説明

電磁場シミュレーション方法、電磁場シミュレーション装置、半導体装置の製造方法

【課題】計算時間を短縮できる電磁場シミュレーション方法、電磁場シミュレーション装置、半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】電磁場シミュレーション方法は、電磁波が伝播する媒質に基づいて与えられた計算領域に第1のメッシュを設定する工程と、第1のメッシュ上に割り当てられた媒質の特性値に基づいて、周波数領域解法により第1のメッシュ上での電磁場分布を算出する工程と、計算領域に第2のメッシュを設定する工程と、周波数領域解法により得た電磁場分布を、第2のメッシュに割り当てる工程と、第2のメッシュに割り当てた電磁場分布を、時間領域解法により所定の時間単位で更新する工程と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物と電磁場の相互作用を解析する電磁場シミュレーション方法、電磁場シミュレーション装置、半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、計算機技術の向上とハードウェア性能の向上に伴って、電磁波の伝播状態をマクスウェル方程式に従って精密に解くシミュレーション方法が幅広い分野で利用されるようになってきた(例えば、特許文献1)。
【0003】
このようなシミュレーション方法の一つとして、対象物(対象媒質)に計算領域上でメッシュを規定し、そのメッシュ上での電磁波の伝播状態を算出する方法があるが、対象媒質を精密に表現するため、また計算精度を維持するために、ある一定水準以上の細かさでメッシュを規定する必要がある。一方で近年、解析対象は複雑化していることから、計算に要するコスト及び計算時間が飛躍的に増大している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3993557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、計算時間を短縮できる電磁場シミュレーション方法、電磁場シミュレーション装置、半導体装置の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、電磁波が伝播する媒質に基づいて与えられた計算領域に第1のメッシュを設定する工程と、前記第1のメッシュ上に割り当てられた前記媒質の特性値に基づいて、周波数領域解法により前記第1のメッシュ上での電磁場分布を算出する工程と、前記計算領域に第2のメッシュを設定する工程と、前記周波数領域解法により得た前記電磁場分布を、前記第2のメッシュに割り当てる工程と、前記第2のメッシュに割り当てた前記電磁場分布を、時間領域解法により所定の時間単位で更新する工程と、を備えたことを特徴とする電磁場シミュレーション方法が提供される。
また、本発明の他の一態様によれば、電磁波が伝播する媒質の特性値を入力する入力装置と、前記媒質に基づいて与えられた計算領域に第1のメッシュを設定する処理と、前記第1のメッシュ上に割り当てられた前記媒質の前記特性値に基づいて、周波数領域解法により前記第1のメッシュ上での電磁場分布を算出する処理と、前記計算領域に第2のメッシュを設定する処理と、前記周波数領域解法により得た前記電磁場分布を、前記第2のメッシュに割り当てる処理と、前記第2のメッシュに割り当てた前記電磁場分布を、時間領域解法により所定の時間単位で更新する処理と、を実行する処理装置と、を備えたことを特徴とする電磁場シミュレーション装置が提供される。
また、本発明のさらに他の一態様によれば、電磁波が伝播する媒質に基づいて与えられた計算領域に第1のメッシュを設定する工程と、前記第1のメッシュ上に割り当てられた前記媒質の特性値に基づいて、周波数領域解法により前記第1のメッシュ上での電磁場分布を算出する工程と、前記計算領域に第2のメッシュを設定する工程と、前記周波数領域解法により得た前記電磁場分布を、前記第2のメッシュに割り当てる工程と、前記第2のメッシュに割り当てた前記電磁場分布を、時間領域解法により所定の時間単位で更新する工程と、前記時間領域解法により得られた電磁場分布に基づいて、リソグラフィ条件を設定する工程と、前記リソグラフィ条件に基づいて、半導体ウェーハ上に形成されたレジストにパターン潜像を転写する工程と、前記パターン潜像が転写されたレジストを現像し、前記レジストをパターニングする工程と、前記パターニングされたレジストをマスクにして、前記半導体ウェーハを処理する工程と、を備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、計算時間を短縮できる電磁場シミュレーション方法、電磁場シミュレーション装置、半導体装置の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態に係る電磁場シミュレーション方法を示すフローチャート。
