説明

電磁式アクチュエータおよびこれを用いた光学機器のレンズ駆動機構

【課題】 本発明は、小型化が可能であると共に、低消費電力で応答性に優れたアクチュエータ及びこれを用いた光学機器のレンズ駆動機構を提供すること。
【解決手段】 本発明の電磁アクチュエータ1は、内部が空洞状のコイル3と、このコイル3を内包する磁性材料からなる筒体2と、コイル3の空洞内部に所定の隙間を有して配設したマグネット5と、このマグネット5を支持した棒状の支持軸7とを備え、
前記マグネット5は、コイル3の空洞内部に位置するセンターヨーク4を挟んで同じ磁極を対向させた一対が支持軸7に支持され、前記支持軸、または前記筒体のいずれか一方は、前記コイルに通電すると前記支持軸の軸方向に移動可能になっている

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁アクチェータおよびこれを用いた光学機器のレンズ駆動機構に係わり、デジタルカメラ等の補正レンズを移動可能な電磁アクチュエータおよびこれを用いた光学機器のレンズ駆動機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電磁アクチュエータおよびこれを用いた光学機器のレンズ駆動機構50を、特許文献1に基づいて説明すると、図8に示すように、従来の光学機器のレンズ駆動機構50には、補正レンズ51を保持する固定枠52が配設され、この固定枠52は、すべり軸受からなるメタル(一部断面で示す)を介して第1シャフト54上を摺動可能になっている。
また、第1シャフト54は、第1ホルダー55に取り付けられている。前記固定枠54は、第1シャフト54と同軸のコイルバネ56に挟まれて中立位置に保持されている。
【0003】
また、固定枠52には、扁平コイルからなるコイル57が取り付けられている。前記コイル57と、このコイル57の上方側に配設したマグネット(図示せず)と、コイル57の下方側に配設したヨーク58(一部断面で示す)とにより従来の電磁アクチュエータが構成されている。
そして、マグネットとヨーク58とで構成される磁気回路中にコイル57が配置されており、コイル57に所定の電流を通電することで、固定枠52が第1ホルダー55に対してY方向に駆動される。
また、コイル57の上方側に配設したマグネット(図示せず)は、第1ホルダー55の上方側に配設したステータ(図示せず)に取り付けられ、コイル57の下方側のヨーク58は、第2ホルダー59(一部断面で示す)に取り付けられている。
【0004】
前記第1のホルダー55は、X方向に延出する第2シャフト60上を摺動可能なメタル(すべり軸受)を内包するハウジング61を有しており、このハウジング61は、第2シャフト60と同軸のコイルバネ62に挟まれて中立状態に保持されている。
前記ハウジング61が第2ホルダー59に取り付けられて、第1ホルダー55は、第2ホルダー59に対してX方向に移動自在になっている。
また、第1ホルダー55には、固定枠52と同様にコイル63が設けられており、このコイル63と、第2ホルダー59に取り付けられたヨーク64及びヨーク64と、ストッパ65にて離間されたステータに取り付けられたマグネット(図示せず)とによりアクチュエータが構成されている。
【0005】
そして、ヨーク64とマグネットとで構成される磁気回路中にコイル63が配置されており、コイル63に所定の電流を通電することで、第1ホルダー55が第2ホルダー59に対してX方向に駆動される。
以上のように、従来の光学機器のレンズ駆動機構50がカメラに用いられていえう場合だと、それぞれのコイル57、63に通電することで、固定枠52がY方向に移動すると共に、第1ホルダー55がX方向に移動可能になっている。
このことにより、補正レンズ51がX方向及びY方向に移動操作されて、像ブレ補正が行われるようになっている。
【特許文献1】特許番号 第2641172号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、前述したような従来の光学機器のレンズ駆動機構50は、扁平コイルからなるコイル57、63の巻き軸に対して、略垂直方向(X方向またはY方向)に推力が発生するために、磁気効率が悪くなっていた。
そのために、補正レンズ51を駆動するためのアクチュエータを、応答性に優れたものとするには、コイル、マグネット、ヨークが大型となると共に、消費電力が増大するおそれがあった。
本発明は前述のような課題を解決して、小型化が可能であると共に、低消費電力で応答性に優れたアクチュエータ及びこれを用いた光学機器のレンズ駆動機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための第1の解決手段として本発明の電磁アクチュエータは、内部が空洞状のコイルと、このコイルを内包する磁性材料からなる筒体と、前記コイルの空洞内部に所定の隙間を有して配設したマグネットと、このマグネットを支持した棒状の支持軸とを備え、
