の実施形態の電磁ノイズ抑制部品連装シート11dの他の組立手順を示す工程フローチャートである。S1からS6は本作業であり、S11からS13は両面粘着シート4の予備加工作業である。ここで、図11に示す両面粘着シート4の予備加工作業(S11からS13)は、上述した図10に示す製造方法と同一であるためその説明を割愛する。また、図10に示す製造方法と重複する点については一部省略して相違点を主体的に説明する。
【0056】
電磁ノイズ抑制部品連装シート11dの本加工作業を説明する。まず、片面粘着シート3の粘着面3bを上向きにして作業台(作業机)に配置して(S1)、上述した予備作業S13で作製した両面粘着シート4の剥離紙5の付いている面を上向きにして片面粘着シート3の粘着面3bに重ね合わせる(S2)。次に、フェライト焼結体2を剥離紙5と両面粘着シート4に形成された取付け穴5c及び4cに収納する(S3)。そして、微粘着性冶具6の微粘着性面6aを下向きにしてフェライト焼結体2に重ね合わせて密着させて(S4)、微粘着性冶具6をワークから取り外すことでフェライト焼結体2の露出面2bに固着したセラミック粉を積極的に除去する。そして、プレス機などの加工機にて片面粘着シートの非粘着面3aに所定間隔のスリット3fや3gを形成する外形加工を行う(S5)。片面粘着シート3の外形加工(S5)の後、電磁ノイズ抑制部品1dとして不要な箇所の片面粘着シートを除去する(S6)。このようにして、電磁ノイズ抑制部品連装シート11dが完成する。このような組立手順としても電磁ノイズ抑制部品連装シート11dを組み立てることができる。
【0057】
上述した本発明の電磁ノイズ抑制部品の組立方法は、組立作業にて特別な設備や冶工具を必要とせず、微粘着性冶具6(微粘着性シート6)と転圧ローラ7a(又は転圧スキージ7b)のみでフェライト焼結体2と片面粘着シート3と両面粘着シート4とをすばやく正確に組立てすることができる。そして、フェライト焼結体2を磁化(磁石化)させる可能性のある直流電流を使用する電磁モータ等や、強電界や強磁界を発生させる装置を一切使用しないで組立作業することが可能である。
【0058】
(実施例)
本実施の形態の図11の工程フローの組立手順により、電磁ノイズ抑制部品連装シート11dを製作した。電磁ノイズ抑制部品連装シート11dのサイズは、長さ240mm、巾100mmである。電磁ノイズ抑制部品1dのサイズは、長さ50mm、巾12mmである。フェライト焼結体2のサイズは、長さ12mm、巾7mm、厚み2tが0.5mmである。両面粘着シート4の厚み4tが0.4mmである。両面粘着シート4は、市販の両面粘着紙テープを用いた。片面粘着シート3は、UL規格適合品のPETフィルムの片面に粘着剤が形成された片面粘着シート3を用いた。PETフィルムは透明なものを用い、片面粘着シート3の厚みは0.025mmとした。出来上がった電磁ノイズ抑制部品1dのフェライト焼結体2の露出面2bを手で触ってみたところその表面がざらついていないことから、従来に比べて粉の付着が少なくなっていると推察する。一方で、微粘着性冶具6の微粘着性面6aには、赤褐色の粉が少なからず付着していることが視認できた。このことから、本実施の形態の組立方法によって、フェライト焼結体2の露出面2bに固着していたセラミック粉が微粘着性シート冶具6にて積極的に除去されたものと判断する。また、片面粘着シート3の非粘着面3aの側からフェライト焼結体2との接着面を観察したところ、目視で容易に確認できる大きさの空気の塊はなく、空洞はないものと推察する。
【0059】
以上、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば両面粘着シート4を2枚重ねて使用したり、3枚以上重ねて使用することもできる。このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明を適用した実施の形態の電磁ノイズ抑制部品を示す模式的図である。
【図2】本発明を適用した実施の形態の電磁ノイズ抑制部品を示す模式的図である。
【図3】本発明を適用した実施の形態の電磁ノイズ抑制部品を示す模式的図である。
【図4】本発明を適用した実施の形態の電磁ノイズ抑制部品を示す模式的図である。
【図5】上記実施の形態の電磁ノイズ抑制部品の使用態様を示す模式的図である。
【図6】上記実施の形態の電磁ノイズ抑制部品が複数配列された状態の電磁ノイズ抑制部品連接シートを示す模式的図である。
【図7】上記実施の形態の電磁ノイズ抑制部品が複数配列された状態の電磁ノイズ抑制部品連接シートを示す模式的図である。
【図8】本発明を適用した実施の形態の電磁ノイズ抑制部品の組立手順を示す工程フロー図である。
【図9】本発明を適用した実施の形態の電磁ノイズ抑制部品の組立手順を示す工程フロー図である。
【図10】本発明を適用した実施の形態の電磁ノイズ抑制部品の組立手順を示す工程フロー図である。
【図11】本発明を適用した実施の形態の電磁ノイズ抑制部品の組立手順を示す工程フロー図である。
【図12】本発明を適用した実施の形態の電磁ノイズ抑制部品の組立方法を示す模式的図である。
【図13】本発明を適用した実施の形態の電磁ノイズ抑制部品の組立方法を示す模式的図である。
【図14】本発明を適用した実施の形態の電磁ノイズ抑制部品の組立方法を示す模式的図である。
【図15】本発明を適用した実施の形態の電磁ノイズ抑制部品の組立方法を示す模式的図である。
【図16】本発明を適用した実施の形態の電磁ノイズ抑制部品の組立方法を示す模式的図である。
【図17】本発明を適用した実施の形態の電磁ノイズ抑制部品の組立方法を示す模式的図である。
【符号の説明】
【0061】
1、1a、1b、1c、1d 電磁ノイズ抑制部品、
11、11a、11b、11c、11d 電磁ノイズ抑制部品連装シート
2 フェライト焼結体、
3 片面粘着シート、
4 両面面粘着シート、
5 剥離紙、
6 微粘着性冶具(微粘着性シート)、
7 転圧手段、
7a 転圧ローラ、
8 フラットケーブル
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェライト焼結体が貼着された片面粘着シートがフラットケーブルに巻き付けられた状態で使用される電磁ノイズ抑制部品と、これを複数配列した電磁ノイズ抑制部品連接シートと、これらの組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
情報端末、複写機、ファクシミリなどの電子機器には、これら電子機器の各機能を分担する電子部品が搭載された配線基板が多数内蔵され、多数の導線が電気的にそれぞれ絶縁されて並列に配列されたフラットケーブルや、フレキシブル配線板等により相互に電気的に接続される。上記配線基板は、その機能によっては不要電波(ノイズ)を発生させることがあり、この不要電波による電磁障害(EMI:Electromagnetic interference)に伴い電子機器の所定性能が低下することがあるため、EMI対策が必須となっている。EMI対策としては、フラットケーブルにフェライトなどの磁性体からなる電磁ノイズ抑制部品を貼り付ける方法が一般に知られている。
【0003】
上記の電磁ノイズ抑制部品としては、フェライト焼結体が片面粘着シートの粘着面の内側に接着されたものや、フェライト粉末が樹脂に混練されシート状に成形された複合磁性体に粘着材が形成されたもの(電波吸収シートとも呼ばれる)がよく知られている。フェライト焼結体は、フェライト粉末が樹脂に混練されシート状に成形された複合磁性体に比べて、フェライトの分布密度が高いので電磁ノイズ抑制効果が高い。また、フェライト焼結体とフラットケーブルとの密着距離を小さくすることで、さらに電磁ノイズ抑制効果が高くなる。なお本明細書では、フェライト焼結体が粘着シートの粘着面に貼り合わされた状態を貼着と記述しており、接着と同じ意味である。