【図2】本発明の実施形態に係る電磁場シミュレーション装置の構成を示すブロック図。
【図3】(a)は計算領域上に設定した第1のメッシュを、(b)は同計算領域上に設定した第2のメッシュを例示する模式図。
【図4】計算領域の規模と計算時間との関係を、周波数領域解法と時間領域解法とで比較したグラフ。
【図5】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す模式断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0010】
図1は、本発明の実施形態に係る電磁場シミュレーション方法を示すフローチャートである。図2は、本発明の実施形態に係る電磁場シミュレーション装置を示すブロック図である。
【0011】
図2に示すように、本実施形態に係る電磁場シミュレーション装置は、入力装置11と、処理装置12と、出力装置13と、記憶装置14とを有する。
【0012】
入力装置11は、処理装置12に対してデータや指令を入力する装置であり、例えばキーボードやマウスなどである。記憶装置14には、本シミュレーションに必要なプログラム及びデータがストアされる。処理装置12は、記憶装置14にストアされたプログラムを読み出し、そのプログラムにしたがって後述するシミュレーションを実行する。出力装置13は、入力装置11による入力結果、処理装置12の処理結果を出力し、例えばディスプレイやプリンターなどである。
【0013】
以下、本実施形態に係る電磁場シミュレーション方法について説明する。以下に説明する処理は、処理装置12によって実行される。
【0014】
図3(a)は、電磁波が伝播する解析対象媒質に基づいて与えられた、もしくは作成された計算領域を示す。この計算領域は3次元の空間として設定されるが、図示では2次元に模式化して表す。
【0015】
まず、ステップS1として、図3(a)に示すように、計算領域に第1のメッシュを設定する。すなわち、計算領域(空間)を複数の微小なメッシュ(セル)に分割して離散化する。
【0016】
このとき、電場計算用のメッシュと、磁場計算用のメッシュとが別々に設定される。例えば、電磁波における電場と磁場との位相差に応じて、電場計算用の第1のメッシュと磁場計算用の第1のメッシュとが相対的にずれて設定される。
【0017】
次に、ステップS2として、第1のメッシュ上に解析対象媒質の特性値を定義する。すなわち、各メッシュごとにそのメッシュ内の媒質の物性値を割り当てる。例えば、リソグラフィにおける露光工程をシミュレーションする場合には、マスクにおける光透過性基板、遮光膜、ハーフトーン膜などの物性値(誘電率、透磁率など)が、媒質の特性値として用いられる。
【0018】
上記媒質の物性値は、入力装置11により入力される。また、媒質を伝播する光(電磁波)の特性値(周波数、波長、強度、入射角、偏光状態など)も、入力装置11により入力される。
【0019】
次に、ステップS3として、上記第1のメッシュ上に割り当てられた媒質の物性値及び電磁波の特性値に基づいて、周波数領域解法により第1のメッシュ上での電磁場分布(各メッシュごとの電磁場)を算出する。周波数領域解法は、電磁波の定常状態を満たす関係式を解く方法であり、例えば、RCWA(rigorous coupled wave analysis)法を挙げることができる。
【0020】
媒質に電磁波が入射した直後の初期状態であって、時間的に変動しない定常状態に至る前の過渡的な状態の電磁場分布が、周波数領域解法によって算出される。
【0021】
次に、ステップS4として、図3(b)に示すように、計算領域に第2のメッシュを設定する。第2のメッシュは、第1のメッシュよりも細かく、第2のメッシュのサイズは第1のメッシュのサイズよりも小さい。