前記マグネットは、前記コイルの空洞内部に位置するセンターヨークを挟んで同じ磁極を対向させた一対が前記支持軸に支持され、前記支持軸、または前記筒体のいずれか一方は、前記コイルに通電すると前記支持軸の軸方向に移動可能になっている特徴とする。
また、上記課題を解決するための第2の解決手段として、前記支持軸には、前記一対のマグネットの前記軸方向の外側に、それぞれサイドヨークが支持され、前記筒体は、前記サイドヨーク、前記マグネット、前記センターヨークを内包すると共に、前記センターヨークが位置する部分の前記筒体の内周面に前記コイルを固着したことを特徴とする。
【0008】
また、上記課題を解決するための第3の解決手段として前記支持軸は、それぞれの前記サイドヨークから前記軸方向の一方側と他方側とに所定長さで延長形成され、この延長部分が前記筒体の一端部側と他端部側とに配設した軸受け部に支持されて前記移動可能になっていることを特徴とする。
また、上記課題を解決するための第4の解決手段として前記筒体の動きを規制した状態で前記コイルに通電すると、前記支持軸が前記筒体内を前記移動可能となっていることを特徴とする。
【0009】
また、上記課題を解決するための第5の解決手段として本発明の光学機器のレンズ駆動機構は、請求項1乃至5のいずれかに記載の電磁アクチュエータの支持軸、またはコイルのいずれか一方の移動に連動して移動操作可能なレンズアッシーを備え、前記レンズアッシーには、所定の口径と明るさのレンズが組込みされており、前記電磁アクチュエータの支持軸、またはコイルのいずれか一方の移動に連動して前記レンズアッシーが、前記レンズの光軸と直交する任意の方向に移動可能になっていることを特徴とする。
また、上記課題を解決するための第6の解決手段として前記レンズアッシーは、レンズホルダーに支持されて前記移動可能となっており、前記レンズホルダーを前記移動可能に保持する筐体が配設され、前記レンズホルダーの外周側の直交する方向の前記筐体には、前記電磁アクチュエータの筒体を位置決め保持可能な第1、第2位置決め部がそれぞれ形成され、前記第1、第2位置決め部に位置決め保持したそれぞれの前記電磁アクチュエータの支持軸の両端部を支持する第1、第2保持レバーが配設され、
前記第1、第2保持レバーは、前記レンズホルダーにそれぞれ連結支持されて前記支持軸の移動方向と同方向に前記レンズホルダーと共に移動可能になっていることを特徴とする。
【0010】
また、上記課題を解決するための第7の解決手段として、前記第1、第2保持レバーと前記レンズホルダーとは、連結部によってそれぞれ前記連結支持され、第1保持レバーは、前記連結部を介して前記レンズホルダーに対し一方向にスライド可能に連結され、第2保持レバーは、前記連結部を介して前記レンズホルダーに対し前記一方向と直交する方向の他方向にスライド可能に連結されていることを特徴とする。
また、上記課題を解決するための第8の解決手段として、前記第1保持レバーには、前記一方向に所定長さの一対のスライド溝が形成され、前記第2保持レバーには、前記他方向に所定長さの一対のスライド溝が形成され、前記連結部は、それぞれの前記スライド溝と、このスライド溝に嵌合可能な前記レンズホルダーに立設した連結ピンとからなることを特徴とする。
【0011】
また、上記課題を解決するための第9の解決手段として、前記レンズホルダーの外周部からは、所定の間隔を有して3方向に突出する支持腕が形成され、前記筐体には、前記支持腕をそれぞれ摺動可能に支持する摺動支持部が形成されていることを特徴とする。
また、上記課題を解決するための第10の解決手段として、前記保持レバーは、弾性部材に弾性付勢され、前記電磁アクチュエータのコイルに無通電時における前記レンズアッシーは、前記弾性部材の付勢力が前記保持レバーを介して前記レンズホルダーに付勢されて、前記レンズの前記光軸が前記筐体の中心に位置する中立状態となることを特徴とする。
【0012】
また、上記課題を解決するための第11の解決手段として、前記レンズアッシーが前記中立状態の時の前記電磁アクチュエータは、前記保持レバーを介して支持軸が前記弾性付勢され、センターヨークがコイルのセンターに位置するようになっていることを特徴とする。
また、上記課題を解決するための第12の解決手段として、前記レンズホルダーの外周部には、前記第1保持レバーを連結した側と対向する側の一方向に延びる第1センサー腕と、前記第2保持レバーを連結した側と対向する側の他方向に延びる第2センサー腕とが形成され、第1、第2センサー腕のには、それぞれセンサーマグネットが取り付けされ、このセンサーマグネットと対向する側に磁気センサが配設されていることを特徴とする。
また、上記課題を解決するための第13の解決手段として、前記第1、第2保持レバーには、前記電磁アクチュエータの支持軸の長手方向の両端部を係合支持可能な係合支持部が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の電磁アクチュエータのマグネットは、コイルの空洞内部に位置するセンターヨークを挟んで同じ磁極を対向させた一対が支持軸に支持され、支持軸、または筒体のいずれか一方は、コイルに通電すると支持軸の軸方向に移動可能になっているので、センターヨークの外周全面をコイルの内面と対向させることができ、磁気効率を高めることができる。