【0004】
上述のようにフェライト焼結体は電磁ノイズ抑制効果が高いが、一方で、フェライト焼結体はその厚みが薄くなるほど割れ欠けが発生し易く、取り扱いには十分な注意が必要である。電磁ノイズ抑制部品をフラットケーブルに実装する際に仮にフェライト焼結体が割れてしまいその破片が周囲に飛散した場合には、電気回路の短絡に至る不具合や割れた破片により配線や電子部品の破損が生じる恐れがある。また、フェライト焼結体は、焼結の製造工程に起因するセラミック粉がその表面に固着(概ね点接触で固着)しており、いわゆる溶媒への浸漬洗浄等では上記セラミック粉を除去することは容易ではない。一方で、フェライト焼結体の表面に振動や衝撃などの何らかの物理的な外力が加わると上記セラミック粉がフェライト焼結体の表面から外れて飛散してしまう。仮にフェライト焼結体のセラミック粉が周囲に飛散して電子部品や電気回路に付着すると、電気回路の動作に悪影響を及ぼす心配があり、外観上も好ましくない。
【0005】
従来、電磁ノイズ抑制部品としては、フェライト焼結体が片面粘着シートの粘着面の内側に貼着され、フェライト焼結体の外周側面を取り囲むように樹脂又はゴム系材料からなる保護枠材が配され、フラットケーブルに接着させるための両面テープがフェライト焼結体と保護材に貼着された電磁ノイズ抑制部品が開示されている(特許文献1)。また、フェライト粉末が樹脂に混練されシート状に成形された複合磁性体の上面中央に切れ込み溝が形成され、その下面にフラットケーブルに貼着させるための粘着層が形成された電磁ノイズ抑制部品が開示されている(特許文献2)。
【特許文献1】特開2002−204094号公報
【特許文献2】特開2001−167933号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1、2記載の電磁ノイズ抑制部品をフラットケーブルに貼り付けると、フェライト焼結体(又は複合磁性体)とフラットケーブルとの間には両面テープ(又は粘着層)が介在するため、フェライト焼結体とフラットケーブルとの密着距離を上記両面テープの厚みよりも小さくすることができず、上記両面テープの厚みの分だけ電磁ノイズ抑制効果が低減するという問題点を有する。特許文献2記載の複合磁性体については、そもそも上記複合磁性体はフェライト焼結体に比べて電磁ノイズ抑制効果が低いため電磁ノイズ抑制部品としての適用範囲が限定される。そして、フェライト焼結体を複数配列して一度にシート上に組立てることが行われることがあるが、組立の際にフェライト焼結体の位置ずれが生じる問題やフェライト焼結体を損傷させる問題も有する。位置ずれや損傷した電磁ノイズ抑制部品をフラットケーブルに取り付けようとしても、フラットケーブルへの取り付けがし難くなる。
【0007】
さらに、本発明者らが、実際に上記特許文献1と同様の材料構成でフェライト焼結体に保護テープ(片面粘着シート)を貼り合わせてみると、フェライト焼結体と片面粘着シートの間に空気が巻き込まれ易く、フェライト焼結体と片面粘着シートの接着面に空洞(空隙)が形成され易いという問題点が新たに見つかった。フェライト焼結体と片面粘着シートの接着面に空洞(空隙)が形成されると、上記フェライト焼結体と片面粘着シートとの密着性が悪くなる上に、この空洞(空隙)が形成された箇所の片面粘着シートが外力により破れ易くなる。仮に上記空洞(空隙)が形成された箇所の片面粘着シートが破れてしまうと、仮に上記フェライト焼結体が割れてしまった場合に、上記フェライト焼結体の破片が上記片面粘着シートの破れ目から周囲に飛散し易くなり、上記フェライト焼結体の破片が周囲に飛散した場合には、電気回路の短絡に至る不具合や配線や電子部品の破損が生じる恐れがある。なお本明細書では、上記空洞(空隙)とは、容易に目視可能な大きさの空気の塊を指しており、片面粘着シートの厚み程度の気泡は上記の不具合が発生し難いことから適用除外としている。
【0008】
そこで、本発明の目的は、フェライト焼結体と片面粘着シートとの密着性が高められることで、上記フェライト焼結体と上記片面粘着シートの貼着面に空洞(空隙)が出来難い電磁ノイズ抑制部品とその組立方法を提供することにある。また、一対のフェライト焼結体が多数配列された電磁ノイズ抑制部品連接シートであって、フェライト焼結体が規則正しく整列され、組み立て工程でも位置ずれを生じさせずに、しかも、組み立ての際にフェライト焼結体を損傷させるような事態を防止する電磁ノイズ抑制部品連接シートとその組立方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の電磁ノイズ抑制部品は、フェライト焼結体が貼着された片面粘着シートがフラットケーブルに巻き付けられた状態で使用される電磁ノイズ抑制部品において、
1対のフェライト焼結体がフラットケーブルの一方の側面で折り返すための折り返し間隔をあけて各々貼着され、フラットケーブルの正面側と背面側とに各々密着されるとともに、微粘着性面を有する微粘着性冶具と転圧手段とによって上記片面粘着シートに配列された当該1対のフェライト焼結体がその一方の端から他方の端へと順に加圧されることで片面粘着シートとフェライト焼結体との貼着面に空洞が生じないことを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、片面粘着シートの粘着面を所定間隔で並べられたフェライト焼結体に重ねながら、転圧手段により上記片面粘着シートの粘着面とフェライト焼結体の一方の面とを貼着させることで、フェライト焼結体と片面粘着フィルムとの密着性が高められるため、上記フェライト焼結体と上記片面粘着シートの貼着面に空洞(空隙)が出来難い。そして、この1対のフェライト焼結体は、フラットケーブルの正面側と背面側を各々密着させてなるとともに、フラットケーブルの一方の側面で折り返すために形成された所定間隔を有するので、フラットケーブルに対する取り付けが行い易く、取り付け状態も良好なものになる。
【0011】
本発明は、前記片面粘着シートの粘着面側には両面粘着シートが備わり、当該両面粘着シートを貫通させて形成された取付け穴に前記フェライト焼結体が収納されることを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、フェライト焼結体が前記両面粘着シートを貫通させて形成された取付け穴に収納されることにより、フェライト焼結体の外周側面が前記両面粘着シートに取り囲まれることとなり、フェライト焼結体の破損が防止されるとともに位置ずれが防止され、仮にフェライト焼結体が割れてしまってもその破片やセラミック粉がフェライト焼結体の外周側面を取り囲んで配された両面粘着シートに捕捉されることとなる。
【0013】
本発明は、前記片面粘着シートの長手方向の一端にはフラットケーブルの他方の側面で折り返すための巻き付け部が形成され、当該巻き付け部には前記両面粘着シートが配されていないことを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、前記片面粘着シートの長手方向の一端にフラットケーブルの他方の側面で折り返すための巻き付け部が形成され、当該巻き付け部に前記両面粘着シートが配されていないことで、本発明の電磁ノイズ抑制部品をフラットケーブルから外れないようにオーバーラップさせてしっかりと巻きつけることができる。
【0015】
そして、上述した本発明の電磁ノイズ抑制部品が前記片面粘着シートに所定間隔をおいて複数配列されてなる電磁ノイズ抑制部品連接シートとすることで、本発明の電磁ノイズ抑制部品をフラットケーブルに取付する作業現場(作業工程)にて、当該連接シートから取り外すことが容易である。