【0022】
次に、ステップS5として、上記周波数領域解法により得た第1のメッシュ上での電磁場分布を、第2のメッシュに割り当てる。
【0023】
第2のメッシュは第1のメッシュよりも細かく設定され、第2のメッシュにおけるメッシュの数は、第1のメッシュにおけるメッシュの数よりも多い。そこで、例えば、第1のメッシュ上での電磁場分布から、より細かいメッシュである第2のメッシュ上での電磁場分布を補間して算出する。
【0024】
例えば、第1のメッシュにおけるa1〜a4の各点(図3(b)に示す)の電磁場からの寄与分を平均した値として、第2のメッシュにおけるb点の電磁場を補間することができる。
なお、周波数領域解法による計算時に、その計算結果を低次の成分としてより高解像度の周波数空間メッシュに対して割り付けることで、第2のメッシュ上での電磁場分布を補間してもよい。
また、各メッシュにおける電磁場は、格子点での電磁場とすることに限らない。例えば、各メッシュの中心位置での電磁場として扱ってもよい。
【0025】
上記ステップS5までのステップにより、第2のメッシュにおける各メッシュごとの電磁場が得られる。第2のメッシュの設定においても、電場計算用のメッシュと磁場計算用のメッシュとが分けて設定され、電場計算用の各メッシュには電場が割り当てられ、磁場計算用の各メッシュには磁場が割り当てられる。
【0026】
次に、ステップS6として、第2のメッシュに割り当てられた電磁場分布を、時間領域解法により所定の微小時間単位で更新していく。
【0027】
時間領域解法は、時間を追って、解析対象媒質を伝播する電磁波の状態(電磁場)を算出していく方法である。時間領域解法として、例えば、マクスウェル方程式を空間・時間領域において差分化して解いて電磁場を求めるFDTD(finite difference time domain)法や、移流方程式を用いるCIP(constrained interpolation profile)法などを用いることができる。
【0028】
上記ステップS5で得られた第2のメッシュ上での電磁場分布を、媒質に電磁波が入射し定常状態に至る前の初期状態におけるある瞬間の電磁場分布であると設定し、その状態から電磁場分布を時間領域解法を用いて所定の微小時間単位で更新していく。これにより、解析対象媒質を伝播している電磁波の定常状態を表す電磁場分布を得ることができる。
【0029】
時間領域解法による計算時も、先のステップにおける周波数領域解法による計算時と同じ、媒質の物性値、電磁波の特性値を用いる。
【0030】
ここで、図4は、周波数領域解法と時間領域解法とで、計算領域の規模と計算時間との関係を比較したグラフを表す。横軸は計算領域の規模を、縦軸は計算時間を表す。aは周波数領域解法の特性を表し、bは時間領域解法の特性を表す。
【0031】
周波数領域解法は、計算領域の規模が小さければ、時間領域解法よりも高速に計算できる。しかし、計算領域の規模が大きくなると、すなわちメッシュの数が増大すると、周波数領域解法による計算時間は著しく増大してしまう。
【0032】
シミュレーション上は、電磁波が何もない空間に発生して解析対象の媒質へと伝播し始めるとして計算することから、電磁波の媒質への入射直後の初期状態において、実際の現象とは異なる伝播状態がシミュレーションされることがある。例えば、シミュレーションにおいては、媒質へ入射する最初の波面が不自然に崩れ、この崩れた波面の影響は媒質全体に伝播し、その影響がなくなるまで長い時間かかることがある。したがって、媒質に対する電磁波の入射直後の初期状態の電磁場分布を微小時間単位で更新する必要性は低く、かえって無駄に計算時間を費やしてしまうことになる。
【0033】
そこで、本実施形態では、上記波面の崩れの影響が収束するまでの初期状態では、時間を追って電磁場を算出せず、上記波面の崩れの影響がある程度収束した状態を、周波数領域解法を用いて算出する。すなわち、初期状態においては、所定時間ごとに何度も電磁場分布を算出しなくてよく、周波数領域解法による1回の計算だけで済ませることができる。これにより、初期状態の計算に無駄に時間を費やすことがなく、結果としてトータルの計算時間の短縮を図れる。
【0034】