そのために、応答性に優れ、小型化可能で低消費電力とすることができる。
また、支持軸には、一対のマグネットの軸方向の外側に、それぞれサイドヨークが支持され、筒体は、サイドヨーク、マグネット、センターヨークを内包すると共に、センターヨークが位置する部分の筒体の内周面にコイルを固着したので、
更に磁気効率を高めることができる。
【0014】
また、支持軸は、それぞれのサイドヨークから軸方向の一方側と他方側とに所定長さで延長形成され、この延長部分が筒体の一端部側と他端部側とに配設した軸受け部に支持されて移動可能になっているので、支持軸、または筒体のいずれか一方を迅速に確実に移動させることができる。
また、筒体の動きを規制した状態でコイルに通電すると、支持軸が筒体内を移動可能となっているので、移動する支持軸で外部の被動作部材を確実に移動させることができる。
【0015】
また、本発明の光学機器のレンズ駆動機構は、請求項1乃至5のいずれかに記載の電磁アクチュエータの支持軸、またはコイルのいずれか一方の移動に連動して移動操作可能なレンズアッシーを備え、前記レンズアッシーには、所定の口径と明るさのレンズが組込みされており、前記電磁アクチュエータの支持軸、またはコイルのいずれか一方の移動に連動して前記レンズアッシーが、前記レンズの光軸と直交する任意の方向に移動可能になっているので、磁気効率の高い電磁アクチュエータにより、レンズアッシーを応答性良く移動させることができる。
そのために小型化が可能で低消費電力の光学機器のレンズ駆動機構を提供できる。
また、レンズホルダーの外周側の直交する方向の筐体には、電磁アクチュエータの筒体を位置決め保持可能な第1、第2位置決め部がそれぞれ形成され、第1、第2位置決め部に位置決め保持したそれぞれの電磁アクチュエータの支持軸の両端部を支持する第1、第2保持レバーが配設され、
第1、第2保持レバーは、レンズホルダーにそれぞれ連結支持されて支持軸の移動方向と同方向にレンズホルダーと共に移動可能になっているので、レンズアッシーを任意の方向に応答性良く移動させることができる。
そのために、本発明のレンズ駆動機構をカメラ等の像ブレ補正等に用いることで、確実な像ブレ補正を行うことができる。
【0016】
また、第1、第2保持レバーとレンズホルダーとは、連結部によってそれぞれ連結支持され、第1保持レバーは、連結部を介してレンズホルダーに対し一方向にスライド可能に連結され、第2保持レバーは、連結部を介してレンズホルダーに対し一方向と直交する方向の他方向にスライド可能に連結されているので、電磁アクチュエータの駆動で、レンズアッシーを確実に移動させて、高精度な像ブレ補正等を行うことができる。
また、第1保持レバーには、一方向に所定長さの一対のスライド溝が形成され、第2保持レバーには、他方向に所定長さの一対のスライド溝が形成され、連結部は、それぞれのスライド溝と、このスライド溝に嵌合可能なレンズホルダーに立設した連結ピンとからなるので、第1、第2保持レバーを、連結部を介して確実にレンズホルダーに連結することができる。
【0017】
また、レンズホルダーの外周部からは、所定の間隔を有して3方向に突出する支持腕が形成され、筐体には、支持腕をそれぞれ摺動可能に支持する摺動支持部が形成されているので、移動するレンズホルダーの筐体に対する摺動抵抗を小さくできる。
また、保持レバーは、弾性部材に弾性付勢され、電磁アクチュエータのコイルに無通電時におけるレンズアッシーは、弾性部材の付勢力が保持レバーを介してレンズホルダーに付勢されて、レンズの前記光軸が筐体の中心に位置する中立状態となるので、コイルに対して無通電とすることで、レンズアッシーが自動的に中立状態となり、操作性に優れている。
【0018】
また、レンズアッシーが中立状態の時の電磁アクチュエータは、保持レバーを介して支持軸が弾性付勢され、センターヨークがコイルのセンターに位置するようになっているので、小さな電流で支持軸を移動させることができ、低消費電力とすることができる。
また、レンズホルダーの外周部には第1保持レバーを連結した側と対向する側の一方向に延びる第1センサー腕と、第2保持レバーを連結した側と対向する側の他方向に延びる第2センサー腕とが形成され、第1、第2センサー腕のそれぞれにはセンサーマグネットが取り付けされ、このセンサーマグネットと対向する側に磁気センサーが配設されているので、磁気センサによって移動するレンズアッシーの位置を確実に検出することができる。
また、第1、第2保持レバーには、電磁アクチュエータの支持軸の長手方向の両端部を係合支持可能な係合支持部が形成されているので、電磁アクチュエータの駆動力を確実に第1、第2保持レバーに伝達して移動させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に関する電磁アクチュエータおよびこれを用いた光学機器のレンズ駆動機構の実施の形態を図1〜図7に基づいて説明する。図1は本発明に関する電磁アクチュエータの斜視図であり、図2は図1の分解斜視図であり、図3は図1の要部断面図であり、図4は本発明の光学機器を説明する平面図であり、図5は図4の斜視図であり、図6は図4の分解斜視図であり、図7は図4の要部断面図である。