【0016】
本発明の電磁ノイズ抑制部品の組立方法は、フェライト焼結体が貼着された片面粘着シートがフラットケーブルに巻き付けられた状態で使用される電磁ノイズ抑制部品の組立方法において、微粘着性冶具の微粘着性面を上向きに配置して、当該微粘着性冶具の上にフェライト焼結体を所定間隔で並べ、片面粘着シートの粘着面を下向きにして当該フェライト焼結体に重ねるか、又は、片面粘着シートの粘着面を上向きに配置して、当該片面粘着シートの上にフェライト焼結体を所定間隔で並べ、微粘着性冶具の微粘着性面を下向きにして当該フェライト焼結体に重ねて、転圧手段により、上記片面粘着シートの粘着面と上記フェライト焼結体とをそれらの一方の端から他方の端へと順に加圧して貼着させて行くことを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、片面粘着シートの粘着面を所定間隔で並べられたフェライト焼結体に重ねながら、転圧手段により上記片面粘着シートの粘着面とフェライト焼結体の一方の面とを貼着させることで、フェライト焼結体と片面粘着フィルムとの密着性が高められるため、上記フェライト焼結体と上記片面粘着シートの接着面に空洞(空隙)が出来難い。また同時に、上記転圧手段により微粘着性冶具の微粘着性面とフェライト焼結体の他方の面とが密着させられることで、フェライト焼結体の露出面に固着したセラミック粉が微粘着性シート冶具にて積極的に除去されることとなり、上記フェライト焼結体の露出面からのセラミック粉の飛散量が軽減される。
【0018】
本発明は、前記片面粘着シートの粘着面側には両面粘着シートが備わり、当該両面粘着シートを貫通させて形成された取付け穴に前記フェライト焼結体が収納されるものであり、前記微粘着性冶具の微粘着性面を上向きに配置して、一方の粘着面が剥離紙で覆われ前記フェライト焼結体を収納するための取付け穴が形成された両面粘着シートの剥離紙で覆われた面を下向きにして前記微粘着性冶具に重ねて置き、前記フェライト焼結体を上記取付け穴に収納して、片面粘着シートの粘着面を下向きにして前記フェライト焼結体に重ねるか、又は、前記片面粘着シートの粘着面を上向きに配置して、一方の粘着面が剥離紙で覆われフェライト焼結体を取り付けるための取付け穴が形成された両面粘着シートの剥離紙で覆われていない面を下向きにして前記片面粘着シートに重ねて置き、前記フェライト焼結体を上記取付け穴に収納して、前記微粘着性冶具の微粘着性面を下向きにして前記フェライト焼結体に重ねて、転圧手段により、前記片面粘着シートの粘着面と両面粘着シートの剥離紙で覆われていない面と前記フェライト焼結体とをそれらの一方の端から他方の端へと順に加圧して貼着させて行くことを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、フェライト焼結体が前記両面粘着シートを貫通させて形成された取付け穴に収納されることにより、フェライト焼結体の外周側面が前記両面粘着シートに取り囲まれることとなり、フェライト焼結体が規則正しく配置されるとともにその位置ずれが防止でき、組立の際に、この状態のフェライト焼結体が取り付けられたシートを仮に移動させることがあってもフェライト焼結体の位置ずれが生じることがない。
【0020】
本発明は、前記両面粘着シートを貫通させて取付け穴を形成すると同時に、前記片面粘着シートの長手方向の一端にフラットケーブルの他方の側面で折り返すための巻き付け部となる箇所の前記両面粘着シートを除去するための切れ目を形成することを特徴とする。
【0021】
本発明によれば、前記両面粘着シートを貫通させて取付け穴を形成すると同時に、前記片面粘着シートの長手方向の一端にフラットケーブルの他方の側面で折り返すための巻き付け部となる箇所の前記両面粘着シートを除去するための切れ目を形成することで、製造工程が短縮されるとともに、前記両面粘着シートから本発明の組立ての際に不要となる箇所を速やかに除去できる。すなわち、前記取付け穴となる箇所や巻き付け部となる箇所の前記両面粘着シートを速やかに除去できる。
【0022】
本発明は、前記転圧手段が転圧ローラ又は転圧スキージであることを特徴とする。
【0023】
本発明によれば、転圧ローラ又は転圧スキージにより前記フェライト焼結体の一方側から他方側に向かって前記片面粘着シートの粘着面を貼り合わせてゆくことで、フェライト焼結体と片面粘着シートの間の空気がフェライト焼結体の一方側から他方側に向かって押し出されることとなり、フェライト焼結体と片面粘着フィルムの接着面に空洞(空隙)が形成されることがない。
【0024】
本発明は、前記微粘着性冶具が両面に微粘着性を有するゴム質材からなる微粘着性シートであることを特徴とする。
【0025】
本発明によれば、前記微粘着性冶具が両面に微粘着性を有するゴム質材からなる微粘着性シートであることで、微粘着性冶具の一方の面とフェライト焼結体の他方の面とを密着させることが容易であり、かつ、微粘着性シート冶具の他方の面を作業台などに密着させることが容易である。したがって、前記微粘着性冶具が前記転圧手段により片面粘着シートの粘着面とフェライト焼結体とを接着させる際のフェライト焼結体の位置ずれを防止する。
【0026】
そして、上述した本発明の電磁ノイズ抑制部品が前記片面粘着シートに所定間隔をおいて複数配列されてなる電磁ノイズ抑制部品連接シートとすることで、本発明の電磁ノイズ抑制部品をフラットケーブルに取付する作業現場(作業工程)にて、当該連接シートから取り外すことが容易である。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、片面粘着シートの粘着面を所定間隔で並べられたフェライト焼結体に重ねながら転圧手段により上記片面粘着シートの粘着面とフェライト焼結体の一方の面とを貼着させることで、フェライト焼結体と片面粘着シートとの密着性が高められるため、上記フェライト焼結体と上記片面粘着シートの貼着面(接着面)に空洞(空隙)が出来難い。また同時に、上記転圧手段により微粘着性冶具の微粘着性面とフェライト焼結体の他方の面とが密着させられることで、フェライト焼結体の露出面に固着したセラミック粉が微粘着性シート冶具にて積極的に除去されることとなり、上記フェライト焼結体の露出面からのセラミック粉の飛散量が軽減される。前記フェライト焼結体の一方側から他方側に向かって転圧ローラ又は転圧スキージにより前記片面粘着シートの粘着面をフェライト焼結体に貼り合わせてゆくことで、上記貼着面に空洞(空隙)が形成されることなくフェライト焼結体と片面粘着シートとを貼着させることができる。前記微粘着性冶具が両面に微粘着性を有するゴム質材からなる微粘着性シートであることで、前記微粘着性冶具が前記転圧手段により片面粘着シートの粘着面とフェライト焼結体とを貼着させる際のフェライト焼結体の位置ずれを防止する。したがって本発明により、片面粘着シートとフェライト焼結体との貼着面に空洞がない電磁ノイズ抑制部品が得られる。
【0028】
前記フェライト焼結体が収納される取付け穴によりフェライト焼結体の外周側面を取り囲んで両面粘着シートが配されることで、位置ずれを生じさせたり損傷を与えること無く、しかも規則正しく配列した状態で組み立てられるとともに、仮にフェライト焼結体が割れてしまってもフェライト焼結体の破片やセラミック粉が周囲に飛散する心配がない。前記片面粘着シートの長手方向の一端にフラットケーブルの他方の側面で折り返すための巻き付け部が形成され、当該巻き付け部に前記両面粘着シートが配されていないことで、本発明の電磁ノイズ抑制部品をフラットケーブルから外れないようにオーバーラップさせてしっかりと巻きつけることができる。そして、上述した本発明の電磁ノイズ抑制部品が前記片面粘着シートに所定間隔をおいて複数配列されてなる電磁ノイズ抑制部品連接シートとすることで、本発明の電磁ノイズ抑制部品をフラットケーブルに取付する作業現場(作業工程)にて、当該連接シートから取り外すことが容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を引用しながら説明する。