しかも、周波数領域解法を適用する第1のメッシュは比較的粗く設定されることから、メッシュの数が小さく計算領域の規模が小さい。そのため、前述した図4のグラフaより、初期状態において比較的粗く設定された第1のメッシュ上で周波数領域解法を用いると非常に高速に計算を行うことができる。
【0035】
周波数領域解法により第1のメッシュ上での電磁場分布を算出した後、メッシュ及び解析方法を切り替える。すなわち、計算領域に設定するメッシュをより細かい第2のメッシュに切り替え、且つその第2のメッシュに割り当てられた電磁場分布を時間領域解法によって所定の微小時間単位で更新していく。これにより、定常状態の電磁場分布を高い精度で得ることができる。時間領域解法においては、メッシュの数が増大、すなわち計算領域の規模が大きくなっても、図4のグラフbに示すように、急激な計算時間の増加はない。
【0036】
以上説明したように、本実施形態によれば、電磁波が媒質に入射した直後の初期状態における電磁場分布の計算を周波数領域解法を用いて算出し、この後、周波数領域解法によって得られた電磁場分布を時間領域解法によって所定の微小時間単位で更新していくことで、高い計算精度を確保しつつトータルの計算時間を短縮でき、計算コストも低減することができる。
【0037】
なお、前述した処理を複数の処理装置で並列処理することで、よりいっそう計算時間を短くできる。すなわち、計算領域を複数に分割して、分割された各領域についての計算を複数の処理装置で並列に計算する。
【0038】
また、複雑な形状を内包する媒質を透過する光や、多層膜による反射光の伝播をシミュレーションする際には、解析対象の媒質に最初に光が入射してから定常状態になるまでに長い時間がかかることがある。このような場合にも、本実施形態によれば、定常状態の電磁場分布を短時間で算出することが可能である。
【0039】
3次元空間におけるx方向のメッシュ数をNx、y方向のメッシュ数をNy、z方向のメッシュ数をNzとすると、総メッシュ数(N=Nx×Ny×Nz)に、計算時間は依存する。
周波数領域解法による計算時間T_aは、Nに比例する。
時間領域解法による計算時間T_bは、N×Ntに比例する。Ntは計算のタイムステップ数で、計算の収束性が悪い系、例えば領域内に定義された形状が非常に複雑な場合には非常に大きな値となり、これが計算時間に影響を与える。
【0040】
なお、実際はプログラムの実装方法、たとえば対角化アルゴリズムの改良や、複数のCPU(central processing unit)を用いた並列化処理などの適用で、上記二つの手法の計算速度の関係は変わる。したがって、実装による速度差も考慮したうえで、上記の関係に基づきメッシュの数は決められる。
【0041】
本実施形態によるシミュレーション方法は、例えば、リソグラフィの分野における、マスク形状に基づく透過光の回折状態や、基板上でのトポグラフィ形状に基づく結像特性の計算などに利用することができる。
【0042】
図5(a)〜(c)は、本実施形態に係るシミュレーション方法を利用した一つの例として、半導体装置の製造方法を示す。
【0043】
まず、解析対象の媒質をマスク7として、前述したシミュレーションを行う。その結果、第2のメッシュ上での時間領域解法により得られた定常状態の電磁場分布が得られる。すなわち、マスク7を露光光が透過して定常状態となっているときの電磁場分布が得られる。
【0044】
そして、その結果に基づいて、リソグラフィ条件が設定される。ここでのリソグラフィ条件は、例えば、マスク設計値(マスクサイズ、マスク形状、パターンサイズ、パターン形状、パターンレイアウトなど)、露光条件(露光光の波長、入射角、その他光学的特性など)などである。
【0045】
次に、上記リソグラフィ条件に基づいて、半導体ウェーハ8上に形成されたレジスト9に対してパターン潜像を転写する。半導体ウェーハ8は、例えば、基板と、この基板上に形成された処理対象の膜(絶縁膜、半導体膜、金属膜など)を含む。
【0046】
具体的には、図5(a)に示すように、マスク7を用いてレジスト9に対して露光が行われる。マスク7は、露光光に対して透過性を有する基板1(例えば石英)に、遮光膜(もしくはハーフトーン膜)6が形成された構造を有する。この露光により、マスク7に形成されたパターンに対応するパターン潜像がレジスト9に転写される。露光後、現像を行って選択的にレジストを除去する。これにより、図5(b)に示すように、レジスト9がパターニングされる。