【0020】
まず、本発明の電磁アクチュエータ1を、図1〜図3に基づいて説明すると、外周部には、外形が略円筒状で横長状の筒体2が配設されている。前記筒体2は、鉄板等の磁性材料からなり、円筒状で所定厚さの周壁2aを有し、この周壁2aの長手方向が、所定の幅寸法の開口2bが切り欠き形成されている。
また、筒体2の周壁2aの内周面で、長手方向の略中央部には、内部が空洞状のコイル3が接着剤等で固着されている。即ち、コイル3は筒体2内部に内包されている。
【0021】
前記コイル3の円筒内部には、コイル3より幅狭でコイル3の内周面3aと所定の隙間を有して磁性材料からなるセンターヨーク4が配設されている。
前記センタヨーク4を挟んで、永久磁石からなる一対のマグネット5、5が互いに対向配置されている。前記マグネット5は、センターヨーク4の外径と同じ径寸法に形成されて、センターヨーク4を挟んで同じ磁極(例えばN極)を対向させた一対が、後述する支持軸7に支持されている。
前記センターヨーク4は、互いに対向するマグネット5の磁束が磁気飽和しない範囲の厚さに形成されている。
【0022】
また、一対のマグネット5、5の外側には、所定厚さの一対のサイドヨーク6、6が配設され、このサイドヨーク6、6は、外径寸法がマグネット5の外径より大きくて筒体2の内径より小さく形成されている。
前記センタヨーク4、マグネット5、サイドヨーク6は、円形中心にそれぞれ貫通孔4a、5a、6aが形成され、この貫通孔4a、5a、6aに棒状の支持軸7が挿通されて、センタヨーク4、マグネット5、サイドヨーク6が支持軸7に、圧入、あるいは接着剤等で固着されている。
即ち、支持軸7には、一対のマグネット5の軸方向の外側に、それぞれサイドヨーク6が支持され、筒体2は、サイドヨーク6、マグネット5、センターヨーク4を内包すると共に、センターヨーク4が位置する部分の筒体2の内周面にコイル3が固着されている。
【0023】
前記支持軸7は、アルミニウム等の非磁性材料からなり、長手方向の両端部がそれぞれのサイドヨーク6、6から軸方向の一方側と他方側とに所定長さで同寸法延長形成されている。
また、筒体2には、周壁2aの内周面で、長手方向の両端部側に、軸受け部材であるガイドブッシュ8が接着剤等で固着されている。
前記ガイドブッシュ8の円形中心に形成した軸孔8aには、支持軸7が矢印Aの一方向、矢印Bの他方向にスライド移動可能に嵌合している。
即ち、本発明の実施の形態では、筒体2、コイル3が固定部材9となって、後述する光学機器11側に取り付けられて固定され、センタヨーク4、マグネット5、サイドヨーク6、支持軸7が可動部材10となって、矢印A方向、矢印B方向に移動可能になっている。
【0024】
このような電磁アクチュエータ1は、図3に示すように、センターヨーク4をコイル3の幅方向の略センターに位置させた初期状態において、コイル3に所定電流を通電することにより発生する磁気回路が、それぞれのマグネット5、5の磁束R1、R2に作用して、可動部材10に推力が発生して支持軸7が、例えば矢印A方向に移動するようになっている。
そして、コイル3に通電する電流の向きを切り換えることで、可動部材10に逆方向の推力が発生して、支持軸7が矢印Aと反対方向の矢印B方向に移動するようになっている。
【0025】
本発明の電磁アクチュエータ1は、センターヨーク4の外周全面がコイル3の内周面3aと対向すると共に、サイドヨーク6の外周面が筒体2の周壁2a内周面と対向しているので、磁気効率を高めることができ、小型で低消費電力とすることができる。
また、可動部材10は、ガイドブッシュ8に指示軸7が支持されているので、円周方向へのガタ付きが無く、センターヨーク4の外周面とコイル3の内周面3aとのギャップ、サイドヨーク6の外周面と筒体2の内周面とのギャップを小さくすることができ、更に磁気効率を高めることができる。
【0026】
このような磁気効率の高い本発明の電磁アクチュエータ1は、可動部材10を大きな推力でスライド移動させることができ、外部の後述するレンズアッシー24等を移動させる時の応答性に優れている。
尚、本発明の実施の形態では、筒体2、コイル3を固定部材9とし、センタヨーク4、マグネット5、サイドヨーク6、操作軸7を可動部材10として説明したが、筒体2、コイル3を可動部材とし、センタヨーク4、マグネット5、サイドヨーク6、操作軸7を固定部材としたものでも良い。
【0027】
前述したような電磁アクチュエータ1を用いた本発明の光学機器のレンズ駆動機構11を、図4〜図7に基づいて説明すると、レンズ駆動機構11には、後述するレンズアッシー24を移動可能に支持する樹脂材料等からなる筐体12が配設されている。
前記筐体12は、外形が円形状で所定高さの周壁12aと、この周壁12aの下部側の底壁12bとにより、内部が凹状の空洞になっている。前記底壁12bの中心部には、後述するレンズアッシー24が嵌合してX−Y方向に所定量移動可能な大きさの孔部12cが形成されている。