【0030】
(本発明の電磁ノイズ抑制部品)
図1(a)は、本発明を適用した電磁ノイズ抑制部品1aの正面図である。図1(b)はそのA−A断面図であり、図1(c)はその側面図である。本実施の形態の電磁ノイズ抑制部品1aは、1対のフェライト焼結体2,2が所定間隔3dで片面粘着シート3の粘着面3bの内側に貼着(接着)されている(図1)。片面粘着シート3の材質としては、樹脂、紙、これらの複合材が挙げられる。本実施の形態では、片面粘着シート3の材質がポリエチレンテレフタレート(PET)である。片面粘着シート3の材質をPETとすることで難燃性を持たせることができる。また、透明なPETシートとすることで、フラットケーブル8の正面側と背面側に密着させる1対のフェライト焼結体2,2の位置合わせが容易である。さらに、上記片面粘着シート3とフェライト焼結体2との接着面に空洞が形成されていないことを視認できる。
【0031】
本発明の電磁ノイズ抑制部品1(1a、1b、1c、1d)は、後述する本発明の組立方法により片面粘着シート3とフェライト焼結体2の接着面には空洞がない(図5等を参照)。このため、フェライト焼結体2と片面粘着シート3との密着性が高く、片面粘着シート3が破れ難くなっている。
【0032】
図2(a)は、本発明を適用した電磁ノイズ抑制部品1bの正面図である。図2(b)はそのA−A断面図であり、図2(c)はその側面図である。本実施の形態の電磁ノイズ抑制部品1bは、1対のフェライト焼結体2,2が所定間隔3dで片面粘着シート3の粘着面3bの内側に貼着(接着)されている(図2)。片面粘着シート3の材質としては、樹脂、紙、これらの複合材が挙げられる。本実施の形態では、片面粘着シート3の材質が紙である。紙製の片面粘着シート3は樹脂製のものに比べて塑性加工し易いため変形させた状態を保持し易く、フェライト焼結体2,2を片面粘着シート3にめり込ませることが比較的容易である。図2(b)では、フェライト焼結体2,2を片面粘着シート3にめり込ませたことで、片面粘着シート3の当初厚み3taに対して、フェライト焼結体2,2がめりこんだ箇所の厚みが3tbとなっている(3ta>3tb)。フェライト焼結体2,2を片面粘着シート3にめり込ませることで、フェライト焼結体2,2の位置ずれを少なくさせるとともに、フェライト焼結体2,2の外周側面を片面粘着シート3で取り囲むことも可能である。また、紙シート3に通気性を持たせることで、その材質からも片面粘着シート3とフェライト焼結体2との接着面に空洞が形成されることを防止できる。
【0033】
図3(a)は、本発明を適用した電磁ノイズ抑制部品1cの正面図である。図3(b)はそのA−A断面図であり、図3(c)はその側面図である。本実施の形態の電磁ノイズ抑制部品1cは、1対のフェライト焼結体2,2が所定間隔4dで両面粘着シート4の粘着面4bの内側に貼着(接着)されている(図3)。本実施の形態では本実施の形態では、PET製の片面粘着シート3に厚手の紙質材からなる両面粘着シート4を重ね合わせることで、フェライト焼結体2,2を両面粘着シート4にめり込ませる量を確保している。図3(b)では、フェライト焼結体2,2を両面粘着シート4にめり込ませたことで、両面粘着シート4の当初厚み4taに対して、フェライト焼結体2,2がめりこんだ箇所の厚みが4tbとなっている(4ta>4tb)。そして、材質の異なる片面粘着シート3と両面粘着シート4を重ね合わせることで、フェライト焼結体2,2に加わる外部からの衝撃を吸収して、フェライト焼結体2,2の損傷を防止する。
【0034】
図4(a)は、本発明を適用した電磁ノイズ抑制部品1dの正面図である。図4(b)はそのA−A断面図であり、図4(c)はその側面図である。本実施の形態の電磁ノイズ抑制部品1dは、1対のフェライト焼結体2,2が所定間隔4dで片面粘着シート3の粘着面3bの内側に貼着されている。そして、フェライト焼結体2の外周側面を取り囲んで両面粘着シート4が配されている。すなわち、両面粘着シート4に形成された取付け穴4cにフェライト焼結体2が一つずつ収納されている。フェライト焼結体2の厚み2tは、両面粘着シート4の厚み4tよりも若干大きい(図1)。これは、後述する本発明の製造方法によるものであるが、予め両面粘着シート4の厚み4tとフェライト焼結体2の厚み2tを等しくしておくことで、組立後に剥離紙5から電磁ノイズ抑制部品1dを取り外すと剥離紙5の厚みの分だけフェライト焼結体2が両面粘着シート4から突出することとなる(図7等を参照)。フェライト焼結体の厚み2tが両面粘着シートの厚み4tと同じか若干(0.05mmから0.5mm程度)突出していることで、電磁ノイズ抑制部品1dをフラットケーブル8に巻き付ける際に、誤って両面粘着シート4が挟まれる心配がなく、スムーズにフラットケーブル8に巻き付けることができる。
【0035】
図5(a)は、本発明を適用した電磁ノイズ抑制部品1(1d)の使用態様を示す斜視図であり、図5(b)はそのA−A線断面図である。図5に例示された本発明の電磁ノイズ抑制部品1dの使用態様では、1対のフェライト焼結体2,2がフラットケーブル8の正面側と背面側に密着されている。本発明によれば、粘着剤(接着剤)やシート材等を介さずに、直接フェライト焼結体2,2がフラットケーブル8に密着されているので、粘着剤(接着剤)やシート材等を介す場合に比べて、より高い電磁ノイズ抑制効果が得られる。
【0036】
そして、本発明の電磁ノイズ抑制部品1(1a、1b、1c、1d)は、片面粘着シート3の長手方向の一端にはフラットケーブル8の他方の側面で折り返すための巻き付け部3cが形成されている。さらに、電磁ノイズ抑制部品1a、1b、1dの当該巻き付け部3cには両面粘着シート4が配されていない(図1、図2、図4)。このため、本発明の電磁ノイズ抑制部品1をフラットケーブル8から外れないように、オーバーラップさせてしっかりと巻き付けることができる(図5(b))。
【0037】
本発明の電磁ノイズ抑制部品1cと1dは、フェライト焼結体2,2の外周側面を取り囲んで両面粘着シート4が配され、さらに両面粘着シート4を覆うように片面粘着シート3が配されている(図3、図4)。このため、仮にフェライト焼結体2が割れてしまってもその破片やセラミック粉がフェライト焼結体の外周側面を取り囲んで配された両面粘着シート4に捕捉されることとなる。したがって、フェライト焼結体2の破片やセラミックが周囲に飛散する心配がない。
【0038】
(本発明の電磁ノイズ抑制部品連接シート)
図6は、本発明の電磁ノイズ抑制部品1a(又は1b)がシート状の剥離紙5に複数配列された状態の電磁ノイズ抑制部品連装シート11a(又は11b)を示す模式的図であり、図6(a)はその正面図を示しており、図6(b)はそのA−A線断面図を示しており、図6(c)はその背面図を示している。本発明の電磁ノイズ抑制部品1cについても上記と同様にシート状の剥離紙5に複数配列された状態の電磁ノイズ抑制部品連装シート11cとなる(図示せず)。また、図7は、本発明の電磁ノイズ抑制部品1dがシート状の剥離紙5に複数配列された状態の電磁ノイズ抑制部品連装シート11dを示す模式的図であり、図7(a)はその正面図を示しており、図7(b)はそのA−A線断面図を示しており、図7(c)はその背面図を示している。