【0047】
次に、パターニングされたレジスト9をマスクにして、図5(c)に示すように、半導体ウェーハ8に対するエッチング、不純物導入などの処理が行われる。これにより、フォトマスク7に形成されたパターンに対応するパターンが形成された半導体装置が得られる。
【0048】
また、本実施形態に係るシミュレーション方法は、例えばEUV(Extreme Ultra Violet)光を用いたリソグラフィでの反射型マスクにおける反射状態の計算などにも適用することができる。その他、本実施形態に係るシミュレーション方法は、半導体プロセス以外の他の分野、例えば無線通信のアンテナ、光センサー、フォトニック結晶のような微細構造を伴うデバイスにおける電磁場の解析にも適用可能である。
【0049】
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、それらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0050】
7…マスク、8…半導体ウェーハ、9…レジスト、11…入力装置、12…処理装置、13…出力装置、14…記憶装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁波が伝播する媒質に基づいて与えられた計算領域に第1のメッシュを設定する工程と、
前記第1のメッシュ上に割り当てられた前記媒質の特性値に基づいて、周波数領域解法により前記第1のメッシュ上での電磁場分布を算出する工程と、
前記計算領域に第2のメッシュを設定する工程と、
前記周波数領域解法により得た前記電磁場分布を、前記第2のメッシュに割り当てる工程と、
前記第2のメッシュに割り当てた前記電磁場分布を、時間領域解法により所定の時間単位で更新する工程と、
を備えたことを特徴とする電磁場シミュレーション方法。
【請求項2】
前記第1のメッシュは、前記第2のメッシュよりも粗いことを特徴とする請求項1記載の電磁場シミュレーション方法。
【請求項3】
前記媒質に前記電磁波が入射した直後の初期状態の電磁場分布を、前記周波数領域解法により算出することを特徴とする請求項1記載の電磁場シミュレーション方法。
【請求項4】
電磁波が伝播する媒質の特性値を入力する入力装置と、
前記媒質に基づいて与えられた計算領域に第1のメッシュを設定する処理と、前記第1のメッシュ上に割り当てられた前記媒質の前記特性値に基づいて、周波数領域解法により前記第1のメッシュ上での電磁場分布を算出する処理と、前記計算領域に第2のメッシュを設定する処理と、前記周波数領域解法により得た前記電磁場分布を、前記第2のメッシュに割り当てる処理と、前記第2のメッシュに割り当てた前記電磁場分布を、時間領域解法により所定の時間単位で更新する処理と、を実行する処理装置と、
を備えたことを特徴とする電磁場シミュレーション装置。
【請求項5】
電磁波が伝播する媒質に基づいて与えられた計算領域に第1のメッシュを設定する工程と、
前記第1のメッシュ上に割り当てられた前記媒質の特性値に基づいて、周波数領域解法により前記第1のメッシュ上での電磁場分布を算出する工程と、
前記計算領域に第2のメッシュを設定する工程と、
前記周波数領域解法により得た前記電磁場分布を、前記第2のメッシュに割り当てる工程と、
前記第2のメッシュに割り当てた前記電磁場分布を、時間領域解法により所定の時間単位で更新する工程と、
前記時間領域解法により得られた電磁場分布に基づいて、リソグラフィ条件を設定する工程と、
前記リソグラフィ条件に基づいて、半導体ウェーハ上に形成されたレジストにパターン潜像を転写する工程と、
前記パターン潜像が転写されたレジストを現像し、前記レジストをパターニングする工程と、
前記パターニングされたレジストをマスクにして、前記半導体ウェーハを処理する工程と、
を備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−203834(P2011−203834A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−68450(P2010−68450)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】