また、周壁12bには、3方向の外側に延出する3つの取付腕12dが形成され、この取付腕12によってレンズ保持機構11が、例えばカメラ等の光学機器(図示せず)に取り付け可能になっている。
【0028】
また、孔部12c周囲の底壁12b上の3箇所には、第1〜第3摺動支持部13、14、15が所定高さで突出形成されている。前記第1摺動支持部13は、先端がアール状に形成されている。
また、第2摺動支持部14は、先端がアール状で高さが第1摺動支持部13と同じ支持部14aと、この支持部14aを挟んだ両サイドに支持部14aより高いストッパー部14b、14bが形成されている。
また、第3摺動支持部15は、第2摺動部14と同じように、先端がアール状で高さが第1摺動支持部13と同じ支持部15aと、この支持部15aを挟んだ両サイドに支持部15aより高いストッパー部15b、15bが形成されている。
前記第1〜第3摺動支持部13〜15に後述するレンズホルダー26に形成した3つの支持腕27が摺動支持可能になっている。
【0029】
また、周壁12a内面の3箇所には、周壁12aの補強を兼ねたリブ16が、周壁12aの高さ方向に延びて形成されている。また、図7に示す底壁12b上には、2個の電磁アクチュエータ1を位置決め保持するための第1、第2位置決め部17、18が互いに直交する方向に形成されている。
前記第1位置決め部17には、図4に示すように、電磁アクチュエータ1の筒体2の長手方向を位置決め保持可能な寸法を有して互いに対向する一対の位置決め壁17aが、周壁12aの内面から孔部12c側に延びて形成されている。
また、第2位置決め部18には、第1位置決め部17と同様に、一対の位置決め壁18aが形成されている。
【0030】
また、第1、第2位置決め部17、18近傍で底壁12b上の3箇所には、後述する第1〜第4弾性部材35〜38を支持可能なバネ支持部19が所定高さで突出形成されている。
また、それぞれのバネ支持部19近傍の周壁12a内面には、第1〜第4バネ受け部20〜23が形成されている。
また、孔部12c内には、レンズアッシー24が挿入されて配設されており、レンズアッシー24は、図6に示すように、上方の一方側が開放されて所定の口径と明るさの補正レンズ24aが組み込まれたレンズ鏡筒24bを有し、このレンズ鏡筒24bは、図示下方の他方側に所定の口径の開口24cが形成されている。
【0031】
前記底壁12bに形成した孔部12cの直径寸法は、レンズ鏡筒24bの直径寸法より大きく形成されているので、レンズアッシー24は、図6に示す光軸Pに対して直交する(図示水平方向)の任意の方向に所定量移動可能になっている。
前記レンズアッシー24は、樹脂材料等からなるレンズホルダー26に保持されており、このレンズホルダー26は、外形が略矩形状の基部26aが形成されている。前記基部26aの中心部には、レンズ保持孔26bが貫通形成され、このレンズ保持孔26bに嵌合させたレンジアッシー23が、接着剤等でレンズホルダー26に一体化されている。
【0032】
また、図4に示すレンズホルダー26には、Y方向である一方向の図示下方側に延出する第1センサー腕部26cと、Y方向の一方向と直交する他方向であるX方向の図示左側に延出する第2センサー腕部26dとが形成されている。また、基部26aの外周部には、3方向に突出して3つの支持腕27が形成され、この支持腕27は、筐体12の底壁12bに形成した第1〜第3摺動支持部13〜15に摺動可能に支持されている。
また、それぞれの支持腕27近傍の基部26aの3箇所には、所定高さで突出する凸部26eが形成され、この凸部26eの頂部と後述するカバー39との間に若干の隙間が形成されるようになっている。
【0033】
また、第1、第2センサー腕部26c、26dの下面と対向する筐体12の底壁12b上には、FPC(フレキシブル基板)からなるハーネス28が配設されて、周壁12aから筐体12外部に引き出しされている。
前記第1、第2センサー腕部26c、26dの下面側には、永久磁石からなるセンサーマグネット29が接着剤等で固着され、このセンサーマグネット29と対向する下方側のハーネス28上には、ホール素子等からなる磁気センサー30が半田付け等で配設され、レンズホルダー26がX−Y方向の水平方向に移動すると、この移動量を検出して、補正レンズ24aの位置を検出可能になっている。
【0034】
また、レンズホルダー26の基部26aには、図4に示す第1位置決め部17側に所定ピッチ寸法で、連結部を構成する2本の第1連結ピン31、31が立設され、第2位置決め部18側に所定ピッチ寸法で、連結部を構成する2本の第2連結ピン32、32が立設されている。
即ち、レンズホルダー26に形成した連結部を構成する第1、第2連結ピン31、32は、互いに直交する位置に形成されている。
【0035】
また、一対の第1連結ピン31には、樹脂材料等からなる第1保持レバー33が連結支持されている。前記第1保持レバー33は、図4に示すように、所定厚さで横長状の連結基部33aと、この連結基部33aの左右端部から上方側に延びて互いに対向する一対の軸支持部33b、33bとが形成されている。