【0039】
図6や図7に示すように、本発明の電磁ノイズ抑制部品1(1a、1b、1c、1d)が複数、規則的に配列されていることで梱包や搬送、及びフラットケーブル8への巻き付け作業(貼り付け作業)が容易である。図6や図7に示す実施例では、20組の電磁ノイズ抑制部品1がシート状の剥離紙5に等間隔で規則的に配列されている。
【0040】
(本発明の電磁ノイズ抑制部品の第1の組立方法)
図8は、本発明の実施形態の電磁ノイズ抑制部品連装シート11a(又は11b)の組立手順を示す工程フローチャートである。S1からS5は本作業であり、S11からS13は片面粘着シート3の予備加工作業である。本発明を適用した電磁ノイズ抑制部品1aがシート状の剥離紙5に複数配列された状態の電磁ノイズ抑制部品連装シート11aの組立方法を例にして以下に説明する。
【0041】
最初に、片面粘着シート3の予備加工作業を説明する。まず、片面粘着シート3をプレス機などの加工機に配置して(S11)、片面粘着シート3の剥離紙5で覆われた側のシート面にフェライト焼結体2を取り付けるための取付け穴5cをプレス機などの加工機にて打ち抜き加工する(S12)。つまり、剥離紙5を貫通させてフェライト焼結体2を取り付けるための取付け穴5cを形成する。加工機には打ち抜き用の刃物と位置決め用のピンが取り付けられた木型(又は金型)が取り付けられている。本実施の形態では、1つの木型で位置決め穴5dの打ち抜きと取付け穴5cの打ち抜きをほぼ同時に行っている。位置決め穴5dの打ち抜きでは、上記刃物が剥離紙5及び片面粘着シート3を貫通する。取付け穴5cの打ち抜きでは、上記刃物が剥離紙5を貫通するが、片面粘着シート3が切れ目が入らないように残す(図12を参照)。位置決め穴5dの役割は、シートの4隅に形成された位置決め穴5dに上記木型のピンを通しつつ取付け穴5cの打ち抜きを施すことで、上記シートの平坦な状態を維持させて上記複数の取付け穴5cが所定間隔で正確な位置に形成されるようにすることである。
【0042】
取付け穴5cの打ち抜き加工(S12)の後、不要な箇所の剥離紙を除去する(S13)。これにより、片面粘着シート3の剥離紙5で覆われた側のシート面にフェライト焼結体2を取り付けるための取付け穴5c(貫通穴5c)が形成された状態となる(図12を参照)。
【0043】
引き続き、電磁ノイズ抑制部品連装シート11aの本加工作業を説明する。まず、上記予備作業S13で作製した片面粘着シート3の剥離紙5の付いている面を上向きにして作業台(作業机)に配置する(S1)。次に、フェライト焼結体2を剥離紙5に形成された取付け穴5cに入れる(S2)。そして、微粘着性冶具6の微粘着性面6bを下向きにしてフェライト焼結体2に密着させる(S3、図12)。より詳しくは、転圧ローラ7a(転圧手段7)によりフェライト焼結体2の一方側から他方側に向かって微粘着性冶具6の微粘着性面6bを重ね合わせてゆく(図13)。これにより、微粘着性冶具6の微粘着性面6aとフェライト焼結体2の一方の面(図12では上面)2bとが密着させられるので、フェライト焼結体2の上面(露出面となる面)2bに固着したセラミック粉が微粘着性シート冶具6にて積極的に除去されることとなり、フェライト焼結体2の露出面2bからのセラミック粉の飛散量が軽減される。また同時に片面粘着シート3の粘着面3bとフェライト焼結体2の他方の面(図12では下面)2aとが密着させられるので、片面粘着シート3の粘着面3bとフェライト焼結体2との密着性を高められる。本実施の形態では、転圧手段7として転圧ローラ7aを使用した。これは、ゴム質材のシートからなる微粘着性冶具6に均一な外力を加えながらゴム質材のシートをフェライト焼結体2に密着させることが容易となるからである。
【0044】
微粘着性冶具6をフェライト焼結体2に重ね合わせて密着させて(S3)、微粘着性冶具6をワークから取り外すことでフェライト焼結体2の露出面2bに固着したセラミック粉を積極的に除去する。そして、プレス機などの加工機にて片面粘着シートの非粘着面3aに所定間隔のスリット3fや3gを形成する外形加工を行う(S4)。加工機には打ち抜き用の刃物と位置決め用のピンが取り付けられた木型(又は金型)が取り付けられている。片面粘着シート3の外形加工は、上記刃物が片面粘着シート3を貫通するが、剥離紙5は貫通せずに剥離紙5が切り取られないように残す(図6を参照)。片面粘着シート3の外形加工は、電磁ノイズ抑制部品1aとして不要な箇所の片面粘着シートを除去するための加工である。ここでの位置決め穴5dの役割は、片面粘着シート3の4隅に形成された位置決め穴5dに上記木型のピンを通しつつ片面粘着シート3の外形加工を施すことで、上記シートの平坦な状態を維持させて片面粘着シート3の外形加工が所定間隔で正確な位置に形成されるようにすることである。片面粘着シート3の外形加工(S4)の後、電磁ノイズ抑制部品1aとして不要な箇所の片面粘着シートを除去する(S5)。このようにして、電磁ノイズ抑制部品連装シート11aが完成する。
【0045】
(本発明の電磁ノイズ抑制部品の第2の組立方法)
図9は、本発明の実施形態の電磁ノイズ抑制部品連装シート11a(又は11b)の他の組立手順を示す工程フローチャートである。S1からS5は本作業であり、S11からS13は片面粘着シート3の予備加工作業である。ここで、図9に示す片面粘着シート3の予備加工作業(S11からS13)は、上述した図8に示す製造方法と同一であるためその説明を割愛する。また、図8に示す製造方法と重複する点については一部省略して相違点を主体的に説明する。本発明を適用した電磁ノイズ抑制部品11bがシート状の剥離紙5に複数配列された状態の電磁ノイズ抑制部品連装シート11bの組立方法を例にして以下に説明する。
【0046】
電磁ノイズ抑制部品連装シート11bの本加工作業を説明する。まず、微粘着性冶具6の微粘着性面6aを上向きにして作業台(作業机)に配置する(S1)。予め微粘着性冶具6の微粘着性面6aにはフェライト焼結体2の配置場所が印されている。また、微粘着性冶具6の下面6bについても微粘着性を有するものとする。次に、フェライト焼結体2を所定間隔で微粘着性冶具6に配置する(S2)。そして、上述した予備作業S13で作製した片面粘着シート3の剥離紙5の付いている面を下向きにしてフェライト焼結体2に密着させる(S3、図14)。より詳しくは、転圧スキージ7b(転圧手段7)によりフェライト焼結体2の一方側から他方側に向かって片面粘着シート3の剥離紙5の付いている面を貼り合わせてゆく(図15)。これにより、微粘着性冶具6の微粘着性面6aとフェライト焼結体2の一方の面(図14では下面)2bとが密着させられるので、フェライト焼結体2の下面(露出面となる面)2bに固着したセラミック粉が微粘着性シート冶具6にて積極的に除去されることとなり、フェライト焼結体2の露出面2bからのセラミック粉の飛散量が軽減される。また同時に片面粘着シート3の粘着面3bとフェライト焼結体2の他方の面(図14では上面)2あとが密着させられるので、片面粘着シート3の粘着面3bとフェライト焼結体2の密着性を高められる。本実施の形態では、転圧手段7として転圧スキージ7bを使用した。これは、紙質材のシートからなる片面粘着シート3に皺(巻き皺)が生じ難く片面粘着シート3を塑性加工することも比較的容易であるためである。そして片面粘着シート3の外形加工(S4)の後、電磁ノイズ抑制部品1bとして不要な箇所の片面粘着シートを除去する(S5)。このようにして、電磁ノイズ抑制部品連装シート11bが完成する。
【0047】