前記連結基部33aには、図示上下方向の一方向に所定長さで縦長状の一対のスライド溝33c、33cが第1連結ピン31と同じピッチ寸法で形成され、スライド溝33cを第1連結ピン31に係合させることで、第1保持レバー33がレンズホルダー26に連結可能になっている。
【0036】
このような第1保持レバー33は、第1連結ピン31とスライド溝33cとによる連結部によって、レンズホルダー26に対して一方向であるY方向にスライド可能に連結されていると共に、第1位置決め部17に位置決め保持されて動きが規制された電磁アクチュエータ1の、矢印A方向、または矢印B方向への支持軸7の移動に連動して、同方向のX方向に移動可能になっている。
そして、第1保持レバー34がX方向に移動すると、連結部で連結支持されたレンズホルダー26も同じX方向に移動するようになっている。
【0037】
また、一対の第1連結ピン31と直交する方向に立設した第2連結ピン32には、樹脂材料等からなる第2保持レバー34が連結支持されている。前記第2保持レバー34は、図4に示すように、所定厚さで図示縦長状の連結基部34aと、この連結基部34aの図示上下端部から右側に延びて互いに対向する一対の軸支持部34b、34bとが形成されている。
前記連結基部34aには、X方向の他方向に所定長さで横長状の一対のスライド溝34c、34cが第2連結ピン32と同じピッチ寸法で形成され、スライド溝34cを第2連結ピン32に係合させることで、第2保持レバー34がレンズホルダー26に連結可能になっている。
【0038】
また、第2保持レバー34の互いに対向する軸支持部34b、34bの内面には、図7に示すように、電磁アクチュエータ1の支持軸7の先端部を係合支持可能な凹状の係合支持部34dが形成されている。
前記第1保持レバー33の互いに対向する軸支持部33bの内面にも、係合支持部34dと同様な係合支持部が形成されて、第1位置決め部17に位置決め保持した電磁アクチュエータ1の支持軸7の端部を係合支持可能になっている。
【0039】
このような第2保持レバー34は、レンズホルダー26に対して他方向であるX方向にスライド可能に連結されていると共に、第2位置決め部18に保持した電磁アクチュエータ1の支持軸7の矢印A、または矢印Bの上下方向への移動に連動して、同方向のY方向に移動可能になっている。
そして、第2保持レバー34がY方向に移動すると、レンズホルダー26も同じY方向に移動するようになっている。
【0040】
また、図4に示す第1位置決め部17の左側の位置決め壁17a近傍のバネ支持部19、及び第2位置決め部18の下方側の位置決め壁18a近傍のバネ支持部19には、それぞれ捻りコイルバネからなる第1弾性部材35と第4弾性部材38とが支持され、第1位置決め部17と第2位置決め部18との間のバネ支持部19には2個の第2、第3弾性部材36、37が支持されている。
そして、第1弾性部材35は、図示左側の一端部が第1バネ受け部20に弾性付勢すると共に、図示右側の他端部が第1保持レバー33の図示左側の軸支持部33bに弾性付勢している。
【0041】
また、第2弾性部材36は、図示左側の一端部が第1保持レバー33の図示右側の軸支持部33bに弾性付勢すると共に、図示右側の他端部が第2バネ受け部21に弾性付勢している。
また、第3弾性部材37は、図示上方側の一端部が第3バネ受け部22に弾性付勢すると共に、図示下方側の他端部が第2保持レバー34の図示上方側の軸支持部34bに弾性付勢している。
また、第4弾性部材38は、図示上方側の一端部が第2保持レバー34の図示下方側の軸支持部34bに弾性付勢すると共に、図示下方側の他端部が第4バネ受け部23に弾性付勢している。
【0042】
前記第1保持レバー33が第1、第2弾性部材35、36に弾性付勢されていることで、第1位置決め部17に値決め保持した電磁アクチュエータ1のコイル3に対して無通電時は、第1保持レバー33を介して支持軸7が弾性付勢されて、図3に示すように、センタヨーク4がコイル3の幅方向のセンターに位置するようになっている。
このような電磁アクチュエータ1のコイル3に無通電時におけるレンジアッシー23は、それぞれの弾性部材35〜38の付勢力が第1、第2保持レバー33、34を介してレンズホルダー26に付勢される。
このことにより、補正レンズ24aの光軸Pが筐体12の中心に位置する中立状態となるようになっている。
【0043】
また、筐体12上には、内部の空洞上部を遮蔽可能な金属板等からなるカバー39が配設され、このカバー39は、周壁12aの内径に嵌合可能な大きさの円形に形成され、中心部に、筐体12に形成した穴部12cと同じ大きさの穴部39が形成されている。
また、カバー39の外周部の3方向には、筐体12のリブ16に嵌合して位置決め可能な位置決め部39bがそれぞれ形成されている。
そして、カバー39は、筐体12の空洞内部にそれぞれの部材を組込み後、位置決め部39bにリブ16を嵌合させて、接着剤等で筐体12に固着されている。
【0044】