上述した図8と図9いずれの方法でも、本発明の実施形態の電磁ノイズ抑制部品連装シート11a(又は11b)が完成する。また、片面粘着シート3に両面粘着シート4を重ね合わせた電磁ノイズ抑制部品連装シート11c(図示せず)についても、片面粘着シートを片面粘着シートに両面粘着シートを重ね合わせたシートに置き換えることで上述した図8と図9いずれの方法でも、作製できる。
【0048】
(本発明の電磁ノイズ抑制部品の第3の組立方法)
図10は、本発明の実施形態の電磁ノイズ抑制部品連装シート11dの組立手順を示す工程フローチャートである。S1からS6は本作業であり、S11からS13は両面粘着シート4の予備加工作業である。本発明を適用した電磁ノイズ抑制部品1dがシート状の剥離紙5に複数配列された状態の電磁ノイズ抑制部品連装シート11dの組立方法を以下に説明する。
【0049】
最初に、両面粘着シート4の予備加工作業を説明する。まず、両面粘着シート4をプレス機などの加工機に配置して(S11)、両面粘着シート4の両面が剥離紙5で覆われた状態のシートにフェライト焼結体2を取り付けるための取付け穴4c及び5cをプレス機などの加工機にて打ち抜き加工する(S12)。取付け穴4cと5cは、同一形状で同一場所の取付け穴であるが、両面粘着シート4に形成された取付け穴を4cとして表しており、剥離紙5に形成された取付け穴を5cとして表している。加工機には打ち抜き用の刃物と位置決め用のピンが取り付けられた木型(又は金型)が取り付けられている。本実施の形態では、1つの木型で位置決め穴4d及び5dの打ち抜きと取付け穴4c及び5cの打ち抜きと両面粘着シート4に所定間隔のスリット4gを形成する外形加工をほぼ同時に行っている。位置決め穴4d及び5dの打ち抜きと取付け穴4c及び5cの打ち抜きは、上記刃物が両面粘着シート4及び剥離紙5を貫通する。両面粘着シート4の外形加工は、上記刃物が両面粘着シート4を貫通するが、剥離紙5は貫通せずに剥離紙5が切り取られないように残す(図16を参照)。ここで両面粘着シート4の外形加工は、不要な箇所の両面粘着シートを予め除去するための加工であり、巻き付け部3cに両面粘着シート4が配されないようにするための加工である(図4等を参照)。ここで位置決め穴4d及び5dの役割は、両面粘着シートの4隅に形成された位置決め穴4d及び5dに上記木型のピンを通しつつ取付け穴4c及び5cの打ち抜きを施すことで、上記シートの平坦な状態を維持させて上記複数の取付け穴4c及び5cが所定間隔で正確な位置に形成されるようにすることである。
【0050】
取付け穴4c及び5cの打ち抜き加工(S12)の後、不要な箇所の剥離紙や不要な箇所の両面粘着シートを除去する(S13)。これにより、両面粘着シート4の剥離紙5で覆われた側のシート面にフェライト焼結体2を取り付けるための取付け穴4c及び5c(貫通穴4c及び5c)が形成された状態となる(図16を参照)。
【0051】
引き続き、電磁ノイズ抑制部品連装シート11dの本加工作業を説明する。まず、微粘着性冶具6を作業台(作業机)に配置する(S1)。微粘着性冶具6の微粘着性面6aは、上向きである。本実施の形態の微粘着性冶具6は、両面6a,6bに微粘着性を有するゴム質材からなる微粘着性シートである。したがって、微粘着性冶具6の上面6aとフェライト焼結体2の下面2bとを密着させることが容易であり、かつ、微粘着性シート冶具6の下面6bを作業机などに密着させることが容易である。ここで微粘着性を有するゴム質材からなる微粘着性シートとは、より具体的には、例えばウレタンやネオブチレンなどの比較的摩擦係数の高いゴムシートの両面に微粘着性を有する粘着層を形成させたり、ゴムシートの両面に細かな模様を付けて摩擦係数を高くさせたものを用いる。ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの一方の面に微粘着性を有するゴム質材の粘着層を形成させて用いてもよい。
【0052】
微粘着性冶具6の配置(S1)の後、S13の作業で作製した両面粘着シート4の剥離紙5で覆われた面を下向きにして、微粘着性冶具6の上に重ねて配置する(S2)。両面粘着シート4の配置(S2)の後、フェライト焼結体2を両面粘着シート4と剥離紙5に形成された取付け穴4c及び5cに一つずつ収納する(S3)。そして、フェライト焼結体2の配置(S3)の後、片面粘着シート3の粘着面3bを下向きにして貼り合わせる(S4)。片面粘着シート3の粘着面3bを所定間隔で並べられたフェライト焼結体2に重ねながら、転圧手段7により片面粘着シートの粘着面3bとフェライト焼結体2の上面2aとを接着させることで、フェライト焼結体2と片面粘着シート3との密着性が高められる。また同時に、転圧手段7により微粘着性冶具6の微粘着性面6aとフェライト焼結体の下面2bとが密着させられることで、フェライト焼結体2の下面(露出面となる面)2bに固着したセラミック粉が微粘着性シート冶具6にて積極的に除去されるので、フェライト焼結体2の露出面2bからのセラミック粉の飛散量が軽減される。
【0053】
本実施の形態では、片面粘着シート3の粘着面3bを下向きにして、上記両面粘着シート4の上面4aやフェライト焼結体2の上面2aに重ね合わせながら、転圧ローラ7a(転圧手段)により、フェライト焼結体2の一方側から他方側に向かって(図17では右側から左側に向かって)片面粘着シートの粘着面3bと両面粘着シートの剥離紙で覆われていない面4aとフェライト焼結体の上面2aを貼り合せて接着させる(図17)。本実施の形態では転圧手段7として転圧ローラ7aを用いたが、転圧スキージでも支障ない。本実施の形態によれば、転圧ローラ7aによりフェライト焼結体2の一方側から他方側に向かって片面粘着シートの粘着面3bを貼り合わせてゆくことで、フェライト焼結体2の上面2aと片面粘着シートの粘着面3bとの間の空気がフェライト焼結体2の一方側から他方側に向かって押し出されることとなり、フェライト焼結体2と片面粘着シート3の接着面に空洞を形成する大きさの空気が閉じ込められることがない。したがって、フェライト焼結体2と片面粘着シート3の接着面に空洞(空隙)が形成されることがない。
【0054】
微粘着性冶具6をフェライト焼結体2に重ね合わせて密着させて(S4)、微粘着性冶具6からワークを取り外すことでフェライト焼結体2の露出面2bに固着したセラミック粉を積極的に除去する。そして、プレス機などの加工機にて片面粘着シートの非粘着面3aに所定間隔のスリット3fや3gを形成する外形加工を行う(S5)。加工機には打ち抜き用の刃物と位置決め用のピンが取り付けられた木型(又は金型)が取り付けられている。片面粘着シート3の外形加工は、上記刃物が片面粘着シート3を貫通するが、剥離紙5は貫通せずに剥離紙5が切り取られないように残す(図7を参照)。片面粘着シート3の外形加工は、電磁ノイズ抑制部品1dとして不要な箇所の片面粘着シートを除去するための加工である。ここでの位置決め穴5dの役割は、片面粘着シート3の4隅に形成された位置決め穴5dに上記木型のピンを通しつつ片面粘着シート3の外形加工を施すことで、上記シートの平坦な状態を維持させて片面粘着シート3の外形加工が所定間隔で正確な位置に形成されるようにすることである。片面粘着シート3の外形加工(S5)の後、電磁ノイズ抑制部品1aとして不要な箇所の片面粘着シートを除去する(S6)。このようにして、電磁ノイズ抑制部品連装シート11aが完成する。
【0055】
(本発明の電磁ノイズ抑制部品の第4の組立方法)
図11は、本発明の実施形態の電磁ノイズ抑制部品連装シート11dの他の組立手順を示す工程フローチャートである。S1からS6は本作業であり、S11からS13は両面粘着シート4の予備加工作業である。ここで、図11に示す両面粘着シート4の予備加工作業(S11からS13)は、上述した図10に示す製造方法と同一であるためその説明を割愛する。また、図10に示す製造方法と重複する点については一部省略して相違点を主体的に説明する。