前述したような本発明の光学機器のレンズ駆動機構11の動作を説明すると、それぞれの電磁アクチュエータ1のコイル3に無通電時の初期状態においては、第1〜第4弾性部材35〜38の付勢力が、第1、第2保持レバー33、34を介して支持軸7に付勢されて、センターヨーク4がコイル3の幅方向のセンターに位置している。
そして、それぞれの電磁アクチュエータ1に無通電時の初期状態におけるレンズアッシー24は、補正レンズ24aの光軸Pが筐体12の中心(孔部12cの中心)に位置した中立状態となっている。
【0045】
このようなレンズアッシー24が中立状態において、図4に示す第1位置決め部17に位置決め保持した電磁アクチュエータ1のコイル3に所定の電流を通電し、支持軸7を例えば矢印B方向に移動させると、レンズホルダー26が、X方向の左方向に所定量移動する。
また、レンズアッシー24が中立状態において、第2位置決め部18に位置決め保持した電磁アクチュエータ1のコイル3に所定の電流を通電し、支持軸7を例えば矢印B方向に移動させると、レンズホルダー26が、Y方向の上方向に所定量移動する。
【0046】
また、第1、第2位置決め部17、18の両方の電磁アクチュエータ1の支持軸7を、矢印B方向、及び矢印A方向に移動させることで、レンズアッシー24が、補正レンズ24aの光軸Pと直交する任意の方向に移動させることができる。
このような本発明の光学機器のレンズ駆動機構11は、電磁アクチュエータ1が、応答性に優れているので、例えばカメラの像ブレ補正に用いることで、レンズアッシー24を任意の方向に瞬時に移動させることができ、高精度な像ブレ補正を行うことができる。
【0047】
更に、電磁アクチュエータ1が小型でも、応答性、動作安定を向上できる。そのために、本発明の光学機器のレンズ駆動機構11の小型化が可能であると共に、低消費電力とすることができる。
尚本発明のレンズ駆動機構11の実施の形態では、電磁アクチュエータ1を、レンズホルダー26の外周側の直交する方向の2箇所に配設したもので説明したが、レンズホルダー26の外周側の互いに対向する4箇所に配設したものでも良い。
【0048】
また、筐体12の第1、第2位置決め部17、18には、電磁アクチュエータ1の筒体2を位置決め保持して固定し、支持軸7を移動させるもので説明したが、支持軸7を固定して、筒体2を移動させるようにしたものでも良い。
即ち、本発明のレンズ駆動機構11は、支持軸7、または筒体2のいずれか一方の移動に連動して、レンズアッシー24が補正レンズ24aの光軸Pと直交する任意の方向に移動可能としたものでも良い。
また、本発明のレンズ駆動機構11をカメラに用いたもので説明したが、レンズを駆動しなければならない全ての光学機器、例えばプロジェクター等に使用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明に関する電磁アクチュエータの斜視図である。
【図2】図1の分解斜視図である。
【図3】図1の要部断面図である。
【図4】本発明の光学機器を説明する平面図である。
【図5】図4の斜視図である。
【図6】図4の分解斜視図である。
【図7】図4の要部断面図である。
【図8】従来の電磁アクチュエータを用いた光学機器のレンズ駆動機構の平面図である。
【符号の説明】
【0050】
1 本発明の電磁アクチュエータ
2 筒体
2a 周壁
2b 開口
3 コイル
4 センターヨーク
5 マグネット
6 サイドヨーク
7 支持軸
8 ガイドブッシュ
9 固定部材
10 可動部材
11 本発明の光学機器のレンズ駆動機構
12 筐体
13 第1摺動支持部
14 第2摺動支持部
15 第3摺動支持部
16 リブ
17 第1位置決め部
18 第2位置決め部
19 バネ支持部
20〜23 第1〜第4バネ受け部
24 レンズアッシー
24a 補正レンズ
24b レンズ鏡筒
26 レンズホルダー
27 支持腕
28 ハーネス
29 センサーマグネット
30 磁気センサー
31 第1連結ピン
32 第2連結ピン
33 第1保持レバー
33a 連結基部
33b 軸支持部
33c スライド溝
34 第2保持レバー
34a 連結基部
34b 軸支持部
34c スライド溝
34d 係合支持部
35〜38 第1〜第4弾性部材
39 カバー


【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部が空洞状のコイルと、このコイルを内包する磁性材料からなる筒体と、前記コイルの空洞内部に所定の隙間を有して配設したマグネットと、このマグネットを支持した棒状の支持軸とを備え、
前記マグネットは、前記コイルの空洞内部に位置するセンターヨークを挟んで同じ磁極を対向させた一対が前記支持軸に支持され、前記支持軸、または前記筒体のいずれか一方は、前記コイルに通電すると前記支持軸の軸方向に移動可能になっている特徴とする電磁アクチュエータ。
【請求項2】
前記支持軸には、前記一対のマグネットの前記軸方向の外側に、それぞれサイドヨークが支持され、前記筒体は、前記サイドヨーク、前記マグネット、前記センターヨークを内包すると共に、前記センターヨークが位置する部分の前記筒体の内周面に前記コイルを固着したことを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ。