【0056】
電磁ノイズ抑制部品連装シート11dの本加工作業を説明する。まず、片面粘着シート3の粘着面3bを上向きにして作業台(作業机)に配置して(S1)、上述した予備作業S13で作製した両面粘着シート4の剥離紙5の付いている面を上向きにして片面粘着シート3の粘着面3bに重ね合わせる(S2)。次に、フェライト焼結体2を剥離紙5と両面粘着シート4に形成された取付け穴5c及び4cに収納する(S3)。そして、微粘着性冶具6の微粘着性面6aを下向きにしてフェライト焼結体2に重ね合わせて密着させて(S4)、微粘着性冶具6をワークから取り外すことでフェライト焼結体2の露出面2bに固着したセラミック粉を積極的に除去する。そして、プレス機などの加工機にて片面粘着シートの非粘着面3aに所定間隔のスリット3fや3gを形成する外形加工を行う(S5)。片面粘着シート3の外形加工(S5)の後、電磁ノイズ抑制部品1dとして不要な箇所の片面粘着シートを除去する(S6)。このようにして、電磁ノイズ抑制部品連装シート11dが完成する。このような組立手順としても電磁ノイズ抑制部品連装シート11dを組み立てることができる。
【0057】
上述した本発明の電磁ノイズ抑制部品の組立方法は、組立作業にて特別な設備や冶工具を必要とせず、微粘着性冶具6(微粘着性シート6)と転圧ローラ7a(又は転圧スキージ7b)のみでフェライト焼結体2と片面粘着シート3と両面粘着シート4とをすばやく正確に組立てすることができる。そして、フェライト焼結体2を磁化(磁石化)させる可能性のある直流電流を使用する電磁モータ等や、強電界や強磁界を発生させる装置を一切使用しないで組立作業することが可能である。
【0058】
(実施例)
本実施の形態の図11の工程フローの組立手順により、電磁ノイズ抑制部品連装シート11dを製作した。電磁ノイズ抑制部品連装シート11dのサイズは、長さ240mm、巾100mmである。電磁ノイズ抑制部品1dのサイズは、長さ50mm、巾12mmである。フェライト焼結体2のサイズは、長さ12mm、巾7mm、厚み2tが0.5mmである。両面粘着シート4の厚み4tが0.4mmである。両面粘着シート4は、市販の両面粘着紙テープを用いた。片面粘着シート3は、UL規格適合品のPETフィルムの片面に粘着剤が形成された片面粘着シート3を用いた。PETフィルムは透明なものを用い、片面粘着シート3の厚みは0.025mmとした。出来上がった電磁ノイズ抑制部品1dのフェライト焼結体2の露出面2bを手で触ってみたところその表面がざらついていないことから、従来に比べて粉の付着が少なくなっていると推察する。一方で、微粘着性冶具6の微粘着性面6aには、赤褐色の粉が少なからず付着していることが視認できた。このことから、本実施の形態の組立方法によって、フェライト焼結体2の露出面2bに固着していたセラミック粉が微粘着性シート冶具6にて積極的に除去されたものと判断する。また、片面粘着シート3の非粘着面3aの側からフェライト焼結体2との接着面を観察したところ、目視で容易に確認できる大きさの空気の塊はなく、空洞はないものと推察する。
【0059】
以上、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば両面粘着シート4を2枚重ねて使用したり、3枚以上重ねて使用することもできる。このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明を適用した実施の形態の電磁ノイズ抑制部品を示す模式的図である。
【図2】本発明を適用した実施の形態の電磁ノイズ抑制部品を示す模式的図である。
【図3】本発明を適用した実施の形態の電磁ノイズ抑制部品を示す模式的図である。
【図4】本発明を適用した実施の形態の電磁ノイズ抑制部品を示す模式的図である。
【図5】上記実施の形態の電磁ノイズ抑制部品の使用態様を示す模式的図である。
【図6】上記実施の形態の電磁ノイズ抑制部品が複数配列された状態の電磁ノイズ抑制部品連接シートを示す模式的図である。
【図7】上記実施の形態の電磁ノイズ抑制部品が複数配列された状態の電磁ノイズ抑制部品連接シートを示す模式的図である。
【図8】本発明を適用した実施の形態の電磁ノイズ抑制部品の組立手順を示す工程フロー図である。
【図9】本発明を適用した実施の形態の電磁ノイズ抑制部品の組立手順を示す工程フロー図である。
【図10】本発明を適用した実施の形態の電磁ノイズ抑制部品の組立手順を示す工程フロー図である。
【図11】本発明を適用した実施の形態の電磁ノイズ抑制部品の組立手順を示す工程フロー図である。
【図12】本発明を適用した実施の形態の電磁ノイズ抑制部品の組立方法を示す模式的図である。
【図13】本発明を適用した実施の形態の電磁ノイズ抑制部品の組立方法を示す模式的図である。
【図14】本発明を適用した実施の形態の電磁ノイズ抑制部品の組立方法を示す模式的図である。
【図15】本発明を適用した実施の形態の電磁ノイズ抑制部品の組立方法を示す模式的図である。
【図16】本発明を適用した実施の形態の電磁ノイズ抑制部品の組立方法を示す模式的図である。
【図17】本発明を適用した実施の形態の電磁ノイズ抑制部品の組立方法を示す模式的図である。
【符号の説明】
【0061】
1、1a、1b、1c、1d 電磁ノイズ抑制部品、
11、11a、11b、11c、11d 電磁ノイズ抑制部品連装シート
2 フェライト焼結体、
3 片面粘着シート、
4 両面面粘着シート、
5 剥離紙、
6 微粘着性冶具(微粘着性シート)、
7 転圧手段、
7a 転圧ローラ、
8 フラットケーブル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェライト焼結体が貼着された片面粘着シートがフラットケーブルに巻き付けられた状態で使用される電磁ノイズ抑制部品において、
1対のフェライト焼結体がフラットケーブルの一方の側面で折り返すための折り返し間隔をあけて各々貼着され、フラットケーブルの正面側と背面側とに各々密着されるとともに、微粘着性面を有する微粘着性冶具と転圧手段とによって上記片面粘着シートに配列された当該1対のフェライト焼結体がその一方の端から他方の端へと順に加圧されることで片面粘着シートとフェライト焼結体との貼着面に空洞が生じないことを特徴とする電磁ノイズ抑制部品。
【請求項2】
前記片面粘着シートの粘着面側には両面粘着シートが備わり、当該両面粘着シートを貫通させて形成された取付け穴に前記フェライト焼結体が収納されることを特徴とする請求項1記載の電磁ノイズ抑制部品。
【請求項3】
前記片面粘着シートの長手方向の一端にはフラットケーブルの他方の側面で折り返すための巻き付け部が形成され、当該巻き付け部には前記両面粘着シートが配されていないことを特徴とする請求項1記載の電磁ノイズ抑制部品。
【請求項4】
請求項1ないし3いずれか一項記載の電磁ノイズ抑制部品が前記片面粘着シートに所定間隔をおいて複数配列されてなることを特徴とする電磁ノイズ抑制部品連接シート。
【請求項5】
フェライト焼結体が貼着された片面粘着シートがフラットケーブルに巻き付けられた状態で使用される電磁ノイズ抑制部品の組立方法において、
微粘着性冶具の微粘着性面を上向きに配置して、当該微粘着性冶具の上にフェライト焼結体を所定間隔で並べ、片面粘着シートの粘着面を下向きにして当該フェライト焼結体に重ねるか、又は、片面粘着シートの粘着面を上向きに配置して、当該片面粘着シートの上にフェライト焼結体を所定間隔で並べ、微粘着性冶具の微粘着性面を下向きにして当該フェライト焼結体に重ねて、
転圧手段により、上記片面粘着シートの粘着面と上記フェライト焼結体とをそれらの一方の端から他方の端へと順に加圧して貼着させて行くことを特徴とする電磁ノイズ抑制部品の組立方法。