【請求項3】
前記支持軸は、それぞれの前記サイドヨークから前記軸方向の一方側と他方側とに所定長さで延長形成され、この延長部分が前記筒体の一端部側と他端部側とに配設した軸受け部に支持されて前記移動可能になっていることを特徴とする請求項1、または2記載の電磁アクチュエータ。
【請求項4】
前記筒体の動きを規制した状態で前記コイルに通電すると、前記支持軸が前記筒体内を前記移動可能となっていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電磁アクチュエータ。
【請求項5】
請求項1乃至5のいずれかに記載の電磁アクチュエータの支持軸、またはコイルのいずれか一方の移動に連動して移動操作可能なレンズアッシーを備え、前記レンズアッシーには、所定の口径と明るさのレンズが組込みされており、前記電磁アクチュエータの支持軸、またはコイルのいずれか一方の移動に連動して前記レンズアッシーが、前記レンズの光軸と直交する任意の方向に移動可能になっていることを特徴とする光学機器のレンズ駆動機構。
【請求項6】
前記レンズアッシーは、レンズホルダーに支持されて前記移動可能となっており、前記レンズホルダーを前記移動可能に保持する筐体が配設され、前記レンズホルダーの外周側の直交する方向の前記筐体には、前記電磁アクチュエータの筒体を位置決め保持可能な第1、第2位置決め部がそれぞれ形成され、前記第1、第2位置決め部に位置決め保持したそれぞれの前記電磁アクチュエータの支持軸の両端部を支持する第1、第2保持レバーが配設され、
前記第1、第2保持レバーは、前記レンズホルダーにそれぞれ連結支持されて前記支持軸の移動方向と同方向に前記レンズホルダーと共に移動可能になっていることを特徴とする請求項5記載の光学機器のレンズ駆動機構。
【請求項7】
前記第1、第2保持レバーと前記レンズホルダーとは、連結部によってそれぞれ前記連結支持され、第1保持レバーは、前記連結部を介して前記レンズホルダーに対し一方向にスライド可能に連結され、第2保持レバーは、前記連結部を介して前記レンズホルダーに対し前記一方向と直交する方向の他方向にスライド可能に連結されていることを特徴とする請求項6記載の光学機器のレンズ駆動機構。
【請求項8】
前記第1保持レバーには、前記一方向に所定長さの一対のスライド溝が形成され、前記第2保持レバーには、前記他方向に所定長さの一対のスライド溝が形成され、前記連結部は、それぞれの前記スライド溝と、このスライド溝に嵌合可能な前記レンズホルダーに立設した連結ピンとからなることを特徴とする請求項7記載の光学機器のレンズ駆動機構。
【請求項9】
前記レンズホルダーの外周部からは、所定の間隔を有して3方向に突出する支持腕が形成され、前記筐体には、前記支持腕をそれぞれ摺動可能に支持する摺動支持部が形成されていることを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の光学機器のレンズ駆動機構。
【請求項10】
前記保持レバーは、弾性部材に弾性付勢され、前記電磁アクチュエータのコイルに無通電時における前記レンズアッシーは、前記弾性部材の付勢力が前記保持レバーを介して前記レンズホルダーに付勢されて、前記レンズの前記光軸が前記筐体の中心に位置する中立状態となることを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載の光学機器のレンズ駆動機構。
【請求項11】
前記レンズアッシーが前記中立状態の時の前記電磁アクチュエータは、前記保持レバーを介して支持軸が前記弾性付勢され、センターヨークがコイルのセンターに位置するようになっていることを特徴とする請求項10記載の光学機器のレンズ駆動機構。
【請求項12】
前記レンズホルダーの外周部には、前記第1保持レバーを連結した側と対向する側の一方向に延びる第1センサー腕と、前記第2保持レバーを連結した側と対向する側の他方向に延びる第2センサー腕とが形成され、第1、第2センサー腕のには、それぞれセンサーマグネットが取り付けされ、このセンサーマグネットと対向する側に磁気センサが配設されていることを特徴とする請求項6乃至11のいずれかに記載の光学機器のレンズ駆動機構。
【請求項13】
前記第1、第2保持レバーには、前記電磁アクチュエータの支持軸の長手方向の両端部を係合支持可能な係合支持部が形成されていることを特徴とする請求項6乃至12のいずれかに記載の光学機器のレンズ駆動機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−340518(P2006−340518A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−163000(P2005−163000)
【出願日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】