【請求項6】
前記片面粘着シートの粘着面側には両面粘着シートが備わり、当該両面粘着シートを貫通させて形成された取付け穴に前記フェライト焼結体が収納されるものであり、
前記微粘着性冶具の微粘着性面を上向きに配置して、一方の粘着面が剥離紙で覆われ前記フェライト焼結体を収納するための取付け穴が形成された両面粘着シートの剥離紙で覆われた面を下向きにして前記微粘着性冶具に重ねて置き、前記フェライト焼結体を上記取付け穴に収納して、片面粘着シートの粘着面を下向きにして前記フェライト焼結体に重ねるか、又は、前記片面粘着シートの粘着面を上向きに配置して、一方の粘着面が剥離紙で覆われフェライト焼結体を取り付けるための取付け穴が形成された両面粘着シートの剥離紙で覆われていない面を下向きにして前記片面粘着シートに重ねて置き、前記フェライト焼結体を上記取付け穴に収納して、前記微粘着性冶具の微粘着性面を下向きにして前記フェライト焼結体に重ねて、
転圧手段により、前記片面粘着シートの粘着面と両面粘着シートの剥離紙で覆われていない面と前記フェライト焼結体とをそれらの一方の端から他方の端へと順に加圧して貼着させて行くことを特徴とする請求項5記載の電磁ノイズ抑制部品の組立方法。
【請求項7】
前記両面粘着シートを貫通させて取付け穴を形成すると同時に、前記片面粘着シートの長手方向の一端にフラットケーブルの他方の側面で折り返すための巻き付け部となる箇所の前記両面粘着シートを除去するための切れ目を形成することを特徴とする請求項6記載の電磁ノイズ抑制部品の組立方法。
【請求項8】
前記転圧手段は、転圧ローラ又は転圧スキージであることを特徴とする請求項5又は6記載の電磁ノイズ抑制部品の組立方法。
【請求項9】
前記微粘着性冶具は、両面に微粘着性を有するゴム質材からなる微粘着性シートであることを特徴とする請求項5又は6記載の電磁ノイズ抑制部品の組立方法。
【請求項10】
請求項5ないし9のいずれか一項記載の電磁ノイズ抑制部品が前記片面粘着シートに所定間隔をおいて複数配列されてなることを特徴とする電磁ノイズ抑制部品連接シートの組立方法。
【請求項1】
フェライト焼結体が貼着された片面粘着シートがフラットケーブルに巻き付けられた状態で使用される電磁ノイズ抑制部品において、
1対のフェライト焼結体がフラットケーブルの一方の側面で折り返すための折り返し間隔をあけて各々貼着され、フラットケーブルの正面側と背面側とに各々密着されるとともに、微粘着性面を有する微粘着性冶具と転圧手段とによって上記片面粘着シートに配列された当該1対のフェライト焼結体がその一方の端から他方の端へと順に加圧されることで片面粘着シートとフェライト焼結体との貼着面に空洞が生じないことを特徴とする電磁ノイズ抑制部品。
【請求項2】
前記片面粘着シートの粘着面側には両面粘着シートが備わり、当該両面粘着シートを貫通させて形成された取付け穴に前記フェライト焼結体が収納されることを特徴とする請求項1記載の電磁ノイズ抑制部品。
【請求項3】
前記片面粘着シートの長手方向の一端にはフラットケーブルの他方の側面で折り返すための巻き付け部が形成され、当該巻き付け部には前記両面粘着シートが配されていないことを特徴とする請求項1記載の電磁ノイズ抑制部品。
【請求項4】
請求項1ないし3いずれか一項記載の電磁ノイズ抑制部品が前記片面粘着シートに所定間隔をおいて複数配列されてなることを特徴とする電磁ノイズ抑制部品連接シート。
【請求項5】
フェライト焼結体が貼着された片面粘着シートがフラットケーブルに巻き付けられた状態で使用される電磁ノイズ抑制部品の組立方法において、
微粘着性冶具の微粘着性面を上向きに配置して、当該微粘着性冶具の上にフェライト焼結体を所定間隔で並べ、片面粘着シートの粘着面を下向きにして当該フェライト焼結体に重ねるか、又は、片面粘着シートの粘着面を上向きに配置して、当該片面粘着シートの上にフェライト焼結体を所定間隔で並べ、微粘着性冶具の微粘着性面を下向きにして当該フェライト焼結体に重ねて、
転圧手段により、上記片面粘着シートの粘着面と上記フェライト焼結体とをそれらの一方の端から他方の端へと順に加圧して貼着させて行くことを特徴とする電磁ノイズ抑制部品の組立方法。
【請求項6】
前記片面粘着シートの粘着面側には両面粘着シートが備わり、当該両面粘着シートを貫通させて形成された取付け穴に前記フェライト焼結体が収納されるものであり、
前記微粘着性冶具の微粘着性面を上向きに配置して、一方の粘着面が剥離紙で覆われ前記フェライト焼結体を収納するための取付け穴が形成された両面粘着シートの剥離紙で覆われた面を下向きにして前記微粘着性冶具に重ねて置き、前記フェライト焼結体を上記取付け穴に収納して、片面粘着シートの粘着面を下向きにして前記フェライト焼結体に重ねるか、又は、前記片面粘着シートの粘着面を上向きに配置して、一方の粘着面が剥離紙で覆われフェライト焼結体を取り付けるための取付け穴が形成された両面粘着シートの剥離紙で覆われていない面を下向きにして前記片面粘着シートに重ねて置き、前記フェライト焼結体を上記取付け穴に収納して、前記微粘着性冶具の微粘着性面を下向きにして前記フェライト焼結体に重ねて、
転圧手段により、前記片面粘着シートの粘着面と両面粘着シートの剥離紙で覆われていない面と前記フェライト焼結体とをそれらの一方の端から他方の端へと順に加圧して貼着させて行くことを特徴とする請求項5記載の電磁ノイズ抑制部品の組立方法。
【請求項7】
前記両面粘着シートを貫通させて取付け穴を形成すると同時に、前記片面粘着シートの長手方向の一端にフラットケーブルの他方の側面で折り返すための巻き付け部となる箇所の前記両面粘着シートを除去するための切れ目を形成することを特徴とする請求項6記載の電磁ノイズ抑制部品の組立方法。
【請求項8】
前記転圧手段は、転圧ローラ又は転圧スキージであることを特徴とする請求項5又は6記載の電磁ノイズ抑制部品の組立方法。
【請求項9】
前記微粘着性冶具は、両面に微粘着性を有するゴム質材からなる微粘着性シートであることを特徴とする請求項5又は6記載の電磁ノイズ抑制部品の組立方法。
【請求項10】
請求項5ないし9のいずれか一項記載の電磁ノイズ抑制部品が前記片面粘着シートに所定間隔をおいて複数配列されてなることを特徴とする電磁ノイズ抑制部品連接シートの組立方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
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【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
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【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2009−212419(P2009−212419A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−55906(P2008−55906)
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(508069327)北陸ハイライト工業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(508069327)北陸ハイライト工業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
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